JP2014220321A - 複合磁気材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性体または非磁性体により形成された母材を合金元素で均一に磁性改質することができる複合磁気材料の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の複合磁気材料の製造方法は、合金元素4の長手方向の運動に長手方向と異なる方向の周期運動を合成した合成運動で加熱中心点を母材1および合金元素4に対し相対移動して母材1および合金元素4を加熱している。これにより、溶融池5内における撹拌性が向上し、ブローホールの形成を抑制することができる。よって、母材1の表面から裏面に至るまで均一に磁性改質することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、磁性体または非磁性体により形成された母材を合金元素を用いて磁性改質する場合の複合磁気材料の製造方法に関するものである。
複合磁気材料の製造方法として、レーザを用いて合金化する方法がある。例えば、特許文献1には、鋼でなる母材にニッケル箔を巻き付け、その部分にレーザを照射して合金化する技術が開示されている。この方法により、レーザ照射部分をオーステナイト(非磁性体または弱磁性体)に改質することができる。しかしながら、上記方法では、レーザ照射の加熱により主に母材表面だけが磁性改質され、母材の深い部分(裏面)にまでは十分に磁性改質できない。これは、厚肉の母材において特に顕著である。
そこで、特許文献2には、母材に対して加熱によりキーホールを形成し、キーホール周辺の溶融池に合金元素を供給して合金化する技術が開示されている。この方法により、合金元素は、溶融池内で対流し、母材の深さ(厚さ)方向に拡散して母材裏面にまで達する。つまり、母材のうちレーザで溶融した部位(キーホールが形成された部分を含む)において、母材の深い部分にまで確実に合金元素が拡散し、母材の表面から裏面に至るまで磁性改質を行うことができる。
特開平5−237678号公報 WO/2012/172864号公報
特許文献2に記載の方法おいて、母材として鋼(Fe)、合金元素としてマンガン(Mn)、クロム(Cr)、またはニッケル(Ni)を用いた場合、鋼(Fe)の沸点(2750℃)がマンガン(Mn)、クロム(Cr)、またはニッケル(Ni)の各沸点(2097℃、2640℃、2732℃)より高いため、合金元素が蒸発して溶融池内にブローホールが形成される場合がある。よって、母材の表面から裏面に至るまで均一に磁性改質することができないおそれがある。また、図7にある様にレーザパワー密度は中心部が特に高く、中心部のみ急激に加熱され蒸発し易い。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、磁性体または非磁性体により形成された母材を合金元素で均一に磁性改質することができる複合磁気材料の製造方法を提供することを目的とする。
(請求項1)本発明の複合磁気材料の製造方法は、磁性体または非磁性体により形成された母材を、前記母材の沸点とは異なる沸点を有する合金元素を用いて磁性改質する複合磁気材料の製造方法であって、前記母材に長手方向および前記長手方向に直角な幅方向の寸法成分を有する形状に前記合金元素を配置する準備工程と、前記母材および前記合金元素を加熱して、前記母材の表面から裏面に向かって溶融させてキーホールを形成することにより、前記キーホールの周囲の溶融池に前記合金元素を配置する加熱工程と、を備え、前記加熱工程は、前記合金元素の長手方向の運動に前記長手方向と異なる方向の周期運動を合成した合成運動で加熱中心点を前記母材および前記合金元素に対し相対移動して前記母材および前記合金元素を加熱し、前記母材のうち加熱で溶融させた部位を、前記母材が磁性体であれば磁性を弱めまたは非磁性化し、前記母材が非磁性体であれば磁性化する。
(請求項2)また、前記周期運動は、円運動であるようにしてもよい。
(請求項3)また、前記加熱工程では、前記加熱中心点が前記母材および前記合金元素の一方の沸点が低い材料から他方の沸点が高い材料に至るように加熱してもよい。
(請求項4)また、前記加熱工程では、前記母材および前記合金元素の一方の沸点が低い材料の入熱量よりも他方の沸点が高い材料の入熱量が多くなるように加熱してもよい。
