以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る遊技機の構成例を示すものである。
遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された又は付与される、遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
図1に示すように、遊技機1の外観は、矩形箱状に形成された筐体2によって構成され、この筐体2は、前面側F1(図1におけるF1側)に矩形状の開口を有するキャビネット2aと、キャビネット2aの前面側F1に配置される前面扉2bと、を主体に構成されている。キャビネット2aは、開口の内部に遊技に用いられる機器(例えば、後述する液晶表示装置など)を収容する。前面扉2bは、キャビネット2aの開口の大きさと対応するように形成されており、キャビネット2aの開口を閉塞可能にキャビネット2aに開閉自在に取り付けられている。これにより、前面扉2bは、遊技機1の前面(正面)を構成する。
前面扉2bには、その略中央部に矩形状の開口部として形成されたメイン表示窓3aが設けられている。メイン表示窓3aには、前面扉2bの裏面側R(図1におけるR側)に遊技機1の内部側から取り付け固定されたメインリールユニット(図示していない)が装着される。
メインリールユニットは、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。これらのリール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。
メイン表示窓3aは、その内部にリール窓枠体3bを備える。また、リール窓枠体3bには、矩形状に形成された3つの窓枠表示領域4L,4C,4Rが設けられている。リール3L,3C,3Rは、メイン表示窓3aに設けられた3つの窓枠表示領域4L,4C,4Rを通じて、各リール3L,3C,3Rの動作や各リール3L,3C,3R上に描かれている図柄が視認可能となる。メイン表示窓3aには、その表面部に、矩形状のアクリル板などからなる透明パネル3dが取り付け固定されている。
本実施の形態における窓枠表示領域4L,4C,4Rは、図柄が停止表示される表示窓であって、本発明に係る図柄表示手段を構成する。
メイン表示窓3aの下部側B1(図1におけるB1側)には、略水平面の台座部12が形成されている。台座部12におけるメイン表示窓3aの右側R1(図1におけるR1側)には、メダルを投入するためのメダル投入口5が設けられている。メダル投入口5は、遊技者によりメダルが投入される開口である。メダル投入口5から投入されたメダルは、クレジットされるか又はゲームに賭けられる。
台座部12におけるメイン表示窓3aの左側L(図1におけるL側)には、クレジットされているメダルを賭けるための1−BETボタン8aと最大BETボタン8bとが設けられている。
1−BETボタン8aが押されると、メダルの投入枚数として「1」が選択され、最大BETボタン8bが押されると、メダルの投入枚数として「3」が選択される。
1−BETボタン8a及び最大BETボタン8bの前面側F1には、遊技者の操作によりリール3L,3C,3Rを回転駆動させるとともに、窓枠表示領域4L,4C,4R内で図柄の変動表示を開始させるスタートレバー6が設けられている。スタートレバー6は、所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられる。本実施の形態におけるスタートレバー6は、本発明に係る遊技開始時操作手段を構成する。
スタートレバー6の右側R1には、遊技者の押下操作(停止操作)により3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。ここで、3つのリール3L,3C,3Rの回転が行われているときに最初に行われるリールの回転の停止を第1停止といい、第1停止の次に行われ、2つのリールの回転が行われているときに2番目に行われるリールの回転の停止を第2停止といい、第2停止の次に行われ、残り1つのリールの回転が行われているときに最後に行われるリールの回転の停止を第3停止という。また、遊技者が第1停止させるための停止操作を第1停止操作という。同様に、遊技者が第2停止させるための停止操作を第2停止操作、第3停止させるための停止操作を第3停止操作という。
本実施の形態におけるストップボタン7L,7C,7Rは、本発明に係る図柄変動停止操作手段を構成する。
なお、1ゲーム(単位遊技)は、スタートレバー6が操作されることによって開始され、全てのリール3L,3C,3Rが停止した時に終了する。各ストップボタン7L,7C,7Rの裏側には、ストップボタン7L,7C,7Rの停止操作を検知するストップスイッチ7LS,7CS,7RSが設けられている(図9参照)。
ストップボタン7L,7C,7Rの右側R1には、C/Pボタン13が設けられている。C/Pボタン13は、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるものである。このC/Pボタン13の切り換えにより払出しが選択されている状態(非クレジット状態)においては、前面扉2bの下部側B1に設けたメダル払出口14からメダルが払出され、払出されたメダルは、メダル受け部15に溜められる。
スタートレバー6、ストップボタン7L,7C,7R、及び、C/Pボタン13の下部側B1には、腰部パネル18が配置されている。腰部パネル18は、アクリル板などを使用した化粧用パネルとして構成される。腰部パネル18には、遊技機1の機種を表す名称や種々の模様などが印刷により描かれている。
また、メダル払出口14の右側R1には、スピーカ26が設けられている。
メイン表示窓3aの上部側T(図1におけるT側)には、略矩形状に形成されたパネル表示部としての液晶表示装置19が設けられている。この液晶表示装置19は、メイン液晶表示パネル19aと、メイン液晶表示パネル19aの周辺部の少なくとも左辺部、右辺部、及び、上辺部に配置された、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dと、を有している。メイン液晶表示パネル19aには、その表示画面上に、遊技の進行に伴って、遊技に関する演出に応じた内容(演出情報)や遊技情報などが表示される。
サブ液晶表示パネル19b,19c,19dは、メイン液晶表示パネル19aの表示画面に対して、それぞれ突出する前後方向(図1におけるF1−R側)に移動自在に配置されている。すなわち、各サブ液晶表示パネル19b,19c,19dは、通常(所定の演出条件の非成立)時には、メイン液晶表示パネル19aの周辺部にそれぞれ格納されており、例えば特定の当籤役に内部当籤(所定の演出条件が成立)した際に、それぞれの格納位置から突出する方向(図1におけるF1側)にせり出すようにして所定の突出位置へと移動されるようになっている(図2参照)。
また、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dは、少なくとも突出位置において、メイン液晶表示パネル19aの表示画面に対する角度が後述する所定の角度となるように構成されている。
なお、前面扉2bには、少なくとも液晶表示装置19に対応する部位に、湾曲形状を有するアクリル板などからなる透明カバー(図示していない)が取り付け固定されるようになっており、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dは、それぞれの格納位置から突出位置までの移動の範囲(可動域)が透明カバー内となるように設定されている。
液晶表示装置19における各サブ液晶表示パネル19b,19c,19dの前面側F1には、それぞれ、長手方向(図1におけるT−B1方向)に複数のLED(Light Emitting Diode)が配列されてなるLED列22b,22c,22dが設けられている。
なお、各サブ液晶表示パネル19b,19c,19dはユニット化されており、その詳細については後述する。
液晶表示装置19の左側Lには、上部側Tから順に1−BETランプ9a、最大BETランプ9b、ボーナス遊技情報表示部16、及び、クレジット表示部17などが設けられている。1−BETランプ9a及び最大BETランプ9bは、単位遊技を行うために投入されたメダル数(以下、「BET数」という)に応じて点灯するランプである。具体的には、1−BETランプ9aは、メダルの投入枚数が1枚のときに点灯し、最大BETランプ9bは、メダルの投入枚数が3枚のときに点灯する。
ボーナス遊技情報表示部16は、7セグメントLEDにより形成され、ボーナス中の遊技情報(ボーナスゲーム中の遊技回数)を表示する。
クレジット表示部17は、7セグメントのLEDにより形成され、クレジットされている残メダル枚数を表示する。通常は、遊技機1にクレジットされるメダルの最大枚数は50枚であるため、このクレジット表示部17に表示されるクレジット枚数は50以下の数値となる。なお、最大枚数の50枚のメダルがクレジシットされている状態では、投入されたメダルはそのままメダル払出口14より払い出される。
なお、液晶表示装置19の上部側Tには、上部ユニット200が装着されている。この上部ユニット200では、複数のLED及び表示装置300、スピーカ25L,25Rを用いて遊技に関する種々の情報を報知する。また、前面扉2bの両側には、キャビネット2aの上下方向(図1におけるT−B1方向)に延出する一対のサイドカバー90L,90Rが設けられている。一対のサイドカバー90L,90Rは、取り付けネジにより筐体2に固定される。
次に、図2〜図6を参照して、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dの概略構成について説明する。
図2は、遊技機1の液晶表示装置19におけるサブ液晶表示パネル19b,19c,19dの突出(演出)時の状態を示すものである。
サブ液晶表示パネル19bは、メイン液晶表示パネル19aの右辺部に位置し、後述する所定の演出条件が成立した際に、成立した所定の演出条件に応じた所定の駆動パターンデータ(演出タイミング)にしたがって、右辺部に対応する液晶表示装置19の左側Lを図示した所定の突出位置まで移動するようになっている。このように、サブ液晶表示パネル19bを所定の突出位置にせり出させることによって、遊技機1は、所定の演出条件が成立したことを遊技者に動的に報知できる。
なお、成立する所定の演出条件及び演出条件に応じた所定のパターンデータの具体例については、後述する。
また、サブ液晶表示パネル19bは、突出位置にせり出した状態において、少なくとも遊技に関する所定の演出に応じた内容(映像などの演出情報)を表示画面上に表示できるようになっている。例えば、遊技状態の特定有利状態への移行に伴って、メイン液晶表示パネル19a及びサブ液晶表示パネル19bの各表示画面上に映像などを表示させるようにした場合には、遊技機1は、特定有利状態へ突入したことを遊技者に容易に報知できる。
さらに、サブ液晶表示パネル19bは、成立した所定の演出条件に応じた所定の振動パターンデータ(演出タイミング)にしたがって振動するようになっている。サブ液晶表示パネル19bを振動させることによって、遊技機1は、所定の演出条件が成立したことを遊技者に動的に報知できる。
また、サブ液晶表示パネル19bにおいては、成立した所定の演出条件に応じた所定のLED点灯パターンデータ(演出タイミング)にしたがってLED列22bが点灯するようになっている。LED列22bを点灯させることによって、遊技機1は、所定の演出条件が成立したことを遊技者に容易に報知できる。
サブ液晶表示パネル19cは、メイン液晶表示パネル19aの左辺部に位置し、後述する所定の演出条件が成立した際に、成立した所定の演出条件に応じた所定の駆動パターンデータ(演出タイミング)にしたがって、左辺部に対応する液晶表示装置19の右側R1を図示した所定の突出位置までせり出すようになっている。
また、サブ液晶表示パネル19cは、成立した所定の演出条件に応じた所定の振動パターンデータ(演出タイミング)にしたがって振動するようになっている。
さらに、サブ液晶表示パネル19cにおいては、成立した所定の演出条件に応じた所定のLED点灯パターンデータ(演出タイミング)にしたがってLED列22cが点灯するようになっている。
サブ液晶表示パネル19dは、メイン液晶表示パネル19aの上辺部に位置し、後述する所定の演出条件が成立した際に、成立した所定の演出条件に応じた所定の駆動パターンデータ(演出タイミング)にしたがって、上辺部に対応する液晶表示装置19の上部側Tを図示した所定の突出位置までせり出すようになっている。
また、サブ液晶表示パネル19dは、成立した所定の演出条件に応じた所定の振動パターンデータ(演出タイミング)にしたがって振動するようになっている。
さらに、サブ液晶表示パネル19dにおいては、成立した所定の演出条件に応じた所定のLED点灯パターンデータ(演出タイミング)にしたがってLED列22dが点灯するようになっている。
すなわち、サブ液晶表示パネル19c,19dにおいては、上記したサブ液晶表示パネル19bの場合と同様に、せり出すること、振動すること、及び、LED列22c,22dが点灯することによって、所定の演出条件が成立したことを遊技者に動的に報知できる。また、サブ液晶表示パネル19c,19dは、上記したサブ液晶表示パネル19bの場合と同様に、突出位置にせり出した状態において、少なくとも遊技に関する所定の演出に応じた内容を表示画面上に表示できるようになっており、例えば、遊技状態の特定有利状態への移行に伴って、メイン液晶表示パネル19a及びサブ液晶表示パネル19c,19dの各表示画面上に映像などを表示させるようにした場合には、遊技機1は、特定有利状態へ突入したことを遊技者に容易に報知できる。
このように、液晶表示装置19は、映像などの表示のみならず、遊技の進行に応じた演出の内容を報知する可動式の演出役物としても利用される。
このような本実施の形態に係る構成において、液晶表示装置19のメイン液晶表示パネル19aは本発明に係る主液晶表示装置を構成し、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dは本発明に係る副液晶表示装置を構成する。また、本実施の形態におけるLED列22b,22c,22dは、本発明に係る点灯手段を構成する。
図3は、サブ液晶表示パネル19b,19cの構成例を示すものである。なお、本図は、サブ液晶表示パネル19dなどを透過した状態で、液晶表示装置19のT−B1方向に対する平面を上部側Tから示したものである。
本実施の形態においては、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dはユニット化されており、サブ液晶表示パネル19b,19cの各ユニット(以下、サブパネルユニットと記す)21b,21cが、図示に実線で示す突出位置と破線で示す格納位置との間を移動するように構成されている。
サブパネルユニット21bは、例えば図3に示すように、サブ液晶表示パネル19bを収納する表示パネル収納部23bと、サブ液晶表示パネル19bをサブパネルユニット21b毎移動させる移動機構部24bと、サブ液晶表示パネル19bを振動させる振動機構部27bと、を有している。
そして、サブパネルユニット21bにおける、表示パネル収納部23bの前面側F1の壁部231(図5参照)には、その長手方向に沿って、上記したLED列22bが設けられている。
このサブパネルユニット21bは、メイン液晶表示パネル19aの表示画面に対するサブ液晶表示パネル19bの角度θbが、所定の角度、例えば120°程度の鈍角となるように、その移動する方向の角度が予め決められている。すなわち、本実施の形態においては、メイン液晶表示パネル19aの表示画面に対する角度が120°程度となる斜め外側(斜め左)方向にサブパネルユニット21bを前後動させることで、少なくとも突出位置におけるサブ液晶表示パネル19bの、メイン液晶表示パネル19aの表示画面に対する角度が120°程度の鈍角となるように構成されている。
同様に、サブパネルユニット21cは、例えば図3に示すように、サブ液晶表示パネル19cを収納する表示パネル収納部23cと、サブ液晶表示パネル19cをサブパネルユニット21c毎移動させる移動機構部24cと、サブ液晶表示パネル19cを振動させる振動機構部27cと、を有している。
そして、サブパネルユニット21cにおける、表示パネル収納部23cの前面側F1の壁部には、その長手方向に沿って、上記したLED列22cが設けられている。
このサブパネルユニット21cは、メイン液晶表示パネル19aの表示画面に対するサブ液晶表示パネル19cの角度θcが、所定の角度、例えば120°程度の鈍角となるように、その移動する方向の角度が予め決められている。すなわち、本実施の形態においては、メイン液晶表示パネル19aの表示画面に対する角度が120°程度となる斜め外側(斜め右)方向にサブパネルユニット21cを前後動させることで、少なくとも突出位置におけるサブ液晶表示パネル19cの、メイン液晶表示パネル19aの表示画面に対する角度が120°程度の鈍角となるように構成されている。
図4は、サブ液晶表示パネル19dの構成例を示すものである。なお、本図は、サブ液晶表示パネル19cなどを透過した状態で、液晶表示装置19の左右方向(図1におけるL−R1方向)に対する平面を右側R1から示したものである。
本実施の形態においては、ユニット化されているサブ液晶表示パネル19dのサブパネルユニット21dが、図に実線で示す突出位置と破線で示す格納位置との間を移動するように構成されている。
サブパネルユニット21dは、例えば図4に示すように、サブ液晶表示パネル19dを収納する表示パネル収納部23dと、サブ液晶表示パネル19dをサブパネルユニット21d毎移動させる移動機構部24dと、サブ液晶表示パネル19dを振動させる振動機構部27dと、を有している。
そして、サブパネルユニット21dにおける、表示パネル収納部23dの前面側F1の壁部には、その長手方向に沿って、上記したLED列22dが設けられている。
このサブパネルユニット21dは、メイン液晶表示パネル19aの表示画面に対するサブ液晶表示パネル19dの角度θdが、所定の角度、例えば120°程度の鈍角となるように、その移動する方向の角度が予め決められている。すなわち、本実施の形態においては、メイン液晶表示パネル19aの表示画面に対する角度が120°程度となる斜め外側(斜め上)方向にサブパネルユニット21dを前後動させることで、少なくとも突出位置におけるサブ液晶表示パネル19dの、メイン液晶表示パネル19aの表示画面に対する角度が120°程度の鈍角となるように構成されている。
図5は、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dをサブパネルユニット21b,21c,21d毎移動させるための、移動機構部24b,24c,24dの構成例を示すものである。
なお、移動機構部24b,24c,24dはいずれも同様の構成であるので、ここでは、移動機構部24bを例示して説明する。また、本図は、サブ液晶表示パネル19bを透過した状態で、サブパネルユニット21bのL−R1方向に対する平面を右側R1から示したものである。
図5に示すように、サブパネルユニット21bは、表示パネル収納部23bを有している。表示パネル収納部23bは、前面側F1の壁部231と、裏面側Rの壁部232と、底部233と、を少なくとも備えている。
本実施の形態においては、移動機構部24bとして、例えば、移動用モータ241とラック・アンド・ピニオンとが採用されている。ラック・アンド・ピニオンは、表示パネル収納部23bの底部233に固定されたラック242と、このラック242の歯に噛み合うように回転可能に設けられたピニオン243と、から構成されている。ピニオン243には、移動用モータ241の回転軸241aが接続されている。
移動用モータ241は、表示パネル収納部23bとは異なる、例えば筐体2に固定されており、後述する副制御回路70(図9及び図10参照)によって移動機構部24b内の移動用モータ241が駆動されると回転軸241aが回転し、それに伴ってピニオン243が回転される。ピニオン243の回転運動はラック242に伝えられ、ラック242を移動させる直線運動に変換される。この直線運動によって、ラック242が図の左右方向に移動されることにより、サブ液晶表示パネル19bは、サブパネルユニット21b毎、格納位置と突出位置との間を移動される。
ここで、移動用モータ241及びラック・アンド・ピニオン(ラック242、ピニオン243)により構成される本実施形態の移動機構部24bは、サブ液晶表示パネル19bを突出位置へ移動させる、つまり、サブ液晶表示パネル19bを格納位置よりせり出させる、本発明の駆動手段を構成している。また、移動機構部24bと同様の構成を有している本実施形態の移動機構部24c,24dは、サブ液晶表示パネル19c,19dを個別に移動できる、本発明の駆動手段を構成している。
なお、本実施形態のラック・アンド・ピニオンは、例えば、振動時にラック242とピニオン243との係合関係(噛み合わせ)が解消されないように構成されている。
また、移動機構部24b,24c,24dとしては、ラック・アンド・ピニオンに限らず、他の構成を採用することもできる。
図6は、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dを振動させるための、振動機構部27b,27c,27dの構成例を示すものである。
なお、振動機構部27b,27c,27dはいずれも同様の構成であるので、ここでは、振動機構部27bを例示して説明する。また、本図は、サブパネルユニット21bの振動機構部27bを取り出して上部側Tより示したものである。
図6に示すように、サブパネルユニット21bの振動機構部27bは、シャフト部271と、このシャフト部271の当接部271aと摺接しつつ回転することによって当該シャフト部271を間欠的に押し上げるカム272と、当該カム272を回転させる振動用モータ273と、からなっている。
振動機構部27bは、例えば、表示パネル収納部23bの裏面側Rの壁部232に取り付けられている。例えば、振動用モータ273のベース部273aが、裏面側Rの壁部232に固着された取付け部材(ホルダ)274の起立部274aに固定されることによって、振動機構部27bは取付け部材274により支持されている。
シャフト部271は、その一端が裏面側Rの壁部232に取り付け固定されている。シャフト部271の他端は、カム272と当接する円盤状の当接部271aに接続されている。また、シャフト部271は、復帰スプリング271bの一端を係止する円盤状の係止部271cを、長手方向の中間部に有する。
シャフト部271に巻装された復帰スプリング271bは、一端が係止部271cに係止されるとともに、他端が裏面側Rの壁部232に係止されることによって、サブパネルユニット21bの表示パネル収納部23bを裏面側Rの方向に付勢している。
振動用モータ273は、表示パネル収納部23bと一緒に移動するようになっており、後述する副制御回路70(図9及び図10参照)によって振動機構部27bの振動用モータ273が駆動されると回転軸273bが回転し、それに伴ってカム272が回転される。カム272の回転運動はシャフト部271に伝えられ、シャフト部271を間欠的に移動させる直線運動に変換される。この直線運動によって、シャフト部271が前後(図の上下方向)に移動されることにより、サブ液晶表示パネル19bは、サブパネルユニット21b毎、小刻みに、又は、煽るように大きく振動される。
振動機構部27bにおいて、カム272の形状を変更したり、振動用モータ273の回転軸273bの回転速度を変更したりすることにより、サブ液晶表示パネル19bを小刻みに振動させたり、煽るように大きく振動させることができる。
ここで、シャフト部271、カム272、振動用モータ273より構成される本実施形態の振動機構部27bは、サブ液晶表示パネル19bを振動させる、本発明の振動手段を構成している。また、振動機構部27bと同様の構成を有している本実施形態の振動機構部27c,27dは、サブ液晶表示パネル19c,19dを個別に振動できる、本発明の振動手段を構成している。
次に、本実施の形態に係る遊技機1における入賞ラインについて説明する。
図7(a),(b)は、入賞ラインについて説明するために示すものである。窓枠表示領域4L,4C,4Rには、前述の各窓枠表示領域4L,4C,4R内における上段、中段、及び、下段のうちのいずれかを結ぶ5本の入賞ライン(センターライン8c、ボトムライン8d、クロスアップライン8a、クロスダウンライン8e、及び、RB(レギュラーボーナス)中特殊ライン8f)が設けられている。
遊技機1では、リール3L,3C,3Rの回転が停止した際に、有効化された入賞ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて、「役」の成立・不成立を判定する。
なお、有効化された入賞ラインを有効ラインともいい、また、有効化されていない入賞ラインを非有効ラインともいう。
図7(b)に示すように、センターライン8cは、左リール3Lの中段領域D、中リール3Cの中段領域E、及び、右リール3Rの中段領域Fを、それぞれ結んでなるラインである。ボトムライン8dは、左リール3Lの下段領域G、中リール3Cの下段領域H、及び、右リール3Rの下段領域Iを、それぞれ結んでなるラインである。クロスアップライン8aは、左リール3Lの下段領域G、中リール3Cの中段領域E、及び、右リール3Rの上段領域Cを、それぞれ結んでなるラインである。クロスダウンライン8eは、左リール3Lの上段領域A、中リール3Cの中段領域E、及び、右リール3Rの下段領域Iを、それぞれ結んでなるラインである。RB中特殊ライン8fは、左リール3Lの中段領域D、中リール3Cの下段領域H、及び、右リール3Rの上段領域Cを、それぞれ結んでなるラインである。
なお、本実施の形態においては、BB(ビッグボーナス)遊技状態(いわゆる、本発明の特定有利状態)では、2枚のメダルの投入によりRB中特殊ライン8fのみが有効ラインとなる(図11参照)。
一方、BB遊技状態以外の遊技状態、例えば、後述する一般遊技状態及びRT1〜RT4遊技状態では、3枚のメダルの投入により、センターライン8c、ボトムライン8d、クロスアップライン8a、クロスダウンライン8eの4本の入賞ラインが有効ラインとなる(図11参照)。
このような入賞ライン8a,8c,8d,8e,8fを有効化する本実施形態のメダル投入口5及び1−BETボタン8a、MAXBETボタン8bは、本発明に係る有効ライン設定手段を構成する。
ここで、RT1遊技状態〜RT4遊技状態を総称してRT遊技状態という場合がある。特に、RT遊技状態中のRT3遊技状態において、後述する特定の小役の入賞の報知がなされることで、ART遊技状態(いわゆる、本発明の特定有利状態)が作動される。すなわち、RT3遊技状態は、RT1遊技状態及びRT2遊技状態よりも、リプレイが内部当籤役として決定される確率が高い遊技状態である。このとき、予め定められた規定遊技回数の遊技の間、メダルの付与に関する有利な停止操作の情報として、特定の小役の有利な入賞のさせ方が報知される。したがって、ART遊技状態では、メダルを減らすことなく、特定の小役を入賞させることができるため、遊技者にとっては有利となる。
次に、図8の図柄配置テーブルを参照して、リール3L,3C,3R上に配列された図柄列について説明する。
図8は、本実施の形態に係る遊技機1のリール3L,3C,3R上の外周面上に描かれた図柄の配列を示すものである。
リール3L,3C,3Rの外周面上には、複数種類の図柄が21個配列された図柄列が描かれている。具体的には、「赤7」図柄、「ドン1」図柄、「ドン2」図柄、「BAR」図柄、「波」図柄、「ベル1」図柄、「ベル2」図柄、「チェリー1」図柄、「チェリー2」図柄、「リプレイ」図柄で構成された図柄列が例示されている。
図柄配置テーブルは、後述する主制御回路60のメインROM32に記憶されている。図8に示すように、図柄配置テーブルには、リール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、リール3L,3C,3Rの1/21回転毎に順次付与される「0」から「20」までの図柄位置が規定されている。
次に、図9及び図10を参照して、主制御回路60、副制御回路70、主制御回路60又は副制御回路70に電気的に接続された周辺装置などを含む遊技機1の回路構成について説明する。
図9は、本実施の形態に係る遊技機1の回路構成例を示すものである。
主制御回路60は、内部当籤役の決定やリール3L,3C,3Rの回転制御など、一連の遊技の進行を制御する。主制御回路60は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32及びメインRAM33により構成されている。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。
メインCPU31は、乱数値と内部抽籤テーブル(図示していない)とに基づいて内部当籤役を決定し、当該内部当籤役と停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、リール3L,3C,3Rの回転を停止させる。また、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を停止させた際に、窓枠表示領域4L,4C,4Rに表示された図柄の組合せに基づいて「役」が成立したか否かを判断し、「役」が成立している場合に、当該成立した「役」に応じてメダルを払い出すなどの利益を遊技者に付与する。
なお、このような制御を行うメインCPU31は、本発明の当籤役決定手段及びリール停止制御手段を構成する。
クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。乱数発生器36は、「0」〜「65535」の範囲の乱数を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から1つの乱数値を抽出(サンプリング)する。
また、この遊技機1では、抽出した乱数値をメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶する。そして、単位遊技毎にメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、内部抽籤処理において内部当籤役の決定を行う。
なお、乱数サンプリングのための手段としては、マイクロコンピュータ30内で、すなわち、メインCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行する構成にしてもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であるが、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のメインROM32には、メインCPU31の処理に係るプログラムや各種テーブルなどが記憶されている。
メインRAM33には、メインCPU31の処理により得られる種々の情報がセットされる。例えば、抽出した乱数値、遊技状態、内部当籤役、払出枚数、ボーナス持越状況、設定値などを特定する情報、各種カウンタ及びフラグがセットされている。これらの情報の一部は、各種のコマンドにより副制御回路70に送信される。
マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置などとしては、ホッパー40、ステッピングモータ49L,49C,49Rなどがある。これらのアクチュエータとメインCPU31との間の信号の授受は、I/Oポート38を介して行われる。
また、マイクロコンピュータ30の出力部には、メインCPU31から出力される制御信号を受けて、前述の各周辺装置などの動作を制御するための各回路が接続されている。各回路としては、ランプ駆動回路45、表示部駆動回路48、モータ駆動回路39及びホッパー駆動回路41がある。
ランプ駆動回路45は、例えば遊技機1の前面扉2bの上部に設けられた上部ユニット200の複数のLED及び表示装置(WINランプなど)300や、1−BETランプ9a及び最大BETランプ9bの、点灯パターン(点灯/消灯など)を制御する。
表示部駆動回路48は、払出枚数表示部11及びクレジット表示部17の他、例えば、ボーナス遊技情報表示部16(図1参照)や押し順表示器(図示していない)を制御する。払出枚数表示部11は、入賞成立時のメダルの払出枚数を、例えば、液晶表示装置19におけるメイン液晶表示パネル19aの表示画面上に表示させるためのものである。押し順表示器は、RT3遊技状態中に停止操作するストップボタン7L,7C,7Rの押し順を、例えば、メイン液晶表示パネル19aの表示画面上に表示させるためのものである。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40を駆動制御する。これにより、ホッパー40に収容されたメダルの払出しが行われる。
モータ駆動回路39は、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御する。これにより、リール3L,3C,3Rの回転や停止が行われる。
なお、このような制御を行うモータ駆動回路39及びステッピングモータ49L,49C,49Rは、本発明の図柄表示制御手段を構成する。
また、マイクロコンピュータ30の入力部には、前述の各回路や各周辺装置などに制御信号を出力する契機となる入力信号を発生するための、各スイッチ及び各回路が接続されている。各スイッチ及び各回路としては、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7LS,7CS,7RS、最大BETスイッチ8bS、C/Pスイッチ13S、メダルセンサ5S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51などがある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6に対する遊技者の開始操作(遊技開始操作信号)を検出し、遊技の開始を指令する遊技開始指令信号をマイクロコンピュータ30に出力する。このような動作を行うスタートスイッチ6Sは、本発明の遊技開始指令手段を構成する。
ストップスイッチ7LS,7CS,7RSは、それぞれストップボタン7L,7C,7Rに対する遊技者の停止操作を検出し、検出したストップボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rの回転の停止を指令する停止指令信号をマイクロコンピュータ30に出力する。このような動作を行うストップスイッチ7LS,7CS,7RSは、本発明のリール停止指令手段を構成する。
なお、ストップスイッチ7LS,7CS,7RSを総称してストップスイッチ7Sともいう。
最大BETスイッチ8bSは、最大BETボタン8bに対する遊技者の投入操作(押下操作)を検出し、クレジットされたメダルからのメダルの投入を指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
C/Pスイッチ13Sは、C/Pボタン13に対する遊技者の切り換え操作を検出し、クレジットモード又は払出モードを切り換えるための信号をマイクロコンピュータ30に出力する。また、クレジットモードから払出モードに切り換えられた場合、遊技機1内にクレジットされているメダルの払出しを指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
メダルセンサ5Sは、遊技者の投入操作によりメダル投入口5に投入されたメダルを検出し、メダルが投入されたことを示す信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
リール位置検出回路50は、リール回転センサ(図示していない)からのパルス信号を検出し、各リール3L,3C,3R上の図柄の位置を検出するための信号を発生する。
払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sにより検出されたメダルの枚数(すなわち、ホッパー40から払い出されたメダルの枚数)が指定された枚数に達した際に、メダルの払出しが完了したことを示すための信号を発生する。
副制御回路70は、I/Oポート38に接続され、スタートコマンドなどの主制御回路60から出力された各種のコマンドに基づいて、演出データの決定や実行などの各種の処理を行う。
但し、副制御回路70が主制御回路60へコマンドや情報などを出力することはなく、主制御回路60から副制御回路70への一方向で通信が行われる。
副制御回路70からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置などとしては、メイン液晶表示パネル19aとサブ液晶表示パネル19b,19c,19dとを用いて、演出情報としてのキャラクター絵柄などを表示させる液晶表示装置19、スピーカ25L,25R,26、LED列22b,22c,22d、移動機構部24b,24c,24d、及び、振動機構部27b,27c,27dがある。
副制御回路70は、決定した演出データに基づいて、液晶表示装置19に表示される演出情報の決定とその表示、及び、スピーカ25L,25R,26から出力する遊技音の決定とその出力などの制御を行う。
また、副制御回路70は、特定の当籤役に内部当籤した場合に演出パターン番号の抽籤を行い、特定有利状態への移行に伴う演出データ(後述する、駆動パターンテーブル(図15参照)における駆動パターンデータとしての演出タイミング)を決定するとともに、決定した演出データに基づいて、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dを移動する移動機構部24b,24c,24dを制御するようになっている。また、副制御回路70は、抽籤された演出パターン番号にしたがって、特定有利状態への移行に伴う演出データ(後述する、振動&LED点灯パターテーブル(図14参照)における振動パターンデータ及びLED点灯パターンデータとしての演出タイミング)を決定するとともに、決定した演出データに基づいて、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dを振動する振動機構部27b,27c,27dの制御、及び、LED列22b,22c,22dの点灯を制御するようになっている。
ここで、本実施の形態に係る遊技機1では、メダルの投入を条件に、遊技者のスタートレバー6に対する操作によって、スタートスイッチ6Sから遊技を開始する信号が出力されると、モータ駆動回路39に制御信号が出力され、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動制御(例えば、各相への励磁など)によりリール3L,3C,3Rの回転が開始される。この際、ステッピングモータ49L,49C,49Rに出力されるパルスの数が計数され、その計数値はパルスカウンタとしてメインRAM33の所定の領域にセットされる。
この遊技機1では、「16」のパルスが出力されると、リール3L,3C,3Rが図柄1つ分移動する。移動した図柄の数は計数され、その計数値は図柄カウンタとしてメインRAM33の所定の領域にセットされる。つまり、パルスカウンタにより「16」のパルスが計数される毎に、図柄カウンタが「1」ずつ更新される。
なお、図柄カウンタの値が示す図柄配置テーブル(図8参照)上の図柄位置の図柄が、センターライン8c(左リール3Lの中段領域D)上に位置している図柄に対応する。例えば、左リール3Lの図柄カウンタが「0」である際には、図8に示す図柄配置テーブルの図柄位置「0」の図柄「赤7」がセンターライン8c上に位置している。
また、リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリールインデックスが得られ、そのリールインデックスに関するデータがリール位置検出回路50を介してメインCPU31に出力される。リールインデックスに関するデータの出力により、メインRAM33にセットされているパルスカウンタや図柄カウンタの値が「0」にクリアされる。
このようにして、各リール3L,3C,3Rについて、1回転の範囲内における図柄位置を特定することとしている。
なお、リール3L,3C,3Rの回転により、各図柄が一図柄分移動する距離を1コマという。すなわち、図柄が1コマ移動することは、図柄カウンタが「1」更新されることに対応する。
リール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図8に示した図柄配置テーブルがメインROM32に記憶されている。この図柄配置テーブルは、前述のリールインデックスに関するデータが出力される位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与される、「00」から「20」までのコードナンバー(図柄位置)と、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄の種類を識別する図柄コードと、を対応付けている。
また、スタートスイッチ6Sから遊技開始指令信号が出力されると、乱数発生器36やサンプリング回路37により乱数値が抽出される。この遊技機1では、乱数値が抽出されると、その乱数値がメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶される。そして、乱数値記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、メインCPU31により内部当籤役が決定される。
リール3L,3C,3Rが定速回転に達した後、停止操作によりストップスイッチ7LS,7CS,7RSから停止指令信号が出力されると、メインCPU31からは、出力された停止指令信号及び決定された内部当籤役に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する制御信号がモータ駆動回路39に出力される。モータ駆動回路39は、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御し、リール3L,3C,3Rの回転を停止させる。このような制御を行うメインCPU31は、本発明に係る図柄変動手段を構成する。
この遊技機1では、停止操作が行われた時点から内部当籤役の成立に係る図柄を最大滑りコマ数分、すなわち、4コマ分引き込んでリール3L,3C,3Rの回転を停止させる。具体的には、主制御回路60のメインCPU31において、ストップスイッチ7LS,7CS,7RSによりストップボタン7L,7C,7Rに係る停止操作の検出が行われた後、4コマ以内に内部当籤役の成立に係る図柄が存在するか否かを判断し、4コマ以内に内部当籤役の成立に係る図柄が存在する場合に、当該図柄を有効ライン上に停止表示させるように滑りコマ数を決定し、該当するリール3L,3C,3Rを停止させる。
なお、この遊技機1では、内部当籤役として複数の「役」を決定した場合において、4コマ以内に内部当籤役の成立に係る図柄が複数存在する場合には、より優先順位の高い内部当籤役に係る図柄を有効ライン上に停止表示させるように滑りコマ数を決定する。基本的には、優先順位1位(優先度が最も高い)は「リプレイ」に係る図柄の組合せであり、優先順位2位は「小役」に係る図柄の組合せである。次いで、優先順位3位は「ボーナス」に係る図柄の組合せである。
ここで、ストップスイッチ7LS,7CS,7RSにより停止操作が検出された際の、該当するリール3L,3C,3Rの図柄カウンタに対応する図柄位置、すなわち、リール3L,3C,3Rの回転の停止が開始される図柄位置を「停止開始位置」といい、決定した滑りコマ数(数値範囲「0」〜「4」)を当該停止開始位置に加算した図柄位置、すなわち、リール3L,3C,3Rの回転を停止させる図柄位置を「停止予定位置」という。滑りコマ数は、ストップスイッチ7LS,7CS,7RSにより停止操作が検出されてから、対応するリール3L,3C,3Rの回転が停止するまでのリール3L,3C,3Rの回転量であり、この遊技機1では、最大滑りコマ数を「4」と規定している。
全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止すると、有効ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて表示役の検索処理、すなわち、「役」の成立・不成立の入賞判定処理が行われる。表示役の検索は、メインROM32に記憶されている図柄組合せテーブル(図示していない)に基づいて行われる。この図柄組合せテーブルでは、表示役に係る図柄の組合せと、図柄の組合せに対応する配当(メダルの払出枚数)と、が設定されている。
表示役の検索により、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判断されると、メインCPU31からホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動によりメダルの払出しが行われる。この際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達すると、払出完了信号回路51によりメダル払出しの完了を示す信号がメインCPU31に出力される。これにより、メインCPU31によってホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動が停止される。
なお、C/Pスイッチ13Sによりクレジットモードに切り換えられている場合、メインCPU31は、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判断すると、入賞に係る図柄の組合せに応じた払出枚数をメインRAM33のクレジットカウンタに加算する。また、払い出されたメダルの枚数は、メインCPU31によって表示部駆動回路48が制御されることにより、クレジット表示部17において更新されたクレジット枚数として表示されるとともに、払出枚数表示部11を介して液晶表示装置19のメイン液晶表示パネル19aに表示される。
ここで、入賞に係る図柄の組合せが表示された場合に行われる、メダルの払出し又はクレジットを総称して単に「払出し」という場合がある。
なお、本実施の形態にあっては、主制御回路60において内部当籤役が決定されることに基づいて、後述する副制御回路70により、演出パターン番号(図14、図15参照)の抽籤が選択的に行われる。すなわち、演出パターン番号の抽籤は、主制御回路60からのスタートコマンドにより通知される、内部当籤役として特定の当籤役が内部当籤(所定の演出条件が成立)したことを条件に、行われる。この処理に関する詳細については、後述する。
次に、図10を参照して、副制御回路70の回路構成について説明する。
図10は、本実施の形態に係る遊技機1の副制御回路70の構成例を示すものである。
副制御回路70は、映像、音、光などを用いて、遊技に関する演出を行うための制御を行う。すなわち、副制御回路70は、主制御回路60から送信される各種のコマンドや各種の入力情報などに基づいて、演出データの決定と各種の演出処理とを行う。
副制御回路70は、サブCPU71、サブROM72、サブRAM73、レンダリングプロセッサ74、フレームバッファ76を備えた描画用SDRAM75、ドライバ77a〜77d、A/D変換器78、アンプ79、移動記憶制御部240、及び、振動機構制御部270を有している。
サブCPU71は、サブROM72に記憶されているプログラムに基づいて、液晶表示装置19の表示制御、スピーカ25L,25R,26の出力制御、LED列22b,22c,22dの点灯制御、及び、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dの移動制御や振動制御などを行う。
具体的には、サブCPU71は、主制御回路60から各種のコマンドなどを受信し、コマンドに含まれる各種の情報をサブRAM73に記憶させる。なお、主制御回路60におけるあらゆる情報がコマンドにより送信され、副制御回路70では、主制御回路60の状態を逐一判断することができる。
また、サブCPU71は、サブRAM73に記憶させた遊技状態情報や内部当籤役情報などを参照しながらプログラムを実行することにより、液晶表示装置19、スピーカ25L,25R,26、LED列22b,22c,22d、及び、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dに行わせる演出の内容を決定する。
また、サブCPU71は、決定した演出の内容に応じた演出データに基づいて、レンダリングプロセッサ74及びドライバ77a〜77dを介して液晶表示装置19を制御し、また、A/D変換器78及びアンプ79を介してスピーカ25L,25R,26を制御し、また、LED列22b,22c,22dを制御する。
また、サブCPU71は、決定した演出の内容に応じた演出データに基づいて、移動機構制御部240を介して移動機構部24b,24c,24dを制御し、また、振動機構制御部270を介して振動機構部27b,27c,27dを制御する。
本実施の形態において、移動機構制御部240は本発明の駆動制御手段を構成し、振動機構制御部270は本発明の振動制御手段を構成する。
なお、移動機構部24b,24c,24d及び振動機構部27b,27c,27dは、実際には、それぞれ個別に設けられたポート(図示していない)の入出力処理で制御される。したがって、各ポートによって、移動機構部24b,24c,24d及び振動機構部27b,27c,27dを個別に制御することができる。
また、サブCPU71は、サブROM72に記憶されている乱数取得プログラムを実行することにより、演出データなどを決定する際に用いる乱数値を取得する。但し、主制御回路60と同様に、乱数発生器及びサンプリング回路を副制御回路70内に設ける場合には、当該処理は不要である。
また、サブCPU71は、特定の当籤役に内部当籤した場合に、後述する演出パターン番号を抽籤し、その抽籤の結果をサブRAM73に一時的に格納するとともに、この演出パターン番号に対応する演出データとして、振動用&LED点灯用の演出タイミングと駆動用の演出タイミングとを取得するようになっている。
サブROM72は、サブCPU71が実行するプログラムを記憶するプログラム記憶領域と、各種テーブルなどを記憶するデータ記憶領域と、を有する。
プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、主制御回路60との通信を制御するための基板間通信処理、演出の内容を決定するための演出データ登録処理用の制御プログラムなどを記憶する。また、プログラム記憶領域は、登録された演出データのLED点灯用の演出タイミングに基づいてLED列22b,22c,22dの点灯パターンを制御するためのLED制御タスク、登録された演出データのサウンドデータに基づいてスピーカ25L,25R,26による遊技音を制御するためのサウンド制御タスク、及び、登録された演出データのアニメーションデータに基づいて液晶表示装置19による映像の表示を制御するための描画制御タスクを記憶する。また、プログラム記憶領域は、登録された演出データの駆動用の演出タイミングに基づいて、液晶表示装置19のサブ液晶表示パネル19b,19c,19dの移動を制御したり、登録された演出データの振動用の演出タイミングに基づいて、液晶表示装置19のサブ液晶表示パネル19b,19c,19dの振動を制御したりするための、液晶パネル制御タスクなどを記憶する。
一方、データ記憶領域は、図示していない演出抽籤テーブルなどを記憶するテーブル記憶領域、キャラクタオブジェクトデータといったアニメーションデータなどを記憶する描画制御データ記憶領域、BGMや効果音といった音データなどを記憶する音声制御データ記憶領域、光の点灯パターンなどを記憶するLED制御データ記憶領域などを有する。
また、データ記憶領域のテーブル記憶領域には、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dの振動及びLED列22b,22c,22dの点灯を制御するための演出タイミングを管理する振動&LED点灯パターンテーブル(後述する)、及び、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dの移動を制御するための演出タイミングを管理する駆動パターンテーブル(後述する)が、それぞれ記憶されている。このようなデータ記憶領域を有するサブROM72は、本発明の管理テーブル格納手段を構成する。
サブRAM73は、サブCPU71が各プログラムを実行する際に、作業用一時記憶手段として使用される。例えば、サブRAM73は、主制御回路60から送信されたコマンド、演出データ情報、遊技状態情報、内部当籤役情報、表示役情報、各種カウンタ、後述する演出パターン番号、及び、各種フラグなどの情報を記憶する。
レンダリングプロセッサ74は、サブCPU71から受信する画像表示コマンドなどに基づいて、液晶表示装置19に演出情報を表示させるための処理を行う。レンダリングプロセッサ74が行う処理に必要な画像データは、起動時に描画用SDRAM75に展開される。レンダリングプロセッサ74は、描画用SDRAM75に展開されている画像データを、後方に位置する背景画像から前方に位置する画像まで順に重ね合わせ、そうして生成した表示用の画像データを、ドライバ77aを介して液晶表示装置19のメイン液晶表示パネル19aに供給する。その結果、サブCPU71により決定された演出データに応じた演出情報が、液晶表示装置19におけるメイン液晶表示パネル19aの表示画面上に表示される。
このような動作を行うレンダリングプロセッサ74及びドライバ77aは、本発明に係る主演出情報表示制御手段を構成する。
描画用SDRAM75は、書込画像データ領域と表示画像データ領域の2つのフレームバッファ76を有し、書込画像データ領域には、レンダリングプロセッサ74が生成した表示用の画像データを格納し、また、表示画像データ領域には、液晶表示装置19に表示させる表示用の画像データを格納する。レンダリングプロセッサ74は、これらのフレームバッファ76を交互に切り換える(すなわち、バンクを切り換える)ことにより、順次、演出情報を液晶表示装置19に表示させる。
また、レンダリングプロセッサ74は、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dの突出時(演出時)において、生成した表示用の画像データを、ドライバ77b,77c,77dを介して液晶表示装置19のサブ液晶表示パネル19b,19c,19dに選択的に供給する。その結果、サブCPU71により決定された演出データに応じた演出情報が、液晶表示装置19におけるサブ液晶表示パネル19b,19c,19dの各表示画面上に選択的に表示される。
すなわち、サブ液晶表示パネル19bの突出時にあっては、生成した表示用の画像データを、ドライバ77bを介して液晶表示装置19のサブ液晶表示パネル19bに供給することにより、演出データに応じた演出情報を、液晶表示装置19におけるサブ液晶表示パネル19bの表示画面上に表示させることが可能である。また、サブ液晶表示パネル19cの突出時にあっては、生成した表示用の画像データを、ドライバ77cを介して液晶表示装置19のサブ液晶表示パネル19cに供給することにより、演出データに応じた演出情報を、液晶表示装置19におけるサブ液晶表示パネル19cの表示画面上に表示させることが可能である。また、サブ液晶表示パネル19dの突出時にあっては、生成した表示用の画像データを、ドライバ77dを介して液晶表示装置19のサブ液晶表示パネル19dに供給することにより、演出データに応じた演出情報を、液晶表示装置19におけるサブ液晶表示パネル19dの表示画面上に表示させることが可能である。
このような動作を行うレンダリングプロセッサ74及びドライバ77b,77c,77dは、本発明に係る副演出情報表示制御手段を構成する。
したがって、例えばサブ液晶表示パネル19d,19c,19dの突出時に、生成した表示用の画像データを、ドライバ77a,77b,77c,77dを介して液晶表示装置19のメイン液晶表示パネル19a及びサブ液晶表示パネル19b,19c,19dに供給するようにした場合には、メイン液晶表示パネル19a及びサブ液晶表示パネル19b,19c,19dの各表示画面上に演出画像を同時に表示させることが可能となり、演出情報の立体表示が可能になる。
A/D変換器78は、サブCPU71が演出データに基づいて選択するデジタル形式の音データを、アナログ形式の音データに変換してアンプ79に送信する。アンプ79は、A/D変換器78から受信したアナログ形式の音データを、遊技機1に設けられた音量調整用ツマミ(図示していない)により調節された音量に基づいて増幅させた後、スピーカ25L,25R,26に送信する。その結果、サブCPU71により決定された演出データに応じた遊技音が、スピーカ25L,25R,26から出力される。
次に、図11を参照して、遊技状態の遷移について説明する。
図11は、本実施の形態に係る遊技機1における遊技状態の遷移について示すものである。
主制御回路60において管理する主な遊技状態には、一般遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態、BB遊技状態がある。また、図示していないが、1ゲームのみ他の遊技状態と併存するSB(シングルボーナス)遊技状態や、BB遊技状態において作動するRB遊技状態がある。
遊技状態は、所定の遊技状態において、特定の内部当籤役に当籤又は特定の内部当籤役が入賞したことをメインCPU31が判断した場合に遷移する。
まず、一般遊技状態において、「SBこぼし目(SBこぼし目1〜SBこぼし目12)」が有効ライン上に表示されることにより、遊技状態は、RT1遊技状態に遷移する。
次いで、RT1遊技状態において、「上げ1段階リプ1」が有効ライン上に表示されることにより、遊技状態は、RT2遊技状態に遷移する。
次いで、RT2遊技状態において、「上げ2段階リプ(上げ2段階リプ1、上げ2段階リプ2)」、「上げ2目(上げ2目1〜上げ2目3)」が有効ライン上に表示されることにより、遊技状態は、RT3遊技状態に遷移する。RT3遊技状態では、前述したように特定の小役、例えば「押し順ベル」の報知が併せて行われることで、ART遊技状態となる。
また、RT2遊技状態又はRT3遊技状態において、「SBこぼし目(SBこぼし目1〜SBこぼし目12)」が有効ライン上に表示されることにより、遊技状態は、RT1遊技状態に遷移する。
RT1遊技状態〜RT3遊技状態において、「押し順ベル失敗(押し順ベル失敗1〜押し順ベル失敗4)」が有効ライン上に表示されることにより、遊技状態は、一般遊技状態に遷移する。
一般遊技状態、RT1遊技状態〜RT3遊技状態において、「BB(後述する、特定の当籤役)」が内部当籤役として決定されることにより、遊技状態は、RT4遊技状態に遷移する。
RT4遊技状態において、「BB」が表示されることにより、遊技状態は、BB遊技状態(後述する、特定有利状態)に遷移する。
BB遊技状態において、所定枚数(270枚又は60枚)のメダルが払い出されると「BB」が終了し、遊技状態は、一般遊技状態に遷移する。
なお、このような制御を行うメインCPU31は、本発明の遊技状態移行手段を構成する。
次に、図12に示すフローチャートを参照して、主制御回路60のメインCPU31の制御動作について説明する。
図12は、主制御回路60のメインCPU31によるリセット割込処理の流れについて示すものである。
図12に示すように、メインCPU31は、電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、リセット割込を発生させ、その割込の発生に基づいて、メインROM32に記憶されたリセット割込処理を実行する。
初めに、メインCPU31は、指定格納領域のクリアを行う(ステップS1)。具体的には、メインCPU31は、前回のゲーム終了時におけるメインRAM33の指定格納領域をクリアする。より詳しくは、メインCPU31は、前回のゲームに使用されたメインRAM33における記憶領域内のデータやカウンタ値のリセット、メインRAM33における記憶領域への今回のゲームに必要なデータなどのパラメータの書き込み、今回のゲームのためのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定などを行う。
次いで、メインCPU31は、ボーナス作動監視処理を行う(ステップS2)。このボーナス作動監視処理は、メインRAM33に記憶されている遊技状態フラグ格納領域(図示していない)を参照して、遊技状態がBB遊技状態か否かを判断する処理を含んでいる。
次いで、メインCPU31は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。メダル受付・スタートチェック処理では、メインCPU31によって、メダルセンサ5S及び最大BETスイッチ8bSなどのチェックによる投入枚数カウンタの更新や、スタートスイッチ6Sの入力チェックなどが行われる。このメダル受付・スタートチェック処理により、メインCPU31は、入賞ラインを有効化する。
次いで、メインCPU31は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する処理を行う(ステップS4)。具体的には、メインCPU31は、乱数発生器36とサンプリング回路37とによって「0」〜「65535」の範囲から乱数値を抽出し、抽出した乱数値をメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶させる。
次いで、メインCPU31は、内部抽籤処理を行う(ステップS5)。具体的には、メインCPU31は、メインROM32に記憶されている内部抽籤テーブル決定テーブル、内部抽籤テーブル、及び、内部当籤役決定テーブル(いずれも図示していない)を参照して、内部当籤役を決定する。
次いで、メインCPU31は、スタートコマンドを副制御回路70に送信する(ステップS6)。スタートコマンドには、遊技状態情報、内部当籤役情報(小役・リプレイ用データポインタ、ボーナス用データポインタ及び内部当籤役格納領域)、及び、ボーナス持越状態であるか否かを示す持越状態情報が含まれている。
このスタートコマンドを受信することにより、副制御回路70は、内部当籤役を認識することができるようになり、演出パターン番号の抽籤を行うか否かを決定することができる。
次いで、メインCPU31は、全リール3L,3C,3Rの回転開始を要求する(ステップS7)。全リール3L,3C,3Rの回転開始を要求すると、モータ駆動回路39によってステッピングモータ49L,49C,49Rが駆動制御されることにより、リール3L,3C,3Rの回転開始処理及び加速制御処理が行われる。
次いで、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転の定速待ちを行う(ステップS8)。
次いで、メインCPU31は、リール停止制御処理を行う(ステップS9)。このリール停止制御処理では、メインCPU31は、遊技者のストップボタン7L,7C,7Rに係る停止操作によりストップスイッチ7LS,7CS,7RSから送信された停止信号などに基づいて、各リール3L,3C,3Rの回転を停止させる。
次いで、メインCPU31は、表示役検索処理を行う(ステップS10)。この表示役検索処理では、メインCPU31は、メインROM32に記憶されている図柄組合せテーブル(図示していない)を参照し、全リール3L,3C,3Rの回転を停止させた結果、有効ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて、表示役及び払出枚数を決定する。
次いで、メインCPU31は、RT制御処理を行う(ステップS11)。このRT制御処理には、メインRAM33に記憶された持越役格納領域(図示していない)及び遊技状態フラグ格納領域を参照し、BB遊技状態が持越中(RT4遊技状態)か否かやBB遊技状態中か否かに関する判断処理、及び、メインROM32に記憶されているRT遷移テーブル(図示していない)を参照し、表示役に基づいて、遊技状態フラグ格納領域を更新する処理などが含まれる。
次いで、メインCPU31は、副制御回路70に表示コマンドを送信する(ステップS12)。表示コマンドには、表示役を示す表示役情報や払い出すメダルの枚数を示す払出枚数などの情報が含まれている。
この表示コマンドを受信することにより、副制御回路70は、表示役を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミングなどを決定することができる。
次いで、メインCPU31は、メダル払出処理を行う(ステップS13)。具体的には、メインCPU31は、払出モードであれば、払出枚数に基づいてホッパー駆動回路41によりホッパー40を駆動制御してメダルの払出しを行い、クレジットモードであれば、払出枚数に基づいてメインRAM33にセットされたクレジットカウンタを更新する。
次いで、メインCPU31は、ボーナス作動中であるか否かを判断する(ステップS14)。具体的には、メインCPU31は、メインRAM33に記憶された遊技状態フラグ格納領域をチェックし、BB遊技状態、又は、SB遊技状態であるか否かを判断する。
ボーナス作動中であると判断したときには(YES)、メインCPU31は、ボーナス終了チェック処理を行い(ステップS15)、ステップS16の処理に移行する。
一方、ボーナス作動中ではないと判断したとき(NO)、又は、ステップS15の処理を終了した後には、メインCPU31は、ボーナス作動チェック処理を行う(ステップS16)。
このボーナス作動チェック処理が終了すると、メインCPU31は、ステップS1の処理に移行する。
このように、メインCPU31は、ステップS1からステップS16までの処理を1ゲームにおける処理として実行し、ステップS16の処理が終了すると、次回のゲームにおける処理を実行すべく、ステップS1の処理に移行する。
次に、図13に示すフローチャートを参照して、副制御回路70のサブCPU71の制御動作について説明する。
図13は、副制御回路70のサブCPU71による演出登録処理の流れについて示すものである。
初めに、サブCPU71は、サブROM72に記憶されているメッセージキュー(図示していない)から演出データに応じたメッセージを取り出す(ステップS311)。
次いで、サブCPU71は、メッセージキューからメッセージを取り出せたか否かを判断する(ステップS312)。このとき、サブCPU71は、メッセージキューにメッセージがなかったと判断したときには(NO)、ステップS315の処理に移行する。
一方、サブCPU71は、メッセージキューからメッセージを取り出せたと判断したときには(YES)、当該メッセージから遊技情報をサブRAM73に複写し(ステップS313)、演出内容決定処理を行う(ステップS314)。
この演出内容決定処理は、ゲーム開始時の演出データ、リール停止時の演出データ、BET時の演出データ、ボーナス開始時の演出データ、ボーナス終了時の演出データ、待機画面の表示時の演出データ、及び、特定有利状態への移行時の演出データなどを、サブRAM73に登録する処理を含んでいる。
次いで、サブCPU71は、アニメーションデータの登録を行う(ステップS315)。具体的には、サブCPU71は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて、アニメーションデータの登録を行う。これにより、液晶表示装置19のメイン液晶表示パネル19aの表示画面上に、遊技の状況に応じた演出情報に基づいた内容の映像(演出画像)が表示される。
すなわち、サブCPU71は、演出内容決定処理において決定された演出データに基づいて、画像表示コマンドをレンダリングプロセッサ74に送信する。レンダリングプロセッサ74は、受信した画像表示コマンドに基づいて、描画用SDRAM75に展開されている画像データの中から適当な画像データを選択するとともに、当該画像データの表示位置や大きさを決定することによって表示用の画像データを生成し、描画用SDRAM75に備えられた一方のフレームバッファ76に格納する。
レンダリングプロセッサ74は、所定の周期(1/30秒)毎に、フレームバッファ76の表示画像データ領域と書込画像データ領域とを入れ換えるバンク切換処理を行う。このバンク切換処理において、レンダリングプロセッサ74は、表示画像データ領域に書き込まれている表示用の画像データを液晶表示装置19のメイン液晶表示パネル19aに出力するとともに、表示画像データ領域と書込画像データ領域とを入れ換え、書込画像データ領域として入れ換えられた表示画像データ領域に、次に表示すべき表示用の画像データの書き込みを行う。
なお、液晶表示装置19のサブ液晶表示パネル19b,19c,19dに対しても同様の処理が行われることによって、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dの各表示画面上に、遊技の状況に応じた演出情報に基づいた内容の映像(演出画像)を選択的に表示させることができる。
特に、液晶表示装置19のメイン液晶表示パネル19a及びサブ液晶表示パネル19b,19c,19dの各表示画面上に共通する演出画像を同時に表示させるようにした場合には、液晶表示装置19による映像の立体表示が可能となる。
次いで、サブCPU71は、サウンドデータの登録を行う(ステップS316)。具体的には、サブCPU71は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて、サウンドデータの登録を行う。これにより、スピーカ25L,25R,26から遊技の状況に応じた遊技音が出力される。
次いで、サブCPU71は、ランプデータの登録を行う(ステップS317)。具体的には、サブCPU71は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて、ランプデータの登録を行う。これにより、上部ユニット200におけるランプなどが遊技の状況に応じたパターンで点灯したり消灯したりする。
なお、このランプデータに基づいて、LED列22b,22c,22dの点灯を制御するようにすることも可能である。
次いで、サブCPU71は、液晶パネル制御データの登録を行う(ステップS318)。具体的には、サブCPU71は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて、振動パターンデータ、LED点灯パターンデータ及び駆動パターンデータの登録を行う。これにより、液晶表示装置19のサブ液晶表示パネル19b,19c,19dが遊技の状況に応じて移動したり振動したりするとともに、LED列22b,22c,22dが遊技の状況に応じて点灯する。
すなわち、サブCPU71は、演出タイミングとして演出パターン番号に応じた駆動パターンデータを移動機構制御部240に送信する。移動機構制御部240は、移動機構部24b,24c,24dを、駆動パターンデータに応じた演出タイミングにより制御する。移動機構部24b,24c,24dは、液晶表示装置19のサブ液晶表示パネル19b,19c,19dを、駆動パターンデータに応じた演出タイミングにより突出位置へと選択的に移動させる。
また、サブCPU71は、演出タイミングとして演出パターン番号に応じた振動パターンデータを振動機構制御部270に送信する。振動機構制御部270は、振動機構部27b,27c,27dを、振動パターンデータに応じた演出タイミングにより制御する。振動機構部27b,27c,27dは、液晶表示装置19のサブ液晶表示パネル19b,19c,19dを、振動パターンデータに応じた演出タイミングにより選択的に振動させる。
さらに、サブCPU71は、演出タイミングとして演出パターン番号に応じたLED点灯パターンデータをLED列22b,22c,22dに送信する。サブCPU71は、LED列22b,22c,22dを、LED点灯パターンデータに応じた演出タイミングにより選択的に点灯させる。
以上の処理が終了すると、サブCPU71は、ステップS311の処理に戻る。
このような動作を行うサブCPU71は、本発明に係る演出パターン制御手段を構成する。
次に、振動&LED点灯パターンテーブル及び駆動パターンテーブルについて説明する。
図14は、振動&LED点灯パターンテーブルの例を示すものである。
本実施の形態において、振動&LED点灯パターンテーブルは、演出パターン番号1〜10に応じて、10個の演出タイミングを規定している。すなわち、この振動&LED点灯パターンテーブルでは、演出パターン番号1〜10毎に、例えば、スタートレバー6の操作(ON)時にどのサブ液晶表示パネル19b,19c,19dを振動させるかと、ストップボタン7L,7C,7Rのいずれの停止操作時にどのLED列22b,22c,22dを点灯させるかと、がそれぞれ演出タイミングとして規定されている。
例えば、演出パターン番号1に対しては、スタートレバー6の操作に伴ってサブ液晶表示パネル19bを振動させるとともに、ストップボタン7L,7C,7Rの第1停止操作に伴ってLED列22bを点灯させるように、演出タイミングが規定されている。
例えば、演出パターン番号2に対しては、スタートレバー6の操作に伴ってサブ液晶表示パネル19bを振動させるとともに、ストップボタン7L,7C,7Rの第2停止操作に伴ってLED列22bを点灯させるように、演出タイミングが規定されている。
例えば、演出パターン番号3に対しては、スタートレバー6の操作に伴ってサブ液晶表示パネル19cを振動させるとともに、ストップボタン7L,7C,7Rの第1停止操作に伴ってLED列22cを点灯させるように、演出タイミングが規定されている。
例えば、演出パターン番号4に対しては、スタートレバー6の操作に伴ってサブ液晶表示パネル19cを振動させるとともに、ストップボタン7L,7C,7Rの第2停止操作に伴ってLED列22cを点灯させるように、演出タイミングが規定されている。
例えば、演出パターン番号5に対しては、スタートレバー6の操作に伴ってサブ液晶表示パネル19dを振動させるとともに、ストップボタン7L,7C,7Rの第1停止操作に伴ってLED列22dを点灯させるよう、演出タイミングが規定されている。
例えば、演出パターン番号6に対しては、スタートレバー6の操作に伴ってサブ液晶表示パネル19dを振動させるとともに、ストップボタン7L,7C,7Rの第2停止操作に伴ってLED列22dを点灯させるよう、演出タイミングが規定されている。
例えば、演出パターン番号7に対しては、スタートレバー6の操作に伴ってサブ液晶表示パネル19bを振動させるとともに、ストップボタン7L,7C,7Rの第3停止操作に伴ってLED列22bを点灯させるように、演出タイミングが規定されている。
例えば、演出パターン番号8に対しては、スタートレバー6の操作に伴ってサブ液晶表示パネル19cを振動させるとともに、ストップボタン7L,7C,7Rの第3停止操作に伴ってLED列22cを点灯させるよう、演出タイミングが規定されている。
例えば、演出パターン番号9に対しては、スタートレバー6の操作に伴ってサブ液晶表示パネル19dを振動させるとともに、ストップボタン7L,7C,7Rの第3停止操作に伴ってLED列22dを点灯させるよう、演出タイミングが規定されている。
例えば、演出パターン番号10に対しては、スタートレバー6の操作に伴ってサブ液晶表示パネル19b,19c,19dの全てを振動させるとともに、ストップボタン7L,7C,7Rの第3停止操作に伴ってLED列22b,22c,22dの全てを点灯させるよう、演出タイミングが規定されている。
なお、上記した振動&LED点灯パターンテーブルにおいて、どのタイミングで、いずれのサブ液晶表示パネル19b,19c,19dをいくつ振動させるか、及び、どのタイミングで、いずれのLED列22b,22c,22dをいくつ点灯させるかは、適宜設定可能である。
図15は、駆動パターンテーブルの例を示すものである。
本実施の形態において、駆動パターンテーブルは、演出パターン番号1〜10に応じて、10個の演出(可動)タイミングを規定している。すなわち、この駆動パターンテーブルでは、演出パターン番号1〜10毎に、例えば、ストップボタン7L,7C,7Rのいずれの停止操作時にどのサブ液晶表示パネル19b,19c,19dを格納位置から突出位置にせり出させるか、がそれぞれ演出タイミングとして規定されている。
例えば、演出パターン番号1、2、7に対しては、ストップボタン7L,7C,7Rの第3停止操作に伴ってサブ液晶表示パネル19bをせり出させるように、演出タイミングが規定されている。
例えば、演出パターン番号3、4、8に対しては、ストップボタン7L,7C,7Rの第3停止操作に伴ってサブ液晶表示パネル19cをせり出させるように、演出タイミングが規定されている。
例えば、演出パターン番号5、6、9に対しては、ストップボタン7L,7C,7Rの第3停止操作に伴ってサブ液晶表示パネル19dをせり出させるように、演出タイミングが規定されている。
例えば、演出パターン番号10に対しては、ストップボタン7L,7C,7Rの第3停止操作に伴ってサブ液晶表示パネル19b,19c,19dの全てをせり出させるように、演出タイミングが規定されている。
なお、上記した駆動パターンテーブルにおいては、1ゲーム中におけるストップボタン7L,7C,7Rの第3停止操作に伴ってサブ液晶表示パネル19b,19c,19dを移動させる場合に限らず、どのタイミングで、いずれのサブ液晶表示パネル19b,19c,19dをいくつ移動させるかは、適宜設定可能である。
また、本実施の形態においては、振動&LED点灯パターンテーブル及び駆動パターンテーブルとして、いずれも演出パターン番号が大きいほど、特定有利状態への移行の期待値が高くなるように規定するとともに、例えば、もっとも特定有利状態への移行の期待値が高い演出パターン番号10に対応する演出タイミングが、特定有利状態への移行が確定されている確定パターンとなっている。すなわち、特定有利状態への移行確定(特定有利状態に移行される条件の成立)時には、例えば、全サブ液晶表示パネル19b,19c,19dを略同時にせり出させ、また、全サブ液晶表示パネル19b,19c,19dを略同時に振動させ、さらに、全LED列22b,22c,22dを略同時に点灯させることで、特定有利状態への移行が確定されたことを遊技者に容易に報知できる。
しかも、特定有利状態への移行が確定された場合、つまり、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dの全てが突出している状況において、メイン液晶表示パネル19a及びサブ液晶表示パネル19b,19c,19dを用いて液晶表示装置19に画像を立体表示させることにより、遊技の進行や展開に対する遊技者の期待感を向上できる。
