JP6192106B2 - ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 - Google Patents
ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6192106B2 JP6192106B2 JP2013230340A JP2013230340A JP6192106B2 JP 6192106 B2 JP6192106 B2 JP 6192106B2 JP 2013230340 A JP2013230340 A JP 2013230340A JP 2013230340 A JP2013230340 A JP 2013230340A JP 6192106 B2 JP6192106 B2 JP 6192106B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polystyrene
- polystyrene resin
- butadiene
- styrene copolymer
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
しかし、HBCDに対しては化審法やREACHによる規制の動きがあり、規制対象物質に指定された場合を想定し、HBCD難燃剤を使用しない難燃剤代替押出発泡板製造技術の開発が求められている。
しかしながら、この臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体タイプの難燃剤は、熱安定性に劣り、またそれに起因して黒点(黒色異物)の発生に問題のあるものであった。
<1>
ポリスチレン系樹脂組成物と物理発泡剤とを混練してなる発泡性樹脂溶融物を押出発泡して、ポリスチレン系樹脂押出発泡板を製造する方法であって、
該ポリスチレン系樹脂組成物は、ポリスチレン系樹脂(a)と、臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体(b)と、ポリスチレン系樹脂とブタジエン−スチレン共重合体を含むポリスチレン系樹脂組成物(c)とを含むとともに、
該臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体(b)の95重量%以上が、目開き500μmの篩網を通過するものであり、
該ポリスチレン系樹脂組成物(c)中のブタジエン−スチレン共重合体の配合量が0.1〜50重量%であり、該臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体(b)の配合量が該ポリスチレン系樹脂(a)100重量部に対して0.5〜20重量部であり、該ポリスチレン系樹脂組成物(c)の配合量が該ポリスチレン系樹脂(a)100重量部に対して5〜150重量部であることを特徴とするポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
<2>
前記ポリスチレン系樹脂組成物(c)が、ポリスチレン系樹脂とブタジエン−スチレン共重合体と熱安定剤とを含む溶融混練物であることを特徴とする前記<1>に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
<3>
前記熱安定剤が、ビスフェノール型エポキシ系化合物、ノボラック型エポキシ系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物及びホスファイト系化合物から選ばれる1種又は2種以上の熱安定剤であることを特徴とする前記<2>に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
<4>
前記ポリスチレン系樹脂組成物(c)中のブタジエン−スチレン共重合体が、臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体を含むことを特徴とする前記<1>から<3>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
<5>
前記ポリスチレン系樹脂組成物(c)が、臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体を含むポリスチレン系樹脂押出発泡板屑及び/または該発泡板の粉砕物を加熱溶融して得られる、ポリスチレン系樹脂組成物であることを特徴とする前記<1>から<4>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
<6>
前記ポリスチレン系樹脂組成物(c)が、ペレット化されていることを特徴とする前記<1>から<5>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
該ポリスチレン系樹脂組成物が、下記の要件(i)、(ii)を満足することを特徴としている。
(i)ポリスチレン系樹脂(a)と、臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体(以下、臭素化ブタジエン−スチレン共重合体とも言う。)(b)、ポリスチレン系樹脂とブタジエン−スチレン共重合体を含むポリスチレン系樹脂組成物(c)とを含むこと。
(ii)ポリスチレン系樹脂組成物(c)中のブタジエン−スチレン共重合体の配合量が0.1〜50重量%であり、臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体(b)の配合量がポリスチレン系樹脂(a)100重量部に対して0.5〜20重量部であり、ポリスチレン系樹脂組成物(c)の配合量がポリスチレン系樹脂(a)100重量部に対して5〜150重量部であること。
そこで、更に検討を進めた結果、ポリスチレン系樹脂(a)と臭素化ブタジエン−スチレン共重合体(b)とが共存する系に、ブタジエン−スチレン共重合体を低濃度で含有するポリスチレン系樹脂組成物(c)を配合してなるポリスチレン系樹脂組成物においては、長時間、連続的に押出発泡しても、凹凸のない優れた表面平滑性を有すると共に色調の良好な押出発泡板を安定的に製造できることを見出した。
