JP2014213430A - グリッパ - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成で把持と回転の両方を行うことができ、又、十分な把持力を提供することができ、又、任意回転角度で停止させて把持/開放を行わせることができ、又、低コスト化を図ることが可能なグリッパを提供すること。
【解決手段】 ハウジングと、上記ハウジングに対して回転可能に設置されワークを選択的に把持する把持部と、上記把持部を回転駆動するカムと、上記カムを回転駆動する駆動モータと、上記把持部の回転を選択的に禁止するブレーキと、を具備したもの。
【選択図】 図5

Description

本発明は、例えば、産業用ロボットに組み込まれワーク等を把持するために使用されるグリッパに係り、特に、簡単な構成で把持動作と回転動作の両方を行うことができるように工夫したものに関する。
産業用ロボットの手(ハンド)に相当する把持装置は「グリッパ」と称されており、産業用ロボットを使いこなす上で不可欠な装置である。この種のグリッパには把持を確実にするために十分な把持力が要求されるとともに、装置としての軽量・小型化が要求されている。グリッパが軽量・小型であれば、それを搭載した産業用ロボットが、より高速・俊敏に動作できるからである。
又、最近では、グリッパの高機能化、多機能化が要求されている。すなわち、単純な把持機能だけでなく、例えば、傾斜機能、回転機能等を備えた構成である。傾斜機能、回転機能等があれば、把持したワークを持ち替えることなく移載することができ、又、ワークの斜め挿入等の作業が可能になり、その際、特別な治具を要することもないからである。それによって、作業タクトの短縮が可能になる。
この点に関して詳しく説明する。例えば、5軸以上の自由度を持つ垂直多関節ロボットの先端に、把持機能のみを備えたグリッパを搭載した場合には、そもそもロボット自体が多自由度を持っているので、単純な把持機能のみを備えたグリッパであっても、それを傾斜させることや回転させることは容易に実現できる。
しかしながら、例えば、ロボットが3軸(X,Y,Z)の直交ロボットである場合には、そこに搭載されているグリッパを傾斜させ、回転させようとすると、回転ユニットを2個使用し、1つを上記直交ロボットの先端に水平に設置し、残りの1つを先に設置した回転ユニットに垂直に設置し、その垂直に設置した回転ユニットにグリッパを取り付けるといった構成を採用する必要がある。
つまり、直交ロボットの先端に2個の回転ユニットとグリッパを取り付けなければならず、その為に広い設置スペースが必要となり、装置も大重量化してしまうことになる。そこで、把持機能と少なくとも1軸の回転機能を備えた軽量・小型のグリッパの出現が要求されていた。そのようなグリッパがあれば、使用する回転ユニットの個数を減少させることができるからである。
そのようなグリッパを開示するものとして、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3がある。
特許第4337039号公報 特開2012−086334号公報 特開2012−245590号公報
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、特許文献1〜特許文献3に記載されているグリッパの場合には、把持機能と少なくとも1軸の回転機能を備えた構成を実現することはできるが、その構成が複雑であるという問題があった。又、把持力が不十分であり、又、任意の回転角度で停止させて把持/開放を行わせることができず、さらに、高コスト化してしまうという問題があった。
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、
簡単な構成で把持と回転の両方を行うことができ、又、十分な把持力を提供することができ、又、任意回転角度で停止させて把持/開放を行わせることができ、又、低コスト化を図ることが可能なグリッパを提供することにある。
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるグリッパは、ハウジングと、上記ハウジングに対して回転可能に設置されワークを選択的に把持する把持部と、上記把持部を回転駆動するカムと、上記カムを回転駆動する駆動モータと、上記把持部の回転を選択的に禁止するブレーキと、を具備したことを特徴とするものである。
また、請求項2によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記ブレーキのブレーキ動作を上記カムによって駆動するようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項3によるグリッパは、請求項1又は請求項2記載のグリッパにおいて、上記把持部の把持動作を上記カムによって駆動するようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項4によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記把持部には上記ワークの寸法差を吸収するための弾性部材が設置されていることを特徴とするものである。
また、請求項5によるグリッパは、請求項4記載のグリッパにおいて、上記弾性部材はコイルスプリングであることを特徴とするものである。
また、請求項6によるグリッパは、請求項3〜請求項5の何れかに記載のグリッパにおいて、上記カムの減速比が上記ワークを把持する力の上昇に伴い漸増することを特徴とするものである。
また、請求項7によるグリッパは、請求項3〜請求項6の何れかに記載のグリッパにおいて、上記把持部による上記ワークの把持動作が完了するとき及びその把持状態を保持するときの上記カムの圧力角が10度以下であることを特徴とするものである。
また、請求項8によるグリッパは、請求項1〜請求項7の何れかに記載のグリッパにおいて、上記把持部の回転動作、上記ブレーキのブレーキ動作、上記把持部の把持動作を1つのカムで駆動するようにしたことを特徴とするものである。
以上述べたように、本願発明の請求項1によるグリッパは、ハウジングと、上記ハウジングに対して回転可能に設置されワークを選択的に把持する把持部と、上記把持部を回転駆動するカムと、上記カムを回転駆動する駆動モータと、上記把持部の回転を選択的に禁止するブレーキと、を具備したため、簡単な構成で把持と回転の両方を行うことができ、又、十分な把持力を提供することができ、又、任意回転角度で停止させて把持/開放を行わせることができ、又、低コスト化を図ることができる。
また、請求項2によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記ブレーキのブレーキ動作を上記カムによって駆動するようにしたため、簡単な構成により、上記カムの回転による把持部の回転だけでなく、上記ブレーキのブレーキ動作を駆動させることができる。
また、請求項3によるグリッパは、請求項1又は請求項2記載のグリッパにおいて、上記把持部の把持動作を上記カムによって駆動するようにしたため、簡単な構成により、上記カムの回転による把持部の回転だけでなく、上記把持部の把持動作を駆動させることができる。
また、請求項4によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記把持部には上記ワークの寸法差を吸収するための弾性部材が設置されているため、ワークの寸法変動に対する把持力の大きな変動を防止できるとともに、上記把持部によってワークを把持したことによって上記カムの回転駆動が規制されてしまうことを防止できる。
また、請求項5によるグリッパは、請求項4記載のグリッパにおいて、上記弾性部材はコイルスプリングであるため、簡単な構成により、ワークの寸法変動に対する把持力の大きな変動を防止できるとともに、上記把持部によってワークを把持したことによって上記カムの回転駆動が規制されてしまうことを防止できる。
また、請求項6によるグリッパは、請求項3〜請求項5の何れかに記載のグリッパにおいて、上記カムの減速比が上記ワークを把持する力の上昇に伴い漸増するため、上記ワークを把持する際の駆動トルクの変動を抑えることができ、上記駆動モータの効率を向上させることができる。
また、請求項7によるグリッパは、請求項3〜請求項6の何れかに記載のグリッパにおいて、上記把持部による上記ワークの把持動作が完了するとき及びその把持状態を保持するときの上記カムの圧力角が10度以下であるため、上記把持部と上記カムとの間に発生する摩擦力を大きくすることができ、上記把持部側に外力が加えられて上記カムが逆回転されることを防止でき、これにより、上記把持部側からの外力による上記ワークの把持が不用意に解除されてしまうことを防止できる。
また、請求項8によるグリッパは、請求項1〜請求項7の何れかに記載のグリッパにおいて、上記把持部の回転動作、上記ブレーキのブレーキ動作、上記把持部の把持動作を1つのカムで駆動するようにしたため、簡単な構成により、上記把持部の回転動作、上記ブレーキのブレーキ動作、上記把持部の把持動作を行うことができる。
