JP2014214405A - ポリカプラミドフィラメントの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、銅化合物を含有する高耐熱性で、高強度且つ高タフネス、高品位なポリカプラミドフィラメントを従来より安定して得るための製造方法の提供を課題とする。
【解決手段】 本発明の製造方法は、硫酸相対粘度が高いポリカプラミドを溶融紡糸してフィラメントを製造する際に、耐熱剤として銅化合物を添加し、且つ溶融前のポリカプラミド中のポリマ水分率を0.04〜0.11重量%の範囲に予め調整し、5.0〜6.0倍の延伸倍率で延伸する工程を含むポリカプラミドフィラメントの製造方法であり、従来より極めて優れた紡糸の安定性を特徴とするものである。本発明の製造方法で得られるフィラメントは、高強度・高タフネスで、毛羽の少ない高品位品であり、乗用車用または自転車用のラジアルタイヤの補強材として有用されているポリカプラミドコ−ド用繊維を中心に好適に使用される。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱剤を含むポリカプラミドフィラメントの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、特に乗用車用または自転車用のラジアルタイヤの補強材として有用されている高強度なポリカプラミドコ−ド用繊維を製造するに際し、耐熱性が高く、高品質で、また毛羽の少ないポリカプラミドフィラメントをより安定的に生産可能とする製造方法を提供するものである。
ポリアミド繊維の製造方法およびチップ水分率を特定範囲に調整し特定の繊維物性を得る方法として、以下の特許文献1、2、3、4が開示されている。また、ポリカプラミドとポリヘキサメチレンアジパミドの熱分解性に関し、以下の非特許文献1が開示されている。
特許文献1にはポリアミドを紡糸するにあたり、ポリアミドメルトまたはチップ中の水分量を、溶融温度域での飽和水蒸気雰囲気下で収容できる水分量以上、紡糸口金から吐出されたポリアミドメルトの冷却固化点温度領域での飽和水蒸気雰囲気下で収容しうる水分量以下にあらかじめ調整すること、具体的には、1400〜5000ppmの間に水分率を調整することで、溶融時に充分な可塑化効果によってポリアミドメルトの伸張粘度低下を発現させ、且つポリマーの冷却固化点を低下させることで、従来より10〜20℃低い紡糸温度で紡糸可能であり、且つ安定な紡糸が出来る技術が開示されている。なお、特許文献1は、従来の技術としてポリアミド原糸の構造が水分により著しく変化することは周知の事実であり、水分は原糸特性を決定する重要な因子である、にも関わらず、単に平衡反応に基づく分解の点から“少ない方がいいだろう”といった漠然たる議論しかなく、ほとんどの文献で水分率を限定または記述したものが無いことを説明した上で、同文献記載の技術は、従来の技術よりかなり高い領域での水分量を限定することによる紡糸工程の省エネおよび紡糸安定性の向上を特徴とするものである旨記載されている。
特許文献2には、未乾燥の湿潤ポリアミドチップの溶融紡糸方法の開示がある。製造時の低エネルギー化と高品位の繊維が得られる技術として、溶融温度での平衡水分率以上の水分を含有する湿潤ポリアミドチップを押出溶融する技術が開示されており、実施例では具体的なチップ水分率は0.2〜0.5重量%であるとしている。
特許文献3では、溶融前のポリマ水分率を0.1〜0.3重量%に調整して溶融紡糸する方法が開示されており、これは水分が多く存在することによって溶融時の流動性を向上させ、設備負担の軽減やエネルギーのコストダウン、更に品質の精度を向上させる技術の記載がある。
また、特許文献4でも、ポリマの溶融前に水を添加して溶融後のポリマ粘度を大きく低下させ、高速紡糸での安定性やパッケージ形状を向上し、高い伸度特性を有する繊維を得る技術の開示がされている。
非特許文献1には、ポリヘキサメチレンアジパミドが他のポリアミドに比べ最も熱劣化および三次元化(ゲル化)しやすいことが示されており、その比較としてポリカプラミドが挙げられている。このことは熱劣化機構が異なるためとあるが、複雑であり完全には解明されていない。具体的には、ポリカプラミドに比べてポリヘキサメチレンアジパミドは加熱時の固有粘度変化が非常に大きく、特に高温下で顕著であり、これらは同じポリアミドでありながら熱分解(劣化)反応の差があることを示している。
