JP2014212742A - 飲料製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】香味の変化が抑制されたカフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物の製造方法の提供。【解決手段】茶抽出物またはコーヒー抽出物に吸着剤を接触させる工程と、2回以上の遠心分離処理によって該吸着剤を該茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去する工程を含む、カフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物の製造方法を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、飲料製造方法に関するものであり、さらに詳細には、茶抽出物またはコーヒー抽出物に吸着剤を接触させる工程と、2回以上の遠心分離処理によって該吸着剤を該茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去する工程とを含む、カフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物の製造方法に関するものである。
紅茶や緑茶などの茶飲料やコーヒー飲料製造では、冷却時に抽出液中のカフェインと、タンニンなどが結合して不溶化し析出物が生じる現象(冷却混濁)、もしくは抽出原料そのものの微粒子によって沈殿や濁りが生じる現象をできるかぎり起こさないようにすることが必要となる場合が多い。その解決方法として、抽出液を冷却後、遠心分離によって沈殿物や濁り成分を除去する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、多様化する消費者の嗜好に合わせて飲料中に含まれる成分を調整した飲料に対する消費者の関心も高まってきており、このようなニーズの例としては、高ポリフェノール飲料や低カフェイン飲料などがある。その解決方法として、吸着剤処理による成分調整法が知られている。例えば、特許文献2には活性炭処理によって甘味を増強する方法が開示されており、また特許文献3には樹脂処理によってカフェインを低減させた緑茶飲料が開示されており、また特許文献4には活性炭処理によってカフェインを低減させたコーヒー飲料が開示されており、さらに特許文献5には活性白土または酸性白土処理によってカフェインを低減させる方法が開示されている。
さらに、吸着剤の除去方法として、特許文献2には濾過機で除去する方法が開示されており、また特許文献3および特許文献4には吸着剤を充填したカラムを用いる方法が開示されており、さらに特許文献6にはフィルター濾過、珪藻土等の濾過助剤によって除去する方法が開示されている。
特開平1−171435号公報 特開2007−167004号公報 特開2007−14283号公報 特開2007−54053号公報 特開平6−142405号公報 特開2011−019469号公報
しかしながら、紅茶や緑茶などの茶飲料やコーヒー飲料製造において、目的とする特定成分を除去するために、これらの抽出物に対して白土や活性炭などの吸着剤を接触させた後、これらの吸着剤は分離、除去されなければならないが、白土は水系では崩壊して微細化する性質があること、活性炭はその比重が非常に小さいことなどから、従来の遠心分離ではこれらの吸着剤を完全に除去することは難しい。
これを解決するために、遠心分離の際の回転数を上げ、または遠心時間を延長すると、茶飲料やコーヒー飲料に必要とされる香味成分も分離されてしまい、香味上問題となっていた。また、フィルターのみによって吸着剤の除去を行うと、前記と同様に必要な香味成分が除去されてしまったり、また工場での実製造において、すぐにフィルターが目詰まりを起こす場合があった。
本発明は、茶抽出物や、コーヒー抽出物から、飲料抽出物の本来の香味を損なわず、白土や活性炭などの吸着剤を効率的に除去することを目的とする。
本発明者らは、茶抽出物や、コーヒー抽出物から白土や活性炭などの吸着剤を効率的に除去することを目的として、カフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物の製造において、茶抽出物またはコーヒー抽出物の吸着剤接触工程、および吸着剤を除去する工程において、以下の知見を得た。
すなわち、本発明者らは、上記問題を解決するためには、吸着剤を含有する飲料抽出物から吸着剤を1回の強い遠心強度で遠心分離処理して除去するよりも、意外なことに弱い遠心強度でも2回以上遠心分離処理する方が、吸着剤をより確実に除去することができることを見出した。
本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)茶抽出物またはコーヒー抽出物に吸着剤を接触させる工程と、2回以上の遠心分離処理によって該吸着剤を該茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去する工程とを含む、カフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物の製造方法。
