JP6160217B2 - 重合性化合物、それを用いた高分子化合物、及び重合性組成物 - Google Patents
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Description
さらに、特許文献2では、特定のペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド類が有機顔料の顔料分散剤としての使用が提案されている。
たとえば、特許文献3では、電荷発生材料と電荷輸送材料と結着樹脂とからなる単層型の感光体において、電荷発生材料としてペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド骨格の両末端のジイミド位にジアルキルフェニル基が結合したペリレン系化合物の利用が提案されている。特許文献4では、置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素基または窒素原子を環内に含む2価の複素環基を両末端に導入した対称構造の新規なペリレン化合物が提案されている。
例えば塗布するか或いは所定の形状に成形した後に光を照射すると、配合成分によってラジカル二量化反応や、ラジカル性架橋反応等、さまざまなラジカル反応が進行し、硬化させることができる。
前記一般式(1)において、Aは重合性官能基を表す。重合性官能基としては、熱または活性エネルギー線により重合可能な官能基であれば特に限定はなく、具体的には(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチレン基等のビニル基、ビニルオキシ基、マレイミド基、エポキシ基、アセチレン基、チオール基等があげられる。中でも、反応の容易さから、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、エポキシ基が好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基が最も好ましい。これらの構造は、具体的には、下記一般式で示される。
炭素原子数1〜16の2価の炭化水素基(但し該炭化水素基は置換基を有していてもよく、分岐あるいは環構造を形成してもよく、また途中にエーテル結合、エステル結合、フェニレン基を介してもよい)は、具体的には、炭素原子数1〜16の直鎖状アルキレン基、炭素原子数1〜16の分岐状アルキレン基、置換基等を有していてもよいp−フェニレン基等のフェニレン基等が挙げられる。これらは途中にエーテル結合や、エステル結合を介したり、ポリエーテル構造や、ポリエステル構造であってもよい。
好ましくは、炭素原子数1〜10のアルキレン基や、炭素原子数3〜12の分岐状アルキレン基等が、挙げられる。
また、置換基としては、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基や、アミノ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
中でも、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CONH−、−NHCO−が好ましく、−O−、−CO−、−CO−O−、−CONH−が最も好ましい。
中でも、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基が好ましい。
一般式(1)で表される重合性化合物は、公知の方法(例えば特許文献:特開昭56−139477、特開昭56−169691、特開昭61−238853、特開平11−286489、特開2000−297224等)に従い得ることができる。以下に具体例を挙げる。
一般式(1)で表される重合性化合物は、例えば、式(P1)
また例えば、式(P1)と一当量の式(P5)
(一般式(1)で表される重合性化合物の製造方法3)
また、例えば製造方法2で用いた末端塩化物の重合性基(P8)の代わりに、式(P16)
このようなアミノ基と重合性官能基を1分子中に持つ化合物の例としては、アミノメチルアクリレートやアミノメチルメタクリレート、N−アミノメチルーアクリルアミド、1−メタクリロイルウレア、ビニルアミド、3−アミノ−1−プロペン、ビニルオキシメタナミン、1−ビニルオキシエタナミン、グリシジルアミン、2−プロピン1−アミン、2−アミノベンゼンチオール、2−アミノ−1−エタンチオール、3−アミノ−1−プロパンチオール等が挙げられる。
アミノ基と、前記Bで表されるポリエーテル鎖とを有する化合物としては、例えば、ポリエーテルアミンを反応させることで得られる。
前記(I―1)〜(I−8)で示される化合物である重合性化合物は、前記の一般式(1)で表される重合性化合物の製造方法1を用いて製造することができる。
(II―1)〜(II―6)で示される化合物である重合性化合物は、前記の(一般式(1)で表される重合性化合物の製造方法2)を用いて製造することができる。
本発明の重合性化合物は重合性官能基を有しているため、そのままで、あるいは重合性モノマーやオリゴマーを組み合わせた組成物を、熱や活性エネルギー線により硬化重合させることが可能である。
使用できる重合性モノマーやオリゴマーとしては特に限定はなく、本発明の重合性化合物が有する重合性官能基や、所望される用途に応じて適宜選択される。例えば、本発明の重合性化合物の重合性官能基が(メタ)アクリロイルオキシ基である場合は、(メタ)アクリロイルオキシ基と反応性の高い公知の(メタ)アクリルモノマーおよび/または(メタ)アクリルオリゴマー等のラジカル重合性モノマーを使用することが好ましい。また例えば、本発明の重合性化合物が有する重合性官能基がビニル基、ビニルオキシ基、エポキシ基等である場合は、カチオン重合性モノマーを併用し、カチオン重合により硬化させることも可能である。
ラジカル重合性モノマーである(メタ)アクリルモノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−(メタ)アクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレートなど、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換された(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート、
これらの(メタ)アクリルモノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらのラジカル重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
熱重合によりラジカル重合させる場合の重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチル−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルハイドロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、またはクメンハイドロパーオキシドなどのラジカル発生重合触媒が単独で、あるいは2種以上の併用の形で用いられる。
活性エネルギー線によりラジカル重合させる場合には、ラジカル光重合開始剤を使用することが好ましい。ラジカル光重合性化合物としては具体的には、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
