JP2014189426A - 周期表第13族金属窒化物多結晶およびそれを用いた周期表第13族金属窒化物単結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下であり、さらに細孔容積が0.1×10−3ml/g以上、0.1ml/g以下である周期表第13族金属窒化物多結晶を原料として反応容器に充填し、前記反応容器中で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて周期表第13族窒化物単結晶の成長を行う。
【選択図】なし
Description
特許文献4には、平均粒度が約0.01〜50μm の等軸結晶粒を含むGaN結晶を製造し、これを窒化物結晶の製造原料として用いることが記載されている。特許文献4の実施例1では、直径約1μm以下の多数の結晶粒と共に、直径約10〜20μmの結晶粒が幾つか製造されており、実施例2では直径約1〜3μmの多数の結晶粒とそれよりも若干大きい平滑な結晶粒が製造されている。
周期表第13族金属窒化物多結晶。
[2]細孔容積が0.1×10−3ml/g以上、0.1ml/g以下であることを特徴とする、周期表第13族金属窒化物多結晶。
[3]細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下である、[2]に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶。
[4]前記周期表第13族金属窒化物多結晶の粒子は、最大径が0.5mm以上である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶。
[5]前記周期表第13族金属窒化物多結晶の粒子は、最大径が100〜1000μmの2次粒子が凝集してなる、最大径が1〜120mmの3次粒子である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶。
[6][1]〜[5]のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶を原料として反応容器の原料充填領域に充填し、該反応容器中で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて周期表第13族窒化物単結晶の成長を行うことを特徴とする、周期表第13族窒化物単結晶の製造方法。
[7]前記窒化物結晶原料の溶解率が40%以上である、[6]に記載の周期表第13族窒化物単結晶の製造方法。
[8][7]または[8]に記載の周期表第13族窒化物単結晶の製造方法により製造されることを特徴とする、周期表第13族窒化物単結晶。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値
を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
まず、六方晶系の結晶構造の軸と面との関係について説明する。本明細書において種結晶または窒化物単結晶の「主面」とは、当該種結晶または窒化物単結晶における最も広い面であって、通常は結晶成長を行うべき面を指す。本明細書において「C面」とは、六方晶構造(ウルツ鋼型結晶構造)における{0001}面と等価な面であり、極性面である。例えば、(0001)面とその反対面である(000−1)面を指す。III族窒化物結晶(周期表第13族金属窒化物結晶)では、C面はIII族(第13族金属)面又は窒素面であり、窒化ガリウム(GaN)ではそれぞれGa面又はN面に相当する。また、本明細書において「M面」とは、{1−100}面、{01−10}面、[−1010]面、{−1100}面、{0−110}面、{10−10}面として包括的に表される非極性面であり、具体的には(1−100)面や、(01−10)面、(−1010)面、(−1100)面、(0−110)面、(10−10)面を意味する。さらに、本明細書において「A面」とは、{2−1−10}面、{−12−10}面、{−1−120}面、{−2110}面、{1−210}面、{11−20}面として包括的に表される非極性面である。具体的には(11−20)面や、(2−1−10)面、(−12−10)面、(−1−120)面、(−2110)面、(1−210)面、を意味する。本明細書において「c軸」「m軸」「a軸」とは、それぞれC面、M面、A面に垂直な軸を意味する。
なお、本明細書において、「ppm」と示す場合には重量ppmを意味する。
第1の発明の第13族窒化物多結晶(以下、第1の発明の多結晶とも言う)は、細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下であることを特徴とする。
まれた反応容器内領域をいう。なお、本明細書においてアモノサーマル法とは反応容器中で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて結晶成長を行う結晶成長方法と一致する。
原料として用いる第13族窒化物多結晶の細孔容積基準の平均細孔径が小さすぎると、第13族窒化物多結晶間および第13族窒化物多結晶内に生じる空間の体積が小さくなることにより、溶媒の対流が阻害され、結果として原料の溶解速度が低下する。このため、良質な成長結晶を生産性良く成長させることが困難になる。
