JP2014218504A - 鉄代謝改善剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 血液透析、血液濾過及び血液濾過透析等の血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者の生体内の鉄代謝を改善させる鉄代謝改善剤を提供することを課題とする。【解決手段】 電解質として酢酸及び/又は酢酸塩を含有せず、クエン酸及び/又はクエン酸塩を含有し、更に他の電解質、ブドウ糖を単独若しくは複数種組合せて含有することを特徴とする鉄代謝改善剤であり、透析液及び/又は透析用補充液の形態にある鉄代謝改善剤である。また、当該透析液及び/又は透析用補充液を使用することによる生体内の鉄代謝を改善させる方法、ならびに慢性腎不全患者に対する血液透析及び血液濾過透析を含む血液浄化方法である。【選択図】 図1
Description
本発明は、生体内の鉄代謝を改善させる鉄代謝改善剤に係わり、特に血液透析、血液濾過及び血液濾過透析等の血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者の生体内の鉄代謝を改善させる鉄代謝改善剤に関する。
さらに本発明は、血液透析、血液濾過及び血液濾過透析等の血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者に当該鉄代謝改善剤を投与することによる生体内の鉄代謝を改善させる方法に係わり、特に当該鉄代謝改善剤を含む透析液及び/又は透析用補充液を使用することによる生体内の鉄代謝を改善させる方法に関するものである。
さらにまた本発明は、慢性腎不全患者に対して、当該鉄代謝改善剤を含む透析液を使用して血液浄化を行うことによる血液透析及び血液濾過透析を含む血液浄化方法に関するものであり、更には、慢性腎不全患者に対して、当該鉄代謝改善剤を含む透析用補充液を使用して血液浄化を行うことによる血液濾過透析及び血液濾過を含む血液浄化方法に関するものである。
血液透析に代表される血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者は、多くの合併症によりQOL(Quality of Life)の低下や入院、死亡の危険率が高くなっており、その因子として慢性炎症状態、栄養障害、動脈硬化、そしてエリスロポエチン(EPO)抵抗性腎性貧血が存在し、それらが相互に関係し合うことにより、予後を悪化させることが広く知られている。
これらの病態に関与する一元的機序は解明されていないが、腎不全に伴う鉄代謝異常、すなわち、種々の臓器・組織への鉄蓄積、及び鉄を触媒したフェントン反応を介した酸化ストレスの増幅による細胞障害がその成因の一つとして想定されている。
これらの病態に関与する一元的機序は解明されていないが、腎不全に伴う鉄代謝異常、すなわち、種々の臓器・組織への鉄蓄積、及び鉄を触媒したフェントン反応を介した酸化ストレスの増幅による細胞障害がその成因の一つとして想定されている。
血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者が発症する腎性貧血は、腎機能の低下に伴い腎組織内で産生されるエリスロポエチンの相対的産生不足のために、骨髄での赤血球生成が減少する状態であり、それに対する治療としては、ヒト遺伝子組み換え型エリスロポエチン(rHuEPO)製剤が使用されており、また最近では、透析療法導入前の保存期腎不全患者にもrHuEPO製剤が使用されている。
しかしながら、rHuEPO製剤を投与しても、EPOに対する造血反応性の低下により、貧血改善が得られないEPO抵抗性腎性貧血も散見される。その原因の多くは骨髄における鉄欠乏であり、慢性腎不全においては、rHuEPO治療による造血亢進により鉄の需要が増加するためと考えられてきた。しかし、血清フェリチン濃度からは十分に鉄が貯蔵されていると判断されるにも関わらず、更なる鉄の投与により貧血が改善する機能性鉄欠乏といった状態が知られている。
しかしながら、rHuEPO製剤を投与しても、EPOに対する造血反応性の低下により、貧血改善が得られないEPO抵抗性腎性貧血も散見される。その原因の多くは骨髄における鉄欠乏であり、慢性腎不全においては、rHuEPO治療による造血亢進により鉄の需要が増加するためと考えられてきた。しかし、血清フェリチン濃度からは十分に鉄が貯蔵されていると判断されるにも関わらず、更なる鉄の投与により貧血が改善する機能性鉄欠乏といった状態が知られている。
本発明者らは、透析患者における鉄代謝異常の存在と、そのメカニズムの一部を明らかにしてきている(非特許文献1)。すなわち、血液透析患者の血清鉄は健常者に比し低値であったが、血清フェリチン濃度は有意に高値であった。またこれらの患者の多核白血球内鉄濃度は健常者の3倍程度にまで上昇し、同時にフェリチン濃度も約1.5倍まで上昇していた。
さらに、血清フェリチン濃度が低い患者のみで検討してみても、やはり同様の細胞内鉄濃度の上昇が認められた。
すなわち、透析患者では、血清フェリチン濃度に関係なく多核白血球内の鉄濃度が上昇していることを認めた。
さらに、血清フェリチン濃度が低い患者のみで検討してみても、やはり同様の細胞内鉄濃度の上昇が認められた。
すなわち、透析患者では、血清フェリチン濃度に関係なく多核白血球内の鉄濃度が上昇していることを認めた。
細胞内鉄代謝には鉄輸送蛋白が関与していると考えられる。鉄輸送蛋白については、細胞レベルで、特に十二指腸や網内皮系細胞において多くの新しい知見が得られている。細胞内へ鉄を取り込む蛋白として、3価鉄(Fe3+)と結合したトランスフェリンを取り込むトランスフェリン受容体(TfR)のほか、2価鉄(Fe2+)を輸送するdivalent metal transporter 1(DMT1)が、また細胞外へ鉄を汲み出す蛋白としてフェロポーチン1(FP1)が知られている。
