JP6381223B2 - ポリスチレン系樹脂発泡体 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂発泡体 Download PDF

Info

Publication number
JP6381223B2
JP6381223B2 JP2014030075A JP2014030075A JP6381223B2 JP 6381223 B2 JP6381223 B2 JP 6381223B2 JP 2014030075 A JP2014030075 A JP 2014030075A JP 2014030075 A JP2014030075 A JP 2014030075A JP 6381223 B2 JP6381223 B2 JP 6381223B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame retardant
foam
polystyrene
weight
polystyrene resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014030075A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015155489A (ja
Inventor
良 菊澤
良 菊澤
達之 石川
達之 石川
亮祐 板垣
亮祐 板垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSP Corp
Original Assignee
JSP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSP Corp filed Critical JSP Corp
Priority to JP2014030075A priority Critical patent/JP6381223B2/ja
Publication of JP2015155489A publication Critical patent/JP2015155489A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6381223B2 publication Critical patent/JP6381223B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡体に関し、詳しくは、難燃性に優れると共に高い断熱性を有し、リサイクル性に優れるポリスチレン系樹脂発泡体であって、建築物の壁、床、屋根等の断熱材や畳芯材等に好適に使用され主に板状に形成されるポリスチレン系樹脂発泡体に関する。
従来、ポリスチレン系樹脂発泡体として、ポリスチレン系樹脂材料に気泡調整剤を加え、押出機で加熱溶融混練し、次いで物理発泡剤を該押出機中に圧入し更に混練し、これらの溶融混合物を高圧域から低圧域(通常は大気中)に押し出し、押出機のダイ出口に連結された賦形装置により板状に賦形して、高厚みのポリスチレン系樹脂発泡体(以下、発泡体ともいう。)が知られている。
この発泡体を建築用の断熱材として使用するには、例えば、JIS A 9511(2006R)記載の押出ポリスチレンフォーム保温板の燃焼性規格を満足することが要求される。そのために、該発泡体中には難燃剤が添加されており、該難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカン(以下、HBCDという。)が広く使用されてきた。
HBCDは、汎用性があり、比較的少量の添加で難燃効果が得られる優れた難燃剤である。
しかし、HBCDに対しては化審法やREACHによる規制の動きがあり、規制対象物質に指定された場合を想定し、HBCD難燃剤を使用しない難燃剤代替発泡体製造技術の開発が求められている。
一方、前記発泡体の製造方法における発泡剤としては、従来、ジクロロジフルオロメタン等の塩化フッ化炭化水素(以下、CFCという。)が広く使用されてきたが、オゾンホール拡大の問題との関連性が疑われているCFCは使用が控えられ、オゾン破壊係数の小さい水素原子含有塩化フッ化炭化水素(以下、HCFCという。)やオゾン破壊係数が0(ゼロ)の水素原子含有フッ化炭化水素(以下、HFCという。)がCFCの代わりに用いられるようになった。また更に、地球温暖化の観点からHCFCやHFCに代わり、オゾン破壊係数が0(ゼロ)であるとともに、地球温暖化係数も小さいイソブタンやイソペンタン等の飽和炭化水素が用いられるようになった。
しかし、ブタンなどの飽和炭化水素は可燃性であることから、ポリスチレン系樹脂発泡体に十分な難燃性を付与するためには、HFC等の不燃性発泡剤を用いて製造する場合よりも多くの難燃剤を添加しなければならなくなった。多量の難燃剤が添加されると、押出発泡の安定性が著しく損なわれたり、得られた発泡体の物性が損なわれたりするという問題が新たに発生した。
上記の状況において、HBCD以外の優れた難燃剤を用いたポリスチレン系樹脂発泡体の検討がなされてきた。
たとえば、特許文献1には、難燃剤としてテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)等のハロゲン化芳香族アルキルアリールエーテル類のハロゲン化物を使用することが開示されている。
しかし、テトラブロモビスフェノールA−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)は発泡体に高い難燃性を付与することができるものの発泡体を回収してリペレット化する工程においてポリスチレン系樹脂を分解させやすく、この回収原料を製品の一部として使用する場合、発泡させる為に必要な圧力を保持することができない、或いは押出条件が安定しない等の問題が生じることがあった。
特許文献2には、臭素化イソシアヌレート、臭素化ビスフェノールと、ジフェニルアルカン及び/又はジフェニルアルケンを用いることが開示されている。
しかし、臭素化イソシアヌレートやテトラブロモビスフェノールA−(2,3−ジブロモプロピルエーテル)は、HBCDまたはテトラブロモビスフェノールA−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)に比べ、ポリスチレン系樹脂発泡体への難燃性付与効果が劣るため、添加量を増やした上で、更にジフェニルアルカン等の難燃助剤を添加することが必要となる。
また、特許文献3、4には、臭素化ブタジエン系重合体タイプの難燃剤を配合させたポリスチレン系樹脂発泡体が提案されている。この難燃剤は、難燃性付与効果が高いといった利点を有するものである。
特開2005−139356号公報 特開2003−292664号公報 特開2009−516019号公報 特開2012−512942号公報
しかし、特許文献3、4に記載された発泡体に、ブタンなどの飽和炭化水素を多く残存させると、JIS A9511(2006R)の難燃規格をクリアするような高度な難燃性を付与するためには、上記臭素化ブタジエン系重合体の添加量を基材ポリスチレン系樹脂に対して少なくとも3重量部以上とする必要があった。