特開平6−240513号公報 特公昭49−23825号公報 特開昭55−26269号公報 特開昭61−296116号公報
ポリアミド樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社;1988)
高強度のポリカプラミドフィラメントを得るためには、ポリマ粘度を高く、且つ延伸倍率を高くする必要があるが、高粘度のポリマは剛直であるため高倍率付近では延伸性が阻害され、機械的に無理に延伸すると、分子鎖の切断を多く引き起こして糸切れとなり、生産性が低下することになる。また、耐熱効果の優れた銅を含む耐熱剤は一般的に溶融時のポリマとの相溶性が低いため、延伸性を阻害する要因の一つとなるが、特に高粘度ポリマ中の耐熱剤は流動性が失われるため、溶融時に異常滞留し過剰な熱によって耐熱剤自体が熱分解し、その熱分解物が製糸時の糸切れという生産性の低さや毛羽増加といった品位悪化につながるという困難があった。
しかしながら、特許文献1に記載されたように高いポリマ水分率のポリアミドを溶融する場合には、溶融時に水分が多く存在することによる分子量低下が大きく、本発明で意図するタイヤコード用途で必要となるような高強度や高タフネスを得ることが出来ない。また、溶融時の水分蒸発によりポリアミドメルト中に気泡が多数発生し、エクストルーダーでの安定的な押し込みや熱伝導の均一性を阻害し、吐出ムラまたはフィラメントの繊度ムラを招くことが予想される。また、特許文献1には、ポリアミドに銅化合物やメルカプトベンゾイミダゾールなどの耐熱剤を添加し得ることが開示されているものの、銅化合物を含む高強度ポリカプラミドフィラメントを製造する際に発生する溶融紡糸時の銅化合物の不安定性や副生成物による紡糸性の阻害等生産性の問題について何ら開示されておらず、同文献記載の方法で高強度のポリカプラミドフィラメントを製造しようとしても生産性に問題があった。
特許文献2、特許文献3並びに特許文献4の何れにも溶融前のポリマ水分率を高く調整して溶融紡糸する方法が挙げられており、具体的には、特許文献2では溶融温度での平衡水分以上で具体的には0.2〜0.5重量%であり、特許文献3では0.1〜0.3重量%の範囲とあり、特許文献4では0.15重量%以上とあるが、前述したとおり、これらの範囲の高水分率では、タイヤコード用途などの産業用繊維で必要となる強度及びタフネスが大きく低下するため、ポテンシャルの低いフィラメントしか得られない。また、それらの高いポリマ水分率で高強度としての物性を得るためには、ポリマ重合度を予め通常使用範囲よりも高くしておく必要があり、ポリマ製造時およびフィラメント製造時のエネルギー負荷が大きい。
さらに特許文献2、特許文献3には、溶融吐出部分の雰囲気に水蒸気ガスを吹き込み、水蒸気分圧を雰囲気の全圧に等しくすることで、フィラメントの結晶化ムラを抑制する、ポリアミドメルトの粘度を安定させる、の両効果により、製品の品質ムラや糸切れ改善に効果が発揮されるとあるが、高強力フィラメントを得る際の高速紡糸工程での水蒸気の流量管理や、そのエネルギーコストは負担の大きいものになると予想される。非特許文献1には、前述のとおりポリヘキサメチレンアジパミドが他のポリアミドに比べ最も熱劣化および三次元化(ゲル化)しやすいことが示されており、その比較としてポリカプラミドが挙げられている。このことは熱劣化機構が異なるためとあるが、複雑であり完全には解明されていない。具体的には、ポリカプラミドに比べてポリヘキサメチレンアジパミドは加熱時の固有粘度変化が非常に大きく、特に高温下で顕著であり、これらは同じポリアミドでありながら熱分解(劣化)反応の差があることを示している。
一般的には、ポリヘキサメチレンアジパミドの溶融時のゲル化を防止する方法として、溶融前のポリマに若干の水分を含ませる方法が知られているが、上記のとおりポリカプラミドにはそのようなゲル化が起こりにくいことから、むしろ溶融時の粘度低下によって強度確保が困難になることを避けるため、溶融前のポリマ水分率を極端にまで下げるよう乾燥する製造方法が用いられてきた。