第1の発明の多結晶の細孔容積基準の平均細孔径は、9μm以上とすることが好ましく、10μm以上とすることが好ましい。また細孔容積基準の平均細孔径を45μm以下とすることが好ましく、40μm以下とすることが好ましい。細孔容積基準の平均細孔径を上記範囲とすることで、溶媒の対流を阻害することなく、原料の溶解速度を向上させて、良質な結晶を効率良く成長させることができる。
第13族窒化物多結晶の細孔径は、多結晶の表面に存在する細孔の径のことであり、Hg圧入法による測定により求めることができる。本発明では細孔径をマイクロメリテックス社製オートポアIV9520型によるHg圧入法で測定した。Hg圧入法の圧力が低いとHgは測定サンプルの細孔に対して接触角が大きく細孔内へ進入しないが、圧力を徐々に高くする過程においてHgが細孔内に進入する。細孔径は、圧力を変化させる過程の圧力および物性値より以下のWashburnの式から求めることができる。
細孔径 D = −4γcosθ / P
γ:Hgの表面張力
θ:接触角
P:Hgの圧入圧力
第1の発明の多結晶は、後述するHVPE法などで製造することができる。このようにして得られ第13族窒化物多結晶について、細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下となるように以下の方法で調整することが好ましい。
第1の発明の多結晶の細孔容積基準の平均細孔径は、例えば使用する第13族窒化物多結晶の粒径、粒径分布、形状などを選択することにより制御することが可能である。例えば、第13族窒化物多結晶を細かく粉砕することで、第13族窒化物多結晶内に内包され
る微細な細孔を表面に出すことができ、小さな細孔の割合を増やすことで細孔容積基準の平均細孔径は小さくなる。逆に、粉砕せずに用いることで第13族窒化物多結晶内に内包される微細な細孔は表面に現れず、細孔容積基準の平均細孔径は大きくなる。
第2の発明の第13族窒化物多結晶(以下、第2の発明の多結晶とも言う)は、細孔容積が0.1×10−3ml/g以上、0.1ml/g以下であることを特徴とする。
第2の発明の多結晶はアモノサーマル法の原料として好適に用いることができる。これは、アモノサーマル法の原料として細孔容積が0.1×10−3ml/g以上、0.1ml/g以下の第13族窒化物多結晶を用いることにより、成長結晶のキャリア濃度を適切な範囲に制御することができる。
第2の発明の多結晶の細孔容積は0.1×10−3ml/g以上であって、0.5×10−3ml/g以上とすることが好ましく、1×10−3ml/g以上とすることがより好ましい。また細孔容積を0.1ml/g以下であって、0.5×10−1ml/g以下とすることが好ましい。細孔容積を上記範囲とすることで、不純物量を適切に制御した結晶を効率良く成長させることができる。
本明細書において細孔容積とは、第13族窒化物多結晶の表面に存在する細孔の容積の総和を意味する。細孔容積は一般的にはHg圧入法による測定により求めることが出来る。本発明では細孔容積をマイクロメリテックス社製オートポアIV9520型によるHg圧入法で測定した。Hg圧入法の圧力が低いとHgは測定サンプルの細孔に対して接触角が大きく細孔内へ進入しないが、圧力を徐々に高くする過程においてHgが細孔内に進入する。細孔容積は、圧力を上げた時に細孔へ進入したHgの体積の総和から求めることが出来る。
細孔径 D = −4γcosθ / P
γ:Hgの表面張力
θ:接触角
P:Hgの圧入圧力
第2の発明の多結晶は、後述するHVPE法などで製造することができる。このようにして得られた第13族窒化物多結晶について、細孔容積が0.1×10−3ml/g以上、0.1ml/g以下となるように以下の方法で調整することが好ましい。
第2の発明の多結晶の細孔容積は、例えば使用する第13族窒化物多結晶の粒径、粒径分布、形状などを選択することにより制御することが可能である。例えば、第13族窒化物多結晶を細かく粉砕することで、第13族窒化物多結晶内に内包される微細な細孔を表面に出すことができ、その結果細孔容積は大きくなる。逆に粉砕せずに用いることで第13族窒化物多結晶内に内包される微細な細孔は表面に現れず、細孔容積を小さくすることができる。
第1の発明および第2の発明の第13族窒化物多結晶(以下、総称して本発明の第13族窒化物多結晶と称する)に共通する特性について、以下に詳細に説明する。
本発明の第13族窒化物多結晶としては、周期表第13族金属の窒化物結晶(以下、第13族窒化物結晶と称する場合がある)であれば特に限定されないが、アモノサーマル法で第13族窒化物単結晶を成長させるための原料として用いる場合は、目的とする第13族窒化物単結晶と同じ周期表第13族金属を含む原料を用いることが好ましい。本発明の第13族窒化物多結晶は、完全な窒化物である必要はなく、条件によっては第13族原子がメタルの状態(ゼロ価)である金属成分を含有してもよい。例えば、結晶が窒化ガリウムである場合には、窒化ガリウムと金属ガリウムの混合物が挙げられる。第13族窒化物結晶の種類としては、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、AllnGaNなどを挙げることができる。好ましいのはGaN、AlN、AlGaN、AllnGaNであり、より好ましいのはGaNである。
