JP2014189426A - 周期表第13族金属窒化物多結晶およびそれを用いた周期表第13族金属窒化物単結晶の製造方法 - Google Patents

周期表第13族金属窒化物多結晶およびそれを用いた周期表第13族金属窒化物単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アモノサーマル法による窒化物単結晶の製造において、成長速度を向上させ、原料利用効率を高めるとともに、不要な不純物を混入させずに優れた導電性を有する窒化物結晶を効率良く製造することが可能な窒化物単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下であり、さらに細孔容積が0.1×10−3ml/g以上、0.1ml/g以下である周期表第13族金属窒化物多結晶を原料として反応容器に充填し、前記反応容器中で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて周期表第13族窒化物単結晶の成長を行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、周期表第13族金属窒化物多結晶およびそれを用いた周期表第13族金属窒化物単結晶の製造方法に関する。
窒化物結晶の製造方法として、ハイドライド気相成長法(HVPE法)やアモノサーマル法等が知られている。HVPE法は、水素気流中でGaの塩化物とV族元素の水素化物(NH)を炉内に導入し、熱分解させ、熱分解で発生する結晶を基板などの上に堆積させる方法である。一方、アモノサーマル法は、超臨界状態および/または亜臨界状態にあるアンモニアなどの窒素を含有する溶媒を用いて、原材料の溶解−析出反応を利用して所望の材料を製造する方法である。結晶成長へ適用するときは、アンモニアなどの溶媒への原料溶解度の温度依存性を利用して温度差により過飽和状態を発生させて結晶を析出させる。具体的には、オートクレーブなどの耐圧性容器内に結晶原料や種結晶を入れて密閉し、ヒーター等で加熱することにより耐圧性容器内に高温域と低温域を形成し、その一方において原料を溶解し、他方において結晶を育成することにより、所望の結晶を製造することができる。アモノサーマル法は、HVPE法に比べて原料利用効率が良く、製造コストを抑制することができるという点において利点があることが知られている。
アモノサーマル法に用いる結晶原料としては、アモノサーマル法で成長させようとしている窒化物結晶と同種の多結晶や単結晶などが用いられる。このため、まず第一段階として原料に相当する窒化物微結晶原料を製造した後に、第二段階としてこれを原料として窒化物結晶の成長を行っている(例えば、特許文献1参照)。このとき、第一段階で塊状の原料が得られにくいため、第二段階では粒径サイズの小さい窒化物多結晶、いわば粉状のものを原料として用いることが一般的である。特許文献1(特開2003−277182号公報)では、第二段階において、平均粒径が1〜5μm程度のGaN微結晶粉体を原料として用いてGaN単結晶を成長することが好ましいと記載されている(段落番号[0009]〜[0010]参照)。
特許文献2(特開2007−238347号公報)には、粉状のGaN結晶原料を入れた坩堝を多段にして、原料と溶媒との接触面積を増大させることにより原料の溶解速度を上げて、効率良くGaN結晶を製造することが記載されている。また、特許文献2には、粒径が10nm〜10mmの結晶原料を用いうることが記載されているが、粒径が50nm〜1mmの粉体結晶原料を用いて原料間の隙間を埋めることが特に推奨されている([0061]参照)。
特許文献3(特開2006−83055号公報)および特許文献4(特表2005−508822号公報)には、原料となる窒化物多結晶の製造方法について記載されている。特許文献3によると、1次粒子径が0.1μm〜数十μmであって、長軸方向の最大長さが0.05μm〜1mmである針状、柱状あるいはプリズム状結晶が得られ、これを窒化物結晶の製造原料として用いることが記載されている。
特許文献4には、平均粒度が約0.01〜50μm の等軸結晶粒を含むGaN結晶を製造し、これを窒化物結晶の製造原料として用いることが記載されている。特許文献4の実施例1では、直径約1μm以下の多数の結晶粒と共に、直径約10〜20μmの結晶粒が幾つか製造されており、実施例2では直径約1〜3μmの多数の結晶粒とそれよりも若干大きい平滑な結晶粒が製造されている。
上述したような方法で得られた窒化ガリウム(GaN)などの窒化物結晶は、発光素子、電子素子、半導体センサなどの各種半導体デバイスの基板に用いられている。窒化物結晶が半導体デバイスの基板として機能するためには、各種半導体デバイスの用途に応じて、窒化物結晶が適切な導電性を有する必要がある。一般的に、窒化物結晶の導電性は、窒化物結晶中のキャリア濃度やキャリア移動度によって制御される。窒化物結晶が半導体デバイスの基板として機能するためには、適切なキャリア濃度を有することが重要になる。
特開2003−277182号公報 特開2007−238347号公報 特開2006−83055号公報 特表2005−508822号公報
本発明者らが、特許文献1に記載される方法にしたがって得られた窒化物多結晶原料を用いて窒化物結晶を製造することを検討したところ、速い成長速度で窒化物単結晶を製造することが容易ではないことが明らかになった。また、特許文献2に記載されるように、窒化物多結晶原料間の隙間を埋めるように原料を充填して窒化物単結晶を製造することを検討したところ、十分に速い成長速度で窒化物単結晶を製造することが容易ではなく、原料利用効率も悪いことが明らかになった。さらに、特許文献3や特許文献4に記載されている方法で製造される窒化物多結晶を単に窒化物結晶原料として用いて窒化物結晶を製造しようとしても、望ましい成長速度で窒化物結晶を製造することは難しいことが明らかになった。
更に、アモノサーマル法では、所望のキャリア濃度を有する窒化物単結晶を得るための酸素ドーピング条件が確立されていなかったため、精密な酸素ドーピングを行うことができず、高品質な窒化物単結晶を得ることができないという問題があった。さらに、アモノサーマル法で目的のキャリア濃度を有する窒化物単結晶を得るためには、様々な条件を試作検討する必要があったため、生産効率が上がらないという問題もあった。
このような従来の課題に鑑みて、本発明者らは、アモノサーマル法において窒化物単結晶を製造する際に、成長速度を向上させ、原料利用効率を高めて、効率良く品質の優れた窒化物単結晶を製造するために、結晶成長に用いる好適な窒化物多結晶原料を得ることを目的として鋭意検討を重ねた。さらに、本発明者らは、アモノサーマル法において窒化物単結晶を製造する際に、成長速度を向上させるとともに、不純物量を制御し優れた導電性を有する窒化物結晶を効率良く製造するために、結晶成長に用いる好適な窒化物多結晶原料を得ることを目的として検討を進めた。
その結果、アモノサーマル法で原料として用いる周期表第13族金属窒化物多結晶体(以下、単に第13族窒化物多結晶と称する)の細孔容積基準の平均細孔径を制御することにより、容易に窒化物結晶の成長速度を向上させ得ることを見出した。さらに、本発明者らは、第13族窒化物多結晶の細孔容積を制御することにより、不純物量を制御し効率良く所定のキャリア濃度を持つ品質の優れた周期表第13族金属窒化物単結晶(以下、単に窒化物単結晶と称する)を製造することに成功し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1]細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下であることを特徴とする、
周期表第13族金属窒化物多結晶。
[2]細孔容積が0.1×10−3ml/g以上、0.1ml/g以下であることを特徴とする、周期表第13族金属窒化物多結晶。
[3]細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下である、[2]に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶。
[4]前記周期表第13族金属窒化物多結晶の粒子は、最大径が0.5mm以上である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶。
[5]前記周期表第13族金属窒化物多結晶の粒子は、最大径が100〜1000μmの2次粒子が凝集してなる、最大径が1〜120mmの3次粒子である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶。
[6][1]〜[5]のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶を原料として反応容器の原料充填領域に充填し、該反応容器中で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて周期表第13族窒化物単結晶の成長を行うことを特徴とする、周期表第13族窒化物単結晶の製造方法。
[7]前記窒化物結晶原料の溶解率が40%以上である、[6]に記載の周期表第13族窒化物単結晶の製造方法。
[8][7]または[8]に記載の周期表第13族窒化物単結晶の製造方法により製造されることを特徴とする、周期表第13族窒化物単結晶。
本発明の第1の発明によれば、アモノサーマル法で原料として用いる第13族窒化物多結晶の細孔容積基準の平均細孔径を特定の範囲内に制御することにより、効率良く高品質な窒化物単結晶を製造することができる。このため、本発明の第13族窒化物多結晶を用いて第13族窒化物単結晶を製造すれば成長時間を短縮し、多結晶原料を高効率に窒化物単結晶とすることにより製造コストを大幅に抑えることができる。また、本発明の方法により製造した第13族窒化物単結晶は、高品質の結晶としてデバイスに効果的に用いることができる。
本発明の第2の発明によれば、アモノサーマル法で原料として用いる第13族窒化物多結晶の細孔容積を特定の範囲内に制御することにより、効率良く品質の優れた窒化物単結晶を製造することができる。特に、得られる第13族窒化物単結晶中に不純物量を制御し、所望のキャリア濃度を有する、品質の優れた窒化物単結晶を得ることができる。
本発明で用いることができる多結晶製造装置の模式図である。 本発明で用いることができるアモノサーマル法による結晶製造装置の模式図である。 本発明で用いることができる別のアモノサーマル法による結晶製造装置の模式図である。 本発明で用いることができる多結晶製造装置の構成の一例を示す模式図である。
以下において、本発明の第13族窒化物多結晶およびそれを用いて製造する第13族窒化物単結晶について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
(定義)
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値
を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
