JP2014221487A - 熱間仕上圧延における先端反り防止方法および装置 - Google Patents

熱間仕上圧延における先端反り防止方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱延鋼板を製造する熱間圧延プロセスにおいて、仕上圧延における先端反りの発生を効率的に防止して、安定的な制御圧延を可能とする、熱間仕上圧延における先端反り防止方法および装置を提供する。【解決手段】最終粗圧延機9と仕上圧延機群4の間のローラテーブル7上でオシレーション中のシートバー1の先端部付近の上方に、シートバー1の先端部上面側の輻射による温度低下を抑制するための保熱カバー2を設置する。【選択図】図1

Description

本発明は、熱延鋼板を製造する熱間圧延プロセスにおいて、仕上圧延における先端反りの発生を防止することにより、安定的な制御圧延を可能とする先端反り防止方法および装置に関するものである。
近年、主として大陸パイプラインでの原油や天然ガス等の資源の輸送効率化を目的に、API規格X70〜100グレードの大径厚肉高強度パイプ材の需要が高まっている。
これらの資源を効率的に輸送するため、パイプ内部には高い内圧がかけられており、かつ寒冷地での使用や地震による地殻変動なども考慮し、高靭性、高強度特性がパイプ材にとって非常に重要となっている。
これらのパイプラインにて使用される高強度パイプは、肉厚が15〜25mm程度、外径は20インチ程度以上と大径であり、従来は、長手方向に縦長形状である厚鋼板の短辺側を円形に成形した後、突合せ部を長手方向に溶接してパイプとするUOE鋼管が多用されている。通常、厚鋼板は熱間スラブを1基または2基の圧延機を有する厚板ミルでの多パス圧延にて略矩形形状に製造されるものであり、その製品長は最大でも30m程度である。
これに対し、近年、厚板ミルで圧延した厚鋼板からのUOE鋼管に代えて、例えば図2に示すような、通常の薄板圧延用熱間圧延ラインにて、所定寸法の熱延鋼板を圧延し、コイル状に巻き取って熱延鋼板コイルとした後、その熱延鋼板コイルを巻きほどいて所定の長さに切断した後に電縫管に成形することや、熱延鋼板コイルを巻きほどいて長手方向にらせん状に成形すると同時に板幅端部の突合せ部を溶接しながらパイプ(スパイラル鋼管)に製造することの需要が高まっている。
なお、図2において、9は最終粗圧延機、1はシートバー、6はテーブルロール、7はローラテーブル、3は温度計、8はクロップシャー、5は仕上圧延機、5aは第1番目の仕上圧延機、4は仕上圧延機群である。
このような熱延鋼板コイルは、最大45トン程度までの製造が可能であり、例えば20mm厚み、板幅1900mm程度であれば、熱延鋼板の長さは151m程度となり、直径28インチのスパイラル鋼管に成形したときのパイプ長は約128mとなる。このように、パイプ成形前の母材を熱延鋼板コイルとすることにより、厚鋼板から製造する場合に比べ、連続して長いパイプの製造が可能となることから生産性の向上も期待できる。
このようなパイプの素材として供する熱延鋼板に求められる特性の一つに靭性があり、その靭性を高める手段として、結晶粒を細粒化させることが有効である。このため、パイプ素材として供する熱延鋼板の製造では、一般的に制御圧延(Controled Rolling;以下CRと記す。)が実施されている。CRの原理は次の通りである。粗圧延後のシートバーの温度をオーステナイト相低温側の未再結晶域に調整して仕上圧延を実施すると、仕上圧延中に転位密度が大幅に上昇し、その状態で圧延材に冷却を施すことにより微細なフェライト変態組織が得られる。
制御圧延では、仕上圧延を開始する温度と仕上圧延での圧下率が重要なパラメータとなる。通常、仕上圧延を開始する温度の調整は、図2において、粗圧延後のシートバー1を粗圧延機(最終粗圧延機9)と仕上圧延機(第1番目の仕上圧延機5a)の間にあるローラテーブル7上で待機させることによって行なわれている。
ただし、この際に、大気中に暴露されているシートバー1上面側と、ローラテーブル7に面している下面側とでは、冷却速度に相異が生じ、シートバー1の板厚方向に温度分布が生じる。すなわち、ローラテーブル7に面しているシートバー1下面側では、シートバー1からの輻射熱によりローラテーブル7の温度が上昇して雰囲気温度が高くなることから、シートバー1下面側の温度低下速度が緩和されシートバー1の温度は下面側が高くなる。
