JP2007238416A - セラミックス多孔体およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】新規なセラミックス多孔体およびその新規な製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のセラミックス多孔体の製造方法は、押出成形または射出成形の工程を含むセラミックス多孔体の製造方法において、セラミックススラリーまたはセラミックスペーストが造孔材を含む製造方法である。本発明のセラミックス多孔体は、気孔直径が0.1〜100μmである。好ましくは、流体透過性を有するセラミックス多孔体であり、気孔率が16%で流体透過性があるセラミックス多孔体である。
【選択図】図1

Description

本発明はセラミックス多孔体およびその製造方法に関する。特に、貫通孔を有するセラミックス多孔体およびその製造方法に関する。更に詳しくは、多数のほぼ一方向に配向した貫通孔を有するセラミックス多孔体およびその製造方法に関する。
セラミックス多孔体は構造材料やフィルター、生体材料、燃料電池の多孔質電極、触媒担体、断熱材、防音材料等、広範にわたり使用されている。これらの作製方法は、セラミックスに有機高分子を添加し、焼成と同時に燃焼させて気孔を生成する方法、粒径を制御したセラミックス粒子を使用して気孔径や気孔率を制御する方法、界面活性剤を添加し、発泡させる方法がある。これらの従来技術で製造された多孔体の気孔は、いずれも3次元的に無秩序に形成されている。
しかし、近年、用途に適した気孔径と気孔径分布を持つ多孔体の作製が求められている。
たとえば、セラミックス多孔体は流体中の微粒子を分離するフィルターとして使われているが、実際にフィルターとして使用するには捕集効率、流体透過性、機械的強度、耐熱性、耐薬品性などを検討する必要がある。たとえば、流体の透過方向に平行な貫通孔は必要であるが、それ以外の気孔の存在は、逆に流体の透過経路を長くして、流体透過性を低くしたり、多孔体の強度を低下させるといった欠点となる。
特に、流体透過性は、分離操作を行う際の装置の圧力損失の特性に直接関係するため、非常に重要な因子である。流体透過性を向上するには、気孔を透過方向に一方向に配向して直線的に貫通することで可能となるため、さまざまな貫通孔を有するセラミックス多孔体の製造方法が開発されている。
また、生体材料として理想的な多孔体は、骨欠損部に充填された骨補填材が骨欠損部修復までの初期段階では、骨欠損部の補強を行い、骨欠損部の修復時には生体骨に吸収されるものである。しかし、高い強度を得るには焼成体が緻密である必要があるが、緻密体では細胞が侵入、定着しづらい。また、3次元的に無秩序に気孔が形成した多孔体では細胞が侵入するが強度が低い。
また、ガス・湿度センサおよび燃料電池等に用いられる多孔質電極では、集電性能とガス透過性能が要求される。このガス透過性能を向上させるためには、電極内の気孔を電極の厚み方向に配向させ、ガスの透過経路を短くすることが必要である。
これらの問題を解決するために、一方向に配向して直線的に貫通し、径の均一な貫通気孔を有するセラミックス多孔体が開発されている。例えば、金属磁性材料あるいは表面に金属磁性層を被覆した炭素繊維とセラミックスの混合スラリーを静磁場中に置かれた基材上に流し込み、金属磁性材料あるいは炭素繊維を配向させながら成形体を作製し、これらを除去することによりセラミックス多孔体を作製した例がある(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。しかし、上記の方法は、複雑な方法を用いるため、厚さ方向に制限があるため大量生産に向かず、またコストが高くなると考えられる。
一方、大量生産に適した押出成形を用いて多孔体を製造する方法として、複数のセラミックス成形体を一つに集積した後、成形することにより、セラミックス成形体相互間の間隙に由来する一方向の貫通孔を有する前駆体を製造し、該前駆体を焼結させて製造した例がある(例えば、特許文献3参照。)。この方法では、間隙に由来する一方向の貫通孔は、断面積あたりの貫通孔の量や気孔径が制限される。また、貫通孔を金型であける作製法(例えば、特許文献4参照。)も報告されているが、この方法では、微小気孔を有するセラミックス多孔体を作製することが困難である。
