JP6287157B2 - 照明装置および投射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コヒーレント光を用いて所定の領域を均一に照明可能な照明装置および投射装置に関する。
光学式投射装置(プロジェクタ)では、光源から照射された光でスクリーンを均一に照明することが重要である。スクリーンの均一照明を実現する手法として、液晶デバイス用のフライアイレンズ方式やDMD(Digital Micromirror Device)用のインテグレータロッド方式などが提案されている。
従来は、プロジェクタ用の光源として、高圧水銀ランプなどの高輝度水銀ランプを用いていたが、この種のランプは寿命が短いことから、半導体レーザ等のコヒーレント光源を用いることが注目されている。
しかしながら、コヒーレント光源から出射されるコヒーレント光は、スペックルを発生させるという問題がある。スペックル(speckle)は、レーザ光などのコヒーレント光を散乱面に照射したときに現れる斑点状の模様であり、スクリーン上に発生すると斑点状の輝度ムラ(明るさのムラ)として観察され、照明品質や画像品質の低下のほか、観察者に対して生理的な悪影響を及ぼす要因になる。コヒーレント光を用いた場合にスペックルが発生する理由は、スクリーンなどの散乱反射面の各部で反射したコヒーレント光が、その極めて高い可干渉性ゆえに、互いに干渉し合うことによって生じるものとされている。
本発明者は、過去に、コヒーレント光で被照明領域を照明する際に、光走査装置にてコヒーレント光を走査させて、被照明領域内でのスペックルを目立たなくさせる照明装置を発明するとともに、この種の照明装置を用いてスクリーン上に光変調画像を投射する際に、スクリーン上で発生するスペックルも目立たなくさせる投射装置とを発明した(特許文献1参照)。
特開2012−58481号公報
投射装置用の照明装置では、均一な照度分布を持つ面光源が必要となる。従来から、この種の面光源には、インテグレータロッドが用いられてきた。インテグレータロッドは、入射面に入射された光を、筒状部材の内壁で全反射させながら伝搬させて、出射面の全域から均一な光を出射させることを意図している。ところが、入射光の角度的拡がりが小さいと、筒状部材の内部で拡散される光の範囲が小さくなり、結果として、出射面の全域で光量を均一化させることが困難になる。また、スペックルを低減させる観点では、インテグレータロッド出射面各点からの出射光は複雑かつ広い角度分布を持っていることが好ましいが、インテグレータロッド入射面の大きさが限られているため、必ずしも十分な角度分布を持った光束を効率よく入射させることは容易でなかった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、均一に照明する領域をできるだけ広げることが可能であり、かつ均一化光学系に十分な角度分布を持った光束を効率よく入射させることが可能な照明装置および投射装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様では、入射されたコヒーレント光を拡散させる光学素子と、
前記光学素子で拡散されたコヒーレント光を集光する集光光学系と、
前記集光光学系により集光されたコヒーレント光を全反射させながら伝搬させた後に出射する均一化光学系と、を備え、
前記均一化光学系の入射面は、前記集光光学系の後側焦点位置に配置され、
前記光学素子の発散点から前記集光光学系までの光学距離は、前記集光光学系から前記均一化光学系の入射面までの光学距離よりも長い照明装置が提供される。
前記光学素子の発散点から前記集光光学系までの光学距離は、前記集光光学系から前記均一化光学系の入射面までの光学距離の3倍より長くてもよい。
前記光学素子が拡散面を有する拡散部材の場合、前記発散点は前記拡散面の位置であってもよい。
前記光学素子が凹面レンズを含む場合、前記発散点は前記凹面レンズの前側焦点位置であってもよい。
前記光学素子は、複数の前記凹面レンズを、当該凹面レンズの光軸に直交する面上に並べたレンズアレイであってもよい。
前記光学素子が凸面レンズを含む場合、前記発散点は前記凸面レンズの後側焦点位置であってもよい。
前記光学素子は、複数の前記凸面レンズを、当該凸面レンズの光軸に直交する面上に並べたレンズアレイであってもよい。
前記光学素子は、参照部材の像を再生するための干渉縞が記録されたホログラム記録媒体であってもよい。
前記均一化光学系は、入射面に入射された前記集光光学系にて集光されたコヒーレント光を筒状筐体の内壁で全反射させながら伝搬させて、出射面の全域で光量が均一なコヒーレント光を出射させるインテグレータロッドを有していてもよい。
