JP2014227324A - 多孔質セラミックス焼結体およびその製造方法 - Google Patents

多孔質セラミックス焼結体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水などの流体に対する吸収速度が速く、かつ吸収量が多い多孔質セラミックス焼結体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】アスペクト比が5以上200以下である複数の第1の気孔と、アスペクト比が1以上3以下である複数の第2の気孔とを含み、第1の気孔の少なくとも一部は第2の気孔間を接続するように設けられている。
【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質セラミックス焼結体およびその製造方法に関し、特に、水等の流体に対する吸収性に優れた多孔質セラミックス焼結体に関する。
セラミックス多孔体は高温環境や腐食しやすい環境で使用されるフィルタ、触媒担体、分離膜担体、断熱材や水ろ過材、生体材料、防音材料等、広範にわたり使用されている。
これらの作製方法としては、成形密度や焼結温度を低くすることで焼結体中に気孔を分散させるもの(焼結制御法)、有機造孔材を燃焼させることにより気孔を設けるもの(有機バインダ除去法)、化学発泡剤を添加し、発泡させるもの、アルコキシドの分解・反応等の化学的手法を用いることにより、比較的低温で均一な気孔を設けるもの(ゾルゲル法)などの方法がある。いずれの製法による多孔体セラミックスにおいても、主目的を達成させるための単一的な孔形成技術となっている。
上述した製法により作製される孔構造としては、微細な孔を規則的に形成させたもの、孔形状が類似であるが大きさ・位置が三次元的に無秩序に形成されたもの、細長い孔が規則正しく形成されたものなどがある。
一方で、近年、用途に適した気孔形状と気孔分布を持つセラミックス多孔体の作製が求められている。たとえば、水蒸気量を測定する装置において、一般に温度センサの測温部はガーゼ(ウイック)で覆われた構造を有しているが、ガーゼは機械的強度、耐熱性、耐薬品性など多くの問題がある。これに対し、セラミックス多孔体を、感湿部の表面付近の温度(湿球温度)を測定する温度センサの固定用基材(素子)として用いた蒸気量測定装置が知られている。この場合、セラミックス多孔体の表面は濡れている状態を維持する必要がある。しかし、測定対象の空間が高温であったり、あるいは高風速下である場合には、セラミックス多孔体は表面が濡れている状態を維持するために、高気孔率、高吸水率、および高い流体透過性を有している必要がある。さらに、実際に素子として使用するには機械的強度、耐熱性、耐薬品性などについても検討する必要がある。
また、市販の耐火煉瓦は気孔率が80%程度であり湿潤性には問題がないが機械的強度が低いという問題がある。そこで、気孔率・吸水率が高く、流体透過性、機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れている新たな空孔構造を持つ多孔質セラミックス焼結体が求められている。
また、人工骨に代表される生体材料として理想的なセラミックス多孔体は、充填された骨補填材が初期段階では骨欠損部の補強を行い、骨欠損部の修復時には高い生体親和性と骨再生の誘導が求められている。具体的には、気孔率が50%以上75%以下程度の多孔体であって、各気孔が3次元的に連通している構造を有し、強度の高いバイオセラミックスが望まれている。
水の浄化で使用されている理想的なセラミックス多孔体は、構造が比較的簡単で、分離性能、濾過処理能力が高く、濾過処理能力の経時変化による低下が少ないものが望まれている。単位体積当たりの濾過面積が大きく取れる筒状の基材に被処理流体の流路となる多数のセルを穿設した、いわゆるモノリス型フィルタが主流になっている。しかし、このモノリス型フィルタは構造が複雑なため、比較的簡単な構造で濾過面積が大きく取れる空孔構造のセラミックス多孔体の開発が望まれている。
上述したいずれの分野においても、実用製品のさらなる特性改善のために、セラミックス多孔質体の気孔サイズ、気孔容積および気孔率といった物理的特性や、曲げ強度や圧縮強度といった機械的特性の最適化が切望されている。
これに対し、特開2005−263537号公報には、造孔材のアスペクト比が30以上1000以下程度のC繊維などの焼失する線状ものを、セラミック粉と適当量水とのバインダとを混練して坏土(はいど)を作り、水系の押出成形で繊維を押出方向に配向させて、アスペクト比の高い気孔を方向性を揃えて作る方法が開示されている。
また、特開2007−238416号公報には、造孔材としてセラミックスとの混練時のせん断発熱で軟化する高分子有機材料(たとえば酢酸ビニル)を添加し、それをガム状に伸びた状態の造孔材と、セラミック粉と適当量水とのバインダとを混練して坏土(はいど)を作り、押出成形で繊維を押出方向に配向させて、アスペクト比の高い気孔を方向性を揃えて作る方法が開示されている。
また、特開昭48−66607号公報には、耐火性セラミックス配合物に少量の有機質繊維と水湿潤材を加えて混練し、通気性を持たせる方向に対して側面から加圧する、もしくは該方向に引き延ばしながら成形し、次いで焼成することで配向性のある空孔を有するレンガを製造する方法が開示されている。
特開2005−263537号公報 特開2007−238416号公報 特開昭48−66607号公報
しかしながら、従来の線状の気孔を有する多孔質セラミックス焼結体は、水などの流体を吸収する速度(水の場合には吸水速度)を速めることはできるが、その吸収量を大きくすることは困難であった。
一方、従来の球状およびアスペクト比の小さい無定形の気孔を有する多孔質セラミックス焼結体は、線状の気孔を有する多孔質セラミックス焼結体と比べて、より多くの流体を吸収することができるものの、吸収速度は劣っていた。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、水などの流体に対する吸収速度が速く、かつ吸収量が多く強度の高い多孔質セラミックス焼結体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の多孔質セラミックス焼結体は、アスペクト比が5以上500以下である複数の第1の気孔と、アスペクト比が1以上3以下である複数の第2の気孔とを含み、第1の気孔は第2の気孔間を接続するように設けられている。
本発明によれば、水などの流体に対する吸収速度が速く、かつ吸収量が多く、強度の高い多孔質セラミックス焼結体を得ることができる。
本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体の製造方法を示すフローチャートである。 実施例4において、焼結温度を1300℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する吸水速度の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1400℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する吸水速度の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1500℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する吸水速度の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1620℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する吸水速度の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1300℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する吸水速度の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1400℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する吸水速度の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1500℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する吸水速度の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1620℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する吸水速度の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1300℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する累積吸水量