JP2014227540A - ウェットマスターバッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐亀裂進展性や耐疲労性を改善するために、充填剤スラリーと、エラストマーラテックスからウェットマスターバッチを、作業性を損ねることなく調製する。
【解決手段】エラストマーラテックスを酵素加水分解処理、塩基加水分解処理、又はラジカル分解処理によって、ゲルを低減し、充填剤のBET比表面積が40〜400m/g、DBP吸着量が200ml/100g以下であり、ゴム成分を100重量部とする時の、充填剤添加量、P重量部に対して、充填剤のスラリーにおける微粒径比率である、1μm以下の分率M(%)とする時、
M≧−0.63×P+95を満たし、
乾燥後の130℃におけるせん断弾性係数G’が115kPa以下である、ウェットマスターバッチ。
【選択図】なし

Description

本発明は、作業性を向上させたゴム組成物用ウェットマスターバッチに関する。
通常のバンバリーミキサー等によるドライ配合に比べ、ウェットマスターバッチの段階で、充填剤を配合すると、耐亀裂進展性、耐疲労性が向上することが知られている。この際、充填剤の配合量を増加、及び/または、使用するスラリーの充填剤粒径を、微粒径化することが有効であるが、一方で、充填剤にラテックス中のポリマー成分が吸着されるため、ゲルが増加する。
ゲルの増加は、ウェットマスターバッチの粘度を増大させるため、後工程において、バンバリーミキサー等での混練する際に、噛み込みが悪くなり、混練の長時間化や使用電力量の増加を招き、作業性の悪化をもたらすという問題があった。
特許文献1では、エラストマーラテックスとカーボンブラックなどの充填剤からなる、ウェットマスターバッチの詳細な調製方法と、さらに、このマスターバッチから得た、充填剤の分散度が規定されている、エラストマー複合体が開示されているが、生成物たるエラストマー複合体が満たすべき条件が述べられているのみであり、充填剤の配合について、条件が示されているわけではない。
特許第4950154号公報
粘度の増大を抑制して、作業性の悪化防止を図りつつ、耐亀裂進展性と耐疲労性を向上できるウェットマスターバッチを提供する。
ゲルの増大を防止するために、あらかじめポリマー成分中に存在するゲルを、加水分解処理によって会合を解くとともに、さらに、ゲルの核となりうる充填剤量等を適正化することにより、ゲルの増加を抑制して充填剤配合を実現し、耐亀裂進展性と耐疲労性に優れた、ゴム組成物を与えるウェットマスターバッチを得ることができる。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(6)に存する。
(1)少なくとも、充填剤のスラリーとエラストマーラテックスを混合・凝固・脱水・乾燥して得られるゴム組成物用、ウェットマスターバッチであって、
前記充填剤のBET比表面積が40〜400m/g、DBP(ジブチルフタレート)吸着量が200ml/100g以下であり、充填剤のスラリーにおける微粒径比率である、1μm以下の分率、M(%)が、ゴム成分を100重量部とする時の、充填剤添加量、P重量部に対して、
M≧−0.63×P+95を満たし、
乾燥後の130℃におけるせん断弾性係数G’が115kPa以下であるウェットマスターバッチ。
(2)前記エラストマーラテックスのゲル量が50%以下である、(1)に記載のウェットマスターバッチ。
(3)前記エラストマーラテックスが酵素加水分解処理、塩基加水分解処理、又はラジカル分解処理された、上記(1)又は(2)に記載のウェットマスターバッチ。
(4)前記エラストマーラテックスの酵素処理が、温度70℃以下で、行われる(1)乃至(3)の何れかに記載のウェットマスターバッチ。
(5)前記エラストマーラテックスの酵素加水分解処理により、残存するタンパク質の割合が1.0%以下(乾燥固化時)である、上記(3)又は(4)に記載のウェットマスターバッチ。
(6)前記エラストマーラテックスの塩基加水分解処理により、残存するタンパク質の割合が1.0%以下(乾燥固化時)である、上記(3)に記載のウェットマスターバッチ。
本発明(1)と(2)によって、充填剤添加量を抑えるのに必要な条件が示され、耐亀裂進展性や耐疲労性など、破壊特性には優れるゴム組成物を与えつつも、ウェットマスターバッチの粘度の増大により、作業性を悪化させないようにできる。
(3)〜(6)によって、ゲルの要因となるタンパク質を切断したエラストマーラテックスで、上記(1)や(2)のウェットマスターバッチが調製できる。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