本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態によるグリッパをモータを除いて断面で示す縦断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図1のII−II矢視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図1におけるIII−III断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図2におけるIV−IV断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図4におけるV部分の拡大図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図2におけるVI−VI断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図2におけるVII−VII断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図7におけるVIII部分の拡大図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図9(a)は本実施の形態によるグリッパに用いられる駆動カムの底面図、図9(b)は駆動カムが回転された際に第1把持部駆動溝において第1把持爪駆動ピンに加えられる力を示した図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図10(a)は本実施の形態によるグリッパに用いられる駆動カムに形成された第1把持爪駆動溝内の所定の位置での上記カムの中心を原点とした極座標(動径rと偏角θで示す)と圧力角及び減速比の関係を示す表、図10(b)は本実施の形態によるグリッパに用いられる駆動カムに形成された第1ブレーキ駆動溝内の所定の位置での上記カムの中心を原点とした極座標(動径rと偏角θで示す)と圧力角及び減速比の関係を示す表である。 本発明の一実施の形態を示す図で、駆動カムの駆動溝と駆動ピンとの関係を動作順に示す駆動カムの底面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、駆動カムの駆動溝と駆動ピンとの関係を動作順に示す駆動カムの底面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、駆動カムの駆動溝と駆動ピンとの関係を動作順に示す駆動カムの底面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、駆動カムの駆動溝と駆動ピンとの関係を動作順に示す駆動カムの底面図である。
以下、図1〜図14を参照しながら、本発明の一実施の形態について説明する。
まず、本実施の形態によるグリッパ1の構成について、図1〜図10を参照しながら説明する。
本実施の形態によるグリッパ1は、例えば、図示しないロボットアームの先端に設置されるものである。
上記グリッパ1には、例えば、図1、図2に示すように、まず、ベース3がある。このベース3は略板状の部材であり、図1中右側には貫通孔5が形成されている。この貫通孔5の図1中下側は大径部7となっており、図1中上側は小径部9となっている。
上記貫通孔5の大径部7には、ベアリング11が内装されている。このベアリング11は、外輪11aと、この外輪11aの内側に設置された内輪11bと、上記外輪11aと上記内輪11bとの間に設置されたリテイナ11cと、このリテイナ11cに保持された複数の鋼球11dとから構成されている。上記複数の鋼球11dが転動することで、上記外輪11aに対して上記内輪11bが回転するようになっている。
また、上記ベース3の図1中下側には外輪押え12が設置されており、上記ベアリング11の外輪11aを押えている。
また、上記ベース3の図1中左側には貫通孔13が形成されている。この貫通孔13の図1中下側は小径部15となっており、図1中上側は大径部17となっている。また、上記ベース3の図1中上側の面には、上記貫通孔13に連通した溝19が形成されている。
また、上記ベース3の図1中下側には、ハウジング21が設置されている。このハウジング21は略円筒形状であり、このハウジング21には、例えば、図1に示すように、貫通孔23が形成されている。この貫通孔23は図1中下側から上側に向かって、三段階にわたって縮径されており、上記貫通孔23の図1中下側が大径部25となっており、上記貫通孔23の図1中上下方向中央部分が中径部27となっており、上記貫通孔23の図1中上側が小径部29となっている。また、上記大径部25の内周面はブレーキ当接面31となっている。
上記ベース3には、モータユニット41が設置されている。このモータユニット41は、例えば、図1に示すように、モータ43と、このモータ43の後端側(図1中上側)に設置されたエンコーダ45とから構成される。また、上記モータ43には、モータケース47と出力軸49が設けられている。また、上記モータケース47の内周面には、図示しないステータが固着されており、このステータの内側には図示しないロータが回転可能に設置されている。そして、上記出力軸49は上記ロータに固着されている。上記モータ43は、電力を供給されると上記ロータ及び上記出力軸49を回転させる。
また、上記モータ43の出力軸49には第1歯車51が固着されている。この第1歯車51は、図1中上側に向けて軸部53が突出・形成されている。この軸部53には、図1中上側に開口された取付穴55が形成されている。この取付穴55には、上記モータ43の出力軸49が挿入される。また、上記軸部53には、上記軸部53の側面に開口されるとともに、上記取付穴55に直交して連通される雌ネジ部57が形成されている。この雌ネジ部57内には止めネジ59が螺合されており、この止めネジ59により上記出力軸49に上記第1歯車51が締結されている。また、上記エンコーダ45は、上記モータ43の出力軸49の回転角度や回転数を検出するものである。
また、上記ベース3には、把持部71が回転可能に設置されている。上記把持部71には、まず、把持部ベース73がある。この把持部ベース73の図3中上側には、把持部回転軸75が突出・形成されている。この把持部回転軸75には図3中上側端面に開口された穴77が形成されている。また、上記把持部回転軸75の上端側(図3中上側)は小径部79となっている。
また、例えば、図1に示すように、上記把持部回転軸75は、既に述べたベアリング11の内輪11bに圧入されている。これにより、上記把持部ベース73、ひいては、上記把持部71が、既に述べたベース3に対して回転可能に設置される。
また、例えば、図1に示すように、上記把持部回転軸75の上記ベアリング11の下側には略円筒形状のスペーサ81が挿入されているとともに、上記把持部回転軸75の上端側(図1中上側)から略円筒形状の内輪押え83が挿入されている。すなわち、上記スペーサ81と上記内輪押え83の間に上記ベアリング11の内輪11bが介挿されていることになる。
また、上記把持部回転軸75の穴77内にはピン85が挿入され、このピン85は止めネジ(不図示)によって締結されている。このピン85は、その一部が上記把持部回転軸75の上端側(図1中上側)に突出されており、上記ピン85の上記把持部回転軸75の上端側(図1中上側)に突出された部分にはワンウェイクラッチ87が圧入されている。
このワンウェイクラッチ87は、上記ピン85が圧入された内輪87aと、この内輪87aの外周側に設置された外輪87b、及び、図示しないローラとバネとからなる。上記外輪87bには図示しない凹部が形成されており、この凹部は上記ワンウェイクラッチ87の周方向の一方向側が外周側に向けて広くなっている。また、上記外輪87bの図示しない凹部内には上記図示しないローラが回転可能に設置されているとともに、上記ローラを上記ワンウェイクラッチ87の周方向の他方向に押圧・付勢する上記図示しないバネが設置されている。
また、図1に示すように、上記ワンウェイクラッチ87の外輪87bには、その外周側に開口された穴87cが穿孔されている。また、既に述べたベース3には、回り止めベース89が固着されており、この回り止めベース89には、その外周側に開口された穴89aが穿孔されている。そして、上記外輪87bの穴87cと上記回り止めベース89の穴89aには、回り止めピン91の両端側が圧入されている。そのため、上記ワンウェイクラッチ87の外輪87bは上記ベース3に対して回転しないようになっている。
そして、上記内輪87aが上記外輪87bに対して上記ワンウェイクラッチ87の周方向の他方向に回転されようとした場合は、上記ローラは上記凹部内を上記ワンウェイクラッチ87の周方向の他方向側に移動する。すなわち、上記ローラは上記凹部内の狭い側に移動され、上記凹部の内側の面と上記内輪87aの外周面の間に挟まり、上記外輪87bと上記内輪87aとは連結される。そして、前記したように上記外輪87bは上記ベース3に対して回転しないように固定されているため、上記内輪87aは上記外輪87b、ひいては、上記ベース3に対して上記ワンウェイクラッチ87の周方向の他方向側には回転できないことになる。
一方、上記内輪87aが上記外輪87bに対して上記ワンウェイクラッチ87の周方向の一方向に回転されようとした場合は、上記ローラは上記凹部内を上記ワンウェイクラッチ87の周方向の一方向側にバネの付勢力に抗して移動する。すなわち、上記ローラは上記凹部内の広い側に移動されるため、上記外輪87bと上記内輪87aとの連結は解除され、空転するようになる。すなわち、前記したように上記外輪87bは上記ベース3に対して回転しないように固定されているが、上記内輪87aは、上記外輪87b、ひいては、上記ベース3に対して上記ワンウェイクラッチ87の周方向の一方向側には回転できる。
