JP2014212304A - 蓄電デバイスおよび蓄電モジュールの作製方法 - Google Patents

蓄電デバイスおよび蓄電モジュールの作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高容量であっても、他の蓄電デバイスとの電気的接続作業を安全に実行することができ、しかも、性能の低下を防止することができる蓄電デバイスおよびこの蓄電デバイスを用いた蓄電モジュールの作製方法を提供する。
【解決手段】貫通孔を有する正極集電体上に正極活物質層が形成された正極および貫通孔を有する負極集電体上に負極活物質層が形成された複数の負極が、セパレータを介して交互に積層されてなる蓄電デバイス要素11と、電解液と、これらを収容する外装体20と、外装体に設けられた、当該外装体の外部に露出する正極端子14と、外装体に互いに離間して設けられた、当該外装体の外部に露出する第1負極端子15aおよび第2負極端子15bとを備え、負極集電体の各々は、第1負極端子および第2負極端子のいずれか一方に電気的に接続され、第1負極端子および第2負極端子の各々は、少なくとも一つの負極集電体に電気的に接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電デバイスおよび複数の蓄電デバイスを備えた蓄電モジュールの作製方法に関する。
近年、リチウムイオンキャパシタやリチウムイオン二次電池などの蓄電デバイスは、高容量および高出力で小型の蓄電源として注目されており、例えば携帯機器や電気移動体等の電源として使用されている。このような蓄電デバイスとしては、複数の正極および複数の負極が、セパレータを介して交互に積層された積層型のものが知られている(特許文献1参照。)。
一方、中型または大型の蓄電源としては、多数の蓄電デバイスが直列または並列に接続されてなる蓄電モジュールが知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、上記の蓄電モジュールにおいて、リチウムイオンキャパシタなどの高容量の蓄電デバイスを用いる場合には、以下のような問題がある。
リチウムイオンキャパシタにおいては、例えば負極に予めリチウムイオンがドープされている。そのため、蓄電デバイスにおける外装体の外部に露出する正極端子と負極端子との間には、充電を行う前においても電位差が生じている。そして、このような蓄電デバイスの多数を直列に接続する場合には高電圧になることから、その電気的接続作業には大きな危険が伴う、という問題がある。
このような問題を解決する手段としては、正極端子と負極端子とを短絡させることにより、正極端子および負極端子間の電位差をなくした状態で、蓄電デバイス間の電気的接続作業を行うことが考えられる。しかしながら、上記リチウムイオンキャパシタなど大部分の蓄電デバイスにおいては、正極端子と負極端子とを短絡させると、過放電が生じる。その結果、電解液の分解によるガスの発生や、抵抗上昇などを引き起こすため、蓄電デバイスの性能が低下する、という問題がある。
特開2008−66170号公報 特開2012−33709号公報
本発明の目的は、高容量であっても、他の蓄電デバイスとの電気的接続作業を安全に実行することができ、しかも、性能の低下を防止することができる蓄電デバイスを提供することにある。
本発明の他の目的は、高容量の蓄電デバイスを用いた場合であっても、蓄電デバイス間の電気的接続作業を安全に実行することができ、しかも、蓄電デバイスの性能の低下を防止することができる蓄電モジュールの作製方法を提供することにある。
本発明の蓄電デバイスは、貫通孔を有する正極集電体上に正極活物質層が形成された正極および貫通孔を有する負極集電体上に負極活物質層が形成された複数の負極が、セパレータを介して交互に積層されてなる蓄電デバイス要素と、
電解液と、
前記蓄電デバイス要素および前記電解液を収容する外装体と、
前記外装体に設けられた、当該外装体の外部に露出する正極端子と、
前記外装体に互いに離間して設けられた、当該外装体の外部に露出する第1負極端子および第2負極端子と
を備えてなり、
前記負極集電体の各々は、前記第1負極端子および前記第2負極端子のいずれか一方に電気的に接続され、
前記第1負極端子および前記第2負極端子の各々は、少なくとも一つの前記負極集電体に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスにおいては、全ての負極集電体に対する前記第1負極端子に電気的に接続された負極集電体の割合が、5〜50%であることが好ましい。
また、前記蓄電デバイスの満充電の状態から、満充電の電圧の半分の電圧まで1時間かけて放電したときの容量をセル容量、前記蓄電デバイスの満充電の状態の負極を、負極電位が1.5V(Li/Li+ )になるまで放電させたときの容量を完全負極容量とし、
前記セル容量をC(mAh)、前記完全負極容量をCn(mAh)、前記負極集電体の総数をp、一つの負極端子に接続された前記負極集電体の数の上限値をq、負極端子の総数をnとしたとき、
下記式(1)および下記式(2)を満たすように負極端子の各々に負極集電体が電気的に接続されていることが好ましい。
式(1) q=C/Cn×p
式(2) p/q≦n
また、前記蓄電デバイスの満充電の状態の正極を、正極電位が3.0V(Li/Li+ )になるまで放電させたときの容量を正極容量とし、前記正極容量をCp(mAh)、一つの負極端子に接続された前記負極集電体の数の下限値をrとしたとき、下記式(3)および下記式(4)を満たすように負極端子の各々に負極集電体が電気的に接続されていることが好ましい。
式(3) Cp/Cn×p=r
式(4) n≦p/r
また、前記負極活物質層には、リチウムイオンがドープされていることが好ましい。
本発明の蓄電モジュールの作製方法は、複数の蓄電デバイスを備えてなる蓄電モジュールの作製方法であって、
上記の蓄電デバイスの複数を用意し、
前記蓄電デバイスの各々における正極端子と第1負極端子とを短絡させた状態で、当該蓄電デバイスにおける第1負極端子と、他の蓄電デバイスにおける正極端子とを電気的に接続する工程を有することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスにおいては、正極端子と第1負極端子とを短絡させることにより、正極端子および第1負極端子間の電位差が実質的に0Vとなる。そのため、蓄電デバイスにおける第1負極端子と、他の蓄電デバイスにおける正極端子との電気的接続作業を安全に実行することができる。しかも、正極端子と第1負極端子とは短絡しても過放電によるガス発生や抵抗上昇などの劣化がない。これは、正極集電体および負極集電体の各々が貫通孔を有しているため、第1負極端子に接続された負極に対向していない正極も含め、全ての正極と第1負極端子に接続された負極との間で電子およびイオンの移動が可能となり、ガス発生や抵抗上昇が生じることなく同電位にすることができるためである。この際、第1負極端子と第2負極端子とは電位差が生じる。そして、第1負極端子と他の蓄電デバイスの正極端子とを電気的に接続してモジュールを構成した後に、正極端子と第1負極端子との短絡を解除すると共に、当該第1負極端子を第2負極端子に電気的に接続することにより、第1負極端子に接続された負極と、第2負極端子に接続された負極とが同電位となる。これは、上述したように、正極集電体および負極集電体の各々が貫通孔を有しているため、電位差の生じていた第1負極端子と第2負極端子との間で、同電位になるよう電子およびイオンの移動が起こったためである。この操作により、通常の蓄電デバイスと同様に正極と負極との間で充放電が可能な状態とすることができ、蓄電デバイス間の電気的接続作業を完了させることができる。