本発明の課題は、上記問題を鑑み、紡糸安定性の非常に優れたポリカプラミドフィラメントの製造方法、及びそれから得られる高強度で毛羽品位の優れたポリカプラミドフィラメントを提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリカプラミドフィラメント、特に耐熱剤として銅化合物を添加した高強度なポリカプラミドフィラメントの紡糸課程における水分の作用について、溶融時の流動粘度特性、重合/分解特性などを科学的に捉え、且つ実際の紡糸実験によって鋭意検討した結果、比較的粘度の高いポリカプラミドポリマに対し溶融前の水分率を調整してから紡糸することで、従来より極めて安定的に紡糸することが可能となり、且つ毛羽の極端に少ない高品位なポリカプラミドフィラメントが得られることを見いだした。
本発明により、ハロゲン化銅による高い耐熱性が付与され、且つ延伸によって得られた最終的な強力が8.0〜10.5cN/dtexと高強度で、且つタフネスが38以上と高タフネスでありながら、毛羽が15コ/10000m以下と高品位なポリカプラミドフィラメントであってもより安定的に製造する方法を提供できる。
特に本発明の高強度なポリカプラミドフィラメントの製造方法は、下記(A)〜(C)の工程を採用することにより、乗用車用または自転車用のラジアルタイヤの補強材として有用されている高強力なポリカプラミドコ−ド用繊維用途に特に好適に用いることが出来る。また、高強度・高タフネスといった品質の高さ、毛羽が極端に少ないといった高品位、両方を有するフィラメントを従来より極めて安定的に紡糸する事が可能となる。
ポリマ硫酸相対粘度が3.60〜4.05のポリカプラミドを溶融紡糸してポリカプラミドフィラメントを得る方法として、
(A)ポリカプラミドに、銅化合物を添加すること、
(B)溶融前のポリカプラミド中のポリマ水分率を、0.04〜0.11重量%の範囲に予め調整すること、
(C)5.0〜6.0倍の延伸倍率で延伸すること、
本発明により、耐熱性の優れた高強度・高タフネスのポリカプラミドフィラメントを得るに際し、高倍率延伸を伴う過酷な条件でありながらも、高品位なフィラメントを糸切れが少なく、安定的に製造できるようになった。
本発明は、ポリマ硫酸相対粘度が3.60〜4.05のポリカプラミドを溶融紡糸してポリカプラミドフィラメントを製造するに際し、下記(A)〜(C)の工程を含むことを特徴とするポリカプラミドフィラメントの製造方法である。
(A)ポリカプラミドに、銅化合物を添加する工程。
(B)溶融前のポリカプラミド中のポリマ水分率を、0.04〜0.11重量%の範囲に予め調整する工程。
(C)5.0〜6.0倍の延伸倍率で延伸する工程。
以下本発明について説明する。
本発明で用いるポリカプラミドは、一般的にε−カプロラクタムもしくはアミノカプロン酸を原料としてこれらを重合して得られるものである。
上記の原料を用いて本発明のポリカプラミド重合体を重合するための反応装置としては特に制限は無く、外部に加熱ジャケットを具したVK管やオートクレーブ等の通常用いられる重合装置であれば、どのような装置であってもかまわない。また、重合条件においても特に制限は無く、通常のポリカプラミドの重合条件でかまわない。このようにして得られる重合物は通常のポリカプラミドの製造方法と同様に、重合反応装置から吐出して一旦冷却/カッティングしペレット状にした後、熱水抽出や簡易乾燥工程を経てポリカプラミドの製品を得る。
本発明の製造法においては、用途に応じて例えば、末端基量調整剤(酢酸、プロピオン酸、酪酸のような脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸のような脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸のような芳香族モノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸などのカルボン酸やその無水物、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミンのような脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミンのような脂環式モノアミン、ベンジルアミン、β−フェニルエチルアミンのような芳香族モノアミン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリレンジアミンのような芳香族ジアミンなどのアミン化合物等)、離型剤及び滑剤(脂肪族アルコール、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アミオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、充填剤(グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、硫化亜鉛、亜鉛、鉛、ニッケル、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の粒子状、繊維状、針状、板状充填材)、他の重合体(他のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン等)等を添加することができる。
本発明で使用される溶融紡糸前のポリカプラミドの分子量は、98%の硫酸を溶媒とした相対粘度ηrで示され、ηrは3.60〜4.05の範囲であり、3.70〜3.85の範囲であることが好ましい。
ηrが3.60未満の場合には、延伸倍率の変更を含む通常の紡糸条件の調整では、前述した高強力を達成することが出来ず、仮に従来の想定された倍率より高い倍率での延伸において、高強力が得られたとしても、伸度が大幅に下がることが予想され、タイヤコードのもう一つの要求特性である寸法安定性とのバランスを満足する原糸は得られない。
一方で、ηrが4.05を超える場合には、幾つか不都合が発生する。例えば、既存のエクストルーダーではストレスが非常に高くなることが予想されるため、紡糸溶融温度を高めて流動性を上げる方法が考えられるが、その分通常の紡糸温度に比べ、熱分解によるポリマの劣化や、エネルギーのロスが大きくなる。もう一つ考えれば、4.05を超える相対粘度を持つポリカプラミドポリマを得ようとする場合、先ず重合工程での熱負荷が大きくなるため熱劣化が起こりやすく、紡糸時に障害となる副生成物の発生が多くなる。次いで、固相での重合時間が非常に長くなり、使用エネルギーが膨大となるうえ、条件調整時のタイムラグが長くなるなど操作性が悪くなるなどの欠点が発生する。
上記相対粘度を有するポリカプラミドは、通常重合後のポリカプラミドを固相重合することにより得られる。
上記固相重合として、溶融温度以下で行う固相重合法があり、液相重合で達成出来ない高粘度まで高める事ができ、本発明の高強力フィラメントを製造するために用いられる。溶融温度以下での操作のため、液相重合に比べ安全で、且つポリマ自体の熱劣化も抑えることが可能である。
固相重合を行うための熱処理設備は、ジャケットに熱媒を循環させて加熱する回転型バッチ真空乾燥機や、加熱窒素の循環による塔式の連続排出型乾燥機が挙げられるが、加熱設備と縮合水の排出が可能であれば、前段階での予備乾燥設備、攪拌機など工程に有効となるどのようなものが含まれていても構わない。
液相重合にて得られたポリマを固相重合設備に投入して、150〜175℃の温度で加熱を継続することで所望する粘度まで高められたポリマを得ることが可能である。その間は、例えば真空乾燥機であれば20〜200Paの真空をかけることで、また、加熱窒素での加熱であれば、窒素中の水分を除外して再利用することで、縮合水の排出を行う。このことは系内の酸素濃度を下げることでもあり、酸化劣化、熱酸化劣化も同時に防止している。
なお、固相重合する前、または固相重合終了後の何れかのタイミングで固相重合機にて離型剤及び滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、充填剤などを添加することができる。
本発明においては溶融紡糸に供する前にポリカプラミドポリマ水分率を0.04〜0.11重量%の範囲に調整する。より高強度、高タフネスのフィラメントが得られるという点から0.04〜0.07重量%の範囲に調整することが好ましい。
ポリマ水分率が0.04重量%未満の場合には、銅化合物を含むポリカプロアミドの溶融時の流動性が阻害され、紡糸機内での異常滞留部の発生が起こりやすくなる。その際には、ポリマの高重合度化や、一方で熱分解によるポリマの劣化が次々と起こり、ポリマ自体の劣化を招き製糸安定性の低下(糸切れ多発)や、ポリマ均一性の低下(バラツキ大)、品質の劣化を招く。また、この場合の吐出後のポリアミドメルトは非常に高重合度化しているため、高強力にするための延伸工程にて、分示鎖が剛直でありすぎたり、またポリマのバラツキ部分に応力が偏ってかかることで延伸性が大きく低下し、糸切れを誘発することになる。さらに銅塩等の銅化合物は、異常滞留などで偏加熱されると熱分解することがある。系内に他の添加剤などで硫黄が存在すると、最終的にこれらが結合して硫化銅となり、ポリカプラミドに不溶不融の異物となるため、ポリマ品質の低下はもちろん、製糸安定性の大幅な低下(糸切れ多発)につながる。