またカチオン重合性モノマーとしては、例えばビニルエーテル化合物があげられる。ビニルエーテル化合物としては、例えば、モノビニルエーテル化合物、ジまたはトリビニルエーテル化合物が挙げられ、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジまたはトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。更に、ジビニルエーテル化合物の中でも、粘度、揮発性の点から、トリエチレングリコールジビニルエーテルが好ましい。
オキセタン化合物としては、オキセタン環を有する化合物であり、特開2001−220526号公報、特開2001−310937号公報などに記載されているような公知のオキセタン化合物等が挙げられる。 環式エポキシドの例は、グリコール、ポリオールなどのエポキシドとヒドロキシル成分の付加体、あるいは3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどのビニルエーテル、ビス(3,4−エポキシ−シクロヘキシルメチル)アジペート、リモネンモノエポキシド、リモネンジエポキシド、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエーテル、1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサン、エポキシ化ジシクロペンチルアルコール、あるいはそれらの混合物である。このタイプの好ましい脂環式エポキシドは、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、1,3−ビス(2−(7−オキサビシクロ(4.1.0)ヘプタ−3−イル)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンである。脂環式エポキシドに加えて、ジ−またはトリ−グルシジルエーテル、アルコキシル化ビスフェノールA、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、ネオペンチルグリコール、またはトリメチロールプロパンなどの一種以上の非脂環式エポキシドが存在することが可能である。エポキシ希釈剤は同様に、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、アルファ−オレフィンエポキシド、Novalacエポキシド、エポキシ化アマニ油、大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、1,2−エポキシデカン、カプロラクトントリオール、グリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、エポキシ化シラン、グリシドキシ−メトキシシラン、グリシドキシ−エトキシシラン、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルであることが可能である。
また、活性エネルギー線によりカチオン重合させる場合には、カチオン光重合開始剤を使用することが好ましい。カチオン光重合開始剤は、例えばアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウムホスフェート、トリアリールスルホニウムアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどの特にトリアリールスルホニウム塩、およびジアリールスルホニウム塩、ならびにジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビスドデシルジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのアリール−ヨードニウム塩などである。こうしたカチオン光開始系は、適するインキ硬化を行うために個々に、あるいは組合せで用いることができる。ジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートおよび(n5−2,4−シクロペンタジエニル−イル)[1,2,3,4,5,6−n)(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄*−ヘキサフルオロホスフェート(−1)は好ましい。
また、光重合開始剤の含有量は特に限定はないが、通常は2〜20質量%程度配合させる。
また、光源としてLEDを使用する場合には、LEDの発光ピーク波長を加味して光重合開始剤を選択することが好ましい。例えばUV−LEDを使用する場合に適した光重合開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン)、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
上記製造方法により得られた重合性化合物は赤色を呈し、そのままの状態でも顔料として使用可能であるが、着色力や耐候性、透明性を高める目的で、公知慣用の後処理を行って、用途に適した所望の粒子径に調整することもできる。具体的には、たとえば、顔料の結晶をより大きな結晶へと成長させたいときは、本発明の重合性化合物を有機溶媒、水、もしくはそれらの混合溶媒中で常圧または加圧下で熱処理する方法が一般的である。
ここで用いる溶媒としては、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族系溶媒、ピリジン、ピコリン、キノリンなどのピリジン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メタノール、ブタノール、イソブタノールなどのアルコール系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、モノエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒などをあげることができる。
また、顔料の結晶を微細化させたいときは、ニーダーやボールミル、アトライターなどの摩砕装置により、必要に応じて食塩などの摩砕媒体やジエチレエングリコールなどの液状摩砕助剤の存在下、摩砕処理を行う方法が一般的である。
本発明の重合性化合物は有機顔料や無機顔料の顔料分散剤として使用することができる。有機顔料としては、例えば、ペリレン・ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、不溶性アゾ系顔料、溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、アニリンブラック系顔料等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、硫化亜鉛、鉛白、亜鉛華、リトボン、アンチモンホワイト、塩基性硫酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、シリカ、カーボンブラック、鉄黒、チタンブラック、コバルトバイオレット、バーミリオン、モリブデンオレンジ、鉛丹、ベンガラ、黄鉛、カドミウムイエロー、ジンククロメート、イエローオーカー、酸化クロム、群青、紺青、コバルトブルー等が挙げられる。
