JP2014220420A - 層間熱接続部材および層間熱接続方法 - Google Patents

層間熱接続部材および層間熱接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の高分子/無機フィラー複合体を用いた層間熱接続部材の問題点を解決し、高性能で高耐熱性のグラファイト製層間熱接続部材を提供する。【解決手段】フィルム内で炭素原子がグラファイト結晶を形成しており、前記グラファイト結晶のa−b面とフィルム面が成す角度が45?〜90?であることを特徴とするグラファイトフィルムを有する層間熱接続部材。【選択図】図8

Description

本発明は発熱源の熱を速やかに冷却・放熱部材に伝達するための層間熱接続部材および層間熱接続方法に関する。
近年、マイクロプロセッサの高速化やLEDチップの高性能化に伴う発熱量の上昇により、携帯電話、パソコン、PDA、ゲーム機などの電子機器やLED照明などにおける熱の問題は、エレクトロニクス分野で解決するべき大きな課題となっている。
放熱・冷却には熱伝導、熱放射、熱の対流を利用する方法があり、熱の対流を利用する冷却方式としてはヒートシンクや空冷フィンが、熱放射を利用するものとしてはセラミック板などが、熱伝導を利用するものとしては各種の熱伝導(拡散)シート、熱伝導性樹脂などがある。発熱源の熱を効果的に放熱・冷却するには、発熱部の熱を回路基板や冷却フィン、ヒートシンク、熱拡散シート、あるいはセラミックなどの放熱・冷却の役割をもつ部材に効率よく伝達する必要があり、そのためには層間の熱抵抗の低減が重要となる。
図1に示すように、固体同士(金属同士や金属とセラミックなど)の部材を単に接続しても、その表面の凹凸のために基本的に点接触となり、さらに層間には熱伝導性の低い空気層(熱伝導率:0.02W/mK)が存在するために熱抵抗が大きくなる。層間熱接続部材(Thermal Interface Material:以下TIMと略す)はこの様な層間の熱抵抗を下げるために用いられ、上記部材間に挟持して使用される。この場合、TIM自体が高熱伝導性であることと、界面(部材とTIMとの間)での熱抵抗が小さいことが重要な要件となる。界面での熱抵抗を小さくするためには、界面の接触面積を増大させる(すなわち面接触とする)ことが必要で、通常TIMには柔軟性が求められる。
従来、TIMとしては、界面を面接触とするための柔軟性高分子材料と、高熱伝導性にするための高熱伝導性無機フィラーを複合したものが用いられて来た(以下、高分子/無機フィラー複合体と略す)。図2にその層間の接続状態を示す。高分子/無機フィラー複合体によって界面は面接触となり、また層間から空気層が除かれるため、結果的に層間の熱抵抗が低減できる。しかしながら、高熱伝導性とするために高熱伝導性無機フィラーの添加量を増加させると柔軟性が損なわれ、界面の熱抵抗が増加するという問題がある。そのため、高分子/無機フィラー複合体の通常品で1〜2W/mK、高熱伝導品でも5W/mK程度の熱伝導率のものしか商品化されていないのが現状である。また、高分子/無機フィラー複合体の厚さは0.5〜5mm程度である。
固体のTIMは、界面を完全な面接触とすることは難しいため、界面の熱抵抗の大きさが問題となる。従って、TIMの実用的特性は、TIM自体の熱伝導率ではなく、層間の熱抵抗特性で評価する必要がある。熱抵抗値(単位K・cm/W)は、層間に1W/cmの熱流速がある場合に、層間にどれだけの温度差が生じるかを意味する。層間の熱抵抗値は、TIM自体の熱抵抗と界面での熱抵抗の和であり、高分子/無機フィラー複合体の場合、その値は0.4〜3.0K・cm/W程度であることが多い。なお、この熱抵抗値は特性測定時に印加する圧力の値によっても変わるので、その熱抵抗値を表示するには測定時の圧力の値を併記する必要がある。
また、高分子/無機フィラー複合体の場合に、柔軟にするためのマトリックス樹脂である高分子材料はアクリル樹脂、あるいはシリコーン樹脂など数種類の高分子に限られ、汎用品であるアクリル樹脂の場合には耐熱性に課題があり、シリコーン樹脂の場合には耐熱特性はやや改善されるものの、高温加熱によって発生するシリコーンモノマーが電子機器回路の接点不良を起こすという問題があった。
一方、TIM用途ではないが、熱拡散フィルムとしてのグラファイトフィルムが知られている。グラファイトはその優れた耐熱性、耐薬品性、高熱伝導性、高電気伝導性のため、構造材、補強材、摺動材、導電材などとして、エネルギー、宇宙、医療など幅広い分野で利用され、工業材料として重要な位置をしめている。
グラファイト結晶の基本的な構造は、六角網目状に結ばれた炭素原子のつくる基底面が規則正しく積み重なった層状構造(積み重なった方向をc軸方向と言い、六角網目状に結ばれた炭素原子のつくる基底面の広がる方向をa−b面方向と言う)である。基底面内の炭素原子は共有結合で強く結ばれ、一方積み重なった基底面の面間結合は弱いVan der Walls力によっており、面間隔は3.354A゜である。
グラファイトにおける電気伝導度や熱伝導率はこの様な異方性を反映してa−b面方向に大きく、この方向の電気伝導度や熱伝導率はグラファイトの品質を判定する良い指標となる。従来知られた、最高品質のグラファイトにおけるa−b面方向の熱伝導率は1800W/mKであり、c軸方向の熱伝導率は5W/mKである(非特許文献1、2)。
フィルム状の高品質・高熱伝導性グラファイトを得る方法として、特殊な高分子を直接熱処理、炭素化・グラファイト化する方法(以下、高分子焼成法と略す)が開発されている。使用される高分子としては、ポリオキサジアゾール、ポリイミド類、ポリフェニレンビニレン、などがある(非特許文献3、4)。また、特許文献1、2および非特許文献5には、ポリイミド、ポリアミドやポリベンズイミダゾールのフィルムを1000〜2500℃で炭素化する方法で作製したフィルムが開示されている。これらの方法で作製されたフィルムは、図3に示すように、グラファイト結晶のc軸がフィルム面に対して垂直になるように配向(a−b面がフィルム面に平行になるように配向)したフィルムである。
