JP2014228139A - 可撓伝動体用ガイド - Google Patents

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Abstract

【課題】係合構造の係合が容易になることで組立効率が向上し、係合部同士の衝突およびシューのバタツキにより発生する騒音が低減することで静粛性能が向上し、各係合部の摩耗および疲労が低減することで耐久性が向上するチェーンガイドを提供する。
【解決手段】チェーンガイド100のベース110とシュー150とは係合構造で結合される。孔部121および係合片161から構成される側縁係合構造は、長手方向でのベース110とシュー150との相対移動を規制する。溝部131およ係合片171からなる対面係合構造は、高さ方向でのベース110とシュー150との相対移動を規制する。係合片161,171は弾性変形可能な弾性係合要素であり、側縁係合構造および対面係合係合は、組付移動過程において生じる係合片161,171の弾性変形を経て係合状態になるスナップフィット構造である。
【選択図】図4

Description

本発明は、走行する可撓伝動体が摺接するシューと、該シューを支持するベースとが、係合構造により結合されている可撓伝動体用ガイドに関する。
このガイドは、例えば、可撓伝動体であるチェーンが摺接するチェーンガイドであり、例えば、自動車用エンジンに使用されるタイミング用巻掛け伝動装置に備えられる。
従来、走行する可撓伝動体が摺接する走行面を有するシューと、該シューを支持する支持面を有するベースとを備える可撓伝動体用ガイドにおいて、ベースおよびシューが、ベースのベース係合部とシューのシュー係合部とから構成される係合構造により結合されているものは知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
実公平7−36201号公報(第6欄第17行〜7欄第18行、第5〜8図) 特開2006−250208号公報(段落0019〜0021、図1〜5)
ベースとシューとが係合構造により結合されている可撓伝動体用ガイド、例えばチェーン用のガイドにおいて、ベースに対するシューの組付は、互いに対応する複数のベース係合部および複数のシュー係合部を、ガイドの長手方向および高さ方向の組合せやガイドの幅方向および長手方向の組合せなど、ガイドに対して異なる方向から係合させることにより行われたり、または、ガイドの長手方向に沿う方向を捩り中心線としてシューを捩りながら係合させることにより行われたりするため、手作業に依存しており、手間がかかる作業となっている。このため、ガイドの組立効率が低く、コストが増大する問題があった。
また、前述のようにしてベースに対してシューが組み付けられるときに、各ベース係合部と各シュー係合部との係合を容易にするために、ベース係合部とシュー係合部との間には、その係合状態においてガイドの長手方向での隙間(以下、「組付用隙間」という。)が形成される。この組付用隙間は、走行しているチェーンがシューに摺接することで発生する摩擦熱やガイドが置かれている環境の温度変化(例えば、エンジン温度の変化)により、熱膨張係数に基づくベースおよびシューの膨張(すなわち、熱膨張。以下、ベースおよびシューの熱膨張を「熱膨張」という。)および収縮(すなわち、熱収縮。以下、ベースおよびシューの熱収縮を「熱収縮」という。また、熱膨張および熱収縮を合わせて、「熱膨縮」という。)によるベースとシューとの間での伸縮量の差(以下、「熱伸縮量差」という。)を許容するための隙間(以下、「熱膨縮用隙間」という。)とは異なる。
なお、熱膨縮用隙間は、ガイドの設計上、予め設定された、常温における隙間である。また、常温とは、日本工業規格で規定されている常温である。
このような組付用隙間が設けられていると、互いに係合する係合部での長手方向隙間が、組付用隙間の分だけ大きくなるため、走行速度の変動や振動を伴うチェーンが摺接するシューが、チェーンとの間の摩擦により長手方向に移動する場合に、係合部同士が衝突するときの衝撃が大きくなる。そして、この衝突に起因して、衝突音によるガイドの騒音が増大する問題や、各係合部での摩耗および疲労の進行度合いが大きくなるために、各係合部の耐久性、ひいてはガイドの耐久性が低下する問題があった。
さらに、ベース係合部とシュー係合部との間に高さ方向隙間が存在すると、張力変動や振動などにより発生するチェーンのバタツキにより、シューが局部的にベースからガイド高さ方向に離れる現象、いわゆる浮上がりが発生して、シューにもバタツキが発生することがある。そして、このシューのバタツキによっても、ガイドの騒音が増大し、また各係合部の摩耗および疲労の進行度合いが大きくなる問題がある。
本発明は、前述の課題を解決するものであり、本発明の目的は、ベースおよびシューを互いに組み付けて結合するためのベース係合部およびシュー係合部の係合が容易になることで組立効率が向上すると共に、ベース係合部およびシュー係合部を係合させるための組付用隙間を減少させ、かつシューのバタツキを抑制することにより、それら係合部同士の衝突およびシューのバタツキにより発生する騒音が低減することで静粛性能が向上し、さらに前記衝突により発生する各係合部の摩耗および疲労が低減することで耐久性が向上する可撓伝動体用ガイドを提供することである。
本発明の、他の目的は、さらに、ベースおよびシューの熱膨張時、特に熱膨張時に、シューのバタツキにより発生する騒音が低減することで静粛性能が向上する可撓伝動体用ガイドを提供することである。
まず、請求項1に係る発明は、支持面および幅方向で前記支持面を挟んで位置する1対のベース側縁を有するベースと、走行する可撓伝動体が摺接する走行面および幅方向で前記走行面を挟んで位置する1対のシュー側縁を有するシューとを備え、前記ベースおよび前記シューが、前記ベースのベース係合部および前記シューのシュー係合部から構成される係合構造で結合されることにより、前記支持面が、前記シューの裏面にて前記シューを支持する可撓伝動体用ガイドにおいて、前記ベース係合部が、1以上の前記ベース側縁に設けられるベース側縁係合部と、前記支持面に設けられる支持面係合部とを有し、前記シュー係合部が、1以上の前記シュー側縁に設けられるシュー側縁係合部と、前記裏面に設けられる裏面係合部とを有し、互いに係合状態になる前記ベース側縁係合部および前記シュー側縁係合部が、側縁係合構造を構成し、互いに係合状態になる前記支持面係合部および前記裏面係合部が、対面係合構造を構成し、前記側縁係合構造が、前記係合状態で、長手方向および高さ方向のうちの、少なくとも長手方向における前記ベースと前記シューとの相対移動を規制しており、前記対面係合構造が、前記係合状態で、高さ方向における前記ベースと前記シューとの相対移動を規制しており、前記ベース側縁係合部および前記シュー側縁係合部の少なくとも一方と、前記支持面係合部および前記裏面係合部の少なくとも一方とが、弾性変形可能な1以上の弾性係合要素を有する弾性係合部であり、前記側縁係合構造および前記対面係合構造が、前記ベースに対する前記シューの組付時に前記シューが高さ方向で前記ベースに向かって相対的に移動する組付移動過程において生じる前記弾性係合要素の弾性変形を経て前記係合状態になるスナップフィット構造であることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の構成に加えて、前記側縁係合構造および前記対面係合構造のうちで、一方の構造が、前記ベースおよび前記シューの熱膨張時に高さ方向での係合力を増大させることにより、前記シューを前記支持面に押し付ける構造であり、他方の構造が、前記ベースおよび前記シューの熱収縮時に高さ方向での係合力を増大させることにより、前記シューを前記支持面に押し付ける構造であることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明の構成に加えて、少なくとも1つの前記ベース側縁には、前記組付移動過程において、前記ベースに対する前記シューの、長手方向および幅方向での移動を規制しつつ、高さ方向に沿って前記シューを案内する案内部が設けられていることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記ベース側縁係合部が、1以上のベース側縁係合要素から構成され、前記シュー側縁係合部が、前記ベース側縁係合要素と同数の前記弾性係合要素としてのシュー側縁係合要素から構成され、前記シュー側縁係合要素が、前記走行面よりも上方の位置で前記ベース側縁係合要素と係合する第1係合部位と、第2係合部位とを有し、前記第1係合部位が、前記係合状態で前記ベース側縁係合要素に対して下方から当接していて、前記ベースおよび前記シューの熱膨張時に前記ベース側縁係合要素に対する係合力を増大させ、前記第2係合部位が、前記係合状態で前記ベース側縁係合要素に対して上方から当接していて、前記ベースおよび前記シューの熱収縮時に、前記対面係合構造との協働により、前記ベース側縁係合要素に対する係合力を増大させることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明の構成に加えて、1対の前記ベース側縁には、長手方向で離隔していると共に高さ方向での1対の段差部と、前記1対の段差部に連なって長手方向に延びている底部とを有すると共に、下方に向かって凹んでいる切欠部が設けられ、前記底部が、前記ベース側縁係合要素であり、前記第1係合部位よりも上方の位置で前記ベース側縁係合要素と係合する前記第2係合部位が、前記切欠部内に配置されていることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項6に係る発明は、請求項4または請求項5に係る発明の構成に加えて、前記ベース側縁係合部が、1以上の第1ベース側縁係合要素と、前記ベース側縁係合要素である第2ベース側縁係合要素とから構成され、前記シュー側縁係合部が、前記第1ベース側縁係合要素と同数の前記弾性係合要素としての第1シュー側縁係合要素と、前記シュー側縁係合要素である第2シュー側縁係合要素とから構成され、前記第1シュー側縁係合要素が、前記第1ベース側縁係合要素に対して幅方向内側から高さ方向で係合していると共に、前記係合状態において前記第1ベース側縁係合要素に下方から当接していて前記ベースおよび前記シューの熱膨張時に前記第1ベース側縁係合要素に対する係合力を増大させ、前記第1係合部位が、前記第2ベース側縁係合要素に対して幅方向外側から高さ方向で係合していることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記支持面係合部が、前記支持面に開口するスリット空間を形成すると共に長手方向に延びているスリット部と、高さ方向で前記スリット部に連なると共に長手方向に延びている収容部とを有する1以上の溝部から構成され、前記収容部が、複数の幅広収容部と、前記幅広収容部の横幅よりも小さい横幅の複数の幅狭収容部とが、長手方向に1つずつ交互に連なって配列されて構成され、前記裏面係合部が、前記収容部に収容されるシュー対面係合部位と、前記裏面に接続されて前記シュー対面係合部位を支持する支持部とを有する1以上の前記弾性係合要素としての係合片から構成され、前記スリット部の横幅が、前記シュー対面係合部位の横幅よりも小さく、幅方向での前記幅狭収容部の大きさは、前記幅狭収容部に収容されている前記シュー対面係合部位が幅方向で接触する大きさであり、前記シュー対面係合部位が、前記組付移動過程における前記スリット部との接触による弾性変形を経て位置する前記収容部内において、前記溝部との係合により、上方への前記シューの移動を規制し、かつ、前記シューの熱膨縮時に、長手方向で1以上の前記幅広収容部または1以上の前記幅狭収容部で移動可能であることにより、前述の課題を解決したものである。