このような構成の上記ワンウェイクラッチ87により、上記把持部ベース73ひいては上記把持部71の回転方向が、所定の一方向のみに規制されることなる。
なお、本実施の形態の場合は、上記ワンウェイクラッチ87により、上記把持部71の回転方向が、図2中時計回り方向のみに規制されている。
また、例えば、図2、図3に示すように、上記把持部ベース73の下側(図2中紙面垂直方向手前側、図3中下側)には、図2中左右方向に延長されたレール固定部101が形成されている。また、上記レール固定部101の図3中左右両側には、図2中左右方向に延長されたブレーキ固定部103、105が形成されている。
また、例えば、図2に示すように、上記把持部ベース73のレール固定部101にはガイドレール111が図示しないネジによって固定されている。図3に示すように、このガイドレール111の幅方向(図3中左右方向)両側には、長さ方向(図3中紙面垂直方向)に延長されたガイド溝113、113が形成されている。
また、例えば、図4や図5に示すように、上記把持部ベース73の下側(図4中下側)には、第1把持爪121が設置されている。この第1把持爪121は板状の基部123と、この基部123から突出・形成された把持用凸部125とから構成されている。
また、図3に示すように、上記第1把持爪121の基部123の上側には、スライダカバー127を介して、スライダ129が固着されている。このスライダ129は、上記ガイドレール111に対して移動可能に係合・設置されており、これにより、上記第1把持爪121が上記ガイドレール111の長さ方向(図3中紙面垂直方向)に移動可能となっている。
なお、上記スライダ129は、ガイドレール111側の内側の面に上記溝113、113に対向する溝が形成されているとともに、その内部に図示しない無限循環路が形成されており、この無限循環路と上記溝と上記ガイドレール111の溝113との間の空間内を循環する図示しない複数の鋼球によって、上記ガイドレール111上を移動するものである。
また、上記スライダカバー127は、図3に示すように、既に述べた把持部ベース73のブレーキ固定部105側に突出されており、図5に示すように、その突出された部分の先端側(図5中右端側)には固定部材131を介して直動案内部材135が固着されている。この直動案内部材135は、略直方体形状の部材に貫通孔137が形成されたものである。
そして、例えば、図5に示すように、上記直動案内部材135の貫通孔137には、シャフト139が摺動可能に設置されている。このシャフト139の先端側(図5中右端側)には、環状溝141が形成されており、この環状溝141にリング状の抜け止め部材143が係合されている。そのため、上記直動案内部材135が上記シャフト139の先端側(図5中右端側)からは脱落しないように構成されている。
また、図5に示すように、上記シャフト139の基端側(図5中左端側)には、固定部材145を介して駆動ピンベース147が固着されており、上記固定部材145と上記直動案内部材135との間には、上記シャフト139に貫通されたコイルスプリング149が設置されている。このコイルスプリング149の圧縮量により把持部71による把持力が異なる。上記コイルスプリング149としては、上記第1把持爪121の移動量が大きくなっても把持荷重(上記第1把持爪121と、後述する第2把持爪161とによる、図示しないワークに対する荷重)の変動がより小さくなることが好ましく、圧縮量が大きくバネ定数の小さいコイルスプリングが好適であり、圧縮量が大きい多巻き数で自由長の長いものが望ましい。自由長が長いと上記コイルスプリング149が他の部品(後述する第2ブレーキ203)と干渉してしまうが、本実施例では、そのような自由長の長いコイルスプリング149を圧縮された状態で設置しているため、上記コイルスプリング149と他の部品との干渉が回避されている。
上記駆動ピンベース147は、上記シャフト139や上記コイルスプリング149の図5中上側に延長・形成されている。また、上記駆動ピンベース147には、図5中上側に開口された駆動ピン取付穴151が穿孔されており、この駆動ピン取付穴151には、第1把持爪駆動ピン153が圧入されている。この第1把持爪駆動ピン153は、上記駆動ピンベース147の図5中上側に突出されている。
また、図6〜図8に示すように、上記把持部ベース73の下側(図7中下側)には、第2把持爪161が設置されている。この第2把持爪161も、前述した第1把持爪121と同様の構成であり、基部163と把持用凸部165とから構成されている。
また、図6に示すように、上記第2把持爪161の基部163の上側にも、前述した第1把持爪121と同様に、スライダカバー167を介して、スライダ169が固着されている。このスライダ169も、前述したスライダ129と同様の構成で、上記ガイドレール111上を移動可能に設置されており、これにより、上記第2把持爪161が上記ガイドレール111の長さ方向(図6中紙面垂直方向)に移動可能となっている。
また、上記スライダカバー167は、前述したスライダカバー127と同様、図6〜図8に示すように、先端側(図8中右端側)には固定部材171を介して直動案内部材175が固着されている。この直動案内部材175は、前述した直動案内部材175と同様の構成であり、貫通孔177が形成されたものである。
そして、例えば、図8に示すように、上記直動案内部材175の貫通孔177には、シャフト179が摺動可能にされている。このシャフト179も前述したシャフト139と同様に環状溝181が形成されており、この環状溝181にリング状の抜け止め部材183が係合されている。そのため、上記直動案内部材175が上記シャフト179の先端側(図8中右端側)からは脱落しないように構成されている。
また、図8に示すように、上記シャフト179の基端側(図8中左端側)には、固定部材185を介して駆動ピンベース187が固着されており、上記固定部材185と上記直動案内部材175との間には、上記シャフト179に貫通されたコイルスプリング189が設置されている。
上記駆動ピンベース187は、前述した駆動ピンベース147と同様の構成であり、駆動ピン取付穴191が穿孔されている。この駆動ピン取付穴191には、第2把持爪駆動ピン193が圧入されている。この第2把持爪駆動ピン193も前述した第1把持爪駆動ピン153と同様に、上記駆動ピンベース187の図8中上側に突出されている。
このように、上記第1把持爪121と上記第2把持爪161は、ガイドレール111に沿って移動可能であるが、上記第1把持爪121と上記第2把持爪161が互いに近接する方向に移動することで、上記第1把持爪121と上記第2把持爪161との間に図示しないワークを把持することになる。そして、上記第1把持爪121と上記第2把持爪161との間に図示しないワークを把持したあとは、直動案内部材135(175)に対してシャフト139(179)が摺動可能であるため、コイルスプリング149(189)が完全に圧縮されるまでは、上記シャフト139(179)、固定部材145(185)、駆動ピンベース147(187)、及び、第1把持爪駆動ピン153(第2把持爪駆動ピン193)は更に、上記第1把持爪121と上記第2把持爪161とを互いに近接する方向に移動できる。
すなわち、本実施の形態においては、直動案内部材135(175)、シャフト139(179)、及び、コイルスプリング149(189)によって、上記図示しないワークと上記第1把持爪121と上記第2把持爪161の移動可能範囲との寸法差が吸収されることになる。
また、例えば、図2及び図8に示すように、把持部ベース73のブレーキ固定部103とレール固定部101との間であって、図8中右側には、第1ブレーキ201が設置されている。この第1ブレーキ201には、まず、上記把持ベース73のブレーキ固定部103に固着された直動案内部材203がある。この直動案内部材203は略直方体形状を成しており、図8に示すように、貫通孔205が形成されている。
そして、図8に示すように、上記直動案内部材203の貫通孔205を貫通して、ブレーキシャフト207が摺動可能に設置されている。このブレーキシャフト207の後端側(図8中左端側)は縮径されており、雌ネジ部209が形成されている。
また、上記ブレーキシャフト207の先端側(図8中右端側)には、ブレーキパッド固定部材211を介して、ブレーキパッド213が固着されている。このブレーキパッド213は、金属製、樹脂製、又は、ゴム製であり、既に述べたハウジング21のブレーキ当接面31に当接されることで、上記ブレーキパッド213と上記ブレーキ当接面31との間に生ずる摩擦力により、把持部71の回転を規制するものである。
また、上記ブレーキパッド固定部材211と上記直動案内部材203の間には、上記ブレーキシャフト207に貫通されたコイルスプリング215が設置されている。
また、上記ブレーキシャフト207の後端側(図8中左側)には、上記雄ネジ部209を貫通して、ブレーキ用駆動ピンベース217がナット223により固着されている。このブレーキ用駆動ピンベース217は、既に述べた駆動ピンベース147と略同様の構成を成しており、図8中上側に開口されたブレーキ用駆動ピン取付穴219が穿孔されている。
また、上記ブレーキ駆動ピン取付穴219には、第1ブレーキ駆動ピン221が圧入されている。この第1ブレーキ駆動ピン221は図8中上側に突出されている。
このような構成から、上記コイルスプリング215は、上記ブレーキパッド213を上記ハウジング21の内周面側(図8中右側)に付勢するように作用している。