一方で、ポリマ水分率が0.11重量%を超える場合は、溶融する前のポリマ粘度に対して、溶融吐出直後のポリマ粘度は大きく低下するため、高強度のポリカプラミドフィラメントを得ようとする場合には、低下分を見込んで重合度を更に高めておく必要があり、大きなエネルギーを必要とするため適当でない。なお、溶融する前のポリマ粘度を事前に高めずにこのポリマ水分率で溶融紡糸した場合、製造条件などを調整して所望の高強力を得ることは出来るが、伸度は低下する。つまり、フィラメントのポテンシャルともいうべき破断エネルギー(タフネス)は、ポリマ水分率が本発明の範囲に調整した場合と比較して同等ではなく、ポリマ水分率が大きいほどタフネスが低下するため、フィラメント物性のバランスは崩れ、結果として高強度・高伸度を備えた良好なフィラメントを得ることは出来ない。
ポリマ水分率を調整する方法として、固相重合または乾燥にて一旦ポリマ水分率を、所望するポリマ水分率より低い水分率まで十分乾燥させてから、所望する水分率になるよう水分をポリマに添加する方法があるが、目的とする水分率を達成できるのであればこれに限られるものではない。
なお、上記の方法としては、150〜175℃での固相重合後に到達する水分率は0.02〜0.03重量%であり、これらの水分率を実測してから、予定水分率との差分の量の水分を水にて添加し混和する直接添加方法がある。
これ以外にも、一旦乾燥させたポリマに水分を付与する方法として、所望するポリマ水分率と同等の露点を持つ窒素などの不活性ガス内で長時間滞留させる方法がある。ガス温度やポリマ温度にて若干の時間調整が必要だが、ポリマ水分率はガス露点までゆっくりと平衡に近づくため、比較的容易に目的のポリマ水分率に調整できる。例えば、ある容器内に絶乾ポリマを投入し、露点25℃の窒素ガスをムラが出来ないよう3日間循環させれば、おおよそ0.08重量%の水分を持つポリマが得られる。なお、省エネの観点や、ポリマ品質の要求スペックが満足される場合であれば、不活性ガス以外に空気でも構わない。
本発明においては、ポリカプラミドに、銅化合物を添加するが、添加時期は溶融前または溶融時のいずれでもよい。
本発明のポリカプラミドフィラメントには、耐熱剤として銅化合物を添加するが、これにより耐熱性、耐候性および耐酸化防止性が向上し、ゴム補強材や漁網などの産業資材用途に好ましく用いられる。
銅化合物の具体例としては、酢酸第二銅、沃化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、フタル酸銅、ステアリン酸銅、燐酸銅、ピロリン酸銅などの銅塩および各種銅塩と無機または有機化合物との錯塩などが挙げられるが、中でも銅塩が好ましく、特にハロゲン化銅が好ましい。
ポリカプラミドフィラメント中の銅化合物の量は銅として30〜150ppmが好ましく、より好ましくは50〜100ppmである。
本発明においては、上記銅化合物とともにその他の安定剤を併用することができる。
上記その他の安定剤としては、有機または無機の燐化合物、アルカリ金属またはアルカリ土金属のハロゲン化物、第4級アンモニウムハロゲン化物およびジフェニルアミン系の酸化防止剤、2−メルカプトベンゾイミダゾール、およびヒンダードフェノール系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系の耐候剤、一般的な紫外線吸収剤などが用いられる。
また、ポリカプラミドフィラメント中の銅化合物以外のその他の安定剤の量は、本発明の効果を損なわない範囲の添加量が好ましい。
本発明のポリカプラミドフィラメントを製造するに際しては、まず上記のとおりポリカプラミドポリマの水分率を0.04〜0.11重量%に調整した後、紡糸機に供給し、紡糸温度280〜310℃の範囲で溶融する。その際、溶融前または溶融時のポリカプラミドに銅化合物を所定の割合になるよう添加する。溶融前であれば、ブレンダなどでポリマ当たりの含有量が均一となるよう撹拌する方法があり、溶融時であれば、押出機で溶融されているポリカプラミドメルトに、サイドフィーダーなどでポリマに対して所定量になるよう添加する方法がある。