従って、本発明の蓄電デバイスによれば、蓄電モジュールの作製において、高容量の蓄電デバイスを用いる場合であっても、他の蓄電デバイスとの電気的接続作業を安全に実行することができ、しかも、蓄電デバイスの性能の低下を防止することができる。
本発明の蓄電デバイスの一例の構成を示す説明用平面図である。 図1に示す蓄電デバイスのA−A断面を示す説明図である。 本発明の蓄電デバイスの一例における第2負極端子および第1負極端子と負極集電体との電気的接続状態を示す説明図である。 本発明の蓄電デバイスの他の例における第2負極端子および第1負極端子と負極集電体との電気的接続状態を示す説明図である。 本発明の蓄電モジュールの作製方法において、各蓄電デバイス間の電気的接続作業工程を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本明細書において、「ドープ」とは、吸蔵、吸着または挿入を意味し、広く、正極活物質にリチウムイオンおよびアニオンの少なくとも一方が入る現象、あるいは、負極活物質にリチウムイオンが入る現象をいう。また、「脱ドープ」とは、脱離、放出をも意味し、正極活物質からリチウムイオンもしくはアニオンが脱離する現象、または負極活物質からリチウムイオンが脱離する現象をいう。
〔蓄電デバイスの全体構造〕
図1は、本発明の蓄電デバイスの一例の構成を示す説明用平面図である。図2は、図1に示す蓄電デバイスのA−A断面を示す説明図である。この蓄電デバイス10は、例えばリチウムイオンキャパシタであって、平面形状が略矩形のラミネートフィルム型の外装体20を有する。この外装体20の内部には、蓄電デバイス要素11および電解液が収容されている。
蓄電デバイス要素11は、複数の正極と複数の負極とが、セパレータSを介して交互に積層されて構成された電極積層体11aを有する。この電極積層体11aの上面には、リチウム金属よりなるリチウムイオン供給源18が配置されている。このリチウムイオン供給源18上には、リチウム極集電体18aが積層されている。正極の各々は、金属箔よりなる正極集電体12aと、この正極集電体12a上に形成された正極活物質層12とにより構成されている。図示の例では、正極活物質層12は、正極集電体12aの両面に形成されている。一方、負極の各々は、金属箔よりなる負極集電体13aと、この負極集電体13a上に形成された負極活物質層13とにより構成されている。図示の例では、最も下層側および最も上層側に位置する負極においては、負極活物質層13は、負極集電体13aの一面に形成され、その他の負極においては、負極活物質層13は、負極集電体13aの両面に形成されている。
外装体20の一端(図1および図2において左端)には、外装体20の内部から外部に突出して当該外装体20の外部に露出する正極端子14が設けられている。また、外装体20の他端(図1および図2において右端)には、それぞれ外装体20の内部から外部に突出して当該外装体20の外部に露出する第1負極端子15aおよび第2負極端子15bが、互いに離間して設けられている。
正極集電体12aの各々は、正極用リード部材16を介して正極端子14に電気的に接続されている。
一方、負極集電体13aの各々は、図3にも示すように、負極用リード部材17を介して第1負極端子15aおよび第2負極端子15bのいずれか一方に電気的に接続されている。また、第1負極端子15aおよび第2負極端子15bの各々は、少なくとも一つの負極集電体13aに電気的に接続されている。
また、リチウム極集電体18aは、リチウム極用リード部材19を介して第2負極端子15bに電気的に接続されている。
なお、負極用リード部材17を介さず、直接負極集電体13aから第1負極端子15aおよび第2負極端子15bのいずれか一方に電気的に接続されていてもよい。その場合、負極集電体13aに形成された負極活物質層13を形成していない領域をリード材の代わりとして用いることができる。
本発明の蓄電デバイス10においては、蓄電デバイス要素11における全ての負極集電体13aに対する第1負極端子15aに電気的に接続された負極集電体13aの割合が、5〜50%であることが好ましい。具体的には、第1負極端子15aに電気的に接続された負極集電体13aの数をa、第2負極端子15bに電気的に接続された負極集電体13aの数をbとしたとき、a×100/(a+b)で求められる割合が5〜50%であることが好ましい。この割合が5%未満である場合には、蓄電デバイス10の充電深度にもよるが、正極端子14と第1負極端子15aとを短絡させた際に、第1負極端子15aの電位が高くなる。その結果、負極集電体13aを構成する銅がイオン化して正極へ析出し、短絡する虞れがある。一方、この割合が50%を超える場合には、正極端子14と第1負極端子15aを短絡させた際に、正極の電位が低くなり、電解液の分解や、抵抗上昇などの不具合を生じる虞れがある。
本発明の蓄電デバイス10においては、蓄電デバイス10の満充電の状態から、満充電の電圧の半分の電圧まで1時間かけて放電したときの容量をセル容量、蓄電デバイス10の満充電の状態の負極を、負極電位が1.5V(Li/Li+ )になるまで放電させたときの容量を完全負極容量とし、セル容量をC(mAh)、完全負極容量をCn(mAh)、負極集電体13aの総数をp、1つの負極端子(第1負極端子15aおよび第2負極端子15bのいずれか1つ)に接続された負極集電体13aの数の上限値をq、負極端子の総数(第1負極端子15aおよび第2負極端子15bの合計の数)をnとしたとき、下記式(1)および下記式(2)を満たすように負極端子の各々が負極集電体13aに電気的に接続されていることが好ましい。
式(1) q=C/Cn×p
式(2) p/q≦n
上記式(1)の条件を満たすことにより、正極が過放電とならない設計の蓄電デバイス10を構成することが可能となる。そして、上記式(2)を満たすことにより、正極が過放電とならないように第1負極端子15aおよび第2負極端子15bの数を選択して設計することができる。
更に、蓄電デバイス10の満充電の状態の正極を、正極電位が3.0V(Li/Li+ )になるまで放電させたときの容量を正極容量とし、正極容量をCp(mAh)、1つの負極端子(第1負極端子15aおよび第2負極端子15bのいずれか1つ)に接続された負極集電体13aの数の下限値をrとしたとき、下記式(3)および下記式(4)を満たすことが好ましい。
式(3) Cp/Cn×p=r
式(4) n≦p/r
上記式(3)の条件を満たすことにより、負極が過放電にならない設計の蓄電デバイス10を構成することが可能となる。そして、式(4)の条件を満たすことにより、負極が過放電にならないように第1負極端子15aおよび第2負極端子15bを選択して設計することができる。
