JP6395214B2 - ポリスチレン系樹脂発泡体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡体に関し、詳しくは、難燃性に優れると共に高い断熱性を有し、リサイクル性に優れるポリスチレン系樹脂発泡体であって、建築物の壁、床、屋根等の断熱材や畳芯材等に好適に使用され、主に板状に形成されるポリスチレン系樹脂発泡体に関する。
従来、板状のポリスチレン系樹脂発泡体として、ポリスチレン系樹脂材料に気泡調整剤を加え、押出機で加熱溶融混練し、次いで物理発泡剤を該押出機中に圧入し更に混練し、これらの溶融混合物を高圧域から低圧域(通常は大気中)に押し出し、押出機のダイ出口に連結された賦形装置により板状に賦形することにより製造された、高厚みのポリスチレン系樹脂発泡体(以下、発泡体ともいう。)が知られている。
この発泡体を建築用の断熱材として使用するには、例えば、JIS A9521:2014記載の押出ポリスチレンフォーム断熱材の燃焼性規格を満足することが要求される。そのために、該発泡体中には難燃剤が添加されており、該難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカン(以下、HBCDという。)が広く使用されてきた。
HBCDは、汎用性があり、比較的少量の添加で難燃効果が得られる優れた難燃剤である。
しかし、HBCDへの化審法やREACHによる規制の動きから、HBCD難燃剤を使用しない難燃剤代替発泡体製造技術の開発が行なわれてきた。
一方、前記板状発泡体の製造方法に用いられる発泡剤としては、従来、ジクロロジフルオロメタン等の塩化フッ化炭化水素(以下、CFCという。)が広く使用されてきた。しかし、CFCはオゾンホール拡大の問題との関連性が疑われることから使用が控えられるようになり、CFCの代わりに、オゾン破壊係数の小さい水素原子含有塩化フッ化炭化水素(以下、HCFCという。)やオゾン破壊係数が0(ゼロ)の水素原子含有フッ化炭化水素(以下、HFCという。)が用いられるようになった。更に、地球温暖化の観点からHCFCやHFCに代わり、オゾン破壊係数が0(ゼロ)であるとともに、地球温暖化係数も小さいイソブタンやイソペンタン等の飽和炭化水素が用いられるようになった。
しかし、ブタンなどの飽和炭化水素は可燃性であることから、ポリスチレン系樹脂発泡体に十分な難燃性を付与するために、HFC等の不燃性発泡剤を用いて製造する場合よりも多くの難燃剤を添加しなければならなくなった。その結果、多量に添加された難燃剤により、押出発泡の安定性が著しく損なわれたり、得られた発泡体の物性が損なわれたりするという問題が新たに発生した。
前記の状況において、HBCD以外の難燃剤を用いてポリスチレン系樹脂発泡体に高度な難燃性を付与する検討がなされてきた。
たとえば、特許文献1には、難燃剤としてテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)等のハロゲン化芳香族アルキルアリールエーテル類のハロゲン化物を使用することが開示されている。
しかし、テトラブロモビスフェノールA−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)は発泡体に高い難燃性を付与することができるものの発泡体を回収してリペレット化する工程においてポリスチレン系樹脂を分解させやすく、この回収原料を製品の一部として使用する場合、発泡させる為に必要な圧力を保持することができない、或いは押出条件が安定しない等の問題が生じることがあった。
特許文献2には、臭素化イソシアヌレート、臭素化ビスフェノールと、ジフェニルアルカン及び/又はジフェニルアルケンを用いることが開示されている。
しかし、臭素化イソシアヌレートやテトラブロモビスフェノールA−(2,3−ジブロモプロピルエーテル)は、HBCDまたはテトラブロモビスフェノールA−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)に比べ、ポリスチレン系樹脂発泡体への難燃性付与効果が劣るため、添加量を増やした上で、更にジフェニルアルカン等の難燃助剤を添加することが必要になった。
また、特許文献3、4には、臭素化ブタジエン−スチレン共重合体などの臭素化ブタジエン系重合体タイプの難燃剤を配合させたポリスチレン系樹脂発泡体が開示されている。この難燃剤は、難燃性付与効果が高いといった利点を有するものである。
特開2005−139356号公報 特開2003−292664号公報 特表2009−516019号公報 特表2012−512942号公報
しかし、特許文献3、4に記載された発泡体の場合、断熱性を向上させるためにブタンなどの飽和炭化水素を多く残存させると、JIS A9521:2014の燃焼性の規格をクリアするような高度な難燃性を付与するためには、前記臭素化ブタジエン−スチレン共重合体の添加量を基材ポリスチレン系樹脂に対して少なくとも3重量部以上とする必要があった。
さらに、この臭素化ブタジエン−スチレン共重合体を多量に添加すると押出発泡時に黒点が発生したり、リサイクル時に再生原料ペレットに黒点が発生したり、黄変色が生じたりするので、外観に優れるとともに再生原料として再利用可能な発泡体とすることが難しかった。もっともこの臭素化ブタジエン−スチレン共重合体の多量添加による黒点の発生や黄変色現象等の不具合はその添加量を少量とすることにより軽減することはできる。しかし、この場合には、前記したJIS A9521:2014の燃焼性の規格をクリアするような高度な難燃性を有し、かつ酸素指数が高い発泡体を得ることが困難となってしまう。
すなわち、臭素化ブタジエン−スチレン共重合体は、HBCDの代替難燃剤として最近注目されているものであるが、つぎのような課題を有するものである。
(a)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体は、多量に添加すれば、JIS A9521の燃焼性の規格をクリアするポリスチレン系樹脂発泡体を得ることは可能ではある。しかし、多量に添加すると、押出発泡時に黒点、黄変色現象が発生しやすくなり、外観に優れる発泡体を得ることが難しくなる。
(b)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体が多量添加された発泡体又は発泡体製造時の端材などを溶融してリペレット化する際に黒点や黄変色が生じやすくなり、良好な再生原料を得ることが難しい。リペレット時の温度を低くすれば、黒点や黄変色の発生を防止することはできるが、リペレットの生産性が低下してしまう。
(c)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体の添加量を少量にすれば、黒点の発生や黄変色は抑制できるものの高度の難燃性を有する発泡体を得ることができなくなる。