次いで、溶融ポリマを紡糸パック中にて約5〜50μの細孔を有する金属不織布フィルタ−を通して濾過した後、口金細孔を通して紡出する。口金直下には10〜100cm、好ましくは15〜50cm長さの加熱筒を設置し、加熱筒内の雰囲気温度を250℃以上、好ましくは280〜310℃とする。上記加熱筒雰囲気中を通過して徐冷された糸条は冷風を吹きつけられて冷却固化される。
次いで、糸条には水系エマルジョン油剤が付与され、油剤を付与された未延伸糸条は引取ロ−ルで300〜1000m/分、好ましくは450〜800m/分の速度で引取られる。引取り糸条は一旦捲取られることなく連続して延伸工程に送られ、延伸される。
上記加熱筒の条件と引取り速度とは相互に関連づけて設定することが必要であるが、未延伸糸の複屈折が2×10−3〜15×10−3、好ましくは5×10−3〜10×10−3の範囲となる条件であることが好ましい。
また、本発明のポリカプラミドフィラメントは、タイヤコード等高強度、高タフネスが要求される用途に最適な物性を得るべく高い延伸倍率にて延伸され、その範囲は5.0〜6.0倍である。延伸倍率が5.0倍未満の場合には、産業用のタイヤコード用途等で必要な高い強度を得ることが出来ない。一方、6.0倍を超える延伸倍率は、通常のポリカプラミドフィラメントの製造において困難なレベルであり採用出来ない。
なお、延伸は、通常熱延伸で行われ、製糸性や品質を安定化させる点から2段以上の多段熱延伸が好ましく採用される。本発明でいう延伸倍率とは、それら多段延伸倍率のそれぞれを掛け合わせた総合延伸倍率を意味する。
また延伸温度は最終延伸温度が210℃以上、好ましくは215〜250℃と高温であることが特徴である。
また、延伸に引き続いて熱弛緩処理を行なうが、通常は最終延伸ロールとその後に配置したリラックスロールとの間で8〜12%弛緩して熱処理を行う。弛緩熱処理は実質的に最終延伸ロール上で行なわれるため、温度は210℃以上が好ましく、より好ましくは215〜250℃である。
本発明のポリカプラミドフィラメントの相対粘度ηrは、3.60〜3.85である事が好ましい。ηrが3.60以上であるとタイヤコード用フィラメント等の用途に適した高強度のフィラメントが得られる。また、ηrが3.85以下であると、糸切れや延伸ムラに起因する単糸切れ(毛羽)等の発生が抑制され、品位が高く、また安定的な紡糸が可能である。
かくして、本発明の方法で得られる高強度なポリカプラミドフィラメントは、耐熱剤として銅化合物を含有し、高強度、高タフネスで高いポテンシャルを有し、毛羽も少なく高品位を具備するものである。且つ、前記ポリカプラミドフィラメントの製造方法のなかで溶融前の水分を調整することにより、延伸倍率が5.0〜6.0倍と非常に厳しい条件でありながら、糸切れが極端に少ない。
本発明で製造されるポリカプラミドフィラメントは、通常強度が8.0〜10.5cN/dtexと高強度が得られ、好ましい態様においては強度が8.5〜10.5cN/dtexというより好ましい強度が得られる。
また破断伸度は15〜35%のものが得られ、好ましい態様においては20〜30%というより好ましい伸度が得られる。
強度が8.0cN/dtex以上であると、タイヤコード用途等に要求される高強度特性を十分満足することができる。また、要求される強度としては高い方が好ましいが、現在の技術では10.5cN/dtex以下であれば充分な紡糸安定性を得ることができる。
伸度が15%以上であるとタイヤが走行している際に満足すべき寸法安定特性が得られ、糸切れや毛羽の発生頻度が低くなり、安定な生産が可能である。伸度には本来上限はないが、伸度35%以下であれば、十分な伸度と高強度が両立できる。
強度と伸度から算出されるタフネスは、38以上とすることが好ましく、40以上とすることがより好ましい。38未満では、フィラメントとしてのポテンシャルが低く、一方を高めようとする場合、もう一方が目標以下に低下するといったように強伸度バランスが悪い。タイヤコード用途として要求されるべき、高強度と寸法安定性の両方を得られないともいえる。
