JP2014217120A - 無線電力伝送システム、送電装置、および受電装置 - Google Patents

無線電力伝送システム、送電装置、および受電装置 Download PDF

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晃久 松下
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Abstract

【課題】簡易な手法で負荷インピーダンスが増大したときの回路等の保護を可能にすること。【解決手段】実施形態の送電装置101は、負荷100が接続された受電装置102へ非接触の状態で電力を共振により無線で送電する。この送電装置101は、高周波電力を発生する高周波電源1と、前記負荷100のインピーダンスの増大に応じて高周波電源1の駆動周波数を高くする駆動周波数制御手段11とを具備する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、無線で電力を伝送する無線電力伝送システム、送電装置、および受電装置に関する。
送電コイルと受電コイルとを使用し無線により非接触で電力を伝送する無線電力伝送装置は、電極の露出がなく摩耗による性能劣化がないこと、水分の多い環境でも安全に伝送できることなどの多くの利便性を有する。そのため、近年ではICカード、携帯電話、電動歯ブラシ、シェーバーなどの多くの機器に採用されている。
こうした無線電力伝送装置では、電源としてスイッチングデバイスを用いたインバータなどが用いられている。しかし、一般的なインバータの負荷とは異なり、無線電力伝送装置では、受電側の装置が移動するなどにより、急激な負荷変動が発生する。一般的なインバータではゲートをオフ(ゲートブロック)することで回路等の保護が可能であるが、無線電力伝送装置に適した保護手法は確立されていない。
特開2001−112247号公報
図11に従来技術の例を示す。図11に示されるように、無線電力伝送システムは、送信装置101と受電装置102とから構成される。送信装置101は、高周波電源1、送電用直列共振回路2、および送電用コイル3を含む。受電装置102は、受電用コイル4、受電用直列共振回路5、および受電回路6を含む。送電装置101と受電装置102とは、共に、共振回路およびコイルにより直列共振回路を構成する。
このような構成では、負荷100のインピーダンスが増大すると、高周波電源1から見たインピーダンスが減少する。例えば、負荷100の接続が外れると、高周波電源1から見たインピーダンスは0Ωとなる。このような場合、出力短絡となり、デバイスが破壊する可能性がある。
発明が解決しようとする課題は、簡易な手法で負荷インピーダンスが増大したときの回路等の保護を可能にする無線電力伝送システム、送電装置、および受電装置を提供することにある。
実施形態の送電装置は、負荷が接続された受電装置へ非接触の状態で電力を共振により無線で送電する。この送電装置は、高周波電力を発生する高周波電源と、前記負荷のインピーダンスの増大に応じて前記高周波電源の駆動周波数を高くする駆動周波数制御手段とを具備する。
簡易な手法で負荷インピーダンスが増大したときの回路等の保護を行うことができる。
第1の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略構成を示す図。 高周波電源から見たインピーダンスの特性を説明するための図。 第2の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略構成および高周波電源の内部構成を示す図。 第3の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略構成および高周波電源の内部構成を示す図。 第4の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略構成および高周波電源の内部構成を示す図。 第5の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略構成および高周波電源の内部構成を示す図。 第6の実施形態に係る無線電力伝送システムにおける高周波電源の内部構成を示す図。 第7の実施形態に係る無線電力伝送システムにおける高周波電源の内部構成を示す図。 送電装置の動作の一例を示すフローチャート。 受電装置の動作の一例を示すフローチャート。 従来の無線電力伝送システムの概略構成を示す図。
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