まず、六方晶系の結晶構造の軸と面との関係について説明する。本明細書において種結晶または窒化物単結晶の「主面」とは、当該種結晶または窒化物単結晶における最も広い面であって、通常は結晶成長を行うべき面を指す。本明細書において「C面」とは、六方晶構造(ウルツ鋼型結晶構造)における{0001}面と等価な面であり、極性面である。例えば、(0001)面とその反対面である(000−1)面を指す。III族窒化物結晶(周期表第13族金属窒化物結晶)では、C面はIII族(第13族金属)面又は窒素面であり、窒化ガリウム(GaN)ではそれぞれGa面又はN面に相当する。また、本明細書において「M面」とは、{1−100}面、{01−10}面、[−1010]面、{−1100}面、{0−110}面、{10−10}面として包括的に表される非極性面であり、具体的には(1−100)面や、(01−10)面、(−1010)面、(−1100)面、(0−110)面、(10−10)面を意味する。さらに、本明細書において「A面」とは、{2−1−10}面、{−12−10}面、{−1−120}面、{−2110}面、{1−210}面、{11−20}面として包括的に表される非極性面である。具体的には(11−20)面や、(2−1−10)面、(−12−10)面、(−1−120)面、(−2110)面、(1−210)面、を意味する。本明細書において「c軸」「m軸」「a軸」とは、それぞれC面、M面、A面に垂直な軸を意味する。
また、本明細書において「非極性面」とは、表面にIII族元素と窒素元素の両方が存在しており、かつその存在比が1:1である面を意味する。具体的には、M面やA面を挙げることができる。本明細書において「半極性面」とは、例えば、III族窒化物が六方晶であってその主面が(hklm)で表される場合、[0001]面以外で、m=0ではない面をいう。すなわち(0001)面に対して傾いた面で、かつ非極性面ではない面をいう。表面にIII族元素と窒素元素の両方あるいはC面のように片方のみが存在する場合で、かつその存在比が1:1でない面を意味する。h、k、l、mはそれぞれ独立に−5〜5のいずれかの整数であることが好ましく、−2〜2のいずれかの整数であることがより好ましく、低指数面であることが好ましい。窒化物結晶の主面として好ましく採用できる半極性面として、例えば(10−11)面、(10−1−1)面、(10−12)面、(10−1−2)面、(20−21)面、(202−1)面、(20−2−1)面、(10−12)面、(10−1−2)面、(11−21)面、(11−2−1)面、(11−22)面、(11−2−2)面、(11−24)面、(11−2−4)面などを挙げることができ、特に(10−11)面、(202−1)面を挙げることができる。
なお、本明細書において、「ppm」と示す場合には重量ppmを意味する。
以下において、本発明の第13族窒化物多結晶について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
(第1の発明の第13族窒化物多結晶)
第1の発明の第13族窒化物多結晶(以下、第1の発明の多結晶とも言う)は、細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下であることを特徴とする。
通常、アモノサーマル法では、反応容器内に多結晶原料を充填する原料充填領域と種結晶を設置しておく結晶成長領域とを設けておき、原料充填領域において原料を溶解し、超臨界および/または亜臨界状態の溶媒中に溶解した原料が結晶成長領域まで輸送され、結晶成長領域において種結晶上に結晶を成長させる。このとき、原料充填領域と結晶成長領域には温度差をつけて、原料充填領域において原料がより溶解し、結晶成長領域において良質な結晶がより析出しやすくなるように制御する。本発明でいう「原料充填領域」は、反応開始前の反応容器の長軸が鉛直方向となるように設置したときに、充填した窒化物結晶原料の最下端部を含む水平面と充填した窒化物結晶原料の最上端部を含む水平面とで挟
まれた反応容器内領域をいう。なお、本明細書においてアモノサーマル法とは反応容器中で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて結晶成長を行う結晶成長方法と一致する。
第1の発明の多結晶はアモノサーマル法の原料として好適に用いることができる。これは、アモノサーマル法の原料として細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下の第13族窒化物多結晶を用いることにより、溶媒の対流を阻害することなく、原料の溶解速度を向上させて、良質な結晶を効率良く成長させることができる。
原料として用いる第13族窒化物多結晶の細孔容積基準の平均細孔径が小さすぎると、第13族窒化物多結晶間および第13族窒化物多結晶内に生じる空間の体積が小さくなることにより、溶媒の対流が阻害され、結果として原料の溶解速度が低下する。このため、良質な成長結晶を生産性良く成長させることが困難になる。
一方、原料として用いる第13族窒化物多結晶の細孔容積基準の平均細孔径が大きすぎると、第13族窒化物多結晶は十分に溶解できるものの、第13族窒化物の真密度に対して実際の体積あたりの第13族窒化物多結晶(原料)量が少なくなり、その結果、十分な量の溶解原料を効率良く結晶成長領域に供給して、速やかに十分なサイズの第13族窒化物単結晶を成長させることが困難になる。
第1の発明の多結晶の細孔容積基準の平均細孔径は、9μm以上とすることが好ましく、10μm以上とすることが好ましい。また細孔容積基準の平均細孔径を45μm以下とすることが好ましく、40μm以下とすることが好ましい。細孔容積基準の平均細孔径を上記範囲とすることで、溶媒の対流を阻害することなく、原料の溶解速度を向上させて、良質な結晶を効率良く成長させることができる。
(細孔径の測定方法)
第13族窒化物多結晶の細孔径は、多結晶の表面に存在する細孔の径のことであり、Hg圧入法による測定により求めることができる。本発明では細孔径をマイクロメリテックス社製オートポアIV9520型によるHg圧入法で測定した。Hg圧入法の圧力が低いとHgは測定サンプルの細孔に対して接触角が大きく細孔内へ進入しないが、圧力を徐々に高くする過程においてHgが細孔内に進入する。細孔径は、圧力を変化させる過程の圧力および物性値より以下のWashburnの式から求めることができる。
細孔径 D = −4γcosθ / P
γ:Hgの表面張力
θ:接触角
P:Hgの圧入圧力
なお本発明においては測定における初期のHg圧入圧力を3.99psiaに設定し、徐々に上げながら測定した。また、接触角θ=140°、Hgの表面張力γ=485dynes/cmの値を用いている。初期のHg圧入圧力=3.99psiaの場合、上記式から求められる細孔径は約54μmである。よって、本発明における細孔径とは、Hg圧入法によって求められる54μm以下の細孔径であり、細孔容積基準の平均細孔径とは54μm以下の細孔について細孔の容積を基準に算出した平均値を意味する。
(細孔径の調整方法)
第1の発明の多結晶は、後述するHVPE法などで製造することができる。このようにして得られ第13族窒化物多結晶について、細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下となるように以下の方法で調整することが好ましい。
第1の発明の多結晶の細孔容積基準の平均細孔径は、例えば使用する第13族窒化物多結晶の粒径、粒径分布、形状などを選択することにより制御することが可能である。例えば、第13族窒化物多結晶を細かく粉砕することで、第13族窒化物多結晶内に内包され
る微細な細孔を表面に出すことができ、小さな細孔の割合を増やすことで細孔容積基準の平均細孔径は小さくなる。逆に、粉砕せずに用いることで第13族窒化物多結晶内に内包される微細な細孔は表面に現れず、細孔容積基準の平均細孔径は大きくなる。
(第2の発明の第13族窒化物多結晶)
第2の発明の第13族窒化物多結晶(以下、第2の発明の多結晶とも言う)は、細孔容積が0.1×10−3ml/g以上、0.1ml/g以下であることを特徴とする。
第2の発明の多結晶はアモノサーマル法の原料として好適に用いることができる。これは、アモノサーマル法の原料として細孔容積が0.1×10−3ml/g以上、0.1ml/g以下の第13族窒化物多結晶を用いることにより、成長結晶のキャリア濃度を適切な範囲に制御することができる。
原料として用いる第13族窒化物多結晶の細孔容積が小さすぎると、第13族窒化物多結晶間および第13族窒化物多結晶内に生じる空間に付着した水分など不純物の量が少なく、成長結晶のキャリア濃度は低くなりすぎてしまう。一方、原料として用いる第13族窒化物多結晶の細孔容積が大きすぎると、第13族窒化物多結晶間および第13族窒化物多結晶内に生じる空間に付着した水分など不純物の量が増加しすぎてしまい、反応容器内への不純物混入量が増加した結果、成長結晶のキャリア濃度は高くなりすぎてしまう。このため、最適なキャリア濃度を持つ成長結晶を生産性良く成長させることが困難になる。上記観点から、成長結晶のキャリア濃度を適切に制御するために、最適な細孔容積を持つ第13族窒化物多結晶を用いることが重要である。
第2の発明の多結晶の細孔容積は0.1×10−3ml/g以上であって、0.5×10−3ml/g以上とすることが好ましく、1×10−3ml/g以上とすることがより好ましい。また細孔容積を0.1ml/g以下であって、0.5×10−1ml/g以下とすることが好ましい。細孔容積を上記範囲とすることで、不純物量を適切に制御した結晶を効率良く成長させることができる。
第2の発明の多結晶の細孔容積基準の平均細孔径は、8μm以上とすることが好ましく、9μm以上とすることがより好ましく、10μm以上とすることがさらに好ましい。また細孔容積基準の平均細孔径を50μm以下とすることが好ましく、45μm以下とすることがより好ましく、40μm以下とすることがさらに好ましい。細孔容積基準の平均細孔径を上記範囲とすることで、溶媒の対流を阻害することなく、原料の溶解速度を向上させて、良質な結晶を効率良く成長させることができる。
(細孔容積の測定方法)
本明細書において細孔容積とは、第13族窒化物多結晶の表面に存在する細孔の容積の総和を意味する。細孔容積は一般的にはHg圧入法による測定により求めることが出来る。本発明では細孔容積をマイクロメリテックス社製オートポアIV9520型によるHg圧入法で測定した。Hg圧入法の圧力が低いとHgは測定サンプルの細孔に対して接触角が大きく細孔内へ進入しないが、圧力を徐々に高くする過程においてHgが細孔内に進入する。細孔容積は、圧力を上げた時に細孔へ進入したHgの体積の総和から求めることが出来る。
なお、圧力を上げた時にHgが進入する細孔径は、圧力を変化させる過程の圧力および物性値より以下のWashburnの式から求めることができる。
細孔径 D = −4γcosθ / P
γ:Hgの表面張力
θ:接触角
P:Hgの圧入圧力
本発明においては測定における初期のHg圧入圧力を3.99psiaに設定し、徐々に上げながら測定した。また、接触角θ=140°、Hgの表面張力γ=485dynes/cmの値を用いている。初期のHg圧入圧力=3.99psiaの場合、上記式から求められる細孔径は約54μmである。よって、本発明における細孔容積とは、Hg圧入法によって求められるサンプル表面の54μm以下の細孔の容積の総和を意味する。
(細孔容積の調整方法)
第2の発明の多結晶は、後述するHVPE法などで製造することができる。このようにして得られた第13族窒化物多結晶について、細孔容積が0.1×10−3ml/g以上、0.1ml/g以下となるように以下の方法で調整することが好ましい。