n個の負極端子の各々に電気的に接続される負極集電体13aの数が、前記式(1)および前記式(2)の条件を満たさない場合には、いずれかの負極端子と正極端子14を短絡させてセル電圧が0Vとなったときに、該負極端子に接続された負極の放電容量が大きくなり、正極が過放電となる傾向にあるため好ましくない。
また、n個の負極端子の各々に電気的に接続される負極集電体13aの数が、前記式(3)および前記式(4)の条件を満たさない場合には、いずれかの負極端子と正極端子14とを短絡させてセル電圧が0Vとなったときに、該負極端子に接続された負極が過放電となり、負極集電体13aを構成する金属(例えば銅)が溶出するため好ましくない。
以上において、セル容量C、完全負極容量Cnおよび正極容量Cpは、具体的には、以下のようにして測定することができる。
セル容量C:正極端子と全ての負極端子との間の満充電の電圧まで充電した後、正極端子と全ての負極端子との間で満充電の半分の電圧まで1時間かけて放電したときの容量をセル容量Cとする。
完全負極容量Cn:正極端子と全ての負極端子との間の満充電の電圧まで充電した後、セルを解体して負極を回収した後、回収した負極を作用極、リチウム箔を対極としたセルを作製し、1.5V(vsLi/ Li+ )まで放電したときの容量を完全負極容量Cnとする。
正極容量Cp:正極端子と全ての負極端子との間の満充電の電圧まで充電した後、セルを解体して正極を回収した後、回収した正極を作用極、リチウム箔を対極としたセルを作製し、3.0V(vsLi/ Li+ )まで放電したときの容量を正極容量Cpとする。
蓄電デバイス要素11において、第1負極端子15aに電気的に接続された負極集電体13aおよび第2負極端子15bに電気的に接続された負極集電体13aの積層順は、特に限定されない。具体的な例を示すと、下記(1)〜下記(3)の構成が挙げられる。
(1)第1負極端子15aに電気的に接続された負極集電体13aおよび第2負極端子15bに電気的に接続された負極集電体13aが交互に積層された構成(図3参照)。
(2)第2負極端子15bに電気的に接続された負極集電体13aが上層側若しくは下層側に連続して積層され、第1負極端子15aに電気的に接続された負極集電体13aが下層側若しくは上層側に連続して積層された構成(図4参照)。
(3)第1負極端子15aに電気的に接続された負極集電体13aおよび第2負極端子15bに電気的に接続された負極集電体13aがランダムに積層された構成。
これらの中では、蓄電デバイスの製造上の観点から、上記(1)または上記(2)の構成が好ましい。
なお、図3および図4において、蓄電デバイス要素11の詳細は、負極集電体13aを破線で示すことを除いて省略されている。
〔集電体〕
正極集電体12aおよび負極集電体13a(以下、両者を総称して「電極集電体」という。)としては、表裏面に貫通する貫通孔を有するものを用いることが好ましい。電極集電体における貫通孔の形態、数等は特に限定されない。この貫通孔は、リチウムイオン供給源18から電気化学的に供給されるリチウムイオンおよび電解液中のリチウムイオンが各電極集電体に遮断されることなく、電極の表裏間を移動できるように形成されていることが好ましい。このような電極集電体としては、エキスパンドメタル、パンチングメタル、電解エッチング処理された金属箔などを用いることができる。
また、貫通孔を有する電極集電体としては、エキスパンドメタル、パンチングメタル、電解エッチング処理された金属箔以外にも、例えば以下のようにして製造されたものを用いることができる。
先ず、貫通孔を有さない金属箔よりなる電極集電体材料を用意する。この電極集電体材料の一面に、電極活物質を含む塗工液(スラリー)を塗工することによって未乾燥状態の塗布層を形成する。そして、この塗布層が形成された電極集電体材料に対して、塗布層が形成されていない他面にレーザー加工を施すことによって電極集電体に貫通孔を形成し、以て、貫通孔を有する電極集電体が得られる。
このような方法を用いることにより、例えば微細な孔径の貫通孔を形成することが可能となる。また、レーザー加工を施すことにより貫通孔の精度を均一に保つことが可能となる。更に、未乾燥状態の塗布層が形成された電極集電体材料にレーザー加工を施して貫通孔を形成することにより、塗布層を構成するスラリーのレベリング作用が生じるため、貫通孔にスラリーが入り込み、均一な膜厚の電極層を形成することが可能となる。
以上において、電極集電体材料にスラリーを塗工してからレーザー加工を施すまでの時間は、スラリーが未乾燥状態の間であれば適宜設定することができるが、0〜12時間が好ましく、0〜8時間がより好ましく、0〜6時間が更に好ましい。
また、レーザー加工としては、好ましくは周波数が9.3μmのCO2 レーザーが使用されるが、その他にもYAGレーザー、UVレーザー等を用いることが可能である。
〔正極集電体〕
正極集電体12aを構成する材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、エッチング箔、電解エッチング箔等を用いることができ、特にアルミニウムが好ましい。また、正極集電体12aの厚みは特に限定されないが、通常1〜50μmであればよく、5〜40μmが好ましく、10〜40μmが特に好ましい。
正極集電体12aの貫通孔の孔径は例えば1〜500μmであり、5〜300μmが好ましく、10〜300μmが特に好ましい。また、正極集電体12aの貫通孔の気孔率(%)は、20〜50%であることが好ましく、20〜40%であることがより好ましい。ここで、正極集電体12aの気孔率(%)は下記式(5)により求めることができる。
式(5):気孔率(%)=〔1−(正極集電体の質量/正極集電体の真比重)/(正極集電体の見かけ体積)〕×100
〔正極活物質〕
正極活物質層12を構成する正極活物質としては、リチウムイオンおよびテトラフルオロボレート等の少なくとも1種のアニオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能な物質を用いることができる。正極活物質の具体例としては、活性炭粉末が挙げられる。
正極活物質の比表面積は、1900m2 /g〜2800m2 /gであることが好ましく、さらに、1950m2 /g〜2600m2 /gであることが好ましい。また、正極活物質の50%体積累積径(D50)は、正極活物質の充填密度の観点から、2〜8μmが好ましく、特に2〜5μmが好ましい。正極活物質の比表面積および50%体積累積径(D50)が前記範囲であれば、リチウムイオンキャパシタのエネルギー密度をさらに向上させることができる。ここで、50%体積累積径(D50)の値は、例えばマイクロトラック法により求められる。
〔正極活物質層〕
正極活物質層12の厚みは、片面の厚みが25〜70μmであればよく、25〜60μmであることが好ましく、25〜50μmであることがより好ましい。正極活物質層12の厚みが上記範囲であれば、正極活物質層12内を移動するイオンの拡散抵抗を小さくするとこができ、これにより、内部抵抗を下げることができる。
〔負極集電体〕