この様な方法で得られる高熱伝導性グラファイトフィルムは熱拡散シートとして広く使用されている(例えば、特許文献3〜5)。熱拡散シートは、CPUやLEDなどの発熱源の熱を広範囲に広げることによる冷却、放熱効率の向上を目的に使用されるものである。グラファイトシートがこの様な目的に用いられるのは、先に記載した様にそのa−b面方向の熱伝導率が非常に大きく、携帯電話などの小型電子機器において熱問題が発生した場合の熱拡散材料として最適であるためである。これらのグラファイト製の熱拡散シートにおいては、通常、接着性の付与、機械的強度の改良、あるいは絶縁性付与のために各種の高分子フィルムや金属との複合化が行われることも多い(特許文献6〜8)。
しかしながら、この様なグラファイトの熱伝導(拡散)シートとしての応用は、TIM用途とは全く異なるものであり、現在のところ、グラファイト製のTIMは実用化されていない。その理由は、グラファイトフィルムの厚さ方向の熱伝導は、グラファイト結晶のc軸がフィルム面に対して垂直になるように配向しているため、せいぜい5W/mK程度であり、また、グラファイトは固体であるために界面は完全な面接触とはならず界面での熱抵抗が大きくなるためである。
その対策として、グラファイトのフィルム面と直角方向に高熱伝導性のグラファイト結晶のa−b面を配向させ、そのようにしたグラファイトをTIMとして使用することが考えられる。この様な配向が実現できれば、原理的にはグラファイト結晶のa−b面方向の高熱伝導性(1800W/mK)を層間熱接続に用いることが可能となる(特許文献9〜11)。しかしながら、この方法は、積層状や円筒状にしたグラファイトブロックを機械的に切断することによって、グラファイト結晶のc軸がフィルム面に平行(a−b面がフィルム面に垂直)になるように加工したものであり、大面積化や、1mm以下の薄さにすることも不可能であり、事実上ブロック状あるいは板状とは言えてもフィルムとは言えないものが得られる。従って、とうてい実用的な方法であるとは言えない。
また、グラファイトフィルムと界面の熱抵抗を低下させる方法として、グラファイトフィルム内に空気層を挿入する(すなわち密度を小さくする)ことで柔軟性を向上させたグラファイトを圧縮して使用し、界面の接続を面接続に近づけ、界面の熱抵抗を下げる方法が報告されている(特許文献12)。しかしながら、その様な処理を施したグラファイトフィルムを用いても完全な面接続は実現できず、さらにグラファイトフィルム内に挿入された空気層により、グラファイトフィルム自体の熱抵抗が高くなるという問題がある。
特開2007−177024号公報 特開2008−24571号公報 特開2003−158393号公報 特開2005−314168号公報 特開2006−044999号公報 特開2008−171030号公報 特開2010−001191号公報 特開2011−023670号公報 特開2009−295921号公報 特開2010−189244号公報 特開2011−23670号公報 特開2007−217206号公報
L. Spain, A. R. Ubbelohde、and D. A. Young. "Electronic properties of oriented graphite" PHILOSOPHICAL TRANSACTIONS OF THE ROYALSOCIETY T. C. Chieu, M. S. Dresselhaus and M. Endo,Phys. Rev. B26, 5867(1982) M. Murakami, N. Nishiki,K. Nakamura, J.Ehara, H. Okada, T. Kouzaki,K. Watanabe,T. Hoshi, and S. Yoshimura, Carbon, vol.30, 2, 255(1992) M.Inagaki, T.Takechi, Y.Hishiyama, and A. Oberin, Chem. Phys. Carbon, 26, 245(1999) TANSO, No.245, p196-199 (2010)
本発明は、従来の高分子/無機フィラー複合体の問題点を解決し、高性能で高耐熱性のグラファイト製TIMを提供することを目的としている。
本発明者らは鋭意検討の結果、グラファイト結晶のa−b面がフィルム面に垂直に配向したグラファイトフィルムが、従来の高分子/無機フィラー複合体をはるかに凌駕する層間熱接続特性を有すること、また、この層間熱接続部材を高分子焼成法によって作製することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、フィルム内で炭素原子がグラファイト結晶を形成しており、該グラファイト結晶のa−b面とフィルム面が成す角度が45°〜90°であることを特徴とするグラファイトフィルムを有する層間熱接続部材に関する。
グラファイトフィルムが、フィルム面に垂直な方向の熱伝導率がフィルム面に平行な方向の熱伝導率よりも大きいことが好ましい。
グラファイトフィルムが、厚さ10μm以下であることが好ましい。
グラファイトフィルムが、厚さ5μm以下の高分子フィルムの熱処理によって作製されたものであることが好ましい。
上記高分子フィルムが縮合系芳香族高分子を含むものであることが好ましい。
上記熱処理が不活性ガス雰囲気中または真空中で行われ、且つその処理温度が800℃〜3200℃であることが好ましい。
上記縮合系芳香族高分子が、ポリアミド、ポリアゾメチン、ポリイミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリキナゾリンジオン、ポリベンゾオキサジノン、ポリキナゾロン、ベンズイミダゾベンゾフェナントロリンラダーポリマー、およびこれらの誘導体から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
