JP2014227314A - 周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法 - Google Patents

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浩平 久保田
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雄也 齋藤
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裕文 長岡
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Abstract

【課題】長時間の連続成長が可能であり、均質な周期表第13族金属窒化物多結晶を効率よく製造することができる。【解決手段】反応容器内においてハイドライド気相成長法を用いて周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる際に、下記式(1)を満足するように結晶成長を制御する。W/Hmax≧0.85 ・・・(1)(ただし、Hmaxは成長した周期表第13族金属窒化物多結晶の析出高さ分布における最大高さを表し、Wはその半値全幅を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法に関する。より詳細には、効率的に周期表第13族金属窒化物多結晶を成長させることができる方法に関する。
窒化ガリウム(GaN)に代表される周期表第13族金属窒化物は、大きなバンドギャップを有し、さらにバンド間遷移が直接遷移型であることから、紫外、青色等の発光ダイオードや半導体レーザー等の比較的短波長側の発光素子として実用化されている。これらの素子は、同種の材料からなる高品質な基板(自立基板)を用いて製造されることが好ましく、このような基板となり得る周期表第13族金属窒化物バルク結晶の製造技術が盛んに研究されている。代表的な製造方法として、ハイドライド気相成長法(HVPE法)や有機金属化学蒸着法(MOCVD法)等の気相成長法を利用したものが知られているが、最近ではフラックス法や超臨界溶媒を用いるアモノサーマル法等の液相成長法を利用した製造方法にも注目が集まっている。
また、これらの発光素子の発達に伴い、バルク結晶のみならず、周期表第13族金属窒化物多結晶の用途についても広がりを見せており、例えば周期表第13族金属窒化物バルク結晶を得るための原料として利用することができることが知られている。例えばアモノサーマル法を利用して窒化ガリウムのバルク結晶を製造する場合、金属ガリウム或いは単結晶や多結晶の窒化ガリウムを原料として利用することができるが、特に安全性及び生産性の観点から、多結晶窒化ガリウムが好適に用いられている。
そのため、多結晶窒化ガリウムを製造するための製造方法の検討も進められており、例えばコンテナに金属ガリウムを入れ、金属ガリウムと窒素源ガスを接触させて窒化ガリウムを得る方法や(特許文献1参照)、窒化ガリウム微結晶核を生成させ、さらに微結晶核上でハロゲン化ガリウムとアンモニアガスとを反応させて窒化ガリウム粉体を製造する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2006−083055号公報 特開2003−063810号公報
周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法について本発明者らが鋭意検討したところ、周期表第13族金属窒化物単結晶と比較して、多結晶はその析出速度が圧倒的に速いという新たな事実を見出した。特に、多結晶を効率良く生産すべく長時間の連続成長を実施したところ、単に単結晶の成長条件と同様の条件を採用しただけでは、多結晶の析出速度が速いことに起因してごく短時間の成長でも、多結晶が原料ガス供給用ノズルに代表される反応容器内の部材近傍にまで到達してしまい、それ以上の連続成長が困難となるという新たな課題が存在することを見出した。また、このように部材近傍において成長した多結晶は、それ以外のところに成長した多結晶とは品質が異なるものとなる場合があるという新たな課題が存在することも見出した。
そこで本発明は、長時間の連続成長が可能で、均質な結晶を効率よく製造することができる周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するべく本発明者らが鋭意検討を行なった結果、析出高さ分布が所定のものとなるように制御して周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長することで、長時間の連続成長が可能となり、効率よく周期表第13族金属窒化物多結晶を製造することができることを見出した。すなわち、課題を解決する手段として、以下の本発明を提供するに至った。
[1] 反応容器内においてハイドライド気相成長法を用いて周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる成長工程を含む周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法であって、前記成長工程において、下記式(1)を満足するように結晶成長を制御することを特徴とする周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
W/Hmax≧0.85 ・・・(1)
(ただし、Hmaxは成長した周期表第13族金属窒化物多結晶の析出高さ分布における最大高さを表し、Wはその半値全幅を表す。)