負極集電体13aを構成する材料としては、ステンレス鋼、銅、ニッケル等を用いることができる。負極集電体の厚みは特に限定されないが、通常1〜50μmであればよく、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることが特に好ましい。
負極集電体13aの貫通孔の孔径は、例えば0.5〜50μmであり、0.5〜30μmであることが好ましく、0.5〜20μmであることが特に好ましい。
また、負極集電体13aの貫通孔の開口率(%)は、20〜60%であることが好ましく、20〜50%であることがより好ましい。ここで、負極集電体13aの開口率(%)は下記式(6)により求めることができる。
式(6):気孔率(%)=〔1−(負極集電体の質量/負極集電体の真比重)/(負極集電体の見かけ体積)〕×100
〔負極活物質〕
負極活物質層13を構成する負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能である物質を用いることが好ましく、特に黒鉛系粒子が好ましい。黒鉛系粒子としては、人造黒鉛、天然黒鉛の表面がタールもしくはピッチ由来の黒鉛化物質によって被覆されてなる黒鉛系複合粒子を用いることが好ましい。
負極活物質の比表面積は、0.1〜200m2 /gであることが好ましく、より好ましくは0.5〜50m2 /gである。負極活物質の比表面積が0.1m2 /g未満である場合には、得られるリチウムイオンキャパシタの抵抗が高くなる。一方、負極活物質の比表面積が200m2 /gを超える場合には、得られるリチウムイオンキャパシタの充電時の不可逆容量が高くなる。
また、負極活物質の50%体積累積径(D50)は、0.5〜10μmが好ましい。ここで、負極活物質の50%体積累積径(D50)は、例えば、マイクロトラック法により求められる値である。
〔負極活物質層〕
負極活物質層13の厚みは、正極活物質層12の質量とのバランスによって好ましい範囲が異なるが、片面の厚みが10〜80μmであればよく、10〜65μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。
〔活物質層の形成方法〕
正極活物質層12および負極活物質層13は、電極集電体に、正極活物質または負極活物質を塗布、印刷、射出、噴霧、蒸着または圧着等により付着させることによって形成される。正極活物質層12および負極活物質層13の形成方法の具体例としては、下記の(1)および(2)の方法が挙げられる。
(1)活物質粉末(正極活物質または負極活物質)と、バインダと、必要に応じて、導電材、カルボキシメチルセルロース(CMC塩)等の増粘剤と、水または有機溶媒とを混合することにより、スラリーを調製し、このスラリーを電極集電体に塗布する方法。
(2)上記(1)と同様にして調製されたスラリーをシート状に成形し、得られる成形体を電極集電体に貼付する方法。
上記の(1)および(2)の方法において、スラリーの調製に用いられるバインダとしては、例えば、SBR等のゴム系バインダ、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等をアクリル系樹脂でシード重合させた含フッ素系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。
また、スラリーの調製に用いられる導電材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト、金属粉末などが挙げられる。
バインダおよび導電材の各々の添加量は、用いられる活物質の電気伝導度、形成される活物質層の形状等によっても異なるが、いずれも、通常、活物質に対して2〜20質量%であることが好ましい。
〔セパレータ〕
セパレータSとしては、JISP8117に準拠した方法により測定された透気度が1〜200secの範囲内にある材料を好適に用いることができる。具体的には、セパレータSとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロース、ポリオレフィン、セルロース/レーヨンなどから構成される不織布や微多孔質膜等の中から適宜選択したものを用いることができる。これらの中では、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはセルロース/レーヨンよりなる不織布が好ましい。
セパレータSの厚みは、例えば1〜100μmであり、5〜50μmであることが好ましい。
〔端子およびリード部材〕
正極端子14および正極用リード部材16を構成する材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼等を用いることができる。
正極用リード部材16は、正極集電体12aと一体に形成されていても、正極集電体12aと別体のものが、溶接等によって正極集電体12aに固定されていてもよい。
第1負極端子15a、第2負極端子15bおよび負極用リード部材17を構成する材料としては、ステンレス鋼、銅、ニッケル等を用いることができる。
負極用リード部材17は、負極集電体13aと一体に形成されていても、負極集電体13aと別体のものが、溶接等によって負極集電体13aに固定されていてもよい。
〔電解液〕
本発明の蓄電デバイスにおいて、リチウムイオンキャパシタを構成する場合には、電解液として、リチウム塩の非プトロトン性有機溶媒電解質溶液が好適に用いられる。
〔非プロトン性有機溶媒〕
電解液における非プロトン性有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(以下、「EC」ともいう。)、プロピレンカーボネート(以下、「PC」ともいう。)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート(以下、「DMC」ともいう。)、エチルメチルカーボネート(以下、「EMC」ともいう。)、ジエチルカーボネート(以下、「DEC」ともいう。)、メチルプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート、またはこれらの2種以上を混合した混合溶媒を用いることができる。これらの中では、粘度が低く、解離度が高く、イオン伝導度が高い電解液が得られることから、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒が好ましい。このような混合溶媒の具体例としては、ECとPCとDECとの混合溶媒、ECとDECとの混合溶媒、ECとEMCとDMCとの混合溶媒などが挙げられる。
また、電解液を構成する有機溶媒は、環状カーボネートおよび鎖状カーボネート以外の有機溶媒、例えば、γ−ブチロラクトン等の環状エステル、スルホラン等の環状スルホン、ジオキソラン等の環状エーテル、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタン等の鎖状エーテル等を含有するものであってもよい。
〔電解質〕
