JP2014216191A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び製造装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、連続マスクを用いて、可撓性基板の搬送を停止させることなく成膜を行うことで、生産性の高い有機EL素子の製造方法を提供することである。
【解決手段】本発明の有機EL素子の製造方法は、連続的に搬送される可撓性フィルム基板21上に、真空又は減圧状態で少なくとも陽極23、有機機能層25及び陰極26を積層して形成する製造方法であって、複数の成膜工程を有し、複数の成膜工程のうち少なくとも一つの成膜工程において、所定のパターン形状の開口部61を有するループ状の連続マスク60を回転移動させることで、搬送中の可撓性フィルム基板21に連続マスク60の一部を重ね、開口部61を介して可撓性フィルム基板21上に成膜を行うとともに、連続マスク60のうち可撓性フィルム基板21に重ならない領域をクリーニングすることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び製造装置に関する。特に、連続マスクを用いて、可撓性基板の搬送を停止させることなく成膜を行うことで、生産性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び製造装置を提供することができるものである。
有機物質を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子)は、最適な有機材料を選択することで特定の発光波長を有する面発光体とすることができる。また、有機EL素子は、薄型かつ固体形状で発光可能であるため、薄型大面積フルカラーディスプレイ、電子写真用光源デバイス、液晶ディスプレイ用バックライト、生体認識用光源(例えば、静脈センサー等)、面発光照明等の分野において商品化が急がれている。
このような有機EL素子の用途を更に拡大するため、低コスト化及び信頼性向上に向けて材料開発、構造最適化、生産プロセス効率化などの品質向上開発が活発に進められている。
有機EL素子は、一般に、ベース基板上に少なくとも第一電極、有機化合物からなる有機機能層(少なくとも発光層を含む)及び第二電極を備えて構成される薄膜固体発光素子である。第一電極及び第二電極の一方が陽極を構成し、他方が陰極を構成する。また、有機機能層を構成する発光層は、少なくとも有機発光物質を含有し、多数の有機化合物から構成される。
このような構成の有機EL素子において、第一電極及び第二電極間に電圧を印加すると、一方の電極(陽極)から発光層に正孔が注入され、かつ、他方の電極(陰極)から発光層に電子が注入される。そして、発光層に注入された正孔及び電子が発光層において再結合することにより励起子が生成し、励起状態から基底状態に戻る際に生じるエネルギーが光として発光層から放出される。
ここで、近年、有機EL素子の分野では、有機EL素子の薄型化、軽量化、大型化、生産性向上、耐衝撃性付与等の要求から、ロール供給される可撓性フィルム基板上に、第一電極、有機機能層及び第二電極を積層して有機EL素子の一貫生産を行う大規模生産技術の確立が求められている。
しかしながら、従来の有機EL素子の製造プロセスでは、各層を異なるパターン形状で形成する必要があるため、一層形成毎に枚葉マスクを可撓性フィルム基板に対して位置合わせしてから積層する必要があり、可撓性フィルム基板の搬送を一度停止させなければならなかった。つまり、ロール状の可撓性フィルム基板を用いていても、搬送と停止を繰り返しながら各層の形成を行うため、従来の、枚葉基板に対して行うバッチ成膜と同程度の製造時間を要する場合があった。
また、枚葉マスクを用いる場合、可撓性フィルム基板に対して位置合わせをしながら枚葉マスクを近接させて接触させるため、枚葉マスクの位置を補正する際に枚葉マスクが可撓性フィルム基板に擦れてその表面に擦れ傷等の損傷が生じる場合があった。
更に、枚葉マスクを繰り返し使用することで、枚葉マスクに付着した膜が可撓性フィルム基板側に転移する膜付きと呼ばれる問題が発生するため、枚葉マスクを定期的にクリーニングする必要があり、このため、多くの予備マスクを準備して運用しなければならなかった。
このような枚葉マスクを用いる有機EL素子製造プロセスに対し、ループ状に形成された連続マスクを回転移動させながら、搬送される可撓性フィルム基板に当該連続マスクを重ねて成膜を行うことで、可撓性フィルム基板の搬送を停止させることなく有機EL素子を製造する製造プロセスが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、この製造プロセスによれば、ウェブガイドにより連続マスクの位置合わせが行われているため、位置合わせの際に可撓性フィルム基板に擦れ傷等が発生することがない。
しかしながら、上記した従来の有機EL素子製造プロセスによれば、連続マスクを継続使用することで当該連続マスク上に成膜材料が蓄積されるため、枚葉マスクを用いる場合と同様、使用済の連続マスクを交換又は洗浄する必要が生じる。これにより、結果的に可撓性フィルム基板の搬送を停止させる必要が生じ、生産性の低下が生じていた。
特表2010−515828号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、連続マスクを用いて、可撓性基板の搬送を停止させることなく成膜を行うことで、生産性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置を提供することである。
本発明に係る上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、ループ状の連続マスクを用いて搬送中の可撓性基板上に成膜を行うとともに、連続マスクのうち可撓性基板に重ならない領域に対してクリーニングを行うことで、可撓性基板の搬送を停止することなく連続的に素子を製造できるため、素子の生産性を向上させることができることを見出した。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.連続的に搬送される帯状の可撓性基板上に、真空又は減圧状態で少なくとも第一電極、有機機能層及び第二電極を順次積層して形成する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
複数の成膜工程を有し、
前記複数の成膜工程のうち少なくとも一つの成膜工程において、所定のパターン形状の開口部を有するループ状の連続マスクを回転移動させることで、搬送中の前記可撓性基板に前記連続マスクの一部を重ね、前記開口部を介して搬送中の前記可撓性基板上に成膜を行うとともに、前記連続マスクのうち前記可撓性基板に重ならない領域に対してクリーニングを行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
2.前記連続マスクの前記開口部が、前記複数の成膜工程毎に変更可能であることを特徴とする第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
3.前記可撓性基板の幅方向端部には、移動方向において等間隔で開口された複数の第一ガイド孔が設けられ、
前記連続マスクの幅方向端部には、移動方向において前記複数の第一ガイド孔の間隔と同じ間隔で開口された複数の第二ガイド孔が設けられ、
前記連続マスクを回転移動させる搬送ローラーには、径方向に突起部が設けられ、
前記可撓性基板と前記連続マスクとが重なる領域において、前記突起部を前記第一ガイド孔及び前記第二ガイド孔に挿通して、前記可撓性基板に前記連続マスクを位置合わせしながら重ねることを特徴とする第1項又は第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
4.前記複数の成膜工程の後、前記搬送中の可撓性基板の成膜面に対し、連続的に搬送される帯状の背面フィルムを、樹脂接着層を介して貼り合わせるラミネート工程を更に有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
5.前記可撓性基板の幅方向端部には、移動方向において等間隔で開口された複数の第一ガイド孔が設けられ、
前記背面フィルムの幅方向端部には、移動方向において前記複数の第一ガイド孔の間隔と同じ間隔で開口された複数の第三ガイド孔が設けられ、
前記背面フィルムを搬送する搬送ローラーには、径方向に突起部が設けられ、
前記ラミネート工程において、前記突起部を前記第一ガイド孔及び前記第三ガイド孔に挿通して、前記可撓性基板に前記背面フィルムを位置合わせしながら貼り合わせることを特徴とする第4項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
6.前記複数の成膜工程及び前記ラミネート工程を真空又は減圧状態で一貫して行うことを特徴とする第4項又は第5項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
7.連続的に搬送される帯状の可撓性基板上に、真空又は減圧状態で少なくとも第一電極、有機機能層及び第二電極を順次積層して形成する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置であって、
前記可撓性基板に対して成膜を行う複数の成膜室と、
前記複数の成膜室の少なくとも一つに設けられ、所定のパターン形状の開口部を有するループ状の連続マスクと、
前記連続マスクを回転移動させることで、搬送中の前記可撓性基板に前記連続マスクの一部を重ねる回転移動部と、
前記回転移動部により回転移動させられる前記連続マスクのうち、前記可撓性基板に重ならない領域に対してクリーニングを行うクリーニング部と、を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
8.前記連続マスクの前記開口部が、前記成膜室毎に異なる形状であることを特徴とする第7項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
9.前記可撓性基板の幅方向端部には、移動方向において等間隔で開口された複数の第一ガイド孔が設けられ、
前記連続マスクの幅方向端部には、移動方向において前記複数の第一ガイド孔の間隔と同じ間隔で開口された複数の第二ガイド孔が設けられ、