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明の構成に加えて、前記溝部が、長手方向で前記支持面の全長に亘って連続して形成され、前記幅広収容部が形成する幅広収容空間が球状であり、前記シュー対面係合部位が、幅方向での片側に球状面を有する半球体であることにより、前述の課題を解決したものである。
本発明に関連して、長手方向は、可撓伝動体用ガイドの長手方向であり、可撓伝動体の走行方向に沿って延びているシューの走行面に沿う方向である。また、幅方向は、ガイドの幅方向であり、仮想平面に直交する方向である。高さ方向は、ガイドの高さ方向であり、仮想平面上で、長手方向の接線方向および幅方向に直交する方向である。ここで、仮想平面は、走行面に直交すると共に長手方向に平行な平面である。
また、上方とは、高さ方向において、支持面に対して走行面が位置する方向であり、下方とは、高さ方向において、上方とは反対の方向である。
横幅とは、幅方向での幅である。
また、シューが高さ方向でベースに向かって相対的に移動するとは、シューが高さ方向でベースに向かって移動する形態、および、ベースが高さ方向でシューに向かって移動する形態の、少なくとも一方の移動形態を意味する。
そこで、本発明の可撓伝動体用ガイドは、支持面および幅方向で支持面を挟んで位置する1対のベース側縁を有するベースと、走行する可撓伝動体が摺接する走行面および幅方向で走行面を挟んで位置する1対のシュー側縁を有するシューとを備え、ベースおよびシューが、ベースのベース係合部およびシューのシュー係合部から構成される係合構造で結合されることにより、支持面が、シューの裏面にてシューを支持することにより、ベースが有するベース係合部およびシューが有するシュー係合部を係合状態にすることで、ベースに対してシューが組み付けられ、ベースおよびシューが一体に結合された可撓伝動体用ガイドが得られるばかりでなく、以下のような本発明に特有の効果を奏する。
すなわち、請求項1に係る本発明の可撓伝動体用ガイドによれば、ベース係合部が、1以上のベース側縁に設けられるベース側縁係合部と、支持面に設けられる支持面係合部とを有し、シュー係合部が、1以上のシュー側縁に設けられるシュー側縁係合部と、裏面に設けられる裏面係合部とを有し、互いに係合状態になるベース側縁係合部およびシュー側縁係合部が、側縁係合構造を構成し、互いに係合状態になる支持面係合部および裏面係合部が、対面係合構造を構成し、側縁係合構造が、係合状態で、長手方向および高さ方向のうちの、少なくとも長手方向におけるベースとシューとの相対移動を規制しており、対面係合構造が、係合状態で、高さ方向におけるベースとシューとの相対移動を規制しており、ベース側縁係合部およびシュー側縁係合部の少なくとも一方と、支持面係合部および裏面係合部の少なくとも一方とが、弾性変形可能な1以上の弾性係合要素を有する弾性係合部であり、側縁係合構造および対面係合構造が、ベースに対するシューの組付時にシューが高さ方向でベースに向かって相対的に移動する組付移動過程において生じる弾性係合要素の弾性変形を経て係合状態になるスナップフィット構造であることにより、側縁係合構造および対面係合構造がいずれもスナップフィット構造であるので、組付移動過程において、高さ方向でシューをベースに対して相対的に押し付けることにより、側縁係合構造および対面係合構造のそれぞれが有する弾性係合要素の弾性変形を利用して、ベース係合部およびシュー係合部を互いに係合状態とすることができる。このため、ベースに対するシューの組付が容易になり、さらに該組付の機械化も可能になるので、ガイドの組立効率を向上させることができ、さらにガイドのコストを削減することができる。
また、ベースおよびシューの相対的な高さ方向移動のみでベース係合部およびシュー係合部の係合が完了するので、ベース係合部とシュー係合部との間の長手方向での組付用隙間が、ほぼ不要になるか、または従来に比べて大幅に減少し、しかも、側縁係合構造によりシューおよびベースの相対的な長手方向移動が規制されることから、可撓伝動体の走行時に組付用隙間に起因するシューの長手方向移動による側縁係合部同士の衝突が抑制されるため、該衝突により発生する騒音が低減する。そのうえ、対面係合構造によりシューおよびベースの相対的な高さ方向移動(すなわち、シューの浮上がり)が規制されることから、可撓伝動体の走行時のシューのバタツキが抑制されるので、該バタツキに起因する騒音が低減する。この結果、ベース側縁係合部およびシュー側縁係合部間の組付用隙間およびシューのバタツキに起因する騒音が低減して、ガイドの静粛性能を向上させることができる。
また、シューの浮上がりを規制する支持面係合部および裏面係合部は、ベースの支持面およびシューの裏面にそれぞれ設けられるので、支持面から裏面が離隔するシューの浮上がりを直接的に規制すること、および、支持面および裏面は、ベース側縁およびシュー側縁に比べて、幅方向に大きい領域であるので、支持面係合部および裏面係合部の、幅方向での配置の自由度および構造の自由度が大きくなるため、シューの浮上がりの規制効果を高めるための支持面係合部および裏面係合部の設計の自由度が高いことから、係合構造によるシューのバタツキ抑制効果、さらには該バタツキに起因する騒音低減効果を高めることができる。
さらに、組付用隙間に起因する前記衝突が抑制されることで、該衝突により発生するベース側縁係合部とシュー側縁係合部の摩耗が低減すること、および、シューの浮上がりを抑制するための係合構造は、側縁係合構造とは別個の対面係合構造であるので、側縁係合構造のみが、シューの長手方向移動規制および浮上がり規制を行うガイドに比べて、側縁係合部構造に作用する荷重が減少することから、この点でもベース側縁係合部およびシュー側縁係合部の摩耗および疲労が低減して、ベースおよびシューの耐久性、ひいてはガイドの耐久性を高めることができる。
請求項2に係る本発明の可撓伝動体用ガイドによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、側縁係合構造および対面係合構造のうちで、一方の構造が、ベースおよびシューの熱膨張時に高さ方向での係合力を増大させることにより、シューを支持面に押し付ける構造であり、他方の構造が、ベースおよびシューの熱収縮時に高さ方向での係合力を増大させることにより、シューを支持面に押し付ける構造であることで、熱膨張時には、側縁係合構造および対面係合構造の一方が、その係合力の増大に基づいてシューを支持面に押し付け、熱収縮時には、側縁係合構造および対面係合構造の他方が、その係合力の増大に基づいてシューを支持面に押し付けるので、熱膨張時および熱収縮時のいずれの場合にも、シューの浮上がりが抑制されて、シューのバタツキを抑制することができる。
請求項3に係る本発明の可撓伝動体用ガイドによれば、請求項1または請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、少なくとも1つのベース側縁には、組付移動過程において、ベースに対するシューの、長手方向および幅方向での移動を規制しつつ、高さ方向に沿ってシューを案内する案内部が設けられていることにより、組付移動過程において、ベース側縁に設けられる案内部は、高さ方向に沿って移動するシューを、ベースに対して長手方向および幅方向での位置ズレを起こさないように案内するので、スナップフィット構造による側縁係合構造および対面係合構造の係合が容易になり、ベースに対する、係合構造によるシューの組付を容易にすることができる。
請求項4に係る本発明の可撓伝動体用ガイドによれば、請求項1から請求項3のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、ベース側縁係合部が、1以上のベース側縁係合要素から構成され、シュー側縁係合部が、ベース側縁係合要素と同数の弾性係合要素としてのシュー側縁係合要素から構成され、シュー側縁係合要素が、走行面よりも上方の位置でベース側縁係合要素と係合する第1係合部位と、第2係合部位とを有し、第1係合部位が、係合状態でベース側縁係合要素に対して下方から当接していて、ベースおよびシューの熱膨張時にベース側縁係合要素に対する係合力を増大させ、第2係合部位が、係合状態でベース側縁係合要素に対して上方から当接していて、ベースおよびシューの熱収縮時に、対面係合構造との協働により、ベース側縁係合要素に対する係合力を増大させることにより、熱膨張時には、ベース側縁係合要素に下方から当接する第1係合部位の係合力の反力がシューを支持面に押し付けるので、シューの浮上がりが抑制され、熱収縮時には、ベース側縁係合要素に上方から当接する第2係合部位の、ベース側縁係合要素に対する係合力および対面係合構造での係合力により、ベースに対するシューの高さ方向移動が抑制されるので、熱膨張時および熱収縮時のいずれの場合にも、シューのバタツキを抑制することができる。
しかも、第1,第2係合部位は、1つのシュー側縁係合要素に設けられるので、該第1,第2係合部位がそれぞれ別個のシュー側縁係合要素に設けられる場合に比べて、シュー側縁係合要素の個数が削減されるため、ベースおよびシューの構造の簡単化および軽量化に寄与することができる。