ポリスチレン系樹脂組成物は、少なくとも、ポリスチレン系樹脂(a)と、臭素化ブタジエン−スチレン共重合体(b)とポリスチレン系樹脂とブタジエン−スチレン共重合体を含むポリスチレン系樹脂組成物(c)とを含む。該ポリスチレン系樹脂組成物(c)中のブタジエン−スチレン共重合体の配合量は、0.1〜50重量%重量%である。
ポリスチレン系樹脂(a)としては、例えばポリスチレンやスチレンを主成分とするスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−メチルスチレン共重合体、スチレン−ジメチルスチレン共重合体、スチレン−エチルスチレン共重合体、スチレン−ジエチルスチレン共重合体等が挙げられる。上記スチレン系共重合体におけるスチレン単位成分含有量は50モル%以上が好ましく、特に好ましくは80モル%以上である。
また、スチレン系単量体としては、スチレン、2−ブロモスチレン、4−ブロモスチレン、2−クロロスチレン、4−クロロスチレン、2−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、2−ニトロスチレン、4−ニトロスチレン、2−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレンなどが例示でき、これこれらの中でも、スチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物が好ましく、より好ましくはスチレンである。
本発明で好ましく用いられるポリスチレン−臭素化ポリブタジエン共重合体としては、Chemtura社のEmerald3000、ICL−IP社のFR122Pなどの市販品を挙げられる。
なお、本発明において、目開きとは、JIS Z8801−1:2006に基づく公称目開きを意味する。
上記より臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体(b)は熱安定性に劣るため、熱安定剤を添加することが好ましい。臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体の熱安定剤としては、エポキシ系化合物、フェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ホスファイト系化合物から選択される1又は2以上の熱安定剤が挙げられる。なお、上記熱安定剤の配合量は、臭素化ブタジエン−スチレン共重合体(b)100重量部に対して、5〜40重量部であることが好ましい。
これらは、単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、押出安定性、難燃性の点から、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
これらは、単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでも、押出安定性、難燃性の点から、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、又はビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートが好ましい。
かかる不具合を解消するために、本発明においては、前記したように、分散性を向上させるために、ブタジエン−スチレン共重合体を0.1〜50重量%含むポリスチレン系樹脂組成物(c)を用いる。
すなわち、本発明においては、ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とし、且つブタジエン−スチレン共重合体を0.1〜50重量%含むポリスチレン系樹脂組成物(c)を、ポリスチレン系樹脂(a)と臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体(b)とともに混ぜて使用する。
前記ポリスチレン系樹脂(a)、前記臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体(b)、前記ポリスチレン系樹脂組成物(c)は、以下の配合で混合することが望ましい。
該臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体(b)の配合量が多すぎる場合、押出発泡成形が不安定となるおそれがある。一方、該臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体(b)の配合量が少なすぎる場合、所望の難燃性を得るには不十分となるおそれがある。
なお、本発明で用いる重量平均分子量は、試料10mgをテトラヒドロフラン(THF)10mlに溶解させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析法により測定し、標準ポリスチレンで校正した値である。
前記ジフェエニルアルカンとしては具体的には、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジエチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、3,4−ジエチル−3,4−ジフェニルヘキサンが挙げられる。また、ジフェニルアルケンとしては具体的には、例えば、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4−エチル−1−ペンテン、また、ポリアルキレンベンゼンとしては具体的には、ポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼンが例示される。
本発明で用いる発泡剤においては、炭素数3〜5の飽和炭化水素(X)と以下に示す他の発泡剤(Y)を単独又は混合して用いることができ、特に、背景技術に記載した観点から、炭素数3〜5の飽和炭化水素(X)と以下に示す他の発泡剤(Y)とを含有する混合発泡剤を用いることがより好ましい。