上記方法によって得られた本発明のポリカプラミドフィラメントは、毛羽品位が15コ/10000m以下とタイヤコード等の用途に適した好ましい高品位が得られる。15コ/10000m以下であれば品位が良好で、タイヤコード等の製品を得るまでの工程で、例えば撚糸工程において引っかかりや詰まりといったトラブルが発生しにくく、ハンドリング時に巻き取りボビンからの解じょ引き取りが容易となる、コード製作時の薬液付着ムラが抑制される、といったように良好な工程通過性が得られタイヤコード等の高強度、高タフネス用途の原糸として好適である。
本発明で想定されるタイヤコード等の高強度、高タフネスが要求される用途に適する高強度なポリカプラミドフィラメントは、180℃で40hr処理した際の強力保持率が60%以上であることが好ましい。この耐熱強力保持率はフィラメントの耐熱性の指標であり、60%以上であれば、運転時に長時間高温に曝されると想定されるタイヤを支えるための強度としても十分である。
かくして、本発明の方法で得られる高強度なポリカプラミドフィラメントは、銅化合物を含有しているため高耐熱性を有し、また、強度が8.0〜10.5cN/dtex、タフネスが38以上と高いポテンシャルを有し、毛羽が15コ/10000m以下と高品位を具備するものである。且つ、前記ポリカプラミドフィラメントの製造方法のなかで溶融前のポリマ水分率を調整することにより、延伸倍率が5.0〜6.0倍と非常に厳しい条件でありながら、糸切れが極端に少ない。
したがって、本発明の高強度のポリカプラミドフィラメントは、上記のすぐれた特性を生かして、特にゴム補強用繊維として有用である。
すなわち、本発明の高強度のポリカプラミドフィラメントは、ゴムに埋込まれて加硫処理された時に強度低下が少なく、高強度の加硫コードが得られる。そして、かかる高強度加硫コードを用いる場合には、タイヤ補強材としてのコード本数を減らしたり、スダレ状織物のプラス数を減らすことができ、さらには予め繊維の繊度を低くしたコードを用いることができる。
いずれにしろ、補強機能を損なうことなく繊維の重量を減少させることができ、タイヤの軽量化が達成できる。
また、本発明の高強度のポリカプラミドフィラメントは、漁網用繊維として用いた時に、高タフネスであるため耐久性にすぐれていること、および透明性も良好なため、最適な原糸特性を発揮する。
以下に、実施例を挙げて、本発明の構成および効果について、さらに具体的に説明する。
なお、上記および下記の実施例中に記載した繊維構造パラメータ、繊維物性、タイヤコード特性などの定義および測定法は次の通りである。
(1)ポリマ水分率(重量%)
カールフィッシャー法測定器にて、220℃の窒素気流で22分間加熱し、気化したガス量から算出した。
(2)硫酸相対粘度(ηr)
試料2.5gを98%硫酸25ccに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
(3)強度(cN/dtex)、破断伸度(%)
試料を気温20℃、湿度65%の温調室において。オリエンテック(株)社製“テンシロン”(TENSILON)UCT−100でJIS L−1013(1999)8.5.1標準試験時に示される定速伸長条件で測定した。このときの掴み間隔は250mm、引張速度は300mm/min、試験回数は10回であった。なお、破断伸度は荷重−伸長曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。
(4)タフネス
上記で求めた強度(cN/dtex)と破断伸度(%)から次式により算出した。
タフネス=(強度)×(破断伸度)1/2
(5)限界延伸倍率
同様の吐出・巻き取り条件に固定したうえで、総合延伸倍率を変更し、5分間以上糸切れを発生しない最大の延伸倍率とした。
(6)糸切れ回数(回/t)
フィラメントを得る際の吐出総量1t当たりの製糸糸切れ回数を計測した。
(7)毛羽(単糸切れ頻度)
得られた繊維パッケージを500m/分の速度で巻き返し、巻き返し中の糸条から2mm離れた箇所にヘバーライン社製レーザー式毛羽検知機“フライテックV”を設置し、検知された単糸切れ数を10000mあたりの個数に換算して表示した。
[実施例1]
ステンレス製オートクレーブに12.5%水入りε−カプロラクタムを投入し、徐々に昇温して250℃で2時間重合を行った。その後オートクレーブ内の圧力を抜き、窒素気流中下でさらに2時間重合した後、ポリマーをストランド状に押し出し、冷却/カッティングしてペレットを得た。次いでこのペレットを熱水で抽出した後、脱水処理した。