本発明の第13族窒化物多結晶に含まれる水や酸素の量は、少ないことが好ましい。第13族窒化物多結晶中の酸素含有量は、通常は0.1重量%以下、特に好ましくは0.01重量%以下である。第13族窒化物多結晶への酸素の混入のしやすさは、水分との反応性または吸収能と関係がある。第13族窒化物多結晶の結晶性が悪いほど表面にNH基などの活性基が多く存在し、それが水と反応して一部酸化物や水酸化物が生成する可能性がある。このため、第13族窒化物多結晶としては、通常、できるだけ結晶性が高い物を使用することが好ましい。結晶性は粉末X線回折の半値幅で見積もることができ、(100)の回折線(ヘキサゴナル型窒化ガリウムでは2θ=約32.5°)の半値幅が、通常0.25°以下、好ましくは0.20°以下、さらに好ましくは0.17°以下である。また、第13族窒化物多結晶中に含まれる水分や酸素量は細孔容積が大きいと多く含まれやすく、小さいと少なくなる傾向があり、細孔容積を制御することにより適切な水分、酸素量に制御することが出来る。適切な水分、酸素量を得るための適切な多結晶の細孔容積範囲は0.1×10−3ml/g以上であって、0.5×10−3ml/g以上とすることが好ましく、1×10−3ml/g以上とすることがより好ましい。また細孔容積を0.1ml/g以下であって、0.5×10−1ml/g以下とすることが好ましい。細孔容積を上記範囲とすることで、不純物量を適切に制御した結晶を効率良く成長させることができる。
本発明の第13族窒化物多結晶は、細孔径及び細孔容積の調整の観点から、最大径が0
.5mm以上、120mm以下の粒子であることが好ましい。なお、ここでいう粒子の最大径とは、粒子の最大長さの直線距離をいう。また、後述する2次粒子が凝集してなる3次粒子については、3次粒子の最大径が第13族窒化物多結晶の「粒径」と一致する。
本発明の第13族窒化物多結晶の形状は、球状、断面が楕円である粒状、板状、直方形状、三角形状、珊瑚状(本明細書中、珊瑚状とは、表面に最大径の5%以上の長さの突起部分のある形状のことを言う。表面のほぼ全面に亘って凹凸があり、表面積が大きくなった状態であることが好ましい)であってもよい。好ましい形状は、アモノサーマル法にて原料として使用した際に、溶媒の対流を大きく阻害しないよう結晶原料間に一定の空隙があることが好ましいため、細孔径および細孔容積の調整も容易であるという理由で、楕円粒状、直方形状、三角形状、珊瑚状である。
本発明の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法の詳細を説明するに当たり、窒化
ガリウム(GaN)結晶における実施態様や具体例を挙げて説明する場合があるが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。なお、本製造方法は、「周期表第13族金属窒化物多結晶」を結晶成長させることを特徴としており、「周期表第13族金属窒化物単結晶」を製造する態様は含まれないことを意図する。また、本製造方法で製造される周期表第13族金属窒化物多結晶の種類は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)等の1種類の周期表第13族金属を構成元素として含む窒化物のほか、窒化ガリウム・インジウム(GaInN)、窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)等の2種類以上の周期表第13族金属を構成元素として含む窒化物であってもよい。
ず、目的とする周期表第13族金属窒化物多結晶に応じて適宜選択することができる。例えば、周期表第13族金属のハロゲン化物(一塩化ガリウム(GaCl)、三塩化ガリウム(GaCl3)、一塩化アルミニウム(AlCl)、三塩化アルミニウム(AlCl3)臭化ガリウム(GaBr))等が挙げられる。
周期表第13族金属原料ガス及び窒素含有ガスのほか、目的に応じて水素ガス(H2)、窒素ガス(N2)、ヘリウムガス(He)、ネオンガス(Ne)、アルゴンガス(Ar)等のキャリアガスを使用することができる。
本発明に係る成長工程における成長条件(温度、圧力、周期表第13族金属原料ガス等の供給量、結晶成長時間)は、成長方法等に応じて適宜設定すべきものであるが、気相成長法により周期表第13族金属窒化物多結晶を成長させる場合の具体例を以下に挙げる。
圧力条件(反応容器内圧力)は、通常10kPa以上、好ましくは30kPa以上、より好ましくは50kPa以上であり、通常200kPa以下、好ましくは150kPa以下、より好ましくは120kPa以下である。
窒素含有ガスの体積分率(反応容器内を満たす全ガス体積に対する分率)は、アンモニアガス(NH3)を使用する場合、通常5vol%以上、好ましくは10vol%以上、より好ましくは30vol%以上であり、通常95vol%以下、好ましくは90vol%以下、より好ましくは80vol%以下である。
することがより好ましく、10vol%以下にすることがさらに好ましい。また、水素ガス(H2)の代わりに用いる不活性ガスとしては、コストの観点から窒素ガス(N2)が好ましい。
