JP2014221728A - 糖化反応抑制剤 - Google Patents

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良太 新林
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Abstract

【解決手段】カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される、少なくとも一種を有効成分として含む、糖化反応抑制剤。
【効果】本発明の糖化反応抑制剤は、糖化反応を効果的に抑制することができ、加齢とともに進行する皮膚のシワ、クスミ、弾力性低下等の老化現象の予防、改善が期待できるため、医薬品、医薬部外品、化粧料等の皮膚外用剤等に幅広く適用することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、糖化反応抑制剤に関する。より詳しくは、カルニチン等を含有し、化粧料等の皮膚外用剤に利用できる糖化反応抑制剤に関する。
糖化反応とは、アミノ酸、タンパク質中のアミノ基と、還元糖のアルデヒド基とが非酵素的に反応し、シッフ塩基、アマドリ転位生成物を経て、各種化合物の生成やタンパク質の架橋、変性に至る反応のことである。
食品分野においては、糖化反応は、着色、香気成分の生成等に関わることから、品質管理上、非常に重要な反応となっている(非特許文献1)。
生体においては、加齢とともに進行する皮膚のシワ、クスミ、弾力性低下等の老化現象に糖化反応が関与し、コラーゲンやエラスチンなどの真皮構成タンパク質の架橋、変性の原因となると考えられている(非特許文献2)。
したがって、上述のような各種障害の主要な原因となっている糖化反応を阻害、抑制する化合物の開発は、皮膚科学等の分野において重要な研究課題である。これまで、化粧料では植物抽出物やフラボノイド類をはじめとするいくつかの糖化反応阻害剤が報告されている( 特許文献1、非特許文献3 ) が、必ずしも効果が十分ではなく、新たな阻害剤の開発が望まれている。
特開平11−106336号公報
Maillard,L.C.,Compt.Rend.Soc.Biol.,72,599(1912) Brownlee,M.et al.,science,232,1629(1986) M.Sternberg,Eur.J.Nutr.,46,139(2007)
本発明の目的は、上述のような状況をふまえ、優れた糖化反応阻害剤を提供することにある。
本発明者らは、糖化反応抑制剤に関する研究を重ねた結果、カルニチンおよびカルニチン誘導体等に優れた糖化抑制能があることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下に示す[1]〜[9]の事項を含むものである。
[1]カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される、少なくとも一種を有効成分として含む、糖化反応抑制剤。
[2]前記カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩が、下記一般式(1)で表わされる化合物および一般式(2)で表わされる化合物であることを特徴とする、前記[1]に記載の糖化反応抑制剤。
Figure 2014221728
(式中、R0は炭素数1〜38の脂肪族炭化水素基、水素原子、−COR1のいずれかを表す。R1は炭素数1〜37の脂肪族炭化水素基を示す)
Figure 2014221728
(式中、R0は前記式(1)と同様であり、X-はm価無機アニオンまたは有機アニオンを表し、Y+はn価の無機カチオンまたは有機カチオンを表す。mおよびnはそれぞれ独立に1〜4の整数を表す)
[3]前記一般式(1)で表わされる化合物が下記一般式(3)で表わされる化合物であり、前記一般式(2)で表わされる化合物が下記一般式(4)で表わされる化合物である、前記[2]に記載の糖化反応抑制剤。
Figure 2014221728
(式中、R1は炭素数1〜37の脂肪族炭化水素基を表す)
Figure 2014221728
(式中、R1は前記式(3)と同様であり、X-およびY+は前記式(2)と同様である)
[4]前記一般式(3)で表わされる化合物が下記一般式(5)で表わされる化合物であり、前記一般式(4)で表わされる化合物が下記一般式(6)で表わされる化合物である、前記[3]に記載の糖化反応抑制剤。
Figure 2014221728
(式中、R2およびR3はそれぞれ独立に、炭素数1~18の脂肪族炭化水素基を表す)
Figure 2014221728
(式中、R2およびR3は前記式(5)と同様であり、X-およびY+は前記式(2)と同様である)
[5]前記式(5)および式(6)中のR2およびR3がそれぞれ独立に、炭素数3〜16の脂肪族炭化水素基であることを特徴とする前記[4]に記載の糖化反応抑制剤。
[6]前記式(5)および式(6)のそれぞれにおいて、R2およびR3のいずれか一方がn−ヘキシル基であり、他方がn−オクチル基であることを特徴とする前記[4]に記載の糖化反応抑制剤。
