JP2012220931A - 照明装置、投射装置および投射型映像表示装置 - Google Patents

照明装置、投射装置および投射型映像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】互いに異なる波長域の複数のコヒーレント光で被照明領域を照明する照明装置であって、スペックルを目立たなくさせることができる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置40は、ホログラム記録媒体55と、波長域の異なる第1および第2のコヒーレント光La,Lbがホログラム記録媒体上を走査するように、波長域が互いに異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置60と、を備える。ホログラム記録媒体の各位置に入射した第1コヒーレント光が、それぞれ、少なくとも一部分において重なる領域を照明し、且つ、ホログラム記録媒体の各位置に入射した第2コヒーレント光が、それぞれ、少なくとも一部分において重なる領域を照明する。
【選択図】図10

Description

本発明は、被照明領域をコヒーレント光で照明する照明装置、コヒーレント光を投射する投射装置、コヒーレント光を用いて映像を表示する投射型映像表示装置に係り、とりわけ、スペックルの発生を目立たなくさせることができる照明装置、投射装置および投射型映像表示装置に関する。
スクリーンと、スクリーン上に映像光を投射する投射装置と、を有した投射型映像表示装置が、広く使用されている。典型的な投射型映像表示装置では、液晶マイクロディスプレイやDMD(デジタルマイクロミラーデバイス:Digital Micromirror Device)といった空間光変調器を用いて元になる二次元画像を生成し、この二次元画像を投射光学系を利用してスクリーン上に拡大投影することにより、スクリーン上に映像を表示している。
投射装置としては、いわゆる「光学式プロジェクタ」と呼ばれている市販品を含めて、様々な方式のものが提案されている。一般的な光学式プロジェクタでは、高圧水銀ランプなどの白色光源からなる照明装置を用いて液晶ディスプレイ等の空間光変調器を照明し、得られた変調画像をレンズでスクリーン上に拡大投影する方式を採っている。たとえば、下記の特許文献1には、超高圧水銀ランプで発生させた白色光を、ダイクロイックミラーによってR,G,Bの三原色成分に分け、これらの光を各原色ごとの空間光変調器へ導き、生成された各原色ごとの変調画像をクロスダイクロイックプリズムによって合成してスクリーン上に投影する技術が開示されている。
ただし、高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプは、寿命が比較的短く、光学式プロジェクタなどに利用した場合、頻繁にランプ交換を行う必要がある。また、各原色成分の光を取り出すために、ダイクロイックミラーなどの比較的大型な光学系を利用する必要があるため、装置全体が大型化するという難点がある。
このような問題に対処するため、レーザなどのコヒーレント光源を用いる方式も提案されている。たとえば、産業上で広く利用されている半導体レーザは、高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプに比べて極めて長寿命である。また、単一波長の光を生成可能な光源であるため、ダイクロイックミラーなどの分光装置が不要になり、装置全体を小型化できるという利点も有する。
その一方で、レーザ光などのコヒーレント光源を用いる方式には、スペックルの発生といった新たな問題が生じている。スペックル(speckle)は、レーザ光などのコヒーレント光を散乱面に照射したときに現れる斑点状の模様であり、スクリーン上に発生すると斑点状の輝度ムラ(明るさのムラ)として観察され、観察者に対して生理的な悪影響を及ぼす要因になる。コヒーレント光を用いた場合にスペックルが発生する理由は、スクリーンなどの散乱反射面の各部で反射したコヒーレント光が、その極めて高い可干渉性ゆえに、互いに干渉し合うことによって生じるものとされている。たとえば、下記の非特許文献1には、スペックルの発生についての詳細な理論的考察がなされている。
このように、コヒーレント光源を用いる方式では、スペックルの発生という固有の問題が生じるため、スペックルの発生を抑制するための技術が提案されている。たとえば、下記の特許文献2には、レーザ光を散乱板に照射し、そこから得られる散乱光を空間光変調器に導くとともに、散乱板をモータによって回転駆動することにより、スペックルを低減する技術が開示されている。
特開2004−264512号公報 特開平6−208089号公報
Speckle Phenomena in Optics, Joseph W. Goodman, Roberts & Co., 2006
上述したとおり、コヒーレント光源を用いた投射装置および投射型映像表示装置において、スペックルを低減する技術が提案されているが、これまでに提案された手法では、スペックルを効率的かつ十分に抑制することはできていない。たとえば、前掲の特許文献2に開示されている方法では、レーザ光を散乱板に照射して散乱させてしまうため、一部のレーザ光は映像表示に全く貢献することなく浪費されてしまう。また、スペックル低減のために散乱板を回転させる必要があるが、そのような機械的な回転機構は比較的大型の装置となり、また、電力消費も大きくなる。更に、散乱板を回転させたとしても、照明光の光軸の位置は変わらないため、スクリーン上で視認されるスペックルを十分に抑制することはできない。
また、スペックルは、投射装置や投射型映像表示装置に関する特有の問題ではなく、被照明領域にコヒーレント光を照明する照明装置を組み込んだ種々の装置において問題となっている。例えば、画像情報の読み取りを行うスキャナにも、読み取り対象となる対象物を照明する照明装置が組み込まれている。読み取り対象となる対象物を照明する光によってスペックルが生じた場合には、画像情報を正確に読み取ることができない。このような不都合を回避するため、コヒーレント光を利用したスキャナでは、画像補正等の特殊な処理を行う必要が生じている。
ところで、単一の光源から生成されるコヒーレント光は、レーザ光に代表されるように、典型的には単色光である。また、実用可能な光源から発生されるコヒーレント光は、特定波長(域)の光に限定される。その一方で、今日における多くの場合、単一の光源では表示することのできない所望の色や、複数の色、典型的にはフルカラーで、被照明領域を照明する或いは映像を表示することが望まれている。したがって、実際に開発される照明装置、投射装置および投射型表示装置は、今日における多様な用途に対応すべく、波長域が互いに異なる複数のコヒーレント光で被照明領域を照明すること、或いは、波長域が互いに異なる複数のコヒーレント光を用いて映像を表示することにも、好適に適用可能であることが好ましい。
なお、人間の眼の比視感度、すなわち、人間の眼による光の明るさの感じ方は、波長に応じて変化する。このため、比視感度の高い波長域の光ほど、スペックルも視認されやすくなる。したがって、このような点も踏まえて、スペックルを効果的に目立たなくさせることができれば好ましい。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、波長域が互いに異なる複数のコヒーレント光で被照明領域を照明する照明装置であって、スペックルを効果的に目立たなくさせることができる照明装置を提供すること、並びに、この照明装置を含んでなる投射装置および投射型映像表示装置を提供することを目的とする。
本発明による第1の照明装置は、
第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光を回折し得るホログラム記録媒体と、
前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明し、且つ、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射する前記第1コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きい。
このような本発明による第1の照明装置において、照明される領域における互いに重なり合う部分内の中心点(重心の位置)に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度が、照明される領域における互いに重なり合う部分内の中心点(重心の位置)に種々の方向から入射する前記第1コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きくなっていてもよい。
このような本発明による第1の照明装置において、照明される領域における互いに重なり合う部分内(被照明領域)の任意の点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、照明される領域における互いに重なり合う部分内(被照明領域)の任意の点に種々の方向から入射する前記第1コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きくなっていてもよい。
このような本発明による第1の照明装置において、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記第1コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されていてもよい。
このような本発明による第1の照明装置において、明所標準比視感度を基準として、前記第2波長域の前記第2コヒーレント光は、前記第1波長域の前記第1コヒーレント光よりも高い比視感度を有してもよい。
本発明による第1の照明装置において、
前記ホログラム記録媒体は、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を回折し得り、
前記照射装置は、前記ホログラム記録媒体上を走査するように前記第3コヒーレント光を照射し、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射する前記第3コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きく、
前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応していてもよい。
このような本発明による第1の照明装置において、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されていてもよい。
本発明による第1の照明装置において
前記ホログラム記録媒体は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して、複数設けられ、前記複数のホログラム記録媒体はある一平面上に並べられており、
前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光を合成してなる合成光を生成する光源機構と、前記光源機構からの前記合成光の進行方向を変化させて、当該合成光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする走査デバイスと、を含み、
前記照射装置は、前記合成光が並べて配置された複数のホログラム記録媒体上を直線状の走査経路に沿って走査するように、前記合成光を照射し、
前記第2コヒーレント光に対応したホログラム記録媒体上における前記合成光の走査経路の長さは、前記第1コヒーレント光、あるいは、その他のすべてのコヒーレント光に対応したホログラム記録媒体上における前記合成光の走査経路の長さよりも長くなっていてもよい。
このような本発明による第1の照明装置において、前記合成光の走査経路と平行な方向に沿った、前記第2コヒーレント光に対応したホログラム記録媒体の幅は、前記合成光の走査経路と平行な方向に沿った、前記第1コヒーレント光、あるいは、その他のすべてのコヒーレント光に対応したホログラム記録媒体の幅よりも長くなっていてもよい。
本発明による第1の照明装置において、
前記第1コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分および前記第2コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分は互いに重なっており、
前記ホログラム記録媒体は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して、複数設けられ、
前記第2コヒーレント光に対応したホログラム記録媒体は、前記第1コヒーレント光、あるいは、その他のすべてのコヒーレント光に対応したホログラム記録媒体よりも、照明される領域における互いに重なり合う部分に接近して配置されていてもよい。
このような本発明による第1の照明装置において、
前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、前記複数の光源からのコヒーレント光の進行方向を変化させて、当該コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする走査デバイスと、を含み、
前記波長域が異なる複数のコヒーレント光は、互いに異なる方向から同一の走査デバイスに入射して、互いに異なる方向へ進行方向を変更させられるようにしてもよい。
本発明による第1の照明装置において、前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度は、前記第1コヒーレント光、あるいは、その他のすべてのコヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度よりも速くなっていてもよい。
このような本発明による第1の照明装置において、各コヒーレント光は、前記ホログラム記録媒体上の一定の走査経路を周期的に走査し、各コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さは、互いに同一であってもよい。
本発明による第1の照明装置において、
各コヒーレント光は、それぞれ、前記ホログラム記録媒体上の一定の走査経路を周期的に走査し、
前記第2コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さは、前記第1コヒーレント光、あるいは、その他のすべてのコヒーレント光)のコヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さよりも長くなっていてもよい。
このような本発明による第1の照明装置において、
前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、各光源からのコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられ、対応する光源からのコヒーレント光の進行方向を変化させて当該コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする、複数の走査デバイスと、を含み、
前記複数の走査デバイスの各々は、対応するコヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上において、第1方向に沿って一定の第1方向振動数で振動するとともに前記第1方向と交差する第2方向に沿っても前記第1方向振動数以下の一定の第2方向振動数で振動するように、対応するコヒーレント光の進行方向を変化させ、
前記第2コヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイスの前記第2方向振動数に対する前記第1方向振動数の比の値は、前記第1コヒーレント光、あるいは、その他のすべてのコヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイスの前記第2方向振動数に対する前記第1方向振動数の比の値よりも大きくなっていてもよい。
このような本発明による第1の照明装置において、各コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上で第1方向に沿って走査する長さは、互いに同一であり、且つ、各コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上で第2方向に沿って走査する長さは、互いに同一であってもよい。
このような本発明による第1の照明装置において、各コヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイスの前記第2方向振動数は、互いに同一であってもよい。
本発明による第2の照明装置は、
第1波長域の第1コヒーレント光を再生照明光として散乱板の像を再生し得り且つ前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光を再生照明光として散乱板の像を再生し得るホログラム記録媒体と、
前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、重ねて像を再生し、且つ、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、重ねて像を再生するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
像が再生される位置のある一点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、像が再生される位置のある一点に種々の方向から入射する前記第1コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きい。
このような本発明による第2の照明装置において、再生された像の中心点(重心の位置)に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度が、再生された像の中心点(重心の位置)に種々の方向から入射する前記第1コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きくなっていてもよい。
このような本発明による第2の照明装置において、再生された像(被照明領域)の任意の点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、再生された像(被照明領域)の任意の点に種々の方向から入射する前記第1コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きくなっていてもよい。
このような本発明による第2の照明装置において、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記第1コヒーレント光によって再生される像と重なる位置に、重ねて像を再生するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されていてもよい。
このような本発明による第2の照明装置において、明所標準比視感度を基準として、前記第2波長域の前記第2コヒーレント光は、前記第1波長域の前記第1コヒーレント光よりも高い比視感度を有してもよい。
本発明による第2の照明装置において、
前記ホログラム記録媒体は、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を再生照明光として散乱板の像を再生し得り、
前記照射装置は、前記ホログラム記録媒体上を走査するように前記第3コヒーレント光を照射し、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、重ねて像を再生するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
像が再生される位置のある一点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、像が再生される位置のある一点に種々の方向から入射する前記第3コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きく、
前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応していてもよい。
このような本発明による第2の照明装置において、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光によって再生される像と重なる位置に、重ねて像を再生するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されていてもよい。
本発明による第2の照明装置において
前記ホログラム記録媒体は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して、複数設けられ、前記複数のホログラム記録媒体はある一平面上に並べられており、
前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光を合成してなる合成光を生成する光源機構と、前記光源機構からの前記合成光の進行方向を変化させて、当該合成光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする走査デバイスと、を含み、
前記照射装置は、前記合成光が並べて配置された複数のホログラム記録媒体上を直線状の走査経路に沿って走査するように、前記合成光を照射し、
前記第2コヒーレント光に対応したホログラム記録媒体上における前記合成光の走査経路の長さは、前記第1コヒーレント光、あるいは、その他のすべてのコヒーレント光に対応したホログラム記録媒体上における前記合成光の走査経路の長さよりも長くなっていてもよい。
このような本発明による第2の照明装置において、前記合成光の走査経路と平行な方向に沿った、前記第2コヒーレント光に対応したホログラム記録媒体の幅は、前記合成光の走査経路と平行な方向に沿った、前記第1コヒーレント光、あるいは、その他のすべてのコヒーレント光に対応したホログラム記録媒体の幅よりも長くなっていてもよい。
本発明による第2の照明装置において、
前記第1コヒーレント光によって再生される像および前記第2コヒーレント光によって再生される像は重なる位置に再生され、
前記ホログラム記録媒体は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して、複数設けられ、
前記第2コヒーレント光に対応したホログラム記録媒体は、前記第1コヒーレント光、あるいは、その他のすべてのコヒーレント光に対応したホログラム記録媒体よりも、像が再生される位置に接近して配置されていてもよい。
このような本発明による第2の照明装置において、