第2の発明の多結晶の細孔容積は、例えば使用する第13族窒化物多結晶の粒径、粒径分布、形状などを選択することにより制御することが可能である。例えば、第13族窒化物多結晶を細かく粉砕することで、第13族窒化物多結晶内に内包される微細な細孔を表面に出すことができ、その結果細孔容積は大きくなる。逆に粉砕せずに用いることで第13族窒化物多結晶内に内包される微細な細孔は表面に現れず、細孔容積を小さくすることができる。
(第1の発明および第2の発明の第13族窒化物多結晶)
第1の発明および第2の発明の第13族窒化物多結晶(以下、総称して本発明の第13族窒化物多結晶と称する)に共通する特性について、以下に詳細に説明する。
本発明の第13族窒化物多結晶としては、周期表第13族金属の窒化物結晶(以下、第13族窒化物結晶と称する場合がある)であれば特に限定されないが、アモノサーマル法で第13族窒化物単結晶を成長させるための原料として用いる場合は、目的とする第13族窒化物単結晶と同じ周期表第13族金属を含む原料を用いることが好ましい。本発明の第13族窒化物多結晶は、完全な窒化物である必要はなく、条件によっては第13族原子がメタルの状態(ゼロ価)である金属成分を含有してもよい。例えば、結晶が窒化ガリウムである場合には、窒化ガリウムと金属ガリウムの混合物が挙げられる。第13族窒化物結晶の種類としては、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、AllnGaNなどを挙げることができる。好ましいのはGaN、AlN、AlGaN、AllnGaNであり、より好ましいのはGaNである。
本発明の第13族窒化物多結晶に含まれる水や酸素の量は、少ないことが好ましい。第13族窒化物多結晶中の酸素含有量は、通常は0.1重量%以下、特に好ましくは0.01重量%以下である。第13族窒化物多結晶への酸素の混入のしやすさは、水分との反応性または吸収能と関係がある。第13族窒化物多結晶の結晶性が悪いほど表面にNH基などの活性基が多く存在し、それが水と反応して一部酸化物や水酸化物が生成する可能性がある。このため、第13族窒化物多結晶としては、通常、できるだけ結晶性が高い物を使用することが好ましい。結晶性は粉末X線回折の半値幅で見積もることができ、(100)の回折線(ヘキサゴナル型窒化ガリウムでは2θ=約32.5°)の半値幅が、通常0.25°以下、好ましくは0.20°以下、さらに好ましくは0.17°以下である。また、第13族窒化物多結晶中に含まれる水分や酸素量は細孔容積が大きいと多く含まれやすく、小さいと少なくなる傾向があり、細孔容積を制御することにより適切な水分、酸素量に制御することが出来る。適切な水分、酸素量を得るための適切な多結晶の細孔容積範囲は0.1×10−3ml/g以上であって、0.5×10−3ml/g以上とすることが好ましく、1×10−3ml/g以上とすることがより好ましい。また細孔容積を0.1ml/g以下であって、0.5×10−1ml/g以下とすることが好ましい。細孔容積を上記範囲とすることで、不純物量を適切に制御した結晶を効率良く成長させることができる。
(本発明の第13族窒化物多結晶の大きさ)
本発明の第13族窒化物多結晶は、細孔径及び細孔容積の調整の観点から、最大径が0
.5mm以上、120mm以下の粒子であることが好ましい。なお、ここでいう粒子の最大径とは、粒子の最大長さの直線距離をいう。また、後述する2次粒子が凝集してなる3次粒子については、3次粒子の最大径が第13族窒化物多結晶の「粒径」と一致する。
本発明の第13族窒化物多結晶は、窒化物結晶粒子が凝集してなる構造を有するものを使用することが好ましい。具体的には、2次粒子が凝集してなる3次粒子を用いることが好ましい。2次粒子の粒径は100μm以上であることが好ましく、200μm以上であることがより好ましく、300μm以上であることがさらに好ましく、また、1000μm以下であることが好ましく、900μm以下であることがより好ましく、800μm以下であることがさらに好ましい。3次粒子の粒径は0.5mm以上であり、5mm以上であることがより好ましく、10mm以上であることがさらに好ましく、また、120mm以下であることが好ましく、60mm以下であることがより好ましく、50mm以下であることがそれより好ましく、30mm以下であることがさらに好ましく、20mm以下であることが特に好ましい。2次粒子の粒径は光学顕微鏡等で計測することが可能である。3次粒子のように0.5mm以上であれば、目視で確認が可能であるので、例えばノギスや物差し等により計測することができる。さらに、本発明の第13族窒化物多結晶の形状が、後述するように珊瑚状である場合、粒子の最大径は、表面の突起部分を含めて求める。
なお、上述の窒化物結晶粒子が凝集してなる構造を有する第13族窒化物多結晶において、1次粒子はナノ単位の単結晶を意味しており、これらの単結晶が互いに凝集・結合して多結晶である2次粒子を構成する。通常、1次粒子は互いに結合して一体化しているため粒子として判別することができない。
本発明の第13族窒化物多結晶の粒径分布については、粒径が0.01μm以上の第13族窒化物結晶が、第13族窒化物多結晶全体の体積の20%以上、より好ましくは30%以上を占めることが、アモノサーマル法の原料として用いた場合に原料間の隙間が十分に空き、溶媒の対流が可能となるために好ましい。また、粒径が1.0mm以上の第13族窒化物結晶が、第13族窒化物多結晶全体の体積の10%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上を占めることが、アモノサーマル法の原料として用いた場合に原料間の隙間が十分に空き、溶媒の対流が可能となるために好ましい。
(第13族窒化物多結晶の形状)
本発明の第13族窒化物多結晶の形状は、球状、断面が楕円である粒状、板状、直方形状、三角形状、珊瑚状(本明細書中、珊瑚状とは、表面に最大径の5%以上の長さの突起部分のある形状のことを言う。表面のほぼ全面に亘って凹凸があり、表面積が大きくなった状態であることが好ましい)であってもよい。好ましい形状は、アモノサーマル法にて原料として使用した際に、溶媒の対流を大きく阻害しないよう結晶原料間に一定の空隙があることが好ましいため、細孔径および細孔容積の調整も容易であるという理由で、楕円粒状、直方形状、三角形状、珊瑚状である。
なお、本明細書中において、珊瑚状の形状には、一般的に樹枝状(デンドリック)、金平糖状などの語句で表される形状が含まれる。珊瑚状の例としては、例えば特開2011−206866号公報に記載の粒子の形状や、特開2011−026665号公報に記載の粒子の形状などが含まれる。その中でも、窒化物結晶原料が珊瑚状であると、原料の溶解速度が上がり、大型の窒化物結晶を効率よく得ることができるため、好ましい。
(本発明の第13族金属窒化物多結晶の製造方法)
本発明の周期表第13族金属窒化物多結晶の製造方法の詳細を説明するに当たり、窒化
ガリウム(GaN)結晶における実施態様や具体例を挙げて説明する場合があるが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。なお、本製造方法は、「周期表第13族金属窒化物多結晶」を結晶成長させることを特徴としており、「周期表第13族金属窒化物単結晶」を製造する態様は含まれないことを意図する。また、本製造方法で製造される周期表第13族金属窒化物多結晶の種類は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)等の1種類の周期表第13族金属を構成元素として含む窒化物のほか、窒化ガリウム・インジウム(GaInN)、窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)等の2種類以上の周期表第13族金属を構成元素として含む窒化物であってもよい。
本発明の第13族金属窒化物多結晶の製造工程は、反応容器内温度を昇温して周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる工程であるが、周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる具体的な成長方法や成長条件は特に限定されず、公知の方法や条件を適宜採用することができる。例えば、ハイドライド気相成長法(HVPE法)等の気相成長法のように、周期表第13族金属原料ガスと窒素含有ガスを反応容器内に導入し、気相中でこれらのガスを反応させて周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる方法が挙げられるほか、フラックス法等の液相成長法のように、周期表第13族金属原料と窒素原料を溶媒内に導入し、液相中でこれらの原料を反応させて周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる方法が挙げられる。結晶成長速度が速く、周期表第13族金属窒化物多結晶を効率的に製造できる観点から、周期表第13族金属原料ガスと窒素含有ガスとを反応させて周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる気相成長法を利用した成長工程であることが好ましい。
なお、反応容器内温度の昇温は、採用する成長方法に応じて適宜選択することができ、到達温度及び昇温速度は特に限定されないものとする。また、「周期表第13族金属原料ガス」とは、成長工程の条件下において気体であり、周期表第13族金属を構成元素として含む化合物(単体も含む)を意味するものとする。そして「窒素含有ガス」とは、同じく成長工程の条件下において気体であり、窒素を構成元素として含む化合物(単体を含む)を意味するものとする。
以下、本発明の第13族金属窒化物多結晶の成長工程の詳細を説明するに当たり、周期表第13族金属原料ガスと窒素含有ガスとを反応させて周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる気相成長法の場合の結晶成長装置及び成長条件の具体例を挙げて説明するが、以下の態様に限定されるものではない。
図1に示される結晶成長装置は、気相成長法に利用することができる一般的な装置であり、反応容器100、反応容器内にガスを導入するための導入管101〜105、周期表第13族金属源等を入れるリザーバー106、排気するための排気管109、反応容器を加熱するためのヒーター107を備えている。反応場108には成長する多結晶体を付着させる構造物を設置するほか、種結晶となる周期表第13族金属窒化物多結晶を保持容器を利用して設置することができる。使用する構造物は特に限定されず、原料ガスの導入方向に対して垂直に置かれた平板であってもよく、より付着効率を上げるために大きな表面積を持つ構造体として棒状、平板、ブロック体を水平方向に並べたりしても良い。種結晶を使用する場合に、使用する種結晶は特に限定されず、別途合成したものを使用してもよく、あらかじめ種結晶を構造物上に成長させたものを使用しても良い。なお、導入管の数は、使用するガスの種類に応じて適宜変更してもよい。また、反応容器の材質は、石英、焼結体窒化ホウ素、ステンレス等が用いられるが、特に石英であることが好ましい。
周期表第13族金属原料ガスは、成長工程の条件下において気体であり、周期表第13族金属を構成元素として含む化合物(単体も含む)であれば具体的な種類は特に限定され