コヒーレント光を発光する光源と、
前記光源から発光された前記コヒーレント光の進行方向を変化させて、該コヒーレント光を前記光学素子の表面上で走査させる光走査装置と、を備えていてもよい。
請求項1乃至10のいずれかに記載の照明装置と、
前記均一化光学系から出射されたコヒーレント光で照明されて変調画像を生成する光変調器と、
前記変調画像を所定の投射部材上に投射する投射光学系と、を備える投射装置でもよい。
本発明によれば、均一に照明する領域をできるだけ広げることができる。また、本発明によれば、均一化光学系に十分な角度分布を持った光束を効率よく入射させることが可能となる。。
本発明の一実施形態による照明装置40を備えた投射装置20の概略構成を示すブロック図。 図1にリレー光学系を追加したブロック図。 光学素子50で拡散されたコヒーレント光が集光光学系70を通ってインテグレータロッド76に入射されるまでの光線経路を示す図。 (a)は第1比較例による光線経路を示す図、(b)は第2比較例による光線経路を示す図。 光学素子50、集光光学系70およびインテグレータロッド76の位置関係を示す図。 (a)と(b)は発散点を説明する図。 f’/fとb/aとの関係を示すグラフ。 b/aを(f’/f)で1回微分したグラフ。 b/aを(f’/f)で2回微分したグラフ。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更したり、誇張してある。
図1は本発明の一実施形態による照明装置40を備えた投射装置20の概略構成を示すブロック図である。図1の投射装置20は、照射装置60と、光学素子50と、集光光学系70と、均一化光学系75と、光変調器30と、投射光学系80とを備えている。光学素子50と照射装置60にて照明装置40が構成される。
光学素子50は、複数の要素レンズ54からなるレンズアレイ53を有する。複数の要素レンズ54のそれぞれは例えば凹面レンズである。あるいは、複数の要素レンズ54のそれぞれは凸面レンズでもよい。複数の凹面レンズまたは凸面レンズでレンズアレイ53を構成する場合は、これら凹面レンズまたは凸面レンズを、各レンズの光軸に直交する面上に並べて配置すればよい。
照射装置60は、コヒーレント光がレンズアレイ53内の複数の要素レンズ54の表面を走査するように、レンズアレイ53にコヒーレント光を照射する。照射装置60は、コヒーレント光を放射するレーザ光源61と、レーザ光源61から放射されたコヒーレント光をレンズアレイ53内の複数の要素レンズ54の表面上で走査させる走査デバイス65とを有する。
走査デバイス65は、入射されたコヒーレント光の反射角度を一定周期で可変させて、反射されたコヒーレント光がレンズアレイ53上を走査するようにしている。
集光光学系70は、光学素子50で拡散されたコヒーレント光を集光する。均一化光学系75は、集光光学系70により集光されたコヒーレント光を全反射させながら伝搬させた後に出射面から出射する。均一化光学系75の出射面は均一な光量で照明されるため、均一化光学系75の出射面を面照明光として用いることができる。図1では、均一化光学系75の出射面を被照明領域LZとしている。均一化光学系75を設けることで、被照明領域LZ内の全域が均一な光量で照明されることになる。
均一化光学系75は、例えばインテグレータロッド76を用いて構成可能である。インテグレータロッド76は、筒状になっており、その入射面に入射されたコヒーレント光を内壁で全反射させながら出射面方向に伝搬させる。これにより、均一化光学系75の出射面からは、出射面内の全域で光量が均一なコヒーレント光が出射される。ここで、均一化の程度は、個々の使用形態によって異なるが、概略的な目安としては、出射面での輝度分布のばらつきが10%以内である。
光変調器30は、被照明領域LZの照明光を受けて、変調画像を生成する。図1では、光変調器30をインテグレータロッド76の出射面に接するように配置する例を示しているが、図2に示すように、インテグレータロッド76よりも後方にリレー光学系77を設けて、このリレー光学系77のさらに後方に光変調器30を設けてもよい。この場合、インテグレータロッド76の出射面位置と光変調器30の位置とは共役の関係になるように位置決めされる。