請求項5に係る本発明の可撓伝動体用ガイドによれば、請求項4に係る発明が奏する効果に加えて、1対のベース側縁には、高さ方向での段差部と、段差部に連なって長手方向に延びている底部とを有すると共に、下方に向かって凹んでいる切欠部が設けられ、底部が、ベース側縁係合要素であり、第1係合部位よりも上方の位置でベース側縁係合要素と係合する第2係合部位が、切欠部内に配置されていることにより、切欠部が高さ方向での段差部を有し、切欠部の底部がベース側縁係合要素であることから、シュー側縁係合要素において第1係合部位よりも上方に位置する第2係合部位が切欠部内に配置されるので、切欠部の段差部の分、シュー側縁係合要素が、ベース側縁係合要素に対して上方に突出することが抑制または防止されるため、ガイドを高さ方向で小型化することができる。また、ベース側縁が、切欠部の形成により軽量化され、シュー側縁係合要素が、高さ方向で小型化されるので、ベースおよびシューを軽量化することができる。
請求項6に係る本発明の可撓伝動体用ガイドによれば、請求項4または請求項5に係る発明が奏する効果に加えて、ベース側縁係合部が、1以上の第1ベース側縁係合要素と、ベース側縁係合要素である第2ベース側縁係合要素とから構成され、シュー側縁係合部が、第1ベース側縁係合要素と同数の弾性係合要素としての第1シュー側縁係合要素と、シュー側縁係合要素である第2シュー側縁係合要素とから構成され、第1シュー側縁係合要素が、第1ベース側縁係合要素に対して幅方向内側から高さ方向で係合していると共に、係合状態において第1ベース側縁係合要素に下方から当接していてベースおよびシューの熱膨張時に第1ベース側縁係合要素に対する係合力を増大させ、第1係合部位が、第2ベース側縁係合要素に対して幅方向外側から高さ方向で係合していることにより、第1シュー側縁係合要素および第1係合部位は、幅方向で互いに反対方向から第1ベース側縁係合要素および第2ベース側縁係合要素にそれぞれ上下方向に係合しているので、熱膨張時に、第1シュー側縁係合要素および第1係合部位のうちの一方で、ベースとシューとの間で幅方向での熱伸縮量差に起因する幅方向での係合領域の減少により、係合力の低下が発生したとしても、第1シュー側縁係合要素および第1係合部位のうちの他方では、幅方向での熱伸縮量差に起因する幅方向での係合領域の減少が回避されて、幅方向での係合領域を確保することができるため、熱膨張時のシューの浮上がりが抑制されて、シューのバタツキを抑制することができる。
請求項7に係る本発明の可撓伝動体用ガイドによれば、請求項1から請求項6のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、支持面係合部が、支持面に開口するスリット空間を形成すると共に長手方向に延びているスリット部と、高さ方向でスリット部に連なると共に長手方向に延びている収容部とを有する1以上の溝部から構成され、収容部が、複数の幅広収容部と、幅広収容部の横幅よりも小さい横幅の複数の幅狭収容部とが、長手方向に1つずつ交互に連なって配列されて構成され、裏面係合部が、収容部に収容されるシュー対面係合部位と、裏面に接続されてシュー対面係合部位を支持する支持部とを有する1以上の弾性係合要素としての係合片から構成され、スリット部の横幅が、シュー対面係合部位の横幅よりも小さく、幅方向での幅狭収容部の大きさは、幅狭収容部に収容されているシュー対面係合部位が幅方向で接触する大きさであり、シュー対面係合部位が、組付移動過程におけるスリット部との接触による弾性変形を経て位置する収容部内において、溝部との係合により、上方へのシューの移動を規制し、かつ、シューの熱膨縮時に、長手方向で隣り合う幅広収容部間で幅狭収容部を経て移動可能であることにより、係合片は、シュー対面係合部位が、溝部との接触による弾性変形を経て収容部内に配置されて、溝部との係合状態になることで、シューの浮上がりを抑制して、シューのバタツキを抑制することができる。
また、幅狭収容部は、シュー対面係合部位との接触状態で、該シュー対面係合部位の長手方向での移動を許容するので、球体172と幅狭収容部138とが接触している状態においては、可撓伝動体の走行時に、側縁係合構造での熱膨縮用隙間に起因して、シューが長手方向に移動することが抑制される。このため、係合状態にある側縁係合部同士の衝突の発生が抑制されること、また側縁係合部同士が衝突する場合には衝突での衝撃が低減することから、衝突により発生する騒音および側縁係合部の摩耗を低減することができる。
さらに、熱膨縮による熱膨縮量差が大きいときには、シューが、長手方向で幅広収容部または幅狭収容部に亘って移動するので、熱膨縮によるシューおよびベースの破損を防止することができる。
請求項8に係る本発明の可撓伝動体用ガイドによれば、請求項7に係る発明が奏する効果に加えて、溝部が、長手方向で支持面の全長に亘って連続して形成され、幅広収容部が形成する幅広収容空間が球状であり、シュー対面係合部位が、幅方向での片側に球状面を有する半球体であることにより、球状の幅広収容空間においては、幅方向でシュー対面係合部位の球状面側とは反対側に半球状の空間が形成されるので、可撓伝動体やガイドを潤滑する潤滑油が溝部内に流入したときに、溝部内での潤滑油の流れが円滑になるため、潤滑油によるベースおよびシューの冷却効果が向上することから、ガイドの冷却性を向上させる(すなわち、ガイドの冷却を促進する)ことができる。
本発明の第1実施例を示し、チェーンガイドの斜視図。 図1のチェーンガイドを幅方向から見た側面図。 図1のチェーンガイドを長手方向に沿って高さ方向から見た平面図であり、一部が省略された図。 図3の4−4線断面図。 図4の要部拡大図。 図5の6−6線断面図。 図5の7−7線断面図。 本発明の第1実施例の変形例を示し、模式的な平面図。 本発明の第1実施例の別の変形例を示し、図8に相当する図。 本発明の第2実施例を示し、図2に相当する図。 第2実施例において、図8に相当する図。 図11の12−12線断面図。 本発明の第3実施例を示し、図2に相当する図。 第3実施例において、図8に相当する図。 図14の15−15線断面図。 本発明の第4実施例を示し、図5に相当する図。
本発明の可撓伝動体用ガイドは、支持面および幅方向で支持面を挟んで位置する1対のベース側縁を有するベースと、走行する可撓伝動体が摺接する走行面および幅方向で走行面を挟んで位置する1対のシュー側縁を有するシューとを備え、ベースおよびシューが、ベースのベース係合部およびシューのシュー係合部から構成される係合構造で結合されることにより、支持面が、シューの裏面にてシューを支持し、ベース係合部が、1以上のベース側縁に設けられるベース側縁係合部と、支持面に設けられる支持面係合部とを有し、シュー係合部が、1以上のシュー側縁に設けられるシュー側縁係合部と、裏面に設けられる裏面係合部とを有し、互いに係合状態になるベース側縁係合部およびシュー側縁係合部が、側縁係合構造を構成し、互いに係合状態になる支持面係合部および裏面係合部が、対面係合構造を構成し、側縁係合構造が、係合状態で、長手方向および高さ方向のうちの、少なくとも長手方向におけるベースとシューとの相対移動を規制しており、対面係合構造が、係合状態で、高さ方向におけるベースとシューとの相対移動を規制しており、ベース側縁係合部およびシュー側縁係合部の少なくとも一方と、支持面係合部および裏面係合部の少なくとも一方とが、弾性変形可能な1以上の弾性係合要素を有する弾性係合部であり、側縁係合構造および対面係合構造が、ベースに対するシューの組付時にシューが高さ方向でベースに向かって相対的に移動する組付移動過程において生じる弾性係合要素の弾性変形を経て係合状態になるスナップフィット構造であることにより、ベースおよびシューを互いに組み付けて結合するためのベース係合部およびシュー係合部の係合が容易になることで組立効率が向上すると共に、ベース係合部およびシュー係合部を係合させるための組付用隙間を減少させ、かつシューのバタツキを抑制することにより、それら係合部同士の衝突およびシューのバタツキにより発生する騒音が低減することで静粛性能が向上し、さらに前記衝突により発生する各係合部の摩耗および疲労が低減することで耐久性が向上するものであれば、その具体的な態様はいかなるものであっても構わない。
例えば、本発明のガイドにおいて、弾性係合部は、べース側縁係合部およびシュー側縁係合部のうちの、両者、または、いずれか一方であり、支持面係合部および裏面係合部のうちの、両者、または、いずれか一方であればよい。弾性係合部を構成するすべての係合要素において、その一部が弾性係合要素であり、残部の係合要素が、係合相手となる係合部が有する弾性係合要素と共に、スナップフィット構造を構成してもよい。
また、可撓伝動体は、走行により動力を伝達する可撓部材であり、例えば、チェーンまたはベルトである。また、該ガイドは、可撓伝動体に張力を付与するために取付対象に移動可能に取り付けられる可動ガイド、または、取付対象に固定されて取り付けられる固定ガイドである。
本発明のガイドを備える伝動装置を備える機械は、自動車用動力装置(エンジンが含まれる。)以外に、自動車用以外の動力装置(エンジンが含まれる。)、産業機械または搬送機械であってもよい。
以下、本発明の実施例を図1〜図16を参照して説明する。
図1〜図7は、本発明の第1実施例を説明するための図である。
図1,図2を参照すると、本発明の第1実施例において、可撓伝動体としてのチェーン20を、その走行方向に沿って案内する可撓伝動体用ガイドとしてのチェーンガイド(以下、「ガイド」という。)100は、機械としてのエンジンに使用される巻掛け伝動装置、ここではタイミング用巻掛け伝動装置に備えられる。
この伝動装置は、無端のチェーン20と、該チェーン20が掛け渡される複数のスプロケットから構成されるスプロケット装置と、該スプロケット装置が有する駆動スプロケットにより駆動されて走行するチェーン20が摺接するガイド装置を構成するガイド100と、該ガイド100を付勢するテンショナ21とを備える。ガイド100は、エンジンにおける取付部としてのエンジン本体に、揺動中心線Lを中心に揺動可能に取り付けられる可動ガイドである。テンショナ21は、ガイド100をチェーン20に押し付けて、チェーン20に張力を付与する。揺動中心線Lおよび幅方向は互いに平行である。
