JP2014218805A - 切換機構 - Google Patents

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Toshiyuki Sakai
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Abstract

【課題】回動部材に対する手動操作に応じて、回動部材の作動許容状態と停止保持状態とを切り換え、確実に停止保持状態を維持し得る切換機構を提供する。
【解決手段】本体1、回転体2、揺動部材3及び付勢部材5を備え、回動部材(例えば車両のドア)に対する回動操作時には、これに連動する回転体の回転に応じて揺動部材に遠心力が生じ、この遠心力により付勢部材の付勢力に抗して揺動部材が軸部1aから離隔して作動許容状態とされる。回動部材の停止時には、揺動部材が付勢部材によって軸部に押接されて摩擦係合により回転体が停止状態に保持され、停止保持状態が維持される。更に、回動部材の過回転時には、揺動部材が遠心力によって軸部に押接され、摩擦係合により回転体に対し制動力が付与される。
【選択図】図1

Description

本発明は、固定部材と回動部材との間に介装し、該回動部材の作動を許容する作動許容状態と当該回動部材を所望の停止位置で保持する停止保持状態とを切り換える切換機構に関し、特に、車両のドア装置等に好適な切換機構に係る。
車両のヒンジ式ドア装置におけるドアの開放位置を規制するドア位置規制装置に関し、例えば下記の特許文献1には「アクチュエータを用いることなく、ドアの開閉動作を利用して制動モードと解除モードの切換えを行なうこと」を目的とし(特許文献1の段落〔0011〕に記載)、「ドアを開方向の途中で止めたのち、ドアを閉方向に少し動かすと、チェンジリングが第1の方向に回転することにより、制動機構が制動モードに切換わる。また、ドアを全閉方向に移動させると、ドアの閉動作に伴ってチェンジリングが第2の方向に駆動され、制動機構が解除モードに切換わる。すなわち手動によるドアの閉動作を利用して、アクチュエータを用いることなく制動モードと解除モードとの切換えを行なう」装置が提案されている(同段落〔0017〕に記載)。
また、下記の特許文献2には、ドアを任意の開度で保持するドア開閉保持装置に関し、「ドアの開閉時にチェック力が作用しないようにして、ドア開閉操作性を向上可能とすることを、簡単で違和感の無い操作により行う」ことを目的とした装置が提案され(特許文献2の段落〔0004〕及び〔0005〕に記載)、「ドアを開く際には、係合解除操作部材を操作し、チェック機構を非係合状態として、チェック力が作用しない状態で、スムーズにドアを開くことができる。一方、ドアを閉じる際には、係合解除操作部材を動作させることなくドアの閉止動作を行うだけで、チェック機構が非係合状態となってドアを閉じることができる。」旨記載されている(同段落〔0006〕に記載)。
更に、下記の特許文献3には、産業用、商業用、家庭用、又はガレージ用のドアの制動装置に関し、「高速ドアの可動部を上げ下げするシャフトの回転を制動するための装置」として、「シャフトにより回転されるエンドプレートを有し、このシャフトは、複数のキャビティを有し、これらキャビティの各々は、壁を有し、この壁は、動作状態で重りのための支持部としての役割を果たし、前記エンドプレートの回転軸に対して90°より小さい角度で傾斜しており、各キャビティは、前記エンドプレートの回転軸の近くに位置している基端部と、このエンドプレートの回転軸から離れた末端部とを有している。各重りは、キャビティの中を、この重りがこのキャビティの基端部を有する領域にある、前記シャフトの通常の速度での動作の位置と、前記重りが前記キャビティの末端部を有する領域にあり、前記シャフトの回転を制動するための手段を作動させる、前記シャフトの所定の閾値を超える速度での動作の位置との間で移動する」装置が提案されている(特許文献3の段落〔0009〕に記載)。
