JP2014221749A - 育毛関連因子活性剤 - Google Patents

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徹 橘
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里紗 井口
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Yuko Saeki
夕子 佐伯
良太 新林
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良太 新林
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Abstract

【課題】育毛関連因子であるノギンおよびTGF−βを調整することによって、育毛を促進させる剤の提供。【解決手段】カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される、少なくとも一種を有効成分として含む、育毛関連因子活性剤。カルニチンは好ましくは下記一般式(1)で示される。【化1】(式中、R0は炭素数1〜38の脂肪族炭化水素基、水素原子、−COR1のいずれかを表す。R1は炭素数1〜37の脂肪族炭化水素基を示す)【選択図】なし

Description

本発明は、養毛・育毛、髪質改善等の効果を発揮し、医薬品、医薬部外品、化粧料等に応用可能な育毛関連因子活性化剤に関する。
従来から、生活環境の変化やストレス、毛包の血流不足などに起因する薄毛や脱毛症に悩む人は多い。毛髪は、毛包を構成する外毛根鞘細胞等の毛包上皮系細胞、毛乳頭細胞等によって、発毛し、成長することが知られており、その際にこれらの細胞から産生される成長因子などが、重要な働きをしていることが知られている。そこで、こうした成長因子の働きを活性化もしくは抑制することにより毛成長を促進する目的で様々な育毛剤が開発されているが、満足の得られる高い効果と安全性を有するものは少なく、近年、発毛および毛髪の成長に有効な新たな成分の提供が望まれている。
TGF−β は、様々な細胞の増殖調節、発生や分化等の様々な作用を有するサイトカインであり、肝臓や腎臓等臓器の線維化に深く関与していることが明らかになっている。このような線維化が原因となる疾患として、肝硬変、動脈硬化症、腎炎などが挙げられるが、これらの疾患に対する治療剤としてTGF−β 受容体拮抗剤の研究が行われている。このTGF−β のうち、TGF−β 2 は毛髪退行期への移行を促進する効果を有するため、これを抑制することが養毛効果につながることが知られている。ローマカミレツエキスやシモツケソウエキス、桑の抽出物等の植物エキスがTGF−β の作用を抑制するため、これらのエキスを養毛料として利用できることが報告されている(特許文献1、2) 。
一方、ノギン(Noggin)は毛成長促す因子で、ヒト由来の角質細胞成長因子であるFGF−7 (KGF)及びFGF−10を阻害し、毛包形成過程で成長期の開始を阻害するBMP2/4抑制し、休止期から成長期への移行を誘導するものとして知られ、これを活性化するペプチドを養毛剤として利用できることが報告されている(特許文献3)。
なお、カルニチンおよびその誘導体、またはその塩に関しては、これまでに、脂肪分解促進作用、セラミド産生促進作用、血流促進を介した育毛効果は知られている(たとえば特許文献4−8)。しかしながら、該化合物が直接的にTGF−βを抑制しノギンの発現を促進して育毛関連因子を活性化することに関する報告はなされていない。
特開2000−342296号公報 特開2012−515769号公報 特開2007−22957号公報 特開2000−16916号公報 特許第4780817号号公報 特開2000−16916号公報 特開平11−302143号公報 特開2007−22957号公報
本発明の目的は、上述のような状況をふまえ、優れた育毛関連因子活性剤を提供する
ことにある。
本発明者らは、育毛関連因子活性化剤に関する研究を重ねた結果、アシル基を導入したカルニチン誘導体、とくにα−分岐型アシル基を導入したカルニチン誘導体に優れた育毛関連因子活性化能があることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下に示す[1]〜[11]の事項を含むものである。
[1]カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される、少なくとも一種を有効成分として含むことを特徴とする、育毛関連因子活性剤。
[2]前記育毛関連因子活性剤が、TGF−β産生抑制剤である、[1]に記載の育毛関連因子活性剤。