前記回転移動部が、径方向に突起部を有する複数の搬送ローラーを備えて構成され、前記突起部を前記第一ガイド孔及び前記第二ガイド孔に挿通して、前記可撓性基板に前記連続マスクを位置合わせしながら重ねることを特徴とする第7項又は第8項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
10.前記複数の成膜室の後段に設けられ、前記搬送中の可撓性基板の成膜面に対し、連続的に搬送される帯状の背面フィルムを、樹脂接着層を介して貼り合わせるラミネート室を更に備えることを特徴とする第7項から第9項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
11.前記可撓性基板の幅方向端部には、移動方向において等間隔で開口された複数の第一ガイド孔が設けられ、
前記背面フィルムの幅方向端部には、移動方向において前記複数の第一ガイド孔の間隔と同じ間隔で開口された複数の第三ガイド孔が設けられ、
前記回転移動部が、径方向に突起部を有する複数の搬送ローラーを備えて構成され、前記突起部を前記第一ガイド孔及び前記第三ガイド孔に挿通して、前記可撓性基板に前記背面フィルムを位置合わせしながら重ねることを特徴とする第10項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
12.前記複数の成膜室及び前記ラミネート室は真空又は減圧状態に保持され、
前記可撓性基板は真空又は減圧状態に保持されたまま前記複数の成膜室から前記ラミネート室へ搬送されることを特徴とする第10項又は第11項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
13.前記連続マスクが、金属からなることを特徴とする第9項から第12項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
14.前記連続マスクが、繊維を含有した樹脂からなることを特徴とする第9項から第12項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
本発明によれば、連続マスクを用いて、可撓性基板の搬送を停止させることなく成膜を行うことで、生産性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、以下のとおりである。
すなわち、本発明によれば、ロールから巻き出されて供給される可撓性基板上に各層を形成して有機EL素子を製造する手段として、ループ状の連続マスクを回転移動させながら搬送中の可撓性基板に重ね合わせて成膜を行うことで、各層を連続してパターン状に成膜することができ、素子の生産性を向上させることができる。
また、ループ状の連続マスクを用いた成膜と、当該連続マスクのクリーニングを並行して行えるため、連続マスクの洗浄や交換のために可撓性基板の搬送を停止させる必要がなく、素子の生産性を更に向上させることができる。また、連続マスクを製造プロセス内で洗浄することができるので、連続マスクの交換頻度を大幅に低減させることができる。
有機EL素子の概略構成を示す断面図及び正面図 有機EL素子の製造装置を示す概略構成図 有機EL素子の製造装置を構成する成膜室の一例を示す概略構成図 可撓性フィルム基板の一部を示す概略図 搬送ローラー及び受けローラーを示す概略側面図 連続マスクの一部を示す概略図 有機EL素子の製造装置を構成する成膜室の変形例を示す概略構成図 有機EL素子の製造装置を構成する成膜室の一例を示す概略構成図 有機EL素子の製造装置を構成するラミネート室を示す概略構成図 背面フィルムの一部を示す概略図
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、連続的に搬送される帯状の可撓性基板上に、真空又は減圧状態で少なくとも第一電極、有機機能層及び第二電極を順次積層して形成する製造方法であって、複数の成膜工程を有し、前記複数の成膜工程のうち少なくとも一つの成膜工程において、所定のパターン形状の開口部を有するループ状の連続マスクを回転移動させることで、搬送中の前記可撓性基板に前記連続マスクの一部を重ね、前記開口部を介して搬送中の前記可撓性基板上に成膜を行うとともに、前記連続マスクのうち前記可撓性基板に重ならない領域に対してクリーニングを行うことを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項14までに共通する技術的特徴である。
また、本発明は、連続マスクの開口部が、複数の成膜工程毎に変更可能であることが好ましい。これにより、可撓性基板の搬送を停止することなく、有機EL素子を構成する各層を、それぞれのパターン形状で連続して形成することができ、生産性を向上させることができる。
また、本発明は、可撓性基板の幅方向端部には、移動方向において等間隔で開口された複数の第一ガイド孔が設けられ、連続マスクの幅方向端部には、移動方向において複数の第一ガイド孔の間隔と同じ間隔で開口された複数の第二ガイド孔が設けられ、連続マスクを回転移動させる搬送ローラーには、径方向に突起部が設けられ、可撓性基板と連続マスクとが重なる領域において、突起部を第一ガイド孔及び第二ガイド孔に挿通して、可撓性基板に連続マスクを位置合わせしながら重ねることが好ましい。これにより、可撓性基板の搬送を停止せずに、可撓性基板表面に擦れ傷等の損傷を発生させることなく可撓性基板と連続マスクとを位置合わせして重ねることができる。
また、本発明は、複数の成膜工程の後、搬送中の可撓性基板の成膜面に対し、連続的に搬送される帯状の背面フィルムを、樹脂接着層を介して貼り合わせるラミネート工程を更に有することが好ましい。これにより、可撓性基板の搬送を停止することなく、可撓性基板上の成膜面に背面フィルムを貼り合わせることができるため、有機EL素子の生産性を低下させることなく、可撓性基板上に積層された最上層に擦れ傷等の損傷が発生することを防止することができる。
また、本発明は、可撓性基板の幅方向端部には、移動方向において等間隔で開口された複数の第一ガイド孔が設けられ、背面フィルムの幅方向端部には、移動方向において複数の第一ガイド孔の間隔と同じ間隔で開口された複数の第三ガイド孔が設けられ、背面フィルムを搬送する搬送ローラーには、径方向に突起部が設けられ、ラミネート工程において、突起部を第一ガイド孔及び第三ガイド孔に挿通して、可撓性基板に背面フィルムを位置合わせしながら貼り合わせることが好ましい。これにより、可撓性基板の搬送を停止せずに、背面フィルムを可撓性基板に対して精度良く貼り合わせることができる。したがって、背面フィルムが取出し配線に重なってしまうこと等を防止でき、歩留まりを向上させることができる。
また、本発明は、複数の成膜工程及びラミネート工程を真空又は減圧状態で一貫して行うことが好ましい。これにより、樹脂接着層の吸湿を抑制することで有機EL素子の内部残存水分を低減することができ、高品質な有機EL素子を製造することができる。
また、本発明は、連続マスクが、金属からなることが好ましい。これにより、クリーニングに対する連続マスクの耐久性が向上し、連続マスクの交換頻度を更に低減させることができる。
また、本発明は、連続マスクが、繊維を含有した樹脂からなることが好ましい。これにより、連続マスクを低コストで作製することができる。
《有機EL素子の構成》
まず、本実施形態の有機EL素子の構成を説明する。
以下に、本発明の一実施形態に係る有機EL素子の一例を、図1を参照しながら具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る有機EL素子1の概略構成の断面図、図1(b)は、有機EL素子1の正面図である。
有機EL素子1は、フレキシブル性を有する素子であり、可撓性フィルム基板(可撓性基板)21上に、無機絶縁層22、陽極(第一電極)23、取出し配線24、少なくとも発光層を含む有機機能層25、陰極(第二電極)26及び封止層27が積層されてなる有機EL素子本体2上に、樹脂接着層3と背面フィルム4が積層された構造となっている。なお、有機EL素子1は、これらの層構造に限定されるものではなく、一般的な層構造であっても良い。また、有機機能層25は、少なくとも発光層を有していれば良く、発光層以外に、後述するようなキャリア(正孔及び電子)の注入層、阻止層及び輸送層等の各種機能層が適宜積層されていても良い。
有機EL素子本体2は、可撓性フィルム基板21の一方の面に形成された無機絶縁層22上に、陽極23、取出し配線24、有機機能層25、陰極26及び封止層27がこの順に積層されて構成されているものであるが、各層は必ずしもこの順番に形成される必要はなく、適宜変更が可能である。
封止層27は、陽極23、有機機能層25及び陰極26が大気中の水蒸気や酸素に反応して変質することを防止するために設けられているものである。したがって、封止層27は、陽極23、有機機能層25及び陰極26を覆うようにして設けられており、取出し配線24の一部が露出している。
背面フィルム4が、樹脂接着層3を介して有機EL素子本体2に貼り合わされていることで、有機EL素子1が構成されている。すなわち、図示例の有機EL素子1は、気体や液体を封入した中空構造ではなく、完全固体構造である。
また、樹脂接着層3及び背面フィルム4は、有機EL素子本体2の外部衝撃からの保護を目的として設けられているが、素子発光時の放熱性の観点から封止層27よりも小さく形成されていることが好ましい(図1(a)及び図1(b)参照)。
なお、有機EL素子1は、発光層を含む有機機能層25から射出された光を、陽極23側又は陰極26側の片面のみから取り出す構成であっても良いし、陽極23側及び陰極26側の両面から取り出す構成であっても良い。
また、図1では、有機機能層25が各波長領域の発光光を発生させる各色発光層を有し、これらの各色発光層を、非発光性の中間層を介して積層させた構造とすることで、発光光を調色させる例を示しているが、有機機能層25が一の発光層を有し、単色で発光させるものとしても良い。
《有機EL素子の製造方法及び製造装置》
上記したように構成される有機EL素子1を製造する製造方法及び製造装置100について、図2〜図10を参照して以下説明する。
