JP2014228744A - 発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発光素子の駆動回路に供給される制御信号の振幅が電源電圧以上に必要であるため、トランジスタを高耐圧にしなければならず、消費電力も大きくなる。
【解決手段】 発光素子(EL)、駆動回路(10)、電源電圧を供給する電源線(18)、電源電圧より絶対値の小さい電圧を供給する電圧線(11)、制御信号を供給する制御線(13−16)を有し、駆動回路(10)は、駆動トランジスタ(M1)、容量(C1)、ゲートとドレインの間に接続された第1スイッチ(M4)、ドレインと発光素子の間に接続された第2スイッチ(M6)、ソースと電圧線(11)の間に接続された第3スイッチ(M5)、ソースと電源線(18)の間に接続された第4スイッチ(M7)を含み、第1ないし第4スイッチは電界効果トランジスタであり、制御線(13−16)を介して供給される制御信号の振幅が電源電圧の絶対値より小さい発光装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 発光素子(EL)、駆動回路(10)、電源電圧を供給する電源線(18)、電源電圧より絶対値の小さい電圧を供給する電圧線(11)、制御信号を供給する制御線(13−16)を有し、駆動回路(10)は、駆動トランジスタ(M1)、容量(C1)、ゲートとドレインの間に接続された第1スイッチ(M4)、ドレインと発光素子の間に接続された第2スイッチ(M6)、ソースと電圧線(11)の間に接続された第3スイッチ(M5)、ソースと電源線(18)の間に接続された第4スイッチ(M7)を含み、第1ないし第4スイッチは電界効果トランジスタであり、制御線(13−16)を介して供給される制御信号の振幅が電源電圧の絶対値より小さい発光装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発光装置に関し、詳しくは発光装置に含まれる発光素子の駆動回路に関するものである。
有機EL素子や無機EL素子、LED(発光ダイオード)などの自発光素子は、それに流れる電流によって発光する電流駆動型の素子である。表示装置、電子写真プリンタの露光ヘッドなど、複数の発光素子を含む発光装置では、各発光素子に駆動回路が付随しており、駆動回路が輝度情報に応じた電流を発生させて発光素子に供給する。
駆動回路は、電流を生成し発光素子に供給するための、駆動トランジスタと呼ばれる電界効果トランジスタ(FET)を含んでいる。駆動トランジスタは、ゲート−ソース間に与えられる電圧によってドレイン電流が決まる、いわゆる飽和領域で動作する。
駆動回路はまた駆動トランジスタのゲートに一端が接続された容量を含んでおり、ゲート電圧はこの容量に保持される。
駆動トランジスタのドレイン電流は、閾値電圧に依存する。閾値電圧はトランジスタごとにばらつきがあり、そのために均一なドレイン電流が得られない。閾値電圧のばらつきを駆動回路の動作によって吸収し、閾値電圧によらないドレイン電流を生成する駆動回路が、特許文献1に提案されている。
特許文献1の駆動回路は、オートゼロ方式と呼ばれる。オートゼロとは、駆動回路の容量に電圧信号を書き込むに際して、駆動トランジスタのゲート−ドレイン間を短絡し、ドレイン電流をゲートに接続された容量に流す動作のことである。ドレイン電流がゲートを通じて容量に流れることによってゲート電圧が変化し、最終的にゲート−ソース間電圧が閾値電圧になる。
オートゼロが終了した後で、駆動トランジスタのゲートとソースのうち一方の電位を固定して他方の電位を信号電圧分だけ変化させると、ゲート−ソース間は、閾値電圧に信号電圧を上乗せした電圧になる。この電圧を保持して駆動トランジスタから発光素子に電流を流すことによって、閾値電圧に依存しない駆動電流が生成される。
オートゼロ動作に際して駆動トランジスタのゲート−ドレイン間を短絡するスイッチは、閾値電圧のばらつきを補償する動作を行うので、リセットスイッチと呼ばれる。
オートゼロ期間中はドレイン電流を容量に流す必要があるので、駆動トランジスタのドレインと発光素子の間にもスイッチを設け、オートゼロ期間中はこのスイッチをオフにする。このスイッチは、発光素子に流す電流をオン・オフで制御するので、発光制御スイッチと呼ばれる。
リセットスイッチ、発光制御スイッチともFETで構成される。リセットスイッチは、駆動トランジスタのゲートとドレインの間にソースとドレインの2つの端子をかけ渡し、ゲートに印加する電圧でオンとオフを制御する。発光制御スイッチは、駆動トランジスタのドレインと発光素子の一方の電極の間にソースとドレインをかけ渡し、同じくゲートに印加する電圧でオンとオフを制御する。
いま、駆動トランジスタがpチャネル型の電界効果トランジスタ(FET)であり、ドレインから発光素子のアノードにむけて電流が供給されるとする。
駆動トランジスタのゲートとドレインは、オートゼロ動作の開始に先立って、駆動トランジスタをできるだけコンダクタンスの大きい導通状態に保つため、駆動回路の最も低い電位すなわち、発光素子のカソード電位VOCOMに置かれる。オートゼロ期間中に、駆動トランジスタのゲートとドレインの電位は上昇し、オートゼロ動作の終了時にソース電圧(これは通常、電源電圧VOLEDに固定されている)から閾値電圧Vthだけ下がった電位になる。
オートゼロ期間中、駆動他ランジスタのゲートとドレインは駆動回路の最低電圧であるVOCOMから最高電圧に近いVOLED−Vthまで変化する。この期間、リセットスイッチはオン状態に、発光制御スイッチはオフ状態に保たれなければならない。