[2] 反応容器内においてハイドライド気相成長法を用いて周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる成長工程を含む周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法であって、前記成長工程において、下記式(2)を満足するように結晶成長を制御することを特徴とする周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
min/Hmax≧0.09 ・・・(2)
(ただし、Hminは成長した周期表第13族金属窒化物多結晶の析出高さ分布における最小高さを表し、Hmaxはその最大高さを表す。)
[3] 前記成長工程において、周期表第13族金属原料ガス供給用ノズルから周期表第13族金属原料ガスを前記反応容器内に供給し、かつ、析出構造体を回転させながらその上に周期表第13族金属窒化物多結晶を析出させることを特徴とする[1]又は[2]に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
[4] 前記成長工程において、前記周期表第13族金属原料ガス供給用ノズルの供給口の中心軸と、前記析出構造体の回転軸との最短距離を5mm以上離間することを特徴とする[3]に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
[5] 前記成長工程において、複数の周期表第13族金属原料ガス供給用ノズルから周期表第13族金属原料ガスを前記反応容器内に供給することを特徴とする[3]又は[4]に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
[6] 前記成長工程において、前記周期表第13族金属原料ガス供給用ノズルの供給口の最大長さを、前記析出構造体の最大長さの0.1倍以上とすることを特徴とする[3]〜[5]のいずれかに記載の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
[7] 前記成長工程において、前記析出構造体上に設置した種結晶の上に、周期表第13族金属窒化物多結晶を析出させることを特徴とする[3]〜[6]のいずれかに記載の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
本発明の製造方法によれば、長時間の連続成長が可能であり、均質な周期表第13族金属窒化物多結晶を効率よく製造することができる。
周期表第13族金属窒化物多結晶の模式図である。(a)は上面観察図、(b)は側断面観察図である。 本発明に係る成長工程に使用する結晶成長装置の概念図である。
以下において、本発明の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。
なお、本願において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法]
第1の態様に係る本発明の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法は、「反応容器内においてハイドライド気相成長法を用いて周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる成長工程を含む」ものであって、「成長工程において、下記式(1)を満足するように結晶成長を制御する」ことを特徴とする。
W/Hmax≧0.85 ・・・(1)
(ただし、Hmaxは成長した周期表第13族金属窒化物多結晶の析出高さ分布における最大高さを表し、Wはその半値全幅を表す。)
また、第2の態様に係る本発明の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法は、「反応容器内においてハイドライド気相成長法を用いて周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる成長工程を含む」ものであって、「成長工程において、下記式(2)を満足するように結晶成長を制御する」ことを特徴とする。
min/Hmax≧0.09 ・・・(2)
(ただし、Hminは成長した周期表第13族金属窒化物多結晶の析出高さ分布における最小高さを表し、Hmaxはその最大高さを表す。)
本発明者らが効率的な周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法を求めて検討を進めたところ、結晶成長の方法としてハイドライド気相成長法を採用した場合には、単結晶を成長させる場合に比較して多結晶を成長させる場合にはその析出速度が10倍以上速いという事実を新たに見出した。そのことに起因して、単に単結晶の成長条件と同様の条件を採用しただけでは、ごく短時間の成長でも多結晶が原料ガス供給用ノズルに代表される反応容器内の部材近傍にまで到達してしまい、それ以上の連続成長が困難となるという課題が存在することを新たに見出した。また、このように部材近傍において成長した多結晶は、原料ガスの混合が不十分な状態において成長したものとなる場合があり、それ以外のところに成長した多結晶とは品質が異なるものとなることがあるという新たな課題が存在することも見出した。
そこで、ハイドライド気相成長法を採用した場合であっても、長時間の連続成長が可能な方法を求めて検討を重ねた結果、前記式(1)及び/又は(2)を満足するように結晶成長を制御することにより、成長した多結晶の反応容器内の部材近傍への到達を抑制することができ、より長時間の連続成長が可能となり、得られる結晶品質も均一となることを見出した。かかる製造方法は、特に周期表第13族金属窒化物バルク結晶を得るための結晶成長法に使用する原料に好適な周期表第13族金属窒化物多結晶を製造することができ、周期表第13族金属窒化物バルク結晶のコスト低減に繋がる優れた技術である。