[7]前記式(2)、(4)および(6)中のX-が、水酸化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、ハロゲン化物イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、フマル酸イオン、炭素数3〜20の脂肪酸のアニオン、カルニチンおよびその誘導体のアニオン、アスコルビン酸のアニオン、アスコルビルリン酸およびその誘導体のアニオンからなる群より選ばれるアニオンであることを特徴とする、前記[2]〜[6]のいずれかに記載の糖化反応抑制剤。
[8]前記式(2)、(4)および(6)中のY+が、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アンモニウムイオン、カルニチンおよびその誘導体のカチオンからなる群より選ばれるカチオンであることを特徴とする、前記[2]〜[7]のいずれかに記載の糖化反応抑制剤。
[9]カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される少なくとも一種の含有量が0.2〜500 mMであることを特徴とする、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の糖化反応抑制剤。
本発明の糖化反応抑制剤は、糖化反応を効果的に抑制することができ、加齢とともに進行する皮膚のシワ、クスミ、弾力性低下等の老化現象の予防、改善が期待できるため、医薬品、医薬部外品、化粧料等の皮膚外用剤等に幅広く適用することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の糖化反応抑制剤は、カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される少なくとも一種を有効成分として含有する。すなわち、本発明の糖化反応抑制剤は、カルニチン、カルニチン誘導体、カルニチンの塩、およびカルニチン誘導体の塩のうちのいずれか1つを含有してもよく、あるいはこれらのうちの2つ以上を含有していてもよい。また、2種以上のカルニチン誘導体、2種以上のカルニチンの塩、2種以上のカルニチン誘導体の塩を含有してもよい。
<カルニチンおよびその誘導体>
本発明の糖化反応抑制剤に用いられるカルニチンおよびカルニチンの誘導体は特に限定されず、合成されたものであっても、天然より抽出されたものであってもよい。
カルニチンは下記の構造を有する化合物である。
Figure 2014221728
カルニチンの誘導体としては限定されないが、例えばカルニチンの炭素原子に結合した水素原子がアルキル基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホニル基、アルコキシ基等の置換基で置換されたもの、水酸基の水素原子が脂肪族炭化水素基等で置換されたものなどが挙げられる。中でも、水酸基の水素原子が脂肪族炭化水素基等で置換された誘導体が好ましい。
カルニチンおよびカルニチン誘導体は、好ましくは下記一般式(1)の構造で示される。
Figure 2014221728
式(1)中、R0は炭素数1〜38の脂肪族炭化水素基、水素原子、−COR1のいずれかを表す。R1は炭素数1〜37の脂肪族炭化水素基を示す。R0が表す脂肪族炭化水素基およびR1は、分岐を有していてもいなくてもよく、飽和でも不飽和でもよい。中でもR0は、水素または−COR1であることが好ましい。
0が脂肪族炭化水素基である場合、炭素数は1〜25であることが好ましく、5〜18であることがより好ましい。またR0は脂肪族炭化水素基である場合、飽和の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。アルキル基は、分岐と直鎖いずれでも良い。
1は炭素数1〜24であることが好ましく、炭素数4〜17であることがより好ましい。R1が脂肪族炭化水素基である場合については、R0において説明した脂肪族炭化水素基と特徴は同様である。
上記一般式(1)は、さらに好ましくは下記一般式(3)で示される。
Figure 2014221728
式(3)中、R1は式(1)におけるものと同様である。
上記一般式(3)は、さらに好ましくは下記一般式(5)で示される。
Figure 2014221728
式(5)中、R2およびR3はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。R2およびR3は、分岐を有していてもいなくてもよく、飽和でも不飽和でもよい。前記R2およびR3は、いずれか一方が炭素数1〜16 の脂肪族炭化水素基であり、他方が炭素数3〜16の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。さらに、前記R2およびR3は、それぞれ独立に炭素数3〜16の脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、それぞれ独立に炭素数4〜12の脂肪族炭化水素基であることがさらに好ましい。さらに、R2およびR3はいずれか一方が炭素数6の直鎖アルキル基であり、他方が炭素数8の直鎖アルキル基であることがより好ましい。
なお、カルニチン誘導体のカルニチン部位は通常L型である。さらに、一般式(5)で表わされるカルニチン誘導体は、R2およびR3を備えたα−分岐型のアシル基を有しているため、R2およびR3が相互に異なる場合には分岐点のα炭素原子が不斉炭素原子となり、光学異性体が存在する。本発明のカルニチン誘導体においては、前記α炭素原子に基づく光学異性体については特に限定されず、そのいずれであってもよく、それら光学異性体の混合物であってもよい。
