JP2014227520A - 感温性粘着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】剥離が容易な感温性粘着剤を提供することである。【解決手段】少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)および極性モノマー(A)を重合させることによって得られる共重合体(A)からなる、側鎖結晶性ポリマーを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの凍結点以下の温度で粘着力が低下する感温性粘着剤であって、前記側鎖結晶性ポリマーに、少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)および極性モノマー(B)を重合させることによって得られる共重合体(B)からなり前記側鎖結晶性ポリマーの凍結点よりも高い凍結点を有する、結晶促進剤を添加するようにした。【選択図】なし

Description

本発明は、感温性粘着剤に関する。
感温性粘着剤は、その粘着力を熱によって可逆的に制御できる粘着剤である。より具体的には、感温性粘着剤は、主成分として含有する側鎖結晶性ポリマーの凍結点以下の温度に冷却されると、側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによって粘着力が低下するものである。このような感温性粘着剤の一使用形態である感温性粘着テープは、積層セラミックコンデンサ等のセラミック部品の製造に使用されている(例えば、特許文献1参照)。感温性粘着テープを使用する積層セラミックコンデンサの製造は、通常、以下の(i)〜(vi)工程を含む。
(i)粘着力を発現させた感温性粘着テープをセラミックグリーンシート積層体に貼着する。
(ii)貼着した感温性粘着テープを介してセラミックグリーンシート積層体を台座上に固定する。
(iii)台座上に固定したセラミックグリーンシート積層体を切断して複数の生チップを形成する。
(iv)形成した複数の生チップの状態を検査する。
(v)感温性粘着テープの粘着力を低下させて複数の生チップを感温性粘着テープから取り出す。
(vi)取り出した生チップを焼成してセラミックチップを得、得られたセラミックチップの端面に外部電極を形成して積層セラミックコンデンサを得る。
上述した(i)〜(vi)工程のうち(v)工程では、感温性粘着テープを側鎖結晶性ポリマーの凍結点以下の温度に冷却して粘着力を低下させる必要がある。
しかし、従来の感温性粘着テープでは、粘着力低下後にも粘着力が残存して剥離性に劣る場合があった。この問題は、感温性粘着テープを被着体に貼着した状態で高温雰囲気下に曝した場合に増加する傾向があった。
特開平9−251923号公報
本発明の課題は、剥離が容易な感温性粘着剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)および極性モノマー(A)を重合させることによって得られる共重合体(A)からなる、側鎖結晶性ポリマーを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの凍結点以下の温度で粘着力が低下する感温性粘着剤であって、前記側鎖結晶性ポリマーに、少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)および極性モノマー(B)を重合させることによって得られる共重合体(B)からなり前記側鎖結晶性ポリマーの凍結点よりも高い凍結点を有する、結晶促進剤が添加されている、感温性粘着剤。
(2)前記共重合体(B)は、前記炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)を主成分とする、前記(1)に記載の感温性粘着剤。
(3)前記極性モノマー(A)および前記極性モノマー(B)は、互いに異なるモノマーであり、前記側鎖結晶性ポリマーは、前記共重合体(A)を架橋剤(A)によって架橋反応させてなり、前記結晶促進剤は、前記共重合体(B)を前記架橋剤(A)とは異なる架橋剤(B)によって架橋反応させてなる、前記(1)または(2)に記載の感温性粘着剤。
(4)前記共重合体(A)の重量平均分子量が、前記共重合体(B)の重量平均分子量よりも大きい、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(5)前記結晶促進剤の添加量が、側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して0.1〜1.0重量部である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(6)ステンレス鋼に対する180°剥離強度が、80℃の雰囲気温度において5.0N/25mm以上であるとともに、80℃の雰囲気温度を経た後の23℃の雰囲気温度において0.1N/25mm以下である、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(7)セラミック部品製造用である、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(8)前記セラミック部品が、積層セラミックコンデンサである、前記(7)に記載の感温性粘着剤。