上記高分子フィルムが、縮合系芳香族高分子の溶液を基板上に塗布後、縮合系芳香族高分子を貧溶媒に接触させることにより得られた凝固物を乾燥することにより形成されたものであることが好ましい。
層間熱接続部材が、常温以上で流動性を有する流動性物質を含むことが好ましい。
上記流動性物質をグラファイトフィルムの重量に対して1〜200重量%含むことが好ましい。
上記流動性物質は、沸点が200℃以上のオイルであることが好ましい。
本発明はまた、縮合系芳香族高分子の溶液を基板上に塗布する工程、
前記縮合系芳香族高分子を貧溶媒に接触させる工程、
生成した凝固物を乾燥して高分子フィルムを形成する工程、および、
前記高分子フィルムを熱処理してグラファイトフィルムを形成する工程
を含む層間熱接続部材の製造方法に関する。
本発明はまた、本発明の層間熱接続部材を、熱接続する部材間に設置する工程を含む層間熱接続方法に関する。
本発明によれば、グラファイト結晶のa−b面の高熱伝導特性を層間熱接続に利用し、しかも柔軟性に非常に優れた、高性能層間熱接続部材を得ることが出来る。さらに、耐久性・耐熱性に優れる層間熱接続部材を実現することができる。
TIMを用いない場合の層間の概念図である。 高分子/無機フィラー複合体を用いた場合の層間接続状態の概念図である。図中の黒丸(●)は高熱伝導性無機フィラーである。 従来技術によるグラファイトフィルムの模式図である。 本発明における「フィルム」の定義を示した図である。 本発明の層間熱接続部材が有するグラファイトフィルムの模式図である。 本発明のグラファイトフィルムTIMを用いた層間接続状態の概念図である。 実施例1の層間熱接続部材が有するグラファイトフィルムの走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例1の層間熱接続部材が有するグラファイトフィルムの透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
本発明の層間熱接続部材は、フィルム内で炭素原子がグラファイト結晶を形成しており、該グラファイト結晶のa−b面とフィルム面が成す角度が45°〜90°であることを特徴とするグラファイトフィルムを有する。
このグラファイト結晶の配向は、従来のグラファイト結晶のa−b面がグラファイトフィルム面に平行となっている配向とは全く異なるものである。
先に述べた様に、従来の高分子焼成法によって得られるグラファイトフィルムは、グラファイト結晶のa−b面がフィルム面に対して平行(図3)またはランダムに配向しており、フィルム面に対して平行に配向させることは不可能であった。
高分子の熱分解によって生じる炭素六角網面は、高温の熱処理過程において互いに積層され、炭素六角網面積層体を形成する。この炭素六角網面積層体は積層間隔を縮めると同時に、隣り合う網面が互いに面方向にずれることによって、三次元規則性をもったグラファイト結晶へと成長する。炭素六角網面積層体がグラファイト結晶へ成長するとき、炭素六角網面積層体は面方向に伸長し、積層方向に収縮する。グラファイトフィルム内部におけるこのような変形は、グラファイトフィルムの外周によって拘束されるため、炭素六角網面積層体には面方向に2軸の圧縮応力が、積層方向に1軸の引張応力がそれぞれ生じる。炭素六角網面積層体の弾性率は積層方向に比べて面方向の値が圧倒的に大きいため、圧縮応力は引張応力に比べて圧倒的に大きな値となるが、そのため炭素六角網面が積層してグラファイト結晶へ成長するとき、この圧縮応力が小さくなる方向に炭素六角網面は配向すると考えられる。
例えば高分子溶液を基板上に平面状に展開し、溶媒を蒸発・除去して作製した高分子フィルムのように、フィルム中において平面状の高分子鎖がフィルム面と平行に配向している場合には、熱分解によって生じる炭素六角網面もフィルム面に対して平行に配向する。フィルム面に対して平行に配向している炭素六角網面を回転し、フィルム面に対して垂直にするには大きな内部応力の発生をともなうため、通常はこのようなことは生じない。したがって、このフィルムをさらに高温で熱処理しグラファイト結晶を成長させたときも、グラファイトフィルム中の炭素六角網面はフィルム面に対して平行のままであり、グラファイト結晶のc軸はフィルム面に対して垂直になるように配向する。すなわち、平均的なa−b面とフィルム面の成す角度は0°となる。
また、グラファイト結晶のc軸がフィルム面に対してランダムに配向している場合は、グラファイト結晶のa−b面とフィルム面のなす角度は平均して45°未満となり、45°以上となることはない。これは、グラファイト結晶のa−b面は全体としてはフィルム面に平行に配向する性質があるため、ランダム配向とは言っても完全にランダムではなく、その平均的なa−b面とフィルム面の成す角度は0°より大きく45°未満の範囲になり、45°以上となることは無いからである。
本明細書では、温度差が生じうる部材と部材の間を層間と定義する。
また、一方の部材から他の部材への熱伝達を行うための部材を層間熱接続部材(TIM)と定義する。
TIMと部材との接続界面を界面と定義する。
また、単体で平板状の形状であって、長さをl、幅をw、厚さをtとした時、l/t≧1000、およびw/t≧1000であり、かつt≦250μmのものをフィルムと定義する。図4に本明細書におけるフィルムの定義を示す。2辺の長さがlおよびwである2つの面をフィルム面と定義する。また、2辺の長さがtおよびlである2つの面、ならびに、tおよびwである2つの面をエッジ面と定義する。
また、透過型電子顕微鏡(TEM)測定において観察されるグラファイト結晶のa−b面とフィルム面が成す角度が平均して45°〜90°の範囲内である状態を、グラファイト結晶のa−b面とフィルム面が成す角度が45°〜90°であると定義する。
なお、グラファイト結晶のa−b面とフィルム面が成す角度は、たとえば透過型電子顕微鏡(TEM)や、X線回折などの方法によって、測定することができる。
(グラファイトフィルム)
グラファイトフィルム内において、グラファイト結晶のa−b面とフィルム面が成す角度は、45°〜90°であり、50°〜90°であることが好ましく、60°〜90°であることがより好ましい。