このような板厚方向の温度分布は圧延材の変形抵抗の分布に大きく影響し、板厚方向に変形抵抗が非対称の圧延となることから、仕上圧延にて圧延材の先端反りが発生し、仕上圧延設備の破損やコイラーへの先端巻き付き性が悪化するという問題を有していた。
従来、厚板圧延を含む熱間圧延での圧延材の先端反りを防止する技術として、上記した圧延材の非対称温度分布を改善する技術(例えば、特許文献1、特許文献2)や、圧延機出側に設置したガイドにて圧延材の先端反りを機械的に押え込む技術(例えば、特許文献3)等が開示されている。
すなわち、特許文献1に開示されている技術は、圧延機出側に設置した温度計にて圧延材の上下面の温度を測定し、測定した圧延材の上下面温度差と変態挙動を考慮して圧延にて先端反りが発生しないように、上面または下面の水冷を実施する、あるいは、上下ロール回転数差を制御するものである。
また、特許文献2に開示されている技術は、加熱炉内の加熱帯及び均熱帯のスラブ上面側と下面側の設定温度やスラブの炉内滞留時間等の条件と、仕上圧延での反り発生挙動についての相関を調べて関数化しておき、仕上圧延時に圧延材先端の上反りが発生しないように、加熱炉内の加熱帯及び均熱帯のそれぞれにおける上下部温度を設定するものである。
また、特許文献3に開示されている技術は、圧延機の出側直近の上部にガイドを設置し、圧延材先端部の反りを機械的に押さえ込むものであり、適切な位置に適切な剛性を有するガイドを配置することが可能であれば、圧延中の塑性変形を利用することにより、小さな荷重にて先端反りの修正が可能である。
特開平5−237530号公報 特開平8−243615号公報 特開昭62−104606号公報
しかし、前記した熱間圧延での先端反り防止技術(特許文献1〜3)は、各々以下のような問題点を有していた。
まず、特許文献1に開示されている技術の実施のためには、圧延材の上下面温度を定常的に精度良く測定することが必須であるが、通常、熱間鋼板のオンライン温度測定には放射温度計が使用されており、特に下面温度を測定する温度計は酸化スケールの落下により受光面が汚れ、測温精度を維持することは非常に困難である。また、圧延材の上面または下面を冷却するための特別な水冷設備が必要になるなど、設備コスト上の問題も有している。
また、特許文献2に開示されている技術では、加熱炉内の温度分布を変更するには、熱慣性により長時間を要するため、パイプ素材の圧延前後にて温度調整のための時間が必要であり、生産性の低下を招いていた。
通常、熱間圧延では数十本のスラブを1サイクルとしてまとめたサイクル単位での操業が行なわれている。1サイクルにて圧延するスラブ数が多いほど無駄時間が少なくなり、生産性の高い操業となるが、特許文献2に開示されている技術では、制御圧延に特化した特別な加熱炉温度設定にて操業を行なうことから、パイプ素材のみで1つのサイクルを編成する必要があるため、パイプ材の注文数がまとまった本数となるまで製造タイミングを遅らせる(納期の遅延)、あるいは圧延本数の少ない小サイクルにて圧延しなければならないといった問題を有している。
また、特許文献3に開示されている技術では、圧延機の出側直近にはロール冷却水の水切りを行うストリッパーガイドの他、様々な付帯設備があることから、圧延機の出側直近へのガイドの設置は困難であり、かつ非常に高価な設備となる。
本発明は、上述した従来技術の問題点を克服すべく鋭意検討を重ねてなされたものであり、熱延鋼板を製造する熱間圧延プロセスにおいて、仕上圧延における先端反りの発生を効率的に防止して、安定的な制御圧延を可能とする、熱間仕上圧延における先端反り防止方法および装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有している。
[1]熱延鋼板を製造する熱間圧延プロセスにおいて、粗圧延後にシートバーの待機冷却を実施して仕上圧延開始温度を調整する制御圧延を行うに際して、仕上圧延での先端反りを防止するための、熱間仕上圧延における先端反り防止方法であって、
粗圧延後のシートバーの温度が所定の温度まで低下するまでの間、粗圧延機と仕上圧延機の間のテーブル上にて、シートバーの圧延方向先端部上面側のみを保熱することを特徴とする、熱間仕上圧延における先端反り防止方法。
[2]シートバーの圧延方向先端部上面側のみを保熱する領域は、シートバー最先端を起点にして、シートバー最先端から500mm以上1000mm以下の位置を終点とする領域であることを特徴とする前記[1]に記載の熱間仕上圧延における先端反り防止方法。
[3]前記[1]または[2]に記載の熱間仕上圧延における先端反り防止方法を行うための、熱間仕上圧延における先端反り防止装置であって、