分散溶媒は特に限定はなく、例えば、ヘキサン、へプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロへプタンなどの非水性のアルカン系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロアルカン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはジフルオロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン系芳香族系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒などが挙げられる。
本発明の重合性化合物を電子写真用有機感光体の電荷発生材料として使用する場合は、公知の一般的な感光体の製造方法により、本発明の重合性化合物を含有する電荷発生層に電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層することで作製することが出来る。
電荷発生層は、本発明の重合性化合物を適当な溶剤中でバインダ−樹脂と共に分散した塗布液を、導電性支持体上に公知の方法によって塗布することによって形成することができ、その膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜1.0μmの薄膜層とすることが望ましい。
電荷発生材料として、本発明の重合性化合物以外にも、他の電荷発生材料を併用できる。他の電荷発生材料としては、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、アンタントロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、スレン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、他のペリレン系顔料等が上げられる。
バインダ−樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ポリアリレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリエステル、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポリマ−、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム、ポリシロキサン等の絶縁性樹脂あるいはポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリビニルアントラセン等の有機光導電性ポリマ−などが挙げられる。
本発明の重合性化合物は、例えば、陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に挟持される有機化合物層で構成され、陽極もしくは陰極のいずれかが透明で、陽極と陰極間に電圧を与えることで有機化合物層が発光層となる、電界発光型の有機発光素子に使用することができる。
ここでいうゲストとは、発光層内において主たる発光を担う化合物である。これに対してホストとは、発光層内でゲストの周囲にマトリックスとして存在する化合物であって、主にキャリアの輸送及びゲストへの励起エネルギー供与を担う化合物である。
また、必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用することもできる。
本発明の重合性化合物を色素として使用した色素増感光電変換素子は、導電性支持体表面上に設けられた色素によって増感された半導体層(半導体電極)で構成される。半導体層は目的に応じて単層構成でも積層構成のいずれでもよい。
導電性支持体は、金属のように支持体そのものに導電性があるもの、または表面に導電剤を含む導電層を有するガラスあるいはプラスチックの支持体を用いることができる。導電剤としては白金、金、銀、銅、アルミニウムなどの金属、炭素、あるいは酸化錫インジウム(以降「ITO」と略記する)などの金属酸化物、フッ素をドーピングした酸化スズなどの金属酸化物(以降「FTO」と略記する)などが挙げられる。導電剤層の厚さは、0.05〜10μmが好ましい。導電性支持体は、光を透過する透明性を有しており、光の透過率は10%以上が好ましく、50%以上透過することがより好ましい。この中でも、ITOやFTOからなる導電層をガラス上に堆積した導電性ガラスが特に好ましい。
分散液の塗布方法としては、ローラ法、ディップ法、エアーナイフ法、ブレード法、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピンコート法、あるいはスプレー法などを挙げることができる。
色素を吸着する際の温度としては、−50℃以上200℃以下が好ましい。吸着に要する時間は、5秒以上1000時間以下が好ましく、10秒以上500時間以下がより好ましく、1分以上150時間以下がさらに好ましい。
(重合性基及びポリマー鎖を有する化合物(Y)の製造方法)
温度計、攪拌機、窒素導入口、滴下ロート、還流管を備えた反応フラスコ内にペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物19.6g、水200ml及び85%水酸化カリウム13.29gから成る混合物を仕込み90度に加熱し、pHを10〜11に調整した。約2時間かけて31%塩酸18.0gを滴下し、pH4.5〜5.0に調整した。90度で1時間攪拌後、析出物を、ブフナーロートでろ過し、5Lの熱水で洗浄した。乾燥後、暗赤色生成物(Y1)を21.4g得た。
ペリレン構造:δ8.60〜8.70ppm、アクリロイル基:δ5.75〜6.40ppm、ポリエーテル基:δ3.30〜3.63ppm
10ml遮光バイアル瓶に重合性化合物(Y)0.3gを、モノマーとしてミラマーM−222(MIWON社製)1.56gを、重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製)0.1gとルシリンTPO(BASF社製)0.04gを加え攪拌し、スピンコーターを用いて基材であるガラスプレート上に塗布した。その塗膜をUV照射機(日本電池社製S250−C1、120w/cm水銀メタルハライドランプ)で積算光量600mJ/cm2のエネルギー量で硬化させた所、その塗膜が完全に硬化することを確認した。
Claims (3)
- 一般式(1)で表されることを特徴とする重合性化合物。
(一般式(1)中、Aは(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルオキシ基、マレイミド基、エポキシ基、アセチレン基、及びチオール基からなる群から選ばれる重合性官能基を表し、R1及びR2は各々独立して単結合、炭素原子数1〜16の2価のアルキレン基を表し、X1は単結合、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CONH−、−NHCO−、−N(R11)−、−N(R12)CON(R13)−、−N(R14)COO−、又は−OCON(R15)−を表し(但し前記R11〜R15は各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表す)、R3〜R10は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、又はカルボキシル基を表し(ただしR3〜R10は、それらの内の2つで互いに結合して飽和若しくは不飽和の5員環又は6員環を形成してもよい)、Bはポリエーテル鎖を表す。 - 前記一般式(1)で表される重合性化合物を重合させて得られた高分子化合物。
- 前記一般式(1)で表される重合性化合物を含有する重合性組成物。
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