前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、前記複数の光源からのコヒーレント光の進行方向を変化させて、当該コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする走査デバイスと、を含み、
前記波長域が異なる複数のコヒーレント光は、互いに異なる方向から同一の走査デバイスに入射して、互いに異なる方向へ進行方向を変更させられるようにしてもよい。
本発明による第2の照明装置において、前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度は、前記第1コヒーレント光、あるいは、その他のすべてのコヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度よりも速くなっていてもよい。
このような本発明による第2の照明装置において、各コヒーレント光は、前記ホログラム記録媒体上の一定の走査経路を周期的に走査し、各コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さは、互いに同一であってもよい。
本発明による第2の照明装置において、
各コヒーレント光は、それぞれ、前記ホログラム記録媒体上の一定の走査経路を周期的に走査し、
前記第2コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さは、前記第1コヒーレント光、あるいは、その他のすべてのコヒーレント光が走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さよりも長くなっていてもよい。
このような本発明による第2の照明装置において、
前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、各光源からのコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられ、対応する光源からのコヒーレント光の進行方向を変化させて当該コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする、複数の走査デバイスと、を含み、
前記複数の走査デバイスの各々は、対応するコヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上において、第1方向に沿って一定の第1方向振動数で振動するとともに前記第1方向と交差する第2方向に沿っても前記第1方向振動数以下の一定の第2方向振動数で振動するように、対応するコヒーレント光の進行方向を変化させ、
前記第2コヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイスの前記第2方向振動数に対する前記第1方向振動数の比の値は、前記第1コヒーレント光、あるいは、その他のすべてのコヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイスの前記第2方向振動数に対する前記第1方向振動数の比の値よりも大きくなっていてもよい。
このような本発明による第1の照明装置において、各コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上で第1方向に沿って走査する長さは、互いに同一であり、且つ、各コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上で第2方向に沿って走査する長さは、互いに同一であってもよい。
このような本発明による第2の照明装置において、各コヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイスの前記第2方向振動数は、互いに同一であってもよい。
本発明による第3の照明装置は、
第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光を回折し得るホログラム記録媒体と、
前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明し、且つ、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度が、前記第1のコヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度よりも速い。
このような本発明による第3の照明装置において、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記第1コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されていてもよい。
このような本発明による第3の照明装置において、明所標準比視感度を基準として、前記第2波長域の前記第2コヒーレント光は、前記第1波長域の前記第1コヒーレント光よりも高い比視感度を有してもよい。
本発明による第3の照明装置において、
前記ホログラム記録媒体は、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を回折し得り、
前記照射装置は、前記ホログラム記録媒体上を走査するように前記第3コヒーレント光を照射し、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度が、前記第3コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度よりも速く、
前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応していてもよい。
このような本発明による第3の照明装置において、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されていてもよい。
このような本発明による第3の照明装置において、照明される領域における互いに重なり合う部分内(被照明領域)のある一点に種々の方向から入射するようになる各コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、前記複数のコヒーレント光の間で同一であってもよい。
本発明による第4の照明装置は、
第1波長域の第1コヒーレント光を再生照明光として散乱板の像を再生し得り且つ前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光を再生照明光として散乱板の像を再生し得るホログラム記録媒体と、
前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、重ねて像を再生し、且つ、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、重ねて像を再生するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度が、前記第1のコヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度よりも速い。
このような本発明による第4の照明装置において、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記第1コヒーレント光によって再生される像と重なる位置に、重ねて像を再生するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されていてもよい。
このような本発明による第4の照明装置において、明所標準比視感度を基準として、前記第2波長域の前記第2コヒーレント光は、前記第1波長域の前記第1コヒーレント光よりも高い比視感度を有してもよい。
本発明による第4の照明装置において、
前記ホログラム記録媒体は、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を再生照明光として散乱板の像を再生し得り、
前記照射装置は、前記ホログラム記録媒体上を走査するように前記第3コヒーレント光を照射し、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、重ねて像を再生するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度が、前記第3コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度よりも速く、
前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応していてもよい。
このような本発明による第4の照明装置において、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光によって再生される像と重なる位置に、重ねて像を再生するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されていてもよい。
このような本発明による第4の照明装置において、像が再生される位置(被照明領域)のある一点に種々の方向から入射するようになる各コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、前記複数のコヒーレント光の間で同一であってもよい。
本発明による第5の照明装置は、
第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光を回折し得るホログラム記録媒体と、
前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明し、且つ、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
前記複数のコヒーレント光の各々は、それぞれ、前記ホログラム記録媒体上の一定の走査経路を周期的に走査し、
前記第2コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さは、前記第1コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さよりも長い。
このような本発明による第5の照明装置において、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記第1コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されていてもよい。
このような本発明による第5の照明装置において、明所標準比視感度を基準として、前記第2波長域の前記第2コヒーレント光は、前記第1波長域の前記第1コヒーレント光よりも高い比視感度を有してもよい。
本発明による第5の照明装置において、
前記ホログラム記録媒体は、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を回折し得り、
前記照射装置は、前記ホログラム記録媒体上を走査するように前記第3コヒーレント光を照射し、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
前記第3コヒーレント光は、前記ホログラム記録媒体上の一定の走査経路を周期的に走査し、
前記第2コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さは、前記第3コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さよりも長く、
前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応していてもよい。
このような本発明による第5の照明装置において、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されていてもよい。
本発明による第5の照明装置において、照明される領域における互いに重なり合う部分内(被照明領域)のある一点に種々の方向から入射するようになる各コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、前記複数のコヒーレント光の間で同一であってもよい。
本発明による第6の照明装置は、
第1波長域の第1コヒーレント光を再生照明光として散乱板の像を再生し得り且つ前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光を再生照明光として散乱板の像を再生し得るホログラム記録媒体と、
前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、重ねて像を再生し、且つ、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、重ねて像を再生するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
前記複数のコヒーレント光の各々は、それぞれ、前記ホログラム記録媒体上の一定の走査経路を周期的に走査し、
前記第2コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さは、前記第1コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さよりも長い。
このような本発明による第6の照明装置において、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記第1コヒーレント光によって再生される像と重なる位置に、重ねて像を再生するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されていてもよい。
このような本発明による第6の照明装置において、明所標準比視感度を基準として、前記第2波長域の前記第2コヒーレント光は、前記第1波長域の前記第1コヒーレント光よりも高い比視感度を有してもよい。
本発明による第6の照明装置において、
前記ホログラム記録媒体は、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を再生照明光として散乱板の像を再生し得り、
前記照射装置は、前記ホログラム記録媒体上を走査するように前記第3コヒーレント光を照射し、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、重ねて像を再生するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
前記第3コヒーレント光は、前記ホログラム記録媒体上の一定の走査経路を周期的に走査し、
前記第2コヒーレント光が走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さは、前記第3コヒーレント光が走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さよりも長く、
前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応していてもよい。
このような本発明による第6の照明装置において、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光によって再生される像と重なる位置に、重ねて像を再生するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されていてもよい。
本発明による第6の照明装置において、像が再生される位置のある一点に種々の方向から入射するようになる各コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、前記複数のコヒーレント光の間で同一であってもよい。
本発明による第1〜第6の照明装置のいずれかにおいて、前記ホログラム記録媒体は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して、複数設けられていてもよい。
このような本発明による照明装置において、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられた複数のホログラム記録媒体は、ある一平面上に配置されていてもよいし、あるいは、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられた複数のホログラム記録媒体は、重ねて配置されていてもよい。
本発明による第1〜第6の照明装置のいずれかにおいて、
前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光を合成してなる合成光を生成する光源機構と、前記光源機構からの前記合成光の進行方向を変化させて、当該合成光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする走査デバイスと、を含み、
前記光源機構は、各波長域のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、前記複数の光源からのコヒーレント光を合成する合成デバイスと、を有するようにしてもよい。
本発明による第1〜第6の照明装置のいずれかにおいて、前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、各光源からのコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられ、対応する光源からのコヒーレント光の進行方向を変化させて当該コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする、複数の走査デバイスと、を含むようにしてもよい。
本発明による第1〜第6の照明装置のいずれかにおいて、
前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、前記複数の光源からのコヒーレント光の進行方向を変化させて、当該コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする走査デバイスと、を含み、
前記波長域が異なる複数のコヒーレント光は、互いに異なる方向から同一の走査デバイスに入射して、互いに異なる方向へ進行方向を変更させられるようにしてもよい。
本発明による第1〜第6の照明装置のいずれかにおいて、各光源がコヒーレント光を生成している時期は同一ではないようにしてもよい。
本発明による第7の照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子と、
第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明し、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されており、
照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射する前記第1コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きい。
このような本発明による第7の照明装置において、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて、前記第1コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されていてもよい。
このような本発明による第7の照明装置において、明所標準比視感度を基準として、前記第2波長域の前記第2コヒーレント光は、前記第1波長域の前記第1コヒーレント光よりも高い比視感度を有してもよい。
本発明による第7の照明装置において、
前記照射装置は、前記光拡散素子上を走査するように、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を照射し、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置され、
照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射する前記第3コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きく、
前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応していてもよい。
このような本発明による第7の照明装置において、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて、前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されていてもよい。
本発明による第8の照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子と、
第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて被照明領域を照明し、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて被照明領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されており、
被照明領域のある一点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、被照明領域のある一点に種々の方向から入射する前記第1コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きい。
このような本発明による第8の照明装置において、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて、前記第1コヒーレント光によって照明される被照明領域と同一の被照明領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されていてもよい。
このような本発明による第8の照明装置において、明所標準比視感度を基準として、前記第2波長域の前記第2コヒーレント光は、前記第1波長域の前記第1コヒーレント光よりも高い比視感度を有してもよい。
本発明による第8の照明装置において、
前記照射装置は、前記光拡散素子上を走査するように、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を照射し、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて被照明領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置され、
被照明領域のある一点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、被照明領域のある一点に種々の方向から入射する前記第3コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きく、