電解液を構成する電解質であるリチウム塩としては、例えば、LiClO4 、LiAsF3 、LiBF4 、LiPF6 、Li(C2 5 SO2 2 、LiN(CF3 SO2 2 などを用いることができる。これらの中では、イオン伝導性が高く、低抵抗であることから、LiPF6 が好ましい。電解液におけるリチウム塩の濃度は、低い内部抵抗が得られることから、0.1mol/L以上であることが好ましく、0.5〜1.5mol/Lであることがより好ましい。
〔リチウムイオン供給源〕
本発明の蓄電デバイスにおいて、リチウムイオンキャパシタを構成する場合には、正極および負極の少なくとも一方、好ましくは少なくとも負極に、リチウムイオンが予めドープされている。正極または負極にリチウムイオンを予めドープする方法としては、正極または負極とリチウムイオン供給源18との電気化学的接触によって、リチウムイオンを正極または負極にドープさせる方法が好ましい。
負極にドープされるリチウムイオンの量は、リチウム極集電体18aに圧着されるリチウム供給源18を構成するリチウム金属の厚みによって調整することができる。リチウム金属の厚みは、負極に予め担持するリチウムイオンの量を考慮して適宜定められ、通常、50〜300μm程度が好ましい。
負極にリチウムイオンをドープする場合には、リチウムイオン供給源18が圧着されたリチウム極集電体18aが、第1負極端子15aおよび第2負極端子15bに電気的に接続される。
正極にドープされるリチウムイオンの量は、リチウム極集電体18aに圧着されるリチウム供給源18を構成するリチウム金属の厚みによって調整することができる。リチウム金属の厚みは、正極に予め担持するリチウムイオンの量を考慮して適宜定められ、通常、50〜300μm程度が好ましく、正極が2V以下に過放電しない程度にドープ量を規制する必要がある。
正極にリチウムイオンをドープする場合には、リチウムイオン供給源18が圧着されたリチウム極集電体18aに電気的に接続されたリチウム極端子を設け、正極端子とリチウム端子とをセル外部にて電気的に接続することが好ましい。
〔外装体〕
この例の外装体20は、それぞれ熱融着性を有する長方形の上部外装フィルム21Aおよび下部外装フィルム21Bが、互いに重ね合わせた状態で、それぞれの外周縁部の全周にわたって形成された接合部22で接合されて構成されている。外装体20の内部には、蓄電デバイス要素11が収容される収容部23が形成されている。図示の例では、上部外装フィルム21Aにおける収容部23を形成する部分には、絞り加工が施されている。外装体20の収容部23内には、蓄電デバイス要素11と共に電解液が収容されている。
また、外装体20には、上部外装フィルム21Aおよび下部外装フィルム21Bの外周縁部に、その一辺が収容部23に連通し、その他の辺が接合部22に包囲された、平面が矩形の非接合部位24が形成されている。この非接合部位24における中央領域には、安全弁25が形成されている。
外装体20を構成する上部外装フィルム21Aおよび下部外装フィルム21Bとしては、例えば内側からポリプロピレン(以下、「PP」という。)層、アルミニウム層およびナイロン層などがこの順で積層されてなるものを好適に用いることができる。
上部外装フィルム21Aおよび下部外装フィルム21Bとして、例えばPP層、アルミニウム層およびナイロン層が積層されてなるものを用いる場合には、その厚みは、通常、50〜300μmである。
〔蓄電デバイスの作製方法〕
このような蓄電デバイス10は、例えば以下のようにして作製することができる。
下部外装フィルム21B上における収容部23となる位置に、正極端子14、第1負極端子15aおよび第2負極端子15bが電気的に接続された蓄電デバイス要素11を配置する。そして、この蓄電デバイス要素11上に、安全弁25を有する上部外装フィルム21Aを重ね合わせる。その後、上部外装フィルム21Aおよび下部外装フィルム21Bの外周縁部における3辺を熱融着する。
そして、上部外装フィルム21Aおよび下部外装フィルム21Bの間に電解液を注入する。その後、上部外装フィルム21Aおよび下部外装フィルム21Bの外周縁部における未融着の1辺を熱融着することにより、外装体20を形成する。以て、蓄電デバイス10が得られる。
〔蓄電モジュールの作製方法〕
本発明の蓄電デバイス10は、当該蓄電デバイス10の複数が直列接続されてなる蓄電モジュールを構成する場合に好適である。この蓄電モジュールは、例えば以下のようにして作製することができる。
先ず、図5(a)に示すように、複数の蓄電デバイス10を用意し、各蓄電デバイス10における正極端子14と第1負極端子15aとを短絡させる。次いで、図5(b)に示すように、各蓄電デバイス10における第1負極端子15aと、他の蓄電デバイスにおける正極端子14とを電気的に接続する。その後、図5(c)に示すように、各蓄電デバイス10における正極端子14と第1負極端子15aとの短絡を解除する。そして、図5(d)に示すように、各蓄電デバイス10における第2負極端子15bと第1負極端子15aとを電気的に接続する。以て、各蓄電デバイス10間の電気的接続作業が完了する。
本発明の蓄電デバイス10においては、正極端子14と第1負極端子15aとを短絡させることにより、正極端子14および第1負極端子15a間の電位差が実質的に0Vとなる。そのため、蓄電デバイス10における第1負極端子15aと、他の蓄電デバイス10における正極端子14との電気的接続作業を安全に実行することができる。しかも、正極端子14と第2負極端子15bとは短絡していないため、正極の電位が大きく低下することがなく、正極表面において電解液が分解してガスが発生したり、抵抗が上昇したりすることがない。そして、正極端子14と第1負極端子15aとの短絡を解除すると共に、当該第1負極端子15aを第2負極端子15bに電気的に接続することにより、第1負極端子15aに接続された負極の負極電位とを第2負極端子15bに接続された負極の負極電位とを同じ電位に戻すことができる。その結果、正極端子14に接続された正極と第1負極端子15aおよび第2負極端子15bに接続された各負極との間で充放電が可能な蓄電デバイスとなる。当該原理は、正極集電体12aおよび負極集電体13aの各々に貫通孔を設けることにより発現する。具体的には、各電極集電体が貫通孔を有しているため、正極端子14と第1負極端子15aとを短絡させた際に、第1負極端子15aに電気的に接続された負極集電体13aに形成された負極活物質層13から正極端子14に電気的に接続された正極集電体12aに形成された正極活物質層12にリチウムイオンが移動し、第1負極端子15aに接続された負極と正極とが同電位となる。次いで、第1負極端子15aと他の蓄電デバイスの正極端子14とを電気的に接続してから、正極端子14と第1負極端子15aとの短絡を解除し、その後、第2負極端子15bと第1負極端子15aとを接続することにより、第2負極端子15bに電気的に接続された負極集電体13aに形成された負極活物質層13から第1負極端子15aに電気的に接続された負極集電体13aに形成された負極活物質層13へリチウムイオンが移動し、第2負極端子15bに電気的に接続された負極と第1負極端子15aに電気的に接続された負極とが同電位となる。これにより、蓄電デバイス10間の電気的接続作業を完了させることができる。