光変調器30としては、反射型のマイクロディスプレイを用いることが可能である。この場合、光変調器30での反射光によって変調画像が形成され、光変調器30へ照明装置40からコヒーレント光が照射される面と、光変調器30で生成された変調画像の映像光(反射光)の出射面が同一の面となる。このような反射光を利用する場合、光変調器30としてDMD(Digital Micromirror Device)などのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子を用いることも可能である。
あるいは、光変調器30として、透過型の液晶マイクロディスプレイ例えば、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)を用いることができる。この場合、照明装置40によって面状に照明される液晶マイクロディスプレイが、画素毎にコヒーレント光を選択して透過させることにより、液晶マイクロディスプレイ上に変調画像が形成される。こうして得られた変調画像(映像光)は、投射光学系80によって、必要に応じて変倍されて拡散スクリーン15へ投射される。拡散スクリーン15に投射される変調画像のスペックルパターンは時間的に変化するため、スペックルは不可視化される。
また、光変調器30の入射面は、照明装置40がコヒーレント光を照射する被照明領域LZと同一の形状および大きさであることが好ましい。この場合、照明装置40からのコヒーレント光を、拡散スクリーン15への映像の表示に高い利用効率で利用することができるからである。
光変調器30で生成された変調画像を拡散スクリーン15に投射する投射光学系80は、例えば両面凸形状のプロジェクションレンズ81を有し、光変調器30で生成された変調画像は、プロジェクションレンズ81で屈折されて拡散スクリーン15上に変調画像71を投射する。プロジェクションレンズ81の径や、プロジェクションレンズ81と光変調器30との距離や、プロジェクションレンズ81と拡散スクリーン15との距離によって、拡散スクリーン15に投影される変調画像71のサイズを調整することができる。図1の拡散スクリーン15は、透過型であり、投射された変調画像光を拡散する。なお、拡散スクリーン15は、反射型でもよい。
光変調器30では、種々の変調画像を生成可能であり、光変調器30で変調画像を生成して、それを被照明領域LZで照明することで、種々の変調画像を拡散スクリーン上に投射することができる。
照射装置60内のレーザ光源61は、例えばそれぞれ異なる波長帯域のレーザ光を放射する複数のレーザ光源61を用いてもよい。複数のレーザ光源61を用いる場合は、各レーザ光源61からのレーザ光が走査デバイス65上を照射するようにする。これにより、レンズアレイ53は、各レーザ光源61の照明色が混ざり合った再生照明光で照明されることになる。
レーザ光源61は、単色のレーザ光源61でもよいし、発光色の異なる複数のレーザ光源61でもよい。例えば、赤、緑、青の複数のレーザ光源61を用いて構成してもよい。複数のレーザ光源61を用いる場合は、各レーザ光源61からのコヒーレント光が走査デバイス65上に照射されるように各レーザ光源61を配置すれば、各レーザ光源61からのコヒーレント光の入射角度に応じた反射角度で反射されて、レンズアレイ53上に入射され、レンズアレイ53から別個に集光・発散されて、被照明領域LZ上で重ね合わされて合成色になる。例えば、赤、緑、青の複数のレーザ光源61を用いて構成して場合には白色になる。あるいは、各レーザ光源61ごとに、別個の走査デバイス65を設けてもよい。
なお、例えば白色で照明する場合は、赤緑青以外の色で発光するレーザ光源61、例えば、黄色で発光するレーザ光源61を別個に設けた方が、より白色に近い色を再現できる場合もある。したがって、照射装置60内に設けるレーザ光源61の種類は、特に限定されるものではない。
カラーの変調画像を形成する場合には、種々の実現手法が考えられる。光変調器30がLCOSなどで構成されていて、各画素ごとにカラーフィルタを有する場合には、被照明領域LZを白色光とすることで、光変調器30で生成される変調画像をカラー化することができる。
あるいは、例えば、赤色の変調画像を生成する光変調器30と、緑色の変調画像を生成する光変調器30と、青色の変調画像を生成する光変調器30とを近接配置し、これら3つの光変調器30のそれぞれを照明する3つの被照明領域LZを、順次にレンズアレイ53からの拡散光で照明するようにしてもよい。これにより、3つの光変調器30で生成された3色の変調画像が合成されて、カラーの変調画像を生成可能となる。このような時分割駆動の代わりに、3つの光変調器30で同時に生成した3色の変調画像をプリズム等を用いて合成して、カラーの変調画像を生成してもよい。