(9)前記(1)〜(8)のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる粘着剤層を、フィルム状の基材の片面または両面に積層してなる、感温性粘着テープ。
本発明によれば、剥離を容易に行うことができるという効果がある。
参考例における示差熱走査熱量計(DSC)の測定結果(冷却時)を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る感温性粘着剤について詳細に説明する。本実施形態の感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを含有する。側鎖結晶性ポリマーは、融点および凍結点を有するポリマーである。融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていた重合体の特定部分が無秩序状態になる温度を意味するものとする。また、凍結点とは、ある平衡プロセスにより、最初は無秩序状態であったポリマーの特定部分が秩序ある配列に整合される温度を意味するものとする。融点および凍結点はいずれも、示差熱走査熱量計(DSC)によって10℃/分の測定条件で測定して得られる値である。
ここで、上述した融点は、通常、凍結点よりも高い温度である。また、融点から凍結点までの間の温度における側鎖結晶性ポリマーは、流動状態と結晶状態とが混在した状態にある。したがって、側鎖結晶性ポリマーは、凍結点以下の温度では結晶化し、かつ凍結点よりも高い温度では少なくとも一部が相転位して流動性を示すことになる。すなわち、鎖結晶性ポリマーは、温度変化に対応して結晶状態と流動状態とを可逆的に起こす感温性を有する。
そして、本実施形態の感温性粘着剤は、凍結点以下の温度で側鎖結晶性ポリマーが結晶化したときに粘着力が低下する割合で側鎖結晶性ポリマーを含有する。つまり、本実施形態の感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを主成分として含有していることから、被着体から感温性粘着剤を剥離するときには、感温性粘着剤を側鎖結晶性ポリマーの凍結点以下の温度に冷却すれば、側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによって粘着力が低下する。また、感温性粘着剤を側鎖結晶性ポリマーの凍結点よりも高い温度に加熱すれば、側鎖結晶性ポリマーが流動性を示すことによって粘着力が回復するので、繰り返し使用することができる。
融点としては、48〜58℃であるのが好ましい。また、凍結点としては、35〜45℃であるのが好ましい。これらの構成によれば、室温(23℃)において側鎖結晶性ポリマーが結晶状態にあることから、感温性粘着剤の粘着力を室温で低下させることができ、結果として作業性を向上させることができる。なお、本実施形態では、後述するように側鎖結晶性ポリマーを構成する共重合体(A)を架橋剤(A)によって架橋するが、融点および凍結点はいずれも、架橋前後でその値が若干異なる傾向にある。例示した融点および凍結点の値はいずれも、架橋前の値である。この点、後述する結晶促進剤においても同様である。
上述した融点および凍結点は、側鎖結晶性ポリマーの組成等を調整することによって所望の値に制御することができる。本実施形態の側鎖結晶性ポリマーは、少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)および極性モノマー(A)を重合させることによって得られる共重合体(A)からなる。
炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)は、その炭素数16以上の直鎖状アルキル基が側鎖結晶性ポリマーにおける側鎖結晶性部位として機能する。すなわち、側鎖結晶性ポリマーは、側鎖に炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する櫛形のポリマーであり、この側鎖が分子間力等によって秩序ある配列に整合されることにより結晶化するのである。このような炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)としては、例えばセチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数16〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
極性モノマー(A)は、後述する架橋剤(A)と反応する架橋成分として機能する。極性モノマー(A)としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基を有するエチレン不飽和単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するエチレン不飽和単量体等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
