JP2014215581A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着部において熱可塑性樹脂を含む材料で形成される第一の回転体を用い、記録材に形成された画像の良好な定着処理を維持できるようにする。
【課題手段】
記録材に画像を形成する画像形成部101と、記録材に形成された画像を定着する定着部であって、熱可塑性樹脂を含む材料で形成された第一回転体51と、前記第一回転体と圧接してニップ部Nを形成する第二回転体30と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持しつつ加熱して画像を記録材に定着する定着部102と、前記第一回転体若しくは前記第二回転体の回転を制御する制御手段103と、を有する画像形成装置において、前記第一回転体若しくは前記第二回転体の回転を停止する時点で、前記第一回転体若しくは前記第二回転体の少なくとも一方の温度が前記第一回転体のガラス転移点以上の場合、前記温度が前記第一回転体のガラス転移点よりも低い温度になってから停止させることを特徴とする。
【選択図】図9

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に関する。
電子写真式の複写機や電子写真プリンタ等の画像形成装置は、画像形成部と、互いに圧接して回転する定着回転体と加圧回転体とでニップ部を形成する定着装置(定着器)を具備する。画像形成部で未定着トナー画像が形成された記録材は定着器のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上のトナー画像は記録材に定着される。
この定着器の定着回転体もしくは加圧回転体は例えば耐熱性の薄肉のフィルムを有する。特許文献1には、フィルムの材料として、ポリイミド、PEEK、PES、PEI等の熱可塑性樹脂を用いることが記載されている。
特開平3−25481号公報
上記のフィルム材料において、熱硬化樹脂であるポリイミドは、融点、ガラス転移点が300℃以上と高く、耐熱性に優れる特徴を持つため、定着回転体もしくは加圧回転体で多く用いられている。しかし、ポリイミドは複雑な製造工程が必要となり、製造コストが高いという課題がある。一方、熱可塑性樹脂は押し出し成型が可能であるため安価に生産できるというメリットがある。
また、耐熱性の観点からPEEKも定着回転体もしくは加圧回転体で多く用いられている。熱可塑性樹脂の中でも結晶性樹脂であるPEEKは、ガラス転移点Tgと融点Tmを有しており、Tg自体はポリイミドより低いもののフィルム温度がTg以上になったとしても弾性率が急激に低下することはない。そのため、PEEKは、比較的高温領域での使用が可能であり、Tgを大きく超える温度領域でフィルムが使用されなければ、ポリイミドのような熱硬化樹脂と同様にフィルムの変形、破壊は発生しない。
しかしながら、フィルム材料にPEEKを用いた場合、フィルムとフィルムに圧接された回転体とで形成されるニップ部においてフィルムにクリープ変形が発生する場合があった。詳しくは、プリント終了時に温度がTg以上になっているフィルムと回転体が圧接された状態で停止した後、フィルムがTg以下まで冷却された場合、ニップ部においてフィルムにクリープ変形が発生する場合があった。
これは熱可塑性樹脂のもつガラス転移点を境に線膨張係数が大きく変化することが原因である。熱可塑性樹脂の線膨張係数はTg以下での変化は少ないがTg以上では大きく増加していく傾向を有する。よって、フィルムが線膨張係数の大きいTg以上の温度で回転体によって保持された状態から冷却されると、熱膨張係数の低いTg以下の温度になっても均等に収縮することができずクリープとなってしまう。そして、このクリープは次回プリント時に定着不良を引き起こす。
本発明の目的は、定着部において熱可塑性樹脂を含む材料で形成される第一の回転体を用い、記録材に形成された画像の良好な定着処理を維持できるようにした画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の構成は、記録材に画像を形成する画像形成部と、記録材に形成された画像を定着する定着部であって、熱可塑性樹脂を含む材料で形成された第一回転体と、前記第一回転体と圧接してニップ部を形成する第二回転体と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持しつつ加熱して画像を記録材に定着する定着部と、前記第一回転体若しくは前記第二回転体の回転を制御する制御手段と、を有する画像形成装置において、前記第一回転体若しくは前記第二回転体の回転を停止する時点で、前記第一回転体若しくは前記第二回転体の少なくとも一方の温度が前記第一回転体のガラス転移点以上の場合、前記温度が前記第一回転体のガラス転移点よりも低い温度になってから停止させることを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の他の構成は、記録材に画像を形成する画像形成部と、記録材に形成された画像を定着する定着部であって、熱可塑性樹脂を含む材料で形成された第一回転体と、前記第一回転体と圧接してニップ部を形成する第二回転体と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持しつつ加熱して画像を記録材に定着する定着部と、前記第一回転体と前記第二回転体の圧接を軽減する圧解除手段と、前記第一回転体若しくは前記第二回転体を制御すると共に前記圧解除手段を制御する制御手段と、を有する画像形成装置において、前記第一回転体若しくは前記第二回転体の回転を停止する時点で、前記第一回転体若しくは前記第二回転体の少なくとも一方の温度が前記第一回転体のガラス転移点以上の場合、前記圧解除手段で前記第一回転体と前記第二回転体の圧接を軽減する圧解除状態にした上で回転を停止させることを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の他の構成は、記録材に画像を形成する画像形成部と、記録材に形成された画像を定着する定着部であって、熱可塑性樹脂を含む材料で形成された第一回転体と、前記第一回転体と圧接してニップ部を形成する第二回転体と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持しつつ加熱して画像を記録材に定着する定着部と、前記第一回転体若しくは前記第二回転体の回転を制御する制御手段と、を有する画像形成装置において、前記第一回転体と前記第二回転体が回転された状態で前記第一回転体を前記第一回転体のガラス転移点以上になるように加熱するモードを有し、前記モードはユーザーの選択によって、若しくは外乱によって強制的に前記画像形成装置の電源が切られた場合自動的に選択されるモードであることを特徴とする。