上述した投射光学系80は、主には、光変調器30の変調画像を拡散スクリーン15に投影するために設けられている。拡散スクリーン15を設けることで、スペックルが重ねられて平均化される結果、スペックルが目立たなくなる。
走査デバイス65は、コヒーレント光の進行方向を経時的に変化させ、コヒーレント光の進行方向が一定とはならないよう種々の方向へ向ける。この結果、走査デバイス65で進行方向を変化させられるコヒーレント光が、光学素子50のレンズアレイ53の入射面上を走査するようになる。
なお、走査デバイス65から出射されるコヒーレント光は、平行光であることが望ましい。平行光の場合は、レンズアレイ53内の要素レンズ54が集光光学系70の方向にコヒーレント光を集光させることができるためである。仮に、走査デバイス65から出射されるコヒーレント光が拡散光であったとすると、一つの要素レンズ54から集光光学系70の方向に向かうコヒーレント光が種々の方向に分散してしまい、集光光学系70への入射光量が減少する。そこで、走査デバイス65には、出射光を平行光にするための不図示のコリメータ光学系を設けるのが望ましい。あるいは、レンズアレイ53と集光光学系70の間に、別のレンズアレイを設けてもよい。
以上のようにして、照射装置60は、被照明領域LZをコヒーレント光で照明する。例えば、レーザ光源61がそれぞれ異なる色で発光する複数のレーザ光源61を有する場合は、被照明領域LZは、各色で照明される。したがって、これらレーザ光源61が同時に発光する場合は、被照明領域LZは3色が混ざり合った白色で照明されることになる。
上述した照射装置60は、コヒーレント光がレンズアレイ53内の複数の要素レンズ54の表面上を走査するように、光学素子50にコヒーレント光を照射する。また、照射装置60からレンズアレイ53内の任意の位置に入射したコヒーレント光は、被照明領域LZの全域を照明するが、当該被照明領域LZを照明するコヒーレント光の照明方向は互いに異なる。そして、コヒーレント光が入射するレンズアレイ53上の位置が経時的に変化するため、被照明領域LZへのコヒーレント光の入射方向も経時的に変化する。
上述したように、本実施形態では、コヒーレント光は、レンズアレイ53上を連続的に走査する。これに伴って、照射装置60から光学素子50を介して被照明領域LZに入射されるコヒーレント光の入射方向も連続的に変化する。ここで、光学素子50から被照明領域LZへのコヒーレント光の入射方向が僅か(例えば0.数°)だけ変化すれば、被照明領域LZ上に生じるスペックルのパターンも大きく変化し、無相関なスペックルパターンが重畳されることになる。
本実施形態では、被照明領域LZの各位置において時間的にコヒーレント光の入射方向が変化していき、且つ、この変化は、人間の目で分解不可能な速さである。したがって、仮に被照明領域LZにスクリーンを配置したとすると、各入射角度に対応して生成されたスペックルが重ねられ平均化されて観察者に観察されることから、スクリーンに表示されている映像を観察する観察者に対して、スペックルを極めて効果的に目立たなくさせることができる。本実施形態の場合は、被照明領域LZの位置に重ねて光変調器30を配置し、この光変調器30から投射光学系80を介して拡散スクリーン15に投射しているが、この場合も同様であり、拡散スクリーン15上で発生するスペックルが重ねられて平均化されるため、拡散スクリーン15上で発生するスペックルは目立たなくなる。
本実施形態では、インテグレータロッド76の入射面を集光光学系70の後側焦点位置に配置し、かつ光学素子50の発散点から集光光学系70までの光学距離を、集光光学系70の焦点距離よりも長くしている。
図3は光学素子50で拡散されたコヒーレント光が集光光学系70を通ってインテグレータロッド76に入射されるまでの光線経路を示す図である。図示のように、光学素子50からのコヒーレント光は、広がりをもって集光光学系70に入射されるが、集光光学系70はコヒーレント光を絞り込んでインテグレータロッド76に入射させる。これにより、インテグレータロッド76に入射されるコヒーレント光は、インテグレータロッド76の入射面の法線方向に対して大きな角度で入射されることになり、インテグレータロッド76の内壁で全反射しやすくなり、インテグレータロッド76の出射面の全域で均一な光量が得られる。