特開2009−235844号公報 特開2010−95855公報 特開2008−528843号公報
上記特許文献1に記載のドア位置規制装置においては、制動モードにするためには「ドアを開方向の途中で止めたのち、ドアを閉方向に少し動かす」操作が必要で、制動モードから解除モードへの切換には閉方向操作が必要であり、制動モードから開方向への操作ができない等、操作性に課題が残る。また、特許文献2に記載のドア開閉保持装置においても、保持解除時には係合解除操作部材を操作することが必要であり、操作性に課題が残る。このような特許文献1及び2に記載の装置におけるドアを回動部材とし、取付側の車体構成部材を固定部材とした場合においては、回動部材(ドア)の操作に応じて、回動部材の作動を許容する作動許容状態と回動部材を所望の停止位置で保持する停止保持状態とを容易且つ円滑に切り換え、停止保持状態を確実に維持し得る切換機構が必要とされる。
また、上記特許文献3に記載の装置においては、錘の移動によってブレーキ作用を行うこととしているが、電気モータを駆動源とするものであり、手動操作に対応するものではなく、複雑な構造の制動装置となっている。一般的に、駆動源の断続にはクラッチ機構が用いられるが、クラッチ機構は、断続的に原動体から従動体に伝動する機構で、手動的又は自動的に連結を係合離脱する機構と定義され、歯と歯との係合による抜差クラッチと、摩擦係合による摩擦クラッチに二分されている。何れも、原動体から従動体への伝動時に係合し、非伝動時に離脱するよう構成されており、後者の摩擦クラッチでは摩擦抵抗(摩擦力)を利用して回転を伝動するものであるため、伝動中の摩擦状態の保持が重視されるが、非伝動時は離脱状態であるので、その状態(停止状態)を保持するためには別途対策を講ずる必要がある。
そこで、本発明は、固定部材と該固定部材に対し相対的に回転する回動部材との間に介装し、該回動部材の作動を許容する作動許容状態と当該回動部材を所望の停止位置で保持する停止保持状態とを切り換える切換機構において、電気的制御を必要とすることなく、簡単な構成で、回動部材に対する手動操作に応じて回動部材の作動許容状態と停止保持状態とを円滑に切り換え、停止保持状態を確実に維持し得る切換機構を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するため、本発明は、固定部材と該固定部材に対し相対的に回転する回動部材との間に介装し、該回動部材の作動を許容する作動許容状態と当該回動部材を所望の停止位置で保持する停止保持状態とを切り換える切換機構において、軸部を有し前記固定部材に装着する本体と、該本体とは独立して前記軸部を中心に回転可能に支持し前記回動部材に連結する回転体と、該回転体に揺動可能に軸支し揺動に応じて前記軸部に対し当接又は離隔する単一の揺動部材と、前記回転体に支持し前記揺動部材を前記軸部の中心方向に付勢する付勢部材とを備え、前記回動部材の回動操作時には、前記回動部材に連動して回転する前記回転体の回転に応じて前記揺動部材に遠心力が生じ、該遠心力により前記付勢部材の付勢力に抗して前記揺動部材が前記軸部から離隔して前記作動許容状態とされ、前記回動部材の停止時には、前記揺動部材が前記付勢部材の付勢力によって前記軸部に押接されて摩擦係合により前記回転体が停止状態に保持され、前記停止保持状態とされ、且つ、前記回動部材の過回転時には、前記揺動部材が前記遠心力によって前記軸部に押接されて摩擦係合により前記回転体に対し制動力が付与されるように構成したものである。
上記の切換機構において、前記揺動部材は、前記軸部を介して対向する内面を有し前記回転体に一つの揺動軸を中心に揺動可能に支持する二つの腕部と、該二つの腕部の一方から前記軸部に対し離隔する側に延出する遠心錘部とを有する構成とするとよい。更に、前記遠心錘部に対し前記軸部を介して反対側で、前記二つの腕部の他方から前記軸部に対し離隔する側に延出するバランス錘部を有するものとするとよい。