本発明は、前記問題点に鑑み、難燃剤として臭素化ブタジエン−スチレン共重合体を用いて、高度な難燃性及び十分な酸素指数を有すると共に、発泡体の黒点や黄変が発生しにくく、再生原料として発泡体の製造に再利用可能なポリスチレン系樹脂発泡体であって、高温の回収条件でリペレットを行っても、発泡体の黒点や黄変が発生しにくく、高効率での回収原料の製造が可能なポリスチレン系樹脂発泡体を提供することを、その課題とするものである。
本発明によれば、以下に示すポリスチレン系樹脂発泡体が提供される。
[1]難燃剤を含有するポリスチレン系樹脂発泡体において、該難燃剤が、(A)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体、(B)テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、及び(C)トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートのみからなる複合難燃剤であり、該複合難燃剤中の(A)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体の配合量がポリスチレン系樹脂100重量部に対して2重量部以下であり、該複合難燃剤中の(A)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体の配合割合が20〜90重量%であり(ただし、(A)と(B)と(C)との合計が100重量%である。)、(B)テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)と(C)トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートとの配合重量比が10:90〜90:10であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡体。
[2]前記発泡体がさらにポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼンを含み、ポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼンの配合量が前記複合難燃剤の配合量100重量部に対して1〜20重量部であることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
[3](A)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体の配合量が発泡体を構成するポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.2重量部以上1重量部未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡体は、難燃剤として、(A)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体に加え、(B)テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)と、(C)トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートとが特定量配合された複合難燃剤が用いられていることから、難燃性に優れ、(A)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体の配合量が少なくても、JIS A9521:2014の燃焼性の規格を満足し、かつ十分な酸素指数を有する発泡体とすることができる。さらに、該発泡体やその再生原料ペレットは黒点の発生や黄変が抑制されたものなので、従来の難燃剤が配合された場合と同様に、発泡体の製造に再利用できるものである。
以下、本発明のポリスチレン系樹脂発泡体について詳細に説明する。
ポリスチレン系樹脂発泡体を構成するポリスチレン系樹脂としては、例えばポリスチレンや、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレンを主成分とするスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−メチルスチレン共重合体、スチレン−ジメチルスチレン共重合体、スチレン−エチルスチレン共重合体、スチレン−ジエチルスチレン共重合体等やこれら2種以上の混合物が挙げられる。該スチレン系共重合体におけるスチレン単位成分含有量は50モル%以上が好ましく、特に好ましくは80モル%以上である。なお、ポリスチレン系樹脂には、ジビニルベンゼンや多分岐状マクロモノマーなどの多官能性モノマー単位成分が含まれていてもよい。これらのポリスチレン系樹脂の中でも、発泡性の観点からポリスチレンが好ましい。
前記ポリスチレン系樹脂は、本発明の目的、効果が達成される範囲内において、その他の重合体を混合したものであってもよい。その他の重合体としては、非晶性の変性ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリエチレン系樹脂(エチレン単独重合体及びエチレン単位成分含有量が50モル%以上のエチレン共重合体の群から選択される1種、或いは2種以上の混合物)、ポリプロピレン系樹脂(プロピレン単独重合体及びプロピレン単位成分含有量が50モル%以上のプロピレン共重合体の群から選択される1種、或いは2種以上の混合物)、ポリフェニレンエーテル樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体水添物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体水添物、スチレン−エチレン共重合体等が挙げられ、これらの他の重合体は、ポリスチレン系樹脂中で50重量%未満となるように、好ましくは30重量%以下となるように、更に好ましくは10重量%以下となるように、目的に応じて混合することができる。
次に、本発明のポリスチレン系樹脂発泡体が含有する難燃剤について説明する。
該難燃剤は、(A)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体(以下、難燃剤(A)ともいう。)と、(B)テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)(以下、難燃剤(B)ともいう。)と、(C)トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート(以下、難燃剤(C)ともいう。)とを含有する複合難燃剤である。
該難燃剤(A)に難燃剤(B)及び難燃剤(C)が組合わされた複合難燃剤を用いることにより、(A)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体の配合量が少量であっても、難燃剤(A)単独と同程度、或いはそれ以上の難燃性及び十分な酸素指数を有する発泡体を得ることができる。その結果、発泡体や再生原料ペレットの黄変色や黒点の発生が効果的に抑制され、原料としてリサイクル可能な、ポリスチレン系樹脂発泡体が得られ、臭素化ブタジエン−スチレン共重合体系難燃剤の有する前記問題点が一挙に解消される。この知見は、本発明者等が初めて見い出したものである。