なお、本発明に係る有機EL素子の製造方法は、複数の成膜工程のうち少なくとも一つの成膜工程において、所定のパターン形状の開口部を有するループ状の連続マスクを回転移動させることで、搬送中の可撓性基板に連続マスクの一部を重ね、開口部を介して搬送中の可撓性基板上に成膜を行うとともに、連続マスクのうち可撓性基板に重ならない領域に対してクリーニングを行うことを特徴としていれば良く、以下に説明する製造装置100を用いて行われるものでなくとも良い。
図2は、本発明の製造装置100の概略図である。図2に示す製造装置100は、ロール状の可撓性フィルム基板21を用いて、連続的に有機EL素子1を製造する装置である。なお、可撓性フィルム基板21の成膜面には、あらかじめ無機絶縁層22が形成されているものとする。
減圧雰囲気下に置かれた巻出部101から巻き出された可撓性フィルム基板21は、各ガイドロール102,103を通って前室R1に入り、更にスリットロール104を介して真空雰囲気下の表面処理兼アキューム室R10に搬入され、表面のドライクリーニング及び脱水処理が行われる。表面処理兼アキューム室R10内の圧力は、1×10−5〜10Paに設定されている。
次いで、可撓性フィルム基板21は、表面処理兼アキューム室R10から成膜室R20へ連続的に搬送される。表面処理兼アキューム室R10と成膜室R20との間はゲートバルブ又は圧力調整室が備えられ、表面処理兼アキューム室R10と成膜室R20との差圧を調整する。
本発明の製造方法では、まず、成膜室R20及び後述する第五成膜室R30により、搬送中の可撓性フィルム基板21の成膜面に対し、いずれかの機能層を形成する成膜工程を行う。
成膜室R20は、複数の成膜室R21〜R24からなり、各成膜室R21〜R24間には処理スピードを吸収するアキュームレータ機構が設けられる。成膜室R21〜R24は、それぞれ独立に排気されて、真空又は減圧状態に保たれており、その成膜圧力は、成膜方法により異なるが、1×10−6〜10Pa程度に設定されている。
第一成膜室R21は、金属や金属酸化物等の導電性材料を成膜材料として、例えば、真空蒸着法、スパッタ法又はイオンプレーティング法等の成膜方法により、可撓性フィルム基板21上に陽極23の成膜を行う。
ここで、第一成膜室R21について、図3を参照して以下説明する。図3は、第一成膜室R21内の概略構成図である。
第一成膜室R21は、可撓性フィルム基板21を所定の搬送経路で搬送する複数の搬送ローラー51,52及び受けローラー53,54、搬送される可撓性フィルム基板21の成膜面に対向する原料供給部55、並びに、可撓性フィルム基板21の成膜面と反対側の面に当接して可撓性フィルム基板21を冷却する背面冷却ローラー56等を内部に備えて構成されている。また、第一成膜室R21内には、所定のパターン形状の開口部を有するループ状の連続マスク60、連続マスク60をそのループ方向に回転移動させる回転移動部70、及び、連続マスク60をクリーニングするクリーニング部80等が設けられている。
ここで、本発明において、可撓性フィルム基板21は、図4に示すように、その幅方向両端部に、搬送方向(移動方向)において等間隔で開口された複数の第一ガイド孔211を有している。
搬送ローラー51,52は、その周面上に、径方向に突設された複数の突起部を有している。可撓性フィルム基板21の搬送時に、当該突起部が可撓性フィルム基板21の第一ガイド孔211内に挿通されることで、可撓性フィルム基板21が円滑に搬送される。搬送ローラー51,52は、後述する回転移動部70の搬送ローラー71〜78と同様に構成されているものである。
受けローラー53は、回転駆動することにより、搬送ローラー51,52とともに可撓性フィルム基板21を搬送する。また、受けローラー53は、図5に示すように、表面に複数の凹部531が凹設されている。受けローラー54についても、受けローラー53と同様に構成されている。これら受けローラー53,54の詳細については後述する。
原料供給部55は、真空蒸着法、スパッタ法又はイオンプレーティング法等の各方法に対応した成膜機構を有し、搬送される可撓性フィルム基板21の成膜面に対向して設けられている。これにより、第一成膜室R21内を搬送される可撓性フィルム基板21の成膜面のうち所定領域に対して、陽極23の成膜を行うことができる。
背面冷却ローラー56は、回転可能に支持され、所定の冷却機構を備えるローラー部材である。背面冷却ローラー56は、可撓性フィルム基板21を挟んで原料供給部55の反対側に設けられ、可撓性フィルム基板21の成膜面の反対側の面に当接することで、可撓性フィルム基板21のうち原料供給部55により成膜が行われる領域を冷却する。
連続マスク60は、第一成膜室R21内でループ状に連続したパターン成膜用マスクである。連続マスク60は、回転移動部70を構成する複数の搬送ローラー71〜78に張架されている。
連続マスク60について、図6を参照して以下説明する。図6(a)は、シームレスに形成された連続マスク60の概略図、図6(b)は、複数の枚葉マスク64が繋ぎ合わされて形成された連続マスク60の概略図である。
連続マスク60は、所定のパターン形状の開口部61を複数有するものであり、この開口部61を介して可撓性フィルム基板21上に成膜が行われることで、所定のパターン形状の陽極23を形成することができる。また、連続マスク60は、搬送中の可撓性フィルム基板21に対して密着されるため、可撓性フィルム基板21と同じように可撓性を有するものであることが好ましい。連続マスク60の材料としては、SUS300系、インバー、42アロイ合金、ハステロイ(登録商標)、インコネル(登録商標)等のFe−Ni合金、アルミニウム、マグネシウム、チタン等の金属箔又は合金箔、シリコン、アルミナや窒化ホウ素等の薄板セラミックスや薄板ガラス、ポリエステルやポリウレタンなどの熱可塑性樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、ベークライト樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等の耐熱性の高い熱硬化性樹脂が挙げられる。特に、連続マスク60の材料として金属が用いられる場合には、開口パターニングの加工性が容易であり、耐熱性が高く線膨脹係数の低い連続マスク60とすることができるだけでなく、後述するドライクリーニング工程に対する耐久性を向上させることができる。また、連続マスク60の材料として熱硬化性樹脂が用いられる場合には、耐熱性向上と線膨脹係数低減の観点から、当該樹脂にガラス繊維や炭素繊維等を含有させることが好ましく、これによりマスク寸法精度を向上させることができる。連続マスク60の厚さは、0.1〜3mmの範囲が可撓性及び耐久性の観点から好ましい。また、後述する連続マスク60のドライクリーニング工程に対する耐久性と付着物の易剥離性を付与する目的で、連続マスク60の表面には、Niメッキ処理、アルマイト処理、又はフッ素コーティング処理等が施されていても良い。
また、連続マスク60は、ループ状になっていれば、全く継ぎ目のないシームレスのベルト状に形成されていても良いし(図6(a)参照)、複数の枚葉マスクが接続されて形成されていても良い(図6(b)参照)。連続マスク60が、複数の枚葉マスクからなる場合、連続マスク60は、例えば、あらかじめ所定パターン形状の開口部が形成されたシート状の枚葉マスク64を、接続治具62で複数接続することにより構成される。接続治具62としては、リベット止め、金属チェーン接合、フレキシブルテープ、フレキシブルベルト等を用いることができる。このように構成されることで、連続マスク60を低コストで作製でき、また、連続マスク60の一部が損傷した場合であっても当該損傷箇所の枚葉マスクのみを交換することによって容易に修理・再使用することができる。
また、連続マスク60は、図6に示すように、その幅方向両端部に、ループ方向(移動方向)に等間隔で開口された複数の第二ガイド孔63を有する。複数の第二ガイド孔63の大きさ及び間隔は、上記した可撓性フィルム基板21の第一ガイド孔211の大きさ及び間隔と同一に形成されている。
回転移動部70は、複数の搬送ローラー71〜78から構成されている。これら複数の搬送ローラー71〜78には、連続マスク60が張架されており、複数の搬送ローラー71〜78が回転駆動することにより、連続マスク60がそのループ方向に回転移動する。回転移動部70は、連続マスク60を回転移動させることで、連続マスク60の一部を搬送中の可撓性フィルム基板21に重ね合わせることが可能である。また、回転移動部70は、連続マスク60を更に回転移動させることで、可撓性フィルム基板21に重ね合わされた連続マスク60を当該可撓性フィルム基板21から離間させることが可能である。
なお、回転移動部70による連続マスク60の回転移動速度は、可撓性フィルム基板21の搬送速度と同一になるように制御される。
搬送ローラー71について、図5を参照して説明する。図5(a)は、搬送ローラー71及び受けローラー53を軸方向から見た図であり、図5(b)は、搬送ローラー71及び受けローラー53の側面図である。
搬送ローラー71は、図5に示すように、回転駆動可能な回転軸711、当該回転軸711の軸方向中央部に設けられたローラー712、回転軸711の両端部に設けられたローラー713,714等を備えて構成されている。ローラー712は、回転軸711に対して固定されており、回転軸711の回転駆動とともに回転する。ローラー713,714は、回転軸711の回転方向に対して固定されているとともに、回転軸711の軸方向に対して互いに離れる方向(図5(b)中、矢印方向)に移動可能に設けられている。また、ローラー713,714は、それぞれ、周面上に径方向に突設された複数の突起部715を有している。ローラー713,714の突起部715が連続マスク60の第二ガイド孔63に挿通することで、搬送ローラー71は、連続マスク60を円滑に回転移動させることができる。また、突起部715が第二ガイド孔63に挿通した状態で、ローラー713とローラー714を互いに離れる方向に移動させることで、連続マスク60に対して幅方向に張力を付与することができる。これにより、連続マスク60をより精度良く可撓性フィルム基板21に対して重ね合わせることができる。突起部715は、第二ガイド孔63内に挿通されやすいように、テーパー状に形成されていることが好ましい。なお、搬送ローラー72〜78についても、搬送ローラー71と同様に構成されている。
複数の搬送ローラー71〜78のうち搬送ローラー71,74は、それぞれ上記した受けローラー53,54に当接するように設置されている。また、搬送ローラー71の突起部715は、受けローラー53の凹部531内に収まるように構成されているため、搬送ローラー71,74が受けローラー53,54に対してほぼ隙間のない状態で当接する。これにより、搬送ローラー71,74等によって回転移動される連続マスク60が、受けローラー53,54等によって搬送される可撓性フィルム基板21に重なり、密着する。
また、搬送ローラー71,74の突起部715は、連続マスク60の第二ガイド孔63に挿通するとともに、可撓性フィルム基板21の第一ガイド孔211にも挿通する。あらかじめ第一ガイド孔211及び第二ガイド孔63は互いに対応する位置に形成されているため、第一ガイド孔211及び第二ガイド孔63に突起部715が挿通されることで、連続マスク60と可撓性フィルム基板21とを位置合わせしながら重ね合わせることができる。これにより、可撓性フィルム基板21を搬送したまま、複雑な位置合わせ機構を用いることなく、高精度な位置合わせ及びパターン成膜を行うことができる。
なお、上記した搬送ローラー71,74のローラー713と714を互いに離れる方向に移動させる機構により、連続マスク60だけでなく、可撓性フィルム基板21に対しても幅方向に張力を付与することができる。
クリーニング部80は、回転移動部70により可撓性フィルム基板21から離間された連続マスク60に対してドライクリーニング(液体の洗浄溶剤を使わない洗浄方法)を行い、成膜時に連続マスク60に付着した被膜を除去する。クリーニング部80は、第一成膜室R21内に設けられており、連続マスク60を用いた成膜処理と並行して、連続マスク60のうち可撓性フィルム基板21に重ね合わされていない領域に対してクリーニングを行うことができる。したがって、連続マスク60を大気中に解放することなく、クリーニング終了後も連続して成膜処理を行うことができる。また、クリーニング部80は、第一成膜室R21内で、成膜処理と並行して連続マスク60のクリーニングを行えるので、連続マスク60の交換作業や洗浄作業のために可撓性フィルム基板21の搬送を停止する必要がなく、生産性を向上させることができる。更に、連続マスク60をクリーニングするクリーニング機構を第一成膜室R21外に別途設ける必要がないため、幅方向における製造装置100のサイズを小型化することができる。
クリーニング部80による連続マスク60のクリーニング頻度としては、成膜処理1回毎にクリーニングを実施するものとしても良いが、生産コストを低減するために5〜100回の成膜処理毎にクリーニングを実施するものとしても良い。
クリーニング部80は、0.1〜200Pa程度の減圧雰囲気下でドライクリーニングを行うため、第一成膜室R21の圧力をほとんど変更することなくクリーニングを行える。したがって、第一成膜室R21内にアキュームやゲートバルブ等を設ける必要がなく、連続マスク60を回転移動させたままクリーニングを行うことが可能である。また、第一成膜室R21内は既に減圧状態であるため、エッチング速度の向上、パーティクル除去、アウトガスの除去等を容易に行うことができる。
図3に示す例では、クリーニング部80は、ドライクリーニングの方法として、プラズマエッチング処理を行うように構成されている。すなわち、クリーニング部80は、冷却部81及びプラズマエッチング部82等を備えて構成されている。冷却部81は、成膜処理により加熱された連続マスク60を冷却するものである。また、プラズマエッチング部82は、O(酸素)、NF(三フッ化窒素)、Ar(アルゴン)、N(窒素)等のクリーニングガスに高周波電圧を印加してプラズマ化させ、プラズマ化したクリーニングガスにより連続マスク60の表面エッチング処理を行う。これにより、連続マスク60の表面の被膜を効果的に除去することができる。
なお、プラズマエッチング処理が行われることで連続マスク60が加熱されるため、クリーニング部80は、連続マスク60が再度可撓性フィルム基板21に重ね合わされる前に当該連続マスク60を冷却する冷却機構(図示略)を更に備えていても良い。
なお、連続マスク60に対するドライクリーニングの方法として、図7に示すように、ドライアイス微粒子を用いたブラストエッチング処理を行うように構成されていても良い。
この場合、成膜室R21内には、冷却部81及びプラズマエッチング部82の代わりに、加熱部83及び複数のクリーニングヘッド84等を備えて構成されたクリーニング部80aが設けられている。加熱部83は、連続マスク60に吹き付けられたドライアイス微粒子が効率的に昇華されるように、あらかじめ連続マスク60を加熱するものである。複数のクリーニングヘッド84は、連続マスク60に対して粉末状のドライアイス微粒子を吹き付け、当該ドライアイス微粒子が連続マスク60に当たって昇華する際の体積膨張の力を利用して連続マスク60表面の付着物を除去する。
また、連続マスク60をクリーニングする方法としては、上記のような、プラズマエッチング処理やドライアイス微粒子を用いたブラストエッチング処理に限られるものではない。
例えば、アクリル系微粘着剤や柔軟性の樹脂等でコーティングされたロール部材を連続マスク60に接触させて付着物を除去する方法や、ブラシ状の突起の付いたロール部材を連続マスク60に接触させて付着物を除去する方法など、ロール状洗浄部材を連続マスク60に接触させることによって、物理的に連続マスク60から付着物を除去するクリーニング方法を用いることもできる。このような方法でクリーニングを行った後、連続マスク60に対しスリット状ノズルから窒素ガスを吹き付けることで、残留した付着物を剥離させ、発生したパーティクルを除去する工程を更に設けるようにしても良い。
ロール状洗浄部材を用いたクリーニングを行う場合の洗浄頻度としては、成膜処理1回毎にクリーニングを実施するものとしても良いが、ロール状洗浄部材の耐久性を考慮して、5〜100回の成膜処理毎に、必要に応じてロール状洗浄部材によるクリーニングを実施するものとしても良い。
第一成膜室R21内は以上のように構成されている。
続いて、再び図2を参照して、成膜室R22〜R24,R30について以下説明する。なお、第二成膜室R22、第四成膜室R24及び第五成膜室R30は、上記した第一成膜室R21と略同じ構成であり、用いられる成膜材料が異なっている。
第二成膜室R22は、取出し配線24の成膜を行う。第二成膜室R22は、金属や金属酸化物等の導電性材料を成膜材料として、例えば、真空蒸着法、スパッタ法又はイオンプレーティング法等の成膜方法により、可撓性フィルム基板21上においてその一部が陽極23に接するようにして取出し配線24の成膜を行う。
なお、第一成膜室R21と第二成膜室R22とは別個に設けられているものとしたが、いずれか一方が設けられているものとしても良い。この場合には、陽極23と取出し配線24とを、同一材料を用いて一の連続マスクにより成膜を行うことで、陽極23及び取出し配線24を形成することができ、生産コストを低減することができる。
第三成膜室R23は、有機機能層25の成膜を行う。第三成膜室R23は、真空蒸着法により有機機能層25の成膜を行うため、第三成膜室R23内の成膜圧力は1×10−6〜1×10−4Paの高真空領域に設定されている。また、第三成膜室R23は、一の連続マスクで同一パターン形状の各機能層を積層して有機機能層25を形成する。
第三成膜室R23について、図8を参照して説明する。図8は、第三成膜室R23内の概略構成図である。
第三成膜室R23は、上記した第一成膜室R21と略同じ構成である。
すなわち、第三成膜室R23は、可撓性フィルム基板21を所定の搬送経路で搬送する搬送ローラー511,512及び受けローラー531〜533、搬送される可撓性フィルム基板21の成膜面に対向する原料供給部551,552、並びに、可撓性フィルム基板21の成膜面と反対側に当接して可撓性フィルム基板21を冷却する背面冷却ローラー561,562等を内部に備えて構成されている。また、第三成膜室R23内には、連続マスク60、第二回転移動部70a及びクリーニング部80等が設けられている。第二回転移動部70aは、搬送ローラー701〜711から構成されている。
これら第三成膜室R23内の各部材は、それぞれ、上記した第一成膜室R21内の同一名称の部材と同様に構成されている。
つまり、第三成膜室R23は、各部材の設けられている数と配置が第一成膜室R21と異なっているのみである。このように構成されていることにより、可撓性フィルム基板21と連続マスク60とが重なる領域に対して、原料供給部551,552により連続して成膜を行うことができる。
このように、可撓性フィルム基板21上に、同一のパターン形状で複数の層を形成する場合には、図8に示すように、一の連続マスク60で複数回成膜を行うことができる。
なお、図8に示す例では、原料供給部55及び背面冷却ローラー56が2つずつ設けられ、2回の成膜を連続して行えるように構成された例を示しているが、原料供給部55及び背面冷却ローラー56は有機機能層25を構成する層の積層数分だけ設けられていることが好ましい。
また、複数の発光層を選択的に発光可能な有機EL素子を製造する場合には、中間電極層(図示略)を有機機能層25の層間に設け、当該中間電極層を別途電源と接続する必要があるため、有機機能層と中間電極層とはそれぞれ異なる連続マスクを用いてパターン成膜を行うことにより形成される。この場合には、第三成膜室R23内には、複数の連続マスク60が設けられているものである。
第四成膜室R24は、陰極26の成膜を行う。第四成膜室R24は、金属や金属酸化物等を導電性材料として、例えば、真空蒸着法、スパッタ法又はイオンプレーティング法等の成膜方法により、可撓性フィルム基板21上において取出し配線24の一部に接するようにして陰極26の成膜を行う。第四成膜室R24内の成膜圧力は、1×10−6〜10Paに設定されている。
このように、一方の面上に、陽極23、取出し配線24、有機機能層25及び陰極26等が積層形成された可撓性フィルム基板21は、成膜室R20から第五成膜室R30に連続的に搬送される。
第五成膜室R30は、搬送中の可撓性フィルム基板21の成膜面に対し、封止層27を形成する成膜工程を行う。
第五成膜室R30は、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法又はプラズマCVD法等の成膜方法により無機化合物からなる封止層27の成膜を行う。特に、封止層27は、可撓性フィルム基板21上の各構成層間の段差や凹凸を被覆するため、ステップカバーレッジ性が良好な方法で形成されることが好ましい。そのような成膜方法としては、比較的成膜圧力が高く、原料ガスが回り込みやすいスパッタ法、イオンプレーティング法又はCVD法が挙げられる。これらの成膜方法を採用することにより、ステップカバーレッジ性が良好で、かつ、緻密でガスバリアー性能の高い封止を行うことができる。
第五成膜室R30内の成膜圧力は、ステップカバーレッジ性と膜密度のバランスを考慮して、0.1〜200Paの比較的低真空状態に設定される。このような成膜圧力では、ステップカバーレッジ性が良い反面、マスク成膜を行う場合に、マスクを可撓性フィルム基板21に十分に密着しないと成膜材料の回り込みによって成膜パターン精度の低下が起こりやすい。本発明では、ガラス基板に比して撓みの大きい可撓性フィルム基板21に対して成膜を行うものであるため、マスク浮きを防ぐことができる。なお、真空蒸着法により封止層27を成膜する場合には、マスクが多少浮いても成膜材料の回り込みが低減するため、パターン精度を高めるという点では有効である。
次いで、可撓性フィルム基板21は、第五成膜室R30からアキューム室R40へ連続的に搬送される。アキューム室R40で圧力と搬送速度が調整された可撓性フィルム基板21は、減圧状態に保持されたままラミネート室R50内へ連続的に搬送される。
本発明の製造方法では、ラミネート室R50により、搬送中の可撓性フィルム基板21の成膜面に対し、連続的に搬送される帯状の背面フィルム4を、樹脂接着層3を介して貼り合わせるラミネート工程を行うことが好ましい。
ラミネート室R50について、図9を参照して以下説明する。図9は、ラミネート室R50内の概略構成図である。ラミネート室R50内は、真空又は減圧状態に設定されていることが好ましい。
ラミネート室R50は、可撓性フィルム基板21を所定の搬送経路で搬送する複数の搬送ローラー90〜93、ロール状の背面フィルム4を支持する第二巻出部94、背面フィルム4を可撓性フィルム基板21と貼り合わせることができる位置まで搬送する搬送ローラー95、搬送ローラー91との間に可撓性フィルム基板21と背面フィルム4とを挟持する受けローラー96,97、及び、密着された可撓性フィルム基板21と背面フィルム4とを加熱及び加圧する加熱ローラー98及び加圧ローラー99等を備えて構成されている。なお、背面フィルム4の可撓性フィルム基板21に対向する面には、あらかじめ樹脂接着層3が形成されているものとする。
複数の搬送ローラー90〜93は、上記した搬送ローラー71と同様に構成されており、突起部(図示略)が可撓性フィルム基板21の第一ガイド孔211内に挿通されることで、可撓性フィルム基板21を円滑に搬送することができる。これらの搬送ローラー90〜93のうち、搬送ローラー91,92は、受けローラー96,97に当接するように配置されている。
第二巻出部94は、ロール状に巻き取られた背面フィルム4を支持し、順次背面フィルム4を繰り出す。背面フィルム4は、図10に示すように、可撓性フィルム基板21に対向する面の所定領域に樹脂接着層3があらかじめ形成されている。なお、本実施形態の製造装置100では、加熱ローラー98及び加圧ローラー99による加熱圧着により背面フィルム4を可撓性フィルム基板21の成膜面に対して貼り合わせるため、樹脂接着層3は熱硬化性樹脂で構成されている。
また、背面フィルム4は、その幅方向両端部に、搬送方向(移動方向)において可撓性フィルム基板21の第一ガイド孔211の間隔と同じ間隔で開口された複数の第三ガイド孔41を有している。
搬送ローラー95は、上記した搬送ローラー71と同様に構成されており、突起部(図示略)が背面フィルム4の第三ガイド孔41内に挿通されることで、背面フィルム4を円滑に搬送することができる。
受けローラー96,97は、上記した受けローラー52と同様に構成されている。
これにより、搬送ローラー91,92の突起部が受けローラー96,97の凹部(図示略)内に収まるように構成されているため、搬送ローラー91,92が受けローラー96,97に対してほぼ隙間のない状態で当接する。これにより、可撓性フィルム基板21に背面フィルム4が重なり、密着する。
また、搬送ローラー91,92の突起部は、可撓性フィルム基板21の第一ガイド孔211に挿通するとともに、背面フィルム4の第三ガイド孔41にも挿通する。あらかじめ第一ガイド孔211と第三ガイド孔41とは互いに対応する位置に形成されているため、可撓性フィルム基板21と背面フィルム4とを位置合わせしながら重ね合わせることができる。これにより、可撓性フィルム基板21を搬送したまま、複雑な位置合わせ機構を用いることなく、背面フィルム4の高精度な位置合わせを行うことができる。このように背面フィルム4を位置合わせしながら重ねることで、樹脂接着層3及び背面フィルム4が、可撓性フィルム基板21上に設けられた取出し配線24を覆うことを防止でき、歩留まりを向上させることができる。
加熱ローラー98及び加圧ローラー99は、搬送ローラー91と受けローラー96により重ね合わされた可撓性フィルム基板21と背面フィルム4に厚さ方向両側から密着し、加熱及び加圧を行うことにより、可撓性フィルム基板21の成膜面に対し樹脂接着層3を介して背面フィルム4を貼り合わせる。
なお、ラミネート室R50内には、加熱ローラー98及び加圧ローラー99よりも搬送方向下流側に、背面フィルム4が貼り合わされた可撓性フィルム基板21に対して、光又は熱による硬化処理を行う機構が更に設けられていても良い。
最後に、可撓性フィルム基板21は、ラミネート室R50から巻取室R60内に連続的に搬送され、当該巻取室R60にて巻き取られる。
以上のようにして作製された有機EL素子1は、取出し配線24以外の部分は封止層27及び背面フィルム4によって被覆された構造となる。そして、有機EL素子1は、図示しないが、取出し配線24は電流量調整用IC等を設けたプリント基板やフレキシブル基板からなる電源ユニット(給電部)と接続され、更に、筐体やフレーム部材、固定用基板等によって補強された構造とされて照明デバイスや発光デバイスとして使用される。
なお、上記した製造方法及び製造装置100では、連続マスク60が、各成膜室R21〜R24,R30のすべてに設けられているものとしたが、各成膜室R21〜R24,R30のいずれかに設けられているものとしても良い。
また、上記した製造方法及び製造装置100では、有機EL素子本体2に対してラミネート工程を連続的に行うものとしたが、ラミネート工程は別の装置等により行うものとしても良い。
以下、上記した製造方法及び製造装置100により製造される有機EL素子1の各層の構成をより具体的に説明する。
《可撓性フィルム基板》
可撓性フィルム基板21は、例えば、薄型ガラス、薄型セラミック、樹脂フィルム、ガラス繊維や炭素繊維を含む樹脂フィルム、SUS系やインバー等のNi−Fe合金、アルミニウム箔やチタン箔などの金属フィルム等、可撓性のあるフィルムで形成することができる。特に、可撓性フィルム基板21としては、軽量化、耐外部衝撃性及びコストの観点から、透明樹脂フィルムを用いることが好ましい。
透明樹脂フィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、環状オレフィン共重合体(COP)等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、セロファン、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、フッ素樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリアリレート類等の材料とそれらの誘導体を透明樹脂フィルムの形成材料として用いることができる。更に、例えば、アートン(登録商標:JSR社製)、又は、アペル(登録商標:三井化学社製)と呼ばれるシクロオレフィン系樹脂を透明樹脂フィルムの材料として用いることもできる。
可撓性フィルム基板21の厚さは、ロールによる供給時の取り扱い性の観点から、30〜300μmの範囲とすることが好ましい。
また、可撓性フィルム基板21の少なくとも陽極が形成される側の全面には、電気絶縁性の無機絶縁層22が形成されていることが好ましい。無機絶縁層22は、大気中の水蒸気や酸素が陽極23、有機機能層25及び陰極26側へ浸透することを抑制する目的で設けられる。また、可撓性フィルム基板21の材料として金属フィルムが使用されている場合、無機絶縁層22は、陽極23及び取出し配線24との絶縁性を確保する。
無機絶縁層22は、無機材料被膜だけでなく、有機材料との複合材料からなる被膜、又は、これらの被膜を積層したハイブリッド被膜であっても良い。無機絶縁層22の性能としては、水蒸気透過度(環境条件:25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が約0.01g/[m・day・atm]以下、酸素透過度が約0.01cm/[m・day・atm]以下、抵抗率が1×1012Ω・cm以上、光線透過率は可視光領域で約80%以上であるような、ガスバリアー性を有する透明絶縁膜であることが必要である。より好ましくは、酸素透過度が0.0001cm/[m・day・atm]以下の値であり、かつ、水蒸気透過度が約0.0001g/[m・day・atm]以下の値となるようなハイガスバリアー性の多層膜で構成することが特に好ましい。なお、本明細書でいう「水蒸気透過度」は、JIS(日本工業規格)−K7129(1992年)に準拠した赤外センサー法により測定された値であり、「酸素透過度」は、JIS−K7126(1987年)に準拠したクーロメトリック法により測定された値である。
無機絶縁層22の材料としては、例えば、水や酸素等、有機EL素子1の劣化をもたらすものの浸入を抑制できる材料であれば良く、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン等の無機材料を用いることができる。更に、無機絶縁層22の脆弱性を改良するため、これら無機材料と有機材料との複合材料からなる層、又は、これら無機材料層に有機材料層を積層した構造とすることが好ましい。無機材料層と有機材料層からなる構造である場合、無機材料層と有機材料層の積層順序は任意であり、両者が交互に複数積層されて構成されていても良いが、無機絶縁層22の最表面は無機材料層とすることが絶縁性やガスバリアー性の観点から好ましい。無機絶縁層22の層厚は、上記性能を満たせば任意で設定できるが、素子の可撓性を考慮して、総厚で50〜1000nmの範囲内が好ましい。
また、無機絶縁層22の形成方法としては、無機絶縁層22を可撓性フィルム基板21上に形成できれば、いずれの形成方法であっても良い。例えば、真空蒸着法、スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法(特開2004−68143号公報参照)、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、レーザーCVD法、熱CVD法、ALD(原子層堆積)法、湿式塗布等の方法を用いることができる。
《陽極》
陽極(第一電極)23は、発光層に正孔を供給(注入)する電極膜であり、仕事関数の大きい材料(4eV以上)、例えば、金属、合金、導電性化合物、及び、これらの混合物等の電極材料で形成される。
具体的には、有機EL素子1において、陽極23側から光を取り出す場合には、陽極23は、例えば、金や銀、アルミニウム等の薄膜金属や、ITO(インジウム錫酸化物)、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)等の光透過性を有する金属酸化物材料で形成される。
なお、有機EL素子1において、陽極23側から光を取り出す場合には、陽極23の光線透過率は、可視光領域で約50%以上であることが好ましい。また、陽極23のシート抵抗(表面抵抗)は、300Ω/□以下の値であることが好ましい。
また、陽極23は、多層構造であっても良く、例えば、下地層として平坦化層や密着層、発光光の取出し性を向上させる高屈折率層や光散乱層が設けられてから、これに隣接して導電性材料からなる層が積層された構造であっても良い。
陽極23の層厚は、層構成や形成材料の電気抵抗、光透過性によって適宜設定できるが、好ましくは10〜500nmの範囲内の値である。
一方、有機EL素子1において、陽極23側から光を取り出さない場合(陰極26側からのみ光を取り出す場合)であっても、陽極23は上記の構成を採用できる。また、高反射率の層が適宜積層されていても良い。
陽極23の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、湿式塗布等を用いることができる。
また、陽極23は、上記した連続マスク60により、所望のパターン形状に形成されて、1つ以上の取出し配線24と接続されている。
《取出し配線》
取出し配線24は、陽極23及び陰極27と外部電源とを電気的に接続するものであって、その材料としては特に限定されるものではなく、公知の素材を好適に使用できるが、例えば、3層構造からなるMAM電極(Mo/Al・Nd合金/Mo)等の金属膜を用いることができる。
《有機機能層》
有機機能層25は、少なくとも発光層を含む複数の有機材料層が積層されて構成され、例えば、発光層、キャリア(正孔及び電子)の注入層、阻止層及び輸送層等の層を備えている。以下、各有機材料層について説明する。
(1)正孔注入層
正孔注入層(陽極バッファー層)は、有機EL素子1の駆動電圧の低下や発光輝度の向上を目的として、陽極23と発光層との間、又は、陽極23と後述の正孔輸送層との間に必要に応じて設けられている。正孔注入層の材料としては、例えば、特開2000−160328号公報に記載の材料を用いることができる。
(2)正孔輸送層
正孔輸送層は、陽極23から供給された正孔を発光層に輸送(注入)する層である。また、正孔輸送層は、陰極26側からの電子の流入を阻止する障壁としても作用する。そのため、正孔輸送層という用語は、広い意味で、正孔注入層及び/又は電子阻止層を含む意味で用いられることもある。
正孔輸送材料としては、正孔を輸送又は注入する作用、及び、電子の流入を阻止する作用を発現できれば、有機材料及び無機材料のいずれの材料も用いることができる。
具体的には、正孔輸送材料として、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(特に、チオフェンオリゴマー)等の化合物を用いることができる。
また、正孔輸送材料としては、例えば、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物又はスチリルアミン化合物等を用いることができ、特に、芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン等の化合物を用いることができる。また、芳香族第3級アミン化合物として、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン等のスチリルアミン化合物を用いることができる。さらに、芳香族第3級アミン化合物として、米国特許第5,061,569号明細書に記載されているような2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)や、特開平4−308688号公報に記載されているようなトリフェニルアミンユニットが3つ、スターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等の化合物を用いても良い。
また、正孔輸送材料としては、例えば、上述した各種正孔輸送材料を高分子鎖に導入した高分子材料、又は、上述した各種正孔輸送材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物もまた、正孔輸送材料及び正孔注入層の形成材料として使用することができる。
更に、正孔輸送材料として、例えば、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)等の文献に記載されているような、いわゆるp型正孔輸送材料を用いることもできる。このような材料を用いた場合には、より高効率の有機EL素子1を作製することができる。
また、本実施形態では、正孔輸送層に不純物をドープして、p性の高い(正孔リッチ)の正孔輸送層としても良い。そのような正孔輸送層としては、例えば、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等の文献に記載されている。このような正孔リッチの正孔輸送層を用いた場合には、より低消費電力の有機EL素子1を作製することができる。
正孔輸送層は、上記材料を、真空蒸着法により薄膜化することで形成される。正孔輸送層の層厚は、材料に応じて適宜設定されるが、5〜500nmの範囲内の値に設定されることが好ましい。なお、正孔輸送層は、単層で設けられていても良いし、複数層設けられていても良い。正孔輸送層を単層構造とする場合には、上述した正孔輸送材料のうち一種又は二種以上の材料が用いられるようにする。
(3)発光層
発光層は、陽極23から直接、又は、陽極23から正孔輸送層等を介して注入される正孔と、陰極26から直接、又は、電子輸送層等を介して注入される電子とが再結合して発光する層である。なお、発光する部分は、発光層の層内であっても発光層と隣接する層との界面であっても良い。
また、発光層は、単層で設けられていても良いし、複数層設けられていても良い。発光層が複数層設けられている場合には、互いに発光色の異なる複数の発光層を積層した構成にしても良い。例えば、青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層を積層して発光層を構成し、各色の発光層からそれぞれ発光される光を混ぜることにより白色発光を得るようにしても良い。また、発光層が複数層設けられている場合には、隣り合う発光層同士の間に、非発光性の中間層を設けても良い。この場合、中間層は、発光層に含有されるホスト化合物と同様の材料で形成することができる。
発光層は、ホスト化合物(発光ホスト)と、発光材料(発光ドーパント)とを含む有機発光性材料で形成されている。このような構成の発光層では、発光材料の発光波長や含有される発光材料の種類等を適宜調整することにより任意の発光色を得ることができる。
また、発光層は、例えば、真空蒸着法により形成される。発光層の層厚は、任意に設定することが可能であるが、例えば、構成膜の均質性、発光時における不必要な高電圧の印加の防止、及び、駆動電流に対する発光色の安定性向上等の観点から、発光層の層厚を5〜200nmの範囲内の値に設定することがより好ましい。
ここで、発光層に含有されるホスト化合物及び発光材料について具体例に説明する。
(3−1)ホスト化合物
発光層に含有されるホスト化合物としては、室温(25℃)におけるリン光発光のリン光量子収率が約0.1未満の値である化合物を用いることが好ましい。特に、リン光量子収率が約0.01未満の値である化合物をホスト化合物として用いることが好ましい。また、発光層中のホスト化合物の体積比は、発光層に含まれる各種化合物の中で約50%以上の値とすることが好ましい。
また、ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を用いることができる。その際、一種類のホスト化合物を用いても良いし、複数種のホスト化合物を併用しても良い。複数種のホスト化合物を用いることにより、電荷(正孔及び/又は電子)の移動度(移動量)を調整することができ、有機EL素子1の発光効率を向上させることができる。
上述のような特性を有するホスト化合物としては、例えば、公知の低分子化合物、繰り返し単位をもつ高分子化合物、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)等の化合物を用いることができる。ホスト化合物としては、正孔輸送機能、電子輸送機能、発光の長波長化を防止する機能、及び、高Tg(ガラス転移温度)を有する化合物を用いることが好ましい。ただし、ここでいう、「ガラス転移温度(Tg)」とは、DSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量)法を用いて、JIS−K7121に準拠した手法により求められる値である。
具体的には、ホスト化合物として、例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等の文献に記載されている化合物を用いることができる。
(3−2)発光材料
発光材料(発光ドーパント)としては、例えば、リン光発光材料(リン光性化合物、リン光発光性化合物)、蛍光発光材料等を用いることができる。ただし、発光効率の向上の観点から、発光材料としてリン光発光材料を用いることが好ましい。
リン光発光材料は、励起三重項からの発光が得られる化合物である。具体的には、リン光発光材料は、室温(25℃)においてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において約0.01以上の値の化合物である。リン光発光材料としては、リン光量子収率が約0.1以上の値のものを用いることが好ましい。なお、リン光量子収率は、例えば、「第4版実験化学講座7・分光II」(1992年版、丸善)の398頁に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に用いられるリン光発光材料は、任意の溶媒のいずれかにおいて上記リン光量子収率(0.01以上)が達成されれば良い。
また、発光層には、一種類の発光材料を含有されていても良いし、発光極大波長の異なる複数種の発光材料を含有されていても良い。複数種の発光材料を用いることにより、発光波長の異なる複数の光を混ぜることができ、これにより、任意の発光色の光を得ることができる。例えば、青色ドーパント、緑色ドーパント、及び、赤色ドーパント(3種類の発光材料)を発光層に含有させることにより白色光を得ることができる。
リン光発光材料の発光原理としては2種挙げられ、1つは、キャリア(正孔及び電子)が輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こりホスト化合物の励起状態が生成され、この際に発生するエネルギーをホスト化合物からリン光発光材料に移動させることでリン光発光材料からの発光を得るエネルギー移動型である。
もう1つは、リン光発光材料がキャリア(正孔及び電子)をトラップすることで、リン光発光材料上でキャリアの再結合が起こり、リン光発光材料からの発光が得られるキャリアトラップ型である。いずれの場合においても、リン光発光材料の励起状態のエネルギー準位はホスト化合物の励起状態のエネルギー準位より低いことが条件である。
上述のような発光過程を生じさせるリン光発光材料としては、従来の有機EL素子で用いられる公知の各種リン光発光材料(リン光性化合物)を適宜選択して用いることができる。例えば、リン光発光材料としては、元素の周期表で8族〜10族の金属元素を含有する錯体系化合物を用いることができる。そのような錯体系化合物の中でも、イリジウム化合物、オスミウム化合物、白金化合物(白金錯体系化合物)、及び、希土類錯体のいずれかをリン光発光材料として用いることが好ましい。
また、蛍光発光材料(蛍光発光体、蛍光性ドーパント)としては、例えば、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、又は希土類錯体系蛍光体等を用いることができる。
なお、本明細書では、有機EL素子1から発光する光を分光放射輝度計(コニカミノルタセンシング社製、CS−1000)で測定し、その測定結果を、CIE(国際照明委員会)色度座標(例えば、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16参照)に当て嵌めた時の色を、有機EL素子1から発光する光の色とする。具体的には、ここでいう「白色」とは、2度視野角正面輝度を上記手法により測定した際に、1000cd/mでのCIE1931表色系における色度がX=0.33±0.07、Y=0.33±0.07の領域内にある色のことを言う。
(4)電子輸送層
電子輸送層は、陰極26から供給された電子を発光層に輸送(注入)する層である。また、電子輸送層は、陽極23側からの正孔の流入を阻止する障壁としても作用する。そのため、電子輸送層という用語は、広い意味で、電子注入層及び/又は正孔阻止層を含む意味で用いられることもある。
電子輸送層(電子輸送層を単層構造とする場合には当該電子輸送層、電子輸送層を複数層設ける場合には最も発光層側に位置する電子輸送層)に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極26より注入された電子を発光層に伝達(輸送)する機能を有する材料であれば、従来公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
従来公知の電子輸送材料として、例えば、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリゾール誘導体、シロール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、8−キノリノール誘導体等の金属錯体を用いることができる。また、例えば、メタルフタロシアニン若しくはメタルフリーフタロシアニン、又は、それらの末端基をアルキル基やスルホン酸基等で置換した化合物を用いることもできる。
また、電子輸送層に不純物をゲスト材料としてドープして、n性の高い(電子リッチ)電子輸送層を形成しても良い。このような構成の電子輸送層の具体例は、例えば、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されている。具体的には、ゲスト材料(ドープ材)として、有機物のアルカリ金属塩を用いることができる。
電子輸送層は、例えば、真空蒸着法により形成することができる。また、電子輸送層の層厚は、材料に応じて適宜設定されるが、5〜200nmの範囲内の値に設定されることが好ましい。なお、電子輸送層は、単層で設けられていても良いし、複数層設けられていても良い。電子輸送層を単層構造とする場合には、上述した電子輸送材料のうちの一種又は二種以上の材料が電子輸送層に含まれるようにする。
(5)電子注入層
電子注入層(電子バッファー層)は、有機EL素子1の駆動電圧の低下や発光輝度の向上を目的として、陰極26と発光層との間、又は、陰極26と電子輸送層との間に、必要に応じて設けられる。
ここでは、電子注入層の構成の詳細な説明を省略するが、例えば、「有機EL素子とその工業化最前線」(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)の第2編第2章「電極材料」(123−166頁)に電子注入層の構成が詳細に記載されている。
《陰極》
陰極26は、発光層に電子を供給(注入)する導電性の膜であり、通常、仕事関数の小さい(4eV以下)、例えば、金属(電子注入性金属)、合金、電気伝導性化合物、及び、これらの混合物等の電極材料で形成される。
陰極26の材料としては、例えば、アルミニウム、ナトリウム、リチウム、インジウム、希土類などの金属、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−銅合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−アルミニウム合金、マグネシウム−インジウム合金、リチウム−アルミニウム合金、ITO(インジウム錫酸化物)、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、アルミニウム酸化物等の金属酸化物材料が挙げられる。
陰極26の層厚は、層構成や形成材料の電気抵抗、光透過性によって適宜設定されるが、好ましくは10〜500nmの範囲内の値で設定される。また、陰極26側から光を取り出す場合には、透明性の高い金属酸化物からなる層、又は、層厚が5〜50nmの薄膜が用いられる。
また、陰極26は、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、又はイオンプレーティング法等により形成することができる。
《封止層》
封止層27は、有機機能層25への水蒸気の浸入を防止するために設けられる。なお、封止層27は、透明で絶縁性の無機化合物で構成することが好ましい。
封止層27の材料としては、例えば水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの侵入を抑制する機能を有する無機材料であれば良く、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等を用いることができる。
任意の材料を用いることができる。封止層27の特性として、水蒸気透過度が約0.01g/[m・day・atm]以下、好ましくは水蒸気透過度が約0.0001g/[m・day・atm]以下、抵抗率が1×1012Ω・cm以上、光線透過率は可視光領域で約80%以上と、ガスバリアー性、絶縁性及び透明性を有するものであることが好ましい。
封止層27の形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法等の手法が用いられる。
なお、封止層27の層厚は、条件に応じて適宜設定されるが、100〜1000nmが好ましい。100nmよりも薄すぎると、パーティクルなどによる封止層27のピンホールが発生しやすくなり、該ピンホールを介して樹脂接着層3の軟化時に陰極26及び有機機能層25に入りこむ。そして、樹脂接着層3の成分が、陰極26や有機機能層25を酸化・変質する等して、ダークスポット増大の要因にもなる。一方、封止層27の膜厚が1000nmよりも厚すぎると、生産効率の低下及び有機EL素子1の例えば耐屈曲性が低下する。また、封止層27の膜厚が厚すぎると、封止層27の成膜が長期間に及ぶため、成膜時の蓄熱により可撓性フィルム基板21が変形する場合もある。
《樹脂接着層》
樹脂接着層3の材料としては、例えば、アクリル酸系オリゴマー又はメタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化性又は熱硬化性接着剤等が挙げられる。また、樹脂接着層3の材料としては、例えば、エポキシ系等の熱硬化性又は化学硬化性(二液混合)接着剤、ホットメルト型材料(例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン)、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤等が用いられる。
本発明では、製造プロセス簡略化の観点から、樹脂接着層3を熱硬化性接着剤で形成することが好ましい。また、樹脂接着層3の形態としては、シート状に加工された熱硬化性接着剤を用いることが好ましい。シート状タイプの熱硬化性接着剤を用いる場合には、常温(25℃程度)では非流動性を示し、50〜120℃の温度範囲内では流動性を発現するものが好ましい。
樹脂接着層3の材料として用いられる熱硬化性接着剤としては、任意の接着剤を使用することができ、樹脂接着層3と隣接する封止層27や背面フィルム4等との密着性や、製造プロセスにおける貼り合わせ方法及び硬化方法等を考慮して、適宜好適な熱硬化性接着剤が選択される。例えば、分子の末端又は側鎖にエチレン性二重結合を有する化合物と、熱重合開始剤とを主成分とする樹脂等を用いることができ、より具体的には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等からなる熱硬化性接着剤を使用することができる。
また、樹脂接着層3の含水率は、有機EL素子1の長寿命化等を考慮して、約1.0%以下の値とすることが好ましい。なお、ここでいう含水率は、ASTM(米国材料試験協会)−D570に準拠した手法で測定された値である。
《背面フィルム》
背面フィルム4は、フィルム状又は板状部材であり、可撓性フィルム基板21の成膜面に対向して配置されている。背面フィルム4は、可撓性フィルム基板21と同じように、薄型ガラス、薄型セラミック、樹脂フィルム、ガラス繊維や炭素繊維を含む樹脂フィルム、SUS系やインバー等のNi−Fe合金、アルミニウム箔やチタン箔等の金属フィルム等、可撓性のあるフィルムで形成することができる。
背面フィルム4から光放出しない場合は、ロール供給適性や防湿性、放熱性の向上の点から、金属箔と透明樹脂フィルムの積層体を用いることが好ましい。
背面フィルム4から光放出する場合は、透明性が要求されるため、上記可撓性フィルム基板21と同じような透明樹脂フィルムを用いることが好ましい。この場合、背面フィルム4の表面(樹脂接着層3との対向面)には、上記無機絶縁層22を設けることが好ましい。また、無機絶縁層22の水蒸気透過度は、0.01g/[m・day・atm]以下の値であることが好ましい。
背面フィルム4の厚さは、ロールによる供給時の取り扱い性、ラミネート時の封止層27へのダメージ軽減等の観点から、30〜300μmの範囲とすることが好ましい。
背面フィルム4は、樹脂接着層3があらかじめ積層され、有機EL素子本体2に対して樹脂接着層3を介して接着されることが好ましい。
なお、背面フィルム4は帯状に形成されているものでなくとも良く、枚葉状に形成されているものとしても良い。この場合には、枚葉状の背面フィルム4は、離型フィルム(図示略)上に複数配置された状態でロール供給され、有機EL素子本体2に対して樹脂接着層3を介して接着される。これにより、巻き取られた状態で製造された有機EL素子1の断裁作業を容易にできる。
1 有機EL素子
2 有機EL素子本体
3 樹脂接着層
4 背面フィルム
21 可撓性フィルム基板(可撓性基板)
22 無機絶縁層
23 陽極(第一電極)
24 取出し配線
25 有機機能層
26 陰極(第二電極)
27 封止層
41 第三ガイド孔
51,52 搬送ローラー
53,54 受けローラー
55 原料供給部
56 背面冷却ローラー
60 連続マスク
61 開口部
62 接続治具
63 第二ガイド孔
64 枚葉マスク
70 回転移動部
70a 第二回転移動部
71〜78 搬送ローラー
80,80a クリーニング部
81 冷却部
82 プラズマエッチング部
83 加熱部
84 クリーニングヘッド
90〜93 搬送ローラー
94 第二巻出部
95 搬送ローラー
96,97 受けローラー
98 加熱ローラー
99 加圧ローラー
100 製造装置
101 巻出部
102,103 ガイドロール
104 スリットロール
211 第一ガイド孔
531 凹部
711 回転軸
712〜714 ローラー
715 突起部
R1 前室
R10 表面処理兼アキューム室
R20 成膜室
R21 第一成膜室
R22 第二成膜室
R23 第三成膜室
R24 第四成膜室
R30 第五成膜室
R40 アキューム室
R50 ラミネート室
R60 巻取室

Claims (14)

  1. 連続的に搬送される帯状の可撓性基板上に、真空又は減圧状態で少なくとも第一電極、有機機能層及び第二電極を順次積層して形成する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    複数の成膜工程を有し、
    前記複数の成膜工程のうち少なくとも一つの成膜工程において、所定のパターン形状の開口部を有するループ状の連続マスクを回転移動させることで、搬送中の前記可撓性基板に前記連続マスクの一部を重ね、前記開口部を介して搬送中の前記可撓性基板上に成膜を行うとともに、前記連続マスクのうち前記可撓性基板に重ならない領域に対してクリーニングを行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記連続マスクの前記開口部が、前記複数の成膜工程毎に変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記可撓性基板の幅方向端部には、移動方向において等間隔で開口された複数の第一ガイド孔が設けられ、
    前記連続マスクの幅方向端部には、移動方向において前記複数の第一ガイド孔の間隔と同じ間隔で開口された複数の第二ガイド孔が設けられ、
    前記連続マスクを回転移動させる搬送ローラーには、径方向に突起部が設けられ、
    前記可撓性基板と前記連続マスクとが重なる領域において、前記突起部を前記第一ガイド孔及び前記第二ガイド孔に挿通して、前記可撓性基板に前記連続マスクを位置合わせしながら重ねることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 前記複数の成膜工程の後、前記搬送中の可撓性基板の成膜面に対し、連続的に搬送される帯状の背面フィルムを、樹脂接着層を介して貼り合わせるラミネート工程を更に有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記可撓性基板の幅方向端部には、移動方向において等間隔で開口された複数の第一ガイド孔が設けられ、
    前記背面フィルムの幅方向端部には、移動方向において前記複数の第一ガイド孔の間隔と同じ間隔で開口された複数の第三ガイド孔が設けられ、
    前記背面フィルムを搬送する搬送ローラーには、径方向に突起部が設けられ、
    前記ラミネート工程において、前記突起部を前記第一ガイド孔及び前記第三ガイド孔に挿通して、前記可撓性基板に前記背面フィルムを位置合わせしながら貼り合わせることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 前記複数の成膜工程及び前記ラミネート工程を真空又は減圧状態で一貫して行うことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 連続的に搬送される帯状の可撓性基板上に、真空又は減圧状態で少なくとも第一電極、有機機能層及び第二電極を順次積層して形成する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置であって、
    前記可撓性基板に対して成膜を行う複数の成膜室と、
    前記複数の成膜室の少なくとも一つに設けられ、所定のパターン形状の開口部を有するループ状の連続マスクと、
    前記連続マスクを回転移動させることで、搬送中の前記可撓性基板に前記連続マスクの一部を重ねる回転移動部と、
    前記回転移動部により回転移動させられる前記連続マスクのうち、前記可撓性基板に重ならない領域に対してクリーニングを行うクリーニング部と、を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
  8. 前記連続マスクの前記開口部が、前記成膜室毎に異なる形状であることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
  9. 前記可撓性基板の幅方向端部には、移動方向において等間隔で開口された複数の第一ガイド孔が設けられ、
    前記連続マスクの幅方向端部には、移動方向において前記複数の第一ガイド孔の間隔と同じ間隔で開口された複数の第二ガイド孔が設けられ、
    前記回転移動部が、径方向に突起部を有する複数の搬送ローラーを備えて構成され、前記突起部を前記第一ガイド孔及び前記第二ガイド孔に挿通して、前記可撓性基板に前記連続マスクを位置合わせしながら重ねることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
  10. 前記複数の成膜室の後段に設けられ、前記搬送中の可撓性基板の成膜面に対し、連続的に搬送される帯状の背面フィルムを、樹脂接着層を介して貼り合わせるラミネート室を更に備えることを特徴とする請求項7から請求項9までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
  11. 前記可撓性基板の幅方向端部には、移動方向において等間隔で開口された複数の第一ガイド孔が設けられ、
    前記背面フィルムの幅方向端部には、移動方向において前記複数の第一ガイド孔の間隔と同じ間隔で開口された複数の第三ガイド孔が設けられ、
    前記回転移動部が、径方向に突起部を有する複数の搬送ローラーを備えて構成され、前記突起部を前記第一ガイド孔及び前記第三ガイド孔に挿通して、前記可撓性基板に前記背面フィルムを位置合わせしながら重ねることを特徴とする請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
  12. 前記複数の成膜室及び前記ラミネート室は真空又は減圧状態に保持され、
    前記可撓性基板は真空又は減圧状態に保持されたまま前記複数の成膜室から前記ラミネート室へ搬送されることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
  13. 前記連続マスクが、金属からなることを特徴とする請求項9から請求項12までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
  14. 前記連続マスクが、繊維を含有した樹脂からなることを特徴とする請求項9から請求項12までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
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