(成長工程)
本発明の製造方法に係る成長工程は、「反応容器内においてハイドライド気相成長法を用いて周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる」工程である。
成長させる周期表第13族金属窒化物の種類ついては特に限定されないが、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)等の1種類の周期表第13族金属を構成元素として含む窒化物のほか、窒化ガリウム・インジウム(GaInN)、窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)等の2種類以上の周期表第13族
金属を構成元素として含む窒化物(混晶)であってもよい。
ハイドライド気相成長法とは、周期表第13族金属のハロゲン化物を周期表第13族金属原料ガスとして用いる結晶成長方法であり、通常、周期表第13族金属原料ガスと窒素含有ガスとを気相中で反応させて周期表第13族金属窒化物を結晶成長させる方法であり、結晶成長速度が速いことから効率的に周期表第13族金属窒化物多結晶を得ることができる傾向がある。成長条件については特に限定されないが、例えば後述の条件を好適に採用することができる。
前述の通り、第1の態様に係る本発明の製造方法は、成長工程において、下記式(1)を満足するように結晶成長を制御することを特徴とする。
W/Hmax≧0.85 ・・・(1)
(ただし、Hmaxは成長した周期表第13族金属窒化物多結晶の析出高さ分布における最大高さを表し、Wはその半値全幅を表す。)
W/Hmaxは0.85以上であるが、1.0以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましく、また、通常10以下である。前記下限値以上とすることで反応容器内の空間を有効活用することができ、長時間の連続成長が可能となることで、効率的に周期表第13族金属窒化物多結晶を製造することができる傾向がある。
一方で、第2の態様に係る本発明の製造方法は、成長工程において、下記式(2)を満足するように結晶成長を制御することを特徴とする。
min/Hmax≧0.09 ・・・(2)
(ただし、Hminは成長した周期表第13族金属窒化物多結晶の析出高さ分布における最小高さを表し、Hmaxはその最大高さを表す。)
mix/Hmaxは0.09以上であるが、0.1以上であることが好ましく、0.15以上であることがより好ましく、0.2以上であることがさらに好ましく、また、通常1以下である。前記下限値以上とすることで反応容器内の空間を有効活用することができ、長時間の連続成長が可能となることで、効率的に周期表第13族金属窒化物多結晶を製造することができる傾向がある。
本発明の製造方法は、前記式(1)と前記式(2)の少なくともいずれか1つを満足するように結晶成長を制御するものであるが、前記式(1)と前記式(2)の両者を満足するように結晶成長を制御するものであることが好ましい。
また、Hmaxの値は特に限定されないが、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましく、20mm以上であることがさらに好ましく、通常、1000mm以下である。前記下限値以上とすることで1回の成長工程における周期表第13族金属窒化物多結晶の合成量を増加することができる傾向がある。
さらに、Hminの値は特に限定されないが、1mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましく、5mm以上であることがさらに好ましく、通常、1000mm以下である。前記下限値以上とすることで反応容器内の空間を有効活用することができる傾向がある。
また、Wの値は特に限定されないが、20mm以上であることが好ましく、30mm以上であることがより好ましく、50mm以上であることがさらに好ましく、通常、3000mm以下である。前記下限値以上とすることで反応容器内の空間を有効活用することができる傾向がある。
なお、本明細書において、Hmax、Hmin、Wの単位はmmとする。
なお、前記式(1)及び(2)における析出高さ分布は、以下のように測定することが
できる。まず図1(a)のように、結晶成長させた周期表第13族金属窒化物多結晶1を、周期表第13族金属原料ガス供給ノズルからガスの供給方向に向かって観察した際の上面図において、10mm×10mmごとに測定区間2を設定する。次に、測定区間2ごとに、区間内における周期表第13族金属窒化物多結晶1の最大高さ3を測定し、それを区間ごとに比較して全区間における高さの最大値(Hmax)と最小値(Hmin)を求め、その上でHmaxとHminを含む側断面における高さの分布を比較することで、図1(b)のように析出高さ分布のグラフ(棒グラフ)を得ることができる。ただし、区間内における周期表第13族金属窒化物多結晶の最大高さの測定起点は、区間内における析出構造体の最大高さとする。また、全区間における高さの最小値(Hmin)はゼロを含まないものとする。なお、(i)周期表第13族金属窒化物多結晶を析出させるための析出構造体を回転させる、及び/又は(ii)周期表第13族金属原料ガス供給ノズルの位置を析出構造体の中心に対して偏心回転させる場合には、周期表第13族金属窒化物多結晶1の中心を含む任意の側断面における高さの分布を比較することで析出高さ分布のグラフ(棒グラフ)を得て、そのグラフにおける最大値と最小値をそれぞれHmaxとHminとすることができる。また、半値全幅Wは析出高さ分布のグラフ(棒グラフ)から求めることができ、例えば図3(b)のようにグラフが山型形状の場合には、高さがHmaxの半値に最も近い棒を、山の頂点となる棒を挟んで1つずつ選択し、その2つの棒の距離(2つの棒の中心線同士を結ぶ線分の最短距離)を半値全幅Wとすることができる。