本発明者らはまた、多核白血球における細胞内鉄濃度の上昇と鉄輸送蛋白の関連性について解明してきている(非特許文献1)。すなわち、多核白血球細胞内への鉄の取り込みにはTfRが、鉄の汲み出しにはFP1が関与していることを確認した。また、血液透析患者の多核白血球では、健常人に比し、鉄取り込み蛋白であるTfR発現は増加しており、鉄汲み出し蛋白であるFP1発現が低下していることをmRNAレベル及び蛋白レベルにおいて明らかにした。
以上より、血液透析患者では、これらの鉄輸送蛋白の調節異常、すなわち「鉄の囲い込み」により、多核白血球内の鉄が過剰に蓄積していることが示唆された。
鉄輸送蛋白は、全身の細胞に発現していることから、透析患者の多核白血球で認められた同様の発現変化が、細網内皮系でも起こっている可能性が考えられる。
生体における最も重要な鉄代謝は、老化した赤血球細網内皮系で貪食し、ヘモグロビンから鉄を取り出し、骨髄で造血のために鉄を再利用させるいわゆる再生系である。この系により一日に約20〜25mgの鉄が再利用されることになる。肝臓や脾臓の細網内皮系及び骨髄マクロファージでの「鉄の囲い込み」が起こると、鉄代謝の再生系は破綻し、血清フェリチン値は高値であるのにも関わらず、鉄が不足している機能性鉄欠乏の状態に陥ってしまう。
鉄輸送蛋白は、全身の細胞に発現していることから、透析患者の多核白血球で認められた同様の発現変化が、細網内皮系でも起こっている可能性が考えられる。
生体における最も重要な鉄代謝は、老化した赤血球細網内皮系で貪食し、ヘモグロビンから鉄を取り出し、骨髄で造血のために鉄を再利用させるいわゆる再生系である。この系により一日に約20〜25mgの鉄が再利用されることになる。肝臓や脾臓の細網内皮系及び骨髄マクロファージでの「鉄の囲い込み」が起こると、鉄代謝の再生系は破綻し、血清フェリチン値は高値であるのにも関わらず、鉄が不足している機能性鉄欠乏の状態に陥ってしまう。
他方、慢性腎不全患者の多くは、炎症反応の急性期指標の一つであるC−反応性蛋白質(CRP)が高値であり、慢性炎症状態にあると考えられている。従来から、慢性炎症性疾患に伴う慢性病貧血は、脾臓及び肝臓のマクロファージに鉄が蓄積していること、細網内皮系における「鉄の囲い込み」による再利用障害がその機序であると報告されている(非特許文献2)。
また、EPO抵抗性腎性貧血の一部も、慢性炎症状態と関連していることが示されている(非特許文献3)。
最近になり、慢性病貧血の病態と炎症性サイトカインの関連性が報告されていることから(非特許文献4)、透析患者の鉄輸送蛋白調節障害の原因物質として、炎症性サイトカインが注目されている。
また、EPO抵抗性腎性貧血の一部も、慢性炎症状態と関連していることが示されている(非特許文献3)。
最近になり、慢性病貧血の病態と炎症性サイトカインの関連性が報告されていることから(非特許文献4)、透析患者の鉄輸送蛋白調節障害の原因物質として、炎症性サイトカインが注目されている。
本発明者らは、ヒト単球由来培養細胞を用い、これらの炎症性サイトカインが鉄輸送蛋白に与える影響を検討してきている(非特許文献5)。その結果、mRNAレベル及び蛋白レベルにおいては、TfR、DMT1の発現増加とFP1の発現抑制を認めている。また、鉄を前負荷した状態でも、サイトカイン刺激により同様の変化を認めている。すなわち、細網内皮系においてサイトカインが細胞内鉄濃度に関係なく、鉄輸送蛋白調節障害を惹き起こすことが示唆された。
従来の市販透析剤には、安定化のために少量(8〜12mEq/L)の酢酸を含有しており、その酢酸が単球への刺激により高サイトカイン血症を助長している可能性も示唆されている。一方、クエン酸の変換酵素であるアコニターゼには、その活性中心に鉄−硫黄錯体が存在し、細胞内鉄濃度が低い場合には、鉄−硫黄錯体が分解し酵素活性が低下する。また、細胞質に存在する鉄代謝制御蛋白であるIRP(iron regulatory protein)の内IRP1が、鉄欠乏下において鉄輸送蛋白のmRNAに存在するIRE(iron responsive element)と結合し、TfR及びDMT1のmRNAの分解阻害とFP1のmRNAの翻訳開始阻害が起こることが報告されている(非特許文献6)。IRP1は細胞内鉄濃度が高い場合にはアコニターゼ活性を有することが知られているので、クエン酸がアコニターゼ活性の上昇を介し、IRP1−IREの結合を減弱し、鉄輸送蛋白異常を是正する可能性がある。
以上をまとめると、透析患者が呈する高サイトカイン血症に起因し、細網内皮系細胞において多核白血球と同様の鉄輸送蛋白調節障害が惹起され、細網内皮系での「鉄の囲い込み」による鉄利用障害が、EPO抵抗性腎性貧血の主因となっていると考えられ、更には、患者予後を左右する様々な合併症の発症、進展において中心的役割を担っていることが考えられる。
したがって、以上の各点を踏まえると、血液透析、血液濾過及び血液濾過透析等の血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者においては、高サイトカイン血症を防ぐこと、あるいは鉄輸送蛋白の調節異常を是正することにより、細網内皮系での「鉄の囲い込み」が解放され、これに伴い血清鉄濃度が上昇して鉄の利用性が向上すると考えられ、したがって、これにより、EPO抵抗性腎性貧血を改善し、合併症発生リスクの回避に繋がり、患者のQOLの向上や予後の改善に寄与できるものと考えられる。
しかしながら現状では、血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者で発症する鉄代謝異常の改善、すなわち細胞内への鉄の過剰な取り込み、及び放出抑制を改善する具体的手段や、細網内皮系に蓄積された鉄を造血系で利用できるように移行する解決法は開示されていない。また、EPO抵抗性貧血を呈する慢性腎不全患者に対する治療手段としては、鉄剤の投与によるEPO製剤療法の補助療法が有効とされるが、専門医師による経験に頼る以外に、特別の方法はないのが現状である。
Otaki Y, et al.: Am. J. Kidney Dis.: 43, 1030-1039 (2004)