また、共重合体(A)は、上述した炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)および極性モノマー(A)とともに、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)をさらに重合させることができる。炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
上述した各モノマーは、例えば炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)を30〜100重量部、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)を0〜70重量部、極性モノマー(A)を1〜10重量部とする割合で重合させるのが好ましい。
重合方法としては、特に限定されるものではなく、例えば溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が採用可能である。溶液重合法を採用する場合には、上述したモノマーを溶剤に混合し、40〜90℃程度で2〜10時間程度攪拌すればよい。
側鎖結晶性ポリマーを構成する共重合体(A)の重量平均分子量としては、20万〜100万であるのが好ましく、40万〜70万であるのがより好ましい。重量平均分子量は、共重合体(A)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
ここで、本実施形態では、上述した側鎖結晶性ポリマーに結晶促進剤を添加する。本実施形態の結晶促進剤は、少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)および極性モノマー(B)を重合させることによって得られる共重合体(B)からなり、かつ側鎖結晶性ポリマーの凍結点よりも高い凍結点を有する。このような結晶促進剤を側鎖結晶性ポリマーに添加すると、剥離を容易に行うことが可能となる。この理由としては、以下の理由が推察される。
すなわち、従来の感温性粘着剤を被着体に貼着した状態で高温雰囲気下に曝すと、感温性粘着剤が柔軟になって被着体の表面に存在する凹凸形状に追従するようになる。それゆえ雰囲気温度が下がったときに、いわゆるアンカー効果が発現し、感温性粘着剤の粘着力が初期粘着力よりも高くなる。その結果、剥離時に転写またはスティック・スリップ現象等の剥離不良を生じる。したがって、従来の感温性粘着剤で生じる剥離不良の原因は、主に、アンカー効果に起因すると推察される。
本実施形態の結晶促進剤は、側鎖結晶性ポリマーの凍結点よりも高い凍結点を有することから、側鎖結晶性ポリマーよりも早く結晶化し、側鎖結晶性ポリマーの結晶化を促進させる核剤として機能する。このような結晶促進剤が添加されている本実施形態の感温性粘着剤を被着体に貼着した状態で高温雰囲気下に曝すと、結晶促進剤のうち被着体の表面およびその近傍に位置しているものが被着体の表面で濡れ広がる。そして、雰囲気温度が下がったときには、被着体の表面で濡れ広がった結晶促進剤の近傍から結晶促進剤を核として側鎖結晶性ポリマーの結晶化が急嵯に進行する。その結果、アンカー効果を低減することができ、これに伴って転写およびスティック・スリップ現象の発生を抑制することができ、剥離を容易に行うことが可能になると推察される。
また、本実施形態によれば、高温雰囲気下での粘着力を維持しつつ、剥離を容易に行うことが可能となる。具体的には、ステンレス鋼に対する180°剥離強度を、80℃の雰囲気温度において5.0N/25mm以上、80℃の雰囲気温度を経た後の23℃(室温)の雰囲気温度において0.1N/25mm以下にすることができる。ステンレス鋼に対する180°剥離強度は、後述する実施例に記載の測定方法で測定して得られる値である。
結晶促進剤の凍結点としては、46〜56℃であるのが好ましい。また、結晶促進剤は、側鎖結晶性ポリマーと同様に融点を有する。結晶促進剤の融点としては、59〜69℃であるのが好ましい。
結晶促進剤を構成する共重合体(B)において、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)および極性モノマー(B)としては、上述した側鎖結晶性ポリマーを構成する共重合体(A)で例示したのと同じモノマーが挙げられる。
また、共重合体(B)は、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)および極性モノマー(B)とともに、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)をさらに重合させることができる。炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)としては、上述した炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)で例示したのと同じモノマーが挙げられる。
上述した各モノマーは、例えば炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)を30〜100重量部、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)を0〜70重量部、極性モノマー(B)を1〜10重量部とする割合で重合させるのが好ましい。