粗圧延機と仕上圧延機の間のテーブルの上方に、シートバーの圧延方向先端部上面側のみを保熱する保熱カバーを備えていることを特徴とする、熱間仕上圧延における先端反り防止装置。
本発明を用いることで、熱延鋼板を製造する熱間圧延プロセスにおいて、仕上圧延における先端反りの発生を効率的に防止して、安定的な制御圧延を行うことができる。
本発明の一実施形態を示す図である。 通常の薄板圧延用熱間圧延ラインを示す図である。 通常の薄板圧延用熱間圧延ラインにおけるシートバー放冷中の上下面温度低下量の推移を示す図である。 圧延機出側での圧延材先端部の上反り形状を示す図である。 圧延機出側での圧延材先端部の上反り形状を示す別の図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
通常、ラインパイプ素材の熱間圧延では、粗圧延工程での圧延負荷を抑制する観点の他、材料強度を上昇させるために添加しているニオブ等の合金元素を固溶させる観点から、加熱炉内にてスラブ温度が1200℃以上の高温になるまで加熱が行なわれている。高温に加熱されたスラブは加熱炉から抽出された後、サイジングプレスやエッジャーによる幅圧下と粗圧延機による水平圧下が繰り返され、所定厚み、所定幅のシートバーに成形される。この際、シートバーの断面平均温度は1000〜1100℃程度まで低下している。
制御圧延(Controled Rolling;CR)では、所望の靱性・強度の特性を得るため、オーステナイト域の未変態温度領域にて所定量以上の仕上圧下率を確保する必要があり、この際の仕上圧下率をCR率と呼ぶ。例えば、仕上板厚を20mmとし、所望の特性を得るために必要なCR率を50%とすると、シートバー厚みは40mm以上としなければならない。近年、需要の高いエネルギー資源輸送用のラインパイプの肉厚は最大25mm程度であり、この場合、CR率50%ではシートバー厚みは50mm以上、CR率60%では62.5mm以上となる。
このように、シートバーは粗圧延工程において、仕上圧延で必要なCR率によって決定される厚みまで成形されるが、制御圧延ではオーステナイト域の未変態温度領域にて圧延を行う必要があることから、シートバーの断面平均温度が900℃近辺まで低下するまでの間は、粗圧延工程(粗圧延機による圧延)と仕上圧延工程(仕上圧延機による圧延)の間に設置されたローラテーブル上にて放冷処理が実施されている。
その際、シートバーの厚みが厚いことから、放冷によるシートバーの冷却速度は遅く、仕上圧延開始までに数分間を要する。この場合に、シートバーをローラテーブル上に静止させて待機させると、シートバー下面のテーブルロールと接触している箇所が局所的に温度低下し、製品として所望の特性を満たせなくなる。これを防止するため、テーブルロールを低速にて回転させ、圧延方向に対して順方向、逆方向に反転を繰り返すことにより、シートバーを前後に動かし(以下オシレーションという)ながら放冷処理を実施している。
しかし、この際に、シートバーの上面側は大気中に暴露されていることから熱伝達と輻射により温度が低下していくが、シートバーの下面側は、高温のシートバーからの熱伝達と輻射によってテーブルロールと雰囲気温度が上昇していくことから、シートバー下面側の温度低下速度は上面側に比べて遅くなることが不可避である。
図3は、図2に示した熱間圧延ラインにおいて、ローラテーブル7上に設置した温度計3によって、最終粗圧延を終了してローラテーブル7上でオシレーション中のシートバー1の上下面の温度推移を調べた結果である。図3に示すように、シートバー1の下面側温度にくらべて上面側の温度低下速度が速く、最終粗圧延終了から300sec程度後には約30℃の温度差が生じている。
このように、パイプ素材の制御圧延では、シートバー下面側温度が上面側温度にくらべて高くなる結果、仕上圧延にてシートバー先端部が上反り形状となりやすくなる。これは、空冷中に生じたシートバー板厚方向の温度分布に対応して変形抵抗分布が生じるためであり、シートバー下面側の硬さが上面側にくらべて軟らかくなるためである。
このような状況では、図4に示したごとく、水平圧延(例えば、第1番目の仕上圧延機5aでの圧延)にて圧延材10の先端部が上反り形状となる。これは、水平圧延では原理的に上下ロールに加わる荷重は等しくなるため、上面側に比べて硬さの低い下面側の圧下量と伸びが増大する結果、上反り形状になるものである。
また、仕上圧延機群4内にて圧延材10先端の上反り形状が形成された場合、次スタンド圧延での外乱となり、圧延材10先端部が圧延ロールバイトに侵入する角度によっては、上反り形状のみならず下反り形状が発生することもある。
