JP2014218621A - 重合性化合物、それを用いた高分子化合物、及び重合性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペリレン骨格を有する新規な重合性化合物およびこれを含む重合性組成物を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表されることを特徴とする重合性化合物。
Figure 2014218621

(1)(一般式(1)中、Aは(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルオキシ基、マレイミド基、エポキシ基、アセチレン基、及びチオール基からなる群から選ばれる重合性官能基を表し、R及びRは各々独立して単結合、炭素原子数1〜16の2価の炭化水素基を表し、R〜R10は各々独立して水素原子、ハロゲン原子等を表し、Bはポリエーテル鎖を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、ペリレン骨格を有する重合性化合物、それを用いた高分子化合物、及び重合性組成物に関する。
ペリレン化合物は古くから塗料や印刷インキ用の有機顔料として使用されており、たとえば、赤色顔料であるC.I.ピグメントレッド123、149、178、179、190、224、紫色顔料であるC.I.ピグメントバイオレット29、黒色顔料であるC.I.ピグメントブラック31や32として知られている(非特許文献1)。これら以外にも、特許文献1では、液晶カラーフィルター用ブラックマトリックス顔料などとして使用できる、ペリレンテトラカルボン酸の酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体、ペリレンジイミノジカルボン酸のジイミド誘導体から選択される少なくとも2種の化合物の混合物を焼成処理して得られた固溶体から成る黒色ペリレン系顔料も提案されている。
さらに、特許文献2では、特定のペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド類が有機顔料の顔料分散剤としての使用が提案されている。
さらに、ペリレン化合物は電子写真用有機感光体の電荷発生材料や、有機発光素子用材料、太陽電池などに使用される色素増感光電変換素子用材料などに用いられている。
たとえば、特許文献3では、電荷発生材料と電荷輸送材料と結着樹脂とからなる単層型の感光体において、電荷発生材料としてペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド骨格の両末端のジイミド位にジアルキルフェニル基が結合したペリレン系化合物の利用が提案されている。特許文献4では、置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素基または窒素原子を環内に含む2価の複素環基を両末端に導入した対称構造の新規なペリレン化合物が提案されている。
有機発光素子に使用できるペリレン化合物としては、たとえば特許文献5ではエレクトロルミネッセンス材料などの顔料として、ペルフルオロアルケニル基またはペルフルオロアルキル基を有する含フッ素ペリレン誘導体が、特許文献6では、フルオレニル基を有する高発光効率で発光純度の良いペリレン化合物などが提案されている。
色素増感光電変換素子に使用できるペリレン化合物として、たとえば特許文献7では、N−置換−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボン酸−3,4無水物−9,10イミドのペリレン骨格がN−ピロリジル基、N−ピペリジル基、N−モルフォリル基、フェニル基、ナフチル基、ピペリジル基に置換されたペリレン誘導体が提案されている。
特開2003−41145号公報 特開平11−286489号公報 特公平7−97223号公報 特開平10−29991号公報 特開平7−26158号公報 特開2010−126511号公報 特開2008−222795号公報 『Industrial Organic Pigments』、Third Completely Revised Edition、Willy Herbst,Klaus Hunger、WILEY−VCH GmbH&Co.KGaA、2004、pp.474−482
本発明の課題は、有機顔料や顔料分散剤、電子写真用有機感光体の電荷発生材料、有機発光素子用材料、色素増感光電変換素子用材料として有用な、ペリレン骨格を有する新規な重合性化合物およびこれを含む重合性組成物を提供することにある。
本発明者らは、ペリレン骨格の特定の位置にそれぞれ重合性官能基、及びポリエーテル鎖を導入することで、前記課題を解決した。
即ち本発明は、一般式(1)で表される重合性化合物を提供する。
Figure 2014218621
(1)
(一般式(1)中、Aは(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルオキシ基、マレイミド基、エポキシ基、アセチレン基、及びチオール基からなる群から選ばれる重合性官能基を表し、R及びRは各々独立して単結合、炭素原子数1〜16の2価の炭化水素基(但し該炭化水素基は置換基を有していてもよく、分岐あるいは環構造を形成してもよく、また途中にエーテル結合、エステル結合、フェニレン基を介してもよい)を表し、Xは単結合、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CONH−、−NHCO−、−N(R11)−、−N(R12)CON(R13)−、−N(R14)COO−、又は−OCON(R15)−を表し(但し前記R11〜R15は各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す)、R〜R10は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、又はカルボキシル基を表し(ただしR〜R10は、それらの内の2つで互いに結合して飽和若しくは不飽和の5員環又は6員環を形成してもよい)、Bはポリエーテル鎖を表す。
また本発明は、前記一般式(1)で表される重合性化合物を重合させて得られた高分子化合物を提供する。
また本発明は、前記一般式(1)で表される重合性化合物を含有する重合性組成物を提供する。
本発明の前記一般式(1)で表される重合性化合物は重合性官能基を有するため、さまざまなモノマーやオリゴマーと、熱や活性エネルギー線により反応させることが可能である。ペリレン骨格を容易に固定化させることができるので、有機顔料や顔料分散剤といった汎用の使用の他、電子写真用有機感光体の電荷発生材料、有機発光素子用材料、色素増感光電変換素子用材料として、溶出等や分解等が生じにくい材料を提供することができる。
また、本発明の前記一般式(1)で表される重合性化合物はポリエーテル鎖を有するので溶剤との相溶性に優れ、前記一般式(1)で表される重合性化合物を含有する重合性組成物は塗布性や印刷性に優れ、且つ得られた塗膜は架橋硬化させることができるので、強靭な塗膜が得られる。
このような、塗布や印刷法により本発明の重合性組成物を使用する場合は、前記本発明に係る重合性化合物以外の重合性不飽和結合を有する化合物、前記重合性不飽和結合以外の反応性官能基を有する硬化反応性化合物、光重合開始剤を更に含有することが好ましい。このようにして、組成物の未硬化状態での成膜性及び硬化後の塗膜物性を適宜調節することができる。
例えば塗布するか或いは所定の形状に成形した後に光を照射すると、配合成分によってラジカル二量化反応や、ラジカル性架橋反応等、さまざまなラジカル反応が進行し、硬化させることができる。
(一般式(1)で表される重合性化合物)
前記一般式(1)において、Aは重合性官能基を表す。重合性官能基としては、熱または活性エネルギー線により重合可能な官能基であれば特に限定はなく、具体的には(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチレン基等のビニル基、ビニルオキシ基、マレイミド基、エポキシ基、アセチレン基、チオール基等があげられる。中でも、反応の容易さから、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、エポキシ基が好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基が最も好ましい。これらの構造は、具体的には、下記一般式で示される。
Figure 2014218621