従って、本発明の蓄電デバイス10によれば、蓄電モジュールの作製において、高容量の蓄電デバイス10を用いる場合であっても、他の蓄電デバイス10との電気的接続作業を安全に実行することができ、しかも、蓄電デバイス10の性能の低下を防止することができる。
以上において、貫通孔が存在しない電極集電体を用いた場合には、第1負極端子15aに接続された負極に対向した正極が過放電状態となり、ガス発生や内部抵抗上昇等の不具合が生じるため、セルが劣化することから短絡を解除しても特性は復帰しない。
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えば複数の第1負極端子15aおよび/または複数の第2負極端子15bが設けられていてもよい。この場合には、全ての負極集電体13aに対する複数の第1負極端子15aのいずれかに電気的に接続された負極集電体13aの割合が、5〜50%であれば、該負極端子と正極端子を短絡させても蓄電デバイス10の性能の低下を防止することができることから好ましい。また、前記式(1)および前記式(2)を満たす場合には、いずれの負極端子と正極端子を短絡させても蓄電デバイス10の性能の低下を防止することができることから更に好ましい。
また、例えば、第1負極端子15aおよび第2負極端子15bが複数設けられている場合には、全ての負極集電体13aに対する第1負極端子15aおよび第2負極端子15bに電気的に接続された負極集電体13aが、式(1)および式(2)の条件を満たすように接続することによって、いずれの負極端子が正極端子と短絡状態になっても、正極端子に接続された正極の過放電を抑制することができる。更に、各端子に対して均等にすることによって、いずれの負極端子と正極端子とを短絡させても特性の変化が小さくなり好ましい。但し、負極集電体13aの枚数によっては全ての負極端子に接続する枚数を同数にすることはできないが、可能な限り同数に近い割合で各端子に電気的に接続することが好ましい。例えば、17枚の負極集電体13aを有し、1つの第1負極端子15aおよび2つの第2負極端子を有する場合には、第1負極端子15aに対して6枚の負極集電体13aを接続し、一方の第2負極端子13bに対して6枚の負極集電体13aを接続し、他方の第2負極端子に対して5枚の負極集電体13aを接続することができる。このように、同数に近い割合で各端子に電気的に接続することで、いずれの負極端子と正極端子14との間で放電をさせても、放電時の正極の過放電を抑制することができるとともに、セル特性に差は生じない。
また、本発明の実施の形態について、リチウムイオンキャパシタとして実施した場合を例に挙げて説明したが、本発明の蓄電デバイスは、その他の有機電解質キャパシタや、リチウムイオン二次電池などの有機電解質電池として実施することもできる。但し、有機電解質キャパシタは、有機電解質電池に比べ充電容量が小さいが瞬時に充電、放電できる構成を有するものであることから、ガス圧変化が大きくなる可能性があるため、有機電解質キャパシタとして実施した場合に有効である。
〈実施例1〉
(1)正極1の作製:
幅200mm、厚み20μmの帯状のアルミニウム箔に、パンチング方式により、開口面積0.79mm2 の円形の複数の貫通孔を千鳥状に配列されるよう形成することにより、開口率42%の正極集電体を作製した。この正極集電体の一部分に、導電塗料を、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工幅130mm、塗工速度8m/minの塗工条件により、両面合わせた塗布厚みの目標値を20μmに設定して両面塗工した。その後、導電塗料の塗布層を減圧乾燥させることにより、正極集電体の表裏面に導電層を形成した。
次いで、正極集電体の表裏面に形成された導電層上に、正極活物質として50%体積累積径D50の値が3μmの活性炭粒子を含有する正極用スラリーを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工速度8m/minの塗工条件により、両面合わせた塗布厚みの目標値を160μmに設定して両面塗工した。その後、正極用スラリーの塗布層を減圧乾燥させることにより、導電層上に正極活物質層を形成した。
このようにして得られた、集電体の一部分に導電層および正極活物質層が形成された領域(正極)が60mm×80mm、導電層および正極活物質層が未形成の領域(正極用リード部材)が20mm×15mmとなるように切断することにより、正極用リード部材が一体に形成された正極1(以下、「正極複合体1」という。)を作製した。
(2)負極1の作製:
幅200mm、厚み20μmの帯状の銅箔に、パンチング方式により、開口面積0.79mm2 の円形の複数の貫通孔を千鳥状に配列されるよう形成することにより、開口率42%の負極集電体を得た。この負極集電体の一部分に、負極活物質として50%体積累積径D50の値が6μmの黒鉛の表面をピッチ由来の黒鉛化物質によって被覆されてなる黒鉛系複合粒子(1)、およびSBRバインダ(JSR株式会社製:TRD2001)を含有する負極用スラリーを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工幅70mm、塗工速度8m/minの塗工条件により、両面合わせた塗布厚みの目標値を80μmに設定して両面塗工した。その後、負極用スラリーの塗布層を減圧乾燥させることにより、負極集電体の表裏面に負極活物質層を形成した。
このようにして得られた、負極集電体の一部分に負極活物質層が形成された領域(負極)が65mm×85mm、負極活物質層が未形成の領域(負極用リード部材)が20×15mmになるように切断することにより、負極用リード部材が一体に形成された負極1(以下、「負極複合体1」という。)を作製した。
(3)リチウムイオンキャパシタ要素の作製:
先ず、正極複合体1を10枚、負極複合体1を11枚、厚みが50μmのセパレータを22枚用意し、正極複合体1と負極複合体1とを、正極1および負極1は重なるが、正極用リード部材および負極用リード部材は反対側になり重ならないよう、セパレータ、負極複合体1、セパレータ、正極複合体1の順で積重し、積重体の4辺をテープにより固定することにより、電極積層体を作製した。
次いで、厚みが70μmのリチウム箔を用意した。このリチウム箔をリチウムイオン供給源として用い、当該リチウム箔を厚みが40μmのステンレス網よりなるリチウム極集電体に圧着することにより,リチウムイオン供給部材を作製した。このリチウムイオン供給部材を電極積層体の上側に負極と対向するよう配置することにより、リチウムイオンキャパシタ要素を作製した。