[3]前記育毛関連因子活性剤が、ノギン産生促進剤である、[1]に記載の育毛関連因子活性剤。
[4] 前記カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩が、下記一般式(1)で表わされる化合物および一般式(2)で表わされる化合物であることを特徴とする、[1]に記載の育毛関連因子活性剤。
Figure 2014221749
(式中、Rは炭素数1〜38の脂肪族炭化水素基、水素原子、−CORのいずれかを表す。Rは炭素数1〜37の脂肪族炭化水素基を示す)
Figure 2014221749
(式中、Rは前記式(1)と同様であり、Xはm価の無機アニオンまたはm価の有機アニオンを表し、Yはn価の無機カチオンまたはn価の有機カチオンを表す。mおよびnはそれぞれ独立に1〜4の整数を表す。)
[5] 前記一般式(1)で表わされる化合物が下記一般式(3)で表わされる化合物であり、前記一般式(2)で表わされる化合物が下記一般式(4)で表わされる化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の育毛関連因子活性剤。
Figure 2014221749
(式中、Rは前記式(1)と同様である)
Figure 2014221749
(式中、Rは前記式(1)と同様であり、XおよびYは前記式(2)と同様である)
[6] 前記一般式(3)で表わされる化合物が下記一般式(5)で表わされる化合物であり、前記一般式(4)で表わされる化合物が下記一般式(6)で表わされる化合物である、[5]に記載の育毛関連因子活性剤。
Figure 2014221749
(式中、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す)
Figure 2014221749
(式中、RおよびRは前記式(5)と同様であり、XおよびYは前記式(2)と同様である)
[7] 前記式(5)および式(6)中のRおよびRがそれぞれ独立に、炭素数3〜16の脂肪族炭化水素基であることを特徴とする[6]に記載の育毛関連因子活性剤。
[8] 前記式(5)および式(6)のそれぞれにおいて、RおよびRのいずれか一方がn−ヘキシル基であり、他方がn−オクチル基であることを特徴とする[6]に記載の育毛関連因子活性剤。
[9] 前記式(2)、(4)および(6)中のXが、水酸化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、ハロゲン化物イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、フマル酸イオン、炭素数3〜20の脂肪酸のアニオン、カルニチンおよびその誘導体のアニオン、アスコルビン酸のアニオン、アスコルビルリン酸およびその誘導体のアニオンからなる群より選ばれるアニオンであることを特徴とする、[4]〜[8]のいずれかに記載の育毛関連因子活性剤。
[10] 前記式(2)、(4)および(6)中のYが、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アンモニウムイオン、カルニチンおよびその誘導体のカチオンからなる群より選ばれるカチオンであることを特徴とする、[4]〜[9]のいずれかに記載の育毛関連因子活性剤。
[11] カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される少なくとも一種の含有量が0.2〜500 mMであることを特徴とする、[1]〜[10]のいずれかに記載の育毛関連因子活性剤。
本発明の育毛関連因子活性化剤は、養毛・育毛、髪質改善等の効果が期待できるため、医薬品、医薬部外品、化粧料等に幅広く適用することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の育毛関連因子活性剤は、カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される少なくとも一種を有効成分として含有する。すなわち、本発明の育毛関連因子活性剤は、カルニチン、カルニチン誘導体、カルニチンの塩、およびカルニチン誘導体の塩のうちのいずれか1つを含有してもよく、あるいはこれらのうちの2つ以上を含有していてもよい。また、2種以上のカルニチン誘導体、2種以上のカルニチンの塩、2種以上のカルニチン誘導体の塩を含有してもよい。
<カルニチンおよびその誘導体>
本発明の育毛関連因子活性剤に用いられるカルニチンおよびカルニチンの誘導体は特に限定されず、合成されたものであっても、天然より抽出されたものであってもよい。
カルニチンは下記の構造を有する化合物である。
Figure 2014221749