本発明の第13族窒化物多結晶は、アモノサーマル法により窒化物結晶原料から窒化物単結晶を製造する際の窒化物結晶原料として好適に用いることができる。つまり、本発明の周期表第13族金属窒化物多結晶を原料として反応容器の原料充填領域に充填し、該反応容器中で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて周期表第13族窒化物単結晶の成長を行う周期表第13族窒化物単結晶の製造方法(以下、本発明の製造方法と称する場合がある。)を好ましく用いることができる。
以下において、アモノサーマル法による第13族窒化物単結晶の製造法の詳細を説明する。
本発明におけるアモノサーマル法による第13族窒化物単結晶の成長に際しては、鉱化剤を用いることが好ましい。アンモニアなどの窒素を含有する溶媒に対する窒化物結晶原料の溶解度が高くないために、溶解度を向上させるために鉱化剤を用いる。
ここで用いる鉱化剤は、塩基性鉱化剤であっても、酸性鉱化剤であってもよい。塩基性鉱化剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属と窒素原子を含む化合物で、アルカリ土類金属アミド、希土類アミド、窒化アルカリ金属、窒化アルカリ土類金属
、アジド化合物、その他ヒドラジン類の塩が挙げられる。好ましくは、アルカリ金属アミドで、具体例としてはナトリウムアミド(NaNH2)、カリウムアミド(KNH2)、リチウムアミド(LiNH2)が挙げられる。また、酸性鉱化剤としては、ハロゲン元素を含む化合物が好ましい。ハロゲン元素を含む鉱化剤の例としては、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化水素、アンモニウムヘキサハロシリケート、及びヒドロカルビルアンモニウムフルオリドや、ハロゲン化テトラメチルアンモニウム、ハロゲン化テトラエチルアンモニウム、ハロゲン化ベンジルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化ジプロピルアンモニウム、及びハロゲン化イソプロピルアンモニウムなどのアルキルアンモニウム塩、フッ化アルキルナトリウムのようなハロゲン化アルキル金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、ハロゲン化金属等が例示される。このうち、好ましくはハロゲン元素を含む添加物(鉱化剤)であるハロゲン化アルカリ、アルカリ土類金属のハロゲン化物、金属のハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化水素であり、さらに好ましくはハロゲン化アルカリ、ハロゲン化アンモニウム、周期表13族金属のハロゲン化物であり、特に好ましくはハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化ガリウムである。ハロゲン化アンモニウムとしては、例えば塩化アンモニウム(NH4Cl)、ヨウ化アンモニウム(NH4I)、臭化アンモニウム(NH4Br)、フッ化アンモニウム(NH4F)である。
本発明で用いる鉱化剤の組み合わせと濃度比(モル濃度比)は、成長させようとしている窒化物結晶の種類や形状やサイズ、種結晶の種類や形状やサイズ、使用する反応装置、採用する温度条件や圧力条件などにより、適宜決定することができる。
前記製造方法で成長させる窒化物結晶に不純物が混入するのを防ぐために、必要に応じて鉱化剤は精製、乾燥してから使用することができる。前記鉱化剤の純度は、通常は95%以上、好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.99%以上である。
なお、前記結晶成長を行う際には、反応容器にハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化リン、ハロゲン化シリコン、ハロゲン化ゲルマニウム、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化ヒ素、ハロゲン化スズ、ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化ビスマスなどを存在させておいても
よい。
本発明の製造方法に用いられる溶媒としては、窒素を含有する溶媒を用いることができる。窒素を含有する溶媒としては、成長させる窒化物単結晶の安定性を損なうことのない溶媒が挙げられる。前記溶媒としては、例えば、アンモニア、ヒドラジン、尿素、アミン類(例えば、メチルアミンのような第1級アミン、ジメチルアミンのような第二級アミン、トリメチルアミンのような第三級アミン、エチレンジアミンのようなジアミン)、メラミン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
本発明の第13族窒化物単結晶の製造方法は、反応容器中で実施することができる。