そして、リチウムイオンキャパシタ要素における10枚の正極用リード部材の各々に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した、その後、幅25mm、長さ50mm、厚さ0.2mmのアルミニウム製の正極端子を重ねて溶接した。一方、リチウムイオンキャパシタ要素における11枚の負極用リード部材のうち8枚の負極用リード部材およびリチウムイオン供給部材の集電体リード部材の各々に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した幅25mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の第2負極端子を重ねて溶接した。また、リチウムイオンキャパシタ要素における残りの3枚の負極用リード部材に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した幅25mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の第1負極端子を重ねて溶接した。
(4)リチウムイオンキャパシタの作製:
次いで、正極端子、第1負極端子および第2負極端子が接続されたリチウムイオンキャパシタ要素を、他方の外装フィルム上における収容部となる位置に、正極端子、第1負極端子および第2負極端子の各々が、他方の外装フィルムの端部から外方に突出するよう配置し、このリチウムイオンキャパシタ要素に一方の外装フィルムを重ね合わせ、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における3辺(正極端子、第1負極端子および第2負極端子が突出する2辺を含む)を熱融着した。
一方、非プロトン性有機溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびジエチルカーボネート(体積比で3:1:4)の混合溶媒を用い、濃度1.2mol/LのLiPF6 を含む電解液を調製した。
次いで、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの間に、上記電解液を注入した後、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における残りの一辺を熱融着した。そして、第1負極端子と第2負極端子とを短絡させた状態で放置することにより、リチウム箔(リチウムイオン供給源)から負極へのリチウムイオンのドープを完了した。
以上のようにして、リチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS1」とする。)を作製した。得られたセルS1の初期静電容量を測定したところ、325Fであった。
上記のセルS1に対して、正極端子と第1負極端子とを短絡させ、この状態で50時間放置した。その後、正極端子と第1負極端子との短絡を解除した。次いで、第2負極端子と第1負極端子とを電気的に接続し、この状態で50時間放置した。そして、セルS1に対して、正極端子と第2負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電した後、正極端子と第2負極端子との間の電圧が2.2Vになるまで放電を行い、当該セルS1の静電容量を測定したところ、初期静電容量の値から変化は認められなかった。
〈実施例2〉
(1)負極2の作製:
幅200mm、厚み20μmの帯状の銅箔に、パンチング方式により、開口面積0.79mm2 の円形の複数の貫通孔を千鳥状に配列されるよう形成することにより、開口率42%の負極集電体を得た。この負極集電体の一部分に、負極活物質として50%体積累積径(D50)の値が6μmの黒鉛の表面をピッチ由来の黒鉛化物質によって被覆されてなる黒鉛系複合粒子(1)、およびSBRバインダ(JSR株式会社製:TRD2001)を含有する負極用スラリーを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工幅70mm、塗工速度8m/minの塗工条件により、両面合わせた塗布厚みの目標値を50μmに設定して両面塗工した。その後、負極用スラリーの塗布層を減圧乾燥させることにより、負極集電体の表裏面に負極活物質層を形成した。
このようにして得られた、負極集電体の一部分に負極活物質層が形成された領域(負極)が65mm×85mm、負極活物質層が未形成の領域(負極用リード部材)が20×15mmになるように切断することにより、負極用リード部材が一体に形成された負極2(以下、「負極複合体2」という。)を作製した。
(2)リチウムイオンキャパシタ要素の作製:
先ず、実施例1と同様にして作製した正極複合体1を17枚、負極複合体2を18枚、厚みが50μmのセパレータを36枚用意し、正極複合体1と負極複合体2とを、正極1および負極2は重なるが、正極用リード部材および負極用リード部材は反対側になり重ならないよう、セパレータ、負極2、セパレータ、正極1の順で積重し、積重体の4辺をテープにより固定することにより、電極積層体を作製した。
次いで、厚みが60μmのリチウム箔を用意した。このリチウム箔をリチウムイオン供給源として用い、当該リチウム箔を厚みが40μmのステンレス網よりなるリチウム極集電体に圧着することにより,リチウムイオン供給部材を作製した。このリチウムイオン供給部材を電極積層体の上側に負極と対向するよう配置することにより、リチウムイオンキャパシタ要素を作製した。
また、幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmのアルミニウム製の正極端子を1枚、幅20mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の第1負極端子を1枚、幅20mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の第2負極端子を2枚作製した。そして、リチウムイオンキャパシタ要素における17枚の正極用リード部材の各々に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した。その後、各正極用リード部材に正極端子を重ねて溶接した。一方、リチウムイオンキャパシタ要素における18枚の負極用リード部材のうちの3枚の負極用リード部材の各々に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した第1負極端子を重ねて溶接した。また、リチウムイオンキャパシタ要素における残りの15枚の負極用リード部材のうちの7枚の負極用リード部材およびリチウムイオン供給部材の集電体リード部材の各々に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した一方の第2負極端子を溶接した。更に、リチウムイオンキャパシタ要素における残りの8枚の負極用リード部材に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した他方の第2負極端子をそれぞれ溶接した。
(3)リチウムイオンキャパシタの作製:
次いで、正極端子、第1負極端子および2つの第2負極端子が接続されたリチウムイオンキャパシタ要素を、他方の外装フィルム上における収容部となる位置に、正極端子、第1負極端子および2つの第2負極端子の各々が、他方の外装フィルムの端部から外方に突出するよう配置し、このリチウムイオンキャパシタ要素に一方の外装フィルムを重ね合わせ、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における3辺(正極端子、第1負極端子、2つの第2負極端子が突出する2辺を含む)を熱融着した。