カルニチンの誘導体としては限定されないが、例えばカルニチンの炭素原子に結合した水素原子がアルキル基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホニル基、アルコキシ基等の置換基で置換されたもの、水酸基の水素原子が脂肪族炭化水素基等で置換されたものなどが挙げられる。中でも、水酸基の水素原子が脂肪族炭化水素基等で置換された誘導体が好ましい。
カルニチンおよびカルニチン誘導体は、好ましくは下記一般式(1)の構造で示される。
Figure 2014221749
式(1)中、Rは炭素数1〜38の脂肪族炭化水素基、水素原子、−CORのいずれかを表す。Rは炭素数1〜37の脂肪族炭化水素基を示す。RおよびRが表す脂肪族炭化水素基およびRは、分岐を有していてもいなくてもよく、飽和でも不飽和でもよい。中でもRは、水素原子または−CORであることが好ましい。
が脂肪族炭化水素基である場合、炭素数は1〜25であることが好ましく、5〜18であることがより好ましい。またRが脂肪族炭化水素基である場合、飽和の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。アルキル基は、分岐と直鎖いずれでも良い。
は炭素数1〜24であることが好ましく、炭素数4〜17であることがより好ましい。Rの示す脂肪族炭化水素基は、Rにおいて説明した脂肪族炭化水素基と同様のものが好ましい。
上記一般式(1)は、さらに好ましくは下記一般式(3)で示される。
Figure 2014221749
式(3)中、Rは式(1)におけるものと同様である。
上記一般式(3)は、さらに好ましくは下記一般式(5)で示される。
Figure 2014221749
(式(5)中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。)
およびRは、分岐を有していてもいなくてもよく、飽和でも不飽和でもよい。前記RおよびRは、いずれか一方が炭素数1〜16 の脂肪族炭化水素基であり、他方が炭素数3〜16の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。さらに、前記RおよびRは、それぞれ独立に炭素数3〜16の脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、それぞれ独立に炭素数4〜12の脂肪族炭化水素基であることがさらに好ましい。さらに、RおよびRはいずれか一方がn-ヘキシル基であり、他方が炭素数n-オクチル基であることがより好ましい。
なお、カルニチン誘導体のカルニチン部位は通常L型である。さらに、一般式(5)で表わされるカルニチン誘導体は、RおよびRを備えたα−分岐型のアシル基を有しているため、RおよびRが相互に異なる場合には分岐点のα炭素原子が不斉炭素原子となり、光学異性体が存在する。本発明のカルニチン誘導体においては、前記α炭素原子に基づく光学異性体については特に限定されず、そのいずれであってもよく、それら光学異性体の混合物であってもよい。
一般式(5)で表わされるカルニチン誘導体は、RおよびRを備えたα−分岐型のアシル基を有しているため、水性媒体存在下においても、分岐鎖によるエステル結合部位への電子供与性の低減効果によりアシル基が加水分解され難く、長期間にわたって安定に存在できるものと考えられる。
およびRは具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s e c−ブチル基、t e r t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、n−へプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、n−オクチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−へプタデシル基、n−オクタデシル基、イソステアリル基などの直鎖または分岐のアルキル基が挙げられる。
またRおよびRとして具体的には、例えば、10−ウンデセニル基、9−ヘキサデセニル基、シス−9−オクタデセニル基、11−オクタデセニル基、シス,シス−9,12−オクタデカジエニル基、9,12,15−オクタデカトリエニル基、6,9,12−オクタデカトリエニル基、9,11,13−オクタデカトリエニル基などの直鎖または分岐のアルケニル基が挙げられる。