図6は本発明のグラファイトフィルムTIMを用いた層間接続状態の概念図である。グラファイトフィルム中の縦方向の線はグラファイト結晶のa−b面を示している。
グラファイトフィルムの厚さは250μm以下であり、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることが最も好ましい。また、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、50nm以上であることが最も好ましい。厚さが250μmを超えると、グラファイト結晶のa−b面がフィルム面に対して垂直になりにくいという問題がある。また、10nm未満であると、フィルム自体の熱抵抗は小さくなるが自立膜としての取り扱いが極めて困難となる場合がある。
グラファイトフィルムの面積は、0.25cm以上であることが好ましく、1cm以上であることがより好ましい。また、40000cm以下であることが好ましく、10000cm以下であることがより好ましい。0.25cm未満であると、小さすぎて使用範囲が限定されるおそれがあり、40000cmより大きいと、均一な厚みの黒鉛フィルムを製造するのが困難になるおそれがある。
また、グラファイト結晶のa−b面がフィルム面に垂直に配向している場合には、フィルム面に垂直な方向の熱伝導率はフィルム面方向の熱伝導率よりも大きくなる。実際に本発明によれば、例えばそのフィルム面に垂直方向の熱伝導率が50W/mK以上の高熱伝度率であって、フィルム面方向の熱伝導率よりも大きいグラファイトフィルムを作製することが出来る。ちなみに、このフィルム面に垂直な方向の熱伝導率は、グラファイト結晶のc軸方向、すなわちフィルム面方向の熱伝導率(5W/mK)の10倍である。
従って、フィルム面に垂直な方向の熱伝導率の方がフィルム面方向の熱伝導率よりも大きい場合には、グラファイト結晶のa−b面がフィルム面に垂直に配向したグラファイトフィルムである、と考えることができる。
ランダム配向のグラファイトフィルムでは、フィルム面に垂直な方向での50W/mK以上の熱伝導率を達成することが難しいばかりでなく、先に述べたように、グラファイト結晶のa−b面は全体としてはフィルム面に平行に配向する性質があるため、フィルム面に垂直な方向の熱伝導率がフィルム面方向の熱伝導率以上にはならないことは言うまでもない。
グラファイトフィルムのフィルム面に垂直な方向の熱伝導率が50W/mK以上であり、フィルム面に平行な方向の熱伝導率の10倍以上であることが好ましい。フィルム面に垂直な方向の熱伝導率が100W/mK以上であり、フィルム面に平行な方向の熱伝導率の20倍以上であることはより好ましい。
前記の熱伝導率とその異方性の条件は、本発明のグラファイトフィルムがTIMとして好ましい柔軟性と圧縮性を兼ね備えるための条件である。フィルム面に垂直な方向の熱伝導率が50W/mK以上であるグラファイトフィルムは、グラファイト結晶が十分に成長し、基本的に柔らかくフィルム厚さ方向に圧縮可能であり、高性能TIMを実現することが出来る。フィルム面に垂直な方向の熱伝導率がフィルム面に平行な方向の熱伝導率の10倍未満であって、フィルム面に垂直な方向の熱伝導率が50W/mK以下である場合、グラファイト結晶の成長が不十分であり、フィルム自体が硬くもろいものとなる傾向がある。
本発明によれば、原理的にグラファイト単結晶のa−b面方向の熱伝導率がフィルム面に垂直な方向の熱伝導率となり、1800W/mKの高い熱伝導率が実現できると期待される。現実的には1800W/mKの熱伝導率を実現するのは極めて難しいが、先に述べた様に、50W/mK以上の高い熱伝導率を実現することができる。この値は最高品質の高分子/無機フィラー複合体の10倍以上の極めて優れた値である。
(グラファイトフィルムの製造方法)
グラファイトフィルムの製造方法は特に限定されず、例えば、高分子フィルムを熱処理する方法によって得ることができる。高分子フィルムとしては、炭素含有率が高く、グラファイトのa−b面と類似の炭素環状構造を有するという観点から、縮合系芳香族高分子を含むものであることが好ましい。中でも、ポリアミド、ポリアゾメチン、ポリオキサジアゾール、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリキナゾリンジオン、ポリベンゾオキサジノン、ポリキナゾロン、ポリキノキサリン、ベンズイミダゾベンゾフェナントロリンラダーポリマー、およびこれらの誘導体から選択される少なくとも一種であることが好ましい。これらの中でも、ベンズイミダゾベンゾフェナントロリンラダーポリマーおよびその誘導体は、炭素含有率が高く、高収率でグラファイトフィルムが得られることから、特に好ましい。
また、グラファイト結晶のa−b面とフィルム面との成す角度が45°〜90°となるように配向させるために、高分子フィルムの厚みが5μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることがさらにより好ましく、1μm以下であることが最も好ましい。
高分子フィルム中において平面状の高分子鎖がランダムに配向している場合には、熱分解によって生じる炭素六角網面の配向もランダムとなる。このフィルムをさらに高温で熱処理しグラファイト結晶を成長させたとき、グラファイト結晶のa−b面がフィルム面に平行に配向する傾向があるため、この場合でも完全にランダムな配向とはならないことは前述の通りである。
しかしながら、本発明者らは、平面状の高分子鎖がランダムに配向している高分子フィルムにおいて、とりわけフィルムの厚みが5μm以下の場合に、高温で加熱処理しグラファイト結晶を成長させると、グラファイト結晶のa−b面がフィルム面に垂直に配向することを見出した。これは、フィルム面の面積に対しフィルム厚みが十分に小さくなると、フィルムの厚み方向の変形を拘束する力がフィルム面方向の変形を拘束する力に比べて小さくなるためと考えられる。発生する内部応力を低減するように変形していると考えることもできる。この結果、図5に示す様にグラファイト結晶のa−b面がフィルム面に垂直に配向することができると考えられる。