本発明によれば、定着部において熱可塑性樹脂を含む材料で形成される第一の回転体を用い、記録材に形成された画像の良好な定着処理を維持できるようにした画像形成装置の提供を実現できる。
実施例1に係る画像形成装置の概略構成を表す断面図 実施例1に係る画像形成装置における定着装置の概略構成を表す断面図 実施例1に係る画像形成装置における定着装置の記録材搬送方向上流側からの概略構成を表す正面図 (a)はセラミックヒータの概略構成を表す断面図、図4(b)はセラミックヒータのフィルム非摺動面側からの平面図 セラミックヒータの通電制御系のブロック図 結晶性樹脂の概念図 結晶性樹脂の弾性率温度依存性を表す概念図 結晶性樹脂の線膨張係数温度依存性を表す概念図 実施例1の画像形成装置におけるクリープ抑制制御シーケンスを表すフローチャート 図9に示すクリープ抑制制御シーケンスを実行するためのハード構成のブロック図 (a)は比較例の定着装置におけるヒータと定着ローラとフィルムの温度変化を表す図、(b)は実施例1の定着装置におけるヒータと定着ローラとフィルムの温度変化を表す図 (a)は実施例2に係る画像形成装置における定着装置の記録材搬送方向上流側からの圧解除機構の正面図、(b)は圧解除機構の圧接状態のときのカムの側面図、(c)は圧解除機構の圧解除状態のときのカムの側面図 実施例2の画像形成装置におけるクリープ抑制制御シーケンスを表すフローチャート 図13に示すクリープ抑制制御シーケンスを実行するためのハード構成のブロック図 実施例3の画像形成装置におけるクリープ修復モードを表すフローチャート 図15に示すクリープ修復モードを実行するためのハード構成のブロック図 定着装置の他の概略構成を表す断面図(その1) 定着装置の他の概略構成を表す断面図(その2)
[実施例1]
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。本発明の好適な実施形態は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は以下の実施例により限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において種々の構成を他の公知の構成に置き換えることは可能である。
[実施例1]
(1)画像形成装置100
図1は電子写真記録技術を用いた画像形成装置(本実施例ではフルカラープリンタ)100の一例の概略構成を表す断面図である。
画像形成装置100において、記録材Pにトナー画像を形成する画像形成部101は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つの画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdを有する。各画像形成ステーションは、像担持体としての筒状の感光体1a,1b,1c,1dと、帯電部材2a,2b,2c,2dと、レーザスキャナ3a,3b,3c,3dと、現像器4a,4b,4c,4dを有する。更に各画像形成ステーションは、感光体をクリーニングするクリーナ5a,5b,5c,5dと、転写部材6a,6b,6c,6dを有する。更に各画像形成ステーションは、転写部材で感光体から転写したトナー画像を担持しつつ搬送するベルト7と、ベルトから記録材Pへトナー画像を転写する二次転写部材8などを有する。以上の画像形成部101の動作は周知であるので詳細な説明は割愛する。
カセット9に収納された記録材Pはローラ10の回転によって1枚ずつ繰り出される。その記録材Pはローラ11の回転によってベルト7と二次転写部材8とで形成された二次転写ニップ部に搬送される。二次転写ニップ部でトナー画像が転写された記録材Pは定着部(以下、定着装置と記す)102に送られ、トナー画像は定着部で記録材に加熱定着される。定着装置102を出た記録材Pはローラ12の回転によって排出部13に排出される。
(2)定着装置102
図2は定着装置102の概略構成を表す断面図である。図3は定着装置102の記録材搬送方向上流側からの概略構成を表す正面図である。図4(a)は定着装置102に用いるセラミックヒータ23の概略構成を表す断面図、図4(b)はセラミックヒータのフィルム非摺動面側からの平面図である。図5はセラミックヒータ23の通電制御系のブロック図である。
本実施例の定着装置102は、第一回転体たる加圧回転体としての筒状のフィルム51を有する加圧ユニット50と、フィルム51と定着ニップ部N1を形成する第二回転体たる定着回転体としての定着ローラ30を有する。フィルム51は熱可塑性樹脂を含む材料で筒状に形成されている。更に本実施例の定着装置102は、定着ローラ30と加熱ニップ部N2を形成する加熱手段としての加熱ユニット20を有する。加圧ユニット50、定着ローラ30及び加熱ユニット20は、何れも記録材搬送方向と直交する方向(以下、長手方向と記す)に長い部材である。
(2−1)定着ローラ30
定着ローラ30は、鉄、SUS、アルミニウム等の金属材料からなる芯金30Aを有する。この芯金30Aの長手方向両端部の軸部間の外周面上にはシリコーンゴムなどを主成分とする弾性層30Bが形成されており、この弾性層の外周面上にはPTFE、PFA又はFEPなどを主成分とする離型層30Cが形成されている。芯金30Aの長手方向両端部の軸部は定着装置102のフレームFに回転可能に支持されている。この芯金30Aの長手方向端部にはモータM1によって回転されるギアG1が固着されている。
(2−2)加熱ユニット10
加熱ユニット20は、セラミックヒータ(熱源)21と、筒状のフィルム(加熱部材)22と、フィルムガイド(支持部材)24を有する。
フィルムガイド24は、耐熱性材料を用いて横断面略凹字形状に形成されている。フィルムガイド24の定着ローラ30側の平坦面には長手方向に沿って溝24Aが形成してある。