一般式(5)で表わされるカルニチン誘導体は、R2およびR3を備えたα−分岐型のアシル基を有しているため、水性媒体存在下においても、分岐鎖によるエステル結合部位への電子供与性の低減効果によりアシル基が加水分解され難く、長期間にわたって安定に存在できるものと考えられる。
2およびR3は具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s e c−ブチル基、t e r t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、n−へプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、n−オクチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−へプタデシル基、n−オクタデシル基、イソステアリル基などの直鎖または分岐のアルキル基が挙げられる。
またR2およびR3として具体的には、例えば、10−ウンデセニル基、9−ヘキサデセニル基、シス− 9−オクタデセニル基、11−オクタデセニル基、シス,シス−9 ,12−オクタデカジエニル基、9,12 ,15−オクタデカトリエニル基、6 ,9 ,12−オクタデカトリエニル基、9 ,11 ,13−オクタデカトリエニル基などの直鎖または分岐のアルケニル基が挙げられる。
これらのうち、好ましいR2およびR3の組合せとしては、R2とR3とが、メチル基とメ
チル基、メチル基とエチル基、メチル基とn−プロピル基、メチル基とイソプロピル基、
メチル基とn−ブチル基、メチル基とn−ペンチル基、メチル基とn−ヘキシル基、メチ
ル基とn−オクチル基、メチル基とn−デシル基、メチル基とn−テトラデシル基、メチ
ル基とn−ヘキサデシル基、エチル基とエチル基、エチル基とn−プロピル基、エチル基
とイソプロピル基、エチル基とn−ブチル基、エチル基とイソプロピル基、エチル基とn
− ブチル基、エチル基とn−ペンチル基、エチル基とn−ヘキシル基、エチル基とn−オクチル基、エチル基とn−デシル基、エチル基とn−テトラデシル基、エチル基とn−ヘキサデシル基、n−プロピル基とn−プロピル基、n−プロピル基とn−ブチル基、n−プロピル基とn−ペンチル基、n−プロピル基とn−ヘキシル基、n−ブチル基とn−ヘキシル基、n−ブチル基とn−オクチル基、n−ヘキシル基とn−オクチル基である組合せが挙げられる。中でも、n−ヘキシル基とn−オクチル基の組み合わせが最も好ましい。
なお、本発明の糖化反応抑制剤には、上記R2とR3との組合せによって特定されるカルニチン誘導体を1 種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<カルニチンおよびその誘導体の塩>
本発明の糖化反応抑制剤は、カルニチンの塩および前記カルニチン誘導体の塩の少なくともいずれか一方を含有することができる。前記塩は、具体的には下記式(2)で示される化合物であり、さらに好ましくは式(4)で示される化合物であり、さらに好ましくは式(6)で示される化合物である。
Figure 2014221728
(式中、R0は前記式(1)と同様であり、X-はm価の無機アニオンまたは有機アニオンを表し、Y+はm価の無機カチオンまたは有機カチオンを表す。mおよびnはそれぞれ独立に、1〜4の整数である)
Figure 2014221728
(式中、R1は前記式(3)と同様であり、X-およびY+は前記式(2)と同様である)
Figure 2014221728
(式中、R1は前記式(5)と同様であり、X-およびY+は前記式(2)と同様である)
式(2)、(4)および(6)中、X-はm価の無機アニオンまたは有機アニオンを表し、医学的に許容されるアニオンであることが好ましい。mは1〜4の整数である。例えばmが2の場合においては、ひとつのX-イオンと2分子のカルニチンのカチオン部が対をなす形をとる。mが3および4の場合においても同様である。その具体例としては、例えば、水酸化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン及びハロゲン化物等の無機イオン; 蟻酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、フマル酸イオン、分岐を有していてもよい炭素数3〜20の飽和もしくは不飽和脂肪酸のアニオン、カルニチンおよびその誘導体のアニオン、アスコルビン酸のアニオン、アスコルビルリン酸およびその誘導体のアニオン等の有機イオン;が挙げられる。これらの中でも、皮膚外用剤、とくに化粧料としての配合性の点からは、水酸化物イオン、ハロゲン化物イオン、クエン酸イオン、ハロゲン化クエン酸イオン、カルニチンおよびその誘導体のアニオンが好ましく、ハロゲン化物イオンが最も好ましい。
