JP2014223652A - 希土類−鉄系合金材の製造方法、希土類−鉄系合金材、希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法、希土類−鉄−窒素系合金材、及び希土類磁石 - Google Patents
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Abstract
【課題】α−Fe相の形成を抑制し、α−Fe相を含まない均質な希土類−鉄系合金の薄帯を作製することができる希土類−鉄系合金材の製造方法を提供する。【解決手段】希土類−鉄系合金材の製造方法は、希土類元素と鉄とを含む溶湯1を準備する溶湯準備工程と、冷却した回転ロール130の表面に溶湯を注いで急冷凝固することで、希土類−鉄系合金の薄帯10を作製する急冷凝固工程と、を備える。そして、薄帯10の幅を、120mm以上250mm以下とし、回転ロール130の表面粗さを、十点平均粗さ(Rz)で5μm以下とする。【選択図】図1
Description
本発明は、希土類−鉄系合金材の製造方法、希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法、希土類−鉄系合金材、希土類−鉄−窒素系合金材、及び希土類磁石に関する。特に、α−Fe相の形成を抑制し、α−Fe相を含まない均質な希土類−鉄系合金の薄帯を作製することができる希土類−鉄系合金材の製造方法に関する。
モータや発電機などに利用される永久磁石として、希土類−鉄系合金を原料とする希土類磁石(代表的には、Nd−Fe−B系磁石、Sm−Fe−N系磁石)が広く利用されている。Nd−Fe−B系磁石は、Nd2Fe14B相を主相とするNd−Fe−B系合金を原料として使用する。一方、Sm−Fe−N系磁石は、Sm2Fe17相を主相とするSm−Fe系合金を原料とし、これを窒化したSm2Fe17Nx(x=1〜8)相を主相とするSm−Fe−N系合金を使用する。
一般に、Sm2Fe17合金などの希土類−鉄系合金は、希土類元素と鉄とを溶解した溶湯を回転ロールの表面に注いで急冷して凝固させ、薄帯状の希土類−鉄系合金材を作製する方法(所謂、ストリップキャスト法)により製造されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。また、希土類−鉄系合金の薄帯を粉砕した合金粉末が希土類磁石の原料として使用されている。
製造した希土類−鉄系合金において、組織中に結晶相としてSm2Fe17相の他に、α−Fe相などが存在することがある。希土類−鉄系合金中にα−Fe相が存在すると、粉砕し難く、また、α−Fe相を含有する希土類−鉄系合金を原料とした場合、磁気特性を劣化させることが知られている。更に、α−Fe相が形成されると、組成ズレが生じる。そこで、高い磁気特性を得るためには、希土類−鉄系合金において、主相の含有率を高め、組成を理想的な化学量論組成に近づけることが重要である。即ち、α−Fe相の形成を抑制し、結晶相として実質的に主相のみが存在する均質な希土類−鉄系合金材の製造方法の開発が望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的の一つは、α−Fe相の形成を抑制し、α−Fe相を含まない均質な希土類−鉄系合金の薄帯を作製することができる希土類−鉄系合金材の製造方法を提供することにある。本発明の目的のもう一つは、α−Fe相を含まない均質な希土類−鉄系合金材を提供することにある。
本発明の別の目的の一つは、α−Fe相の形成を抑制し、α−Fe相を含まない均質な希土類−鉄−窒素系合金材を製造することができる希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法を提供することにある。本発明の別の目的のもう一つは、α−Fe相を含まない均質な希土類−鉄−窒素系合金材を提供することにある。
本発明の更に別の目的の一つは、磁気特性に優れる希土類磁石を提供することにある。
本発明の希土類−鉄系合金材の製造方法は、希土類元素と鉄とを含む溶湯を準備する溶湯準備工程と、冷却した回転ロールの表面に溶湯を注いで急冷凝固することで、希土類−鉄系合金の薄帯を作製する急冷凝固工程と、を備える。そして、薄帯の幅を、120mm以上250mm以下とし、回転ロールの表面粗さを、十点平均粗さ(Rz)で5μm以下とする。
本発明の希土類−鉄系合金材は、上記した本発明の希土類−鉄系合金材の製造方法により製造されたものである。
本発明の希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法は、上記した本発明の希土類−鉄系合金材の製造方法により製造した希土類−鉄系合金材に窒化処理を施す窒化工程を備える。
本発明の希土類−鉄−窒素系合金材は、上記した本発明の希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法により製造されたものである。
本発明の希土類磁石は、上記した本発明の希土類−鉄−窒素系合金材を着磁したものである。
本発明の希土類−鉄系合金材の製造方法は、α−Fe相の形成を抑制し、α−Fe相を含まない均質な希土類−鉄系合金の薄帯を作製することができる。本発明の希土類−鉄系合金材は、α−Fe相を含まない均質な組織を有する。なお、「α−Fe相を含まない」とは、株式会社リガク製のX線回折装置(SmartLab)を用いた結晶相分析による検出限界未満であることを意味する。