本発明者らは造孔材に繊維形状の有機物を用い、押出成形の配向現象を利用して作製した(特許文献5参照。)。この方法では、特定の気孔径を有するセラミックス多孔体を大量に生産することが可能であり、有効であるが、繊維形状の造孔材を均一に混合することが困難であるなどの問題がある。
そこで、新規なセラミックス多孔体およびその新規な製造方法の開発が望まれている。
特開平10−139563号公報 特開2000−344585号公報 特開平11−139887号公報 特開2003−320515号公報 特開2005−263567号公報
本発明は、新規なセラミックス多孔体およびその新規な製造方法を提供することを目的とする。
[1]本発明のセラミックス多孔体の製造方法は、押出成形または射出成形の工程を含む、セラミックス多孔体の製造方法において、セラミックススラリーまたはセラミックスペーストが造孔材を含むことを特徴とする。
[2]本発明のセラミックス多孔体の製造方法は、押出成形において、口金部の内径と胴部の内径の比率が2〜10であることを特徴とする前記[1]に記載の製造方法である。
[3]本発明のセラミックス多孔体は、気孔直径が0.1〜100μmである。
[4]本発明のセラミックス多孔体は、流体透過性を有する前記[3]に記載のセラミックス多孔体である。
[5]本発明のセラミックス多孔体は、気孔率が16%で流体透過性がある前記[3]に記載のセラミックス多孔体である。
[6]本発明のセラミックス多孔体は、流体透過率が2.8×10−15以上である前記[3]に記載のセラミックス多孔体である。
前記[1]および[2]の発明によれば、新規な製造方法を提供できる。
前記[3]〜[6]の発明によれば、新規なセラミックス多孔体が得られる。
以下、セラミックス多孔体及びその製造方法にかかる発明を実施するための最良の形態について説明する。
押出成形法とは、一般には、坏土(泥漿鋳込成形で用いる泥漿から水分を減少させて、泥漿の見掛け粘度が増大し、自然に流動しなくなって可塑性を示す状態になったもの)を減圧空間中で混練し、坏土の中にとじ込められた空気を除去した後、オーガにより口金を通して押出すことにより所望の断面形状を持った押出成形体を得る方法であって、管状のセラミックス、ハニカム形の触媒担体、板状成形体の予備成形、直方体の各種セラミックブロックなどの成形等に使用される方法である。均一な断面を持つ円柱や、角柱を大量生産する最適な方法である。
本発明では、押出成形の収縮部の通過時に押出方向に垂直な断面の断面積が減少し、押出方向に平行な長さが増大する伸張現象を利用する。すなわち、流体中に第二相が存在する場合には、第二相も押出方向に大きく伸張するので、原料スラリーまたはペースト中に第二相として可塑性の造孔材を導入すると、その後の造孔材の除去工程を経ることで押出方向に伸長した気孔を導入することができる(図1)。
一方、射出成形法とは、一般には、セラミック原料粉と熱可塑性樹脂、滑剤、可塑剤などの有機材料を加熱混練し、ペレット状の射出成形用原料を作り、ペレットを射出成形機に供給し、加熱により流動化して金属製の型の中に注入した後、金型を冷却、固化して成形体を取り出す方法である。成形を行うために添加した有機物を熱分解蒸発により成形体から除去する脱脂工程(脱バインダー工程)を伴っている。結合剤となる有機物の種類、成形体の形状などによって脱脂に要する時間は異なるが、通常40〜80時間程度である。
本発明のセラミックス多孔体は、さらに詳しくは、多数の孔を有するセラミックス成形体であって、その孔がセラミックス成形体の一面から相対する面に貫通していて、その貫通孔がほぼ一方向に配向しているセラミックス成形体である。
本発明のセラミックス多孔体に使用するセラミックス原料は、特に限定されるものではないが、例えば、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、リン酸カルシウム、スピネル、チタニア、サイアロンなどを挙げることができる。
造孔材とは、造孔材を取り除くことでセラミックスに貫通孔となる気孔を導入する物質をいう。造孔材は、可塑性のものを使用することが好ましく、室温で可塑性を有するものが特に好ましい。また、室温で固体の物質であって加熱によって融解して可塑性を有する物質は、高温成形で好ましく使用することができる。成形後に高い保形性を必要とする場合には、延性に富んだ高分子樹脂や粘性流体が造孔材として特に好ましい。
本発明では、造孔材として、例えば、可塑性の固体、液体、気体等をあげることができる。本発明では、焼成時に二酸化炭素の排出を減少させるという環境負荷の低下を考慮した場合、焼成時に二酸化炭素が排出されない水や空気が造孔材として好ましい。