少なくとも、充填剤のスラリーと酵素加水分解、塩基加水分解、又はラジカル加水分解により残存する、タンパク質の割合が1.0%以下に処理され、ゲル量が50%以下となったエラストマーラテックスを混合・凝固・脱水・乾燥して得られるゴム組成物用、ウェットマスターバッチであって、
前記充填剤のBET比表面積が40〜400m/g、DBP吸着量が200ml/100g以下であり、充填剤のスラリーにおける微粒径比率である、1μm以下の分率、M(%)が、ゴム成分を100重量部とする時の、充填剤添加量P重量部に対して、
M≧−0.63×P+95を満たし、
乾燥後の130℃におけるせん断弾性係数G’が115kPa以下である、耐亀裂進展性や耐疲労性に優れると共に、作業性も優れたウェットマスターバッチである。
本発明の充填剤スラリーの充填剤は、カーボン及び/又はシリカを用いることができ、その表面物性はBET比表面積が40〜400m/g、DBP吸着量が200ml/100g以下である。BET表面積は、80〜350m/gが好ましく、100〜300m/gがより好ましい。DBP吸着量は、150ml/100g以下が好ましく、120ml/100g以下がより好ましい。BET比表面積が40m/g未満ではエラストマー成分との相互作用が小さすぎて、充填剤としての補強効果が不十分であり、400m/gを超えると、増大した表面積に対するエラストマー成分の吸着を招き、ゲルの生成を抑制できない。DBP吸着量についても、この値が200ml/100gを超えると、エラストマー成分の吸着を招き、やはりゲルの生成が抑制できず、作業性が悪化する。
充填剤の配合量は、本発明において、特に考慮されるものであり、耐亀裂進展性や破壊特性を改善する一方で、ウェットマスターバッチの作業性悪化防止には、配合量を抑制する必要があるが、その条件として、ゴム成分100重量部とする時の、充填剤添加量、P重量部は、充填剤のスラリーにおける微粒径比率である、1μm以下の分率M(%)とする時、
M≧−0.63×P+95
を満たすことが必要である。すなわち、配合量を抑えるためには、微粒径比率を上げる必要がある。また、実用的な観点からも、微粒径比率が高い場合において、分散性を良くして、添加効果を高めるために、ウェットマスターバッチとして充填剤を混合する意義がある。
充填剤としては、上記のようにカーボンブラックやシリカを用いることを、前提とするが、表面物性等が明らか、又は、換算した値から、使用に適していると判断できる限りにおいては、これら以外の通常のゴム工業で用いられるアルミナ、水酸化アルミニウム、クレー、炭酸カルシウムを使用することや、併用することが可能である。また、ウェットマスターバッチの段階でなく、その後の工程において、追加混練することについては、それらが、本来、本願発明が目的としてきた、諸問題の解決するための効果を低減又は、無効にするものでなければ、差支えない。
エラストマーラテックスは、固形分の含有量が40%を超えると、充填剤スラリーとの混合において、分散性が悪くなり、一方で15%未満では、ウェットマスターバッチから、目的のゴム固形分を取り出すうえで、効率が悪くなる。よって固形分は15〜40%が好ましく、20〜35%がさらに好ましい。
エラストマーラテックスは、充填剤スラリー混合時における、ゲル生成に由来する、増分を考慮すると、あらかじめゲルの含有量が50%以下であれば、作業性悪化が抑制される。45%以下が好ましく、40%以下であればさらに好ましい。
エラストマーラテックスには、天然ゴムラテックス以外に、ジエン系合成ゴムとして、ポリブタジエン、ポリイソプレン、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどを併用してもよい。
上記、エラストマーラテックスが、天然ゴムラテックスである場合、エラストマー成分であるポリマー末端には、タンパク質やリン脂質が結合しており、これらがそれぞれの分子末端同士で、水素結合を始め、タンパク質やリン脂質に特有な、相互作用で以って、高次構造をとるため、ゲルが生成しやすい状況にある。このゲル量を削減するために、酵素、塩基、ラジカル発生試剤を用いた、各種の分解により、タンパク質を切断して、高次構造の構築を防止した、変性ラテックスを用いることで、ゲル量を削減することができる。
