JP2014224373A - 除雪具 - Google Patents

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Abstract

【課題】除雪具本体の先端に沿って該先端より前方に板金を突設する除雪具において、除雪しやすく、バケットの耐久性の向上を図った除雪具を、生産性を落とさずに提供する。
【解決手段】バケット10の上面15側の補強板20と樹脂部が接合される接合部18を、補強板20の先端側表面22より低くしたことで、剥ぎ取った雪や氷は接合部18から侵入しにくい。一方、下面16側は正弦波状の樹脂部17を形成している。正弦波状の頂部は補強板20に穿設して補強板20の表面と裏面を樹脂で連結する孔の頂部に対応しているため、補強板20と樹脂層との密着力が強く、補強板20と樹脂層の間隙に剥ぎ取った雪や氷が侵入しにくいので除雪具本体1の耐久性を向上することができる。また、樹脂部に偏肉がないのでインサート成形での冷却時間を短くできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、除雪用スコップ、スノーダンプ等と称するバケット状の雪運搬具或いは、スノープッシャー等と称する除雪用板などのハンドルを供えた除雪具に関する。
従来、軽量で使いやすいプラスチック製の除雪用スコップ、雪運搬具等の除雪具本体の先端部に金属製補強板を取り付け補強した構成のものが公知となっている。
例えば、特許文献1に記載されている除雪具では、プラスチック製バケットの先端部の表裏に断面U字状の金属製補強板を前幅に被嵌せず、金属製補強板が被嵌されないバケット先端部の左右部はプラスチックの肉厚を厚く形成して強度を高めたことを特徴としたものであり、特許文献2に記載の除雪具は、金属製補強板の前端鋭利部がバケットの先端部に突出するように金属板をインサート成形したものである。
特開2004−27786号公報 実開昭58−72212号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている除雪具では、バケットの先端部を金属板で断面U字状に被嵌しているので、刃先板の先端側の厚みが厚く、先端縁が鋭利な形状をなさなくなり路面上に付着している雪や氷を剥ぎ取りにくい、また、先端部左右の金属板で被嵌されない領域は強度を高めるためにプラスチックの肉厚を厚くしているので、射出成形時の冷却工程に要する時間を長く必要とし、生産性が落ちてしまうという問題がある。特許文献2に記載されている除雪具では、断面で見た場合、金属板の上層及び下層がプラスチックで挟み込むように形成され、先端部の端面のラインと略平行に金属板をプラスチックで被嵌しただけの領域が存在し、その金属板とプラスチックの層間に剥ぎ取った雪や氷が侵入しやすくプラスチック層を剥離させてしまうという問題がある。
本発明は、除雪具本体の先端に沿って該先端より前方に板金を突設する除雪具において、除雪しやすく、板金を含むバケットの耐久性の向上を図った除雪具を、生産性を落とさずに提供するものである。
請求項1に記載の発明にあたっては、除雪用スコップ、雪運搬具或いは除雪用板などの合成樹脂製の除雪具本体の先端に沿って該先端より前方に金属板を突設した除雪具において、該金属板はバケットの先端部に一体成形で固着され、前記バケット先端部の一方の面は厚み方向で金属板面が合成樹脂面より突出し、他方の面は合成樹脂面が金属板面よりも突出していることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明にあたっては、前記金属板は、先端に沿って2段に折曲形成して、接地用先端面と合成樹脂に埋め込まれる面とを有していることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明にあたっては、合成樹脂面が金属板面よりも突出している側の合成樹脂部は、バケット先端部の全幅に亘って略正弦波状の形状をなし、前記略正弦波の頂部が前記先端側にあることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明にあたっては、前記金属板の合成樹脂に埋め込まれる面には、前記略正弦波形状に対応した樹脂連結孔を設けていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明にあたっては、前記金属板はバケットの側部も先端に沿って突設していることを特徴とするものである。
バケットの上面側の金属板と樹脂部が接合される接合部を、金属板の先端側表面より低くしたことで、剥ぎ取った雪や氷は前記接合部から侵入しにくい。一方、下面側は正弦波状の樹脂部を形成している。正弦波状の頂部は金属板に穿設して金属板の表面と裏面を樹脂で連結する連結孔の頂部に対応しているため、金属板と樹脂層との密着力が強く、金属板と樹脂層の間隙に剥ぎ取った雪や氷が侵入しにくいので除雪具の耐久性を向上することができる。また、金属板がバケットの側部にも先端に沿って突設させているので樹脂部に偏肉がなくインサート成形での冷却時間を短くできる。
