JP2014219455A - 現像装置、および画像形成装置 - Google Patents

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真吾 堀田
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Megumi Ito
めぐみ 伊藤
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Abstract

【課題】トナーを用いる画像形成装置において、常時安定した出力画像を得るために現像されるトナーの帯電量を正確に検出するための技術を提供する。【解決手段】現像装置は、トナー担持体が搬送するトナーを吸着するための電極が表面に形成された検知部材と、前記検知部材の位置を制御する制御手段と、前記検知部材に吸着したトナーの質量および電荷量を測定する測定手段と、前記測定したトナーの質量および電荷量とを用いてトナーの帯電量を算出する算出手段とを備え、前記制御手段は、前記検知部材にトナーを吸着させる際に、前記トナー担持体が担持するトナーが前記検知部材に対し吸着が生じる位置に前記検知部材を移動させ、前記検知部材に吸着したトナーの質量と電荷量を測定する際に、前記トナー担持体が担持するトナーが前記検知部材への吸着が生じない位置に前記検知部材を移動させる。【選択図】図9

Description

本発明は、現像装置、および画像形成装置に関する。
感光体に静電的にトナーを付着させて画像形成を行う画像形成装置では、静電潜像の現像に利用されるトナーの帯電量が、印刷画像の品質を決める重要な要素となっている。すなわち、トナー帯電量が目標値よりも小さい場合には、トナーの静電的付着力が弱いので、感光体に付着するトナーの量(以降、載り量と称す。)が増加し、印刷された画像の濃度が濃くなってしまう。
一方、トナー帯電量が目標値よりも大きい場合には、トナーの静電的付着力が強いので、感光体に付着するトナーの載り量が減少し、印刷された画像の濃度が薄くなってしまう。トナー帯電量が変動する要因は、画像形成装置の設置環境における温度・湿度や、長期間の使用によるキャリアの経年劣化が知られている。これらのことから、印刷される画像の濃度を所望の濃度にするためには、現像される直前のトナー帯電量を把握し、このトナー帯電量に応じて画像形成条件を制御する必要がある。
特許文献1において、画像形成装置内でトナーの帯電量を測定する技術が開示されている。特許文献1では、圧電性結晶共振器(ピエゾ素子)と電極からなるプローブにトナーを吸着させ、圧電性結晶共振器の周波数変化から吸着されたトナーの質量Mを算出する。それとともに、磁気ブラシローラから圧電性結晶共振器上の電極にトナーが移動することにより磁気ブラシローラ上で変化する電荷量Qを測定する。
特許文献2において、濃度変動のない安定した出力画像を得るために、予測されたトナー消費量、トナー補給量および攪拌する時間をもとにトナーの帯電量を推測し、画像処理条件を制御する。
米国特許第5006897号 特開2010−102317号公報
特許文献1では、トナー帯電量Q/M(Q:トナー電荷量、M:トナー質量)を検出するためのプローブが、感光体に対する現像位置の下流側に配置されている。そのため、現像動作を行っている際の現像されるトナーそのもののトナー帯電量を正確に測定することができない。また、プローブにトナーを吸着・剥離させる際には、反転電力供給部によりプローブに正負の電圧をかけることで行っているが、感光体上の静電潜像をトナーで現像するために現像手段に備えられた磁気ブラシローラに高圧が印加される。これによって、現像手段内のトナーが磁気ブラシローラからプローブに吸着、あるいは、プローブから剥離され、プローブに吸着されたトナー量が変化するので、現像動作中に正確なトナーの質量M、及び電荷量Qを測定することができない。
特許文献2では、現像剤が経年劣化してしまうと、トナー帯電量の推測値が実際のトナー帯電量と異なってしまうので、この推測値に基づいて画像形成条件が制御されたとしても出力画像の濃度が所望の濃度とならない。
本発明は、上記課題に鑑み、検知部材に吸着させたトナーの量が変動してしまうことを抑制し、トナーの帯電量を高精度に検出することができる画像形成条件を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の画像形成装置は以下の構成を備える。すなわち、画像形成に用いるトナーの帯電量を測定する現像装置であって、トナーを担持し搬送するトナー担持体と、前記トナー担持体が搬送するトナーを吸着するための電極が表面に形成された検知部材と、前記検知部材の位置を制御する制御手段と、前記検知部材に吸着したトナーの質量を測定する質量測定手段と、前記検知部材に吸着したトナーの電荷量を測定する電荷量測定手段と、前記質量測定手段にて測定したトナーの質量と、前記電荷量測定手段にて測定したトナーの電荷量とを用いてトナーの帯電量を算出する算出手段とを備え、前記制御手段は、前記検知部材にトナーを吸着させる際に、前記トナー担持体が担持するトナーが前記検知部材に対し吸着が生じる位置に前記検知部材を移動させ、前記検知部材に吸着したトナーの質量と電荷量を測定する際に、前記トナー担持体が担持するトナーが前記検知部材への吸着が生じない位置に前記検知部材を移動させる。
本発明によれば、検知部材に吸着させたトナーの量が変動してしまうことを抑制し、トナーの帯電量を高精度に検出することができる。
本発明に係る電子写真画像形成装置の構成例の概略を示す図。 QCM水晶センサの構成例を示す図。 実施例1に係る現像装置の構成例を示す図。 現像装置内のトナーの帯電量の変化を示す図。 Q/M測定及び画像形成のための概要構成を示すブロック図。 Q/M測定の概要動作を示すフローチャート。 Q/M測定のための電気構成を示す回路図。 Q/M測定のための動作を示すタイミングチャート。 実施例1に係るトナー帯電量測定装置の位置の変化を示す図。 Q/M測定の中でトナー吸着電位の充電動作を示すフローチャート。 Q/M測定の中でQとMの測定動作を示すフローチャート。 Q/M測定の中でトナー吸着動作を示すフローチャート。 画像信号と画像濃度との関係を示すグラフ。 基準トナー帯電量Q/Mref測定処理動作を示すフローチャート。 画像形成時にγLUTを補正する際に実行される処理を示すフローチャート。 トナー帯電量による階調特性変動を示す模式図。 実施例2に係る現像装置の構成を示す図。 実施例2に係るトナー帯電量測定装置の位置の変化を示す図。 実施例3に係る現像装置の構成を示す図。 実施例3に係るトナー帯電量測定装置の位置の変化を示す図。 実施例4に係るトナー吸着電極の取り付け位置を示す図。
<実施例1>
[装置構成]
図1は、本実施例に係る電子写真方式の画像形成装置の概略構成図である。
画像形成装置10は、感光ドラム101Y、101M、101C、101K、帯電装置102Y、102M、102C、102K、レーザスキャナ103Y、103M、103C、103K、現像装置104Y、104M、104C、104K、ドラムクリーナ106Y、106M、106C、106Kを備える。感光ドラム101Y、101M、101C、101K上には後述の画像形成工程において各色成分の画像が形成される。ここで、感光ドラム101Y上にはイエローの画像が形成され、感光ドラム101M上にはマゼンタの画像が形成され、感光ドラム101C上にはシアンの画像が形成され、感光ドラム101Kにはブラックの画像が形成される。また、一次転写ローラ113Y、113M、113C、113Kは、中間転写ベルト115上において感光ドラム101Y、101M、101C、101K上に形成された各色成分の画像が重なるように、各色成分の画像を中間転写ベルト115に転写する。ここで、感光ドラム101Y、101M、101C、101K、帯電装置102Y、102M、102C、102K、レーザスキャナ103Y、103M、103C、103K、現像装置104Y、104M、104C、104K、ドラムクリーナ106Y、106M、106C、106K、一次転写ローラ113Y、113M、113C、113Kの構成は同じなので、以下の説明では符号Y、M、C、Kの表記を省略する。