つまり、一旦、仕上圧延機群4内にて圧延材10先端部に反りが生じてしまった場合、圧延材10先端部の安定通板を確保することが困難となるため、第1番目の仕上圧延機5aから圧延材先端反りの発生を抑制しておくことが非常に重要となる。
そこで、本発明者らは、制御圧延を行うに際して、第1番目の仕上圧延機から圧延材先端反りの発生を抑制することを課題として鋭意検討を重ねた結果、粗圧延後のシートバーの温度が所定の温度まで低下するまでの間、粗圧延機と仕上圧延機の間のテーブル上にて、シートバー先端部の上面側のみを保熱することを想到した。
図1は、本発明の一実施形態における熱間圧延ラインを示す図である。基本的な構成は、前述した図2と同様であり、図1において、9は最終粗圧延機、1はシートバー、6はテーブルロール、7はローラテーブル、3は温度計、8はクロップシャー、5は仕上圧延機、5aは第1番目の仕上圧延機、4は仕上圧延機群である。
図1では、加熱炉(図示せず)にて所定の温度に加熱されたスラブ(図示せず)を、最終粗圧延機9等の粗圧延機にて複数回の圧延を実施してシートバー1に成形した後、シートバー1の断面平均温度が所定の温度になるまでの間、最終粗圧延機9と仕上圧延機群4の間のローラテーブル7上にてオシレーションしながら待機している状態を示している。
その上で、この実施形態においては、最終粗圧延機9と仕上圧延機群4の間のローラテーブル7上でオシレーション中のシートバー1の先端部付近の上方に、シートバー1の先端部上面側の輻射による温度低下を抑制するための保熱カバー2を設置している。
通常、熱間圧延ラインで用いられる保熱カバーは金属の反射板からなり、仕上圧延中のシートバーの後半部分の温度低下を抑止することを目的にして、シートバー全長を覆う範囲に配置されている。一般に、保熱カバーはシートバー長手方向に複数のユニットにより構成され、リトラクタブル方式にて開閉できる機構となっており、個々の圧延材の製造条件に応じて使用の有無が判断されている。
しかしながら、この実施形態が対象としている制御圧延では、シートバーの温度を積極的に下げる必要があることから、従来は、保熱カバーは使用しない条件で製造されている。
これに対して、この実施形態では、シートバー先端部の上下面の冷却速度差を低減する手段として、シートバー先端の上面側のみを保熱カバー2にて保熱することにより、シートバー先端部上下面での冷却速度差を大幅に低減し、これにより仕上圧延時に発生する圧延材先端部の上反りがほぼ解消するようにしている。
なお、この実施形態では、図1に示したように、新たにシートバー先端部のみを保熱するための保熱カバー2を設置し、その位置にてシートバー1のオシレーションを実施することを想定した配置としているが、従来の保熱目的に対応した複数のユニットで構成された保熱カバーを有する熱間圧延ラインでは、仕上圧延機群に最も近い保熱カバーユニットのみを使用し、その位置に合わせてシートバーのオシレーションを実施すればよい。
そして、保熱カバー2あるいは保熱カバーユニットの設定高さは、シートバー先端部の上下面の温度低下速度がほぼ等しくなる高さ位置に設定することが望ましく、実操業での調整により決定すればよい。
次に、シートバー先端部上面の保熱領域の長さについて説明する。
図5は、図4で示した水平圧延にて圧延材10先端部が上反り形状となった状態より、更に水平圧延を進めた状態を示しているが、両状態において圧延材10先端部の上反り高さはほぼ同じである。これは、水平圧延のロールバイト出側での圧延材の自重によって曲げモーメントが生じ、この曲げモーメントがロールバイト内の応力状態に作用することにより、水平圧延での上反り状態を抑制する作用が生じるためである。
本発明者らは、制御圧延実施時に第1番目の仕上圧延機5a出側での圧延材10先端部の反り形状をビデオ撮影により鋭意検討した結果、圧延材10先端部の上反り部の長さはほぼ500mm程度であまりバラツキがないことを知見した。上反り部の長さのバラツキが小さいことは、前述した自重による作用の結果であると推定される。
このことから、保熱カバー2によるシートバー1先端部上面の保熱領域の圧延方向の長さは500mm程度以上であることが望ましい。一方、保熱領域はそれ以外の領域にくらべて断面平均温度が高くなるため、製品にて所望の材質を確保できずに歩留まり低下を招く危険性が生ずるため、極力短くすることが好ましい。
