JP2014227463A - ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃剤として臭素化ブタジエンポリマータイプの難燃剤を用い、かつ発泡剤として炭化水素と水との混合発泡剤を用いてポリスチレン系樹脂発泡体を製造する際に、発泡性、成形性に優れると共に、押出発泡時に黒点が発生することを防ぎ、かつ押出時における基材樹脂であるポリスチレン系樹脂の分解による分子量の低下や黄変を抑制でき、高度な難燃性を有するポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリスチレン系樹脂、難燃剤及び物理発泡剤を混練してなる発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡して押出発泡体を製造する方法において、物理発泡剤が炭素数3〜5の飽和炭化水素と水とを含み、難燃剤が、臭素化ブタジエン系重合体と、(1)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト及び(2)2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトから選ばれる一種以上のホスファイト系化合物を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関し、詳しくは、難燃性に優れると共に、リサイクル性に優れるポリスチレン系樹脂押出発泡体であって、建築物の壁、床、屋根等の断熱材や畳芯材等に好適に使用され主に板状に形成されるポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
従来、ポリスチレン系樹脂材料に気泡調整剤を加え、押出機で加熱混練し、次いで物理発泡剤を該押出機中に圧入し更に混練し、これらの溶融混合物を高圧域から低圧域(通常は大気中)に押し出し、押出機のダイ出口に連結された賦形装置により板状に賦形して、高厚みのポリスチレン系樹脂押出発泡体(以下、押出発泡体又は発泡体ともいう。)を得る方法が知られている。
前記押出発泡体を建築用の断熱材として使用するには、例えば、JIS A 9511(2006R)記載の押出ポリスチレンフォーム保温板の燃焼性規格を満足することが要求される。そのために、該押出発泡体中には難燃剤が添加されており、該難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカン(以下、HBCDという。)が広く使用されてきた。HBCDは、汎用性があり、比較的少量の添加で難燃効果が得られる優れた難燃剤である。
しかし、HBCDに対しては化審法やREACHによる規制の動きがあり、規制対象物質に指定された場合を想定し、HBCD難燃剤を使用しない難燃剤代替押出発泡体製造技術の開発が求められている。
一方、前記押出発泡体の製造方法における発泡剤としては、従来、ジクロロジフルオロメタン等の塩化フッ化炭化水素(以下、CFCという。)が広く使用されてきたが、オゾンホール拡大の問題との関連性が疑われているCFCは使用が控えられ、オゾン破壊係数の小さい水素原子含有塩化フッ化炭化水素(以下、HCFCという。)やオゾン破壊係数が0(ゼロ)の水素原子含有フッ化炭化水素(以下、HFCという。)がCFCの代わりに用いられるようになった。また更に、地球温暖化の観点からHCFCやHFCに代わり、オゾン破壊係数が0(ゼロ)であるとともに、地球温暖化係数も小さいイソブタンやイソペンタン等の飽和炭化水素が用いられるようになった。また、環境にやさしい発泡剤の一部に水が用いられるようになった。
しかし、ブタンなどの飽和炭化水素は可燃性であることから、ポリスチレン系樹脂押出発泡体に十分な難燃性を付与するためには、HFC等の不燃性発泡剤を用いて製造する場合よりも多くの難燃剤を添加しなければならなくなった。多量の難燃剤が添加されると、押出発泡の安定性が著しく損なわれたり、得られた発泡板の物性が損なわれたりするという問題が新たに発生した。
上記の状況において、HBCD以外の優れた難燃剤を用いたポリスチレン系樹脂押出発泡体の検討がなされてきた。例えば、特許文献1に代表されるポリスチレン−臭素化ブタジエン共重合体などの臭素化ブタジエンポリマータイプのものが提案されている。
また、臭素化ブタジエンポリマータイプの難燃剤の熱安定性を改善するために、臭素化ブタジエンホモポリマーまたは臭素化スチレン/ブタジエンブロックコポリマーにアルキルホスファイト及び/又はエポキシ化合物を配合した難燃剤を用いる方法も提案されている(例えば特許文献2)。
特開2009−516019号公報 特開2012−512942号公報
しかしながら、特許文献1の臭素化ブタジエンポリマータイプの難燃剤は、発泡体に優れた難燃性を付与することができるものであるが、押出加工時の熱安定性に劣り、それに起因して発泡体に黒点の発生や変色が生じるといった問題点があった。
また、特許文献2においては、上記臭素化ブタジエンポリマータイプの難燃剤とアルキルホスファイト及び/又はエポキシ化合物等の熱安定剤とを併用したことから、特許文献1の難燃剤に比べ押出加工時の熱安定性が若干改善されるものの、発泡剤として炭化水素と水との混合発泡剤を用いた場合、発泡性や成形性に劣り、所望の発泡体を製造しにくいといった問題があった。
このため、難燃剤として臭素化ブタジエンポリマータイプの難燃剤を用い、且つ発泡剤として飽和脂肪族炭化水素と水との混合発泡剤を用いた場合にも、発泡性、成形性に優れると共に、黒点の発生や変色がなく、かつ難燃性に優れるポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法の開発研究が強く望まれていたが、未だそのような提案がなされていないのが現状である。