(2)2回目以降の遠心分離処理の終末沈降速度が、1回目の遠心分離処理の終末沈降速度以下である、(1)に記載の製造方法。
(3)遠心分離処理の終末沈降速度Vg値が10.0×10−8m/s以下である、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)吸着剤が、酸性白土、活性白土、ゼオライト、合成吸着剤、および活性炭からなる群から選択される吸着剤の1種または2種以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)フィルターろ過処理工程をさらに含む(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)フィルターろ過処理工程に用いられるフィルターが、吸着型である、(5)に記載の製造方法。
(7)茶抽出物またはコーヒー抽出物に吸着剤を接触させ、2回以上の遠心分離処理によって該吸着剤を該茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去することを特徴とする、カフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物からの吸着剤の除去方法。
(8)2回目以降の遠心分離処理の終末沈降速度が、1回目の遠心分離処理の終末沈降速度以下である、(7)に記載の除去方法。
(9)遠心分離処理の終末沈降速度Vg値が10.0×10−8m/s以下である、(7)または(8)に記載の除去方法。
(10)吸着剤が、酸性白土、活性白土、ゼオライト、合成吸着剤、および活性炭からなる群から選択される吸着剤の1種または2種以上である、(7)〜(9)のいずれかに記載の除去方法。
(11)フィルターろ過処理工程をさらに含む(7)〜(10)のいずれかに記載の除去方法。
(12)フィルターろ過処理工程に用いられるフィルターが、吸着型である、(11)に記載の除去方法。
本発明によれば、(1)茶抽出物またはコーヒー抽出物から、吸着剤を効率的に除去することができ、(2)弱い遠心強度でも抽出物から吸着剤を効率よく除去することができることから、遠心分離機への負担を小さくすることができ、(3)弱い遠心強度でも抽出物から吸着剤を効率よく除去することができるため、飲料抽出物の本来の香味の損失を抑制することができ、また(4)工場規模での実製造において、連続式遠心分離機を用いる場合は、1回の遠心分離処理で遠心強度を強くするためには流量を遅くすることが必要であり、製造遅延などのデメリットがあるが、本発明においては、流量を遅くすることなく複数回の遠心分離処理を行うことができるため、抽出物から吸着剤を効率的に除去することができる。
発明の具体的説明
カフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物の製造方法
本発明の製造方法は、茶抽出物またはコーヒー抽出物に吸着剤を接触させる工程と、2回以上の遠心分離処理によって該吸着剤を該茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去する工程とを含む、カフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物の製造方法である。
本発明の製造方法に用いられる茶抽出物は、特に限定されないが、通常の茶抽出物の調製に用いられている方法を用いて製造される茶抽出物やその濃縮液を用いることができる。例えば、茶葉と水(0〜100℃)を混合接触させるか、あるいは、茶エキスや茶パウダーなどの茶抽出物の濃縮物や精製物を水(0〜100℃)に混合または溶解させることにより、本発明の製造方法に用いられる茶抽出物を得ることができる。また、上記の茶葉と水を混合接触させて得られる茶抽出物と、上記の茶エキスや茶パウダーを混合したものとを茶抽出物として本発明の製造方法に用いてもよい。茶葉と水を混合接触させた場合には、遠心分離や濾過などの分離手段を用いて茶葉と茶抽出物を分離することができる。
茶抽出物の調製に用いられる茶葉は、特に限定されないが、Camellia sinensisに属する茶葉を用いることができ、煎茶、玉露、抹茶、釜炒り茶、番茶、ほうじ茶等の緑茶葉のような不発酵茶に限らず、烏龍茶のような半発酵茶や、紅茶のような発酵茶、プーアル茶のような後発酵茶等も用いることができる。また、抽出物の調製に際し、茶葉以外の任意の原料を配合してよい。本発明の製造方法に用いられる茶抽出物に用いられる茶葉は、上記のような茶葉であれば特に限定されるものではないが、好ましくは緑茶、烏龍茶、または紅茶であり、より好ましくは緑茶である。
茶エキスや茶パウダーなどの茶抽出物の濃縮物や精製物としては、ポリフェノン(三井農林社製)やサンフェノン(太陽化学社製)、テアフラン(伊藤園社製)などの市販品を用いることができる。また、これらの茶濃縮物や茶精製物は、そのまま又は水で溶解もしくは希釈したものを単独で使用しても、複数の種類を混合して用いても、茶葉と水を混合接触させて得られる茶抽出物と混合して用いてもよい。