上記式において、(A−1)はアクリロイルオキシ基を表し、(A−2)はメタクリロイルオキシ基を表し、(A−3)はアクリルアミド基を表し、(A−4)はメタクリルアミド基を表し、(A−5)はビニル基を表し、(A−6)はビニルオキシ基を表し、(A−7)はアセチレン基を表し、(A−8)はチオール基を表し、(A−9)はマレイミド基を表し、(A−10)はエポキシ基を表す。
前記一般式(1)において、R及びRは各々独立して単結合、炭素原子数1〜16の2価の炭化水素基(但し該炭化水素基は置換基を有していてもよく、分岐あるいは環構造を形成してもよく、また途中にエーテル結合、エステル結合、フェニレン基を介してもよい)を表す。
炭素原子数1〜16の2価の炭化水素基(但し該炭化水素基は置換基を有していてもよく、分岐あるいは環構造を形成してもよく、また途中にエーテル結合、エステル結合、フェニレン基を介してもよい)は、具体的には、炭素原子数1〜16の直鎖状アルキレン基、炭素原子数1〜16の分岐状アルキレン基、置換基等を有していてもよいp−フェニレン基等のフェニレン基等が挙げられる。これらは途中にエーテル結合や、エステル結合を介したり、ポリエーテル構造や、ポリエステル構造であってもよい。
好ましくは、炭素原子数1〜10のアルキレン基や、炭素原子数3〜12の分岐状アルキレン基等が、挙げられる。
また、置換基としては、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基や、アミノ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
前記一般式(1)において、Xは単結合、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CONH−、−NHCO−、−N(R11)−、−N(R12)CON(R13)−、−N(R14)COO−、又は−OCON(R15)−を表す(但し前記R11〜R15は各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す)。
中でも、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CONH−、−NHCO−が好ましく、−O−、−CO−、−CO−O−、−CONH−が最も好ましい。
前記一般式(1)において、R〜R10は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、又はカルボキシル基を表す。ただしR〜R10は、それらの内の2つで互いに結合して飽和若しくは不飽和の5員環又は6員環を形成してもよい。
中でも、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基が好ましい。
前記一般式(1)において、Bは、ポリエーテル鎖を表し、ポリエーテル鎖としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロロヒドリン、トリオキサン、オキセタン等の開環重合により得られるポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール、ポリエピクロロヒドリン、ポリオキシメチレン、ポリオキセタン等があげられる。
前記一般式(1)で表される重合性化合物として、具体的には、以下(I−1)〜(II−6)の化合物があげられる。
Figure 2014218621
(I―1)
Figure 2014218621
(I―2)
Figure 2014218621
(I―3)
Figure 2014218621
(I―4)
Figure 2014218621
(I―5)
Figure 2014218621
(I―6)
Figure 2014218621
(I―7)
Figure 2014218621
(I―8)
Figure 2014218621
(II―1)
Figure 2014218621
(II―2)
Figure 2014218621
(II―3)
Figure 2014218621
(II―4)
Figure 2014218621
(II―5)
Figure 2014218621
(II―6)
(一般式(1)で表される重合性化合物の製造方法)
一般式(1)で表される重合性化合物は、公知の方法(例えば特許文献:特開昭56−139477、特開昭56−169691、特開昭61−238853、特開平11−286489、特開2000−297224等)に従い得ることができる。以下に具体例を挙げる。
(一般式(1)で表される重合性化合物の製造方法1)
一般式(1)で表される重合性化合物は、例えば、式(P1)
Figure 2014218621

(P1)
のペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物と、式(P2)
Figure 2014218621

(P2)
の、重合性基Aとアミノ基が一分子中に含まれる化合物(Aは、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチレン基等のビニル基、ビニルオキシ基、マレイミド基、エポキシ基、アセチレン基、チオール基)と、式(P3)
Figure 2014218621

(P3)
の、ポリエーテル鎖(B)に直接アミンが導入されたポリエーテルアミンとを公知の方法で反応させることで調整でき、その化合物は式(P4)
Figure 2014218621

(P4)
のペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸モノポリエーテルモノイミド重合性基付加物として調整することができる。
(一般式(1)で表される重合性化合物の製造方法2)
また例えば、式(P1)と一当量の式(P5)
Figure 2014218621

(P5)
のアミノアルコール(nは2以上)の合成は、公知の方法で調製することができ、その反応物は、式(P6)
Figure 2014218621

(P6)
のペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸一無水物モノアミノアルコールイミドで表すことが出来る。式(P6)と、式(P3)のポリエーテルアミンの合成は、公知の方法で調整することで得ることができ、その反応物は、式(P7)
Figure 2014218621

(P7)
のペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸モノポリエーテルイミドモノアミノアルコールイミドで表すことができる。式(P7)と、式(P8)
Figure 2014218621

(P8)
の、末端塩化物の重合性基(Aは、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチレン基等のビニル基、ビニルオキシ基、マレイミド基、エポキシ基、アセチレン基、チオール基等があげられる)を公知の方法(参考文献:特開昭61−246157)で反応させることができ、その反応物は式(P9)
Figure 2014218621