本発明は前記従来技術の実状に鑑み、難燃剤として臭素化ブタジエンポリマータイプの難燃剤を用い、かつ発泡剤として飽和炭化水素と水との混合発泡剤を用いてポリスチレン系樹脂発泡体を製造する際に、発泡性、成形性に優れると共に、押出発泡時に黒点が発生することを防ぎ、かつ押出時における難燃剤や基材樹脂であるポリスチレン系樹脂の分解による変色を抑制でき、高度な難燃性を有するポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法を提供することを、その課題とするものである。
本発明によれば、以下に示す、ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法が提供される。
<1>ポリスチレン系樹脂、難燃剤及び物理発泡剤を混練してなる発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡して押出発泡体を製造する方法において、物理発泡剤が炭素数3〜5の飽和炭化水素と水とを含み、難燃剤が、臭素化ブタジエン系重合体と、下記(1)及び(2)から選択される一種以上のホスファイト系化合物とを含むことを特徴とするポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
(1)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
(2)2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト
<2>前記ホスファイト系化合物の配合量が、臭素化ブタジエン系重合体100重量部に対して2〜20重量部であることを特徴とする<1>に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
<3>前記水の配合量が発泡性溶融樹脂組成物1kgあたり0.1mol以上であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
<4>前記難燃剤が、臭素化ブタジエン系重合体に前記ホスファイト系化合物を配合して混練してなる溶融混練物であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
本発明においては、物理発泡剤として、炭素数3〜5の飽和脂肪族炭化水素と水とを含む発泡剤を用いてポリスチレン系樹脂発泡体を製造する際に、難燃剤として、臭素化ポリブタジエン系重合体と共に、特定のホスファイト系化合物を併せて用いたことから、広い密度範囲において、高度な難燃性を有する発泡体を安定して得ることができ、しかも該難燃剤が押出時には熱安定性に優れるため、難燃剤や基材樹脂であるポリスチレン系樹脂の分解による変色や、黒点の発生が抑制された、外観の不具合のないポリスチレン系樹脂押出発泡体を製造することができる。
以下、本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法について詳細に説明する。
本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法は、ポリスチレン系樹脂と難燃剤と発泡剤を混練して得られる発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡する押出発泡体の製法が採用される。具体例としては、ポリスチレン系樹脂、難燃剤、必要に応じて気泡調整剤やその他の添加剤、再生ポリスチレン系樹脂組成物などを押出機に供給して、加熱、混練し、更に発泡剤を該押出機中に圧入して供給し、混練して得られた発泡性溶融樹脂組成物を、フラットダイを通して高圧の押出機内より低圧域(通常は大気中)に押出して発泡させ、該ダイの出口に配置された成形型〔平行あるいは入口から出口に向かって緩やかに拡大するよう設置された上下2枚のポリテトラフルオロエチレン樹脂等からなる板で構成されるもの(以下、ガイダーとも言う。)〕や成形ロール等の成形具を通過させることによって板状に成形して、ポリスチレン系樹脂押出発泡体(以下、単に押出発泡体ともいう。)を製造する方法が挙げられる。本発明の製造方法においては、後述する特定の難燃剤を用いる以外の基本的な製造方法は、従来公知の押出発泡体の製造方法を利用できる。
本発明において押出機に供給されるポリスチレン系樹脂としては、例えばポリスチレンやスチレンを主成分とするスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−メチルスチレン共重合体、スチレン−ジメチルスチレン共重合体、スチレン−エチルスチレン共重合体、スチレン−ジエチルスチレン共重合体等が挙げられる。上記スチレン系共重合体におけるスチレン単位成分含有量は50モル%以上が好ましく、特に好ましくは80モル%以上である。
上記ポリスチレン系樹脂としては、本発明の目的、効果が達成される範囲内において、その他の重合体を混合したものであってもよい。その他の重合体としては、ポリエステル樹脂、ポリエチレン系樹脂(エチレン単独重合体及びエチレン単位成分含有量が50モル%以上のエチレン共重合体の群から選択される1種、或いは2種以上の混合物)、ポリプロピレン系樹脂(プロピレン単独重合体及びプロピレン単位成分含有量が50モル%以上のプロピレン共重合体の群から選択される1種、或いは2種以上の混合物)、ポリフェニレンエーテル樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体水添物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体水添物、スチレン−エチレン共重合体等が挙げられ、これらの他の重合体は、ポリスチレン系樹脂中で50重量%未満となるように、好ましくは30重量%以下となるように、更に好ましくは10重量%以下となるように、目的に応じて混合することができる。