上記の飽和炭化水素(X)は、単独又は2種以上混合して使用することができる。
前記飽和炭化水素(X)の中では、発泡倍率の高い発泡板が得られ易い観点からプロパン、n−ブタン、i−ブタンあるいはこれらの混合物が好ましい。また、発泡板の断熱性能の点からn−ブタン、i−ブタンあるいはこれらの混合物が好ましく、特に好ましくはi−ブタンである。
前記有機系物理発泡剤としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチルなどの蟻酸エステル類、塩化メチル、塩化エチルなどの塩化アルキル類などが挙げられる。また、オゾン破壊係数が0、かつ地球温暖化係数の小さいトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,1,1,2−テトラフルオロプロペンなどのフッ化不飽和炭化水素を用いることもできる。
前記無機系物理発泡剤としては、例えば水、二酸化炭素、窒素などが挙げられる。
上記の他の発泡剤(Y)は、単独又は2種以上混合して使用することができる。
内径65mmの第1押出機と内径90mmの第2押出機を直列に連結し、第1押出機の終端付近に物理発泡剤注入口を設け、第2押出機の出口に間隙1mm×幅110mmの横断面が長方形の樹脂排出口(ダイリップ)を備えたフラットダイを連結した製造装置を用いた。
フラットダイの樹脂出口には上下一対のポリテトラフルオロエチレン樹脂板からなる賦形装置(ガイダー)を上下の該樹脂板が平行となるように付設した。
(ポリスチレン系樹脂(a))
PS1:重量平均分子量27×104、溶融粘度950Pa・S(200℃、せん断速度100sec―1)、Tg100℃、MFR6.5g/10min
b1:ICL−IP社製、スチレン―臭素化ブタジエンブロック共重合体、商品名;FR122P、体積平均粒径;D50=50μm、目開き500μmの篩網下の割合が100重量%、溶融粘度 4500Pa・S(200℃、せん断速度100sec―1)。
b2:Chemtura社製、スチレン―臭素化ブタジエンブロック共重合体、商品名;Emerald3000の粉砕物、体積平均粒径;D50=200μm,D90=490μm、目開き500μmの篩網下の割合が95重量%、溶融粘度5300Pa・S(200℃、せん断速度100sec―1)。
b3:Chemtura社製、スチレン―臭素化ブタジエンブロック共重合体、商品名;Emerald3000、体積平均粒径;D50=500μm,D90=1000μm、目開き500μmの篩網下の割合が75重量%、溶融粘度5300Pa・S(200℃、せん断速度100sec―1)。
c1:内径50mmの押出機を用い、表1に示す原料を押出機に投入し、樹脂温度185℃で溶融混練した後、吐出15kg/時の条件にて押出し、ペレタイズを行ないペレット状のポリスチレン系樹脂組成物(c1)を得た。
内径65mmの第1押出機と内径90mmの第2押出機を直列に連結し、第1押出機の終端付近に物理発泡剤注入口を設け、第2押出機の出口に間隙1mm×幅110mmの横断面が長方形の樹脂排出口(ダイリップ)を備えたフラットダイを連結した製造装置を用いた。さらに、フラットダイの樹脂出口には上下一対のポリテトラフルオロエチレン樹脂板からなる賦形装置(ガイダー)を上下の該樹脂板が平行となるように付設したものを用いた。
c2:表2に示すとおり、前記PS1と前記b1、気泡調整剤、熱安定剤を、第一押出機で200℃まで加熱して溶融混練し、物理発泡剤注入口から物理発泡剤を供給し、第1押出機内でさらに溶融混練した溶融樹脂組成物を、続く第2押出機に供給して樹脂温度を発泡適性温度(表2では発泡温度と表記した。この発泡温度は押出機とダイとの接合部の位置で測定された発泡性溶融樹脂組成物の温度である。)に調整した後、吐出量70kg/時でダイリップから50mmの間隙で平行に配置されたガイダー内に押出し、発泡させながらガイダー内を通過させることにより板状に成形(賦形)し、ポリスチレン系樹脂押出発泡板を製造した。次いで、該押出発泡板を粉砕機にて粉砕した後、内径90mm、L/D=50の単軸押出機に供給して最高温度220℃の条件にて混練し、その溶融樹脂を吐出量250kg/時にて押出し、ペレタイズを行ないペレット状のポリスチレン系樹脂組成物(c2)を得た。
c3:表2に示すとおり、難燃剤(b1)を難燃剤(b2)に変更した以外はc2と同様の方法にて、ポリスチレン(c3)を作製した。
c4:表2に示すとおり、難燃剤(b1)を難燃剤(b3)に変更した以外はc2と同様の方法にて、ポリスチレン(c4)を作製した。
(気泡調製剤)
タルク:松村産業社製、タルク、商品名;ハイフィラー#12
EPICLON:DIC社製、ノボラック型エポキシ樹脂、商品名;EPICLON N680
Irganox:BASF社製、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、商品名;Irganox1010
PEP:ADEKA社製、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、商品名;PEP36
内径65mmの第1押出機と内径90mmの第2押出機を直列に連結し、第1押出機の終端付近に物理発泡剤注入口を設け、第2押出機の出口に間隙1mm×幅110mmの横断面が長方形の樹脂排出口(ダイリップ)を備えたフラットダイを連結した製造装置を用いた。さらに、フラットダイの樹脂出口には上下一対のポリテトラフルオロエチレン樹脂板からなる賦形装置(ガイダー)を上下の該樹脂板が平行となるように付設したものを用いた。
実施例1において、ポリスチレン系樹脂組成物(c1)の配合量を表3に示す値に変更した以外は実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂押出発泡板を得た。
ポリスチレン系樹脂組成物(c1)を再生ポリスチレン樹脂組成物(c2)に変更した以外は実施例3と同様にしてポリスチレン系樹脂押出発泡板を得た。なお、ポリスチレン系樹脂(a)の重量平均分子量(Mwa)とポリスチレン系樹脂組成物(c)の重量平均分子量(Mwc)との比(MWc/Mwa)は、0.96であり、溶融粘度比(ηc/ηa)は0.96であった。