酵素を用いた、加水分解は例えば、特許第4726490号等に開示されている方法を用いて、好適に行うことができ、温度70℃以下で、好ましくは50℃以下で行うことができる。70℃を超えると、ラテックスの安定性が悪くなり好ましくない。酵素としてはプロテアーゼを用いることができる。また、アニオン系、カチオン系、非イオン系等、各種の界面活性剤を併用してもよい。特に、タンパク質を切断した場合、ラテックスの安定性が悪化するため、安定性を補う意味では、使用することが好ましい。また、使用目的によっては、アレルゲンとなる、タンパク質は分解処理後、ラテックス系中から除去した方が好ましいが、タイヤ等に使用するゴムにおいては、必須ではない。但し、ウェットマスターバッチとしての保存性等の観点からは、除去した方が好ましい場合もある。
加水分解処理として、酵素を用いる以外に、塩基加水分解でも良い。用いることができる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などが挙げられる。
加水分解のみならず、タンパク質やリン脂質の切断には、ラジカル発生剤による、分解も可能である。用いることができる、ラジカル発生剤としては、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ジtert−ブチルペルオキシド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−ジアミノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−ジアミノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
上記のような、各種処理によって、加水分解することにより、タンパク質を天然ゴム分子の末端から切断することができ、残存するタンパク質の割合が、1.0%以下(乾燥固化時)であれば、ゲルの含有量も低下する。0.9%以下が好ましく、0.8%以下が更に好ましい。各種処理における、酵素や、塩基、ラジカル発生剤の添加量は、上記、残存するタンパク質の割合が達成できる程度に、合うように選択することができる。
上記条件に基づき、充填剤の配合量を抑制したうえで、乾燥後の130℃における、せん断弾性係数が115kPa以下であることが、作業性の維持に必要な条件である。この数値以下であれば、後工程において、バンバリーミキサー等での混練を行う際に、噛み込みが悪くなり、混練の長時間化や使用電力量の増加を招き、作業性の悪化をもたらすという問題を防ぐことができる。
マスターバッチの凝固方法としては、通常と同様、上記混合液に蟻酸、硫酸等の酸や、塩化ナトリウム等の塩の凝固剤を用いて行われる。また、本発明においては、凝固剤を添加せず、エラストマーラテックスと充填剤スラリーとを混合することによって、凝固がなされる場合もある。
また、マスターバッチには、所望に応じて、カーボンブラックの充填材以外に、加硫剤、老化防止剤、着色剤、分散剤、亜鉛華、ステアリン酸等の薬品など種々のゴム工業にて通常用いられている添加剤を加えることができる。
また、これら添加剤は、ウェットマスターバッチ以後の段階で、適宜添加してもよい。
マスターバッチ製造の最終工程として、乾燥が通常行われる。本発明においては、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー、バンドドライヤー等の通常の乾燥機を用いることができるが、さらに充填材の分散性を向上させるためには、機械的せん断力をかけながら乾燥を行なうことが好ましい。これにより、耐亀裂進展性、破壊特性に優れたゴムを得ることができる。この乾燥は、一般的な混練機を用いて行なうことができるが、工業的生産性の観点から、連続混練機を用いることが好ましい。さらには、同方向回転、あるいは異方向回転の2軸混練押出機などの多軸混練押出機を用いることがより好ましい。
以下に本発明を、実施例・比較例を用いて説明するが、本発明の構成は、以下の実施例に限定されるものではない。
(天然ゴムラテックスの酵素処理)
温度、30℃にて天然ゴムラテックス(固形分比率30重量%に調製して使用)、100gに対しプロテアーゼ(東京化成社製)、30mgの比率で用いて、48時間処理した。この、酵素処理した変性ラテックスを実施例1〜7、及び、比較例1〜4で用いた。
(実施例1〜3及び比較例1〜4)