の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1400℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する累積吸水量の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1500℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する累積吸水量の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1620℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する累積吸水量の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1300℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する累積吸水量の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1400℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する累積吸水量の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1500℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する累積吸水量の測定結果を示すグラフである。 実施例4において、焼結温度を1620℃として得られたアルミナ多孔質体の浸漬時間に対する累積吸水量の測定結果を示すグラフである。 実施例7において観察した、実施例1−2のアルミナ多孔質体の断面SEM像である。 実施例7において観察した、比較例1−2の断面SEM像である。 実施例7において観察した、比較例1−1のアルミナ多孔質体の断面SEM像である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について、説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
はじめに、本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体(単に多孔質セラミックスともいう)について説明する。本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体は、アスペクト比が5以上500以下である複数の第1の気孔と、アスペクト比が1以上3以下である複数の第2の気孔とを含んでいる。多孔質セラミックス焼結体において、第1の気孔および第2の気孔はそれぞれ複数形成されており、個々の気孔は分散するように形成されている。このとき、第1の気孔は多孔質セラミックス焼結体において線状に延びるように形成されているため、多孔質セラミックス焼結体中に分散して形成されている第2の気孔と他の第2の気孔とを高い確率で3次元的に連通させることができる。
第1の気孔はアスペクト比が5以上500以下であり、線状(直線状または曲線状)に形成されている。第1の気孔の寸法は、アスペクト比が上記範囲内にある限りにおいて、多孔質セラミックス焼結体の用途に応じて任意に決めることができる。
第2の気孔はアスペクト比が1以上3以下であり、略球状および無定形に形成されている。第2の気孔の寸法は、多孔質セラミックス焼結体の用途に応じて任意に決めることができる。
たとえば、吸水性や保水性が求められる用途に対しては、第1の気孔の寸法は、延びる方向における長さが30μm以上3000μm以下程度であって、直径または幅寸法が5μm以上50μm以下程度であればよい。一方、第2の気孔の寸法は、直径または最大幅寸法が5μm以上400μm以下程度であればよい。このようにすれば、第1の気孔は複数の第2の気孔を3次元的に連通させることができる。
多孔質セラミックス焼結体に含まれる気孔のうち、造孔材によらない気孔が多孔体の体積(かさ体積)の0%以上50%以下であり、造孔材による気孔の全体積に対して、第1の気孔の総体積は12.2%以上71.6%以下であり、第2の気孔の総体積は28.4%以上87.8%以下である。
多孔質セラミックス焼結体の気孔率は、26%以上70%以下である。
また、多孔質セラミックス焼結体の曲げ強度は35MPa以上である。
本実施の形態に係るセラミックスは、線状に形成された第1の気孔と球状に形成された第2の気孔とが連通している内部構造を有しているため、気孔率は26%以上70%以下としながらも、流体透過性に優れ、かつ高い機械的強度を有している。つまり、気孔率を26%程度と低い多孔質セラミックス焼結体としても、第1の気孔と第2の気孔とが連通した内部構造を有しているため、球状に形成された気孔もしくは線状に形成された気孔が独立して形成されている多孔質セラミックス焼結体と比べて、高い流体透過性を有することができる。また、気孔率を70%と高い多孔質セラミックス焼結体としても、そのうちの少なくとも12%程度を第1の気孔として形成することにより、多孔質セラミックス焼結体の機械的強度に対する気孔率の影響を低減することができる。その結果、本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体は、高い機械的強度を有することができる。また、本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体について、JIS R1601(ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法)に準じて曲げ強度試験を行った結果、実用する上で十分な強度を有することが認められた。なお、詳細は後述する。
本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体は、このような特性を有するため、以下のような用途に好適である。たとえば、水蒸気量を測定する際に、感湿部の表面付近の温度(湿球温度)を測定する温度センサ固定用基材(素子)は、高吸水率、流体透過性、機械的強度、耐熱性、耐薬品性などを備える必要があるが、本実施の形態に係る多孔質セラミックッスは、線状の第1の気孔と球状等アスペクト比の小さい第2の気孔とが連通している内部構造を有しているため、高い吸水性と高い液体透過性を有している。また、機械的強度についても実用に耐えうる強さを有している。そのため、本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体は、水蒸気量測定装置の感湿部や温度センサ固定用基材に好適である。また、本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体は、気孔率が70%以下であり、高い機械的強度を有するため、耐火煉瓦にも好適である。また、本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体は、気孔率が50%以上70%以下程度の多孔体で3次元連通構造を有し、高い機械的強度を有しているため、人工骨に代表される生体材料にも好適である。
また、上述のように、水質浄化に用いられるフィルタは、構造が比較的簡単で、分離性能、濾過処理能力が高く、濾過処理能力の経時変化による低下が少ないものが望まれているが、本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体は、比較的簡単な構造であって、高い流体透過性を有している。さらに、気孔率を70%としてかつ、複数の気孔が連通した構造を有しているため、濾過面積(表面積)を大きく取ることができ、水質浄化用フィルタとしても好適である。
次に、図1を参照して、本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体の製造方法について説明する。本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体の製造方法は、セラミックスの粉末と少なくとも2種類の造孔材とを混合する工程(S10)と、混合する工程(S10)において得られた混合物にバインダを添加して、加熱しながら混練する工程(S20)と、混練する工程(S20)において得られた混練物を成形する工程(S30)と、成形する工程(S30)において得られた成形体から造孔材およびバインダを除去する工程(S40)と、除去する工程(S40)において得られた脱脂体を焼成する工程(S50)とを備える。