また式(2)、(4)および(6)中、Y+はn価の無機カチオンまたは有機カチオンを表し、nは1〜4の整数である。例えばnが2の場合においては、ひとつのY+イオンと2分子のカルニチンのアニオン部が対をなす形をとる。nが3および4の場合においても同様である。Y+は医学的に許容されるカチオンであることが好ましく、その具体例としては、例えば、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アンモニウムイオン、カルニチンおよびその誘導体のカチオンが挙げられる。これらの中でも、皮膚外用剤、特に化粧料としての配合性の点から水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルニチンおよびその誘導体のカチオンが好ましく、水素イオンが最も好ましい。
本発明の糖化反応抑制剤には、上記X-、Y+、R1およびR2との組合せによって特定されるカルニチンおよびその誘導体の塩を1 種単独で用いてもよく、2 種以上を組み合わせて用いてもよい。またカルニチン塩を含む製剤において、X-およびY+はそれぞれ一種単独のイオンでもよいし、複数種のイオンの混合物でもよい。X-とY+の価数は必ずしも一致している必要はない。
本発明の糖化反応抑制剤において、カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される少なくとも一種の含有量は、糖化反応抑制剤全量中、通常0.2〜500 mM、好ましくは1.0〜250mM、より好ましくは2.0〜100 mM、さらに好ましくは10〜50mMである。なお、上記含有量は、カルニチンまたはその誘導体を単独で使用する場合にはカルニチンまたはその誘導体の量を、またカルチニンの塩またはカルニチン誘導体の塩を単独で使用する場合にはカルチニンの塩またはカルニチン誘導体の塩の量を、これらを併せて用いる場合には併用されるこれら成分の合計量を意味している。
このような量で、カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される少なくとも一種が糖化反応抑制剤に含まれていると、糖化反応を効果的に抑制することができ、この糖化反応抑制剤を例えば化粧料等の皮膚外用剤に使用した場合には、皮膚外用剤に求められる効能効果を十分に発揮でき好ましい。
本発明の糖化反応抑制剤には、上記カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩のほか、糖化反応抑制効果が損なわれない限り、一般に糖化反応抑制剤に用いられる成分が含有されていてもよい。また、水やアルコール等の溶媒にカルニチンの誘導体およびその塩が分散された状態で用いてもよい。本発明の糖化反応抑制剤を化粧料等の皮膚外用剤に用いる場合には、一般に化粧料等の皮膚外用剤に用いられる成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。
<処方例>
本発明の糖化反応抑制剤を用いて化粧料等を調製することができる。例えば、表1に示す成分を基に、化粧料を調製することができる。(表中の値は全量を100%とする質量%である)
例えば、表1に示すA、B、Cの各組成物をそれぞれ85℃に加温し均一に混合し組成物A〜Cを調製する。ついで、組成物Aをホモミキサーに掛けながら該組成物Aに組成物B(糖化反応抑制剤)、組成物Cをこの順序で徐々に添加する。次いで30℃付近まで氷冷しながら攪拌を続けた後、室温まで放冷し、化粧料1〜5を得ることができる。
Figure 2014221728
表中、単位はwt%である。
そのほか、特開2007−119441号公報の実施例に記載の方法などによっても化粧料を調製することができる。
[実施例1]
ヘキシルデカン酸L−カルニチンを11 mMの濃度にて超純水に溶解し、孔径0.20μmのPTFEフィルター(miliore社製)で濾過して、糖化反応抑制剤(以下、試験試料ともいう)を調製した。
この試験試料の糖化反応抑制効果を確認する試験を行った。試験にはcollagen anti-glykation assay kit veR. 2: GlyceRaldehyde,Code No. AK71を用いた。以下、具体的な試験方法を記す。
氷冷したコラーゲン酸性溶液と中和液を混和しコラーゲン溶液を得て、このコラーゲン溶液を1wellあたり50μLずつ96 well black plateに分注した。これを湿潤条件下、37℃インキュベーターで一晩静置し、コラーゲンゲルを得た。
上記試験試料を、well中のコラーゲンゲル上に40μL重層した。一方で、ヘキシルデカン酸L−カルニチンを溶解していない超純水を、別の96 well black plateのwellに同じように重層し、これをコントロールとした。
全てのwellに500mMグリセルアルデヒド溶液を10μL添加し、プレートミキサーで撹拌した。
各wellに対し、グリセルアルデヒド溶液添加後5分以内にプレートリーダー(infinite M200、TECAN)で励起波長370nm、蛍光波長440nmでの蛍光強度を測定し、この測定値を反応0時間の蛍光強度Aとした。
湿潤条件下、37℃インキュベーターで24時間静置した後、各wellに対しプレートリーダー(infinite M200、TECAN)で励起波長370nm、蛍光強度440nmでの蛍光強度を測定した。この測定値を蛍光強度Bとした。
得られた測定結果から下記(1)式により糖化反応阻害率を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2014221728