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Ludwiczek S, et al.: Blood.: 101, 4148-4154 (2003)
Nanami M, et al.: Arterioscler Thromb. Vasc. Biol.: 25, 2495-2501 (2005)
Hentze MW et al.: Cell: 117, 285-297 (2004)
本発明は、かかる現状を鑑み、特に血液透析、血液濾過及び血液濾過透析等の血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者の生体内の鉄代謝を改善させる、鉄代謝改善剤を提供することを課題とする。
また本発明は、血液透析、血液濾過及び血液濾過透析等の血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者に対して、本発明の鉄代謝改善剤を投与することによる生体内の鉄代謝を改善させる方法を提供するものであり、特に当該鉄代謝改善剤を含む透析液及び/又は透析用補充液を使用することによる生体内の鉄代謝を改善させる方法を提供することを課題とする。
さらに本発明は、慢性腎不全患者に対して、当該鉄代謝改善剤を含む透析液を使用して血液浄化を行うことによる血液透析及び血液濾過透析を含む血液浄化方法を提供するものであり、更には、慢性腎不全患者に対して、当該鉄代謝改善剤を含む透析用補充液を使用して血液浄化を行うことによる血液濾過透析及び血液濾過を含む血液浄化方法を提供することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明は、その態様として、以下の構成からなる。
(1)クエン酸及び/又はクエン酸塩を含有することを特徴とする鉄代謝改善剤;
(2)電解質としてクエン酸及び/又はクエン酸塩を含有することを特徴とする上記(1)に記載の鉄代謝改善剤;
(3)電解質として酢酸及び/又は酢酸塩を含有せず、クエン酸及び/又はクエン酸塩を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の鉄代謝改善剤;
(4)電解質としてクエン酸及び/又はクエン酸塩を含有し、更に他の電解質、ブドウ糖を単独若しくは複数種組合せて含有することを特徴とする上記(1)、(2)又は(3)に記載の鉄代謝改善剤;
である。
(1)クエン酸及び/又はクエン酸塩を含有することを特徴とする鉄代謝改善剤;
(2)電解質としてクエン酸及び/又はクエン酸塩を含有することを特徴とする上記(1)に記載の鉄代謝改善剤;
(3)電解質として酢酸及び/又は酢酸塩を含有せず、クエン酸及び/又はクエン酸塩を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の鉄代謝改善剤;
(4)電解質としてクエン酸及び/又はクエン酸塩を含有し、更に他の電解質、ブドウ糖を単独若しくは複数種組合せて含有することを特徴とする上記(1)、(2)又は(3)に記載の鉄代謝改善剤;
である。
より具体的には、本発明は、
(5)透析液の形態にある上記(1)〜(4)のいずれかに記載の鉄代謝改善剤;
(6)透析用補充液の形態にある上記(1)〜(4)のいずれかに記載の鉄代謝改善剤;
である。
(5)透析液の形態にある上記(1)〜(4)のいずれかに記載の鉄代謝改善剤;
(6)透析用補充液の形態にある上記(1)〜(4)のいずれかに記載の鉄代謝改善剤;
である。
また、本発明は別の態様として、
(7)血液透析、血液濾過及び血液濾過透析等の血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者に対して、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の鉄代謝改善剤を投与することを特徴とする生体内の鉄代謝を改善させる方法;
であり、より具体的には、
(8)血液透析、血液濾過及び血液濾過透析等の血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者に、上記(5)又は(6)に記載の鉄代謝改善剤を含む透析液及び/又は透析用補充液を使用することを特徴とする生体内の鉄代謝を改善させる方法;
である。
(7)血液透析、血液濾過及び血液濾過透析等の血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者に対して、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の鉄代謝改善剤を投与することを特徴とする生体内の鉄代謝を改善させる方法;
であり、より具体的には、
(8)血液透析、血液濾過及び血液濾過透析等の血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者に、上記(5)又は(6)に記載の鉄代謝改善剤を含む透析液及び/又は透析用補充液を使用することを特徴とする生体内の鉄代謝を改善させる方法;
である。
さらに本発明は、また別の態様として、
(9)慢性腎不全患者に対して、上記(5)に記載の鉄代謝改善剤を含む透析液を使用して血液浄化を行うことを特徴とする血液透析及び血液濾過透析を含む血液浄化方法;
(10)慢性腎不全患者に対して、上記(6)に記載の鉄代謝改善剤を含む透析用補充液を使用して血液浄化を行うことを特徴とする血液濾過透析及び血液濾過を含む血液浄化方法;
である。
(9)慢性腎不全患者に対して、上記(5)に記載の鉄代謝改善剤を含む透析液を使用して血液浄化を行うことを特徴とする血液透析及び血液濾過透析を含む血液浄化方法;
(10)慢性腎不全患者に対して、上記(6)に記載の鉄代謝改善剤を含む透析用補充液を使用して血液浄化を行うことを特徴とする血液濾過透析及び血液濾過を含む血液浄化方法;
である。