セラミックヒータ(以下、ヒータと記す)21は、フィルムガイド24の溝24Aに支持されている。このヒータ21は、アルミナ、窒化アルミ等のセラミックを主成分とする薄板状の基板21Aを有する。基板21Aのフィルム摺動面側の基板面には、基板の長手方向に沿って銀、パラジウム等を主成分とした通電発熱抵抗体21Bと、通電発熱抵抗体と電気的に接続された導電部21Eと、導電部に通電するための電極21Fがパターン印刷されている。またその基板面には、ガラス又はフッ素樹脂、ポリイミド等の耐熱樹脂を主成分とする保護層21Cが通電発熱抵抗体21Bを覆うように形成してある。
一方、基板21Aのフィルム非摺動面側の基板面において、大サイズの記録材或いは小サイズの記録材をプリントする際にそれらの記録材が必ず通過する基板の長手方向中央又はその近傍の領域(通過領域(図3))にメインサーミスタ23Aを当接させている。このメインサーミスタ23Aによってヒータ21の通過領域の温度を検出している。また、小サイズの記録材をプリントする際或いは大サイズの記録材を基板の長手方向端部側に片寄せしてプリントする際にそれらの記録材が通過しない基板の長手方向端部側の非通過領域(図3))にサブサーミスタ(検出手段)23Bを当接させている。これらのサブサーミスタ23Bによってヒータ21の非通過領域の温度を検出している。
フィルム22は、フィルムの内周長がフィルムガイド24の外周長より所定長だけ長くなるように筒状に形成され、フィルムガイドに無張力にてルーズに外嵌されている。フィルム22の層構成として、ポリイミドを主成分とする無端帯状のフィルム基層の外周面を、PFAを主成分とする無端帯状の表面層により被覆するという二層構造が採用されている。
上記の加熱ユニット10は、定着ローラ30の図2における上方で定着ローラと並列に配置され、フィルムガイド24の長手方向両端部を定着装置102のフレームFに支持させている。そしてフィルムガイド24の長手方向両端部を加圧バネS1によって定着ローラ30の母線方向と直交する垂直方向へ付勢して、ヒータの保護層21Cとフィルムガイドの外表面でフィルム22を定着ローラの外周面(表面)に加圧状態に当接させている。これにより定着ローラ30の弾性層30Bをヒータの保護層21Cの外表面と対応する位置で潰して弾性変形させ、定着ローラ表面とフィルム22の外周面(表面)とで所定幅の加熱ニップ部N2を形成している。
(2−3)加圧ユニット50
加圧ユニット50は、フィルム51と、フィルムガイド(支持部材)52を有する。フィルムガイド52は、耐熱性材料を用いて横断面略凹字形状に形成されている。
フィルム51は、フィルムの内周長がフィルムガイド52の外周長より所定長だけ長くなるように筒状に形成され、フィルムガイド52に無張力にてルーズに外嵌されている。フィルム51の層構成として、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を主成分とする無端帯状のフィルム基層の外周面を、PFAを主成分とする無端帯状の表面層により被覆するという二層構造が採用されている。
上記の加圧ユニット50は定着ローラ30の図2における下方で定着ローラ30と並列に配置され、フィルムガイド52の長手方向両端部を定着装置102のフレームFに支持させている。そしてフィルムガイド52の長手方向両端部を加圧バネS2によって定着ローラ30の母線方向と直交する垂直方向へ付勢して、フィルムガイドの平坦面52Aでフィルム51を定着ローラ30表面に加圧状態に当接させている。これにより定着ローラ30の弾性層30Bをフィルムガイド52の平坦面と対応する位置で潰して弾性変形させ、定着ローラ表面とフィルム51の外周面(表面)とで所定幅の定着ニップ部N1を形成している。
(2−4)定着装置102の加熱定着処理動作
図2を参照して、定着装置102の加熱定着処理動作を説明する。CPUとROMやRAMなどのメモリからなる制御部(制御手段)103はプリント信号に応じてモータM1を回転駆動し、これによりモータは定着ローラ30を矢印方向に回転させる。この定着ローラ30の回転に追従して加圧ユニット50のフィルム51はフィルムの内周面(内面)がフィルムガイド52の平坦面52Aに摺動しながら矢印方向に回転する。また定着ローラ30の回転に追従して加熱ユニット20のフィルム22はフィルムの内周面(内面)がヒータ203の保護層21Cに摺動しながら矢印方向に回転する。
ヒータ21の電極21Fには商用電源41からトライアック40を介して給電され、これにより電極21Fは導電部21Eを通じて通電発熱抵抗体21Bに通電する。通電発熱抵抗体21Bは通電により発熱し、ヒータ21は急速に昇温して加熱ニップ部N2でフィルム16を介して定着ローラ30表面を加熱する。制御部103は、ヒータ21の温度をモニタするメインサーミスタ23Aの検出温度をA/D変換回路42を介して取り込む。そしてこの検出温度が定着温度(目標温度)を維持するようにトライアック40のON/OFFをコントロールしてヒータへ供給する通電量を制御する。
未定着トナー画像Tを担持する記録材Pは定着ニップ部N1で定着ローラ30表面とフィルム51の外周面(表面)とで挟持搬送されつつ定着ローラ表面の熱により加熱され、これにより未定着トナー画像は記録材上に定着される。トナー画像Tが定着された記録材Pが定着装置102から排出された後、所定条件を満たした後に制御部103はモータM1の回転駆動を停止する。また制御部103はトライアック40をOFFにしてヒータ21への給電を停止する。
(2−5)フィルム16,51に求められる耐熱性
ヒータ23の通電発熱抵抗体21Bへの通電によってフィルム16が加熱されると、その熱は加熱ニップ部N2において定着ローラ30へ伝達し、さらに加圧ニップ部N1で記録材P若しくはフィルム51へ伝達される。加圧ユニット50には熱源がなく、また、加圧ニップ部N1を通過する記録材Pによって熱が奪われていくため、プリント時のフィルム16とフィルム51の温度には定常的に差が存在する。よって、フィルム16とフィルム51に求められる耐熱性も異なり、通常プリント時に求められる耐熱性はフィルム16で200℃程度、フィルム51では120℃程度である。ただし、小サイズの記録材Pのプリント時にはヒータ23の通電発熱抵抗体21Bの構成上、記録材の通過しない非通過領域は熱が奪われないため昇温をしていき、大サイズの記録材Pのプリント時よりも局所的に60℃程度高い耐熱性を求められる。