本発明で用いられる(A)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体は従来公知のものであり、たとえば特許文献3や特許文献4で開示されたものがそのまま使用できる。
臭素化ブタジエン−スチレン共重合体をポリスチレン系樹脂の難燃剤として用いる場合、ポリスチレン系樹脂との相溶性を考慮すると、臭素化ブタジエン−スチレン共重合体は、スチレン系単量体成分単位を含むブロック共重合体、ランダム共重合体又はグラフト共重合体であることが好ましく、ポリスチレン系重合体ブロックと臭素化ポリブタジエンブロックとのブロック共重合体であることがより好ましい。該臭素化ブタジエン−スチレン共重合体は、ブタジエン−スチレン共重合体を臭素化することにより製造される。
なお、スチレン系単量体としては、スチレン、臭素化スチレン、塩素化スチレン、2−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレンなどが例示でき、これらの中でも、スチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物が好ましく、より好ましくはスチレンである。
難燃性付与効果の観点から、臭素化ブタジエン−スチレン共重合体中の臭素含有率は、60重量%以上であることが好ましく、より好ましくは63重量%以上である。なお、該臭素含有率は、JIS K7392:2009に基づき求めることができる。
臭素化ブタジエン−スチレン共重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で、好ましくは1.0×10〜2.0×10程度であり、その200℃、剪断速度100sec−1における溶融粘度は、4000〜8000Pa・s程度である。
一般に、代表的な臭素化ブタジエン−スチレン共重合体である臭素化ブタジエン−スチレンブロック共重合体は下記一般式で表すことができる。



(式中、X、Y及びZは、正の整数である。)
本発明で好ましく用いられる臭素化ブタジエン−スチレンブロック共重合体としては、Chemtura社のEmerald3000、ICL社のFR122Pなどの市販品が挙げられる。
本発明で用いられる前記複合難燃剤を構成する(B)テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)は、それ単独ではポリスチレン系樹脂発泡体への難燃性付与効果に劣るものであるが、この難燃剤(B)が、前記難燃剤(A)及び後記難燃剤(C)と組み合わされることにより、発泡体の難燃性を顕著に向上させることができるものである。
なお、難燃剤(B)が配合されない場合には難燃剤(A)の発泡体への配合量を多くしなければならないことにより黒点が発生する虞がある。また、難燃剤(B)が、単一の難燃剤とし発泡体の製造に用いられた場合、得られる発泡体は、黒点や黄変がないものの、難燃性に劣るものとなる。
前記複合難燃剤を構成する(C)トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートは、ポリスチレン系樹脂との相溶性が良好であり、分解開始温度が250〜265℃、融点が100〜110℃であるために発泡体製造時における取扱いが容易で、ポリスチレン系樹脂との混練時において分解する可能性も小さいものである。難燃剤(C)は、それ単独ではポリスチレン系樹脂発泡体への難燃性付与効果に劣るものであるが、前記難燃剤(A)及び難燃剤(B)と組み合わされて使用されることで、発泡体の難燃性を顕著に向上させることができるものである。
なお、難燃剤(C)が配合されない場合には十分な難燃性が得られないか、或いは、難燃性の不足を補うために難燃剤(A)の配合量を多くしなければならないことにより黒点が発生する虞がある。また、難燃剤(C)が、単一の難燃剤として発泡体の製造に用いられた場合、得られる発泡体は、黒点や黄変がないものの、充分な難燃性が発現しないものとなる。
前記複合難燃剤中の前記難燃剤(A)の配合割合は20〜90重量%である(ただし、難燃剤(A)と難燃剤(B)と難燃剤(C)との合計が100重量%である。)。
難燃剤(A)の配合割合がこの範囲内である場合には、他の難燃剤との相互作用により、安定的に黒点や黄変色のない発泡体が得られ、かつ、得られた発泡体に高度の難燃性を付与することが可能となる。難燃剤(A)の配合割合が少なすぎると、所望される難燃性が得られないおそれがある。一方、該配合割合が多すぎると、黒点の発生、樹脂の黄変色が激しくなるおそれがある。
かかる観点から、難燃剤(A)の配合割合は25〜70重量%が好ましく、より好ましくは30〜50重量%である。
なお、本発明においては、発泡体を製造する際や再生原料を製造する際に、効果的に黒点の発生が抑制され、黒点や黄変の発生量が難燃剤(A)の配合量から予想される量より少なくなり、HBCDなどの従来の難燃剤使用時と同程度までに軽減される。この効果が得られる理由としては、難燃剤(A)が難燃剤(B)及び難燃剤(C)と組合わされることにより、ポリスチレン系樹脂中への臭素化ブタジエン−スチレン共重合体の分散性が向上するようになることが考えられる。
さらに、該複合難燃剤における、難燃剤(B)と難燃剤(C)との配合重量比は10:90〜90:10であることを要する。難燃剤(B)の配合重量比が小さすぎると、押出発泡時やリサイクル時に黒点や黄変が発生するおそれがある。難燃剤(C)の配合重量比が小さすぎると難燃剤(C)は難燃剤(B)に比して難燃性に優れることから難燃性が低下しやすくなる。かかる観点から、(B):(C)の配合重量比は10:90〜90:10が好ましく、より好ましくは20:80〜70:30、更に好ましくは30:70〜60:40である。
本発明によれば、前記したように、従来においては、難燃剤(A)をポリスチレン系樹脂100重量部に対して少なくとも3重量部以上配合しなければ発泡体に高度な難燃性を付与できなかったのに対し、難燃剤(A)の配合量を少なくすることができる。具体的には、好ましくは3重量部未満、より好ましくは2重量部以下、さらに好ましくは1.5重量部以下、特に好ましくは1重量部未満とすることができる。なお、難燃剤(A)の配合量の下限は、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.2重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5重量部である。
また、難燃剤(A)の配合量が少なくても所望される難燃性が得られ、黒点や黄変を抑制できることに加え、難燃剤(A)、(B)、(C)からなる複合難燃剤の総配合量も少なくすることができる。具体的には、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して、好ましくは3.5重量部以下にすることができ、3重量部以下がより好ましく、2.5重量部以下が更に好ましい。なお、該複合難燃剤の総配合量の下限は、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して1.5重量部であることが好ましく、より好ましくは2重量部である。