本発明が提供する鉄代謝改善剤は、クエン酸及び/又はクエン酸塩を含有すること、特に電解質としてクエン酸及び/又はクエン酸塩を含有することからなる鉄代謝改善剤であり、かかる鉄代謝改善剤により、血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者においては、腎不全により低下した鉄利用性を向上させる効果を有するものである。
また、本発明の鉄代謝改善剤は、鉄の再利用となる鉄代謝の再生系を回復させ、その結果、高サイトカイン血症が防止されると共に、生体内の鉄輸送蛋白の調節異常を是正するものである。
したがって、本発明の鉄代謝改善剤により、慢性腎不全患者におけるEPO抵抗性腎性貧血を改善し、合併症発生リスクを回避させ、患者のQOLの向上や予後の改善に寄与できる点で特に優れたものである。
また、本発明の鉄代謝改善剤は、鉄の再利用となる鉄代謝の再生系を回復させ、その結果、高サイトカイン血症が防止されると共に、生体内の鉄輸送蛋白の調節異常を是正するものである。
したがって、本発明の鉄代謝改善剤により、慢性腎不全患者におけるEPO抵抗性腎性貧血を改善し、合併症発生リスクを回避させ、患者のQOLの向上や予後の改善に寄与できる点で特に優れたものである。
本発明が提供する鉄代謝改善剤は、上記した如く、クエン酸及び/又はクエン酸塩を含有すること、特に電解質としてクエン酸及び/又はクエン酸塩を含有することからなる鉄代謝改善剤である。
より具体的には、電解質として酢酸及び/又は酢酸塩を含有せず、クエン酸及び/又はクエン酸塩を含有し、更に他の電解質、ブドウ糖を単独若しくは複数種組合せて含有することを特徴とする鉄代謝改善剤である。
より具体的には、電解質として酢酸及び/又は酢酸塩を含有せず、クエン酸及び/又はクエン酸塩を含有し、更に他の電解質、ブドウ糖を単独若しくは複数種組合せて含有することを特徴とする鉄代謝改善剤である。
したがって、本発明の鉄代謝改善剤は、透析液の形態あるいは透析用補充液の形態で投与されるのが好ましい。そのような透析液あるいは透析用補充液としては、好ましくはアルカリ化剤としての重炭酸イオンの炭酸水素ナトリウムを含む重炭酸透析液あるいは透析用補充液である。
かかる観点からみれば、本発明が提供する鉄代謝改善剤は、透析液では、電解質成分、pH調整剤及び/又はブドウ糖を含有するいわゆる「A剤」の形態とするのが好ましく、実際の投与にあたっては、希釈水によって希釈されるか、あるいは好ましくは、重炭酸イオンの炭酸水素ナトリウムからなるいわゆる「B剤」と一緒に希釈され使用される。また、透析用補充液では、電解質成分、pH調整剤及び/又はブドウ糖を含有するいわゆる「B液」の形態とするのが好ましく、実際の投与にあたっては、電解質成分、pH調整剤及び炭酸水素ナトリウムからなるいわゆる「A液」と混合され使用される。
本発明の鉄代謝改善剤において含有する他の電解質成分としては、クエン酸及び/又はクエンナトリウム等のクエン酸塩の他、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム等を挙げることができる。特に好ましい電解質成分としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びクエン酸ナトリウムである。
それに加えて更にブドウ糖を含有し、透析液及び/又は透析補充液として調製された時に適切なpHとなるpH調節剤を含有する。
そのようなpH調整剤としては、クエン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酒石酸、水酸化ナトリウム等をあげることができ、クエン酸、塩酸が特に好ましい。
したがって、本発明が提供する鉄代謝改善剤における上記した各成分の配合量は、適切な濃度に希釈、混合した場合に、重炭酸透析液あるいは重炭酸補充液として、下記の濃度であることが好ましい。
そのようなpH調整剤としては、クエン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酒石酸、水酸化ナトリウム等をあげることができ、クエン酸、塩酸が特に好ましい。
したがって、本発明が提供する鉄代謝改善剤における上記した各成分の配合量は、適切な濃度に希釈、混合した場合に、重炭酸透析液あるいは重炭酸補充液として、下記の濃度であることが好ましい。
ナトリウムイオン 120〜150mEq/L、
カリウムイオン 0〜5mEq/L、
カルシウムイオン 0〜5mEq/L、
マグネシウムイオン 0〜2mEq/L、
塩素イオン 55〜135mEq/L、
重炭酸イオン 20〜45mEq/L、
クエン酸イオン 0.02〜5mEq/L、
ブドウ糖 0〜3.0g/L
カリウムイオン 0〜5mEq/L、
カルシウムイオン 0〜5mEq/L、
マグネシウムイオン 0〜2mEq/L、
塩素イオン 55〜135mEq/L、
重炭酸イオン 20〜45mEq/L、
クエン酸イオン 0.02〜5mEq/L、
ブドウ糖 0〜3.0g/L
本発明が提供する鉄代謝改善剤において含有する電解質成分としてカルシウムイオンを含有させる場合には、クエン酸及び/又はクエン酸塩、例えばクエン酸ナトリウムにより不溶性化合物を生成するが、クエン酸により、pHを低く調整することにより不溶性化合物の生成を防止することができる。
さらにクエン酸を使用することにより沈殿抑制効果も発揮することができる。すなわち、いわゆる透析液用「A剤」及び透析用補充液用「B液」に含有される電解質成分と、いわゆる透析液用「B剤」及び透析用補充液用「A液」に含有される重炭酸イオンの炭酸水素ナトリウムを混合した際、重炭酸イオンカルシウム及びマグネシウムイオンと反応して不溶性化合物である炭酸金属塩を生成するため、用時、希釈・混合後人工腎臓用透析液として調製されるが、この際、クエン酸の沈殿生成抑制効果によって、安定性が長く保たれるという利点がある。
本発明の鉄代謝改善剤において、クエン酸及び/又はクエン酸塩の使用量は、製剤としてpH2.2〜2.9程度に調整される量であるのが良く、通常クエン酸イオンとして上記した0.02〜5mEq/Lに調整される量を含有すればよい。