(2−6)クリープ発生メカニズム
図6は結晶性樹脂の概念図である。図7は結晶性樹脂の弾性率温度依存性を表す概念図である。図8は結晶性樹脂の線膨張係数温度依存性を表す概念図である。
本実施例ではフィルム51の材料にPEEK樹脂を用いている。PEEKのガラス転移点Tgは約140℃、融点Tmは約350℃である。したがって、従来のようにプリントジョブの最終の記録材Pが排出されたタイミングから所定時間後にモータの回転駆動を停止する場合、フィルムと定着ローラが圧接された定着ニップ部N1内の温度がTg以上(ガラス転移点以上)になっている可能性がある。
PEEKのような結晶性樹脂は、図5に示すように、高分子が規則正しく配列する結晶部と、高分子が糸玉状になったり絡まったりして存在する非晶部と、が混在している。これによって明確なガラス転移点Tgと融点Tmが存在し、温度がTgを超えると非晶部の高分子鎖の動きが活発化するが、結晶部の高分子鎖は安定した状態を保つため剛性が低下しにくい(図7参照)。
しかしながら、図8に示すように熱膨張係数は非晶部の高分子鎖の動きが活発化する温度Tgを超えると大きく変化し始める。つまり、プリントジョブ終了後に定着ローラ30とフィルム51の温度がTg以上で圧接停止状態となったとき、停止直後のフィルム51と、時間が経過しTg以下となったフィルム51ではその体積が異なる。この体積変化がフィルム51と定着ローラ30の停止圧接状態で為されると、加圧ニップ部N1内でフィルム51が長手方向に縮もうとする力が働く一方で、定着ローラ30と圧接され形状を維持しようとする力が働く。そのため、フィルム51には部分的に縮んだような波打ち状の変形、つまりクリープが発生してしまう。
したがって、このクリープを発生させないためにはフィルム51の温度がTgより高い温度からTgより低い温度になる過程でフィルム51に長時間ストレスを与えないことが必要である。具体的には、フィルム51の温度が低下していく過程で、PEEKの熱膨張係数が大きく変化するTg以下になるまではフィルム51を回転させたままにしておき、Tgより低い温度になった時点でフィルム51の回転を停止をする。
フィルム51において、クリープが発生するのはフィルムの周方向における定着ニップ部N1のみであり、それ以外の部分はストレスのかかっていないフリー状態であるためクリープは発生しない。よって、フィルム51を回転させることによって、ストレスがかかっている定着ニップ部N1での滞留時間を抑制することがクリープ抑制に有効である。フィルム51の温度低下による体積変化はTg前後で大きいものの、瞬間的に変化するのではなくフィルム51の温度変化とともに徐々に変化していく。よって、フィルム51にストレスのかかっている時間(定着ニップ部N1での滞留時間)を短縮することでクリープの発生を抑制することが可能となる。
(2−7)フィルム51のクリープ発生の抑制効果の確認
実際に、本実施例の定着装置102を搭載した画像形成装置100を用いてフィルム51のクリープ発生の抑制効果の確認を行った。フィルム51の層構成は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を主成分とするフィルム基層の外周面に、PFAを主成分とする表面層を被覆するという二層構造である。また、画像形成装置のプロセススピードは150mm/秒であり、定着温度はヒータ21の温度で180℃に設定してある。加熱ユニット20と加圧ユニット50の定着ローラ30への加圧力は各98N(10kgf)で、両ユニットが定着ローラと形成する加熱ニップ部N2の幅と定着ニップ部N1の幅はそれぞれ6mmとなるように設定してある。
このような構成の定着装置の定着ニップ部N1にトナー画像を担持する記録材を連続して通過させて加熱定着処理を終了し、次に定着ローラを定着後回転させて停止させた後にフィルム51の温度が確実にTgより低くなった状態でクリープ発生の有無を確認した。記録材として、日本製紙(株)製のB5サイズ普通紙(CS−680)を使用した。
フィルム51のクリープ発生を抑制するため、制御部103のメモリには図9に示すようなクリープ抑制制御シーケンスが記憶されている。
図9は本実施例の画像形成装置100におけるクリープ抑制制御シーケンスを表すフローチャートである。図10は図9に示すクリープ抑制制御シーケンスを実行するためのハード構成のブロック図である。
制御部103は、プリントジョブの最終記録材Pが定着装置102から排出されたことをセンサ(不図示)で検知したときの画像形成終了時(S101)からモータM1の回転駆動を継続して定着ローラ30の定着後回転を開始する(S102)。つまり、定着ローラ30に対し、上述の加熱定着処理動作における定着通常回転に引き続き、定着後回転を開始する。
次に、定着後回転開始から所定時間後に、サブサーミスタ23Bが検出したヒータ21の温度を取り込み(S103)、そのヒータ温度から定着ローラ30温度を算出する(S104)。
本実施例では、定着温度を制御するために用いられるサーミスタ検出温度を利用し、予め実験的に求めた換算方法によって定着ローラ30温度を算出している。例えば定着後回転開始から3秒後の定着ローラ30の温度を算出する場合、ヒータ21温度より30℃低い温度としている。
定着装置102の暖まり具合によってヒータ21、定着ローラ30の温度低下速度は異なる。プリント枚数が少なく定着ローラ30が熱を蓄えていなければ温度低下が早く、プリント枚数が大量であり定着ローラ30が多くの熱を蓄えている場合は温度低下が遅くなるからである。定着ローラ30は熱容量が比較的大きく上述した温度低下速度が定着装置102の暖まり具合によって大きく異なるが、ヒータ21は低熱容量であるため大きな差は生まれない。
よって、プリント枚数が大量であり定着ローラ30が多くの熱を蓄えている、つまり定着後回転開始から3秒後のヒータ21と定着ローラ30の温度差が小さい状態を想定して換算方法を決めている。こうしておけば、定着装置102の暖まり具合がどのような状態においても、ヒータ21温度を基準として定着ローラ30の回転停止を判断しても、そのときの定着ローラの温度はTgを上回ることはない。プリント枚数が大量であり定着ローラ30が多くの熱を蓄えている状況でヒータ21と定着ローラ30の温度差を実験的に求めた値が30℃である。