前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応していてもよい。
このような本発明による第8の照明装置において、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて、前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光によって照明される被照明領域と同一の被照明領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されていてもよい。
本発明による第9の照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子と、
第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明し、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されており、
前記第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査する速度が、前記第1のコヒーレント光が前記光拡散素子上を走査する速度よりも速い。
このような本発明による第9の照明装置において、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて、前記第1コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されていてもよい。
このような本発明による第9の照明装置において、明所標準比視感度を基準として、前記第2波長域の前記第2コヒーレント光は、前記第1波長域の前記第1コヒーレント光よりも高い比視感度を有してもよい。
本発明による第9の照明装置において、
前記照射装置は、前記光拡散素子上を走査するように、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を照射し、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置され、
前記第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査する速度が、前記第3コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査する速度よりも速く、
前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応していてもよい。
このような本発明による第9の照明装置において、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて、前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されていてもよい。
このような本発明による第9の照明装置において、照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射するようになる各コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、前記複数のコヒーレント光の間で同一であってよい。
本発明による第10の照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子と、
第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて被照明領域を照明し、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて被照明領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されており、
前記第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査する速度が、前記第1のコヒーレント光が前記光拡散素子上を走査する速度よりも速い。
このような本発明による第10の照明装置において、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて、前記第1コヒーレント光によって照明される被照明領域と同一の被照明領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されていてもよい。
このような本発明による第10の照明装置において、明所標準比視感度を基準として、前記第2波長域の前記第2コヒーレント光は、前記第1波長域の前記第1コヒーレント光よりも高い比視感度を有してもよい。
本発明による第10の照明装置において、
前記照射装置は、前記光拡散素子上を走査するように、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を照射し、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて被照明領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置され、
前記第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査する速度が、前記第3コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査する速度よりも速く、
前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応していてもよい。
このような本発明による第10の照明装置において、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて、前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光によって照明される被照明領域と同一の被照明領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されていてもよい。
このような本発明による第10の照明装置において、被照明領域のある一点に種々の方向から入射するようになる各コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、前記複数のコヒーレント光の間で同一であってよい。
本発明による第11の照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子と、
第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明し、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されており、
前記複数のコヒーレント光の各々は、それぞれ、前記光拡散素子上の一定の走査経路を周期的に走査し、
前記第2コヒーレント光が走査する前記光拡散素子上の前記一定の走査経路の長さは、前記第1コヒーレント光が走査する前記光拡散素子上の前記一定の走査経路の長さよりも長い。
このような本発明による第11の照明装置において、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて、前記第1コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されていてもよい。
このような本発明による第11の照明装置において、明所標準比視感度を基準として、前記第2波長域の前記第2コヒーレント光は、前記第1波長域の前記第1コヒーレント光よりも高い比視感度を有してもよい。
本発明による第11の照明装置において、
前記照射装置は、前記光拡散素子上を走査するように、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を照射し、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置され、
前記第3コヒーレント光は、前記光拡散素子上の一定の走査経路を周期的に走査し、
前記第2コヒーレント光が走査する前記光拡散素子上の前記一定の走査経路の長さは、前記第3コヒーレント光が走査する前記光拡散素子上の前記一定の走査経路の長さよりも長く、
前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応していてもよい。
このような本発明による第11の照明装置において、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて、前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されていてもよい。
このような本発明による第11の照明装置において、照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射するようになる各コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、前記複数のコヒーレント光の間で同一であってよい。
本発明による第12の照明装置は、
入射光の進行方向を変化させる光拡散素子と、
第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて被照明領域を照明し、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて被照明領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されており、
前記複数のコヒーレント光の各々は、それぞれ、前記光拡散素子上の一定の走査経路を周期的に走査し、
前記第2コヒーレント光が走査する前記光拡散素子上の前記一定の走査経路の長さは、前記第1コヒーレント光が走査する前記光拡散素子上の前記一定の走査経路の長さよりも長い。
このような本発明による第12の照明装置において、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて、前記第1コヒーレント光によって照明される被照明領域と同一の被照明領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されていてもよい。
このような本発明による第12の照明装置において、明所標準比視感度を基準として、前記第2波長域の前記第2コヒーレント光は、前記第1波長域の前記第1コヒーレント光よりも高い比視感度を有してもよい。
本発明による第12の照明装置において、
前記照射装置は、前記光拡散素子上を走査するように、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を照射し、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて被照明領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置され、
前記第3コヒーレント光は、前記光拡散素子上の一定の走査経路を周期的に走査し、
前記第2コヒーレント光が走査する前記光拡散素子上の前記一定の走査経路の長さは、前記第3コヒーレント光が走査する前記光拡散素子上の前記一定の走査経路の長さよりも長く、
前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応していてもよい。
このような本発明による第12の照明装置において、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて、前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光によって照明される被照明領域と同一の被照明領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されていてもよい。
このような本発明による第12の照明装置において、被照明領域のある一点に種々の方向から入射するようになる各コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、前記複数のコヒーレント光の間で同一であってよい。
本発明による第7〜第12の照明装置にいずれかにおいて、前記光拡散素子は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して、複数設けられていてもよい。
このような本発明による第7〜第12の照明装置にいずれかにおいて、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられた複数の光拡散素子は、ある一平面上に配置されていてもよい。
本発明による第7〜第12の照明装置にいずれかにおいて、前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光を合成してなる合成光を生成する光源機構と、前記光源機構からの前記合成光の進行方向を変化させて、当該合成光が前記光拡散素子上を走査するようにする走査デバイスと、を含み、前記光源機構は、各波長域のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、前記複数の光源からのコヒーレント光を合成する合成デバイスと、を有するようにしてもよい。
本発明による第7〜第12の照明装置にいずれかにおいて、前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、各光源からのコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられ、対応する光源からのコヒーレント光の進行方向を変化させて当該コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする、複数の走査デバイスと、を含むようにしてもよい。
本発明による第7〜第12の照明装置にいずれかにおいて、前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、前記複数の光源からのコヒーレント光の進行方向を変化させて、当該コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査するようにする走査デバイスと、を含み、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光は、互いに異なる方向から同一の走査デバイスに入射して、互いに異なる方向へ進行方向を変更させられるようにしてもよい。
本発明による第7〜第12の照明装置にいずれかにおいて、各光源がコヒーレント光を生成している時期は同一ではないようにしてもよい。
本発明による第7〜第12の照明装置のいずれかにおいて、前記光拡散素子はレンズアレイであってもよい。
本発明による第1の投射装置は、
上述した本発明による第1、第3および第5のいずれか一項に記載の照明装置と、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射して回折された前記コヒーレント光によって照明される位置に配置された空間光変調器と、を備える。
本発明による第2の投射装置は、
上述した本発明による第7、第9および第11のいずれか一項に記載の照明装置と、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射して進行方向を変化させられた前記コヒーレント光によって照明される位置に配置された空間光変調器と、を備える。
本発明による第3の投射装置は、
上述した本発明による第2、第4および第6の照明装置のいずれかと、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光によって再生される像と重なる位置に配置された空間光変調器と、を備える。
本発明による第4の投射装置は、
上述した本発明による第8、第10および第12の照明装置のいずれかと、
被照明領域と重なる位置に配置され、前記照明装置によって照明される空間光変調器と、を備える。
本発明による第1〜第4の投射装置のいずれかが、前記空間光変調器上に得られる変調画像をスクリーン上に投射する投射光学系を、さらに備えるようにしてもよい。
本発明による第1の投射装置において、
前記ホログラム記録媒体で回折されたコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分は、前記複数のコヒーレント光の間で、互いに異なる位置に位置し、
前記空間光変調器は、前記複数のコヒーレント光のそれぞれに対応して複数設けられ、
各空間光変調器は、対応するコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分と重なるようにして配置され、
各空間光変調器上に得られる変調画像を合成して投射する合成投射光学系がさらに設けられていてもよい。
本発明による第2の投射装置において、
前記光拡散素子で進行方向を変化させられたコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分は、前記複数のコヒーレント光の間で、互いに異なる位置に位置し、
前記空間光変調器は、前記複数のコヒーレント光のそれぞれに対応して複数設けられ、
各空間光変調器は、対応するコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分と重なるようにして配置され、
各空間光変調器上に得られる変調画像を合成して投射する合成投射光学系がさらに設けられていてもよい。
本発明による第3の投射装置において、
前記複数のコヒーレント光は互いに異なる位置に像を再生し、
前記空間光変調器は、各コヒーレント光によって再生される像と重なる位置にそれぞれ対応して、複数設けられおり、
各空間光変調器上に得られる変調画像を合成して投射する合成投射光学系がさらに設けられていてもよい。
本発明による第4の投射装置において、
前記複数のコヒーレント光は互いに異なる位置にある被照明領域を照明し、
前記空間光変調器は、各コヒーレント光によって照明される被照明領域と重なる位置にそれぞれ対応して、複数設けられおり、
各空間光変調器上に得られる変調画像を合成して投射する合成投射光学系がさらに設けられていてもよい。
本発明による第1の投射型映像表示装置は、
上述した本発明による第1〜第4の投射装置のいずれかと、
前記空間光変調器上に得られる変調画像を投影されるスクリーンと、を備える。
本発明による第2の投射型映像表示装置は、
上述した本発明による第1、第3および第5のいずれか一項に記載の照明装置と、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射して回折された前記コヒーレント光によって照明されるスクリーンと、を備え、
前記ホログラム記録媒体で回折されたコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分は、前記複数のコヒーレント光の間で、互いに重なり合っており、
前記スクリーンは、前記複数のコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分と重なるようにして配置されている。
本発明による第3の投射型映像表示装置は、
上述した本発明による第7、第9および第11のいずれか一項に記載の照明装置と、
前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射して進行方向を変化させられた前記コヒーレント光によって照明されるスクリーンと、を備え、
前記光拡散素子で進行方向を変化させられたコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分は、前記複数のコヒーレント光の間で、互いに重なり合っており、
前記スクリーンは、前記複数のコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分と重なるようにして配置されている。
本発明による第4の投射型映像表示装置は、
上述した本発明による第2、第4および第6の照明装置のいずれかであって、前記複数のコヒーレント光が互いに重なる位置に像を再生する照明装置と、
前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記コヒーレント光によって再生される像と重なる位置に配置されたスクリーンと、を備える。
本発明による第5の投射型映像表示装置は、
上述した本発明による第8、第10および第12の照明装置のいずれかであって、前記複数のコヒーレント光が互いに同一の位置にある被照明領域を照明する照明装置と、
前記被照明領域と重なる位置に配置されたスクリーンと、を備える。
本発明によれば、被照明領域または映像を投射する面上でのスペックルを効果的に目立たなくさせることができる。
図1は、本発明による一実施の形態のうちの基本形態を説明するための図であって、基本形態の一具体例としての照明装置、投射装置および投射型映像表示装置の概略構成を示す図である。 図2は、図1に示された照明装置を示す図である。 図3は、図2の照明装置の光学素子をなすホログラム記録媒体を作製するための露光方法を説明するための図である。 図4は、図3の露光方法を経て作製されたホログラム記録媒体の作用を説明するための図である。 図5は、図1に示された照明装置の作用を説明するための斜視図である。 図6は、光学素子の一変形例を説明するための図であって、光学素子を対応する被照明領域とともに示す平面図である。 図7は、光学素子の他の変形例を説明するための図であって、光学素子を対応する被照明領域とともに示す平面図である。 図8は、図5に対応する図であって、照明装置の一変形例およびその作用を説明するための斜視図である。 図9は、図2に対応する図であって、照明装置の他の変形例およびその作用を説明するための斜視図である。 図10は、本発明による一実施の形態のうちの基本形態を応用した応用形態を説明するための図であって、応用形態の一具体例としての照明装置、投射装置および投射型映像表示装置の概略構成を示す図である。 図11は、図10の光学素子を示す平面図である。 図12は、CIE(Commission internationale de l'eclairage:国際照明委員会)で規定された明所標準比視感度を示すグラフである。 図13は、応用形態の他の例としての照明装置、投射装置および投射型映像表示装置の概略構成を示す図である。 図14は、応用形態のさらに他の例としての照明装置、投射装置および投射型映像表示装置の概略構成を示す図である。 図15は、応用形態に適用され得る照射装置を示す斜視図である。 図16は、応用形態のさらに他の例としての照明装置、投射装置および投射型映像表示装置の概略構成を示す図である。 図17は、応用形態のさらに他の例としての照明装置、投射装置および投射型映像表示装置の概略構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本発明の一実施の形態に係る照明装置、投射装置および投射型映像表示装置は、基本的な構成として、スペックルを効果的に防止することを可能にする構成を有している。さらに、本発明の一実施の形態に係る照明装置、投射装置および投射型映像表示装置は、スペックルを効果的に防止し得る基本的構成を応用した構成であって、更に、波長域が互いに異なる複数のコヒーレント光の取り扱いを可能にした構成も含んでいる。