また、上記ブレーキシャフト207の雄ネジ部209には、ナット223が螺合されており、上記ナット223の上記雄ネジ部209上の位置(図8中左右方向の位置)によって、上記コイルスプリング215の上記ブレーキパッド213を上記ハウジング21のブレーキ当接面31側(図8中右側)に付勢する力を調節できるように構成されている。
また、例えば、図2及び図5に示すように、把持部ベース73のブレーキ固定部105とレール固定部101との間であって、図5中右側には、第2ブレーキ231が設置されている。この第2ブレーキ231も、前述した第1ブレーキ201と同様の構成となっている。すなわち、まず、上記把持ベース73のブレーキ固定部105に固着された直動案内部材233がある。この直動案内部材233も、前述した直動案内部材203と同様の構成であり、図5に示すように、貫通孔235が形成されている。
そして、図5に示すように、上記直動案内部材233の貫通孔235を貫通して、ブレーキシャフト237が摺動可能に設置されている。このブレーキシャフト237も、前述したブレーキシャフト207と同様の構成を成しており、雌ネジ部239が形成されている。
また、上記ブレーキシャフト237の先端側(図5中右端側)には、ブレーキパッド固定部材241を介して、ブレーキパッド243が固着されている。このブレーキパッド243は、前述したブレーキパッド213と同様の構成であり、ハウジング21のブレーキ当接面31に当接されるものである。
また、上記ブレーキパッド固定部材241と上記直動案内部材233の間には、上記ブレーキシャフト237に貫通されたコイルスプリング245が設置されている。
また、上記ブレーキシャフト237の後端側(図5中左側)には、上記雌ネジ部239を貫通して、ブレーキ用駆動ピンベース247がナット253により固着されている。このブレーキ用駆動ピンベース247も、既に述べた駆動ピンベース147と略同様の構成を成しており、図5中上側に開口されたブレーキ用駆動ピン取付穴249が穿孔されている。
また、上記ブレーキ駆動ピン取付穴249には、第2ブレーキ駆動ピン251が圧入されている。この第2ブレーキ駆動ピン251は図5中上側に突出されている。
このような構成から、上記コイルスプリング245は、上記ブレーキパッド243を上記ハウジング21のブレーキ当接面31(図5中右側)に付勢するように作用している。また、上記ブレーキシャフト237の雄ネジ部239には、ナット253が螺合されており、上記ナット253の上記雄ネジ部239上の位置(図5中左右方向の位置)によって、上記コイルスプリング245の上記ブレーキパッド243を上記ハウジング21のブレーキ当接面31側(図5中右側)に付勢する力を調節できるように構成されている。
また、例えば、図1に示すように、上記把持部ベース73の、既に述べたレール固定部101、ブレーキ固定部103、105等の上側には、駆動カム259が設置されている。
この駆動用カム259は、上記把持部ベース73の把持部回転軸75に対してベアリング261を介して回転可能に設置されている。
上記ベアリング261は、既に述べたベアリング11と同様の構成を成している。すなわち、外輪261aと、この外輪261aの内側に設置された内輪261bと、上記外輪261aと上記内輪261bとの間に設置されたリテイナ261cと、このリテイナ261cに転動可能に保持された鋼球261dとから構成されている。
なお、既に述べたベアリング11の内輪11bと、上記ベアリング261の内輪261bとの間に、既に述べたスペーサ81が介挿されている。これによって、上記ベアリング11と上記ベアリング261との間の間隔が設定されている。
また、上記駆動カム259は、図6や図9(a)に示すように、中央に貫通孔263が穿孔されている。この貫通孔263は、図6中下側が小径部265となっており、図6中上側が大径部267となっている。
そして、上記把持部回転軸75は上記ベアリング261の内輪261bに圧入され、上記ベアリング261の外輪261aは上記駆動カム259の貫通孔263の大径部267に圧入される。このようにして、上記駆動カム259は上記把持部用回転軸75に回転可能に取り付けられている。
また、図1に示すように、上記ベアリング261の外輪261aには、第2歯車269が固着されている。この第2歯車269と上記駆動カム259は図示しないネジによって固定されており、一体となって上記把持部用回転軸75に対して回転可能となっている。上記第2歯車269は、既に述べたモータ43の出力軸49に固着された第1歯車51に噛合されており、上記モータ43によって第1歯車51、第2歯車269、及び、上記ベアリング261の外輪261aを介して上記駆動カム259が回転されるようになっている。
また、上記駆動カム259には、図9(a)に示すように、第1把持爪駆動溝271、第1ブレーキ駆動溝273、第2把持爪駆動溝275、第2ブレーキ駆動溝277が形成されている。この第1把持爪駆動溝271、第1ブレーキ駆動溝273、第2把持爪駆動溝275、第2ブレーキ駆動溝277は、上記駆動用カム259の表側(図6中下側)から裏側(図6中上側)まで貫通して形成されている。
上記第1把持爪駆動溝271内には既に述べた第1把持爪駆動ピン153が挿入されている。また、上記第1ブレーキ駆動溝273内には既に述べた第1ブレーキ駆動ピン221が挿入されている。また、上記第2把持爪駆動溝275内には既に述べた第2把持爪駆動ピン193が挿入されている。また、上記第2ブレーキ駆動溝277内には既に述べた第2ブレーキ駆動ピン251が挿入されている。
そして、上記駆動カム259が回転されると、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193、第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251が、上記第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275、第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動溝277によってそれぞれ付勢され、それによって、上記第1把持爪121、第2把持爪161、第1ブレーキ201、第2ブレーキ231が駆動されることになる。
また、上記第1把持爪駆動溝271や上記第1ブレーキ駆動溝273は、図10(a)、図10(b)に示すパラメータ、すなわち、動径(r)、及び、偏角(θ)によって規定される。動径(r)は図9(a)中の上記第1把持爪駆動溝271内の各点(1〜15)から、上記駆動カム259の中心(図9(a)中に点Oで示す)までの距離である。また、偏角(θ)は、図9(a)中に一点鎖線で示す線分Aと、図9(a)中の上記第1把持爪駆動溝271内の各点(1〜15)と上記駆動カム259の中心(図9(a)中に点Oで示す)を結ぶ直線との角度(図9(a)中反時計回り方向が正方向、0〜360°)である。
すなわち、図10に示す動径(r)及び偏角(θ)は、図9に示す上記第1把持爪駆動溝271内の各点(1〜15)の極座標を表すものであり、図10(b)の動径(r)及び偏角(θ)は、図9に示す上記第1ブレーキ駆動溝273内の各点(1〜15)の極座標を表すものである。
また、図9(a)に示すように、第2把持爪駆動溝275、及び、第2ブレーキ駆動溝277は、上記第1把持爪駆動溝271、及び、第1ブレーキ駆動溝273に対して、上記駆動カム259の中心Oに対して、点対称な形状のものである。
また、図10(a)、図10(b)に示す圧力角(θ′)とは、図9(b)に示すようなものである。すなわち、圧力角(θ′)とは、上記第1把持爪駆動ピン153(第1ブレーキ駆動ピン221)と上記第1把持爪駆動溝271(第1ブレーキ駆動溝273)の内周面との接線Bに直交する法線Cと、上記第1把持爪駆動ピン153(第1ブレーキ駆動ピン221)の中心を通り第1把持爪121や第1ブレーキ201の運動方向に平行な方向(図9(b)中左右方向)の直線Dとの間の角度である。上記圧力角(θ′)は、既に説明した偏角(θ)に対する動径(r)の変化が大きい箇所で大きくなり、偏角(θ)に対する動径(r)の変化が小さい箇所では小さくなる。
また、上記第2把持爪駆動溝275(第2ブレーキ駆動溝277)についても、同様に圧力角(θ′)が設定されている。
ここで、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193、第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251は、前述したコイルスプリング149、179、215、245の弾性力によって、既に述べたガイドレール111の長さ方向に沿って、上記第1把持爪駆動溝271、第1ブレーキ駆動溝273、第2把持爪駆動溝275、第2ブレーキ駆動溝277の内周面に対して外側に向けて押圧されている。例えば、上記コイルスプリング149の弾性力による上記第1把持爪駆動ピン153に対する押圧力を図9(b)にPとして示す。
このような、上記第1把持爪駆動ピン153等に対する上記コイルスプリング149等の弾性力による押圧力P等の外力により、上記第1把持爪駆動ピン153等と上記第1把持爪駆動溝271等との間に摩擦力が発生する。この摩擦力によって、上記第1把持爪駆動ピン153等を介して上記駆動カム259に外力が加わった場合であっても、不用意に回転しないように構成されている。外力が加わった場合であっても上記駆動カム259が不用意に回転しない場合の上記摩擦力に係る摩擦係数(μ)と上記圧力角(θ′)との関係は次のようになる。