また、従来のいわゆる透析液用「A剤」及び透析用補充液用「B液」においては、酢酸が含有されていたのに対して本発明の鉄代謝改善剤にあっては、酢酸は一切含有していないことを特徴とする。したがって、本発明の鉄代謝改善剤を含有する透析液及び/又は透析用補充液として調製する場合には、重炭酸ナトリウムのみをアルカリ化剤として使用しているので、より生理的な処方であるといえる。
本発明が提供する鉄代謝改善剤は、そこに含有されるクエン酸及び/又はクエン酸塩の働きにより、アコニターゼ活性の上昇を介し、IRP1−IREの結合を減弱し、鉄輸送蛋白の調節異常を是正することが可能となる。また、本発明の鉄代謝改善剤は、そこに酢酸を全く含有していないことにより、透析患者の高サイトカイン血症を防ぎ、鉄輸送蛋白の調節異常を是正することが可能となる。その結果、細網内皮系での「鉄の囲い込み」が解放され、これに伴い血清鉄濃度が上昇し、鉄代謝異常が改善され、鉄利用性が向上することにより、EPO抵抗性腎性貧血の改善に大きく貢献することとなる。
その点で、本発明の鉄代謝改善剤は、極めて特異的なものであるといえる。
その点で、本発明の鉄代謝改善剤は、極めて特異的なものであるといえる。
本発明の鉄代謝改善剤は、透析液の形態あるいは透析用補充液の形態の他に、医薬上許容される担体、賦形剤、希釈剤などとともに混合し、液剤、エリキシル剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、経皮吸収型製剤、懸濁剤・乳剤、坐剤、散剤、酒精剤、錠剤、シロップ剤、注射剤、貼付剤、リモナーゼ剤等の形態で投与することもできる。あるいは、適当な賦形剤を使用した経口摂取(摂食)できる形態で投与することもでき、そのような形態として、例えば、粉末、顆粒、タブレット、液体(飲料、ゼリー飲料など)、キャンディ等を挙げることができる。
以下に本発明を具体的な試験例、及び実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1:腎不全イヌにおける透析製剤の鉄代謝に与える作用
腎不全イヌを使用し、実際に透析をおこない、そのときの鉄代謝に与える作用について検討した。
[試験方法]
約18時間の絶食を行った雄のビーグル犬を、ペントバルビタールナトリウム(30mg/kg)の橈側皮静脈内投与により麻酔した後、正中線開腹し、両側の尿管を完全結紮した。
手術後2日目に透析実験を行った。導入麻酔としてペントバルビタールナトリウム(30mg/kg)を橈側皮静脈内に投与し、透析中も麻酔維持のためにインフュージョンポンプを用いてペントバルビタールナトリウムを持続的に静脈内投与した。
大腿動静脈にヘパリン加生理食塩液(10単位/mL)を充満した8Frカテーテルを挿入固定し、ブラッドアクセスを作製した。呼吸管理のため、気管挿管を行い、人工呼吸器を動物に装着した。
血液透析は、単身用血液透析濾過装置DBG−01(日機装(株)製)を用いて行った。透析膜及び血液回路は、それぞれPS−0.6UW及び小児用血液回路を使用した。
腎不全イヌを使用し、実際に透析をおこない、そのときの鉄代謝に与える作用について検討した。
[試験方法]
約18時間の絶食を行った雄のビーグル犬を、ペントバルビタールナトリウム(30mg/kg)の橈側皮静脈内投与により麻酔した後、正中線開腹し、両側の尿管を完全結紮した。
手術後2日目に透析実験を行った。導入麻酔としてペントバルビタールナトリウム(30mg/kg)を橈側皮静脈内に投与し、透析中も麻酔維持のためにインフュージョンポンプを用いてペントバルビタールナトリウムを持続的に静脈内投与した。
大腿動静脈にヘパリン加生理食塩液(10単位/mL)を充満した8Frカテーテルを挿入固定し、ブラッドアクセスを作製した。呼吸管理のため、気管挿管を行い、人工呼吸器を動物に装着した。
血液透析は、単身用血液透析濾過装置DBG−01(日機装(株)製)を用いて行った。透析膜及び血液回路は、それぞれPS−0.6UW及び小児用血液回路を使用した。
試験群として、下記表1に記載の処方からなる本発明の透析液及び市販の透析液[AK−ソリタ(登録商標)・DL]を用い、それぞれ3例ずつとした。
血液透析は、血液流量100mL/min、透析液流量300mL/minにて除水は行わず透析時間4時間で行った。
血液凝固防止のため、透析開始前に100単位/kg体重のヘパリンを静脈内投与し、以降1時間毎に50単位/kg体重を追加静脈内投与した。
血液透析は、血液流量100mL/min、透析液流量300mL/minにて除水は行わず透析時間4時間で行った。
血液凝固防止のため、透析開始前に100単位/kg体重のヘパリンを静脈内投与し、以降1時間毎に50単位/kg体重を追加静脈内投与した。
血液は、両側尿管結紮手術前、透析開始前、透析開始2及び4時間後に採取した。採取した血液は冷却下遠心分離し、血清中の鉄及び不飽和鉄結合能(UIBC)の他、血漿中のクレアチニン(Cre)、尿素窒素(BUN)、クエン酸及び酢酸を測定した。
総鉄結合能(TIBC)は、血清鉄+UIBCで算出した。
透析終了後、ブラッドアクセス部位から生理食塩液にて脱血、灌流した後、動物を解剖し、脾臓から組織を採取した。採取した組織について、プルシアンブルー染色を行い、画像解析により鉄染色の割合を%として求めた。さらに、組織中フェリチンの免疫組織染色を行い、肉眼的組織観察を行った。組織検討は、本発明の透析液及び市販の透析液の試験群2群と無処置正常群(3例)及び透析未施行の腎不全群(3例)と比較した。
総鉄結合能(TIBC)は、血清鉄+UIBCで算出した。
透析終了後、ブラッドアクセス部位から生理食塩液にて脱血、灌流した後、動物を解剖し、脾臓から組織を採取した。採取した組織について、プルシアンブルー染色を行い、画像解析により鉄染色の割合を%として求めた。さらに、組織中フェリチンの免疫組織染色を行い、肉眼的組織観察を行った。組織検討は、本発明の透析液及び市販の透析液の試験群2群と無処置正常群(3例)及び透析未施行の腎不全群(3例)と比較した。