本発明に使用する可塑性の固体としては、例えば、ポリエチレングリコール、酢酸ビニル樹脂等を挙げることができる。本発明に使用する液体としては、アルコール、ケトン等の有機溶媒、油脂、水等を挙げることができる。本発明に使用する気体としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス、酸素、空気等を挙げることができる。本発明はこれら例示された可塑性の固体、液体、気体に限定されない。
造孔材の大きさはセラミックス多孔体の用途により適宜選択することができるが、0.1〜1000μmの範囲内にあることが好ましい。また、造孔材の大きさは0.1〜100μmの範囲内にあることがさらに好ましい。
造孔材の大きさが0.1μm以上であると、気相及び液相中の微粒子を効率的に除去できるという利点がある。造孔材の大きさが1000μm以下であると、懸濁物中の固相などを除去できるという利点がある。造孔材の大きさが100μm以下であると、この効果がより顕著になる。
造孔材粒子の作り方は、(1)造孔材の塊を混ぜながら粒子にする方法、(2)造孔材の粒子をスラリー又はペースト中に混ぜる方法がある。例えば、造孔材の塊を混ぜながら粒子にする方法には、造孔材の塊をスラリー又はペースト中で攪拌することによって粒子とする方法がある。
本発明では、混合される造孔材の量は、貫通孔が得られる量であれば、特に限定されるものではない。スラリーまたはペースト中のセラミックス原料の体積をVs、造孔材の体積をVpとしたとき、Vp/(Vs+Vp)×100で定義される造孔材の体積混入率(体積%)が10〜70体積%となる造孔材の量が好ましい。造孔材の体積混入率が10体積%以上であると多くの貫通孔が得られる利点がある。造孔材の体積混入率が70体積%以下であると横方向に隣接する気孔同士が繋がってしまうことによりセラミック多孔体の強度が低下することを防止できるという利点がある。なお、セラミックス原料の体積Vs、造孔材の体積Vpは、その材料のみの体積である。
成形体から造孔材を取り除く方法は、使用される造孔材に応じて種々の方法を採用することができる。例えば、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、油脂、ワックス等の熱分解性の造孔材は、焼成によって取り除かれる。酸に溶解する、例えば、ポリアセタール 、ポリプロピレン、金属等の造孔材は、酸で溶解することによって取り除かれる。酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等が好ましく用いられる。アルカリに溶解する、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、金属等の造孔材は、アルカリで溶解することによって取り除かれる。アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム等が好ましく用いられる。有機溶媒に溶解する、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の造孔材は、有機溶媒で溶解することによって取り除かれる。有機溶媒としては、例えば、アセトン、クロロホルム、アルコール等が好ましく用いられる。水を造孔材として用いた場合は乾燥時に取り除くことができる。空気を造孔材として用いた場合は取り除く工程は不要となる。
ペーストは、セラミックス原料、造孔材以外に、本発明の効果を損なわない限り、各種化合物が添加されてもよい。室温で押出成形により製造される場合には、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリカルボン酸アンモニウム、アクリル酸アンモニウムなどが添加される。メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールは、結合剤として非可塑性粉末に可塑性を付与する効果がある。ポリカルボン酸アンモニウム、アクリル酸アンモニウムは、分散剤として、粉末と水の親和性を改質し、粉末を分散する効果がある。また、高温押出成形用のペースト調製用として熱可塑性樹脂が添加されるが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン樹脂などを例示することができる。