但し、式(1)中、糖化度α、糖化度β、糖化度は以下のとおりである。
糖化度α: 試験試料を添加したwellにおいて得られた糖化度の平均値
糖化度β: 試験試料を添加しなかったwell(コントロール)において得られた糖化度の平均値
糖化度 : 蛍光強度B−蛍光強度A
[実施例2〜3]
ヘキシルデカン酸L−カルニチンの濃度を表2に示すとおりに変えたこと以外は実施例1と同様にして糖化反応抑制剤(試験試料)を調製し、実施例1と同様に糖化反応阻害率を測定した。結果を表2に示す。
[比較例1〜5]
L−ヘキシルデカン酸カルニチンの替わりに表2に示した化合物を試料として使用し、表1に示す濃度としたこと以外は実施例1と同様にして試験試料を調製し、実施例1と同様に糖化反応阻害率を測定した。結果を表2に示す。
[比較例6]
L−ヘキシルデカン酸カルニチンを含む試験試料の替わりに超純水を試験試料として用い、実施例1と同様に糖化反応阻害率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2014221728
HLC:ヘキシルデカン酸L-カルニチン (昭和電工株式会社製)
アミノグアニジン:和光純薬工業株式会社製
ケルセチン:和光純薬工業株式会社製
ルチン:和光純薬工業株式会社製

Claims (9)

  1. カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される、少なくとも一種を有効成分として含む、糖化反応抑制剤。
  2. 前記カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩が、下記一般式(1)で表わされる化合物および一般式(2)で表わされる化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の糖化反応抑制剤。
    Figure 2014221728
    (式中、R0は炭素数1〜38の脂肪族炭化水素基、水素原子、−COR1のいずれかを表す。R1は炭素数1〜37の脂肪族炭化水素基を示す)
    Figure 2014221728
    (式中、R0は前記式(1)と同様であり、X-はm価無機アニオンまたは有機アニオンを表し、Y+はn価の無機カチオンまたは有機カチオンを表す。mおよびnはそれぞれ独立に1〜4の整数を表す)
  3. 前記一般式(1)で表わされる化合物が下記一般式(3)で表わされる化合物であり、前記一般式(2)で表わされる化合物が下記一般式(4)で表わされる化合物である、請求項2に記載の糖化反応抑制剤。
    Figure 2014221728
    (式中、R1は炭素数1〜37の脂肪族炭化水素基を表す)
    Figure 2014221728
    (式中、R1は前記式(3)と同様であり、X-およびY+は前記式(2)と同様である)
  4. 前記一般式(3)で表わされる化合物が下記一般式(5)で表わされる化合物であり、前記一般式(4)で表わされる化合物が下記一般式(6)で表わされる化合物である、請求項3に記載の糖化反応抑制剤。
    Figure 2014221728
    (式中、R2およびR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す)
    Figure 2014221728
    (式中、R2およびR3は前記式(5)と同様であり、X-およびY+は前記式(2)と同様である)
  5. 前記式(5)および式(6)中のR2およびR3がそれぞれ独立に、炭素数3〜16の脂肪族炭化水素基であることを特徴とする請求項4に記載の糖化反応抑制剤。
  6. 前記式(5)および式(6)のそれぞれにおいて、R2およびR3のいずれか一方がn−ヘキシル基であり、他方がn−オクチル基であることを特徴とする請求項4に記載の糖化反応抑制剤。
  7. 前記式(2)、(4)および(6)中のX-が、水酸化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、ハロゲン化物イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、フマル酸イオン、炭素数3〜20の脂肪酸のアニオン、カルニチンおよびその誘導体のアニオン、アスコルビン酸のアニオン、アスコルビルリン酸およびその誘導体のアニオンからなる群より選ばれるアニオンであることを特徴とする、請求項2〜6のいずれかに記載の糖化反応抑制剤。
  8. 前記式(2)、(4)および(6)中のY+が、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アンモニウムイオン、カルニチンおよびその誘導体のカチオンからなる群より選ばれるカチオンであることを特徴とする、請求項2〜7のいずれかに記載の糖化反応抑制剤。
  9. カルニチンおよびその塩ならびにカルニチンの誘導体およびその塩の中から選択される少なくとも一種の含有量が0.2〜500 mMであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の糖化反応抑制剤。
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