JP2014221999A - 架構体及び建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造を簡単化することができて低コストで施工可能であるとともに、構造性能を向上させることができる架構体及び建物を提供する。【解決手段】一対の柱Cの中間にて上下の梁Gに亘って上下に延びる間柱11と、柱Cの上端部から斜め下方に延びて間柱11まで延びる一対の上側斜材12と、柱Cの下端部から斜め上方に延びて間柱11まで延びる一対の下側斜材13と、上側斜材12の上端部と柱Cとを接続する上側第一接続部材14と、上側斜材12の下端部と間柱11とを接続する減衰接続部材15と、下側斜材13の下端部と柱Cとを接続する下側第一接続部材16と、下側斜材13の上端部と間柱11とを接続するピン接続部材17と、を備え、減衰接続部材15とピン接続部材17とが間柱11の長手方向中央位置を挟んで上下に略等距離だけ離隔して設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、架構体及び建物に係り、詳しくは、左右一対の鉛直部材と上側の水平部材及び下側の水平部材とで囲まれた矩形枠内部に設けられる架構体、及び該架構体を備えた建物に関するものである。
従来、建物の構造形式として、柱、梁からなるラーメン架構と、この架構内に設けられた間柱などの中間部材及び筋違やブレースなどの斜材と、を組み合わせた複合構造が用いられている。このような複合構造では、ラーメン架構によって建物の鉛直荷重と水平荷重(地震荷重や風荷重)を支持するとともに、中間部材及び斜材には水平荷重を主に負担させることで、耐震(耐風)性を高めるものとされている。複合構造として、上下の梁の中間位置同士を連結して設けられる中間部材(間柱)と、この中間部材に対して四方の柱梁接合部から延びて連結されるブレースと、を備えたブレース構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このブレース構造は、中間部材に対する一対の上ブレースと、一対の下ブレースと、の連結位置を上下にずらして偏心させることで、中間部材の偏心部分(上下ブレースの連結位置間)を集中的にせん断変形させ、この偏心部分をエネルギー吸収材として利用するものである。
特開平10−227061号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来のように、中間部材の偏心部分に応力を集中させて、その塑性変形によってエネルギー吸収させようとする構造においては、エネルギー吸収材の周辺部材を強固に補強したり、周辺部材に付加応力が作用しないような機構を設けたりしなければならず、構造が複雑になって材料及び施工のコストが増加してしまう。さらに、エネルギー吸収材に応力を集中させる従来の構造では、エネルギー吸収材の周辺部材の剛性を高める必要があり、架構全体の初期剛性が高くなり過ぎることから、地震動等の水平力が作用した際に建物への入力が過大になり、柱の定着部や柱梁接合部が損傷してしまい、構造性能を十分に高めることができないという問題もある。
したがって、本発明は、構造を簡単化することができて低コストで施工可能であるとともに、構造性能を向上させることができる架構体及び建物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の架構体は、左右一対の鉛直部材と上側の水平部材及び下側の水平部材とで囲まれた矩形枠内部に設けられる架構体であって、前記一対の鉛直部材の中間にて前記上側及び下側の水平部材に亘って上下に延びる中間部材と、前記一対の鉛直部材の上端部から斜め下方に延びて前記中間部材まで延びる一対の上側斜材と、前記一対の鉛直部材の下端部から斜め上方に延びて前記中間部材まで延びる一対の下側斜材と、前記一対の上側斜材の上端部と前記一対の鉛直部材とをそれぞれ接続する上側第一接続部材と、前記一対の上側斜材の下端部と前記中間部材とをそれぞれ接続する上側第二接続部材と、前記一対の下側斜材の下端部と前記一対の鉛直部材とをそれぞれ接続する下側第一接続部材と、前記一対の下側斜材の上端部と前記中間部材とをそれぞれ接続する下側第二接続部材と、を備え、前記上側第二接続部材と前記下側第二接続部材とは、前記中間部材の長手方向中央位置を挟んで上下に略等距離だけ離隔して設けられ、前記上側第二接続部材及び前記下側第二接続部材の少なくとも一方は、減衰手段が設けられた減衰接続部材とされていることを特徴とする。
このような本発明の架構体によれば、中間部材に対して一対の上側斜材と一対の下側斜材とがそれぞれ中間部材の中央よりも上下に偏心して接続されているので、架構体に水平力が作用した場合には、上側斜材及び下側斜材とがそれぞれ筋交いとして水平力に抵抗するとともに、中間部材の中央部分に曲げモーメントとせん断力とが生じることとなる。このように中間部材が曲げ材として機能することで、一般的な筋交いを用いた軸力構造と比較して、架構体の水平剛性を抑制しつつ、中間部材の曲げ変形による靱性を高めることができる。従って、水平剛性の抑制によって地震動の加速度入力を低下させることができるとともに、高い靱性によって変形性能を向上させることができ、繰り返し入力される地震動のような外力に対しても復元力を維持して、高い履歴エネルギー吸収性能を発揮することができる。
さらに、本発明によれば、上側斜材を鉛直部材に接続する上側第一接続部材と、上側斜材を中間部材に接続する上側第二接続部材と、下側斜材を鉛直部材に接続する下側第一接続部材と、下側斜材を中間部材に接続する下側第二接続部材と、の各部において3以上の接続部材が同一部位に重なって接続されることがないので、接続部の構造を簡単化することができる。このため、各接続部材の部材形状を単純化かつ小型化できるとともに、接続作業も簡便かつ迅速に行うことができ、各部材の材料コスト及び施工コストを抑制することができる。さらに、上側斜材及び下側斜材の少なくとも一方と中間部材とが減衰接続部材で接続されることで、架構体に水平力が作用した場合に減衰手段による減衰力を発揮させることができ、そのエネルギー吸収によって架構体の損傷を防止し、構造性能をさらに高めることができる。
請求項2に記載の架構体は、請求項1に記載された架構体において、前記上側第二接続部材及び前記下側第二接続部材のうち、一方が前記減衰接続部材とされ、他方が接続対象の部材同士を移動不能かつ回動自在に接続するピン接続部材とされていることが好ましい。
このような構成によれば、上側第二接続部材及び下側第二接続部材の一方が減衰接続部材とされ他方がピン接続部材とされていることで、他方側の上側斜材又は下側斜材と中間部材とをピン接続し、このピン接続位置から延びる中間部材に減衰接続部材を介して下側斜材又は上側斜材が接続されることとなる。従って、中間部材に対してピン接続される他方側の上側斜材又は下側斜材によって架構体の剛性を高めつつ、一方側に延びた中間部材に減衰接続部材が接続されることによって、減衰接続部材の作動効果を高めることができる。
請求項3に記載の架構体は、請求項1又は2に記載された架構体において、前記減衰接続部材は、接続対象の一方の部材に固定されるベース部材と、他方の部材に設けられて前記ベース部材と相対移動自在な移動部材と、を有し、前記減衰手段は、前記ベース部材と前記移動部材との相対移動によって減衰力を発揮可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、ベース部材と移動部材との相対移動によって減衰力を発揮するように減衰接続部材が構成されていることで、上側斜材及び下側斜材の少なくとも一方と中間部材との接続部分における応力の伝達を減衰力に効率的に変換することができる。また、上側斜材及び下側斜材の少なくとも一方と中間部材との接続部分において、減衰接続部材のベース部材と移動部材とに相対移動を生じさせることで、架構体の初期水平剛性がさらに抑制されることとなり、加速度入力を低減させるとともに、鉛直部材の定着部や水平部材との接合部に作用する応力を低減して構造性能を高めることができる。
請求項4に記載の架構体は、請求項3に記載の架構体において、前記減衰接続部材において、前記ベース部材には、前記移動部材の移動を所定範囲内に規制する移動規制部が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、移動規制部によって移動部材の移動を所定範囲内に規制することで、架構体にある程度以上の水平変位が生じた場合には、減衰接続部材におけるベース部材と移動部材との相対移動を規制し、即ち、上側斜材及び下側斜材の少なくとも一方と中間部材とが移動不能に接続されるようにすることで、架構体に過度な水平変位が生じることを防止することができる。
請求項5に記載の架構体は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の架構体において、前記中間部材は、複数の階に亘って連続して設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、中間部材が複数の階に亘って連続して設けられていることで、架構体に大きな水平変位が生じて鉛直部材の定着部や水平部材との接合部が破損した場合であっても、中間部材が心棒として機能して応力を負担することができ、建物の崩壊を防止または抑制することができる。
請求項6に記載の架構体は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の架構体において、前記中間部材、前記上側斜材、及び前記下側斜材は、それぞれ木製、竹製、金属製、又は樹脂製であるか、あるいは該素材のうちから複数の素材を複合した複合材料製であることを特徴とする。
このような構成によれば、建物の構造種別や規模に応じて適切な素材を選択し、素材の強度や変形性能に応じた構造性能の架構体を構成することができる。ここで、例えば、木造住宅等の比較的小規模な建物においては、中間部材、上側斜材及び下側斜材を木製又は竹製とするか、中間部材のみを竹製とする、あるいは上側斜材及び下側斜材を竹製とすることで、比較的安価に架構体を構成することができる。一方、鉄骨造のビル等の場合には、中間部材、上側斜材及び下側斜材を鋼製やその他金属製とすることで、強度を高めて大きな水平力を負担させることができる。
請求項7に記載の建物は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の架構体を骨組み内に備えたことを特徴とする。
ここで、本発明の建物としては、その用途(住宅、店舗、商業ビル、工場、倉庫など)や、規模(建築面積、容積、階数など)、構造種別(木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など)は、いずれも限定されず、各種の建物に対して本発明の架構体を適用することができる。また、本発明において、鉛直部材とは、柱等の鉛直方向に延びて設けられる部材を意味し、水平部材とは、梁や基礎、土台等の水平方向に延びて設けられる部材を意味するが、ここでの鉛直方向や水平方向としては、多少の傾きを有した方向をも含むものである。
以上の本発明によれば、中間部材の中央から上下に離隔させて上側斜材及び下側斜材をそれぞれ接続したことで、中間部材の中央部分が曲げ材として機能することから、架構体の水平剛性を抑制して加速度入力を低下させることができるとともに、中間部材の曲げ変形によって架構体の靱性を高めて変形性能を向上させることができる。さらに、各部材同士の接続部の構造を簡単化することができるので、部材形状の簡素化と接続作業の簡便化を図ることができ、架構体の設置コストを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る建物の骨組みを示す正面図である。 前記建物に設けられる架構体を示す正面図である。 前記架構体の一部を拡大して示す正面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る建物及び架構体について、図1〜図3に基づいて説明する。本実施形態の建物は、例えば、戸建て住宅やアパート等の建物であって、木造軸組み構造かつ2階〜3階建ての比較的小規模な建物に適用されるものである。この建物の骨組み1は、複数の鉛直部材としての柱C(1階柱C1及び2階柱C2)と、柱Cの上下を連結する水平部材としての梁G(基礎梁G1、2階梁G2及び天井梁G3)と、を有して構成されている。基礎梁G2は、鉄筋コンクリート製の基礎Fの上部に固定され、1階柱C1の下端部を連結して水平方向に延びて設けられている。2階梁G2は、1階柱C1の上端部を連結するとともに2階柱C2の下端部を連結して水平方向に延びて設けられ、天井梁G3は、2階柱C2の上端部を連結して水平方向に延びて設けられている。そして、架構体10は、左右一対の柱Cと上下の梁Gとで囲まれた矩形枠Wの内部に設けられ、建物に作用する水平力(地震荷重や風荷重)を主に負担するものであって、建物の骨組み1における複数個所(本実施形態では、一構面の各階に2箇所ずつ、かつ1階及び2階の同一位置)にバランスよく設けられている。
柱C1,C2は、角形断面を有した杉の集成材等の木材で構成され、例えば、105mmx105mmの断面寸法を有して形成されている。基礎梁G1は、角形断面を有した杉の集成材等の木材で構成され、例えば、105mmx105mmの断面寸法を有して形成されている。2階梁G2は、角形断面を有した杉の集成材等の木材で構成され、例えば、105mmx180mmの断面寸法を有して形成されている。3階梁G3は、角形断面を有した杉の集成材等の木材で構成され、例えば、105mmx105mmの断面寸法を有して形成されている。柱C1の下端部は、基礎Fから基礎梁G2を貫通して設けられる定着部材B1によって基礎梁G2に接合されている。柱C1の上端部及び柱C2の下端部は、2階梁G2を貫通する定着部材B2によって互いに2階梁G2に接合されている。柱C2の上端部は、天井梁G3を貫通する定着部材B3によって天井梁G3に接合されている。これらの定着部材B1,B2,B3は、例えば、30mmの径寸法を有したホールダウン金物やアンカーボルト等が利用可能である。
架構体10は、左右一対の柱Cの中間にて基礎梁G1から天井梁G3に亘って上下に延びる中間部材としての間柱11と、左右一対の柱Cの上端部から斜め下方に延びて間柱11まで延びる一対の上側斜材12と、左右一対の柱Cの下端部から斜め上方に延びて間柱11まで延びる一対の下側斜材13と、一対の上側斜材12の上端部と左右の柱Cの上端部とをそれぞれ接続する上側第一接続部材14と、一対の上側斜材12の下端部と間柱11とをそれぞれ接続する上側第二接続部材である減衰接続部材15と、一対の下側斜材13の下端部と左右の柱Cの下端部とをそれぞれ接続する下側第一接続部材16と、下側斜材13の下端部と左右の柱Cの下端部とを接続する下側第一接続部材16と、一対の下側斜材13の上端部と間柱11とをそれぞれ接続する下側第二接続部材であるピン接続部材17と、を備えて構成されている。間柱11は、例えば、105mmx105mmの断面寸法を有した杉の集成材で構成され、上側斜材12及び下側斜材13は、例えば、60mmx30mmの断面寸法を有した板厚1.6mmの鋼製角パイプで構成されている。
上側第一接続部材14及び下側第一接続部材16は、同一の部材から構成され、断面コ字形に形成されるとともに柱Cの側面にビスやボルトによって固定されるものであって、定着部材B1,B2,B3と連結される定着部18と、この定着部18から延びる一対の接続部19と、を有している。一対の接続部19は、上側斜材12の上端部及び下側斜材13の下端部をそれぞれ挟んで設けられ、これらを貫通するピン20によって回転可能に接続されている。ピン接続部材17は、断面コ字形に形成されるとともに間柱11の側面にビスやボルトによって固定される固定部21と、この固定部21から延びる一対の接続部22と、を有している。一対の接続部22は、下側斜材13の上端部を挟んで設けられ、これらを貫通するピン23によって回転可能に接続されている。即ち、上側斜材12の上端部及び下側斜材13の下端部は、柱Cに対してピン接合され、下側斜材13の上端部は、間柱11に対してピン接合され、これらの各部材の端部には曲げモーメントが生じないようになっている。
減衰接続部材15は、図3にも示すように、間柱11に固定されるベース部材31と、上側斜材12の端部に設けられる移動部材32と、ベース部材31と移動部材32との間に設けられる減衰手段としての粘弾性体33と、を有して構成されている。ベース部材31は、間柱11の側面に沿って固定される側面凹字状の第一ベース板31Aと、この第一ベース板31Aを覆って固定される側面凹字状の第二ベース板31Bと、これらを間柱11に固定するボルト34及びナット35と、を有して構成されている。移動部材32は、各々コ字形の一対のチャンネル材を重ねて構成され、チャンネル材は、それぞれ底面部32Aと、この底面部32Aの両端縁から立ち上がる一対の側面部32Bと、を有して形成されている。そして、移動部材32は、その側面部32Bがピン36によって上側斜材12の端部に回転自在に取り付けられている。この移動部材32は、各底面部32Aが第一ベース板31A及び第二ベース板31Bと交互に設けられ、ベース部材31に対して間柱11の軸方向に沿って相対移動自在に設けられている。
粘弾性体33は、第一ベース板31A及び第二ベース板31Bと各底面部32Aとの間の3箇所に設けられている。この粘弾性体33は、ベース部材31と移動部材32との相対移動によってせん断変形し、この変形によって減衰力を発揮可能に構成されている。また、第一ベース板31A及び第二ベース板31Bは、移動部材32の底面部32Aを挿通させる隙間の端部を構成する段部31Cを有し、この段部31Cと底面部32Aとの間に、移動部材32が移動可能なクリアランスが設けられている。従って、移動部材32は、間柱11の軸方向に沿った一方側及び他方側に向かってそれぞれクリアランスの距離だけ移動可能に構成されており、その距離を移動したら段部31Cに当接することで、それ以上の移動が規制されている。即ち、段部31Cによって、移動部材32の移動を所定範囲内に規制する移動規制部が構成されている。
以上の骨組み1及び架構体10において、各部の寸法としては、例えば、左右の柱Cの間隔である柱スパンLが910mm、上下の梁G間の距離である内法高さHが2700mmに設定されている。また、間柱11に対する上側斜材12及び下側斜材13の接続位置、即ち、減衰接続部材15及びピン接続部材17の位置は、間柱11の長手方向中央位置を挟んで上下に略等距離だけ離隔して設けられ、上下の減衰接続部材15とピン接続部材17との距離は、間柱11の長さ寸法の1/3程度に設定されている。なお、間柱11の長手方向に沿った減衰接続部材15及びピン接続部材17の位置は、後述するように、主斜材11に曲げ変形を生じさせる位置であればよく、減衰接続部材15とピン接続部材17とが接近し過ぎないことが好ましく、その間隔寸法が間柱11の長さ寸法の1/4以上かつ1/2以下程度に設定されていればよい。さらに、間柱11と上側斜材12及び下側斜材13とが成す交差角度としては、減衰接続部材15のベース部材31と移動部材32とに相対変位が生じやすくするために、交差角度が小さい方が好ましいが、20°以上かつ45°以下程度に設定されていればよい。
次に、架構体10の作用について説明する。建物に地震等の外力が入力した場合、骨組み1をせん断変形させるような水平力が作用する。例えば、図1において、2階梁G2及び天井梁G3の位置に左から右又は右から左に向かう水平力が作用した場合には、一対の上側斜材12の一方に引張の軸力が生じ他方に圧縮の軸力が生じ、一対の下側斜材13の一方に圧縮の軸力が生じ他方に引張の軸力が生じる。これにより、間柱11における上下の減衰接続部材15とピン接続部材17との間の中央部分に曲げモーメントとせん断力とが生じる。また、減衰接続部材15において、移動部材32がベース部材31に対して上方にスライドし、このスライドによって粘弾性体33にせん断変形が生じる。このように作用する水平力が微小で、骨組み1のせん断変形が小さい範囲(例えば、層間変形角が1/200程度)では、減衰接続部材15の粘弾性体33による減衰力が発揮され、建物の振動が抑制できるようになっている。
次に、外力レベルが上がって骨組み1に作用する水平力が大きくなり、骨組み1のせん断変形がある程度まで大きくなった場合(例えば、層間変形角が1/100程度)には、減衰接続部材15における移動部材32がクリアランスの距離だけ移動し、ベース部材31の段部31Cに当接することで移動が規制され、間柱11と上側斜材12とが移動不能かつ回転可能にピン接合されることとなり、これらの部材間で直接的に応力伝達が行われる。従って、間柱11の中央部分に生じる曲げモーメントが大きくなり、間柱11の長手方向中央を中心として上下逆向きの曲げモーメント及びせん断力によって、間柱11がS字形に変形することとなる。即ち、間柱11が曲げモーメント及びせん断力を負担する曲げ材として機能し、その曲げ変形の復元力によって水平力に抵抗することとなる。
以上の本実施形態によれば、間柱11が曲げ材として機能することで、架構体10の水平剛性を抑制しつつ、曲げ変形による靱性を高めることができる。従って、水平剛性の抑制によって地震動等の加速度入力を減少させることができるとともに、高い靱性によって変形性能を向上させることができ、繰り返し入力される地震動のような外力に対しても復元力を維持して、高い履歴エネルギー吸収性能を発揮することができる。さらに、間柱11と上側斜材12とが減衰接続部材15で接続されているので、架構体10に水平力が作用した場合に粘弾性体33による減衰力を発揮させることができ、そのエネルギー吸収によって架構体10及び骨組み1の損傷を防止し、構造性能をさらに高めることができる。また、大きな外力が作用した場合には、減衰接続部材15におけるベース部材31の段部31Cに当接することで移動部材32の移動が規制されることで、架構体10及び骨組み1に過度な水平変位が生じないようにして建物の倒壊を防止することができる。
また、間柱11が基礎梁G1から天井梁G3に亘って連続して設けられているので、骨組み1及び架構体10に大きな水平変位が生じて柱Cの定着部や梁Gとの接合部が破損した場合であっても、間柱11が心棒として機能して応力を負担することができ、建物の崩壊を防止または抑制することができる。さらに、上側斜材12が減衰接続部材15を介して間柱11に接続され、下側斜材13がピン接続部材17を介して間柱11に接続されていることで、ピン接続部材17から上方に延びる間柱11を片持ち状に支持するとともに、この片持ち状の間柱11に減衰接続部材15を接続することによって、減衰接続部材15におけるベース部材31と移動部材32との相対移動を増幅させ、減衰接続部材15の作動効果を高めることができる。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、前記実施形態では、柱C、梁Gが木製の木造建物における骨組み1に対し、間柱11が木製の集成材からなり上側斜材12及び下側斜材13が鋼製角パイプからなる架構体10を設けたが、間柱11、上側斜材12及び下側斜材13の全てを木製や竹製としてもよい。さらに、間柱11、上側斜材12及び下側斜材13は、鉄骨製や鉄筋コンクリート製であってもよいし、木製や竹製と鉄骨製や鉄筋コンクリート製とを混合したものであってもよい。また、本発明の架構体は、2〜3階建ての戸建て住宅等の比較的小規模の建物に設けられるものに限らず、事務所ビルや倉庫、校舎などにも適用可能である。さらに、本発明の架構体は、新築の建物の施工時に骨組みに組み込まれるものに限らず、既存の建物に対して後から取り付けられる耐震補強用の架構体としても利用可能である。