また、本発明の希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法は、α−Fe相の形成を抑制し、α−Fe相を含まない均質な希土類−鉄−窒素系合金材を製造することができる。本発明の希土類−鉄−窒素系合金材は、α−Fe相を含まない均質な組織を有する。
更に、本発明の希土類磁石は、磁気特性に優れる。
本発明者らが鋭意研究したところ、希土類元素と鉄とを溶解した溶湯を回転ロールの表面に注いで急冷凝固して、希土類−鉄系合金の薄帯を作製する際、薄帯の幅が大きいと、薄帯が幅方向に均一な厚さにならず、薄帯の幅方向の外側が厚く、内側が薄くなることが分かった。そのため、薄帯の幅方向の外側の厚さが厚くなることから、薄帯の幅方向の外側と内側とで冷却速度に差が生じ、外側の一部にα−Fe相が形成されることが分かった。また、回転ロールの表面粗さが大きいと、ロール表面の凹部に溶湯が入り込み、薄帯におけるその部分の厚さが厚くなることから、薄帯のその部分とそれ以外の部分とで冷却速度に差が生じ、一部にα−Fe相が形成されることが分かった。そして、本発明者らは、薄帯の幅と回転ロールの表面粗さを規定することで、薄帯の幅方向の厚さを均一に制御でき、薄帯の幅方向における冷却ムラを低減できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)実施形態に係る希土類−鉄系合金材の製造方法は、希土類元素と鉄とを含む溶湯を準備する溶湯準備工程と、冷却した回転ロールの表面に溶湯を注いで急冷凝固することで、希土類−鉄系合金の薄帯を作製する急冷凝固工程と、を備える。そして、薄帯の幅を120mm以上250mm以下とし、回転ロールの表面粗さを十点平均粗さ(Rz)で5μm以下とする。
この希土類−鉄系合金材の製造方法によれば、薄帯の幅を120mm以上250mm以下とし、回転ロールの表面粗さを十点平均粗さ(Rz)で5μm以下とすることで、薄帯の幅方向の厚さを均一に制御することができる。その結果、薄帯の幅方向における冷却速度が均一になるため、α−Fe相の形成を抑制し、α−Fe相を含まない均質な希土類−鉄系合金の薄帯を得ることができる。この希土類−鉄系合金を原料とすることで、磁気特性に優れる希土類磁石を得ることができる。薄帯の幅を250mm超とした場合、薄帯の幅方向の外側の厚さが厚くなり、薄帯を幅方向に均一な厚さにすることが難しく、薄帯の幅方向における冷却速度が不均一になるため、薄帯の幅方向の外側にα−Fe相が形成され易い。一方、薄帯の幅を小さくすると、その分生産量が減ることから、薄帯の幅の下限は、生産性の観点から120mm以上とした。また、回転ロールの表面粗さを5μm超とした場合、ロール表面に溶湯が入り込んだ部分では薄帯の厚さが厚くなり、その部分にα−Fe相が形成され易い。回転ロールの表面は平滑であるほど好ましく、例えば十点平均粗さ(Rz)で1〜5μm程度とすることが挙げられる。なお、「Rz」は、JIS B 0601:1994で定義される十点表面粗さを意味する。
更に、上記した希土類−鉄系合金材の製造方法によれば、薄帯の厚さの不均一化をなくし、薄帯の幅方向における冷却速度の均一性を確保できることから、微細で均一な結晶組織を得ることができる。
その他、製造した希土類−鉄系合金材は、結晶相としてα−Fe相が存在しないため、粉末とする際に粉砕し易い。また、α−Fe相を消失させるために行われていた焼鈍処理(均質化処理)を省略でき、焼鈍処理により結晶粒が粗大化することもない。
(2)実施形態に係る希土類−鉄系合金材の製造方法において、複数の回転ロールを同軸上に並列に配置し、それぞれの回転ロールにおいて薄帯を作製することが挙げられる。
複数の回転ロールを用いて薄帯を作製することで、1つの回転ロールを用いる場合に比較して、薄帯の生産量を増やすことができ、生産性をより高めることができる。
(3)実施形態に係る希土類−鉄系合金材の製造方法において、溶湯の温度を1480℃以上1600℃以下とすることが挙げられる。
希土類元素としてSmを含むSm−Fe系合金の場合、溶湯の温度を1480℃以上とすることで、Sm2Fe17相が形成され易く、α−Fe相だけでなくSmFe3相やSmFe2相の形成を抑制できる。また、溶湯の温度を1600℃以下とすることで、希土類元素の蒸発を防ぎ、組成ズレを抑制できる。更に、溶湯の温度によって溶湯の動粘度が変わり、溶湯の温度を1480℃以上1600℃以下とした場合、溶湯が適度な動粘度を有し、回転ロールの表面に注いだ溶湯がロール表面に広がり易く、幅方向に均一な厚さの薄帯を作製し易い。
(4)実施形態に係る希土類−鉄系合金材の製造方法において、希土類元素がSmであることが挙げられる。
希土類元素としてSmを選択した場合、α−Fe相を含まない均質なSm−Fe系合金の薄帯を製造することができる。このSm−Fe系合金を窒化したSm−Fe−N系合金を使用することで、磁気特性に優れるSm−Fe−N系磁石を得ることができる。
(5)実施形態に係る希土類−鉄系合金材は、上記した実施形態に係る希土類−鉄系合金材の製造方法により製造されたものである。
この希土類−鉄系合金材によれば、α−Fe相を含まない均質な組織を有するため、この希土類−鉄系合金を原料とすることで、磁気特性に優れる希土類磁石を得ることができる。また、この希土類−鉄系合金材は、微細で均一な結晶組織を有し、結晶粒(主相)の微細化により、窒化した際に主相における窒素量のバラツキを抑制できる。
(6)実施形態に係る希土類−鉄系合金材において、希土類−鉄系合金材の結晶粒の平均粒径が0.1μm以上2μm以下であることが挙げられる。