(P9)
のペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸モノポリエーテルイミドモノアミノアルコールイミド重合性基付加物として調整することができる。
(一般式(1)で表される重合性化合物の製造方法3)
また、例えば製造方法2で用いた末端塩化物の重合性基(P8)の代わりに、式(P16)
Figure 2014218621
(P16)
の、末端がエポキシ基の重合性基(mは1以上)(Aは、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチレン基等のビニル基、ビニルオキシ基、マレイミド基、エポキシ基、アセチレン基、チオール基等があげられる)と式(P7)を公知の方法(参考文献:特開昭61−246157)で反応させることができ、その反応物は式(P17)
Figure 2014218621
(P17)
で表すことができる。
前記製造方法1〜3は、公知の一般的な製造方法で調整することができるが、反応は、水性、有機、または水性−有機媒体中、250度まで、好ましくは180度までの温度で行うことができる。好適な有機媒体としては、不活性有機溶媒が挙げられ、好ましくは沸点が水より高温であるものであり、例としてDMSO、NMP、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン類、トリクロロベンゼン類、比較的高沸点のアルコール類、カルボキサミド類、キノリン、イミダゾール、ナフタレン、フェノール、および比較的高沸点のエーテル類が挙げられる。アミンは同時に溶媒としての役割をすることもできる。水性または水性−有機媒体のpHは、酸性、中性、またはアルカリ性でもよく、好ましくはpH3〜14の間である。生成する式(I)の生成物は、好ましくはろ過または一般的なカラム分離によって反応混合物から分離される。
また、縮合反応は、水溶液中、アルカリ性pH条件において、50〜180度の範囲の温度で行うことが特に好ましい。縮合は、過剰のアミンを使用することが適切であり、適切には8倍まで、好ましくは4倍までのモル過剰にする。生成する式(I)の生成物は、好ましくはろ過または一般的なカラム分離によって反応混合物から分離される。
前記Aで表される重合性官能基を導入する方法としては、例えば、前記式(P1)で表されるペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物の、ペリレン骨格の両端に存在する2つのアシル基に挟まれて酸無水物を形成する酸素原子と反応する基、例えばアミノ基と、重合性官能基とを1分子中に持つ化合物を使用し、前記アミノ基を前記酸素原子と反応させる方法があげられる。
このようなアミノ基と重合性官能基を1分子中に持つ化合物の例としては、アミノメチルアクリレートやアミノメチルメタクリレート、N−アミノメチルーアクリルアミド、1−メタクリロイルウレア、ビニルアミド、3−アミノ−1−プロペン、ビニルオキシメタナミン、1−ビニルオキシエタナミン、グリシジルアミン、2−プロピン1−アミン、2−アミノベンゼンチオール、2−アミノ−1−エタンチオール、3−アミノ−1−プロパンチオール等が挙げられる。
例えば(メタ)アクリロイルオキシ基を導入するのであれば、アミノメチルアクリレートやアミノメチルメタクリレート等を、(メタ)アクリルアミド基を導入するのであれば、N−アミノメチルーアクリルアミド、1−メタクリロイルウレア等を、スチレン基等のビニル基を導入するのであれば、3−アミノ−1−プロペン等を、ビニルオキシ基を導入するのであれば、ビニルオキシメタナミン、1−ビニルオキシエタナミン等を、エポキシ基を導入するのであれば、グリシジルアミン、オキシランメチルアミン、2−オキシランカルボキシアミド等を、チオール基を導入するのであれば、2−アミノベンゼンチオール、2−アミノ−1−エタンチオール、3−アミノ−1−プロパンチオールを、アセチレン基を導入するのであれば、2−プロピン−1−アミン等を反応させることで得ることができる。
また、前記式(P1)で表されるペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物の、ペリレン骨格の両端に存在する2つのアシル基に挟まれて酸無水物を形成する酸素原子と、アミノ基及び他の反応性官能基例えばヒドロキシル基とを有する化合物を反応させた後、該反応性官能基と反応しうる反応性基、及び重合性官能基とを1分子中に持つ化合物を反応させることによっても、前記Aで表される重合性官能基を導入することができる。
前記アミノ基及び他の反応性官能基とを有する化合物としては、例えば、タウリン(2−アミノエタンスルホン酸)、β−アラニン、4−アミノ酪酸、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン、ヘキサノールアミン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、ジメチルアミノメチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノブチルアミン、ジエチルアミノヘキシルアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(2−(3−アミノプロポキシ)エトキシ)エタノール、3,3’−オキシビス(エチレンオキシ)ビス(プロピルアミン)、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、トリプロピレンテトラミン、または(3−(2−アミノエチル)アミノプロピルアミンが挙げられる。
また、前記反応性官能基と反応しうる反応性基及び重合性官能基とを1分子中に持つ化合物としては、例えば反応性官能基がヒドロキシル基である場合、(メタ)アクリル酸クロライド等があげられる。
また、前記Bで表されるポリエーテル鎖は、前記式(P1)で表されるペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物の、ペリレン骨格の両端に存在する2つのアシル基に挟まれて酸無水物を形成する酸素原子と反応する基、例えばアミノ基と、前記Bで表されるポリエーテル鎖とを有する化合物を使用するのが好ましい。
アミノ基と、前記Bで表されるポリエーテル鎖とを有する化合物としては、例えば、ポリエーテルアミンを反応させることで得られる。
Bのポリエーテル鎖の分子量は、一般的な重合性化合物と同様に特に限定されないが、重量平均分子量に換算して100〜30000の範囲が好ましく、300〜20000の範囲がより好ましく、500〜15000の範囲が更に好ましい。
((I―1)〜(I−8)で示される重合性化合物の製造方法)
前記(I―1)〜(I−8)で示される化合物である重合性化合物は、前記の一般式(1)で表される重合性化合物の製造方法1を用いて製造することができる。
例えば(I―1)で示される、末端にアクリロイルオキシ基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P2)としてアミノメチルアクリレート、前記(P3)としてポリエーテルアミンとを反応して得ることができる。
また(I―2)で示される、末端にアクリルアミド基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P2)としてN−アミノメチル−アクリルアミド、前記(P3)としてポリポリエーテルアミンとを反応して得ることができる。
また(I―3)で示される末端にビニル基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P2)として3−アミノ−1−プロペン、前記(P3)としてポリエーテルアミンとを反応して得ることができる。
また(I―4)で示される末端にビニルオキシ基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P2)としてビニルオキシメタナミン、前記(P3)としてポリエーテルアミンとを反応して得ることができる。
また(I―5)で示される末端にエポキシ基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P2)としてグリシジルアミン、前記(P3)としてポリエーテルアミンとを反応して得ることができる。
また(I―6)で示される、末端にチオール基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P2)として2−アミノ−1−エタンチオール、前記(P3)としてポリエーテルアミンとを反応して得ることができる。
また(I―7)で示される、末端にアセチレン基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P2)として2−プロピニルアミン、前記(P3)としてポリエーテルアミンとを反応して得ることができる。
また(I−8)で示される、末端にマレイミド基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P2)としてN−(2−アミノエチル)マレイミド、前記(P3)としてポリエーテルアミンとを反応して得ることができる。
((II―1)〜(II―6)で示される重合性化合物の製造方法)
(II―1)〜(II―6)で示される化合物である重合性化合物は、前記の(一般式(1)で表される重合性化合物の製造方法2)を用いて製造することができる。
(II―1)で示される、末端にアクリロイルオキシ基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P5)としてエタノールアミン、前記(P3)としてポリエーテルアミン、前記(P8)としてアクリル酸クロライドとを反応して得られた、
また(II―2)で示される、末端にメタクリロイルオキシ基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P5)としてエタノールアミン、前記(P3)としてポリエーテルアミン、前記(P8)としてメタクリル酸クロライドとを反応して得ることができる。
また(II―3)で示される、末端にアクリロイルオキシ基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P5)としてプロパノールアミン、前記(P3)としてポリエーテルアミン、前記(P8)としてアクリル酸クロライドとを反応して得ることができる。