最初に、第1の実施形態を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略構成を示す図である。
図1に示されるように、無線電力伝送システムは、送信装置101と受電装置102とから構成される。受電装置102には、負荷100が接続される。
送信装置101は、高周波電源1、送電用直列共振回路2、および送電用コイル3を含む。受電装置102は、受電用コイル4、受電用直列共振回路5、および受電回路6を含む。送電装置101と受電装置102とは、共に、共振回路およびコイルにより直列共振を実現する。このような構成により、無線電力伝送システムは、送電装置101から、負荷100が接続された受電装置102へ、非接触の状態で共振を用いて電力を無線で伝送する。
送電装置101に設けられる高周波電源1は、高周波電力を発生する電源回路である。送電用直列共振回路2および送電用コイル3は、高周波電源1から発生する電力を無線で受電装置102へ伝送する。
一方、受電装置102に設けられる受電用コイル4および受電用直列共振回路5は、送電装置101から無線で伝送される電力を受電する。受電回路6は、受電した電力を負荷100に供給する。
この第1の実施形態に係る無線電力伝送システムにおいては、図1に示されるように、送電装置101側の高周波電源1の中に、駆動周波数制御部11が備えられる。駆動周波数制御部11は、負荷100のインピーダンス(以下、「負荷インピーダンス」と称す。)の増大に応じて高周波電源1の駆動周波数を高くする。この駆動周波数制御部11は、例えば、負荷インピーダンスの増大に応じて変化する物理量(例えば高周波電源1の出力電流の電流値など)を検出し、その検出結果に基づいて高周波電源1の駆動周波数を上昇させる。この場合、例えばその物理量がある閾値を超えたときに高周波電源1の駆動周波数を所定値まで上げるようにしてもよいし、あるいはその物理量の変化量もしくは変化率に従って高周波電源1の駆動周波数を上昇させるようにしてもよい。
なお、図1の例では、駆動周波数制御部11が高周波電源1の中に設けられる場合を示しているが、駆動周波数制御部11は例えば高周波電源1の外側に設けられてもよい。
ここで、図2を参照して、従来の課題およびこれを解決する手法について述べる。
図2(a)(b)は、横軸に周波数をとり、縦軸に高周波電源1から見たインピーダンスZをとったグラフにおける周波数特性を示す図である。
共振を用いた無線電力伝送システムでは、高周波電源1から見たインピーダンスZの虚部が0となる共振点で運転される。図2(a)は、負荷インピーダンスが50Ωのときのインピーダンス特性を示している。このとき、高周波電源1から見たインピーダンスZも、負荷インピーダンスと同程度であることが分かる。一方、図2(b)は、負荷インピーダンスが50Ωよりも大きいときのインピーダンス特性を示している。このとき、高周波電源1から見たインピーダンスZは、負荷インピーダンスが大きいにも関わらず、共振点では0Ωになっていることが分かる。このため、高周波電源1の出力は短絡となり、過大な電流が流れ、回路などが破壊される可能性がある。
そこで、本実施形態では、このような課題を解決するため、前述の駆動周波数制御部11を設け、負荷インピーダンスが増大する場合に、高周波電源1の駆動周波数を図2(b)の右側に示されるように高くする。この結果、高周波電源1の駆動周波数が上昇するため、高周波電源1から見たインピーダンスZが増大し、高周波電源1の出力電流が減少する。これにより、高周波電源1等の回路の破壊が未然に防止される。さらに、その場合にゲートブロックはしていないため、例えば電流の変化から負荷インピーダンスの変化を検出することができ、負荷100の状態を把握することができる。
このように、第1の実施形態によれば、駆動周波数制御部11が負荷インピーダンスの増大に応じて高周波電源1の駆動周波数を上昇させるので、高周波電源1から見たインピーダンスZを増大させることができ、これにより高周波電源1の出力電流を減少させることができ、高周波電源1等の回路の破壊を未然に防ぐことが可能となる。
以下の各実施形態では、上述の手法をさらに具体化した例について説明する。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。
図3(a)は、第2の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略構成を示す図である。図3(b)は、図3(a)中に示される高周波電源の内部構成を示す図である。なお、図1と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