難燃剤を(b1)から(b2)に変更し、ポリスチレン系樹脂組成物(c2)を再生ポリスチレン樹脂組成物(c3)に変更した以外は実施例4と同様にしてポリスチレン系樹脂押出発泡板を得た。なお、ポリスチレン系樹脂(a)の重量平均分子量(Mwa)とポリスチレン系樹脂組成物(c)の重量平均分子量(Mwc)との比(MWc/Mwa)は、1.0であり、溶融粘度比(ηc/ηa)は1であった。
難燃剤を(b2)から(b3)に変更し、ポリスチレン系樹脂溶融物(c3)をポリスチレン系樹脂溶融物(c4)に変更した以外は実施例5と同様にしてポリスチレン系樹脂押出発泡板を得た。また、ポリスチレン系樹脂(a)の重量平均分子量(Mwa)とポリスチレン系樹脂組成物(c)の重量平均分子量(Mwc)との比(MWc/Mwa)は、1.0であり、溶融粘度比(ηc/ηa)は1であった。なお、得られた押出発泡板は、該発泡板の断面において、断熱性能等には影響がないが黒い粒が点在しているものであった。
ポリスチレン系樹脂組成物(c1)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂押出発泡板を得た。
○: 表面凹凸がなく、外観が良好な押出発泡板を長時間安定して得ることができる。
△: 長時間運転すると、吐出圧力が変動して、表面凹凸が一部に形成された押出発泡板となる。
×: 製品を得ることができない
JIS K7222(2005)に基づいて測定された見掛け密度である。
押出発泡板の幅方向において、等間隔に5点の厚みを測定し、それらの測定値の算術平均値を押出発泡板の厚み(mm)とした。
押出発泡板の独立気泡率は、次のようにして求めた。まず、押出発泡板を幅方向に5等分し、それらの中央部付近から25mm×25mm×20mmのサイズに成形表皮を持たないカットサンプル(計5個)を切り出した。次に、ASTM−D2856−70の手順Cに従って、各カットサンプルの真の体積Vxを測定し、下記(1)式により独立気泡率S(%)を計算し、それら計算値の算術平均値を押出発泡板の独立気泡率とした。なお、測定装置として東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型を使用した。
ただし、Vx:上記空気比較式比重計による測定により求められるカットサンプルの真の体積(cm3)(押出発泡板のカットサンプルを構成する樹脂組成物の容積と、カットサンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。)
Va:測定に使用されたカットサンプルの外形寸法から算出されたカットサンプルの見掛け上の体積(cm3)
W:測定に使用されたカットサンプル全重量(g)
ρ:押出発泡板を構成する樹脂組成物の密度(g/cm3)
製品表面の平滑性について目視にて評価を行った。
○:凹凸がなく平滑な表面である
△:長時間連続製造時に表面凹凸が発生する
押出発泡板の幅方向垂直断面(押出発泡板の押出方向と直交する垂直断面)の中央部及び両端部の計3箇所に厚み方向に全厚みに亘る線分を引き各々の線分の長さと該線分と交差する気泡の数から各線分上に存在する気泡の平均径(線分の長さ/該線分と交差する気泡の数)を求め、求められた3箇所の平均径の算術平均値を気泡径した。
熱伝導率は、ISO 11561に記載の促進試験に準拠した以下の方法により測定した。
製造直後の押出発泡板の中央部から200mm×200mm×10mmの成形表皮が存在しない試験片を切り出し、該試験片を23℃、湿度50%の雰囲気下に保存した。製造後10日後に該試験片を用いてJIS A1412−2:1999記載の熱流計法(試験体1枚・対称構成方式、高温側38℃、低温側8℃、平均温度23℃)に基づいて熱伝導率を測定した。
製造直後の押出発泡板を気温23℃、相対湿度50%の部屋に移し、その部屋で4週間放置した後、押出発泡板から試験片を無作為に5個切り出して(N=5)、JIS A9511(2006R)の5.13.1「測定方法A」に基づいて燃焼性を測定し、5個の試験片の平均燃焼時間(秒)により、押出発泡板の難燃性を評価した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析法により測定を行った。
樹脂試料10mgをテトラヒドロフラン(THF)10mlに溶解させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析法により測定し、標準ポリスチレンで校正した値である。
GPC分析条件の詳細は以下の通りである。
使用機器:株式会社ジーエルサイエンス製GPC仕様高速液体クロマトグラフ
カラム:昭和電工株式会社製カラム、商品名ShodexGPC KF−806、同KF−805、同KF−803をこの順に直列に連結して使用
カラム温度:40℃
溶媒:THF
流速:1.0mL/分
濃度:0.15w/v%
注入量:0.2ml
検出器:株式会社ジーエルサイエンス製紫外可視検出器、商品名UV702型(測定波長254nm)
分子量分布の計算に用いた較正曲線の分子量範囲:1.2×107〜5.2×103
表中の溶融粘度は株式会社東洋精機製作所のキャピログラフ 型式1Dにて測定を行って得られた値である。測定の詳細としては、内径9.55mm(有効長さ250mm)のシリンダーの先端に穴径1.0mm、長さ10mmのキャピラリーを取付け、シリンダーおよびキャピラリーを200℃に昇温し、シリンダー内に測定試料(樹脂ペレット)を充填した。充填後、シリンダー内にピストンを充填し、4分間の予備加熱にて溶融させた。なお、予備加熱中にピストンを一時的に押し下げ溶融状態の測定試料から気泡を十分に除去した。また、測定試料の充填量は、気泡除去後に測定試料が15cc以上確保できる十分な量とした。予備加熱終了後、ピストンにてキャピラリー部のせん断速度が100s−1となる様にシリンダー内の測定試料を押出し、そのときの溶融粘度を計測した。なお、溶融粘度の測定は200℃、100s−1の条件を採用し、押出荷重が安定した後に行った。
Claims (6)