上記の切換機構において、前記付勢部材は、前記回転体に支持し前記二つの腕部の一方を前記軸部の中心方向に付勢する単一のばねで構成するとよい。
更に、前記軸部を中心に回転可能に支持する副回転体を備えたものとし、該副回転体と前記回転体との間に前記揺動部材を介装すると共に、前記揺動部材の揺動軸の両端を当該副回転体と前記回転体に支持する前記軸部を中心に回転可能に支持する構成としてもよい。
上記の切換機構において、前記回転体と前記回動部材との間に介装して前記回転体を前記回動部材に連結する歯車機構を備えたものとし、手動によって前記回動部材が回動操作されるときには、前記回転体が前記歯車機構を介して増速されるように構成するとよい。
前記回動部材が車両のドアであって、前記固定部材が前記ドアを回動自在に支持する車体構成部材である車両に上記の切換機構を装着するとよい。この場合において、前記固定部材に対し前記ドアを回動自在に支持する回動軸近傍に前記本体を配置するとよい。
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明の切換機構においては、上記の本体、回転体、揺動部材及び付勢部材を備え、回動部材の回動操作時には、回動部材に連動して回転する回転体の回転に応じて揺動部材に遠心力が生じ、この遠心力により付勢部材の付勢力に抗して揺動部材が軸部から離隔して回動部材は作動許容状態とされ、回動部材の停止時には、揺動部材が付勢部材の付勢力によって軸部に押接されて摩擦係合により回転体が停止状態に保持され、回動部材が停止保持状態とされ、且つ、回動部材の過回転時には、揺動部材が遠心力によって軸部に押接されて摩擦係合により回転体に対し制動力が付与されるように構成されているので、回動部材に対する手動操作に応じて作動許容状態と停止保持状態とを円滑に切り換えることができ、回転体が停止したときにはその停止状態を確実に保持することができると共に、回転体の過回転時には制動力を付与して適切に過回転を抑えることができる。従って、例えば、大きなドア保持力が要求される車両のドア装置に好適な切換機構を提供することができる。
上記の切換機構において、揺動部材は二つの腕部と遠心錘部とを有するものとし、回転体の回転に応じて生じる遠心力によって、二つの腕部の一方が付勢部材の付勢力に抗して軸部から離隔する方向に揺動するように構成すれば、簡単な構成で手動操作時の操作力を大幅に低減することができる。更に、バランス錘部を有するものとすれば、揺動部材の円滑な作動を確保することができる。
そして、付勢部材を単一のばねで構成すれば、単一の揺動部材と共に、最小の部品点数で上記の切換機構を構成することができる。
上記の構成に加え、副回転体を備えたものとし、揺動軸の両端を副回転体と回転体に支持する構成とすれば、両端支持により安定した状態で確実に保持することができる。
上記の切換機構において、回転体に前述の歯車機構が連結される構成とすれば、特に、手動による回動部材の回動操作に応じて回転体が回転するときには、手動操作入力が歯車機構を介して増速されるので、回動開始後直ちに手動操作力を低減することができる。従って、車両のドア装置に好適な切換機構を提供することができる。
例えば、回動部材が車両のドアであって、固定部材が車体構成部材である車両に上記の切換機構を装着する場合には、車体構成部材に対しドアを回動自在に支持する回動軸近傍に本体を配置すれば、所謂フライホイール効果によって、軽量なドアであっても重量感のある閉作動となり、容易且つ確実に閉操作を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る切換機構の一部を切除した斜視図である。 本発明の一実施形態に係る切換機構の停止保持状態を示す横断面図である。 本発明の一実施形態に係る切換機構の一部を切除した斜視図である。 本発明の一実施形態に係る切換機構の縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る切換機構の作動許容状態を示す横断面図である。 本発明の一実施形態に係る切換機構の制動状態を示す横断面図である。 本発明の一実施形態に係る切換機構が組み込まれた車両のドア装置の一部を切除して示す斜視図である。