本発明で用いられる難燃剤には、所期の目的を達成する限りにおいて、前記複合難燃剤以外の他の難燃剤を含有させることができる。該他の難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)に代表される臭素化ビスフェノール系化合物、モノ(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレート、ジ(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレートに代表される臭素化イソシアヌレート系化合物、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリスチレン、トリフェニルホスフェート、ペンタブロモトルエン、クレジルジ2,6−キシレニルホスフェート、三酸化アンチモン、五酸化二アンチモン、硫酸アンモニウム、スズ酸亜鉛、シアヌル酸、イソシアヌル酸、トリアリルイソシアヌレート、メラミンシアヌレート、メラミン、メラム、メレム等の窒素含有環状化合物、シリコーン系化合物、酸化ホウ素、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛などの無機化合物、赤リン系、ポリリン酸アンモニウム、フォスファゼン、次亜リン酸塩等のリン系化合物等が挙げられる。これらの化合物は単独又は2種以上を混合して使用できる。その配合量は、前記難燃剤(A)(B)(C)の合計100重量部に対して20重量部以下とすることが好ましく、15重量部以下とすることがより好ましく、10重量部以下とすることがさらに好ましい。
本発明における難燃剤は、発泡体の難燃性を向上させることができることから、難燃助剤(D)としてポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼンを含有することが好ましい。該難燃助剤(D)の配合量は、前記難燃剤(A)、(B)、(C)の合計配合量100重量部に対して、その配合量の下限は1重量部が好ましく、より好ましくは3重量部であり、その上限は20重量部が好ましく、より好ましくは15重量部、更に好ましくは10重量部である。
本発明においては、前記難燃剤(A)、(B)、(C)を組み合わせることにより、得られる発泡体にJIS A9521の燃焼性の規格を満足する難燃性を付与することができ、また酸素指数(LOI)も26以上とすることができる。また、発泡体の製造時における黒点、黄変色の発生を防止し、リサイクルペレットの製造時における黒点、黄変色の発生も抑制することができる。さらに、該難燃剤(A)、(B)、(C)に難燃助剤(D)を組合せることにより、得られる発泡体にJIS A9521の燃焼性の規格において、より高い難燃性を付与することができ、酸素指数(LOI)も向上させることができる。また、該難燃剤(A)、(B)、(C)に難燃助剤(D)を組み合わせることによって、難燃剤(A)の配合量をさらに少なくできることから、発泡体の製造時における黒点、黄変色の防止及びリサイクルペレットの製造時における黒点、黄変色の抑制を、より効果的なものとすることができる。
本発明においては、押出時における前記複合難燃剤の分解を抑制するために難燃剤に熱安定剤を配合することが好ましい。
熱安定剤としては、例えばエポキシ樹脂系安定剤、ホスファイト系安定剤、フェノール系安定剤及びヒンダードアミン系安定剤から選ばれる一種以上のものが挙げられる。
これらの熱安定剤の総配合量は、該複合難燃剤100重量部に対して、1〜35重量部とすることが好ましく、より好ましくは2〜25重量部である。
エポキシ樹脂系安定剤としては、ノボラック型またはビスフェノール型が好ましい。ビスフェノール型エポキシ系化合物としては、特に臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物が好ましい。
前記ホスファイト系安定剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデン−ビス(2−t−ブチル−5−メチルフェニル)ジホスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビスステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、モノ(ジノニルフェニル)モノ−p−ノニルフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、テトラアルキル(C=12〜16)−4,4’−イソプロピリデン−(ビスフェニル)ジホスファイト、ヘキサトリデシル−1,1,3−トリス(3−t−ブチル−6−メチル−4−オキシフェニル)−3−メチルプロパントリホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリデシルホスファイトなどがあげられる。これらは、単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでも、押出安定性の点から、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトまたはビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイトが好ましい。
前記フェノール系安定剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
これらは、単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、押出安定性、難燃性の点から、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
前記ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、または4−ヒドロキシ−1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの脂肪族または芳香族カルボン酸エステル、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどがあげられる。これらは、単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでも、難燃性に関して消炎を早める効果、および発泡体の耐熱性を低下させない点から、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、又はビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートが好ましい。
また、前記以外の他の熱安定剤としては、金属石鹸、有機スズ化合物、鉛化合物、ハイドロタルサイト、多価アルコール、β−ケトン、イオウ系化合物などが挙げられる。