以下の説明では、まず、図1〜図9に例示した照明装置および投射装置を含む投射型映像表示装置を参照して、スペックルを目立たなくさせるための構成、当該構成に基づいて奏され得る作用効果、および、当該構成の変形態様を、基本形態として説明する。次に、基本形態を応用した構成であって、波長域が互いに異なる複数のコヒーレント光の取り扱いを可能にした構成、当該構成に基づいて奏され得る作用効果、および、当該構成の変形態様を、応用形態として説明する。
<基本形態>
〔基本形態の構成〕
まず、コヒーレント光を投射する照明装置および投射装置を含み且つスペックルを目立たなくさせることができる投射型映像表示装置の構成を、主として図1〜図9を参照して説明する。
図1に示す投射型映像表示装置10は、スクリーン15と、コヒーレント光からなる映像光を投射する投射装置20と、を有している。投射装置20は、仮想面上に位置する被照明領域LZをコヒーレント光で照明する照明装置40と、被照明領域LZと重なる位置に配置され照明装置40によってコヒーレント光で照明される空間光変調器30と、空間光変調器30からのコヒーレント光をスクリーン15に投射する投射光学系25と、を有している。
空間光変調器30としては、例えば、透過型の液晶マイクロディスプレイを用いることができる。この場合、照明装置40によって面状に照明される空間光変調器30が、画素毎にコヒーレント光を選択して透過させることにより、空間光変調器30をなすディスプレイの画面上に変調画像が形成されるようになる。こうして得られた変調画像(映像光)は、投射光学系25によって、等倍で或いは変倍されてスクリーン15へ投射される。これにより、変調画像がスクリーン15上に等倍で或いは変倍(通常、拡大)されて表示され、観察者は当該画像を観察することができる。
なお、空間光変調器30としては、反射型のマイクロディスプレイを用いることも可能である。この場合、空間光変調器30での反射光によって変調画像が形成され、空間光変調器30へ照明装置40からコヒーレント光が照射される面と、空間光変調器30から変調画像をなす映像光が進みでる面が同一の面となる。このような反射光を利用する場合、空間光変調器30としてDMD(Digital Micromirror Device)などのMEMS素子を用いることも可能である。上述した特許文献2に開示された装置では、DMDが空間光変調器として利用されている。
また、空間光変調器30の入射面は、照明装置40によってコヒーレント光を照射される被照明領域LZと同一の形状および大きさであることが好ましい。この場合、照明装置40からのコヒーレント光を、スクリーン15への映像の表示に高い利用効率で利用することができるからである。
スクリーン15は、透過型スクリーンとして構成されていてもよいし、反射型スクリーンとして構成されていてもよい。スクリーン15が反射型スクリーンとして構成されている場合には、観察者は、スクリーン15に関して投射装置20と同じ側から、スクリーン15で反射されるコヒーレント光によって表示される映像を観察することになる。一方、スクリーン15が透過型スクリーンとして構成されている場合、観察者は、スクリーン15に関して投射装置20とは反対の側から、スクリーン15を透過したコヒーレント光によって表示される映像を観察することになる。
ところで、スクリーン15に投射されたコヒーレント光は、拡散され、観察者に映像として認識されるようになる。この際、スクリーン上に投射されたコヒーレント光は拡散によって干渉し、スペックルを生じさせることになる。ただし、ここで説明する投射型映像表示装置10では、以下に説明する照明装置40が、時間的に角度変化するコヒーレント光で、空間光変調器30が重ねられている被照明領域LZを照明するようになっている。より具体的には、以下に説明する照明装置40は、コヒーレント光からなる拡散光で被照明領域LZを照明するが、この拡散光の入射角度が経時的に変化していく。この結果、スクリーン15上でのコヒーレント光の拡散パターンも時間的に変化するようになり、コヒーレント光の拡散で生じるスペックルが時間的に重畳されて目立たなくなる。以下、このような照明装置40について、さらに詳細に説明する。
図1および図2に示された照明装置40は、コヒーレント光の進行方向を被照明領域LZへ向ける光学素子50と、光学素子50へコヒーレント光を照射する照射装置60と、を有している。光学素子50は、光拡散素子(光拡散要素)として機能するホログラム記録媒体、とりわけ、散乱板6の像5を再生し得るホログラム記録媒体55を含んでいる。図示する例では、光学素子50はホログラム記録媒体55から形成されている。
図示する例で光学素子50をなしているホログラム記録媒体55は、照射装置60から照射されるコヒーレント光を再生照明光Laとして受けて、当該コヒーレント光を高効率で回折することができる。とりわけ、ホログラム記録媒体55は、その各位置、言い換えると、その各点とも呼ばれるべき各微小領域に入射するコヒーレント光を回折することによって、散乱板6の像5を再生することができるようになっている。
一方、照射装置60は、ホログラム記録媒体55のコヒーレント光が、光学素子50のホログラム記録媒体55上を走査するようにして、光学素子50へコヒーレント光を照射する。したがって、ある瞬間に、照射装置60によってコヒーレント光を照射されているホログラム記録媒体55上の領域は、ホログラム記録媒体55の表面の一部分であって、とりわけ図示する例では、点と呼ばれるべき微小領域となっている。
そして、照射装置60から照射されてホログラム記録媒体55上を走査するコヒーレント光は、ホログラム記録媒体55上の各位置(各点または各領域(以下、同じ))に、当該ホログラム記録媒体55の回折条件を満たすような入射角度で、入射するようになっている。照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、ホログラム記録媒体55で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明する。とりわけここで説明する形態では、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、ホログラム記録媒体55で回折されて同一の被照明領域LZを照明するようになっている。より詳細には、図2に示すように、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光が、それぞれ、被照明領域LZに重ねて散乱板6の像5を再生するようになっている。すなわち、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、光学素子50で拡散されて(拡げられて)、被照明領域LZに入射するようになる。
このようなコヒーレント光の回折作用を可能にするホログラム記録媒体55として、図示する例では、フォトポリマーを用いた反射型の体積型ホログラムが用いられている。このホログラム記録媒体55は、図3に示すように、実物の散乱板6からの散乱光を物体光Loとして用いて作製されている。図3には、ホログラム記録媒体55をなすようになる感光性を有したホログラム感光材料58に、互いに干渉性を有したコヒーレント光からなる参照光Lrと物体光Loとが露光されている状態が、示されている。
参照光Lrは、例えば、特定波長域のレーザ光を発振するレーザ光源からのレーザ光が用いられており、レンズからなる集光素子7を透過してホログラム感光材料58に入射する。図3に示す例では、参照光Lrをなすようになるレーザ光が、集光素子7の光軸と平行な平行光束として、集光素子7へ入射する。参照光Lrは、集光素子7を透過することによって、それまでの平行光束から収束光束に整形(変換)され、ホログラム感光材料58へ入射する。この際、収束光束Lrの焦点位置FPは、ホログラム感光材料58を越えた位置にある。すなわち、ホログラム感光材料58は、集光素子7と、集光素子7によって集光された収束光束Lrの焦点位置FPと、の間に配置されている。
次に、物体光Loは、たとえばオパールガラスからなる散乱板6からの散乱光として、ホログラム感光材料58に入射する。ここでは作製されるべきホログラム記録媒体55が反射型なので、物体光Loは、参照光Lrとは反対側の面からホログラム感光材料58へ入射する。物体光Loは、参照光Lrと干渉性を有している必要がある。したがって、例えば、同一のレーザ光源から発振されたレーザ光を分割して、分割された一方を上述の参照光Lrとして利用し、他方を物体光Loとして使用することができる。
図3に示す例では、散乱板6の板面への法線方向と平行な平行光束が、散乱板6へ入射して散乱され、そして、散乱板6を透過した散乱光が物体光Loとしてホログラム感光材料58へ入射している。この方法によれば、通常安価に入手可能な等方散乱板を散乱板6として用いた場合に、散乱板6からの物体光Loが、ホログラム感光材料58に概ね均一な光量分布で入射することが可能となる。またこの方法によれば、散乱板6による散乱の度合いにも依存するが、ホログラム感光材料58の各位置に、散乱板6の出射面6aの全域から概ね均一な光量で参照光Lrが入射しやすくなる。このような場合には、得られたホログラム記録媒体55の各位置に入射した光が、それぞれ、散乱板6の像5を同様の明るさで再生すること、および、再生された散乱板6の像5が概ね均一な明るさで観察されることが実現され得る。
以上のようにして、参照光Lrおよび物体光Loがホログラム記録材料58に露光されると、参照光Lrおよび物体光Loが干渉してなる干渉縞が生成され、この光の干渉縞が、何らかのパターン(体積型ホログラムでは、一例として、屈折率変調パターン)として、ホログラム記録材料58に記録される。その後、ホログラム記録材料58の種類に対応した適切な後処理が施され、ホログラム記録媒体55が得られる。
図4には、図3の露光工程を経て得られたホログラム記録媒体55の回折作用(再生作用)が示されている。図4に示すように、図3のホログラム感光材料58から形成されたホログラム記録媒体55は、露光工程で用いられたレーザ光と同一波長の光であって、露光工程における参照光Lrの光路を逆向きに進む光によって、そのブラッグ条件が満たされるようになる。すなわち、図4に示すように、露光工程時におけるホログラム感光材料58に対する焦点FPの相対位置(図3参照)と同一の位置関係をなすようにしてホログラム記録媒体55に対して位置する基準点SPから発散し、露光工程時における参照光Lrと同一の波長を有する発散光束は、再生照明光Laとして、ホログラム記録媒体55に回折され、露光工程時におけるホログラム感光材料58に対する散乱板6の相対位置(図3参照)と同一の位置関係をなすようになるホログラム記録媒体50に対する特定の位置に、散乱板6の再生像5を生成する。
この際、散乱板6の再生像5を生成する再生光(再生照明光Laをホログラム記録媒体55で回折してなる光)Lbは、露光工程時に散乱板6からホログラム感光材料58へ向かって進んでいた物体光Loの光路を逆向きに進む光として散乱板6の像5の各点を再生する。そして、上述したように、また図3に示すように、露光工程時に散乱板6の出射面6aの各位置から出射する散乱光Loが、それぞれ、ホログラム感光材料58の概ね全領域に入射するように拡散している(広がっている)。すなわち、ホログラム感光材料58上の各位置には、散乱板6の出射面6aの全領域からの物体光Loが入射し、結果として、出射面6a全体の情報がホログラム記録媒体55の各位置にそれぞれ記録されている。このため、図4に示された、再生照明光Laとして機能する基準点SPからの発散光束をなす各光は、それぞれ単独で、ホログラム記録媒体55の各位置に入射して互いに同一の輪郭を有した散乱板6の像5を、互いに同一の位置(被照明領域LZ)に再生することができる。
一方、このようなホログラム記録媒体55からなる光学素子50にコヒーレント光を照射する照射装置60は、次のように構成され得る。図1および図2に示された例において、照射装置60は、特定波長域のコヒーレント光を生成するレーザ光源61aと、レーザ光源61aからのコヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイス65と、を有している。走査デバイス65は、コヒーレント光の進行方向を経時的に変化させ、コヒーレント光の進行方向が一定とはならないよう種々の方向へ向ける。この結果、走査デバイス65で進行方向を変化させられるコヒーレント光が、光学素子50のホログラム記録媒体55の入射面上を走査するようになる。
とりわけ、図2に示された例では、走査デバイス65は、一つの軸線RA1を中心として回動可能な反射面66aを有した反射デバイス66を含んでいる。より具体的に説明すると、反射デバイス66は、一つの軸線RA1を中心として回動可能な反射面66aとしてのミラーを有したミラーデバイスとして、構成されている。そして、図2および図5に示すように、このミラーデバイス66は、ミラー66aの配向を変化させることによって、レーザ光源61aからのコヒーレント光の進行方向を変化させるようになっている。この際、図2に示すように、ミラーデバイス66は、概ね、基準点SPにおいてレーザ光源61aからコヒーレント光を受けるようになっている。このため、ミラーデバイス66で進行方向を最終調整されたコヒーレント光は、基準点SPからの発散光束の一光線をなし得る再生照明光La(図4参照)として、光学素子50のホログラム記録媒体55へ入射し得る。結果として、照射装置60からのコヒーレント光がホログラム記録媒体55上を走査するようになり、且つ、ホログラム記録媒体55上の各位置に入射したコヒーレント光が同一の輪郭を有した散乱板6の像5を同一の位置(被照明領域LZ)に再生するようになる。
なお、図2に示されたミラーデバイス66は、一つの軸線RA1に沿ってミラー66aを回動させるように、構成されている。図5は、図2に示された照明装置40の構成を斜視図として示している。図5に示された例では、ミラー66aの回動軸線RA1は、ホログラム記録媒体55の板面上に定義されたXY座標系(つまり、XY平面がホログラム記録媒体55の板面と平行となるXY座標系)のY軸と、平行に延びている。そして、ミラー66aが、ホログラム記録媒体55の板面上に定義されたXY座標系のY軸と平行な軸線RA1を中心として回動するため、照射装置60からのコヒーレント光の光学素子50への入射点IPは、ホログラム記録媒体55の板面上に定義されたXY座標系のX軸と平行な方向に往復動するようになる。すなわち、図5に示された例では、照射装置60は、コヒーレント光がホログラム記録媒体55上を直線経路に沿って走査するように、光学素子50にコヒーレント光を照射する。
なお、実際上の問題として、ホログラム記録媒体55を作成する際、ホログラム記録材料58が収縮する場合がある。このような場合、ホログラム記録材料58の収縮を考慮して、照射装置60から光学素子50に照射されるコヒーレント光の波長が調整されることが好ましい。したがって、コヒーレント光源61aで生成するコヒーレント光の波長は、図3の露光工程(記録工程)で用いた光の波長と厳密に一致させる必要はなく、ほぼ同一となっていてもよい。
また、同様の理由から、光学素子50のホログラム記録媒体55へ入射する光の進行方向も、基準点SPからの発散光束に含まれる一光線と厳密に同一の経路を取っていなくとも、被照明領域LZに像5を再生することができる。実際に、図2および図5に示す例では、走査デバイス65をなすミラーデバイス66のミラー(反射面)66aは、必然的に、その回動軸線RA1からずれる。したがって、基準点SPを通過しない回動軸線RA1を中心としてミラー66aを回動させた場合、ホログラム記録媒体55へ入射する光は、基準点SPからの発散光束をなす一光線とはならないことがある。しかしながら、実際には、図示された構成の照射装置60からのコヒーレント光によって、被照明領域LZに重ねて像5を実質的に再生することができる。
〔基本形態の作用効果〕
次に、以上の構成からなる照明装置40、投射装置20および投射型映像表示装置10の作用について説明する。
まず、照射装置60は、コヒーレント光が光学素子50のホログラム記録媒体55上を走査するようにして、光学素子50へコヒーレント光を照射する。具体的には、レーザ光源61aで一定方向に沿って進む特定波長のコヒーレント光が生成され、このコヒーレント光が走査デバイス65で進行方向を変えられる。走査デバイス65は、ホログラム記録媒体55上の各位置に、当該位置でのブラッグ条件を満たす入射角度で特定波長のコヒーレント光を入射させる。この結果、各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、ホログラム記録媒体55での回折により、被照明領域LZに重ねて散乱板6の像5を再生する。すなわち、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、光学素子50で拡散されて(拡げられて)、被照明領域LZの全域に入射するようになる。このようにして、照射装置60は、被照明領域LZをコヒーレント光で照明するようになる。
図1に示すように、投射装置20においては、照明装置40の被照明領域LZと重なる位置に空間光変調器30が配置されている。このため、空間光変調器30は、照明装置40によって面状に照明され、画素毎にコヒーレント光を選択して透過させることにより、映像を形成するようになる。この映像は、投射光学系25によってスクリーン15に投射される。スクリーン15に投射されたコヒーレント光は、拡散され、観察者に映像として認識されるようになる。ただし、この際、スクリーン上に投射されたコヒーレント光は拡散によって干渉し、スペックルを生じさせることになる。
しかしながら、ここで説明してきた基本形態における照明装置40によれば、次に説明するように、スペックルを極めて効果的に目立たなくさせることができる。
前掲の非特許文献1によれば、スペックルを目立たなくさせるには、偏光・位相・角度・時間といったパラメータを多重化し、モードを増やすことが有効であるとされている。ここでいうモードとは、互いに無相関なスペックルパターンのことである。例えば、複数のレーザ光源から同一のスクリーンに異なる方向からコヒーレント光を投射した場合、レーザ光源の数だけ、モードが存在することになる。また、同一のレーザ光源からのコヒーレント光を、時間を区切って異なる方向から、スクリーンに投射した場合、人間の目で分解不可能な時間の間にコヒーレント光の入射方向が変化した回数だけ、モードが存在することになる。そして、このモードが多数存在する場合には、光の干渉パターンが無相関に重ねられ平均化され、結果として、観察者の目によって観察されるスペックルが目立たなくなるものと考えられている。
上述した照射装置60では、コヒーレント光が、ホログラム記録媒体55上を走査するようにして、光学素子50に照射される。また、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、同一の被照明領域LZの全域をコヒーレント光で照明するが、当該被照明領域LZを照明するコヒーレント光の照明方向は互いに異なる。そして、コヒーレント光が入射するホログラム記録媒体55上の位置が経時的に変化するため、被照明領域LZへのコヒーレント光の入射方向も経時的に変化する。
被照明領域LZを基準にして考えると、被照明領域LZ内の各位置には絶えずコヒーレント光が入射してくるが、その入射方向は、図1に矢印A1で示すように、常に変化し続けることになる。結果として、空間光変調器30の透過光によって形成された映像の各画素をなす光が、図1に矢印A2で示すように経時的に光路を変化させながら、スクリーン15の特定の位置に投射されるようになる。
なお、コヒーレント光はホログラム記録媒体55上を連続的に走査する。これにともなって、照射装置60から被照明領域LZへのコヒーレント光の入射方向も連続的に変化するとともに、投射装置20からスクリーン15へのコヒーレント光の入射方向も連続的に変化する。ここで、投射装置20からスクリーン15へのコヒーレント光の入射方向が僅か(例えば0.数°)だけ変化すれば、スクリーン15上に生じるスペックルのパターンも大きく変化し、無相関なスペックルパターンが十分に重畳されることになる。加えて、実際に市販されているMEMSミラーやポリゴンミラー等の走査デバイス65の周波数は通常数百Hz以上であり、数万Hzにも達する走査デバイス65も珍しくない。
以上のことから、上述してきた基本形態によれば、映像を表示しているスクリーン15上の各位置において時間的にコヒーレント光の入射方向が変化していき、且つ、この変化は、人間の目で分解不可能な速さであり、結果として、人間の目には、相関の無いコヒーレント光の散乱パターンが多重化されて観察されることになる。したがって、各散乱パターンに対応して生成されたスペックルが重ねられ平均化されて、観察者に観察されることになる。これにより、スクリーン15に表示されている映像を観察する観察者に対して、スペックルを極めて効果的に目立たなくさせることができる。
なお、人間によって観察される従来のスペックルには、スクリーン15上でのコヒーレント光の散乱を原因とするスクリーン側でのスペックルだけでなく、スクリーンに投射される前におけるコヒーレント光の散乱を原因とする投射装置側でのスペックルも発生し得る。この投射装置側で発生したスペックルパターンは、空間光変調器30を介してスクリーン15上に投射されることによって、観察者に認識され得るようにもなる。しかしながら、上述してきた基本形態によれば、コヒーレント光がホログラム記録媒体55上を連続的に走査し、そしてホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光が、それぞれ、空間光変調器30が重ねられた被照明領域LZの全域を照明するようになる。すなわち、ホログラム記録媒体55が、スペックルパターンを形成していたそれまでの波面とは別途の新たな波面を形成し、複雑且つ均一に、被照明領域LZ、さらには、空間光変調器30を介してスクリーン15を照明するようになる。このようなホログラム記録媒体55での新たな波面の形成により、投射装置側で発生するスペックルパターンは不可視化されることになる。
ところで、前掲の非特許文献1には、スクリーン上に生じたスペックルの程度を示すパラメータとして、スペックルコントラスト(単位%)という数値を用いる方法が提案されている。このスペックルコントラストは、本来は均一の輝度分布をとるべきテストパターン映像を表示した際に、スクリーン上に実際に生じる輝度のばらつきの標準偏差を、輝度の平均値で除した値として定義される量である。このスペックルコントラストの値が大きければ大きいほど、スクリーン上のスペックル発生程度が大きいことを意味し、観察者に対して、斑点状の輝度ムラ模様がより顕著に提示されていることを示す。