前記反応容器は、窒化物単結晶を成長させるときの高温高圧条件に耐え得るものの中から選択することができる。「反応容器」とは、超臨界および/または亜臨界状態の溶媒の存在下で窒化物結晶の製造を行うための容器を意味し、耐圧性容器内部の構造そのものや、耐圧性容器内に設置されるカプセルなどを好ましい例として挙げることができる。前記反応容器としては、特表2003−511326号公報(国際公開第01/024921号パンフレット)や特表2007−509507号公報(国際公開第2005/043638号パンフレット)に記載されるように反応容器の外から反応容器とその内容物にかける圧力を調整する機構を備えたものであってもよいし、そのような機構を有さないオートクレーブであってもよい。
International,Incの登録商標)、ワスパロイ(United Te
chnologies,Inc.の登録商標)が挙げられる。
本発明の窒化物単結晶の製造方法の一例について説明する。本発明の窒化物単結晶の製造方法を実施する際には、まず、反応容器内に、種結晶、窒素を含有する溶媒、窒化物結晶原料(原料)、及び鉱化剤を入れて封止する。ここで、前記種結晶としては、主面の面
方位は特に限定されないが、C面を主面として成長させた結晶を所望の方向に切り出すことによって、主面が非極性面又は半極性面となる基板を得ることができる。これによって、M面などの非極性面、(10−11)、(20−21)などの半極性面を有する種結晶を得ることができる。また、窒化物結晶原料としては、本発明の第13族窒化物多結晶を用いる。
その後、全体を加熱して反応容器内を超臨界状態および/又は亜臨界状態とする。超臨界状態では一般的には、粘度が低く、液体よりも容易に拡散されるが、液体と同様の溶媒和力を有する。亜臨界状態とは、臨界温度近傍で臨界密度とほぼ等しい密度を有する液体の状態を意味する。例えば、原料充填部では、超臨界状態として原料を溶解し、結晶成長部では亜臨界状態となるように温度を変化させて超臨界状態と亜臨界状態の原料の溶解度差を利用した結晶成長も可能である。
点から、5℃以上であることが好ましく、10℃以上であることがより好ましく、100℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましく、80℃以下が特に好ましい。反応容器内の最適な温度や圧力は、結晶成長の際に用いる鉱化剤や添加剤の種類や使用量等によって、適宜決定することができる。
本発明の窒化物単結晶の製造方法においては、オートクレーブを昇温する際に、一定の温度を保持して、種結晶の成長結晶成長面にメルトバック処理を施してもよい。当該メルトバック処理によって、種結晶の成長結晶成長面や、装置中の部材に付着した結晶核を溶解することができる。
本発明の窒化物単結晶の製造方法においては、種結晶上に窒化物結晶を成長させた後に、後処理を加えてもよい。前記後処理の種類や目的は特に制限されない。例えば、ピットや転位などの結晶欠陥を容易に観察できるようにするために、育成後の冷却過程で結晶表面をメルトバックしてもよい。
本発明の第13族窒化物単結晶は、上述した製造方法によって得ることができる。得られた窒化物単結晶の酸素濃度は1.5×1018〜2.5×1019atoms/cm3であることが好ましく、下記式で求められるドーパント活性化率ηは10〜90%であることが好ましい。
また、本発明の製造方法で得られた第13族窒化物単結晶のキャリア濃度は、5×1017〜2×1019atoms/cm3である。キャリア濃度が5×1017〜2×1019atoms/cm3の範囲内となることで、適切な導電性を示す窒化物結晶を得ることができる。キャリア濃度として好ましくは8×1017atoms/cm3以上であり、より好ましくは1×1018atoms/cm3以上であって、好ましくは1.5×1019atoms/cm3以下であり、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下である。
得られた第13族窒化物単結晶のFの濃度は、好ましくは1×1018atoms/cm3以下であり、より好ましくは5×1017atoms/cm3以下である。Clの濃度は、好ましくは1×1019atoms/cm3以下であり、より好ましくは3×1018atoms/cm3以下である。Brの濃度は、好ましくは1×1017atoms/cm3以下であり、より好ましくは1×1016atoms/cm3以下である。Iの濃度は、好ましくは1×1017atoms/cm3以下であり、より好ましくは3×1015atoms/cm3以下である。
本発明の製造方法で得られた第13族窒化物単結晶を所望の方向に切り出すことにより、任意の結晶方位を有するウエハ(半導体基板)を得ることができる。本発明の製造方法によって厚くて大口径のM面を有する窒化物結晶を製造した場合は、m軸に垂直な方向に切り出すことにより、大口径のM面ウエハを得ることができる。また、本発明の製造方法
によって大口径の半極性面を有する窒化物結晶を製造した場合は、半極性面に平行に切り出すことにより、大口径の半極性面ウエハを得ることができる。これらのウエハも、均一で高品質であるという特徴を有する。
本発明の製造方法で得られた第13族窒化物単結晶やウエハは、デバイス、即ち発光素子や電子デバイスなどの用途に好適に用いられる。本発明の窒化物結晶やウエハが用いられる発光素子としては、発光ダイオード、レーザーダイオード、それらと蛍光体を組み合わせた発光素子などを挙げることができる。また、本発明の窒化物結晶やウエハが用いられる電子デバイスとしては、高周波素子、高耐圧高出力素子などを挙げることができる。高周波素子の例としては、トランジスター(HEMT、HBT)があり、高耐圧高出力素子の例としては、サイリスター(IGBT)がある。本発明の窒化物結晶やウエハは、均一で高品質であるという特徴を有することから、前記のいずれの用途にも適している。中でも、均一性が高いことが特に要求される電子デバイス用途に適している。
