JP2014224974A - 照明装置、投射装置および光走査装置 - Google Patents

照明装置、投射装置および光走査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストかつ簡易な構造で作製する。
【解決手段】照明装置は、各位置に入射されたコヒーレント光を、所定の領域内の全域に対して拡散可能な光学素子と、コヒーレント光が光学素子の表面を走査するように、光学素子にコヒーレント光を照射する照射装置と、を備える。照射装置は、コヒーレント光を発光する光源と、光源にて発光されたコヒーレント光の進行方向を変化させて、該コヒーレント光を光学素子の表面上で走査させる光走査装置と、を有する。光走査装置は、光源にて発光されて入射されたコヒーレント光を反射または屈折させる光偏向部と、光偏向部にて反射または屈折されるコヒーレント光の反射方向または屈折方向が連続的または断続的に変化するように、光偏向部に入射されたコヒーレント光の入射方向とは異なる方向に光偏向部を振動させる振動制御部と、を有する。光走査装置は、振動制御部による光偏向部の振動によって、光偏向部にて反射または屈折されたコヒーレント光を光学素子上で走査させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、コヒーレント光を光学素子上で走査させる光走査装置と、光学素子から拡散されたコヒーレント光で照明を行う照明装置と、この種の照明装置を内蔵する投射装置とに関する。
本発明者は、過去に、コヒーレント光で被照明領域を照明する際に、光走査装置にてコヒーレント光を走査させて、被照明領域内でのスペックルを目立たなくさせる照明装置を発明するとともに、この種の照明装置を用いてスクリーン上に光変調画像を投射する際に、スクリーン上のスペックルも目立たなくさせる投射装置とを発明した(特許文献1参照)。
特開2012−58481号公報
上述した特許文献1では、光走査装置の具体例として、一つの軸線を中心として回動可能な反射面を有する反射デバイスを開示している。反射デバイスが軸線を中心として回動すると、光源からのコヒーレント光の入射角度が変化し、それに応じて、反射デバイスからのコヒーレント光の反射角度も変化する。よって、反射デバイスを連続的に回動させることで、コヒーレント光を一方向に走査させることができる。また、反射デバイスの回動軸を2方向に設けることで、コヒーレント光を二方向に走査させることもできる。
レーザ光などのコヒーレント光を2軸方向に走査させる装置として、従来からガルバノスキャナやファーストステアリングミラーなどが知られている。ところが、これらの装置は、精密な位置制御を行うことを目的としており、装置自体が高額で、かつ装置構成も複雑で、小型化も容易ではなかった。
上述した特許文献1に開示された照明装置や投射装置に用いられる光走査装置は、スペックルを目立たなくするために設けられており、光学素子上でコヒーレント光を精度よく走査させる必要はない。よって、できるだけ簡易な構造で低コストで光走査装置を実現するのが望ましい。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストかつ簡易な構造で作製可能な光走査装置と、この光走査装置を内蔵する照明装置および投射装置とを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様では、各位置に入射されたコヒーレント光を、所定の領域内の全域に対して拡散可能な光学素子と、
コヒーレント光が前記光学素子の表面を走査するように、前記光学素子に前記コヒーレント光を照射する照射装置と、を備える照明装置であって、
前記照射装置は、
コヒーレント光を発光する光源と、
前記光源にて発光された前記コヒーレント光の進行方向を変化させて、該コヒーレント光を前記光学素子の表面上で走査させる光走査装置と、を有し、
前記光走査装置は、
前記光源にて発光されて入射されたコヒーレント光を反射または屈折させる光偏向部と、
前記光偏向部にて反射または屈折されるコヒーレント光の反射方向または屈折方向が連続的または断続的に変化するように、前記光偏向部に入射されたコヒーレント光の入射方向とは異なる方向に前記光偏向部を振動させる振動制御部と、を有し、
前記光走査装置は、前記振動制御部による前記光偏向部の振動によって、前記光偏向部にて反射または屈折されたコヒーレント光を前記光学素子上で走査させることを特徴とする照明装置が提供される。
前記光偏向部は、その振動方向におけるコヒーレント光の反射方向または屈折方向が連続的または断続的に変化する形状を有していてもよい。
前記光偏向部は、互いに交差する2軸方向のそれぞれにおいて、曲率が連続的または断続的に変化する面を有し、
前記光源は、前記面上にコヒーレント光を照射してもよい。
前記振動制御部は、前記面に入射されて前記面で拡散されたコヒーレント光が前記光学素子上に形成する線状のビーム軌跡の延在方向と異なる方向に前記光偏向部を振動させてもよい。
前記面は、トーリック面でもよい。
前記光偏向部は、例えば、それぞれの光軸が異なる方向に配置された複数の光偏向部材を有し、前記振動制御部は、前記複数の光偏向部のそれぞれに入射されたコヒーレント光の入射方向とは異なる方向に前記複数の光偏向部材のそれぞれを振動させてもよい。