[試験結果及び考察]
クエン酸濃度、血清鉄濃度、UIBC、TIBCの結果をそれぞれ図1〜4に示した。
また、透析開始2時間後の酢酸濃度の結果を下記表2に示した。
両側尿管結紮後2日目の透析前における腎不全イヌの血漿中Cre及びBUN濃度は顕著に上昇しており、腎不全が惹起されていることが確認できた。
腎不全により上昇した血漿中Cre及びBUN濃度は、本発明の透析液群及び市販の透析液群いずれも透析により速やかに低下した。本発明の透析液群では透析前値と同程度の値で推移したが、市販の透析液群では透析により血漿中クエン酸濃度は低下した(図1)。群間の比較では、透析2及び4時間後に市販の透析液群に比較し本発明の透析液群では有意に高値であった。血漿中酢酸濃度は、本発明の透析液群では透析中に検出されなかったが、市販の透析液群では透析により有意に上昇した(p<0.05、表2)。
クエン酸濃度、血清鉄濃度、UIBC、TIBCの結果をそれぞれ図1〜4に示した。
また、透析開始2時間後の酢酸濃度の結果を下記表2に示した。
両側尿管結紮後2日目の透析前における腎不全イヌの血漿中Cre及びBUN濃度は顕著に上昇しており、腎不全が惹起されていることが確認できた。
腎不全により上昇した血漿中Cre及びBUN濃度は、本発明の透析液群及び市販の透析液群いずれも透析により速やかに低下した。本発明の透析液群では透析前値と同程度の値で推移したが、市販の透析液群では透析により血漿中クエン酸濃度は低下した(図1)。群間の比較では、透析2及び4時間後に市販の透析液群に比較し本発明の透析液群では有意に高値であった。血漿中酢酸濃度は、本発明の透析液群では透析中に検出されなかったが、市販の透析液群では透析により有意に上昇した(p<0.05、表2)。
鉄に関しては、腎不全により低下した血清鉄は、本発明の透析液による透析で透析前値に対して有意に上昇した(図2)。一方、市販の透析液による透析では、有意な変化は見られなかった。二元配置分散分析では、透析時間だけでなく透析液の種類によっても鉄値に有意差が認められた(透析前から4時間後まで:時間、F(2,12)=4.46, p<0.05; 透析液, F(1,12)=9.71, p<0.01; 時間×透析液, F(2, 12)=1.09, p>0.05)。
UIBCは、透析により本発明の透析液群及び市販の透析液群いずれも透析前値に対して有意に低下したが、二元配置分散分析では、透析時間及び透析液の種類でUIBC値に有意差が認められた(透析前から4時間後まで:時間、F(2,12)=9.91, p<0.01; 透析液, F(1,12)=7.82, p<0.05; 時間×透析液, F(2, 12)=0.53, p>0.05、図3)。
また、TIBCは透析によりほとんど変化が見られず、また透析液間の有意差もなかったことから(図4)、UIBCの変化は、血清鉄の変化に反映したものと考えられた。
脾臓組織の鉄染色に関しては、腎不全群は無処置群に比べて鉄染色の割合が上昇し、透析により上昇した鉄染色の割合が低下し、本発明の透析液の方が市販の透析液より鉄染色の程度が弱かった(図5)。統計解析を行ったところ、本発明の透析液群と市販の透析液群との間で脾臓の鉄染色%に有意差が見られた(p<0.05)。
脾臓組織のフェリチン染色については、本発明の透析液による透析で、市販の透析液よりもフェリチン染色の程度が減弱し、染色された細胞数も少なかった。
これらの組織検討の結果より、腎不全状態での臓器内への鉄の囲い込みと、透析行為そのものによる鉄の囲い込みの解放が起きており、脾臓では鉄の囲い込みの解放が市販の透析液よりも本発明の透析液の方で強く現れたことが示唆された。
以上から、本発明の透析液を用いた透析により、腎不全により低下した鉄利用性の向上効果の可能性が示された。
脾臓組織の鉄染色に関しては、腎不全群は無処置群に比べて鉄染色の割合が上昇し、透析により上昇した鉄染色の割合が低下し、本発明の透析液の方が市販の透析液より鉄染色の程度が弱かった(図5)。統計解析を行ったところ、本発明の透析液群と市販の透析液群との間で脾臓の鉄染色%に有意差が見られた(p<0.05)。
脾臓組織のフェリチン染色については、本発明の透析液による透析で、市販の透析液よりもフェリチン染色の程度が減弱し、染色された細胞数も少なかった。
これらの組織検討の結果より、腎不全状態での臓器内への鉄の囲い込みと、透析行為そのものによる鉄の囲い込みの解放が起きており、脾臓では鉄の囲い込みの解放が市販の透析液よりも本発明の透析液の方で強く現れたことが示唆された。
以上から、本発明の透析液を用いた透析により、腎不全により低下した鉄利用性の向上効果の可能性が示された。
実施例2:両腎摘出ラットにおけるクエン酸投与による鉄代謝改善効果の検討
腎臓を全摘出したラットを用いて、クエン酸を投与したときの鉄代謝に与える作用について検討した。
[試験方法]
8週齢の雄性CD(SD)ラット(体重約300g)を用いて、下記表3の試験群にて試験を行った。ラットをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg)の腹腔内投与により麻酔した後、ラット背中側より腎臓を全摘出し(表3の1群については無処置)、中心静脈カテーテル(CVC)留置術を施行した。
手術施行の約24時間後に、CVCより1mLの採血を行い、表3の2群及び3群についてはその直後からCVCよりそれぞれ生理食塩液又は4.5w/v%のクエン酸ナトリウム液を各0.25mL/時間の投与速度で4時間持続投与し、投与終了後直ちにCVCより1mLを採血した。
採取した血液は冷却下遠心分離し、血漿中のクレアチニン(Cre)、尿素窒素(BUN)、鉄及びクエン酸を測定した。
腎臓を全摘出したラットを用いて、クエン酸を投与したときの鉄代謝に与える作用について検討した。
[試験方法]