本発明の製造方法に用いられるコーヒー抽出物は、特に限定されないが、一般的な方法(例えば、「最新・ソフトドリンクス」(光琳)を参照)により抽出することができる。コーヒー、例えば焙煎したコーヒー豆から各種方法により得られる抽出物(いわゆるレギュラーコーヒー)のほか、コーヒーから抽出した成分を含有する液体がすべて包含され、例えば、コーヒー焙煎豆の冷水、温水、熱水、加圧熱水による抽出物や、プロピレングリコール水溶液、ショ糖脂肪酸エステル等の食品添加物として許容されている界面活性剤の水溶液による抽出物、炭酸ガス等の臨界抽出により得られた抽出物、インスタントコーヒーの溶解液等も包含される。コーヒー抽出物は上述したいずれであってもよいが、コーヒー抽出物は、好ましい態様によれば、焙煎したコーヒー豆を熱水(例えば、コーヒー豆の10倍量)で抽出した後、冷却してコーヒー抽出物とすることが好ましい。また、コーヒー豆からの抽出方法については、特に限定されず、例えば、ボイリング式、エスプレッソ式、サイフォン式、ドリップ式(例えば、ペーパー、ネル)が挙げられる。
本発明において、コーヒー抽出物を得るのに用いられるコーヒー豆の種類は特に限定されないが、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテンが挙げられ、これらの1種または2種以上をブレンドして用いても良い。コーヒー豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種があり、好ましくは、香味の観点から、アラビカ種である。コーヒー豆は1種でもよいし、複数種をブレンドして用いても良い。コーヒー豆を焙煎により焙煎コーヒーとする方法については、特に限定されるものではなく、焙煎温度、焙煎環境についても限定されない。焙煎方法としては直火式、熱風式、半熱風式などが挙げられる。焙煎コーヒーの焙煎度としては特に限定されるものではなく、例えばライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンいずれを用いても良い。焙煎コーヒーの焙煎度は、L値を用いて表現してもよく、当業者は適宜、豆のL値を選択することができる。L値は、例えば日本電色工業社製の色差計により測定することができる。なお、焙煎度の異なるコーヒー豆を複数種混合しても良い。
本発明の製造方法において、茶抽出物またはコーヒー抽出物に吸着剤を接触させる方法は、茶抽出物またはコーヒー抽出物が吸着剤と接触する限り、特に限定されるものではないが、例えば、接触タンクにより一定量を逐次処理するバッチ処理や、配管内でのドージングおよびホールディングによる処理や、吸着剤充填カラムを通液させるカラム処理などの連続処理が挙げられる。
本発明の製造方法において用いられる吸着剤は、茶抽出物またはコーヒー抽出物からカフェインを除去できればどのような態様の吸着剤であってもよいが、酸性白土、活性白土、ゼオライト、合成吸着剤、および活性炭からなる群から選択される吸着剤の1種または2種以上であることが好ましい。
白土は、特に限定されるものではなく、例えば、酸性白土、活性白土、ベントナイト、活性ベントナイトおよびこれらの一部または全部の組合せが挙げられる。好ましくは、酸性白土および活性白土並びにこれらの組合せを用いることができ、より好ましくは酸性白土を用いることができる。
本発明の製造方法の好ましい態様において用いられる酸性白土および活性白土は、共に一般的な化学成分として、SiO2 、Al23 、Fe23 、CaO、MgOなどを有するが、本発明の製造方法に使用する場合、SiO2 /Al23 比は、3〜12、好ましくは3〜8が好ましい。また、酸性白土および活性白土中に、Fe23 2〜5質量%、CaO 0〜1.5質量%、MgO 1〜7質量%などを含有する組成のものが好ましい。
本発明に使用する酸性白土および活性白土の比表面積(m/g)は、酸性白土の場合には50m/g以上150m/g未満、活性白土の場合には70m/g以上300m/g未満であるものが好ましい。
本発明に使用する白土のうち好ましいものとしては、比表面積(m/g)が50以上150未満で、かつ、SiO/Al比が3以上8未満である酸性白土や、比表面積(m/g)が200以上300未満で、かつ、SiO/Al比が3以上11未満である活性白土が挙げられる。
上記のような好ましい酸性白土としては、例えば、ミズカエース#20やミズカエース#200、ミズカエース#400、ミズカエース#600、ミズライト(水澤化学社製)などの市販品を用いることができる。また、上記のような好ましい活性白土としては、例えば、ガレオンアースNVZやガレオンアースV2、ガレオンアースNF2(水澤化学社製)などの市販品を用いることができる。また、Clarit100GやClarit125G、Tonsil531N(ズードケミー触媒社製)などの市販ベントナイトも白土として用いることができる。
活性炭は、特に限定されるものではなく、原料(木質原料、鉱物系原料等)および形状(粒状、粉末状、顆粒状等)はいずれのものを用いてもよい。例えば、日本エンバイロケミカルズ社製の粒状白鷺LH2cや、粒状白鷺KLや、FP−3等、ホクエツ社製のホクエツA炭を用いることができる。