結晶粒の平均粒径が2μm以下であることで、窒化した際に、結晶粒(主相)に窒素が拡散し易く、窒化が均一に行われる。即ち、主相における窒素量のバラツキが生じ難く、窒素量が均質な組成が得られ易い。また、結晶粒の平均結晶粒径が0.1μm以上であることで、窒化した際に、結晶粒(主相)に窒素が過剰に侵入することを抑制でき、磁気特性を高め易い。例えばSm2Fe17Nx(x=1〜8)相の場合、磁気特性の観点からx=3(即ち、Sm2Fe17N3)が理想的である。ここでいう、希土類−鉄系合金材の結晶粒の平均粒径とは、主相の平均粒径のことである。
(7)実施形態に係る希土類−鉄系合金材において、希土類−鉄系合金材の結晶粒の平均断面積が0.1μm2以上5μm2以下であることが挙げられる。
結晶粒の平均断面積が5μm2以下であることで、窒化した際に、結晶粒(主相)に窒素が拡散し易く、窒化が均一に行われる。即ち、主相における窒素量のバラツキが生じ難く、窒素量が均質な組成が得られ易い。また、結晶粒の平均断面積が0.1μm2以上であることで、窒化した際に、結晶粒(主相)に窒素が過剰に侵入することを抑制でき、磁気特性を高め易い。ここでいう、希土類−鉄系合金材の結晶粒の平均断面積とは、主相の平均断面積のことである。
(8)実施形態に係る希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法は、上記した実施形態に係る希土類−鉄系合金材の製造方法により製造した希土類−鉄系合金材に窒化処理を施す窒化工程を備える。
この希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法によれば、α−Fe相の形成を抑制し、α−Fe相を含まない均質な希土類−鉄−窒素系合金材を製造することができる。よって、この希土類−鉄−窒素系合金材を使用することで、磁気特性に優れる希土類磁石を得ることができる。また、この希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法は、微細で均一な結晶組織を有する希土類−鉄系合金材に窒化処理を施すことから、主相における窒素量のバラツキを抑制できる。
(9)実施形態に係る希土類−鉄−窒素系合金材は、上記した実施形態に係る希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法により製造されたものである。
この希土類−鉄−窒素系合金材によれば、α−Fe相を含まない均質な組織を有するため、この希土類−鉄−窒素系合金材を使用することで、磁気特性に優れる希土類磁石を得ることができる。また、この希土類−鉄−窒素系合金材は、微細で均一な結晶組織を有し、主相における窒素量のバラツキが小さい。
(10)実施形態に係る希土類磁石は、上記した実施形態に係る希土類−鉄−窒素系合金材を着磁したものである。
この希土類磁石によれば、上記した実施形態に係る希土類−鉄−窒素系合金材を使用するため、磁気特性に優れる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態の詳細を、以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施形態の詳細を、以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<希土類−鉄系合金材の製造方法>
実施形態に係る希土類−鉄系合金材の製造方法は、希土類元素と鉄とを含む溶湯を準備する溶湯準備工程と、冷却した回転ロールの表面に溶湯を注いで急冷凝固することで、希土類−鉄系合金の薄帯を作製する急冷凝固工程と、を備える。そして、薄帯の幅を、120mm以上250mm以下とし、回転ロールの表面粗さを、十点平均粗さ(Rz)で5μm以下とする。以下では、まず、実施形態に係る希土類−鉄系合金材の製造方法に利用する製造装置の一例を図1を参照して説明し、次いで製造方法の各工程を詳しく説明する。
実施形態に係る希土類−鉄系合金材の製造方法は、希土類元素と鉄とを含む溶湯を準備する溶湯準備工程と、冷却した回転ロールの表面に溶湯を注いで急冷凝固することで、希土類−鉄系合金の薄帯を作製する急冷凝固工程と、を備える。そして、薄帯の幅を、120mm以上250mm以下とし、回転ロールの表面粗さを、十点平均粗さ(Rz)で5μm以下とする。以下では、まず、実施形態に係る希土類−鉄系合金材の製造方法に利用する製造装置の一例を図1を参照して説明し、次いで製造方法の各工程を詳しく説明する。
(製造装置の全体構成)
図1に示す製造装置100は、溶解炉110と、タンディッシュ120と、回転ロール130と、を備える。
図1に示す製造装置100は、溶解炉110と、タンディッシュ120と、回転ロール130と、を備える。
(溶解炉)
溶解炉110は、原料金属の希土類元素と鉄とを溶解して溶湯1を作製する。溶解炉110には高周波溶解炉が使用され、原料金属を坩堝に入れ、坩堝の外周に巻回されたコイル(図示略)に高周波電流を流すことにより、坩堝内の原料金属を誘導加熱して溶解する。溶湯1の温度は、例えば1480℃以上1600℃以下に調節することが挙げられる。
溶解炉110は、原料金属の希土類元素と鉄とを溶解して溶湯1を作製する。溶解炉110には高周波溶解炉が使用され、原料金属を坩堝に入れ、坩堝の外周に巻回されたコイル(図示略)に高周波電流を流すことにより、坩堝内の原料金属を誘導加熱して溶解する。溶湯1の温度は、例えば1480℃以上1600℃以下に調節することが挙げられる。
(タンディッシュ)