発光期間に切り替わると、リセットスイッチはオフ、発光制御スイッチはオンになる。発光素子に電流がほとんど流れない状態では、駆動トランジスタのゲート−ソース間は閾値電圧とほぼ等しく、発光素子に流れる電流がほぼゼロなのでドレインはVOCOM(=0V)に近い電圧になる。発光素子に電流が最も多く流れる状態では、駆動トランジスタのゲートはソースに比べて低くなり、ドレインは最大電流が流れたときの発光素子の端子間電圧VELになる。駆動トランジスタが飽和領域で動作するので、ゲートはドレインよりも電位が高い。
発光期間中、リセットスイッチのゲート側はVOLED近くの電圧がかかり、ドレイン側はVOCOMに近い電圧になる。発光制御スイッチは、両端電圧がVOCOMからVOCOM+VELの間にある。
結局、リセットスイッチは、端子電圧がVOCOMからVOLEDの範囲にわたってオン状態を保ち、同じ範囲にわたってオフ状態を保たなければならない。したがって、リセットスイッチをpチャネル型FET、nチャネル型FETのいずれで構成しても、制御信号は、H(high)レベルとしてVOLED近くの電圧、L(low)レベルの電圧としてVOCOM近くの電圧が必要である。振幅は駆動回路の電圧範囲いっぱいのVOLED−VOCOMになる。
発光制御スイッチは、一方の端子がVOCOMからVOLEDまで変化する間オフ状態を保ち、両端子がVOCOMからVOCOM+VELの電圧範囲にある間、オン状態を保つ必要がある。発光制御スイッチがnチャネル型FETであれば、制御信号は,LレベルがVOCOM、HレベルがVOCOM+VELであるから、VELの振幅ですむ。しかし、pチャネル型FETであれば、制御信号は,LレベルがVOCOM、HレベルがVOLEDでなければならず、駆動回路の電圧範囲いっぱいのVOLED−VOCOMの振幅になる。
以上は、駆動トランジスタがpチャネル型FETであるとした。駆動トランジスタがnチャネル型FETの場合も、電圧の高低と電流の向きを逆にし、スイッチを構成するFETの極性も逆にすれば、pチャネル型と同じ動作をする。したがって、リセットスイッチの制御信号は、駆動回路の電圧範囲と同じ振幅が必要であり、発光制御スイッチの制御信号は、それをpチャネル型FETで構成したときはVELの振幅ですむが、nチャネル型FETで構成したとき、駆動回路の電圧範囲と同じ振幅が必要になる。
駆動トランジスタのチャネル極性がn型かp型かに関わらず、少なくともリセットスイッチの制御信号は、振幅が電源電圧と同じかそれ以上になるので、電源電圧を大きくすると制御信号の振幅も大きくなる。しかし、スイッチとなるFETは、過剰な制御電圧をゲートに加えると破損するので、ゲートに与える制御信号の振幅は耐圧以上に大きくすることができない。このように、電源電圧を上げるには限界がある。また、制御信号の切り替えに要する消費電力も振幅とともに増大するから、消費電力の制約からも振幅を大きくすることは困難である。
本発明の目的は、電源電圧を高くしても、スイッチとなるFETの制御信号の振幅を小さく抑えることができる駆動回路を提供することである。
本発明は、発光素子と、前記発光素子を駆動する駆動回路と、前記駆動回路に電源電圧を供給する電源線と、前記駆動回路に前記電源電圧より絶対値の小さい電圧を供給する電圧線と、前記駆動回路に制御信号を供給する複数の制御線とを有する発光装置である。
前記駆動回路は、駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲートに一端が接続された容量と、前記駆動トランジスタのゲートとドレインの間に接続された第1スイッチと、前記駆動トランジスタのドレインと前記発光素子の間に接続された第2スイッチと、前記駆動トランジスタのソースと前記電圧線の間に接続された第3スイッチと、前記駆動トランジスタのソースと前記電源線の間に接続された第4スイッチとを含む。
ここで、前記第1ないし第4スイッチは、ソースとドレインがスイッチの両端子となり、ゲートに前記複数の制御線のいずれか1つから前記制御信号が供給される電界効果トランジスタであり、前記複数の制御線を介して前記第1ないし第4スイッチのゲートに供給される前記制御信号は、振幅が前記電源電圧の絶対値より小さい。
本発明によれば、制御信号の振幅を電源電圧より小さく設定することができ、制御信号の切り替えに伴う消費電力を小さく抑えることができる。
オートゼロ方式の駆動回路は、駆動トランジスタ(pチャネル型FETとする)と、駆動トランジスタのゲートに一端が接続された容量の他、駆動トランジスタのゲートードレイン間を短絡するリセットスイッチ(第1スイッチ)と、オートゼロ期間中、駆動トランジスタから発光素子に流れる電流を遮断する発光制御スイッチ(第2スイッチ)とを少なくとも備えている。
リセットスイッチおよび発光制御スイッチは、電界効果トランジスタ(FET)で構成されている。ソースとドレインがスイッチの両端子になり、ゲートが制御端子となる。制御端子に供給される制御信号は、H(high)レベルとL(low)レベルの高低2つの電圧レベルを持つ2値信号である。スイッチがpチャネル型FETのとき、Hレベルがオフ、Lレベルがオンを与える。nチャネル型FETのときは、Lレベルがオフ、Hレベルがオンを与える。
このような駆動回路において、上記の第1スイッチおよび第2スイッチとは別に、駆動トランジスタのソースと電源線の間を開閉するスイッチ(第4スイッチ)と、駆動トランジスタのソースと電源電圧より低い電圧を供給する電圧線の間を開閉するスイッチ(第3スイッチ)を設ける。そして、オートゼロ期間中、第4スイッチをオフにして駆動トランジスタのソースを電源から切り離し、第3スイッチをオンにして電源電圧より低い電圧源に接続する。すると、オートゼロ期間中の駆動トランジスタのゲートおよびドレインは、高々、この電源電圧より低い電圧源の電圧までしか上昇しない。したがって、リセットスイッチと発光制御スイッチの制御電圧は、Hレベルが高々この電源電圧より低い電圧源の電圧でよい。一方のLレベルは変わらないから、制御電圧の振幅を小さくすることができる。