まず、工程(S10)では、セラミックスの粉末と造孔材とを準備する。セラミックスの粉末は、酸化アルミニウム((Al)、アルミナ)、酸化ジルコニウム((ZrO)、ジルコニア)、ムライト、酸化イットリウム((Y)、イットリア)、酸化セリウム(CeO)、セリア)、酸化マグネシウム((MgO)、マグネシア)、酸化チタン((TiO)、チタニア)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸カルシウム(CaOTi)、チタン酸カリウム(KTi)、チタン酸アルミニウム(AlTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O、(PZT))、ハイドロアパタイト、三リン酸カルシウム(Ca(PO)、ジルコン(ZrSiO)、コーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)、二酸化ケイ素(SiO)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)、窒化アルミ二ウム(AlN)、炭化ホウ素(BC)、ホウ化ジルコニウム(ZrB)、ホウ化チタン(TiB)、サイアロン(Si・Al)、珪藻土からなる群から選択される少なくとも一つのセラミックスからなる粉末を準備する。
造孔材は、少なくとも2種類を準備する。造孔材のうち少なくとも一つは、第1の気孔を形成するための造孔材(第1の造孔材)として、天然繊維、再生繊維、化学繊維または無機繊維等から選択される。天然繊維としては、たとえば、動物の毛、生糸、綿、麻、ケナフ、やし、バガス、コウゾ、パルプ、竹などから選択されればよい。再生繊維としては、たとえば、レーヨン、ニトロセルロース、などから選択されればよい。化学繊維としては、たとえばポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリルなどから選択されればよい。無機繊維としては、たとえば炭素繊維としてもよい。造孔材のうち少なくとももう一つは、第2の気孔を形成するための造孔材(第2の造孔材)として、球状合成樹脂、球状に近い天然素材、およびアスペクト比が3以下の粒子から選択される。たとえば、球状合成樹脂の場合、球状フェノール樹脂、球状アクリル樹脂、球状ポリアミド樹脂、球状ポリイミド樹脂、球状PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、球状PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂などから選択されればよい。球状に近い天然素材の場合、澱粉粒子、植物の種子などから選択すればよい。アスペクト比が3以下の粒子の場合、グラファイト粉、木炭粉、竹炭粉、石炭粉、活性炭粉、木粉、穀物の粉砕粉などから選択されればよい。
球状の造孔材の粒子径は、2μm以上500μm以下程度とすればよい。
次に、準備したセラミックスの粉末と造孔材とを均一に混合する。混合は、乾式で行う。これにより、混合物を作製する。セラミックスの粉末と造孔材との体積混合比は、20%以上75%以下である。好ましくは、30%以上70%以下である。また、第1の造孔材と第2の造孔材との体積混合比は、25%以上75%以下である。
次に、工程(S20)において、まず、成形助剤としてのバインダを準備する。バインダは、熱可塑性プラスチック等の加熱することによって流動性が生じる有機バインダを主として用いる。ポリエチレン、エチレンビニルアセテート(EVA)、アタックチックポリプロピレン、ポリブチルメタクリレート、パラフィンワックス、カルナバワックス、ポリスチレン、ポリエチレングリコールから少なくとも1つを準備する。さらにリモネン、テレピネオール、ブチルカルビトール、フタル酸エステルなどの相溶化剤、脂肪酸、脂肪酸アマイドなどの滑剤、ポリアルキレンポリアミン、多価アルコールエステル、アルキルポリアミンなどの界面活性剤も必要に応じて準備する。
準備したバインダを先の工程(S10)において得られた混合物に添加し、加圧式ニーダーまたは二軸押出成形混練機を用いて、加熱しながら混練する。混練した後、混練物を冷却し、さらにペレット化して成形材料とする。成形材料におけるバインダの体積比は、35体積%以上55体積%以下とする。加熱温度は130℃以上200℃以下程度とする。撹拌装置の回転数は、15rpm以上100rpm以下程度とする。
次に、先の工程(S20)において得られた成形材料を射出成形機のシリンダ内で加熱流動化させた後、金型に射出して射出成形体を得る(工程(S30))。射出成形は、プラスチックで使用している射出成形機を改良して耐摩耗性を向上させた射出成形機を使用してもよい。また、スプル、ランナー、ゲートについても流動性を考慮して設計してもよい。また、金型についても耐摩耗性を改良し、さらに製品設計、離形性を考慮した金型設計をすることによってプラスチックと同様の金型が使用することができる。
次に、先の工程(S30)において得られた射出成形体から造孔材とバインダを除去して、脱脂体を得る(S40)。具体的には、大気加熱脱脂炉を用いて、射出成形体を大気雰囲気中で加熱する。このとき、加熱温度を400℃から500℃まで、昇温速度2℃/分以上30℃/分以下程度でゆっくりと昇温させる。このようにして、射出成形体中に含まれるバインダと造孔材を加熱分解させる。
次に、先の工程(S40)において得られた脱脂体を焼結する。焼結温度条件は、セラミックス材料に応じて任意に決めることができる。たとえば、易焼結アルミナ粉を用いた場合には、焼結温度は1300℃以上1620℃以下程度とすればよい。また、焼成珪藻土を用いた場合には、焼結温度は1000℃以上1250℃以下程度とすればよい。これにより、本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体を得ることができる。
以上のように、本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体の製造方法は、工程(S10)においてアスペクト比の大きい形状(線状)の造孔材とアスペクト比の小さい形状(球状または球状に近い形状)の造孔材の少なくとも2種類の造孔材とセラミックスの粉末とが混合した混合物を作製し、該混合物を原料として多孔質セラミックス焼結体を作製する。そのため、複数の線状の第1の気孔と球状の第2の気孔とを有し、さらに第1の気孔と第2の気孔とは互いに分散しながらも3次元的に連通している多孔質セラミックス焼結体を得ることができる。さらに、セラミックスの粉末と全造孔材との体積混合比を20%以上65%以下とすることにより、見掛気孔率が26%以上70%以下の多孔質セラミックス焼結体を得ることができる。また、第1の造孔材と第2の造孔材との混合比を、12.2%以上71.6%以下とすることにより、多孔質セラミックス焼結体に含まれる気孔のうち造孔材による気孔の全体積に対して、第1の気孔の総体積は8%以上89%以下であり、第2の気孔の総体積は11%以上92%以下とすることができる。
本実施の形態において、工程(S30)では射出成形法によって工程(S20)において得られた混練物を成形したが、これに限られるものではない。たとえば、加熱押出成形法や水系押出成形法によって成形してもよい。
水系押出成形法は、たとえば、セラミックス粉と水溶性樹脂を主成分とするバインダと水との混合混練物を用いて、セラミックス専用のスクリュー式押出成形機またはプランジャー式押出成形機を使用して行うことができる。スクリュー式押出成形機には成形品の気泡や欠陥を除くためにシリンダ内を減圧できる2段スクリュー方式さらには3段スクリュー方式があり、これらを使用することによって欠陥のない均質な成形品を製作することができる。水系押出成形法により成形する場合のバインダには、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール等からなる群から選択される少なくとも1つを用いればよい。成形助剤として水溶性の消泡剤、分散剤を添加すると成形性が上がる。これらセルロース系バインダは、冷却することにより粘度が下がるため、チラーでシリンダ―、スクリュー、プランジャー、ダイスを5℃程度に冷却すると成形性が良くなる。バインダの添加量は数%以下なので、乾燥後、直接焼成炉で脱脂・焼結工程を経て多孔質セラミックス焼結体を得ることができる。所望の形状を得るためには、成形品または焼結品で切断および形状加工する必要がある。一般に、セラミックスを押出成形法により形成する場合には、水系押出成形法により成形される。具体的には、セラミックス粉、水、および水溶性のバインダをニーダーで撹拌して坏土を作製し、これを1日〜5日程度低温で寝かして成形材料とする。得られた該成形材料を0℃以上15℃以下に冷却されたシリンダ―、スクリュー、プランジャー、ダイス等を用いて成形する。一方、一般に、プラスチックを押出成形法により形成する場合には、加熱押出成形法により成形される。本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体の製造方法においては、工程(S30)において加熱押出成形法や水系押出成形法によって成形しても、2種類の造孔材を含む成形材料を用いることにより、本実施の形態に係る多孔質セラミックス焼結体の製造方法と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(試料準備)