- ポリスチレン系樹脂組成物と物理発泡剤とを混練してなる発泡性樹脂溶融物を押出発泡して、ポリスチレン系樹脂押出発泡板を製造する方法であって、
該ポリスチレン系樹脂組成物は、ポリスチレン系樹脂(a)と、臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体(b)と、ポリスチレン系樹脂とブタジエン−スチレン共重合体を含むポリスチレン系樹脂組成物(c)とを含むとともに、
該臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体(b)の95重量%以上が、目開き500μmの篩網を通過するものであり、
該ポリスチレン系樹脂組成物(c)中のブタジエン−スチレン共重合体の配合量が0.1〜50重量%であり、該臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体(b)の配合量が該ポリスチレン系樹脂(a)100重量部に対して0.5〜20重量部であり、該ポリスチレン系樹脂組成物(c)の配合量が該ポリスチレン系樹脂(a)100重量部に対して5〜150重量部であることを特徴とするポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。 - 前記ポリスチレン系樹脂組成物(c)が、ポリスチレン系樹脂とブタジエン−スチレン共重合体と熱安定剤とを含む溶融混練物であることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- 前記熱安定剤が、ビスフェノール型エポキシ系化合物、ノボラック型エポキシ系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物及びホスファイト系化合物から選ばれる1種又は2種以上の熱安定剤であることを特徴とする請求項2に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
- 前記ポリスチレン系樹脂組成物(c)中のブタジエン−スチレン共重合体が、臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
- 前記ポリスチレン系樹脂組成物(c)が、臭素化されているブタジエン−スチレン共重合体を含むポリスチレン系樹脂押出発泡板屑及び/または該発泡板の粉砕物を加熱溶融して得られる、ポリスチレン系樹脂組成物であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
- 前記ポリスチレン系樹脂組成物(c)が、ペレット化されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013230340A JP6192106B2 (ja) | 2013-11-06 | 2013-11-06 | ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013230340A JP6192106B2 (ja) | 2013-11-06 | 2013-11-06 | ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 |
Related Child Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017115721A Division JP6335367B2 (ja) | 2017-06-13 | 2017-06-13 | ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 |
JP2017115723A Division JP6366149B2 (ja) | 2017-06-13 | 2017-06-13 | ポリスチレン系樹脂押出発泡板 |
JP2017115722A Division JP6335368B2 (ja) | 2017-06-13 | 2017-06-13 | ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015089921A JP2015089921A (ja) | 2015-05-11 |
JP6192106B2 true JP6192106B2 (ja) | 2017-09-06 |
Family
ID=53193608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013230340A Active JP6192106B2 (ja) | 2013-11-06 | 2013-11-06 | ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6192106B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6588245B2 (ja) * | 2015-06-15 | 2019-10-09 | 株式会社ジェイエスピー | ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE602006011944D1 (de) * | 2005-11-12 | 2010-03-11 | Dow Global Technologies Inc | Brominierte butadien-/vinylaromatische copolymere, mischungen solcher copolymere mit einem vinylaromatischen polymer und aus solchen mischungen geformte polymerschaumstoffe |
EP2379628B1 (en) * | 2008-12-18 | 2013-08-21 | Dow Global Technologies LLC | Stabilizers for flame retardant polymers containing aliphatically-bound bromine |