(請求項5)また、前記加熱工程では、前記母材および前記合金元素の一方の沸点が低い材料における前記加熱中心点の相対移動速度よりも他方の沸点が高い材料における前記加熱中心点の相対移動速度を減速するようにしてもよい。
(請求項6)また、前記加熱工程では、前記母材および前記合金元素の他方の沸点が高い材料における前記加熱中心点の相対移動を一時停止するようにしてもよい。
(請求項7)また、前記加熱工程では、前記母材および前記合金元素の一方の沸点が低い材料における前記加熱中心点の相対移動距離よりも他方の沸点が高い材料における前記加熱中心点の相対移動距離を長くするようにしてもよい。
(請求項1)本発明によれば、合金元素の長手方向の運動に長手方向と異なる方向の周期運動を合成した合成運動で加熱中心点を母材および合金元素に対し相対移動して母材および合金元素を加熱しているので、溶融池内における撹拌性が向上し、ブローホールの形成を抑制することができる。よって、母材の表面から裏面に至るまで均一に磁性改質することができる。
(請求項2)周期運動は単純な円運動であるので、この円運動を合金元素の長手方向の運動に合成して加熱中心点を合成運動させる際の制御を容易に行うことができる。
(請求項3)これにより、母材および合金元素の一方の沸点が低い材料の入熱量よりも他方の沸点が高い材料の入熱量を多くすることが可能となり、沸点が高い材料を溶融させることができる。
(請求項4)これにより、母材および合金元素の他方の沸点が高い材料の溶融を促進させ、溶融池内における撹拌性を向上させることができる。
(請求項5)これにより、母材および合金元素の一方の沸点が低い材料の入熱量よりも他方の沸点が高い材料の入熱量を多くすることが可能となり、溶融池内における撹拌性が向上し、ブローホールの形成を抑制することができる。
(請求項6)これにより、母材および合金元素の一方の沸点が低い材料の入熱量よりも他方の沸点が高い材料の入熱量をさらに多くすることが可能となり、溶融池内における撹拌性が向上し、ブローホールの形成を抑制することができる。
(請求項7)これにより、母材および合金元素の一方の沸点が低い材料の入熱量よりも他方の沸点が高い材料の入熱量を多くすることが可能となり、溶融池内における撹拌性が向上し、ブローホールの形成を抑制することができる。
実施形態の複合磁気材料の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図1の準備工程の母材と合金元素のプレス前の状態を示す模式断面図である。 図1の準備工程の母材と合金元素のプレス中の状態を示す模式断面図である。 図1の準備工程の母材と合金元素のプレス後の状態を示す模式断面図である。 図1の加熱工程におけるキーホールの形成を説明するための模式断面図である。 図1の加熱工程におけるレーザのスポット中心を移動させるための合金元素の長手方向の運動および長手方向と異なる方向の周期運動の軌跡を示す図である。 図4の合金元素の長手方向の運動および長手方向と異なる方向の周期運動を合成した合成運動でレーザのスポット中心を移動させたときの移動軌跡を示す図である。 従来の加熱工程における母材および合金元素に対しレーザを照射したときの溶融池の状態を示す断面図である。 実施形態の加熱工程における母材および合金元素に対しレーザを照射したときの溶融池の状態を示す断面図である。 レーザで定点加熱したときのレーザの照射出力の密度分布を示す図である。 図1の加熱工程において形成される非磁性部の状態を示す模式斜視図である。 図1の加熱工程におけるレーザのスポット中心を移動させるための合金元素の長手方向の運動および長手方向と異なる方向の周期運動の別例(第一例)の軌跡を示す図である。 図9の合金元素の長手方向の運動および長手方向と異なる方向の周期運動を合成した合成運動でレーザのスポット中心を移動させたときの移動軌跡を示す図である。 図1の加熱工程におけるレーザのスポット中心を移動させるための合金元素の長手方向の運動および長手方向と異なる方向の周期運動の別例(第二例)の軌跡を示す図である。 図11の合金元素の長手方向の運動および長手方向と異なる方向の周期運動を合成した合成運動でレーザのスポット中心を移動させたときの移動軌跡を示す図である。 図5の合金元素の長手方向の運動および長手方向と異なる方向の周期運動を合成した合成運動の制御を別例(第一例)で行ったときのレーザの移動軌跡を示す図である。 図5の合金元素の長手方向の運動および長手方向と異なる方向の周期運動を合成した合成運動の制御を別例(第二例)で行ったときのレーザの移動軌跡を示す図である。 図1の準備工程の別例を説明するための模式断面図である。 図1の準備工程のさらに別例の母材と合金元素のプレス前の状態を示す模式断面図である。 図1の準備工程のさらに別例の母材と合金元素のプレス中の状態を示す模式断面図である。 図1の準備工程のさらに別例の母材と合金元素のプレス後の状態を示す模式断面図である。