セラミックス粉として純度99.7%、平均中心粒子径0.5μmの易焼結アルミナを準備した。造孔材として呼び粒子径300μm(呼び粒子径が300μmである造孔材は、SEM観察により粒子径を実測したところ粒子径が160μm以上500μm以下の粒子を含んでいた。)の球状フェノール樹脂および幅寸法が8μm以上17μm以下であり、長さが500μm程度のレーヨン繊維を準備した。これらを表1に示す6通りの配合比で乾式により混合して実施例1−1〜実施例1−4、比較例1−1、および比較例1−2の6通りの混合物を得た。実施例1−1〜実施例1−4は、造孔材として球状フェノール粉とレーヨン繊維とを含み、比較例1−1は造孔材として球状フェノール粉のみ含みレーヨン繊維を含まず、比較例1−2は造孔材として球状フェノール粉を含まずレーヨン繊維のみを含むように混合した。さらに、比較例1−3として、造孔材を含まないセラミックス粉単体のものを準備した。
実施例1−1〜実施例1−4、比較例1−1、および比較例1−2の混合物の体積に対して、バインダとして熱可塑性のある有機物、分散剤、相溶化剤5〜7種類などを36体積%添加して、加圧式ニーダーで150℃に加熱しながら30分混練し、バインダ、セラミックス粉、および造孔材が均一に分散した実施例1−1〜実施例1−4、比較例1−1、および比較例1−2の混練物を得た。比較例1−3のセラミックス粉単体の体積に対して、バインダとして熱可塑性のある有機物、分散剤、相溶化剤5〜7種類などを43体積%添加して、同様に混練物を得た。
各混練物をペレット化し射出成形機に投入して、シリンダ内で加熱および可塑化した後、50MPaの圧力を加えて直径6mm、長さ100mmのキャビティーを持つ金型内に射出した。冷却後に金型から取り出して、射出成形体を得た。
次に、各射出成形体を大気脱脂炉に投入し、1時間あたり3℃以上15℃以下のゆっくりとした昇温スピードで450℃まで加熱し、バインダと造孔材を除去して、実施例1−1〜実施例1−4、比較例1−1、比較例1−2、および比較例1−3の脱脂体を得た。
各脱脂体を4通りの焼結条件で2時間焼結することにより、それぞれ4通りの実施例1−1〜実施例1−4、比較例1−1、比較例1−2、および比較例1−3のアルミナ焼結体(合計28通りのアルミナ焼結体)を得た。4通りの焼結条件は、最高温度が1300℃、1400℃、1500℃、1620℃と異なるものとした。このとき、各焼結条件において昇温速度、降温速度、および焼結時間等はいずれも等しく設定した。具体的には、室温からの昇温速度を1時間あたり100℃として800℃まで昇温し、800℃で1時間保持した後、昇温速度を1時間あたり100℃として最高温度まで昇温して該最高温度で2時間保持した。その後、降温速度を1時間あたり200℃として室温まで降温させた。各焼結条件によって焼結して得られたアルミナ焼結体は、いずれも直径が4.5mm以上5.6mm以下、長さが75mm以上93mm以下程度となっていた。
(評価方法)
上記のように作製された各アルミナ焼結体に対し、JISR2205(耐火れんがの見掛気孔率・吸水率・比重の測定方法)に準じて、それらのかさ比重と吸水率と見掛気孔率を測定した。
(結果)
測定結果を表2に示す。
実施例1−1〜実施例1−4、比較例1−1、および比較例1−2のアルミナ多孔質焼結体は、比較例1−3のアルミナ焼結体と比べてかさ比重が小さく、見掛気孔率および吸水率が高かった。これは、実施例1−1〜実施例1−4、比較例1−1、および比較例1−2のアルミナ多孔質焼結体は造孔材を用いることで、新たな多くの気孔が形成されているためと考えられる。比較例1−3のアルミナ焼結体は、造孔材を用いずに作製されているが、焼結温度が1500℃以下と低い場合には気孔が形成されていることが確認された。これは、当該焼結温度ではアルミナ焼結体において未焼結部分が残っており、これが気孔となると考えられる。そこで、表2に示す各焼結温度における比較例1−1および比較例1−2の各見掛気孔率の値からその焼結温度での比較例1−3の見掛気孔率を引き算することにより、球状の造孔材のみにより形成された気孔率および線状の造孔材のみにより形成された気孔率を求めた。さらに、比較例1−1および比較例1−2はいずれも球状または線状の造孔材を、セラミックスの粉末と全造孔材との体積混合比で60体積%添加したものであるため、これを各実施例1−1〜実施例1−4における球状の造孔材および線状の造孔材の体積混合比としたときの、各実施例における球状の造孔材により形成された見掛気孔率と線状の造孔材により形成された見掛気孔率とをそれぞれ算出した。その結果、実施例において、造孔材によって形成された全気孔のうち、球状の造孔材により形成された気孔の比率は、29.3%以上86.9%以下であり、線状の造孔材により形成された気孔の比率は13.1%以上70.7%以下であった。
比較例1−2のアルミナ多孔質焼結体は、実施例1−1〜実施例1−4および比較例1−1のアルミナ多孔質焼結体と比べると、かさ比重が大きく見掛気孔率および吸水率が低かった。これは、比較例1−2の混練物には、造孔材にレーヨン繊維と比べて焼結時に気孔の収縮が小さい球状フェノール粉が含まれていないため、比較例1−2のアルミナ多孔質焼結体は焼結で気孔が収縮しやすい細長い気孔のみで構成されているためと考えられる。
実施例1−1のアルミナ多孔質焼結体は、比較例1−1のアルミナ多孔質焼結体と比べて作製に用いられた造孔材において球状フェノール粉の占める割合が3/4程度と低く、その分、球状フェノール粉よりも焼結時に気孔の体積を収縮させやすい(気孔の体積の減少率が高い)レーヨン繊維を用いて作製されている。実施例1−1〜実施例1−3のアルミナ多孔質焼結体は、比較例1−1のアルミナ多孔質焼結体と比べて、かさ比重は大きく、見掛気孔率は低いが吸水率は高かった。これは、比較例1−1のアルミナ多孔質焼結体は、作製に用いられた造孔材において球状フェノール粉の占める割合が100%と高く、容積の大きい球状の気孔が形成されているものの、気孔の一部は互いに連通せずに独立して形成されていると考えられる。これに対し、実施例1−1のアルミナ多孔質焼結体、実施例1−2のアルミナ多孔質焼結体および実施例1−3のアルミナ多孔質焼結体は、造孔材として球状のフェノール粉と線状のレーヨン繊維とを用いて形成されているため、球状の気孔同士が線状の気孔により接続されて連通していると考えられる。この結果、実施例1−1〜実施例1−3のアルミナ多孔質焼結体は高い吸水率および高い見掛気孔率を示したと考えられる。
一方、実施例1−4のアルミナ多孔質焼結体は、比較例1−1のアルミナ多孔質焼結体と比べて、かさ比重はかなり大きく、見掛気孔率はかなり低かった。一方、吸水率はわずかに低い程度であった。これは、実施例1−4のアルミナ多孔質焼結体も球状の気孔同士は線状の気孔により連通しているものの、比較例1−1のアルミナ多孔質焼結体と比べて作製に用いられた造孔材において球状フェノール粉の占める割合が1/4程度と低く、レーヨン繊維の割合が75%と高いためと考えられる。
つまり、本実施例のように、混練物における造孔材の添加量を一定にしても線状の造孔材と球状の造孔材との配合比によってかさ比重、吸水率、見掛気孔率に以下のような傾向が確認された。線状の造孔材の配合比が高く球状の造孔材の配合比が低いとかさ比重は大きくなり見掛気孔率および吸水率は小さくなる傾向が確認された。これは、線状の造孔材を用いて形成された細長い気孔は収縮しやすく、球状の気孔と比べて体積の減少率が高いためと考えられる。気孔率および吸水率を増加させるには、細長い気孔の体積減少率を見越して線状の造孔材の配合率を高めてもよいが、混合物の成形性や成形体の脱脂性の観点から制約がある。そのため、多孔質セラミックス焼結体の吸水率を増加させるためには、多孔質セラミックス焼結体の製造に球状の造孔材と線状の造孔材とを配合して用いることが有用であることが確認された。さらに、造孔材の合計量に対する球状の造孔材および線状の造孔材の体積混合比を適切に選択することにより、吸水率をさらに増加させることができることが分かった。呼び粒子径が300μmの球状の造孔材を使用する場合、球状の造孔材のみを用いて形成された多孔質セラミックス焼結体よりも吸水率の高い多孔質セラミックス焼結体を作製するために必要な、造孔材合計量に対する球状の造孔材および線状の造孔材の体積混合比は25%以上58.3%以下程度とすることが良いことが確認された。
また、焼結時の加熱条件に応じてアルミナ多孔質焼結体の特性に差異がみられた。実施例1−1および実施例1−2のアルミナ多孔質焼結体は、焼結時の最高温度が1600℃よりも低い条件の方が高い吸水率および高い見掛気孔率を示し、1300℃の条件において特に良好な結果を示した。
本実施例は、基本的には実施例1と同様の評価を行ったが、造孔材として呼び粒子径100μmまたは10μmの球状フェノール粉を用いて評価試料を作製した点で異なる(呼び粒子径が100μmである造孔材に対してSEM観察により粒子径を実測したところ、粒子径が19μm以上108μm以下の粒子を含んでいた。また、呼び粒子径が10μmである造孔材に対してSEM観察により粒子径を実測したところ、粒子径が2μm以上11μm以下の粒子を含んでいた)。