ず、目的とする周期表第13族金属窒化物多結晶に応じて適宜選択することができる。例えば、周期表第13族金属のハロゲン化物(一塩化ガリウム(GaCl)、三塩化ガリウム(GaCl)、一塩化アルミニウム(AlCl)、三塩化アルミニウム(AlCl)臭化ガリウム(GaBr))等が挙げられる。
窒素含有ガスは、成長工程の条件下において気体であり、窒素を構成元素として含む化合物(単体を含む)であれば具体的な種類は限定されないが、アンモニアガス(NH)等が挙げられる。
周期表第13族金属原料ガス及び窒素含有ガスのほか、目的に応じて水素ガス(H)、窒素ガス(N)、ヘリウムガス(He)、ネオンガス(Ne)、アルゴンガス(Ar)等のキャリアガスを使用することができる。
周期表第13族金属原料ガスは、リザーバー106内に周期表第13族金属を入れ、導入管103から周期表第13族金属と反応するガスを供給することにより発生させ、供給することができる。例えば、リザーバー内に金属ガリウム(Ga)を入れ、導入管103から塩化水素ガス(HCl)を供給することにより、塩化ガリウム(GaCl)を供給することができる。なお、導入管103からは塩化水素(HCl)とともにキャリアガスを供給してもよい。また、窒素含有ガス、キャリアガス等は導入管101、102、104、105から供給することができる。
排気管は、反応容器内壁の上面、底面、側面の何れの位置に存在してもよいが、ゴミ落ちの観点から結晶成長端よりも下部にあることが好ましく、図1のように反応容器底面に設置されていることがより好ましい。
本発明に係る成長工程における成長条件(温度、圧力、周期表第13族金属原料ガス等の供給量、結晶成長時間)は、成長方法等に応じて適宜設定すべきものであるが、気相成長法により周期表第13族金属窒化物多結晶を成長させる場合の具体例を以下に挙げる。
温度条件(反応容器内温度)は、通常950℃以上、好ましくは970℃以上、より好ましくは980℃以上であり、通常1200℃以下、好ましくは1100℃以下、より好ましくは1050℃以下である。
圧力条件(反応容器内圧力)は、通常10kPa以上、好ましくは30kPa以上、より好ましくは50kPa以上であり、通常200kPa以下、好ましくは150kPa以下、より好ましくは120kPa以下である。
周期表第13族金属原料ガスの体積分率(反応容器内を満たす全ガス体積に対する分率)は、塩化ガリウムガス(GaCl)を使用する場合、通常0.5vol%以上、好ましくは1vol%以上、より好ましくは3vol%以上であり、通常30vol%以下、好ましくは15vol%以下、より好ましくは10vol%以下である。
窒素含有ガスの体積分率(反応容器内を満たす全ガス体積に対する分率)は、アンモニアガス(NH)を使用する場合、通常5vol%以上、好ましくは10vol%以上、より好ましくは30vol%以上であり、通常95vol%以下、好ましくは90vol%以下、より好ましくは80vol%以下である。
気相成長法を用いて窒化ガリウム多結晶を成長する場合、キャリアガスとして水素ガス(H)、窒素ガス(N)、ヘリウムガス(He)、ネオンガス(Ne)、アルゴンガス(Ar)等を適宜用いることができるが、水素ガス(H)をキャリアガスとして用いる場合、その水素ガスの使用比率を下げることにより、後述のガリウム利用効率を上げることが可能である。この場合、水素ガス(H)の代わりに他の不活性ガスをキャリアガスとして用いることが好ましい。水素ガス(H)の体積分率(反応容器内を満たす全ガス体積に対する分率)は、50vol%以下にすることが好ましく、30vol%以下に
することがより好ましく、10vol%以下にすることがさらに好ましい。また、水素ガス(H)の代わりに用いる不活性ガスとしては、コストの観点から窒素ガス(N)が好ましい。
結晶成長時間は、目的とする周期表第13族金属窒化物多結晶の量等に応じて適宜設定するべきものであるが、通常10分以上、好ましくは30分以上、より好ましくは1時間以上であり、通常300時間以下、好ましくは150時間以下、より好ましくは100時間以下である。上記範囲内であれば、アモノサーマル法等の結晶成長法に使用する原料に特に好適な周期表第13族金属窒化物多結晶を製造することができる。
上述の製造方法によって製造される周期表第13族金属窒化物多結晶の用途は特に限定されず、結晶性の高い結晶や単結晶体でない周期表第13族金属窒化物多結晶を使用することができる用途に幅広く適用することができる。周期表第13族金属窒化物単結晶の結晶成長用原料として好適に利用することができ、特に液相成長用原料(アモノサーマル法も含む。)として特に好適に利用することができる。
(アモノサーマル法による13族窒化物単結晶の結晶成長)
本発明の第13族窒化物多結晶は、アモノサーマル法により窒化物結晶原料から窒化物単結晶を製造する際の窒化物結晶原料として好適に用いることができる。つまり、本発明の周期表第13族金属窒化物多結晶を原料として反応容器の原料充填領域に充填し、該反応容器中で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて周期表第13族窒化物単結晶の成長を行う周期表第13族窒化物単結晶の製造方法(以下、本発明の製造方法と称する場合がある。)を好ましく用いることができる。
アモノサーマル法とは、超臨界状態及び/又は亜臨界状態にあるアンモニア溶媒などの窒素を含有する溶媒を用いて、窒化物結晶原料の溶解−析出反応を利用して所望の窒化物単結晶を製造する方法である。結晶成長は、アンモニアなどの溶媒への窒化物結晶原料溶解度の温度依存性を利用して温度差により過飽和状態を発生させて結晶を析出させることにより行う。
本発明の第13族窒化物多結晶を原料として用いたアモノサーマル法によれば、速い成長速度で、原料利用効率良く、高い品質を有する窒化物単結晶を効率良く製造することができる。本発明によれば、c軸方向の成長速度として、100μm/day以上を達成することができ、さらには300μm/day以上を達成することができ、さらになお600μm/day以上を達成することができる。また、m軸方向の成長速度として、30μm/day以上を達成することができ、さらには100μm/day以上を達成することができ、さらになお300μm/day以上を達成することができる。さらに、a軸方向の成長速度として、50μm/day以上を達成することができ、さらには600μm/day以上を達成することができ、さらになお1500μm/day以上を達成することができる。
以下において、アモノサーマル法による第13族窒化物単結晶の製造法の詳細を説明する。
(鉱化剤)
本発明におけるアモノサーマル法による第13族窒化物単結晶の成長に際しては、鉱化剤を用いることが好ましい。アンモニアなどの窒素を含有する溶媒に対する窒化物結晶原料の溶解度が高くないために、溶解度を向上させるために鉱化剤を用いる。
ここで用いる鉱化剤は、塩基性鉱化剤であっても、酸性鉱化剤であってもよい。塩基性鉱化剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属と窒素原子を含む化合物で、アルカリ土類金属アミド、希土類アミド、窒化アルカリ金属、窒化アルカリ土類金属
、アジド化合物、その他ヒドラジン類の塩が挙げられる。好ましくは、アルカリ金属アミドで、具体例としてはナトリウムアミド(NaNH)、カリウムアミド(KNH)、リチウムアミド(LiNH)が挙げられる。また、酸性鉱化剤としては、ハロゲン元素を含む化合物が好ましい。ハロゲン元素を含む鉱化剤の例としては、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化水素、アンモニウムヘキサハロシリケート、及びヒドロカルビルアンモニウムフルオリドや、ハロゲン化テトラメチルアンモニウム、ハロゲン化テトラエチルアンモニウム、ハロゲン化ベンジルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化ジプロピルアンモニウム、及びハロゲン化イソプロピルアンモニウムなどのアルキルアンモニウム塩、フッ化アルキルナトリウムのようなハロゲン化アルキル金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、ハロゲン化金属等が例示される。このうち、好ましくはハロゲン元素を含む添加物(鉱化剤)であるハロゲン化アルカリ、アルカリ土類金属のハロゲン化物、金属のハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化水素であり、さらに好ましくはハロゲン化アルカリ、ハロゲン化アンモニウム、周期表13族金属のハロゲン化物であり、特に好ましくはハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化ガリウムである。ハロゲン化アンモニウムとしては、例えば塩化アンモニウム(NHCl)、ヨウ化アンモニウム(NHI)、臭化アンモニウム(NHBr)、フッ化アンモニウム(NHF)である。
ここで用いる鉱化剤としては、ハロゲン化アンモニウムを含む酸性鉱化剤を用いることが特に好ましい。また、鉱化剤は1種を単独で用いてもよいし、複数種を適宜混合して用いてもよい。
本発明で用いる鉱化剤の組み合わせと濃度比(モル濃度比)は、成長させようとしている窒化物結晶の種類や形状やサイズ、種結晶の種類や形状やサイズ、使用する反応装置、採用する温度条件や圧力条件などにより、適宜決定することができる。
本発明では、鉱化剤として酸性鉱化剤を選択することが好ましく、特にフッ素元素と、塩素、臭素、ヨウ素から構成される他のハロゲン元素から選ばれる少なくとも一つの元素とを含む鉱化剤を用いることが好ましい。前記鉱化剤に含まれるハロゲン元素の組み合わせは、塩素とフッ素、臭素とフッ素、ヨウ素とフッ素といった2元素の組み合わせであってもよいし、塩素と臭素とフッ素、塩素とヨウ素とフッ素、臭素とヨウ素とフッ素といった3元素の組み合わせであってもよいし、塩素と臭素とヨウ素とフッ素といった4元素の組み合わせであってもよい。好ましいのは、塩素とフッ素を少なくとも含む組み合わせと、臭素とフッ素を少なくとも含む組み合わせと、ヨウ素とフッ素を少なくとも含む組み合わせである。第1の発明で用いる鉱化剤に含まれるハロゲン元素の組み合わせと濃度比(モル濃度比)は、製造する窒化物結晶の種類や形状やサイズ、種結晶の種類や形状やサイズ、使用する反応装置、採用する温度条件や圧力条件などにより、適宜決定することができる。
本発明の製造方法では、ハロゲン元素を含有する鉱化剤とともに、ハロゲン元素を含まない鉱化剤を用いることも可能であり、例えばNaNHやKNHやLiNHなどのアルカリ金属アミドと組み合わせて用いることもできる。
前記製造方法で成長させる窒化物結晶に不純物が混入するのを防ぐために、必要に応じて鉱化剤は精製、乾燥してから使用することができる。前記鉱化剤の純度は、通常は95%以上、好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.99%以上である。
前記鉱化剤に含まれる水や酸素の量はできるだけ少ないことが望ましく、これらの含有量は1000ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、1.0ppm以下であることがさらに好ましい。
なお、前記結晶成長を行う際には、反応容器にハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化リン、ハロゲン化シリコン、ハロゲン化ゲルマニウム、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化ヒ素、ハロゲン化スズ、ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化ビスマスなどを存在させておいても