さらに、この臭素化ブタジエン系重合体を多量に添加すると押出時(押出発泡時、リペレット時)等に発泡体や再生原料ペレットに黒点の発生や変色が生じ、外観に優れるとともに再生原料として再利用可能な発泡体とすることはできなかった。もっともこの臭素化ブタジエン系重合体の多量添加による黒点の発生や着色現象等の不具合はその添加量を少量とするにより軽減できるものの、この場合には、上記したJIS A9511(2006R)の難燃規格をクリアするような高度な難燃性を有し、かつ酸素指数が高い発泡体を得ることが困難となるといった新たな問題が生じる。
本発明は、前記問題点に鑑み、上記臭素化ブタジエン系重合体の添加量を減量したとしても依然として高度な難燃性及び十分な酸素指数を有するポリスチレン系樹脂発泡体を提供することを、その課題とするものである。
本発明によれば、以下に示すポリスチレン系樹脂発泡体が提供される。<1>難燃剤を含有するポリスチレン系樹脂発泡体であって、該難燃剤が、臭素化ブタジエン系重合体とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)からなり、さらに難燃助剤として、ポリアルキルベンゼンを含み、臭素化ブタジエン系重合体の配合量がポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上2重量部未満であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡体。
<2>臭素化ブタジエン系重合体とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)との配合比が重量比で75:25〜25:75であることを特徴とする<1>に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
<3>難燃助剤の配合量が臭素化ブタジエン系重合体とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)との合計100重量部に対して1〜20重量部であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
<4>難燃助剤がポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼンであることを特徴とする<1>から<3>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
<5>臭素化ブタジエン系重合体が臭素化ブタジエン−スチレン共重合体であることを特徴とする<1>から<4>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂発泡体
<6>臭素化ブタジエン系重合体の配合量がポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上1.5重量部以下であることを特徴とする<1>から<5>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡体は、難燃剤として、臭素化ブタジエン系重合体とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)が用いられているとともに、難燃助剤として、ポリアルキルベンゼンが用いられていることから、高度な難燃性及び十分な酸素指数を有する。
本発明に係る難燃剤を含有するポリスチレン系樹脂発泡体は、該難燃剤が、臭素化ブタジエン系重合体とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)であり、さらに難燃助剤として、ポリアルキルベンゼンを含むことを特徴とする。
前記したように、HBCDの代替難燃剤として最近注目されている臭素化ブタジエン系重合体は、つぎのような課題を有するものであった。
(a)多量に添加することにより、JIS A9511の難燃規格をクリアするポリスチレン系樹脂発泡体を得ることは可能ではあるが、多量添加すると、押出発泡時に黒点の発生や変色が生じ、外観に優れる発泡体とすることが難しい。
(b)多量添加された発泡体又は発泡体製造時の端材などを溶融して再生原料とする際に黒点や変色が生じ、良好な再生原料を得ることが難しい。
(c)少量の添加により、黒点の発生や変色は抑制できるものの高度の難燃性を有する発泡体を得ることができない。
本発明者等は、上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、臭素化ブタジエン系重合体にテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)を配合して複合難燃剤とし、かつ、ポリ(1,4−ジイソプロピルベンゼン)等の難燃助剤を選定使用すると、意外なことに、高度な難燃性及び十分な酸素指数を有する発泡体を得ることができることを知見した。さらに、配合する臭素化ブタジエン系重合体がたとえ少量であっても、高度な難燃性及び十分な酸素指数を有する発泡体を得ることができるため、発泡体基材樹脂であるポリスチレン系樹脂の着色や黒点の発生が抑制され、再生原料としても使用可能な、ポリスチレン系樹脂発泡体が得られ、臭素化ブタジエン系重合体系難燃剤の有する上記問題点が一挙に解消されることを知見した。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
以下、本発明の難燃剤を含有するポリスチレン系樹脂発泡体について詳細に説明する。
(ポリスチレン系樹脂)
ポリスチレン系樹脂発泡体を構成するポリスチレン系樹脂としては、例えばポリスチレンや、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレンを主成分とするスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−メチルスチレン共重合体、スチレン−ジメチルスチレン共重合体、スチレン−エチルスチレン共重合体、スチレン−ジエチルスチレン共重合体等やこれら2種以上の混合物が挙げられる。上記スチレン系共重合体におけるスチレン単位成分含有量は50モル%以上が好ましく、特に好ましくは80モル%以上である。なお、ポリスチレン系樹脂には、ジビニルベンゼンや多分岐状マクロモノマーなどの多官能性モノマー単位成分が含まれていてもよい。これらのポリスチレン系樹脂の中でも、発泡性の観点からポリスチレンが好ましい。
上記ポリスチレン系樹脂としては、本発明の目的、効果が達成される範囲内において、その他の重合体を混合したものであってもよい。その他の重合体としては、非晶性の変性ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリエチレン系樹脂(エチレン単独重合体及びエチレン単位成分含有量が50モル%以上のエチレン共重合体の群から選択される1種、或いは2種以上の混合物)、ポリプロピレン系樹脂(プロピレン単独重合体及びプロピレン単位成分含有量が50モル%以上のプロピレン共重合体の群から選択される1種、或いは2種以上の混合物)、ポリフェニレンエーテル樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体水添物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体水添物、スチレン−エチレン共重合体等が挙げられ、これらの他の重合体は、ポリスチレン系樹脂中で50重量%未満となるように、好ましくは30重量%以下となるように、更に好ましくは10重量%以下となるように、目的に応じて混合することができる。