前記振動制御部は、前記光偏向部に入射されたコヒーレント光の入射方向とは異なる一方向に前記光偏向部を振動させてもよい。
前記振動制御部は、前記光偏向部に入射されたコヒーレント光の入射方向とは異なる二方向に前記光偏向部を振動させてもよい。
前記光源にて発光されたコヒーレント光を、前記光偏向部上の所定の位置に集光させる集光光学系を有していてもよい。
前記光偏向部は、コヒーレント光の入射位置および入射角度に応じた方向にコヒーレント光を屈折させて出射するレンズでもよい。
前記光偏向部は、コヒーレント光の入射位置および入射角度に応じた方向にコヒーレント光を反射させるミラー部材でもよい。
前記光学素子は、参照部材の像を再生するための干渉縞が記録されたホログラム記録媒体でもよい。
本発明の一態様は、前記所定の領域と重なる位置に配置され、請求項1乃至9のいずれかに記載の照明装置によって照明されて、光変調画像を生成する空間光変調器と、
前記光変調画像を投射部材上に投射する投射光学系と、を備えることを特徴とする投射装置でもよい。
本発明の一態様は、位置が固定の所定の光軸に沿って入射されるコヒーレント光を屈折させて出射させる光偏向部と、
前記光偏向部の出射光軸と前記光偏向部に入射されるコヒーレント光の光軸との位置関係が時間に応じて連続的に変化するように、前記光偏向部に入射されたコヒーレント光の入射方向とは異なる方向に前記光偏向部を振動させる振動制御部と、を備えることを特徴とする光走査装置でもよい。
本発明によれば、低コストかつ簡易な構造でコヒーレント光を走査可能な光走査装置と、この光走査装置を内蔵する照明装置および投射装置とを実現できる。
本発明の一実施形態に係る光走査装置65と照明装置40を内蔵する投射装置20の概略構成を示すブロック図。 光偏向部としてミラー部材を用いた一例を示す図。 光偏向部としてレンズを用いた一例を示す図。 光偏向部62を2つのレンズ62bで構成した例を示す図。 ホログラム記録媒体55に散乱板6の像を干渉縞として形成する様子を説明する図。 図5の露光工程を経て得られたホログラム記録媒体55に形成された干渉縞を用いて散乱板の像を再生する様子を説明する図。 トーリックレンズ62cを用いて光偏向部62を構成する例を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る光走査装置65と照明装置40を内蔵する投射装置20の概略構成を示すブロック図である。図1の投射装置20は、光学素子50と、照射装置60と、光変調器30と、投射光学系21とを備えており、光学素子50と照射装置60とにより照明装置40を構成している。
照射装置60は、コヒーレント光が光学素子50の表面を走査するように、光学素子50にコヒーレント光を照射する。照射装置60は、コヒーレント光を放射するレーザ光源61と、レーザ光源61から放射されたコヒーレント光を光学素子50の表面上で走査させる光走査装置65とを有する。
光学素子50は、例えばホログラム感光材料に干渉縞を記録して形成されるホログラム記録媒体55を用いて構成されている。ホログラム記録媒体55の詳細については後述する。光学素子50としてホログラム記録媒体55を用いる場合、ホログラム記録媒体55には、光走査装置65にて反射または屈折されたコヒーレント光が入射される。ホログラム記録媒体55は干渉縞が記録された記録面を有し、この記録面にコヒーレント光が入射されると、干渉縞で回折されたコヒーレント光が発散光(拡散光)となって放射されて、被照明領域LZを照明する。
なお、光学素子50は、ホログラム記録媒体55ではなく、レンズアレイでもよい。この場合、照射装置60からのコヒーレント光はレンズアレイ上を走査し、レンズアレイによって進行方向を変えられたコヒーレント光は被照明領域LZを照明する。
光走査装置65は、レーザ光源61からのコヒーレント光の反射角度を時間的に変化させる。これにより、光走査装置65からのコヒーレント光は、光学素子50上を走査することになる。例えば、光学素子50として、干渉縞が記録されたホログラム記録媒体55を用いる場合、光走査装置65からのコヒーレント光は、ホログラム記録媒体55への入射角度および入射位置を時間的に変えながら、ホログラム記録媒体55の記録面上の干渉縞により回折される。よって、被照明領域LZには、入射角度や入射位置が時間的に変化するコヒーレント光が入射され、時間的に異なる角度で、かつ均一な光量で照明されることになる。
被照明領域LZには、その位置に重なるように光変調器30が配置されている。光変調器30は、被照明領域LZの照明光を利用して、変調画像を生成する。
光変調器30としては、例えばDMD(Digital Micromirror Device)などのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子からなる反射型のマイクロディスプレイを用いることができる。あるいは、光変調器30として透過型の液晶パネルを用いてもよい。
光変調器30の入射面は、照明装置40がコヒーレント光を照射する被照明領域LZと同一の位置で、かつ同一の形状および大きさであることが好ましい。この場合、照明装置40からのコヒーレント光を、拡散スクリーン23への映像の表示に高い利用効率で利用することができるからである。
