JP2014226775A - コマギレ肉のトレー盛付方法とその装置 - Google Patents
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Abstract
Description
コマギレ肉は、単一の部分肉がスライスされた肉片と同様に100〜400gずつ小分けされ巾寸法が150mm程度の小トレーに盛付けられる。一方、通常の食肉スライサーにおける肉箱の出口の最大の大きさは、高さが150mm、巾が300〜400mm程度のものが多く、肉箱内に食肉塊を満たした状態でスライスされた肉片を販売用の小トレーに盛付けるには少なくとも巾寸法を半分以下に縮小する必要がある。
しかしながら、規制板によって巾寸法を縮小しようとすると、コマギレ肉が規制板に付着して抵抗となり移送困難になることがあった。
しかしながらこの場合には、一個の移送樋から一度に切り出されるコマギレ肉の量が少なく、処理能力が低いので移送樋を複数個並設して能力を高めようとしたが構成が複雑となるなどの問題があった。
また、スライサーからコマギレ肉を受け取ってベルトコンベヤまで移送する移送面が平滑な回転体が設けられ、回転体の終端部付近には移送面との間隙がコマギレ肉の厚み以下となるよう接近乃至接触させた状態で回転体の走行方向とは逆方向に走行するローラが設けられていることが好ましい。
さらには、ベルトコンベヤの終端部をローラとともにコマギレ肉の切り出しに関連してベルトコンベヤの走行方向に沿って往復移動させて、コマギレ肉を一回に切出される分量ごとに、トレー内における異なる箇所に順次落下させて盛付けることが好ましい。
本発明に使用されるコマギレ肉のトレー盛付装置に供される食肉スライサー(以下単にスライサーと呼ぶ)は、特に限定されるものではないが本例における基本的な構成については、本出願人による特許文献2(特開2011−115931号公報)などに記載されているものを流用したものなので詳細については省略し要点のみについて説明する。
肉箱1は、機台2の後部左右側壁から一体的に突設させた支持軸3を中心として水平位置付近における一定角度範囲内で上下に揺動できるように支持されている。
肉箱1の底部には、底部コンベヤ4が幅方向一杯に後部から出口に亘って敷設されており、広く用いられる手段なので詳述はしないが適宜サーボモーターに連結されて駆動される。
また、肉箱1の左右両側には側壁5、5が後部から出口に亘って立設されるとともに、肉箱1の出口付近の上部位置には、上部押圧部材6が設けられる。この上部押圧部材6は必ずしもコンベヤでなくとも単なる平板状のものでもよい。又、側壁5,5は単なる平板状であってもよいが、コンベヤで構成されると送り込み性能が向上してスライス厚みの変動が少なくなり一度に切り出されるコマギレ肉の量が安定する。
ベルトコンベヤ11の終端部付近の移送面には、移送されたコマギレ肉を剥ぎ取って小肉片に分離するローラ10が、コンベヤベルト11の移送面との間隙がコマギレ肉の厚み以下となるよう接近乃至接触させた状態でコンベヤベルト11の走行方向とは逆方向に走行する(図5における矢印方向)ように設けられる。
トレー移送装置13自体の構成については公知技術なので詳細には記載しないが、本例においては図1に示すように食肉スライサーの機台1に並行して設けられていて、多数のトレー12を上下方向に積み重ねて保持するトレータンクから、コマギレ肉の切り出しに関連して制御手段の指令にもとづき、トレー12を一個ずつ取り出して無端帯からなる移送具で投入位置まで移送する。
小肉片が柔らく付着し易い生肉のときには、小肉片同士が比較的強く付着し合っているので、必ずしも全ての小肉片に分離されないが、所定の落下距離を保っていれば、ローラによる送りと小肉片の自重とにより座屈して折り曲げられた状態となりトレー12内に積み重ねられるように盛付けられるのでコマギレ肉の巾寸法は少なくとも切り出されたときの寸法Bより小さい寸法bとなる。
そして、コマギレ肉の切り出しに関連して終端部をローラ10とともに移動させてコマギレ肉を一回に切出される分量ごとにトレー内の異なる箇所に順次落下させ盛付ける。このときにベルトコンベヤ11の終端部を、停止させて定位置へ落下させて盛付けたり、或いは移動させながらコマギレ肉を落下させて薄く広く盛り付けるように調整することもできる。
さらに、ベルトコンベヤ11の終端部を移動させてコマギレ肉の落下位置を変更することと組合わせて、大形のトレーへ複数回数分のコマギレ肉を、升目状に分割した箇所に落下させて整然と盛り付けることもできる。
この第二実施例は、第一実施例の盛付装置におけるスライサーのコマギレ肉の切り出し口とベルトコンベヤ11の始端部の間に、コマギレ肉を切り出された方向に移送する回転体を介在させたものであって、それ以外の構成については第一実施例に準ずる。