図4(a)は第1比較例による光線経路を示す図、図4(b)は第2比較例による光線経路を示す図である。図4(a)の場合、光学素子50が集光光学系70に近接して配置されている。したがって、光学素子50を出たコヒーレント光は、それほど広がらずに集光光学系70に入射され、集光光学系70を出たコヒーレント光は発散したままインテグレータロッド76に入射される。すなわち、図4(a)のように、光学素子50が集光光学系70に近接して配置されると、集光光学系70は入射されたコヒーレント光を集光させることができない。よって、インテグレータロッド76への光入射効率を高めるには、集光光学系70を出たコヒーレント光は、インテグレータロッド76の入射面に拡散角度が小さいままでインテグレータロッド76に入射されることになる。この場合、インテグレータロッド76の内壁で全反射される光の角度的拡がりが少なくなり、出射面内での照度分布が不均一になりやすい。また、光学素子50の各点からの拡散光がインテグレータロッド76の出射面で重畳される割合も小さくなり、角度多重によるスペックル低減効果が不十分になってしまう。
また、図4(b)の場合、集光光学系70の前側焦点位置よりもさらに手前に光学素子50が設けられている。よって、光学素子50で拡散され集光光学系70に入射したコヒーレント光は、集光光学系70の出射面よりもインテグレータロッド76の入射面側で収束することになる。この場合、インテグレータロッド76への光入射効率を高くする、すなわち、インテグレータロッド76の入射面での光束面積を小さく保ったまま、インテグレータロッド76の内壁で全反射される光の角度的拡がりを大きくすることができ、出射面内での照度分布を均一に近づけることが可能となる。
図3と図4からわかるように、集光光学系70を出たコヒーレント光の大部分がインテグレータロッド76の入射面での光束面積を小さく保ったまま、インテグレータロッド76の内壁で全反射される光の角度的拡がりを大きくするためには、光学素子50で拡散されたコヒーレント光が集光光学系70にできるだけ大きいビーム径で入射され、かつインテグレータロッド76の入射面にできるだけ小さいビーム径で入射される必要がある。
図5は、光学素子50、集光光学系70およびインテグレータロッド76の位置関係を示す図である。図5では、光学素子50の発散点から集光光学系70までの光学距離をf’、集光光学系70からインテグレータロッド76の入射面までの光学距離をfとしている。なお、インテグレータロッド76は、集光光学系70の後側焦点位置に配置されるため、集光光学系70からインテグレータロッド76の入射面までの光学距離fは、集光光学系70の焦点距離fに等しい。
光学素子50の発散点とは、光学素子50が拡散面を有する拡散部材の場合は、拡散面の位置である。また、光学素子50が複数の凹面レンズ54からなるレンズアレイ53の場合は、図6(a)に示すように凹面レンズ54の前側焦点位置が発散点となる。また、光学素子50が複数の凸面レンズ54からなるレンズアレイ53の場合は、図6(b)に示すように凸面レンズ54の後側焦点位置が発散点である。
図6(a)と図6(b)からわかるように、レンズアレイ53として凸面レンズ54を用いると、凸面レンズ54と集光光学系70との間で光線が交差することから、凸面レンズ54と集光光学系70との間の光学距離は、凸面レンズ54と集光光学系70との間の光学距離よりも長くなる。よって、装置の小型化の観点からは、レンズアレイ53に凹面レンズ54を用いる方が望ましい。
図5では、光学素子50から拡散された光が集光光学系70に入射される範囲を示すビーム径をaとし、集光光学系70から出た光がインテグレータロッド76の入射面に入射される範囲を示すビーム径をbとしている。
上述したように、インテグレータロッド76の出射面の全域での照度分布を均一化するためには、b/aはできるだけ小さい方が望ましい。b/aが小さいということは、インテグレータロッド76の入射面に対する収束角度が大きいことを示している。この場合、インテグレータロッド76の内部でコヒーレント光の角度的拡がりが大きくなる。そこで、本発明者は、光学素子50の発散点から集光光学系70までの光学距離f’と、集光光学系70からインテグレータロッド76の入射面までの光学距離fとの最適な条件を検証した。
図7はf’/fとb/aとの関係を示すグラフであり、横軸はf’/f、縦軸はb/aである。図7のグラフは、f’/fが大きくなるにしたがって、b/aが減少する反比例の関係を示す。図7の丸で囲んだ領域r1を境として、b/aは急激に変化する。
図8はb/aを(f’/f)で1回微分したグラフ、図9はb/aを(f’/f)で2回微分したグラフである。図8は図7のグラフの変化度合いを示しており、図9は図8のグラフの変化度合いを示している。
図8のグラフは、f’/f=3を超えると傾きが急激に緩やかになっている。また、図9のグラフは、f’/f=3を超えると傾きがほぼ0に収束している。