以下、本発明の発光装置について、図面を参照して具体的に説明する。
1.駆動回路の構成
図1は本実施例の発光装置に含まれる有機EL素子と駆動回路の構成を示す回路図である。
図1は本実施例の発光装置に含まれる有機EL素子と駆動回路の構成を示す回路図である。
駆動回路10は、駆動トランジスタM1,保持容量C1、およびスイッチM2−M8を含んでいる。駆動回路10には、電源電圧VOLEDを供給する電源線18、基準電圧VOCOMを供給する基準電圧線19の他に、データ信号Vdataを伝えるデータ線11、参照電圧Vrefに設定されている参照電圧線12、およびプリチャージ電圧Viniに設定されているプリチャージ線17が接続され、駆動回路10に各電圧を供給する。駆動回路10には、さらに、スイッチM2−M8を制御する制御線13−16が配置されている。
駆動トランジスタM1のゲートには、保持容量C1の一方の端子が接続されている。ゲートはまた、スイッチM3を介してプリチャージ線17に接続され、さらに、スイッチM4を介して自身のドレインに接続される。保持容量C1のもう一方の端子は、スイッチM2を介して参照電圧線12に接続される。
駆動トランジスタM1のソースは、スイッチM7を介して電源線18に接続されるか、またはスイッチM5を介して参照電圧線12に接続される。また、スイッチM8によって、保持容量C1のゲートに接続されている端子と反対側の端子に接続される。
駆動トランジスタM1のドレインは、スイッチM4によってゲートに接続されるほか、スイッチM6を介して有機EL素子ELのアノードに接続される。
スイッチM2−M8はソースとドレインをスイッチの端子とするFETであり、制御線13−16からゲートに印加される制御信号P1−P4によってオンとオフが切り替えられる。制御信号P1はスイッチM3を、制御信号P2はスイッチM4を、制御信号P3はスイッチM2、M5,M6を、制御信号P4はスイッチM7、M8を、それぞれ制御する。
実際の表示装置や露光ヘッドにおいては、図1の駆動回路と有機EL素子が平面にマトリクスをなして配列しているか、または1次元ライン状に配列している。マトリクス配列した駆動回路は、マトリクスの行単位で順次データが書き込まれる。ライン配列している場合は、一斉にデータを書き込むか、またはラインをブロックに分けてブロック単位でデータを書き込む。
2.駆動回路の動作
実際の発光装置は、図1の発光素子と駆動回路の組が複数あり、ライン状、またはマトリクス状に配列している。
実際の発光装置は、図1の発光素子と駆動回路の組が複数あり、ライン状、またはマトリクス状に配列している。
図2は、駆動回路と発光素子が複数配列した発光装置の動作を表すタイミング図である。
制御信号P1−P4に付けたカッコつきの数字(1)、(2)、・・・(N)は、それぞれ第1行(または第1ブロック)、第2行(または第2ブロック)、・・・、第N行(または第Nブロック)の制御信号であることを示している。Nは行数またはブロック数であり、代表的な表示装置ではN=480である。また、M1_Vg(1)は、第1行(または第1ブロック)の駆動回路に含まれる駆動トランジスタM1のゲート電圧を意味している。以下、本明細書での電圧はすべて基準電圧線19の基準電圧VOCOMから測った電圧である。
時刻t0から時刻t2は、1行目の駆動回路が選択されてデータ信号が書き込まれる期間、時刻t2から時刻t4は、2行目の駆動回路が選択されてデータ信号が書き込まれる期間である。以下、順にデータが書き込まれて、時刻t5から時刻t7で、最終N行目の駆動回路が選択されてデータ信号が書き込まれ、1フレームの走査が完了する。以下、1行目の駆動回路について説明するが、2行目以降も同じ動作が繰り返される。
期間t0−t1は、1行目の駆動トランジスタの状態を初期化するプリチャージ期間である。制御信号P1(1)、制御信号P3(1)および制御信号P4(1)がHレベル、制御信号P2(1)がLレベルになる。2行目以降の制御信号は全てLレベルである。
スイッチM2、M3,M4,M5がオンになり、スイッチM6、M7、M8はオフになる。
駆動トランジスタM1のソースにデータ信号Vdataが印加され、ゲートとドレインにプリチャージ電圧Viniが設定される。駆動トランジスタM1のゲートソース間電圧VgsはVdata−Viniとなり、導通状態になる。
有機EL素子ELへの電流供給は停止されるので、アノードはカソードと等電位になり、ともに基準電圧VOCOMである。
保持容量C1の一端Vcは参照電圧Vrefになる。
プリチャージ動作により駆動トランジスタM1を導通状態にする目的は、オートゼロ動作の初期状態をそろえるためである。次のオートゼロ動作で駆動トランジスタM1が十分な電流を流せるように、Viniをできるだけ低い電位にすることが好ましい。通常、Viniは駆動回路の最低電位すなわちVOCOMに等しい電圧に設定される。
期間t1−t2でオートゼロ動作が実行される。
制御信号P1(1)がLレベル、P2(1),P3(1),P4(1)がHレベルになり、スイッチM3がオフ、スイッチM4がオンになる。駆動トランジスタM1のドレインからスイッチM4を通ってゲートに電流が供給され、ゲート電圧Vgが上昇する。ソース電圧VsはVdataのままである。有機EL素子には電流が流れないので、アノードもGNDのままである。
駆動トランジスタM1のゲート電圧Vgは、Vdata−Vthになるまで上昇する。この結果、時刻t2で保持容量C1の両端電圧dVは、
dV=Vref−(Vdata−Vth)
になり、駆動トランジスタM1の閾値電圧(Vth)にデータ電圧に対応した電圧(Vref−Vdata)が上乗せされて書き込まれたことになる。
dV=Vref−(Vdata−Vth)
になり、駆動トランジスタM1の閾値電圧(Vth)にデータ電圧に対応した電圧(Vref−Vdata)が上乗せされて書き込まれたことになる。