また(II―4)で示される、末端にメタクリロイルオキシ基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P5)としてプロパノールアミン、前記(P3)としてポリエーテルアミン、前記(P8)としてメタクリル酸クロライドとを反応して得ることができる。
また(II―5)で示される、末端にアクリロイルオキシ基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P5)としてヘキサノールアミン、前記(P3)としてポリエーテルアミン、前記(P8)としてアクリル酸クロライドとを反応して得ることができる。
また(II―6)で示される、末端にメタクリロイルオキシ基及びポリエーテル鎖を有する重合性化合物は、前記(P1)に、前記(P5)としてヘキサノールアミン、前記(P3)としてポリエーテルアミン、前記(P8)としてメタクリル酸クロライドとを反応して得ることができる。
(重合性組成物)
本発明の重合性化合物は重合性官能基を有しているため、そのままで、あるいは重合性モノマーやオリゴマーを組み合わせた組成物を、熱や活性エネルギー線により硬化重合させることが可能である。
使用できる重合性モノマーやオリゴマーとしては特に限定はなく、本発明の重合性化合物が有する重合性官能基や、所望される用途に応じて適宜選択される。例えば、本発明の重合性化合物の重合性官能基が(メタ)アクリロイルオキシ基である場合は、(メタ)アクリロイルオキシ基と反応性の高い公知の(メタ)アクリルモノマーおよび/または(メタ)アクリルオリゴマー等のラジカル重合性モノマーを使用することが好ましい。また例えば、本発明の重合性化合物が有する重合性官能基がビニル基、ビニルオキシ基、エポキシ基等である場合は、カチオン重合性モノマーを併用し、カチオン重合により硬化させることも可能である。
(ラジカル重合 重合性モノマー)
ラジカル重合性モノマーである(メタ)アクリルモノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−(メタ)アクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレートなど、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換された(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート、
エチレングリコール単位を分子内にもつポリエチレングリコール(nは3以上であり、およそ14以下)ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)トリ(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)変性(メタ)アクリレートや、水酸基を分子内にもつ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
これらの(メタ)アクリルモノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシプロピル(メタ)アクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノ(メタ)アクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニル(メタ)アクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレートなどのラジカル重合性モノマーを用いることができる。
これらのラジカル重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリルオリゴマーとしては、エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応生成物、グリシジルジ(メタ)アクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物などのような不飽和ポリエステル系プレポリマーや、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化した後、グリシジルメタクリレートを付加させたものなどのようなポリビニルアルコール系プレポリマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメント又は飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。
(ラジカル重合 熱重合開始剤)
熱重合によりラジカル重合させる場合の重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチル−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルハイドロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、またはクメンハイドロパーオキシドなどのラジカル発生重合触媒が単独で、あるいは2種以上の併用の形で用いられる。
(ラジカル重合 光重合開始剤)
活性エネルギー線によりラジカル重合させる場合には、ラジカル光重合開始剤を使用することが好ましい。ラジカル光重合性化合物としては具体的には、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
また上記光重合開始剤に対し、増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
(カチオン重合 重合性モノマー)
またカチオン重合性モノマーとしては、例えばビニルエーテル化合物があげられる。ビニルエーテル化合物としては、例えば、モノビニルエーテル化合物、ジまたはトリビニルエーテル化合物が挙げられ、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジまたはトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。更に、ジビニルエーテル化合物の中でも、粘度、揮発性の点から、トリエチレングリコールジビニルエーテルが好ましい。
その他、エポキシ化合物、オキセタン化合物等のカチオン重合性化合物も併用可能である。エポキシ化合物としては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物;少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物等の脂環式エポキシ化合物;脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物等が挙げられる。
オキセタン化合物としては、オキセタン環を有する化合物であり、特開2001−220526号公報、特開2001−310937号公報などに記載されているような公知のオキセタン化合物等が挙げられる。 環式エポキシドの例は、グリコール、ポリオールなどのエポキシドとヒドロキシル成分の付加体、あるいは3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどのビニルエーテル、ビス(3,4−エポキシ−シクロヘキシルメチル)アジペート、リモネンモノエポキシド、リモネンジエポキシド、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエーテル、1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサン、エポキシ化ジシクロペンチルアルコール、あるいはそれらの混合物である。このタイプの好ましい脂環式エポキシドは、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、1,3−ビス(2−(7−オキサビシクロ(4.1.0)ヘプタ−3−イル)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンである。脂環式エポキシドに加えて、ジ−またはトリ−グルシジルエーテル、アルコキシル化ビスフェノールA、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、ネオペンチルグリコール、またはトリメチロールプロパンなどの一種以上の非脂環式エポキシドが存在することが可能である。エポキシ希釈剤は同様に、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、アルファ−オレフィンエポキシド、Novalacエポキシド、エポキシ化アマニ油、大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、1,2−エポキシデカン、カプロラクトントリオール、グリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、エポキシ化シラン、グリシドキシ−メトキシシラン、グリシドキシ−エトキシシラン、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルであることが可能である。
(カチオン重合 光重合開始剤)
また、活性エネルギー線によりカチオン重合させる場合には、カチオン光重合開始剤を使用することが好ましい。カチオン光重合開始剤は、例えばアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウムホスフェート、トリアリールスルホニウムアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどの特にトリアリールスルホニウム塩、およびジアリールスルホニウム塩、ならびにジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビスドデシルジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのアリール−ヨードニウム塩などである。こうしたカチオン光開始系は、適するインキ硬化を行うために個々に、あるいは組合せで用いることができる。ジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートおよび(n5−2,4−シクロペンタジエニル−イル)[1,2,3,4,5,6−n)(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄*−ヘキサフルオロホスフェート(−1)は好ましい。