まず、上記押圧力(P)の、上記第1把持爪駆動ピン153と上記第1把持爪駆動溝271の内周面との接線に直交する方向への成分(P′)は、直線Dと上記押圧力(P)の向きが平行であることから、押圧力(P)と接線に直交する方向への成分(P′)とがなす角度が圧力角(θ′)であるため、次の式(I)で表される。

P′ = P・cosθ′ ―――(I)
但し、
P′:接線に直交する方向への成分(抗力)
P :押圧力
θ′:圧力角

よって、上記駆動カム259が回転し始める際の、上記第1把持爪駆動ピン153と上記第1把持爪駆動溝271の内周面との間の摩擦力(F)は、次の式(II)で表される。

F = μ・P・cosθ′ ―――(II)
但し、
F :摩擦力
μ :摩擦係数
P :押圧力
θ′:圧力角

また、この摩擦力(F)と、上記押圧力(P)の上記第1把持爪駆動ピン153と上記第1把持爪駆動溝271の内周面との接線方向への成分(P″)とが釣り合うことで上記駆動カム259は上記コイルスプリング149と上記第1把持爪駆動ピン153によって回転されないため、次の式(III)及び式(IV)が成立する。
P″ = P・sinθ′ ―――(III)
μ・P・cosθ′≧ P・sinθ′ ―――(IV)
但し、
μ :摩擦係数
P :押圧力
P″:接線方向への成分(回転駆動力)
θ′:圧力角

この式(IV)から次の式(V)が求められる。
μ ≧ tanθ′ ―――(V)
但し、
μ :摩擦係数
θ′:圧力角

この式(V)は、圧力角(θ′)と摩擦係数(μ)との関係を示すものである。
ここで、摩擦係数(μ)は、既に述べた駆動カム259や上記第1把持爪駆動ピン153等の材質によって決定されるものである。例えば、本実施の形態の場合、上記駆動カム259や上記第1把持爪駆動ピン153等として金属が用いられており、上記摩擦係数(μ)は、例えば、0.2程度となる。このとき、上記圧力角(θ′)は上記式(IV)から、約11°と計算される。すなわち、上記駆動カム259や上記第1把持爪駆動ピン153等として金属を用いた場合、上記圧力角(θ′)が11°以下となっているときは、モータ43に電源が供給されない場合であっても上記摩擦力(F)が生じるため、上記駆動カム259の不用意な回転を防止することができる。これにより、電力の供給がない場合であっても、上記第1把持爪121と上記第2把持爪161との間に把持された図示しないワークの不用意な脱落を防止するようになっている。本実施の形態の場合、このような上記駆動カム259の回転防止は、上記圧力角(θ′)が10°以下であれば確実なものとなる。
図10(a)の表によれば、第1把持爪駆動ピン153(第2把持爪駆動ピン193)が第1把持爪駆動溝271(上記第2把持爪駆動溝275)内を6の位置以降の位置に相対的に移動していくと、上記圧力角(θ′)が10°以下になるように設定されている。
また、上記摩擦力(F)があることで、第1ブレーキ201と第2ブレーキ231による把持部71の回転の規制が解除されている場合は、上記第1把持爪駆動ピン153、上記第2把持爪駆動ピン193、第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251と上記第1把持爪駆動溝271、第1ブレーキ駆動溝273、第2把持爪駆動溝275、第2ブレーキ駆動溝277の内周面との相互作用により、上記駆動カム259の回転が把持部71に伝達され、上記把持部71も上記駆動カム259とともに回転されることになる。
また、上記駆動カム259の回転による力(τ)を図9(b)に示す。この力(τ)が前述した摩擦力(F)と釣り合えば上記駆動カム259は回転されない状態となるため、次の式(VI)が成立する。
μ・P・cosθ′ = τ ―――(VI)
また、式(IV)より、式(VI)の左辺「μ・P・cosθ′」は「P・sinθ′」と等しいため、次の式(VII)が成立する。
P・sinθ′ = τ ―――(VII)
そして、この式(VII)を変形すると、次の式(VIII)となる。
P/τ = 1/sinθ′―――(VIII)
但し、
μ :摩擦係数
P :押圧力
θ′:圧力角
τ :駆動カム259の回転による力
θ :角度

この式(VIII)の(P/τ)や(1/sinθ′)の値が図10(a)及び図10(b)に示す減速比である。この減速比が大きいほど、上記駆動カム259の回転力によって、第1把持爪121や第2把持爪161を駆動させ易いことになる。
図10(a)には、上記第1把持爪駆動ピン153が第1把持爪駆動溝271内を1の位置から15の位置に向けて相対的に移動していくと、圧力角(θ′)が漸減され、減速比が漸増されるようすが示されている。
上記第1把持爪121や第2把持爪161によって、図示しないワークを把持しようとする場合、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193が、第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275内を「1」の位置から「15」の位置に向けて相対的に移動していく。このとき、途中で、上記第1把持爪121と第2把持爪161との間に上記図示しないワークが当接されると、既に述べたようにコイルスプリング149、189が圧縮され、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193に作用する反力が増大する。
これに対して、図10(a)によると、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193が第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275内を「1」の位置から「15」の位置に向けて相対的に移動していくと、圧力角(θ′)が漸減され、減速比が漸増されるようになっている。そのため、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193に作用する反力の増大に対して上記減速比が漸増されることで、上記駆動カム259の回転による上記第1把持爪121や第2把持爪161の駆動を容易にし、モータ43の駆動力の大きな変動を抑えるようにしている。
一方、第1ブレーキ駆動ピン221と第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動ピン251と第2ブレーキ駆動溝277については、図10(b)に示すように、「1」の位置から「11」の位置までは、動径(r)は変化せず、ブレーキパッド213、243)の位置は変化しない。すなわち、第1ブレーキ201及び第2ブレーキ231の解除は行われない。
しかし、「11」の位置以降では動径(r)が小さくなっていき、第1ブレーキ駆動ピン221と第2ブレーキ駆動ピン251がブレーキ当接面31から離間するように移動する。そして、上記ブレーキパッド213、243と上記ブレーキ当接面31との当接が解除される。これにより、上記第1ブレーキ201及び第2ブレーキ231の解除が行われる。本実施の形態の場合、例えば、「12」の位置と「13」の位置の間で、上記第1ブレーキ201及び第2ブレーキ231の解除が行われる。
また、図10(b)に示すように、第1ブレーキ駆動ピン221と第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動ピン251と第2ブレーキ駆動溝277については、圧力角(θ′)が10°以下であり、減速比も大きいものとなっている。そのため、上記駆動カム259の回転力によって、第1ブレーキ201や第2ブレーキ231を駆動させ易くなっているとともに、モータ43に電力が供給されない場合であっても上記第1ブレーキ201や第2ブレーキ231の解除や非解除の状態が不用意に切り換わらないようになっている。
以上が、本実施の形態によるグリッパ1の構成の説明である
次に、本実施の形態によるグリッパ1の作用について、図10〜図14を参照しながら説明する。
まず、上記グリッパ1が、把持部71の第1把持爪121及び第2把持爪161を最大限離間させ、第1ブレーキ201及び第2ブレーキ203により上記把持部71の回転が規制されている状態について説明する。
この場合、駆動カム259と第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193、第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251との関係は、図11に示すようなものとなる。すなわち、上記第1把持爪駆動ピン153は第1把持爪駆動溝271内の「1」の位置にあり、第2把持爪駆動ピン193は第2把持爪駆動溝275内の「1」の位置にあり、第1ブレーキ駆動ピン221は第1ブレーキ駆動溝273内の「1」の位置にあり、第2ブレーキ駆動ピン251は第2ブレーキ駆動溝277内の「1」の位置にある。