期間t2−t7は発光期間である。
時刻t2において制御信号P2(1)、P3(1),P4(1)がLレベルに変化し、スイッチM2、M4、M5がオフ、スイッチM6、M7、M8はオンになる。
保持容量C1の両端には、オートゼロ終了時のdV=Vref−(Vdata−Vth)の電圧が保持される。駆動トランジスタM1のソース電圧Vsと、スイッチM8によってそれに接続される保持容量の一端の電圧Vcは、ともにVOLEDになり、ゲート電圧VgはそれよりdVだけ低い電位になる。dVは、閾値電圧Vthにデータ電圧が(Vref−Vdata)の形で上乗せされた電圧であるから、この上乗せ分に応じた電流が駆動トランジスタM1によって生成され、有機EL素子が発光する。
有機EL素子のアノード電圧VaはカソードよりもVELだけ高くなる。駆動トランジスタのドレイン電圧Vdは、有機ELのアノード電圧VELに等しい。
VELは流れる電流の大きさによって変化し、電流ゼロのときはほぼ0Vである。実際には、発光が起きる最低の閾値電圧VthELがあり、電流を有限の値からゼロにしたときのVELは厳密には0Vではない。
時刻t2以降、第2行に駆動回路に同様の制御信号が印加され、プリチャージ、オートゼロ、発光の各動作が行われる。以下、行ごとに順次同じ動作が繰り返される。
データ電圧Vdataは、駆動トランジスタの生成する電流を、ゼロから最大輝度の電流までの範囲で変化させる信号電圧である。有機EL素子に電流を流さない黒表示のときのデータ電圧はVrefに等しく、最大の電流を流す白表示のときのデータ電圧はVref−Vpに等しい。ここで、Vpは、駆動トランジスタM1が最大電流を供給するときのゲート−ソース間電圧である。Vp>0である。
なお、pチャネル型FETからなるスイッチをオンにするゲート−ソース間電圧も同じVpであるとする。また、nチャネル型FETからなるスイッチをオンにするゲート−ソース間電圧をVn(>0)とする。図3は、スイッチの両端に一定電圧をかけたときの、制御信号の電圧(横軸)とスイッチを流れる電流(縦軸)の関係を示す図である。(a)はpチャネル型FET、(b)はnチャネル型FETで構成されるスイッチについての図である。制御信号電圧が閾値を超えて大きくなるにつれて、スイッチが導通していく様子が示されている。
スイッチをオンにする制御信号電圧は、それぞれ図のVpとVnで示されている。
データ電圧Vdataは、参照電圧Vrefを最大として振幅Vpの範囲にある。参照電圧Vrefを変えるとそれにつれてデータ電圧範囲も上下する。参照電圧Vrefを電源電圧VOLEDより低くすることにより、データ電圧範囲を低い電圧範囲にすることができる。ただし、オートゼロ動作が可能であるためには、Vdata−VthがつねにViniより高い電圧でなければならないから、Vref−Vp−Vth>Vini、したがってVrefの下限はVini+Vp+Vthである。
参照電圧Vrefを電源電圧VOLEDより低くするとき、各電圧の関係は
Vini<Vdata≦Vref<VOLED
となる。
Vini<Vdata≦Vref<VOLED
となる。
3.スイッチ両端の電圧
プリチャージ、オートゼロ、発光の各期間における、駆動トランジスタM1のゲート電圧Vg、ドレイン電圧Vd、ソース電圧Vs、保持容量のゲートと反対側の一端の電圧Vc、および有機EL素子のアノード電圧Vaをまとめると、表1のようになる。
プリチャージ、オートゼロ、発光の各期間における、駆動トランジスタM1のゲート電圧Vg、ドレイン電圧Vd、ソース電圧Vs、保持容量のゲートと反対側の一端の電圧Vc、および有機EL素子のアノード電圧Vaをまとめると、表1のようになる。
各期間におけるM4−M7の各スイッチの両端子の電圧は、表2のようになる。
表2で影をつけたところは、その期間、そのスイッチがオフであることを示し、影をつけないところはオンであることを示している。
4.制御信号の電圧レベル
表2から、各スイッチをオンとオフにする制御信号の電圧レベルを以下のよう決めることができる。
表2から、各スイッチをオンとオフにする制御信号の電圧レベルを以下のよう決めることができる。
(1)スイッチM2はnチャネル型FETで、参照電圧線12に接続されたほうの端子は常にVrefで、他方の端子電圧Vcはそれと同じかあるいはそれより高い。したがって、Vrefより閾値以上高い制御電圧がゲートに加えられたときオンになり、Vrefより低い制御電圧が加えられたときオフになる。したがって制御信号は、HレベルとしてVref+Vth2(Vth2はスイッチM2のFETの閾値電圧)、またはそれより高い電圧、LレベルとしてVrefまたはそれより低い電圧に設定する。
(2)スイッチM3はnチャネル型FETで、プリチャージ線17に接続されたほうの端子は常にViniで、他方の端子電圧Vgはそれと同じかあるいはそれより高い。したがって制御信号は、HレベルとしてVini+Vth2(Vth2はスイッチM2のFETの閾値電圧)またはそれより高い電圧、LレベルとしてViniまたはそれより低い電圧が必要である。
(3)スイッチM4もnチャネル型FETであるが、スイッチM2,M3と異なり両端電圧が変動する。時刻t0でスイッチM3がオンになった後は、ゲートに接続されたほうの端子電圧VgがViniになるので、これに対して閾値以上高いゲート電圧を加えることによりスイッチM4がオンになる。それによってドレインに接続されたほうの端子VdもViniになる。しかし、t1−t2の期間では、スイッチM4の両端電圧が揃って上昇して、時刻t2では最も高いVdata−Vthになる。Vdataは黒表示のとき最も高くVrefに等しいので、スイッチM4の端子電圧VgおよびVdの最高はVref−Vthとなる。スイッチM4はこのときにもオン状態を保っていなければならないから、制御信号のHレベルとしては、Vref−Vth+Vth4(Vth4はスイッチM4のFETの閾値電圧)、またはそれより高い電圧が必要である。