厚さが5μm以下の高分子フィルムを用いて、本発明のグラファイトフィルムを作製する場合、得られるフィルムの厚さは10μm以下となることが多い。すなわち得られるグラファイトフィルムの厚さは出発高分子フィルムの厚さの2倍以内となる傾向がある。その厚さは出発高分子フィルムの種類や製膜時のグラファイト結晶の配向の乱れ方によって異なる。得られるグラファイトフィルムの面積は出発高分子フィルムの面積に比べて小さくなることが多い。なお、出発高分子フィルムの厚さよりも得られるグラファイトフィルムの厚さが薄くなることもある。
高分子フィルムは、縮合系芳香族高分子の溶液を基板上に塗布後、縮合系芳香族高分子を貧溶媒に接触させることにより得られた凝固物を乾燥することにより形成されたものであることが好ましい。縮合系芳香族高分子溶液を塗布する基板は、縮合系芳香族高分子溶液と化学反応しないものであれば特に限定されるものではなく、PET基板、PBT基板、ガラス基板、石英基板、SiC基板、Si基板、サファイア基板、ガラス状炭素基板、ダイヤモンド基板など公知の基板を用いることができる。その中でも、PET基板、およびガラス基板は、高分子フィルムを容易に剥離し得ることから好ましい。
縮合系芳香族高分子を溶解する溶媒としては特に限定されず、例えばメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、N,N−ジメチルホルムアミド等を使用することができる。
縮合系芳香族高分子溶液を塗布する方法は特に限定されず、バーコート法、ドクターブレード法、スピンコート法、印刷法、インクジェット法、スプレーコート法、ディプコート法など公知の方法を用いることができる。また、蒸着重合法を用いて縮合系芳香族高分子膜を基板上に作成してもよい。
高分子フィルムの分子配向はランダムであることが好ましい。分子配向を乱す手法として、基板上に塗布した縮合系芳香族高分子を貧溶媒に接触させることが好ましい。貧溶媒の種類は特に限定されず、用いる高分子に応じて、蒸留水、メタノール、エタノール、アセトン、THF、およびこれらの混合溶媒などから適宜選択すればよい。接触させる方法は特に限定されず、浸漬、塗布、噴霧、滴下、ディップ等を挙げることができる。
縮合系芳香族高分子を貧溶媒に接触させて基板上に膜状に凝固させた後、凝固物を乾燥して高分子フィルムを形成する。高分子フィルムを乾燥する方法は、高分子フィルムを化学的・物理的に変化させない方法であれば特に限定されるものではなく、公知の乾燥方法を用いることができる。その中でも、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥が特に好ましい。
その後、高分子フィルムを基板から剥離することが好ましい。剥離する方法は特に限定されず、基板を薬品や溶媒によって除去してもよい。また、例えば、水や有機溶媒に可溶な高分子の溶液を基板上の縮合系芳香族高分子上に塗布・乾燥して積層膜を形成した後に該積層膜を基板から剥離し、しかる後に水や有機溶媒に可溶な高分子を溶媒により除去する方法も挙げることができる。水や有機溶媒に可溶な高分子としては特に制限はないが、例えば、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチルなどの高分子を好ましく用いることが出来る。有機溶媒は、高分子を溶解し、縮合系芳香族高分子フィルムを溶解しない有機溶媒であれば特に限定されるものではない。
一例として、前記水や有機溶媒に可溶な高分子としてポリメタクリル酸メチルを用いた場合について詳しくのべる。ポリメタクリル酸メチルを溶媒に溶解してなる溶液を、縮合系芳香族高分子フィルムの上に塗布後、乾燥して縮合系芳香族高分子とポリメタクリル酸メチルの積層膜を基板上に形成する。前記積層膜を基板から剥離した後、ポリメタクリル酸メチルを有機溶媒により溶解除去後、乾燥し、縮合系芳香族高分子フィルムを作製する。有機溶媒は特に限定されないが、アセトン、テトラヒドロフラン、または、N,N−ジメチルホルムアミドを用いることが好ましい。
縮合系芳香族高分子フィルムを熱処理する方法としては、管状電気炉、タンマン炉、マッフル炉、誘導加熱炉などを使用する公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではない。また、高分子フィルムを窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下、あるいは真空下で熱処理することが好ましいが、その方法については特に限定されるものではない。
高分子フィルムを熱処理する温度は、グラファイト結晶が生成し得る温度であれば特に限定されるのではないが、800℃以上3200℃以下であることが好ましく、1500℃以上が特に好ましい。800℃未満であるとグラファイト結晶が成長しにくい場合がある。また、3200℃より高いと、グラファイト結晶の成長には好ましいが、熱処理に使用される炉のヒーターの消耗が激しくなるために、経済的な観点から好ましくない。
縮合系芳香族高分子フィルムを板にはさんで熱処理することが好ましい。この熱処理に用いられる板としては、縮合系芳香族高分子フィルムと化学反応せず、不活性ガス雰囲気中での熱処理に耐え得るものであれば、その材質は特に限定されるものではなく、公知の材質のものを採用することができる。中でも、1500℃以上3200℃以下の温度に耐える基板として、グラッシーカーボン板やグラファイト板が好ましい。
(流動性物質)
層間熱接続部材は、さらに、常温以上で流動性を有する流動性物質を含むことが好ましい。グラファイトフィルムの表面をオイルなどの流動性物質でぬらすことにより、界面の熱抵抗を下げることができ、層間の熱抵抗を小さくし、すぐれた層間熱接続を実現することができる。