光変調器30で生成された変調画像は投射光学系21に入射される。投射光学系21は、例えば複数枚のレンズ群で構成されたプロジェクションレンズ22を有する。光変調器30で生成された変調画像は、プロジェクションレンズ22で屈折されて拡散スクリーン23上に投射される。プロジェクションレンズ22の径や、プロジェクションレンズ22と光変調器30との距離や、プロジェクションレンズ22と拡散スクリーン23との距離によって、拡散スクリーン23に投影される変調画像のサイズを調整することができる。
図1では省略しているが、拡散スクリーン23で拡散された変調画像を、不図示のハーフミラーに入射して、このハーフミラーで、拡散スクリーン23で拡散された変調画像光の一部を反射させて変調画像の虚像を形成して、この虚像を外光とともにハーフミラーを介して観察者が視認できるようにしてもよい。これにより、ヘッドアップディスプレイ装置を実現できる。この場合、ハーフミラーとして、例えば、車両のフロントガラスを用いることができ、観察者は運転席に座って前方を向くことで、フロントガラスを通して車外の景色を見ながら、虚像を視認できる。あるいは、ハーフミラーの代わりに、種々の光学素子50やプリズムを用いてもよい。
光変調器30では、種々の変調画像を生成可能であり、光変調器30で変調画像を生成して、その変調画像を被照明領域LZで照明することで、種々の変調画像を拡散スクリーン23上に投射することができる。
なお、上述した照射装置60と光学素子50を備えた本実施形態を照明装置40に適用する場合は、光学素子50からの出射光により被照明領域LZを照明できることから、光学素子50からの出射光を照明光として利用でき、光変調器30と投射光学系21は不要である。
上述したように、被照明領域LZは、時間的に異なる角度で照明され、この照明光を利用して光変調器30で生成された変調画像が投射光学系21で拡散スクリーン23に投射される。このため、拡散スクリーン23の入射角度も時間的に角度変化する。これにより、拡散スクリーン23で生成されるスペックルパターンが時間的に変化し、観察者の目には不可視化される。
図1の投射装置20は、被照明領域LZに光変調器30を配置しており、光変調器30の照明領域のサイズは、被照明領域LZのサイズに依存することになる。よって、例えば被照明領域LZのサイズに見合ったサイズの光変調器30を配置しなければならないという制約が生じる。
このような制約をなくすには、被照明領域LZと光変調器30との間に、被照明領域LZのサイズ変換手段を設ければよい。このサイズ変換手段は、例えばリレー光学系で実現可能である。
光学素子50として、干渉縞が記録されたホログラム記録媒体55を用いる場合、ホログラム記録媒体55は、照射装置60から放射されるコヒーレント光を再生照明光Laとして受けて、当該コヒーレント光を高効率で回折する。とりわけ、ホログラム記録媒体55は、その各位置、言い換えると、その各点とも呼ばれるべき各微小領域に入射するコヒーレント光を回折することによって、散乱板の像を再生することができるようになっている。
一方、照射装置60は、ホログラム記録媒体55に照射されるコヒーレント光が、光走査装置65によりホログラム記録媒体55上を走査するようにしている。したがって、ある瞬間に、照射装置60によってコヒーレント光が照射されたホログラム記録媒体55上の領域は、ホログラム記録媒体55の表面の一部分であって、とりわけ図示する例では、点と呼ばれるべき微小領域となっている。
そして、照射装置60から放射されてホログラム記録媒体55上を走査するコヒーレント光は、ホログラム記録媒体55上の各位置(各点または各領域(以下、同じ))に、当該ホログラム記録媒体55の回折条件を満たすような入射角度で、入射するようになっている。照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、ホログラム記録媒体55で回折されて被照明領域LZを照明する。
照射装置60は、それぞれがコヒーレント光を生成するレーザ光源61と、このレーザ光源61からのコヒーレント光の進行方向を変化させる光走査装置65と、を有する。
レーザ光源61は、例えばそれぞれ異なる波長帯域のレーザ光を放射する複数のレーザ光源61を用いてもよい。複数のレーザ光源61を用いる場合は、各レーザ光源61からのレーザ光が光走査装置65上の同一点を照射するようにする。これにより、ホログラム記録媒体55は、各レーザ光源61の照明色が混ざり合った再生照明光で照明されることになる。
レーザ光源61は、単色のレーザ光源61でもよいし、発光色の異なる複数のレーザ光源61でもよい。例えば、赤、緑、青の複数のレーザ光源61を用いて構成してもよい。
複数のレーザ光源61を用いる場合は、各レーザ光源61からのコヒーレント光が光走査装置65上の一点に照射されるように各レーザ光源61を配置すれば、各レーザ光源61からのコヒーレント光の入射角度に応じた反射角度で反射されて、ホログラム記録媒体55上に入射され、ホログラム記録媒体55から別個に回折されて、被照明領域LZ上で重ね合わされて合成色になる。例えば、赤、緑、青の複数のレーザ光源61を用いて構成して場合には白色になる。あるいは、各レーザ光源61ごとに、別個の光走査装置65を設けてもよい。