具体的には、セラミックス粉として純度99.7%、平均中心粒子径0.5μmの易焼結アルミナを準備した。造孔材として呼び粒子径100μmまたは10μmの球状フェノール粉、および幅寸法が8μm以上17μm以下であり、長さが500μm程度のレーヨン繊維を準備した。これらを表3に示す4通りの配合比で乾式で混合して実施例2−1〜実施例2−4、および比較例2−1の5通りの混合物を得た。実施例2−1〜実施例2−4は、造孔材として球状フェノール粉とレーヨン繊維とを含み、比較例2−1は造孔材として球状フェノール粉のみ含みレーヨン繊維を含まない条件で混合した。
実施例2−1〜実施例2−4、および比較例2−1の混合物を用いて、実施例1と同様の手法により実施例2−1〜実施例2−4、および比較例2−1のアルミナ多孔質焼結体を作製した。
(評価方法)
上記のように作製された実施例2−1〜実施例2−4、および比較例2−1のアルミナ多孔焼結体に対し、実施例1と同様の手法を用いて、かさ比重と吸水率と見掛気孔率を測定した。
(結果)
測定結果を表4に示す。
実施例2−1〜実施例2−3のアルミナ多孔質焼結体は、比較例2−1のアルミナ多孔質焼結体と比べて、かさ比重は大きく、見掛気孔率は低く、吸水率は高かった。これは、比較例2−1のアルミナ多孔質焼結体は、作製に用いられた造孔材において球状フェノール粉の占める割合が100%と高く、当該多孔質焼結体において形成される気孔は全て球状である。球状の気孔は成形体を焼成するときに気孔の体積があまり減少しないため、比較例2−1のアルミナ多孔質焼結体は実施例2−1〜2−3のアルミナ多孔質焼結体と比べて見掛気孔率が高くなったと考えられる。さらに、比較例2−1のアルミナ多孔質焼結体において球状に形成された気孔の一部は互いに連通せずに独立して形成されていると考えられる。これに対し、実施例2−1のアルミナ多孔質焼結体および実施例2−2、実施例2−3のアルミナ多孔質焼結体は、造孔材として球状のフェノール粉と線状のレーヨン繊維とを用いて形成されているため、球状の気孔同士が線状の気孔により接続されて連通していると考えられる。この結果、実施例2−1、実施例2−2、実施例2−3のアルミナ多孔質焼結体は比較例2−1のアルミナ多孔質焼結体より見掛気孔率が低いにも関わらず、高い吸水率を示したと考えられる。
つまり、呼び粒子径が100μmの球状の造孔材を用いた本実施例においても、混練物における造孔材の添加量を一定にしても線状の造孔材と球状の造孔材との配合比によってかさ比重、吸水率、見掛気孔率に実施例1と同様の傾向が確認された。具体的には、線状の造孔材の配合比が高く球状の造孔材の配合比が低いとかさ比重は大きくなり見掛気孔率および吸水率は小さくなる傾向が確認された。これは、線状の造孔材を用いて形成された細長い気孔は収縮しやすく、球状の気孔と比べて体積の減少率が高いためと考えられる。気孔率および吸水率を増加させるには、細長い気孔の体積減少率を見越して線状の造孔材の配合率を高めてもよいが、混合物の成形性や成形体の脱脂性の観点から制約がある。そのため、多孔質セラミックス焼結体の吸水率を増加させるためには、多孔質セラミックス焼結体の製造に球状の造孔材と線状の造孔材とを配合して用いることが有用であることが確認された。さらに、造孔材の合計量に対する球状の造孔材および線状の造孔材の体積混合比を適切に選択することにより、吸水率をさらに増加させることができることが分かった。呼び粒子径が100μmの球状の造孔材を使用する場合、球状の造孔材のみを用いて形成されたアルミナ多孔質焼結体よりも吸水率の高い多孔質セラミックス焼結体を作製するために必要な、造孔材の合計量に対する球状の造孔材および線状の造孔材の体積混合比は、25%以上75%以下程度とすることが良いことが確認された。
また、焼結時の加熱条件に応じてアルミナ多孔質焼結体の特性に差異がみられた。実施例1−1および実施例1−2のアルミナ多孔質焼結体は、焼結時の最高温度が1620℃よりも低い条件の方が高い吸水率および高い見掛気孔率を示し、1300℃の条件において特に良好な結果を示した。
また、実施例1と同様に、各実施例における球状の造孔材により形成された見掛気孔率と線状の造孔材により形成された見掛気孔率とをそれぞれ算出した。その結果、実施例2において、造孔材によって形成された全気孔のうち球状の造孔材により形成された気孔の比率は、28.4%以上87.8%以下であり、線状の造孔材により形成された気孔の比率は12.2%以上71.6%以下であった。
また、実施例2−4は呼び粒子径10μmの球状粒子を用いて得られたアルミナ多孔質焼結体であるが、比較例1−2のレーヨン60%配合のアルミナ多孔質焼結体よりかさ比重は小さく、見掛気孔率と吸水率は高いことが確認された。しかし、呼び粒子径100μm配合の実施例2−1〜実施例2−3のアルミナ多孔質焼結体より見掛気孔率と吸水率が低いことから、球状粒子径が10μm程度と小さくなると吸水性能が低下することが分かった。
本実施例は、基本的には実施例1および2と同様の評価を行ったが、セラミックス粉として平均中心粒子径5μmの合成コージェライト、平均中心粒子径0.4μmの酸化チタン、200メッシュの篩を通った(粒子径が75μm未満の)焼成珪藻土のいずれか1つを用い、かつ球状の造孔材として呼び粒子径が20μmのアクリル系粒子を用いた点で異なる(呼び粒子径が20μmである造孔材に対してSEM観察により粒子径を実測したところ、粒子径が6μm以上30μm以下の粒子を含んでいた)。
具体的には、セラミックス粉として平均中心粒子径5μmの合成コージェライトと、平均中心粒子径0.4μmの酸化チタンと、200メッシュの篩を通った(粒子径が75μm未満の)焼成珪藻土とを準備した。造孔材として呼び粒子径20μmの球状アクリル系粒子と、幅寸法が8μm以上17μm以下であり、長さ500μm程度のレーヨン繊維を準備した。これらを表5に示す6通りの配合比で乾式で均一混合することにより、実施例3−1〜実施例3−3、比較例3−1〜比較例3−3の6通りの混合物を得た。実施例3−1の混合物はセラミックス粉として合成コージェライトと、造孔材として球状アクリル系粒子とレーヨン繊維とを混合して作製した。実施例3−2の混合物は、セラミックス粉として酸化チタンと、造孔材として球状アクリル系粒子とレーヨン繊維とを混合して作製した。実施例3−3の混合物は、セラミックス粉として合成コージェライトと、造孔材として球状アクリル系粒子とレーヨン繊維とを混合して作製した。
実施例3−1〜実施例3−3、比較例3−1〜比較例3−3の混合物を用いて、実施例1と同様の手法により実施例3−1〜実施例3−3、比較例3−1〜比較例3−3のバインダとの混練物、成形体そして、脱脂体を作製した。
得られた脱脂体を、最高温度に達してから2時間保持するという加熱条件であって最高温度が異なる5通りの加熱条件で焼結して、実施例3−1〜実施例3−3、比較例3−1〜比較例3−3のセラミックス焼結体を得た。5通りの加熱条件は、最高温度が1000℃、1100℃、1200℃、1250℃、1400℃とした。得られたセラミックス焼結体は収縮して、直径が4.5mm以上5.6mm以下、長さが75mm以上93mm以下程度となっていた。
(評価方法)
上記のように作製された実施例3−1〜実施例3−3の多孔質セラミックス焼結体と、比較例3−1〜比較例3−3のセラミックス焼結体を実施例1と同様の手法で、かさ比重と吸水率と見掛気孔率を測定した。
(結果)
測定結果を表6に示す。なお、表6において、焼結温度とは、焼結時の加熱条件における最高温度を指す。
セラミックス粉として合成コージェライト、酸化チタン、および焼成珪藻土のいずれかを用いて、かつ造孔材として球状の造孔材および線状の造孔材をいずれも含む混合物から作製された多孔質セラミックス焼結体は、セラミックス粉として同様の材料を含み、かつ造孔材を含まない混合物から作製されたセラミックス焼結体と比べて、かさ比重が小さく、吸水率と見掛気孔率は高かった。また、セラミックス粉として焼成珪藻土を含み、かつ造孔材を含む混合物を用いて作製された実施例3−3の多孔質セラミックス焼結体は、焼結時の最高温度を1250℃以上とすると吸水率と見掛気孔率が大きく低下していた。これは、焼成珪藻土の一部が1250℃程度になると溶融化して気孔を埋める作用を働いたためと考えられる。
セラミックス粉として酸化チタンを含み、かつ球状の造孔材と線状の造孔材とを含んだ混合物から作製された実施例3−2の多孔質セラミックス焼結体は、セラミックス粉として酸化チタンを含み、かつ造孔材を含まない混合物から作製された比較例3−2のセラミックス焼結体よりも吸水率が高いことが確認された。また、実施例3−2の多孔質セラミックス焼結体は、実施例3−1の多孔質セラミックス焼結体と比べて、見掛気孔率は大きく変わらないにも関わらず、吸水率が低かった。これは、吸水率の算出方法が、吸水した水の重量を多孔質セラミックス焼結体の重量で割るという方法であるため、多孔質セラミックス焼結体を構成する材料の真比重が大きい場合には、吸水率が小さい値となるためである。
本実施例では、上述した実施例1および実施例2において作製したアルミナ多孔質焼結体の吸水速度を評価した。表7に本実施例において評価したアルミナ多孔質焼結体の作製に用いた混合物の配合比(体積混合比)を示す。