この第2の実施形態に係る無線電力伝送システムにおいては、図3(a)に示されるように、送電装置101側に電流検出部12が備えられる。電流検出部12は、高周波電源1の出力電流の電流値を検出するものである。また、駆動周波数制御部11は、電流検出部12により検出される電流値の上昇に応じて高周波電源1の駆動周波数を高くする機能を有する。この場合、例えば電流値がある閾値を超えたときに高周波電源1の駆動周波数を所定値まで上げるようにしてもよいし、あるいは電流値の変化量もしくは変化率に従って高周波電源1の駆動周波数を上昇させるようにしてもよい。
高周波電源1は、図3(b)に示されるように、整流回路部17、インバータ部18、ゲートドライバ21、制御部22等を有する。前述の駆動周波数制御部11は、例えば、制御部22に備えられる機能の一部として実現される。
整流回路部17は、ブリッジ接続した整流器により交流電力を直流電力に変換する。インバータ部18は、整流回路部17により生成された直流電力を複数のスイッチング素子のスイッチング動作により高周波電力に変換する。生成された高周波電力は直列共振回路へ送られる。ゲートドライバ21は、各スイッチング素子のゲートにパルスを送って各スイッチング素子を駆動する。制御部22は、電流検出部12により検出される検出結果から、出力電流の周波数や位相などの情報を取得し、高周波電源1の駆動周波数を所望の値にすべく、ゲートドライバ21を通じて例えばパルス幅変調(PWM)方式にて各スイッチング素子を駆動する。
制御部22に備えられる駆動周波数制御部11は、高周波電源1の出力電流の電流値が上昇した場合、高周波電源1の駆動周波数が高くなるようにゲートドライバ21を操作する。
このような構成において、負荷インピーダンスが増大すると、高周波電源1から見たインピーダンスZは減少し、高周波電源1の出力電流は増加する。この電流増加を電流検出部12が検出すると、駆動周波数制御部11は、高周波電源1の駆動周波数を高くする。
このように、第2の実施形態によれば、電流検出部12により検出される電流値の上昇から負荷インピーダンスの増大を検知することができるので、その際に駆動周波数制御部11を通じて高周波電源1の駆動周波数を高くすることにより、高周波電源1から見たインピーダンスZを増大させることができ、これにより高周波電源1の出力電流を減少させることができ、高周波電源1等の回路の破壊を未然に防ぐことが可能となる。
なお、後述する各実施形態では、説明や図示の簡単化のために、電流検出部12およびその検出結果に基づく制御に関わる記載を省略するが、勿論、電流検出部12の検出結果に基づく制御を行うように構成してもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を説明する。
図4(a)は、第2の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略構成を示す図である。図4(b)は、図4(a)中に示される高周波電源の内部構成を示す図である。なお、図1,図3と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
この第3の実施形態に係る無線電力伝送システムにおいては、図4(a)に示されるように、送電装置101に送電側通信部13が備えられ、受電装置102に受電側通信部14が備えられる。送電側通信部13と受電側通信部14とは、それぞれ同一規格の近距離無線通信機能を有し、相互に情報を無線で通信することができる。受電装置102は、負荷インピーダンスの増大を示す異常信号を検出する機能を有する。受電側通信部14は、受電装置102により異常信号が検出された場合に、所定の情報を無線で受電側通信部14へ送信する機能を有し、また、送電側通信部13は、受電装置102から送信される所定の情報を無線で受信する機能を有する。また、駆動周波数制御部11は、送電側通信部13により受信される所定の情報に応じて高周波電源11の駆動周波数を高くする機能を有する。
なお、受電側通信部14から送電側通信部13へ伝送される情報は、負荷インピーダンスの値を示す情報であってもよいし、負荷インピーダンスの変化量もしくは変化率を示す情報であってもよいし、あるいは送電装置101に対して高周波電源11の駆動周波数の上昇を指示する情報であってもよい。いずれの場合においても、駆動周波数制御部11は、送電側通信部13により受信される情報から、負荷インピーダンスの増大を検知することができ、高周波電源11の駆動周波数を高くすることができる。