前記伝動装置は、エンジンに形成される伝動室内に配置されて、エンジンが備える潤滑油装置により供給される潤滑油で潤滑される。このため、伝動室内は潤滑油雰囲気になっている。そして、潤滑油雰囲気中のチェーン20、ガイド100および前記スプロケットには、潤滑油が、前記潤滑装置から供給されて直接付着するか、または、伝動室内で飛散している油滴として付着する。
ガイド100は、長手方向に延びているベース110と、該ベース110に支持されて長手方向に延びているシュー150とを備える。ガイド100は、幅方向に比べて長手方向に長いレバー状のガイドである。ベース110はベース用形成材料からなる単一の成形品であり、シュー150はシュー用形成材料からなる単一の成形品である。
ベース用形成材料は、シュー用形成材料に比べて高強度であり、強度および耐摩耗性に優れた材料としての金属または合成樹脂、ここでは繊維強化合成樹脂(例えば、ガラス繊維を含有した強化ポリアミド系樹脂)である。シュー用形成材料は、耐摩耗性および自己潤滑性に優れた合成樹脂(例えば、ポリアミド66樹脂などのポリアミド系樹脂)である。ベース用形成材料およびシュー用形成材料は、互いに異なる熱膨張係数を有し、ここでは、シュー用形成材料の熱膨張係数がベース用形成材料の熱膨張係数よりも大きい。
図1〜図4を参照すると、ベース110は、上フランジ111と、下フランジ117と、両フランジ111,117を連結しているウェブ118と有する。
上フランジ111は、高さ方向でシュー150を支持する支持面113を有する支持面形成部112と、幅方向での両端部である1対のベース側縁114,115と、ベース係合部Ebとを有する。
各ベース側縁114,115は、支持面113に対して上方に向かって延びているリップ114a,115aを有する。1対のリップ114a,115aは、幅方向で支持面113を挟んで位置しており、チェーン20の蛇行を防止すると共に、シュー150の幅方向移動を規制する。
シュー150は、走行するチェーン20が摺接する走行面151および支持面113に接触する裏面153を有する走行面形成部152と、幅方向での両端部である1対のシュー側縁154,155と、シュー係合部Esとを有する。1対のシュー側縁154,155は、幅方向で走行面151を挟んで位置しており、幅方向でのシュー150の端面である。1対のシュー側縁154,155は、幅方向で対向する1対のリップ114a,115aにより幅方向で支持される。
ベース110およびシュー150は、ベース係合部Ebとシュー係合部Esとから構成される係合構造Eにより、それら係合部が互いに係合状態になることで一体に結合されるように組み付けられる。ベース110に対するシュー150の組付完了後のガイド100では、ベース110の支持面113が、シュー150をその裏面153にて高さ方向で支持している。
ベース係合部Ebは、ベース側縁係合部Eb1と、支持面113に設けられる支持面係合部Eb2とを有する。ベース側縁係合部Eb1は、1対のベース側縁114,115のうちの一方のベース側縁114において、そのリップ114aに設けられる。
シュー係合部Esは、シュー側縁係合部Es1と、裏面153に設けられる裏面係合部Es2とを有する。シュー側縁係合部Es1は、1以上のシュー側縁154,155のうちで、ベース側縁114に対応して一方のシュー側縁154に設けられる。
互いに係合状態になるベース側縁係合部Eb1およびシュー側縁係合部Es1は、側縁係合構造E1を構成する。互いに係合状態になる支持面係合部Eb2および裏面係合部Es2は、対面係合構造E2を構成する。
ベース側縁係合部Eb1およびシュー側縁係合部Es1の少なくとも一方は、弾性変形可能な1以上の弾性係合要素を有する弾性係合部であり、ここでは、シュー側縁係合部Es1が1以上の弾性係合要素のみで構成される弾性係合部である。同様に、支持面係合部Eb2および裏面係合部Es2の少なくとも一方は、弾性変形可能な1以上の弾性係合要素を有する弾性係合部であり、ここでは、裏面係合部Es2が1以上の弾性係合要素のみで構成される弾性係合部である。
そして、側縁係合構造E1および対面係合構造E2は、ベース110に対するシュー150の組付時に、シュー150が高さ方向でベース110に向かって相対的に移動する組付移動過程において生じる弾性係合要素の弾性変形を経て前述の係合状態になることでベース110およびシュー150を結合するスナップフィット構造である。
図3,図4を主に参照し、図1,図2を適宜参照すると、ベース側縁係合部Eb1は、第1所定数のベース側縁係合要素としての側縁孔部121から構成される。前記第1所定数は、1以上の数であり、ここでは複数(図示の例では7つ)である。これら孔部121は、長手方向に沿って間隔を置いて並んで配置されている。各孔部121は、後述する爪162が収容される側縁収容空間としての孔123を形成する側縁収容部である。孔部121は、爪162と係合するベース側縁係合部位としての上壁122を有する。
シュー側縁係合部Es1は、孔部121と同数の、弾性係合要素であるシュー側縁係合要素としての側縁係合片161から構成される。これら係合片161は、各孔部121に対応して長手方向に間隔を置いて並んで配置されている。
係合片161は、孔部121の上壁122に対して係合力を作用させるシュー側縁係合部位としての爪162と、爪162とシュー側縁154とを接続していて爪162を支持する支持部163とを有する(図3には、爪162と支持部163とに異なる網掛けが施されている。)。爪162は、孔部121に対して幅方向内側で支持部163に連なり、該支持部163を介してシュー側縁154に連なる。
ここで、幅方向内側とは、部材等に対して、または、部材等において、幅方向で走行面151を二等分する中央面P1に幅方向で近い側であり、また幅方向外側とは、幅方向で中央面P1から遠い側である。本実施例では、中央面P1は、幅方向に直交すると共に仮想平面に平行な平面である。
また、内側方向は、幅方向で中央面P1に近づく方向であり、外側方向は、幅方向で中央面P1から遠ざかる方向である。
支持部163は、爪162と同じ長手方向幅を有すると共に、リップ114aの、幅方向内側に設けられる嵌合部である嵌合溝部116に収容されて配置される。嵌合溝部116は、外側方向に向かって凹んでいると共に高さ方向に延びており、幅方向で外側方向への支持部163の移動を規制するように支持部163を支持する。
爪162は、リップ114aの当接部としての上端部114cに、前記組付移動過程において上方から当接可能な従動面162a(図4)を有する。傾斜面からなる従動面162aは、高さ方向でシュー150がベース110に近づくにときに、上方からの上端部114cとの当接により、支持部163に、孔部121に対して内側方向に弾性変形である曲げを強制的に生じさせる。この支持部163の弾性変形により、爪162は、前記組付移動過程において、リップ114aの幅方向内側で嵌合溝部116の底面に接触しながら下方に移動し、幅方向で孔123と対向したときに、支持部163が弾性変形前の形状に弾性復帰することで、孔123に対して幅方向内側から外側方向に向かって移動して、孔部121に収容される。
孔部121および係合片161は、爪162が孔部121に対して幅方向内側から孔部121に収容され、高さ方向で上方に向かって上壁122と係合することで、互いに係合状態になる。それゆえ、孔部121および係合片161は、係合片161の弾性変形を経て係合状態になることでベース110およびシュー150を結合するスナップフィット構造である。また、孔部121および爪162は、走行面151よりも上方の位置で係合している。
1つの孔部121および1つの係合片161は、1つの第1側縁係合要素e11を構成する。そして、この側縁係合要素e11は、ガイド100の1対のガイド側縁104,105の一方のガイド側縁104のみに設けられる。なお、ガイド側縁104は、ベース側縁114およびシュー側縁154から構成され、ガイド側縁105は、ベース側縁115およびシュー側縁155から構成される。
また、側縁係合構造E1、すなわち第1所定数の側縁係合要素e11は、ベース110に対するシュー150の、長手方向での位置決めをするための位置決め係合要素e0を含む。この位置決め係合要素e0は、常温において、長手方向で、支持面113または走行面151を二等分する長手方向中央平面P2と交わる位置にある。なお、位置決め係合要素e0は、長手方向に配列されている複数の側縁係合要素e11の任意の1つの側縁係合要素e11でもよく、例えば、長手方向での両端部のいずれか一方の端部に位置する側縁係合要素e11でもよい。
常温において、係合状態にある位置決め係合要素e0には、孔部121および係合片161の間で、長手方向での熱膨縮用隙間を除いて、長手方向隙間が殆どなく、前述の従来技術における組付用隙間がない。このため、位置決め係合要素e0により、側縁係合構造E1は、その係合状態で、長手方向におけるベース110とシュー150との相対移動を規制する構造である。
常温において、位置決め係合要素e0以外の側縁係合要素e11では、孔部121における爪162の両側の長手方向隙間Cは、長手方向での熱膨縮用隙間であり、各側縁係合要素e11が、長手方向で位置決め係合要素e0から遠い位置にあるほど大きくなる。
位置決め係合要素e0の係合片161の支持部163を収容する嵌合溝部116は、前記組付移動過程において、係合片161を孔部121との係合状態まで支持部163を案内することにより、ベース110に対するシュー150の、長手方向の両方向および幅方向での移動を規制しつつ、高さ方向に沿ってシュー150を案内する案内部116cでもある。なお、この案内部116cは、本実施例では、嵌合溝部116により構成されるが、別の例として嵌合溝部116とは別個の専用の案内溝部により構成されてもよい。
さらに、係合状態にある各側縁係合要素e11には、常温において、いずれも高さ方向での幅が小さい孔部121および爪162との間で、高さ方向での熱膨縮用隙間を除いて、高さ方向隙間が殆どない。このため、各側縁係合要素e11により、側縁係合構造E1は、その係合状態で、高さ方向におけるベース110とシュー150との相対移動を規制する構造である。
また、各側縁係合要素e11において、爪162は、係合状態で孔部121の上壁122に対して下方から当接していて、熱膨張時に高さ方向での係合力を増大させることにより、シュー150を支持面113に押し付ける構造である。具体的には、爪162は、熱膨張時に、上壁122に作用させる上方への係合力を増大させる。このとき、上壁122が、爪162、すなわち係合片161に加える反力により、シュー150は支持面113に押し付けられる。