なお、例えば白色で照明する場合は、赤緑青以外の色で発光するレーザ光源61、例えば、黄色で発光するレーザ光源61を別個に設けた方が、より白色に近い色を再現できる場合もある。したがって、照射装置60内に設けるレーザ光源61の種類は、特に限定されるものではない。
カラーの変調画像を形成する場合には、種々の実現手法が考えられる。光変調器30がLCOSなどで構成されていて、各画素ごとにカラーフィルタを有する場合には、被照明領域LZを白色光とすることで、光変調器30で生成される変調画像をカラー化することができる。
あるいは、例えば、赤色の変調画像を生成する光変調器30と、緑色の変調画像を生成する光変調器30と、青色の変調画像を生成する光変調器30とを近接配置し、これら3つの光変調器30のそれぞれを照明する3つの被照明領域LZを、順次にホログラム記録媒体55からの拡散光で照明するようにしてもよい。これにより、3つの光変調器30で生成された3色の変調画像が合成されて、カラーの変調画像を生成可能となる。このような時分割駆動の代わりに、3つの光変調器30で同時に生成した3色の変調画像をプリズム等を用いて合成して、カラーの変調画像を生成してもよい。
光走査装置65は、コヒーレント光の進行方向を経時的に変化させ、コヒーレント光の進行方向が一定とはならないよう種々の方向へ向ける。この結果、光走査装置65で進行方向を変化させられるコヒーレント光が、光学素子50のホログラム記録媒体55の入射面上を走査するようになる。
本実施形態に係る光走査装置65は、図1に示すように、光偏向部62と振動制御部63とを有する。光偏向部62には、レーザ光源61で発光されたレーザ光すなわちコヒーレント光がその光軸を固定にしたまま入射される。そして、光偏向部62は、入射されたコヒーレント光を反射または屈折させて出射する。振動制御部63は、光偏向部62にて反射または屈折されるコヒーレント光の反射方向または屈折方向が連続的または断続的に変化するように、光偏向部62に入射されたコヒーレント光の入射方向とは異なる方向に光偏向部62を振動させる。すなわち、振動制御部63は、光偏向部62の出射光軸と光偏向部62に入射されるコヒーレント光の固定の光軸との位置関係が時間に応じて連続的にまたは断続的に変化するように、光偏向部62を光偏向部62の入射コヒーレント光の方向とは異なる方向に振動させる。ここで、連続的に変化とは、例えば凹レンズや凸レンズのように、コヒーレント光の入射面が滑らかに変化しており、この面で反射されるコヒーレント光の反射または屈折方向が絶えず変化することを指し、段階的に変化とは、例えば多角形形状のように、コヒーレント光の入射面が断続的に変化しており、この面で反射されるコヒーレント光の反射または屈折方向が不連続に変化することを指す。光偏向部62の出射光軸と光偏向部62に入射されるコヒーレント光の固定の光軸との位置関係を時間に応じて連続的に変化させる方が、光学素子50上を途切れなく連続的に走査させることができるため、より望ましいが、被照明領域LZ内とスクリーン23上でのスペックルを目立たなくさせるという観点では、光偏向部62の出射光軸と光偏向部62に入射されるコヒーレント光の固定の光軸との位置関係を時間に応じて断続的に変化させても、同様の効果が得られる。
例えば、光偏向部62は、入射光をその入射位置に応じた方向に反射させるミラー部材62aである。このミラー部材62aは、例えば図2に示すような凹面鏡62aで構成される。図2の凹面鏡62aは、振動制御部63により、凹面鏡62aの入射コヒーレント光の方向とは異なる方向、すなわち凹面鏡62aの入射および出射光軸に直交する方向に振動している。図2の凹面鏡62aは、その振動に応じて、図2(a)、図2(b)、図2(c)のように連続的に移動し、これに伴って、入射コヒーレント光の反射方向も連続的に変化する。このように、図2の凹面鏡62aをその入射コヒーレント光の方向とは異なる方向に振動させることで、入射コヒーレント光の光軸が固定であっても、凹面鏡62aでの反射方向を連続的に変化させることができる。
なお、光偏向部62を構成するミラー部材62aの表面は、必ずしも凹面状でなくてもよいが、振動させたときに、入射コヒーレント光の反射方向が連続的または断続的に変化するような形状であればよい。例えば、上述したように、ミラー部材62aの表面は、その法線角度が微小な単位で変化する滑らかな曲線形状でもよいし、その法線角度が曲面形状よりも大きい角度単位で段階的に変化する多角形形状でもよい。また、格子状に分割された各格子単位ごとに、コヒーレント光の反射または屈折方向が異なるような構造や回折膜を設けてもよい。
本実施形態に係る光偏向部62は、入射コヒーレント光を反射させるミラー部材62aだけでなく、入射コヒーレント光を屈折させて出射するレンズで構成してもよい。
図3は光偏向部62に対応するレンズ62bの一例を示す図である。図3のレンズ62bは、振動制御部63により、レンズ62bの入射コヒーレント光の方向とは異なる方向、すなわちレンズ62bの入射および出射光軸に直交する方向に振動している。図3のレンズ62bは、その振動に応じて、図3(a)、図3(b)、図3(c)のように連続的に移動し、これに伴って、入射コヒーレント光の屈折方向も連続的に変化する。このように、図3のレンズ62bをその入射コヒーレント光の方向とは異なる方向に振動させることで、入射コヒーレント光の光軸が固定であっても、レンズ62bでの屈折方向を連続的に変化させることができる。