本発明においては、発泡剤として、(A)炭素数3〜5の飽和炭化水素と(B)水とを含む複合発泡剤を用いる。
(A)炭素数3〜5の飽和炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、シクロペンタン、ネオペンタンなどが挙げられる。
この飽和炭化水素は、単独又は2種以上混合して使用することができる。
(A)飽和炭化水素の中では、発泡性の点からプロパン、n−ブタン、i−ブタンあるいはこれらの混合物が好ましい。また、発泡体の断熱性能の点からn−ブタン、i−ブタンあるいはこれらの混合物が好ましく、特に好ましくはi−ブタンである。
上記飽和炭化水素及び水のほかに、他の発泡剤として、有機物理発泡剤、及び無機物理発泡剤を用いることができる。
前記有機物理発泡剤としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチルなどの蟻酸エステル類、塩化メチル、塩化エチルなどの塩化アルキル類などが挙げられる。
前記無機物理発泡剤としては、例えば二酸化炭素、窒素などが挙げられる。
上記の他の発泡剤は、単独または2種以上混合して使用することができる。
前記他の発泡剤の中では、発泡性、発泡体成形性などの点からは、塩化メチル、塩化エチル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、メタノール、エタノール、二酸化炭素が好ましい。
本発明において、難燃剤として、臭素化ブタジエン系重合体と特定のホスファイト系化合物とを併用することにより、発泡剤として炭化水素と水を用いた場合、特に水の配合量が発泡性溶融樹脂組成物1kgあたり0.1mol以上である場合にも、安定して発泡体を製造することができる。水の配合量の上限は、概ね1mol程度である。
前記複合発泡剤においては、飽和炭化水素の配合割合が10〜80モル%であることが好ましい。配合割合がこの範囲内の複合発泡剤を使用することにより、安定的に高発泡倍率の押出発泡体の製造することができるようになると共に断熱性、難燃性に優れた押出発泡体を製造する上で好ましい。かかる観点から、飽和炭化水素の配合割合は30〜70モル%であることがより好ましい。
本発明における発泡剤の添加量は、発泡性溶融樹脂組成物1kg中に、0.5〜2.5モルとなるように添加することが好ましく、0.8〜2.0モルがより好ましい。
本発明においては、前記したように、難燃剤として、臭素化ポリブタジエン系重合体と、特定のホスファイト系化合物を用いることを特徴とする。
臭素化ブタジエン系重合体は、ポリスチレン系樹脂の難燃剤として用いる場合に、優れた難燃性付与効果を示すものである。しかしながら、溶融加工時の熱安定性に劣るため、溶融加工条件によっては重合体から臭素が遊離しやすく、この臭素の遊離により難燃性付与効果を低下させる恐れや熱可塑性樹脂を分解させる恐れがある。さらに、臭素化ブタジエン系重合体はポリマーであるため、臭素の遊離によって該重合体中で炭素−炭素不飽和結合が形成されると、該重合体自体又はポリスチレン系樹脂が着色される恐れや、不飽和結合の架橋により臭素化ブタジエン系重合体のゲル化や黒点の発生の原因となり得るといった種々の問題点があった。
一般に、溶融加工時に臭素の遊離を抑制するためには、熱安定剤を配合する方法が考えられ、代表的な熱安定剤としてホスファイト系化合物が挙げられる。本発明者等は、飽和炭化水素と水を含む発泡剤を用い、臭素化ブタジエン系重合体に種々のホスファイト系化合物を配合した難燃剤を用いてポリスチレン系樹脂押出発泡体を製造することを試みたところ、前記した特定のホスファイト化合物を用いた場合には、意外にも、発泡性、成形性を阻害せず、効果的に黒点の発生や押出発泡体の変色を抑制できることを知見した。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
本発明において、難燃剤として用いる前記臭素化ブタジエン系重合体それ自体は従来公知のものであり、たとえば特許文献1や2で開示されるものがそのまま使用できる。
一般に、難燃剤として使用される臭素化ブタジエン系重合体は、ポリブタジエン換算で、重量平均分子量1000〜200,000程度、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは5,000〜100,000、さらに好ましくは50,000〜100,000のブタジエン系重合体を臭素化することにより製造される。
臭素化ブタジエン系重合体は、ポリスチレン系樹脂との相溶性の観点から、スチレン系単量体成分単位を含むブロック共重合体、ランダム共重合体又はグラフト共重合体であることが好ましく(以下、これらを併せてポリスチレン−臭素化ポリブタジエン共重合体とも言う。)、ポリスチレン系重合体ブロックと臭素化ポリブタジエンブロックとのブロック共重合体であることがより好ましい。
また、スチレン系単量体としては、スチレン、臭素化スチレン、塩素化スチレン、2−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレンなどが例示でき、これらの中でも、スチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物が好ましく、より好ましくはスチレンである。
難燃性付与効果の観点から、臭素化ブタジエン系重合体中の臭素含有率は、60重量%以上であることが好ましく、より好ましくは63重量%以上である。なお、上記臭素含有率は、JIS K7392:2009に準じて測定される値である。
ポリスチレン系樹脂中への分散性などを考慮すると、臭素化ブタジエン系重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で、好ましくは100,000〜200,000程度であり、その200℃、剪断速度100sec−1における溶融粘度は、4000〜8000程度である。