感光ドラム101の表面には感光層が形成されている。即ち、感光ドラム101は感光体として機能する。プリント開始信号が入力されると、感光ドラム101が矢印A方向への回転を開始し、帯電装置102が感光ドラム101の表面を所定の電位となるように帯電する。次いで、印刷すべき画像に対応する画像信号に応じてレーザスキャナ103からレーザ光100が感光ドラム101上に照射されることによって、感光ドラム101上には静電潜像が形成される。現像装置104は、トナーとキャリアとを有する現像剤を収容している。現像装置104は、感光ドラム101に形成された静電潜像を、現像剤中のトナーを用いて現像する。感光ドラム101上の画像(トナー像)は、感光ドラムの矢印A方向の回転によって、中間転写ベルト115と感光ドラム101とが接触している一次転写ニップ部へと搬送される。感光ドラム101上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ113を介して転写電圧が印加されることにより、中間転写ベルト115上に転写される。
中間転写ベルト115は矢印B方向へ回転駆動される。各感光ドラム101から各色成分のトナー像が重ねて転写されると、中間転写ベルト115上にはフルカラーのトナー像が形成される。感光ドラム101上から中間転写ベルト115に転写されずに、感光ドラム101上に残留したトナーはドラムクリーナ106によって除去される。中間転写ベルト115上のトナー像は、中間転写ベルト115の回転によって、二次転写ニップ部Teへと搬送される。このとき、給紙カセット内に収容された記録紙Pは、給紙ローラ116により1枚ずつ分離され、中間転写ベルト115上のトナー像と記録材Pとが接触するようにタイミングが調整されて、二次転写ニップ部Teに搬送される。中間転写ベルト115上のトナー像は、二次転写ローラ114と中間転写ベルト115とが形成する二次転写ニップ部Teで、給紙カセットから搬送されてきた記録紙Pに転写され、定着装置107で熱と圧力を加えられて定着される。画像が定着された記録紙Pは、排紙トレイ117上に排紙される。本実施形態では、上記の画像形成工程と並行して、測定工程と調整工程とが実施される。測定工程とは現像装置104内に設けた帯電量測定装置108により、現像装置104内のトナーの帯電量を測定する工程である。調整工程とは、測定工程において測定されたトナーの帯電量に基づいて、所望の濃度の画像を形成するために、レーザスキャナ103から照射されるレーザ光100の光量を制御する工程である。
(QCM水晶センサの構成)
本実施例において、トナー粒子の質量を測定するQCM(Quartz Crystal Microbalance)水晶センサ120の構成を、図2を用いて説明する。図2(a)、(b)はセンサを2つの電極それぞれの方向からの斜視図である。QCM水晶センサ120は、トナー吸着面電極121、トナー非吸着面電極122、トナー吸着面側の電極端子123、トナー非吸着面側の電極端子124、および水晶片127(水晶振動子)から構成される。なお、トナー吸着面電極121は第1の電極に相当し、トナー非吸着面電極122は第2の電極に相当する。
図2(a)は、QCM水晶センサ120のトナー吸着面電極121がある第1の面の構成を示す図であり、図2(b)は、QCM水晶センサ120のトナー非吸着面電極122がある第2の面の構成を示す図である。QCM水晶センサ120に関しては、例えば特許第3725195号にその測定原理等が詳細に記載されており、ここでは概要のみを記載する。
本願発明で用いるQCM水晶センサ120は、水晶片127の薄板に電極を付けて電圧を印加すると、水晶の圧電逆効果によって結晶振動(厚みズリ振動)が励起されるという特性を利用する。また、一般にQCM水晶センサは、水晶振動子の電極表面に付着した微少な量の質量変化を振動子の共振周波数の減少量によって検出する装置であり、例えば、真空蒸着装置の膜厚検出モニターとして採用されている。つまり、水晶振動子は、電極表面に付着した物質の質量に応じて振動状態が変化する。
一般に、水晶振動子を用いたQCMデバイスの吸着物質量変化ΔMと共振周波数変化Δfとの関係は次の式1に示すSauerbreyの式で表されることが知られている。
Figure 2014219455
・・・(式1)
ここで、f0は振動子の共振周波数、ρは水晶の密度(2.649×10[kg/m])、μは水晶のせん断応力(2.947×1010 [kg ms])、Bは有効振動面積(略電極面積)である。
例えば、共振周波数が10[MHz](f0=10[MHz])の振動子の電極にトナーを吸着させたときの周波数の変化量が1[Hz](△f=1[Hz])であった場合、約5[ng/cm]のトナーが電極に付着したことになる。
図2(a)において、水晶片127の第1の面上に形成されたトナー吸着面電極121と電極端子123とは、継ぎ目なく電気的につながっている。同様に、図2(b)において水晶片127の第2の面上に形成されたトナー非吸着面電極122と電極端子124とは、継ぎ目なく電気的につながっている。本実施例において、電極端子123、及び124は、電気的な外乱成分が入らないよう、表面を絶縁物質で被覆している。
(現像装置の構成)
図3は、本実施例に係る現像装置104の要部断面図である。現像装置104は、現像スリーブ111、規制ブレード112、撹拌スクリュー118、およびセンサ回転部材119を備える。さらに現像装置104は、トナー吸着面電極121、エアーノズル125、センサ位置移動用モータ141、モータ動作制御回路1008を備える。センサ回転部材119は、センサ位置移動用モータ141、及び、モータ動作制御回路1008によって、中心点Oを基準として回転駆動される。また、トナー帯電量測定装置108は検知部材にて用いられる前述のQCM水晶センサ120を備える。
現像剤110は、主にトナー粒子と現像キャリアとの2成分からなる。撹拌スクリュー118は、現像剤110のトナー粒子と現像キャリアとを摩擦帯電させると共に、現像剤110を現像スリーブ111へ搬送する。現像スリーブ111は、円柱形状のトナー担持体であり、回動可能な非磁性の筒状部材151と、磁力を有するマグネット152とを有する。マグネット152は筒状部材151に内包されている。
現像スリーブ111は内包するマグネットの磁力により、現像剤110を筒状部材151の表面に担持する。そして、現像スリーブ111は、筒状部材151が回転することにより、現像剤110を矢印で示す回転方向(搬送方向)の下流側へと搬送する。即ち、現像スリーブ111は、現像装置104内のトナーを担持する現像剤担持体として機能する。規制ブレード112は、現像スリーブ111にて搬送される現像剤110の量を規制する規制部である。現像スリーブ111に担持された現像剤110は、現像スリーブ111と規制ブレード112とが形成する僅少で一定な隙間を通過することにより、現像スリーブ111上に担持される量を規制される。また、現像剤110が僅少な隙間を通過する際に、トナー粒子、キャリア、規制ブレード112の接触摩擦が促進され、トナー粒子の帯電量を増加させる。
トナー帯電量測定装置108は、現像スリーブ111の回転方向(搬送方向)において規制ブレードの下流トナー帯電量測定装置108は、中心点Oを中心として回転駆動された場合、トナー吸着面電極121の表面が現像スリーブ111と対向する位置で、現像スリーブ111と僅少な隙間ができるように配置される。モータ動作制御回路1008は、CPU606(図5)から転送されるセンサ回転部材119の回転角度、回転速度、回転方向を示す制御信号に従って、センサ位置移動用モータ141に入力するべきパルス波の数と周波数を制御する。センサ位置移動用モータ141は、モータ動作制御回路1008によって入力されたパルス波の数、及び周波数に応じてセンサ回転部材119を回転駆動する。エアーノズル125はコンプレッサ(不図示)を備え、トナー吸着面電極121の表面に付着したトナーを除去するために、トナー吸着面121にエアーを吹き付ける。
(トナー帯電量の説明)
図4は、現像装置104内のトナー粒子の帯電量の変化を示す図である。図4において、横軸は時間を表し、縦軸はトナー帯電量を示している。なお、実線は所望の帯電特性を有するトナー粒子の帯電量の変化を示し、破線は所望の帯電特性よりも低い帯電特性を有するトナー粒子の帯電量の変化を示している。現像装置104内に補給されたトナー粒子は、撹拌スクリュー118により撹拌されると、トナー粒子同士の摩擦によってトナー帯電量が所定値(Q/M)まで帯電される。そして、現像スリーブ111に担持されたトナー粒子は規制ブレード112を通過する際に、トナー粒子がさらに帯電される。そのため、規制ブレード112を通過し終えた現像スリーブ111上のトナー粒子のトナー帯電量は、トナー粒子が感光ドラム101に移動するのに十分な電荷を保持する値(Q/M)まで上昇する。