図2と図3では、光偏向部62を構成するミラー部材62aまたはレンズ62bを1軸方向にのみ振動させる例を示したが、ミラー部材62aまたはレンズ62bをその入射コヒーレント光の方向とは異なる方向に位置する2軸方向に振動させてもよい。これにより、光走査装置65から拡散されたコヒーレント光を、光学素子50上を2次元方向に走査させることができる。
なお、ミラー部材62aまたはレンズ62bを1軸方向のみに振動させても、ミラー部材62aまたはレンズ62bの表面形状を工夫することで、光学素子50上を2次元方向に走査させることは可能である。例えば、ミラー部材62aまたはレンズ62bを1軸方向のみに振動させたときに、その方向に沿って、ミラー部材62aまたはレンズ62bの表面形状が2次元方向に変化していれば、ミラー部材62aまたはレンズ62bで反射または屈折されたコヒーレント光を2次元方向に走査させることができる。
また、光偏向部62を、ミラー部材62aまたはレンズ62bを例えば2個組み合わせて構成し、それぞれを別の方向に振動させてもよい。図4は光偏向部62を2つのレンズ62bで構成した例を示す図である。図4の各レンズ62bは、それぞれ別の方向に振動する。これにより、入射コヒーレント光の屈折方向を2軸方向に連続的に変化させることができる。
振動制御部63は、例えば、アクチュエータ、ボイスコイル、またはエレクトロアクティブポリマー等を用いて、ミラー部材62aまたはレンズ62bを1軸または2軸方向に移動させる。
上述したように、本実施形態に係る光走査装置65は、照明装置40または投射装置20に組み込んだときに、被照明領域LZ内とスクリーン23上でのスペックルを目立たなくすればよいため、コヒーレント光の走査精度はそれほど要求されない。よって、光偏向部62を構成するミラー部材62aまたはレンズ62bの加工精度はそれほど高くなくてもよく、また、ミラー部材62aまたはレンズ62bを均一に振動させる必要もないため、振動制御部63の構成を簡略化してもよい。
本実施形態は、光偏向部62のある固定の場所にレーザ光源61からのコヒーレント光を入射することを想定している。その際、レーザ光源61からのコヒーレント光をある程度絞り込んだ状態で、光偏向部62に入射させるのが重要である。入射コヒーレント光のビーム径が大きいと、光偏向部62からの発散点のビーム口径も大きくなり、光学素子50に理想的なコヒーレント光を入射できなくなる。例えば、光学素子50としてホログラム記録媒体55を用いた場合、ホログラム記録媒体55に干渉縞を記録する際に使用した記録光にできるだけ近い再生光を入射するのが理想的であるが、上述したように、光走査装置65内の光偏向部62への入射コヒーレント光のビーム径が大きいと、理想的な再生光をホログラム記録媒体55に入射できない。そこで、図1に示すように、照射装置60内の光源61と光走査装置65との間に集光レンズ67を配置してもよい。集光レンズ67は、光源61からのコヒーレント光が光走査装置65の1点に収束されるように位置決めされる。これにより、光走査装置65の回転中心とコヒーレント光の発散中心が一致するため、光走査装置65が回転する際にも、常に基準点SPからの発散光をホログラム記録媒体55に入射することができ、当初意図した通りに被照明領域LZを照明できるようになる。
このように、本実施形態に係る光走査装置65によれば、2軸のガルバノミラーよりも発散点を小さくできる。2軸のガルバノミラーは、各軸用の2つのミラーの発散点がそれぞれ異なるため、各発散点が完全には一致しない。よって、2軸のガルバノミラーを用いても、完全な平行光を作れない。これに対して、本実施形態に係る光走査装置65は、発散点を極小化できるため、光走査装置65で反射または屈折させたコヒーレント光を平行光にすることも可能である。
本実施形態では、コヒーレント光の回折作用を可能にするホログラム記録媒体55として、フォトポリマーを用いた透過型の体積型ホログラムを用いることができる。
図5はホログラム記録媒体55に散乱板6の像を干渉縞として形成する様子を説明する図である。ここで、散乱板6とは、光を散乱させる参照部材であり、参照部材の具体的な形態は問わない。
図5に示すように、ホログラム記録媒体55は、実物の散乱板6からの散乱光を物体光Loとして用いて作製されている。図5には、ホログラム記録媒体55をなすようになる感光性を有したホログラム感光材料58に、互いに干渉性を有するコヒーレント光からなる参照光Lrと物体光Loとが露光されている状態が示されている。
参照光Lrとしては、例えば、特定波長域のレーザ光を発振するレーザ光源61からのレーザ光が用いられている。参照光Lrは、レンズ62bからなる集光素子7を透過してホログラム感光材料58に入射する。図5に示す例では、参照光Lrをなすようになるレーザ光が、集光素子7の光軸と平行な平行光束として、集光素子7へ入射する。参照光Lrは、集光素子7を透過することによって、それまでの平行光束から収束光束に整形(変換)され、ホログラム感光材料58へ入射する。この際、収束光束Lrの焦点位置FPは、ホログラム感光材料58を通り過ぎた位置にある。すなわち、ホログラム感光材料58は、集光素子7と、集光素子7によって集光された収束光束Lrの焦点位置FPと、の間に配置されている。