ゼオライトは、特に限定されるものではなく、天然であればいずれの産地のものを用いてもよく、合成であればいずれの方法で作製されたものを用いてもよい。例えば、東ソー社製のゼオラムやハイシリカゼオライト等、シナネンゼオミック社製のゼオミック等を用いることができる。
合成吸着剤は、多孔質構造を持たせた合成高分子であれば特に限定されるものではなく、合成に用いる原料(芳香族系化合物、メタクリル酸系化合物など)や形状(粒状、粉末状など)はいずれのものを用いてもよい。例えば、三菱化学社製のダイヤイオンHP20や、セパビーズSP700等、東新化成社製のニッカゲルM等を用いることができる。
茶抽出物またはコーヒー抽出物に接触させる吸着剤の濃度は、特に限定されるものではないが、例えば、0.1質量%以上であり、好ましくは0.2〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%である。茶抽出物またはコーヒー抽出物に0.5〜5質量%の吸着剤を接触されることにより、より飲料抽出物本来の香味を維持することができる。
本発明の製造方法において行われる遠心分離処理は、2回以上であれば特に限定されるものではないが、好ましくは2〜4回であり、より好ましくは2回である。また、本発明の製造方法に用いられる遠心分離機は、特に限定されるものではないが、バッチ式(スイングローターを用いたスイング式、アングルローターを用いたアングル式)や、連続式などが挙げられ、バッチ式の場合は遠心分離の都度、上清液と沈殿物を分離するため、連続式と比較して歩留まりがよいなどのメリットがあり、連続式の場合は、工業的な大量生産において、単位時間当たりの処理量を多くできるなどのメリットがある。
本発明の製造方法における遠心分離処理は、2回以上行うことを特徴とする。ここで、物体が重力や遠心力などの体積力と、速度に依存する抗力を受ける際に、これらの力が等しくなって変化しなくなったときの速度を終末沈降速度(Vg)というが、本発明の製造方法において、遠心分離処理にスイング式の遠心分離機を用いる場合、終末沈降速度(Vg)は以下の式(I)により求めることができる。
T:回転時間(min)
N:回転数(rpm)
2h:液面−試験管底(mm)
Rc:液面−回転軸(mm)
F:遠心機ファクター(ln(1+h/Rc))
E:効率
Vg:終末沈降速度(×10−8m/s)
また、本発明の製造方法において、遠心分離処理にアングル式の遠心分離機を用いる場合、終末沈降速度(Vg)は、上記式(I)において、遠心機ファクターを、F=ln(1+D/Rc・cosθ)とすることにより求めることができる(Dは試験管の内直径を表し、θは試験管の傾きを表す)。
また、本発明の製造方法において、遠心分離処理に連続式の遠心分離機を用いる場合、終末沈降速度(Vg)は以下の式(II)により求めることができる。
Q:通液流量(L/h)
Σ:沈降濾過面積(m
Vg:終末沈降速度(×10−8m/s)
本発明の製造方法における終末沈降速度Vg値は、抽出物の種類や、吸着剤の種類により適宜決定することができるが、例えば、10.0×10−8m/s以下であり、好ましくは1.0〜10.0×10−8m/s、より好ましくは1.0〜8.0×10−8m/s、さらに好ましくは1.0〜4.0×10−8m/sである。また、2回目以降の遠心分離処理の終末沈降速度が、1回目の遠心分離処理の終末沈降速度以下であることがより好ましい。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、1回目の遠心分離処理の終末沈降速度Vg値が、1.0〜10.0×10−8m/s(好ましくは、1.0〜8.0×10−8m/s、さらに好ましくは1.0〜4.0×10−8m/s)であり、かつ2回目以降の遠心分離処理の終末沈降速度Vg値は、1.0〜10.0×10−8m/s(好ましくは、1.0〜8.0×10−8m/s、さらに好ましくは1.0〜4.0×10−8m/s)である製造方法が提供される。
本発明の製造方法に用いられる抽出物が茶抽出物であり、吸着剤が酸性白土および/または活性白土の場合、特に限定されるものではないが、1回目の遠心分離処理の終末沈降速度Vg値は、1.0〜8.0×10−8m/s(好ましくは、1.0〜4.0×10−8m/s)であり、かつ2回目以降の遠心分離処理の終末沈降速度Vg値は、1.0〜8.0×10−8m/s(好ましくは、1.0〜4.0×10−8m/s)である。
本発明の製造方法におけるバッチ式遠心分離処理の回転時間は、抽出物の種類、吸着剤の種類で適宜決めることができるが、好ましくは、2回目以降の遠心分離処理の回転時間が、1回目の遠心分離処理の回転時間と同等以上の長さにすることである。
また、本発明の製造方法におけるバッチ式遠心分離処理の回転数は、抽出物の種類、吸着剤の種類で適宜決めることができるが、好ましくは、2回目以降の遠心分離処理の回転数が、1回目の遠心分離処理の回転数と同等以上の回転数にすることである。