また、成長した周期表第13族金属窒化物多結晶の析出高さ分布の形状は特に限定されないが、凸状であることが好ましい。なお、凸状であるとは、析出高さ分布のグラフ(棒グラフ)においてHmaxがHminよりもグラフの中心側に存在する形状を意味する。さらに、凸状である場合においてその析出高さ分布のグラフ(棒グラフ)が、Hmaxとなる棒を挟んで左端及び右端に向かって高さが連続的に減少するものであることが好ましい。
前記式(1)と前記式(2)のいずれかを満足するように結晶成長を制御する具体的な方法については特に限定されないが、例えば、周期表第13族金属原料ガス供給用ノズルの位置、周期表第13族金属原料ガス供給用ノズルの形状や数、析出構造体の位置、析出構造体の形状、周期表第13族金属原料ガスの供給条件のいずれかを適宜調整する他、これらを組み合わせて適宜調整する方法が挙げられる。具体的な個々の条件としては以下のものが例示される。
周期表第13族金属原料ガス供給用ノズルの形状については特に限定されないが、供給口の最大長さが10mm以上であることが好ましく、15mm以上であることがより好ましく、20mm以上であることがさらに好ましく、通常、300mm以下である。前記下限値以上とすることで析出構造体上に効率的に周期表第13族金属原料ガスを供給することができる傾向がある。また、供給口の最大長さを析出構造体の最大長さの0.1倍以上とすることが好ましく、0.15倍以上とすることが好ましく、0.2倍以上とすることがより好ましく、通常、1倍以下である。前記下限値以上とすることで析出構造体上に効率的に周期表第13族金属原料ガスを供給することができる傾向がある。周期表第13族金属原料ガス供給用ノズルの供給口とは、反応容器内にガスを供給するためのノズルの開口部を意味する。なお、供給口の最大長さとは、供給口の形状が円形の場合にはその直径を指し、楕円形の場合には長径を指し、リング状の場合には外円の直径を指す。
周期表第13族金属原料ガス供給用ノズルの供給口の数については特に限定されないが、通常1以上、好ましくは2以上であり、通常10以下である。供給口を2以上とする手段についても特に限定されないが、供給ノズルを2以上用いる他、1つの供給ノズルを分岐させて供給口を2以上とすることなどが挙げられる。前記下限値以上とすることで析出構造体上に効率的に周期表第13族金属原料ガスを供給することができる傾向がある。
周期表第13族金属原料ガス供給用ノズルと、析出構造体との最短距離については特に限定されないが、20mm以上であることが好ましく、30mm以上であることがより好ましく、50mm以上であることがさらに好ましく、通常、1m以下である。前記下限値以上とすることで1回の成長工程における周期表第13族金属窒化物多結晶の合成量を増加することができる傾向がある。
さらに、析出構造体を回転させながらその上に周期表第13族金属窒化物多結晶を析出させてもよい。回転させる際のその回転速度は0.1rpm以上であることが好ましく、0.5rpm以上であることがより好ましく、また、1rpm以下であることが好ましく、100rpm以下であることがより好ましい。
析出構造体を回転させる際には、その回転軸と、周期表第13族金属原料ガス供給ノズルの供給口の中心軸との最短距離を5mm以上離間することが好ましく、10mm以上離間することがより好ましく、20mm以上離間することがさらに好ましい。前記下限値以上とすることで析出構造体上に効率的に周期表第13族金属原料ガスを供給することができる傾向がある。
また、析出構造体の最大長さは特に限定されないが、10mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがより好ましく、30mm以上であることがさらに好ましく、通常3mm以下である。前記下限値以上とすることで反応容器内の空間を有効活用することができる傾向がある。
さらに、反応容器に供給する周期表第13族金属原料ガスの供給速度については何ら限定されないが、10cc/min以上であることが好ましく、20cc/min以上であることがより好ましく、50cc/min以上であることがさらに好ましく、また、30L/min以下であることが好ましく、20L/min以下であることがより好ましく、10L/min以下であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることで周期表第13族金属窒化物多結晶の合成速度を効率的に増加することができる傾向があり、前記上限値以下とすることで周期表第13族金属窒化物多結晶の収率を低下させることなく周期表第13族金属窒化物多結晶を合成することができる傾向がある。
また、析出構造体上に種結晶を設置し、該種結晶の上に周期表第13族金属窒化物多結晶を析出させてもよい。種結晶の種類については何ら限定されないが、成長させる周期表第13族金属窒化物多結晶と同種の周期表第13族金属窒化物多結晶であることが好ましい。種結晶を用いることで周期表第13族金属窒化物多結晶の収率を増加することができる傾向がある。なお、析出構造体上に種結晶を設置した場合には、測定区間内における成長させた周期表第13族金属窒化物多結晶の最大高さの測定起点は、区間内における種結晶の最大高さとする。