本発明の重合性組成物には、ラジカル重合であってもカチオン重合であっても、保存安定性を高めるため、ハイドロキノン、メトキノン、ジ−t−ブチルハイドロキノン、P−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ニトロソアミン塩等の重合禁止剤を重合性組成物中に0.01〜2質量%の範囲で添加しても良い。
また、光重合開始剤の含有量は特に限定はないが、通常は2〜20質量%程度配合させる。
本発明で使用する活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、X線、α線、β線、γ線のような電離放射線、マイクロ波、高周波等を言うが、ラジカルあるいはカチオン性活性種を生成させ得るならば、いかなるエネルギー種でも良く、可視光線、赤外線、レーザー光線でもよい。紫外線を発生するものとしては、例えば超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、ヘリウム・カドミニウムレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、アルゴンレーザーなどがある。
また、光源としてLEDを使用する場合には、LEDの発光ピーク波長を加味して光重合開始剤を選択することが好ましい。例えばUV−LEDを使用する場合に適した光重合開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン)、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
また電子線による硬化方法としては、必ずしもラジカルやカチオンの重合開始剤の使用を必要とはしない。使用できる電子線の例としては、コツクロフトワルトン型、バンデグラフ型あるいは共振変圧器型などであり、50keV〜1000keV、好ましくは、100keV〜300keVなる範囲内のエネルギーを有する電子線を用いることができる。
(顔料)
上記製造方法により得られた重合性化合物は赤色を呈し、そのままの状態でも顔料として使用可能であるが、着色力や耐候性、透明性を高める目的で、公知慣用の後処理を行って、用途に適した所望の粒子径に調整することもできる。具体的には、たとえば、顔料の結晶をより大きな結晶へと成長させたいときは、本発明の重合性化合物を有機溶媒、水、もしくはそれらの混合溶媒中で常圧または加圧下で熱処理する方法が一般的である。
ここで用いる溶媒としては、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族系溶媒、ピリジン、ピコリン、キノリンなどのピリジン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メタノール、ブタノール、イソブタノールなどのアルコール系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、モノエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒などをあげることができる。
また、顔料の結晶を微細化させたいときは、ニーダーやボールミル、アトライターなどの摩砕装置により、必要に応じて食塩などの摩砕媒体やジエチレエングリコールなどの液状摩砕助剤の存在下、摩砕処理を行う方法が一般的である。
(顔料分散剤)
本発明の重合性化合物は有機顔料や無機顔料の顔料分散剤として使用することができる。有機顔料としては、例えば、ペリレン・ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、不溶性アゾ系顔料、溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、アニリンブラック系顔料等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、硫化亜鉛、鉛白、亜鉛華、リトボン、アンチモンホワイト、塩基性硫酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、シリカ、カーボンブラック、鉄黒、チタンブラック、コバルトバイオレット、バーミリオン、モリブデンオレンジ、鉛丹、ベンガラ、黄鉛、カドミウムイエロー、ジンククロメート、イエローオーカー、酸化クロム、群青、紺青、コバルトブルー等が挙げられる。
本発明の重合性化合物を顔料分散剤として使用する場合、前記顔料100に対して1重量%〜300重量%の割合で使用することが好ましい。より好ましくは15重量%〜200重量%であり、なお好ましくは20重量%〜170重量%の割合である。
分散溶媒は特に限定はなく、例えば、ヘキサン、へプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロへプタンなどの非水性のアルカン系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロアルカン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはジフルオロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン系芳香族系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒などが挙げられる。
また、顔料分散剤としての効果を損なわない範囲で界面活性剤、分散剤、湿潤剤、増粘剤、保存料、粘度安定剤、粉砕助剤、充填剤、沈殿防止剤、光保護剤、酸化防止剤、殺生物剤、脱気剤/消泡剤、発泡抑制剤、ベーキング防止剤等添加剤を加えても良い。例えば使用可能な界面活性剤としては、ポリアルキレングリコール及びそれらの誘導体等が挙げられる。また分散剤としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、polyvinyloxazolidones、ポリスチレン、ポリエポキシド、ポリウレタン、およびポリビニルハロゲン等が挙げられる。市販の分散剤としては、LUBRIZOL社のソルスパース、EVONIK社のTegosperse、BASF社のEFKA、ビックケミー社のDISPERBYK等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の重合性化合物を顔料分散剤して使用した場合の顔料分散体は公知の製造方法により得られる。例えば、本発明の重合性化合物、前記顔料、溶媒、必要に応じ前記添加剤を加えた混合物をビーズミル等の通常の分散機を用いて分散することで得ることができる。顔料を分散させるための攪拌・分散装置としては、ビーズミルの他、たとえばプラネタリーミキサー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザーなど、公知慣用の各種分散機を使用することができる。
(電荷発生材料)
本発明の重合性化合物を電子写真用有機感光体の電荷発生材料として使用する場合は、公知の一般的な感光体の製造方法により、本発明の重合性化合物を含有する電荷発生層に電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層することで作製することが出来る。
電荷発生層は、本発明の重合性化合物を適当な溶剤中でバインダ−樹脂と共に分散した塗布液を、導電性支持体上に公知の方法によって塗布することによって形成することができ、その膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜1.0μmの薄膜層とすることが望ましい。
この際に用いられるバインダ−樹脂は、広範な絶縁性樹脂あるいは有機光導電性ポリマ−から選択されるが、置換基を有してもよいポリビニルブチラ−ル、ポリビニルベンザ−ル、ポリアリレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、セルロ−ス系樹脂、アクリル樹脂、ケトン樹脂、ポリウレタン、ポリシロキサン等が好ましく、置換基としてはメチル、エチル、プロピル等のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、アセチル、ベンジル等のアシル基、ジメチルアミノ等のアルキルアミノ基、フェニルカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル等のハロアルキル基等が挙げられる。
バインダ−樹脂の使用量は電荷発生層中の含有率で80重量%以下、好ましくは40重量%以下である。また、使用する溶剤は、前記のバインダ−樹脂を溶解し、後述の電荷輸送層や下引き層を溶解しない溶剤を選択することが望ましい。例えばテトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエ−テル類、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、メタノ−ル、エタノ−ル、2−プロパノ−ル等のアルコ−ル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエチレン、四塩化炭素等の脂肪族ハロゲン化炭化水素化合物、ヘキサメチルジシラン、ジフェニルジメチルシラン、クロロフェニルトリメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、フェネチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、フェニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ポリジメチルシロキサン、テトラフェニルテトラメチルトリシロキサン、ポリ(3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン)、3,5,7−トリフェニルノナメチルペンタシロキサン、3,5−ジフェニルオクタメチルテトラシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−1,3,3,5−テトラメチル−トリシロキサン、およびヘキサメチルシクロトリシロキサン等のシリコーンオイル等が挙げられる。
本発明の重合性化合物は構造中に重合性基を有するため、上記バインダー樹脂の原料として使用することで、電荷発生層を形成することが出来る。また、前述の重合性組成物を塗布液として直接導電性支持体上に塗布し、例えば光重合させることなどにより電荷発生層を形成することも出来る。