次に、本発明のポリスチレン系樹脂発泡体の各種物性について説明する。
本発明の発泡体の見掛け密度は、優れた断熱性と機械的強度の観点から、20〜60kg/mが好ましく、より好ましくは22〜50kg/mである。また、該発泡体の厚みは、10〜150mmであることが好ましく、より好ましくは20〜100mmである。該発泡体の幅は、600mm〜1500mmが好ましい。また、厚み方向の平均気泡径は、より高い断熱性を有する発泡体とする上で1.0mm以下、更に0.75mm以下であることが好ましい。該気泡径が小さすぎる場合は、厚みが厚く、低見掛け密度の板状の押出発泡体を得ること自体が難しくなる。かかる観点から、厚み方向の平均気泡径は0.05mm以上、更に0.06mm以上、特に0.07mm以上であることが好ましい。
該厚み方向の平均気泡径の測定方法は次のとおりである。まず、押出発泡体を幅方向に3等分し、分割した各測定用サンプルの幅方向中央部付近の幅方向垂直断面(押出発泡体の押出方向と直交する垂直断面)の顕微鏡拡大写真を得る。次いで、該拡大写真上において発泡体の厚み方向に沿って押出発泡体の全厚みに亘る直線を引き、その直線と交差する気泡の数を計数し、直線の長さ(当然のことながら、この長さは拡大写真上の直線の長さではなく、写真の拡大率を考慮した直線の長さを指す。)を計数された気泡の数で割ることによって、各直線上に存在する気泡の平均径Tn(直線の長さ/該直線と交差する気泡の数)を求め、求められた3箇所の平均径Tnの算術平均値を厚み方向の平均気泡径T(mm)とする。なお、押出発泡体の全厚みが1枚の顕微鏡拡大写真に納まらない場合には、数枚に分けて撮影すればよい。
次に、本発明のポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法について説明する。
本発明の発泡体は、種々の方法によって製造することができるが、前記ポリスチレン系樹脂と、前記複合難燃剤などを加熱溶融し、得られた溶融樹脂組成物に発泡剤を圧入し、混練して得られる発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡する方法が好ましく採用される。
具体的には、ポリスチレン系樹脂、複合難燃剤、必要に応じて難燃助剤、熱安定剤、気泡調整剤やその他の添加剤を押出機に供給して、加熱、混練して溶融樹脂組成物とし、更に物理発泡剤を該押出機中に圧入し、混練して得られた発泡性溶融樹脂組成物を、フラットダイを通して高圧の押出機内より低圧域(通常は大気中)に押出して発泡させ、該ダイの出口に配置された成形型〔平行あるいは入口から出口に向かって緩やかに拡大するよう設置された上下2枚のポリテトラフルオロエチレン樹脂等からなる板で構成されるもの(以下、ガイダーとも言う。)〕や成形ロール等の成形具を通過させることによって板状に賦形し、板状のポリスチレン系樹脂発泡体を製造する方法が挙げられる。これらの複合難燃剤、難燃助剤、熱安定剤は、そのまま押出機に供給することもできれば、その一部又は全部を含むマスターバッチや、少なくとも難燃剤と熱安定剤を含む溶融混合物として押出機に供給することもできる。
押出機に供給されるポリスチレン系樹脂としては、前記発泡体を構成するポリスチレン系樹脂として説明したポリスチレンやスチレンを主成分とするスチレン−アクリル酸共重合体等が用いられる。
前記複合難燃剤は、熱安定性を高めるために、熱安定剤と共に押出機やミキサー等に投入し、これらを溶融混合することにより作製される難燃剤溶融混合物として押出機に投入することが好ましい。
溶融混練時の温度は、(A)臭素化ポリブタジエン系重合体からの臭素の遊離を効果的に抑制するためには溶融混合時の樹脂温度は低いほど好ましく、概ね190℃以下、好ましくは185℃以下である。
また、難燃剤溶融混合物は、計量性、取扱の容易性等からカットするなどしてペレット状にしておくことが好ましい。
前記発泡剤は特に限定されないが、炭素数3〜5の飽和炭化水素と以下に示す他の発泡剤とを含有する複合発泡剤を用いることが、地球温暖化防止の観点から好ましい。
炭素数3〜5の飽和炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、シクロペンタン、ネオペンタンなどが挙げられる。これらの飽和炭化水素は、単独又は2種以上混合して使用することができる。これらの飽和炭化水素の中では、発泡性の点からプロパン、n−ブタン、i−ブタンあるいはこれらの混合物が好ましい。また、発泡体の断熱性能の点からn−ブタン、i−ブタンあるいはこれらの混合物が好ましく、特に好ましくはi−ブタンである。
他の発泡剤としては、前記飽和炭化水素以外の有機物理発泡剤、及び無機物理発泡剤を用いることができる。
飽和炭化水素以外の有機物理発泡剤としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチルなどの蟻酸エステル類、塩化メチル、塩化エチルなどの塩化アルキル類などが挙げられる。また、オゾン破壊係数が0、かつ地球温暖化係数の小さいトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンなどのフッ化不飽和炭化水素、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンなどの塩化フッ化不飽和炭化水素を用いることもできる。
前記無機物理発泡剤としては、例えば水、二酸化炭素、窒素などが挙げられる。
前記他の発泡剤の中では、発泡性、発泡体成形性などの点からは、塩化メチル、塩化エチル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、メタノール、エタノール、水、二酸化炭素が好ましい。
これらの他の発泡剤は、単独又は2種以上混合して使用することができる。
前記複合発泡剤においては、飽和炭化水素の配合割合が10〜80モル%であり、他の発泡剤の配合割合が90〜20モル%(但し、前記飽和炭化水素と他の発泡剤との合計量は100モル%)であることが好ましい。配合割合がこの範囲内の複合発泡剤を使用することにより、安全かつ安定的に低見かけ密度の押出発泡体製造することができると共に断熱性、難燃性に優れた押出発泡体を製造することができる。かかる観点から、飽和炭化水素30〜70モル%と他の発泡剤70〜30モル%(但し、前記飽和炭化水素と他の発泡剤との合計量は100モル%)とを含有する複合発泡剤がより好ましい。
該複合発泡剤の配合量は、発泡性溶融樹脂組成物1kg中に、0.5〜2.5モルとなるように配合することが好ましく、0.8〜2.0モルがより好ましい。
前記発泡性溶融樹脂組成物には、発泡体の平均気泡径を調整するために気泡調整剤を添加することができる。気泡調整剤としては、タルク、カオリン、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、クレー、酸化アルミニウム、ベントナイト、ケイソウ土等の無機物が例示される。また、本発明において該気泡調整剤は2種以上組合せて用いることもできる。