押出成形または射出成形には、公知の押出成形機または射出成形機を使用することができる。押出成形機としては、横型または縦型ピストン式押出成形機、オーガ型押出成形機を例示することができる。また、押出成形機は、ペーストの流路の押出方向に垂直な断面の面積が押出方向に漸減する部分または段階的に減少する部分を有することが好ましい(図2)。また、押出成形機は、胴部と口金部からなり、または胴部、テーパー部および口金部からなり、口金部の内径が胴部の内径よりも小さいことが好ましい。好ましくは、胴部の内径は口金部の内径の2〜10倍であり、より好ましくは3〜6倍である。口金部の内径と胴部の内径の比率が2倍以上であると、可塑性を有する造孔材が伸長して連結する確率が増加するという利点がある。比率が3倍以上であるとこの効果がより顕著になる。口金部の内径と胴部の内径の比率が10倍以下であると、押出成形が容易になるという利点がある。比率が6倍以下であるとこの効果がより顕著になる。
以上の伸張工程は、細長い空洞が作れることと、細長くなった空洞同士が連結しやすくなるという利点を有する。
成形体は、通常、高温で焼成することによって、焼結させる。熱分解性の造孔材を使用したときは、焼成によって、造孔材の除去と焼結を同時に行うことができる。造孔材を取り除く工程と焼結工程を別々に行うときは、焼結工程が、造孔材を取り除く工程の前にあってもよいし、後にあってもよい。
気孔直径は、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.1〜50μmである。気孔直径が0.1μm以上であると、気相及び液相中の微粒子を効率的に除去できるという利点がある。気孔直径が100μm以下であると、懸濁物中の比較的大きな粒子などを除去できるという利点がある。50μm以下であるとこの効果がより顕著になる。
セラミックス多孔体の気孔率は10〜90%の範囲内にあることが好ましい。また、気孔率は16〜40%の範囲内にあることがさらに好ましい。
気孔率が10%以上であると、流体の透過性が得られるという利点がある。気孔率が16%以上であると、この効果がより顕著になる。
気孔率が90%以下であると、この多孔体の強度が高くできるという利点がある。気孔率が40%以下であると、この効果がより顕著になる。
貫通孔を有するセラミックス多孔体の用途は、特に限定するものではないが、例えば、フィルター、人工骨などの生体材料、ならびにガス・湿度センサおよび燃料電池等に用いられる多孔質電極材料などに使用できる。フィルター製造のときは、例えば、円柱状に押出成形された後、乾燥、脱脂、焼成されて得られた円柱状セラミックス多孔体は円板上に薄く切断されることによって、目的のフィルターが得られる。
本発明によって、特に材料を限定することなく、気孔が特定の方向に配向し、気孔率を任意に制御したセラミックス多孔体を安価に製造することができるとともに、得られたセラミックス多孔体は、用途に適した気孔直径と気孔径分布を持つ。また、造孔材の選択により二酸化炭素の排出を減少またはゼロにすることができる。これによって環境負荷を低減できる。
セラミックス多孔体の気孔率はArchimedes法により求めた。
微細構造観察は次のように行った。多孔質アルミナセラミックスを押出方向に垂直に切断した面を#8000の研磨材で鏡面研磨したサンプルと、押出方向に平行に切断したサンプルを洗浄乾燥後、イオンコーター(JFC-1300、日本電子)を用いて白金蒸着し、走査型電子顕微鏡(JSM-5310、日本電子)により、加速電圧20kVで微構造観察した。
水銀圧入法による孔径分布測定は、水銀ポロシメーター(Pascal 140 and Pascal 240、 CE Instruments、 Italy)を用いて測定した。測定条件は、最大圧(Max pressure)200MPa、加圧速度(Pressure increasing rate)4 MPa/min、除圧速度(Pressure decreasing rate)8 MPa/min、接触角(Contact angle)141.3°、水銀表面張力(Hg surface tension)0.48N/m、水銀密度(Hg density)13.5g/cmとした。