(難燃剤)
本発明においては、難燃剤として、臭素化ブタジエン系重合体とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)が用いられる。
(臭素化ブタジエン系重合体)
本発明で用いる臭素化ブタジエン系重合体それ自体は従来公知のものであり、たとえば特許文献3や4で開示されるものがそのまま使用できる。
一般に、難燃剤として使用される臭素化ブタジエン系重合体は、ポリブタジエン換算で、重量平均分子量1.0×10〜2.0×10程度、好ましくは2.0×10〜1.0×10、より好ましくは5.0×10〜1.0×10、さらに好ましくは5.0×10〜1.0×10のブタジエン系重合体を臭素化することにより製造される。
臭素化ブタジエン系重合体をポリスチレン系樹脂の難燃剤として用いる場合、ポリスチレン系樹脂との相溶性を考慮すると、臭素化ブタジエン系重合体は、スチレン系単量体成分単位を含むブロック共重合体、ランダム共重合体又はグラフト共重合体であることが好ましく(以下、これらを併せて臭素化ブタジエン−スチレン共重合体ともいう。)、ポリスチレン系重合体ブロックと臭素化ポリブタジエンブロックとのブロック共重合体であることがより好ましい。
また、スチレン系単量体としては、スチレン、臭素化スチレン、塩素化スチレン、2−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレンなどが例示でき、これこれらの中でも、スチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物が好ましく、より好ましくはスチレンである。
難燃性付与効果の観点から、臭素化ブタジエン系重合体中の臭素含有率は、60重量%以上であることが好ましく、より好ましくは63重量%以上である。なお、上記臭素含有率は、JIS K7392:2009に基づき求めることができる。
臭素化ブタジエン系重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で、好ましくは1.0×10〜2.0×10程度であり、その200℃、剪断速度100sec−1における溶融粘度は、4000〜8000Pa・s程度である。
一般に、代表的な臭素化ブタジエン系重合体である臭素化ブタジエン−スチレンブロック共重合体は下記一般式で表すことができる。
Figure 0006381223

(式中、X、Y及びZは、正の整数である。)
このような臭素化ブタジエン−スチレンブロック共重合体は、たとえばブタジエン−スチレンブロック共重合体を臭素化することにより製造される。
本発明で好ましく用いられる臭素化ブタジエン−スチレンブロック共重合体としては、Chemtura社のEmerald3000、ICL−IP社のFR122Pなどの市販品を挙げられる。
[テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)]
本発明においては、難燃剤として、上記臭素化ブタジエン系重合体とともにテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)を用いる。このテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)はそれ自体ではポリスチレン系樹脂発泡体への難燃性付与効果に劣るものであるが、これに上記臭素化ブタジエン系重合体難燃剤とポリアルキルベンゼン難燃助剤とを組み合わせることにより、ポリスチレン系樹脂発泡体の難燃性が顕著に向上する。また、このテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)はポリスチレン系樹脂発泡体やその製造時の端材などを溶融して再生原料にリペレット化する際の熱安定性に寄与する効果も併せ持つ。
[臭素化ブタジエン系重合体とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)との配合割合及び配合量]
上記臭素化ブタジエン系重合体とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)からなる複合難燃剤の配合割合は、特に制限はないが重量比で75:25〜25:75、好ましくは70:30〜40:60である。
配合割合が前記の範囲内である場合には、後記する難燃助剤との相互作用により安定的に黒点や変色のない発泡体が得られ、かつ高度の難燃性を付与することが可能となる。また、臭素化ブタジエン系重合体中に熱安定剤が適度に分散するようになるためか、ポリスチレン系樹脂発泡体を製造するや再生原料を製造する際に、効果的に黒点の発生を抑制することができる。
本発明では、上記した理由により、従来、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して少なくとも3重量部以上添加しなければ高度な難燃性を付与できないとされていた臭素化ブタジエン系共重合体の添加量を3重量部未満とした場合、好ましくは2重量部以下、1.5重量部以下とした場合であっても、高度な難燃性を有するポリスチレン系樹脂発泡体を得ることが可能である。また、臭素化ブタジエン系重合体の配合量の下限は、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.2重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5重量部である。
(その他の難燃剤)
本発明の所期の目的を達成する範囲において、発泡体に配合される難燃剤には、臭素化ブタジエン共重合体及びテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)以外のその他の難燃剤を含んでもよい。その他の難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)に代表される臭素化ビスフェノール系化合物、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、モノ(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレート、ジ(2,3,4−トリブロモブチル)イソシアヌレートに代表される臭素化イソシアヌレート系化合物等が挙げられる。その配合量は、臭素化ブタジエン共重合体及びテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)の合計100重量部に対して20重量部以下とすることが好ましく、15重量部以下とすることがより好ましく、10重量部以下とすることがさらに好ましい。
(難燃助剤)
本発明においては、上記特有な組み合わせの複合難燃剤とともに難燃助剤としてポリアルキルベンゼンが用いられる。