一方、時刻t2でスイッチM4がオフになり、その後駆動トランジスタM1のドレイン電圧VdがVELまで下がってもオフを保つためには、制御信号のLレベルはVELまたはそれよりも低い電圧でなければならない。有機EL素子の両端電圧VELは、黒表示のときに最も小さくほぼ0Vであるから、駆動トランジスタM1のドレイン電圧Vdは最も低いとき基準電位VOCOMになる。したがって、スイッチM4のLレベルは基準電位VOCOM以下でなければならない。
(4)スイッチM5もnチャネル型FETで、データ線11に接続されたほうの端子はVdataで、他方の端子電圧Vsはそれと同じかあるいはそれより高い。Vdataの最高電圧はVref、最低電圧はVref−Vpであるから、制御信号は、HレベルとしてVref+Vth5(Vth5はスイッチM5のFETの閾値電圧)またはそれより高い電圧、LレベルとしてVref−Vpまたはそれより低い電圧が必要である。
(5)スイッチM6はpチャネル型FETで、時刻t0以前は両端電圧VELである。これを時刻t0でオフにする。オフになった後は、t0−t1の期間に、駆動トランジスタM1のドレインに接続されたほうの端子電圧VdがViniに、有機EL素子ELのアノードに接続されたほうの端子電圧VaがVOCOMに低下し、その後のt1−t2の期間には端子電圧Vd,VaがそれぞれVdata−VthとVOCOMになる。両期間内で最も高い電位は、データ電圧がVrefのときで、Vref−Vthである。この電位に対してスイッチM6をオフに保つために、制御信号のHレベルは、Vref−Vth以上の電圧が必要である。一方、t2−t7のオン期間中は両端電圧がVELで、その最低電圧はVOCOMであるから、LレベルはVOCOM−Vth6(Vth4はスイッチM6のFETの閾値電圧。閾値電圧はすべて正とする)以下の電圧レベルでなければならない。
(6)スイッチM7もpチャネル型FETで、電源線18に接続された端子は常にVOLEDであるから、オフにするためにはVOLEDまたはそれより高いHレベルが必要である。オンにするためには、VOLED−Vth7(Vth7はスイッチM7のFETの閾値電圧)またはそれより低いLレベルが必要である。
(7)スイッチM8もpチャネル型FETで、オフのとき、両端電圧Vs,VcがそれぞれVdataとVrefになり、VrefのほうがVdataより高いから、制御信号のHレベルとして、Vrefまたはそれより高い電圧が必要である。時刻t2でオンになるが、スイッチM7が同時にオンになり、駆動トランジスタM1のソースに接続されたほうの端子電圧がVOLEDになる。したがって、Lレベルは、VOLED−Vth8(Vth8はスイッチM8のFETの閾値電圧)またはそれより低い電圧であればよい。
以上、(1)−(7)で述べた各スイッチの制御信号のHレベルとLレベルをまとめて表3に示す。
図4は、スイッチM2−M8のHレベルとLレベルの例を示した図である。太い実線がオンレベル、細い実線がオフレベルを表している。オフレベルは、M8を除いて表3の不等式で等号をとった値を採用し、M8のオフレベルはVOLEDにした。オンレベルは、表3の不等式で等号をとった値からオン方向に矢印で示すVn(nチャネル型)およびVp(pチャネル型)だけ離れた電圧を採用した。駆動トランジスタの閾値電圧Vthは0Vとした。各スイッチの閾値電圧もVnまたはVpより小さく、すなわち、Vth2<オンのときは閾値電圧を超えて十分コンダクタンスの大きい導通状態が実現できているとする。
5.各スイッチの制御信号の比較
表3と図4に示されているとおり、M2−M6の各スイッチは、参照電圧Vrefを基準としてHレベルが決まり、プリチャージ電圧Viniまたは基準電圧VOCOMを基準としてLレベルが決まっている。したがって、参照電圧Vrefを基準電圧VOCOMに近づけることによりHレベルとLレベルの間隔が狭まり、制御信号の振幅を小さくすることができる。
表3と図4に示されているとおり、M2−M6の各スイッチは、参照電圧Vrefを基準としてHレベルが決まり、プリチャージ電圧Viniまたは基準電圧VOCOMを基準としてLレベルが決まっている。したがって、参照電圧Vrefを基準電圧VOCOMに近づけることによりHレベルとLレベルの間隔が狭まり、制御信号の振幅を小さくすることができる。
これに対してスイッチM7とM8は、電源電圧VOLEDを基準にHレベルとLレベルが決まっており、参照電圧Vrefが変化してもレベルは変わらない。
このように、電源電圧VOLEDを高くする必要が生じたときでも、VrefをVOLEDより低い電圧にとどめておくことにより、各スイッチの制御信号の振幅を小さく抑えることができる。
スイッチM2−M6の制御信号P3は、HレベルをVref+Vnに設定し、LレベルをVOCOM−Vpに設定することができる。先に述べたように、VrefはVOLEDとは独立に設定することができる。nチャネル型FETのオンレベルVnは大きいほうが望ましいが、電源電圧VOLEDはそれよりも大きいので、Vref+VnがVOLEDより低い電位になるようにすることも可能である。これにより、制御信号P3の振幅Vref+Vn−(VOCOM−Vp)を電源電圧VOLEDより小さくすることができる。
一方、スイッチM7とM8の制御信号P4は、VOLEDとそこからVpだけ離れた電圧でHレベルとLレベルが決定される。振幅はVpとなり、これもVOLEDより小さい。
このように、いずれの制御信号も振幅を電源電圧より小さくすることができる。
スイッチM2−M6とM7−M8の違いは、後者が、オンのときに両端電圧がVOLEDになるのに対し、前者は高々Vref(に閾値電圧を上乗せした電圧)にしかならない点にある。