タンディッシュ120は、溶湯1を一時的に保持し、溶湯1を回転ロール130に注ぐ部材である。タンディッシュ120は、回転ロール130の表面に注ぐためのノズル121を有する。ノズル121の開口の大きさを調節することで、回転ロール130への溶湯1の供給量を制御することができ、作製する希土類−鉄系合金の薄帯10の幅や厚さを調整する。薄帯10の幅は、120mm以上250mm以下に調整する。薄帯10の厚さは、例えば30μm以上300μm(0.3mm)以下に調整することが挙げられる。薄帯10の厚さが厚くなり過ぎると、内部まで急冷することが困難になる。
タンディッシュ120は、溶湯1を一時的に保持し、溶湯1を回転ロール130に注ぐ部材である。タンディッシュ120は、回転ロール130の表面に注ぐためのノズル121を有する。ノズル121の開口の大きさを調節することで、回転ロール130への溶湯1の供給量を制御することができ、作製する希土類−鉄系合金の薄帯10の幅や厚さを調整する。薄帯10の幅は、120mm以上250mm以下に調整する。薄帯10の厚さは、例えば30μm以上300μm(0.3mm)以下に調整することが挙げられる。薄帯10の厚さが厚くなり過ぎると、内部まで急冷することが困難になる。
(回転ロール)
回転ロール130は、冷却されており、タンディッシュ120のノズル121から注がれた溶湯1を急冷凝固して薄帯10を作製する。回転ロール130の冷却は、例えば回転ロール130の内部に冷却液を流すことにより、水冷することが挙げられる。
回転ロール130は、冷却されており、タンディッシュ120のノズル121から注がれた溶湯1を急冷凝固して薄帯10を作製する。回転ロール130の冷却は、例えば回転ロール130の内部に冷却液を流すことにより、水冷することが挙げられる。
回転ロールの幅は、作製する薄帯の幅(120mm以上250mm以下)に応じて適宜決定すればよく、例えば130mm以上260mm以下とすることが挙げられる。一方、回転ロールの表面の粗さは、十点平均粗さ(Rz)で5μm以下とする。
回転ロールの周速は、回転ロールの冷却性や薄帯の生産効率を考慮して適宜決定すればよい。また、周速が遅過ぎると、回転ロールの表面に注いだ溶湯がロール表面に広がり難く、薄帯の厚さが厚くなる傾向がある。一方、周速が速過ぎると、遠心力によって溶湯が回転ロールの幅方向の外側に偏在し易く、薄帯の幅方向の外側の厚さが厚くなる傾向がある。したがって、回転ロールの周速は、例えば1m/秒以上20m/秒以下とすることが挙げられる。また、回転ロールの直径は、例えば150mm以上450mm以下とすることが挙げられる。
回転ロール130は、熱伝導性に優れる金属材料で形成されており、例えばCuやWで形成することが挙げられる。
回転ロール130は、複数備えることもできる。図2は、2つの回転ロール130を同軸上に並列に配置した製造装置100の一例を示す。各回転ロール130は個々に独立して制御してもよいし、共通の回転軸を有して一体に回転してもよい。また、タンディッシュ120には、回転ロール130の数に応じた2つのノズル121が設けられている。図2に示す製造装置100では、それぞれの回転ロール130において薄帯10を作製することができ、生産性の向上を図ることができる。ここでは、回転ロール130が2つの場合を例に示したが、3つ以上であってもよい。ただし、多くの回転ロール130を同軸上に並列に配置すると、その分タンディッシュ120が大きくなり、タンディッシュ120で溶湯1を均一の温度に保持することが困難になる。
(溶湯準備工程)
溶湯準備工程では、例えば、希土類元素の粉末と鉄の粉末とを磁石組成となるように秤量して溶解炉110の坩堝に入れ、これを溶解して、希土類−鉄系合金の溶湯1を準備する。希土類元素としては、Sc、Y、ランタノイド、及びアクチノイドから選択される1種以上の元素が挙げられる。特に、Nd又はSmを含むことが好ましい。希土類元素としてNdを含む場合、Nd−Fe−B系合金、Nd−Fe−Co−B系合金、Nd−Fe−C系合金などの溶湯が挙げられる。希土類元素としてSmを含む場合、Sm−Fe系合金、Sm−Fe−Ti系合金、Sm−Fe−Mn系合金などの溶湯が挙げられる。
溶湯準備工程では、例えば、希土類元素の粉末と鉄の粉末とを磁石組成となるように秤量して溶解炉110の坩堝に入れ、これを溶解して、希土類−鉄系合金の溶湯1を準備する。希土類元素としては、Sc、Y、ランタノイド、及びアクチノイドから選択される1種以上の元素が挙げられる。特に、Nd又はSmを含むことが好ましい。希土類元素としてNdを含む場合、Nd−Fe−B系合金、Nd−Fe−Co−B系合金、Nd−Fe−C系合金などの溶湯が挙げられる。希土類元素としてSmを含む場合、Sm−Fe系合金、Sm−Fe−Ti系合金、Sm−Fe−Mn系合金などの溶湯が挙げられる。
溶湯1の温度は、合金の組成に応じて適宜選択すればよく、希土類元素としてNdを含む場合、例えば1300℃以上1500℃以下とすることが好ましく、Smを含む場合、例えば1480℃以上1600℃以下とすることが好ましい。溶湯の温度をこのような範囲とすることで、α−Fe相などの形成を抑制したり、希土類元素の蒸発を防いで組成ズレを抑制できる。また、溶湯準備工程において溶湯を作製する際の雰囲気は、溶湯の酸化を防止するため、Arなどの不活性ガス雰囲気、又は真空雰囲気(例、1×10−3Pa以下)とすることが挙げられる。
(急冷凝固工程)
急冷凝固工程では、例えば、溶解炉110で溶解した溶湯1をタンディッシュ120を介して回転ロール130の表面に注いで急冷凝固して、希土類−鉄系合金の薄帯10を作製する。この工程では、タンディッシュ120のノズル121の開口の大きさを調節するなどして、薄帯10の幅を120mm以上250mm以下に調整する。また、回転ロール130の表面粗さを十点平均粗さ(Rz)で5μm以下とする。