駆動周波数制御部11は、例えば、図4(b)に示されるように、制御部22に備えられる機能の一部として実現される。制御部22に備えられる駆動周波数制御部11は、送電側通信部13により受信される情報から負荷インピーダンスの増大を検知した場合、高周波電源1の駆動周波数が高くなるようにゲートドライバ21を操作する。
このような構成において、負荷インピーダンスが増大し、そのことを受電回路6が検出すると、受電側通信部14は、負荷インピーダンスが増大することを示す情報を送信側通信部13へ伝送する。送信側通信部13が、負荷インピーダンスが増大することを示す情報を受信すると、駆動周波数制御部11は、送信側通信部13が受信した情報から負荷インピーダンスが増大したことを検知し、駆動周波数を高くする。
このように、第3の実施形態によれば、受電装置102の受電側通信部14から送信側通信部13へ無線で伝送される情報から、負荷インピーダンスの増大を検知することができるので、その際に駆動周波数制御部11を通じて高周波電源1の駆動周波数を高くすることにより、高周波電源1から見たインピーダンスZを増大させることができ、これにより高周波電源1の出力電流を減少させることができ、高周波電源1等の回路の破壊を未然に防ぐことが可能となる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態を説明する。
図5(a)は、第2の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略構成を示す図である。図5(b)は、図5(a)中に示される高周波電源の内部構成を示す図である。なお、図1,図3〜図4と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
この第4の実施形態に係る無線電力伝送システムにおいては、図5(a)に示されるように、送電装置101側の高周波電源1に温度検出器15が備えられる。温度検出器15は、高周波電源1の温度を検出するものである。検出された温度の情報は、配線等を通じて駆動周波数制御部11に伝えられる。また、駆動周波数制御部11は、温度検出器15により検出される温度の上昇に応じて高周波電源1の駆動周波数を高くする機能を有する。この場合、例えば温度がある閾値を超えたときに高周波電源1の駆動周波数を所定値まで上げるようにしてもよいし、あるいは温度の変化量もしくは変化率に従って高周波電源1の駆動周波数を上昇させるようにしてもよい。
駆動周波数制御部11は、例えば、図5(b)に示されるように、制御部22に備えられる機能の一部として実現される。制御部22に備えられる駆動周波数制御部11は、温度検出器15により検出される温度が上昇したことを検知した場合、高周波電源1の駆動周波数が高くなるようにゲートドライバ21を操作する。
このような構成において、負荷インピーダンスが増大し、高周波電源1が過電流を出力すると、内部の素子などが発熱する。この発熱を温度検出器15が検出すると、駆動周波数制御部11は、高周波電源1の駆動周波数を高くする。
このように、第4の実施形態によれば、温度検出器15により検出される温度の上昇から、負荷インピーダンスの増大を検知することができるので、その際に駆動周波数制御部11を通じて高周波電源1の駆動周波数を高くすることにより、高周波電源1から見たインピーダンスZを増大させることができ、これにより高周波電源1の出力電流を減少させることができ、高周波電源1等の回路の破壊を未然に防ぐことが可能となる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態を説明する。
図6(a)は、第2の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略構成を示す図である。図6(b)は、図6(a)中に示される高周波電源の内部構成を示す図である。なお、図1,図3〜図5と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
この第5の実施形態に係る無線電力伝送システムにおいては、図6(a)に示されるように、送電装置101と受電装置102との間の空間、具体的には送電用コイル3と受電用コイル4との間の空間に、磁界検出器16が配置される。磁界検出器16は、送電装置101と受電装置102との間に生じる磁界を検出するものである。この磁界検出器16は、例えば送電装置101から延出する支持部材で支持するようにしてもよいし、受電装置102から延出する支持部材で支持するようにしてもよいし、あるいは独立した支持部材で支持するようにしてもよい。検出された磁界の情報は、配線等を通じて駆動周波数制御部11に伝えられる。また、駆動周波数制御部11は、磁界検出器16により検出される磁界の変化に応じて高周波電源1の駆動周波数を高くする機能を有する。この場合、例えば磁界の変化量がある閾値を超えたときに高周波電源1の駆動周波数を所定値まで上げるようにしてもよいし、あるいは磁界の変化量もしくは変化率に従って高周波電源1の駆動周波数を上昇させるようにしてもよい。