スイッチM7,M8のように、端子電圧がオン時にVOLEDになるスイッチは、nチャネル型FETで構成したときVOLEDをVnだけ上回る制御電圧を必要とし、pチャネル型FETで構成したときVOLEDからVpだけ低い制御電圧を必要とする。いずれにしてもVOLEDを基準にした電圧が必要である。
これに対し、スイッチM2−M6は、オン時には端子にVref以下の電圧しかかからないので、nチャネル型で構成する限り,Vref+Vn以下の制御電圧ですむ。また、M2のように、オンとオフの両方の制御電圧がVrefを基準に決められているスイッチはpチャネル型FETで構成することもできる。
6.制御線の共通化
表3のM2からM8までのスイッチは、それぞれを独立の制御信号で制御してもよいが、同じタイミングでオンとオフが切り替わるスイッチは、制御信号を共通にすることができる。また同じタイミングで一方がオンのとき他方がオフになる相補スイッチは、一方をnチャネル型、他方をpチャネル型のFETで構成することにより制御信号を共通にすることができる。
表3のM2からM8までのスイッチは、それぞれを独立の制御信号で制御してもよいが、同じタイミングでオンとオフが切り替わるスイッチは、制御信号を共通にすることができる。また同じタイミングで一方がオンのとき他方がオフになる相補スイッチは、一方をnチャネル型、他方をpチャネル型のFETで構成することにより制御信号を共通にすることができる。
図1の回路では、nチャネル型のスイッチM2、M5とpチャネル型のスイッチM6を共通の制御信号P3で制御している。この場合、P3のHレベルは、表3のM2、M5、M6のHレベルの条件不等式の共通範囲で決定される。Vth2とVth5のうちの大きいほうをVth25とすると、H≧Vref+Vth25である。また、P3のLレベルも、表3のM2、M5、M6のLレベルの条件不等式の共通範囲をとって、L≦VOCOM−Vth6となる。
また、同じpチャネル型FETのスイッチM7とM8も共通の制御信号P4で制御されている。
制御線の本数および異なる制御信号の数は、スイッチの数と同じである必要はなく、上のように共通化して少なくするほうが回路構成を簡単にすることができて好ましい。
図2のタイミングチャートでは、制御信号P3とP4は同じタイミングで切り替わる。しかし、制御信号P3で制御されるスイッチM2,M5,M6は、参照電圧Vrefを基準として制御信号レベルが決まるスイッチであるのに対し、制御信号P4で制御されるスイッチM7とM8は、電源電圧VOLEDを基準として制御信号レベルが決まるスイッチである。P3とP4を同じ制御信号にすると、信号レベルはVOLEDからVOCOMに至る全電圧範囲にわたってしまい、振幅を小さくすることができない。本実施例では、P3とP4のように同じタイミングの制御信号であっても、参照電圧を基準とする制御信号と電源電圧を基準とする制御信号を別にして、異なる制御線から電圧レベルの異なる制御信号として駆動回路に供給する。これによって、2つの制御信号の振幅をともに小さくすることが可能となる。
7.比較例
図5は比較例であって、図1の駆動回路のスイッチM5とM7をなくし、駆動トランジスタM1のソースを電源電圧に直結した回路である。データ線11のデータ信号Vdataは、スイッチM2を介して、保持容量C1のゲートに接続されていない方の端子に入力される。
図5は比較例であって、図1の駆動回路のスイッチM5とM7をなくし、駆動トランジスタM1のソースを電源電圧に直結した回路である。データ線11のデータ信号Vdataは、スイッチM2を介して、保持容量C1のゲートに接続されていない方の端子に入力される。
駆動トランジスタのソースが電源電圧VOLEDに固定されているので、オートゼロ動作期間中に、ゲート電圧とドレイン電圧はViniからVOLED−Vthまで上昇する。したがって、スイッチM4のオン(H)レベルとスイッチM6のオフ(H)レベルは、閾値電圧分は別としてVOLEDあるいはそれより高い電圧が必要となる。制御信号の振幅は電源電圧またはそれ以上になり、電源電圧の上昇に応じて振幅も大きくしなければならない。
8.駆動回路の変形例
本発明の駆動回路は図1に示したものに限らない。
本発明の駆動回路は図1に示したものに限らない。
図6は図1の回路の第1の変形例である。図1では、保持容量C1の駆動トランジスタのゲートに接続されていない方の端子は、発光期間にスイッチM8によって駆動トランジスタのソースに接続される。しかし、図6のようにソースに変わって別の固定電圧線20に接続し固定電圧VTを与えてもよい。
図7は図1の回路の第2の変形例である。図1では、プリチャージ期間とオートゼロ期間に、駆動トランジスタのソースがデータ線11に接続され、ゲートが保持容量C1を介して参照電圧線12に接続されているが、逆に、図7のように、駆動トランジスタM1のソースがスイッチM5によって参照電圧線12に接続され、ゲートが保持容量C1とスイッチM2を介してデータ線11に接続されていてもよい。その場合は、参照電圧Vrefは、データ電圧Vdataの変化範囲における最低電圧に一致する。
図8は第3の変形例で、図1の回路の駆動トランジスタM1の極性を反転させ、有機EL素子ELのアノードとカソードを逆転させた回路である。スイッチM2−M8も図1とはすべて逆のチャネル極性のFETを用い、図2のタイミングチャートで制御信号のHレベルとLレベルを入れ替えたものを用いる。電圧の高低と電流の向きが逆になる以外は、図1の回路についての議論がそのまま成り立つ。
図1および上記変形例1−3に示すように、本発明の駆動回路は、駆動トランジスタM1のゲートとドレインを接続するスイッチM4(第1スイッチ)と、駆動トランジスタのドレインと発光素子を接続するスイッチM6(第2スイッチ)を備えている。第1スイッチをオン、第2スイッチをオフさせることによってオートゼロ動作が可能になる。また、駆動トランジスタのゲートには容量の一端が接続されている。容量の他端は、データ電圧または定電圧が与えられる。