また、共重合体(B)は、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)を主成分とするのが好ましい。これにより、結晶促進剤が結晶化し易くなることから、側鎖結晶性ポリマーの結晶化を促進させる核剤としての機能を向上させることができる。主成分とは、共重合体(B)の総量に対して85重量%以上である成分のことを意味するものとする。
また、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)は、上述した炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)と同一であってもよいし、異なっていてもよい。同様に、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)は、上述した炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
一方、本実施形態の極性モノマー(B)は、極性モノマー(A)とは異なるモノマーである。そして、本実施形態では、上述した側鎖結晶性ポリマーが、共重合体(A)を架橋剤(A)によって架橋反応させてなり、結晶促進剤が、共重合体(B)を架橋剤(A)とは異なる架橋剤(B)によって架橋反応させてなる。これらの構成によれば、共重合体(A),(B)をそれぞれ別々に架橋反応させることができ、耐熱性等の粘着物性を向上させつつ、共重合体(A),(B)のそれぞれの機能を十分に発揮させることが可能となる。
架橋剤(A),(B)としては、例えばアジリジン化合物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。架橋剤(A)の添加量としては、固形分換算で共重合体(A)100重量部に対して0.1〜5重量部の割合であるのが好ましい。同様に、架橋剤(B)の添加量としては、固形分換算で共重合体(B)100重量部に対して0.1〜5重量部の割合であるのが好ましい。架橋反応は、架橋剤(A),(B)に応じた条件で行えばよい。
また、本実施形態では、上述した側鎖結晶性ポリマーを構成する共重合体(A)の重量平均分子量が、結晶促進剤を構成する共重合体(B)の重量平均分子量よりも大きい。このような構成によれば、側鎖結晶性ポリマーに対する結晶促進剤の分散性を向上させることができる。共重合体(B)の重量平均分子量としては、5,000〜10,000であるのが好ましく、6,000〜8,000であるのがより好ましい。
結晶促進剤の添加量としては、側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して0.1〜1.0重量部であるのが好ましい。これにより、上述した結晶促進剤による効果を得ることができる。
上述した本実施形態の感温性粘着剤は、易剥離性が要求される分野の粘着剤として好適に用いることができる。具体的には、本実施形態の感温性粘着剤は、セラミック部品製造用として好適に用いることができる。セラミック部品としては、例えば積層セラミックコンデンサ、セラミックインダクタ、セラミックバリスタ等が挙げられる。
特に、本実施形態の感温性粘着剤は、上述した積層セラミックコンデンサを製造する(i)〜(vi)工程に十分対応できることから、例示したセラミック部品のうち積層セラミックコンデンサの製造用として好適に用いることができる。
また、本実施形態の感温性粘着剤は、例えば基材レスのシート状の形態で使用することができる。感温性粘着剤を感温性粘着シートとして使用する場合には、その厚さが15〜400μmであるのが好ましく、120〜150μmであるのがより好ましい。
また、本実施形態の感温性粘着剤は、テープ状の形態で使用することもできる。感温性粘着剤を感温性粘着テープとして使用する場合には、感温性粘着剤からなる粘着剤層を、フィルム状の基材の片面または両面に積層すればよい。フィルム状とは、フィルム状のみに限定されるものではなく、本実施形態の効果を損なわない限りにおいて、フィルム状ないしシート状をも含む概念である。
基材の構成材料としては、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂が挙げられる。
基材は、単層体または複層体のいずれであってもよく、その厚さとしては、通常、5〜500μm程度である。基材には、粘着剤層に対する密着性を高める上で、例えばコロナ処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理等の表面処理を施すことができる。
基材の片面または両面に粘着剤層を設けるには、感温性粘着剤に溶剤を加えた塗布液を、コーター等によって基材の片面または両面に塗布して乾燥させればよい。コーターとしては、例えばナイフコーター、ロールコーター、カレンダーコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロッドコーター等が挙げられる。