急冷凝固工程では、例えば、溶解炉110で溶解した溶湯1をタンディッシュ120を介して回転ロール130の表面に注いで急冷凝固して、希土類−鉄系合金の薄帯10を作製する。この工程では、タンディッシュ120のノズル121の開口の大きさを調節するなどして、薄帯10の幅を120mm以上250mm以下に調整する。また、回転ロール130の表面粗さを十点平均粗さ(Rz)で5μm以下とする。
溶湯1の冷却速度は、500℃/秒以上とすることが挙げられ、特に700℃/秒以上とすることが好ましい。冷却速度を500℃/秒以上、特に700℃/秒以上とすることで、α−Fe相が形成され難くできると共に、微細で均一な結晶組織を得易い。冷却速度の上限は、特に限定されるものではなく、例えば1000℃/秒程度とすることが挙げられる。また、急冷凝固工程において薄帯を作製する際の雰囲気は、溶湯(薄帯)の酸化を防止するため、Arなどの不活性ガス雰囲気、又は真空雰囲気(例、1×10−3Pa以下)とすることが挙げられる。
(作用効果)
上述した実施形態に係る希土類−鉄系合金材の製造方法によれば、薄帯の幅を120mm以上250mm以下とし、回転ロールの表面粗さを十点平均粗さ(Rz)で5μm以下とすることで、薄帯の幅方向の厚さを均一に制御することができる。その結果、薄帯の幅方向における冷却速度が均一になるため、α−Fe相の形成を抑制し、α−Fe相を含まない均質な希土類−鉄系合金の薄帯を得ることができる。その他、α−Fe相だけでなくSmFe3相やSmFe2相の形成も抑制できる。薄帯の厚さは、例えば30μm以上300μm(0.3mm)以下とすることが挙げられる。
上述した実施形態に係る希土類−鉄系合金材の製造方法によれば、薄帯の幅を120mm以上250mm以下とし、回転ロールの表面粗さを十点平均粗さ(Rz)で5μm以下とすることで、薄帯の幅方向の厚さを均一に制御することができる。その結果、薄帯の幅方向における冷却速度が均一になるため、α−Fe相の形成を抑制し、α−Fe相を含まない均質な希土類−鉄系合金の薄帯を得ることができる。その他、α−Fe相だけでなくSmFe3相やSmFe2相の形成も抑制できる。薄帯の厚さは、例えば30μm以上300μm(0.3mm)以下とすることが挙げられる。
<希土類−鉄系合金材>
実施形態に係る希土類−鉄系合金材は、上述した希土類−鉄系合金材の製造方法により製造されたものである。そのため、α−Fe相を含まない均質な組織を有し、希土類−鉄系合金における主相の組成が理想的な化学量論組成に近い。この理想的な化学量論組成とは、例えば、希土類元素としてNdを選択した場合、Nd2Fe14B、Nd2(Co1Fe13)B、Nd2Fe14Cなどが挙げられ、Smを選択した場合、Sm2Fe17、Sm1(Ti1Fe11)、Sm1(Mn1Fe11)などが挙げられる。
実施形態に係る希土類−鉄系合金材は、上述した希土類−鉄系合金材の製造方法により製造されたものである。そのため、α−Fe相を含まない均質な組織を有し、希土類−鉄系合金における主相の組成が理想的な化学量論組成に近い。この理想的な化学量論組成とは、例えば、希土類元素としてNdを選択した場合、Nd2Fe14B、Nd2(Co1Fe13)B、Nd2Fe14Cなどが挙げられ、Smを選択した場合、Sm2Fe17、Sm1(Ti1Fe11)、Sm1(Mn1Fe11)などが挙げられる。
希土類−鉄系合金材における希土類元素の含有量は、Ndの場合、25質量%以上35質量%以下とすることが好ましく、Smの場合、25質量%以上26.5質量以下とすることが好ましい。Nd又はSmのそれぞれの含有量をこのような範囲とすることで、上述した理想的な化学量論組成を有する希土類−鉄系合金が得られる。
希土類−鉄系合金材における結晶粒の平均粒径は0.1μm以上2μm以下であることが好ましく、結晶粒の平均断面積は0.1μm2以上5μm2以下であることが好ましい。このような微細な結晶粒を有する組織であれば、窒化処理を施した際に、結晶粒(主相)に窒素が拡散し易く、窒化が均一に行われる。また、結晶粒(主相)に窒素が過剰に侵入することを抑制でき、希土類−鉄−窒素系合金における主相の組成を理想的な化学量論組成に近づけることができる。希土類−鉄−窒素系合金の理想的な化学量論組成については後述する。
希土類−鉄系合金材における結晶粒の平均粒径及び平均断面積の測定は、希土類−鉄系合金材の断面を走査型電子顕微鏡で観察することにより行う。例えば、希土類−鉄系合金材の断面を走査型電子顕微鏡で撮影し、その画像を市販の画像解析ソフトを用いて解析することが挙げられる。ここでは、結晶粒(主相:例、Sm2Fe17相)の平均粒径及び平均断面積は面積計量法により算出した値とする。具体的には、画像上に少なくとも50個以上の結晶粒が含まれるように長方形を描き、その長方形内に存在する結晶粒の総面積A及び結晶粒の数NAを求め、結晶粒面積Aを結晶粒数NAで除した値(A/NA)を結晶粒の平均断面積aとする。そして、結晶粒の平均断面積aの平方根(√a)を結晶粒の平均粒径dとする。
<希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法>
実施形態に係る希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法は、上述した希土類−鉄系合金材の製造方法により製造した希土類−鉄系合金材に窒化処理を施す窒化工程を備える。