次に、物体光Loは、たとえばオパールガラスからなる散乱板6からの散乱光として、ホログラム感光材料58に入射する。図5の例では、作製されるべきホログラム記録媒体55が透過型であり、物体光Loは、参照光Lrと同じ側の面からホログラム感光材料58へ入射する。物体光Loは、参照光Lrと干渉性を有することが前提である。したがって、例えば、同一のレーザ光源61から発振されたレーザ光を分光させて、分光された一方を上述の参照光Lrとして利用し、他方を物体光Loとして使用することができる。
図5に示す例では、散乱板6の板面への法線方向と平行な平行光束が、散乱板6へ入射して散乱され、そして、散乱板6を透過した散乱光が物体光Loとしてホログラム感光材料58へ入射している。この方法によれば、通常安価に入手可能な等方散乱板を散乱板6として用いた場合に、散乱板6からの物体光Loが、ホログラム感光材料58に概ね均一な光量分布で入射することが可能となる。またこの方法によれば、散乱板6による散乱の度合いにも依存するが、ホログラム感光材料58の各位置に、散乱板6の出射面6aの全域から概ね均一な光量で参照光Lrが入射しやすくなる。このような場合には、得られたホログラム記録媒体55の各位置に入射した光が、それぞれ、散乱板6の像5を同様の明るさで再生すること、および、再生された散乱板6の像5が概ね均一な明るさで観察されることが実現され得る。
以上のようにして、参照光Lrおよび物体光Loがホログラム記録材料58に露光されると、参照光Lrおよび物体光Loが干渉してなる干渉縞が生成され、この光の干渉縞が、何らかのパターン、体積型ホログラムでは、一例として、屈折率変調パターンとして、ホログラム記録材料58に記録される。その後、ホログラム記録材料58の種類に対応した適切な後処理が施され、ホログラム記録材料55が得られる。
図6は図5の露光工程を経て得られたホログラム記録媒体55に形成された干渉縞を用いて散乱板の像を再生する様子を説明する図である。図6に示すように、図5のホログラム感光材料58にて形成されたホログラム記録媒体55は、露光工程で用いられたレーザ光と同一波長の光であって、露光工程における参照光Lrの光路を逆向きに進む光によって、そのブラッグ条件が満たされるようになる。すなわち、図6に示すように、露光工程時におけるホログラム感光材料58に対する焦点FPの相対位置(図5参照)と同一の位置関係をなすようにしてホログラム記録媒体55に対して位置する基準点SPから発散し、露光工程時における参照光Lrと同一の波長を有する発散光束は、再生照明光Laとして、ホログラム記録媒体55にて回折され、露光工程時におけるホログラム感光材料58に対する散乱板6の相対位置(図5参照)と同一の位置関係をなすようになるホログラム記録媒体55に対する特定の位置に、散乱板6の再生像5を生成する。
この際、散乱板6の再生像5を生成する再生光(再生照明光Laをホログラム記録媒体55で回折してなる光)Lbは、露光工程時に散乱板6からホログラム感光材料58へ向かって進んでいた物体光Loの光路を逆向きに進む光として散乱板6の像5の各点を再生する。そして、上述したように、また図5に示すように、露光工程時に散乱板6の出射面6aの各位置から出射する散乱光Loが、それぞれ、ホログラム感光材料58の概ね全領域に入射するように拡散している(広がっている)。すなわち、ホログラム感光材料58上の各位置には、散乱板6の出射面6aの全領域からの物体光Loが入射し、結果として、出射面6a全体の情報がホログラム記録媒体55の各位置にそれぞれ記録されている。
このため、図6に示された、再生照明光Laとして機能する基準点SPからの発散光束をなす各光は、それぞれ単独で、ホログラム記録媒体55の各位置に入射して互いに同一の輪郭を有した散乱板6の像5を、互いに同一の位置(被照明領域LZ)に再生することができる。
ホログラム記録媒体55に入射した光は、被照明領域LZの方向に伝搬されるため、無駄な散乱光を効果的に抑制できる。したがって、ホログラム記録媒体55に入射される再生照明光Laをすべて、散乱板6の像を形成するために有効利用できる。
図4では、ミラー部材62aまたはレンズ62bを2個組み合わせて光偏向部62を構成し、これら2個のミラー部材62aまたはレンズ62bを別々の方向に振動させることで、入射光を二次元方向に走査させているが、1個のミラー部材62aまたはレンズ62bだけで、入射光を二次元方向に走査させることも可能である。
図7はトーリックレンズ(トロイダルレンズ)62cを用いて光偏向部62を構成する例を示す図である。ここで、トーリックレンズ62cとは、円をその中心を通らない回転軸の周りに回転させたときに生じる曲面(トーリック面またはトロイダル面)を有するレンズである。トーリック面は、互いに交差する二軸方向のそれぞれにおいて、曲率が連続的に変化している。このようなトーリック面の任意の場所に入射されたコヒーレント光は、図7に示すように、線状に拡散して、光学素子50上に線状ビーム軌跡50aを形成する。このとき、トーリックレンズ62cを一軸方向に振動させると、線状ビーム光は、振動方向に沿って移動する。より詳細には、振動制御部63は、線状ビーム軌跡50aの延在方向とは異なる方向にトーリックレンズ62cからなる光偏向部62を振動させる。これにより、光学素子50上では、線状ビーム軌跡50aが振動方向に移動するような軌跡を描く。すなわち、光偏向部62は、光学素子50上でコヒーレント光を二次元方向に走査させることができる。