粘着剤層の厚さとしては、5〜60μmであるのが好ましく、10〜60μmであるのがより好ましく、10〜50μmであるのがさらに好ましい。片面の粘着剤層の厚さと、他面の粘着剤層の厚さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、本実施形態では、片面の粘着剤層が感温性粘着剤からなる限り、他面の粘着剤層は特に限定されない。他面の粘着剤層を、例えば感温性粘着剤からなる粘着剤層で構成する場合、その組成は、片面の粘着剤層の組成と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、他面の粘着剤層を、例えば感圧性接着剤からなる粘着剤層で構成することもできる。感圧性接着剤は、粘着性を有するポリマーであり、例えば天然ゴム接着剤、合成ゴム接着剤、スチレン/ブタジエンラテックスベース接着剤、アクリル系接着剤等が挙げられる。
上述した感温性粘着シートおよび感温性粘着テープの表面には、離型フィルムを積層するのが好ましい。離型フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート等からなるフィルムの表面に、シリコーン等の離型剤を塗布したもの等が挙げられる。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明で「部」は重量部を意味する。
<合成例1:側鎖結晶性ポリマー>
ベヘニルアクリレートを45部、メチルアクリレートを50部、アクリル酸を5部、および重合開始剤として日油社製の「パーブチルND」を0.2部の割合で、それぞれ酢酸エチル230部に添加して混合し、55℃で4時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体(A)の重量平均分子量は65万、融点は54℃、凍結点は42℃であった。
<合成例2:結晶促進剤>
ベヘニルアクリレートを95部、2−ヒドロキシエチルアクリレートを5部、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタンを6部、および重合開始剤として日油社製の「パーヘキシルPV」を0.2部の割合で、それぞれトルエン150部に添加して混合し、80℃で2時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体(B)の重量平均分子量は7,000、融点は63℃、凍結点は51℃であった。
合成例1,2の共重合体(A),(B)を表1に示す。なお、重量平均分子量は、共重合体(A),(B)をGPCで測定し、得られた測定値をポリスチレン換算することによって得た。融点および凍結点は、共重合体(A),(B)をDSCで10℃/分の測定条件で測定することによって得た。
Figure 2014227520
<感温性粘着テープの作製>
まず、合成例1,2で得た共重合体(A),(B)を、酢酸エチルを用いて固形分が30重量%になるよう調整した。次に、架橋剤(A)を、固形分換算で共重合体(A)100部に対して0.2部の割合で添加した。同様に、架橋剤(B)を、固形分換算で共重合体(B)100部に対して0.5部の割合で添加した。添加した架橋剤(A),(B)は、以下のとおりである。
架橋剤(A):日本触媒社製のアジリジン化合物「ケミタイトPZ−33」
架橋剤(B):日本ポリウレタン社製のイソシアネート化合物「コロネートL45E」
次に、共重合体(A)に共重合体(B)を添加し、塗布液を得た。なお、共重合体(B)の添加量は、固形分換算で共重合体(A)100部に対して1部にした。
次に、得られた塗布液を、基材の片面に塗布した。基材は、片面をコロナ処理した厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。そして、110℃で5分間加熱して架橋剤(A)と架橋剤(B)の一部とを架橋反応させた後、さらに35℃で一週間加熱(養生)して架橋剤(B)の未架橋部位を架橋反応させ、厚さ40μmの粘着剤層が基材の片面に積層されてなる感温性粘着テープを得た。
<評価>
得られた感温性粘着テープについて、ステンレス鋼に対する180°剥離強度を評価した。評価方法を以下に示すとともに、その結果を表2に示す。
(ステンレス鋼に対する180°剥離強度)
得られた感温性粘着テープについて、80℃および23℃の各雰囲気温度におけるステンレス鋼に対する180°剥離強度をJIS Z0237に準拠して測定した。具体的には、以下の条件で感温性粘着テープをステンレス鋼板に貼着した後、ロードセルを用いて300mm/分の速度で180°剥離した。
(80℃)
80℃の雰囲気温度で感温性粘着テープをステンレス鋼板に貼着して20分間静置した後、180°剥離した。
(23℃)
80℃の雰囲気温度で感温性粘着テープをステンレス鋼板に貼着し、この雰囲気温度で20分間静置した後、雰囲気温度を23℃に下げ、この雰囲気温度で20分間静置した後、180°剥離した。
また、23℃の雰囲気温度における破壊状態を目視観察によって評価した。表2中、「界面剥離」は、感温性粘着テープおよびステンレス鋼板の界面で剥離したことを示し、「転写」は、感温性粘着テープの粘着剤層がステンレス鋼板に転写されたことを示す。
なお、ステンレス鋼板は、SUS304を用いた。また、感温性粘着テープの上で2kgのローラーを5往復させることによって、感温性粘着テープをステンレス鋼板に貼着した。