本実施形態の除雪具で、(a)は上方から見た斜視図で、(b)は下方から見た斜視図 本実施形態の除雪具の先端部分の構成を説明する下方から見た斜視図 本実施形態の金属板を説明する図であり、(a)は上方から見た斜視図で、(b)は下方から見た斜視図 本実施形態の除雪具の構成を説明する図であり、(a)〜(c)はその構成を示す断面図 本実施形態の除雪具の棒を結合するホルダ部材を説明する斜視図
以下に本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお本実施の形態は一例であり、これに限定されるものではない。
図1は本実施形態に係わる除雪具を示しており、(a)は上方から見た斜視図で、(b)は、除雪具を下方から見た斜視図である。バケット10は、底部12と、この底部2の左右両側に立設する左右側板13と、後部に立設する後板14を備え、上方及び前方を開口した合成樹脂(以下、樹脂という)製のほぼ箱形状であって、先端側に補強板20をインサート成形で一体に形成し、後板14の後方斜め上方に棒40とグリップ50を固定している。
前記底板12の先端縁に沿って延設した前記補強板20は金属板で、ステンレス鋼板や亜鉛めっき鋼板、アルミニウム等の板をプレス加工で折り曲げて形成したものである。
図3示すように、補強板20は、肉薄の帯板状金属板であり、その先端面25側に頂部の一つを向けた略三角形状の孔を金属板の長手方向に略等間隔で複数穿設し、基端面21と平行に段部23を折り曲げ形成した後に、左右の側部24a、24bを補強板20の表面側に立ち上げるように折り曲げ形成している。
左右の側部24には長孔29a、29bが穿設されているが、この長孔29a、29bは前記複数の略三角形状の孔21とともに、バケット10を成形する金型に前記補強板20を挿入設置してインサート成形する際に補強板20の表面26と裏面27側を樹脂で連結してバケットとして一体化するためのものである。また、小径の位置決め孔28a、28bは、前記補助版20を前記金型内に設置するための位置決めに使われる孔で、金型内に突設させたピンに位置決め孔28a、28bを合わせて挿入する。バケット10を成形する樹脂は本実施例ではポリカーボネイトを使用したが、これに限定されるものではなく、ポリプロピレン樹脂やABS樹脂が使用できる。
図1(b)、図2に示すように、バケット10の先端側の底板下面16には、正弦波状の樹脂部17を形成している。これは、補強板20と樹脂層の間隙に剥ぎ取った雪や氷が侵入して樹脂層を剥離させてしまうという問題を回避するためである。樹脂層の先端側は正弦波状の頂部となっていて、補強板20の略三角形状の孔21に対応して樹脂層の形状を正弦波状としている。剥ぎ取ろうとする雪や氷は、正弦波状の樹脂層の頂部にまず衝突するが、この部分は前記補強板20に穿設して補強板20の表面26と裏面27を樹脂で連結する孔21の頂部と対応しているために補強板20と樹脂層の密着力が強く、前記剥ぎ取った雪や氷は侵入しにくい。
もし、前記正弦波状の各頂部を繋ぐような直線状に樹脂層端部を形成した場合、補強板20の略三角形状の孔21の頂部間の中間に対応する補強板20と樹脂の層の密着が最も弱くなり、隙間が発生することもある。そのため前記剥ぎ取った雪や氷が侵入し易くなって樹脂層を剥離してしまう問題が発生し易くなる。
一方、図1(a)に示すように、底板の上面15には前記のような正弦波状の形状部は存在しない。上面15側の補強板20との接合部18は、バケット10先端部の前幅、及び側板13に亘って直線状としている。
底板12の上面15、及び側板13部の補強板20と樹脂の接合部18は、図4(c)の断面C−Cで示すように、樹脂面の高さをtだけ補強板20の先端側表面22よりも低く設定している。
樹脂で形成される底板12の上面15を補強板20の先端側表面22より低くしたことで、剥ぎ取った雪や氷が接合部18から侵入しにくい。前記tは、0.5mmから2.5mmの範囲に設定するのが好ましい。
次にバケット10の後板14の後方斜め上方に固定する棒40の固定方法を図4、図5で説明する。棒50は本実施例ではエラストマー被覆鋼管を使用しているが、これに限らず塩化ビニル被覆鋼管やエポキシ粉体塗装鋼管、アルミ軽量管が使用できる。
図5で示す30は、バケット10の後板14の後方斜め上方に前記棒40を固定するためのホルダ部材であり、有底の円筒形状をなすホルダ部31の底部32の外側面の中心部に、このホルダ部材30を、バケット10の後方に斜め上方を向いて一体に樹脂で形成されている係止円筒部60の係止孔61に装着するための軸部33を一体に有する。係止円筒部60の中空部は前記ホルダ部材30の外径を受入れられる口径に形成してある。
また、ホルダ部材30の開口側端部には係止円筒部60の外径と略同一の外径に膨径させた大径部38を設け、開口側端面に向かって外周面をテーパ状にしている。これによってホルダ部材30を係止円筒部60に嵌着した後にホルダ部材30の開口側端面部に手が触れた際の触感の悪化を防いでいる。
ホルダ部材30は樹脂(本実施例ではポリプロピレン樹脂を使用)を材料に成形してあり、前記軸部33は円柱状に形成して軸心に沿って縦に切り込むスリット34を向けて分割し、このスリット34を利用して縮径できるようにしている。軸部33の先端部には外周面をテーパ状にした膨径部35を設けて、軸部33の外周面に前記係止円筒部60に挿入して係止円筒部60の底に設けた係入孔61と係合する小径部36を設けている。