流動性物質の含有量が、グラファイトフィルムの重量に対して1〜200重量%であることが好ましく、2〜100重量%であることがより好ましく、5〜50重量%であることが最も好ましい。1重量%未満であると添加する効果がほとんど得られない傾向がある。200重量%を超えると、流動性物質の熱抵抗のために、複合体の熱接続抵抗が大きくなる傾向がある。ここで、「流動性」とは、液状であり室温で容易に流れる状態、あるいは、ペースト状で粘性が高く容易には流れないが、圧力をかけることにより変形したり広がったりすることが可能な状態を意味する。
流動性物質としては特に制限はないが、油状物質(オイル)や流動性高分子を挙げることができる。油状物質としては、鉱油、植物性油、合成油、精油、食用油、動物性油、およびこれらの混合物が好ましい。また、流動性高分子としては、シリコーン樹脂が好ましい。中でも、TIMの特徴の一つである高耐熱性、高耐久性を失わないためには、蒸気圧の低い物質であることが望ましい。油状物質としては、沸点が200℃以上であることが好ましく、300℃以上であることがより好ましい。シリコーン樹脂としては、20℃〜100℃の間で流動性を有するものが好ましい。
(層間熱接続部材)
本発明の層間熱接続部材は、グラファイトフィルムのみから構成されていてもよく、また、上記の流動性物質や、金属薄膜、無機薄膜、複数のグラファイトフィルム等をさらに含むものであってもよい。
本発明に係る層間熱接続部材の製造方法は、縮合系芳香族高分子の溶液を基板上に塗布する工程、前記縮合系芳香族高分子を貧溶媒に接触させる工程、生成した凝固物を乾燥して高分子フィルムを形成する工程、および、前記高分子フィルムを熱処理してグラファイトフィルムを形成する工程を含む。
各工程の具体例は前述のとおりである。
(層間熱接続方法)
本発明の層間熱接続方法は、上記層間熱接続部材を、熱接続する部材間に設置する工程を含む。層間に狭持させることにより、熱発生源あるいは熱発生源と熱的に接続された部材から、それ以下の温度である第二の部材へ熱を伝える層間熱接続を行うことができる。それぞれの部材とグラファイトフィルムとは直接接触している。優れた耐熱性と優れた熱接続を実現するため、各種の接着層を用いないでグラファイトフィルムのみで層間を接続することが好ましい。接着層を介さずに層間熱接続を実現する方法として、単に機械的な圧力で固定することでも良い。機械的に、ビスやネジ、あるいはバネ等を用いてかしめることは直接熱接続のため有効であり好ましい。
グラファイトフィルムを狭持する層としては特に制限はないが、アルミニウム(熱伝導率:237W/mK)、銅(熱伝導率:398W/mK)、銀(熱伝導率:428W/mK)、ニッケル(熱伝導率:90W/mK)などの熱伝導性に優れた金属材料、シリカ(熱伝導率:1.5W/mK)、アルミナ(熱伝導率:20W/mK)、酸化マグネシュウム(MgO)(熱伝導率:40W/mK)、窒化ホウ素(BN)(熱伝導率:60W/mK)、窒化アルミ(AlN)(熱伝導率:70〜270W/mK)、炭化ケイ素(SiC)(熱伝導率:88〜128W/mK(結晶系により異なる))などのセラミック材料、各種高分子材料、またはこれらを組合せた部材を使用することができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に何ら制約されるものではない。
グラファイトフィルムの物性値は以下に示す方法で測定した。
<熱伝導率>
グラファイトフィルムの熱拡散率は、光交流法による熱拡散率測定装置(アルバック理工(株)製「LaserPit」)を用いて、23℃で真空下、10Hzにおいて測定した。測定された熱拡散率と、グラファイトフィルムの密度および比熱の値を用いて熱伝導率を算出した。
<層間熱抵抗>
グラファイトフィルムを10mm×10mmのサイズに切断し、同じく縦横10mm×10mm、厚さ1.8mmの形状をしたセラミック製のモデルヒーター(発熱体としてのCPUを模擬)と銅ブロック(縦横15cm×15cm、厚さ10cm、ヒートシンクを模擬)の間に挟み、圧力1.0kgf/cm〜4.5kgf/cmを印加した。次にモデルヒーターに2.0Wの電力を供給し、5分後のモデルヒーターの温度と銅ブロックの温度を、それぞれに埋め込まれた熱電対を用いて測定した。モデルヒーター・銅ブロックの層間の熱抵抗値R(K・cm/W)は、モデルヒーターの温度をT、銅ブロックの温度をTとして、以下の式で計算した。
R=(T−T)/2
[実施例1]
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸(1mol)と1,2,4,5−ベンゼンテトラアミン四塩酸塩(1mol)とをポリリン酸中において重縮合することによって、ベンズイミダゾベンゾフェナントロリンラダーポリマー(以下、BBLポリマーと略する)を合成した。BBLポリマー0.25gをメタンスルホン酸(和光純薬工業、製造元コードNo.138−01576)25mlに溶解し、塗工液Aを調製した。同様に、ポリメタクリル酸メチル(以下、PMMAと略する)(アルドリッチ、製造元コードNo.19−3760)1.25gを酢酸エチル(和光純薬工業、製造元コードNo.051−00356)25mlに溶解し、塗工液Bを調製した。
塗工液Aをガラス基板上にスピンコートし、基板ごと蒸留水中に浸漬してBBLポリマーをガラス基板上に膜状に凝固させ、一晩減圧乾燥することによって、ガラス基板状にBBLポリマー膜を形成した。ガラス基板上に形成されたBBLポリマー膜上に塗工液Bをスピンコート後乾燥することにより、ガラス基板上にBBLポリマーとPMMAからなる2層積層膜を形成した。この2層積層膜をガラス基板から剥離してろ紙上に移し、アセトンを用いてPMMAを溶解・除去し、凍結乾燥することによって、BBLポリマーフィルムを得た。得られたBBLポリマーフィルムの厚さは120nmであった。
このBBLポリマーフィルムをグラファイト板にはさみ、窒素雰囲気下1500℃で1時間熱処理し、引き続き、アルゴン雰囲気下2800℃で1時間熱処理し、グラファイトフィルムを得た。得られたフィルムは自立した構造体であり、光透過性を有していた。図7に得られたフィルムの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した写真を示す。この写真像から求めたフィルムの厚みは100nmであった。