また、本発明の製造方法における連続式遠心分離処理の通液流量は、抽出物の種類、吸着剤の種類で適宜決めることができるが、好ましくは、2回目以降の遠心分離処理の通液流量が、1回目の遠心分離処理の通液流量と同等以下の流量にすることである。
また、本発明の製造方法における連続式遠心分離処理の沈降濾過面積は、抽出物の種類、吸着剤の種類で適宜決めることができるが、好ましくは、2回目以降の遠心分離処理の沈降濾過面積が、1回目の遠心分離処理の沈降濾過面積と同等以上の面積にすることである。
本発明の製造方法において、遠心分離処理にスイング式の遠心分離機を用いる場合は、遠心分離の回転数、回転時間は、抽出物の種類、吸着剤の種類で適宜決めることができるが、好ましくは1回目の遠心分離処理は、1000〜5000rpm、1〜30分であり、かつ2回目以降の遠心分離処理は、1000〜5000rpm、1〜30分であり、より好ましくは1回目の遠心分離処理は、1000〜3000rpm、1〜20分であり、かつ2回目以降の遠心分離処理は、1000〜3000rpm、1〜20分であり、さらに好ましくは1回目の遠心分離処理は、1000〜2000rpm、1〜10分であり、かつ2回目以降の遠心分離処理は、1000〜2000rpm、1〜10分である。
本発明の製造方法に用いられる抽出物が茶抽出物であり、吸着剤が酸性白土および/または活性白土であり、遠心分離処理にスイング式の遠心分離機を用いる場合、特に限定されるものではないが、好ましくは1回目の遠心分離処理は、1000〜5000rpm、1〜30分であり、かつ2回目以降の遠心分離処理は、1000〜5000rpm、1〜30分である。このような条件で、遠心分離処理を行うことにより、茶抽出物から白土を効率的に除去することができる。
2回以上の遠心分離処理によって、吸着剤を茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去する工程とは、遠心分離処理により吸着剤を除去できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、バッチ式では遠心処理後にその上清を取り分けることにより吸着剤を除去することができ、また連続式では連続式遠心分離機のデスラッジ機能(沈殿物を一定間隔で排出する機能)により茶抽出物またはコーヒー抽出物から吸着剤を除去することができる。
本発明の製造方法においては、茶抽出物またはコーヒー抽出物に吸着剤を接触させる工程と、2回以上の遠心分離処理によって該吸着剤を該茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去する工程を含む製造方法に、さらに清澄な抽出物を得るために、遠心分離処理の工程後に、フィルターろ過処理工程をさらに含むことが好ましい。本発明の製造方法において用いられるフィルターろ過処理のためのフィルターは、抽出物の種類、吸着剤の種類で適宜決めることができ、捕捉型、吸着型のいずれを用いてもよいが、吸着型がより好ましい。特に、抽出物が茶抽出物であり、吸着剤が酸性白土および/または活性白土の場合、吸着型のフィルターが好ましい。吸着剤が酸性白土および/または活性白土の場合に、吸着型のフィルターを用いて抽出物を処理することにより、より吸着剤を除去することができる。捕捉型フィルターとは、ポリプロピレンなどの不織布等を素材として用いて作成し、固形分を機械的な捕捉のみで取り除くことができるフィルターであり、例えば住友スリーエム社製のPPK−010や、PPK−005などが挙げられる。吸着型のフィルターとは、フィルターの素材として不織布以外に、珪藻土や活性炭、ゼータ電位が付与されたレジンなどが用いられ、固形分を機械的な捕捉のみではなく、素材の吸着作用によって取り除くことができるフィルターであり、例えば住友スリーエム社製のゼータプラス30Cや、ゼータプラス50C、フィルテック社製のNA300KSや、NA90KSなどが挙げられる。
本発明の製造方法において、さらに含まれるフィルターろ過処理工程は、吸着剤が除去できればどの時期に行ってもよく、例えば、茶抽出物またはコーヒー抽出物に吸着剤を接触させる工程と、2回以上の遠心分離処理によって該吸着剤を該茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去する工程との間に行ってもよいが、2回以上の遠心分離処理によって吸着剤を茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去する工程後に行うことが好ましい。フィルターろ過処理工程を、2回以上の遠心分離処理によって吸着剤を茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去する工程後に行うことにより、より茶抽出物およびコーヒー抽出物から吸着剤を除去することができる。