さらに、種結晶として周期表第13族金属窒化物多結晶を用いる場合、該種結晶は周期表第13族金属窒化物の微結晶(一次粒子)が結合してなる構造を有する多結晶体(二次粒子)及びその凝集体(三次粒子)であることが好ましい。なお、一次粒子はナノ単位の単結晶を意味しており、これらの単結晶が互いに凝集・結合して多結晶である二次粒子を構成する。通常、一次粒子は互いに結合して一体化しているため粒子として判別することができない。
本発明において、粒子径等の種結晶の物性は特に限定されないが、種結晶である周期表第13族金属窒化物多結晶の二次粒子径は、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが好ましく、また、20mm以下であることが好ましく、15mm以下であることがより好ましく、10mm以下であ
ることがさらに好ましい。また、種結晶として二次粒子の凝集体(三次粒子)を用いる場合、三次粒子を適宜粉砕して使用することが好ましい。三次粒子の粒子径は1mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましく、10mm以上であることがさらに好ましい。上記範囲内であれば、アモノサーマル法等の結晶成長法に使用する原料に好適な周期表第13族金属窒化物多結晶を製造することができる傾向がある。なお、周期表第13族金属窒化物多結晶の二次粒子径は、例えば光学顕微鏡観察を利用した画像解析等によって測定することができる。また、三次粒子の粒子径は、例えばノギスや物差し等により計測することができる。
また、種結晶の設置量については特に限定されないが、種結晶の比表面積として、500cm−1以上であることが好ましく、1000cm−1であることがより好ましく、3000cm−1であることがさらに好ましく、また、通常100000cm−1以下である。前記下限値以上とすることで周期表第13族金属窒化物多結晶を効率よく製造することができる傾向がある。なお、種結晶の比表面積は、例えば不活性気体の低温物理吸着を利用したBET法で測定することができる。
以下、本発明に係る成長工程の詳細を説明するに当たり、周期表第13族金属原料ガスと窒素含有ガスとを反応させて周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる気相成長法の場合の結晶成長装置及び成長条件の具体例を挙げて説明するが、以下の態様に限定されるものではない。
図2に示される結晶成長装置は、気相成長法に利用することができる一般的な装置であり、反応容器100、反応容器内にガスを導入するための導入管101〜105、周期表第13族金属源等を入れるリザーバー106、排気するための排気管109、反応容器を加熱するためのヒーター107、析出構造体108を備えている。なお、導入管の数は、使用するガスの種類に応じて適宜変更してもよい。また、反応容器の材質は、石英、焼結体窒化ホウ素、ステンレス等が用いられるが、特に石英であることが好ましい。
周期表第13族金属原料ガスは、成長工程の条件下において気体であり、周期表第13族金属を構成元素として含む化合物(単体も含む)であれば具体的な種類は特に限定されず、目的とする周期表第13族金属窒化物多結晶に応じて適宜選択することができる。例えば、周期表第13族金属のハロゲン化物(一塩化ガリウム(GaCl)、三塩化ガリウム(GaCl)、一塩化アルミニウム(AlCl)、三塩化アルミニウム(AlCl)臭化ガリウム(GaBr))等が挙げられる。
窒素含有ガスは、成長工程の条件下において気体であり、窒素を構成元素として含む化合物(単体を含む)であれば具体的な種類は限定されないが、アンモニアガス(NH)等が挙げられる。
周期表第13族金属原料ガス及び窒素含有ガスのほか、目的に応じて水素ガス(H)、窒素ガス(N)、ヘリウムガス(He)、ネオンガス(Ne)、アルゴンガス(Ar)等のキャリアガスを使用することができる。
周期表第13族金属原料ガスは、リザーバー106内に周期表第13族金属を入れ、導入管103から周期表第13族金属と反応するガスを供給することにより発生させ、供給することができる。例えば、リザーバー内に金属ガリウム(Ga)を入れ、導入管103から塩化水素ガス(HCl)を供給することにより、塩化ガリウム(GaCl)を供給することができる。なお、導入管103からは塩化水素(HCl)とともにキャリアガスを供給してもよい。また、窒素含有ガス、キャリアガス等は導入管101、102、104、105から供給することができる。
排気管は、反応容器内壁の上面、底面、側面の何れの位置に存在してもよいが、ゴミ落ちの観点から結晶成長端よりも下部にあることが好ましく、図2のように反応容器底面に設置されていることがより好ましい。
本発明に係る成長工程における成長条件(温度、圧力、周期表第13族金属原料ガス等の供給量、結晶成長時間)は、成長方法等に応じて適宜設定すべきものであるが、気相成長法により周期表第13族金属窒化物多結晶を成長させる場合の具体例を以下に挙げる。
温度条件(反応容器内温度)は、通常950℃以上、好ましくは970℃以上、より好ましくは980℃以上であり、通常1200℃以下、好ましくは1100℃以下、より好ましくは1050℃以下である。
圧力条件(反応容器内圧力)は、通常10kPa以上、好ましくは30kPa以上、より好ましくは50kPa以上であり、通常200kPa以下、好ましくは150kPa以下、より好ましくは120kPa以下である。
周期表第13族金属原料ガスの体積分率(反応容器内を満たす全ガス体積に対する分率)は、塩化ガリウムガス(GaCl)を使用する場合、通常0.5vol%以上、好ましくは1vol%以上、より好ましくは3vol%以上であり、通常30vol%以下、好ましくは15vol%以下、より好ましくは10vol%以下である。