これらの気泡調整剤の中で、得られる発泡体の気泡径の調整が容易で気泡径を小さくし易い等の理由でタルクが好適に用いられ、特に、粒子径の細かい平均粒径(光透過遠心沈降法による50%粒径)が0.5〜75μmのタルクが好ましい。
該気泡調整剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.01〜7.5重量部、更に0.1〜5重量部の割合で添加されることが好ましい。
また、前記気泡調整剤、難燃剤以外にも、グラファイト、ハイドロタルサイト、カーボンブラックやアルミニウム等の断熱性向上剤、着色剤、充填剤、滑剤等の各種添加剤を適宜添加することができる。尚、前記気泡調整剤等の各種添加剤は、ポリスチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を基材とするマスターバッチとして添加しても良い。
本発明の発泡体は、前記複合難燃剤と必要に応じて配合される難燃助剤を含むことから、押出時加工時の熱安定性に優れ、その再生ポリスチレン系樹脂は回収時における分子量低下、黄変の程度、黒点の発生が少ないものである。従って、該再生ポリスチレン系樹脂を用いることにより、新たなポリスチレン系樹脂の配合量及び新たな複合難燃剤の配合量を少なくすることができるので、本発明の発泡体は低コストで製造することができる。前記再生ポリスチレン系樹脂の添加量は、バージンのポリスチレン系樹脂100重量部に対して300重量部以下とすることが好ましく、より好ましくは100重量部以下である。
本発明の発泡体、たとえば板状のポリスチレン系樹脂発泡体は、その高度な難燃性を活かし、建築物の壁、床、屋根等の断熱材や畳芯材等に好適に使用することができるものである。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例の板状の発泡体を得るために、以下に示す装置及び原料を用いた。
内径65mmの第1押出機と内径90mmの第2押出機が直列に連結されており、発泡剤注入口が第1押出機の終端付近に設けられており、横断面が長方形の縦1mm、横115mmの樹脂排出口(ダイリップ)を備えたフラットダイが第2押出機の出口に取付けられ、第2押出機の樹脂出口にはダイからの発泡性溶融樹脂組成物の押出方向と平行するように設置された上下一対のポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる板により構成された賦形装置(ガイダー)が付設された装置を用いた。
[ポリスチレン系樹脂]
ポリスチレン系樹脂としてポリスチレン(重量平均分子量27.3万)を用いた。
なお、ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析法により求めた。その測定条件を以下に示す。
<GPC分析の測定条件>
使用機器:株式会社ジーエルサイエンス製GPC仕様高速液体クロマトグラフ
カラム:昭和電工株式会社製カラム、商品名ShodexGPC KF−806、同KF−805、同KF−803をこの順に直列に連結して使用
カラム温度:40℃
溶媒:THF
流速:1.0mL/分
濃度:0.15w/v%
注入量:0.2ml
検出器:株式会社ジーエルサイエンス製紫外可視検出器、商品名UV702型(測定波
長254nm)
分子量分布の計算に用いた較正曲線の分子量範囲:1.2×10〜5.2×10
難燃剤としては、次に示すものを用いた。なお、臭素含有量は、JIS K7392:2009に準じて測定された値である。
(1)難燃剤(A):臭素化スチレン−ブタジエン共重合体、ケムチュラ製、商品名「Emerald3000」(臭素含有率65重量%)
(2)難燃剤(B):テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、第一工業製薬製、商品名「ピロガードSR720」(臭素含有率67重量%)
(3)難燃剤(C):トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、鈴裕化学製、商品名「FCP660」(臭素含有率66重量%)
難燃助剤(D):ポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼン、United Initiators社製、商品名「CCPIB」
熱安定剤としては、以下の(1)〜(3)を、(1)50重量%、(2)25重量%、(3)25重量%の割合で混合したものを用いた。
(1)ノボラック型エポキシ系安定剤:DIC製、商品名「EPICLON N680」(2)リン系安定剤:ADEKA製、商品名「PEP36」(ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト)
(3)ヒンダードフェノール系安定剤:BASF製、商品名「Irganox1010」(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])
気泡調整剤として、タルク(松村産業製、ハイフィラー#12)を用いた。
実施例1
前記第1押出機に、表1に示す配合量となるように前記した、ポリスチレン系樹脂、難燃剤(A)、難燃剤(B)、難燃剤(C)、難燃助剤(D)、熱安定剤及び気泡調整剤(タルク)を供給し、第1押出機内で220℃まで加熱して、これらを混練し、第1押出機の先端付近に設けられた物理発泡剤注入口から、表1に示す配合組成、量の物理発泡剤を圧入した。
なお、難燃剤(A)、難燃剤(B)、難燃剤(C)、難燃助剤(D)、熱安定剤は、これらを二軸押出機(内径20mm、L/D=48)にポリスチレン系樹脂100重量部に対し、複合難燃剤が2重量部となるように供給し、溶融混練部の最高温度190℃、押出時の樹脂温度175℃となるように温度を調整して、吐出10kg/hrでストランド状に押出し、ペレット状にカットすることにより作製した難燃剤溶融混練物として、前記押出機に供給した。
次に、第1押出機内でさらに混練した発泡性溶融樹脂組成物を、続く第2押出機に移送して樹脂温度を、発泡適性温度(121℃:この発泡樹脂温度は押出機とダイとの接合部の位置で測定された発泡性溶融樹脂組成物の温度である)に調整した後、吐出量70kg/hrでダイリップから25mmの間隙で平行に配置されたガイダー内に押出し、発泡させながらガイダー内を通過させることにより板状に成形(賦形)し、板状の発泡体を製造した。
実施例1で得られた発泡体の、見掛け密度、厚み、厚み方向の平均気泡径、独立気泡率、難燃性(酸素指数、JIS A9521)、黒点の発生状況、および再生樹脂の黒点の発生状況を表1に示す。
実施例2〜5
難燃剤(A)、(B)、(C)を表1に示す配合量で用いた以外、実施例1と同様にして板状の発泡体を製造した。得られたポリスチレン系樹脂発泡体の、見掛け密度、厚み、厚み方向の平均気泡径、独立気泡率、難燃性、黒点の発生状況、および再生樹脂の黒点の発生状況を表1に示す。
実施例6
難燃剤(A)、(B)、(C)を表1に示す配合量で用い、難燃助剤(D)を用いない以外、実施例1と同様にして板状の発泡体を製造した。得られたポリスチレン系樹脂発泡体の、見掛け密度、厚み、厚み方向の平均気泡径、独立気泡率、難燃性、黒点の発生状況、および再生樹脂の黒点の発生状況を表1に示す。