図3,図5〜図7を主に参照し、図2,図4を適宜参照すると、支持面係合部Eb2は、第2所定数の支持面係合要素としての溝部131から構成される。前記第2所定数は、1以上の数であり、ここでは1である。溝部131は、支持面113に開口すると共に長手方向に連続して延びているスリット部133と、高さ方向でスリット部133に連なると共に長手方向に連続して延びている対面収容部136とを有する。溝部131は、後述する球体172が収容される対面収容空間としての溝空間132を形成する。
スリット部133および収容部136は、支持面形成部112または支持面113において、幅方向で、中央面P1と交わる中央位置に設けられている。
スリット部133および収容部136は、ベース110において、支持面113の、長手方向での全範囲に亘って、すなわち長手方向での全長に亘って形成されて、チェーン進入側端面110aおよびチェーン退出端面110bに開口している。
溝空間132は、スリット部133が形成するスリット空間132aと、収容部136が形成する収容空間132bとから構成される。溝空間132には、潤滑油が、スリット空間132aを通じて、また、前記両端面110a,110bのうちで、鉛直上方に位置する端面での溝空間132の開口を通じて流入可能である。これにより、ベース110が溝部131内の潤滑油により冷却され、さらに該ベース110と接触しているシュー150の冷却されるので、ガイド100の冷却性が向上する。
スリット部133は、仮想平面に平行な平面であって長手方向に延びている1対のスリット壁面133aを有する。溝部131は、球体172と係合するベース対面係合部位としての溝壁部134を有する。溝壁部134は、スリット空間132aの横幅であるスリット部133の横幅W1以上の間隔で幅方向に離隔している1対の壁部分134aから構成される。長手方向に沿って連続して延びている各壁部分134aは、例えば、スリット部133と収容部136との境界部(スリット部133の一部分および収容部136の一部分により構成される部分である。)、または、収容部136の、高さ方向でスリット部133寄りの部分である。
収容部136は、複数の幅広収容部137と、幅広収容部137の横幅W2よりも小さい横幅W3の複数の幅狭収容部138とから構成される。すべての幅広収容部137およびすべての幅狭収容部138は、長手方向に1つずつ交互に連なって配列されている。幅広収容部137(すなわち、幅狭収容部138)の長手方向ピッチは、ガイド100の使用環境温度における熱膨張による熱伸縮量差の最大値および熱収縮による熱伸縮量差の最大値よりも小さく設定されている。
幅広収容部137の壁面137aは、中央面P1上に中心を有する球面状である。幅狭収容部138において、1対の側壁面138aは、壁面137aの半径よりも小さい半径の円柱面である底壁面138bに接する接平面からなる平面であり、仮想平面に沿って平行に延びている。
収容空間132bは、幅広収容部137が形成する球状の幅広収容空間132cと、幅狭収容部138が形成する幅狭収容空間132dとから構成される。幅狭収容空間132dの横幅である幅狭収容部138の横幅W3は、スリット部133の横幅W1以上であり、幅広収容空間132cの横幅である幅広収容部138の横幅W2よりも小さい。この例では、幅狭収容部138の横幅W3とスリット部133の横幅W1とは同じである。
裏面係合部Es2は、第3所定数の弾性係合要素である裏面係合要素としての対面係合片171から構成される。前記第3所定数は、1以上の数であり、ここでは第2所定数とは異なる数であり、複数である。
これら係合片171は、長手方向で隣り合う孔部121(または爪162)の間に、長手方向で位置するように、長手方向に間隔を置いて並んで配置されている(図2)。
係合片171は、スリット部133を通じて収容された幅広収容部137内において、溝壁部134に対して上方に向かう係合力を作用させるシュー対面係合部位としての球体172と、該球体172と裏面153とを接続していて球体172を支持する支持部173とを有する。
スリット部133の横幅W1は、球体172の最大横幅である球体172の横幅W4よりも小さく、支持部173の横幅W5よりも大きい。球体172の横幅W4は、幅広収容部137の横幅W2よりも小さく、幅狭収容部138のW3以上である。
このため、幅方向での幅広収容部137の大きさは、幅広収容部137に収容されている球体172との間に幅方向隙間が形成される大きさである。また、幅方向での幅狭収容部138の大きさは、球体172が幅方向で接触する大きさである。ここでは、幅狭収容部138に収容されている球体172は、各側壁面138aにより幅方向で弾性変形させられて圧縮される。
球体172は、前記組付移動過程において、高さ方向でシュー150がベース110に近づくにときに(図4)、スリット空間132aに向かって下降し、スリット空間132aに押し込まれる。このとき、スリット部133は、球体172に、1対のスリット壁面133aとの幅方向での当接により、弾性変形である幅方向での圧縮を生じさせる。そして、シュー150がさらに下方に移動することで、球体172は、スリット部133を通過して、収容部136内で、ここでは幅広収容部137内で、弾性変形前の形状に弾性復帰して、収容部136に収容される。溝部131および係合片171は、球体172が高さ方向で上方に向かって溝壁部134と係合することで、互いに係合状態になる。それゆえ、溝部131および各係合片171は、係合片171の弾性変形を経て係合状態になることでベース110およびシュー150を結合するスナップフィット構造である。
1つの溝部131および各係合片171は、1つの対面係合要素e2を構成する。
常温において、係合状態にある対面係合構造E2、すなわち対面係合要素e2には、球体172と溝壁部134との間で、高さ方向での熱膨縮用隙間を含めて高さ方向隙間が殆どない。このため、対面係合構造E2は、係合状態で、高さ方向におけるベース110とシュー150との相対移動を規制し、さらには溝部131からの球体172の抜止めをする構造である。
常温において、係合状態にある対面係合要素e2では、球体172が幅狭収容部138内に位置するときには、該幅狭収容部138の各側壁面138aと接触している。このため、チェーン20の走行や振動に起因するシュー150の長手方向移動は、球体172に作用する、各側壁面138aとの間の摩擦力により抑制される。そのうえ、幅狭収容部138に位置する球体172が各側壁面138aにより幅方向で圧縮されて弾性変形することで、前記摩擦力が一層大きくなるので、シュー150に対する長手方向移動の抑制効果が向上する。
球体172は、係合状態で溝壁部134に対して下方から当接していて、熱収縮時に高さ方向での係合力を増大させることにより、シュー150を支持面113に押し付ける構造である。具体的には、熱収縮時に、球体172は、溝壁部134に対して上方に向いた係合力を増大させる。このとき、溝壁部134が、球体172、したがって係合片171に加える反力により、シュー150は支持面113に押し付けられる。
さらに、球体172は、ガイド100の熱膨縮時に、ベース110およびシュー150の熱伸縮量差の大きさに応じて、幅広収容部137内および幅狭収容部138内で、長手方向に移動可能である。具体的には、係合状態の対面係合要素e2において、球体172が幅広収容部136に収容されている状態で、熱膨縮が生じると、球体172は、長手方向で1以上の幅広収容部137または1以上の幅狭収容部138で移動可能である。例えば、幅広収容部137に収容されている状態の球体172は、熱伸縮量差が大きくなった場合に、収容されている幅広収容部137に長手方向で隣り合う幅広収容部137である隣接幅広収容部137に、幅狭収容部138を経て移動する。このとき、シュー150は、球体172と幅狭収容部138の1対の側壁面138aとの間の摩擦による摩擦抵抗を受けつつ、ベース110に対して長手方向に伸縮する。
図4を主に参照し図2,図3,図5を適宜参照して、ベース110に対するシュー150の組付方法を説明する。
先ず、予め設定された組付位置に位置決めされているベース110に対して、シュー150がベース110の上方位置を占める。次いで、シュー150が、ベース110に対して近づく方向である下方に、高さ方向に沿って、例えば高さ方向に平行に移動させられる。
前記組付移動過程で、側縁係合片161の支持部163は嵌合溝部116内に収容された状態で下降する。このとき、位置決め側縁係合要素e0では、案内部116cにより支持部163が長手方向および幅方向で案内されると共に、シュー150が長手方向および幅方向に位置ズレを生じることなく案内される。このため、位置決め側縁係合要素e以外の各側縁係合要素e11では、支持部163が嵌合溝部116内で幅方向に案内されて下方に移動する。
従動面162aとリップ114aの上端部114cとの当接により、高さ方向でシュー150がベース110に近づく過程で、支持部163には、リップ114aおよび孔部121に対して内側方向に弾性変形である曲げが生じる。その後、支持部163に曲げが生じている状態で、爪162が嵌合溝部116の底面に接触しつつシュー150がベース110にさらに近づく。このとき、球体172がスリット部133内に挿入され始め、さらにシュー150がベース110に近づくと、球体172は、1対のスリット壁面133aより幅方向で圧縮されつつスリット部133に押し込まれる。
そして、シュー150が、裏面153が支持面113と接触する位置まで移動すると、爪162が幅方向内側からの孔部121へ収容され、球体172がスリット部133を通過して、収容部136の幅広収容部137に収容される。
この状態で、各孔部121と各係合片161とが互いに係合状態、すなわち各側縁係合要素e11が係合状態になって、側縁係合構造E1が係合状態になり、かつ、溝部131と各係合片171とが互いに係合状態、すなわち各対面係合要素e2が係合状態になって、対面係合構造E2が係合状態になり、ベース110とシュー150とが一体に結合される。