電荷発生材料として、本発明の重合性化合物以外にも、他の電荷発生材料を併用できる。他の電荷発生材料としては、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、アンタントロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、スレン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、他のペリレン系顔料等が上げられる。
電荷輸送層は電荷発生層の上または下に積層され、電界の存在下電荷発生層から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて適当なバインダ−樹脂と共に溶剤中に溶解した塗布液を塗布することによって形成され、その膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmである。
電荷輸送物質としては、例えば2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、クロラニル、テトラシアノキノジメタン等の電子吸引性物質やこれ等電子吸引性物質を高分子化したもの、ピレン、アントラセン等の多環芳香族化合物、カルバゾ−ル系、インド−ル系、オキサゾ−ル系、チアゾ−ル系、オキサジアゾ−ル系、ピラゾ−ル系、ピラゾリン系、チアジアゾ−ル系、トリアゾ−ル系化合物等の複素環化合物、p−ジエチルアミドベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾ−ル等のヒドラゾン系化合物、α−フェニル−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベン、5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン]−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン等のスチリル系化合物、ベンジジン系化合物、トリアリ−ルメタン系化合物、トリ(p−トリル)アミン、2−[ジ−(p−トリル)]−アミノビフェニル、1−[ジ−(p−トリル)]−アミノピレン等のトリアリ−ルアミン系化合物あるいはこれ等の化合物からなる基を主鎖または側鎖に有するポリマ−(例えばポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリビニルアントラセン等)が挙げられる。
バインダ−樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ポリアリレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリエステル、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポリマ−、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム、ポリシロキサン等の絶縁性樹脂あるいはポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリビニルアントラセン等の有機光導電性ポリマ−などが挙げられる。
感光層が形成される導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、錫、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジウム、金、銀や白金等が用いられる。またこれ等金属または合金を真空蒸着したプラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ−ト、アクリル樹脂等)や導電性粒子(例えばカ−ボンブラック、銀粒子等)を適当なバインダ−樹脂と共にプラスチックまたは金属基板上に被覆した支持体あるいは導電性粒子をプラスチックや紙に含浸させた支持体、ヨウ化アルミニウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム等で被覆されたガラス等を用いることができる。
導電性支持体と感光層の中間にバリヤ−機能と接着機能を有する下引き層を設けることもできる。下引き層はカゼイン、ポリビニルアルコ−ル、ニトロセルロ−ス、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン、酸化アルミニウム等によって形成できる。その膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜3μmが適当である。
(有機発光素子)
本発明の重合性化合物は、例えば、陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に挟持される有機化合物層で構成され、陽極もしくは陰極のいずれかが透明で、陽極と陰極間に電圧を与えることで有機化合物層が発光層となる、電界発光型の有機発光素子に使用することができる。
本発明の重合性化合物が含まれる有機化合物層は、本発明の重合性化合物が少なくとも一種類含まれる。このとき、一つの層に含まれる本発明の重合性化合物は、一種類であってもよく、二種類以上であってもよく、また、本発明の重合性化合物のみで構成されていてもよいが、好ましくは、ホストとゲストとから構成される。本発明の重合性化合物は、ホストとして使用してもよいしゲストとして使用してもよいが、好ましくは、ゲストとして使用される。
ここでいうゲストとは、発光層内において主たる発光を担う化合物である。これに対してホストとは、発光層内でゲストの周囲にマトリックスとして存在する化合物であって、主にキャリアの輸送及びゲストへの励起エネルギー供与を担う化合物である。
ここで、ホストに対するゲストの濃度は、発光層の構成材料の全体量を基準として、0.01重量%〜50重量%であり、好ましくは、0.1重量%〜20重量%である。濃度消光を防ぐ観点から、ゲストの濃度は、より好ましくは、発光層の構成材料の全体量に対して10重量%以下である。またゲストは、発光層全体に均一に含まれてもよいし、濃度勾配を有して含まれてもよいし、特定の領域に部分的に含ませてゲストが存在しないホストのみの領域を設けてもよい。
有機発光素子は、本発明のペリレン化合物以外にも、必要に応じて従来から公知の低分子系及び高分子系の正孔輸送性化合物、発光性化合物あるいは電子輸送性化合物等を一緒に使用することができる。例えば正孔注入輸送性材料としては、正孔注入輸送性能を有する低分子及び高分子系材料として、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子などが挙げられる。
主に発光機能に関わる発光材料としては、本発明のペリレン化合物の他に、縮環化合物(例えば、フルオレン誘導体、ピレン誘導体、テトラセン誘導体、9,10−ジフェニルアントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体、燐光発光性の有機金属錯体(例えば、イリジウム錯体、白金錯体)、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体などが挙げられる。
電子注入輸送性材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体等が挙げられる。
陽極を構成する材料としては、例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーなどが使用できる。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
一方、陰極を構成する材料としては、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えば、マグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム等が使用できる。酸化錫インジウム等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陰極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
有機発光素子で使用される基板には、金属製基板、セラミックス製基板等の不透明性基板、ガラス、石英、プラスチックシート等の透明性基板などが用いられる。
有機発光素子において、本発明の重合性化合物が含まれる層及びその他の有機化合物からなる層は、一般には適当な溶媒に溶解させて、スピンコート法、ディップ法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の塗布法により薄膜を形成する。
塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
本発明の重合性化合物は構造中に重合性基を有するため、塗布法で成膜する際のバインダー樹脂の原料として使用することで、有機化合物層薄膜を形成することが出来る。また、前述の重合性組成物を上記塗布法により基板上に塗布し、例えば光重合させることなどにより重合性化合物を含む有機化合物層薄膜を形成することも出来る。
また、必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用することもできる。
(色素増感光電変換素子)
本発明の重合性化合物を色素として使用した色素増感光電変換素子は、導電性支持体表面上に設けられた色素によって増感された半導体層(半導体電極)で構成される。半導体層は目的に応じて単層構成でも積層構成のいずれでもよい。
導電性支持体は、金属のように支持体そのものに導電性があるもの、または表面に導電剤を含む導電層を有するガラスあるいはプラスチックの支持体を用いることができる。導電剤としては白金、金、銀、銅、アルミニウムなどの金属、炭素、あるいは酸化錫インジウム(以降「ITO」と略記する)などの金属酸化物、フッ素をドーピングした酸化スズなどの金属酸化物(以降「FTO」と略記する)などが挙げられる。導電剤層の厚さは、0.05〜10μmが好ましい。導電性支持体は、光を透過する透明性を有しており、光の透過率は10%以上が好ましく、50%以上透過することがより好ましい。この中でも、ITOやFTOからなる導電層をガラス上に堆積した導電性ガラスが特に好ましい。