これらのうち、好ましいRおよびRの組合せとしては、RとRとが、メチル基とメチル基、メチル基とエチル基、メチル基とn−プロピル基、メチル基とイソプロピル基、メチル基とn−ブチル基、メチル基とn−ペンチル基、メチル基とn−ヘキシル基、メチル基とn−オクチル基、メチル基とn−デシル基、メチル基とn−テトラデシル基、メチル基とn−ヘキサデシル基、エチル基とエチル基、エチル基とn−プロピル基、エチル基とイソプロピル基、エチル基とn−ブチル基、エチル基とイソプロピル基、エチル基とn−ブチル基、エチル基とn−ペンチル基、エチル基とn−ヘキシル基、エチル基とn−オクチル基、エチル基とn−デシル基、エチル基とn−テトラデシル基、エチル基とn−ヘキサデシル基、n−プロピル基とn−プロピル基、n−プロピル基とn−ブチル基、n−プロピル基とn−ペンチル基、n−プロピル基とn−ヘキシル基、n−ブチル基とn−ヘキシル基、n−ブチル基とn−オクチル基、n−ヘキシル基とn−オクチル基である組合せが挙げられる。中でも、n−ヘキシル基とn−オクチル基の組み合わせが最も好ましい。
なお、本発明の育毛関連因子活性剤には、上記RとRとの組合せによって特定されるカルニチン誘導体を1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<カルニチンおよびその誘導体の塩>
本発明の育毛関連因子活性剤は、カルニチンの塩および前記カルニチン誘導体の塩の少なくともいずれか一方を含有することができる。前記塩は、具体的には下記一般式(2)で示される化合物であり、さらに好ましくは一般式(4)で示される化合物であり、さらに好ましくは一般式(6)で示される化合物である。
Figure 2014221749
(式中、Rは前記式(1)と同様であり、Xはm価の無機アニオンまたはm価の有機アニオンを表し、Yはn価の無機カチオンまたはn価の有機カチオンを表す。mおよびnはそれぞれ独立に、1〜4の整数である。)
Figure 2014221749
(式中、Rは前記式(1)と同様であり、XおよびYは前記式(2)と同様である。)
Figure 2014221749
(式中、Rは前記式(5)と同様であり、XおよびYは前記式(2)と同様である)
式(2)、(4)および(6)中、Xはm価の無機アニオンまたはm価の有機アニオンを表し、医学的に許容されるアニオンであることが好ましい。mは1〜4の整数である。例えばmが2の場合においては、ひとつのXイオンと2分子のカルニチンのカチオン部が対をなす形をとる。mが3および4の場合においても同様である。その具体例としては、例えば、水酸化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン及びハロゲン化物等の無機イオン; 蟻酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、フマル酸イオン、分岐を有していてもよい炭素数3〜20の飽和もしくは不飽和脂肪酸のアニオン、カルニチンおよびその誘導体のアニオン、アスコルビン酸のアニオン、アスコルビルリン酸およびその誘導体のアニオン等の有機イオン;が挙げられる。これらの中でも、皮膚外用剤、とくに化粧料としての配合性の点からは、水酸化物イオン、ハロゲン化物イオン、クエン酸イオン、ハロゲン化クエン酸イオン、カルニチンおよびその誘導体のアニオンが好ましく、ハロゲン化物イオンが最も好ましい。
また式(2)、(4)および(6)中、Yはn価の無機カチオンまたはn価の有機カチオンを表し、nは1〜4の整数である。例えばnが2の場合においては、ひとつのYイオンと2分子のカルニチンのアニオン部が対をなす形をとる。nが3および4の場合においても同様である。Yは医学的に許容されるカチオンであることが好ましく、その具体例としては、例えば、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アンモニウムイオン、カルニチンおよびその誘導体のカチオンが挙げられる。これらの中でも、皮膚外用剤、特に化粧料としての配合性の点から水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルニチンおよびその誘導体のカチオンが好ましく、水素イオンが最も好ましい。
本発明の育毛関連因子活性剤には、上記X、Y、R、RおよびRの組合せによって特定されるカルニチンおよびその誘導体の塩を1 種単独で用いてもよく、2 種以上を組み合わせて用いてもよい。またカルニチン塩を含む製剤において、XおよびYはそれぞれ一種単独のイオンでもよいし、複数種のイオンの混合物でもよい。 XとYの価数は必ずしも一致している必要はない。
本発明の育毛関連因子活性剤において、カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される少なくとも一種の含有量は、育毛関連因子活性剤全量中、通常0.2〜500mM、好ましくは1.0〜250mM、より好ましくは2.0〜100mM、さらに好ましくは10〜50mMである。なお、上記含有量は、カルニチンまたはその誘導体を単独で使用する場合にはカルニチンまたはその誘導体の量を、またカルチニンの塩またはカルニチン誘導体の塩を単独で使用する場合にはカルチニンの塩またはカルニチン誘導体の塩の量を、これらを併せて用いる場合には併用されるこれら成分の合計量を意味している。