上記、酵素処理で得られた、変性ラテックスの水分散液、300gを撹拌しながら、あらかじめ、表1記載のBET(m/g)、DBP(ml/100g)のカーボンブラック(旭カーボン社製、SUNBLACK SBX45)5重量部と、精製水95重量部を用いて、分散機(シルバーソン社製:ハイシェアーミキサーEX60)を使用して表1記載の回転数で30分間分散させ、表1記載の微粒径比率(%)に調製したスラリーを、ゴム成分100重量部に対して、カーボンブラックが表1記載の重量部数になる様に適量を混合して、ウェットマスターバッチを調製した。この際、上述の通り、作業性を良好(○)、不良(×)で評価すると共に、このウェットマスターバッチから得られたゴム組成物の耐亀裂進展性と耐疲労性について、良好(○)、不良(×)で評価した。
(実施例4)
表1記載のBET(m/g)、DBP(ml/100g)のカーボンブラック(旭カーボン社製、SUNBLACK SB910)を使用した以外は、実施例1と同様に調製及び評価を行った。
(実施例5)
表1記載のBET(m/g)、DBP(ml/100g)のカーボンブラック(東海カーボン社製、トーカブラック#5500)を使用した以外は、実施例1と同様に調製及び評価を行った。
(実施例6)
表1記載のBET(m/g)、DBP(ml/100g)のカーボンブラック(旭カーボン社製、SUNBLACK SBX15)を使用した以外は、実施例1と同様に調製及び評価を行った。
(実施例7)
上記、実施例1〜6及び比較例1〜4と同様にして、上記、酵素処理で得られた、変性ラテックスの水分散液、300gを撹拌しながら、BET200m/g、DBP200ml/100gのシリカ(東ソー・シリカ社製、Nipsil AQ)5重量部と精製水95重量部を用いて、分散機(シルバーソン社製:ハイシェアーミキサーEX60)を使用して表1記載の回転数で30分間分散させ、微粒径比率70%に調製したスラリーを、ゴム成分100重量部に対してシリカが40重量部になる様に混合して、ウェットマスターバッチを調製した。以下、実施例1〜6等と同様に、ゴム組成物を得て評価した。
(実施例8)
温度、70℃にて天然ゴムラテックス(固形分比率30重量%に調製して使用)、100gに対し水酸化ナトリウム(東京化成社製)、0.9gの比率で用いて、4時間ケン化処理した。この、ケン化処理した変性ラテックスの水分散液、300gを撹拌しながら、BET120m/g、DBP55ml/100gのカーボンブラック5重量部と精製水95重量部を用いて、分散機(シルバーソン社製:ハイシェアーミキサーEX60)を使用して表1記載の回転数で30分間分散させ、微粒径比率45%に調製したスラリーを、水に分散させておいたゴム成分100重量部に対して、カーボンブラックが80重量部になる様に混合してウェットマスターバッチを調製した。以下、実施例1〜6等と同様に評価した。
(比較例5)
未変性ラテックスの、水分散液、300g(固形分比率30重量%に調製して使用)を撹拌しながら、BET120m/g、DBP55ml/100gのカーボンブラック5重量部と精製水95重量部を用いて、分散機(シルバーソン社製:ハイシェアーミキサーEX60)を使用して表1記載の回転数で30分間分散させ、微粒径比率60%に調製したスラリーを、水に分散させておいたゴム成分100重量部に対して、カーボンブラックが60重量部になる様に混合して、ウェットマスターバッチを調製した。以下、実施例1〜6等と同様に評価した。
<充填剤の物性測定方法>
BET比表面積:
ASTM D3037−88に準拠して測定した。
DBP吸油量:
ASTM D2414法に準拠して測定した。
微粒径比率:
粒径分布測定装置「マイクロトラック MT3000(日機装社製)」にて、測定を行い、付属のソフトウェアにて1μm以下の粒径の比率を求めた。
<ゴム成分の分析、物性測定方法>
タンパク質量:
各マスターバッチについて、元素分析装置「TruSpec CHN(LECO社製)」にて窒素量を測定し、平均的なタンパク質における窒素含量との比率(タンパク質量=窒素量×6.3)で換算して求めた。割合は、ゴム成分の重量に対する含有比率として算出した。
動的貯蔵(せん断)弾性係数G’:
未加硫粘弾性装置「RPA2000(ALPHA TECHNOLOGIES社製)」を用い、温度130℃、歪み(捩じり角)1°、周波数100cpmの条件にて、動的貯蔵(せん断)弾性係数G’を測定した。
<ゴムの評価方法>
作業性:
乾燥後のマスターバッチ100gを、3インチロールを用い、温度65℃、ギャップ1mmで素通しを繰り返し、ロールに巻き付く状態になるまでの素通し回数が20回以下であれば、乾燥後の130℃におけるせん断弾性係数G’が115kPa以下であること及び、マスターバッチの粘度が低いことを示すものであり、良好(○)とした。
耐疲労性:
表1に示したマスターバッチを用い、下記の〔加硫ゴム作成方法〕に示した、配合・条件で作成した加硫ゴムに対し、繰り返し疲労試験装置を用い、サンプル形状がダンベル型のゴムサンプルについて、100%定歪、初期歪なし、300rpmの条件で繰り返し疲労試験を50万回行い、疲労前後の破断強度の変化率を評価し、比較例5と比較して、同じかそれ以上の場合を良好(○)とした。破断強度の測定は、JIS K 6251に準拠して測定した。
耐亀裂進展性:
耐疲労性と同様にして、繰り返し疲労試験装置を用い、サンプル形状がダンベル型のゴムサンプルの中央に長さ1mmの傷を入れた後、100%定歪、初期歪なし、300rpmの条件で繰り返し疲労試験を行い、傷が成長して破断するまでの時間を評価し、比較例5と比較して、同じかそれ以上の場合を良好(○)とした。
〔加硫ゴム作成方法〕
ノンプロ練り(加硫薬品以外の混練)
配合: マスターバッチ ゴム分として100重量部を含有する重量部、ステアリン酸 2.0重量部、亜鉛華 3.0重量部、Antigene6C(老化防止剤) 1.0重量部
装置: 東洋精機製 プラストミル
回転数: 70rpm
設定温度: 110℃
練り条件: マスターバッチ投入後30秒 →上記、薬品投入後 3分

プロ練り(加硫薬品の混練)
配合: ノンプロゴム ゴム分として100重量部を含有する重量部、NOCCELER D(加硫促進剤) 0.6重量部、NOCCELER DM(加硫促進剤) 1.0重量部、硫黄 2.0重量部
装置: 東洋精機製 プラストミル
回転数: 70rpm
設定温度: 80℃
練り条件: ノンプロゴム投入後30秒 →上記、加硫薬品投入後 1分

加硫
145℃で30分
Figure 2014227540
*1:酵素=酵素加水分解、ケン化=塩基加水分解
*2:ゴム成分を100重量部とする場合の重量部数
充填剤について、BET120m/g、DBP55ml/100gのカーボンブラックを用い、微粒径比率(%)と量の関係が適切な、実施例1〜3と、関係が適切でない比較例1〜4を比べると、実施例1〜3では、作業性、耐亀裂進展性、耐疲労性が良好であったのに対し、比較例1ではせん断弾性係数G’が増大して作業性が悪化して、耐亀裂進展性も悪化した。又、比較例2〜4では作業性は保てたものの物性が低下した。微粒径比率(%)と量の関係が適切であっても、未変性ラテックスを用いた、比較例5では、せん断弾性係数G’が増大して作業性が悪化した。カーボンブラックの表面物性を変化させた実施例4〜6及び、充填剤をシリカに替えた、実施例7においても、微粒径比率と量の関係が適切であれば、作業性、耐亀裂進展性、耐疲労性が良好であった。また、ラテックスの変性をケン化で行った、実施例8についても、実施例1と同じ、表面物性のカーボンブラックを用いて、微粒径比率(%)と量の関係が適切であれば、作業性、耐亀裂進展性、耐疲労性が良好であった。
本発明を利用すれば、作業性を損なうことなく、耐亀裂進展性、耐疲労性に優れた、ゴム組成物を与える、ウェットマスターバッチが得られる。

Claims (6)

  1. 少なくとも、充填剤のスラリーとエラストマーラテックスを混合・凝固・脱水・乾燥して得られるゴム組成物用、ウェットマスターバッチであって、
    前記充填剤のBET比表面積が40〜400m/g、DBP吸着量が200ml/100g以下であり、充填剤のスラリーにおける微粒径比率である、1μm以下の分率、M(%)が、ゴム成分を100重量部とする時の、充填剤添加量、P重量部に対して、
    M≧−0.63×P+95を満たし、
    乾燥後の130℃におけるせん断弾性係数G’が115kPa以下であるウェットマスターバッチ。
  2. 前記エラストマーラテックスのゲル量が50%以下である、請求項1に記載のウェットマスターバッチ。
  3. 前記エラストマーラテックスが酵素加水分解処理、塩基加水分解処理、又はラジカル分解処理された、請求項1又は2に記載のウェットマスターバッチ。
  4. 前記エラストマーラテックスの酵素処理が、温度70℃以下で、行われる請求項1乃至3の何れかに記載のウェットマスターバッチ。
  5. 前記エラストマーラテックスの酵素加水分解処理により、残存するタンパク質の割合が1.0%以下(乾燥固化時)である、請求項3又は4に記載のウェットマスターバッチ。
  6. 前記エラストマーラテックスの塩基加水分解処理により、残存するタンパク質の割合が1.0%以下(乾燥固化時)である、請求項3に記載のウェットマスターバッチ。
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