これらの結果から、f’/f>3に設定すれば、b/aを実用上十分な程度にまで大きく設定できることがわかる。なお、f’/f≦3であっても、f’/f>1であれば、インテグレータロッド76の入射面の光束領域が多少大きくなる可能性はあるものの、照明装置40および投射装置20としては実用上問題なく使用できる。
通常、光学系の設計を行う場合は、装置の小型化のために、光学素子50と集光光学系70の距離f’を、集光光学系70とインテグレータロッド76の入射面との距離fより大きくすることはない。すなわち、当業者は、f’≦fとなるように配置することは想定できても、f’>fとなるように配置することは想定できないはずである。
これに対して、本発明者は、図7〜図9の検証により、f’>fとした方がインテグレータロッド76への入射光束面積を小さく保ったまま、出射面での均一範囲を広げられることを知得したものであり、この知得は当業者が通常用いる知識では決して想到しえないものである。
f’>fとすることで、装置全体の光学距離が長くなってしまい、装置の小型化の阻害になりうるが、インテグレータロッド76の出射面の光量の均一化領域は広くなるため、照明装置40として性能は確実に向上する。
本実施形態の走査デバイス65は、例えば、レーザ光源61からのコヒーレント光の反射角度を時間的に変化させるものである。これにより、走査デバイス65からのコヒーレント光は、光学素子50上を走査することになる。より詳しくは、走査デバイス65からのコヒーレント光は、光学素子50への入射位置を時間的に変えながら、光学素子50の持つ光拡散特性に応じて拡散される。したがって、均一化光学系75には、入射角度が時間的に変化するコヒーレント光が入射され、これらコヒーレント光が均一化光学系75内で全反射しながら出射面方向に伝搬するため、均一化光学系75の出射面は、時間的に異なる角度で、かつ均一な照度で照明されることになる。
なお、一部の波長域、例えば、青成分のコヒーレント光については、人間の目の視感度が低いため、スペックルがほとんど気にならない場合がある。したがって、照射装置60内に走査デバイス65を設けて、光学素子50上でコヒーレント光を走査させることは必ずしも必須ではない。
また、図1では、照射装置60内に走査デバイス65を設けて、コヒーレント光を光学素子50上で走査させる例を示したが、走査デバイス65を設ける代わりに、光学素子50を振動させてもよい。これにより、照射装置60からのコヒーレント光の照射位置が固定されていても、結果として、光学素子50上でコヒーレント光を走査させることができ、走査デバイス65を設けた場合と同様のスペックル低減効果が得られる。光学素子50を振動させるには、例えば振動モータやボイスコイルなどの振動機構を設ければよい。
図1では、光学素子50としてレンズアレイ53を用いる例を説明したが、レンズアレイ53の具体例としては、拡散機能を有する全反射型または屈折型のフレネルレンズや、フライアイレンズなどを適応可能である。
また、光学素子50は必ずしもレンズアレイ53には限らず、例えばホログラム記録媒体を用いてもよい。この場合のホログラム記録媒体には、被照明領域LZに散乱板の像を再生し得る干渉縞が形成されている。ホログラム記録媒体に照射装置60からのコヒーレント光が照射されると、干渉縞で回折されたコヒーレント光が発散光(拡散光)となって放射される。より詳細には、照射装置60からホログラム記録媒体の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、ホログラム記録媒体で回折されて、集光光学系70を通過した後に、インテグレータロッド76に入射される。
ホログラム記録媒体は、フォトポリマーを用いた反射型の体積型ホログラムでもよいし、銀塩材料を含む感光媒体を利用して記録するタイプの体積型ホログラムを含んでもよい。また、光学素子50は、透過型の体積型ホログラム記録媒体を含んでいてもよいし、レリーフ型(エンボス型)のホログラム記録媒体を含んでいてもよい。
あるいは、光学素子50は、拡散板で構成することも可能である。拡散板としては、オパールガラスやすりガラス等のガラス部材、あるいは樹脂拡散板などが考えられる。拡散板は、走査デバイス65で反射されたコヒーレント光を拡散させるため、ホログラム記録媒体やレンズアレイ53を用いた場合と同様に、種々の方向から被照明領域LZを照明することができる。なお、本実施形態における光学素子50における「拡散」とは、入射光を所定の方向に角度的に拡げて出射することを指し、回折光学素子50やレンズアレイ53等による拡散角が十分に制御された場合のみならず、オパールガラス等の散乱粒子により出射角を拡げる場合も含まれるものとする。