ポリアルキルベンゼンとしては、具体的にはポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼンが例示される。
このような難燃助剤を前記複合難燃剤と組み合わせることにより、得られる発泡体にJIS A9511の難燃規格を満足する高度の難燃性を付与することができ、また酸素指数LOIも向上させることができる。かかる難燃助剤を配合しない場合には、後記比較例から明らかなように、黒点のない外観に優れ、また再生樹脂として再利用した場合にも黒点のないポリスチレン系樹脂成形体が得られるが、JIS A9511の難燃規格をクリアすることができず、また高い酸素指数LOIを有する発泡体を得ることが困難となる。
該難燃助剤は上記複合難燃剤100重量部に対して、1〜20重量部配合されることが好ましく、3〜15重量部配合されることがより好ましい。
(その他の配合剤)
本発明においては、前記難燃剤には、押出時に難燃剤の分解を抑制する熱安定剤を配合することが好ましい。
(熱安定剤)
熱安定剤としては、エポキシ樹脂系安定剤、ホスファイト系安定剤、フェノール系安定剤及びヒンダードアミン系安定剤から選ばれる一種以上のものが挙げられる。
これらの熱安定剤の総配合量は、臭素化ブタジエン系重合体とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)との合計100重量部に対して、1〜35重量部とすることが好ましく、より好ましくは2〜25重量部である。
エポキシ樹脂系安定剤としては、ノボラック型またはビスフェノール型が好ましい。ビスフェノール型エポキシ系化合物としては、特に臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、所謂臭素化エポキシ化合物が好ましい。
ホスファイト系安定剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデン−ビス(2−t−ブチル−5−メチルフェニル)ジホスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビスステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、モノ(ジノニルフェニル)モノ−p−ノニルフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、テトラアルキル(C=12〜16)−4,4’−イソプロピリデン−(ビスフェニル)ジホスファイト、ヘキサトリデシル−1,1,3−トリス(3−t−ブチル−6−メチル−4オキシフェニル)−3−メチルプロパントリホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリデシルホスファイトなどがあげられる。これらは、単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでも、押出安定性の点から、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトまたはビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイトが好ましい。
フェノール系安定剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
これらは、単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、押出安定性、難燃性の点から、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、または4−ヒドロキシ−1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの脂肪族または芳香族カルボン酸エステル、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどがあげられる。これらは、単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでも、難燃性に関して消炎を早める効果、および発泡体の耐熱性を低下させない点から、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、又はビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートが好ましい。
(発泡体の見掛け密度。厚み、平均気泡径、用途等)
本発明に係るポリスチレン系樹脂発泡体の見掛け密度は、優れた断熱性と機械的強度の観点から、好ましくは20〜60kg/m、更に好ましくは22〜50kg/mである。また、ポリスチレン系樹脂発泡体の厚みは、10〜150mm、更に20〜100mmであることが好ましい。発泡体の幅は、具体的には600mm〜1500mmが好ましい。また、厚み方向の平均気泡径は、より高い断熱性を有する発泡体とする上で1.0mm以下、更に0.75mm以下、特に0.5mm以下であることが好ましい。該気泡径が小さすぎる場合は、厚みが厚く、低見掛け密度の板状の押出発泡体を得ること自体が難しい。かかる観点から、厚み方向の平均気泡径は0.05mm以上、更に0.06mm以上、特に0.07mm以上であることが好ましい。
上記厚み方向の平均気泡径の測定方法は次のとおりである。まず、押出発泡体を幅方向に3等分し、分割した各測定用サンプルの幅方向中央部付近の幅方向垂直断面(押出発泡体の押出方向と直交する垂直断面)の顕微鏡拡大写真を得る。次いで、該拡大写真上において発泡体の厚み方向に沿って押出発泡体の全厚みに亘る直線を引き、その直線と交差する気泡の数を計数し、直線の長さ(当然のことながら、この長さは拡大写真上の直線の長さではなく、写真の拡大率を考慮した直線の長さを指す。)を計数された気泡の数で割ることによって、各直線上に存在する気泡の平均径Tn(直線の長さ/該直線と交差する気泡の数)を求め、求められた3箇所の平均径Tnの算術平均値を厚み方向の平均気泡径T(mm)とする。なお、押出発泡体の全厚みが1枚の顕微鏡拡大写真に納まらない場合には、数枚に分けて撮影すればよい。
本発明の発泡体たとえば板状のポリスチレン系樹脂発泡体は、その高度な難燃性を活かし、建築物の壁、床、屋根等の断熱材や畳芯材等に好適に使用することができる。
(ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法)
本発明のポリスチレン系樹脂発泡体は、種々の方法によって製造することができるが、ポリスチレン系樹脂と、上記複合難燃剤、難燃助剤および好ましくは熱安定剤と発泡剤を混練して得られる発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡する方法が好ましく採用される。