一方、所望の帯電特性よりも低い帯電特性を有するトナーは、現像スリーブ111に供給されたトナーが規制ブレード112を通過しても、その帯電量が目標値(Q/M)となるまで増加しない。つまり、トナーが所望の帯電特性を有していない場合、感光ドラム111上の静電潜像に付着するトナーの量が変化してしまう。これにより、トナーの帯電量が目標値(Q/M)未満のトナーによって現像されたトナー像は、所望の濃度や色味とならない。つまり、トナー帯電量Q/Mを高精度に測定するためのトナー帯電量測定装置108の最適な配置場所は、現像スリーブ111の回転方向において規制ブレード112よりも下流、且つ、現像位置よりも上流の位置である。本実施例では、図3で示すように、トナー帯電量測定装置108を配置した。
トナー帯電量が変動する要因には、画像形成装置の設置環境における温度・湿度や、長期間の使用による現像キャリアの経年劣化、トナー消費量、または、補給量の変化が挙げられる。さらに、画像形成装置が画像を形成しない状態、即ち、現像装置104内のトナーが撹拌されない状態で長時間放置された場合には現像装置104内のトナーの帯電量が低下してしまう。そのため、画像形成装置10による画像形成を久しぶりに開始する場合、現像装置104内のトナー粒子の帯電量は急激に変化する。
トナー帯電量は環境変動や経年劣化のようにゆっくりと変化する場合もあるし、トナー消費や補給の影響および装置立ち上げ直後のように、比較的短時間に変化する場合がある。トナー帯電量が短時間の内に変化する場合、1ページ分の画像を形成している間にトナー帯電量の変動が生じる可能性がある。
従って、トナーの帯電量の変動が生じた場合であっても、トナー帯電量の検出結果に基づいてトナー載り量が所望の量となるように画像形成条件を制御することで出力画像の濃度変動を低減させることができる。
本実施例では、感光ドラム101に静電潜像を形成する際のレーザ光の明滅タイミングを制御し、トナーの帯電量に応じた静電潜像を形成する。これにより、感光ドラム101上のトナー載り量を制御して、出力画像の濃度変動を低減させる。
[Q/M測定の概要]
図5は、感光ドラム101、帯電装置102、レーザスキャナ103、現像装置104、ドラムクリーナ106、一次転写ローラ113を備えた画像形成ステーションと、Q/M計測部1101と、モータ動作制御回路1008と、コントローラ1107とで構成される制御ブロック図である。感光ドラム101は、図1の感光ドラム101Y、101M、101C、及び101Bkを簡略化したものである。他の帯電装置102、レーザスキャナ103、現像装置104、ドラムクリーナ106、一次転写ローラ113についても同様に、図1の対応するユニットを簡略化したものである。なお、Q/M計測部1101の詳細な構成は、図11を用いて詳細に説明する。
Q測定回路1102は、電荷量測定手段として機能し、トナー吸着面電極121に吸着されたトナー粒子の電荷Qを測定する。M測定回路1103は、質量測定手段として機能し、トナー吸着面電極121に吸着されたトナー粒子の質量Mを測定する。電極用電源1104は、現像スリーブ111上のトナー粒子をトナー吸着面電極121に静電的に吸着させるための電位(以降、トナー吸着電位と称す)を生成する。スイッチ回路1105は、Q測定回路1102、M測定回路1103、電極用電源1104、およびトナー帯電量測定装置108の電気的な接続を必要に応じて切り替える。Q/M算出部1106は、Q測定回路1102にて検出した電荷QとM測定回路1103にて検出した質量Mとからトナーの帯電量Q/Mを算出する。
コントローラ1107は、トナー帯電量Q/Mの算出や画像形成に必要な処理を行う。コントローラ1107は、Q/M算出部1106の他、LUT(Look Up Table)601、LUT補正部602、レーザドライバ603、RAM604、ROM605、CPU606等で構成される。LUT(Look Up Table)601は、RAM604、又はROM605に記憶された変換テーブル(以降、γLUTと称す。)を用いて、画像信号をレーザ駆動信号に変換する。なお、レーザ駆動信号とは、レーザスキャナ103から照射されるレーザ光100の明滅タイミングを制御するために、レーザスキャナ103に入力される信号である。LUT補正部602は、Q/M算出部1106により算出されたトナー帯電量に基づいてγLUTを補正する。レーザドライバ603は、レーザ駆動信号をレーザスキャナ103へ出力する。RAM604は、書き換え可能なデータを保持する。ROM605は、予めデータを保持する。CPU606は、画像形成装置10全体の各種処理を実行する。
次にトナー帯電量計測シーケンスを図5と、図6で示すフローチャート図を用いて説明する。
S1301において、コントローラ1107はトナー吸着電位の充電を行う。本実施例では、トナー帯電量測定装置108のトナー吸着面電極121にトナーを静電的に吸着するために、電極用電源1104からトナー吸着面電極121にトナー吸着電位を直接給電するのではなく、Q測定回路1102に一度充電している。これは、電極用電源1104とトナー吸着面電極121が電気的に接続された状態でトナー吸着面電極121にトナーが付着すると、このトナーの電荷が電極用電源1104から放出されてしまい、トナー吸着面電極121に付着させたトナーの電荷量を測定することができないからである。なお、本処理の詳細については図10を用いて後述する。
S1302において、コントローラ1107はトナー吸着面電極121に付着したトナーを除去する。本実施例では、コントローラ1107がエアーノズル125からトナー吸着面電極121にエアーを吹き付けることにより、トナー吸着面電極121に吸着したトナーを除去する。
S1303において、コントローラ1107は、トナー吸着面121トナーを吸着させる前に、S1301において充電されたQ測定回路1102の電位(基準値)V1と、水晶片127の発振周波数の基準値f1とをQ/M計測部1101に計測させる。なお、本処理の詳細については図11を用いて後述する。S1304において、コントローラ1107は、トナー帯電量測定装置108のトナー吸着面電極121にトナーを吸着させる。このとき、Q測定回路1102に充電したトナー吸着電位を用いて現像スリーブ111上のトナー粒子をトナー吸着面電極121に静電的に吸着させる。なお、本処理の詳細については図12を用いて後述する。S1305において、コントローラ1107は、トナー吸着面電極121にトナーを吸着させた状態で、Q測定回路1102の電位V2と、水晶片127の発振周波数f2とをQ/M計測部1101に計測させる。トナー吸着面電極121に吸着させたトナー粒子の電荷量Qと質量Mは、S1303において計測された電位V1、及び発振周波数f1と、S1304において計測された電位V2、及び発振周波数f2とに基づいて算出される。
S1306において、コントローラ1107は、Q/M算出部1106により、トナー吸着面電極121に付着させたトナー粒子の帯電量を検出する。そして、S1307において、コントローラ1107は、トナー帯電量の測定を終了するか、トナー帯電量の測定を続けるのかを判定する。トナー帯電量の測定を続ける場合(S1307にてYES)、コントローラ1107はS1301に戻る。本実施例においては、画像形成工程を実施している間、コントローラ1107がトナー帯電量の測定を続ける構成とした。即ち、S1307において、コントローラ1107は、画像形成工程が実行中であればS1301へ移行し、画像形成工程が終了していればトナー帯電量の計測シーケンスを終了する。
なお、トナー帯電量を測定するためにトナー吸着面電極121に吸着されるトナー粒子の量は、数[μg]から数十[μg]の極微小な量であり、感光ドラム101上に形成される画像の濃度に影響を及ぼすことはない。
LUT補正部602は、トナー帯電量の計測シーケンスにおいて測定されたトナーの帯電量に基づき、γLUTを補正すると共に、補正されたγLUTをRAM604に格納する。レーザドライバ603はLUT601から出力されるレーザ駆動信号に従ってレーザ光100の明滅タイミングを設定する。レーザスキャナ103は明滅タイミングが調整されたレーザ光100によって感光ドラム101を露光すると、感光ドラム101上にトナー帯電量に適した静電潜像を形成する。
図7はQ/M計測部1101の回路構成図であり、図8はスイッチ回路1105のON状態とOFF状態とを切り替えるタイミングチャートである。
図7においてスイッチSW1は、トナー吸着面電極121にQ測定回路1102を電気的に接続または切断する。スイッチSW2は、トナー吸着面電極121にM測定回路1103を接続または切断する。スイッチSW3はトナー非吸着面電極122にM測定回路1103を接続または切断する。
スイッチSW4は、トナー吸着面電極121に電極用電源1104を接続または切断する。スイッチSW5はトナー非吸着面電極122に電極用電源1104を接続または切断する。