得られたフィルムのエッジ面に対して垂直に電子線を入射して透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した像を図8に示す。図8において、厚み方向である上下方向に伸びる複数の細長い像がそれぞれグラファイト結晶であり、当該グラファイト結晶の炭素六角網面はフィルム面に垂直に配向していることが見て取れる。このように、このフィルムにおける炭素六角網面は若干の分布はあるものの、観察領域全体にわたってほぼ一様にフィルム面に対して垂直に配向しており、グラファイト結晶のa−b面とフィルム面との成す角度が45°以上であることは明らかである。以上の結果から、グラファイト結晶のa−b面とフィルム面が成す角度が45°〜90°になるように配向していることがわかった。また、このグラファイトフィルムのフィルム面に垂直方向の熱伝度率は200W/mK、フィルム面方向の熱伝導率は20W/mKであった。
上記グラファイトフィルムを用いた場合の層間の熱抵抗値は、表1に示すように0.09〜0.18K・cm/Wであった。一般に使用される高分子/無機フィラー複合体を用いた場合の熱抵抗値は0.4〜3.0K・cm/W程度であることを考慮すれば、本発明のグラファイトフィルムがTIMとして極めてすぐれていることが分かった。
[比較例1]
実施例1と同様に合成したBBLポリマー5gを、メタンスルホン酸100mlに溶解し、BBLポリマー溶液を作製した。このBBLポリマー溶液をシャーレに展開し、減圧下で加熱し溶媒を蒸発・除去した。シャーレ底部に形成されたBBLポリマー膜を剥がし、トリエチルアミンのメタノール溶液、メタノールで順次洗浄した後、室温で減圧乾燥することによって、BBLポリマーフィルムを得た。得られたBBLポリマーフィルムの厚みは320nmであった。得られたBBLポリマーフィルムを実施例1と同様にして熱処理し、厚さ120nmのグラファイトフィルムを得た。得られたグラファイトフィルムにおいては、グラファイト結晶のa−b面がフィルム面に平行になるように配向していることが確認された。フィルム面に垂直な方向の熱伝度率は5W/mK、フィルム面方向の熱伝導率は1200W/mKであった。
このグラファイトフィルムを用いた場合の層間の熱抵抗値は、表1に示すように0.14〜0.34K・cm/Wであり、従来の高分子/無機フィラー複合体を用いた場合と比較すれば優れた熱抵抗特性ではあるものの、実施例1のグラファイトフィルムと比較すると劣ることが分かった。
[実施例2]
ピロメリット酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、及び、p−フェニレンジアミン(モル比で4/3/1)から合成したポリアミド酸の18wt%のDMF溶液100gに無水酢酸20gとイソキノリン10gからなる硬化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、アルミ箔上に流延塗布した。攪拌から脱泡までは0℃に冷却しながら行った。このアルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を120℃で150秒間加熱し、さらに、300℃、30秒間加熱した。次に蒸留水中に浸漬してポリマーを膜状に凝固させ、一晩減圧乾燥することによってポリマー膜を形成した。アルミ箔をエッチングにより除去し、自己支持性のあるポリイミドフィルムを得た。ポリイミドフィルムの厚さは300nmであった。
このポリイミドフィルムをグラファイト板にはさみ、窒素雰囲気下1500℃で1時間熱処理し、続いてアルゴン雰囲気下において2800℃で1時間熱処理し、グラファイトフィルムを得た。得られたグラファイトフィルムの断面をSEMで観察し、フィルムの厚みは230nmであると決定した。このグラファイトフィルムのフィルム面に垂直な方向の熱伝導率は100W/mK、フィルム面方向の熱伝導率は40W/mKであり、フィルム面に垂直な方向の熱伝導率がフィルム面方向の熱伝導率よりも大きいことから、このフィルムはグラファイト結晶のa−b面がフィルム面に対して主に垂直になるように配向したグラファイトフィルムであると結論した。
上記グラファイトフィルムを用いた場合の層間の熱抵抗値は、表1に示すように0.11〜0.20K・cm/Wであった。一般に使用される高分子/無機フィラー複合体を用いた場合の層間の熱抵抗値が0.4〜3.0K・cm/W程度であることを考慮すれば、本発明のグラファイトフィルムが極めてすぐれたTIMであることが分かった。
[比較例2−1、2−2]
ピロメリット酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、及び、p−フェニレンジアミン(モル比で4/3/1)から合成したポリアミド酸の18wt%のDMF溶液100gに無水酢酸20gとイソキノリン10gからなる硬化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、異なる厚さでアルミ箔上に流延塗布した。攪拌から脱泡までは0℃に冷却しながら行った。このアルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を120℃で150秒間加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをアルミ箔から剥がし、フレームに固定した。このゲルフィルムを300℃、400℃、500℃で順次30秒間ずつ加熱して、厚さの異なるポリイミドフィルムを得た。フィルム厚さは、それぞれ1.0μm、600nmであった。