本発明の別の態様によれば、茶抽出物またはコーヒー抽出物に吸着剤を接触させる工程と、2回以上の遠心分離処理によって該吸着剤を該茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去する工程とを含む、製造方法により製造されたカフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物が提供される。このカフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物の製造に用いられる茶抽出物や、コーヒー抽出物や、吸着剤などについては、上記と同じであってよい。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、茶抽出物に白土を接触させる工程と、2回の遠心分離処理によって該白土を該茶抽出物から除去する工程とを含む、カフェインが低減された茶抽出物の製造方法が提供される。
本発明の製造方法の好ましい別の態様によれば、緑茶抽出物に酸性白土を接触させる工程と、2回の遠心分離処理によって該白土を該茶抽出物から除去する工程とを含む、カフェインが低減された緑茶抽出物の製造方法が提供される。
本発明の製造方法の好ましい別の態様によれば、緑茶抽出物に酸性白土を接触させる工程と、2回の遠心分離処理によって該白土を該茶抽出物から除去する工程と、フィルターろ過処理工程(好ましくは、吸着型フィルターを用いたフィルターろ過処理工程)とを含む、カフェインが低減された緑茶抽出物の製造方法が提供される。
吸着剤の除去方法
本発明の吸着剤の除去方法は、茶抽出物またはコーヒー抽出物に吸着剤を接触させ、2回以上の遠心分離処理によって該吸着剤を該茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去することを特徴とする、カフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物からの吸着剤の除去方法である。本発明の吸着剤の除去方法は、上記の本発明の製造方法に関する記載に従って実施することができる。
本発明の吸着剤の除去方法の好ましい態様によれば、茶抽出物に白土を接触させ、2回の遠心分離処理によって該白土を該茶抽出物から除去することを特徴とする、カフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物からの吸着剤の除去方法が提供される。
本発明の吸着剤の除去方法の別の好ましい態様によれば、緑茶抽出物に酸性白土を接触させ、2回の遠心分離処理によって該白土を該茶抽出物から除去することを特徴とする、カフェインが低減された緑茶抽出物からの活性白土の除去方法が提供される。
本発明の吸着剤の除去方法の別の好ましい態様によれば、緑茶抽出物に酸性白土を接触させ、2回の遠心分離処理によって該白土を該緑茶抽出物から除去し、さらにフィルターろ過処理(好ましくは、吸着型フィルターを用いたフィルターろ過処理)を行うことを特徴とする、カフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物からの吸着剤の除去方法が提供される。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
(カフェインの測定方法)
試料溶液をメンブレンフィルター(アドバンテック(株)製DISMIC 親水性PTFE、0.45μm)でろ過して、表1に示す高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法にてカフェイン量を定量した。HPLC分析条件を表1に示す。
(濁度の測定方法)
茶飲料の濁度は、分光光度計(日立社製、U−3310)を用いて、660nmの吸光度を測定した。
[試験1]遠心分離条件と濁度低減効果
(1)緑茶抽出液の調製
蒸し製緑茶葉100gに対して70℃の熱水4000gを添加し、6分間抽出した。抽出後、メッシュを用いて固液分離し、得られた濾液を20℃まで冷却した後に、同温度のイオン交換水で4000gとし、緑茶抽出液を得た。
(2)緑茶抽出液の白土処理および、遠心分離処理
得られた緑茶抽出液400gを室温(25℃)としてから、酸性白土(ミズカエース#20、水澤化学社製)を8g添加し、攪拌後、5分間静置して、接触させた。その後、表2に記載の各条件で1回目の遠心分離処理を行った。遠心分離処理にはスイング式遠心分離機CF-9RX(日立製作所)を用いた。1回目の遠心分離処理を行った後、緑茶抽出液の濁度を、上記分光光度計を用いて測定した。次いで、表2に記載の条件で2回目の遠心分離処理を行い、1回目と同様に濁度を測定した。
(3)評価
得られた緑茶抽出液について、高速液体クロマトグラフ(HPLC:日本分光社製)を用いて、表1の条件にてカフェイン濃度を測定した。また、上記の通り緑茶抽出液の濁度を測定し、評価は同じ番号の比較例を対照として、濁度低減率を評価した。
また、訓練されたパネリスト4名によって、香味について官能評価を行った。
すなわち、評価は同じ番号の比較例を対照(3点)とし、緑茶飲料としての総合的な香味を5段階評価で相対評価した。評価基準は以下に示したとおりである。
官能評価基準
5点:香味が明らかに良好になっている
4点:香味がわずかに良好になっている
3点:対照と同等である
2点:対照よりわずかに劣っている
1点:対照より明らかにに劣っている
(4)結果および考察