(評価方法1)
具体的には、まず表7に示すように、実施例1および実施例2において作製した評価試料のアルミナ多孔質焼結体を準備した。具体的には、実施例1−1、実施例1−2、実施例1−4、比較例1−1〜比較例1−3、実施例2−1〜実施例2−3、比較例2−1のアルミナ焼結体を準備した。該アルミナ多孔質焼結体を吊るして一方端から10mmまでをイオン交換水を満たした容器に浸漬させた。このときのアルミナ多孔質焼結体の重量を浸漬時間とともに記録し、浸漬した面から毛細管現象で吸い上がる速度を測定した。
(結果)
測定結果(アルミナ多孔質焼結体の重量と浸漬時間)から算出した吸水速度を表8に示す。表8に示す吸水速度(g/m・秒)は、代表的な浸漬時間に対して該浸漬時間までの吸水量(重量の増加分)を浸漬時間(累積時間)とアルミナ多孔質焼結体の単位面積で割ったものである。表8において、焼結温度とは、焼結時の加熱条件における最高温度を指す。また、吸水速度と浸漬時間との関係を示すグラフを図2から図9に示す。図2〜図9において、縦軸は吸水速度を示し、単位はg/m・秒であり、横軸は浸漬時間を示し、単位は秒である。
造孔材として球状粒子を添加しただけのものより球状粒子と線状物質を添加した材料の方が初期の吸水速度も速くかつ吸水速度が長時間持続することが分かった。このことからアスペクト比が大きい線状の気孔が吸水能力を高め、アスペクト比の小さい球状(および無定形)の気孔が補水能力を高めていることが分かった。また、焼結時の加熱温度は1500℃以下が好ましいことが分かった。焼結時の最高温度が1620℃の場合には、吸水開始直後においても吸水量は100g/m・秒より遅く、以後各浸漬時間においても、焼結時の最高温度が1500℃以下の場合の半分程度であった。
なお、本実施例では、球状の造孔材として呼び粒子径が300μmおよび100μmのフェノール粒子を用いて作製したアルミナ多孔質焼結体についての評価結果を示したが、造孔材として呼び粒子径が10,20,40μmの球状粒子および無定形粒子とレーヨン繊維等の線状の物質とを混合して作製した多孔質セラミックス焼結体でも、同様の傾向が確認された。ここで、無定形粒子とは、木炭粉、竹炭粉、活性炭粉、グラファイト粉、木粉、澱粉粉、種子などの粒子の形状が一定でないものであって、該粒子の幅寸法の最大値を最小値で割った値をアスペクト比として表わしその値が3以下のものを指す。
さらに、実施例1−1、実施例1−2、実施例1−4、実施例2−1〜実施例2−3、比較例1−1〜比較例1−3、および比較例2−1のアルミナ焼結体について、本実施例において吸水速度の算出に用いた測定データからアルミナ焼結体の単位体積当たりの累積吸水量を求めた。求めた累積吸水量を、図10〜図17に示す。図10および図14は焼結時の最高温度を1300℃としたときに得られた各アルミナ多孔質体について、浸漬時間に対する累積吸水量を示している。図11および図15は焼結時の最高温度を1400℃としたときに得られた各アルミナ焼結体について、浸漬時間に対する累積吸水量を示している。図12および図16は焼結時の最高温度を1500℃としたときに得られた各アルミナ焼結体について、浸漬時間に対する累積吸水量を示している。図13および図17はそれぞれ焼結時の最高温度を1620℃として得られた各アルミナ焼結体について、浸漬時間に対する累積吸水量を示している。この結果から、造孔材として球状粒子または線状物質を添加しただけのものより球状粒子と線状物質を添加した材料の方が累積吸水量が多いことが分かった。また、加熱条件は1500℃以下とするのが好ましいことが分かった。この条件で焼結されたアルミナ焼結体は加熱温度を1620℃として得られたアルミナ焼結体と比べて累積吸水量が多いことが確認できた。焼結時の加熱温度が高いと、アルミナ焼結体は収縮して、造孔材によらない気孔の容積が大きく減少するとともに造孔材による気孔の容積が減少するため、アルミナ焼結体の吸水量が減少すると考えられる。
また、線状の造孔材に対する球状の造孔材の配合比が1/3以上3以下として得られたアルミナ多孔質体は、球状の造孔材または線状の造孔材のみを添加して得られたアルミナ多孔質体と比べて、吸水速度が速く、累積吸水量が多いことが確認された。また、異なる観点から言えば、アルミナ多孔質体において造孔材により形成された全気孔のうち、線状の気孔が12.2%以上71.6%以下であって、球状の気孔が28.4%以上87.8%以下であるアルミナ多孔質体は、線状の気孔のみあるいは球状の気孔のみを有するアルミナ多孔質体と比べて吸水速度が速く、累積吸水量が多いことが確認された。
本実施例では、上述した実施例3において焼成珪藻土を用いて作製した多孔質セラミックス焼結体の吸水速度を評価した。比較例として、同じく焼成珪藻土を用いて形成されるB1耐火煉瓦を比較例5−1として評価した。評価方法は実施例4と同様とした。
(結果)
結果を表9に示す。
実施例3−3の多孔質セラミックス焼結体は、比較例5−1のB1耐火煉瓦よりも吸水速度が速いことが確認された。つまり、セラミックス材料として焼成珪藻土を用いた場合でも、造孔材を用いずに形成された比較例5−1のB1耐火煉瓦よりも、球状の造孔材と線状の造孔材を用いて形成された多孔質セラミックス焼結体の方が吸水性に優れていることが確認できた。
実施例1〜実施例3において作製した評価試料(丸棒状のセラミックス焼結体)の中から代表的なものを選び、JIS R1601(ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法)に準じて曲げ強度試験を実施した。テストピースには丸棒を使用した。評価試料として用いたセラミックス焼結体を表10に示す。比較例として、気孔率が74%あり吸水性の高いB1耐火煉瓦(比較例5−1)を準備した。
(結果)
結果を表11に示す。なお、表11において、焼結温度とは、焼結時の加熱条件における最高温度を指す。造孔材として繊維の比率が高いほど、または、球状の径が小さいほど曲げ強度が高い傾向にあった。比較例とした、気孔率が74%のB1耐火煉瓦の曲げ強さは3.5MPaであり、各実施例のアルミナ焼結体の曲げ強さはこれの少なくとも10倍以上であった。また、焼結時の最高温度が高いほど曲げ強度が高いことが確認できたが、焼結時の最高温度を1300℃以上であれば、実用上求められる曲げ強度値35MPaと同等以上の曲げ強度を有するアルミナ多孔質焼結体が得られることが分かった。また、球状フェノール粉の配合比が低くレーヨン繊維の配合比が高い造孔材を用いて作製されたアルミナ多孔質焼結体の方が曲げ強度が高い傾向にあることが分かった。また、焼結時の最高温度を1300℃以上として得られた実施例1−1、実施例1−2、実施例1−4、実施例2−1〜実施例2−3のアルミナ多孔質焼結体は、実施例1および実施例2を参照して見掛気孔率が70%以下であった。見掛気孔率が高ければ、吸水速度や累積水分量等の特性は高まる一方で強度の低下が懸念されるが、本実施例より見掛気孔率が70%以下の多孔質セラミックス焼結体であれば実用上十分な曲げ強度を有していることが確認された。一方、実施例3−3珪藻土多孔質焼結体の曲げ強さは、焼結時の最高温度が1100℃で、19.6MPaあり、B1耐火煉瓦の5.6倍以上あり使用条件を限定すれば、十分実使用に耐えることが確認された。
実施例1〜実施例6の結果から、球状の造孔材と線状の造孔材とを配合した混合物を用いて作製されたアルミナ多孔質焼結体は、球状または線状のいずれか一方の造孔材を用いて作製されたアルミナ多孔質焼結体と比べて、吸水性能に優れている(吸水速度が速く、かつ吸水量が多い)ことが分かった。また、焼結時の加熱条件を、1400℃以上1500℃以下程度とすることにより、高い吸水性能を有しながら曲げ強度が強いアルミナ多孔質焼結体を作製できることが分かった。
実施例1から実施例3において作製した評価試料(丸棒状の多孔質セラミックス焼結)の代表的なものを選び、断面をSEM観察した。図18に球状の造孔材と線状の造孔材を用い、焼結時の最高温度を1500℃として作製された実施例1−2のアルミナ多孔質焼結体の断面SEM像を示す。また、図19に線状の造孔材のみを用い、焼結時の最高温度を1500℃として作製された比較例1−2のアルミナ多孔質焼結体、図20に球状の造孔材のみを用い、焼結時の最高温度を1500℃として作製された比較例1−1のアルミナ多孔質焼結体の断面SEM像を示す。
図18を参照して、実施例1−2のアルミナ多孔質焼結体は、アスペクト比の低い球状の気孔に、アスペクト比の高い複数の線状の気孔が連通している構造を有していることが確認された。一方、図19を参照して、線状の造孔材のみを用いて作製された比較例1−2のアルミナ多孔質焼結体は、アスペクト比の高い線状の気孔が重なり合うように連続的に形成されていることが確認された。また、図20を参照して、球状の造孔材のみを用いて作製された比較例1−1のアルミナ多孔質焼結体は、球状の細孔同士の多くが独立して形成されていることが確認された。