次に、この算出された定着ローラ30の温度Trがフィルム51のガラス転移点Tg以上(Tr≧Tg)であるか否かを判断する(S105)。
S104では、ヒータ温度から定着ローラ30温度Trを算出しているが、予め実験的に求めた換算方法によってフィルム51の温度Trを算出するようにしてもよい。そしてS105においてこの算出されたフィルム51の温度TrがフィルムのTg以上(Tr≧Tg)であるか否かを判断するようにしてもよい。この場合、フィルム51温度は定着ローラ30温度より15℃低い温度とする。ヒータ21温度からだと45℃低い温度となる。
本実施例で用いているフィルム51のTgは140℃である。このTgは、示差走査熱量測定(DSC)によって求められる。DSCは試料及び基準物質で構成される試料部の温度を変化させながら、その試料と基準物質で構成される試料部の温度が等しくなるように、両者に加えた単位時間当たりの熱エネルギーの入力差を温度の関数として測定する方法である。温度変化のグラフに現れる変曲点からガラス転移点を定義することができる。
また、本実施例における定着装置102の構成では定着ローラ30の方がフィルム51よりも高い温度となる。よって、定着ローラ30の回転停止の判断条件として定着ローラ30の温度を用いている。
本実施例によるクリープ抑制制御シーケンスにおいては、定着ローラの温度Trがフィルム51のTgである140℃以上となったときが定着ローラ30の回転を停止する判断基準となる。そのTgをサブサーミスタ23Bが検出するヒータの温度に換算すると170℃となる。
定着ローラ30温度TrがTg140℃以上であるとき(S105のYes)S103に戻り、定着ローラ温度TrがTg140℃より低くなるまで定着後回転を続ける。定着ローラ30温度TrがTg140℃よりも低くなったとき(S105のNo)モータM1の回転駆動を停止して、定着ローラ30の定着後回転を終了する(S106)。
その後プリント信号を受信すると(S107のYes)、画像形成部101による画像形成を開始する(S108)。
次に、比較例の画像形成装置におけるクリープ抑制制御シーケンスを説明する。比較例の画像形成装置における定着装置の構成は本実施例の定着装置102と同じである。比較例のクリープ抑制制御シーケンスでは、定着ローラ30の定着後回転を停止する停止条件を、プリントジョブの最終記録材Pが定着装置102から排出されたことをセンサ(不図示)で検知したときの画像形成終了時から3秒後としている。
図11は本実施例と比較例の定着装置においてクリープ抑制制御シーケンスを実行した際にサブサーミスタ23Bが検出したヒータ21温度と、温度センサを用いて定着ローラ30とフィルム51の温度を測定した結果を表わす図である。図11(a)に比較例の定着装置102におけるヒータ21と定着ローラ30とフィルム51の温度変化を示している。図11(b)に本実施例の定着装置102におけるヒータ21と定着ローラ30とフィルム51の温度変化を示している。
定着ローラ30と加圧フィルム51の温度はヒータ21温度からの換算値ではなく定着ニップN1部直前の各部材温度を温度センサで測定した実測の値である。図11(a)と図11(b)におて、一点鎖線で表している定着回転動作を停止した後の定着ローラ30とフィルム51の温度は、定着ニップ部N1内の温度を想定して追記した温度であり、実測した値ではない。
非通過領域のヒータ21温度は定着ニップ部N1に記録材Pを連続して通過させることによって200℃以上に上昇する。また、ヒータ21の非通過領域と対応する定着ローラ30とフィルム51の非通過領域の温度は先行の記録材Pが定着ニップ部N1を通過する間(紙中)で上昇していく。一方で、先行の記録材Pの後に続く後続の記録材Pが定着ニップ部N1から排出される(紙間)と同時に定着ローラ30とフィルム51の非通過領域と通過領域との熱拡散や放熱が起こり、温度が低下していく。プリントジョブの最終記録材Pが定着装置102から排出されるとヒータ21の通電発熱抵抗体21Bへの通電が止まり、ヒータが温度低下していくとともに、定着ローラ30やフィルム51の温度も徐々に低下していく。
図11(a)に示す比較例のように、記録材P排出から3秒後に定着ローラ30の定着後回転を停止させた場合、定着ローラの温度はTgを超える温度であった。定着ニップ部N1では定着ローラ30の温度が上昇する一方、フィルム51の温度も定着ローラの温度に引っ張られて上昇しTgを超える可能性がある。
一方、図11(b)に示す本実施例のように、ヒータ21の温度が170℃まで低下するまで定着ローラ30の定着後回転を停止させなかった場合は、定着ローラの温度がTg以下になっていることが確認された。定着ローラ30がTg以下になっていればフィルム51の温度がTg以上になることはない。
実際に、比較例ではフィルム51の定着ニップ部N1の位置に停止圧接されていた部分にクリープが発生していた。これに対し、本実施例のように記録材P排紙後の定着ローラ30の定着後回転を延長した場合にはフィルム51の定着ニップ部N1の位置にクリープの発生はなかった。
また、これらのフィルム51を用いて画像確認を行ったところ、比較例でクリープが発生したフィルムではフィルム1回転の回転周期で定着ムラが発生した。これはフィルム51のクリープが発生した凸凹に記録材Pが十分に追従しきれずに微細な空間が発生し、定着ローラ30からの熱伝達が十分に行われなかったため定着不良が生じたためである。一方、本実施例でクリープ発生の効果確認試験を行ったフィルム51では画像不良は発生しなかった。
以上説明したように、本実施例の画像形成装置100は、定着装置102の定着ローラ30とフィルム51の回転を停止する時点で、定着ローラとフィルムの少なくとも一方の温度がフィルム材料のTg以上であった場合、定着ローラとフィルムの回転を継続する。そしてこの定着ローラとフィルムの回転継続中に上記温度が低下していく過程でフィルム材料の熱膨張係数の変化が少なくなるTgより低い温度になってから定着ローラとフィルムの回転を停止する。これによりフィルム温度がTg以上である状態でフィルム51にストレスのかかる時間(定着ニップN1での滞留時間)を短縮できるため、フィルムに発生するクリープを抑制することが可能となる。これにより記録材Pに形成されたトナー画像Tの良好な加熱定着処理(定着処理)を維持できる。