このような状態から、モータ43を駆動させて出力軸49を正転させ、上記駆動カム259を図11中時計回り方向(図11中矢印Xで示す方向)に回転させて、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193、第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251を第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275、第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動溝277内の「1」の位置から「6」の位置まで相対的に移動させていくと、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193は第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275との相互作用により、図11中左右方向の中央側に向かって移動する。これにより、第1把持爪121と第2把持爪161が互いに近接する方向に移動することになる。これは、図10(a)の表に示すように、上記第1把持爪駆動溝271、上記第2把持爪駆動溝275内の上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193の位置での上記駆動カム259の中心を原点とした極座標を示すパラメータのうち、動径(r)が小さくなっていくことによるものである。
しかし、第1ブレーキ駆動ピン221と第2ブレーキ駆動ピン251の図11中左右方向の位置は変化しない。これは、図10(a)の表に示すように、上記第1ブレーキ駆動溝273、上記第2ブレーキ駆動溝277内の上記第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251の位置での上記駆動カム259の中心を原点とした極座標を示すパラメータのうち、動径(r)が変化しないことによるものである。
よって、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193、第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251を第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275、第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動溝277内の「1」の位置から「6」の位置まで相対的に移動させていくと、第1把持爪121と第2把持爪161は互いに近接する方向に移動するが、上記第1ブレーキ201と第2ブレーキ231は解除されず、把持部71は回転されないことになる。
上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193、第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251を第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275、第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動溝277内の「1」の位置から「6」の位置まで相対的に移動させた状態を図12に示す。
図10(a)によると、第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275内の「1」の位置から「6」の位置までは、既に述べた圧力角(θ′)は10°以上となっており、第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193と上記第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275との間のコイルスプリング149、189による摩擦力(F)は、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193の不用意な移動を防止できる大きさとはなっていない。
更に、上記駆動カム259を図11中時計回り方向に回転させて、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193、第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251を第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275、第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動溝277内の「6」の位置から「11」の位置まで相対的に移動させていくと、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193は更に図11中左右方向の中央側に向かって移動することになり、第1把持爪121と第2把持爪161は互いに近接する方向に移動する。これは、上記第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275内の「6」の位置から「11」の位置でも、図10(a)の表に示すように、上記第1把持爪駆動溝271、上記第2把持爪駆動溝275内の上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193の位置での上記駆動カム259の中心を原点とした極座標を示すパラメータのうち、動径(r)が小さくなっていくことによるものである。
また、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193が第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275内の「1」の位置から「11」の位置まで相対的に移動される間に、上記第1把持爪121と上記第2把持爪161とによって、図示しないワークが把持されることになる。
また、既に述べたように、上記第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275内の「6」の位置から「11」の位置では、圧力角(θ′)が10°以下となるため、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193と上記第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275との間のコイルスプリング149、189による摩擦力(F)が、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193の不用意な移動を防止できる大きさとなっている。そのため、第1把持爪121と第2把持爪161との間に図示しないワークを把持した後、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193が上記第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275内の「6」の位置から「11」の位置に来るまで上記駆動カム259を回転させると、上記第1把持爪121と第2把持爪161の外力による不用意な移動が上記摩擦力(F)によって防止される。そのため、モータ43に電力が供給されなくなっても、上記第1把持爪121と第2把持爪161とによって把持した図示しないワークの不用意な脱落が防止される。
なお、このことから、上記図示しないワークの大きさとしては、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193が上記第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275内の「6」の位置から「11」の位置に相対的に移動された際に、上記第1把持爪121と第2把持爪161によって把持することができる程度が望ましい。
また、コイルスプリング149、189は、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193が上記第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275内の「1」の位置にある状態で既に圧縮された状態であるが、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193が上記第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275内の「1」の位置から「15」の位置に向けて移動されれば、更なる圧縮が開始される長さに設定されている。
また、第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動溝277内の「6」の位置から「11」の位置では、図10(b)に示すように、上記第1ブレーキ駆動溝273、上記第2ブレーキ駆動溝277内の上記第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251の位置での上記駆動カム259の中心を原点とした極座標を示すパラメータのうち、動径(r)が変化していない。そのため、上記第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251を第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動溝277内の6から11の位置まで相対的に移動させても、第1ブレーキ201と第2ブレーキ231による把持部71の回転の規制は解除されない。