(1.複合磁気材料の製造方法)
本発明の実施形態の複合磁気材料の製造方法は、例えばSC材やSS材等の炭素鋼に代表される鉄(Fe)を主成分とする磁性体により形成された母材を、母材の沸点より低い沸点を有する例えばマンガン(Mn)またはニッケルクロム(NiCr)等の合金元素を用いて磁性改質する方法である。
複合磁気材料の製造方法は、図1に示すように、主に、準備工程S0と、加熱工程S1とを備えている。なお、母材の加熱側の面を表面と称し、加熱側とは反対の面(すなわち表面と反対の面)を裏面と称する。
準備工程S0は、磁性体で形成された一層の母材1の表面に長手方向および長手方向に直角な幅方向の寸法成分を有する形状(例えば、長手方向の寸法がe、長手方向に直角な幅方向の寸法がd(図5参照))の合金元素4を配置する工程である。例えば、図2A〜図2Cに示すように、直方体状の母材1のプレス加工の際に、母材1の表面に帯状の合金元素4を打ち込むことにより、合金元素4を母材1の表面に配置する。このとき、母材1と合金元素4は、それぞれ独立して存在しており、合金化されていない。
ここで、複合磁気材料は、様々な用途で用いられ、例えばロータ等のモータ部品としても用いられる。このように、例えば自動車部品等の用途に応じて、複合磁気材料はプレス加工で成型される。そこで、例えば、このプレス加工において、母材1表面の磁性改質したい部位(改質対象部位)に合金元素4を配置し、パンチ6とダイス7により母材1に打ち込む。なお、プレス加工の際に、合金元素4を、母材1の裏面のみにプレスしてもよいし、母材1の表面と裏面の両面にプレスしてもよい。
加熱工程S1は、図3に示すように、母材1に対し、レーザ2を照射してキーホール3を形成し、キーホール3周囲の溶融池5に合金元素4を配置する工程である。キーホール3とは、レーザ2の照射によって、レーザ2が照射される母材1の表面から裏面に向かって形成される円穴を意味する。
キーホール3形成時には蒸発金属が発生し、キーホール3の周囲には溶融池5が形成される。そして、キーホール3周囲に形成される溶融池5に合金元素4が供給される。溶融池5の周囲には熱影響を受けた熱影響部Aが形成される。なお、キーホール3の形成に必要なレーザ2のパワー密度は、一般に、およそ1×10〜1×10W/cm以上である。
加熱工程S1では、合金元素4の長手方向の運動に長手方向と異なる方向の周期運動を合成した合成運動で、レーザ2のスポット中心C(加熱中心点)を母材1および合金元素4に対し相対移動して、母材1および合金元素4を加熱する。
具体的には、図4に示すように、合金元素4の幅方向の寸法dの中心を通る長手方向に延びる直線L上の所定の移動開始点P1から、直線L上を図示矢印q1方向に直進する運動に、移動開始点P1を通って寸法dよりも大きい直径Rを有する円周M1上を移動開始点P1から、図示矢印r1方向に回転する円運動を合成する。そして、図5に示すように、合成した螺旋運動(図示二点鎖線)でレーザ2のスポット中心Cを母材1および合金元素4に対し相対移動して、母材1および合金元素4を加熱する。
従来は、図6Aに示すように、合金元素4が蒸発して溶融池5内にブローホールBが形成されていたが、本実施形態によれば、レーザ2のスポット中心Cを螺旋運動させることにより、溶融池5内における撹拌性が向上し、図6Bに示すように、溶融池5内のブローホールBの形成を抑制することができる。
ここで、図7に示すように、レーザ2の照射出力の密度分布は、スポット中心Cを最高密度とする半径rの略円錐形状となる。そこで、図5に示すように、レーザ2のスポット中心Cが合金元素4から母材1に至るように加熱する。これにより、合金元素4の入熱量より母材1の入熱量を多くすることが可能となるので、合金元素4よりも沸点が高い母材1の溶融を促進させ、溶融池5内における撹拌性を向上させ、溶融池5内のブローホールBの形成を抑制することができる。