具体例としては、ポリスチレン系樹脂、上記複合難燃剤、難燃助剤、必要に応じて熱安定剤、気泡調整剤やその他の添加剤を押出機に供給して、加熱、混練し、更に発泡剤を該押出機中に圧入し、混練して得られた発泡性溶融樹脂組成物を、フラットダイを通して高圧の押出機内より低圧域(通常は大気中)に押出して発泡させ、該ダイの出口に配置された成形型〔平行あるいは入口から出口に向かって緩やかに拡大するよう設置された上下2枚のポリテトラフルオロエチレン樹脂等からなる板で構成されるもの(以下、ガイダーとも言う。)〕や成形ロール等の成形具を通過させることによって板状に成形し、板状のポリスチレン系樹脂発泡体を製造する方法が挙げられる。上記複合難燃剤、難燃助剤、熱安定剤は、これらをそのまま加工せずに押出機に供給しても、これらの一部又は全部を含むマスターバッチや、少なくとも難燃剤と熱安定剤を含む溶融混合物として押出機に供給してもよい。
(ポリスチレン系樹脂)
押出機に供給されるポリスチレン系樹脂としては、前記発泡体の項で説明したものと同様なポリスチレンやスチレンを主成分とするスチレン−アクリル酸共重合体等が用いられる。
(難燃剤溶融混合物)
熱安定剤の効果を高めるためには、臭素化ブタジエン系重合体とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)からなる複合難燃剤と、熱安定剤とを含む混合物を押出機やミキサー等に投入し、これらを溶融混合することにより作製される難燃剤溶融混合物として押出機に投入することが好ましい。
溶融混練時の温度は、臭素化ポリブタジエン系重合体及び臭素化ビスフェノール系化合物からの臭素の遊離を効果的に抑制するためには溶融混合時の樹脂温度は低いほど好ましく、概ね190℃以下、好ましくは185℃以下とする。
また、難燃剤溶融混合物は、計量性、取扱の容易性等からカットするなどしてペレット状にしておくことが好ましい。
(発泡剤)
発泡剤は特に限定されないが、炭素数3〜5の飽和炭化水素と以下に示す他の発泡剤とを含有する複合発泡剤を用いることが、背景技術に記載した観点から好ましい。
前記炭素数3〜5の飽和炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、シクロペンタン、ネオペンタンなどが挙げられる。
上記の飽和炭化水素は、単独又は2種以上混合して使用することができる。
前記飽和炭化水素の中では、発泡性の点からプロパン、n−ブタン、i−ブタンあるいはこれらの混合物が好ましい。また、発泡体の断熱性能の点からn−ブタン、i−ブタンあるいはこれらの混合物が好ましく、特に好ましくはi−ブタンである。
他の発泡剤としては、上記飽和炭化水素以外の有機物理発泡剤、及び無機物理発泡剤を用いることができる。
前記飽和炭化水素以外の有機物理発泡剤としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチルなどの蟻酸エステル類、塩化メチル、塩化エチルなどの塩化アルキル類などが挙げられる。また、オゾン破壊係数が0、かつ地球温暖化係数の小さいトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンなどのフッ化不飽和炭化水素、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンなどの塩化フッ化不飽和炭化水素を用いることもできる。
前記無機物理発泡剤としては、例えば水、二酸化炭素、窒素などが挙げられる。
上記の他の発泡剤は、単独又は2種以上混合して使用することができる。
前記他の発泡剤の中では、発泡性、発泡体成形性などの点からは、塩化メチル、塩化エチル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、メタノール、エタノール、水、二酸化炭素が好ましい。
前記複合発泡剤においては、飽和炭化水素の配合割合が10〜80モル%であり、他の発泡剤の配合割合が90〜20モル%〔但し、前記飽和炭化水素と他の発泡剤との合計量は100モル%〕であることが好ましい。配合割合がこの範囲内の混合発泡剤を使用することにより、安全かつ安定的に高発泡倍率の押出発泡体の製造することができるようになると共に断熱性、難燃性に優れた押出発泡体を製造する上で好ましい。かかる観点から、飽和炭化水素30〜70モル%と他の発泡剤70〜30モル%〔但し、前記飽和炭化水素と他の発泡剤との合計量は100モル%〕とを含有する複合発泡剤がより好ましい。
本発明における発泡剤の添加量は、発泡性溶融樹脂組成物1kg中に、0.5〜2.5モルとなるように添加することが好ましく、0.8〜2.0モルがより好ましい。
(気泡調整剤)
発泡性溶融樹脂組成物には、発泡体の平均気泡径を調整するために気泡調整剤を添加することができる。気泡調整剤としては、タルク、カオリン、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、クレー、酸化アルミニウム、ベントナイト、ケイソウ土等の無機物が例示される。また、本発明において該気泡調整剤は2種以上組合せて用いることもできる。
前記各種の気泡調整剤の中で、得られる発泡体の気泡径の調整が容易で気泡径を小さくし易い等の理由でタルクが好適に用いられ、特に、粒子径の細かい平均粒径(光透過遠心沈降法による50%粒径)が0.5〜75μmのタルクが好ましい。
該気泡調整剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.01〜7.5重量部、更に0.1〜5重量部の割合で添加されることが好ましい。
また、前記気泡調整剤、難燃剤以外にも、グラファイト、ハイドロタルサイト、カーボンブラックやアルミニウム等の断熱性向上剤、着色剤、充填剤、滑剤等の各種添加剤を適宜添加することができる。尚、上記気泡調整剤等の各種添加剤は、ポリスチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を基材とするマスターバッチとして添加しても良い。
本発明においては、得られた前記発泡体や発泡体の製造時に生じる端材等を加熱融解して得られる再生ポリスチレン系樹脂組成物を、バージン原料のポリスチレン系樹脂、難燃剤と共に押出機中にて加熱、混練し、更に発泡剤を該押出機中に圧入して添加し、混練して得られる発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡することにより、発泡体を製造することができる。
本発明の発泡体は、前記特有な難燃剤と難燃助剤を含むことから、押出時加工時の熱安定性に優れ、その再生原料(再生ポリスチレン系樹脂組成物)は回収時における分子量低下、黄変の程度、黒点の発生が少ないものとすることができる。
従って、該回収発泡体をリサイクル原料として用いることにより、前記発泡体を低コストで製造することができる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は実施例により限定されるものではない。
実施例及び比較例の板状の発泡体を得るために、以下に示す装置及び材料を用いた。
[押出装置]
内径65mmの第1押出機と内径90mmの第2押出機が直列に連結されており、発泡剤注入口が第1押出機の終端付近に設けられており、横断面が長方形の樹脂排出口(ダイリップ)を備えたフラットダイが第2押出機の出口に連結され、第2押出機の樹脂出口にはこれと平行するように設置された上下一対のポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる板により構成された賦形装置(ガイダー)が付設された装置を用いた。