一般に、代表的な臭素化ブタジエン系重合体であるポリスチレン−臭素化ポリブタジエンブロック共重合体は下記一般式で表すことができる。
Figure 2014227463

(式中、X、Y及びZは、正の整数である。)
このようなポリスチレン−臭素化ポリブタジエン共重合体は、たとえばポリスチレン−ポリブタジエン共重合体を臭素化することにより製造される。
本発明で好ましく用いられるポリスチレン−臭素化ポリブタジエン共重合体としては、Chemtura社のEmerald3000、ICL−IP社のFR122Pなどの市販品を挙げられる。
臭素化ポリブタジエン系重合体の配合量は、所望の難燃性により適宜決定されるものであるが、通常は、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して、1〜10重量部程度配合され、好ましくは1.5〜7重量部である。
本発明において、上記臭素化ブタジエン系重合体の熱安定剤として、下記(1)及び(2)から選択される1種以上の特定なホスファイト化合物を用いることを特徴とする。
(1)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
(2)2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト
これらのホスファイト系化合は、水を含む発泡剤を用いた場合にも、発泡性や成形性を阻害せず、臭素化ブタジエン系重合体の優れた難燃性付与効果を実現すると共に該臭素化ブタジエン系重合体による黒点の発生や変色を効果的に抑制することができる。これらの中でも、上記(2)2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトが好ましい。
上記ホスファイト系化合物の配合割合としては、臭素化ブタジエン系重合体100重量部に対して、概ね2〜20重量部、更に3〜10重量部の範囲が好ましい。
本発明において、前記臭素化ブタジエン系重合体と特定のホスファイト化合物は、臭素化ブタジエン系重合体に上記ホスファイト系化合物を配合して混練してなる溶融混練物として、押出機に供給して、ポリスチレン系樹脂押出発泡体を製造することが好ましい。溶融混練物として押出機に供給することにより、より確実に黒点の発生や押出発泡体の変色を抑制できる。
溶融混練時の溶融加工温度は、臭素化ブタジエン系重合体からの臭素の遊離を効果的に抑制するためには溶融混練時の樹脂温度は低いほど好ましく、概ね190℃以下、好ましくは185℃以下とする。一方、上記観点からは、溶融混練時の樹脂温度の下限は特に制限されることはないが、臭素化ブタジエン系重合体と熱安定剤とを安定して溶融混練するためには概ね140℃以上とすることが好ましく、150℃以上とすることが好ましい。
また、難燃剤溶融混練物は、計量性、取扱の容易性等から押出機からストランド状に押出した後、カットするなどしてペレット化しておくことが好ましい。
本発明において、熱安定剤として特定のホスファイト系化合物が用いられるが、その他の熱安定剤として、ビスフェノール型エポキシ系化合物、ノボラック型エポキシ系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物から選択される1又は2以上の熱安定剤を用いることができる。
ビスフェノール型エポキシ系化合物やノボラック型エポキシ系化合物としては、たとえばICL−IP製F2200HM、DIC製EPICLONシリーズ、HUNTUMAN製Araldaite ECN1280等を挙げることができる。
ヒンダードフェノール系熱化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、押出安定性、難燃性の点から、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
前記ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、または4−ヒドロキシ−1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの脂肪族または芳香族カルボン酸エステル、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。
これらは、単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでも、押出安定性、難燃性の点から、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、又はビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートが好ましい。
効率よくかつ安定して上記溶融混練物を得るためには臭素化ブタジエン系重合体と特定のホスファイト化合物のほかに、さらに、臭素化ブタジエン系重合体に対する可塑化効果が高く臭素化ブタジエン系重合体の流動性を高める流動性向上剤として、リン酸エステル及びリン酸塩から選択される1以上のリン系化合物を用いることが好ましい。上記リン系化合物は、臭素化ブタジエン系重合体が有する優れた難燃性を阻害することがなく、溶融加工時あるいは押出加工時においても熱安定性に優れる。
流動性向上剤を配合してなる溶融混練物のJIS K7210:1990の条件Hにおけるメルトフローレイト(MFR)は2〜30g/10分の範囲が好ましく、より好ましくは5〜20g/10分である。