よい。
鉱化剤に含まれるハロゲン元素の溶媒に対するモル濃度は0.1mol%以上とすることが好ましく、0.3mol%以上とすることがより好ましく、0.5mol%以上とすることがさらに好ましい。また、鉱化剤に含まれるハロゲン元素の溶媒に対するモル濃度は30mol%以下とすることが好ましく、20mol%以下とすることがより好ましく、10mol%以下とすることがさらに好ましい。濃度が低すぎる場合、溶解度が低下し成長速度が低下する傾向がある。一方濃度が濃すぎる場合、溶解度が高くなりすぎて自発核発生が増加したり、過飽和度が大きくなりすぎたりするため制御が困難になるなどの傾向がある。
(溶媒)
本発明の製造方法に用いられる溶媒としては、窒素を含有する溶媒を用いることができる。窒素を含有する溶媒としては、成長させる窒化物単結晶の安定性を損なうことのない溶媒が挙げられる。前記溶媒としては、例えば、アンモニア、ヒドラジン、尿素、アミン類(例えば、メチルアミンのような第1級アミン、ジメチルアミンのような第二級アミン、トリメチルアミンのような第三級アミン、エチレンジアミンのようなジアミン)、メラミン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
窒化物結晶原料以外からの酸素の供給を低減するために、溶媒に含まれる水や酸素の量はできるだけ少ないことが望ましく、これらの含有量は1000ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、0.1ppm以下であることがさらに好ましい。アンモニアを溶媒として用いる場合、その純度は通常99.9%以上であり、好ましくは99.99%以上であり、さらに好ましくは99.999%以上であり、特に好ましくは99.9999%以上である。
(反応容器および設置部材)
本発明の第13族窒化物単結晶の製造方法は、反応容器中で実施することができる。
前記反応容器は、窒化物単結晶を成長させるときの高温高圧条件に耐え得るものの中から選択することができる。「反応容器」とは、超臨界および/または亜臨界状態の溶媒の存在下で窒化物結晶の製造を行うための容器を意味し、耐圧性容器内部の構造そのものや、耐圧性容器内に設置されるカプセルなどを好ましい例として挙げることができる。前記反応容器としては、特表2003−511326号公報(国際公開第01/024921号パンフレット)や特表2007−509507号公報(国際公開第2005/043638号パンフレット)に記載されるように反応容器の外から反応容器とその内容物にかける圧力を調整する機構を備えたものであってもよいし、そのような機構を有さないオートクレーブであってもよい。
反応容器は、窒化物単結晶を成長させるときの高温高圧条件に耐え得るもの中から選択することが好ましい。前記反応容器は、高温強度が高く耐圧性と耐食性を有する材料で構成されているものが好ましく、特にアンモニア等の溶媒に対する耐食性に優れたNi系の合金、ステライト(デロロ・ステライト・カンパニー・インコーポレーテッドの登録商標)等のCo系合金を用いることが好ましい。より好ましくはNi系の合金であり、具体的には、Inconel625(Inconelはハンティントン アロイズ カナダ リミテッドの登録商標、以下同じ)、Nimonic90(Nimonicはスペシャルメタルズ ウィギン リミテッドの登録商標、以下同じ)、RENE41(Teledyne Allvac, Incの登録商標)、Inconel718(Inconelはハンティントン アロイズ カナダ リミテッドの登録商標)、ハステロイ(Haynes
International,Incの登録商標)、ワスパロイ(United Te
chnologies,Inc.の登録商標)が挙げられる。
これらの合金の組成比率は、系内の溶媒の温度や圧力条件、及び系内に含まれる鉱化剤及びそれらの反応物との反応性及び/又は酸化力・還元力、pHの条件に従い、適宜選択すればよい。これらを反応容器の内面を構成する材料として用いるには、反応容器自体をこれらの合金を用いて製造してもよく、内筒として薄膜を形成して耐圧性容器内に反応容器として設置してもよく、任意の反応容器の材料の内面にメッキ処理を施してもよい。
反応容器の耐食性をより向上させるために、貴金属の優れた耐食性を利用して、貴金属を反応容器の内表面をライニング又はコーティングしてもよい。また、反応容器の材質を貴金属とすることもできる。ここでいう貴金属としては、Pt、Au、Ir、Ru、Rh、Pd、Ag、及びこれらの貴金属を主成分とする合金が挙げられ、中でも優れた耐食性を有するPtまたはPt合金を用いることが好ましい。
本発明の窒化物単結晶の製造方法に用いることのできる反応容器を含む結晶製造装置の具体例を図2に示す。図2は、本発明で用いることができる結晶製造装置の模式図である。図2に示される結晶製造装置においては、オートクレーブ1(耐圧性容器)中に内反応容器として装填されるカプセル20中で結晶成長を行う。カプセル20中は、原料を溶解するための原料充填領域9と結晶を成長させるための結晶成長領域6から構成されている。原料充填領域9には原料8とともに溶媒や鉱化剤を入れることができ、結晶成長領域6には種結晶7をワイヤーで吊すなどして設置することができる。原料充填領域9と結晶成長領域6の間には、2つの領域を区画バッフル板5が設置されている。バッフル板5の開孔率は2〜60%であるものが好ましく、3〜40%であるものがより好ましい。バッフル板の表面の材質は、反応容器であるカプセル20の材料と同一であることが好ましい。また、より耐食性を持たせ、成長させる結晶を高純度化するために、バッフル板の表面は、Ni、Ta、Ti、W、Mo、Ru、Nb、Pd、Pt、Au、Ir、pBNであることが好ましく、W、Mo、Ti、Pd、Pt、Au、Ir、pBNであることがより好ましく、Pt、Mo、Tiであることが特に好ましい。図2に示される結晶製造装置では、オートクレーブ1の内壁とカプセル20の間の空隙には、第2溶媒を充填することができるようになっている。ここには、バルブ10を介して窒素ボンベ13から窒素ガスを充填したり、アンモニアボンベ12からマスフローメーター14で流量を確認したりしながら第2溶媒としてアンモニアを充填することができる。また、真空ポンプ11により必要な減圧を行うこともできる。なお、第1の発明の窒化物結晶の製造方法を実施する際に用いる結晶製造装置には、バルブ、マスフローメーター、導管は必ずしも設置されていなくてもよい。
図3に示す結晶製造装置のように、カプセルを用いずに前記オートクレーブ1により耐食性を持たせるためにライニング4を使用し、反応容器として用いることもできる。ライニングする材料として、Pt、Ir、Ag、Pd、Rh、Cu、Au及びCのうち少なくとも一種類以上の金属又は元素、もしくは、少なくとも一種類以上の金属を含む合金又は化合物であることが好ましく、より好ましくは、ライニングがしやすいという理由でPt,Ag、Cu及びCのうち少なくとも一種類以上の金属又は元素、もしくは、少なくとも一種類以上の金属を含む合金又は化合物である。例えば、Pt単体、Pt−Ir合金、Ag単体、Cu単体やグラファイトなどが挙げられる。なお、図2のようにカプセルを用いる場合にも、上述のライニングを併用することもできる。
(第13族窒化物単結晶の製造工程)
本発明の窒化物単結晶の製造方法の一例について説明する。本発明の窒化物単結晶の製造方法を実施する際には、まず、反応容器内に、種結晶、窒素を含有する溶媒、窒化物結晶原料(原料)、及び鉱化剤を入れて封止する。ここで、前記種結晶としては、主面の面
方位は特に限定されないが、C面を主面として成長させた結晶を所望の方向に切り出すことによって、主面が非極性面又は半極性面となる基板を得ることができる。これによって、M面などの非極性面、(10−11)、(20−21)などの半極性面を有する種結晶を得ることができる。また、窒化物結晶原料としては、本発明の第13族窒化物多結晶を用いる。
前記窒化物結晶原料、鉱化剤、バッフル板や種結晶などの材料を反応容器内に導入するのに先だって、反応容器内は脱気しておいてもよい。また、材料の導入時には、窒素ガスなどの不活性ガスを流通させてもよい。反応容器内への種結晶の設置は、通常は、原料及び鉱化剤を充填する際に同時又は充填後に設置する。種結晶は、反応容器内表面を構成する貴金属と同様の貴金属製の治具に固定することが好ましい。種結晶の設置後には、必要に応じて加熱脱気をしてもよい。
図2に示す製造装置を用いる場合は、反応容器であるカプセル20内に種結晶、窒素を含有する溶媒、窒化物結晶原料(原料)、及び鉱化剤を入れて封止した後に、カプセル20を耐圧性容器(オートクレーブ)1内に装填し、好ましくは耐圧性容器と該反応容器の間の空隙に第2溶媒を充填して耐圧性容器を密閉する。
その後、全体を加熱して反応容器内を超臨界状態および/又は亜臨界状態とする。超臨界状態では一般的には、粘度が低く、液体よりも容易に拡散されるが、液体と同様の溶媒和力を有する。亜臨界状態とは、臨界温度近傍で臨界密度とほぼ等しい密度を有する液体の状態を意味する。例えば、原料充填部では、超臨界状態として原料を溶解し、結晶成長部では亜臨界状態となるように温度を変化させて超臨界状態と亜臨界状態の原料の溶解度差を利用した結晶成長も可能である。
超臨界状態にする場合、反応混合物は、一般に溶媒の臨界点よりも高い温度に保持する。アンモニア溶媒を用いた場合、臨界点は臨界温度132℃、臨界圧力11.35MPaであるが、反応容器の容積に対する充填率が高ければ、臨界温度以下の温度でも圧力は臨界圧力を遥かに越える。本発明において「超臨界状態」とは、このような臨界圧力を越えた状態を含む。反応混合物は、一定の容積の反応容器内に封入されているので、温度上昇は流体の圧力を増大させる。一般に、T>Tc(1つの溶媒の臨界温度)及びP>Pc(1つの溶媒の臨界圧力)であれば、流体は超臨界状態にある。
超臨界条件では、窒化物単結晶の十分な成長速度が得られる。反応時間は、特に鉱化剤の反応性及び熱力学的パラメータ、すなわち温度及び圧力の数値に依存する。窒化物単結晶の合成中あるいは成長中、反応容器内の圧力は結晶性および生産性の観点から、120MPa以上にすることが好ましく、150MPa以上にすることがより好ましく、180MPa以上にすることがさらに好ましい。また、反応容器内の圧力は安全性の観点から、700MPa以下にすることが好ましく、500MPa以下にすることがより好ましく、350MPa以下にすることがさらに好ましく、300MPa以下にすることが特に好ましい。圧力は、温度及び反応容器の容積に対する溶媒体積の充填率によって適宜決定される。本来、反応容器内の圧力は、温度と充填率によって一義的に決まるものではあるが、実際には、原料、鉱化剤などの添加物、反応容器内の温度の不均一性、及び自由容積の存在によって多少異なる。
反応容器内の温度範囲は、結晶性および生産性の観点から、下限値が500℃以上であることが好ましく、515℃以上であることがより好ましく、530℃以上であることがさらに好ましい。上限値は、安全性の観点から、700℃以下であることが好ましく、650℃以下であることがより好ましく、630℃以下であることがさらに好ましい。本発明の窒化物単結晶の製造方法では、反応容器内における原料充填領域の温度が、結晶成長領域の温度よりも高いことが好ましい。温度差(|ΔT|)は、結晶性および生産性の観