窒素含有ガスの体積分率(反応容器内を満たす全ガス体積に対する分率)は、アンモニアガス(NH)を使用する場合、通常5vol%以上、好ましくは10vol%以上、より好ましくは30vol%以上であり、通常95vol%以下、好ましくは90vol%以下、より好ましくは80vol%以下である。
気相成長法を用いて窒化ガリウム多結晶を成長する場合、キャリアガスとして水素ガス(H)、窒素ガス(N)、ヘリウムガス(He)、ネオンガス(Ne)、アルゴンガス(Ar)等を適宜用いることができるが、水素ガス(H)をキャリアガスとして用いる場合、その水素ガスの使用比率を下げることにより、後述のガリウム利用効率を上げることが可能である。この場合、水素ガス(H)の代わりに他の不活性ガスをキャリアガスとして用いることが好ましい。水素ガス(H)の体積分率(反応容器内を満たす全ガス体積に対する分率)は、50vol%以下にすることが好ましく、30vol%以下にすることがより好ましく、10vol%以下にすることがさらに好ましい。また、水素ガス(H)の代わりに用いる不活性ガスとしては、コストの観点から窒素ガス(N)が好ましい。
結晶成長時間は、目的とする周期表第13族金属窒化物多結晶の量等に応じて適宜設定するべきものであるが、通常10分以上、好ましくは30分以上、より好ましくは1時間以上であり、さらに好ましくは10時間以上であり、通常300時間以下、好ましくは150時間以下、より好ましくは100時間以下である。上記範囲内であれば、アモノサーマル法等の結晶成長法に使用する原料に特に好適な周期表第13族金属窒化物多結晶を製造することができる。
周期表第13族金属窒化物多結晶の合成速度については特に限定されないが、1g/hr以上であることが好ましく、5g/hr以上であることがより好ましく、10g/hr以上であることがさらに好ましく、通常、1kg/hr以下である。前記下限値以上とすることで効率的に周期表第13族金属窒化物多結晶を製造することができる傾向がある。
本発明の製造方法は、前述の成長工程を含むものであればその他については特に限定されず、例えば得られた周期表第13族金属窒化物多結晶から金属状態の周期表第13族金属を除去する除去工程等の別の工程を含むものであってもよい。金属状態の周期表第13族金属は酸化物を形成し易く、酸素等を取り込むことにもなるため、金属状態の周期表第13族金属を除去することは、金属状態の周期表第13族金属のみならず、酸素等の不純
物の混入も抑制する極めて有効な手段となり得る。従って、不純物含有量が少ないことが要求される用途に使用する場合には、金属状態の周期表第13族金属を除去する除去工程を含むことが好ましい。
金属状態の周期表第13族金属を除去する具体的な方法は特に限定されないが、得られた周期表第13族金属窒化物多結晶を硝酸(HNO)等の酸水溶液で洗浄する方法、或いは得られた周期表第13族金属窒化物多結晶にハロゲン含有ガスを接触させる方法等が挙げられる。操作が簡便であり除去工程で使用する化合物の残留が少ないことからハロゲン含有ガスを接触させて金属状態の周期表第13族金属を除去することが好ましい。
なお、ハロゲン含有ガスとは、除去工程の条件下において気体であるハロゲン原子を構成元素として含む化合物(単体も含む)を意味するものであり、具体的には塩素ガス(Cl)、臭素ガス(Br)等のハロゲンガス、塩化水素ガス(HCl)、臭化水素ガス(HBr)等のハロゲン化水素ガスが挙げられる。
ハロゲン含有ガスを接触させて金属状態の周期表第13族金属を除去する場合の温度条件は特に限定されないが、通常200℃以上、好ましくは350℃以上、より好ましくは450℃以上であり、通常1100℃以下、好ましくは900℃以下、より好ましくは750℃以下である。
ハロゲン含有ガスを接触させて金属状態の周期表第13族金属を除去する場合の圧力条件は、周期表第13族金属窒化物多結晶の量やその他の条件に応じて適宜設定するべきものであるが、反応室内の圧力を常圧(101.3kPa)とする場合のハロゲン含有ガスの分圧として、通常1.013kPa以上、好ましくは5.066kPa以上、より好ましくは10.13kPa以上であり、通常101.3kPa以下、好ましくは81.06kPa以下、より好ましくは50.66kPa以下である。
本発明の製造方法によって製造される周期表第13族金属窒化物多結晶の用途は特に限定されず、結晶性の高い結晶や単結晶体でない周期表第13族金属窒化物多結晶を使用することができる用途に幅広く適用することができる。周期表第13族金属窒化物バルク結晶の結晶成長用原料として好適に利用することができ、液相成長用原料(アモノサーマル法も含む。)として特に好適に利用することができる。
本発明の製造方法によって製造される周期表第13族金属窒化物多結晶の物性等は特に限定されないが、周期表第13族金属窒化物多結晶の安息角は通常45°未満、好ましくは40°以下であり、通常25°以上である。上記範囲内であれば、例えばアモノサーマル法用の原料として該窒化物多結晶を用いる場合、単結晶成長用の反応容器に充填した際に窒化物多結晶の形状や大きさなどによって適度な摩擦が生じ窒化物多結晶間に適度な空間が形成されることで、溶媒との接触効率が向上し溶媒への原料溶解が促進される等の利点がある。なお、周期表第13族金属窒化物多結晶の安息角は、例えば周期表第13族金属窒化物多結晶を所定の粒子径になるまで粉砕し、これを水平な床の上に落下させて円錐状に積み上げ、分度器を使用することによって、安息角(円錐斜面と水平面のなす角度)を測定することができる。