コンデンサC1はトナー吸着面電極121にトナーを吸着させる前に、トナー吸着電位に充電される。抵抗R1と抵抗R2は、トナー吸着面電極121とトナー非吸着面電極122の両方に電極用電位生成部1236を接続した時に、トナー吸着面電極121とトナー非吸着面電極122とが短絡しないための抵抗である。
電位計1231は、コンデンサC1の電位を測定する電位計である。電荷量算出部1232は、トナー粒子をトナー吸着面電極121に吸着させる前に測定されたコンデンサC1の両端の電位差V1と、トナー粒子をトナー吸着面電極121に吸着させた状態で測定されたコンデンサC1の両端の電位差V2との差(V1−V2)に基づいて、トナー吸着面電極121に吸着させたトナーの電荷量Qを算出する。発振回路1233は、QCM水晶センサを発振するための発振回路であり、ロジックICと抵抗とコンデンサとで構成される。なお、発振回路1233の構成は必ずしも本構成に限定されず、他の構成の発振回路を使用しても構わない。
周波数測定部1234は、発振回路の発振周波数を測定する。質量算出部1235は、トナー粒子をトナー吸着面電極121に吸着させる前の水晶片127の発振周波数f1と、トナー粒子をトナー吸着面電極121に吸着させた状態で測定された水晶片127の発振周波数f2との差(f1−f2)に基づいて、トナー吸着面電極121に吸着させたトナーの質量Mを算出する。電極用電源1236は、トナー吸着電位や現像バイアス、0[V]電位を生成する。現像スリーブ用電源1237は、現像スリーブ111に現像バイアスを印加する。
図8のタイミングチャートは、現像スリーブ111の表面電位と、トナー吸着面電極121の表面電位と、コンデンサC1の両端の電位差と、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4、及びSW5のON又はOFFの状態との関係を示している。実線901はトナー吸着面電極121の表面電位を示している。点線902は現像スリーブ111の表面電位を示している。一点鎖線903はコンデンサC1の両端の電位差を示している。
本実施形態では、現像スリーブ用電源1237が、例えば、電圧値が+300[V]と−1200[V]とで周期的に変化するパルス期間と、電圧値が一定となるブランク期間とを交互に有する現像バイアス(以降、ブランクパルスと称す。)を現像スリーブ111に印加する。つまり、現像バイアスの直流成分は−450[V]となる。尚、ブランク期間は、説明を簡素化するために1パルスとしている。また、各シーケンス中のパルス数も説明を簡素化するために1パルス、又は2パルスにしている。なお、図8の下部に示しているS1301〜S1305は図6のトナー帯電量の計測シーケンスにおける各シーケンスの番号に対応する。
以下、トナー帯電量の計測シーケンス(図6)の各工程を図7から図12に基づいて説明する。
図9は、トナー帯電量測定装置108の位置を示す図である。図9(a)はトナー吸着面電極121にトナー粒子を吸着させる前の、トナー帯電量測定装置108の位置を表し、図9(b)はトナー吸着面電極121にトナー粒子を吸着させるときの位置を表し、図9(c)はコンデンサC1の両端の電位差、及び、水晶片127の発振周波数を測定するときの、トナー帯電量測定装置108の位置を表している。図9に示す矢印の方向に、センサ回転部材119が回転すると、トナー吸着面電極121が現像スリーブ111に近づいたり、又は、トナー吸着面電極121が現像スリーブ111から離れたりする。
[トナー吸着電位の充電(S1301)]
S1301の充電シーケンスを図10に基づいて説明する。コントローラ1107は、S1310にて、モータ動作制御回路1008によりセンサ位置移動用モータ141を駆動して、トナー吸着面電極121を図9(a)の位置に移動させる。これにより、センサ位置移動用モータ141は、センサ回転部材119をCW方向へ回転させることで、トナー吸着面電極121を現像スリーブ111に近づいた位置から退避させる。
次いで、S1311にてコントローラ1107は、電極用電位生成部1236によりトナー吸着電位を出力させる。
S1312にてコントローラ1107は、スイッチSW1、SW4、及びSW5をONにする。スイッチSW1とスイッチSW4とをONにすると、電極用電位生成部1236とコンデンサC1が接続される。これにより、コンデンサC1にトナー吸着電位(+150[V])の充電が開始される。スイッチSW1をONにすると、トナー吸着面電極121はスイッチSW1を介してQ測定回路1102と直結される。スイッチSW1をONにした直後のトナー吸着面電極121の表面電位(実線901)は、トナー吸着面電極121と電極用電位生成部1236との間に抵抗R1があるので、コンデンサC1の両端の電位差(一点鎖線903)と等しくなる。図8のタイミングチャートにおいて、トナー吸着面電極121の表面電位、及び、コンデンサC1の両端の電位差が−200[V]の例を示している。このとき、トナー吸着面電極121とトナー非吸着面電極122との電位差による破壊を防止するために、スイッチSW5もONにしてトナー非吸着面電極122にもトナー吸着電位(+150[V])を印加する。
S1313にてコントローラ1107は、コンデンサC1の電位が+150[V]となるまで、コンデンサC1を充電し続ける。なお、コンデンサC1は端子の一方が接地されているので、コンデンサC1の両端の電位差はコンデンサの電位に相当する。図8に示す充電期間t1〜t2は、コンデンサC1の電位とコンデンサC1の容量と抵抗R1の抵抗値に基づく時定数により決定する。このとき、トナー吸着面電極121にもトナー吸着電位+150[V]が印加される。また、コンデンサC1の電位がトナー吸着電位と同電位となるまで待機する方法としては、予め決められた時間だけ待機したり、コンデンサC1の電位を電圧計1231によって測定した値がトナー吸着電位と等しくなるまで待機すればよい。
コンデンサC1の電位がトナー吸着電位と同電位となった後、S1314にてコントローラ1107は、スイッチSW1、SW4、及びSW5をOFFにする。スイッチSW1がOFFになるので、コンデンサC1に充電されたトナー吸着電位(+150[V])は、保持される。以上により、トナー吸着電位の充電シーケンス(S1301)が完了する。
[トナー除去(S1302)]
トナー吸着面電極121は、図9(a)の位置で待機しているので、コントローラ1107は、エアーノズル125からトナー吸着面電極121にエアーを吹きつけて、トナー吸着面電極121に吸着しているトナー粒子を除去する。S1302において、エアーノズル125はトナー除去手段として機能する。なお、本実施例では、エアーノズル125がエアーを吹きつける構成としたが、エアーノズル125がエアーを吸い込むことにより、トナー吸着面電極121に付着したトナー粒子を除去する構成としてもよい。
[トナー吸着前の測定シーケンス(S1303)]
S1303の測定シーケンスを図11に基づいて説明する。なお、トナー吸着面電極121は、図9(a)の位置にある。
S1336にてコントローラ1107は、スイッチSW2、SW3をONにする。スイッチSW2とスイッチSW3がONになると、発振回路1233とトナー帯電量測定装置108とが接続される。そして、発振回路1233がトナー帯電量測定装置108の水晶片127を発振する。このとき、図8の時刻t7〜t8に示すように、現像スリーブ111の表面電位が0[V]付近にて発振する。
S1337にて電荷量算出部1232は、時刻t7〜t8の期間に、電位計1231によってコンデンサC1の両端の電位差(コンデンサC1の電位)V1を測定する。以下の説明において、トナー吸着面電極121にトナー粒子を吸着させる前に測定されたコンデンサC1の両端の電位差はトナー吸着前電位V1と称す。電荷量算出部1232は、トナー吸着前電位V1を記録する。なお、Q測定回路1102はスイッチSW1がOFFであるので他の回路と独立している。従って、このトナー吸着前電位V1の測定は他のステップと並行して行っても良い。
さらに、S1338にて周波数測定部1234は、時刻t7〜t8の期間に発振回路1233の発振周波数f1を周波数測定部1234により測定する。以下の説明において、トナー吸着面電極121にトナー粒子を吸着させる前に測定された水晶片127の発振周波数をトナー吸着前周波数f1と称す。質量算出部1235は、トナー吸着前周波数f1を記録する。
S1339にてコントローラ1107は、スイッチSW2、及びSW3をOFFにする。つまり、コントローラ1107はトナー吸着前電位V1とトナー吸着前周波数f1を測定し終えると、スイッチSW2、及びSW3をONからOFFに切り替える。なお、コントローラ1107はトナー吸着前電位V1とトナー吸着前周波数f1を複数回測定した結果の平均値としてもよい。この構成とすることでトナー吸着前電位V1とトナー吸着前周波数f1の測定誤差を低減することができる。