上記臭素化ブタジエン系重合体に対するリン系化合物からなる流動性向上剤の配合量は、溶融混練物の流動性を向上させる機能が発揮され、かつ難燃性付与効果を阻害しない範囲であれば特に制約はないが、流動性向上剤が上記臭素化ブタジエン系重合体100質量部に対して3〜15質量部配合されていることが好ましく、更に5〜10質量部配合されていることがより好ましい。
リン酸エステルの具体例としては、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシリルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)等の芳香族リン酸エステル、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロエチルホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート等の脂肪族リン酸エステル等が挙げられる。
また、リン酸塩の具体例としては、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム等が挙げられる。
これらの中でも、取扱い性や、効果の発現性がより顕著なことから、トリフェニルホスフェート(TPP)などの芳香族リン酸エステルが好ましい。
前記臭素化ブタジエン系重合体のほかに、本発明の目的、効果を妨げない範囲において、他の難燃剤を混合して使用することができる。他の難燃剤として、例えば、テトラブロモビスフェノール−A−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール−S−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール−F−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル))に代表される2,3−ジブロモ−2−メチルプロピル基を有する有機化合物、テトラブロモビスフェノール−A−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール−S−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール−F−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートおよびトリス(2,3−ジブロモプロピル)シアヌレートに代表される2,3−ジブロモプロピル基を有する有機化合物、モノ(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレート、ジ(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレート、トリス(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレートに代表される臭素化イソシアヌレート、クレジルジ2,6−キシレニルホスフェート、三酸化アンチモン、五酸化二アンチモン、硫酸アンモニウム、スズ酸亜鉛、シアヌル酸、ペンタブロモトルエン、イソシアヌル酸、トリアリルイソシアヌレート、メラミンシアヌレート、メラミン、メラム、メレム等の窒素含有環状化合物、シリコーン系化合物、酸化ホウ素、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛などの無機化合物等が挙げられる。これらの化合物は単独又は2種以上を混合して使用できる。
さらに、上記臭素化ブタジエン系重合体と特定のホスファイト化合物の混合物には、本発明の目的、効果を妨げない範囲において、ポリスチレン系樹脂やポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの熱可塑性樹脂を配合することができる。その配合量は、上記溶融混練物中に20重量%以下とすることが好ましく、より好ましくは10重量%、さらに好ましくは5重量%である。また、着色剤を配合しても良い。
においては、上記難燃剤とともに、さらにジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ポリアルキルベンゼンから選ばれる少なくとも1種の難燃助剤を配合することで、得られる発泡体の酸素指数を向上させることができる。該添加剤は上記難燃剤100重量部に対して、1〜20重量部配合されることが好ましく、2〜15重量部配合されることがより好ましい。
前記ジフェエニルアルカンとしては具体的には、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジエチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、3,4−ジエチル−3,4−ジフェニルヘキサンが挙げられる。ジフェニルアルケンは具体的には、例えば、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4−エチル−1−ペンテン、ポリアルキレンベンゼンは具体的には、ポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼン(CCPIB)が例示される。これらの中でもポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼン(CCPIB)が好ましい。
本発明の製造方法において、発泡性溶融樹脂組成物には、難燃剤以外に、押出発泡体の平均気泡径を調整するために気泡調整剤を添加することができる。気泡調整剤としては、タルク、カオリン、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、クレー、酸化アルミニウム、ベントナイト、ケイソウ土等の無機物が例示される。また、本発明において該気泡調整剤は2種以上組合せて用いることもできる。前記各種の気泡調整剤の中で、得られる発泡体の気泡径の調整が容易で気泡径を小さくし易い等の理由でタルクが好適に用いられ、特に、粒子径の細かい平均粒径(光透過遠心沈降法による50%粒径)が0.5〜75μmのタルクが好ましい。