[ポリスチレン系樹脂]
PS1:ポリスチレン(重量平分子量27万)
[難燃剤]
難燃剤としては、下記表1に示すものを用いた。なお、表中の臭素含有量は、JIS K7392:2009に準じて測定された値である。
Figure 0006381223
難燃助剤としては、下記表2に示すものを用いた。
Figure 0006381223
(熱安定剤)
熱安定剤としては、以下の(1)〜(3)を、(1)50重量%、(2)25重量%、(3)25重量%の割合で混合したものを用いた。
(1)ノボラック型エポキシ系安定剤:DIC製、商品名「EPICLON N680」
(2)リン系安定剤:ADEKA製、商品名「PEP36」(ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト)
(3)ヒンダードフェノール系安定剤:BASF製、商品名「Irganox1010」(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])
[気泡調整剤]
タルク(松村産業製、ハイフィラー#12)
(実施例1)
(ポリスチレン系樹脂発泡体の製造)
前記第1押出機に、表3に示す配合量となるように上記した、ポリスチレン系樹脂(PS1)、難燃剤A、難燃剤B、難燃助剤C、熱安定剤及び気泡調整剤(タルク)を供給し、第1押出機内で220℃まで加熱して、これらを混練し、第1押出機の先端付近に設けられた物理発泡剤注入口から、表3に示す配合組成の物理発泡剤の所要量を供給した。
なお、上記難燃剤A、難燃助剤Cと熱安定剤は、これらを二軸押出機(内径20mm、L/D=48)に供給し、溶融混練部の最高温度190℃、押出時の樹脂温度175℃となるように温度を調整して、吐出10kg/hrでストランド状に押出し、ペレット状にカットすることにより作製した難燃剤溶融混練物1として、前記押出機に供給した。
そして、第1押出機内でさらに混練した発泡性溶融樹脂組成物を、続く第2押出機に供給して樹脂温度を、発泡適性温度(121℃:この発泡樹脂温度は押出機とダイとの接合部の位置で測定された発泡性溶融樹脂組成物の温度である)に調整した後、吐出量70kg/hrでダイリップから25mmの間隙で平行に配置されたガイダー内に押出し、発泡させながらガイダー内を通過させることにより板状に成形(賦形)し、板状のポリスチレン系樹脂発泡体を製造した。
実施例1で得られたポリスチレン系樹脂発泡体の、見掛け密度、厚み、独立気泡率、難燃性、黒点の発生状況、および再生樹脂の黒点の発生状況を表3に示す。
(実施例2〜3)
難燃剤および難燃助剤を表3に記載の割合に代えた以外は実施例1と同様にして実施例2〜3のポリスチレン系樹脂発泡体を製造した。実施例2〜3で得られたポリスチレン系樹脂発泡体の、見掛け密度、厚み、独立気泡率、難燃性、黒点の発生状況、および再生樹脂の黒点の発生状況を表3に示す。
(比較例1)
難燃剤Aを配合せず、難燃剤Bと難燃助剤Cの割合を表3に記載の割合に代えた以外は実施例1と同様にして比較例1のポリスチレン系樹脂発泡体を製造した。
(比較例2)
難燃剤Bと難燃剤Cを配合せず、難燃剤Aの割合を表3に記載の割合に代えた以外は実施例1と同様にして比較例2のポリスチレン系樹脂発泡体を製造した。
(比較例3)
難燃助剤Cを配合しない以外は実施例1と同様にして比較例3のポリスチレン系樹脂発泡体を製造した。
(比較例4)
難燃剤Aの割合を表3に記載の割合に代えた以外は比較例2と同様にして比較例4のポリスチレン系樹脂発泡体を製造した。
(比較例5)
比較例4において、難燃剤Bを配合し、難燃剤Aと難燃剤Bの割合を表3に記載の割合に代えた以外は比較例4と同様にして比較例5のポリスチレン系樹脂発泡体を製造した。
(比較例6)
難燃剤Bを配合せず、難燃剤Aと難燃助剤Cの割合を表3に記載の割合に代えた以外は実施例1と同様にして比較例6のポリスチレン系樹脂発泡体を製造した。
比較例1〜6で得られたポリスチレン系樹脂発泡体の、見掛け密度、厚み、独立気泡率、難燃性、黒点の発生状況、および再生樹脂の黒点の発生状況を表3に示す。
Figure 0006381223
表3に示す発泡体の各種物性の測定方法及び評価方法は以下のとおりである。
(見掛け密度)
発泡体の見掛け密度は、次のようにして求めた。得られた発泡体の幅方向の中央部、両端部付近から50×50×20mmの直方体の試料を各々切り出して重量を測定し、該重量を体積で割算することにより夫々の試料の見掛け密度を求め、それらの算術平均値を当該見掛け密度とした。
(厚み)
発泡体の幅方向中央部付近において、等間隔に5点の厚みを測定し、それらの測定値の算術平均値を発泡体の厚み(mm)とした。
(独立気泡率)
発泡体の独立気泡率は、次のようにして求めた。まず、発泡体を幅方向に5等分し、それらの中央部付近から25mm×25mm×20mmのサイズに成形表皮を持たないカットサンプル(計5個)を切り出した。次に、ASTM−D2856−70の手順Cに従って、各カットサンプルの真の体積Vxを測定し、下記(1)式により独立気泡率S(%)を計算し、それら計算値の算術平均値を発泡体の独立気泡率とした。なお、測定装置として東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型を使用した。
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ) (1)
ただし、Vx:上記空気比較式比重計による測定により求められるカットサンプルの真の体積(cm)(発泡体のカットサンプルを構成する樹脂組成物の容積と、カットサンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。)
Va:測定に使用されたカットサンプルの外形寸法から算出されたカットサンプルの見掛け上の体積(cm
W:測定に使用されたカットサンプル全重量(g)
ρ:発泡体を構成する樹脂組成物の密度(g/cm
(厚み方向の平均気泡径)
前記方法により、発泡体から各部位の厚み方向の平均気泡径を測定し、それらの測定値の算術平均値を発泡体の平均気泡径(mm)とした。
(発泡剤(イソブタン)残存量)
製造直後の発泡体を気温23℃、相対湿度50%の部屋に移し、その部屋で4週間放置した後、発泡体の中央部から約1gの測定用試験片を切り出し、ガスクロマトグラフ分析を行って、発泡体中に残存する発泡剤(イソブタン)の量を求めた。
<ガスクロマトグラフ分析の測定条件>
カラム:信和加工株式会社製
担体:chromosorb W、60〜80メッシュ、AW−DMCS処理品
液相:Silicone DC550(液相量20%)
カラム寸法:カラム長さ4.1m、カラム内径3.2mm
カラム素材:ガラス
カラム温度:40℃
注入口温度:200℃
キャリヤーガス:窒素
キャリヤーガス速度:50ml/min.
検出器:FID
検出器温度:200℃
定量:内部標準法
(難燃性評価−LOI−酸素指数)
製造直後の発泡体を気温23℃、相対湿度50%の部屋に移し、その部屋で4週間放置した後、発泡体から試験片を切り出し、JIS K7201−2:2007に準拠して測定し、難燃性を評価した。点火器の熱源の種類は、液化石油ガス(LPG)を使用し、点火手順はA法を使用し、試験片を試験機内の所定の位置に自立させて行った。試験場所の温度は23℃、湿度50%で行った。