駆動周波数制御部11は、例えば、図6(b)に示されるように、制御部22に備えられる機能の一部として実現される。制御部22に備えられる駆動周波数制御部11は、磁界検出器16により検出される磁界が一定以上変化したことを検知した場合、高周波電源1の駆動周波数が高くなるようにゲートドライバ21を操作する。
このような構成において、コイル付近に発生する磁界は、コイルに流れている電流に依存するため、負荷インピーダンスが増大して、高周波電源1が過電流を出力すると、磁界検出器16により検出される磁界が変化する。磁界検出器16を通じて磁界変化が検出されると、駆動周波数制御部11は、高周波電源1の駆動周波数を高くする。
このように、第5の実施形態によれば、磁界検出器16により検出される磁界の変化から、負荷インピーダンスの増大を検知することができるので、その際に駆動周波数制御部11を通じて高周波電源1の駆動周波数を高くすることにより、高周波電源1から見たインピーダンスZを増大させることができ、これにより高周波電源1の出力電流を減少させることができ、高周波電源1等の回路の破壊を未然に防ぐことが可能となる。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態を説明する。
図7は、第6の実施形態に係る無線電力伝送システムにおける高周波電源の内部構成を示す図である。なお、図1,図3〜図6と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
この第6の実施形態に係る無線電力伝送システムにおいては、図7に示されるように、高周波電源1に直流電圧検出器19が備えられる。直流電圧検出器19は、高周波電源1の中の直流電圧、具体的には整流回路17により整流が行われた後の直流電圧を検出するものである。検出された直流電圧の情報は、配線等を通じて駆動周波数制御部11に伝えられる。
駆動周波数制御部11は、例えば、制御部22に備えられる機能の一部として実現される。駆動周波数制御部11は、直流電圧検出器19により検出される直流電圧の変動に応じて高周波電源1の駆動周波数を高くする機能を有する。この場合、例えば直流電圧変動の数や量がある閾値を超えたときに高周波電源1の駆動周波数を所定値まで上げるようにしてもよいし、あるいは直流電圧変動の変化量もしくは変化率に従って高周波電源1の駆動周波数を上昇させるようにしてもよい。制御部22に備えられる駆動周波数制御部11は、直流電圧検出器19により検出される直流電圧が一定以上変動したことを検知した場合、高周波電源1の駆動周波数が高くなるようにゲートドライバ21を操作する。
このような構成において、インバータ18が大電流を出力すると、直流電圧は大きく変動する。この直流電圧変動を直流電圧検出器19が検出すると、駆動周波数制御部11は高周波電源1の駆動周波数を高くする。
このように、第6の実施形態によれば、直流電圧検出器19により検出される直流電圧の変動から、負荷インピーダンスの増大を検知することができるので、その際に駆動周波数制御部11を通じて高周波電源1の駆動周波数を高くすることにより、高周波電源1等の回路の破壊を未然に防ぐことが可能となる。
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態を説明する。
図8は、第7の実施形態に係る無線電力伝送システムにおける高周波電源の内部構成を示す図である。なお、図1,図3〜図7と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
この第7の実施形態に係る無線電力伝送システムにおいては、図7に示されるように、高周波電源1に直流電流検出器20が備えられる。直流電流検出器20は、高周波電源1の中の直流電流、具体的には整流回路17により整流が行われた後の直流電流を検出するものである。検出された直流電流の情報は、配線等を通じて駆動周波数制御部11に伝えられる。