以下、本発明の望ましい実施形態について図面を参照して説明する。先ず、図1乃至図6は本発明の切換機構の一実施形態を示すもので、例えば図7に示すように、回動部材が車両のドアDRであって、固定部材がドアDRを回動自在に支持する車体構成部材であるドアフレームDFに装着され、ドアDRの開閉操作における作動許容状態と停止保持状態との切り換えに供されるが、このドア装置については後述する。
本実施形態の基本構成は、図3及び図4に示すように、円柱状の軸部1aを内部に有する容器状の本体1の開口部に支持部材7が嵌着されてハウジングが構成される。支持部材7には、本体1とは独立して軸部1aを中心に回転可能に回転体2が支持されており、回転体2に固着された連結軸2a及び歯車G、並びにこれに噛合する歯車機構RDを介して、回動部材(例えば図7のドアDR)に連結される。
上記の回転体2には揺動部材3が揺動可能に軸支されており、揺動に応じて揺動部材3が軸部1aに当接又は離隔するように配設されている。本実施形態の揺動部材3は、図2に示すように、軸部1aを介して対向する内面を有し、回転体2に一つの揺動軸3aを中心に揺動可能に支持する二つの腕部3b及び3cと、一方の腕部3bから軸部1aに対し離隔する側に延出する遠心錘部3dと、この遠心錘部3dに対し軸部1aを介して反対側で、他方の腕部3cから軸部1aに対し離隔する側に延出するバランス錘部3e及び3fとを備えている。揺動部材3には遠心錘部3dのみを設けることとしてもよいが、本実施形態では揺動部材3の回転バランスをとるためバランス錘部3e及び3fを設けることとしている。尚、腕部3b及び3cと遠心錘部3d並びにバランス錘部3e及び3fは一体で形成されているが、これらを別体で形成した後に接合することとしてもよい。
そして、図1乃至図3に示すように、回転体2に設けられる支持部材4と揺動部材3(その腕部3c及びバランス錘部3f)との間に付勢部材5が支持されており、図2に白抜矢印で示すように、腕部3bを軸部1aの中心方向に付勢するように配設されている。本実施形態の付勢部材5は、腕部3cの自由端側に配設された一つのコイルばねから成るが、板ばねやゴム等を用いることとしてもよい。
本実施形態では、図3及び図4に示すように、回転体2に平行に副回転体6が配設され、本体1の軸部1aに回転可能に支持されている。従って、揺動部材3は回転体2と副回転体6との間に介装されると共に、揺動軸3aの両端が回転体2と副回転体6に支持されており、両端支持構造となっているが、必要な剛性を維持できれば副回転体6を設けることなく回転体2のみに揺動部材3を支持する片持支持構造としてもよい。また、付勢部材5を支持する支持部材4も、その両端が回転体2と副回転体6に支持されているが、一方のみに支持することとしてもよい。尚、図4においてBは軸受(ベアリング)を表し、軸受Bを介して、支持部材7(ひいては本体1)に回転体2が回転可能に支持されると共に、軸部1aに副回転体6が回転可能に支持されている。
上記の構成になる切換機構において、手動による回動部材(ドアDR)の回動操作に連動する回転体2の作動を図1乃至図6を参照して説明する。尚、説明を容易にするため図2、図5及び図6のハッチングは省略している。先ず、回転体2(及び副回転体6)の非作動時には、図2に示すように、付勢部材5の付勢力により揺動部材3が軸部1aに押接されて白抜矢印で示す方向に押圧力が付与され、腕部3bの内面が図2のS点で軸部1aの外周面に線接触し、腕部3bと軸部1aの摩擦係合により回転体2が停止状態に保持されている。尚、図示は省略するが、腕部3b及び3cの内面と軸部1aの外周面の当接面に細溝や凸凹うねりを形成することによって、手動操作時の起動フィーリングを調整することができる。