このような量で、カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される少なくとも一種が育毛関連因子活性剤に含まれていると、育毛関連因子を効果的に活性することができ、この育毛関連因子活性剤を例えば化粧料等の皮膚外用剤に使用した場合には、皮膚外用剤に求められる効能効果を十分に発揮でき好ましい。
本発明の育毛関連因子活性剤には、上記カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩のほか、効果が損なわれない限り、一般に育毛関連因子活性剤に用いられる成分が含有されていてもよい。また、水やアルコール等の溶媒にカルニチンの誘導体およびその塩が分散された状態で用いてもよい。本発明の育毛関連因子活性剤を化粧料等の皮膚外用剤に用いる場合には、一般に化粧料等の皮膚外用剤に用いられる成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。
<処方例>
本発明の育毛関連因子活性剤を用いて化粧料等を調製することができる。例えば、表1に示す成分を基に、化粧料を調製することができる。(表中の値は全量を100%とする質量%である)
例えば、表1に示すA、B、Cの各組成物をそれぞれ85℃に加温し均一に混合し組成物A〜Cを調製する。ついで、組成物Aをホモミキサーにかけながら該組成物Aに組成物B(育毛関連因子活性剤)、組成物Cをこの順序で徐々に添加する。次いで30℃付近まで氷冷しながら攪拌を続けた後、室温まで放冷し、化粧料1〜5を得ることができる。
Figure 2014221749
表中、単位はwt%である。
そのほか、特開2007−119441号公報の実施例に記載の方法などによっても化粧料を調製することができる。
[実施例1] TGF−β産生抑制能評価試験
TGF−β産生量についてELISA法を用いた評価試験にて測定した。
ヒト頭髪毛乳頭細胞(東洋紡社製)を毛乳頭細胞増殖培地で培養した。96ウェルプレートに毛乳頭細胞を5×10個/cmで播種し、37℃、5%CO下で24時間培養した。その後、2−ヘキシルデカン酸L−カルニチン塩酸塩を終濃度10mMになるように添加した。3日間培養後、培養上清を回収し、市販のELISAキット(TGF−b イミュノアッセイキット、R&D systems社製)を用いて解析を行った。回収した上清100mLに対し1N塩酸を20 μL加え、室温で10分静置後、中和液(1.2N 水酸化ナトリウム、0.5M HEPES)を 20 mL添加し混合した。その後、キット添付の希釈液で上清を希釈し、TGF−β抗体を固相したプレートに希釈した上清サンプルと測定標準を50μL添加し、室温で2時間静置した。サンプルを除去したのち、キット添付の洗浄液で4回し、残渣を取りきったところへTGF−βの結合した二次抗体を添加して室温で2時間静置した。再度、洗浄液で洗浄後、基質溶液を加えて遮光下で室温にて30分反応を行い、反応停止液で反応を止めた。吸光高度計で450nmの波長で吸光度を測定した。
また同時に、同条件で培養したヒト頭髪毛乳頭細胞について、MTT法を用いた細胞数を測定した。3日間培養後、そこへナカライ社のセルカウントリエージェントSFを各ウェル10 μLずつ加え、3時間37℃、5%CO下で培養後の450nmのは吸光度を測定し、細胞数の相対値とした。
前述の、ELISAによる測定値を、細胞数の相対値で割った値を、TGF−βの産生量とした。
結果を比較例1の結果との相対値として表2に示す
[比較例1]
2−ヘキシルデカン酸L−カルニチン塩酸塩を添加しなかった他は、実施例1と同様に操作を行いTGF−βの産生量を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2014221749
実施例1および比較例1の結果が示すように、2−ヘキシルデカン酸L−カルニチン塩酸塩を添加した系ではTGF−βの酸性が抑制されている。
[実施例2] ノギン発現促進能評価試験
ヒト頭髪毛乳頭細胞(東洋紡社製)を毛乳頭細胞増殖培地で培養した。96ウェルプレートに毛乳頭細胞を5X10個/cmで播種し、37℃、5%CO下で24時間培養した。その後、2−ヘキシルデカン酸L−カルニチン塩酸塩を終濃度10mMになるように添加した。3日間培養後、総RNAを抽出して得られたRNAからcDNAを合成した。合成したcDNAをテンプレートに定量リアルタイムPCRでノギン遺伝子の発現量を定量した。内部標準遺伝子として化合物添加により発現に変動がみられないハスキーピング遺伝子のGAPDHの発現量を定量し、その値によりノギン発現量を標準化した。結果を比較例2の結果との相対値として表3に示す。