点から、5℃以上であることが好ましく、10℃以上であることがより好ましく、100℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましく、80℃以下が特に好ましい。反応容器内の最適な温度や圧力は、結晶成長の際に用いる鉱化剤や添加剤の種類や使用量等によって、適宜決定することができる。
前記の反応容器内の温度範囲、圧力範囲を達成するための反応容器への溶媒の注入割合、すなわち充填率は、反応容器の自由容積、すなわち、反応容器に窒化物結晶原料、及び種結晶を用いる場合には、種結晶とそれを設置する構造物の体積を反応容器の容積から差し引いて残存する容積、またバッフル板を設置する場合には、さらにそのバッフル板の体積を反応容器の容積から差し引いて残存する容積の溶媒の沸点における液体密度を基準として、通常20〜95%、好ましくは30〜80%、さらに好ましくは40〜70%とする。反応容器として図2のようなカプセル20を用いる場合には、溶媒の超臨界状態においてカプセル20内外で圧力がバランスするように、溶媒量を適宜調整することが好ましい。
反応容器内での窒化物結晶の成長は、熱電対を有する電気炉などを用いて反応容器を加熱昇温することにより、反応容器内をアンモニア等の溶媒の亜臨界状態又は超臨界状態に保持することにより行われる。加熱の方法、所定の反応温度への昇温速度に付いては特に限定されないが、通常、数時間から数日かけて行われる。必要に応じて、多段の昇温を行ったり、温度域において昇温スピードを変えたりすることもできる。また、部分的に冷却しながら加熱したりすることもできる。
なお、前記の「反応温度」は、反応容器の外面に接するように設けられた熱電対、及び/又は外表面から一定の深さの穴に差し込まれた熱電対によって測定され、反応容器の内部温度へ換算して推定することができる。これら熱電対で測定された温度の平均値をもって平均温度とする。通常は、原料充填領域の温度と結晶成長領域の温度の平均値を平均温度とする。
本発明の窒化物単結晶の製造方法においては、種結晶に前処理を加えておくことができる。前記前処理としては、例えば、種結晶にメルトバック処理を施したり、種結晶の成長結晶成長面を研磨したり、種結晶を洗浄するなどが挙げられる。
本発明の窒化物単結晶の製造方法においては、オートクレーブを昇温する際に、一定の温度を保持して、種結晶の成長結晶成長面にメルトバック処理を施してもよい。当該メルトバック処理によって、種結晶の成長結晶成長面や、装置中の部材に付着した結晶核を溶解することができる。
前記前処理において、種結晶の表面(窒化物結晶成長面)を研磨するには、例えば、ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)等で行うことができる。前記種結晶の表面粗さは、例えば、原子間力顕微鏡によって計測した二乗平均平方根粗さ(Rms)が、メルトバックとそれに続く結晶成長を均等に行うとの観点から、1.0nm以下であることが好ましく、0.5nmが更に好ましく、0.3nmが特に好ましい。
所定の温度に達した後の反応時間については、窒化物結晶の種類、用いる原料、鉱化剤の種類、製造する結晶の大きさや量によっても異なるが、通常、数時間から数百日とすることができる。反応中、反応温度は一定にしてもよいし、徐々に昇温又は降温させることもできる。所望の結晶を生成させるための反応時間を経た後、降温させる。降温方法は特に限定されないが、ヒーターの加熱を停止してそのまま炉内に反応容器を設置したまま放冷してもかまわないし、反応容器を電気炉から取り外して空冷してもかまわない。必要であれば、冷媒を用いて急冷することも好適に用いられる。
反応容器外面の温度、あるいは推定される反応容器内部の温度が所定温度以下になった後、反応容器を開栓する。このときの所定温度は特に限定はなく、通常、−80℃〜200℃、好ましくは−33℃〜100℃である。ここで、反応容器に付属したバルブの配管接続口に配管接続し、水などを満たした容器に通じておき、バルブを開けてもよい。さらに必要に応じて、真空状態にするなどして反応容器内のアンモニア溶媒を十分に除去した後、乾燥し、反応容器の蓋等を開けて生成した窒化物結晶及び未反応の原料や鉱化剤等の添加物を取り出すことができる。
なお、本発明の窒化物単結晶の製造方法にしたがって窒化ガリウムを製造する場合、前記以外の材料、製造条件、製造装置、工程の詳細については特開2009−263229号公報を好ましく参照することができる。該公開公報の開示全体を本明細書に引用して援用する。
本発明の窒化物単結晶の製造方法においては、種結晶上に窒化物結晶を成長させた後に、後処理を加えてもよい。前記後処理の種類や目的は特に制限されない。例えば、ピットや転位などの結晶欠陥を容易に観察できるようにするために、育成後の冷却過程で結晶表面をメルトバックしてもよい。
本発明の窒化物単結晶の製造方法においては、結晶の成長条件に温度や圧力を維持している状態で窒化物結晶原料が完全に溶けてしまうと、成長させた結晶が溶解してしまうおそれがある。結晶成長工程の終了後に窒化物結晶原料は微量に残っていることが好ましいとの観点から、前記窒化物結晶原料の溶解率は、40%〜96%が好ましく、50%〜85%が更に好ましく、70%〜80が特に好ましい。前記溶解率は、(結晶成長工程前に投入した原料−結晶成長工程後に残った原料)/(結晶成長工程前に投入した原料)で求めることができる。
アモノサーマル法によって得られた窒化物単結晶は、アニール処理を行うことによって、ドーパントを活性化することが好ましい。アニール処理により、窒化物単結晶に含まれるドーパントを活性化してキャリア活性化率を10〜90%とすることができ、加えて移動度も十分に向上させることができる。アニール処理の時間は特に限定されないが、5.5時間以上であることが好ましく、8時間以上であることがより好ましく、10時間以上であることがさらに好ましく、12時間以上であることが特に好ましい。また、300時間以内であることが好ましく、150時間以内であることがより好ましく、120時間以内であることがさらに好ましく、100時間以内であることが特に好ましい。
アニール処理の温度は750℃以上であることが好ましく、800℃以上であることがより好ましく、850℃以上であることがさらに好ましく、900℃以上であることが特に好ましい。また、アニール処理の温度は1250℃以下であることが好ましく、1200℃以下であることがより好ましく、1100℃以下であることがさらに好ましく、1050℃以下であることが特に好ましい。1250℃以下であれば、アニール処理による質量減少を抑えやすい。アニール処理中の温度は一定に維持してもよいし、段階的に変化させてもよいし、連続的に変化させてもよい。また、これらを適宜組み合わせて実施してもよい。
アニール処理は、アンモニア、窒素、酸素、水素からなる群より選択される1つ以上が存在する雰囲気下で行うことが好ましい。好ましいのは少なくとも窒素が存在する雰囲気下で行なう場合である。このときの窒素の割合は50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。さらには窒素が100%の雰囲気でも好適に行なうことができる。
(第13族窒化物単結晶)
本発明の第13族窒化物単結晶は、上述した製造方法によって得ることができる。得られた窒化物単結晶の酸素濃度は1.5×1018〜2.5×1019atoms/cmであることが好ましく、下記式で求められるドーパント活性化率ηは10〜90%であることが好ましい。
窒化物単結晶の酸素濃度としてより好ましくは2×1018atoms/cm以上であり、より好ましくは2.5×1018atoms/cm以上であって、より好ましくは2×1019atoms/cm以下であり、より好ましくは1.5×1019atoms/cm以下である。また、ドーパント活性化率ηは、より好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上であって、より好ましくは85%以下であり、より好ましくは80%以下である。
上式において、ηはドーパント活性化率(単位:%)であり、[CC]はキャリア濃度(単位:cm−3)であり、[D]はドーパント濃度(単位:cm−3)を示す。
また、本発明の製造方法で得られた第13族窒化物単結晶のキャリア濃度は、5×1017〜2×1019atoms/cmである。キャリア濃度が5×1017〜2×1019atoms/cmの範囲内となることで、適切な導電性を示す窒化物結晶を得ることができる。キャリア濃度として好ましくは8×1017atoms/cm以上であり、より好ましくは1×1018atoms/cm以上であって、好ましくは1.5×1019atoms/cm以下であり、より好ましくは1×1019atoms/cm以下である。
さらに、本発明の製造方法で得られた第13族窒化物単結晶のSi濃度は、1.5×1016atoms/cm以下である。好ましくは、1×1016atoms/cm以下が良い。窒化物単結晶のSi濃度を上記範囲とすることにより、結晶全体の歪みを抑制する事によりクラックによる歩留まり低下を抑制することができる。Si濃度として好ましくは1×1016atoms/cm以下であり、より好ましくは2×1015atoms/cm以下である。
本発明の製造方法で得られた第13族窒化物単結晶のハロゲン含有量が増えるとキャリアの活性率が低くなるので、低濃度でコントロールする事が好ましい。ハロゲン元素としては、たとえば、F、Cl、Br、Iを挙げることができる。
得られた第13族窒化物単結晶のFの濃度は、好ましくは1×1018atoms/cm以下であり、より好ましくは5×1017atoms/cm以下である。Clの濃度は、好ましくは1×1019atoms/cm以下であり、より好ましくは3×1018atoms/cm以下である。Brの濃度は、好ましくは1×1017atoms/cm以下であり、より好ましくは1×1016atoms/cm以下である。Iの濃度は、好ましくは1×1017atoms/cm以下であり、より好ましくは3×1015atoms/cm以下である。
(ウエハ)
本発明の製造方法で得られた第13族窒化物単結晶を所望の方向に切り出すことにより、任意の結晶方位を有するウエハ(半導体基板)を得ることができる。本発明の製造方法によって厚くて大口径のM面を有する窒化物結晶を製造した場合は、m軸に垂直な方向に切り出すことにより、大口径のM面ウエハを得ることができる。また、本発明の製造方法
によって大口径の半極性面を有する窒化物結晶を製造した場合は、半極性面に平行に切り出すことにより、大口径の半極性面ウエハを得ることができる。これらのウエハも、均一で高品質であるという特徴を有する。
(デバイス)
本発明の製造方法で得られた第13族窒化物単結晶やウエハは、デバイス、即ち発光素子や電子デバイスなどの用途に好適に用いられる。本発明の窒化物結晶やウエハが用いられる発光素子としては、発光ダイオード、レーザーダイオード、それらと蛍光体を組み合わせた発光素子などを挙げることができる。また、本発明の窒化物結晶やウエハが用いられる電子デバイスとしては、高周波素子、高耐圧高出力素子などを挙げることができる。高周波素子の例としては、トランジスター(HEMT、HBT)があり、高耐圧高出力素子の例としては、サイリスター(IGBT)がある。本発明の窒化物結晶やウエハは、均一で高品質であるという特徴を有することから、前記のいずれの用途にも適している。中でも、均一性が高いことが特に要求される電子デバイス用途に適している。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