実施例7
実施例1で得られた押出発泡板を粉砕した後、内径90mm、L/D=50の単軸押出機に供給して最高温度230℃で混練し、その溶融樹脂を吐出量250kg/hrでストランド状に押出し、ペレット状にカットすることによって再生ポリスチレン系樹脂(重量平均分子量26.8万)を得た。この再生ポリスチレン系樹脂をポリスチレン系樹脂100重量部に対して50重量部添加した以外は、実施例1と同様にして板状の発泡体を製造した。なお、難燃剤、難燃助剤、熱安定剤及び気泡調整剤の配合量は、ポリスチレン系樹脂100重量部に対する値である。得られたポリスチレン系樹脂発泡体の、見掛け密度、厚み、厚み方向の平均気泡径、独立気泡率、難燃性、黒点の発生状況、および再生樹脂の黒点の発生状況を表1に示す。
実施例7では、回収時の押出機の最高温度を230℃に設定して得られた再生ポリスチレン系樹脂を使用して発泡体を製造したところ、黒点の発生が抑制されていた。さらに、その回収原料にも黒点の発生が殆どなく、高効率でのリペレット化が可能であった。
実施例1〜7で得られたポリスチレン系樹脂発泡体は、JIS A9521の規格による燃焼試験において短時間で消炎し、かつ、十分な酸素指数を有するものであった。さらに、該発泡体は、黒点の発生がなく、押出加工時の熱安定性に優れ、リサイクル特性に優れたものであった。
比較例1
難燃剤として難燃剤(A)のみを表2に示す配合量で用い、難燃剤(B)、(C)、難燃助剤(D)を用いないこと以外、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡体を製造した。比較例1で得られた発泡体は、難燃性には優れるが、再生原料に黒点が発生しやすいものであった。
比較例1で得られた発泡体の、見掛け密度、厚み、厚み方向の平均気泡径、独立気泡率、難燃性、黒点の発生状況、および再生樹脂の黒点の発生状況を表2に示す。
比較例1と実施例全体との対比から、難燃剤(A)のみを用いると実施例と同等の難燃性は得られるが、再生原料への黒点の発生を防止できないことが判る。
比較例2
難燃剤として難燃剤(B)のみを表1に示す配合量で用い、これに難燃助剤(D)を表2に示す配合量で加えたこと以外、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡体を製造した。得られた発泡体は、再生原料に黒点が発生しないものの、酸素指数が低く、また、ろうそく試験における炎が消えるまでの時間が長く、実施例に比べ難燃性に劣るものであった。
比較例2で得られた発泡体の、見掛け密度、厚み、厚み方向の平均気泡径、独立気泡率、難燃性、黒点の発生状況、および再生樹脂の黒点の発生状況を表2に示す。
比較例2と実施例全体との対比から、難燃剤(A)を使用しないと再生原料への黒点の発生は防止できるが、難燃助剤(D)を併用しても難燃性に劣ることが判る。
比較例3
難燃剤として難燃剤(C)のみを表1に示す配合量で用い、これに難燃助剤(D)を表2に示す配合量で加えたこと以外、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡体を製造した。
比較例3で得られた発泡体の、見掛け密度、厚み、厚み方向の平均気泡径、独立気泡率、難燃性、黒点の発生状況、および再生樹脂の黒点の発生状況を表2に示す。
比較例3と実施例との対比から、難燃剤(A)を使用しないと再生原料への黒点の発生は防止できるが、難燃剤(C)のみを用い、これに難燃助剤(D)を併用しても難燃性に劣ることが判る。
比較例4
難燃剤として難燃剤(A)と難燃剤(B)の組合せを表2に示す配合量で用い、難燃剤(C)を用いないと共に、難燃助剤(D)も用いないこと以外、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡体を製造した。比較例4で得られた発泡体は、難燃性に劣る上に、再生原料に黒点が発生しやすいものであった。
比較例4で得られた発泡体の、見掛け密度、厚み、厚み方向の平均気泡径、独立気泡率、難燃性、黒点の発生状況、および再生樹脂の黒点の発生状況を表2に示す。
比較例4から、難燃剤(C)を用いないと難燃剤(A)の配合量を増やしても実施例と同レベルの難燃性を得られないこと、難燃剤(A)の配合量を増やしたことにより再生原料への黒点の発生を防止できないことが判る。
比較例5
難燃剤として難燃剤(A)と難燃剤(C)の組合せを表2に示す配合量で用い、難燃剤(B)を用いないと共に、難燃助剤(D)も用いないこと以外、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡体を製造した。比較例5で得られた発泡体は、比較例4の発泡体の難燃性よりは優れているが、実施例で得られた発泡体の難燃性には劣り、再生原料に黒点が発生しやすいものであった。







比較例5で得られた発泡体の、見掛け密度、厚み、厚み方向の平均気泡径、独立気泡率、難燃性、黒点の発生状況、および再生樹脂の黒点の発生状況を表2に示す。
比較例5から、難燃剤(C)の難燃性は難燃剤(B)の難燃性より優れているが、難燃剤(C)を用いないと難燃剤(A)の配合量を増やしても、実施例程度の難燃性を得られないこと、難燃剤(A)の配合量を増やしたことにより再生原料への黒点の発生を防止できないことが判る。
以上の実施例、比較例の対比から、本発明のポリスチレン系樹脂発泡体は、難燃剤(A)と、難燃剤(B)と、難燃剤(C)とを組合わせると、難燃性に優れた発泡体となり、配合される難燃剤(A)が少量であっても、JIS A9521の規格による燃焼試験において極めて良好な難燃性を示し、かつ、十分な酸素指数を有するものになることが判る。さらに、黒点の発生がなく、押出加工時の熱安定性に優れ、リサイクル特性にも優れることが判る。
前記難燃剤をそれぞれ単独で用いた場合あるいはこれらの成分を単に2種類組み合わせた場合の比較例においては、高度な難燃性、及び十分な酸素指数、再生原料ペレットにおける黒点の発生や黄変色が十分に抑制された発泡体が得られないことから、本発明の奏する効果は、難燃剤(A)、難燃剤(B)及び難燃剤(C)の三者を組み合わせ使用したことによって初めて発現し、難燃助剤(D)を加えることにより更に大きなものになることが判る。
表1、表2に示す発泡体の各種物性の測定方法及び評価方法は以下のとおりである。
(見掛け密度)
発泡体の見掛け密度は、次のようにして求めた。得られた発泡体の幅方向の中央部、両端部付近から50×50×20mmの直方体の試料を各々切り出して重量を測定し、該重量を体積で割算することにより夫々の試料の見掛け密度を求め、それらの算術平均値を当該見掛け密度とした。
(厚み)
発泡体の幅方向中央部付近において、等間隔に5点の厚みを測定し、それらの測定値の算術平均値を発泡体の厚み(mm)とした。
(独立気泡率)