さらに、回転式真空乾燥機にて、170℃の温度で15時間固相重合を行い、ηr3.80、水分率0.02重量%の乾燥チップを得た後、80℃まで冷却した。次いで80℃付近の温度を保ったまま、ポリマ水分率が0.04重量%になるように相当量の純水を添加し、3時間回転混和後、30℃付近まで再冷却させた。該水分調整後のペレットをブレンダに投入し、ヨウ化銅の粉末とメルカプトベンゾイミダゾールの粉末をそれぞれ0.03重量%(銅量として100ppm)、0.2重量%添加しドライブレンドを実施し、溶融紡糸用ペレットを得た。
該ペレットを紡糸機に供給し、紡糸温度285℃で溶融した。次いで、溶融ポリマを紡糸パック中にて約20μの細孔を有する金属不織布フィルタを通して濾過した後、口金細孔を通して紡出した。口金直下には長さ20cmの加熱筒を設置し、加熱筒内の雰囲気温度を310℃とした。水系エマルジョン油剤をオイリングローラーにより付与した未延伸糸条を、引取ロールで1000m/分の速度で引取り、この引取り糸条を一旦捲取ることなく連続して延伸した。延伸は、2段以上の多段熱延伸で、総合延伸倍率は5.37倍である。また、延伸温度は最終延伸温度を215〜225℃とし、さらに延伸に引き続いて熱弛緩処理を、前記最終延伸ロールとその後に配置したリラックスローラーとの間で8%弛緩下に行った。この弛緩熱処理は実質的に最終延伸ロール上で行ない、最終延伸温度と同等で行った。
上記で得られたポリアミドフィラメントについて、得られた延伸糸の相対粘度や繊維物性、工程特性を表1に併せて示した。
[実施例2]
調整するポリマ水分率を0.07重量%に変更する以外は、実施例1と同様に行った。
[実施例3]
調整するポリマ水分率を0.11重量%に変更する以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例1]
固相重合後に、ポリマ水分率を調整せずに耐熱剤をブレンドして紡糸機に投入した以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例2]
調整するポリマ水分率を0.14重量%に変更する以外は、実施例1と同様に行った。
Figure 2014214405
表1から明らかなように、固相重合後にポリマ水分率を調整していない絶乾のチップを使用した比較例1の糸切れ、限界延伸倍率は非常に悪く、また、毛羽品位も劣位である。一方でポリマ水分率を調整した実施例1〜3では大幅に改善されている。なお、ポリマ水分率が高すぎる比較例2では、強度・伸度共に低く、タフネスとしても不十分であり、目的の高強度のポリカプラミドフィラメントを得る事が出来ていない。
本発明の製造方法は、銅化合物の添加された硫酸相対粘度が高いポリカプラミドを用いて、高強力・高タフネスを得るために5.0〜6.0倍と一般的なポリカプラミドフィラメントの製造方法と比較して高い延伸倍率で延伸する工程を含みながら、従来より極めて優れた紡糸の安定性を提供するものである。なお、本発明の製造方法で得られるフィラメントは、高強度・高タフネス、高耐熱性、毛羽の少ない高品位、が求められる乗用車用または自転車用のラジアルタイヤの補強材として有用されているポリカプラミドコ−ド用繊維を中心に好適に使用される。

Claims (4)

  1. ポリマ硫酸相対粘度が3.60〜4.05のポリカプラミドを溶融紡糸してポリカプラミドフィラメントを製造するに際し、下記(A)〜(C)の工程を含むことを特徴とするポリカプラミドフィラメントの製造方法。
    (A)ポリカプラミドに、銅化合物を添加する工程。
    (B)溶融前のポリカプラミド中のポリマ水分率を、0.04〜0.11重量%の範囲に予め調整する工程。
    (C)5.0〜6.0倍の延伸倍率で延伸する工程。
  2. 銅化合物がハロゲン化銅である、請求項1記載の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法にて製造されたポリカプラミドフィラメント。
  4. 強度が8.0〜10.5cN/dtexの範囲にあり、タフネスが38以上である、請求項3記載のポリカプラミドフィラメント。
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