レーザ2照射位置が相対移動すると、前照射位置のキーホール3は、溶融した母材1により埋められる。母材1は、例えば端部のみを支持する台座等に配置され、キーホール3および溶融池5の下方(裏面のキーホール3周辺)は空間となっていてもよい。溶融した合金元素4は、溶融池5内に混入し拡散する。溶融池5では、対流が発生しやすい(図3矢印参照)。これにより、合金元素4は、母材1の深さ方向に拡散し、母材1の裏面にまで供給される。
母材1のうちレーザ2により溶融した部位は、合金元素4によって合金化して、表面から裏面まで均一に非磁性体または母材1の磁性より弱い磁性体に変化する。つまり、複合磁気材料10は、図8に示すように、磁性部11と、非磁性部(または磁性部11より磁性が弱い弱磁性部)12と、を備える。
上述の実施形態では、周期運動は単純な円運動であるので、この円運動を合金元素4の長手方向の運動に合成してレーザ2のスポット中心Cを合成運動させる際の制御を容易に行うことができる。そして、円運動の半径を適宜選択することにより、非磁性部12の幅を制御することが可能となる。
(2.加熱工程におけるレーザのスポット中心の移動の別例)
上述の実施形態では、図4に示すように、移動開始点P1から直線L上を図示矢印q1方向に直進する運動に、移動開始点P1から円周M1上を図示矢印r1方向に回転する円運動を合成し、図5に示すように、合成した螺旋運動(図示二点鎖線)でレーザ2のスポット中心Cを母材1および合金元素4に対し相対移動して、母材1および合金元素4を加熱したが、以下の第一例および第二例のようにレーザ2のスポット中心Cを母材1および合金元素4に対し相対移動するようにしてもよい。
第一例としては、図9に示すように、移動開始点P1から直線L上を図示矢印q1方向に直進する運動に、移動開始点P1を中心に合金元素4の幅方向に延びる寸法dよりも長い(D>d)線分M2上を移動開始点P1から、図示矢印r2方向に往復移動する往復直線運動を合成する。そして、図10に示すように、合成したジグザグの三角波状の運動(図示二点鎖線)でレーザ2のスポット中心Cを母材1および合金元素4に対し相対移動して、母材1および合金元素4を加熱する。これにより、溶融池5内における撹拌性が向上し、ブローホールの形成を抑制することができる。
そして、このときも、レーザ2のスポット中心Cが合金元素4から母材1に至るように加熱する。これにより、合金元素4の入熱量より母材1の入熱量を多くすることが可能となるので、合金元素4の溶融を促進させ、溶融池5内における撹拌性を向上させ、溶融池5内のブローホールBの形成を抑制することができる。
第二例としては、図11に示すように、移動開始点P1から直線L上を図示矢印q1方向に直進する運動に、移動開始点P1を中心に合金元素4の幅方向に延びる寸法dよりも弦が長い(S>d)円弧M3上を移動開始点P1から、図示矢印r3方向に往復移動する往復円弧運動を合成する。そして、図12に示すように、合成したジグザグの鋸刃状の運動(図示二点鎖線)でレーザ2のスポット中心Cを母材1および合金元素4に対し相対移動して、母材1および合金元素4を加熱する。これにより、溶融池5内における撹拌性が向上し、ブローホールの形成を抑制することができる。
そして、このときも、レーザ2のスポット中心Cが合金元素4から母材1に至るように加熱する。これにより、合金元素4の入熱量より母材1の入熱量を多くすることが可能となるので、合金元素4の溶融を促進させ、溶融池5内における撹拌性を向上させ、溶融池5内のブローホールBの形成を抑制することができる。
また、上述の実施形態では、図5に示すように、合成した螺旋運動(図示二点鎖線)でレーザ2のスポット中心Cを母材1および合金元素4に対し相対移動する際に、合金元素4の入熱量より母材1の入熱量を多くするために、レーザ2のスポット中心Cが合金元素4から母材1に至るように加熱したが、この方法でも母材1の入熱量が足りない場合は、以下の第一例および第二例のようにレーザ2のスポット中心Cの直進運動および円運動を制御するようにしてもよい。
第一例としては、母材1におけるレーザ2のスポット中心Cの移動速度よりも合金元素4におけるレーザ2のスポット中心Cの移動速度を減速する。具体的には、図13に示すように、レーザ2のスポット中心Cが、移動開始点P1から母材1上を通って母材1と合金元素4との境界線Laに達してから(点Sa)、合金元素4上を通って再び境界線Laに達するまで(点Sb)、レーザ2のスポット中心Cの直進運動の速度はそのままで円運動の速度を減速する。