本実施例では定着ローラ30とフィルム51の温度をヒータ21温度から規定温度を差し引くことで推測しているが、定着装置102の暖まり具合をプリント枚数などから判断する暖気カウンタを用いてより精細に換算しても良い。或いは定着装置102のヒータ21以外の部材の温度から定着ローラ30とフィルム51の温度を推測しても良い。或いは定着ニップ部N1の温度から定着ローラ30とフィルム51の温度を推測しても良い。
本実施例ではフィルム51材料としてPEEKを用いているが、同じ熱可塑性樹脂であるPEK、PEKEKK、TPI、PEI、PPSU、PESUなどを定着温度に合わせて使用することができる。ここで、PEKはポリエーテルケトン、PEKEKKはポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、TPIは熱可塑性ポリイミド、PEIはポリエーテルイミド、PPSUはポリフェニルサルフォン、PESUはポリエーテルサルホンである。
[実施例2]
画像形成装置の他の例を説明する。本実施例では実施例1の画像形成装置100と同じ部分・部材には同じ符号を付している。
本実施例の画像形成装置100は、定着装置102の定着ローラ30とフィルム51の少なくとも一方の温度がTg以上であった場合、定着ローラとフィルムの圧接状態を解除することによってフィルムのクリープ発生を抑制するようになっている。
実施例1で述べたように、フィルム51にクリープを発生させないためにはフィルムの温度がTgより高い温度からTgより低い温度になる過程で長時間ストレスを与えないことが必要である。そこで、フィルム51温度がTgより高い温度からTgより低い温度になる過程で定着ローラ30とフィルム51の圧接を解除することによって、定着ニップ部N1でフィルムにかかるストレスを軽減できる。これによりフィルム51にクリープが発生するのを抑制できる。
実際に、本実施例の定着装置102を搭載した画像形成装置100を用いてフィルム51のクリープ発生の抑制効果の確認を行った。
本実施例の定着装置102は、圧解除機構(圧解除手段)60を有する。そして制御部101によって所定の条件で圧解除機構60を動作させることにより、定着ローラ30と加圧ユニット50を圧接する圧接状態と、定着ローラ30と加圧ユニット50の圧接を軽減する圧解除状態に切り替えるようになっている。また、圧解除機構60以外の、画像形成部101及び定着装置102の構成、フィルム51の層構成は実施例1と同じである。
図12は圧解除機構60の一例の説明図である。図12(a)は定着装置102の記録材搬送方向上流側からの圧解除機構60の正面図である。図12(b)は圧解除機構60が加圧ユニット50を定着ローラ30に加圧した圧接状態のときのカム61の側面図である。図12(c)は圧解除機構60が加圧ユニット50の定着ローラ30に対する加圧を軽減した圧解除状態のときのカム61の側面図である。
圧解除機構60は一対の円盤状のカム61を有する。これらのカム61は、カムの外周面(表面)に少なくとも曲率半径の異なる2つのカム面61a,61bを有し、カムの偏芯位置でカム軸62によって連結されている。カム軸62はカム軸の長手方向両端部がフレームFに支持され、これによりカム61の外周面(表面)はフィルムガイド52の長手方向両端部に配設された加圧バネS2を加圧するための可動部材63に圧接されている。カム軸62の長手方向端部にはモータM2によって回転されるギアG2が固着されている。
カム61は、図12(b)に示すように、カム軸62の回転に伴いカムの大径部のカム面61aで可動部材63を加圧し加圧バネS2を収縮させる。これにより加圧ユニット50は定着ローラ30を加圧して定着ニップ部N1を圧接状態にする。またカム61は、図12(c)に示すように、カム軸62の回転に伴いカムの小径部のカム面61bに可動部材61を当接させて加圧バネS2を伸張させる。これにより加圧ユニット50は定着ローラ30に対する加圧力を軽減して定着ニップ部N1を圧解除状態にする。
本実施例の画像形成装置100によるフィルム51のクリープ発生の抑制効果の確認では、定着ローラ30の温度がTg以上となるように定着装置の定着ニップ部N1にトナー画像を担持する記録材を連続して通過させている。記録材として、日本製紙(株)製のB5サイズ普通紙(CS−680)を使用した。
フィルム51のクリープ発生を抑制するため、制御部103のメモリには図13に示すようなクリープ抑制制御シーケンスが記憶されている。
図13は本実施例の画像形成装置100におけるクリープ抑制制御シーケンスを表すフローチャートである。図14は図13に示すクリープ抑制制御シーケンスを実行するためのハード構成のブロック図である。
図13において、S201乃至S204は図9のS101乃至S104と同じであるため、S201乃至S204の説明は省略する。また、S206乃至S208は図9のS106乃至S108と同じであるため、S206乃至S208の説明は省略する。
S205では、算出された定着ローラ30の温度がフィルム51のガラス転移点Tg以上であるか否かを判断する。本実施例においても実施例1と同様、定着ローラ30の温度が判断基準になる。よって、定着ローラ30の温度がTg以上であるとき(Yes)圧解除機構60によって定着ニップ部N1を圧解除状態とし(S209)、モータM1の回転駆動を停止して定着ローラ30の定着後回転を終了する(S210)。
定着ニップ部N1が圧解除状態にある期間に次のプリント信号を受信した場合(S211のYes)は、定着ニップ部N1を圧接状態にし(S215)、画像形成を開始する(S208)。定着ニップ部が圧解除状態にある期間に次のプリント信号を受信しなかった場合は(S211のNo)、サブサーミスタ23Bが検出したヒータ21の温度を所定時間毎に取り込む(S212)。そしてそのヒータ温度から定着ローラ30の温度Trを算出する(S213)。
S214では、算出された定着ローラ温度Trがフィルム51のガラス転移点Tg以上か否かを判断する。定着ローラ30の温度がTgより低ければ(No)、定着ニップ部N1を圧接状態にし(S215)、画像形成を開始する(S208)。定着ローラ温度TrがTgより低くなる前に画像形成装置の電源がオフにされた場合つまり定着ローラ温度TrがTg以上であるとき(Yes)S211に戻る。そして次のプリント信号を受信し(S211のYes)定着前回転の開始直前に定着ニップ部N1を圧接状態に戻すようにする。