実施形態に係る希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法は、上述した希土類−鉄系合金材の製造方法により製造した希土類−鉄系合金材に窒化処理を施す窒化工程を備える。
(窒化工程)
窒化処理の条件は、公知の条件を採用することができる。例えば、窒素を含む雰囲気(窒素のみの単一雰囲気、又はアンモニア、Ar、水素の少なくとも一種を混合した混合雰囲気)中で、200℃以上550℃以下の温度で10分以上600分以下保持することが挙げられる。窒化処理は、希土類−鉄系合金の薄帯に対して行ってもよいし、薄帯を粉砕した合金粉末に対して行ってもよい。
窒化処理の条件は、公知の条件を採用することができる。例えば、窒素を含む雰囲気(窒素のみの単一雰囲気、又はアンモニア、Ar、水素の少なくとも一種を混合した混合雰囲気)中で、200℃以上550℃以下の温度で10分以上600分以下保持することが挙げられる。窒化処理は、希土類−鉄系合金の薄帯に対して行ってもよいし、薄帯を粉砕した合金粉末に対して行ってもよい。
<希土類−鉄−窒素系合金材>
実施形態に係る希土類−鉄−窒素系合金材は、上述した希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法により製造されたものである。そのため、α−Fe相を含まない均質な組織を有し、希土類−鉄−窒素系合金における主相の組成が理想的な化学量論組成に近い。この理想的な化学量論組成とは、例えば、希土類元素としてNdを選択した場合、Sm2Fe17N3、Sm1Fe11Ti1N1、Sm1Fe11Mn1N1などが挙げられる。
実施形態に係る希土類−鉄−窒素系合金材は、上述した希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法により製造されたものである。そのため、α−Fe相を含まない均質な組織を有し、希土類−鉄−窒素系合金における主相の組成が理想的な化学量論組成に近い。この理想的な化学量論組成とは、例えば、希土類元素としてNdを選択した場合、Sm2Fe17N3、Sm1Fe11Ti1N1、Sm1Fe11Mn1N1などが挙げられる。
<希土類磁石>
実施形態に係る希土類磁石は、上述した希土類−鉄−窒素系合金材を着磁したものであるため、磁気特性に優れる。磁石の形態としては、例えばボンド磁石や圧粉磁石が挙げられる。
実施形態に係る希土類磁石は、上述した希土類−鉄−窒素系合金材を着磁したものであるため、磁気特性に優れる。磁石の形態としては、例えばボンド磁石や圧粉磁石が挙げられる。
(ボンド磁石)
ボンド磁石は、例えば、上記希土類−鉄−窒素系合金材を適宜粉砕した合金粉末と、その合金粉末を結合する結合樹脂とを含む混合材料を作製し、混合材料を成型用金型に充填して圧縮成形することで製造される。結合樹脂の種類は、熱硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、又はエポキシ樹脂などが好ましい。これらの中でも、特に耐熱温度が高い樹脂が好ましい。ボンド磁石の耐熱温度は、この結合樹脂の耐熱温度に大きく依存するからである。成形圧力は、例えば0.1GPa以上1.0GPa以下とすることが挙げられる。成形時の雰囲気は、上述した急冷凝固工程と同様に、不活性ガス雰囲気、又は真空雰囲気とすることが挙げられる。この圧縮成形は、混合材料に対して磁場を印加した状態で行うことができる。この場合の磁場の強度は、例えば0.1T以上5T以下とすることが挙げられる。
ボンド磁石は、例えば、上記希土類−鉄−窒素系合金材を適宜粉砕した合金粉末と、その合金粉末を結合する結合樹脂とを含む混合材料を作製し、混合材料を成型用金型に充填して圧縮成形することで製造される。結合樹脂の種類は、熱硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、又はエポキシ樹脂などが好ましい。これらの中でも、特に耐熱温度が高い樹脂が好ましい。ボンド磁石の耐熱温度は、この結合樹脂の耐熱温度に大きく依存するからである。成形圧力は、例えば0.1GPa以上1.0GPa以下とすることが挙げられる。成形時の雰囲気は、上述した急冷凝固工程と同様に、不活性ガス雰囲気、又は真空雰囲気とすることが挙げられる。この圧縮成形は、混合材料に対して磁場を印加した状態で行うことができる。この場合の磁場の強度は、例えば0.1T以上5T以下とすることが挙げられる。
(圧粉磁石)
圧粉磁石は、例えば、上記希土類−鉄−窒素系合金材を適宜粉砕した合金粉末を成形用金型に充填して圧縮成形することで製造される。また、上記希土類−鉄系合金材を適宜粉砕した合金粉末を圧縮成形して粉末成形体を作製し、その粉末成形体に対して上述した窒化処理を施して製造することも可能である。成形圧力は、例えば0.6GPa以上1.5GPa以下とすることが挙げられる。成形時の雰囲気は、上述した急冷凝固工程と同様に、不活性ガス雰囲気、又は真空雰囲気とすることが挙げられる。この圧縮成形は、上述したボンド磁石と同様、合金粉末に対して磁場を印加した状態で行うことができる。
圧粉磁石は、例えば、上記希土類−鉄−窒素系合金材を適宜粉砕した合金粉末を成形用金型に充填して圧縮成形することで製造される。また、上記希土類−鉄系合金材を適宜粉砕した合金粉末を圧縮成形して粉末成形体を作製し、その粉末成形体に対して上述した窒化処理を施して製造することも可能である。成形圧力は、例えば0.6GPa以上1.5GPa以下とすることが挙げられる。成形時の雰囲気は、上述した急冷凝固工程と同様に、不活性ガス雰囲気、又は真空雰囲気とすることが挙げられる。この圧縮成形は、上述したボンド磁石と同様、合金粉末に対して磁場を印加した状態で行うことができる。