このように、本実施形態では、均一化光学系75の入射面を集光光学系70の後側焦点位置に配置し、光学素子50の発散点から集光光学系70までの光学距離を集光光学系70から均一光学系までの光学距離も長くするため、均一化光学系75に入射されたコヒーレント光を、均一化光学系75の内壁で効率よく全反射させながら伝搬させて出射でき、均一化光学系75の出射面の全域での出射光量を均一化できる。よって、サイズが大きくて光量の均一度の高い被照明領域LZを照明可能な照明装置40を実現できる。
また、走査デバイス65でコヒーレント光を光学素子50上で走査させることで、均一化光学系75の出射面でのコヒーレント光の出射角度が時間的に変化するようになる。よって、均一化光学系75の出射面でのコヒーレント光を投射光学系80に導くことで、拡散スクリーン15上に投影される、あるいは拡散スクリーン15上で発生するスペックルパターンを時間的に変化させることができ、観察されるスペックルが不可視化される。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
15 拡散スクリーン、20 投射装置、30 光変調器、40 照明装置、50 光学素子、53 レンズアレイ、54 要素レンズ、60 照射装置、61 レンズ光源、65 走査デバイス、70 集光光学系、75 均一化光学系、76 インテグレータロッド、77 リレー光学系、80 投射光学系、81 プロジェクションレンズ、

Claims (10)

  1. コヒーレント光を発光する光源と、
    入射されたコヒーレント光を拡散させる光学素子と、
    前記光源から発光された前記コヒーレント光の進行方向を変化させて、該コヒーレント光を前記光学素子の表面上で走査させる光走査装置と、
    前記光学素子で拡散されたコヒーレント光を集光する集光光学系と、
    前記集光光学系により集光されたコヒーレント光を全反射させながら伝搬させた後に出射する均一化光学系と、を備え、
    前記光学素子は、前記均一化光学系へのコヒーレント光の入射角度が時間に応じて変化するように、前記入射されたコヒーレント光を拡散させ、
    前記均一化光学系の入射面は、前記集光光学系の後側焦点位置に配置され、
    前記光学素子の発散点から前記集光光学系までの光学距離は、前記集光光学系から前記均一化光学系の入射面までの光学距離よりも長い照明装置。
  2. 前記光学素子の発散点から前記集光光学系までの光学距離は、前記集光光学系から前記均一化光学系の入射面までの光学距離の3倍より長い請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記光学素子が拡散面を有する拡散部材の場合、前記発散点は前記拡散面の位置である請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 前記光学素子が凹面レンズを含む場合、前記発散点は前記凹面レンズの前側焦点位置である請求項1または2に記載の照明装置。
  5. 前記光学素子は、複数の前記凹面レンズを、当該凹面レンズの光軸に直交する面上に並べたレンズアレイである請求項4に記載の照明装置。
  6. 前記光学素子が凸面レンズを含む場合、前記発散点は前記凸面レンズの後側焦点位置である請求項1または2に記載の照明装置。
  7. 前記光学素子は、複数の前記凸面レンズを、当該凸面レンズの光軸に直交する面上に並べたレンズアレイである請求項6に記載の照明装置。
  8. 前記光学素子は、参照部材の像を再生するための干渉縞が記録されたホログラム記録媒体である請求項1または2に記載の照明装置。
  9. 前記均一化光学系は、入射面に入射された前記集光光学系にて集光されたコヒーレント光を筒状筐体の内壁で全反射させながら伝搬させて、出射面の全域で光量が均一なコヒーレント光を出射させるインテグレータロッドを有する請求項1乃至8のいずれかに記載の照明装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の照明装置と、
    前記均一化光学系から出射されたコヒーレント光で照明されて変調画像を生成する光変調器と、
    前記変調画像を所定の投射部材上に投射する投射光学系と、を備えることを特徴とする投射装置。
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