該気泡調整剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.01〜7.5重量部、更に0.1〜5重量部の割合で添加されることが好ましい。
本発明の製造方法においては、前記気泡調整剤、難燃剤以外にも、本発明の目的、効果を妨げない範囲において、グラファイト、ハイドロタルサイト、カーボンブラックやアルミニウム等の断熱性向上剤、着色剤、充填剤、滑剤等の各種添加剤を適宜添加することができる。尚、上記気泡調整剤等の各種添加剤は、ポリスチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を基材とするマスターバッチとして添加しても良い。
本発明の方法により得られる押出発泡体の密度は、優れた断熱性と機械的強度の観点から、20〜60kg/m、更に22〜50kg/mであることが好ましく、厚みは、5〜150mm、更に15〜100mmであることが好ましい。
本発明の方法によって製造されるポリスチレン系樹脂押出発泡体において、厚み方向の平均気泡径は、より高い断熱性を有する発泡体とする上で0.8mm以下、更に0.5mm以下であることが好ましい。尚、該気泡径が小さすぎる場合は、厚みが厚く、低見掛け密度の板状の押出発泡体を得ること自体が難しい。かかる観点から、厚み方向の平均気泡径は0.05mm以上、更に0.06mm以上、特に0.07mm以上であることが好ましい。
上記厚み方向の平均気泡径の測定方法は次のとおりである。まず、押出発泡体を幅方向に3等分し、分割した各測定用サンプルの幅方向中央部付近の幅方向垂直断面(押出発泡体の押出方向と直交する垂直断面)の顕微鏡拡大写真を得る。次いで、該拡大写真上において発泡体の厚み方向に沿って押出発泡体の全厚みに亘る直線を引き、その直線と交差する気泡の数を計数し、直線の長さ(当然のことながら、この長さは拡大写真上の直線の長さではなく、写真の拡大率を考慮した直線の長さを指す。)を計数された気泡の数で割ることによって、各直線上に存在する気泡の平均径Tn(直線の長さ/該直線と交差する気泡の数)を求め、求められた3箇所の平均径Tnの算術平均値を厚み方向の平均気泡径T(mm)とする。なお、押出発泡体の全厚みが1枚の顕微鏡拡大写真に納まらない場合には、数枚に分けて撮影すればよい。
本発明においては、前記押出発泡体又はその端材やスクラップを加熱融解して得られる再生ポリスチレン系樹脂組成物を、バージン原料のポリスチレン系樹脂、難燃性溶融混練物と共に押出機中にて加熱、混練し、更に発泡剤を該押出機中に圧入して添加し、混練して得られる発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡することにより、押出発泡体を製造することができる。本発明の押出発泡体は、前記難燃性溶融混練物を難燃剤として用いて製造されたものであり、押出時加工時の熱安定性に優れているものであることから、その再生原料(再生ポリスチレン系樹脂組成物)は回収時における分子量低下、着色の程度、黒点の発生が少ないものである。従って、該回収原料を用いることにより、前記押出発泡体を低コストで製造することができる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は実施例により限定されるものではない。
実施例1〜5 比較例1〜2
(難燃剤溶融混練物の製造)
臭素化ブタジエン系重合体としては、下記表1に示すものを、ホスファイト系化合物としては下記表2に示すものを用い、二軸押出機(内径47mm、L/D=41)にて、臭素化ブタジエン系重合体にホスファイト系化合物を配合して溶融混練し、樹脂温度180℃で吐出60kg/hrでストランド状に押出し、さらにペレット状にカットすることにより、表3に示す配合の難燃剤溶融混練物を製造した。なお、難燃剤溶融混練物には、上記臭素化ブタジエン系重合体とホスファイト系化合物のほかに、その他の熱安定剤として、ノボラック型エポキシ系化合物(製品名EPICLON N680、DIC製)及びフェノール系化合物(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:製品名Irganox1010、BASF製)を臭素化ブタジエン系重合体100重量部に対してそれぞれ10重量部、5重量部配合し、流動性向上剤として、トリフェニルホスフェート(製品名TPP、大八化学製)を臭素化ブタジエン系重合体100重量部に対して6重量部配合した。
Figure 2014227463

*臭素化SBS:ポリスチレン−臭素化ポリブタジエンブロック共重合体
Figure 2014227463

*PEP36:ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト
*HP−10:2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト
*Ultranox626:ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
*Irgafos168:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト
Figure 2014227463
(ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造)
実施例1〜5及び比較例1〜2の押出発泡体を得るために、以下に示す装置及び材料を用いた。
[押出装置]