[トナー吸着(S1304)]
S1304の吸着シーケンスを図12に基づいて説明する。トナー吸着前電位V1とトナー吸着前周波数f1を測定した後、コントローラ1107はトナー吸着面電極121にトナー粒子を吸着させる。
S1345にてコントローラ1107は、電極用電位生成部1236からトナー吸着電位を出力させる。これは、トナー吸着面電極121とトナー非吸着面電極122との電位差によってトナー帯電量測定装置108が破壊されてしまうことを防止するためである。S1345にて電極用電位生成部1236は、トナー非吸着面電極122にトナー吸着電位+150[V]を供給するために、トナー吸着電位を出力する。
次いで、S1346にてコントローラ1107は、スイッチSW1、及びSW5をONにする。スイッチSW1をONにすることによりトナー吸着面電極121とコンデンサC1が接続される。これにより、コンデンサC1に充電されたトナー吸着電位+150[V]がトナー吸着面電極121に供給される。このとき、スイッチSW5もONされるのでトナー非吸着面電極122にもトナー吸着電位が供給される。
S1347にてコントローラ1107は、モータ動作制御回路1008によりセンサ位置移動用モータ141を駆動して、トナー吸着面電極121を図9(b)のトナー吸着位置に移動させる。このとき、センサ位置移動用モータ141は、センサ回転部材119をCCW方向へ一定速度で回転させる。これにより、トナー吸着面電極121は、トナー吸着面電極121と現像スリーブ111とが対向する図9(b)のトナー吸着位置に移動する。
S1348にてコントローラ1107は、所定期間(t8〜t14)の間、トナー吸着面電極121にトナー粒子を吸着させる。時刻t8〜t9にて、現像スリーブ111の電位(−450[V])に対してトナー吸着面電極121の電位(+150[V])が600[V]高いので、相対的に電荷量が多いトナー粒子がトナー吸着面電極121に吸着する。実線901で示すように吸着したトナー粒子の負の電荷によりトナー吸着面電極121の電位が負の方向に変化する。図8の時刻t9において、トナー吸着面電極121の電位は+100[V]に低下する。
時刻t9〜t10にて、現像スリーブ111の電位(+300[V])がトナー吸着面電極121の電位(+100[V]より200[V]高いので、現像スリーブ111からトナー吸着面電極121へのトナー粒子の吸着は行われない。このとき、トナー吸着面電極121の電位は+100[V]のままである。時刻t10〜t11にて、現像スリーブ111の電位(−1200[V])に対してトナー吸着面電極121の電位(+100[V])は1300[V]高いので、現像スリーブ111からトナー吸着面電極121にトナー粒子が吸着する。実線901で示すように、トナー吸着面電極121に吸着したトナー粒子の負の電荷により、時刻t11においてトナー吸着面電極121の電位は−50[V]まで低下する。
時刻t11〜t12にて、現像スリーブ111の電位(+300[V])の方がトナー吸着面電極121の電位(−50[V])より350[V]高いので、現像スリーブ111からトナー吸着面電極121へのトナー粒子の吸着は行われない。さらに、時刻t12〜t13にて、現像スリーブ111の電位(−1200[V])がトナー吸着面電極121の電位(−50[V])より1150[V]高いので、現像スリーブ111からトナー吸着面電極121にトナー粒子が吸着する。実線901で示すように、トナー吸着面電極121に吸着したトナーの負の電荷により、時刻t19においてトナー吸着面電極121の電位は−200[V]に低下する。さらに、時刻t13〜t14にて、現像スリーブ111の電位(−450[V])に対してトナー吸着面電極121の電位(−200[V])は200[V]高いので、現像スリーブ111からトナー吸着面電極121に微量のトナー粒子が吸着する。また、本実施例では、現像スリーブ111上のトナー粒子をトナー吸着面電極121に吸着させるため、トナー吸着面電極121をトナー吸着位置に停止させる構成とした。しかしながら、トナー吸着面電極121を図9(a)の位置から図9(c)の位置へ一定速度で回転させ、トナー吸着面電極121が図9(b)のトナー吸着位置を通過している間に、現像スリーブ111上のトナー粒子をトナー吸着面電極121に吸着させる構成としてもよい。
S1349にてコントローラ1107は、モータ動作制御回路1008によりセンサ位置移動用モータ141を駆動して、トナー吸着面電極121を図9(c)の位置に移動させる。これにより、センサ位置移動用モータ141は、センサ回転部材119をCCW方向へ回転させることで、トナー吸着面電極121をトナー吸着位置から退避させる。
S1350にてコントローラ1107は、スイッチSW1、及びSW5をOFFにする。コントローラ1107は、スイッチSW1、及びSW5をONからOFFにして、現像スリーブ111からトナー吸着面電極121へのトナー粒子の吸着を停止する。このとき、コンデンサC1がトナー吸着面電極121から切り離されるので、トナー吸着面電極121に吸着させたトナー粒子の電荷によって変化したコンデンサC1の電位は保持される。
[QとMの測定(S1305)]
S1305にて、コントローラ1107は、電荷量算出部1232、周波数測定部1234、質量算出部1235を制御して、コンデンサC1の両端の電位差V2と水晶片127の発振周波数f2を測定する。具体的に述べると、コントローラ1107はトナー吸着面電極121にトナー粒子を吸着させた後、コンデンサC1の電位と水晶片127の発振周波数を測定する。なお、S1305の測定シーケンスは図6のトナー吸着前のQとMの測定シーケンスS1303の説明と同じであるので詳細な説明は省略する。コントローラ1107は、トナー吸着面電極121にトナー粒子を吸着させた状態で、電荷量算出部1232にコンデンサC1の電位V2を測定させると共に、周波数測定部1234に水晶片127の発振周波数f2を測定させる。以下の説明において、トナー吸着面電極121にトナー粒子を吸着させた状態で測定されたコンデンサC1の両端の電位差はトナー吸着後電位V2と称し、トナー吸着面電極121にトナー粒子を吸着させた状態で測定された水晶片127の発振周波数をトナー吸着後周波数f2と称す。
電荷量算出部1232は、トナー吸着前電位V1とトナー吸着後電位V2とから式2により電荷量Qを算出する。
Q=C(V1−V2) ・・・(式2)
なお、係数CはコンデンサC1の容量である。
質量算出部1235は、トナー吸着前周波数f1とトナー吸着後周波数f2から式3により質量Mを算出する。なお、Aは有効振動面積、即ち、トナー吸着面電極の面積である。また、式3は式1を変形した式である。
Figure 2014219455
・・・(式3)
[トナー帯電量の検出(S1306)]
Q測定回路1102で測定した電荷量Qと、M測定回路1103で測定した質量Mは、図5に示すQ/M算出部1106に送られる。時刻t14(図8)においてQ/M算出部1106に電荷量Qと質量Mが入力されると、Q/M算出部1106は式4により、トナー吸着面電極121に吸着させたトナー粒子の帯電量Q/Mを算出する。
トナー帯電量Q/M=(電荷量Q)/(質量M) ・・・(式4)
S1306にてトナー帯電量Q/Mが検出された後、コントローラ1107はS1307へ移行する。そして、コントローラ1107はトナー帯電量の測定を継続するか否かを判定する(S1307)。コントローラ1107は、トナー帯電量の測定を継続する場合(S1307にてYES)、モータ動作制御回路1008によりセンサ位置移動用モータ141を駆動して、トナー吸着面電極121を図9(a)の位置に移動させる。コントローラ1107がセンサ回転部材119をCW方向へ回転させることで、トナー吸着面電極121が図9(a)の位置まで移動した後、再びS1301にてコンデンサC1が充電される。
以上、トナー吸着面121に吸着させたトナー粒子の質量Mと電荷量Qを正確に測定し、質量Mと電荷量Qに基づいて検出されたトナー帯電量、すなわち、現像スリーブ上のトナー帯電量Q/Mが高精度に検出される。
[画像濃度調整方法]
本実施例においては、コントローラ1107がトナー帯電量Q/Mの検出結果に基づいて、画像信号を補正するためのγLUTを決定する階調補正制御について説明する。