図6においてアウトラインで表示されたスライサーの切り出し口近くにコマギレ肉を受け取り、切り出される方向に沿って移送する回転体として、本例においては移送面となる周面が平滑な円筒形の回転体9が用いられる。この場合、図7に示すように回転体9の移送面はコマギレ肉が切断時の形状を保って受取れるように可能な限り切り出し口に接近させて設けられる。
この回転体9を、食肉移送樋1の上動速度に関連させて図示しないが、サーボモーターを用いて切り出し方向に沿って回転させることで、コマギレ肉を移送面に付着させて切断時の形状を保って整然と取り出すことができる。この回転体9は、必ずしも本例のような円筒形でなくとも移送面が平滑なベルトコンベヤで構成されたものであっても良い。
このとき、コマギレ肉は図8に模式的に表示されるように、巾寸法Bは切り出された伏態を略維持するが、長さ寸法Aは少なくとも切り出されたときから縮小された寸法aとなる。
このようにして一度に切り出されるコマギレ肉の長さ寸法A及び巾寸法B共に販売用の小トレー12の寸法より大きくても、移送中において外形寸法が縮小されて盛付けることができる。
トレー寸法の設定にあたっては、先ず巾寸法B´を定めるが、コマギレ肉の巾寸法Bがベルトコンベヤ11から落下するときに寸法bに縮小される状況を勘案して設定する。
トレーの長さ寸法A´については、最小盛付量がスライス回数一回分となるので、コマギレ肉がベルトコンベヤ11の移送面上に受取られたときの寸法aが略維持されてトレー12に盛付けられるので最小トレーにおける底部の長さ寸法A´は略寸法aに設定される。トレーへの盛付量を多くしたいときは、所望する盛付回数に応じてトレー底部の長さ寸法を最小トレーの長さ寸法A´の倍数で大きくし、その分だけトレーの移送方向に移動させてコマギレ肉を受け取る。
9 回転体
10 ローラ
11 ベルトコンベヤ
12 トレー
13 トレー移送装置
A コマギレ肉の切り出される方向における展開時の外形寸法(長さ寸法)
B コマギレ肉の切り出される方向と直交する方向における外形寸法(巾寸法)
a Aが縮小された寸法
b Bが縮小された寸法
A´ トレー底部の長さ寸法
B´ 同上の巾寸法
Claims (4)
- スライサーから巾寸法Bで間欠的に切り出されるコマギレ肉を受け取るベルトコンベヤと、ベルトコンベヤの終端部の下方位置に所定の落下距離を隔ててコマギレ肉が盛付けられるトレーの移送装置とを有し、ベルトコンベヤの移送面は平滑であって終端部付近には移送面との間隙がコマギレ肉の厚み以下となるよう接近乃至接触させた状態でベルトコンベヤの走行方向とは逆方向に走行するローラが設けられたコマギレ肉のトレー盛付装置を使用して、ベルトコンベヤをコマギレ肉の切り出される方向に対して略直交して走行するように配置し、ベルトコンベヤの終端部からコマギレ肉を落下させ、巾寸法Bより小さい巾寸法bでトレー内に盛付けることを特徴とするコマギレ肉のトレー盛付方法。
- スライサーからコマギレ肉を受け取ってベルトコンベヤまで移送する移送面が平滑な回転体が設けられ、回転体の終端部付近には移送面との間隙がコマギレ肉の厚み以下となるよう接近乃至接触させた状態で回転体の走行方向とは逆方向に走行するローラが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコマギレ肉のトレー盛付方法。
- ベルトコンベヤの終端部をローラとともにコマギレ肉の切り出しに関連してベルトコンベヤの走行方向に沿って往復移動させて、コマギレ肉を一回に切出される分量ごとに、トレー内における異なる箇所に順次落下させて盛付けることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のコマギレ肉のトレー盛付方法。
- スライサーから巾寸法Bで間欠的に切り出されるコマギレ肉を受け取る回転体と、回転体の終端部下方位置でコマギレ肉を受取るベルトコンベヤと、ベルトコンベアの終端部下方位置で所定の落下距離を隔ててコマギレ肉が盛り付けられるトレーを移送するトレー移送装置とを備え、回転体およびベルトコンベヤの移送面は平滑であって終端部付近には移送面との隙間がコマギレ肉の厚み以下となるように接近乃至接触させた状態で回転体またはベルトコンベヤの走行方向とは逆方向に走行するローラがそれぞれに設けられたコマギレ肉のトレー盛付装置であって、ベルトコンベヤは回転体に対し略直交して走行するように配置されていて、ベルトコンベヤの終端部をコマギレ肉の切り出しに関連してローラとともにベルトコンベヤの走行方向に沿って往復移動可能とし、コマギレ肉を一回に切り出される分量ごとに、トレー内における異なる箇所にベルトコンベヤの終端部から順次落下させて、巾寸法Bより小さい巾寸法bで盛付けられるように構成されたことを特徴とするコマギレ肉のトレー盛付装置。
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