そして、レーザ2のスポット中心Cが境界線Laに達したとき(点Sb)、レーザ2のスポット中心Cの円運動の速度を元の速度に戻してレーザ2のスポット中心Cの直進運動および円運動を継続する。そして、レーザ2のスポット中心Cが、合金元素4上を通って合金元素4と母材1との境界線Lbに達してから(点Sc)、母材1上を通って再び境界線Lbに達するまで(点Sd)、レーザ2のスポット中心Cの直進運動の方向を逆方向(速度はそのまま)にするとともに円運動の速度を減速する。
そして、レーザ2のスポット中心Cが境界線Lbに達したとき(点Sd)、レーザ2のスポット中心Cの直進運動の方向を元の方向(速度はそのまま)にするとともに円運動の速度を元の速度に戻してレーザ2のスポット中心Cの直進運動および円運動を継続する。以降、上述の動作を繰り返す。なお、図13においては、レーザ2のスポット中心Cの移動を分かり易くするため、繰り返される上述の1サイクルの移動軌跡の表示を二点鎖線と破線で交互に示している。
これにより、合金元素4上におけるレーザ2のスポット中心Cの移動距離(レーザ2の照射時間)よりも、母材1上におけるレーザ2のスポット中心Cの移動距離(レーザ2の照射時間)を長くすることができるので、合金元素4の入熱量より母材1の入熱量を多くすることができ、合金元素4よりも沸点が高い母材1の溶融を促進させ、溶融池5内における撹拌性を向上させ、溶融池5内のブローホールBの形成を抑制することができる。
第二例としては、母材1におけるレーザ2のスポット中心Cの移動を一時停止する。具体的には、図14に示すように、レーザ2のスポット中心Cが、移動開始点P1から合金元素4上を通り、さらに合金元素4と母材1との境界線Laを通過して最左点Slに達したとき、レーザ2のスポット中心Cの直進運動の速度はそのままで円運動の速度を停止する。そして、所定時間経過後、スポット中心Cの円運動を再開して直進運動および円運動を継続する。
そして、レーザ2のスポット中心Cが、合金元素4上から合金元素4と母材1との境界線Lbを通過して最右点Srに達したとき、レーザ2のスポット中心Cの直進運動の方向を逆方向(速度はそのまま)にするとともに円運動の速度を停止する。そして、所定時間経過後、レーザ2のスポット中心Cの円運動を再開して直進運動および円運動を継続する。以降、上述の動作を繰り返す。なお、図14においては、レーザ2のスポット中心Cの移動を分かり易くするため、繰り返される上述の1サイクルの移動軌跡の表示を二点鎖線と破線で交互に示している。
これにより、合金元素4上におけるレーザ2のスポット中心Cの移動距離(レーザ2の照射時間)よりも、母材1上におけるレーザ2のスポット中心Cの移動距離(レーザ2の照射時間)を長くすることができるので、合金元素4の入熱量より母材1の入熱量を多くすることができ、合金元素4よりも沸点が高い母材1の溶融を促進させ、溶融池5内における撹拌性を向上させ、溶融池5内のブローホールBの形成を抑制することができる。
なお、上述の例では、レーザ2のスポット中心Cの直進運動および円運動の制御について説明したが、図10および図12に示すレーザ2のスポット中心Cの直進運動および往復直線運動やレーザ2のスポット中心Cの直進運動および往復円弧運動の場合も上述の制御を同様に適用可能である。
(3.その他)
上述の実施形態では、準備工程S0において母材1のプレス加工の際に、母材1に合金元素4を打ち込むようにしたが、以下のような工程としてもよい。すなわち、図15に示すように、母材1の表面に合金元素4の粉末を配置するようにしてもよい。これによれば、母材1表面に合金元素4を配置しやすく、また、配置位置の制御も容易である。なお、合金元素4の粉末の代わりに、ペースト、微粒子、および、薄膜のうち少なくとも1つを配置するようにしてもよい。
また、図16A〜図16Cに示すように、母材1の表面および裏面の改質対象部位に溝形状の凹部13、14を形成し、形成された凹部13、14に合金元素4を配置してプレスにより凹部13、14に合金元素4を押し込んで押し固めるようにしてもよい。表面側の凹部13と裏面側の凹部14は、母材1を介して対向する位置に形成されている。これによれば、母材1に対して、両面から合金元素4が供給されるため、合金元素4が厚さ方向により均一に拡散されて配置されるので、厚さ方向により均一に磁性改質することができる。また、母材1の表面から裏面にまで略同幅の非磁性部(改質部)を形成することができる。