(第13族窒化物多結晶の製造)
周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる成長工程は、図1に示すようなHVPE装置を用いて行った。
(1)HVPE装置の反応容器100内の反応場108に平板状のカーボン製の付着構造体を入れ、反応容器中を不活性ガスで充満させた。
(2)反応容器上部のリザーバー106に金属ガリウムを充填し、構造体を固定したサセプターを重量計に載せて風袋質量を量り、反応容器内に設置した。
(3)反応容器内を不活性ガスとして窒素でパージした後、さらに水素ガスおよびアンモニアガスを導入して温度を1100℃まで昇温した。アンモニア、水素および窒素の混合ガスの体積比をNH3:H2:N2=1:7:1に設定した。
(4)1100℃まで昇温したところで、リザーバー106へ塩化水素ガスの導入を開始して、アンモニアガス(NH3)と塩化ガリウムガス(GaCl)を反応部へ供給して、構造体上に窒化ガリウム多結晶を8時間析出させた。アンモニアガス(NH3)の分圧は11.4kPa、塩化ガリウムガス(GaCl)の分圧は1.2kPaに設定した。
なお、塩化ガリウムガス(GaCl)の逆反応を防止するために、単独ラインから塩化水素ガス(分圧:0.04kPa)を供給した。
(5)8時間経過した後、塩化水素の供給を停止して冷却プロセスを始めた。高温での窒化ガリウムの分解を抑制するために、反応温度から400℃までの間、アンモニアガスを流し続けた。
(6)冷却が終了した後、反応容器内を不活性ガスへ切り替えて窒化ガリウム多結晶が付着した構造体を取り出した。
の測定においては、初期のHg圧入圧力を3.99psiaに設定し、徐々に上げながら測定した。また、接触角θ=140°、Hgの表面張力γ=485dynes/cmの値を用いて行った。
得られたGaN多結晶の特性を表1にまとめて示した。
周期表第13族金属窒化物単結晶を結晶成長させる工程は、図3に示すような結晶製造装置を用いて行った。
白金を内張りした内寸が直径20mm、長さ350mmのInconel625製のオートクレーブ(約110ml)を用いて、内径12mm、長さ120mm、肉厚1〜2mmのpBN製るつぼに、上述の通りに得られたGaN多結晶を十分に乾燥させて、GaN多結晶原料として7.23g入れ、該オートクレーブの底部に配置した。原料充填領域の嵩密度は0.8g/cm3であった。次いで、鉱化剤として十分に乾燥した純度99.99%のNH4Cl 2.6gを使用し、充填NH3量に対するCl濃度が1.92mol%となるよう鉱化剤を秤量して反応容器であるオートクレーブ内に投入した。その後、バッフル板および種結晶を2個設置した。設置した種結晶はc面を主面とする重量が218.1mgであるものと、m面が主面の重量が28.1mgであるものであった。種結晶を設置後、素早く、バルブが装着されたオートクレーブの蓋を閉じ、オートクレーブの計量を行った。次いでオートクレーブに付属したバルブを介して導管を真空ポンプに通じるように操作し、バルブを開けて真空脱気した。その後、真空状態を維持しながらオートクレーブをドライアイスメタノール溶媒によって冷却し、一旦バルブを閉じた。次いで、導管をNH3ボンベに通じるように操作した後、再びバルブを開け連続して外気に触れることなくNH3をオートクレーブに充填した後、再びバルブを閉じた。オートクレーブの温度を室温に戻し、外表面を十分に乾燥させ充填したNH3の増加分の計量を行った。
c面が主面の種結晶(c面シード)の重量を測定したところ、325.4mgで、107.3mgの重量増加が確認され、m面が主面の種結晶(m面シード)では、34.7mgと6.6mgの重量増加が確認された。これにより、窒化ガリウム結晶の析出を確認した。また、GaN多結晶原料を入れたるつぼには1.10gのGaNの粉体結晶が溶け残っており、原料の溶解量は6.13gであり、表2記載したように、原料の85%が溶解していた。
得られたGaN単結晶の特性を表2にまとめて示した。
(第13族窒化物多結晶の製造)
実施例1と同様の方法で行った。
本実施例では、図2に示す反応装置を用いて窒化物単結晶を成長させた。
RENE41製オートクレーブ1を耐圧性容器として用い、Pt−Ir製カプセル20を反応容器として結晶成長を行なった。原料8として実施例1と同様にして得られたGaN多結晶130gを秤量し、カプセル下部領域(原料充填領域9)内に設置した。次に鉱化剤として十分に乾燥した純度99.999%のNH4Fを充填NH3量に対してF濃度が0.5mol%となるよう秤量しカプセル内に投入した。さらに下部の原料充填領域9と上部の結晶成長領域6の間に白金製のバッフル板5設置した。種結晶7としてm面を主面とする六方晶系GaN単結晶3枚とc面ウェハー1枚を用いた。m面を主面とする種結晶の表面はCMP仕上げされているおり、c面ウェハーの主面はLAP処理がされている。これら種結晶7を直径0.3mmの白金ワイヤー7により白金製種子結晶支持枠に吊るし、カプセル上部の結晶成長領域6に設置した。