このように、トーリックレンズ62cの所定箇所にコヒーレント光を照射して、トーリックレンズ62cを一軸方向に振動させることで、トーリックレンズ62cにて屈折されたコヒーレント光を二軸方向に走査させることができる。
なお、トーリック面を有するミラー部材62aであっても、同様に、このミラー部材62aを一軸方向に振動させることで、ミラー部材62aにて反射されたコヒーレント光を二軸方向に走査させることができる。
このように、本実施形態に係る光走査装置65は、入射コヒーレント光を反射または屈折させて出射させる光偏向部62と、この光偏向部62をその入射コヒーレント光の方向とは異なる方向に振動させる振動制御部63とを備えるため、光偏向部62を振動させるだけで、光走査装置65から出射されるコヒーレント光の方向を一軸方向または二軸方向に変化させることができる。よって、光走査装置65の内部構成を簡略化でき、照明装置40全体を小型化できる。
光偏向部62は、2個のミラー部材62aまたはレンズ62bを組み合わせて構成できるが、トーリック面を有する1個のミラー部材62aまたはレンズ62bだけでも構成できる。トーリック面を有する1個のミラー部材62aまたはレンズ62bだけで光偏向部62を構成した場合は、ミラー部材62aまたはレンズ62bを一軸方向に振動させるだけでよいため、振動制御部63の制御も容易になり、光走査装置65を小型化できる。
また、本実施形態に係る光走査装置65は、光源61と光走査装置65との間に集光光学系67を設けることで、光偏向部62での発散点をできるだけ小さくでき、光学素子50に対して理想的なコヒーレント光を入射させることができる。よって、光学素子50としてホログラム記録媒体55を用いた場合は、ホログラム記録媒体55に干渉縞を形成するのに用いた記録光に対応する理想的な再生光を照射でき、ホログラム記録媒体55に記録するのに用いた散乱板の像を忠実に再現することができる。
また、本実施形態では、光走査装置65、ホログラム記録媒体55を含む光学素子50、および光変調器30を用いて変調画像を生成するため、例えば通常の液晶表示装置を用いて変調画像を生成する場合と比べて、変調画像を生成するまでのハードウェア構成を大幅に小型化できる。さらに、本実施形態では、光走査装置65でホログラム記録媒体55上をコヒーレント光で走査させ、かつ拡散スクリーン23に変調画像を投射するため、コヒーレント光を用いながらも、スペックルを目立たせなくすることができ、高品質の画像表示が可能な投射装置20を実現できる。また、拡散スクリーン23を設けることで、視野角を広げることも可能となる。
光走査装置65は、ホログラム記録媒体55上の各位置に、当該位置でのブラッグ条件を満たす入射角度で、対応する特定波長のコヒーレント光を入射させる。この結果、各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、ホログラム記録媒体55に記録された干渉縞による回折により、被照明領域(所定の領域)LZの全域に重ねて散乱板6の像5を再生する。すなわち、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光はそれぞれ、光学素子50で拡散されて、被照明領域LZの全域に入射するようになる。
このようにして、照射装置60は、被照明領域LZをコヒーレント光で照明する。例えば、レーザ光源61がそれぞれ異なる色で発光する複数のレーザ光源61を有する場合は、被照明領域LZは、各色で散乱板6の像5が再生される。したがって、これらレーザ光源61が同時に発光する場合は、被照明領域LZは3色が混ざり合った白色で照明されることになる。
また、本実施形態によれば、被照明領域LZの各位置において時間的にコヒーレント光の入射方向が変化していき、且つ、この変化は、人間の目で分解不可能な速さである。したがって、仮に被照明領域LZにスクリーン23を配置したとすると、各入射角度に対応して生成されたスペックルが重ねられ平均化されて観察者に観察されることから、スクリーン23に表示されている映像を観察する観察者に対して、スペックルを極めて効果的に目立たなくさせることができる。本実施形態の場合は、被照明領域LZの位置に重ねて光変調器30を配置し、この光変調器30から投射光学系21を介して拡散スクリーン23に投射しているが、この場合も同様であり、拡散スクリーン23上で発生するスペックルが重ねられて平均化されるため、拡散スクリーン23上で発生するスペックルは目立たなくなる。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
5 像、6 散乱板、7 集光素子、20 投射装置、21 投射光学系、22 プロジェクションレンズ、23 拡散スクリーン、30 光変調装置、40 照射装置、50