透明導電性基板の抵抗を下げる目的で、金属リード線を用いてもよい。金属リード線の材質はアルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケルなどの金属が挙げられる。金属リード線は、透明導電性支持体上に蒸着、スパッタリング、圧着により設置し、その上にITOやFTOを設ける方法、あるいは表面に導電性を有する透明基板上に金属リード線を設置する方法がある。
半導体層が含有する半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体半導体、あるいは金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、またはペロブスカイト構造を有する化合物などがある。金属のカルコゲニドとしては例えばチタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、あるいはタンタル等の酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマス等の硫化物、カドミウム、鉛等のセレン化物、カドミウムのテルル化物などが挙げられる。その他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウムなどのリン化物やガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物などが好ましい。また、ペロブスカイト構造を有する化合物としては、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが好ましい。
本発明に用いられる半導体は、単結晶でも多結晶でもよく、多くの色素を吸着できるように表面積の大きなもの、すなわち粒子径の小さいものが好ましく、2nm以上、1μm以下であることが好ましい。
導電性支持体上に半導体層を形成する方法としては、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶液を導電性支持体上に塗布する方法、ゾル−ゲル法などがある。分散液の作製方法としては、ゾル−ゲル法、乳鉢などで機械的に粉砕する方法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、または、半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させ、そのまま使用する方法などが挙げられる。
機械的粉砕、または、ミルを使用して粉砕して作製する分散液の場合、少なくとも半導体微粒子単独または半導体微粒子とバインダー樹脂の混合物を、水または有機溶剤に分散して作製される。使用されるバインダー樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどによるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
半導体微粒子を分散する溶媒としては、水、メタノール、エタノール、あるいはイソプロピルアルコールなどのアルコール系媒体、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチルなどのエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメンなどの炭化水素系溶媒を挙げることができる。これらは、単独または2種以上の混合溶媒として用いることができる。分散の際、必要に応じて、界面活性剤やキレート剤等を分散剤として使用してもよい。
分散液の塗布方法としては、ローラ法、ディップ法、エアーナイフ法、ブレード法、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピンコート法、あるいはスプレー法などを挙げることができる。
半導体層は単層であっても多層であってもよい。多層の場合、粒径の異なる半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗布することもできる。また、一度の塗布で膜厚が不足する場合には多層塗布は有効な手段である。
一般的に、半導体層の膜厚が増大するほど単位投影面積当たりの担持色素量も増えるため光の吸収効率が高くなるが、生成した電子の拡散距離も増えるために電荷の再結合も多くなってしまう。従って、半導体層の膜厚は素子の用途によって異なるが、通常0.1〜100μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。半導体微粒子の塗布量は、好ましくは0.5〜500g/mであり、より好ましくは5〜100g/mである。
半導体微粒子は導電性支持体上に塗布した後、微粒子同士の密着性や支持体との密着性向上及び塗膜強度の向上の観点から、加熱処理をした方が好ましい。さらに、マイクロ波照射、プレス処理あるいは電子線照射を行ってもよい。これらの処理は、単独で行っても構わないし、二種類以上行っても構わない。加熱処理の際、加熱温度は40〜700℃が好ましく、80〜600℃がより好ましい。また、加熱時間は5分〜30時間が好ましく、10分〜10時間がより好ましい。マイクロ波照射は、半導体電極の半導体層形成側から照射しても構わないし、裏側から照射しても構わない。照射時間には特に制限がないが、通常1時間以内で行うことが好ましい。プレス処理は、9.8×10N/m以上で行うことが好ましく、9.8×10N/m以上で行うことがさらに好ましい。プレスする時間は、特に制限がないが、1時間以内で行うことが好ましい。
本発明の重合性化合物は単独で使用しても良く、2種以上を併用しても構わない。また本発明の化合物とRu錯体を併用しても構わない。さらに、他のメロシアニン色素、シアニン色素、9−フェニルキサンテン系色素、クマリン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素等と本発明の化合物を併用しても構わない。
半導体微粒子に色素を吸着させる方法としては、色素溶液の中に十分乾燥させた半導体微粒子を浸漬させることで得ることができる。色素を半導体塗布後の半導体層に吸着させる場合は、色素溶液中あるいは色素分散液中に半導体微粒子を含有する作用電極を浸漬する方法、色素溶液あるいは分散液を半導体層に塗布して吸着させる方法を用いることができる。前者の場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法などを用いることができ、後者の場合は、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピンコート法、スプレー法などを用いることができる。
色素を溶解あるいは分散する溶媒としては、水、メタノール、エタノール、あるいはイソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチルなどのエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメンなどの炭化水素系溶媒を挙げることができる。これらは、単独または2種以上混合して用いることができる。
色素を吸着する際の温度としては、−50℃以上200℃以下が好ましい。吸着に要する時間は、5秒以上1000時間以下が好ましく、10秒以上500時間以下がより好ましく、1分以上150時間以下がさらに好ましい。
本発明の重合性化合物は構造中に重合性基を有するため、上記バインダー樹脂の原料として使用することで、半導体微粒子上に吸着させることが出来る。また、前述の重合性組成物を色素溶液として使用し、半導体微粒子を分散させた後、熱重合することにより、半導体微粒子上に色素を吸着させることも出来る。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下実施例中にあるg、%は質量換算である。
(実施例1)
(重合性基及びポリマー鎖を有する化合物(Y)の製造方法)
温度計、攪拌機、窒素導入口、滴下ロート、還流管を備えた反応フラスコ内にペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物19.6g、水200ml及び85%水酸化カリウム13.29gから成る混合物を仕込み90度に加熱し、pHを10〜11に調整した。約2時間かけて31%塩酸18.0gを滴下し、pH4.5〜5.0に調整した。90度で1時間攪拌後、析出物を、ブフナーロートでろ過し、5Lの熱水で洗浄した。乾燥後、暗赤色生成物(Y1)を21.4g得た。
温度計、攪拌機、窒素導入口、滴下ロート、還流管を備えた反応フラスコ内に水100mlと5.5gのエタノールアミンと、8.98gの暗赤色生成物(Y1)を仕込み、20−30度で2時間攪拌した後昇温し、90−95度で2、5時間攪拌した。加熱停止後、常温まで内容物の温度を下げた後、酸性化により反応生成物を析出させた。これをブフナーロートでろ過し、4Lの水で洗浄し、ろ液が中性になっていることを確認した。ろ紙上残渣物を乾燥後、暗赤色生成物(Y2)を8.54g得た。
撹拌機,還流冷却器,窒素吹込み管、温度計を備えたフラスコ内に、14.0gの末端アミン変性ポリエーテル(JEFFAMINE M−1000:HUNTSMAN社製)と、4.0gのイミダゾール及び30.0gの1−メチル−2ピロリドンを仕込み、完全溶解確認後、4.0gの暗赤色生成物(Y2)を追加した。110℃のオイルバスで17時間攪拌し、生成物(Y3)を得た。生成物(Y3)をテトラヒドロフランを展開溶媒としたシリカゲルカラムにより単離し、エバポレーターで減圧濃縮し脱溶剤を行い、6.4gの赤色粘調液(Y4)を得た。
温度計、攪拌機、窒素導入口、滴下ロート、塩化カルシウム乾燥管及び還流管を備えた反応フラスコ内に6.4gの赤色粘調液(Y4)と400.0gのテトラヒドロフランを仕込み溶解させた後、室温で1時間攪拌し、3.6gのトリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)と、3.0gのアクリル酸クロライドを添加し、8時間攪拌し反応を続け、反応生成物(Y5)を得た。この反応生成物(Y5)をエバポレーターで減圧濃縮し脱溶剤を行った後、トルエン/イソブタノール/メタノール=1/1/1を展開溶媒としたシリカゲルカラムにより生成物(Y6)を得た。生成物(Y6)をエバポレーターで減圧濃縮し、シクロヘキサン(和光純薬工業(株)製)を加え、目的化合物を沈殿させ、上澄みを除去する工程を3回繰り返し、その後真空ポンプで脱溶剤を行い、顔料分散剤(Y)4.3gを得た。
Figure 2014218621