このため、この実施形態においては、テーブルロール6の回転によるシートバー1のオシレーション精度も考慮して、シートバー1先端部上面の保熱領域をシートバー1最先端から500mm以上1000mm以下としている。すなわち、起点をシートバー1最先端とし、終点をシートバー1最先端から後方に500mm以上1000mm以下の位置とする領域が、シートバー1先端部上面の保熱領域となるように、保熱カバー2を設置している。
なお、上記において、シートバー1最先端とは、シートバー1の先端非定常部をクロップシャーにより切断した後に、シートバー1の最先端になる個所(すなわち、第1番目の仕上圧延機5aに噛みこむ際のシートバー1の最先端)を意味している。
これによって、保熱領域が製品にて所望の材質を確保できずに歩留まり低下を招く危険性を最小限とした安定した制御圧延が可能となる。
本発明の実施例について述べる。
この実施例において対象とした材料は、API規格X80グレードであり、厚み250mm、幅1850mm、長さ9090mmの寸法のスラブ(重量33トン)を熱間圧延ラインの加熱炉にて1250℃に加熱した後、9パスの粗圧延を経て板厚60mmのシートバーに成形した。この際、最終粗圧延直後のシートバーの断面平均温度は、最終粗圧延機出側に設置した温度計の測定結果から換算した結果、約1070℃程度であった。
そして、このシートバーを粗圧延機と仕上圧延機の間のローラテーブル上にて待機・放冷させた際に、シートバー長手方向中央位置での断面平均温度が所望の温度(900℃)となるまでの時間は、計算結果より、4分40秒であった。この時間でのシートバーの放冷の後、クロップシャーにより先端非定常部を切断し、仕上圧延機群にて厚み25.4mmまでの圧下を実施した。なお、この実施例に使用した仕上圧延機群は7基の水平圧延機より構成されており、この実施例ではそのうちの5基の圧延機を使用して60mmから25.4mmまでの圧下を行ない、ランナウトテーブル上での所定の冷却を経て、コイラーに巻き取った。
この際、上記の本発明の一実施形態(図1)に基づいて、シートバー先端部上面のみの保熱を行ってシートバーの待機冷却を実施した場合を本発明例とし、比較のために、図2に示したように、シートバーの保熱を実施しないでシートバーの待機冷却を実施した場合を従来例とした。
そして、それぞれについて、仕上圧延機群内での圧延材先端部の反り状況を観察した。なお、圧延材先端部の反り状況の観察は、圧延機間に設置して撮影したビデオ映像により確認した。
その結果、本発明例では、仕上圧延機群内にて圧延材先端部の反りはほとんど生じておらず、非常に安定した圧延が可能で、かつコイラーでの巻き姿も優れていた。そして、製品から圧延方向先端部、中央部、尾端部付近から特性評価のためのサンプルを採取して評価した結果、いずれも所定の強度と靱性が得られていた。
これに対し、従来例では、第1番目の仕上圧延機出側にて高さ250mm程度の上反り形状となり、その後、各仕上圧延機出側で上下反りが反転し、仕上圧延機群出側では200mm程度の上反り形状となった。この結果、コイラーでの巻き姿は内径側で折れ曲った大きな捩れ(キンク;kink)不良となった。
これによって、本発明の有効性が確認された。
1 シートバー
2 保熱カバー
3 温度計
4 仕上圧延機群
5 仕上圧延機
5a 第1番目の仕上圧延機
6 テーブルロール
7 ローラテーブル
8 クロップシャー
9 最終粗圧延機
10 圧延材

Claims (3)

  1. 熱延鋼板を製造する熱間圧延プロセスにおいて、粗圧延後にシートバーの待機冷却を実施して仕上圧延開始温度を調整する制御圧延を行うに際して、仕上圧延での先端反りを防止するための、熱間仕上圧延における先端反り防止方法であって、
    粗圧延後のシートバーの温度が所定の温度まで低下するまでの間、粗圧延機と仕上圧延機の間のテーブル上にて、シートバーの圧延方向先端部上面側のみを保熱することを特徴とする、熱間仕上圧延における先端反り防止方法。
  2. シートバーの圧延方向先端部上面側のみを保熱する領域は、シートバー最先端を起点にして、シートバー最先端から500mm以上1000mm以下の位置を終点とする領域であることを特徴とする請求項1に記載の熱間仕上圧延における先端反り防止方法。
  3. 請求項1または2に記載の熱間仕上圧延における先端反り防止方法を行うための、熱間仕上圧延における先端反り防止装置であって、
    粗圧延機と仕上圧延機の間のテーブルの上方に、シートバーの圧延方向先端部上面側のみを保熱する保熱カバーを備えていることを特徴とする、熱間仕上圧延における先端反り防止装置。
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