次に、カプセル下部を液体窒素で冷却し、バルブを開け外気に触れることなくHI充填した。流量制御に基づき、鉱化剤としてHIを充填NH3量に対してI濃度が1.5mol%となるよう充填した後、再びバルブを閉じた。次いで、カプセルをHIラインから外しNH3ガスラインに接続した。ガスラインを真空脱気、窒素パージを行った後、真空ポンプにて真空引きを行った。その後、NH3ラインのバルブを操作し、流量制御に基づき、NH3を先に充填したHIガスと等mol量充填し、バルブを閉じた。次いで、カプセルを液体窒素から取り出し、ドライアイスエタノール溶媒により冷却した。続いて再びバルブを開け外気に触れることなくNH3を充填したした後、再びバルブを閉じた。その後、キャップ上部のチューブを溶接機により封じ切った。
オートクレーブ1を計量しNH3の排出を確認した後、オートクレーブの蓋を開け、カプセル20を取り出した。カプセル内部を確認すると、m面、c面いずれの種結晶上にも窒化ガリウム結晶が成長していた。肉眼観察では、黄色〜茶色の透明な結晶であり、特に
m面窒化ガリウム結晶にはクラックやボイドなど可視的な欠陥は見られなかった。種結晶上に成長した窒化ガリウム結晶をX線回折測定した結果、結晶系は六方晶系であり、立方晶GaNは含まれていないことが確認された。成長速度((結晶厚み−種結晶厚み)/成長日数)はm軸方向に220μm/日であった。表2に示す通り、溶解率は51%であり、回収したGaN多結晶原料を確認したところ、全体的に溶解して小粒になっていることを確認した。これは、GaN多結晶原料中の細孔内から溶解した原料が十分外部に拡散していたと思われる。
得られた窒化ガリウム結晶を、窒素90%−アンモニア10%雰囲気下で、1060℃、24時間アニール処理を行った後、ホール測定を行った。アニール後のGaN結晶のホール測定の結果から、キャリア濃度が1.90×1018atoms/cm3、移動度が288cm2/V・s、比抵抗が1.08×10−2Ωcmであることを確認した。
得られたGaN単結晶の特性を表2にまとめて示した。
(第13族窒化物多結晶の製造)
周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる成長工程は、図1に示すようなHVPE装置を用いて行った。
(1)HVPE装置の反応容器100内の反応場108に図4に示すようなカーボン製の付着構造体を入れ、反応容器中を不活性ガスで充満させた。
(2)反応容器上部のリザーバー106に金属ガリウムを充填し、構造体を固定したサセプターを重量計に載せて風袋質量を量り、反応容器内に設置した。
(3)反応容器内を不活性ガスとして窒素でパージした後、さらに水素ガスおよびアンモニアガスを導入して温度を1100℃まで昇温した。アンモニア、水素および窒素の混合ガスの体積比をNH3:H2:N2=2.8:1.2:7.1に設定した。
(4)1100℃まで昇温したところで、リザーバーへ塩化水素ガスの導入を開始して、アンモニアガス(NH3)と塩化ガリウムガス(GaCl)を反応部へ供給して、構造体上に多結晶窒化ガリウムを8時間析出させた。アンモニアガス(NH3)の分圧は24kPa、塩化ガリウムガス(GaCl)の分圧は2.2kPaに設定した。
なお、塩化ガリウムガス(GaCl)の逆反応を防止するために、単独ラインから塩化水素ガス(分圧:0.05kPa)を供給した。
(5)8時間経過した後、塩化水素の供給を停止して冷却プロセスを始めた。高温での窒化ガリウムの分解を抑制するために、反応温度から400℃までの間、アンモニアガスを流し続けた。
(6)冷却が終了した後、反応容器内を不活性ガスへ切り替えて窒化ガリウム多結晶が付着した構造体を取り出した。
得られたGaN多結晶の特性を表1にまとめて示した。
原料8として、上述の通りに得られたGaN多結晶粒子を用いたほかは、表2に示す条件として、実施例2と同様におこなった。表2に示す通り、溶解率は70%であり、回収したGaN多結晶原料を確認したところ、全体的に溶解して小粒になっていることを確認した。これは、GaN多結晶原料中の細孔内から溶解した原料が十分外部に拡散していたと思われる。
得られた窒化ガリウム結晶を、窒素90%−アンモニア10%雰囲気下で、1060℃、24時間アニール処理を行った後、ホール測定を行った。アニール後のGaN結晶のホール測定の結果から、キャリア濃度が6.7×1017atoms/cm3、移動度が335cm2/V・s、比抵抗が2.40×10−2Ωcm、F濃度は4.30×1017atoms/cm3、I濃度は2.86×1017atoms/cm3であることを確認した。
得られたGaN単結晶の特性を表2にまとめて示した。
(第13族窒化物多結晶の製造)
反応場108に、図4に示されるような構造を有する種結晶を設置するための構造体を入れ、その上の中心から端部に至るまで窒化ガリウム種結晶を隙間なく設置していき、種結晶層厚みが約1cmとなるまで種結晶を並べた(並べた窒化ガリウム種結晶の総重量は1359g)以外は実施例3に記載した第13族窒化物多結晶の製造と同様に行った。得られた多結晶体は2次粒子が凝集してなる3次粒子であって、その最大径が0.5〜50mmであり、細孔容積、細孔径を調整するため、0.5〜20mmの大きさにを粉砕した。なお、このときの粉砕は、大気ガス雰囲気下、相対湿度50%以下の環境下で、約26℃にてGaN多結晶を互いに衝突させて粉砕する方法で行った。Hg圧入法により細孔容積を測定したところ、細孔容積は1×10−3ml/g、容積基準の平均細孔径が11.4μmであった。なお細孔容積の測定については実施例1と同様の方法で行った。