図1〜図5を参照しながら説明してきた基本形態の投射型映像表示装置10について、スペックルコントラストを測定したところ、3.0%となった(条件1)。また、上述の光学素子50として、反射型の体積型ホログラムに代えて、特定の再生照明光を受けた場合に散乱板6の像5を再生し得るように計算機を用いて設計された凹凸形状を有する計算機合成ホログラム(CGH)としてのレリーフ型ホログラムを用いた場合についてのスペックルコントラストは3.7%となった(条件2)。HDTV(高精細テレビ)の映像表示用途にて、観察者が肉眼観察した場合に輝度ムラ模様がほとんど認識できないレベルとして、スペックルコントラスト6.0%以下という基準(たとえば、WO/2001/081996号公報参照)が示されているが、上述してきた基本形態はこの基準を十分に満たしている。また、実際に肉眼観察したところ、視認され得る程度の輝度ムラ(明るさのムラ)は発生していなかった。
一方、レーザ光源からのレーザ光を平行光束に整形して空間光変調器30に入射させた場合、すなわち、図1に示された投射型映像表示装置10の空間光変調器30に、走査デバイス65や光学素子50を介さず、レーザ光源61aからのコヒーレント光を平行光束として入射させた場合、スペックルコントラストは20.7%となった(条件3)。この条件下では、肉眼観察により、斑点状の輝度ムラ模様がかなり顕著に観察された。
また、光源61aを緑色のLED(非コヒーレント光源)に交換し、このLED光源からの光を空間光変調器30に入射させた場合、すなわち、図1に示された投射型映像表示装置10の空間光変調器30に、走査デバイス65や光学素子50を介さず、LED光源からの非コヒーレント光を平行光束として入射させた場合、スペックルコントラストは4.0%となった(条件4)。この条件下では、肉眼観察で視認され得る程度の輝度ムラ(明るさのムラ)は発生していなかった。
条件1および条件2の結果が、条件3の結果よりも極めて良好であり、さらに、条件4の測定結果と比較しても良好となった。既に述べたとおり、スペックルの発生という問題は、実用上、レーザ光などのコヒーレント光源を用いた場合に生じる固有の問題であり、LEDなどの非コヒーレント光源を用いた装置では、考慮する必要のない問題である。加えて、条件1および条件2では、条件4と比較して、スペックル発生の原因となり得る光学素子50が追加されている。これらの点から、条件1および条件2によれば、スペックル不良に十分に対処することができたと言える。
加えて、上述してきた基本形態によれば、次の利点を享受することもできる。
上述してきた基本形態によれば、スペックルを目立たなくさせるための光学素子50が、照射装置60から照射されるコヒーレント光のビーム形態を整形および調整するための光学部材としても機能し得る。したがって、光学系を小型且つ簡易化することができる。
また、上述してきた基本形態によれば、ホログラム記録媒体55の各位置に入射するコヒーレント光が、互いに同一の位置に、散乱板6の像5を生成するとともに、当該像5に重ねて空間光変調器30が配置されている。このため、ホログラム記録媒体55で回折された光を、高効率で、映像形成のために利用することが可能となり、光源61aからの光の利用効率の面においても優れる。
〔基本形態への変形〕
図1〜5に例示された一具体例に基づいて説明してきた基本形態に対して、種々の変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いており、重複する説明を省略する。
(照明装置)
上述した形態によれば、スペックルを効果的に目立たなくさせることができる。ただし、この作用効果は、主として照明装置40に起因したものである。したがって、この照明装置40を種々の態様で有用に使用することができる。例えば、照明装置40を単なる照明として用いることができ、この場合、明るさのムラ(輝度ムラ、ちらつき)を目立たなくさせることができる。
また、上述した照明装置40をスキャナ(一例として、像読み取り装置)用の照明として用いてもよい。このような例においては、照明装置40の被照明領域LZ上にスキャンされるべき対象物を配置することにより、当該対象物上に生じるスペックルを目立たなくさせることができる。結果として、従来必要であった像補正手段等を不要にすることもできる。
照明装置40がスキャナに組み込まれる場合には、照明装置40による被照明領域LZが、上述した形態と同様に、面であってもよい。あるいは、照明装置40による被照明領域LZが一方向に延びる細長い領域(線状とも呼ばれるような領域)であってもよい。この場合、スキャナに組み込まれた照明装置40が、前記一方向と直交する方向に沿って、対象物に対して相対移動することにより、二次元的な像情報を読み取ることも可能となる。
またさらに、図6に示すように、光学素子50が、重ならないようにして並べて配置された複数のホログラム記録媒体55−1,55−2,・・・を含んでいても良い。図6に示された各ホログラム記録媒体55−1,55−2,・・・は、それぞれ短冊状に形成され、その長手方向と直交する方向に、隙間無く並べて配列されている。また、各ホログラム記録媒体55−1,55−2,・・・は、互いに同一の仮想面上に位置している。各ホログラム記録媒体55−1,55−2,・・・は、それぞれ、重ならないようにして並べて配置された被照明領域LZ−1,LZ−2,・・・に散乱板6の像5を生成する、言い換えると、被照明領域LZ−1,LZ−2,・・・にコヒーレント光を照明するようになっている。各被照明領域LZ−1,LZ−2,・・・は、一方向に延びる細長い領域(線状とも呼ばれるような領域)として形成され、その長手方向と直交する方向に、隙間無く並べて配列されている。また、各被照明領域LZ−1,LZ−2,・・・は、互いに同一の仮想面上に位置している。
図6に示された例では、次のようにして、被照明領域LZ−1,LZ−2,・・・を照明するようにしてもよい。まず、照射装置60は、コヒーレント光が第1のホログラム記録媒体55−1の長手方向(前記一方向)に沿った経路を繰り返し走査するように、光学素子50の第1のホログラム記録媒体55−1へ当該コヒーレント光を照射する。第1のホログラム記録媒体55−1の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、第1の照明領域LZ−1に重ねて線状あるいは細長状の散乱板6の像5を再生し、当該第1の照明領域LZ−1をコヒーレント光で照明するようになる。所定の時間が経過すると、照射装置60は、第1のホログラム記録媒体55−1に隣接する第2のホログラム記録媒体55−2上にコヒーレント光を照射し、第1の被照明領域LZ−1に代えて、第1の被照明領域LZ−1に隣接する第2の被照明領域LZ−2をコヒーレント光で照明する。以下、順に各ホログラム記録媒体にコヒーレント光を照射して、当該ホログラム記録媒体に対応する被照明領域をコヒーレント光で照明していく。このような方法によれば、照明装置を移動させることなく、二次元的な像情報を読み取ることが可能となる。
(空間光変調器、投射光学系、スクリーン)
上述した形態によれば、スペックルを効果的に目立たなくさせることができる。ただし、この作用効果は、主として照明装置40に起因したものである。そして、この照明装置40を、種々の既知な空間光変調器、投射光学系、スクリーン等と組み合わせても、スペックルを効果的に目立たなくさせることができる。この点から、空間光変調器、投射光学系、スクリーンは、例示したものに限られず、種々の既知な部材、部品、装置等を用いることができる。
(投射型映像表示装置)
また、ホログラム記録媒体55が、空間光変調器30の入射面に対応した形状を有した平面状の散乱板6を用いて、干渉露光法により作製される例を示したが、これに限られず、ホログラム記録媒体55が、何らかのパターンを有した散乱板を用いて、干渉露光法により作製されてもよい。この場合、ホログラム記録媒体55によって、何らかのパターンを持った散乱板の像が再生されるようになる。言い換えると、光学素子50(ホログラム記録媒体55)は、何らかのパターンを持った被照明領域LZを照明するようになる。この光学素子50を用いる場合、空間光変調器30を、さらには投射光学系25をも上述の基本形態から省き、スクリーン15を被照明領域LZと重なる位置に配置することによって、スクリーン15上にホログラム記録媒体55に記録された何らかのパターンを表示することが可能となる。この表示装置においても、コヒーレント光がホログラム記録媒体55上を走査するように、照射装置60が光学素子50にコヒーレント光を照射することによって、スクリーン15上でのスペックルを目立たなくさせることができる。
図7には、このような例の一例が開示されている。図示する例において、光学素子50は、第1〜第3のホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3を含んでいる。第1〜第3のホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3は、互いに重ならないように位置をずらして、光学素子50の入射面と平行な面上に配置されている。各ホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3は、矢印の輪郭を有した像5を再生することができる、言い換えると、矢印の輪郭を有した被照明領域LZ−1,LZ−2,LZ−3をコヒーレント光で照明することができるようになっている。各ホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3にそれぞれ対応した第1〜第3の被照明領域LZ−1,LZ−2,LZ−3は、同一の仮想面上に、互いに重ならないように配置されている。とりわけ図示する例では、各被照明領域LZ−1,LZ−2,LZ−3をなす矢印によって示される向きがすべて同一で、この向きに沿って第1〜第3被照明領域LZ−1,LZ−2,LZ−3が順に位置している。例えば、照射装置60からのコヒーレント光が第1ホログラム記録媒体55−1上を走査している場合には、最も後方に位置する第1の被照明領域LZ−1が照明される。一例として次に、図7に示すように、照射装置60からのコヒーレント光が第2ホログラム記録媒体55−2上を走査するようになり、真ん中に位置する第2の被照明領域LZ−2が照明される。その後、照射装置60からのコヒーレント光が第3ホログラム記録媒体55−3上を走査するようになると、最も前方に位置する第3の被照明領域LZ−3が照明される。
(照射装置)
上述した形態では、照射装置60が、レーザ光源61aと、走査デバイス65と、を有する例を示した。走査デバイス65は、コヒーレント光の進行方向を反射によって変化させる一軸回動型のミラーデバイス66からなる例を示したが、これに限られない。走査デバイス65は、図8に示すように、ミラーデバイス66のミラー(反射面66a)が、第1の回動軸線RA1だけでなく、第1の回動軸線RA1と交差する第2の回動軸線RA2を中心としても回動可能となっていてもよい。図8に示された例では、ミラー66aの第2の回動軸線RA2は、ホログラム記録媒体55の板面上に定義されたXY座標系のY軸と平行に延びる第1回動軸線RA1と、直交している。そして、ミラー66aが、第1軸線RA1および第2軸線RA2の両方を中心として回動可能なため、照射装置60からのコヒーレント光の光学素子50への入射点IPは、ホログラム記録媒体55の板面上で二次元方向に移動可能となる。このため、一例として図8に示されているように、コヒーレント光の光学素子50への入射点IPが円周上を移動するようにすることもできる。
また、走査デバイス65が、二以上のミラーデバイス66を含んでいてもよい。この場合、ミラーデバイス66のミラー66aが、単一の軸線を中心としてのみ回動可能であっても、照射装置60からのコヒーレント光の光学素子50への入射点IPを、ホログラム記録媒体55の板面上で二次元方向に移動させることができる。
なお、走査デバイス65に含まれるミラーデバイス66aの具体例としては、MEMSミラー、ポリゴンミラー等を挙げることができる。
また、走査デバイス65は、反射によってコヒーレント光の進行方向を変化させる反射デバイス(一例として、上述してきたミラーデバイス66)以外のデバイスを含んで構成されていてもよい。例えば、走査デバイス65が、屈折プリズムやレンズ等を含んでいていてもよい。
そもそも、走査デバイス65は必須ではなく、照射装置60の光源61aが、光学素子50に対して変位可能(移動、揺動、回転)に構成され、光源61aの光学素子に対する変位によって、光源61aから照射されたコヒーレント光がホログラム記録媒体55上を走査するようにしてもよい。
さらに、照射装置60の光源61aが、線状光線として整形されたレーザ光を発振する前提で説明してきたが、これに限られない。とりわけ、上述した形態では、光学素子50の各位置に照射されたコヒーレント光は、光学素子50によって、被照明領域LZの全域に入射するようになる光束に整形される。したがって、照射装置60の光源61aから光学素子50に照射されるコヒーレント光は精確に整形されていなくとも不都合は生じない。このため、光源61aから発生されるコヒーレント光は、発散光であってもよい。また、光源61aから発生されるコヒーレント光の断面形状は、円でなく、楕円等であってもよい。さらには、光源61aから発生されるコヒーレント光の横モードがマルチモードであってもよい。
なお、光源61aが発散光束を発生させる場合、コヒーレント光は、光学素子50のホログラム記録媒体55に入射する際に、点ではなくある程度の面積を持った領域に入射することになる。この場合、ホログラム記録媒体55で回折されて被照明領域LZの各位置に入射する光は、角度を多重化されることになる。言い換えると、各瞬間において、被照明領域LZの各位置には、或る程度の角度範囲の方向からコヒーレント光が入射する。このような角度の多重化によって、スペックルをさらに効果的に目立たなくさせることができる。
さらに、上述した形態において、照射装置60が、発散光束に含まれる一光線の光路をたどるようにして、コヒーレント光を光学素子50へ入射させる例を示したが、これに限られない。例えば、上述した形態において、走査デバイス65が、コヒーレント光の光路に沿ってミラーデバイス66の下流側に配置された集光レンズ67を、さらに含むようにしてもよい。この場合、図9に示すように、発散光束を構成する光線の光路を進むミラーデバイス66からの光が、集光レンズ67によって、一定の方向に進む光となる。すなわち、照射装置60は、平行光束を構成する光線の光路をたどるようにして、コヒーレント光を光学素子50へ入射させるようになる。このような例では、ホログラム記録媒体55を作製する際の露光工程において、参照光Lrとして、上述した収束光束に代えて、平行光束を用いることになる。このようなホログラム記録媒体55は、より簡単に作製および複製することができる。
上述した形態では、照射装置60が単一のレーザ光源61aのみを有する例を示したが、これに限られない。例えば、照射装置60が、同一波長域の光を発振する複数の光源を含んでいても良い。この場合、照明装置40は、被照明領域LZをより明るく照明することが可能となる。また、異なる固体のレーザ光源からのコヒーレント光は、互いに干渉性を有しない。したがって、散乱パターンの多重化がさらに進み、スペックルをさらに目立たなくさせることができる。
(光学素子)
上述した形態において、光学素子50が、フォトポリマーを用いた反射型の体積型ホログラム55からなる例を示したが、これに限られない。既に説明したように、光学素子50は複数のホログラム記録媒体55を含んでいてもよい。また、光学素子50は、銀塩材料を含む感光媒体を利用して記録するタイプの体積型ホログラムを含んでもよい。さらに、光学素子50は、透過型の体積型ホログラム記録媒体を含んでいてもよいし、レリーフ型(エンボス型)のホログラム記録媒体を含んでいてもよい。
ただし、レリーフ(エンボス)型ホログラムは、表面の凹凸構造によってホログラム干渉縞の記録が行われる。しかしながら、このレリーフ型ホログラムの場合、表面の凹凸構造による散乱が、新たなスペックル生成要因となる可能性があり、この点において体積型ホログラムの方が好ましい。体積型ホログラムでは、媒体内部の屈折率変調パターン(屈折率分布)としてホログラム干渉縞の記録が行われるため、表面の凹凸構造による散乱による影響を受けることはない。
もっとも、体積型ホログラムでも、銀塩材料を含む感光媒体を利用して記録するタイプのものは、銀塩粒子による散乱が新たなスペックル生成要因となる可能性がある。この点において、ホログラム記録媒体55としては、フォトポリマーを用いた体積型ホログラムの方が好ましい。
また、図3に示す露光工程では、いわゆるフレネルタイプのホログラム記録媒体が作成されることになるが、レンズを用いた記録を行うことにより得られるフーリエ変換タイプのホログラム記録媒体を作成してもかまわない。ただ、フーリエ変換タイプのホログラム記録媒体を用いる場合には、像再生時にもレンズを使用してもよい。
また、ホログラム記録媒体55に形成されるべき縞状パターン(屈折率変調パターンや凹凸パターン)は、現実の物体光Loおよび参照光Lrを用いることなく、予定した再生照明光Laの波長や入射方向、並びに、再生されるべき像の形状や位置等に基づき計算機を用いて設計されてもよい。このようにして得られたホログラム記録媒体55は、計算機合成ホログラムとも呼ばれる。また上述した変形例のように波長域の互いに異なる複数のコヒーレント光が照射装置60から照射される場合には、計算機合成ホログラムとしてのホログラム記録媒体55は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられた複数の領域に平面的に区分けされ、各波長域のコヒーレント光は対応する領域で回折されて像を再生するようにしてもよい。
さらに、上述した形態において、光学素子50が、各位置に照射されたコヒーレント光を拡げて、当該拡げたコヒーレント光を用いて被照明領域LZの全域を照明する光拡散素子として、ホログラム記録媒体55を有している例を示したが、これに限られない。光学素子50は、ホログラム記録媒体55に代えて或いはホログラム記録媒体55に加えて、各位置に照射されたコヒーレント光の進行方向を変化させるとともに拡散させて、被照明領域LZの全域をコヒーレント光で照明する光拡散素子(光拡散要素)としてのレンズアレイを有するようにしてもよい。光拡散素子として機能するレンズアレイの具体例として、拡散機能を付与された全反射型または屈折型のフレネルレンズやフライアイレンズ等を挙げることができる。このような照明装置40においても、照射装置60が、レンズアレイ(光拡散素子)上をコヒーレント光が走査するようにして、光学素子50にコヒーレント光を照射するようにし、且つ、照射装置60から光学素子50の各位置に入射したコヒーレント光が、レンズアレイ(光拡散素子)によって進行方向を変化させられて被照明領域LZを照明するよう、照射装置60および光学素子50を構成しておくことにより、スペックルを効果的に目立たなくさせることができる。
(照明方法)
上述した形態において、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を一次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55(光拡散素子)が各位置に照射されたコヒーレント光を二次元方向に拡散するよう(拡げるように、発散させるように)に構成され、これにより、照明装置40が二次元的な被照明領域LZを照明する例を示した。ただし、既に説明してきたように、このような例に限定されることはなく、例えば、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を二次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55((光拡散素子)が各位置に照射されたコヒーレント光を二次元方向に拡散するよう(拡げるように、発散させるように)に構成され、これにより、照明装置40が二次元的な被照明領域LZを照明してもよい(図8を参照しながら、既に説明した態様)。
また、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を一次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55(光拡散素子)が各位置に照射されたコヒーレント光を一次元方向に拡散するよう(拡げるように、発散させるように)に構成され、これにより、照明装置40が一次元的な被照明領域LZを照明するようにしてもよい。この態様において、照射装置60によるコヒーレント光の走査方向と、光学素子のホログラム記録媒体55(光拡散素子)の拡散方向(拡げる方向)と、が平行となるようにしてもよい。
さらに、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を一次元方向または二次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55(光拡散素子)が各位置に照射されたコヒーレント光を一次元方向に拡散するよう(拡げるように、発散させるように)に構成されていてもよい。この態様において、既に説明したように、光学素子50が複数のホログラム記録媒体55(光拡散素子)を有し、各ホログラム記録媒体55(光拡散素子)に対応した被照明領域LZを順に照明していくことによって、照明装置40が二次元的な領域を照明するようにしてもよい。この際、各被照明領域LZが、人間の目では同時に照明されているかのような速度で、順に照明されていってもよいし、あるいは、人間の目でも順番に照明していると認識できるような遅い速度で、順に照明されていってもよい。
(変形例の組み合わせ)
なお、以上において上述した基本形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
<応用形態>
〔応用形態の構成および応用形態の作用〕
次に、上述してきた基本形態を応用してなる応用形態について、図10〜図17に例示された照明装置40、投射装置20および投射型映像表示装置10を参照しながら、説明する。以下の説明では、上述の基本形態に追加される点についてのみ説明し、上述の基本形態と同様に構成され得るその他の部分については、図10〜図17において上述の基本形態と同様の符号を付して、重複説明を省略する。また、以下において、異なる複数の態様を説明するが、異なる複数の態様の間で共通に構成され得る部分については同一の符号を用い、重複する説明を省略する。
上述した基本形態において、照射装置60は、コヒーレント光を生成する単一の光源61aのみを有する例を示した。単一の光源61aから生成されるコヒーレント光は、レーザ光に代表されるように、典型的には、狭波長帯域の光であって単色光となる。また、実質的に使用可能な光源、すなわち、安価に入手することができ且つ十分な出力を有した光源から発生されるコヒーレント光は、特定の波長(域)の光に限定される。すなわち、種々の色の光を、単一の光源からの光で表示することはできない。その一方で、今日における多くの場合、単一の光源では表示することのできない所望の色や、複数の色、典型的にはフルカラーで、被照明領域を照明する或いは映像を表示することが望まれている。以下に説明する応用形態(本発明の一実施の形態)は、このような点を考慮して、上述の基本形態を応用したものである。