駆動回路にはさらに、駆動トランジスタM1のソースを電源線18に接続して電源電圧VOLEDをソースに印加するスイッチM7(第3スイッチ)と、駆動トランジスタM1のソースをデータ線11または参照電圧線12に接続するスイッチM5(第4スイッチ)が備えられている。第3スイッチがオフ、第4スイッチがオンになると、駆動トランジスタのソースにデータ電圧VDまたは参照電圧Vrefが供給されるが、これらの電圧は電源電圧VOLEDより低いので、制御信号の振幅を小さくすることができる。
第1スイッチないし第4スイッチは、オンのときに端子に電源電圧がかかるスイッチ(第4スイッチ)と電源電圧より絶対値の小さい電圧がかかるスイッチ(第1、第2、第3スイッチ)に区別される。2種類のスイッチは、制御信号の電圧レベルが異なり、オンのときに電源電圧がかかるスイッチの制御信号は電源電圧を基準にした電圧レベルが設定される。オンのときに電源電圧より絶対値が小さい電圧が印加されるスイッチの制御信号は、電源電圧より絶対値の小さい電圧レベルに設定される。
駆動トランジスタがnチャネル型FETで作られている回路では、電圧の高低と電流の向きを逆転すれば同じ動作になる。また、スイッチのチャネル極性もすべて反転することによって、制御信号の振幅を電源電圧の絶対値より小さくすることができる。
図9は、本発明の実施例であって、発光素子をライン状に配置した電子写真プリンタの露光ヘッドの構成図である。発光素子が発した光が(不図示の)ドラム状の感光体の表面に照射され、感光体が露光される。ドラムが回転して画像に対応した露光が完成する。
基板に、図1の有機EL素子ELと駆動回路10を含む画素3がライン状に配置されている。基板としてはガラスや樹脂などが用いられる。各画素の駆動回路10は、基板上に薄膜トランジスタ、容量、配線などを配置して形成される。駆動回路が形成された基板に、画素ごとに分離され、駆動回路と接続したアノードと、発光材料を含む有機層と、共通のカソードとを積層して、有機EL素子ELが形成される。
外部の回路から送られてくるディジタル階調信号D0は、データ処理回路8でn本のデータ電圧VD(1)−VD(n)に変換され、データ信号線4に出力される。データ処理回路8は、基板上にCOG法で実装されている集積回路チップである。
画素3はブロックに分けられ、各ブロックは、n個の画素(第1ブロックでは1−1,1−2、・・・1−n)を含んでいる。データ信号線4は、画素3にデータ電圧を供給し、走査回路7は、画素ブロック毎に制御信号(第1ブロックではP1(1)、P2(1)、P3(1)、P4(1))を出力する。制御信号P1、P2、P3、P4は、ブロック単位で画素3を制御する。
このほかに、電源VOLED、制御信号を作る電圧V1/V3とV2/V4が外部から与えられている。
図10は4つの制御信号P1−P4のHレベルとLレベルを示した図である。スイッチM2−M6制御信号P1はスイッチM3を制御し、制御信号P2はスイッチM4を制御し、制御信号P3はスイッチM2、M5,M6を制御し、制御信号P4はスイッチM7、M8を制御する。ここでは、V1からV4の4つの電圧(V1>V2>V3>V4)を設定し、制御信号P1−P3のHレベルとLレベルをそれぞれV2とV4とし、制御信号P4のHレベルとLレベルをそれぞれV1とV3とした。
各ブロックの走査回路7は、フリップフロップ回路9、4つの論理回路30a−30d、それらに付随した4つのバッファ回路31a−31d、ならびにレベルシフト回路6を含み、外部の回路から送られてくるクロック信号CK、反転クロック信号CKB、走査開始信号ST、制御信号P1−P4を生成する4つの論理信号P(P1i−P4i)によって動作する。
走査開始信号STが入ると、クロック信号CK、CKBによって、フリップフロップ回路9が走査開始信号STを画素ブロック毎に順次シフトしていく。論理回路30a−30dは、走査開始信号STがシフトされて入ってきたブロックでのみ、論理信号P1i−P4iを対応するバッファ回路31a−31dに送る。バッファ回路31a−31dは、それぞれ、論理信号P1i−P4iを与えられた振幅の制御信号P1−P4に変換して出力する。
図11はレベルシフト回路6の構成を示す回路図である。レベルシフト回路6は、V1とV3の電圧レベルを持つ制御信号からV2とV4の電圧レベルの制御信号を生成する。
バッファ回路31a−31dのうち、1−3番目のバッファ回路31a−31cは、V2/V4の電圧線から電圧を受けて、V2をHレベル、V4をLレベルとする制御信号P1−P3を出力する。4番目のバッファ回路31dは、論理回路30dから送られてきた論理信号P4iをレベルシフト回路6を経由して受け取り、V1/V3の電圧線から電圧を受けて、V1をHレベル、V3をLレベルとする制御信号P4を出力する。
バッファ回路31a−31dは、論理回路30a−30dから来る信号を、立ち上がりや立ち下がり特性を劣化させることなく増幅して出力するために、駆動能力が異なる複数のインバータ回路を縦属接続した回路で構成されている。縦属接続される複数のインバータ回路は、構成するトランジスタのチャネル幅が後段ほど大きくなり、後段になるほど駆動能力が高くなる。
露光ヘッドの幅(画素の並んでいるX方向と直角のY方向の幅)は、n本のデータ信号線4と画素3と走査回路7によって占められている。装置の小型化と低価格化のために、露光ヘッドの幅はできるだけ小さくすることが好ましい。
1つのブロックを70画素で構成すると70本のデータ信号線4が画素の上方に配置される。
1画素あたりのX方向の長さはプリンタの解像度で決まっており、600dpi(1インチ当たり600ドット)のプリンタでは42umであるから、1ブロック分の画素配列方向の長さは2.94mmになる。