<試験例1>
図1に示す製造装置100を用い、製造条件を変更して表1に示す各試料を作製し、各試料について評価した。
図1に示す製造装置100を用い、製造条件を変更して表1に示す各試料を作製し、各試料について評価した。
(試料1−1)
Smの粉末とFeの粉末とを用意し、Sm:Feが25質量%:75質量%となるように秤量して混合した。この混合粉末を高周波溶解炉の坩堝に入れ、1500℃で溶解して溶湯を準備した。この溶湯を、タンディッシュを介して、冷却した回転ロールの表面に注いで急冷凝固して、Sm−Fe系合金の薄帯を作製した。この薄帯を試料1−1とした。この試料1−1では、タンディッシュにおけるノズルの開口の大きさを調節して、薄帯の幅を140mm、厚さを100μmとした。また、回転ロールの表面粗さを十点平均粗さ(Rz)で1μmとし、回転ロールの周速を1m/秒とした。
Smの粉末とFeの粉末とを用意し、Sm:Feが25質量%:75質量%となるように秤量して混合した。この混合粉末を高周波溶解炉の坩堝に入れ、1500℃で溶解して溶湯を準備した。この溶湯を、タンディッシュを介して、冷却した回転ロールの表面に注いで急冷凝固して、Sm−Fe系合金の薄帯を作製した。この薄帯を試料1−1とした。この試料1−1では、タンディッシュにおけるノズルの開口の大きさを調節して、薄帯の幅を140mm、厚さを100μmとした。また、回転ロールの表面粗さを十点平均粗さ(Rz)で1μmとし、回転ロールの周速を1m/秒とした。
試料1−1について、結晶相を分析した。ここでは、薄帯の幅方向の断面を全体に亘ってX線回折装置(株式会社リガク製 SmartLab)により結晶相分析を行い、組織中に存在する結晶相の組成を分析した。分析の結果、結晶相としてSm2Fe17相の主相のみが存在していた。
試料1−1について、結晶粒(主相)の平均粒径及び平均断面積を測定した。ここでは、薄帯の幅方向の断面を全体に亘って走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製 JSM−7500F 電界放出形走査電子顕微鏡)により組織観察を行い、Sm2Fe17相の平均粒径及び平均断面積を測定した。その結果を表1に示す。
(試料1−2)
回転ロールの表面粗さを5μmに変更した以外は、試料1−1と同じ条件で、Sm−Fe系合金の薄帯を作製した。この薄帯を試料1−2とした。また、試料1−2について、試料1−1と同じようにして、結晶相の分析、並びに、Sm2Fe17相の平均粒径及び平均断面積の測定を行った。その結果を表1に示す。
回転ロールの表面粗さを5μmに変更した以外は、試料1−1と同じ条件で、Sm−Fe系合金の薄帯を作製した。この薄帯を試料1−2とした。また、試料1−2について、試料1−1と同じようにして、結晶相の分析、並びに、Sm2Fe17相の平均粒径及び平均断面積の測定を行った。その結果を表1に示す。
(試料1−11)
薄帯の幅を350mm、回転ロールの周速を30m/秒に変更した以外は、試料1−1と同じ条件で、Sm−Fe系合金の薄帯を作製した。この薄帯を試料1−11とした。また、試料1−11について、試料1−1と同じようにして、結晶相の分析、並びに、Sm2Fe17相の平均粒径及び平均断面積の測定を行った。その結果を表1に示す。
薄帯の幅を350mm、回転ロールの周速を30m/秒に変更した以外は、試料1−1と同じ条件で、Sm−Fe系合金の薄帯を作製した。この薄帯を試料1−11とした。また、試料1−11について、試料1−1と同じようにして、結晶相の分析、並びに、Sm2Fe17相の平均粒径及び平均断面積の測定を行った。その結果を表1に示す。
(試料1−12)
薄帯の幅を350mm、回転ロールの周速を18m/秒に変更した以外は、試料1−1と同じ条件で、Sm−Fe系合金の薄帯を作製した。この薄帯を試料1−12とした。また、試料1−12について、試料1−1と同じようにして、結晶相の分析、並びに、Sm2Fe17相の平均粒径及び平均断面積の測定を行った。その結果を表1に示す。
薄帯の幅を350mm、回転ロールの周速を18m/秒に変更した以外は、試料1−1と同じ条件で、Sm−Fe系合金の薄帯を作製した。この薄帯を試料1−12とした。また、試料1−12について、試料1−1と同じようにして、結晶相の分析、並びに、Sm2Fe17相の平均粒径及び平均断面積の測定を行った。その結果を表1に示す。
(試料1−13)
薄帯の幅を350mmに変更した以外は、試料1−1と同じ条件で、Sm−Fe系合金の薄帯を作製した。この薄帯を試料1−13とした。また、試料1−13について、試料1−1と同じようにして、結晶相の分析、並びに、Sm2Fe17相の平均粒径及び平均断面積の測定を行った。その結果を表1に示す。
薄帯の幅を350mmに変更した以外は、試料1−1と同じ条件で、Sm−Fe系合金の薄帯を作製した。この薄帯を試料1−13とした。また、試料1−13について、試料1−1と同じようにして、結晶相の分析、並びに、Sm2Fe17相の平均粒径及び平均断面積の測定を行った。その結果を表1に示す。
(試料1−14)
回転ロールの表面粗さを10μmに変更した以外は、試料1−1と同じ条件で、Sm−Fe系合金の薄帯を作製した。この薄帯を試料1−14とした。また、試料1−14について、試料1−1と同じようにして、結晶相の分析、並びに、Sm2Fe17相の平均粒径及び平均断面積の測定を行った。その結果を表1に示す。