内径65mmの第1押出機と内径90mmの第2押出機が直列に連結されており、発泡剤注入口が第1押出機の終端付近に設けられており、横断面が長方形の樹脂排出口(ダイリップ)を備えたフラットダイが第2押出機の出口に連結され、第2押出機の樹脂出口にはこれと平行するように設置された上下一対のポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる板により構成された賦形装置(ガイダー)が付設された装置を用いた。
[ポリスチレン系樹脂]
重量平均分子量27万のポリスチレン(PS1)を用いた。
[難燃剤]
難燃剤としては、上記表3記載の難燃剤溶融混練物を用いた。
[難燃助剤]
難燃助剤としては、CCPIB(ポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼン)を用いた。
[気泡調整剤]
タルク(松村産業製、ハイフィラー#12)
実施例1
前記第1押出機に、表4に示す配合量となるように、上記したポリスチレン系樹脂(PS1)、難燃剤(臭素系ブタジエン系重合体、ホスファイト系熱安定剤(PEP36))、及び気泡調整剤(タルク)を供給し、第1押出機内で220℃まで加熱して、これらを混練し、第1押出機の先端付近に設けられた物理発泡剤注入口から、表4に示す配合組成の物理発泡剤の所要量を供給した。
そして、第1押出機内でさらに混練した発泡性溶融樹脂組成物を、続く第2押出機に供給して樹脂温度を、表4に示すような発泡適性温度(表4では発泡樹脂温度と表記した。この発泡樹脂温度は押出機とダイとの接合部の位置で測定された発泡性溶融樹脂組成物の温度である)に調整した後、吐出量70kg/hrでダイリップから50mmの間隙で平行に配置されたガイダー内に押出し、発泡させながらガイダー内を通過させることにより板状に成形(賦形)し、ポリスチレン系樹脂押出発泡体を製造した。
実施例2
実施例1において、ホスファイト系熱安定剤(PEP36)をホスファイト系熱安定剤(HP-10)に代えた以外は実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂押出発泡体を製造した。
実施例3
実施例2において、ホスファイト系熱安定剤(HP-10)の配合量を0.2重量部とした以外は実施例2と同様にしてポリスチレン系樹脂押出発泡体を製造した。
実施例4
実施例2において、臭素化ブタジエン系重合体及びホスファイト系熱安定剤(HP-10)の配合量を表4に記載したものに代えると共に難燃助剤としてCCPIBを添加した以外は実施例2と同様にしてポリスチレン系樹脂押出発泡体を製造した。
実施例5
実施例4において、ホスファイト系熱安定剤(HP-10)の配合量を0.05重量部とした以外は実施例4と同様にしてポリスチレン系樹脂押出発泡体を製造した。
比較例1
実施例1において、ホスファイト系熱安定剤(PEP36)をホスファイト系熱安定剤(Ultranox626)に代えた以外は実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂押出発泡体を製造した。
比較例2
実施例1において、ホスファイト系熱安定剤(PEP36)をホスファイト系熱安定剤(Irgafos168)に代えた以外は実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂押出発泡体を製造した。
実施例1〜5及び比較例1〜2の製造安定性、並びに該実施例と比較例で得られた樹脂押出発泡体の、見掛け密度、厚み、独立気泡率、熱伝導率、難燃性、外観、黒点の発生状況、発泡体の色調評価を表4に示す。
Figure 2014227463
なお、表4に示す製造安定性の評価方法並びに押出発泡体の各種物性の測定方法と評価方法は以下のとおりである。
(製造安定性)
○:問題なく安定して押出発泡体が製造可能
×:押出発泡体の幅が変動し、安定して押出発泡体が得られない
(見掛け密度)
押出発泡体の見掛け密度は、次のようにして求めた。得られた押出発泡体の幅方向の中央部付近から40×50×50mmの直方体の試料を各々切り出して重量を測定し、該重量を体積で割算することにより見掛け密度を求めた。
(厚み)
押出発泡体の幅方向中央部付近において、等間隔に5点の厚みを測定し、それらの測定値の算術平均値を押出発泡体の厚み(mm)とした。
(独立気泡率)
押出発泡体の独立気泡率は、次のようにして求めた。まず、押出発泡体を幅方向に5等分し、それらの中央部付近から25mm×25mm×20mmのサイズに成形表皮を持たないカットサンプル(計5個)を切り出した。次に、ASTM−D2856−70の手順Cに従って、各カットサンプルの真の体積Vxを測定し、下記(1)式により独立気泡率S(%)を計算し、それら計算値の算術平均値を押出発泡体の独立気泡率とした。なお、測定装置として東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型を使用した。
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ) (1)
ただし、Vx:上記空気比較式比重計による測定により求められるカットサンプルの真の体積(cm)(押出発泡体のカットサンプルを構成する樹脂組成物の容積と、カットサンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。)
Va:測定に使用されたカットサンプルの外形寸法から算出されたカットサンプルの見掛け上の体積(cm
W:測定に使用されたカットサンプル全重量(g)
ρ:押出発泡体を構成する樹脂組成物の密度(g/cm
(熱伝導率)
熱伝導率は、ISO 11561に記載の促進試験に準拠した以下の方法により測定した。