応用形態では、照射装置60が、互いに異なる波長域の複数のコヒーレント光を光学素子50に照射する。図10に示された例において、照射装置60は、互いに異なる波長域の複数のコヒーレント光を合成してなる合成光SLを光学素子50に照射するようになっている。図10に示された例では、照射装置60は、第1波長域の第1コヒーレント光Laと、第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光Lbと、第1波長域および第2波長域の両方と異なる第3波長域の第3コヒーレント光Lcと、を合成してなる合成光SLを照射する。とりわけ以下においては、第1波長域が第1の原色成分(青色成分)に対応し、第2波長域が第1波長域よりも長波長側の第2の原色成分(緑色成分)に対応し、且つ、第3波長域が第2波長域よりも長波長側の第3の原色成分(赤色成分)に対応して、照射装置60が、第1〜第3の原色成分の加法混色によって、白色光を照射し得る例について、説明する。
図10に示す例において、照射装置60は、上述した走査デバイス65と、合成光SLを生成する光源機構61と、を有している。光源機構61は、各コヒーレント光の波長域に対応した波長域のコヒーレント光をそれぞれ発振する複数の光源61a,61b,61cと、複数の光源61a,61b,61cからのコヒーレント光を合成する合成デバイス62と、を有している。光源機構61には、複数の光源として、第1波長域の第1コヒーレント光Laを発振する第1光源61aと、第2波長域の第2コヒーレント光Lbを発振する第2光源61bと、第3波長域の第3コヒーレント光Lcを発振する第3光源61cと、が設けられている。一方、合成デバイス62として、二つの光を合成する種々の部材、部品、装置等を用いることができる。図示する例においては、クロスダイクロックプリズム等と比較して安価で小型であるといった利点を有するダイクロイックミラーが、合成デバイス62として用いられている。
図10に示す例において、光学素子50は、合成光を回折して被照明領域LZを照明する反射型の体積型ホログラムからなるホログラム記録媒体55を含んでいる。ただし、反射型の体積型ホログラムは、高い波長選択性を有している。このため、図示された光学素子50は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられた第1〜第3ホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3を含んでいる。第1ホログラム記録媒体55−1は、第1波長域の第1コヒーレント光Laに対応して設けられ、第2ホログラム記録媒体55−2は、第2波長域の第2コヒーレント光Lbに対応して設けられ、第3ホログラム記録媒体55−3は、第3波長域の第3コヒーレント光Lcに対応して設けられている。
また、図10に示された第1〜第3ホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3は、図11に示すように、一平面上に隣接して並べられて、一つの光学素子50を形成している。すなわち、光学素子50が、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられた複数の領域に平面的に区分けされ、各波長域のコヒーレント光は対応する領域をなすホログラム記録媒体で回折されて散乱板6の像5を再生するようになっている。
とりわけ、図10に示す例では、第1ホログラム記録媒体55−1が第1波長域の第1コヒーレント光Laを再生照明光として回折することによって、第2ホログラム記録媒体55−2が第2波長域の第2コヒーレント光Lbを再生照明光として回折することによって、さらに、第3ホログラム記録媒体55−3が第3波長域の第3コヒーレント光Lcを再生照明光として回折することによって、互いに同一の散乱板6の像5が再生され得るようになっている。加えて、図10に示す例では、第1ホログラム記録媒体55−1、第2ホログラム記録媒体55−2および第3ホログラム記録媒体55−3が、それぞれ対応するコヒーレント光La,Lb,Lcを再生照明光として回折して、互いに重なる位置に散乱板6の像5を再生し得るようになっている。
なお、合成光SLをなす各波長域のコヒーレント光用のホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3は、例えば、図3および図4を参照しながら既に説明した方法において、露光用の光(参照光Lrおよび物体光Lo)として、対応する波長域のコヒーレント光を用いることにより、作製され得る。
図10および図11に示すように、第1〜第3ホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3は同一平面上に隣接して配置されている。そして、上述した基本形態と同様に、照射装置60が合成光SLを光学素子50に照射した場合には、合成光SLが光学素子50をなすホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3上を走査する。そして、合成光SLが第1ホログラム記録媒体55−1に照射されているときには、合成光SLのうちの第1コヒーレント光Laが第1ホログラム記録媒体55−1によって回折されて、合成光SLが第2ホログラム記録媒体55−2に照射されているときには、合成光SLのうちの第2コヒーレント光Lbが第2ホログラム記録媒体55−2によって回折されて、合成光SLが第3ホログラム記録媒体55−3に照射されているときには、合成光SLのうちの第3コヒーレント光Laが第3ホログラム記録媒体55−3によって回折されて、それぞれ、前記被照明領域LZに重ねて像5を再生するようになる。
すなわち、この例では、瞬間的には、光学素子50のホログラム記録媒体55上を走査する合成光SLのうちの、いずれか一つの波長域に対応したコヒーレント光のみが、被照明領域LZ(または、空間光変調器30)を照明することになる。空間光変調器30は、カラーフィルタを含んで構成され常に各波長域のコヒーレント光La,Lb,Lc毎の変調画像を形成し得るように作動してもよいし、あるいは、空間光変調器30に照射されている波長域のコヒーレント光に対応した変調画像を形成するように時分割的に作動するようにしてもよい。なお、既に説明したように、実際に市販されているMEMSミラーやポリゴンミラー等の走査デバイス65の周波数は通常数百Hz以上であり、数万Hzにも達する走査デバイス65も珍しくない。このように合成光SLの走査が極めて高速であれば、人間の目では、被照明領域LZ(または、空間光変調器30)を照明する光の色の移りかわりを認識することができず、合成光によって被照明領域LZ(または、空間光変調器30)が照明され、合成光によって映像が表示されているものと認識される。
以上のように、図10に示された応用形態では、照射装置60からの合成光SLが光学素子50に入射すると、合成光をなす各波長域のコヒーレント光(第1〜第3コヒーレント光)La,Lb,Lcによって、それぞれ、被照明領域LZに重ねて散乱板6の像5が再生されるようになる。結果として、被照明領域LZは、第1〜第3コヒーレント光La,Lb,Lcの加法混色によって得られる色に照明されることになる。すなわち、本例では、照明装置60は、白色光で被照明領域LZを照明することになる。
そして、投射装置20または透過型映像表示装置10において、空間光変調器30が、例えばカラーフィルタを含んでおり、各波長域のコヒーレント光La,Lb,Lc毎に変調画像の形成が可能である場合には、複数色で映像を表示すること、更にはフルカラーで映像を表示することが可能となる。また、空間光変調域がカラーフィルタを含んでいなくとも、空間光変調器30が、合成光SLを照射されているホログラム記録媒体によって回折されるコヒーレント光に対応した変調画像を形成するように、時分割で作動するようにしてもよい。このような例においても、時分割動作が人間の目で検出不可能な程度に高速であれば、人間に目で観察した場合に、複数色で映像が表示されること、更にはフルカラーで映像が表示されることを可能にすることができる。
また、図10に示された応用形態によれば、上述した基本形態と同様に、光学素子50のホログラム記録媒体55a,55b,55cで回折された各コヒーレント光La,Lb,Lcの被照明領域LZの各位置への入射方向は、連続的に変化する。これにともなって、投射装置20から投射される第1〜第3コヒーレント光La,Lb,Lcからなる映像光のスクリーン15上の各位置への入射方向も、連続的に変化する。このため、基本形態で既に説明したように、無相関なスペックルパターンが重畳されて平均化され、結果として、観察者の目によって観察されるスペックルを目立たなくさせることができる。
加えて、図10に示された形態では、第1〜第3コヒーレント光La,Lb,Lcが、同時に被照明領域LZを照明し、また、同時にスクリーン15に投射されるようになる。この第1〜第3コヒーレント光La,Lb,Lcは、互いに異なる光源61a,61b,61cで生成され、このため、互いに干渉性を有していない。すなわち、各コヒーレント光La,Lb,Lcに起因するスペックルパターンは無相関であり、この無相関なスペックルパターンがスクリーン15で重畳されて平均化される。このため、図10に示された応用形態では、スペックルパターンを更に目立たなくさせることができる。
ところで、人間の眼の比視感度、すなわち、人間の眼による光の明るさの感じ方は、波長に応じて変化することが知られている。このため、比視感度の高い波長域の光ほど、スペックルも視認されやすくなる。図12には、CIE(Commission internationale de l'eclairage:国際照明委員会)で規定された標準比視感度として知られている明所標準比視感度を示している。図12に示されているように、波長に応じて比視感度は大きく異なり、いわゆる光の三原色と呼ばれている、青色成分の光、緑色成分の光および赤色成分の光の間でも比視感度が大きく異なっている。したがって、異なる波長域の複数のコヒーレント光を用いた照明装置40、投射装置20および投射型映像表示装置10においては、比視感度の高いコヒーレント光に対してより強くスペックル低減効果が発揮されるようにしておけば、装置全体として極めて効果的にスペックルを目立たなくさせることができる。
この観点から、異なる波長域の複数のコヒーレント光を用いた装置においては、被照明領域(像が再生される位置)LZのある一点に種々の方向から入射するようになるコヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度(以下、「振れ角」と呼ぶ)が、複数のコヒーレント光La,Lb,Lcの間で同一となっていないことが好ましい。具体的には、装置で用いられるコヒーレント光の比視感度に応じて、各コヒーレント光の振れ角の大小が調節されていることが好ましい。
上述したように、被照明領域LZの各位置へ種々の方向からコヒーレント光が入射することにより、無相関な散乱パターンが重畳されて平均化され、結果として、観察者の目によって観察されるスペックルを目立たなくさせることができる。したがって、コヒーレント光の被照明領域(像が再生される位置)LZへ入射する際の振れ角が大きいほど、相関の無いコヒーレント光の散乱パターンがより多重化されることになる。結果として、コヒーレント光の被照明領域LZへ入射する際の振れ角が大きいほど、各散乱パターンに対応して生成されたスペックルが重ねられて平均化されるようになり、当該コヒーレント光によるスペックルを極めて効果的に目立たなくさせることができる。したがって、異なる波長域の複数のコヒーレント光のうちの比視感度がより高いコヒーレント光の振れ角が大きくなっている場合、スペックルが生じやすいコヒーレント光に対してより強いスペックル低減作用を及ぼすことができ、結果として、装置全体におけるスペックルを効果的に目立たなくさせることができる。
図10および図11の態様においては、比視感度の最も高い緑色成分の光である第2コヒーレント光Lbの振れ角θbが、他のコヒーレント光La,Lcの振れ角θa,θcよりも大きくなっており、これにより、極めて効果的に、スペックルを目立たなくさせるこができる。
なお、振れ角を特定する上での被照明領域(像が再生される位置)LZ内の「ある一点」は、被照明領域LZの中心であることが好ましく、被照明領域LZ内の各位置、すなわち、被照明領域LZ内の任意の位置であることがさらに好ましい。ここで、被照明領域LZの中心とは、被照明領域の外輪郭に基づいた重心の位置であり、観察者が表示画質を最も敏感に感知しやすいとされる位置である。
図10および図11の態様においては、比視感度の最も高い緑色成分の光である第2コヒーレント光Lbの振れ角θbが、他のコヒーレント光の振れ角θa,θcよりも大きくなっており、これにより、極めて効果的に、スペックルを目立たなくさせるこができる。図10および図11に示された態様では、具体的には次に説明するようにして、振れ角θa,θb,θcの調節を行っている。
図10および図11の態様において、照射装置60の走査デバイス65は、一つの軸線RA1のみを中心として回動可能な反射面66aを有した反射デバイス66を含んでいる。したがって、図11に示すように、照射装置60から光学素子50に照射されたコヒーレント光は、直線状の走査経路に沿って、複数のホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3上を繰り返し走査する。そして、図11に示すように、第2コヒーレント光Lbに対応した第2ホログラム記録媒体55−2上における走査経路の長さXbは、第1コヒーレント光Laのホログラム記録媒体55−1上における走査経路の長さXaよりも長く、また、第3コヒーレント光Lcのホログラム記録媒体55−3上における走査経路の長さXcよりも長くなっている。この結果、図10に示すように、第2コヒーレント光Lbの振れ角θbが、第1コヒーレント光Laの振れ角θaよりも大きく、且つ、第3コヒーレント光Lcの振れ角θcよりも大きくなっている。
図10および図11に示した例においては、比視感度の大小にあわせて、第3コヒーレント光Lcのホログラム記録媒体55−3上における合成光SLの走査経路の長さXcを、第1コヒーレント光Laのホログラム記録媒体55−1上における合成光SLの走査経路の長さXaよりも長くし、これにより、赤色成分の光に対応する第3コヒーレント光Lcの振れ角θcを、青色成分の光に対応する第1コヒーレント光Laの振れ角θaよりも大きくしている。しかしながら、図10および図11に示した例において、また、後述する例においても同様に、青色成分の光に対応する第1コヒーレント光Laに対するスペックル低減作用と、赤色成分の光に対応する第3コヒーレント光Lcに対するスペックル低減作用と、に優劣を付けなくてもよい。
ところで、図10および図11に示された例においては、合成光SLの走査経路と平行な方向に沿ったホログラム記録媒体の幅が、同一となっていない。具体的には、合成光SLの走査経路と平行な方向に沿った第2コヒーレント光Lbに対応したホログラム記録媒体55−2の幅が、合成光SLの走査経路と平行な方向に沿った第1コヒーレント光Laのホログラム記録媒体55−1の幅よりも長く、合成光SLの走査経路と平行な方向に沿った第3コヒーレント光Lcのホログラム記録媒体55−3の幅よりも長くなっている。このようなホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3の幅の調節により、各ホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3上での走査経路が異なるようにしている。
なお、図10および図11に示された態様において、照射装置60が、各光源61a,61b,61cからのコヒーレント光を合成して合成光として光学素子50に照射する例、すなわち、各光源61a,61b,61cがコヒーレント光を生成している時期が同一である例を示した。ただし、この例に限られず、合成デバイス62によって同一の光路をたどって光学素子50へ照射されるコヒーレント光La,Lb,Lcの各光源61a,61b,61cでの生成時期を調節するようにしてもよい。すなわち、各光源61a,61b,61cがコヒーレント光を生成している時期が同一でないようにしてもよい。
一例として、走査デバイス65がコヒーレント光の進行方向を第1ホログラム記録媒体55−1へ向けている場合、第1光源61aのみがコヒーレント光を生成し、走査デバイス65がコヒーレント光の進行方向を第2ホログラム記録媒体55−2へ向けている場合、第2光源61bのみがコヒーレント光を生成し、走査デバイス65がコヒーレント光の進行方向を第3ホログラム記録媒体55−3へ向けている場合、第3光源61cのみがコヒーレント光を生成するようにしてもよい。この際、各光源61a,61b,61cがコヒーレント光を生成している時間を調節することによって、各ホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3上における走査経路の長さXa,Xb,Xcを制御することができ、結果として、各ホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3の幅によらず各コヒーレント光La,Lb,Lcの振れ角θa,θb,θcを制御することができる。
またそもそも、各光源61a,61b,61cで生成されたコヒーレント光La,Lb,Lcが異なる経路をたどって光学素子50へ照射されるようにしてもよい。また、各光源61a,61b,61cで生成されたコヒーレント光La,Lb,Lcが、それぞれに割り当てられた走査デバイスによって、ホログラム記録媒体上、とりわけ、対応するホログラム記録媒体上を走査するようにしてもよい。すなわち、照射装置60が、各光源61a,61b,61cからのコヒーレント光La,Lb,Lcにそれぞれ対応して設けられ、対応する光源61a,61b,61cからのコヒーレント光La,Lb,Lcの進行方向を変化させて当該コヒーレント光La,Lb,Lcがホログラム記録媒体上55−1,55−2,55−3を走査するようにする、複数の走査デバイスを含むようにしてもよい。これらの例によれば、振れ角θa,θb,θcの調整の自由度を高めることができる。
次に、図13を参照して、異なる波長域の複数のコヒーレント光を用いた、別の態様について説明する。以下に説明する図13に示された態様においても、各コヒーレント光La,Lb,Lcの振れ角θa,θb,θcの大小を調節することによってスペックルを効果的に目立たなくさせることができるようになっている。なお、図13および次に説明する図14では、投射光学系25やスクリーン15を省略している。
図13に示された態様では、各コヒーレント光La,Lb,Lcをそれぞれ回折するための複数のホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3が重ねて配置されて光学素子50を形成している点において、図10および図11に示された態様と異なっている。ただし、図13に示された態様においても、第1コヒーレント光Laが第1ホログラム記録媒体55−1によって回折されて、第2コヒーレント光Lbが第2ホログラム記録媒体55−2によって回折されて、第3コヒーレント光Laが第3ホログラム記録媒体55−3によって回折されて、それぞれ、同一の被照明領域LZに重ねて同一の像5を再生する。
図13に示された態様においては、例えば、コヒーレント光La,Lb,Lcの各光源61a,61b,61cでの生成時期を調節することによって、各コヒーレント光La,Lb,Lcの振れ角θa,θb,θcの大きさを調節することができる。例えば、図10および図11に示した例と同様に、各コヒーレント光La,Lb,Lcが、ホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3上を直線状の走査経路に沿って走査するようにし、且つ、コヒーレント光La,Lb,Lcの各光源61a,61b,61cでの生成時期を調節して、各コヒーレント光La,Lb,Lcの走査経路の長さXa,Xb,Xcを調節することによって、各コヒーレント光La,Lb,Lcの振れ角θa,θb,θcの大きさを制御することができる。
図13に示す例では、第2コヒーレント光Lbに対応した第2ホログラム記録媒体55−2上における走査経路の長さXbが、第1コヒーレント光Laのホログラム記録媒体55−1上における走査経路の長さXaよりも長く、また、第3コヒーレント光Lcのホログラム記録媒体55−3上における走査経路の長さXcよりも長くなっている。この結果、第2コヒーレント光Lbの振れ角θbが、第1コヒーレント光Laの振れ角θaよりも大きく、且つ、第3コヒーレント光Lcの振れ角θcよりも大きくなっている。また、図13に示された態様では、第3コヒーレント光Lcに対応した第3ホログラム記録媒体55−3上における走査経路の長さXcが、第1コヒーレント光Laのホログラム記録媒体55−1上における走査経路の長さXaよりも長くなっている。この結果、第3コヒーレント光Lcの振れ角θcが、第1コヒーレント光Laの振れ角θaよりも大きくなっている。
なお、図13に示す例において、第1〜第3ホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3を積層して光学素子50を作製することに代え、各波長域のコヒーレント光からなる物体光Loおよび参照光Lrを、それぞれ同時に又は別々のタイミングで、単一のホログラム感光材料58に露光して、単一のホログラム記録媒体55によって、複数の波長域の光をそれぞれ回折するようにしてもよい。レーザ光に代表されるように、波長域の異なるコヒーレント光は異なる光源から生成され互いに対して干渉性を有さない。したがって、異なる波長域のコヒーレント光を同時にホログラム感光材料58に露光したとしても、異なる波長域のコヒーレント光間での干渉縞が生成されることはない。すなわち、ホログラム感光材料58に不要な干渉縞が記録されてしまうことはなく、当該ホログラム感光材料58からなるホログラム記録媒体55は、互いに異なる波長域の複数のコヒーレント光を、それぞれ、高効率で回折することができる。
次に、図14を参照して、異なる波長域の複数のコヒーレント光を用いた、別の態様について説明する。以下に説明する図14に示された態様においても、各コヒーレント光La,Lb,Lcについての振れ角θa,θb,θcの大小を調節することによってスペックルを効果的に目立たなくさせることができるようになっている。
図14に示された照射装置60は、波長域が異なる複数のコヒーレント光La,Lb,Lcをそれぞれ生成する複数の光源61a,61b,61cと、複数の光源61a,61b,61cからのコヒーレント光La,Lb,Lcの進行方向を変化させて、当該コヒーレント光La,Lb,Lcがホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3上を走査するようにする単一の走査デバイス65と、を含んでいる。そして、波長域が異なる複数のコヒーレント光La,Lb,Lcが、互いに異なる方向から走査デバイス65に入射して、互いに異なる方向へ進行方向を変更させられるようになっている。