回転ロールの表面粗さを10μmに変更した以外は、試料1−1と同じ条件で、Sm−Fe系合金の薄帯を作製した。この薄帯を試料1−14とした。また、試料1−14について、試料1−1と同じようにして、結晶相の分析、並びに、Sm2Fe17相の平均粒径及び平均断面積の測定を行った。その結果を表1に示す。
試験例1の結果から、薄帯の幅を120mm以上250mm以下とし、回転ロールの表面粗さを十点平均粗さ(Rz)で5μm以下として作製した試料1−1、1−2は、結晶相としてα−Fe相を含んでおらず、実質的にSm2Fe17相の主相のみが存在する均質な組織を有していた。また、試料1−1、1−2は、Sm2Fe17相の平均粒径及び平均断面積がそれぞれ0.1μm以上2μm以下及び0.1μm2以上5μm2以下の範囲内であり、微細な結晶組織を有していた。これに対し、薄帯の幅又は回転ロールの表面粗さが上記範囲外の試料1−11〜1−14は、α−Fe相が混在していた。また、試料1−11〜1−14は、試料1−1、1−2に比較してSm2Fe17相の平均粒径及び平均断面積が粗大であった。
以上のことから、薄帯の幅及び回転ロールの表面粗さを制御することで、α−Fe相の形成を抑制し、α−Fe相を含まない均質なSm−Fe系合金の薄帯を作製できることが分かる。また、α−Fe相だけでなく、SmFe3相などの形成も抑制できる。
<試験例2>
作製した試料1−1及び試料1−11に窒化処理を施した。そして、各試料について、結晶相の分析、Sm2Fe17N3相の平均粒径の測定、並びに磁気特性の測定を行った。その結果を表2に示す。
作製した試料1−1及び試料1−11に窒化処理を施した。そして、各試料について、結晶相の分析、Sm2Fe17N3相の平均粒径の測定、並びに磁気特性の測定を行った。その結果を表2に示す。
窒化処理は、次のようにして行った。試料1−1、1−11の薄帯をジェットミルで粉砕した後、窒素ガスフロー雰囲気下で、450℃で12時間窒化した。
結晶相の分析、及びSm2Fe17N3相の平均粒径の測定は、試験例1と同様にして、X線回折装置及び走査型電子顕微鏡を用いて行った。
磁気特性として飽和磁化Ms(A・m2/kg)及び保持力Hc(kA/m)を振動試料型磁力計(東英工業株式会社製 VSM−5SC−5HF型)により測定した。
試験例2の結果から、試料1−1は、結晶相としてα−Fe相を含んでおらず、実質的にSm2Fe17N3相の主相のみが存在する均質な組織を有していた。これに対し、試料1−11は、Sm2Fe17N3相だけでなく、α−Fe相、SmN相及びSm2Fe17N5相が混在していた。ここで、試料1−11において、窒化処理前に組織中に存在していたSmFe3相から窒化処理によりα−Fe相やSmN相が生成されたと考えられる。また、試料1−11では、窒化処理前のSm2Fe17相が粗大であるため、窒化時の拡散速度の問題からSm2Fe17Nxの窒素量にバラツキが生じ、Sm2Fe17N5相が生成されたと考えられる。そして、試料1−1は、試料1−11に比較して、磁気特性に優れることが分かる。この試料1−1を原料に使用することで磁気特性に優れる希土類磁石が得られる。
本発明の希土類−鉄系合金材、希土類−鉄−窒素系合金材は、各種のモータ、特に、ハイブリッド車(HEV)やハードディスクドライブ(HDD)などのモータに備える希土類磁石の原料に好適に利用することができる。本発明の希土類−鉄系合金材の製造方法、希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法は、希土類磁石の原料の製造に好適に利用できる。
1 溶湯
10 希土類−鉄系合金の薄帯
100 製造装置
110 溶解炉
120 タンディッシュ
121 ノズル
130 回転ロール
10 希土類−鉄系合金の薄帯
100 製造装置
110 溶解炉
120 タンディッシュ
121 ノズル
130 回転ロール
Claims (10)
- 希土類元素と鉄とを含む溶湯を準備する溶湯準備工程と、
冷却した回転ロールの表面に前記溶湯を注いで急冷凝固することで、希土類−鉄系合金の薄帯を作製する急冷凝固工程と、を備え、
前記薄帯の幅を、120mm以上250mm以下とし、
前記回転ロールの表面粗さを、十点平均粗さ(Rz)で5μm以下とする希土類−鉄系合金材の製造方法。 - 複数の前記回転ロールを同軸上に並列に配置し、それぞれの前記回転ロールにおいて前記薄帯を作製する請求項1に記載の希土類−鉄系合金材の製造方法。
- 前記溶湯の温度を、1480℃以上1600℃以下とする請求項1又は請求項2に記載の希土類−鉄系合金材の製造方法。
- 前記希土類元素が、Smである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の希土類−鉄系合金材の製造方法。
- 請求項1に記載の希土類−鉄系合金材の製造方法により製造された希土類−鉄系合金材。
- 前記希土類−鉄系合金材の結晶粒の平均粒径が、0.1μm以上2μm以下である請求項5に記載の希土類−鉄系合金材。
- 前記希土類−鉄系合金材の結晶粒の平均断面積が、0.1μm2以上5μm2以下である請求項5又は請求項6に記載の希土類−鉄系合金材。
- 請求項1に記載の希土類−鉄系合金材の製造方法により製造した希土類−鉄系合金材に窒化処理を施す窒化工程を備える希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法。
- 請求項8に記載の希土類−鉄−窒素系合金材の製造方法により製造された希土類−鉄−窒素系合金材。
- 請求項9に記載の希土類−鉄−窒素系合金材を着磁した希土類磁石。
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