本発明の製造方法によって製造される周期表第13族金属窒化物多結晶の物性等は特に限定されないが、周期表第13族金属窒化物多結晶の嵩密度は、通常0.7g/cm以上、好ましくは0.9g/cm以上、より好ましくは1.1g/cm以上、さらに好ましくは2.0g/cm以上、特に好ましくは2.5g/cm以上であり、通常4.5g/cm以下、好ましくは4.0g/cm以下、より好ましくは3.0g/cm以下である。上記範囲内であれば、例えばアモノサーマル法用の原料として該窒化物多結晶を用いる場合、該窒化物多結晶間に適度な空間が形成されることで、溶媒との接触効率
が向上し溶媒への原料溶解が促進され、かつ窒化物多結晶の反応容器に対する充填率も低下し過ぎないため適度な生産性を確保できる等の利点がある。なお、周期表第13族金属窒化物多結晶の嵩密度は、例えば周期表第13族金属窒化物多結晶を所定の容器に充填し、(周期表第13族金属窒化物多結晶の質量)/(容器の内容積)によって計算することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
(1)内径30mmの円筒状の塩化ガリウム供給用ノズルを1つ取り付けた石英反応容器内に、サセプターの中心軸が塩化ガリウム供給用ノズルの中心軸と一致するように直径230mmの円盤状のサセプターを設置し、サセプター上に種結晶(窒化ガリウム多結晶)1.4kgを厚みが約1cmとなるように並べた。
(2)反応容器上部(ガリウムリザーバー)に消費量に相当するガリウム融液を充填し、反応容器内部に不活性ガスを反応容器内の酸素を除去するために十分な時間流通させた。
(3)サセプターを1rpmで回転させ、反応容器を昇温し、内温が窒化ガリウム合成
温度まで到達したところで、ガリウムリザーバーへ91vol%の塩化水素ガス(100vol%Hキャリアガスで希釈)を、また反応容器内に設置された種結晶の直上に92vol%のアンモニアガス(100vol%Hキャリアガスで希釈)をそれぞれ流通させ、アンモニアガスとガリウムリザーバーから塩化ガリウム供給用ノズルを介して種結晶直上に供給される塩化ガリウムガスとの物質量比を12:1となるように流量を制御しながら、種結晶上で窒化ガリウム多結晶を27時間合成した。なお、合成を実施している際には、生成した塩化ガリウムの逆反応による分解を防止するために、9vol%の塩化水素ガス(100vol%Nキャリアガスで希釈)を単独ラインから種結晶上へ供給した。
(4)充填したガリウム量に見合う量の塩化水素ガスを流通した後、塩化水素ガスの供給を停止して反応容器の加熱を停止し、冷却を開始した。その際、高温での窒化ガリウム多結晶の分解抑制のために、合成温度から400℃までの間、アンモニアガスを反応容器内に流通し続けた。
(5)冷却完了後、反応容器内に不活性ガスを所定時間流通し、反応容器内から合成した窒化ガリウム多結晶を保持しているサセプターを取り出した。得られた窒化ガリウム多結晶はサセプターの中心軸を中心とした同心円状の山型形状となっており、その析出高さ分布を水平方向から観察し測定したところ、析出高さ分布の半値全幅Wを析出高さ分布の最大値Hmaxで割った値W/Hmaxは1.25であった。また、析出高さ分布の最小値Hminを析出高さ分布の最大値Hmaxで割った値Hmin/Hmaxは0.32であった。なお、得られた窒化ガリウム多結晶の総重量(種結晶除く)は4.5kgであった。また、析出高さ分布の測定間隔は10mmとした。
(6)また、後述の比較例よりも長時間の合成であるにも関わらず、サセプター上に析出した窒化ガリウム多結晶と塩化ガリウム供給ノズルの距離は50mm程度離れており、
合成した窒化ガリウム多結晶は粒度、色味ともに均一なものであった。さらに合成時間を伸ばすことで、窒化ガリウム多結晶の合成量増加が可能であることが示された。
ANSYS社製の汎用数値流体解析ソフトウェア「Fluent」を利用した、流動・反応シミュレーションを行った。同形状のガス供給ノズルや反応容器等をそれぞれモデル化し、採用したガス組成を境界条件として与え、サセプター上での窒化ガリウム多結晶の析出高さ分布等を算出した(ただし、シミュレーションでは窒化ガリウム種結晶は設置していない)。シミュレーションの結果、析出高さ分布の半値全幅Wを析出高さ分布の最大値Hmaxで割った値W/Hmaxは1.6、析出高さ分布の最小値Hminを析出高さ分布の最大値Hmaxで割った値Hmin/Hmaxは0.32であり、実測結果の傾向を再現する結果となった。
<比較例1>
内径7mmの円筒状の塩化ガリウム供給用ノズルを1つ用い、サセプター上には窒化ガリウム種結晶を設置せず、また反応容器昇温後に供給するガス組成と合成時間を以下に示す値とした以外は、実施例1と同様の方法で窒化ガリウム多結晶を合成した。
・ガリウムリザーバーへ77%のHClガスを供給(33%H/Nキャリアガスで希釈)
・サセプターへ48vol%のアンモニアガス(75%H/Nキャリアガスで希釈)を供給
・アンモニアガスとガリウムリザーバーからサセプター直上に供給される塩化ガリウムガスとの物質量比は11:1
・生成した塩化ガリウムの逆反応による分解を防止するために、3vol%の塩化水素ガス(100vol%Nキャリアガスで希釈)を供給
・合成時間は30hr
得られた窒化ガリウム多結晶はサセプターの中心軸を中心とした同心円状の円筒型に近い山型形状となっており、その析出高さ分布を水平方向から観察し測定したところ、析出高さ分布の半値全幅Wを析出高さ分布の最大値Hmaxで割った値W/Hmaxは0.56であった。また、析出高さ分布の最小値Hminを析出高さ分布の最大値Hmaxで割った値Hmin/Hmaxは0.066であった。なお、得られた窒化ガリウム多結晶の総重量は2.5kgであった。また、析出高さ分布の測定間隔は10mmとした。