この一連の動作を実施した結果、フィルム51にはクリープ発生はなく、また、フィルム51をそのまま用いて日本製紙(株)製のA4サイズ普通紙(CS−680)で画像確認をした結果も画像不良は発生しなかった。
以上説明したように、本実施例の画像形成装置100は、定着装置102の定着ローラ30とフィルム51の回転を停止する時点で、定着ローラとフィルムの少なくとも一方の温度がフィルム材料のTg以上であった場合、次のような処理を行う。つまり、定着ローラ30とフィルム51の圧接を軽減する圧解除状態とした上でフィルムの回転を停止する。これによりフィルム51の定着ニップ部N1でのストレスが軽減され、フィルムの定着後回転動作を比較例よりも延長することなくフィルムのクリープの発生を抑制できる。つまり、定着装置102の消耗を最小限に抑えながらフィルム51に発生するクリープを抑制することが可能となる。これにより記録材Pに形成されたトナー画像Tの良好な加熱定着処理(定着処理)を維持できる。
[実施例3]
画像形成装置の他の例を説明する。本実施例では実施例1の画像形成装置100と同じ部分・部材には同じ符号を付している。
実施例1、2の画像形成装置100においては、制御部103がモータM1の回転駆動を停止することによって定着ローラ30は回転を停止する場合について説明した。しかしながら、定着ローラ30の回転は停電や電源ケーブルの脱落など外乱によって停止する場合がある。このような場合、実施例1、2で記載した定着ローラ30の定着後回転動作は行われず、フィルム51と定着ローラ30は定着ニップ部N1内の温度がTg以上で圧接停止状態になる可能性がある。この圧接停止状態から定着ニップ部N1が冷却されると、フィルム51の定着ニップ部N1に保持されている部分のクリープ発生を回避することは困難である。
本実施例では、万が一、外乱によってフィルム51にクリープが発生したとしても、それを修復するためのモードを有する画像形成装置100を説明する。
制御部103のメモリには、ユーザーの選択によって、若しくは外乱によって強制的に画像形成装置100の電源スイッチ(メイン電源スイッチ)45が切られた場合自動的に選択されるクリープ修復モード(モード)が記憶されている。このクリープ修復モードは、具体的には、定着ローラ30とフィルム51が圧接され回転している状態でフィルム51温度をTg以上に加熱し修復するモードである。
前述したようにフィルム51はTg以上に加熱されることで非晶部の高分子鎖の動きが活発になり熱膨張係数が変化する。よって、強制的にフィルム51をTg以上にすることで長手全域にわたってフィルムを膨張させ、収縮むらで発生したフィルム51のクリープを回転しながら押し広げる。そして、所定時間の加熱回転の後にヒータ21からの加熱を停止させ、定着ローラ30若しくはフィルム51の温度がTgより低くなった時点でフィルム51の回転を停止させる。これによって強制的に押し広げられたフィルム51が再びクリープになることなく冷却された状態に戻る。
図15は本実施例の画像形成装置100におけるクリープ修復モードを表すフローチャートである。図16は図15に示すクリープ修復モードを実行するためのハード構成のブロック図である。
制御部103は、図16に示される電源スイッチ25からの電源オフ信号に応じてクリープ修復モード(以下、修復モードと記す)を選択して開始する(S301)。
S302では、モータM1を回転駆動して定着ローラ30の回転を開始すると同時にヒータ21への通電によってフィルム22、定着ローラ30、フィルム51を加熱する。ここでは、フィルム51の温度が180℃になるようにヒータ21の温度を設定している。
S303では、定着ローラ30を30秒回転させた後、定着ローラ30の回転を停止すると同時にヒータ21への通電を終了する。
S304では、S301乃至S303の一連の処理を終了する。
実際に、本実施例の画像形成装置100を用いてフィルム51のクリープ修復の効果確認を行った。画像形成部101及び定着装置102の構成、フィルム51の層構成は実施例1と同じである。
本実施例の画像形成装置において、クリープが発生しているフィルムを用いてそのまま画像確認をした結果と、クリープ修復モードを経たフィルムを用いて画像確認をした結果を比較した。
クリープが発生しているフィルムは、次のようにして作成したものである。即ち、定着ニップ部N1にトナー画像が形成された記録材を連続して通過させ、フィルム51の温度がTg以上になったところで画像形成装置の電源スイッチを強制的にオフにして画像形成装置の動作を停止した。そしてそのフィルム51をフィルムの温度がTgより低くなるまで放置した。記録材として、日本製紙(株)製のB5サイズ普通紙(CS−680)を使用した。よって、フィルム51でクリープが発生している領域は、フィルム周方向で定着ニップ部N1の幅6mmにほぼ等しく、長手方向ではB5サイズの記録材が通過しない端部の非通過領域である。
このフィルム51をそのまま用いて記録材としての日本製紙(株)製のA4サイズ普通紙(CS−680)で画像確認をした結果、B5サイズの記録材が通過しない端部の非通過領域においてフィルム1回転の回転周期で定着不良が生じた。一方、クリープ修復モードを用いた場合、外観としてのクリープは修復され、かつ画像不良も発生しなかった。
以上説明したように、本実施例の画像形成装置100は、定着装置102の定着ローラ30とフィルム51が回転された状態でフィルム51温度をTg以上に加熱することにより、収縮むらで発生したフィルム51のクリープを押し広げる。そして定着ローラ30とフィルム51をTgより低い温度になるまで回転させたのちに停止させる。これにより強制的に押し広げられたフィルム51が再びクリープになることなく冷却され、フィルム51に発生したクリープを修復することが可能となる。これにより記録材Pに形成されたトナー画像Tの良好な加熱定着処理(定着処理)を維持できる。
[他の実施例]
図17は定着装置102の他の概略構成を表す断面図である。実施例1の定着装置102に代えて、図17に示すようなフィルム加熱式の定着装置を用いてもよい。図17に示す定着装置102は、加熱ユニット20と、定着ローラ30と同じ構成の加圧ローラ70と、を有する。加圧ローラ70において、70Aは芯金、70Bは弾性層、70Cは離型層である。