(難燃性評価−JIS A9511−ろうそく試験)
製造直後の発泡体を気温23℃、相対湿度50%の部屋に移し、その部屋で4週間放置した後、発泡体から試験片を無作為に5個切り出して(N=5)、JIS A9511(2006R)の5.13.1「測定方法A」に基づいて燃焼性を測定し、5個の試験片の平均燃焼時間により、発泡体の難燃性を評価した。
(発泡体の黒点)
発泡体を押出方向に対して垂直に切断した断面5箇所において目視にて観察した。
○:0〜1個
△:2〜5個
×:6個以上
(再生樹脂の黒点:再生回数1回)
該発泡体を粉砕した後、内径90mm、L/D=50の単軸押出機に供給して表1に記された最高温度220℃、または230℃で混練し、その溶融樹脂を吐出量50kg/hrでストランド状に押出し、ペレット状にカットすることによりポリスチレン系樹脂組成物のペレットを作製した。油圧プレス機と180℃に加熱された1mm厚さで100×100の形状の金型を用い、樹脂プレートを作製を行い、プレートに含まれる黒点の数を目視にて計測した。
○:0〜1個
△:2〜5個
×:6個以上
(再生樹脂の黒点:再生回数2回)
再生回数1回目で得られたペレット(最高温度220℃のもの)を更に内径90mm、L/D=50の単軸押出機に供給して表1に記された最高温度220℃、または230℃で混練し、その溶融樹脂を吐出量50kg/hrでストランド状に押出し、ペレット状にカットすることによりポリスチレン系樹脂組成物のペレットを作製。油圧プレス機と180℃に加熱された1mm厚さで100×100の形状の金型を用い、樹脂プレートの作製を行い、プレートに含まれる黒点の数を目視にて計測した。
○:0〜1個
△:2〜5個
×:6個以上
実施例1〜3の結果は、本発明に係るポリスチレン系樹脂発泡体は、JIS A9511の規格による燃焼試験において短時間で消炎し、かつ、十分な酸素指数(具体的にはLOI値:26.0〜26.5%)を有するものである。さらに黒点の発生がなく、押出加工時の熱安定性に優れ、リサイクル特性に優れたポリスチレン系樹脂発泡体であることを示している。
比較例1は難燃剤Aを使用しない例である。この比較例1のポリスチレン系樹脂発泡体は、酸素指数が低く(具体的には24.0%)、またJIS規格による燃焼試験の規格を満足せず(具体的には5.7秒)、高度な難燃性を有するものではなかった。
比較例2は、難燃剤Bと難燃助剤Cを使用しない例である。この比較例2のポリスチレン系樹脂発泡体は、JIS規格による燃焼試験の規格を満足し(具体的には1.3秒)、また十分な酸素指数を有するものであったが(具体的に26.5%)、黒点が発生し、更には再利用した場合にも再生樹脂に黒点が発生した。
比較例3は、実施例1で用いた難燃助剤Cを使用しない例である。この比較例3のポリスチレン系樹脂発泡体は、黒点のない外観に優れたものであり、また再生樹脂として再利用した場合にも黒点のないポリスチレン系樹脂成形体を与えるものであるが、酸素指数が低く(具体的には25.0%)、またJIS規格による燃焼試験の結果も極めて悪く(具体的には10秒以上)、高度な難燃性を有するものではなかった。
比較例4は、比較例2において、難燃剤Aの割合を比較例2よりも減らした例である。この比較例4のポリスチレン系樹脂発泡体は、製造時の黒点の発生や、再生樹脂として再利用した場合の黒点の発生は抑制されたものであるが、酸素指数が低く(具体的には24.5%)、またJIS規格による燃焼試験の規格を満足することはできず(具体的には5.7秒)、高度な難燃性を有するものではなかった。
比較例5は、比較例4において、難燃剤Bを配合し、難燃剤Aと難燃剤Bの割合を表3に記載の割合に代えた例である。この比較例5のポリスチレン系樹脂発泡体は、比較例4のものと比較しても難燃性は改善されなかった。
比較例6は、実施例1において、難燃剤Bを配合しなかった例である。この比較例6のポリスチレン系樹脂発泡体は、酸素指数が低く(具体的には24.5%)、またJIS規格による燃焼試験の規格を満足せず(具体的には6.1秒)、高度な難燃性を有するものではなかった。
以上のことから、本発明のポリスチレン系樹脂発泡体は、難燃剤A、難燃剤B及び難燃助剤Cを必須成分として含有することから、たとえ配合される難燃剤Aが少量であっても、JIS A9511の規格による燃焼試験―において極めて良好な難燃性を示し、かつ、十分な酸素指数を有するものである。さらに、黒点の発生がなく、押出加工時の熱安定性に優れ、リサイクル特性にも優れる。
上記難燃剤や難燃助剤をそれぞれ単独で用いた場合あるいはこれらの成分を単に2種類組み合わせた場合の上記比較例1〜6の発泡体にはこのような複合効果がみられないことから、本発明の奏する複合効果は、上記難燃剤A、難燃剤B及び難燃助剤Cの三者を巧みに組み合わせ使用したことによって初めて発現したものであり、従来の技術常識では想定できない極めて顕著なものであるといえる。

Claims (6)

  1. 難燃剤を含有するポリスチレン系樹脂発泡体であって、該難燃剤が、臭素化ブタジエン系重合体とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)からなり、さらに難燃助剤として、ポリアルキルベンゼンを含み、臭素化ブタジエン系重合体の配合量がポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上2重量部未満であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡体。
  2. 臭素化ブタジエン系重合体とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)との配合比が重量比で75:25〜25:75であることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
  3. 難燃助剤の配合量が臭素化ブタジエン系重合体とテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)との合計100重量部に対して1〜20重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
  4. 難燃助剤がポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼンであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
  5. 臭素化ブタジエン系重合体が臭素化ブタジエン−スチレン共重合体であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
  6. 臭素化ブタジエン系重合体の配合量がポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上1.5重量部以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