カフェイン除去率、濁度低減率、および香味評価結果を表2に示した。
表2より、遠心分離1回のみ行う場合(比較例1〜5)と比べて、2回遠心分離を行った場合(実施例1〜5)のほうが、遠心強度の指標である終末沈降速度が大きいのにもかかわらず、それぞれ、より効率的に緑茶抽出液から白土を除去し、濁度が低下していることが確認された。また、2回目より1回目の遠心分離処理の終末遠心速度が大きい条件の方が、2回目より1回目の遠心分離処理の終末遠心速度が小さい条件よりも、より効率的に濁度を低下させることが確認された(実施例3−1、3−2、および3−3、または実施例4−1、および4−2)。さらに香味においても、遠心分離1回のみ行う場合(比較例1〜5)と比べて、2回遠心分離を行った場合(実施例1〜5)のほうが、香味の点で優れており、また2回目より1回目の遠心分離処理の終末遠心速度が大きい条件の方が、2回目より1回目の遠心分離処理の終末遠心速度が小さい条件よりも、香味が向上することがわかった。
[試験2]吸着剤濃度と濁度低減効果
(1)緑茶抽出液の調製
蒸し製緑茶葉100gに対して70℃の熱水4000gを添加し、6分間抽出した。抽出後、メッシュを用いて固液分離し、得られた濾液を20℃まで冷却した後に、同温度のイオン交換水で4000gとし、緑茶抽出液を得た。
(2)緑茶抽出液の白土処理および、遠心分離処理
得られた緑茶抽出液400gを室温(25℃)としてから、表3に記載の各濃度で酸性白土(ミズカエース#20、水澤化学社製)を添加し、攪拌後、5分間静置して、接触させた。その後、表3に記載の各条件で1回目の遠心分離処理を行った。遠心分離処理にはスイング式遠心分離機CF-9RX(日立製作所)を用いた。1回目の遠心分離処理を行った後、緑茶抽出液の濁度を、上記分光光度計を用いて測定した。次いで、表2に記載の条件で2回目の遠心分離処理を行い、1回目と同様に濁度を測定した。
(3)評価
上記と同様に、カフェイン濃度測定、濁度低減率の評価、および官能評価を行った。
(4)結果および考察
カフェイン除去率、濁度低減率、および香味評価結果を表3に示した。
表3より、いずれの白土濃度添加率であっても、遠心分離1回のみ行う場合(比較例6〜12)と比べて、2回遠心分離を行った場合(実施例6〜12)のほうが、遠心強度の指標である終末沈降速度が大きいのにもかかわらず、より効率的に緑茶抽出液から白土を除去し、濁度が低下していることが確認された。また、香味においても、遠心分離1回のみ行う場合(比較例6〜12)と比べて、2回遠心分離を行った場合(実施例6〜12)のほうが、香味の点で同等以上であることがわかった。
[試験3] 遠心分離処理における回転数と濁度低減効果
(1)緑茶抽出液の調製
蒸し製緑茶葉100gに対して70℃の熱水4000gを添加し、6分間抽出した。抽出後、メッシュを用いて固液分離し、得られた濾液を20℃まで冷却した後に、同温度のイオン交換水で4000gとし、緑茶抽出液を得た。
(2)緑茶抽出液の白土処理および、遠心分離処理
得られた緑茶抽出液360gを室温(25℃)としてから、水40gに表4に記載の吸各種着剤である酸性白土(ミズカエース#20、水澤化学社製)8gで添加し、攪拌後、5分間静置して、接触させた。その後、表4に記載の各条件で1回目の遠心分離処理を行った。遠心分離処理にはスイング式遠心分離機CF-9RX(日立製作所)を用いた。1回目の遠心分離処理を行った後、緑茶抽出液の濁度を、上記分光光度計を用いて測定した。次いで、表4に記載の条件で2回目の遠心分離処理を行い、1回目と同様に濁度を測定した。
(3)評価
上記と同様に、カフェイン濃度測定、濁度低減率の評価、および官能評価を行った。
(4)結果および考察
カフェイン除去率、濁度低減率、および香味評価結果を表4に示した。
表4より、遠心分離条件において、いずれの回転数であっても、遠心分離1回のみ行う場合(比較例13)と比べて、2回遠心分離を行った場合(実施例13〜15)の方が、より効率的に緑茶抽出液から各種吸着剤を除去し、濁度が低下していることが確認された。また、香味においても、遠心分離1回のみ行う場合(比較例13)と比べて、2回遠心分離を行った場合(実施例13〜15)のほうが、香味の点で優れていることがわかった。
[試験4]吸着剤の種類と濁度低減効果
(1)緑茶抽出液の調製
蒸し製緑茶葉100gに対して70℃の熱水4000gを添加し、6分間抽出した。抽出後、メッシュを用いて固液分離し、得られた濾液を20℃まで冷却した後に、同温度のイオン交換水で4000gとし、緑茶抽出液を得た。
(2)緑茶抽出液の白土処理および、遠心分離処理
得られた緑茶抽出液360gを室温(25℃)としてから、水40gに表5に記載の吸各種着剤である酸性白土(ミズカエース#200、水澤化学社製)、活性白土(ガレオンアースNVZ、水澤化学社製)、活性炭(FP−3、日本エンバイロケミカルズ社製、ホクエツA炭(A炭)、ホクエツ社製)8gで添加し、攪拌後、5分間静置して、接触させた。その後、表5に記載の各条件で1回目の遠心分離処理を行った。遠心分離処理にはスイング式遠心分離機CF-9RX(日立製作所)を用いた。1回目の遠心分離処理を行った後、緑茶抽出液の濁度を、上記分光光度計を用いて測定した。次いで、表5に記載の条件で2回目の遠心分離処理を行い、1回目と同様に濁度を測定した。