光学素子、55 ホログラム記録媒体、58 ホログラム感光材料、60 照射装置、61 レーザ光源、62 光偏向部、62a ミラー部材(凹面鏡)、62b レンズ、63 振動制御部、65 光走査装置

Claims (15)

  1. 各位置に入射されたコヒーレント光を、所定の領域内の全域に対して拡散可能な光学素子と、
    コヒーレント光が前記光学素子の表面を走査するように、前記光学素子に前記コヒーレント光を照射する照射装置と、を備える照明装置であって、
    前記照射装置は、
    コヒーレント光を発光する光源と、
    前記光源にて発光された前記コヒーレント光の進行方向を変化させて、該コヒーレント光を前記光学素子の表面上で走査させる光走査装置と、を有し、
    前記光走査装置は、
    前記光源にて発光されて入射されたコヒーレント光を反射または屈折させる光偏向部と、
    前記光偏向部にて反射または屈折されるコヒーレント光の反射方向または屈折方向が連続的または断続的に変化するように、前記光偏向部に入射されたコヒーレント光の入射方向とは異なる方向に前記光偏向部を振動させる振動制御部と、を有し、
    前記光走査装置は、前記振動制御部による前記光偏向部の振動によって、前記光偏向部にて反射または屈折されたコヒーレント光を前記光学素子上で走査させることを特徴とする照明装置。
  2. 前記光偏向部は、その振動方向におけるコヒーレント光の反射方向または屈折方向が連続的または断続的に変化する形状を有することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記光偏向部は、互いに交差する2軸方向のそれぞれにおいて、曲率が連続的または断続的に変化する面を有し、
    前記光源は、前記面上にコヒーレント光を照射する請求項2に記載の照射装置。
  4. 前記振動制御部は、前記面に入射されて前記面で拡散されたコヒーレント光が前記光学素子上に形成する線状のビーム軌跡の延在方向と異なる方向に前記光偏向部を振動させる請求項3に記載の照射装置。
  5. 前記面は、トーリック面である請求項3または4に記載の照明装置。
  6. 前記振動制御部は、前記光偏向部に入射されたコヒーレント光の入射方向とは異なる一方向に前記光偏向部を振動させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の照明装置。
  7. 前記光偏向部は、それぞれの光軸が異なる方向に配置された複数の光偏向部材を有し、
    前記振動制御部は、前記複数の光偏向部のそれぞれに入射されたコヒーレント光の入射方向とは異なる方向に前記複数の光偏向部材のそれぞれを振動させることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
  8. 前記振動制御部は、前記光偏向部に入射されたコヒーレント光の入射方向とは異なる二方向に前記光偏向部を振動させることを特徴とする請求項1、2または7に記載の照明装置。
  9. 前記光源にて発光されたコヒーレント光を、前記光偏向部上の所定の位置に集光させる集光光学系を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の照明装置。
  10. 前記光偏向部は、コヒーレント光の入射位置および入射角度に応じた方向にコヒーレント光を屈折させて出射するレンズであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の照明装置。
  11. 前記光偏向部は、コヒーレント光の入射位置および入射角度に応じた方向にコヒーレント光を反射させるミラー部材であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の照明装置。
  12. 前記光学素子は、参照部材の像を再生するための干渉縞が記録されたホログラム記録媒体であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の照明装置。
  13. 前記光学素子はレンズアレイを有し、
    前記光走査装置は、前記光偏向部にて反射または屈折されたコヒーレント光を前記レンズアレイ上で走査させることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の照明装置。
  14. 前記所定の領域と重なる位置に配置され、請求項1乃至13のいずれかに記載の照明装置によって照明されて、光変調画像を生成する空間光変調器と、
    前記光変調画像を投射部材上に投射する投射光学系と、を備えることを特徴とする投射装置。
  15. 位置が固定の所定の光軸に沿って入射されるコヒーレント光を屈折させて出射させる光偏向部と、
    前記光偏向部の出射光軸と前記光偏向部に入射されるコヒーレント光の光軸との位置関係が時間に応じて連続的に変化するように、前記光偏向部に入射されたコヒーレント光の入射方向とは異なる方向に前記光偏向部を振動させる振動制御部と、を備えることを特徴とする光走査装置。
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