製造直後の押出発泡体の中央部から200mm×200mm×10mmの成形表皮が存在しない試験片を切り出し、該試験片を23℃、湿度50%の雰囲気下に保存した。製造後10日後に該試験片を用いてJIS A1412−2:1999記載の熱流計法(試験体1枚・対称構成方式、高温側38℃、低温側8℃、平均温度23℃)に基づいて熱伝導率を測定した。
(難燃性評価−JIS A9511)
製造直後の押出発泡体を気温23℃、相対湿度50%の部屋に移し、その部屋で4週間放置した後、押出発泡体から試験片を無作為に5個切り出して(N=5)、JIS A9511(2006R)の5.13.1「測定方法A」に基づいて燃焼性を測定し、5個の試験片の平均燃焼時間により、押出発泡体の難燃性を評価した。
(外観)
製品表面の平滑性について目視にて評価を行った。
○:凹凸がなく平滑な表面である
×:発泡剤の分離等により表面が平滑ではない
(黒点の有無)
得られた発泡体の押出方向に対し垂直に切断した断面部において、黒点の数を数えた。断面部の観察は任意に5箇所で測定し、その合計数を黒点の個数とした。
○:黒点0〜2個であるもの
×:黒点が3個以上あるもの
(発泡体の色調及び再生樹脂の色調)
押し出された発泡体の色調、及び発泡体をリサイクル用の押出機にて溶融しリペレット化したもの(再生樹脂)の色調を評価した。
リペレットは、得られた発泡体を押出機に供給可能な大きさに破砕し、その破砕物を内径90mm、L/D=50の単軸押出機に供給して最高温度220℃で溶融混練し、その溶融樹脂を吐出量250kg/hrでストランド状に押出し、ペレット状にカットすることによって行なった。
発泡体の色調は目視により評価した。また、再生樹脂の色調は、180℃に加熱したヒートプレス機を用いて、再生樹脂をプレス加工して、縦×横×厚み=40×40×2mmの板状の試験片を作製し、分光式色差計(日本電色工業株式会社製SE−2000)を用いてASTM D1925に基づき反射法にて該試験片のYI値(イエローインデックス)を測定することにより評価した。
◎:発泡体は、着色していないか(白色)、又はわずかに黄色味がかっているものの製品上問題とならないレベルであり、かつ再生樹脂のYI値が10未満である
○:発泡体は、着色していないか(白色)、又はわずかに黄色味がかっているものの製品上問題とならないレベルであるが、再生樹脂のYI値が10以上である
×:発泡体が黄色くなったもの
実施例1〜5の結果は、本発明方法によれば、物理発泡剤として、炭素数3〜5の炭化水素化合物と水とを含む発泡剤を用いる際に、難燃剤として、臭素化ポリブタジエン系重合体と共に、(1)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(PEP36)及び(2)2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(HP-10)から選ばれる少なくとも一種のホスファイト系化合物を併せて用いたことから、高度な難燃性を有する発泡体を安定して製造できることが分かる。また、該難燃剤は押出時には熱安定性に優れるため、発泡体の着色や黒点の発生が抑制され、しかも独立気泡率が高く、かつ外観の不具合のないポリスチレン系樹脂押出発泡体が得られことが分かる。
比較例1は、ホスファイト化合物として、特許文献2で具体的に開示されているビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(Ultranox626)を用いたものである。この比較例1では、押出発泡体の幅が変動し、安定して押出発泡体が得られない。また、黒点の発生は少ないが、製品表面に凹凸ができ、表面平滑性が低下し、更には得られる発泡体が変色するといった問題が生じた。
比較例2は、ホスファイト化合物として、特許文献2で具体的に開示されているビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(Irgafos168)を用いたものである。この比較例2では、製造安定性が良好であり、また外観の優れた発泡体が得られるものの、押出時に黒点が発生し、得られる発泡体には黒点が多くみられ、また、得られる発泡体が変色するといった問題が生じた。

Claims (4)

  1. ポリスチレン系樹脂、難燃剤及び物理発泡剤を混練してなる発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡して押出発泡体を製造する方法において、
    物理発泡剤が、炭素数3〜5の飽和炭化水素と水とを含み、
    難燃剤が、臭素化ブタジエン系重合体と、下記(1)及び(2)から選択される1種以上のホスファイト系化合物とを含むことを特徴とするポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
    (1)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
    (2)2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト
  2. 前記ホスファイト系化合物の配合量が、臭素化ブタジエン系重合体100重量部に対して2〜20重量部であることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  3. 前記水の配合量が発泡性溶融樹脂組成物1kgあたり0.1mol以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  4. 前記難燃剤が、臭素化ブタジエン系重合体に前記ホスファイト系化合物を配合して混練してなる溶融混練物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
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