次に、手動による回動部材(ドアDR)の回動操作に連動して、回転体2(及び副回転体6)が図5の外周に回転矢印(R2)で示す方向に回転すると、その回転に応じて遠心錘部3dに遠心力が生じ、この遠心力により付勢部材5の付勢力に抗して揺動部材3が矢印D3で示す方向に揺動し、腕部3bが軸部1aから離隔し、腕部3b及び3cと軸部1aとの間に空隙が形成されるので、軸部1aに対する摩擦係合が解除され、回転体2(及び副回転体6)の回転が許容される(即ち、回転許容状態となる)。尚、手動操作開始直後は保持力相当の操作力を必要とするが、回転体2(及び副回転体6)の回転開始後は、その回転作動に応じて遠心錘部3dに遠心力が生じ、図5に示すように揺動部材3と軸部1aとの間に空隙が形成されるので、容易に回動部材(ドアDR)を操作することができる。
例えば、回動部材(ドアDR)に対し急激な開放操作が行われ、回転体2が所定回転数以上の速度で回転すると(即ち、過回転となると)、遠心錘部3dの遠心力により揺動部材3が付勢部材5の付勢力に抗して更に矢印D3で示す方向に揺動し、腕部3cの内面が図6のE点で軸部1aの外周面に線接触し、図6に白抜矢印で示す方向に押圧力が付与される。而して、腕部3cと軸部1aの摩擦係合により回転体2に対し制動力(摩擦ブレーキ力)が付与されるので、回転体2の過回転を抑えることができる。
図7は上記の構成になる切換機構を装着した車両のドア構造を示すもので、車体構成部材であるドアフレームDF(固定部材)に対しドアDR(回動部材)が上下のドアヒンジDH間の軸(回動軸)回りに回動自在に支持されており、チェックバーCBの基端部がドアフレームDFに回動可能に連結されると共に、図4に示す歯車機構RD並びにこれに連結軸2a及び歯車Gを介して連結された回転体2等を内蔵する切換機構(CMとする)がケースCS内に収容されてドアDRに支持されている。本実施形態では、切換機構CMの本体1が回動軸(上下のドアヒンジDH間の軸)近傍に配置されるように、ケースCSがドアDRに固着され、チェックバーCBの本体部がケースCS内の歯車機構RDに連結されて増速装置が構成されている。この増速装置としては、例えば、チェックバーCBの本体部をラックとし歯車Gをピニオンとするラックアンドピニオン機構によって構成することができ、更に、ラックとピニオンとの間に遊星歯車等を設けることとしてもよい。
而して、ドアDRの開放操作時には切換機構CM内の回転体2(及び副回転体6)の回転が許容され、チェックバーCBが移動可能となるが、回転体2は歯車機構RDを介して増速されて高速回転となるので、開放操作開始後直ちに手動操作力を低減することができる。ドアDRの開放操作が中止され、回転体2(及び副回転体6)の回転が停止したときにはその停止状態が揺動部材3と軸部1aの摩擦係合によって保持されるので、チェックバーCBの移動が阻止され、ドアDRを十分な保持力を以って所望の停止位置で確実に保持することができる。
そして、ドアDRの閉操作時にも切換機構CM内の回転体2(及び副回転体6)の回転が許容され、回転体2は歯車機構RDを介して回転するが、このドアDRの閉操作中、切換機構CM内の回転体2及び副回転体6等の回転によって運動エネルギーが蓄えられ別の機械要素にトルクを付与するという所謂フライホイール効果を奏するので、ドアDRが軽量であっても重量感のある閉作動となり、容易且つ確実に閉操作を行うことができる。例えば、ドアDRを閉める際に、ゆっくりとした(低速での)ドア閉作動でもストライカ(符合省略)を押し切り、所謂半ドアとならず確実に閉めることができる。
逆に、回動部材(ドアDR)に対し急激な開放操作が行われたとき、あるいは坂道でのドアDRの開放時や強風下でのドアDRの開放時のようにドアDRが急激に開放するときには、回転体2が所定回転数以上の速度で回転すると、揺動部材3の摩擦係合により回転体2に対し制動力が付与されるので、回転体2の過回転を抑えることができ、ドアDRの急激な開放作動を防止することができる。尚、本実施形態の切換機構は、住宅用の自動ドア等にも適用することができる。