(重合性化合物(Y)の構造)
HNMR(CDCl)測定結果
ペリレン構造:δ8.60〜8.70ppm、アクリロイル基:δ5.75〜6.40ppm、ポリエーテル基:δ3.30〜3.63ppm
(実施例2)
10ml遮光バイアル瓶に重合性化合物(Y)0.3gを、モノマーとしてミラマーM−222(MIWON社製)1.56gを、重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製)0.1gとルシリンTPO(BASF社製)0.04gを加え攪拌し、スピンコーターを用いて基材であるガラスプレート上に塗布した。その塗膜をUV照射機(日本電池社製S250−C1、120w/cm水銀メタルハライドランプ)で積算光量600mJ/cm2のエネルギー量で硬化させた所、その塗膜が完全に硬化することを確認した。

Claims (3)

  1. 一般式(1)で表されることを特徴とする重合性化合物。
    Figure 2014218621
    (1)

    (一般式(1)中、Aは(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルオキシ基、マレイミド基、エポキシ基、アセチレン基、及びチオール基からなる群から選ばれる重合性官能基を表し、R及びRは各々独立して単結合、炭素原子数1〜16の2価の炭化水素基(但し該炭化水素基は置換基を有していてもよく、分岐あるいは環構造を形成してもよく、また途中にエーテル結合、エステル結合、フェニレン基を介してもよい)を表し、Xは単結合、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CONH−、−NHCO−、−N(R11)−、−N(R12)CON(R13)−、−N(R14)COO−、又は−OCON(R15)−を表し(但し前記R11〜R15は各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す)、R〜R10は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、又はカルボキシル基を表し(ただしR〜R10は、それらの内の2つで互いに結合して飽和若しくは不飽和の5員環又は6員環を形成してもよい)、Bはポリエーテル鎖を表す。
  2. 前記一般式(1)で表される重合性化合物を重合させて得られた高分子化合物。
  3. 前記一般式(1)で表される重合性化合物を含有する重合性組成物。
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