JP2014030075A 2014-02-19 2014-02-19 ポリスチレン系樹脂発泡体 Active JP6381223B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014030075A JP6381223B2 (ja) 2014-02-19 2014-02-19 ポリスチレン系樹脂発泡体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014030075A JP6381223B2 (ja) 2014-02-19 2014-02-19 ポリスチレン系樹脂発泡体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015155489A JP2015155489A (ja) 2015-08-27
JP6381223B2 true JP6381223B2 (ja) 2018-08-29

Family

ID=54774988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014030075A Active JP6381223B2 (ja) 2014-02-19 2014-02-19 ポリスチレン系樹脂発泡体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6381223B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017141888A1 (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 株式会社カネカ スチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法
CN112980046B (zh) * 2021-02-26 2022-04-19 山东润科化工股份有限公司 一种eps/xps专用高热稳定阻燃剂及其制备方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010080285A2 (en) * 2008-12-18 2010-07-15 Dow Global Technologies Inc. Stabilizers for polymers containing aliphatically-bound bromine
JP6139294B2 (ja) * 2013-06-24 2017-05-31 株式会社カネカ スチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015155489A (ja) 2015-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2960272A1 (en) Styrene-type resin extruded foam and method for recycling same
JP6113576B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP6685730B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法、及びポリスチレン系樹脂押出発泡板
JP6133150B2 (ja) 難燃剤溶融混練物を用いたポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法
JP6099495B2 (ja) 難燃剤溶融混練物及びこれを用いたポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP5787358B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP4570504B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP6381223B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡体
JP6389591B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法
JP6141099B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP4889005B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP6061742B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP2014208736A5 (ja)
JP6173038B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP6335367B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法
JP6395214B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡体
JP6192106B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法
JP6588245B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法
JP6061780B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP6366149B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡板
JP6128940B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法
JP6091305B2 (ja) 難燃剤溶融混練物及びこれを用いたポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP6335368B2 (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法
JP2018115295A (ja) ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法
JP6512580B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170901

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180530

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180724

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180731

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6381223

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250