画像形成装置10は、固有の階調特性を有しているので、入力された画像信号に応じて画像形成装置10によって形成された画像の濃度が所望の濃度(以降、目標濃度と称す。)とならない。以下の説明においては、画像信号と出力画像の濃度との関係が、例えば図13(a)の「実際の階調特性」に示す関係となった場合について説明する。画像形成装置10の階調特性は、画像信号に対する出力画像の濃度もしくは明度等が線形であることが理想的である。そこで、コントローラ1107が階調補正制御モードを実行すると、コントローラ1107が図13(a)の「実際の階調特性」を「所望の階調特性」を基準にして逆変換し、階調補正テーブル(γLUT)を作成する。ここで、画像信号に対する出力画像の濃度、もしくは明度が線形となった階調特性を所望の階調特性と称す。画像信号が図13(b)に示したγLUTを用いて補正されると、補正された画像信号に応じて画像形成装置10に形成される画像の濃度が目標濃度となる。
以下に、画像形成装置10の主電源がオンされた後にCPU606が実行する第1の階調補正制御について説明する。なお、画像形成装置10が所定ページ分のトナー像を形成した後に、CPU606が階調補正制御モードを実行する構成としても良い。また、CPU606が所定のタイミングにて感光ドラム101上にパッチ画像を形成し、光学センサ607により検知されたパッチ画像の検知濃度と目標濃度との差が所定値以上異なる場合に、CPU606が階調補正制御モードを実行する構成としても良い。
CPU606が階調補正制御モードを実行すると、CPU606は予め規定された複数のパッチ画像を形成すると共に、これら複数のパッチ画像の濃度を検知する。即ち、LUT601が予め設定してある画像信号をROM605に記憶されているγLUTに基づいて補正した後、CPU606が異なる濃度のパッチ画像を感光ドラム101上に形成させる。そして、CPU606は光学センサ607により、感光ドラム101上のパッチ画像の濃度を測定する。なお、光学センサ607は、感光ドラム101の回転方向において現像位置よりも下流側に配置される。次いで、CPU606は、パッチ画像の画像信号に対応する濃度値(設定値)と、光学センサ607により測定されたパッチ画像の濃度(実測値)から得られる階調特性に基づいて、LUT601がγLUTを作成する。なお、CPU606が階調補正制御モードを実行している間、画像形成装置10は画像を形成することができない。しかし、例えば、画像形成装置10が画像を連続して形成している間に、画像形成装置10内の温度や湿度が変化してしまうと、予め記憶されたγLUTに基づいて画像信号が補正されたとしても、出力画像の濃度が目標濃度とならない可能性がある。そこで、本実施例では、外部PCから転送された画像データや、スキャナにより読み取られた画像データに基づき、画像形成装置10が画像を形成する画像形成モードが実行されている間に、γLUT補正部602がγLUTを補正する。
本実施例では、階調補正制御モードにて決定されたγLUT(以降、基準γLUTと称す。)がRAM604に記憶された後、画像形成モードと並行してγLUT補正部602が基準γLUTを補正する。本実施例においては、CPU606が階調補正制御モードを実行している間に、現像装置104内のトナー粒子の帯電量を検知した結果(基準トナー帯電量Q/Mref)をRAM604に記憶する。そして、所定のタイミングにて検知されたトナー帯電量Q/Mと基準トナー帯電量Q/Mrefとに基づいて、CPU606が基準γLUTを補正する。
(基準トナー帯電量測定)
ここで、基準トナー帯電量を決定する決定処理を図14に基づいて説明する。即ち、階調補正制御モードにて画像形成装置10が複数のパッチ画像を形成している間に、トナー帯電量測定装置108により検出された現像スリーブ111上のトナー粒子の帯電量に基づいてCPU660が基準トナー帯電量を決定する。
決定処理が開始されると、CPU606は現像スリーブ111と撹拌スクリュー118の回転駆動を開始する(S701)。これにより、現像装置104内のトナー粒子の帯電量が増加する。次いで、CPU606は、前述の複数のパッチ画像の形成を開始する(S702)。即ち、感光ドラム101上のパッチ画像を順次現像している間、CPU606はトナー帯電量計測シーケンスを実施し、現像装置104内のトナー粒子の帯電量Q/Mを検出すると共に、トナー帯電量を検出した時刻tnを記憶する(S703)。
そして、CPU606は、予め設定された画像信号に基づく複数のパッチ画像を全て形成したか否かを判定する(S704)。即ち、現像装置104が複数のパッチ画像を全て現像し終えたか否かをCPU606が判定する。S704にて、複数のパッチ画像を全て形成し終えていなければ、CPU606はS703へ移行する。つまり、S703とS704を繰り返すことで、複数のパッチ画像が全て形成し終えるまで、CPU606は現像装置104内のトナー粒子の帯電量を検出し続ける。
一方、S704にて現像装置104が複数のパッチ画像を全て現像し終えた場合、CPU606は基準トナー帯電量Q/Mrefを決定する(S705)。ここで、複数のパッチ画像が形成されている間にCPU606が検出したトナー帯電量Q/Mを比較し、トナー帯電量の最大値を基準トナー帯電量Q/Mrefとして決定する。基準トナー帯電量Q/MrefはRAM604等の記憶部に記憶される。なお、各時刻tnに検出されたトナー帯電量Q/Mの最大値が目標値(Q/M)よりも低ければ、トナー帯電量Q/Mの推移から基準トナー帯電量Q/Mrefを予測する構成としてもよい。もしくは、予め実験によって決定された基準トナー帯電量Q/MrefがROM605に記憶された構成であってもよい。
(γLUT補正)
次に、γLUT補正部602が階調補正制御モードにて決定された基準γLUTを、トナー帯電量の検出結果に基づいて補正するγLUT補正処理を、画像形成工程を示す図15のフローチャート図に基づき説明する。なお、γLUT補正部602はγLUT補正処理を画像形成工程と並行して実行する。
まず、コントローラ1107に画像データが入力されると(S711)、CPU606は画像データに応じた画像を形成するための画像形成工程を開始すると共に、トナー帯電量測定シーケンス(図6)を開始する(S712)。CPU606は、トナー帯電量測定シーケンスにより算出された電荷量Q及び質量Mを測定する(S713)。
次に、CPU606は、電荷量Qと質量Mからトナー帯電量Q/Mを算出する(S714)。そして、CPU606は、トナー帯電量Q/Mと予めRAM604、又はROM605に保持してある基準トナー帯電量Q/Mrefの差(偏差ΔQ/M)を式5に基づいて算出する。
ΔQ/M=|Q/Mref−Q/M| ・・・(式5)
次いで、CPU606は、トナー帯電量の偏差ΔQ/Mが閾値α以上か否かを判定する(S715)。ここで、閾値αは、現像剤の種類、トナー粒子とキャリアとの比率等によって異なる基準トナー帯電量に応じて決定される。本実施例においては、例えば基準トナー帯電量Q/Mrefが−60[μC/g]の場合には、閾値αを3[μC/g]とした。なお、閾値αはROM605等の記憶部に予め保持されている。そして、トナー帯電量の偏差ΔQ/Mが閾値α(3[μC])未満の場合(S715にてNO)、CPU606はS719へ進む。
S719にて、CPU606は、γLUTが基準γLUTか否かを判定する。現在設定されているγLUTが基準γLUTである場合(S719にてYES)、CPU606はS713へ戻る。一方、現在設定されているγLUTが基準γLUTではない場合(S719にてNO)、CPU606はS720へ進む。
現在設定されているγLUTが基準γLUTではない場合(S719にてNO)、CPU606は、現在設定されているγLUTを基準γLUT601に変更して、基準γLUTをRAM604等の記憶部に保持する(S720)。
また、トナー帯電量の偏差ΔQ/Mが閾値α(3[μC])以上の場合(S715にてYES)、CPU606はS716へ進む。S716にて、CPU606は、トナー帯電量の偏差ΔQ/Mに応じてγLUTを補正する。
ここで、トナー帯電量の偏差ΔQ/Mに応じてγLUTを補正する方法を図16に基づいて説明する。図16にトナー帯電量による階調特性変動の模式図を示す。画像信号に対する画像濃度は、トナー帯電量の変化により、図16に示すような挙動を示す。従って、γLUT補正部602は、基準γLUTに対してΔQ/M分を補正する。γLUT補正部602は、例えば、式6によりトナー帯電量補正係数kを求め、この係数kを基準γLUTに乗じる。
k=(Q/M)/(Q/Mref) ・・・(式6)
S716にてγLUT602が基準γLUTを補正した後、CPU606がS716で補正したγLUTをRAM604等の記憶部に記憶させる(S717)。次に、CPU606は、現像装置104が画像データに応じた画像を現像し終えているか否かを判定する(S718)。即ち、CPU606は、画像データに基づく画像を全て形成し終えたか否かを判定する。S718にて現像装置104が画像データに応じた画像を現像し終えていない場合(S718にてNO)、CPU606はトナー帯電量測定シーケンス(S713)へ戻る。一方、S718にて現像装置104のシーケンスが画像データに応じた画像を現像し終えている場合(S718にてYES)、CPU606は、γLUTを基準γLUTに変更し(S721)、γLUT補正処理を終了する。