8週齢の雄性CD(SD)ラット(体重約300g)を用いて、下記表3の試験群にて試験を行った。ラットをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg)の腹腔内投与により麻酔した後、ラット背中側より腎臓を全摘出し(表3の1群については無処置)、中心静脈カテーテル(CVC)留置術を施行した。
手術施行の約24時間後に、CVCより1mLの採血を行い、表3の2群及び3群についてはその直後からCVCよりそれぞれ生理食塩液又は4.5w/v%のクエン酸ナトリウム液を各0.25mL/時間の投与速度で4時間持続投与し、投与終了後直ちにCVCより1mLを採血した。
採取した血液は冷却下遠心分離し、血漿中のクレアチニン(Cre)、尿素窒素(BUN)、鉄及びクエン酸を測定した。
[試験結果及び考察]
クエン酸濃度及び鉄濃度の結果をそれぞれ図6及び7に示した。
両腎摘出約24時間後のラットの血漿中Cre及びBUN濃度は顕著に上昇しており、腎不全が惹起されていることが確認できた。
血漿中のクエン酸は、1群では5.27±1.23mg/dLであったが、両腎摘出により2群で16.38±9.49mg/dL、3群では17.11±18.64mg/dLまで上昇した(図6)。3群での血漿クエン酸濃度の投与前後の差は21.08±13.18mg/dLとクエン酸投与による上昇が認められた。一方、2群では、その差は−0.92±2.20mg/dLとわずかながら低下した。
血漿中の鉄は、1群では112±14μg/dLであったが、2群で61±17μg/dLと腎不全状態により明らかに低下しており(図7)、本モデルにおいて鉄代謝異常が生じていることが推察された。3群のクエン酸投与群では、投与前後の血漿中鉄濃度の差は2群(△5±17μg/dL)に比べ高い値(14〜18μg/dL)を示し(図7)、クエン酸投与による鉄の囲い込み改善による、血漿中鉄濃度の上昇の可能性が示唆された。
クエン酸濃度及び鉄濃度の結果をそれぞれ図6及び7に示した。
両腎摘出約24時間後のラットの血漿中Cre及びBUN濃度は顕著に上昇しており、腎不全が惹起されていることが確認できた。
血漿中のクエン酸は、1群では5.27±1.23mg/dLであったが、両腎摘出により2群で16.38±9.49mg/dL、3群では17.11±18.64mg/dLまで上昇した(図6)。3群での血漿クエン酸濃度の投与前後の差は21.08±13.18mg/dLとクエン酸投与による上昇が認められた。一方、2群では、その差は−0.92±2.20mg/dLとわずかながら低下した。
血漿中の鉄は、1群では112±14μg/dLであったが、2群で61±17μg/dLと腎不全状態により明らかに低下しており(図7)、本モデルにおいて鉄代謝異常が生じていることが推察された。3群のクエン酸投与群では、投与前後の血漿中鉄濃度の差は2群(△5±17μg/dL)に比べ高い値(14〜18μg/dL)を示し(図7)、クエン酸投与による鉄の囲い込み改善による、血漿中鉄濃度の上昇の可能性が示唆された。
実施例3:両腎摘出ラットにおける透析時クエン酸投与による鉄代謝改善効果の検討
腎臓を全摘出2日目のラットを用いて、透析施行中にクエン酸を投与したときの鉄代謝に与える作用について検討した。
[試験方法]
雄性CD(SD)ラットを用いて、下記表4の試験群にて試験を行った。ラットをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg)の腹腔内投与により麻酔した後、ラット背中側より腎臓を全摘出した。
手術施行の2日後に、ラットをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg)の腹腔内投与により麻酔した後、左大腿動脈及び左大腿静脈にカテーテルを留置し、ブラッドアクセスを作製するとともに、クエン酸投与及び採血用に中心静脈カテーテル(CVC)留置術を施行した。CVCより1mLの採血を行った後、市販の透析液(AK−ソリタ・DL)を用いて麻酔下にて4時間の透析を実施し、表4の2群及び3群については、透析中にCVCよりそれぞれ生理食塩液又は4.5w/v%のクエン酸ナトリウム液を各1.0mL/時間の投与速度で持続投与し、透析終了後直ちにCVCより1mLを採血した。
採取した血液は冷却下遠心分離し、血漿中のクレアチニン(Cre)、尿素窒素(BUN)、鉄及びクエン酸を測定した。
腎臓を全摘出2日目のラットを用いて、透析施行中にクエン酸を投与したときの鉄代謝に与える作用について検討した。
[試験方法]
雄性CD(SD)ラットを用いて、下記表4の試験群にて試験を行った。ラットをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg)の腹腔内投与により麻酔した後、ラット背中側より腎臓を全摘出した。
手術施行の2日後に、ラットをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg)の腹腔内投与により麻酔した後、左大腿動脈及び左大腿静脈にカテーテルを留置し、ブラッドアクセスを作製するとともに、クエン酸投与及び採血用に中心静脈カテーテル(CVC)留置術を施行した。CVCより1mLの採血を行った後、市販の透析液(AK−ソリタ・DL)を用いて麻酔下にて4時間の透析を実施し、表4の2群及び3群については、透析中にCVCよりそれぞれ生理食塩液又は4.5w/v%のクエン酸ナトリウム液を各1.0mL/時間の投与速度で持続投与し、透析終了後直ちにCVCより1mLを採血した。
採取した血液は冷却下遠心分離し、血漿中のクレアチニン(Cre)、尿素窒素(BUN)、鉄及びクエン酸を測定した。
[試験結果及び考察]
クエン酸濃度及び鉄濃度の結果をそれぞれ図8及び9に示した。
両腎摘出後2日目の透析前におけるラットの血漿中Cre及びBUN濃度は顕著に上昇しており、腎不全が惹起されていることが確認できた。腎不全により上昇した血漿中Cre及びBUN濃度は、透析により速やかに低下した。