上記定着装置102に対し制御部103で実施例1のクリープ抑制制御シーケンスを実行することによって実施例1の画像形成装置と同じ作用効果を得ることができる。この場合、第一回転体をフィルム22、第二回転体を加圧ローラ70としても良く、加圧ローラの定着後回転を停止させる条件は温度が高いフィルム22の温度を基準とする。
また、上記定着装置102の加熱ユニット20に実施例2の圧解除機構60を具備させ、制御部103で実施例2のクリープ抑制制御シーケンスを実行して定着ニップ部N1を圧解除状態とすることで実施例2の画像形成装置と同じ作用効果を得ることができる。この場合、第一回転体をフィルム22、第二回転体を加圧ローラ70としても良く、加圧ローラの定着後回転を停止させる条件は温度が高いフィルム22の温度を基準とする。
また、上記定着装置102に実施例3のクリープ修復モードを適用することによって実施例3の画像形成装置と同じ作用効果を得ることができる。
図18は定着装置102の他の概略構成を表す断面図である。実施例1の定着装置102に代えて、図18に示すようなローラ加熱式の定着装置を用いてもよい。図18に示す定着装置102は、定着ローラ30と、セラミックヒータ(加熱手段)21と、ヒータホルダ25と、メインサーミスタ23Aと、サブサーミスタ23Bと、加圧ユニット50などを有する。定着ローラ30は、定着ローラ表面がヒータホルダ25に支持されたセラミックヒータによって加熱される。
上記定着装置に対し制御部103で実施例1のクリープ抑制制御シーケンスを適用することによって実施例1の画像形成装置と同じ作用効果を得ることができる。この場合、第一回転体を加圧ユニット50のフィルム51、第二回転体を定着ローラ30としても良く、定着ローラの定着後回転を停止させる条件は温度が高い定着ローラの温度を基準とする。
また、上記定着装置102の加圧ユニット50に実施例2の圧解除機構60を具備させ、制御部103で実施例2のクリープ抑制制御シーケンスを実行して定着ニップ部N1を圧解除状態とすることで実施例2の画像形成装置と同じ作用効果を得ることができる。この場合も、第一回転体を加圧ユニット50のフィルム51、第二回転体を定着ローラ30としても良く、定着ローラの定着後回転を停止させる条件は温度が高い定着ローラの温度を基準とする。
また、上記定着装置102に実施例3のクリープ修復モードを適用することによって実施例3の画像形成装置と同じ作用効果を得ることができる。
21:セラミックヒータ、30:定着ローラ、51:筒状のフィルム、60:圧解除機構、70:加圧ローラ、101:画像形成部、102:定着部、103:制御部、P:記録材、T:未定着トナー画像

Claims (5)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成部と、
    記録材に形成された画像を定着する定着部であって、熱可塑性樹脂を含む材料で形成された第一回転体と、前記第一回転体と圧接してニップ部を形成する第二回転体と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持しつつ加熱して画像を記録材に定着する定着部と、
    前記第一回転体若しくは前記第二回転体の回転を制御する制御手段と、
    を有する画像形成装置において、
    前記第一回転体若しくは前記第二回転体の回転を停止する時点で、前記第一回転体若しくは前記第二回転体の少なくとも一方の温度が前記第一回転体のガラス転移点以上の場合、前記温度が前記第一回転体のガラス転移点よりも低い温度になってから停止させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 記録材に画像を形成する画像形成部と、
    記録材に形成された画像を定着する定着部であって、熱可塑性樹脂を含む材料で形成された第一回転体と、前記第一回転体と圧接してニップ部を形成する第二回転体と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持しつつ加熱して画像を記録材に定着する定着部と、
    前記第一回転体と前記第二回転体の圧接を軽減する圧解除手段と、
    前記第一回転体若しくは前記第二回転体を制御すると共に前記圧解除手段を制御する制御手段と、
    を有する画像形成装置において、
    前記第一回転体若しくは前記第二回転体の回転を停止する時点で、前記第一回転体若しくは前記第二回転体の少なくとも一方の温度が前記第一回転体のガラス転移点以上の場合、前記圧解除手段で前記第一回転体と前記第二回転体の圧接を軽減する圧解除状態にした上で回転を停止させることを特徴とする画像形成装置。
  3. 記録材に画像を形成する画像形成部と、
    記録材に形成された画像を定着する定着部であって、熱可塑性樹脂を含む材料で形成された第一回転体と、前記第一回転体と圧接してニップ部を形成する第二回転体と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持しつつ加熱して画像を記録材に定着する定着部と、
    前記第一回転体若しくは前記第二回転体の回転を制御する制御手段と、
    を有する画像形成装置において、
    前記第一回転体と前記第二回転体が回転された状態で前記第一回転体を前記第一回転体のガラス転移点以上になるように加熱するモードを有し、前記モードはユーザーの選択によって、若しくは外乱によって強制的に前記画像形成装置の電源が切られた場合自動的に選択されるモードであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記第一回転体若しくは前記第二回転体の温度を検出する検出手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記第一回転体が筒状のフィルムであり、前記第二回転体がローラであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置。
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