そして、更に、上記駆動カム259を図11中時計回り方向に回転させて、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193、第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251を第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275、第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動溝277内の「11」の位置以降(例えば、「12」の位置と「13」の位置の間)に相対的に移動させていくと、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193は更に図11中左右方向の中央側に向かって移動することになるが、その移動量は小さなものとなる。これは、上記第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275内の11以降の位置では、図10(a)の表に示すように、上記第1把持爪駆動溝271、上記第2把持爪駆動溝275内の上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193の位置での上記駆動カム259の中心を原点とした極座標を示すパラメータのうち、動径(r)の変化が小さなものとなっていることによるものである。また、当然ながら、第1把持爪121と第2把持爪161の互いに近接する方向への移動量も小さくなる。
また、第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動溝277内の「11」の位置以降(例えば、「12」の位置と「13」の位置と間)では、図10(b)に示すように、上記第1ブレーキ駆動溝273、上記第2ブレーキ駆動溝277内の上記第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251の位置での上記駆動カム259の中心を原点とした極座標を示すパラメータのうち、動径(r)が小さくなっていく。そのため、上記第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251を第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動溝277内の「11」の位置まで相対的に移動させると、上記第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251がブレーキパッド213、243によるハウジング21のブレーキ当接面31に対する押圧・付勢を解除する方向に移動され、第1ブレーキ201と第2ブレーキ231による把持部71の回転の規制が解除される。
なお、図10(b)によると、上記ブレーキパッド213、243は1mm程度移動されるようになっているが、上記ブレーキパッド213、243と上記ブレーキ当接面31との間に僅かな隙間が発生すれば、その時点で上記第1ブレーキ201と第2ブレーキ231による把持部71の回転の規制が解除されることになる。すなわち、上記第1ブレーキ駆動溝273、上記第2ブレーキ駆動溝277内の上記第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251の位置での上記駆動カム259の中心を原点とした極座標を示すパラメータのうちの動径(r)が小さくなり始めれば、上記第1ブレーキ201と第2ブレーキ231による把持部71の回転の規制が解除される。
また、図10(a)及び図10(b)の表によると、圧力角(θ′)が10°以下となっているため、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193と上記第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275との間の摩擦力(F)や、第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251と第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動溝277との間の摩擦力(F)が上記把持部71を回転するのに十分大きい値である。
そのため、上記駆動カム259が回転されることにより、上記把持部71が図2中時計回り方向に回転されることになる。
なお、ここでも、圧力角(θ′)が10°以下となるため、上記第1把持爪121と第2把持爪161の外力による不用意な移動が防止される。そのため、モータ43に電力が供給されなくなっても、上記第1把持爪121と第2把持爪161とによって把持した図示しないワークの不用意な脱落が防止されている。
上記第1ブレーキ201と第2ブレーキ231による把持部71の回転の規制が解除された状態で、上記把持部71を図2中時計回り方向に任意の角度だけ回転させて、モータ43を停止させる。これにより、上記第1把持爪121と第2把持爪161とによって把持した図示しないワークを任意の角度だけ回転される。
なお、上記把持部71の回転角度は、モータユニット41のエンコーダ45によって、モータ43の出力軸49の回転数や回転角度から検出される。
また、必要に応じてグリッパ1が取り付けられたロボットアームを操作し、上記グリッパ1と図示しない把持されたワークを、任意の場所に移動させる。
以下、図示しないワークの把持の解除について詳細に説明する。
まず、再び、第1ブレーキ201と第2ブレーキ231による把持部71の回転の規制を行う。上記モータ43を駆動させて出力軸49を逆転させ、駆動カム259を図14中反時計回り方向(図14中矢印Yで示す方向)に回転させ、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193、第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251を第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275、第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動溝277内の「12」の位置と「13」の位置との間に相対的に移動されれば、再び、第1ブレーキ201及び第2ブレーキ231による上記把持部71の回転が規制された状態となる。
更に、上記駆動カム259を図14中反時計回り方向に回転させていくと、第1把持爪121と第2把持爪161が、互い離間する方向へと移動していく。上記第1把持爪121と第2把持爪161が、所定の距離だけ離間させ、上記第1把持爪121と上記第2把持爪161とによる上記図示しないワークに対する押し付け力を十分に低減させれば、上記第1把持爪121と第2把持爪161による図示しないワークの把持は解除される。
なお、上記駆動カム259を図14中反時計回り方向に回転させる場合でも、圧力角(θ′)が10°以下となっているため、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193と上記第1把持爪駆動溝271、第2把持爪駆動溝275との間のコイルスプリング149、189による摩擦力、及び、第1ブレーキ駆動ピン221、第2ブレーキ駆動ピン251と第1ブレーキ駆動溝273、第2ブレーキ駆動溝277との間の摩擦力があるため、上記把持部71を回転させる力が働くが、既に述べたワンウェイクラッチ87により、上記把持部71は図2中反時計方向に回転されることはない。すなわち、上記図示しないワークの把持を解除する場合であっても上記図示しないワークの角度は変化せず、上記任意の角度に回転された状態を保ったまま上記図示しないワークを上記任意の場所に載置することができる。
また、上記把持部71を初期の回転角度に戻したい場合は、上記図示しないワークの把持を解除した後、再び、モータ43の回転軸49を正転させ、上記図示しないワークを把持しない状態で、前述したように上記把持部71を図2中時計回り方向に回転させる。このようにして、上記把持部71を初期状態から一回転させた位置まで回転させれば、上記把持部71の回転角度は初期状態に戻される。
なお、このような上記図示しないワークを把持しない状態での上記把持部71の回転動作によって、予め上記把持部71を任意の角度に回転させておき、その状態で上記把持部71による図示しないワークの把持動作を行わせることも可能である。
以上が、本実施の形態によるグリッパ1の作用についての説明である。
次に、本実施の形態によるグリッパ1の効果について説明する。
まず、一つのモータ43によって一つの駆動カム259を回転させるという簡単な構成により、把持部71による図示しないワークの把持とその解除や、第1ブレーキ201や第2ブレーキ203による把持部71の回転の規制とその解除、及び、上記把持部71の回転動作を行うことができる。また、上記簡単な構成により、上記把持部71による十分な把持力を提供することができ、上記把持部71を任意回転角度で停止させて把持/開放を行わせることができ、低コスト化を図ることができる。