とりわけ、図14に示された例では、走査デバイス65は、一つの軸線RA1を中心として回動可能な反射面66aを有した反射デバイス66を含んでおり、上述した基準点SPにおいて、複数のコヒーレント光La,Lb,Lcを異なる方向から受ける。なお、図14に示した例では、照射装置60が、各光源61a,61b,61cから走査デバイス65までの光路に配置されたレンズ64を含んでおり、このレンズ64によって、各光源61a,61b,61cから互いに平行に進みでる複数のコヒーレント光La,Lb,Lcを、反射デバイス66の反射面66a上にある基準点SPに向けている。
一方、図14に示された例では、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応した第1〜第3ホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3をそれぞれ含む第1〜第3光学素子50−1,50−2,50−3が設けられている。そして、図14に示された例では、第1光学素子50−1の第1ホログラム記録媒体55−1が第1波長域の第1コヒーレント光Laを再生照明光として回折することによって、第2光学素子50−2の第2ホログラム記録媒体55−2が第2波長域の第2コヒーレント光Lbを再生照明光として回折することによって、さらに、第3光学素子50−3の第3ホログラム記録媒体55−3が第3波長域の第3コヒーレント光Lcを再生照明光として回折することによって、互い同一の被照明領域LZに重なる位置に、互いに同一の散乱板6の像5を再生するようになっている。
そして、図14に示す例では、ホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3と被照明領域LZまでの距離を調節することによって、各コヒーレント光La,Lb,Lcの振れ角θa,θb,θcの大きさを調節することができる。具体的には、被照明領域LZに近い位置に配置されたホログラム記録媒体で回折されるコヒーレント光の振れ角を大きくすることができる。図14に示された例では、第2コヒーレント光Lbに対応したホログラム記録媒体55−2が、第1コヒーレント光Laに対応したホログラム記録媒体55−1および第3コヒーレント光Lcに対応したホログラム記録媒体55−3よりも、被照明領域(像が再生される位置)LZに接近して配置されている。第3コヒーレント光Lcに対応したホログラム記録媒体55−3が、第1コヒーレント光Laに対応したホログラム記録媒体55−1よりも、被照明領域(像が再生される位置)LZに接近して配置されている。この結果、第2コヒーレント光Lbの振れ角θbが、第1コヒーレントLaの振れ角θaおよび第3コヒーレントLcの振れ角θcよりも大きくなり、また、第3コヒーレント光Lcの振れ角θcが、第1コヒーレントLaの振れ角θaよりも大きくなっている。
以上の応用形態の説明においては、異なる波長域の複数のコヒーレント光を用いた装置において、特定のコヒーレント光に対するスペックル低減作用を増強する手法として、当該コヒーレント光の振れ角を大きくすることを説明してきた。ただし、特定のコヒーレント光に対するスペックル低減作用を増強する手法として、当該コヒーレント光の振れ角を大きくすることに代えて或いは当該コヒーレント光の振れ角を大きくすることに加えて、当該コヒーレント光の光学素子50上での走査速度を速くすることも有効である。
上述したように、被照明領域LZの各位置へ種々の方向からコヒーレント光が入射することにより、無相関な散乱パターンが重畳されて平均化され、結果として、観察者の目によって観察されるスペックルを目立たなくさせることができる。したがって、コヒーレント光の光学素子50上での走査速度が速いほど、一定の時間内において、相関の無いコヒーレント光の散乱パターンがより多重化されることになる。結果として、コヒーレント光の光学素子50上での走査速度が速いほど、各散乱パターンに対応して生成されたスペックルが重ねられて平均化されるようになり、当該コヒーレント光によるスペックルを極めて効果的に目立たなくさせることができる。したがって、異なる波長域の複数のコヒーレント光のうちの比視感度がより高いコヒーレント光の光学素子50上での走査速度が速くなっている場合、スペックルが生じやすいコヒーレント光に対してより強いスペックル低減作用を及ぼすことができ、結果として、装置全体におけるスペックルを効果的に目立たなくさせることができる。
したがって、応用形態として説明してきた異なる波長域の複数のコヒーレント光を用いた態様においては、比視感度の最も高い緑色成分の光である第2コヒーレント光Lbの第2ホログラム記録媒体55−2上での走査速度が、他のコヒーレント光Lb,Lcの対応するホログラム記録媒体55−1,55−3上での走査速度よりも速くすることにより、極めて効果的に、スペックルを目立たなくさせることができる。とりわけ、複数のコヒーレント光La,Lb,Lcの振れ角θa,θb,θcが互いに同一である場合や、さらには、複数のコヒーレント光La,Lb,Lcのホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3上での走査経路が互いに同一である場合に、コヒーレント光の比視感度に応じてコヒーレント光の光学素子上での走査速度を調節することが、スペックルを効果的に目立たなくさせる上で有効となる。
さらに、特定のコヒーレント光に対するスペックル低減作用を増強する手法として、各コヒーレント光La,Lb,Lcが、それぞれ、光学素子50(ホログラム記録媒体55)上の一定の走査経路を周期的に繰り返し走査する場合に、当該特定のコヒーレント光が走査する光学素子50(ホログラム記録媒体55)上での前記一定の走査経路の長さ(走査経路の全長)を長くすることも有効である。そして、この手法は、当該コヒーレント光の振れ角を大きくすることに代えて或いは当該コヒーレント光の振れ角を大きくすることに加えて、採用することができる。
上述したように、被照明領域LZの各位置へ種々の方向からコヒーレント光が入射することにより、無相関な散乱パターンが重畳されて平均化され、結果として、観察者の目によって観察されるスペックルを目立たなくさせることができる。したがって、コヒーレント光の前記一定の走査経路の長さが長いほど、コヒーレント光が当該一定の走査経路を走査する間に、相関の無いコヒーレント光の散乱パターンがより多重化されることになる。結果として、コヒーレント光の前記一定の走査経路の長さが長いほど、各散乱パターンに対応して生成されたスペックルが重ねられて平均化されるようになり、当該コヒーレント光によるスペックルを極めて効果的に目立たなくさせることができる。したがって、異なる波長域の複数のコヒーレント光のうちの比視感度がより高いコヒーレント光の光学素子50上での一定の走査経路の長さが長くなっている場合、スペックルが生じやすいコヒーレント光に対してより強いスペックル低減作用を及ぼすことができ、結果として、装置全体におけるスペックルを効果的に目立たなくさせることができる。
したがって、応用形態として説明してきた異なる波長域の複数のコヒーレント光を用いた態様において、複数のコヒーレント光の各々が光学素子50(ホログラム記録媒体55)上の一定の走査経路を周期的に走査する場合、比視感度の最も高い緑色成分の光である第2コヒーレント光Lbの第2ホログラム記録媒体55−2上での走査経路の長さ(走査経路の全長)が、他のコヒーレント光Lb,Lcの対応するホログラム記録媒体55−1,55−3上での走査経路の長さ(走査経路の全長)よりも長くすることにより、極めて効果的に、スペックルを目立たなくさせることができる。とりわけ、複数のコヒーレント光La,Lb,Lcの振れ角θa,θb,θcが互いに同一である場合や、さらには、複数のコヒーレント光La,Lb,Lcがホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3上での走査経路の全長を進むのに要する時間(周期)が互いに同一である場合に、コヒーレント光の比視感度に応じてコヒーレント光の光学素子上での一定の走査経路の長さ(走査経路の全長)を調節することが、スペックルを効果的に目立たなくさせる上で有効となる。
一具体例として、照射装置60は、波長域が異なる複数のコヒーレント光La,Lb,Lcをそれぞれ生成する複数の光源61a,61b,61cと、各光源61a,61b,61cからのコヒーレント光La,Lb,Lcにそれぞれ対応して設けられ、対応する光源61a,61b,61cからのコヒーレント光La,Lb,Lcの進行方向を変化させて当該コヒーレント光La,Lb,Lcがホログラム記録媒体上を走査するようにする、複数の走査デバイス65−1,65−2,65−3と、を含んでいる態様について検討する(例えば、後述する図16の態様)。そして、図15に示すように、コヒーレント光La,Lb,Lcがホログラム記録媒体55上において、第1方向(Y軸方向)に沿って一定の第1方向振動数(あるいは第1方向周波数)で振動するとともに第1方向と交差(例えば、直交)する第2方向(X軸方向)に沿っても第1方向振動数以下の一定の第2方向振動数(あるいは第2方向周波数)で振動するように、各複数の走査デバイス65−1,65−2,65−3の各々が対応するコヒーレント光の進行方向を変化させるとする。
なお、図15に示された走査デバイス65−1,65−2,65−3は、図8を参照しながら説明した走査デバイス65と同様に構成されている。
走査デバイス65−1,65−2,65−3が、図15に示されたように、コヒーレント光La,Lb,Lcの進行方向を変化させる場合、比視感度の高いコヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイスの第2方向振動数に対する第1方向振動数の比の値を大きく設定することが好ましい。この比の値が大きくなると、当該コヒーレント光が第1方向に沿って走査する長さZyおよび第2方向に沿って走査する長さZyxを一定としながら、すなわち、振れ角θzを略一定に保ちながら、当該コヒーレント光のホログラム記録媒体55上での一周期あたりの走査経路の長さ(前記一定の走査経路の長さ)を長くすることができ、これにより、スペックルを目立たなくさせることができる。
したがって、応用形態として説明してきた異なる波長域の複数のコヒーレント光を用いた態様において、複数のコヒーレント光の各々が光学素子50(ホログラム記録媒体55)上の一定の走査経路を周期的に走査する場合、第2コヒーレント光Lbの進行方向を変化させる走査デバイスの第1方向振動数以下の第2方向振動数に対する第1方向振動数の比の値が、第1コヒーレント光Laの進行方向を変化させる走査デバイスの第1方向振動数以下の第2方向振動数に対する第1方向振動数の比の値、並びに、第3コヒーレント光Lcのコヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイスの第1方向振動数以下の第2方向振動数に対する第1方向振動数の比の値よりも大きいことが、スペックルを目立たなくさせる上で好ましい。また、第3コヒーレント光Lcの進行方向を変化させる走査デバイスの第1方向振動数以下の第2方向振動数に対する第1方向振動数の比の値が、第1コヒーレント光Laのコヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイスの第1方向振動数以下の第2方向振動数に対する第1方向振動数の比の値よりも大きいことが、スペックルを目立たなくさせる上で好ましい。とりわけ、コヒーレント光のホログラム記録媒体55上での一周期あたりの走査時間が、複数のコヒーレント光の間で同一の場合、すなわち、複数の走査デバイスの第2方向振動数が互いに同一の場合、極めて効果的にスペックルを目立たなくさせることができる。
さらに、以上に説明した応用形態では、異なる波長域の複数のコヒーレント光La,Lb,Lcが、互いに同一の位置に、散乱板6の像5を再生する例を示したが、これに限られず、一例として図16および図17に示すように、異なる波長域の複数のコヒーレント光La,Lb,Lcが、異なる位置に散乱板6の像5を再生するようにしてもよい。このような態様においても、用いられるコヒーレント光の比視感度に応じて、各コヒーレント光の振れ角の大小を調節することにより、及び/又は、用いられるコヒーレント光の比視感度に応じて、コヒーレント光の光学素子50上での走査速度を調節することにより、及び/又は、複数のコヒーレント光の各々が光学素子50(ホログラム記録媒体55)上の一定の走査経路を周期的に走査する場合に、用いられるコヒーレント光の比視感度に応じて、コヒーレント光の光学素子50上での一定の走査経路の長さ(走査経路の全長)を調節することにより、スペックルを効果的に目立たなくさせることできる。
図16に示された態様では、異なる波長域の複数のコヒーレント光La,Lb,Lcを生成する複数の光源61a,61b,61cが設けられている。そして、各光源61a,61b,61cに対して、それぞれ、走査デバイス65−1,65−2,65−3および光学素子50−1,50−2,50−3が設けられている。また、各コヒーレント光La,Lb,Lcによって再生される像6と重なる位置、つまり、各被照明領域と重なる位置に、それぞれ、空間光変調器30−1,30−2,30−3が設けられている。さらに、各空間光変調器30−1,30−2,30−3上に得られる変調画像を合成して投射する合成投射光学系26が設けられている。合成投射光学系26は、変調画像を合成するデバイス、例えばダイクロイックプリズム26aと、合成された変調画像をスクリーン15上に投射するデバイス、例えばレンズ26bと、を有している。
図16に示された態様において、スクリーン15上に投射される各変調画像は、基本形態で説明したように、スペックルを目立たなくさせることができる。またさらに、各光源61a,61b,61cでのコヒーレント光の生成時期を調整することや、走査デバイス65−1,65−2,65−3の動作を制御することにより、応用形態で説明した振れ角の大きさ、光学素子50上での走査速度、および、光学素子50上での一周期分の走査経路の長さの一以上を制御することによって、コヒーレント光の比視感度を考慮して極めて効果的にスペックルを目立たなくさせることができる。
また、図17に示された態様は、単一の走査デバイスしか設けられていない点において、図16に示された態様と異なっている。すなわち、図17に示された態様において、照射装置60は、図14を参照して説明した態様と同様に、波長域が異なる複数のコヒーレント光La,Lb,Lcをそれぞれ生成する複数の光源61a,61b,61cと、複数の光源61a,61b,61cからのコヒーレント光La,Lb,Lcの進行方向を変化させて、当該コヒーレント光La,Lb,Lcがホログラム記録媒体55−1,55−2,55−3上を走査するようにする単一の走査デバイス65と、を含んでいる。そして、波長域が異なる複数のコヒーレント光La,Lb,Lcが、互いに異なる方向から単一の走査デバイス65に入射して、互いに異なる方向へ進行方向を変更させられるようになっている。
とりわけ、図17に示された例では、走査デバイス65は、一つの軸線RA1を中心として回動可能な反射面66aを有した反射デバイス66を含んでおり、上述した基準点SPにおいて、複数のコヒーレント光La,Lb,Lcを異なる方向から受ける。また、図17に示した例では、照射装置60が、各光源61a,61b,61cから走査デバイス65までの光路に配置されたレンズ64を含んでおり、このレンズ64によって、各光源61a,61b,61cから互いに平行に進みでる複数のコヒーレント光La,Lb,Lcを、反射デバイス66の反射面66a上にある基準点SPに向けている。走査デバイス65から異なる方向に進む各コヒーレント光La,Lb,Lcは、ミラー等からなる誘導デバイス27により、光学素子50−1,50−2,50−3へと誘導される。光学素子50−1,50−2,50−3以降の構成は、図16に示された態様と同様に構成され得る。
このような図17に示された態様では、唯一の走査デバイス65から各光学素子50−1,50−2,50−3までの光路長を長くすることにより、各コヒーレント光が被照明領域LZ(空間光変調器)の各位置に入射する際の振れ角θa,θb,θcを大きくすることができる。すなわち、コヒーレント光の比視感度に応じて、複数のコヒーレント光La,Lb,Lcの振れ角θa,θb,θcを調節することができ、これにより、極めて効果的にスペックルを目立たなくさせることができる。
図10〜図17に例示された複数の具体例を参照しながら説明してきた応用形態に対して、次のような種々の変更を加えることが可能である。以下、変更(変形)の一例について説明する。
まず、基本形態に対して説明した変形例を、当然に、応用形態においても採用することができる。
例えば、各ホログラム記録媒体55a,55b,55cが、反射型の体積型ホログラムとして構成される例を示したが、これに限られず。各ホログラム記録媒体55a,55b,55cが、透過型の体積型ホログラムとして構成されていてもよい。なお、透過型の体積ホログラムは、反射型の体積ホログラムと比較して、波長選択性が低い。しかしながら、透過型の体積ホログラムの波長選択性は、例えばホログラム感光材料58の膜厚を厚くしておく等の処置により、調整可能である。そして、透過型の体積型ホログラムの波長選択性を調整しておくことにより、各透過型の体積型ホログラムが、対象とする波長域のコヒーレント光のみを高効率で回折して、対象としない波長域のコヒーレント光の進路を大きく曲げてしまうことを回避することができる。
また、ホログラム記録媒体55に形成されるべき縞状パターン(屈折率変調パターンや凹凸パターン)を、現実の物体光Loおよび参照光Lrを用いることなく、予定した再生照明光の波長や入射方向、並びに、再生されるべき像の形状や位置等に基づき計算機を用いて設計してなるホログラム(いわゆる、計算機合成ホログラム)を、ホログラム記録媒体55として、用いることもできる。計算機合成ホログラムとしてのホログラム記録媒体55は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられた複数の領域に平面的に区分けされ、各波長域のコヒーレント光は対応する領域で回折されて像を再生するようにしてもよい。
さらに、基本形態に対する変形例として説明したように、光学素子50は、各位置に照射されたコヒーレント光の進行方向を変化させるとともに拡散させて、被照明領域LZの全域へコヒーレント光を照明する光拡散素子(光拡散要素)として、ホログラム記録媒体55に代えて或いはホログラム記録媒体55に加えて、レンズアレイを有するようにしてもよい。このような態様においても、用いられるコヒーレント光の比視感度に応じて、振れ角の大きさ、光学素子50上での走査速度、および、光学素子50上での一周期分の走査経路の長さの一以上を調節しておくことにより、装置全体として、スペックルを効果的に目立たなくさせることができる。
なお、光学素子50が光拡散素子(光拡散要素)としてレンズアレイを有する場合、異なる波長域の複数のコヒーレント光La,Lb,Lcは、互いに異なるレンズアレイから別の光学作用を受け無くとも、単一のレンズアレイによって被照明領域LZを照明するように進行方向を変化させられ得る。ただし、振れ角の大きさ、光学素子50上での走査速度、および、光学素子50上での一周期分の走査経路の長さの一以上をコヒーレント光毎に制御するため、波長域が異なる各コヒーレント光にそれぞれに対応して、複数のレンズアレイが設けられるようにしてもよい。また、上述してきたホログラム記録媒体を使用する場合と同様にして、コヒーレント光の光路や光源61a,61b,61cでの生成時期を調節することにより、用いられるコヒーレント光の比視感度に応じて、振れ角の大きさ、光学素子50(レンズアレイ)上での走査速度、および、光学素子50(レンズアレイ)上での一周期分の走査経路の長さの一以上を制御するようにしてもよい。
さらに、上述した例において、照射装置60から、互いに異なる三つの波長域の第1〜第3コヒーレント光La,Lb,Lcが照射され、且つ、各波長域の第1〜第3コヒーレント光La,Lb,Lcが、それぞれ、白色を表示するための原色成分である例を示した。しかしながら、各波長域の第1〜第3コヒーレント光La,Lb,Lcは、白色を表示するための原色成分である必要はない。また、照射装置60は、互いに異なる三つの波長域のコヒーレント光を照射する必要はなく、例えば、互いに異なる二つの波長域のコヒーレント光を照射するようにしてもよい。この場合、単一の光源からのコヒーレント光では、通常、表示することができない色で、被照明領域を照明することが可能となる。また、単一の光源からのコヒーレント光では、通常、表示することができない色で映像を表示すること、あるいは、複数の色で映像を表示することが可能となる。
さらに、基本形態に対する変形例としても既に図9を参照して説明したように、照射装置60が、仮想の平行光束をなす一光線の光路に沿って、合成光SLを光学素子50へ照射するようにしてもよい。すなわち、照射装置60が、一定の方向に進む合成光SLを光学素子50のホログラム記録媒体55の各位置に照射するようにしてもよい。具体的な構成としては、図9に示すように、走査デバイス65が、上述した反射デバイス66に加えて、反射デバイス66で反射された光の進行方法を一定の方向に偏向させるコリメータとしてのレンズ67をさらに有するようにすればよい。ここで、レンズ67には、互いに波長域の異なる複数のコヒーレント光La,Lb,Lcを含んで成る合成光SLが入射するため、色分散等の不具合を防止する観点から、レンズ67としてアクロマチックレンズを用いることが好ましい。
5 像
6 散乱板
10 投射型映像表示装置
15 スクリーン
20 投射装置
25 投射光学系
26 合成投射光学系
26a クロスダイクロイックプリズム
26b レンズ
27 誘導デバイス
30,30−1,30−2,30−3 空間光変調器
40 照明装置
50,50−1,50−2,50−3 光学素子
55,55−1,55−2,55−3 ホログラム記録媒体
58 ホログラム感光材料
60 照射装置
61 光源機構
61a 光源(第1光源)B
61b 光源(第2光源)G
61c 光源(第3光源)R
65,65−1,65−2,65−3 走査デバイス
66 ミラーデバイス(反射デバイス)
66a ミラー(反射面)
LZ 被照明領域
SL 合成光
La コヒーレント光(第1コヒーレント光)
Lb コヒーレント光(第2コヒーレント光)
Lc コヒーレント光(第3コヒーレント光)

Claims (37)

  1. 第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光を回折し得るホログラム記録媒体と、
    前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
    前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明し、且つ、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