(第13族窒化物多結晶の製造)
周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる成長工程は、図1に示すようなHVPE装置を用いて行った。
(1)HVPE装置の反応容器100内の反応場108に平板状のカーボン製の付着構造体を入れ、反応容器中を不活性ガスで充満させた。
(2)反応容器上部のリザーバー106に金属ガリウムを充填し、構造体を固定したサセプターを重量計に載せて風袋質量を量り、反応容器内に設置した。
(3)反応容器内を不活性ガスとして窒素でパージした後、さらに水素ガスおよびアンモニアガスを導入して温度を1100℃まで昇温した。アンモニア、水素および窒素の混合ガスの体積比をNH:H:N=1:7:1に設定した。
(4)1100℃まで昇温したところで、リザーバー106へ塩化水素ガスの導入を開始して、アンモニアガス(NH)と塩化ガリウムガス(GaCl)を反応部へ供給して、構造体上に窒化ガリウム多結晶を8時間析出させた。アンモニアガス(NH)の分圧は11.4kPa、塩化ガリウムガス(GaCl)の分圧は1.2kPaに設定した。
なお、塩化ガリウムガス(GaCl)の逆反応を防止するために、単独ラインから塩化水素ガス(分圧:0.04kPa)を供給した。
(5)8時間経過した後、塩化水素の供給を停止して冷却プロセスを始めた。高温での窒化ガリウムの分解を抑制するために、反応温度から400℃までの間、アンモニアガスを流し続けた。
(6)冷却が終了した後、反応容器内を不活性ガスへ切り替えて窒化ガリウム多結晶が付着した構造体を取り出した。
構造体に付着した窒化ガリウム多結晶は2次粒子が凝集してなる3次粒子であって、その最大径が0.5〜50mmであり、細孔容積、細孔径を調整するため、0.5〜20mmの大きさになるように粉砕した。なお、このときの粉砕は、大気ガス雰囲気下、相対湿度50%以下の環境下で、約26℃にてGaN多結晶を互いに衝突させて粉砕する方法で行った。Hg圧入法により細孔容積を測定したところ、得られたGaN多結晶の細孔容積は0.5×10−3ml/gであり、細孔平均径は22.3μmであった。なお細孔容積
の測定においては、初期のHg圧入圧力を3.99psiaに設定し、徐々に上げながら測定した。また、接触角θ=140°、Hgの表面張力γ=485dynes/cmの値を用いて行った。
得られたGaN多結晶の特性を表1にまとめて示した。
(第13族窒化物単結晶の成長)
周期表第13族金属窒化物単結晶を結晶成長させる工程は、図3に示すような結晶製造装置を用いて行った。
白金を内張りした内寸が直径20mm、長さ350mmのInconel625製のオートクレーブ(約110ml)を用いて、内径12mm、長さ120mm、肉厚1〜2mmのpBN製るつぼに、上述の通りに得られたGaN多結晶を十分に乾燥させて、GaN多結晶原料として7.23g入れ、該オートクレーブの底部に配置した。原料充填領域の嵩密度は0.8g/cmであった。次いで、鉱化剤として十分に乾燥した純度99.99%のNHCl 2.6gを使用し、充填NH量に対するCl濃度が1.92mol%となるよう鉱化剤を秤量して反応容器であるオートクレーブ内に投入した。その後、バッフル板および種結晶を2個設置した。設置した種結晶はc面を主面とする重量が218.1mgであるものと、m面が主面の重量が28.1mgであるものであった。種結晶を設置後、素早く、バルブが装着されたオートクレーブの蓋を閉じ、オートクレーブの計量を行った。次いでオートクレーブに付属したバルブを介して導管を真空ポンプに通じるように操作し、バルブを開けて真空脱気した。その後、真空状態を維持しながらオートクレーブをドライアイスメタノール溶媒によって冷却し、一旦バルブを閉じた。次いで、導管をNHボンベに通じるように操作した後、再びバルブを開け連続して外気に触れることなくNHをオートクレーブに充填した後、再びバルブを閉じた。オートクレーブの温度を室温に戻し、外表面を十分に乾燥させ充填したNHの増加分の計量を行った。
続いて、オートクレーブを上下に2分割されたヒーターで構成された電気炉内に収納した。オートクレーブの下部外面の温度が475℃に、上部外面の温度が425℃になるように温度差をつけながら5時間かけて昇温し、オートクレーブの下部外面の温度が475℃に、上部外面の温度が425℃に達した後、その温度でさらに96時間保持した。オートクレーブの圧力は約144MPaであった。また保持中の温度幅は±5℃以下であった。
その後、オートクレーブの下部外面の温度が150℃になるまでおよそ8時間を掛け降温した後、ヒーターによる加熱を止め、電気炉内で自然放冷した。オートクレーブの下部外面の温度がほぼ室温まで降下したことを確認した後、まず、オートクレーブに付属したバルブを開放し、オートクレーブ内のNHを取り除いた。その後オートクレーブを計量しNHの排出を確認した後、一旦バルブを閉じ、真空ポンプに通ずるように操作した。
次いで、バルブを再び開放し、オートクレーブのNHをほぼ完全に除去した。その後、オートクレーブの蓋を開け、内部を確認した。
c面が主面の種結晶(c面シード)の重量を測定したところ、325.4mgで、107.3mgの重量増加が確認され、m面が主面の種結晶(m面シード)では、34.7mgと6.6mgの重量増加が確認された。これにより、窒化ガリウム結晶の析出を確認した。また、GaN多結晶原料を入れたるつぼには1.10gのGaNの粉体結晶が溶け残っており、原料の溶解量は6.13gであり、表2記載したように、原料の85%が溶解していた。
得られたGaN単結晶の特性を表2にまとめて示した。
<実施例2>
(第13族窒化物多結晶の製造)
実施例1と同様の方法で行った。
(第13族窒化物単結晶の成長)
本実施例では、図2に示す反応装置を用いて窒化物単結晶を成長させた。
RENE41製オートクレーブ1を耐圧性容器として用い、Pt−Ir製カプセル20を反応容器として結晶成長を行なった。原料8として実施例1と同様にして得られたGaN多結晶130gを秤量し、カプセル下部領域(原料充填領域9)内に設置した。次に鉱化剤として十分に乾燥した純度99.999%のNHFを充填NH量に対してF濃度が0.5mol%となるよう秤量しカプセル内に投入した。さらに下部の原料充填領域9と上部の結晶成長領域6の間に白金製のバッフル板5設置した。種結晶7としてm面を主面とする六方晶系GaN単結晶3枚とc面ウェハー1枚を用いた。m面を主面とする種結晶の表面はCMP仕上げされているおり、c面ウェハーの主面はLAP処理がされている。これら種結晶7を直径0.3mmの白金ワイヤー7により白金製種子結晶支持枠に吊るし、カプセル上部の結晶成長領域6に設置した。
次にカプセル20の上部に、Pt−Ir製のキャップを接続した。次いで、チューブをHIガスラインに接続し、真空ポンプ11に通ずるようバルブを操作し真空脱気した。その後バルブを窒素ボンベ13に通ずるように操作しカプセル内を窒素ガスにてパージを行った。真空脱気、窒素パージを行った後、真空ポンプに繋いだ状態で一晩放置した。
次に、カプセル下部を液体窒素で冷却し、バルブを開け外気に触れることなくHI充填した。流量制御に基づき、鉱化剤としてHIを充填NH量に対してI濃度が1.5mol%となるよう充填した後、再びバルブを閉じた。次いで、カプセルをHIラインから外しNHガスラインに接続した。ガスラインを真空脱気、窒素パージを行った後、真空ポンプにて真空引きを行った。その後、NHラインのバルブを操作し、流量制御に基づき、NHを先に充填したHIガスと等mol量充填し、バルブを閉じた。次いで、カプセルを液体窒素から取り出し、ドライアイスエタノール溶媒により冷却した。続いて再びバルブを開け外気に触れることなくNHを充填したした後、再びバルブを閉じた。その後、キャップ上部のチューブを溶接機により封じ切った。
続いて、カプセルをオートクレーブに挿入し、オートクレーブを密封した。オートクレーブに付属したバルブ10を介して導管を真空ポンプ11に通じるように操作し、バルブを開けて真空脱気した。カプセルと同様に窒素ガスパージを複数回行なった。その後、真空状態を維持しながらオートクレーブ1をドライアイスメタノール溶媒によって冷却し、一旦バルブ10を閉じた。次いで導管をNHボンベ12に通じるように操作した後、再びバルブ10を開け連続して外気に触れることなくNHをオートクレーブ1に充填したした後、再びバルブ10を閉じた。
続いてオートクレーブ1を上下に2分割されたヒーターで構成された電気炉内に収納した。オートクレーブ内部の平均温度が600℃、内部の温度差が10℃になるようにオートクレーブ外面温度で制御しながら昇温した。設定温度に達した後、その温度にて16.8日間保持した。オートクレーブ内の圧力は215MPaであった。また保持中のオートクレーブ外面制御温度のバラツキは±0.3℃以下であった。
その後、オートクレーブ1の外面の温度が400℃になるまで冷却し、オートクレーブに付属したバルブ10を開放し、オートクレーブ内のNHを取り除いた。この時、オートクレーブとカプセルとの圧力差を利用しカプセルを割り、カプセル内に充填したNHも取り除いた。
オートクレーブ1を計量しNHの排出を確認した後、オートクレーブの蓋を開け、カプセル20を取り出した。カプセル内部を確認すると、m面、c面いずれの種結晶上にも窒化ガリウム結晶が成長していた。肉眼観察では、黄色〜茶色の透明な結晶であり、特に
m面窒化ガリウム結晶にはクラックやボイドなど可視的な欠陥は見られなかった。種結晶上に成長した窒化ガリウム結晶をX線回折測定した結果、結晶系は六方晶系であり、立方晶GaNは含まれていないことが確認された。成長速度((結晶厚み−種結晶厚み)/成長日数)はm軸方向に220μm/日であった。表2に示す通り、溶解率は51%であり、回収したGaN多結晶原料を確認したところ、全体的に溶解して小粒になっていることを確認した。これは、GaN多結晶原料中の細孔内から溶解した原料が十分外部に拡散していたと思われる。
成長した結晶をSIMSにより分析すると、酸素濃度は2.20×1018atoms/cmであり、Si濃度は1.14×1015atoms/cm、F濃度は1.15×1017atoms/cm、I濃度は2.60×1017atoms/cmであった。
得られた窒化ガリウム結晶を、窒素90%−アンモニア10%雰囲気下で、1060℃、24時間アニール処理を行った後、ホール測定を行った。アニール後のGaN結晶のホール測定の結果から、キャリア濃度が1.90×1018atoms/cm、移動度が288cm/V・s、比抵抗が1.08×10−2Ωcmであることを確認した。
得られたGaN単結晶の特性を表2にまとめて示した。
<実施例3>
(第13族窒化物多結晶の製造)
周期表第13族金属窒化物多結晶を結晶成長させる成長工程は、図1に示すようなHVPE装置を用いて行った。
(1)HVPE装置の反応容器100内の反応場108に図4に示すようなカーボン製の付着構造体を入れ、反応容器中を不活性ガスで充満させた。
(2)反応容器上部のリザーバー106に金属ガリウムを充填し、構造体を固定したサセプターを重量計に載せて風袋質量を量り、反応容器内に設置した。
(3)反応容器内を不活性ガスとして窒素でパージした後、さらに水素ガスおよびアンモニアガスを導入して温度を1100℃まで昇温した。アンモニア、水素および窒素の混合ガスの体積比をNH:H:N=2.8:1.2:7.1に設定した。