なお、母材1の裏面のみに凹部14を形成し、合金元素4を凹部14に押し込んで押し固めるようにしてもよく、これにより、母材1に対して合金元素4が、加熱側とは反対の裏面から供給されるため、キーホール3形成時の上昇する対流により、厚さ方向に均一に拡散され易い。
上述の実施形態では、キーホール3の形成にレーザ2を用いたが、キーホール3を形成可能な高密度エネルギービームであればよく、電子ビームでもよい。また、キーホール3は、加熱により形成されればよく、当該加熱手段はレーザ2に限らず、例えばアーク放電等を利用してもよい。
また、母材1が非磁性体(例えばステンレス等)である場合も、本方法で改質(磁性化)することができる。また、合金元素4(例えばコバルト(Co))の沸点(3100℃)が母材1(例えば炭素鋼(Fe))の沸点(2750℃)より高い場合、当該合金元素4の入熱量を当該母材1よりも高めることにより、本方法で改質(磁性化)することができる。
なお、本発明は、複数層を溶接するためのキーホール溶接とは異なり、母材1に対してキーホール3を形成し、母材1の厚みに関わらず、母材1表面から裏面まで均一になるように磁性改質するものである。本発明における「キーホール」は、母材の表面から裏面に向かって溶融させて形成されるものである。
キーホールは、溶接の技術分野において、レーザ溶接、電子ビーム溶接、およびアーク溶接等の溶接中に生じる深く狭い穴のことである。複数の部材を溶接する際に、一方の部材にキーホールを形成することで、当該一方の部材と他方の部材とを溶接する。詳細には、一方の部材の表面にレーザなどの熱源を当てた場合に、当該一方の部材にキーホールを形成することで、当該一方の部材の裏面側と他方の部材の表面側とを溶接する。このように、溶接の技術分野は、磁性改質の技術分野と全く異なっている。
本実施形態の複合磁気材料の製造方法は、複数の部材の溶接を行うのではなく、母材の改質を行うために、キーホールを形成している。本発明は、溶接分野におけるキーホール溶接とは全く異なるものである。
1:母材、2:レーザ、3:キーホール、4:合金元素、5:溶融池、10:複合磁気材料、12:非磁性部

Claims (7)

  1. 磁性体または非磁性体により形成された母材を、前記母材の沸点とは異なる沸点を有する合金元素を用いて磁性改質する複合磁気材料の製造方法であって、
    前記母材に長手方向および前記長手方向に直角な幅方向の寸法成分を有する形状に前記合金元素を配置する準備工程と、
    前記母材および前記合金元素を加熱して、前記母材の表面から裏面に向かって溶融させてキーホールを形成することにより、前記キーホールの周囲の溶融池に前記合金元素を配置する加熱工程と、
    を備え、
    前記加熱工程は、前記合金元素の長手方向の運動に前記長手方向と異なる方向の周期運動を合成した合成運動で加熱中心点を前記母材および前記合金元素に対し相対移動して前記母材および前記合金元素を加熱し、
    前記母材のうち加熱で溶融させた部位を、前記母材が磁性体であれば磁性を弱めまたは非磁性化し、前記母材が非磁性体であれば磁性化する複合磁気材料の製造方法。
  2. 前記周期運動は、円運動である、請求項1の複合磁気材料の製造方法。
  3. 前記加熱工程では、前記加熱中心点が前記母材および前記合金元素の一方の沸点が低い材料から他方の沸点が高い材料に至るように加熱する、請求項1または2の複合磁気材料の製造方法。
  4. 前記加熱工程では、前記母材および前記合金元素の一方の沸点が低い材料の入熱量よりも他方の沸点が高い材料の入熱量が多くなるように加熱する、請求項1から3の何れか一項の複合磁気材料の製造方法。
  5. 前記加熱工程では、前記母材および前記合金元素の一方の沸点が低い材料における前記加熱中心点の相対移動速度よりも他方の沸点が高い材料における前記加熱中心点の相対移動速度を減速する、請求項4の複合磁気材料の製造方法。
  6. 前記加熱工程では、前記母材および前記合金元素の他方の沸点が高い材料における前記加熱中心点の相対移動を一時停止する、請求項4の複合磁気材料の製造方法。
  7. 前記加熱工程では、前記母材および前記合金元素の一方の沸点が低い材料における前記加熱中心点の相対移動距離よりも他方の沸点が高い材料における前記加熱中心点の相対移動距離を長くする、請求項4の複合磁気材料の製造方法。
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