[効果]
本実施例によれば、トナー吸着面電極121に吸着されたトナー粒子のトナー帯電量を検出している間に、トナー吸着面電極121に付着するトナーの量が変動してしまうことを抑制できるので、高精度にトナーの帯電量を測定することができる。
さらに、本実施例によれば、トナー吸着面電極121に吸着させたトナー粒子を除去することで、現像スリーブ111上のトナー粒子のトナー帯電量が変化してしまうことを抑制することができる。
また、トナー粒子を吸着する工程において、現像スリーブに担持されたトナー粒子とトナー帯電量測定装置のトナー吸着面電極とを接触させるようにしてもよい。これにより、感光ドラムへトナー粒子を移動させる現像工程と同様な条件で、トナー帯電量測定装置のトナー吸着面電極へトナー粒子を移動させ、トナー吸着面電極の表面に均一にトナー粒子を吸着させることができ、帯電量測定値の精度を高めることができる。
トナー帯電量を正確に行い、測定値をもとに、画像形成装置の制御を行うことにより、濃度ムラが少ない画像を出力することが可能となる。
<実施例2>
[現像装置の構成]
図17は、本実施例に係る現像装置104の構成を示す図である。現像装置104内構成において、実施例1と共通する部分の説明は省略する。本実施例に係る現像装置において、センサホルダ131、ガイド部材132、押込部材133、押込部材ギヤ134、モータギヤ135、引っ張りばねからなる与圧ばね136、センサ位置移動用モータ141、モータ動作制御回路1008を有する。
センサホルダ131は、トナー吸着面電極121が現像スリーブ111に向くようにトナー帯電量測定装置108を固定している。ガイド部材132により、センサホルダ131は上下方向にのみ移動するよう移動方向を規制される。ここでの上下方向とは、現像スリーブ111のトナーの搬送面に近づく方向と、遠ざかる方向を意味する。センサホルダ131とガイド部材132の土台部とは、互いに与圧ばね136により連結される。ガイド部材132の土台部には、押込部材133に設けられたネジ部と結合するためのネジ穴が設けられている。センサホルダ131は、与圧ばね136の復元力によりガイド部材の土台部のある側に押しつけられる力を受け、押込部材の133の先端部と接触し、位置が決まる。押込部材133の後端部には、押込部材ギヤ134が取り付けられる。
モータ動作制御回路1008からの制御信号をセンサ位置移動用モータ141が受け付けると、モータギヤ135および押込部材ギヤ134を介して、押込部材133に回転する力が加えられる。これに伴って、押込部材133はガイド部材132の土台部に対して上下方向に動くようになっている。
押込部材133の初期位置は、可動範囲内における、トナー吸着面電極121と現像スリーブ111に担持されているトナー粒子との距離が最も遠くなる位置に設定されている。モータ動作制御回路1008は、センサ位置移動用モータ141に入力するパルス波の数を制御することにより、押込部材133の位置を制御し、センサホルダ131およびトナー吸着面電極121の位置を決めることができる。
[現像装置の動作]
Q/M測定系の構成、Q/M測定工程のフローチャート、Q/M測定用電気回路、Q/M測定の動作タイミングチャートについては、実施例1で説明した内容と同様のため、省略する。図18を用いてトナー帯電量測定時に移動されるトナー吸着面電極121の位置の変化を説明する。
図18は、トナー帯電量測定装置108の位置の変化を示す図であり、図18(a)はトナー吸着前の処理を行う位置およびトナー帯電量の測定を行う位置を示し、図18(b)はトナー吸着を行う位置をそれぞれ示している。
なお、本実施例では、図18に示すようにトナーの搬送面に対して上下方向の一方向に吸着面を移動させるように制御しているが、これに限定するものではない。同様に、トナー吸着面電極121にトナーを吸着させる際にトナー吸着面電極121が現像スリーブ111に近づき、トナー帯電力を測定する際にトナー吸着面電極121が現像スリーブ111から退避する構成とすれば、どのような構成としてもよい。
[トナー吸着電位の充電(S1301)]
トナー吸着面電極121は、図18(a)の位置で、トナー吸着後の電荷量と質量の測定を行い、その位置で待機する。なお、トナー吸着面電極121が図18(a)の位置にある場合、現像スリーブ111上のトナー粒子はトナー吸着面電極121へ移動しない。なお、S1301(図10)は、実施例1と同様のため説明を省略する。
[トナー除去(S1302)]
トナー吸着面電極121は、図18(a)の位置で、エアーノズル125から吹きつけられるエアーにより、トナー吸着面電極121に吸着しているトナー粒子が除去される。S1303の詳細な動作は、実施例1と同様のため説明を省略する。
[トナー吸着シーケンス(S1304)]
QとMを算出するための基準値V1、f1の測定が完了した後、トナー吸着面電極121に現像スリーブ111上のトナー粒子を吸着させてトナー帯電量の測定が可能となる。まず、トナーの吸着について説明する。図12を用いてS1304の詳細な動作工程を説明する。S1345、S1346は、実施例1と同様の動作をするので説明を省略する。
S1347にて、コントローラ1107はトナー吸着面電極121を図18(b)の位置に移動する。図18(a)の退避位置にあったトナー吸着面電極121は、センサ位置移動用モータ141からの駆動力を受け、下方向へ移動する押込部材133によって押し下げられ、図18(b)の吸着位置で停止する。図18(b)の吸着位置までトナー吸着面電極121が移動すると、トナー吸着面電極121と現像スリーブ111の距離が狭まることで、両者の間の電界強度が高まり、現像スリーブ111に担持されているトナー粒子が、トナー吸着面電極121に吸着する。
S1348にてコントローラ1107は、トナー吸着面電極121に現像スリーブ111上のトナー粒子を吸着させる。ここでコントローラ1107は、トナー吸着面電極121にトナー粒子が吸着されるまで待機する。トナー吸着面電極121にトナー粒子が吸着すると、トナー吸着面電極121に吸着したトナー粒子の電荷によりコンデンサC1の電位が変化する。
S1349にてコントローラ1107は、トナー吸着面電極121を図18(a)の退避位置に移動する。コントローラ1107は、センサ位置移動用モータ141を、押込部材133を下方向へ移動させたときとは逆方向に回転させ、トナー吸着面電極121にトナー粒子を吸着させた状態で、図18(b)の吸着位置から図18(a)の退避位置まで移動させる。
S1350にてコントローラ1107は、SW1、SW5をOFFにする。コントローラ1107は、SW1とSW5をOFFにすることでトナーの吸着を停止する。このとき、コンデンサC1はトナー吸着面電極121から切り離されるので、トナー吸着面電極121にトナー粒子が吸着したことにより変化したコンデンサC1の電位が保持される。S1305、S1306のシーケンスは、実施例1と同様のため説明を省略する。
[Q/Mの測定の継続可否の決定(S1307)]
S1307にてコントローラ1107は、トナー帯電量の測定を終了するか、トナー帯電量の測定を続けるのかを判定する。トナー帯電量の測定を継続する場合(S1307にてYES)、S1301へと移行する。
以上の様な工程を経て帯電量Q/Mの測定を行われる。Q/Mの測定結果を用いた階調補正制御については、実施例1で説明した方法と同様のため、説明を省略する。以上の構成により、トナー帯電量の測定を正確に行い、測定値をもとに階調補正制御を行うことにより、実施例2の構成においても、実施例1と同様の効果が得られる。
<実施例3>
図19は、本実施例で用いる現像装置104の構成を示す図である。以下の説明では、現像装置104において、実施例1との共通する部分の説明を省略する。
本実施例においては、センサ回転部材119の回転方向に複数のトナー帯電量測定装置108を並べた構成となっている。トナー帯電量測定装置108は、例えば、センサ回転部材119の同一の円の回転軸Oに対して120度毎に3個配置される。その結果、各センサ回転部材は、同一円の円弧上を移動することとなる。各センサ回転部材119は、センサ位置移動用モータ141からの駆動力を受け、回転軸Oを中心に回転する。センサ回転部材119が回転することで、トナー帯電量測定装置108が現像スリーブ111に最も近づいたときに、当該トナー帯電量測定装置108のトナー吸着面電極121が現像スリーブ111と向かい合うように、夫々のトナー吸着面電極121が配置されている。また、トナー吸着面電極121が現像スリーブ111と対向する位置に移動した場合、トナー吸着面電極121の表面と現像スリーブ111との間に僅少な隙間ができるように、トナー帯電量測定装置108が配置される。なお、トナー帯電量測定装置108の初期位置は、後述するトナー吸着面電極121に吸着したトナーの除去を行う位置に設定されている。モータ動作制御回路1008が、センサ位置移動用モータ141に入力するパルス波の数と周波数、回転方向を制御することにより、センサ回転部材119の回転角度、回転速度、回転方向が制御される。即ち、モータ動作制御回路1008はトナー帯電量測定装置108の位置と動作を決定する。