この範囲に走査回路7が配置される。走査回路7を構成する各回路のX方向の長さを、レベルシフト回路6が0.2mm、フリップフロップ回路9が1.0mm、論理回路30とバッファ回路31の1組が0.4mmとすると、走査回路の全長は2.8mmとなる。これは1ブロックの長さ以下であるから、これらの回路を縦列配置する、すなわちX方向に1列に並べることが可能である。
データ信号線4の本数をn=70より減らしてデータ信号線4が占める幅を少なくすると、1ブロックあたりの走査回路の長さが短くなり、縦列配置ができなくなる。すると、レベルシフト回路などの走査回路の要素をY方向に並べることになり、走査回路の幅が大きくなってしまう。
ブロック内の画素数は、データ信号線4と走査回路7の占める幅が最も小さくなるように決定されることが好ましい。
本発明は、画素がマトリクス状に配置された表示装置にも適用できる。また、表示装置を含む電子機器にも適用可能である。
10 駆動回路
11 データ線
12 参照電圧線
13−16 制御線
17 プリチャージ線
18 電源線
19 基準電圧線
C1 保持容量
M1 駆動トランジスタ
M2−M8 スイッチ
P1−P4 制御信号
Vdata データ電圧
Vref 参照電圧
Vini プリチャージ電圧
EL 有機EL素子(発光素子)
11 データ線
12 参照電圧線
13−16 制御線
17 プリチャージ線
18 電源線
19 基準電圧線
C1 保持容量
M1 駆動トランジスタ
M2−M8 スイッチ
P1−P4 制御信号
Vdata データ電圧
Vref 参照電圧
Vini プリチャージ電圧
EL 有機EL素子(発光素子)
Claims (10)
- 発光素子と、前記発光素子を駆動する駆動回路と、前記駆動回路に電源電圧を供給する電源線と、前記駆動回路に前記電源電圧より絶対値の小さい電圧を供給する電圧線と、前記駆動回路に制御信号を供給する複数の制御線とを有し、
前記駆動回路は、駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲートに一端が接続された容量と、前記駆動トランジスタのゲートとドレインの間に接続された第1スイッチと、前記駆動トランジスタのドレインと前記発光素子の間に接続された第2スイッチと、前記駆動トランジスタのソースと前記電圧線の間に接続された第3スイッチと、前記駆動トランジスタのソースと前記電源線の間に接続された第4スイッチとを含む発光装置であって、
前記第1ないし第4スイッチは、ソースとドレインがスイッチの両端子となり、ゲートに前記複数の制御線のいずれか1つから前記制御信号が供給される電界効果トランジスタであり、
前記複数の制御線を介して前記第1ないし第4スイッチのゲートに供給される前記制御信号は、振幅が前記電源電圧の絶対値より小さいことを特徴とする発光装置。 - 前記第1ないし第3スイッチに供給される前記制御信号は、前記第4スイッチに供給される前記制御信号と、オンの電圧レベルおよびオフの電圧レベルが異なることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
- 前記第1ないし第3スイッチに供給される前記制御信号の一方の電圧レベルが、前記電源電圧より絶対値の小さい電圧によって決定される電圧であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
- 前記第4スイッチに供給される前記制御信号の高低2つの電圧レベルが、ともに前記電源電圧によって決定される電圧であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記第1ないし第3スイッチは、オンのとき、両端子に、前記電源電圧より絶対値の小さい電圧が印加されるスイッチであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記第4スイッチは、オンのとき、両端子に、前記電源電圧が印加されるスイッチであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記第3スイッチと前記第4スイッチは、チャネル極性が異なる電界効果トランジスタからなり、異なる前記制御線から、同じタイミングで一方をオン、他方をオフにする前記制御信号が供給されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記第2スイッチと前記第3スイッチは、チャネル極性が異なる電界効果トランジスタからなり、共通の前記制御線から前記制御信号が供給されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子と前記駆動回路が、ライン状に複数配列し、前記発光素子から照射される光によってドラム状の感光体を露光することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
- 前記ライン状に配列した発光素子と駆動回路がブロック単位で駆動され、ブロックごとに前記駆動回路にデータ信号を供給するデータ信号線と、ブロックごとに前記駆動回路に制御信号を供給する走査回路とが、前記前記ライン状に配列した発光素子と駆動回路に沿って配置されていることを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
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-
2013
- 2013-05-23 JP JP2013109145A patent/JP2014228744A/ja active Pending
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