つまり、本発明に従った実施例1−2のアルミナ多孔質焼結体は、図2〜図5に示すように吸水速度が速いことが確認できたが、これは、該アルミナ多孔質焼結体は球状の気孔および線状の気孔が連通することにより形成される一群の気孔を有しているため、水等の流体は一群の気孔内を毛細管現象により素早く移動することができたためと考えられる。また、吸水量についても、該アルミナ多孔質焼結体は、表面積に対して容積の大きい球状の気孔と線状の気孔とが連通することにより形成される一群の気孔を有しているため、複数の気孔が独立して形成されているアルミナ多孔質焼結体と比べて吸水可能な気孔の全容積を大きくすることができたためと考えられる。
実施例1〜実施例3において評価試料(多孔質セラミックス焼結)の作製に用いた第1の造孔材と第2の造孔材と同じ材料についてSEMを用いて形状観察とともに寸法を計測した。測定した造孔材の長手方向の寸法と短手方向の寸法からこれを用いて作製される多孔質セラミックス焼結における第1の気孔および第2の気孔のそれぞれのアスペクト比を算出した。アスペクト比の算出方法は、SEM観察像から測定された造孔材の長手方向の寸法と短手方向の寸法に、アルミナを焼成したときの一般的な焼成収縮率15%を考慮し、下記の式により算出した。
気孔長手寸法=造孔材長手寸法×(1−0.15)
気孔短手寸法=造孔材短手寸法×(1−0.15)
気孔のアスペクト比=気孔長手寸法/気孔短手寸法
なお、球状粒子は長手方向の寸法と短手方向の寸法が等しいので、アスペクト比は、1.0となった。
(結果)
第1の造孔材についての結果を表12に示す。第2の造孔材のうち球状粒子についての結果を表13に示す。第2の造孔材のうち無定形粒子についての結果を表14に示す。
実施例1〜実施例3において評価試料(多孔質セラミックス焼結体)の作製に用いた第1の造孔材は幅寸法が5.2μm以上3251.0μm以下であり、具体的には、長手方向の幅寸法は45.0μm以上3251.0μm以下であって、短手方向の幅寸法は5.2μm以上118.0μm以下であった。また、多孔質セラミックス焼結体における第1の気孔の幅寸法は、長手方向において38.3μm以上2763.4μm以下、短手方向において4.4μm以上100.3μm以下であった。このときの第1の気孔のアスペクト比は、6.4以上195.8以下であった。
一方、実施例1〜実施例3において評価試料(多孔質セラミックス焼結体)の作製に用いた第2の造孔材は幅寸法が2.2μm以上493.0μm以下であった。具体的には、球状フェノール粒子は直径が2.2μm以上493μm以下であった。また、竹炭粉、活性炭粉、木炭粉、ジャガイモの澱粉の無定形粒子では、長手方向の幅寸法は16.0μm以上78.0μm以下であり、短手方向の幅寸法は9.6μm以上43.0μm以下であった。また、多孔質セラミックスにおける第2の気孔の幅寸法は、1.9μm以上419.1μm以下であった。具体的には、球状粒子による気孔の直径が1.9μm以上419.1μm以下であった。また、竹炭粉、活性炭粉、木炭粉、ジャガイモの澱粉の無定形粒子による気孔では、長手方向の幅寸法は13.6μm以上66.3μm以下であり、短手方向の幅寸法は8.2μm以上36.6μm以下であった。このときの第2の気孔のうち球状粒子による気孔のアスペクト比は、1.0であり、無定形粒子による気孔のアスペクト比は、1.1以上2.7以下であった。
セラミックス粉として純度99.7%、平均中心粒子径0.5μmの易焼結アルミナ、造孔材として実施例8において幅寸法を計測した計17種の造孔材を準備して、脱脂体および焼結体を作製し、外観異常の有無を確認した。
具体的には、上記易焼結アルミナを50体積%、上記17種の造孔材のうちの1つを50体積%の配合比で乾式により混合して、17種の混合物を得た。17種の混合物の体積に対して、バインダとして熱可塑性のある有機物、分散剤、相溶化剤などを37体積%添加して混練容積60mlの小型加圧式ニーダー(通称ラボプラストミル)で140℃に加熱しながら20分混練し、バインダが均一に分散した17種の混練物を得た。
各混練物を4g以上5g以下程度取り、直径32mmのダイスとダイを備えたハンド油圧プレス機で150℃に加熱しながら30MPaの加圧力で30秒保持後冷却することにより、17種の成形体を得た。各成形体の形状は、直径32mm、厚さ2mm以上2.5mm以下の円板状とした。
次に、各成形体を大気脱脂炉に投入し、1時間あたり3℃以上15℃以下のゆっくりとした昇温スピードで450℃まで加熱し、バインダと造孔材を除去して、17種の脱脂体を得た。各脱脂体を最高温度1400℃で2時間保持する条件で焼結することにより、アルミナ多孔質焼結体を得た。具体的な焼結条件は、室温から100℃/hrの速度で800℃まで昇温し、800℃で1hr保持、さらに、100℃/hrの速度で1400℃まで昇温し、2hr保持した後、200℃/hrの速度で室温まで降温させた。なお、降温時の温度制御に焼成炉内の温度の低下が追いつかない場合は自然冷却条件となる。
(評価方法)
上記のようにして作製された、17種の脱脂体および焼結体の外観を目視と光学顕微鏡で観察し、ふくれ、割れ、変形がないかどうかの判定および多孔質化ができているかどうかの判定を行った。
(結果)
結果を表15に示す。
17種の脱脂体および焼結体の外観観察で、第1気孔を形成させる造孔材であるナイロン繊維を添加した成形品の脱脂において脱脂品に変形、ふくれがみられ、その後工程である焼結においても焼成品に変形、ふくれの残った状態が認められた。また、PET繊維を添加した成形品の脱脂において脱脂品表面に若干の毛羽立ちがみられ、その後工程である焼結においても焼成品表面に若干の毛羽立ちが認められたが、機能面では問題ないものであった。
ここで、上述した実施の形態と一部重複する部分もあるが、本発明の特徴的な構成を列挙する。
本発明に従った多孔質セラミックス焼結体は、アスペクト比が5以上200以下である複数の第1の気孔と、アスペクト比が1以上3以下である複数の第2の気孔とを含み、第1の気孔の少なくとも一部は第2の気孔間を接続するように設けられている。
これにより、多孔質セラミックス焼結体内において、第1の気孔と第2の気孔とは互いに分散しながらも、3次元的に連通することができる。この結果、水等の流体は連通した気孔内を毛細管現象により素早く移動することができるため、本発明に従った多孔質セラミックス焼結体は、水等の流体に対して、吸収速度が速く、かつ吸収量が多い、優れた吸収特性を有することができる。
上記多孔質セラミックス焼結体に含まれる気孔のうち造孔材によって形成された全体積に対して、第1の気孔の総体積は12.2%以上71.6%以下であり、第2の気孔の総体積は28.4%以上87.8%以下とすることができる。
上述した実施例1および実施例2から、第1の気孔に対する第2の気孔の体積比が12.2/87.8以上71.6/28.4以下であった多孔質セラミックス焼結体は、当該比が上記範囲以外であった多孔質セラミックス焼結体(形成されている気孔が第1の気孔または第2の気孔のみからなる多孔質セラミックス焼結体)と比べて、吸水率が高いことが確認された。この結果から、線状の第1の気孔に対する球状の第2の気孔の体積比が12.2/87.8以上71.6/28.4以下である多孔質セラミックス焼結体においては、線状の第1の気孔と球状の第2の気孔とが3次元的に連通することができるため、高い吸水率を示すことができると考えられる。
上記多孔質セラミックス焼結体は、見掛気孔率が26%以上70%以下であってもよい。
このようにしても、本発明に従った多孔質セラミックス焼結体は、アスペクト比が5以上200以下である線状の第1の気孔と、アスペクト比が1以上3以下である球状および無定形の第2の気孔とが3次元的に連通する構造を有しているため、流体に対し優れた吸収特性を有することができる。また、見掛気孔率が26%以上70%以下である本発明に従った多孔質セラミックスは、実用上求められる曲げ強度値35MPaと同等以上の曲げ強度を有している。
上記多孔質セラミックス焼結体の断面において、第1の気孔が延びる方向における第1の気孔の長さは30μm以上3000μm以下であり、延びる方向に垂直な方向における第1の気孔の幅は5μm以上50μm以下としてもよい。また、第2の気孔の幅の最大値は5μm以上400μm以下としてもよい。
これにより、第1の気孔は多孔質セラミックス焼結体内において延びるように形成されているため、複数の第2の気孔を連通させることができる。この結果、水等の流体は連通した気孔内を毛細管現象により素早く移動することができるため、本発明に従った多孔質セラミックス焼結体は、水等の流体に対して、吸収速度が速く、かつ吸収量が多い、優れた吸収特性を有することができる。
上記多孔質セラミックス焼結体は、アルミナ、ジルコニア、ムライト、イットリア、セリア、マグネシア、チタニア、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、チタン酸カルウム、チタン酸アルミニウム、PZT、ハイドロアパタイト、三リン酸カルシウム、ジルコン、コーディエライト、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ二ウム、炭化ホウ素、ホウ化ジルコニウム、ホウ化チタン、サイアロン、珪藻土からなる群から選択される少なくとも一つのセラミックスを含んでもよい。