また、前記実施形態では、間柱11に対して上側斜材12が減衰接続部材15を介して接続され、下側斜材13がピン接続部材17を介して接続されていたが、これに限らず、上側斜材12及び下側斜材13ともに減衰接続部材15を介して間柱11に接続されていてもよいし、間柱11に対して上側斜材12がピン接続部材17を介して接続され、下側斜材13が減衰接続部材15を介して接続されていてもよい。さらに、前記実施形態では、間柱11が基礎梁G1から天井梁G3までの二層に亘って連続して設けられていたが、これに限らず、各層ごとに間柱11が分割されていてもよい。
1 骨組み
10 架構体
11 間柱(中間部材)
12 上側斜材
13 下側斜材
14 上側第一接続部材
15 減衰接続部材(上側第二接続部材)
16 下側第一接続部材
17 ピン接続部材(下側第二接続部材)
31 ベース部材
31C 段部(移動規制部)
32 移動部材
33 粘弾性体(減衰手段)
C 柱(鉛直部材)
G 梁(水平部材)
W 矩形枠

Claims (7)

  1. 左右一対の鉛直部材と上側の水平部材及び下側の水平部材とで囲まれた矩形枠内部に設けられる架構体であって、
    前記一対の鉛直部材の中間にて前記上側及び下側の水平部材に亘って上下に延びる中間部材と、
    前記一対の鉛直部材の上端部から斜め下方に延びて前記中間部材まで延びる一対の上側斜材と、
    前記一対の鉛直部材の下端部から斜め上方に延びて前記中間部材まで延びる一対の下側斜材と、
    前記一対の上側斜材の上端部と前記一対の鉛直部材とをそれぞれ接続する上側第一接続部材と、
    前記一対の上側斜材の下端部と前記中間部材とをそれぞれ接続する上側第二接続部材と、
    前記一対の下側斜材の下端部と前記一対の鉛直部材とをそれぞれ接続する下側第一接続部材と、
    前記一対の下側斜材の上端部と前記中間部材とをそれぞれ接続する下側第二接続部材と、を備え、
    前記上側第二接続部材と前記下側第二接続部材とは、前記中間部材の長手方向中央位置を挟んで上下に略等距離だけ離隔して設けられ、
    前記上側第二接続部材及び前記下側第二接続部材の少なくとも一方は、減衰手段が設けられた減衰接続部材とされていることを特徴とする架構体。
  2. 前記上側第二接続部材及び前記下側第二接続部材のうち、一方が前記減衰接続部材とされ、他方が接続対象の部材同士を移動不能かつ回動自在に接続するピン接続部材とされていることを特徴とする請求項1に記載の架構体。
  3. 前記減衰接続部材は、接続対象の一方の部材に固定されるベース部材と、他方の部材に設けられて前記ベース部材と相対移動自在な移動部材と、を有し、
    前記減衰手段は、前記ベース部材と前記移動部材との相対移動によって減衰力を発揮可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の架構体。
  4. 前記減衰接続部材において、前記ベース部材には、前記移動部材の移動を所定範囲内に規制する移動規制部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の架構体。
  5. 前記中間部材は、複数の階に亘って連続して設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の架構体。
  6. 前記中間部材、前記上側斜材、及び前記下側斜材は、それぞれ木製、竹製、金属製、又は樹脂製であるか、あるいは該素材のうちから複数の素材を複合した複合材料製であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の架構体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の架構体を骨組み内に備えたことを特徴とする建物。
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