管状の棒40は、一方の端部から前記ホルダ部材30に挿入し、ホルダ部材30の後述する回転止め37の一部に凹部を設け、図示しないブラインドリベットで回転不可の状態に連結固定される。尚、固定手段としては、ブラインドリベットに限らず、他にボルト・ナット、ビス或いは接着などによって行ってもよい。
棒40を連結固定したホルダ部材30を前記係止円筒部60に挿入するが、このときホルダ部材30とともに棒40が回転しないようにホルダ部材30の外周面の軸長方向にほぼ全域に亘って突設形成した回転止め37(図5)と、この回転止め37に対応して係止円筒部60に凹設した回転止め溝部62(図4(a))の位置を合わせて挿入する。
図4(b)に示すように、前記軸部33の先端部の外周面に形成したテーパ状の膨径部35が、係合孔61に摺接しながら縮径し、更に押し込むと係入孔61と小径部36が係合するとともに、膨径部35が完全に係入孔61から外方に臨み確実に嵌着され、ホルダ部材30は係止円筒部60から抜けなくなる。
図示しないが、棒40の他方の端部は、樹脂を材料に成形したグリップに形成した円筒部に挿入し、ブラインドリベットによって固定される。尚、固定手段としては、ブラインドリベットに限らず、他にボルト・ナット、ビス或いは接着などによって行ってもよい。
以上のように構成された除雪具本体1の作用を説明する。前記実施例では、バケット10先端部を左右の側板部も含めて、折り曲げ加工した1枚の金属板で構成しているので、平板に比べて補強板20自身の変形を抑止して耐強度も向上する。加えてこの補強板20を金型に挿入して樹脂で一体に成形するのでバケット10の強度を向上することができるとともに、左右の側板部の強度を向上するために樹脂を厚くしなければならない偏肉部もないので成形での冷却時間を短くできる。また、この補強板20の先端面25が路面と積雪との間に挿入されるので雪や氷などを剥ぎ取るようにして除雪することができる。
前述のように、バケット10の上面15側の補強板20と樹脂部が接合される接合部18は、樹脂部の高さを補強板20の先端側表面22より低くしたことで、剥ぎ取った雪や氷が接合部18から侵入しにくい。一方、下面16側は正弦波状の樹脂部17を形成している。樹脂層の先端側は正弦波状の頂部となっていて、補強板20の略三角形状の孔21に対応して樹脂層の形状を正弦波状とした。剥ぎ取ろうとする雪や氷は、正弦波状の樹脂層の頂部にまず衝突するが、この部分は前記補強板20に穿設して補強板20の表面26と裏面27を樹脂で連結する孔21の頂部に対応しているため、補強板20と樹脂の層の密着力が強く、前記剥ぎ取った雪や氷が侵入しにくいので除雪具本体1の耐強度を向上することができる。
前記実施例では、バケット10の補強板12と樹脂の接合部が、上面15側が直線状で下面16側を正弦波状にする例で説明したが、これに限らず逆転させて上面15側を正弦波状にして下面16側を直線状にしても構わない。また、図示したような正弦波状ではなく台形状にして各角に丸みを付けた形状でもよい。
前記実施例では除雪用スコップで説明したが、スノーダンプ等と称するバケット状の雪運搬具或いは、スノープッシャー等と称する除雪用板など、種々の除雪具に適用できる。
1 除雪具本体
10 バケット
12 底板
13 側板
14 後板
15 上面
16 下面
17 樹脂部
18 接合部
20 補強板
21 孔
22 先端側表面
23 段部
24a、24b 側部
25 先端面
26 表面
27 裏面
28a、28b 位置決め孔
29a、29b 長孔
30 ホルダ部材
31 ホルダ部
32 底部
33 軸部
34 スリット
35 膨径部
36 小径部
37 回転止め
38 大径部
40 棒
50 グリップ
60 係止円筒部
61 係入孔




















Claims (5)

  1. 除雪用スコップ、雪運搬具或いは除雪用板などの合成樹脂製の除雪具本体の
    先端に沿って該先端より前方に金属板を突設した除雪具において、
    該金属板はバケットの先端部に一体成形で固着され、
    前記バケット先端部の一方の面は厚み方向で金属板面が合成樹脂面より突出し、
    他方の面は合成樹脂面が金属板面よりも突出していることを特徴とする除雪具。
  2. 前記金属板は、先端に沿って2段に折曲形成して、接地用先端面と
    合成樹脂に埋め込まれる面とを有していることを特徴とする請求項1に記載の除雪具。
  3. 合成樹脂面が金属板面よりも突出している側の合成樹脂部は、
    バケット先端部の全幅に亘って略正弦波状の形状をなし、
    前記正弦波の頂部が前記先端側にあることを特徴とする請求項1ないし請求項2に記載の除雪具。
  4. 前記金属板の合成樹脂に埋め込まれる面には、前記略正弦波形状に対応した樹脂連結孔を設けていることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の除雪具。
  5. 前記金属板はバケットの側部も先端に沿って突設していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の除雪具。














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