[比較例2]
2−ヘキシルデカン酸L−カルニチン塩酸塩を添加しなかった他は、実施例2と同様にしてノギン発現量を測定した。
Figure 2014221749
その結果、表2に示したように、カルニチン誘導体を添加した系ではノギンの遺伝子発現が亢進された。

Claims (11)

  1. カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される、少なくとも一種を有効成分として含むことを特徴とする、育毛関連因子活性剤。
  2. 前記育毛関連因子活性剤が、TGF−β産生抑制剤である、請求項1に記載の育毛関連因子活性剤。
  3. 前記育毛関連因子活性剤が、ノギン産生促進剤である、請求項1に記載の育毛関連因子活性剤。
  4. 前記カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩が、下記一般式(1)で表わされる化合物および一般式(2)で表わされる化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の育毛関連因子活性剤。
    Figure 2014221749
    (式中、Rは炭素数1〜38の脂肪族炭化水素基、水素原子、−CORのいずれかを表す。Rは炭素数1〜37の脂肪族炭化水素基を示す)
    Figure 2014221749
    (式中、Rは前記式(1)と同様であり、Xはm価の無機アニオンまたはm価の有機アニオンを表し、Yはn価の無機カチオンまたはn価の有機カチオンを表す。mおよびnはそれぞれ独立に1〜4の整数を表す。)
  5. 前記一般式(1)で表わされる化合物が下記一般式(3)で表わされる化合物であり、前記一般式(2)で表わされる化合物が下記一般式(4)で表わされる化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の育毛関連因子活性剤。
    Figure 2014221749
    (式中、Rは前記式(1)と同様である。)
    Figure 2014221749
    (式中、Rは前記式(1)と同様であり、XおよびYは前記式(2)と同様である)
  6. 前記一般式(3)で表わされる化合物が下記一般式(5)で表わされる化合物であり、前記一般式(4)で表わされる化合物が下記一般式(6)で表わされる化合物である、請求項5に記載の育毛関連因子活性剤。
    Figure 2014221749
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す)
    Figure 2014221749
    (式中、RおよびRは前記式(5)と同様であり、XおよびYは前記式(2)と同様である)
  7. 前記式(5)および式(6)中のRおよびRがそれぞれ独立に、炭素数3〜16の脂肪族炭化水素基であることを特徴とする請求項6に記載の育毛関連因子活性剤。
  8. 前記式(5)および式(6)のそれぞれにおいて、RおよびRのいずれか一方がn−ヘキシル基であり、他方がn−オクチル基であることを特徴とする請求項6に記載の育毛関連因子活性剤。
  9. 前記式(2)、(4)および(6)中のXが、水酸化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、ハロゲン化物イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、フマル酸イオン、炭素数3〜20の脂肪酸のアニオン、カルニチンおよびその誘導体のアニオン、アスコルビン酸のアニオン、アスコルビルリン酸およびその誘導体のアニオンからなる群より選ばれるアニオンであることを特徴とする、請求項4〜8のいずれかに記載の育毛関連因子活性剤。
  10. 前記式(2)、(4)および(6)中のYが、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アンモニウムイオン、カルニチンおよびその誘導体のカチオンからなる群より選ばれるカチオンであることを特徴とする、請求項4〜9のいずれかに記載の育毛関連因子活性剤。
  11. カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される少なくとも一種の含有量が0.2〜500 mMであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の育毛関連因子活性剤。
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