発泡体の独立気泡率は、次のようにして求めた。まず、発泡体を幅方向に5等分し、それらの中央部付近から25mm×25mm×20mmのサイズに成形表皮を持たないカットサンプル(計5個)を切り出した。次に、ASTM−D2856−70の手順Cに従って、各カットサンプルの真の体積Vxを測定し、下記(1)式により独立気泡率S(%)を計算し、それら計算値の算術平均値を発泡体の独立気泡率とした。なお、測定装置として東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型を使用した。
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ) (1)
ただし、Vx:上記空気比較式比重計による測定により求められるカットサンプルの真の体積(cm)(発泡体のカットサンプルを構成する樹脂組成物の容積と、カットサンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。)
Va:測定に使用されたカットサンプルの外形寸法から算出されたカットサンプルの見掛け上の体積(cm
W:測定に使用されたカットサンプル全重量(g)
ρ:発泡体を構成する樹脂組成物の密度(g/cm
(厚み方向の平均気泡径)
前記方法により、発泡体から各部位の厚み方向の平均気泡径を測定し、それらの測定値の算術平均値を発泡体の平均気泡径(mm)とした。
(イソブタン残存量)
製造直後の発泡体を気温23℃、相対湿度50%の部屋に移し、その部屋で4週間放置した後、発泡体の中央部から約1gの測定用試験片を切り出し、ガスクロマトグラフ分析を行って、発泡体中に残存する発泡剤(イソブタン)の量を求めた。
<ガスクロマトグラフ分析の測定条件>
カラム:信和加工株式会社製
担体:chromosorb W、60〜80メッシュ、AW−DMCS処理品
液相:Silicone DC550(液相量20%)
カラム寸法:カラム長さ4.1m、カラム内径3.2mm
カラム素材:ガラス
カラム温度:40℃
注入口温度:200℃
キャリヤーガス:窒素
キャリヤーガス速度:50ml/min.
検出器:FID
検出器温度:200℃
定量:内部標準法
(難燃性評価:LOI(酸素指数))
製造直後の発泡体を気温23℃、相対湿度50%の部屋に移し、その部屋で4週間放置した後、発泡体から試験片を切り出し、JIS K7201−2:2007に準拠して測定し、難燃性を評価した。点火器の熱源の種類は、液化石油ガス(LPG)を使用し、点火手順はA法を使用し、試験片を試験機内の所定の位置に自立させて行った。試験場所の温度は23℃、湿度50%で行った。
(難燃性評価:ろうそく試験)
製造直後の発泡体を気温23℃、相対湿度50%の部屋に移し、その部屋で4週間放置した後、発泡体から試験片を無作為に5個切り出して(N=5)、JIS A9521:2014のB.2.1「測定方法A」に基づいて燃焼性を測定し、5個の試験片の平均燃焼時間により、発泡体の難燃性を評価した。
(発泡体の黒点)
発泡体を押出方向に対して垂直に切断した断面5箇所において目視にて観察した。
○:0〜1個
△:2〜5個
×:6個以上
(再生樹脂の黒点:再生回数1回目)
該発泡体を粉砕した後、内径90mm、L/D=50の単軸押出機に供給して表1に記された最高温度220℃、または230℃で混練し、その溶融樹脂を吐出量50kg/hrでストランド状に押出し、ペレット状にカットすることによりポリスチレン系樹脂組成物のペレットを作製した。油圧プレス機と180℃に加熱された1mm厚さで100×100mmの形状の金型を用い、樹脂プレートの作製を行い、プレートに含まれる黒点の数を目視にて計測した。
○:0〜1個
△:2〜5個
×:6個以上
(再生樹脂の黒点:再生回数2回目)
再生回数1回目で得られたペレット(最高温度220℃のもの)を更に内径90mm、L/D=50の単軸押出機に供給して表1に記された最高温度220℃、または230℃で混練し、その溶融樹脂を吐出量50kg/hrでストランド状に押出し、ペレット状にカットすることによりポリスチレン系樹脂組成物のペレットを作製した。油圧プレス機と180℃に加熱された1mm厚さで100×100mmの形状の金型を用い、樹脂プレートの作製を行い、プレートに含まれる黒点の数を目視にて計測した。
○:0〜1個
△:2〜5個
×:6個以上
(再生樹脂の黄変:再生回数1回目)
再生樹脂の黒点:再生回数1回目で作製した樹脂プレートの色を目視にて確認した。
○:透明で有り、色調が変わらないもの
△:わずかに黄色味がかっているもの
×:黄色味が著しく強いもの
(再生樹脂の黄変:再生回数2回目)
再生樹脂の黒点:再生回数2回目で作製した樹脂プレートの色を目視にて確認した。
○:透明で有り、色調が変わらないもの
△:わずかに黄色味がかっているもの
×:黄色味が著しく強いもの




Claims (3)

  1. 難燃剤を含有するポリスチレン系樹脂発泡体において、該難燃剤が、(A)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体、(B)テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、及び(C)トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートのみからなる複合難燃剤であり、該複合難燃剤中の(A)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体の配合量がポリスチレン系樹脂100重量部に対して2重量部以下であり、該複合難燃剤中の(A)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体の配合割合が20〜90重量%であり(ただし、(A)と(B)と(C)との合計が100重量%である。)、(B)テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)と(C)トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートとの配合重量比が10:90〜90:10であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡体。
  2. 前記発泡体がさらにポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼンを含み、ポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼンの配合量が前記複合難燃剤の配合量100重量部に対して1〜20重量部であることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
  3. (A)臭素化ブタジエン−スチレン共重合体の配合量が発泡体を構成するポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.2重量部以上1重量部未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
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