得られたポリイミドフィルムを、電気炉を用いて窒素ガス中、1000℃で1時間保って予備処理した。得られた炭素化フィルム表面を表面研磨したグラファイトブロックに挟み、円筒状のグラファイトヒーターの内部にセットし、2800℃まで昇温後、10分間保持した。この熱処理はアルゴン雰囲気でおこなった。得られたグラファイトフィルムの厚さは、それぞれ300nm、74nmであった。それぞれ、比較例2−1、比較例2−2とする。断面TEM測定の結果から、いずれもグラファイト結晶のa−b面がフィルム面に対して平行になるように配向していることが確認された。比較例2−1のグラファイトフィルムにおけるフィルム面に垂直な方向の熱伝導率は4.8W/mK、フィルム面に平行な方向の熱伝導率は1700W/mKであった。比較例2−2のグラファイトフィルムにおけるフィルム面に垂直な方向の熱伝導率は5.0W/mK、フィルム面に平行な方向の熱伝導率は1850W/mKであった。
上記2種類のグラファイトフィルムを用いた場合の層間の熱抵抗値は、表1に示すように、比較例2−1では0.14〜0.34K・cm/W、比較例2−2では0.18〜0.33K・cm/Wであり、従来の高分子/無機フィラー複合体を用いた場合と比較すれば優れた熱抵抗特性ではあるものの、実施例1、2のグラファイトフィルムの場合と比較すると劣ることが分かった。
[実施例3−1、3−2、3−3]
実施例1のグラファイトフィルム(厚さ100nm)を市販のキャノーラ油(発煙点204℃)に浸漬し、その後、吸油性の紙の上に置きキャノーラ油を吸収させて、それぞれキャノーラ油の含浸量の異なるグラファイトフィルムを作製した。含浸量は重量測定により行った。これらのグラファイトフィルムを用いた場合の層間の熱抵抗を実施例1と同様の方法で測定した。実験結果を表2に示す。キャノーラ油含浸のない場合の熱抵抗に比べて、3〜75重量%のキャノーラ油が含浸された場合には層間の熱抵抗を低下させることが出来た。グラファイト表面のキャノーラ油により界面の実質的接触面積が増え、界面の熱抵抗が小さくなったためと考えられる。
以上の実施例、比較例、および従来用いられてきた高分子/無機フィラー複合体を比較すれば、本発明のグラファイトフィルムが極めてすぐれた特性を持つTIMであることは明らかである。
これはグラファイト結晶のa−b面がフィルム面に対して垂直になるように配向しているために、グラファイトフィルムの柔軟性が十分に大きくなっており、そのために界面の実質的な接触面積が大きくなるためと考えられる。
この様なグラファイトフィルムは600℃の高温でも劣化が見られず、極めて優れた耐熱性を有している。さらに、グラファイトフィルムの表面をオイルなどの流動性物質でぬらすことにより、界面の熱抵抗を下げることが出来ることも明らかになった。無論、オイルなどの流動性物質を用いる場合にはそのTIMとしての耐熱性は多少犠牲になるが、高沸点の流動性物質を選択することにより従来の高分子/無機フィラー複合体を凌駕する耐熱特性の実現が可能となる。

Claims (13)

  1. フィルム内で炭素原子がグラファイト結晶を形成しており、該グラファイト結晶のa−b面とフィルム面が成す角度が45°〜90°であることを特徴とするグラファイトフィルムを有する層間熱接続部材。
  2. 前記グラファイトフィルムが、フィルム面に垂直な方向の熱伝導率がフィルム面に平行な方向の熱伝導率よりも大きいことを特徴とする、請求項1記載の層間熱接続部材。
  3. 前記グラファイトフィルムが、厚さ10μm以下であることを特徴とする、請求項1または2記載のいずれかに記載の層間熱接続部材。
  4. 前記グラファイトフィルムが、厚さ5μm以下の高分子フィルムの熱処理によって作製されたものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の層間熱接続部材。
  5. 前記高分子フィルムが縮合系芳香族高分子を含むものであることを特徴とする、請求項4記載の層間熱接続部材。
  6. 前記熱処理が不活性ガス雰囲気中または真空中で行われ、且つその処理温度が800℃〜3200℃であることを特徴とする、請求項4または5記載の層間熱接続部材。
  7. 前記縮合系芳香族高分子が、ポリアミド、ポリアゾメチン、ポリイミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリキナゾリンジオン、ポリベンゾオキサジノン、ポリキナゾロン、ベンズイミダゾベンゾフェナントロリンラダーポリマー、およびこれらの誘導体から選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項5または6記載の層間熱接続部材。
  8. 前記高分子フィルムが、縮合系芳香族高分子の溶液を基板上に塗布後、縮合系芳香族高分子を貧溶媒に接触させることにより得られた凝固物を乾燥することにより形成されたものであることを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の層間熱接続部材。
  9. 常温以上で流動性を有する流動性物質を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の層間熱接続部材。
  10. 前記流動性物質をグラファイトフィルムの重量に対して1〜200重量%含むことを特徴とする、請求項9記載の層間熱接続部材。
  11. 前記流動性物質は、沸点が200℃以上のオイルであることを特徴とする、請求項9または10のいずれかに記載の層間熱接続部材。
  12. 縮合系芳香族高分子の溶液を基板上に塗布する工程、
    前記縮合系芳香族高分子を貧溶媒に接触させる工程、
    生成した凝固物を乾燥して高分子フィルムを形成する工程、および、
    前記高分子フィルムを熱処理してグラファイトフィルムを形成する工程
    を含む層間熱接続部材の製造方法。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の層間熱接続部材を、熱接続する部材間に設置する工程を含む層間熱接続方法。
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