流体透過率は次の方法により測定した。10mmφのサンプルを20mmφの樹脂に埋め込み、ダイヤモンドカッターで厚さを約1.5mmに加工し、装置中央部にセットした。装置の左手からNガスを導入し、気体導入時の圧力Pと気体離脱時の圧力Pの差ΔPと、そのときの流量Qを測定し、差圧と流量の関係を調査した。また、Darcy則から流体透過率μを求めた。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。なお、体積%は、セラミックス原料の体積をVs、造孔材の体積をVpとしたとき、Vp/(Vs+Vp)×100で定義される。質量%はアルミナ粉末を100質量%にしたときの値である。
[実施例1]
セラミックス原料として高純度アルミナ粉末(AHP−200、日本軽金属社製、平均粒径:0.5μm、真密度:3.98g/cm)100質量部に、造孔材として酢酸ビニル樹脂(アルドリッチ社製、公称分子量:12800、真密度:1.19g/cm)10体積%、メチルセルロース(SM−4000、信越化学工業社製)4質量%と分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム(セルナD−305、中京油脂株式会社製)0.8質量%、潤滑剤としてオレイン酸8質量%および蒸留水25質量%を添加し、遊星ホモジナイザーにて10分間混練し、ペーストを得た。このとき粉末同士の摩擦でペーストは約60℃まで発熱し、酢酸ビニル樹脂が融解・分散する。得られたペーストを30℃まで冷却し、その後、横型ピストン式押出成形機(胴部内径:30mm、口金部内径:10mm)を用いて、10mmφの円柱に成形した。得られた成形体を室温にて24時間乾燥したのち、600℃で1 時間仮焼後、1500℃で2時間焼成して試料1を得た。
[実施例2]
造孔材として酢酸ビニル樹脂の量を20体積%とした他は実施例1と同様にして試料2を得た。
[実施例3]
造孔材として酢酸ビニル樹脂の量を30体積%とした他は実施例1と同様にして試料3を得た。
[実施例4]
造孔材として酢酸ビニル樹脂の量を40体積%とした他は実施例1と同様にして試料4を得た。
得られた試料の気孔率はそれぞれ、試料1が16%、試料2が26%、試料3が29%、試料4が40%であった。一方、水銀圧入法による孔径分布測定結果を図3に示す。水銀圧入法による孔径分布測定では約0.4μmの気孔直径に鋭いピークが観察された。焼成体を押出方向に平行に切断した断面のSEM写真を図4に、焼成体を押出方向に垂直に切断した断面のSEM写真を図5に示す。平行に切断した断面から観察したSEM写真では、スリット状の気孔が多数観察された。垂直に切断した断面にはホール状の気孔が観察された。気孔の平均直径は0.4μmで、水銀圧入法による孔径分布測定結果によく一致した。このことから、造孔材によって導入された気孔が押出方向に伸張していることが確認された。図6はセラミックス多孔体の気孔率と流体透過率の関係を示す図である。気孔率が16%から40%まで高くなるのに伴い、流体透過率は2.8×10−15から6.3×10−13に上昇した。
本発明によれば、特に材料を限定することなく一方向に配列し、内径を任意に制御し、かつ単位断面積当たりの貫通孔を制御した多孔体を安価に製造することができる。したがって、流体透過性が高く分離特性に優れたフィルター、十分な強度を有しながら細胞が侵入しやすい人工骨、そのほか、水処理、触媒担持体等多様な方面へ応用が広がるものと期待される。
本発明の製造方法の概略図である。 押出成形機の図である。 セラミック多孔体の水銀圧入法による気孔径分布を示す図である。 セラミックス多孔体を押出方向に平行に切断した断面のSEM写真である。 セラミックス多孔体を押出方向に垂直に切断した断面のSEM写真である。 セラミックス多孔体の気孔率と流体透過率の関係を示す図である。

Claims (6)

  1. 押出成形または射出成形の工程を含む、セラミックス多孔体の製造方法において、
    セラミックススラリーまたはセラミックスペーストが造孔材を含む
    ことを特徴とするセラミックス多孔体の製造方法。
  2. 押出成形において、口金部の内径と胴部の内径の比率が2〜10である
    ことを特徴とする請求項1に記載のセラミックス多孔体の製造方法。
  3. 気孔直径が0.1〜100μmであるセラミックス多孔体。
  4. 流体透過性を有する請求項3に記載のセラミックス多孔体。
  5. 気孔率が16%で流体透過性がある請求項3記載のセラミックス多孔体。
  6. 流体透過率が2.8×10−15以上である請求項3に記載のセラミックス多孔体。
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