    照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射する前記第1コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きい、照明装置。
  2. 前記ホログラム記録媒体は、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を回折し得り、
    前記照射装置は、前記ホログラム記録媒体上を走査するように前記第3コヒーレント光を照射し、
    前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
    照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射する前記第3コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きく、
    前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応している、請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記ホログラム記録媒体は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して、複数設けられ、前記複数のホログラム記録媒体はある一平面上に並べられており、
    前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光を合成してなる合成光を生成する光源機構と、前記光源機構からの前記合成光の進行方向を変化させて、当該合成光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする走査デバイスと、を含み、
    前記照射装置は、前記合成光が並べて配置された複数のホログラム記録媒体上を直線状の走査経路に沿って走査するように、前記合成光を照射し、
    前記第2コヒーレント光に対応したホログラム記録媒体上における前記合成光の走査経路の長さは、前記第1コヒーレント光に対応したホログラム記録媒体上における前記合成光の走査経路の長さよりも長い、請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 前記合成光の走査経路と平行な方向に沿った、前記第2コヒーレント光に対応したホログラム記録媒体の幅は、前記合成光の走査経路と平行な方向に沿った、前記第1コヒーレント光に対応したホログラム記録媒体の幅よりも長い、請求項3に記載の照明装置。
  5. 前記第1コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分および前記第2コヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分は互いに重なり合っており、
    前記ホログラム記録媒体は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して、複数設けられ、
    前記第2コヒーレント光に対応したホログラム記録媒体は、前記第1コヒーレント光に対応したホログラム記録媒体よりも、前記互いに重なり合う部分に接近して配置されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明装置。
  6. 前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、前記複数の光源からのコヒーレント光の進行方向を変化させて、当該コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする走査デバイスと、を含み、
    前記波長域が異なる複数のコヒーレント光は、互いに異なる方向から同一の走査デバイスに入射して、互いに異なる方向へ進行方向を変更させられる、請求項5に記載の照明装置。
  7. 前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度は、前記第1コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度よりも速い、請求項1〜6にずれか一項に記載の照明装置。
  8. 各コヒーレント光は、それぞれ、前記ホログラム記録媒体上の一定の走査経路を周期的に走査し、
    前記第2コヒーレント光が走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さは、前記第1コヒーレント光が走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さよりも長い、請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明装置。
  9. 前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、各光源からのコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられ、対応する光源からのコヒーレント光の進行方向を変化させて当該コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする、複数の走査デバイスと、を含み、
    前記複数の走査デバイスの各々は、対応するコヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上において、第1方向に沿って一定の第1方向振動数で振動するとともに前記第1方向と交差する第2方向に沿っても前記第1方向振動数以下の一定の第2方向振動数で振動するように、対応するコヒーレント光の進行方向を変化させ、
    前記第2コヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイスの前記第2方向振動数に対する前記第1方向振動数の比の値は、前記第1コヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイスの前記第2方向振動数に対する前記第1方向振動数の比の値よりも大きい、請求項8に記載の照明装置。
  10. 第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光を回折し得るホログラム記録媒体と、
    前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
    前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明し、且つ、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
    前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度が、前記第1のコヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度よりも速い、照明装置。
  11. 前記ホログラム記録媒体は、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を回折し得り、
    前記照射装置は、前記ホログラム記録媒体上を走査するように前記第3コヒーレント光を照射し、
    前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
    前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度が、前記第3コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査する速度よりも速く、
    前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応している、請求項10に記載の照明装置。
  12. 第1波長域の第1コヒーレント光前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光を回折し得るホログラム記録媒体と、
    前記第1コヒーレント光および前記第2コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
    前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明し、且つ、前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
    前記複数のコヒーレント光の各々は、それぞれ、前記ホログラム記録媒体上の一定の走査経路を周期的に走査し、
    前記第2コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さは、前記第1コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さよりも長い、照明装置。
  13. 前記ホログラム記録媒体は、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を回折し得り、
    前記照射装置は、前記ホログラム記録媒体上を走査するように前記第3コヒーレント光を照射し、
    前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記ホログラム記録媒体で回折されて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記ホログラム記録媒体が配置されており、
    前記第3コヒーレント光は、前記ホログラム記録媒体上の一定の走査経路を周期的に走査し、
    前記第2コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さは、前記第3コヒーレントが走査する前記ホログラム記録媒体上の前記一定の走査経路の長さよりも長く、
    前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応している、請求項12に記載の照明装置。
  14. 照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射するようになる各コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、前記複数のコヒーレント光の間で同一である、請求項10〜13のいずれか一項に記載の照明装置。
  15. 前記ホログラム記録媒体は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して、複数設けられている、請求項1,2および10〜15のいずれか一項に記載の照明装置。
  16. 各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられた複数のホログラム記録媒体は、ある一平面上に配置されている、請求項15に記載の照明装置。
  17. 各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられた複数のホログラム記録媒体は、重ねて配置されている、請求項15に記載の照明装置。
  18. 前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光を合成してなる合成光を生成する光源機構と、前記光源機構からの前記合成光の進行方向を変化させて、当該合成光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする走査デバイスと、を含み、
    前記光源機構は、各波長域のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、前記複数の光源からのコヒーレント光を合成する合成デバイスと、を有する、請求項1,2および10〜17のいずれか一項に記載の照明装置。
  19. 前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、各光源からのコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられ、対応する光源からのコヒーレント光の進行方向を変化させて当該コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする、複数の走査デバイスと、を含む、請求項1,2および10〜17のいずれか一項に記載の照明装置。
  20. 前記照射装置は、前記波長域が異なる複数のコヒーレント光をそれぞれ生成する複数の光源と、前記複数の光源からのコヒーレント光の進行方向を変化させて、当該コヒーレント光が前記ホログラム記録媒体上を走査するようにする走査デバイスと、を含み、
    前記波長域が異なる複数のコヒーレント光は、互いに異なる方向から同一の走査デバイスに入射して、互いに異なる方向へ進行方向を変更させられる、請求項1,2および10〜17のいずれか一項に記載の照明装置。
  21. 各光源がコヒーレント光を生成している時期は同一ではない、請求項18〜20のいずれか一項に記載の照明装置。
  22. 入射光の進行方向を変化させる光拡散素子と、
    第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
    前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明し、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されており、
    照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射する前記第1コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きい、照明装置。
  23. 前記照射装置は、前記光拡散素子上を走査するように、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を照射し、
    前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置され、
    照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射するようになる前記第2コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射する前記第3コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度よりも大きく、
    前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応している、請求項22に記載の照明装置。
  24. 入射光の進行方向を変化させる光拡散素子と、
    第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
    前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明し、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されており、
    前記第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査する速度が、前記第1のコヒーレント光が前記光拡散素子上を走査する速度よりも速い、照明装置。
  25. 前記照射装置は、前記光拡散素子上を走査するように、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を照射し、
    前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置され、
    前記第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査する速度が、前記第3コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査する速度よりも速く、
    前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応している、請求項24に記載の照明装置。
  26. 入射光の進行方向を変化させる光拡散素子と、
    第1波長域の第1コヒーレント光および前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2コヒーレント光が前記光拡散素子上を走査するように、波長域が異なる複数のコヒーレント光を照射する照射装置と、を備え、
    前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第1コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明し、前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第2コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置されており、
    前記複数のコヒーレント光の各々は、それぞれ、前記光拡散素子上の一定の走査経路を周期的に走査し、
    前記第2コヒーレントが走査する前記光拡散素子上の前記一定の走査経路の長さは、前記第1コヒーレントが走査する前記光拡散素子上の前記一定の走査経路の長さよりも長い、照明装置。
  27. 前記照射装置は、前記光拡散素子上を走査するように、前記第1波長域および前記第2波長域とは異なる第3波長域の第3コヒーレント光を照射し、
    前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射した前記第3コヒーレント光が、それぞれ、前記光拡散素子によって進行方向を変化させられて少なくとも一部分において互いに重なり合う領域を照明するように、前記照射装置および前記光拡散素子が配置され、
    前記第3コヒーレント光は、前記光拡散素子上の一定の走査経路を周期的に走査し、
    前記第2コヒーレントが走査する前記光拡散素子上の前記一定の走査経路の長さは、前記第3コヒーレントが走査する前記光拡散素子上の前記一定の走査経路の長さよりも長く、
    前記第1波長域は第1の原色成分に対応し、前記第2波長域は前記第1波長域よりも長波長側で第2の原色成分に対応し、前記第3波長域は前記第2波長域よりも長波長側で第3の原色成分に対応している、請求項26に記載の照明装置。
  28. 照明される領域における互いに重なり合う部分内のある一点に種々の方向から入射するようになる各コヒーレント光の二つの入射方向によってなされる最大の角度は、前記複数のコヒーレント光の間で同一である、請求項24〜27のいずれか一項に記載の照明装置。
  29. 前記光拡散素子はレンズアレイである、請求項22〜28のいずれか一項に記載の照明装置。
  30. 請求項1〜21のいずれか一項に記載の照明装置と、
    前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射して回折された前記コヒーレント光によって照明される位置に配置された空間光変調器と、を備える投射装置。
  31. 請求項22〜29のいずれか一項に記載の照明装置と、
    前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射して進行方向を変化させられた前記コヒーレント光によって照明される位置に配置された空間光変調器と、を備える投射装置。
  32. 前記空間光変調器上に得られる変調画像をスクリーン上に投射する投射光学系を、さらに備える、請求項30または31に記載の投射装置。
  33. 前記ホログラム記録媒体で回折されたコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分は、前記複数のコヒーレント光の間で、互いに異なる位置に位置し、
    前記空間光変調器は、前記複数のコヒーレント光のそれぞれに対応して複数設けられ、
    各空間光変調器は、対応するコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分と重なるようにして配置され、
    各空間光変調器上に得られる変調画像を合成して投射する合成投射光学系がさらに設けられている、請求項30に記載の投射装置。
  34. 前記光拡散素子で進行方向を変化させられたコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分は、前記複数のコヒーレント光の間で、互いに異なる位置に位置し、
    前記空間光変調器は、前記複数のコヒーレント光のそれぞれに対応して複数設けられ、
    各空間光変調器は、対応するコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分と重なるようにして配置され、
    各空間光変調器上に得られる変調画像を合成して投射する合成投射光学系がさらに設けられている、請求項31に記載の投射装置。
  35. 請求項30〜34のいずれか一項に記載の投射装置と、
    前記空間光変調器上に得られる変調画像を投影されるスクリーンと、を備える、投射型映像表示装置。
  36. 請求項1〜21のいずれか一項に記載の照明装置と、
    前記照射装置から前記ホログラム記録媒体の各位置に入射して回折された前記コヒーレント光によって照明されるスクリーンと、を備え、
    前記ホログラム記録媒体で回折されたコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分は、前記複数のコヒーレント光の間で、互いに重なり合っており、
    前記スクリーンは、前記複数のコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分と重なるようにして配置されている、投射型映像表示装置。
  37. 請求項22〜29のいずれか一項に記載の照明装置と、
    前記照射装置から前記光拡散素子の各位置に入射して進行方向を変化させられた前記コヒーレント光によって照明されるスクリーンと、を備え、
    前記光拡散素子で進行方向を変化させられたコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分は、前記複数のコヒーレント光の間で、互いに重なり合っており、
    前記スクリーンは、前記複数のコヒーレント光によって照明される領域における互いに重なり合う部分と重なるようにして配置されている、投射型映像表示装置。
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