本実施例では、前記組付移動過程において、長手方向での各対面係合片171の位置は、各球体172が対応する幅広収容部137に収容される位置に設定されている。このように、ベース110に対するシュー150の組付時には、球体172が幅広収容部137に収容されるので、ベース110とシュー150とを組み付けるための組付荷重(押込み荷重)が、球体172が幅狭収容部137に収容されるように組み付けられる場合に比べて軽減されるので、ベース110に対するシュー150の組付性を向上させることができる。
次に、前述のように構成された第1実施例の作用および効果について説明する。
支持面113を有するベース110とチェーン20が摺接する走行面151を有するシュー150とがベース係合部Ebおよびシュー係合部Esから構成される係合構造Eで結合されて、支持面113がシュー150の裏面153にてシュー150を支持することにより、ベース係合部Ebおよびシュー係合部Esを係合状態にすることで、ベース110に対してシュー150が組み付けられ、ベース110およびシュー150が一体に結合されたガイド100が得られる。
側縁孔部121および側縁係合片161から構成される側縁係合構造E1は、長手方向および高さ方向におけるベース110とシュー150との相対移動を規制しており、溝部131および対面係合片171からなる対面係合構造E2は、高さ方向におけるベース110とシュー150との相対移動を規制しており、側縁係合片161および対面係合片171は弾性変形可能な弾性係合要素であり、側縁係合構造E1および対面係合構造E2は、前記組付移動過程において生じるこれら係合片161,171の弾性変形を経て係合状態になるスナップフィット構造である。
このように、側縁係合構造E1および対面係合構造E2がいずれもスナップフィット構造であるので、前記組付移動過程において、高さ方向でシュー150をベース110に対して相対的に押し付けることにより、側縁係合構造E1および対面係合構造E2のそれぞれが有するそれら係合片161,171の弾性変形を利用して、ベース係合部Ebおよびシュー係合部Esを互いに係合状態とすることができる。このため、ベース110に対するシュー150の組付が容易になり、さらに該組付の機械化も可能になるので、ガイド100の組立効率を向上させることができ、さらにガイド100のコストを削減することができる。
また、ベース110およびシュー150の相対的な高さ方向移動のみでベース係合部Ebおよびシュー係合部Esの係合が完了するので、ベース係合部Ebとシュー係合部Esとの間の長手方向での組付用隙間が、ほぼ不要になるか、または従来に比べて大幅に減少し、しかも、側縁係合構造E1によりベース110およびシュー150の相対的な長手方向移動が規制されることから、チェーン20の走行時に組付用隙間に起因するシュー150の長手方向移動による孔部121および係合片161の衝突が抑制されるため、該衝突により発生する騒音が低減する。そのうえ、対面係合構造E2により、シュー150の浮上がりが規制されることから、チェーン20の走行時のシュー150のバタツキが抑制されるので、該バタツキに起因する騒音が低減する。この結果、ベース側縁係合部Eb1およびシュー側縁係合部Es1間の組付用隙間およびシュー150のバタツキに起因する騒音が低減して、ガイド100の静粛性能を向上させることができる。
また、シュー150の浮上がりを規制する溝部131および係合片171は、支持面113および裏面153にそれぞれ設けられるので、支持面113から裏面153が離隔するシュー150の浮上がりを直接的に規制すること、および、支持面113および裏面153は、ベース側縁114,115およびシュー側縁154,155に比べて、幅方向に大きい領域であるので、支持面係合部Eb2および裏面係合部Es2の、幅方向での配置の自由度および構造の自由度が大きくなるため、シュー150の浮上がりの規制効果を高めるための溝部131および係合片171の設計の自由度が高いことから、係合構造Eによるシュー150のバタツキ抑制効果、さらには該バタツキに起因する騒音低減効果を高めることができる。
さらに、組付用隙間に起因する側縁係合要素e11を構成する孔部121および係合片161の衝突が抑制されることで、該衝突により発生する孔部121と係合片161の摩耗が低減すること、および、シュー150の浮上がりを抑制するための係合構造は、側縁係合構造E1とは別個の対面係合構造E2であるので、側縁係合構造のみが、シュー150の長手方向移動規制および浮上がり規制を行うガイドに比べて、側縁係合構造E1に作用する荷重が減少することから、この点でも孔部121および係合片161の摩耗および疲労が低減して、ベース110およびシュー150の耐久性、ひいてはガイド100の耐久性を高めることができる。
孔部121および係合片161は、熱膨張時に高さ方向での係合力を増大させることにより、シュー150を支持面113に押し付ける構造であり、溝部131および係合片171は、熱収縮時に高さ方向での係合力を増大させることにより、シュー150を支持面113に押し付ける構造である。
これにより、熱膨張時には、側縁係合片161が、その係合力の増大に基づいてシュー150を支持面113に押し付け、熱収縮時には、係合片171が、その係合力の増大に基づいてシュー150を支持面113に押し付けるので、熱膨張時および熱収縮時のいずれの場合にも、シュー150の浮上がりが抑制されて、シュー150のバタツキを抑制することができる。
ベース110のリップ114aには、前記組付移動過程において、ベース110に対するシュー150の、長手方向および幅方向での移動を規制しつつ、高さ方向に沿ってシュー150を、係合片161を介して案内する案内部116cが設けられている。
これにより、前記組付移動過程において、リップ114aに設けられる案内部116cは、高さ方向に沿って移動するシュー150を、係合片161を通じて、該シュー150がベース110に対して長手方向および幅方向での位置ズレを起こさないように案内するので、スナップフィット構造による側縁係合構造E1および対面係合構造E2の係合が容易になり、ベース110に対するシュー150の、係合構造Eによる組付を容易にすることができる。
しかも、案内部116cは、係合片161が収容される嵌合溝部131により構成されるので、ベース110に対してシュー150を案内するための専用の案内部を設ける必要がないため、ベースおよびシューの構造を簡素化することができる。
支持面係合部Eb2は、スリット空間132aを形成するスリット部133と、高さ方向でスリット部133に連なる収容部136とを有する溝部131から構成され、収容部136は、複数の幅広収容部137と複数の幅狭収容部138とが、長手方向に1つずつ交互に連なって配列されて構成され、裏面係合部Es2は、収容部136に収容される球体172と該球体172を支持する支持部173とを有する係合片171から構成され、スリット部133の横幅W1が、球体172の横幅W4よりも小さく、幅方向での幅狭収容部138の大きさは、幅狭収容部138に収容されている球体172が幅方向で接触する大きさであり、球体172は、収容部136内において、溝部131との係合により、上方へのシュー150の移動を規制し、かつ、シュー150の熱膨縮時に、長手方向で1以上の幅広収容部137または1以上の幅狭収容部138で移動可能である。
これにより、係合片171は、球体172がスリット部133との接触による弾性変形を経て収容部136内に配置されて、溝部131との係合状態になることで、シュー150の浮上がりを抑制して、シュー150のバタツキを抑制することができる。
また、幅狭収容部138は、球体172との接触状態で、該球体172の長手方向移動を許容するので、球体172と幅狭収容部138とが接触している状態においては、チェーン20の走行時に、側縁係合構造E1での熱膨縮用隙間に起因して、シュー150が長手方向に移動することが抑制される。このため、係合状態にある孔部121および係合片161の衝突の発生が抑制されること、また孔部121および係合片161が衝突する場合には衝突での衝撃が低減することから、該衝突により発生する騒音および孔部121および係合片161の摩耗を低減することができる。
さらに、熱膨縮による熱膨縮量差が大きいときには、シュー150が、長手方向で幅広収容部137または幅狭収容部138に亘って移動するので、熱膨縮によるベース110およびシュー150の破損を防止することができる。
次に、図8〜図16を参照して、第1実施例の変形例、および、本発明の第2〜第4実施例を説明する。前記変形例、第2〜第4実施例は、第1実施例とは、部分的に異なるものの、他の部分は基本的に同一の構成を有する。このため、同一の部分については、図面に符号のみを付すなど、その説明を省略または簡略にし、異なる点を中心に説明する。なお、第2,第3実施例において、第1実施例または第2実施例の部材等と同一の部材等または対応する部材等については、同一の用語が使用され、第1実施例での100番台の符号に代えて、第2実施例では200番台の、第3実施例では、第1実施例での100番台、第2実施例での200番台の符号に代えて、300番台の、第4実施例では400番台の、それぞれ下2桁に同一の符号が使用されている。
図8,図9を参照すると、第1実施例の変形例でのチェーンガイド100において、第1所定数の側縁係合要素e11は、1対のリップ114a,115aに設けられる。これらの側縁係合要素e11の配置は、図8に示されるように、中央面P1を対称面とした面対称でもよいし、図9に示されるように、千鳥状でもよい。
リップ115aでの位置決め側縁係合要素e11の嵌合溝部116は、案内部116cである。また、前記組付移動過程において、ガイド側縁105では、係合片161の爪162の従動面162a(図4)は、リップ115aの当接部としての上端部115cに当接する。
この変形例によれば、第1実施例が奏する作用および効果に加えて、次の作用および効果が奏される。
チェーン20の走行に起因するシュー150の長手方向移動を抑制するために、側縁係合要素e11に作用する荷重が、1対のリップ114a,115aおよび1対のシュー側縁154,155に分散されるので、ベース110およびシュー150の耐久性を向上させることができる。また、側縁係合要素e11の数を増加させることができるので、個々の側縁係合要素e11に作用する前記荷重が減少し、孔部121および係合片161の摩耗および疲労が低減して、側縁係合要素e11の耐久性を向上させることができる。