[比較例]
共重合体(A)に共重合体(B)を添加しなかった以外は、上述した実施例と同様にして塗布液を得、得られた塗布液を基材の片面に塗布し、110℃で5分間加熱して架橋剤(A)を架橋反応させ、厚さ40μmの粘着剤層が基材の片面に積層されてなる感温性粘着テープを得た。得られた感温性粘着テープについて、ステンレス鋼に対する180°剥離強度を上述した実施例と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2014227520
表2から明らかなように、実施例は、80℃の雰囲気温度における180°剥離強度が比較例と同等であり、かつ23℃の雰囲気温度における180°剥離強度が比較例よりも著しく小さく、破壊状態も界面剥離であることから、容易に剥離可能であることがわかる。
[参考例]
<感温性粘着シートの作製>
まず、上述した実施例と同様にして共重合体(A),(B)に架橋剤(A),(B)を添加した。次に、共重合体(A)に共重合体(B)を以下の添加量で添加し、試料No.1〜4に係る塗布液を得た。
(共重合体(B)の添加量)
試料No.1:0.0部(未添加)
試料No.2:0.1部
試料No.3:0.5部
試料No.4:1.0部
なお、共重合体(B)の添加量は、固形分換算で共重合体(A)100部に対する値である。
そして、得られた各塗布液を用いて上述した実施例と同様にして基材の片面に塗布し、架橋剤(A),(B)を架橋反応させ、厚さ40μmの粘着剤層が基材の片面に積層されてなる感温性粘着テープを得た。
<評価>
試料No.1〜4に係る感温性粘着テープを打ち抜いて試験片を得、得られた試験片の凍結点をDSCで10℃/分の測定条件で測定した。測定結果は、以下のとおりである。
(凍結点)
試料No.1(共重合体(B)未添加) :43.7℃
試料No.2(共重合体(B)0.1部添加):44.9℃
試料No.3(共重合体(B)0.5部添加):45.2℃
試料No.4(共重合体(B)1.0部添加):46.0℃
また、DSCの測定結果を、図1に示す。上述した凍結点の測定結果および図1から明らかなように、共重合体(B)の添加量が多くなるにつれて、凍結点は高くなり、DSCの波形はシャープになる傾向を示した。

Claims (9)

  1. 少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(A)および極性モノマー(A)を重合させることによって得られる共重合体(A)からなる、側鎖結晶性ポリマーを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの凍結点以下の温度で粘着力が低下する感温性粘着剤であって、
    前記側鎖結晶性ポリマーに、少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)および極性モノマー(B)を重合させることによって得られる共重合体(B)からなり前記側鎖結晶性ポリマーの凍結点よりも高い凍結点を有する、結晶促進剤が添加されている、感温性粘着剤。
  2. 前記共重合体(B)は、前記炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(B)を主成分とする、請求項1に記載の感温性粘着剤。
  3. 前記極性モノマー(A)および前記極性モノマー(B)は、互いに異なるモノマーであり、
    前記側鎖結晶性ポリマーは、前記共重合体(A)を架橋剤(A)によって架橋反応させてなり、
    前記結晶促進剤は、前記共重合体(B)を前記架橋剤(A)とは異なる架橋剤(B)によって架橋反応させてなる、請求項1または2に記載の感温性粘着剤。
  4. 前記共重合体(A)の重量平均分子量が、前記共重合体(B)の重量平均分子量よりも大きい、請求項1〜3のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  5. 前記結晶促進剤の添加量が、側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して0.1〜1.0重量部である、請求項1〜4のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  6. ステンレス鋼に対する180°剥離強度が、
    80℃の雰囲気温度において5.0N/25mm以上であるとともに、
    80℃の雰囲気温度を経た後の23℃の雰囲気温度において0.1N/25mm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  7. セラミック部品製造用である、請求項1〜6のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  8. 前記セラミック部品が、積層セラミックコンデンサである、請求項7に記載の感温性粘着剤。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる粘着剤層を、フィルム状の基材の片面または両面に積層してなる、感温性粘着テープ。
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