(3)評価
上記と同様に、カフェイン濃度測定、濁度低減率の評価、および官能評価(ただし、実施例16、17、18、および19に対する対照を、それぞれ比較例14、15、16、および17とした)を行った。
(4)結果および考察
カフェイン除去率、濁度低減率、および香味評価結果を表5に示した。
表5より、いずれの酸性白土、活性白土、および活性炭のいずれの吸着剤を用いた場合であっても、遠心分離1回のみ行う場合(比較例14〜17)と比べて、2回遠心分離を行った場合(実施例16〜19)の方が、遠心強度の指標である終末沈降速度が大きいのにもかかわらず、より効率的に緑茶抽出液から各種吸着剤を除去し、濁度が低下していることが確認された。また、香味においても、遠心分離1回のみ行う場合(比較例14〜17)と比べて、2回遠心分離を行った場合(実施例16〜19)のほうが、香味の点で同等以上であることがわかった。
[試験5]フィルターの種類と濁度低減効果
(1)緑茶抽出液の調製
蒸し製緑茶葉100gに対して70℃の熱水4000gを添加し、6分間抽出した。抽出後、メッシュを用いて固液分離し、得られた濾液を20℃まで冷却した後に、同温度のイオン交換水で4000gとし、緑茶抽出液を得た。
(2)緑茶抽出液の白土処理、遠心分離処理、およびフィルターろ過処理
得られた緑茶抽出液400gを室温(25℃)としてから、酸性白土(ミズカエース#20、水澤化学社製)を8g添加し、攪拌後、5分間静置して、接触させた。その後、3000rpm、2分の条件で遠心分離処理を行った。1回目の遠心分離処理の処理液を回収後、3000rpm、2分の条件で2回目の遠心分離処理を行った。ここで得られた緑茶抽出液を対照区とした。
ステンレスハウジングに捕捉型フィルターである長さ1インチのPPK−010、または長さ1インチのPPK−005(いずれも住友スリーエム社製)をセットし、流量16.7L/hで定速ろ過を行った。
また、ステンレスハウジングに吸着型フィルターである直径47mmのゼータプラス30C(ゼータ30C)、または直径47mmのゼータプラス50C(ゼータ50C)(いずれも住友スリーエム社製)、もしくは直径47mmのNA300KS、または直径47mmのNA90KS(いずれもフィルテック社製)をセットし、流量1.0L/hで定速ろ過を行った。
(3)評価
上記と同様に、カフェイン濃度、および濁度測定を行った。なお、官能評価は試験1の官能評価基準に従い、対照区を対照として、同様に評価した。
(4)結果および考察
カフェイン除去率、濁度低減率、および香味評価を表6に示した。
表6より、2回の遠心分離処理の後にさらにフィルターろ過処理を行うことで、緑茶抽出液の濁度をさらに低下させることができることが確認された。抽出液が緑茶、吸着剤が白土である場合、捕捉型のフィルターよりも吸着型のフィルターの方が、より濁度を低減できることが確認された。また、香味においても、2回の遠心分離処理のみ行う場合(対照区)と比べて、2回の遠心分離処理の後にさらにフィルターろ過処理を行うことで、香味の点で同等以上であり、特に吸着型のフィルターにおいては、より香味が良好になっていることがわかった。

Claims (7)

  1. 茶抽出物またはコーヒー抽出物に吸着剤を接触させる工程と、2回以上の遠心分離処理によって該吸着剤を該茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去する工程とを含む、カフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物の製造方法。
  2. 2回目以降の遠心分離処理の終末沈降速度が、1回目の遠心分離処理の終末沈降速度以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 遠心分離処理の終末沈降速度Vg値が10.0×10−8m/s以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 吸着剤が、酸性白土、活性白土、ゼオライト、合成吸着剤、および活性炭からなる群から選択される吸着剤の1種または2種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. フィルターろ過処理工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. フィルターろ過処理工程に用いられるフィルターが、吸着型である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 茶抽出物またはコーヒー抽出物に吸着剤を接触させ、2回以上の遠心分離処理によって該吸着剤を該茶抽出物またはコーヒー抽出物から除去することを特徴とする、カフェインが低減された茶抽出物またはコーヒー抽出物からの吸着剤の除去方法。
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