次に、図13に示したステップS318の処理において実行される、液晶パネル制御データの登録に係る液晶表示装置19の演出動作について説明する。以下では、特定有利状態に移行する際の演出動作を例に説明する。
図16は、液晶表示装置19におけるサブ液晶表示パネル19b,19c,19d及びLED列22b,22c,22dの演出動作に係る処理の流れを示すものである。
例えば、所定の遊技状態中において、サブCPU71は、メインCPU31からのスタートコマンドを受信すると(ステップS501)、当該コマンドに含まれた内部当籤役情報から特定有利状態に移行するきっかけとなる特定の当籤役に内部当籤したか否かを判断する(ステップS502)。
例えば、特定有利状態がART遊技状態(RT3遊技状態)である場合には、RT2遊技状態中において、ART突入のためのART抽籤契機となる特定の当籤役(「小役」)に内部当籤したか否かが判断される。
また、例えば、特定有利状態がBB遊技状態である場合には、RT4遊技状態中において、「BB」と重複当籤している可能性のある特定の当籤役に内部当籤したか否かが判断される。
一方、スタートコマンドを受信していない場合(NO)、及び、特定の当籤役に内部当籤していないと判断した場合には(NO)、サブCPU71は、この液晶表示装置19の演出動作に係る処理を終了する。
上記ステップS502での処理において、特定の当籤役に内部当籤したと判断した場合(YES)、サブCPU71は、演出パターン番号を抽籤し、その演出パターン番号をサブRAM73に一時的に格納する(ステップS503)。
次いで、サブCPU71は、サブROM72内に格納されている振動&LED点灯パターンテーブル(図14参照)を参照し、上述の演出パターン番号に対応する演出タイミングにしたがって、液晶表示装置19のサブ液晶表示パネル19b,19c,19dの振動及びLED列22b,22c,22dの点灯を制御する(ステップS504)。
また、サブCPU71は、サブROM72内に格納されている駆動パターンテーブル(図15参照)を参照し、上述の演出パターン番号に対応する演出タイミングにしたがって、液晶表示装置19のサブ液晶表示パネル19b,19c,19dの移動を制御する(ステップS505)。
例えば、演出パターン番号として「1」に当籤した場合、サブCPU71は、振動&LED点灯パターンテーブルの演出パターン番号1に対応する演出タイミングにしたがって、本(今回の)ゲームにおける遊技者によるスタートレバー6の操作に基づいて振動機構制御部270を制御し、振動機構部27bを駆動して、サブ液晶表示パネル19bを振動させる。また、サブCPU71は、振動&LED点灯パターンテーブルの演出パターン番号1に対応する演出タイミングにしたがって、今回のゲームにおける遊技者のストップボタン7L,7C,7Rに対する第1停止操作に伴ってLED列22bを点灯させる。さらに、サブCPU71は、駆動パターンテーブルの演出パターン番号1に対応する演出タイミングにしたがって、今回のゲームにおける遊技者のストップボタン7L,7C,7Rに対する第3停止操作に伴って移動機構制御部240を制御し、移動機構部24bを駆動して、サブ液晶表示パネル19bを格納位置から突出位置に移動させる。
このように、演出パターン番号1〜10の抽籤の結果に基づいて、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dを選択的にせり出させるとともに、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dを選択的に振動させたり、LED列22b,22c,22dを選択的に点灯させたりすることによって、遊技者に対して、例えば特定有利状態に移行するきっかけとなる特定の当籤役に内部当籤したことを印象的に報知できる。すなわち、平面的な構造の液晶表示装置19を立体的な構造へと変化させることに伴って、特定の当籤役に内部当籤したことを報知するようにしたので、演出装置として斬新なものとすることができる。
特に、全サブ液晶表示パネル19b,19c,19dを略同時にせり出させ、また、全サブ液晶表示パネル19b,19c,19dを略同時に振動させ、さらに、全LED列22b,2c,22dを略同時に点灯させるようにした場合には、例えば特定有利状態への移行が確定したことを報知できるなど、遊技者に対する報知演出において、強烈なインパクトを伴った演出が可能となる。
すなわち、本実施の形態において、例えば、演出パターン番号として「10」に当籤した場合、サブCPU71は、振動&LED点灯パターンテーブルの演出パターン番号10に対応する演出タイミングにしたがって、今回のゲームにおける遊技者によるスタートレバー6の操作に基づいて振動機構制御部270を制御し、振動機構部27b,27c,27dを駆動して、全サブ液晶表示パネル19b,19c,19dを振動させる。また、サブCPU71は、振動&LED点灯パターンテーブルの演出パターン番号10に対応する演出タイミングにしたがって、今回のゲームにおける遊技者のストップボタン7L,7C,7Rに対する第3停止操作に伴って全LED列22b,22c,22dを点灯させる。さらに、サブCPU71は、駆動パターンテーブルの演出パターン番号10に対応する演出タイミングにしたがって、今回のゲームにおける遊技者のストップボタン7L,7C,7Rに対する第3停止操作に伴って移動機構制御部240を制御し、移動機構部24b,24c,24dを駆動して、全サブ液晶表示パネル19b,19c,19dを格納位置から突出位置に移動させる。
この場合、特定有利状態への移行が確定したことを報知する、遊技者に対する報知演出において、強烈なインパクトを伴ったものとすることが可能となる。
その後、サブCPU71は、遊技者によって次回のゲームに対するBET操作が行われたか否かを判断し(ステップS506)、BET操作が行われていないと判断した場合には(NO)、BET操作が行われるのを待つ。
一方、次回のゲームに対するBET操作が行われたと判断した場合には(YES)、特定有利状態に移行することを条件に、すなわち、特定の当籤役に入賞したことを条件に、サブCPU71は、レンダリングプロセッサ74などを用いて生成された画像データにしたがってドライバ77a〜77dを制御し、液晶表示装置19のメイン液晶表示パネル19aに画像データに応じた演出情報を表示させるとともに、サブ液晶表示パネル19b,19b,19dを選択的に用いて演出情報を表示させる(ステップS507)。
このとき、サブCPU71は、メイン液晶表示パネル19aでの表示に加え、突出しているサブ液晶表示パネル19b,19b,29dを選択的に用いて演出情報を表示させることで、例えば特定有利状態への突入を報知する演出として、これまでにない斬新なものとすることができる。
特に、全サブ液晶表示パネル19b,19b,29dをせり出させた状態においては、メイン液晶表示パネル19aでの表示に加え、全サブ液晶表示パネル19b,19b,29dを用いて演出情報を表示させることで、特定有利状態への突入を報知する報知演出を立体表示することが可能となる。
本実施の形態においては、演出パターン番号10の当籤時、液晶表示装置19は、メイン液晶表示パネル19aの周辺部にフード状にサブ液晶表示パネル19b,19b,29dが突出することになるため、液晶表示装置19のみによって演出情報を立体的に表示することが可能となる。すなわち、特定有利状態への移行確定時には、全サブ液晶表示パネル19b,19c,19dをせり出させることによって、液晶表示装置19を立体的な構造とすることができる。これにより、メイン液晶表示パネル19a及びサブ液晶表示パネル19b,19b,19dに、液晶表示装置19の空間(パース)に応じた映像などを立体的に表示させることで、表示される内容に奥行きが生まれ、表示の内容に立体感と臨場感とを与えることが可能となる。したがって、遊技者に対する報知演出として、大きなインパクトを与えることが可能となる。
しかも、液晶表示装置19のみで立体的な表示が可能となるため、表示できる演出の内容に制限がなくなり、演出の単調化が遊技に対する興味を喪失させるといった、遊技者の遊技離れ(飽き)を抑制できる。
上記したように、本実施の形態に係る遊技機1は、液晶表示装置19のみにより立体的な表示が行えるようにするとともに、液晶表示装置19を可動式の演出役物としても利用できるようにしている。
すなわち、遊技機1において、液晶表示装置19を固定式のメイン液晶表示パネル19aと可動式のサブ液晶表示パネル19b,19c,19dとによって構成し、特定有利状態への移行に際して特定の当籤役に内部当籤した場合に、メイン液晶表示パネル19aの表示画面よりもサブ液晶表示パネル19b,19c,19dを選択的に突出させて、フード状に組み合わされた立体構造の液晶表示装置19を出現させるようにしている。また、特定の当籤役の内部当籤時に、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dを選択的に振動させるとともに、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dに設けられたLED列22b,22c,22dを選択的に点灯させるようにしている。これにより、液晶表示装置19のみで演出情報の立体表示が可能となるだけでなく、可動式の演出役物としても十分な演出効果が期待できる。したがって、立体表示される演出の内容に制限がなく、遊技者に対して常に新規な演出を提供できるとともに、演出として斬新でより衝撃的なものとすることができる。
特に、メイン液晶表示パネル19aの表示画面に対するサブ液晶表示パネル19b,19c,19dの角度がそれぞれ鈍角(例えば、120°程度)となるように設定することにより、遊技者が立体表示を容易に視認できるとともに、フード状に形成されるパースによって十分な奥行きが生まれ、立体感や臨場感をもって演出の内容を立体表示することが可能となる。
また、本実施の形態においては、特定有利状態への移行のきっかけとなる特定の当籤役に内部当籤した場合にのみ、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dを移動させたり、振動させたりするようにしているため、移動機構部24b,24c,24d及び振動機構部27b,27c,27dなどを頻繁に駆動させることがなく、よって寿命を長くすることが可能となり、遊技機1が故障する原因となるのを防止できる。
なお、本実施の形態に係る遊技機1は、ART遊技状態(RT3遊技状態)及びBB遊技状態を特定有利状態として備えるようにしたが、これに限らず、例えばRT遊技状態やAT遊技状態を特定有利状態として備える遊技機にも同様に適用できる。
また、サブ液晶表示パネル19b,19c,19dの移動などは、特定の当籤役に内部当籤した際に限らず、遊技の進行に伴って適宜移動及び振動させることも可能である。同様に、LED列22b,22c,22dの点灯は、特定の当籤役に内部当籤した際に限らず、遊技の進行に伴って適宜点灯させることも可能である。
また、本実施の形態における遊技機1としては、パチスロ機に限定されるものではなく、液晶表示装置を備えるパチンコ機などであってもよい。