トナー帯電量測定装置108の各々は、実施例1の図7で示した電気回路と接続され、独立にトナー帯電量の検出を行うことができる。トナー帯電量の計測シーケンスにおける各トナー吸着面電極121の位置を図20に基づいて説明する。なお、説明のため、3つのトナー吸着面電極121には、それぞれa〜cを番号の後ろに付して区別している。
図20は、トナー帯電量測定装置108の位置を示す図である。
[トナー吸着電位の充電(S1301)]
CPU606は、図20(a)の位置において、トナー吸着面電極121aの充電工程を実施する。
[トナー除去(S1302)]
CPU606は、図20(a)の位置において、エアーノズル125からエアーを吹きつけ、トナー吸着面電極121aに吸着されたトナー粒子を除去する。
[トナー吸着(S1304)]
次いで、CPU606センサ回転部材119を時計回りに回転駆動させ、トナー吸着面電極121aを移動させる。トナー吸着面電極121aと現像スリーブ111が対向する図20(c)の位置を、トナー吸着面電極121aが一定速度で通過する間、現像スリーブ111に担持されているトナー粒子が、静電力によりトナー吸着面電極121aに吸着する。このとき、トナー吸着面電極121aに吸着した電荷によりコンデンサC1の電位が変化する。
トナー吸着面電極121aは、図20(c)の位置を通過したあと、一定速度を維持しながら図20(a)の位置へと移動する。
トナー吸着面電極121aが図20(c)の位置を通過し終えると、CPU606は、SW1、SW5をOFFにする。これにより、CPU606は、現像スリーブ111からトナー吸着面電極121へのトナー粒子の吸着を停止する。このとき、コンデンサC1はトナー吸着面電極121aから切り離されるためトナー吸着により変化した電位は保持される。
[Q/Mの測定の継続可否の決定(S1307)]
CPU606は、トナー吸着面電極121を図20(a)の位置で待機させる。なお、Q/M測定を継続する場合(S1307にてYES)、再びS1301の動作へと移行すると共に、センサ回転部材119の回転駆動を開始する。
本実施例においては、トナー吸着面電極121a〜121cのそれぞれが、図6で示すトナー帯電量の計測シーケンスを順次行っており、連続的にトナーの帯電量の測定を行うことができる。
本実施例によれば、センサ回転部材119の回転方向に複数のトナー帯電量測定装置108を配置し、センサ回転部材119の回転方向を切り替えないので、トナー粒子の帯電量を検出する時間を短縮することができる。
<実施例4>
図21は、本実施例で用いるトナー帯電量測定装置108の構成を示す図である。トナー吸着面電極121に曲率半径Rの曲率が設けられている。なお、センサ回転部材119は回転軸Oを中心に回転駆動される。現像スリーブ111は回転軸O’を中心に回転駆動される。一点鎖線Iは、センサ回転部材119の回転軸Oと現像スリーブ111の回転軸O’とを結ぶ仮想平面である。また、水晶片127に曲率を持たせることで水晶片127の感度を増加させている。つまり、トナー吸着面電極121の曲率半径Rの中心点とトナー帯電量測定装置108の回転軸Oとが同じになるように構成される。
本実施例では、センサ回転部材119の回転軸Oと、現像スリーブ111の回転軸O’とに平行な平面に対して、トナー吸着面電極121の面積が等しくなるようにトナー吸着面電極121が配置されている。また、センサ回転部材119の回転中心Oからトナー吸着面電極121の表面までの距離が所定の距離となるように、トナー吸着面電極121に曲率半径Rの曲率を設けたので、センサ回転部材119を回転させながら現像スリーブ111上のトナー粒子をトナー吸着面電極121に均一にトナー粒子を吸着させることができる。
なお、動作等については、実施例1と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施例によれば、トナー吸着面電極121に吸着させるトナー粒子の量を均一にすることができるので、トナー帯電量を高精度に検出することができる。

Claims (11)

  1. 画像形成に用いるトナーの帯電量を測定する現像装置であって、
    トナーを担持し搬送するトナー担持体と、
    前記トナー担持体が搬送するトナーを吸着するための電極が表面に形成された検知部材と、
    前記検知部材の位置を制御する制御手段と、
    前記検知部材に吸着したトナーの質量を測定する質量測定手段と、
    前記検知部材に吸着したトナーの電荷量を測定する電荷量測定手段と、
    前記質量測定手段にて測定したトナーの質量と、前記電荷量測定手段にて測定したトナーの電荷量とを用いてトナーの帯電量を算出する算出手段と
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記検知部材にトナーを吸着させる際に、前記トナー担持体が担持するトナーが前記検知部材に対し吸着が生じる位置に前記検知部材を移動させ、
    前記検知部材に吸着したトナーの質量と電荷量を測定する際に、前記トナー担持体が担持するトナーが前記検知部材への吸着が生じない位置に前記検知部材を移動させることを特徴とする現像装置。
  2. 前記検知部材に前記トナー担持体が担持するトナーを吸着させる位置は、前記トナー担持体のトナーの搬送方向において、トナーが感光体の表面に形成された静電潜像の現像にて使用される位置よりも前の位置であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記検知部材は、前記トナー担持体のトナーの搬送方向に対して回転方向が平行になるような回転軸を有する円の円弧上を移動することを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記検知部材を少なくとも2つ備え、
    複数の前記検知部材それぞれは、前記トナー担持体のトナーの搬送方向に対して回転方向が平行になるような回転軸を有する同一の円の円弧上の互いに異なる位置を移動することを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
  5. 前記検知部材のトナーを吸着させる表面の曲率は、前記検知部材が移動する円の円弧と同じ曲率であることを特徴とする請求項3または4に記載の現像装置。
  6. 前記検知部材の移動方向はトナーの搬送方向に対して所定の一方向に規制され、
    前記制御手段は、
    前記検知部材にトナーを吸着させる際に、前記検知部材と前記トナー担持体との距離が縮まるように移動させ、
    前記検知部材に吸着したトナーの電荷量と質量とを測定する際に、前記前記検知部材と前記トナー担持体との距離が広がるように移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  7. 前記検知部材に吸着したトナーを除去するトナー除去手段を更に有し、
    前記検知部材に吸着したトナーの電荷量と質量とを測定した後に、前記トナー除去手段は、前記検知部材へのトナーの吸着が生じない位置で、前記検知部材に吸着したトナーを除去することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の現像装置。
  8. 前記検知部材は、表面に吸着した物質の質量に応じて振動状態が変化する振動子からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の現像装置。
  9. 前記振動子は、水晶振動子であることを特徴とする請求項8に記載の現像装置。
  10. 前記トナー担持体は円柱形状であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の現像装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の現像装置を備える電子写真方式の画像形成装置。
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