また、サセプター上に析出した窒化ガリウム多結晶は塩化ガリウム供給ノズル近傍(10mm未満の距離)まで到達しており、ノズル直下に位置していた窒化ガリウム多結晶の一部は原料ガスの混合不十分によって変色していた。以上より、比較例1の条件下では、内径7mmの塩化ガリウム供給用ノズルを用いる限りでは、合成時間をさらに伸ばして窒化ガリウム多結晶の合成量を増加させることは困難であることが示唆された。
ANSYS社製の汎用数値流体解析ソフトウェア「Fluent」を利用した、流動・反応シミュレーションを行った。同形状のガス供給ノズルや反応容器等をそれぞれモデル化し、採用したガス組成を境界条件として与え、サセプター上での窒化ガリウム多結晶の析出高さ分布等を算出した(ただし、シミュレーションでは窒化ガリウム種結晶は設置していない)。シミュレーションの結果、析出高さ分布の半値全幅Wを析出高さ分布の最大値Hmaxで割った値W/Hmaxは0.83、析出高さ分布の最小値Hminを析出高さ分布の最大値Hmaxで割った値Hmin/Hmaxは0.083であり、実測結果の傾向を再現する結果となった。
<実施例2>
比較例1と同じサイズ・形状の塩化ガリウム供給用ノズルを用いたケースにおいて、塩化ガリウム供給用ノズルの中心軸をサセプターの中心軸から1.5cm偏心させたこと以外は比較例1と同様の形状のものをモデル化し、比較例1と同様のガス組成を境界条件として与え、かつサセプターを回転させたシミュレーションを実施した。シミュレーション
の結果、析出高さ分布の半値全幅Wを析出高さ分布の最大値Hmaxで割った値W/Hmaxは1.33、析出高さ分布の最小値Hminを析出高さ分布の最大値Hmaxで割った値Hmin/Hmaxは0.092となり、ノズルを偏心化させることで比較例1よりも窒化ガリウム多結晶の析出高さ分布が改善することが確認された。
実施例1、実施例2及び比較例1の結果を表1に整理する。
Figure 2014227314
これらの結果から、W/Hmaxの値を所定範囲にする、及び/又は、Hmin/Hmaxの値を所定範囲にすることで、1回の合成において、均一な品質の窒化ガリウム多結晶を大量に合成することができる傾向があることがわかった。
1:周期表第13族金属窒化物多結晶
2:測定区間
3:析出構造体
100:反応容器
101〜105:導入管
106:リザーバー
107:ヒーター
108:析出構造体

Claims (7)

  1. 反応容器内においてハイドライド気相成長法を用いて周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる成長工程を含む周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法であって、
    前記成長工程において、下記式(1)を満足するように結晶成長を制御することを特徴とする周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
    W/Hmax≧0.85 ・・・(1)
    (ただし、Hmaxは成長した周期表第13族金属窒化物多結晶の析出高さ分布における最大高さを表し、Wはその半値全幅を表す。)
  2. 反応容器内においてハイドライド気相成長法を用いて周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる成長工程を含む周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法であって、
    前記成長工程において、下記式(2)を満足するように結晶成長を制御することを特徴とする周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
    min/Hmax≧0.09 ・・・(2)
    (ただし、Hminは成長した周期表第13族金属窒化物多結晶の析出高さ分布における最小高さを表し、Hmaxはその最大高さを表す。)
  3. 前記成長工程において、周期表第13族金属原料含有ガス供給用ノズルから周期表第13族金属含有ガスを前記反応容器内に供給し、かつ、析出構造体を回転させながらその上に周期表第13族金属窒化物多結晶を析出させることを特徴とする請求項1又は2に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
  4. 前記成長工程において、前記周期表第13族金属原料ガス供給用ノズルの供給口の中心軸と、前記析出構造体の回転軸との最短距離を5mm以上離間することを特徴とする請求項3に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
  5. 前記成長工程において、複数の周期表第13族金属原料ガス供給用ノズルから周期表第13族金属原料ガスを前記反応容器内に供給することを特徴とする請求項3又は4に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
  6. 前記成長工程において、前記周期表第13族金属原料ガス供給用ノズルの供給口の最大長さを、前記析出構造体の最大長さの0.1倍以上とすることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
  7. 前記成長工程において、前記析出構造体上に設置した種結晶の上に、周期表第13族金属窒化物多結晶を析出させることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法。
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