すなわち、上記グリッパ1は、駆動カム259に第1把持爪駆動溝271、第1ブレーキ駆動溝273、第2把持爪駆動溝275、及び、第2ブレーキ駆動溝277が形成されており、上記第1把持爪駆動溝271内には第1把持爪駆動ピン153が挿入され、上記第1ブレーキ駆動溝273内には第1ブレーキ駆動ピン221が挿入され、上記第2把持爪駆動溝275内には第2把持爪駆動ピン193が挿入され、上記第2ブレーキ駆動溝277内には第2ブレーキ駆動ピン251が挿入されているので、モータ43によって駆動カム259を回転させることにより、把持部71による図示しないワークの把持とその解除や、第1ブレーキ201や第2ブレーキ203による把持部71の回転の規制とその解除、及び、上記把持部71の回転動作を行うことができる。
また、上記第1把持爪駆動溝271、第1ブレーキ駆動溝273、第2把持爪駆動溝275、及び、第2ブレーキ駆動溝277は、第1把持爪121と第2把持爪161による把持動作が終了した後、第1ブレーキ201及び第2ブレーキ231による上記把持部71の回転の規制が解除されるように設定されているため、上記第1把持爪121と第2把持爪161による把持動作中の上記把持部71の不用意な回転を防止できる。
また、上記第1把持爪駆動溝271及び上記第2把持爪駆動溝275は、図10(a)に示すように、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193が第1把持爪駆動溝271、上記第2把持爪駆動溝275内を「1」の位置から「15」の位置に向けて相対的に移動していくと、圧力角(θ′)が漸減され、減速比が漸増されるように設定されているため、第1把持爪121と第2把持爪161との間に図示しないワークを把持した際に発生するコイルスプリング149、189による反力に対して、上記駆動カム259の回転による上記第1把持爪121や第2把持爪161の駆動を行いやすくし、モータ43の駆動力の大きな変動を抑えることができる。また、上記モータ43の駆動力の大きな変動を抑えることにより、消費電力を抑えることができる。
また、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193が第1把持爪駆動溝271、上記第2把持爪駆動溝275内を「6」の位置以降の位置に相対的に移動していくと、上記圧力角(θ′)が10°以下になるように設定されている。そのため、上記第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193が第1把持爪駆動溝271、上記第2把持爪駆動溝275内を「6」の位置以降の位置にあるときに、上記第1把持爪121と第2把持爪161により図示しないワークを把持していれば、コイルスプリング149等による上記駆動カム259や上記第1把持爪駆動ピン153等との摩擦力が十分に大きく、電力の供給がない場合であっても、上記第1把持爪121と上記第2把持爪161は外力によって不用意に移動されてしまうことを防止できる。そして、これにより、把持された上記図示しないワークの不用意な脱落を防止することができる。
また、上記コイルスプリング149、189の弾性力によっても、上記第1把持爪121と第2把持爪161との間に上記図示しないワークが把持されるため、簡易な構成によって、寸法が異なるワークであっても安定して把持することができる。また、把持された上記図示しないワークにより上記第1把持爪121と第2把持爪161の移動が阻害された状態になっても、上記コイルスプリング149、189によって、上記第1把持爪121と第2把持爪161とによる把持力の大幅な変動を抑制することができる。
上記駆動カム259と上記第1把持爪駆動ピン153等との摩擦力により、上記駆動カム259が回転されることで、上記第1把持爪駆動ピン153等を介して上記把持部71も回転させることができるため、上記駆動カム259をモータ43によって回転させる簡単な構成により、上記把持部71、ひいては、把持された上記図示しないワークを任意の角度に回転させることもできる。
また、ワンウェイクラッチ87が設置されているため、モータ43の出力軸49を逆転させた場合、上記把持部71が回転しないようにすることができる。これにより、上記図示しないワークの把持を解除する場合であっても、上記把持部71ひいては、把持された上記図示しないワークの回転を防止することができる。これによって、簡単な構成により、把持された上記図示しないワークを任意の角度に回転させた状態を保持したまま、その把持の解除を行うことができる。
また、把持部71の固定部材145と上記直動案内部材135との間には、シャフト139に貫通されたコイルスプリング149が設置されており、固定部材185と直動案内部材175との間には、上記シャフト179に貫通されたコイルスプリング189が設置されている。そのため、第1把持爪121と第2把持爪161との間に上記図示しないワークが把持された後、上記第1把持爪121と上記第2把持爪161が上記図示しないワークによって互いに近接する方向へは移動できなくなっても、コイルスプリング149、189が完全に圧縮されるまでは、上記シャフト139、179、固定部材145、185、駆動ピンベース147、187、及び、第1把持爪駆動ピン153、第2把持爪駆動ピン193を更に移動させることができ、駆動カム259も回転することができる。これにより、上記第1把持爪121と第2把持爪161との間に上記図示しないワークが把持されたことによる上記駆動カム259の回転の阻害が起こらず、上記把持部71による図示しないワークの把持、第1ブレーキ201や第2ブレーキ203による把持部71の回転の規制の解除、及び、上記把持部71の回転という一連の動作を上記駆動カム259の回転によって行うことができる。また、このような構成により、モータ43を「押し付けモード」で制御する必要がなく、「位置決めモード」での制御も可能であり、モータ制御装置を簡易なものとすることができる。
また、本実施の形態によるグリッパ1は、複雑な位置決め機構、電磁機構やセンサー、検出器等が不要であり、構成が簡単なため、低コストで製造できる。
本発明は、前述した一実施の形態に限定されない。
前述した一実施の形態では、図示しないワークの寸法差を吸収する弾性部材としてコイルスプリングを用いたが、ウレタンやゴム等の樹脂製の弾性部材を用いることもできる。
また、把持爪を弾性部材で構成することや、把持爪側に弾性部材により上記図示しないワークの寸法差を吸収する機構を設けることも考えられる。
また、前述した一実施の形態では、第1把持爪121と第2把持爪161とを互いに近接させる方向に移動させ、上記第1把持爪121と第2把持爪161との間に図示しないワークを把持するようにしたが、上記第1把持爪121と第2把持爪161とを互いに離間させる方向に移動させ、例えば、筒状のワークの内周面側を押圧・付勢するようにして把持する場合も考えられる。このような場合、駆動カム259の第1把持爪駆動溝271及び第2把持爪駆動溝275の形状は、上記駆動カム259が一方向に回転していくと、上記駆動カム259の中心からの距離が大きくなっていくようなものとなる。
また、上記駆動カム259の第1把持爪駆動溝271、第1ブレーキ駆動溝273、第2把持爪駆動溝275、第2ブレーキ駆動溝277の形状を反転させれば、上記把持部71を逆方向にも回転させることができるような構成とすることもできる。
また、前述した一実施の形態では、第1把持爪121と第2把持爪161の二つの把持爪が設置されているが、3つ以上の把持爪を設置する場合も考えられる。
本発明は、例えば、産業用ロボットに組み込まれワーク等を把持するために使用されるグリッパに係り、特に、簡単な構成で把持動作と回転動作の両方を行うことができるように工夫したものに関し、例えば、自動生産ラインにおいて使用されるロボットのグリッパに好適である。
1 グリッパ
21 ハウジング
43 モータ
71 把持部
149 コイルスプリング(弾性部材)
189 コイルスプリング(弾性部材)
201 第1ブレーキ
231 第2ブレーキ
259 駆動カム

Claims (8)

  1. ハウジングと、
    上記ハウジングに対して回転可能に設置されワークを選択的に把持する把持部と、
    上記把持部を回転駆動するカムと、
    上記カムを回転駆動する駆動モータと、
    上記把持部の回転を選択的に禁止するブレーキと、
    を具備したことを特徴とするグリッパ。
  2. 請求項1記載のグリッパにおいて、
    上記ブレーキのブレーキ動作を上記カムによって駆動するようにしたことを特徴とするグリッパ。
  3. 請求項1又は請求項2記載のグリッパにおいて、
    上記把持部の把持動作を上記カムによって駆動するようにしたことを特徴とするグリッパ。
  4. 請求項3記載のグリッパにおいて、
    上記把持部には上記ワークの寸法差を吸収するための弾性部材が設置されていることを特徴とするグリッパ。
  5. 請求項4記載のグリッパにおいて、
    上記弾性部材はコイルスプリングであることを特徴とするグリッパ。
  6. 請求項3〜請求項5の何れかに記載のグリッパにおいて、
    上記カムの減速比が上記ワークを把持する力の上昇に伴い漸増することを特徴とするグリッパ。
  7. 請求項3〜請求項6の何れかに記載のグリッパにおいて、
    上記把持部による上記ワークの把持動作が完了するとき及びその把持状態を保持するときの上記カムの圧力角が10度以下であることを特徴とするグリッパ。
  8. 請求項1〜請求項7の何れかに記載のグリッパにおいて、
    上記把持部の回転動作、上記ブレーキのブレーキ動作、上記把持部の把持動作を1つのカムで駆動するようにしたことを特徴とするグリッパ。
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