(4)1100℃まで昇温したところで、リザーバーへ塩化水素ガスの導入を開始して、アンモニアガス(NH)と塩化ガリウムガス(GaCl)を反応部へ供給して、構造体上に多結晶窒化ガリウムを8時間析出させた。アンモニアガス(NH)の分圧は24kPa、塩化ガリウムガス(GaCl)の分圧は2.2kPaに設定した。
なお、塩化ガリウムガス(GaCl)の逆反応を防止するために、単独ラインから塩化水素ガス(分圧:0.05kPa)を供給した。
(5)8時間経過した後、塩化水素の供給を停止して冷却プロセスを始めた。高温での窒化ガリウムの分解を抑制するために、反応温度から400℃までの間、アンモニアガスを流し続けた。
(6)冷却が終了した後、反応容器内を不活性ガスへ切り替えて窒化ガリウム多結晶が付着した構造体を取り出した。
構造体に付着した窒化ガリウム多結晶は2次粒子が凝集してなる3次粒子であって、その最大径が0.5〜50mmであり、細孔容積、細孔径を調整するため、0.5〜20mmの大きさにを粉砕した。なお、このときの粉砕は、大気ガス雰囲気下、相対湿度50%以下の環境下で、約26℃にてGaN多結晶を互いに衝突させて粉砕する方法で行った。Hg圧入法により細孔容積を測定したところ、細孔容積は0.6×10−3ml/g、容積基準の平均細孔径は19.4μmであり、酸素濃度は13ppmであった。なお細孔容積の測定については実施例1と同様の方法で行った。
得られたGaN多結晶の特性を表1にまとめて示した。
(第13族窒化物単結晶の成長)
原料8として、上述の通りに得られたGaN多結晶粒子を用いたほかは、表2に示す条件として、実施例2と同様におこなった。表2に示す通り、溶解率は70%であり、回収したGaN多結晶原料を確認したところ、全体的に溶解して小粒になっていることを確認した。これは、GaN多結晶原料中の細孔内から溶解した原料が十分外部に拡散していたと思われる。
成長した窒化ガリウム結晶をSIMSにより分析すると、酸素濃度は1.50×1018atoms/cmであった。
得られた窒化ガリウム結晶を、窒素90%−アンモニア10%雰囲気下で、1060℃、24時間アニール処理を行った後、ホール測定を行った。アニール後のGaN結晶のホール測定の結果から、キャリア濃度が6.7×1017atoms/cm、移動度が335cm/V・s、比抵抗が2.40×10−2Ωcm、F濃度は4.30×1017atoms/cm、I濃度は2.86×1017atoms/cmであることを確認した。
得られたGaN単結晶の特性を表2にまとめて示した。
<実施例4>
(第13族窒化物多結晶の製造)
反応場108に、図4に示されるような構造を有する種結晶を設置するための構造体を入れ、その上の中心から端部に至るまで窒化ガリウム種結晶を隙間なく設置していき、種結晶層厚みが約1cmとなるまで種結晶を並べた(並べた窒化ガリウム種結晶の総重量は1359g)以外は実施例3に記載した第13族窒化物多結晶の製造と同様に行った。得られた多結晶体は2次粒子が凝集してなる3次粒子であって、その最大径が0.5〜50mmであり、細孔容積、細孔径を調整するため、0.5〜20mmの大きさにを粉砕した。なお、このときの粉砕は、大気ガス雰囲気下、相対湿度50%以下の環境下で、約26℃にてGaN多結晶を互いに衝突させて粉砕する方法で行った。Hg圧入法により細孔容積を測定したところ、細孔容積は1×10−3ml/g、容積基準の平均細孔径が11.4μmであった。なお細孔容積の測定については実施例1と同様の方法で行った。
得られたGaN多結晶の特性を表1にまとめて示した。
(第13族窒化物単結晶の成長)
原料8として、上述の通りに得られたGaN多結晶粒子を用いたほかは、表2に示す条件として、実施例2と同様におこなった。表2に示す通り、溶解率は56%であり、回収したGaN多結晶原料を確認したところ、全体的に溶解して小粒になっていることを確認した。これは、GaN多結晶原料中の細孔内から溶解した原料が十分外部に拡散していたと思われる。成長結晶には若干の着色が見られ、細孔容積が大きいために若干の不純物が結晶中に取り込まれた可能性が考えられた。
得られたGaN単結晶の特性を表2にまとめて示した。
<比較例1>
(第13族窒化物多結晶の製造)
特開2006−083055号公報の製法と同じ方法で、GaN多結晶を作製した。
長さ100mm径30mmのpBN製の筒状コンテナ(容積70cc)に6N金属ガリウムを4.00g 装填した。このとき、コンテナの容積に対する原料金属容積の比は0.02以下であり、原料金属が接しているコンテナの底と壁の面積のコンテナの底と壁の面積の総和に対する比は0.02以下であった。また、このときコンテナ内に装填した金属ガリウムがガスと接触しうる面積は0.7cm/g以上であった。内径32mm、長さ700mmの横置き円筒石英管からなる容器内中央部にコンテナをすばやく装着し、高純度窒素(5N) を流速200Nml/minで流通させ、容器内部や配管部を十分に
置換した。
その後、高純度(5N)の窒素を50Nml/min流しながら、備え付けのヒーターで300℃ まで昇温し、5Nアンモニア500Nml/min、5N窒素50Nml/minの混合ガスに切り替えた。その際の原料金属の体積の総和に対して供給するアンモニアガスの毎秒あたりの体積は12倍以上であり、原料金属上付近のガス流速は1cm/s以上であった。ガスの供給はそのままにして、300℃より10℃/minで1050℃まで昇温した。このとき容器中央部の外壁の温度は1050℃であった。そのままの混合ガスの供給で3 時間反応した。3時間1050℃で反応した後、ヒーターを止め自然放冷した。300℃までの冷却は約4時間であった。300℃以下に温度が下がった後、ガスを5N窒素のみ(流速100Nml/min)に切り替えた。室温まで冷却した後石英管を開けて酸素濃度5ppm以下で水分濃度5ppm以下の不活性ガスボックス内にコンテナを取り出した。なお、得られた多結晶窒化ガリウムは粉状であり、粒径が0.1mm以下であり、コンテナ重量を含んだ反応前後の重量変化から計算すると4.798gであり、金属ガリウムが全て窒化ガリウムになったとした場合の重量増加の理論値から計算すると転化率は99%以上であった。得られた窒化ガリウム多結晶体についてHg圧入法により細孔容積を測定したところ、細孔容積は0.4ml/g、容積基準の平均細孔径は6.5μmであった。なお細孔容積の測定については実施例1と同様の方法で行った。
得られたGaN多結晶の特性を表1にまとめて示した。
(第13族窒化物単結晶の成長)
GaN多結晶原料として、得られたGaN多結晶粉体7.23gを用い、鉱化剤の濃度を下記表2に記載のようにわずかに変更した以外は、実施例1と、同様の装置、成長条件で、結晶成長を行った。比較例1で用いたGaN多結晶粉体の酸素濃度を実施例1と同様にして測定した。その結果を下記表2に記載した。設置した種結晶はc面を主面とする重量が138.1mgであるものと、m面が主面の重量が3.9mgであるものであった。
結晶成長後、c面が主面の種結晶の重量を測定したところ、151.0mgで、12.9mgの重量増加が確認され、m面が主面の種結晶では、4.3mgと0.4mgの重量増加が確認された。窒化ガリウム結晶の析出も確認されたが、実施例1と比較すると微量であった。また、原料を入れたるつぼには5.72gのGaNの粉体結晶の溶け残りがあり、原料の溶解量は1.52gで、表2に記載したように、原料の21%が溶解していた。なお、得られた結晶が小さいため、成長速度は求めずに重量増加で表示した。また、成長結晶の酸素濃度は同様の理由でSIMSによる測定はできなかったが、黒く着色している様子から、酸素濃度が高いことが予想される。また、回収した未溶解の粉末原料についてSEM観察をおこなったところ、結晶成長前後で顕著な変化がみられなかった。このことより、用いたGaN多結晶粉体にNHが充分接触しておらず、平均細孔径が小さく細孔内の溶解した原料の拡散が不十分であったと思われる。
得られたGaN単結晶の特性を表2にまとめて示した。
同じ鉱化剤を使用した実施例2,3,4を比較すると、GaN原料の平均細孔径、細孔容積が異なるにもかかわらず、成長速度は各成長方向ともに同等の結果となり、原料の溶解率も高い結果となっている。
同じ鉱化剤を使用した実施例1と比較例1では顕著に成長速度、原料溶解率、結晶の着色の程度が大きく変化しており、平均細孔径および細孔容積のもたらす影響が顕著であることが分かった。
これらの結果から、細孔容積が0.1×10−3ml/g以上、0.1ml/g以下、容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下である多結晶体を原料で用いることが重要であることがわかった。
一方、若干実施例4の成長結晶に着色が見られ不純物の混入が疑われた。実施例2,3,4の比較から、原料の細孔容積の違いに起因すると考えられ細孔容積が大きいと不純物が混入しやすくなるが、成長した結晶の導電性を制御する観点から、ある程度の不純物を混入させるために細孔容積を適宜必要な範囲で制御することは重要である。酸素をより高濃度に混入する必要がある場合にはさらに細孔容積を大きくするなどの工夫も考えられる。
1 オートクレーブ
2 オートクレーブ内面
3 ライニング
4 ライニング内面
5 バッフル板
6 結晶成長領域
7 種結晶
8 原料
9 原料充填領域
10 バルブ
11 真空ポンプ
12 アンモニアボンベ
13 窒素ボンベ
14 マスフローメーター
20 カプセル
21 カプセル内面
100 反応容器
101〜105 導入管
106 リザーバー
107 ヒーター
108 反応場
109 排気管
112 周期表第13族金属原料ガスの流れ方向

Claims (8)

  1. 細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下であることを特徴とする、周期表第13族金属窒化物多結晶。
  2. 細孔容積が0.1×10−3ml/g以上、0.1ml/g以下であることを特徴とする、周期表第13族金属窒化物多結晶。
  3. 細孔容積基準の平均細孔径が8μm以上、50μm以下である、請求項2に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶。
  4. 前記周期表第13族金属窒化物多結晶の粒子は、最大径が0.5mm以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶。
  5. 前記周期表第13族金属窒化物多結晶の粒子は、最大径が100〜1000μmの2次粒子が凝集してなる、最大径が1〜120mmの3次粒子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の周期表第13族金属窒化物多結晶を原料として反応容器の原料充填領域に充填し、該反応容器中で超臨界および/または亜臨界状態の溶媒存在下にて周期表第13族窒化物単結晶の成長を行うことを特徴とする、周期表第13族窒化物単結晶の製造方法。
  7. 前記窒化物結晶原料の溶解率が40%以上である、請求項6に記載の周期表第13族窒化物単結晶の製造方法。
  8. 請求項7または8に記載の周期表第13族窒化物単結晶の製造方法により製造されることを特徴とする、周期表第13族窒化物単結晶。
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