さらに、シュー150案内部116cが、1対のリップ114a,115aにそれぞれ設けられるので、1対の案内部116cにより、前記組付移動過程におけるベース110に対するシュー150の位置決めが一層容易になって、ベース110に対するシュー150の、係合構造E(図2)による組付性が向上する。
図10〜図12を参照すると、第2実施例のチェーンガイド200において、ベース側縁係合部Eb1は、1以上の、ここでは複数の第1ベース側縁係合要素としての側縁孔部221と、1以上の、ここでは複数の第2ベース側縁係合要素としての側縁嵌入部244とから構成される。
また、シュー側縁係合部Es1は、弾性係合要素である第1シュー側縁係合要素としての側縁係合片261と、弾性係合要素である第2シュー側縁係合要素としての側縁係合片281とから構成される。
側縁嵌入部244は、各ベース側縁214,215が有する凸部としての各リップ214a,215aに設けられる。嵌入部244は、リップ214a,215aにおいて幅方向外側に設けられて側縁収容空間である凹空間247を形成する側縁収容部としての側縁凹部245と、該凹部245よりも上方に位置すると共に上方に向かって後述のブリッジ部285と係合する奥部248とを有する。
嵌入部244において、凹部245の壁である上壁246は、ベース側縁第1係合部位であり、奥部248は、各リップ214a,215aの上端部であると共に、ベース側縁第2係合部位である。
側縁係合片281は、凹部245の上壁246に対して上方に向いた係合力を作用させる爪282と、爪282と各シュー側縁254,255とを接続していて爪282を支持する支持部283とを有する。
支持部283は、各リップ214a,215aの幅方向内側に沿って上方に延びている内側支持部284と、奥部248を上方から覆って幅方向に延びているブリッジ部285と、ブリッジ部285から各リップ214a,215aの幅方向外側に沿って下方に延びている外側支持部286とを有する鈎形の支持部である。したがって、係合片281は、支持部283において、奥部248を抱持している。
外側支持部286の先端に設けられる爪282は、凹部245と係合するシュー側縁第1係合部位であり、従動面282aを有する。従動面282aは、第1実施例と同様に、奥部248との当接により、シュー250がベース210に向かって下方に移動するときに、内側支持部284に、内側方向への、弾性変形である曲げを生じさせて、凹部245への爪282の収容を可能にする。
凹部245および爪282の係合、そして奥部248およびブリッジ部285の係合は、いずれも走行面251よりも上方の位置で行われている。
また、係合片281において、爪282は、凹部245と係合するシュー側縁第1係合部位であり、係合状態で凹部245の上壁246に対して下方から当接していて、熱膨張時に上壁246に対する係合力を増大させる。ブリッジ部285は、奥部248と係合するシュー側縁第2係合部位であり、係合状態で奥部248の上端面に対して上方から当接していて、熱収縮時に、対面係合構造E2との協働により、奥部248に対する係合力を増大させる。
1つの嵌入部244および1つの係合片281は、1つの第2側縁係合要素e12を構成する。したがって、チェーンガイド200において、側縁係合構造E1は、1以上の、ここでは複数の第1側縁係合要素e11と、1以上の、ここでは複数の第2側縁係合要素e12とから構成される。
そして、これらの第1,第2側縁係合要素e11,e12は、1対のガイド側縁204,205に千鳥状に配置され、各ガイド側縁204,205に、長手方向に交互に配置されている。
また、対面係合構造E2は、対面係合要素e2から構成される。
第2実施例によれば、第1実施例およびその変形例と共通または相当する構造により奏される作用および効果に加えて、次の作用および効果が奏される。
側縁嵌入部244が凹部245および奥部248を有し、側縁係合片281は、走行面251よりも上方の位置で凹部245と係合する爪282と、爪282よりも上方の位置で奥部248と係合するブリッジ部285とを有し、爪282は、係合状態で凹部245に対して下方から当接していて、熱膨張時に凹部245に対する係合力を増大させ、ブリッジ部285は、係合状態で奥部248に対して上方から当接していて、熱収縮時に、対面係合要素e2との協働により、奥部248に対する係合力を増大させる。
これにより、熱膨張時には、凹部245に下方から当接する爪282の係合力の反力がシュー250を支持面213に押し付けるので、シュー250の浮上がりが抑制され、熱収縮時には、奥部248に上方から当接するブリッジ部285の、奥部248に対する係合力および対面係合要素e2での係合力により、ベース210に対するシュー250の高さ方向移動が抑制されるので、熱膨張時および熱収縮時のいずれの場合にも、シュー250のバタツキを抑制することができる。
しかも、爪282およびブリッジ部285は、1つの係合片281に設けられるので、爪282およびブリッジ部285ががそれぞれ別個の係合片に設けられる場合に比べて、係合片281の個数が削減されるため、ベース210およびシュー250の構造の簡単化および軽量化に寄与することができる。
係合片261の爪262は、孔部221に対して幅方向内側から高さ方向で係合していると共に、係合状態において孔部221に下方から当接していて熱膨張時に孔部221に対する係合力を増大させ、係合片281の爪282は、凹部245に対して幅方向外側から高さ方向で係合している。これにより、爪262および爪282は、幅方向で互いに反対方向から孔部221の上壁223および凹部245の上壁246にそれぞれ上下方向に係合しているので、熱膨張時に、爪262および爪282のうちの一方である爪282で、ベース210とシュー250との間で幅方向での熱伸縮量差に起因する幅方向での係合領域の減少により、係合力の低下が発生したとしても、爪262および爪282のうちの他方である爪262では、幅方向での熱伸縮量差に起因する幅方向での係合領域の減少が回避されて、幅方向での係合領域を確保することができるため、熱膨張時のシュー250の浮上がりが抑制されて、シュー250のバタツキを抑制することができる。
図13〜図15を参照すると、第3実施例のガイド300において、各リップ314a,315aには、下方に向かって凹んでいる1以上の、ここでは複数の切欠部341が設けられる。各切欠部341は、長手方向で離隔していると共に高さ方向での1対の段差部342と、該段差部342に連なって長手方向に延びている底部343とを有する。各底部343は、ベース側縁係合部Eb1を構成するベース側縁係合要素としての側縁嵌入部344である。そして、ブリッジ部385は切欠部341内に配置されている。
爪382の従動面382aは、底部343の上端部である奥部348との当接により、シュー350がベース310に向かって下方に移動するときに、内側支持部384に、内側方向への、弾性変形である曲げを生じさせて、凹部345への爪382の収容を可能にする。
第1,第2側縁係合要素e11,e12は、1対のガイド側縁304,305に中央面P1に対して面対称に配置され、各ガイド側縁304,305に、長手方向に交互に配置されている。
第3実施例によれば、第2実施例と共通または相当する構造により奏される作用および効果に加えて、次の作用および効果が奏される。
1対のリップ314a,315aには、1対の段差部342と、1対の段差部342の間で長手方向に延びている底部343とを有すると共に、下方に向かって凹んでいる切欠部341が設けられ、底部343が、側縁嵌入部344であり、爪382よりも上方の位置で奥部348と係合するブリッジ部385が、切欠部341内に配置されている。
これにより、切欠部341が高さ方向での段差部342を有することから、側縁係合片381において爪382よりも上方に位置するブリッジ部385が切欠部341内に配置されるので、切欠部341の段差部342の分、係合片381が、嵌入部341に対して上方に突出することが抑制または防止されるため、ガイド300を高さ方向で小型化することができる。また、各リップ314a,315aが、切欠部341の形成により軽量化され、係合片281が高さ方向で小型化されるので、ベース310およびシュー350を軽量化することができる。
さらに、位置決め係合要素e0では、ブリッジ部385と1対の段差部342とを長手方向で当接させることで、内側支持部384に加えてブリッジ部385によっても、シュー350の長手方向移動を規制することができる。
図16を参照すると、第4実施例のガイド400において、対面係合片471は、シュー対面係合部位として、幅方向での片側のみに球状面を有する半球体472を有する。ここでは、対面係合要素e2を構成するすべての係合片471は、幅方向での一方側(図16において右側)に球状面を有する第1半球体である半球体472を有する。
この変形例によれば、溝部431が、長手方向で支持面413の全長に亘って連続して形成され、幅広収容部437が形成する幅広収容空間432cが球状であり、半球体472が、幅方向での片側のみに球状面を有する半球体であることにより、球状の幅広収容空間432cにおいて、幅方向で半球体472の球状面側とは反対側に半球状の空間が形成されるので、チェーン20やガイド400を潤滑する潤滑油が溝部431の収容部436内に流入したときに、溝部431内での潤滑油の流れが円滑になるため、潤滑油によるベース410およびシュー450の冷却効果が向上することから、ガイド400の冷却性を向上させることができる。
なお、別の変形例として、対面係合要素e2のすべての半球体472が、幅方向での他方側(図16において左側)に球状面を有する第2半球体のみから構成されていてもよく、または、1以上の第1半球体および1以上の第2半球体から構成されていてもよい。
以下、前述した各実施例および各変形例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
対面係合構造が、熱膨張時に高さ方向での係合力を増大させる構造であり、側縁係合構造E1が、熱収縮時に高さ方向での係合力を増大させる構造であってもよい。この場合に、対面係合構造は、例えば、幅方向での球体の熱伸長量により、球体が収容部に対して高さ方向での係合力が増大するように溝部に係合するような構造とされる。
常温において、係合状態にある対面係合要素において、収容部内の球体は、幅狭収容部内に位置するときにはもちろん、幅広収容部に位置するときにも、幅狭収容部と接触していてもよく、または、球体は、収容部内で常に収容部と幅方向で接触していてもよい。これにより、チェーンの走行や振動に起因するシューの長手方向移動は、球体と収容部との間の摩擦力により抑制されるので、ベース側縁係合要素およびシュー側縁係合要素同士の衝突の衝撃が減少して、該衝突に起因する騒音および摩耗が低減し、シューのバタツキが抑制される。