血漿中のクエン酸は、両腎摘出により1群で5.33mg/dLを示したが、2群で19.87mg/dLまで上昇し、一方3群では5.33mg/dLと一群と差はなかった(図8)。透析施行中にクエン酸を投与した3群では、血漿クエン酸濃度の投与前後の差は26.49mg/dLとクエン酸投与による上昇が認められた。一方、透析施行中に生理食塩液を投与した2群では、その差は−13.05mg/dLと低下した。
血漿中の鉄は、両腎摘出により1群で59μg/dL、2群で113μg/dL、また3群では83μg/dLとばらつきはあるものの腎不全状態により低下した(図9)。透析施行中にクエン酸を投与した3群では、投与前後の血漿中鉄濃度の差は2群(△19.5μg/dL)に比べ約4倍高い値(81μg/dL)を示し(図9)、クエン酸投与による鉄の囲い込み改善による血漿中鉄濃度の上昇の可能性が示唆された。
クエン酸濃度及び鉄濃度の結果をそれぞれ図8及び9に示した。
両腎摘出後2日目の透析前におけるラットの血漿中Cre及びBUN濃度は顕著に上昇しており、腎不全が惹起されていることが確認できた。腎不全により上昇した血漿中Cre及びBUN濃度は、透析により速やかに低下した。
血漿中のクエン酸は、両腎摘出により1群で5.33mg/dLを示したが、2群で19.87mg/dLまで上昇し、一方3群では5.33mg/dLと一群と差はなかった(図8)。透析施行中にクエン酸を投与した3群では、血漿クエン酸濃度の投与前後の差は26.49mg/dLとクエン酸投与による上昇が認められた。一方、透析施行中に生理食塩液を投与した2群では、その差は−13.05mg/dLと低下した。
血漿中の鉄は、両腎摘出により1群で59μg/dL、2群で113μg/dL、また3群では83μg/dLとばらつきはあるものの腎不全状態により低下した(図9)。透析施行中にクエン酸を投与した3群では、投与前後の血漿中鉄濃度の差は2群(△19.5μg/dL)に比べ約4倍高い値(81μg/dL)を示し(図9)、クエン酸投与による鉄の囲い込み改善による血漿中鉄濃度の上昇の可能性が示唆された。
製剤例:
(1)透析液
A剤(10L中の成分/分量)
塩化ナトリウム 2,148.0g
塩化カリウム 52.0g
塩化カルシウム 77.0g
塩化マグネシウム 36.0g
ブドウ糖 525.0g
クエン酸 34.3g
クエン酸ナトリウム 10.3g
B剤(12.6L中の成分/分量)
炭酸水素ナトリウム 1,030.0g
(1)透析液
A剤(10L中の成分/分量)
塩化ナトリウム 2,148.0g
塩化カリウム 52.0g
塩化カルシウム 77.0g
塩化マグネシウム 36.0g
ブドウ糖 525.0g
クエン酸 34.3g
クエン酸ナトリウム 10.3g
B剤(12.6L中の成分/分量)
炭酸水素ナトリウム 1,030.0g
(2)透析用補充液
A液(1,010mL中の成分/分量)
塩化ナトリウム 12.34g
塩化カリウム 0.30g
炭酸水素ナトリウム 5.94g
B液(1,010mL中の成分/分量)
塩化カルシウム 519.8mg
塩化マグネシウム 205.4mg
ブドウ糖 2.02g
クエン酸 198.0mg
クエン酸ナトリウム 59.4mg
A液(1,010mL中の成分/分量)
塩化ナトリウム 12.34g
塩化カリウム 0.30g
炭酸水素ナトリウム 5.94g
B液(1,010mL中の成分/分量)
塩化カルシウム 519.8mg
塩化マグネシウム 205.4mg
ブドウ糖 2.02g
クエン酸 198.0mg
クエン酸ナトリウム 59.4mg
以上記載のように、本発明は、血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者に対して酢酸及び/又は酢酸塩を含有せず、クエン酸及び/又はクエン酸塩を含有することからなる鉄代謝改善剤を使用して、高サイトカイン血症を防ぎ、あるいは鉄輸送蛋白の調節異常を是正し、細網内皮系での「鉄の囲い込み」を解放し、これに伴い血清鉄濃度が上昇して鉄の利用性が向上するものであり、その結果、EPO抵抗性腎性貧血を改善し、合併症発生リスクの回避に繋がり、患者のQOLの向上や予後の改善に寄与できる点で、その医療上の効果は多大なものである。
Claims (10)
- クエン酸及び/又はクエン酸塩を含有することを特徴とする鉄代謝改善剤。
- 電解質としてクエン酸及び/又はクエン酸塩を含有することを特徴とする請求項1に記載の鉄代謝改善剤。
- 電解質として酢酸及び/又は酢酸塩を含有せず、クエン酸及び/又はクエン酸塩を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄代謝改善剤。
- 電解質としてクエン酸及び/又はクエン酸塩を含有し、更に他の電解質、ブドウ糖を単独若しくは複数種組合せて含有することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の鉄代謝改善剤。
- 透析液の形態にある請求項1〜4のいずれかに記載の鉄代謝改善剤。
- 透析用補充液の形態にある請求項1〜4のいずれかに記載の鉄代謝改善剤。
- 血液透析、血液濾過及び血液濾過透析等の血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者に対して、請求項1〜4のいずれかに記載の鉄代謝改善剤を投与することを特徴とする生体内の鉄代謝を改善させる方法。
- 血液透析、血液濾過及び血液濾過透析等の血液浄化療法を受けている慢性腎不全患者に対して、請求項5又は6に記載の鉄代謝改善剤を含む透析液及び/又は透析用補充液を使用することを特徴とする生体内の鉄代謝を改善させる方法。
- 慢性腎不全患者に対して、請求項5に記載の鉄代謝改善剤を含む透析液を使用して血液浄化を行うことを特徴とする血液透析及び血液濾過透析を含む血液浄化方法。
- 慢性腎不全患者に対して、請求項6に記載の鉄代謝改善剤を含む透析用補充液を使用して血液浄化を行うことを特徴とする血液濾過透析及び血液濾過を含む血液浄化方法。
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