駆動周波数制御部11は、例えば、制御部22に備えられる機能の一部として実現される。駆動周波数制御部11は、直流電流検出器20により検出される直流電流の変動に応じて高周波電源1の駆動周波数を高くする機能を有する。この場合、例えば直流電流変動の数や量がある閾値を超えたときに高周波電源1の駆動周波数を所定値まで上げるようにしてもよいし、あるいは直流電流変動の変化量もしくは変化率に従って高周波電源1の駆動周波数を上昇させるようにしてもよい。制御部22に備えられる駆動周波数制御部11は、直流電流検出器20により検出される直流電圧が一定以上変動したことを検知した場合、高周波電源1の駆動周波数が高くなるようにゲートドライバ21を操作する。
このような構成において、負荷インピーダンスが増大すると、高周波電源1の出力電流が増加する。これに伴い、直流電流も変動が増大する。すなわち、インバータ18が大電流を出力すると、直流電圧は大きく変動する。この直流電圧変動を直流電流検出器20が検出すると、駆動周波数制御部11は高周波電源1の駆動周波数を高くする。
このように、第7の実施形態によれば、直流電流検出器20により検出される直流電流の変動から、負荷インピーダンスの増大を検知することができるので、その際に駆動周波数制御部11を通じて高周波電源1の駆動周波数を高くすることにより、高周波電源1等の回路の破壊を未然に防ぐことが可能となる。
(送電装置101の動作例)
次に、図9を参照して、送電装置101の動作の一例を説明する。
各実施形態における送電装置101の動作は、負荷インピーダンスの増大に応じて駆動周波数制御部11が高周波電源1の駆動周波数を高くするという点で共通する。
ここでは、送電装置101の動作の一例として、第2の実施形態(図3)の構成に基づく動作の例を挙げる。
いま、送電装置101は、受電装置102とともに通常運転を行っている状態にある(ステップS11)。電流検出部12は、高周波電源1の出力電流の電流値を検出する(ステップS12)。検出される電流値は制御部22に伝えられる。
制御部22は、電流検出部12により検出される電流値が設定値以上であるか否かを判定する(ステップS13)。電流値が設定値以上でなければ(ステップS13のNO)、ステップS11からの処理を繰り返す。一方、電流値が設定値以上であれば(ステップS13のYES)、負荷インピーダンスが増大したものとみなし、駆動周波数制御部11がゲートドライバ21を操作して高周波電源1の駆動周波数を上昇させる(ステップS14)。
その後、制御部22は、再び、電流検出部12により検出される電流値が設定値以上であるか否かを判定する(ステップS15)。電流値が設定値以上であれば(ステップS13のYES)、地絡等の事故が生じているものとみなし、運転を停止する(ステップS16)。一方、電流値が設定値以上でなければ(ステップS16のNO)、受電装置102との通信による異常診断(異常原因や回復可否の診断)を実施する(ステップS17)。異常診断の結果が回復不能を示す場合(ステップS18のNO)、故障とみなし、運転を停止する(ステップS19)。一方、異常診断の結果が回復可能を示す場合(ステップS18のYES)、必要に応じて回復のための処理を行い、上昇させた駆動周波数を元の周波数に戻し(ステップS20)、ステップS11からの処理を繰り返す。
このように、送電装置101において負荷インピーダンスの増大を検知し、その際に高周波電源1の駆動周波数を高くすることにより、高周波電源1等の回路の破壊を未然に防ぎつつ、運転を継続させることができる。
(受電装置102の動作例)
次に、図10を参照して、受電装置102の動作の一例を説明する。
ここでは、受電装置102の動作の一例として、第3の実施形態(図4)の構成に基づく動作の例を挙げる。
いま、受電装置102は、送電装置101とともに通常運転を行っている状態にある(ステップS21)。受電装置102の制御部(図示せず)は、負荷インピーダンスの増大を示す異常信号の有無を監視し(ステップS23)、異常信号が検出されたか否かを判定する(ステップS23)。
受電装置102の制御部は、異常信号が検出されなければ(ステップS23のNO)、ステップS21からの処理を繰り返す。一方、異常信号が検出されれば(ステップS23のYES)、負荷インピーダンスが増大したものとみなし、高周波電源1の駆動周波数の上昇を指示する信号を、無線で受電側通信部14から送電装置101の送電側通信部13へ送信する(ステップS24)。
その後、受電装置102の制御部は、異常信号が停止したか否かを判定する(ステップS25)。異常信号が停止しなければ(ステップS25のNO)、故障とみなし、運転を停止する(ステップS26)。一方、異常信号が停止すれば(ステップS25のYES)、送電装置101との通信による異常診断(異常原因や回復可否の診断)を実施する(ステップS27)。異常診断の結果が回復不能を示す場合(ステップS28のNO)、運転を停止する(ステップS29)。一方、異常診断の結果が回復可能を示す場合(ステップS28のYES)、必要に応じて回復のための処理を行い、上昇させた駆動周波数を元の周波数に戻し(ステップS30)、ステップS21からの処理を繰り返す。