これらのセラミックス材料を用いて形成された多孔質セラミックス焼結体内においても、第1の気孔と第2の気孔とは互いに分散しながらも、3次元的に連通することができる。
本発明に従った多孔質セラミックス焼結体の製造方法は、セラミックスの粉末と、アスペクト比が5以上200以下である複数の第1の造孔材と、アスペクト比が1以上3以下である複数の第2の造孔材とを混合する工程(S10)と、混合する工程(S10)において得られた混合物にバインダを添加して、加熱しながら混練する工程(S20)と、混練する工程(S20)において得られた成形材料を成形する工程(S30)と、成形する工程(S30)において得られた成形体から造孔材およびバインダを除去する工程(S40)と、除去する工程(S40)で得られた脱脂体を焼成する工程(S50)とを備える。
これにより、セラミックス粉末とアスペクト比の異なる少なくとも2種類の造孔材とが混合してなる混合物に、バインダを添加して混練し、さらに成形、焼成することによってアスペクト比の異なる少なくとも2種類の気孔が分散するように形成された多孔質セラミックス焼結体を得ることができる。このとき、第1の気孔と第2の気孔とは互いに分散しながらも、3次元的に連通しているため、該多孔質セラミックス焼結体は、水等の流体に対して吸収速度が速く、かつ吸収量が多い、優れた吸収特性を有することができる。
上記混合する工程では、第1の造孔材は、再生繊維、化学繊維、および無機繊維からなる群から選択される少なくとも一つとしてもよい。また、第2の造孔材は、球状合成樹脂、木炭粉、竹炭粉、活性炭粉、グラファイト粉、木粉、澱粉粉、および種子、穀物の粉砕粉からなる群から選択される少なくとも一つとしてもよい。
このようにしても、第1の造孔材と第2の造孔材とは、混合物中において均一に混合されることにより、該混合物を用いて作製される多孔質セラミックス焼結体内において、互いに分散しながらも、3次元的に連通している第1の気孔および第2の気孔を形成することができる。
上記混合する工程では、前記バインダとして、ポリエチレン、EVA、アタックチックポリプロピレン、ポリブチルメタアクリレート、パラフィンワックス、カルナバワックス、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、リモネン、テレピネオール、ブチルカルビトール、フタル酸エステル、脂肪酸、脂肪酸アマイドなどの滑剤、ポリアルキレンポリアミン、多価アルコールエステル、アルキルポリアミンなどの界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つを含んでもよい。
このようにすれば、成形助剤であるバインダは加熱すると流動性が出る有機高分子を主成分としているため、成形助剤をセラミックス粉および造孔材との混合物において均一に分散させることにより、該混合物も加熱すると流動性が出る。また、混練時の混練物の粘度も100から10000Pa・Sと高く、混合物の比重差、粒子の大きさおよび形状差では、容易に分離しないのでセラミックス粉と造孔材を均一分散状態に保つことが容易である。
上記造孔材およびバインダを除去する工程では、窒素気流において350℃以上600℃以下の温度にまで昇温しながら加熱する工程を含んでもよい。
このようにすれば、成形品中の造孔材およびバインダを除去する際、加熱分解が大気中よりゆっくり進むため、脱脂時のふくれ、割れが発生しにくくなる。したがって、少なくとも2種類の造孔材およびバインダを、セラミックス粉末に対して多く配合することができ、より大きな見掛気孔率、吸水率をもつ多孔質セラミックスを製造できる。
上記成形する工程は、混練する工程において得られた成形材料を射出成形法によって成形してもよい。このようにすれば、用途に応じて適当な金型を準備することにより、用途に適した形状を有する多孔質セラミックス焼結体を正確に作製することができる。
上記成形する工程は、混練する工程において得られた成形材料を加熱押出成形法によって成形してもよい。このようにすれば、棒状の多孔質セラミックス焼結体や第1の気孔が配向性を有する多孔質セラミックス焼結体を容易に形成することができる。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上述の実施の形態および実施例を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態および実施例に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。

Claims (11)

  1. アスペクト比が5以上200以下である複数の第1の気孔と、アスペクト比が1以上3以下である複数の第2の気孔とを含み、
    前記第1の気孔の少なくとも一部は前記第2の気孔間を接続するように設けられている、多孔質セラミックス焼結体。
  2. 見掛気孔率が26%以上70%以下である、請求項1に記載の多孔質セラミックス焼結体。
  3. 前記多孔質セラミックス焼結体の断面において、
    前記第1の気孔が延びる方向における前記第1の気孔の長さは30μm以上3000μm以下であり、前記延びる方向に垂直な方向における前記第1の気孔の幅は5μm以上50μm以下であり、
    前記第2の気孔の幅の最大値は5μm以上400μm以下である、請求項1または2に記載の多孔質セラミックス焼結体。
  4. アルミナ、ジルコニア、ムライト、イットリア、セリア、マグネシア、チタニア、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、チタン酸カルウム、チタン酸アルミニウム、PZT、ハイドロアパタイト、三リン酸カルシウム、ジルコン、コーディエライト、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ二ウム、炭化ホウ素、ホウ化ジルコニウム、ホウ化チタン、サイアロン、珪藻土からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質セラミックス焼結体。
  5. 前記多孔質セラミックス焼結体に含まれる気孔のうち、造孔材を用いることにより形成される気孔の全体積に対して、前記第1の気孔の総体積は12.2%以上71.6%以下であり、前記第2の気孔の総体積は28.4%以上87.8%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質セラミックス焼結体。
  6. セラミックスの粉末と、アスペクト比が5以上500以下である複数の第1の造孔材と、アスペクト比が1以上3以下である複数の第2の造孔材とを混合する工程と、
    前記混合する工程において得られた混合物にバインダを添加して、加熱しながら混練する工程と、
    前記混練する工程において得られた成形材料を成形する工程と、
    前記成形する工程において得られた成形体から前記造孔材および前記バインダを除去する工程と、
    前記除去する工程において得られた脱脂体を焼成する工程と
    を備える、多孔質セラミックス焼結体の製造方法。
  7. 前記混合する工程では、前記第1の造孔材は、天然繊維、化学繊維、および無機繊維からなる群から選択される少なくとも一つであり、前記第2の造孔材は、球状合成樹脂、澱粉、炭の粉砕物、種子、および有機物の粉砕物からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項6に記載の多孔質セラミックス焼結体の製造方法。
  8. 前記混合する工程では、前記バインダとして、ポリエチレン、EVA、アタクチックポリプロピレン、ポリブチルメタアクリレート、パラフィンワックス、カルナバワックス、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、リモネン、テレピネオール、ブチルカルビトール、フタル酸エステル、脂肪酸、脂肪酸アマイドなどの滑剤、ポリアルキレンポリアミン、多価アルコールエステル、アルキルポリアミンなどの界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項6または7に記載のセラミックス製造方法。
  9. 前記造孔材および前記バインダを除去する工程では、大気中において350℃以上600℃以下の温度にまで昇温しながら加熱する工程を含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の多孔質セラミックス焼結体の製造方法。
  10. 前記成形する工程は、前記混練する工程において得られた成形材料を射出成形法によって成形する、請求項6〜9のいずれか1項に記載の多孔質セラミックス焼結体の製造方法。
  11. 前記成形する工程は、前記混練する工程において得られた成形材料を加熱押出成形法によって成形する、請求項6〜9のいずれか1項に記載の多孔質セラミックス焼結体の製造方法。
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