RU2593628C2 (ru) * | 2010-12-17 | 2016-08-10 | ДАУ ГЛОБАЛ ТЕКНОЛОДЖИЗ ЭлЭлСи | Способ экструдирования полистирола из расплава |
JP5897921B2 (ja) * | 2012-02-16 | 2016-04-06 | 株式会社ジェイエスピー | ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 |
JP5794406B2 (ja) * | 2013-02-14 | 2015-10-14 | 株式会社カネカ | スチレン系樹脂押出発泡体及びそのリサイクル方法 |
-
2013
- 2013-11-06 JP JP2013230340A patent/JP6192106B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015089921A (ja) | 2015-05-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6113576B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 | |
JP5787358B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 | |
JP6133150B2 (ja) | 難燃剤溶融混練物を用いたポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法 | |
JP6099495B2 (ja) | 難燃剤溶融混練物及びこれを用いたポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 | |
JP6389591B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法 | |
JP5943730B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 | |
JP6141099B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 | |
JP6335367B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 | |
JP6061742B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 | |
JP6192106B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 | |
JP2014208736A5 (ja) | ||
JP6173038B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 | |
JP6381223B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡体 | |
JP6257023B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法、及びポリスチレン系樹脂押出発泡板 | |
JP6335368B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 | |
JP6366149B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡板 | |
JP6185413B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法 | |
JP6190208B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 | |
JP6128940B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 | |
JP6395214B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡体 | |
JP6588245B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法 | |
JP6061780B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 | |
JP6091305B2 (ja) | 難燃剤溶融混練物及びこれを用いたポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 | |
JP6512580B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法 | |
JP6124484B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161007 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170526 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170601 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170612 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170803 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170803 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6192106 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |