JP2011258329A - 有機エレクトロルミネッセンスパネル及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスパネル及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コストが安く、安価な方式により識別記号の付与が可能であり、製造環境に対する悪影響が無い識別記号付与方法と提供する。
【解決手段】連続するベース基板上に有機EL素子が連続して形成された有機EL素子基板と、連続する封止基板上に接着剤層が形成された封止部材とを、貼り合わせた後、各有機EL素子ごとに切断してなる有機ELパネルの製造方法において、前記封止基板または前記ベース基板の何れかに、予め識別記号が印字されており、該識別記号の印字間隔が、有機EL素子の配置間隔よりも短い間隔であり、切断された各有機ELパネルには少なくとも1つの識別記号が付与されていることを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルに関し、特に識別記号を付してなる有機ELパネル及びその製造方法に関するものである。
有機EL素子を用いた有機ELパネルとしては、ガラス材料からなる透光性の支持基板上に、陽極となるITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明電極と、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層等からなる有機層と、アルミニウム等からなる非透光性の金属電極等を順次積層形成して構成されるものが知られている。
前記支持基板上に前記透明電極、前記有機層、前記金属電極を順次薄膜状に形成する方法として、一つは、蒸着用マスクを用いて所定の形状に順次前記各層を蒸着法等で形成する枚葉処理方式がある。
一方、有機ELパネルの製造効率を向上させる方法として、連続する透光性ベース基板上に、前記透明電極、有機層、金属電極からなる有機EL素子を連続的に形成し、その後ベース基板を前記各有機EL素子毎に分割して個々の有機ELパネルを得る連続処理方式がある。この様な連続方式でベース基板上に有機EL素子を形成する方法としては、塗布方式や印刷方式等が検討されてきている。
枚葉処理方式や連続処理方式何れにおいても、形成された有機EL素子は、更に、耐久性を向上させるために、有機EL素子表面を封止部材により封止する方法が取られてされる。封止部材としては、封止基板上に接着剤層を形成し、有機EL素子の表面を封止部材で覆うようにして接着剤層と有機EL素子基板とが接着され有機ELパネルが形成される。
この様にして形成された有機ELパネルは、複数の有機EL素子が同時に或いは連続して形成されており、有機EL素子毎に分割され、個々の有機ELパネルとなる。この様にして形成された有機ELパネルは、出荷検査が行われ製品として出荷される。
検査工程や出荷後のユーザでの使用中において発生した欠陥から、どのような時期に生産したものであるかを追跡するため製品には通常識別記号が付与される。
有機ELパネルの製造方法において、前記ガラス基板上に形成された複数の有機EL素子を識別可能とするための識別記号を付与する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載された方法には、有機EL素子の配置に合わせて予め識別記号を付した封止部材を準備することが記載されている。封止部材の基板としてはガラス基板が用いられ、識別記号の形成方法としては、ガラス基板を溶融する際に成形したり、サンドブラスト法、切削法或いはエッチング法等の方法が用いられることが記されている。
上記記載の方法では、有機EL基板と、予め識別記号が付与された封止部材との高度の位置合わせが必要となるものであった。
また、別の識別記号の付与方法としては、有機ELパネルを形成した後、形成された有機ELパネルの最外層である発光面側の基材や裏面の封止部材の表面に行う方法が提案されている。
しかしながら、有機EL素子の製造工程の多くはクリーン度を管理した不活性ガス充填チャンバー内で行われるため、製造途中の、即ち不活性ガス充填チャンバー内で素子表面をエッチングするといった切削くずの出る方法での識別記号付与は、クリーン度の観点から採用し難い方法である。
不活性ガス充填チャンバー内での識別記号付与の方法として、インクジェットによる印字や、レーザーマーカーによる焼き込みが等が多く行われているが、酸素濃度、水分濃度が100ppm以下に管理された不活性ガス充填チャンバー内で、インクジェット方式では、溶剤の蒸発や、ノズルの目詰まり等の問題があった。
また、インクジェット方式において、水系インクや溶媒を用いない方法としてUV硬化性インクを用いる方法が提案されているが、硬化に使用するUVランプの紫外線による有機EL層への影響が問題となっている。
一方、レーザーマーカー方式では焼き込み時の煙によるクリーン度悪化が問題であり、また、レーザーマーカー方式は、レーザー機器そのものが高価である上、機器の容積が大きいために不活性ガス充填チャンバーも大きくする必要があり、不活性ガス充填チャンバーの大型化による不活性ガス環境精製機の大型化等の付随コスト増加が問題となってきた。
特に、連続塗布方式による有機ELパネルの生産において、安価な識別記号の付与方法が強く望まれている。
特開2003−317941号公報
即ち、本発明の目的は、連続するベース基板を用いた、有機ELパネルの製造方法において、コストが安く、安価な方式により識別記号の付与が可能であり、製造環境に対する影響が無い識別記号付与方法を提供することである。
上記課題は、以下の構成により解決することができた。
1.連続するベース基板上に有機EL素子が連続して形成された有機EL素子基板と、連続する封止基板上に接着剤層が形成された封止部材とを、貼り合わせた後、各有機EL素子毎に切断してなる有機ELパネルの製造方法において、前記封止基板または前記ベース基板の何れかに、予め識別記号が印字されており、該識別記号の印字間隔が、有機EL素子の配置間隔よりも短い間隔であり、切断された各有機ELパネルには少なくとも1つの識別記号が付与されていることを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
2.前記識別記号の印字位置が、前記有機EL素子の発光部位を避けた位置であることを特徴とする前記1に記載の有機ELパネルの製造方法。
3.前記識別記号の付与が封止基板であることを特徴とする前記1または2に記載の有機ELパネルの製造方法。
4.前記識別記号が機械読み取り可能な記号であることを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載の有機ELパネルの製造方法。
5.前記1〜4の何れか1項に記載の有機ELパネルの製造方法により形成されたことを特徴とする有機ELパネル。
本発明の方法においては、封止基材またはベース基板に予め識別記号を付与し、該識別記号の印字間隔を形成する有機EL素子の配置間隔よりも短い間隔とすることにより、断裁された個々の有機ELパネルに対し、少なくとも一つの識別記号が付与されており、識別記号付与方法として、コストが安く、安価な方式とすることができ、有機ELパネル製造工程での、故障情報等に対する履歴追跡が可能となり、且つ製造環境に対する影響が無い識別記号付与方法を提供することができた。
連続する有機EL素子基板と、連続する封止部材とを、貼合し、硬化、断裁して有機ELパネルを製造する工程を示す概略断面図である。 予め識別記号を付与したベース基板または封止基板を示す図である。 本発明の、予め識別記号が付与された封止部材を用い、パネルサイズが異なる有機ELパネルへの適用例を示す概略構成図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、有機EL素子とは、ベース基板上に、少なくとも、陽極(透明電極)、発光層を含む有機層、陰極が順に積層された構造を有するものであり、該有機EL素子の表面を封止部材で封止したものを有機ELパネルと呼ぶ。
本発明の実施の形態を図をもって説明する。
図1は、本発明の、連続する有機EL素子基板と、連続する封止部材とを、貼合し、硬化、断裁して有機ELパネルを製造する工程を示す概略断面図である。
図1において、ロール21から巻き出された封止基板5上に、塗工装置22により接着剤層6を塗工し、封止部材20が形成される。
一方、連続するベース基材1上に予め有機EL素子10が連続して形成された有機EL素子基板と、前記封止部材20(封止基材5と接着剤層6を有する。)とを、ラミネートロール27により貼合し、接着剤層6を硬化処理装置29により処理し、次に断裁工程40において、有機EL素子毎に断裁することにより有機ELパネル101が形成される。
本図においては、有機EL素子が形成されたベース基板1と封止基板5とを接着剤層6を介して貼合する構造のものを示したが、有機EL素子が形成されたベース基板の両面から2枚の封止基板を接着剤層で貼合する構造のものであっても良い。
図2は、本発明に用いられる、予め識別記号が付与された基材の例を示すものである。図2(a)は、封止基板5に予め識別記号30が付与された例であり、図2(b)は、ベース基板1上に、有機EL素子が形成される面とは反対の面に予め識別記号30が付与された例である。予め付与された識別記号は、これらの基板が有機ELパネルとして組み立てられたとき識別記号が読み取り可能な方向に付与されていれば、表面であっても裏面であっても良い。
本発明の識別記号を付与する基材としては、封止部材を形成する封止基材であっても、有機EL素子を形成するベース基板であっても良いが、好ましくは封止基材である。
以下、例として封止基材への識別記号の付与方法について記載するが、ベース基板へも同様に適用することができる。
図3は、識別記号が付与された封止基材を用いて、有機EL素子のサイズが異なる有機EL素子に貼合して有機ELパネルを製造した例を示す概略構成図である。
図3(a)は、インクジェット法等により、封止基材5上に識別記号30が印字された封止部材20を用いて形成された有機ELパネル101を示す。該識別記号30の印字間隔dは、図3(b)、(c)に示す連続して形成された有機EL素子10の配置間隔d〜dよりも短くすることにより、封止部材を貼合し、有機EL素子毎に断裁して形成した有機ELパネルには、少なくとも一つの識別記号が付与されている。尚、図3中、矢印(↑)は有機EL素子毎に断裁する断裁位置を示す。
本発明により、製造工程においては、連続して形成された有機EL素子10と封止部材20の識別記号30との高度の位置合わせが不要となり、製造が容易となった。また、製造工程においては、製造する有機EL素子の大きさ、長さ等が変更されても、製造する有機EL素子専用の封止部材を準備する必要が無く、汎用の封止部材として適用することが可能となり、融通性のある、経済的な製造方法を取ることができ、生産管理や中間体の在庫管理等が容易となるものである。
〈識別記号〉
本発明に用いられる識別記号としては、特に限定されものではく、従来用いられてきたものを用いることができる。例えば、ロット番号と英数字記号や、バーコード等であり、これらの識別記号は、人間が読みとれるものであると同時に機械読み取り方式により読みとれるものであることが好ましい。
〈識別記号の付与方法〉
封止基板またはベース基板への識別記号の付与方法としては、その後の製造工程において印字が消去、消滅するようなものでなければ、どのような方式であっても構わないが、連続して変化する識別記号をオンデマンドで付与する方法としては、インクジェット方式によりUV硬化性インクを用いて印字する方法やレーザーマーカーにより封止基材に刻印する方式等が、好ましい。
〈有機EL素子の形成〉
連続したベース基板上に有機EL素子パネルを製造方法としては、特開2007−149482号、特開2007−179783号等の公報に記載の方法を参考にして製造することができる。
本発明に用いられる有機EL素子基板としては、光透過性の基板で有れば良く、プラスチック材料等特に限定されない。
プラスチック(樹脂)基板としては、透明樹脂フィルムがあり、厚さ100μm〜2mm程度の厚みを有するものが使用される。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチルメタアクリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ポリエチレンナフタレート(PEN)である。基板がポリエチレンナフタレートであると、加熱した場合の変形量が小さいことから好ましい。
また、ガスバリア性が高いガスバリアフィルムを用いることもできる。ガスバリアフィルムとしては、金属の酸化物膜、例えば、酸化窒化膜、窒化膜、金属薄膜等、厚みとして50nm以上、50μm以下の封止機能を有するガスバリア膜を有するフィルムが挙げられる。
〈封止基板〉
本発明に用いられる連続する封止基板としては、プラスチック材料、金属板、金属箔等特に限定されない。
本発明に使用することができるプラスチック材料としては、例えばエチレンテトラフルオロエチル共重合体(ETFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、延伸ポリプロピレン(0PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、延伸ナイロン(ONy)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエーテルスチレン(PES)などの熱可塑性樹脂フィルム材料を使用することが出来る。
封止基板としてプラスチックフィルムを用いる場合は、ガスバリア層を有するものであることが好ましい。
ガスバリア層の特性としては、水蒸気透過度は、0.01g/m・day以下であることが好ましい。水蒸気透過度はJIS K7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した値を示す。
酸素透過度は、0.01ml/m・day・atm以下であることが好ましい。酸素透過度はJIS K7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した値である。
〈貼合工程、硬化工程および断裁工程〉
前記の様にして形成された有機EL素子基板の有機EL素子の形成された面と前記封止部材の接着剤層が形成された面を対向して貼合し、硬化工程で接着剤層の硬化処理を行い、更に断裁工程において有機EL素子毎に断裁することにより有機ELパネルが形成されるが、本発明においては、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されない。
1 ベース基板
5 封止基板
6 接着剤層
10 有機EL素子
20 封止部材
30 識別記号
40 断裁工程
101 有機ELパネル

Claims (5)

  1. 連続するベース基板上に有機EL素子が連続して形成された有機EL素子基板と、連続する封止基板上に接着剤層が形成された封止部材とを、貼り合わせた後、各有機EL素子毎に切断してなる有機ELパネルの製造方法において、前記封止基板または前記ベース基板の何れかに、予め識別記号が印字されており、該識別記号の印字間隔が、有機EL素子の配置間隔よりも短い間隔であり、切断された各有機ELパネルには少なくとも1つの識別記号が付与されていることを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
  2. 前記識別記号の印字位置が、前記有機EL素子の発光部位を避けた位置であることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネルの製造方法。
  3. 前記識別記号の付与が封止基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機ELパネルの製造方法。
  4. 前記識別記号が機械読み取り可能な記号であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の有機ELパネルの製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の有機ELパネルの製造方法により形成されたことを特徴とする有機ELパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014216191A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び製造装置

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