対面係合要素において、溝部または支持面係合要素は、長手方向での一部の範囲に亘って、すなわち長手方向で局所的に1以上設けられてもよい。対面係合要素において、溝部、対面係合片、支持面係合要素または裏面係合要素は、幅方向で異なる位置に、複数設けられてもよい。
位置決め係合要素は、対面係合要素であってもよい。
ベース側縁係合要素が、側縁係合片のみ、または、側縁収容部および側縁係合片の組合せで構成され、シュー側縁係合要素が、側縁収容部のみ、または、側縁係合片および側縁収容部の組合せで構成されてもよい。また、支持面係合要素が、対面係合片のみ、または、対面収容部および対面係合片の組合せで構成され、裏面係合要素が、対面収容部のみ、または、対面係合片および対面収容部の組合せで構成されてもよい。
ガイドのすべての側縁係合要素が、第2実施例での第2側縁係合要素のみ、または、第3実施例での第2側縁係合要素のみにから構成されてもよい。
ベース用形成材料の熱膨張係数が、シュー用形成材料の熱膨張係数よりも大きくてもよい。
100,200,300,400・・・チェーンガイド
110,210,310,410・・・ベース
113,213,313,413・・・支持面
114,115,214,215,314,315,414,415・・・ベース縁部
114a,115a,214a,215a,314a,315a・・・リップ
116,216,316・・・嵌合溝部
116c,216c,316c・・・案内部
121,221,321・・・側縁孔部
122,222,322・・・上壁
123,223,323・・・孔
131,231,331,431・・・溝部
132a・・・スリット空間
132c,432c・・・幅広収容空間
132d・・・幅狭収容空間
133,433・・・スリット部
136,436・・・対面収容部
137,437・・・幅広収容部
138,438・・・幅狭収容部
150,250,350,450・・・シュー
151,251,351・・・走行面
153,253,353,453・・・裏面
154,155,254,255,354,355・・・シュー側縁
161,261,361,281,381・・・側縁係合片
162,282,382・・・爪
162a,282a,382a・・・従動面
163,263,363,283,383・・・支持部
171,271,371,471・・・対面係合片
172,272,372・・・球体
472・・・半球体
173,273,373,473・・・支持部
244,344・・・側縁嵌入部
245,345・・・凹部
246,346・・・上壁
248,348・・・奥部、
284,384・・・内側支持部
285,385・・・ブリッジ部
286,386・・・外側支持部
341・・・切欠部
342・・・段差部
343・・・底部
E・・・係合構造
E1・・・側縁係合構造
E2・・・対面係合構造
Eb・・・ベース係合部
Es・・・シュー係合部
Eb1・・・ベース側縁係合部
Eb2・・・支持面係合部
Es1・・・シュー側縁係合部
Es2・・・裏面係合部
e0・・・位置決め係合要素
e11,e12・・・側縁係合要素
e2・・・対面係合要素
C・・・長手方向隙間
P1・・・中央面
P2・・・長手方向中央平面
W1〜W5・・・横幅

Claims (8)

  1. 支持面および幅方向で前記支持面を挟んで位置する1対のベース側縁を有するベースと、走行する可撓伝動体が摺接する走行面および幅方向で前記走行面を挟んで位置する1対のシュー側縁を有するシューとを備え、前記ベースおよび前記シューが、前記ベースのベース係合部および前記シューのシュー係合部から構成される係合構造で結合されることにより、前記支持面が、前記シューの裏面にて前記シューを支持する可撓伝動体用ガイドにおいて、
    前記ベース係合部が、1以上の前記ベース側縁に設けられるベース側縁係合部と、前記支持面に設けられる支持面係合部とを有し、
    前記シュー係合部が、1以上の前記シュー側縁に設けられるシュー側縁係合部と、前記裏面に設けられる裏面係合部とを有し、
    互いに係合状態になる前記ベース側縁係合部および前記シュー側縁係合部が、側縁係合構造を構成し、
    互いに係合状態になる前記支持面係合部および前記裏面係合部が、対面係合構造を構成し、
    前記側縁係合構造が、前記係合状態で、長手方向および高さ方向のうちの、少なくとも長手方向における前記ベースと前記シューとの相対移動を規制しており、
    前記対面係合構造が、前記係合状態で、高さ方向における前記ベースと前記シューとの相対移動を規制しており、
    前記ベース側縁係合部および前記シュー側縁係合部の少なくとも一方と、前記支持面係合部および前記裏面係合部の少なくとも一方とが、弾性変形可能な1以上の弾性係合要素を有する弾性係合部であり、
    前記側縁係合構造および前記対面係合構造が、前記ベースに対する前記シューの組付時に前記シューが高さ方向で前記ベースに向かって相対的に移動する組付移動過程において生じる前記弾性係合要素の弾性変形を経て前記係合状態になるスナップフィット構造であることを特徴とする可撓伝動体用ガイド。
  2. 前記側縁係合構造および前記対面係合構造のうちで、一方の構造が、前記ベースおよび前記シューの熱膨張時に高さ方向での係合力を増大させることにより、前記シューを前記支持面に押し付ける構造であり、他方の構造が、前記ベースおよび前記シューの熱収縮時に高さ方向での係合力を増大させることにより、前記シューを前記支持面に押し付ける構造であることを特徴とする請求項1に記載の可撓伝動体用ガイド。
  3. 少なくとも1つの前記ベース側縁には、前記組付移動過程において、前記ベースに対する前記シューの、長手方向および幅方向での移動を規制しつつ、高さ方向に沿って前記シューを案内する案内部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可撓伝動体用ガイド。
  4. 前記ベース側縁係合部が、1以上のベース側縁係合要素から構成され、
    前記シュー側縁係合部が、前記ベース側縁係合要素と同数の前記弾性係合要素としてのシュー側縁係合要素から構成され、
    前記シュー側縁係合要素が、前記走行面よりも上方の位置で前記ベース側縁係合要素と係合する第1係合部位と、第2係合部位とを有し、
    前記第1係合部位が、前記係合状態で前記ベース側縁係合要素に対して下方から当接していて、前記ベースおよび前記シューの熱膨張時に前記ベース側縁係合要素に対する係合力を増大させ、
    前記第2係合部位が、前記係合状態で前記ベース側縁係合要素に対して上方から当接していて、前記ベースおよび前記シューの熱収縮時に、前記対面係合構造との協働により、前記ベース側縁係合要素に対する係合力を増大させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の可撓伝動体用ガイド。
  5. 1対の前記ベース側縁には、長手方向で離隔していると共に高さ方向での1対の段差部と、前記1対の段差部に連なって長手方向に延びている底部とを有すると共に、下方に向かって凹んでいる切欠部が設けられ、
    前記底部が、前記ベース側縁係合要素であり、
    前記第1係合部位よりも上方の位置で前記ベース側縁係合要素と係合する前記第2係合部位が、前記切欠部内に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の可撓伝動体用ガイド。
  6. 前記ベース側縁係合部が、1以上の第1ベース側縁係合要素と、前記ベース側縁係合要素である第2ベース側縁係合要素とから構成され、
    前記シュー側縁係合部が、前記第1ベース側縁係合要素と同数の前記弾性係合要素としての第1シュー側縁係合要素と、前記シュー側縁係合要素である第2シュー側縁係合要素とから構成され、
    前記第1シュー側縁係合要素が、前記第1ベース側縁係合要素に対して幅方向内側から高さ方向で係合していると共に、前記係合状態において前記第1ベース側縁係合要素に下方から当接していて前記ベースおよび前記シューの熱膨張時に前記第1ベース側縁係合要素に対する係合力を増大させ、
    前記第1係合部位が、前記第2ベース側縁係合要素に対して幅方向外側から高さ方向で係合していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の可撓伝動体用ガイド。
  7. 前記支持面係合部が、前記支持面に開口するスリット空間を形成すると共に長手方向に延びているスリット部と、高さ方向で前記スリット部に連なると共に長手方向に延びている収容部とを有する1以上の溝部から構成され、
    前記収容部が、複数の幅広収容部と、前記幅広収容部の横幅よりも小さい横幅の複数の幅狭収容部とが、長手方向に1つずつ交互に連なって配列されて構成され、
    前記裏面係合部が、前記収容部に収容されるシュー対面係合部位と、前記裏面に接続されて前記シュー対面係合部位を支持する支持部とを有する1以上の前記弾性係合要素としての係合片から構成され、
    前記スリット部の横幅が、前記シュー対面係合部位の横幅よりも小さく、
    幅方向での前記幅狭収容部の大きさは、前記幅狭収容部に収容されている前記シュー対面係合部位が幅方向で接触する大きさであり、
    前記シュー対面係合部位が、前記組付移動過程における前記スリット部との接触による弾性変形を経て位置する前記収容部内において、前記溝部との係合により、上方への前記シューの移動を規制し、かつ、前記シューの熱膨縮時に、長手方向で1以上の前記幅広収容部または1以上の前記幅狭収容部で移動可能であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の可撓伝動体用ガイド。
  8. 前記溝部が、長手方向で前記支持面の全長に亘って連続して形成され、
    前記幅広収容部が形成する幅広収容空間が球状であり、
    前記シュー対面係合部位が、幅方向での片側に球状面を有する半球体であることを特徴とする請求項7に記載の可撓伝動体用ガイド。
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