1 本体
1a 軸部
2 回転体
2a 連結軸
3 揺動部材
3a 揺動軸
3b,3c 腕部
3d 遠心錘部
3e,3f バランス錘部
5 付勢部材
6 副回転体
B 軸受
CM 切換機構
RD 歯車機構
DF ドアフレーム(固定部材)
DR ドア(回動部材)

Claims (8)

  1. 固定部材と該固定部材に対し相対的に回転する回動部材との間に介装し、該回動部材の作動を許容する作動許容状態と当該回動部材を所望の停止位置で保持する停止保持状態とを切り換える切換機構において、軸部を有し前記固定部材に装着する本体と、該本体とは独立して前記軸部を中心に回転可能に支持し前記回動部材に連結する回転体と、該回転体に揺動可能に軸支し揺動に応じて前記軸部に対し当接又は離隔する単一の揺動部材と、前記回転体に支持し前記揺動部材を前記軸部の中心方向に付勢する付勢部材とを備え、前記回動部材の回動操作時には、前記回動部材に連動して回転する前記回転体の回転に応じて前記揺動部材に遠心力が生じ、該遠心力により前記付勢部材の付勢力に抗して前記揺動部材が前記軸部から離隔して前記作動許容状態とされ、前記回動部材の停止時には、前記揺動部材が前記付勢部材の付勢力によって前記軸部に押接されて摩擦係合により前記回転体が停止状態に保持され、前記停止保持状態とされ、且つ、前記回動部材の過回転時には、前記揺動部材が前記遠心力によって前記軸部に押接されて摩擦係合により前記回転体に対し制動力が付与されることを特徴とする切換機構。
  2. 前記揺動部材は、前記軸部を介して対向する内面を有し前記回転体に一つの揺動軸を中心に揺動可能に支持する二つの腕部と、該二つの腕部の一方から前記軸部に対し離隔する側に延出する遠心錘部とを有することを特徴とする請求項1記載の切換機構。
  3. 前記揺動部材は、前記遠心錘部に対し前記軸部を介して反対側で、前記二つの腕部の他方から前記軸部に対し離隔する側に延出するバランス錘部を有することを特徴とする請求項2記載の切換機構。
  4. 前記付勢部材は、前記回転体に支持し前記二つの腕部の一方を前記軸部の中心方向に付勢する単一のばねであることを特徴とする請求項2又は3記載の切換機構。
  5. 前記軸部を中心に回転可能に支持する副回転体を備え、該副回転体と前記回転体との間に前記揺動部材を介装すると共に、前記揺動部材の揺動軸の両端を当該副回転体と前記回転体に支持することを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の切換機構。
  6. 前記回転体と前記回動部材との間に介装して前記回転体を前記回動部材に連結する歯車機構を備え、手動によって前記回動部材が回動操作されるときには、前記回転体が前記歯車機構を介して増速されるように構成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の切換機構。
  7. 前記回動部材が車両のドアであって、前記固定部材が前記ドアを回動自在に支持する車体構成部材であることを特徴とする請求項6記載の切換機構。
  8. 前記固定部材に対し前記ドアを回動自在に支持する回動軸近傍に前記本体を配置することを特徴とする請求項7記載の切換機構。
JP2013097218A 2013-05-06 2013-05-06 切換機構 Pending JP2014218805A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112502559A (zh) * 2020-11-27 2021-03-16 重庆宇心门业有限公司 一种防撞木门

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