このように、受電装置102において負荷インピーダンスの増大を検知し、その際に高周波電源1の駆動周波数の上昇を指示する信号を送電装置101へ送ることにより、高周波電源1等の回路の破壊を未然に防ぎつつ、運転を継続させることができる。
以上詳述したように、各実施形態によれば、簡易な手法で負荷インピーダンスが増大したときの回路等の保護を行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…高周波電源、2…送電用直列共振回路、3…送電用コイル、4…受電用コイル、5…受電用直列共振回路、6…受電回路、11…駆動周波数制御部、12…電流検出部、13…送信側通信部、14…受信側通信部、15…温度検出器、16…磁界検出器、17…整流回路部、18…インバータ部、19…直流電圧検出器、20…直流電流検出器、21…ゲートドライバ、22…制御部、100…負荷、101…送電装置、102…受電装置。

Claims (10)

  1. 負荷が接続された受電装置へ非接触の状態で電力を共振により無線で送電する送電装置であって、
    高周波電力を発生する高周波電源と、
    前記負荷のインピーダンスの増大に応じて前記高周波電源の駆動周波数を高くする駆動周波数制御手段と
    を具備することを特徴とする送電装置。
  2. 前記高周波電源の出力電流の電流値を検出する電流検出手段をさらに具備し、
    前記駆動周波数制御手段は、前記電流検出手段により検出される電流値の上昇に応じて前記高周波電源の駆動周波数を高くすることを特徴とする請求項1に記載の送電装置。
  3. 前記負荷のインピーダンスが増大する場合に所定の情報を前記受電装置から無線で受信する通信手段をさらに具備し、
    前記駆動周波数制御手段は、前記通信手段により受信される所定の情報に応じて前記高周波電源の駆動周波数を高くすることを特徴とする請求項1に記載の送電装置。
  4. 前記高周波電源の温度を検出する温度検出手段をさらに具備し、
    前記駆動周波数制御手段は、前記温度検出手段により検出される温度の上昇に応じて前記高周波電源の駆動周波数を高くすることを特徴とする請求項1に記載の送電装置。
  5. 前記送電装置と前記受電装置との間に生じる磁界を検出する磁界検出手段をさらに具備し、
    前記駆動周波数制御手段は、前記磁界検出手段により検出される磁界の変化に応じて前記高周波電源の駆動周波数を高くすることを特徴とする請求項1に記載の送電装置。
  6. 前記高周波電源の中の直流電圧を検出する直流電圧検出手段をさらに具備し、
    前記駆動周波数制御手段は、前記直流電圧検出手段により検出される直流電圧の変動に応じて前記高周波電源の駆動周波数を高くすることを特徴とする請求項1に記載の送電装置。
  7. 前記高周波電源の中の直流電流を検出する直流電流検出手段をさらに具備し、
    前記駆動周波数制御手段は、前記直流電流検出手段により検出される直流電流の変動に応じて前記高周波電源の駆動周波数を高くすることを特徴とする請求項1に記載の送電装置。
  8. 高周波電力を発生する高周波電源を備えた送電装置から非接触の状態で共振により無線で送電される電力を受電する、負荷が接続された受電装置であって、
    前記負荷のインピーダンスが増大する場合に所定の情報を前記送電装置へ無線で送信する通信手段を具備することを特徴とする受電装置。
  9. 高周波電力を発生する高周波電源を備えた送電装置から、負荷が接続された受電装置へ、非接触の状態で電力を共振により無線で伝送する無線電力伝送システムであって、
    前記負荷のインピーダンスの増大に応じて前記高周波電源の駆動周波数を高くする駆動周波数制御手段を備えたことを特徴とする無線電力伝送システム。
  10. 前記受電装置は、前記負荷のインピーダンスが増大する場合に所定の情報を前記送電装置へ無線で送信する第1の通信手段を備え、
    前記送電装置は、前記第1の通信手段により送信される所定の情報を無線で受信する第2の通信手段を備え、
    前記駆動周波数制御手段は、前記第2の通信手段により受信される所定の情報に応じて前記高周波電源の駆動周波数を高くすることを特徴とする請求項9に記載の無線電力伝送システム。
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