得られたGaN多結晶の特性を表1にまとめて示した。
原料8として、上述の通りに得られたGaN多結晶粒子を用いたほかは、表2に示す条件として、実施例2と同様におこなった。表2に示す通り、溶解率は56%であり、回収したGaN多結晶原料を確認したところ、全体的に溶解して小粒になっていることを確認した。これは、GaN多結晶原料中の細孔内から溶解した原料が十分外部に拡散していたと思われる。成長結晶には若干の着色が見られ、細孔容積が大きいために若干の不純物が結晶中に取り込まれた可能性が考えられた。
得られたGaN単結晶の特性を表2にまとめて示した。
(第13族窒化物多結晶の製造)
特開2006−083055号公報の製法と同じ方法で、GaN多結晶を作製した。
長さ100mm径30mmのpBN製の筒状コンテナ(容積70cc)に6N金属ガリウムを4.00g 装填した。このとき、コンテナの容積に対する原料金属容積の比は0.02以下であり、原料金属が接しているコンテナの底と壁の面積のコンテナの底と壁の面積の総和に対する比は0.02以下であった。また、このときコンテナ内に装填した金属ガリウムがガスと接触しうる面積は0.7cm2/g以上であった。内径32mm、長さ700mmの横置き円筒石英管からなる容器内中央部にコンテナをすばやく装着し、高純度窒素(5N) を流速200Nml/minで流通させ、容器内部や配管部を十分に
置換した。
得られたGaN多結晶の特性を表1にまとめて示した。
GaN多結晶原料として、得られたGaN多結晶粉体7.23gを用い、鉱化剤の濃度を下記表2に記載のようにわずかに変更した以外は、実施例1と、同様の装置、成長条件で、結晶成長を行った。比較例1で用いたGaN多結晶粉体の酸素濃度を実施例1と同様にして測定した。その結果を下記表2に記載した。設置した種結晶はc面を主面とする重量が138.1mgであるものと、m面が主面の重量が3.9mgであるものであった。
得られたGaN単結晶の特性を表2にまとめて示した。
同じ鉱化剤を使用した実施例1と比較例1では顕著に成長速度、原料溶解率、結晶の着色の程度が大きく変化しており、平均細孔径および細孔容積のもたらす影響が顕著であることが分かった。
一方、若干実施例4の成長結晶に着色が見られ不純物の混入が疑われた。実施例2,3,4の比較から、原料の細孔容積の違いに起因すると考えられ細孔容積が大きいと不純物が混入しやすくなるが、成長した結晶の導電性を制御する観点から、ある程度の不純物を混入させるために細孔容積を適宜必要な範囲で制御することは重要である。酸素をより高濃度に混入する必要がある場合にはさらに細孔容積を大きくするなどの工夫も考えられる。
2 オートクレーブ内面
3 ライニング
4 ライニング内面
5 バッフル板
6 結晶成長領域
7 種結晶
8 原料
9 原料充填領域
10 バルブ
11 真空ポンプ
12 アンモニアボンベ
13 窒素ボンベ
14 マスフローメーター
20 カプセル
21 カプセル内面
100 反応容器
101〜105 導入管
106 リザーバー
107 ヒーター
108 反応場
109 排気管
112 周期表第13族金属原料ガスの流れ方向
Claims (8)
- 細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下であることを特徴とする、周期表第13族金属窒化物多結晶。
- 細孔容積が0.1×10−3ml/g以上、0.1ml/g以下であることを特徴とする、周期表第13族金属窒化物多結晶。
- 細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下である、請求項2に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶。
- 前記周期表第13族金属窒化物多結晶の粒子は、最大径が0.5mm以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶。
- 前記周期表第13族金属窒化物多結晶の粒子は、最大径が100〜1000μmの2次粒子が凝集してなる、最大径が1〜120mmの3次粒子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶を原料として反応容器の原料充填領域に充填し、該反応容器中で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて周期表第13族窒化物単結晶の成長を行うことを特徴とする、周期表第13族窒化物単結晶の製造方法。
- 前記窒化物結晶原料の溶解率が40%以上である、請求項6に記載の周期表第13族窒化物単結晶の製造方法。
- 請求項7または8に記載の周期表第13族窒化物単結晶の製造方法により製造されることを特徴とする、周期表第13族窒化物単結晶。
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