一方、非プロトン性有機溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびジエチルカーボネート(体積比で3:1:4)の混合溶媒を用い、濃度1.2mol/LのLiPF6 を含む電解液を調製した。
次いで、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの間に、上記電解液を注入した後、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における残りの一辺を熱融着した。そして、第1負極端子および2つの第2負極端子を短絡させた状態で放置することにより、リチウム箔(リチウムイオン供給源)から負極へのリチウムイオンのドープを完了した。
以上のようにして、リチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS2」とする。)を作製した。得られたセルS2の初期静電容量を測定したところ、540Fで、セル容量Cが285mAh、完全負極容量Cnが285mAh、正極容量Cpが135mAhであった。 セルS2において、qの値が8.4、rの値が3.997、p/qの値が2.13、p/r の値が4.50、nの値が3であり、上記式(1)および上記式(2)のいずれも満足している。
上記のセルS2に対して、正極端子と一方の第1負極端子との間の電圧が1.1Vになるまで放電した後、正極端子と第1負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電した。さらに2つの第2負極端子についてもそれぞれ第1負極端子と同様にして、正極端子との間で1.1Vになるまで放電した後、正極端子と一方の第2負極端子または他方の第2負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電した。第1負極端子および2つの第2負極端子を15時間短絡させた後、セルS2に対して、正極端子と、第1負極端子および2つの第2負極端子の各々との間の電圧が2.2Vになるまで放電を行い、当該セルS2の静電容量を測定したところ、初期静電容量の値から変化は認められなかった。
〈実施例3〉
リチウムイオンキャパシタ要素における18枚の負極用リード部材のうちの6枚の負極用リード部材を第1負極端子に、残りの12枚の負極用リード部材のうちの6枚の負極用リード部材を一方の第2負極端子に、残りの6枚の負極用リード部材を、他方の第2負極端子に溶接した。それ以外は、実施例2と同様にしてリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS3」とする。)を作製した。得られたセルS3の初期静電容量を測定したところ、540Fで、セル容量Cが285mAh、完全負極容量Cnが608mAh、正極容量Cpが135mAhであった。
セルS3において、qの値が8.4、rの値が3.997、p/qの値が2.13、p/r の値が4.5、nの値が3であり、上記式(1)〜上記式(4)のいずれも満足している。
上記セルS3に対して、正極端子と第1負極端子とを短絡させ、この状態で50時間放置した。その後、正極端子と第1負極端子との短絡を解除した。その後、正極端子と第1負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電した。次いで、正極端子と一方の第2負極端子とを短絡させ、この状態で50時間放置した。その後、正極端子と一方の第2負極端子との短絡を解除した。その後、正極端子と一方の第2負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電した。次いで、正極端子と他方の第2負極端子とを短絡させ、この状態で50時間放置した。その後、正極端子と他方の第2負極端子との短絡を解除した。その後、正極端子と他方の第2負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電した。第1負極端子および2つの第2負極端子を15時間短絡させた後、セルS3に対して、正極端子と第1負極端子および2つの第2負極端子との間の電圧が2.2Vになるまで放電を行い、当該セルS3の静電容量を測定したところ、初期静電容量の値から変化は認められなかった。
〈実施例4〉
幅20mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の第1負極端子を1枚、幅20mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の第2負極端子を3枚作製した。3枚の第2負極端子を、それぞれ第2負極端子A、第2負極端子Bおよび第2負極端子Cとする。そして、リチウムイオンキャパシタ要素における18枚の負極用リード部材のうちの6枚の負極用リード部材に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した第1負極端子を溶接した。また、残りの12枚の負極用リード部材のうちの4枚の負極用リード部材に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した第2負極端子Aを溶接した。また、残りの8枚の負極用リード部材うち4枚の負極リード部材に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した第2負極端子Bを溶接した。更に、残りの4枚の負極リード部材に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した第2負極端子Cを溶接した。以上のこと以外は、実施例2と同様にしてリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS4」とする。)を作製した。得られたセルS4の初期静電容量を測定したところ、540Fで、セル容量Cが285mAh、完全負極容量Cnが608mAh、正極容量Cpが135mAhであった。
セルS3において、qの値が8.4、rの値が3.997、p/qの値が2.13、p/r の値が4.5、nの値が4であり、上記式(1)〜上記式(4)のいずれも満足している。
上記セルS4に対して、正極端子と第1負極端子とを短絡させ、この状態で50時間放置した。その後、正極端子と第1負極端子との短絡を解除した。その後、正極端子と第1負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電した。次いで、正極端子と第2負極端子Aとを短絡させ、この状態で50時間放置した。その後、正極端子と第2負極端子Aとの短絡を解除した。その後、正極端子と第2負極端子Aとの間の電圧が3.8Vになるまで充電した。次いで、正極端子と第2負極端子Bとを短絡させ、この状態で50時間放置した。その後、正極端子と第2負極端子Bとの短絡を解除した。その後、正極端子と第2負極端子Bとの間の電圧が3.8Vになるまで充電した。次いで、正極端子と第2負極端子Cとを短絡させ、この状態で50時間放置した。その後、正極端子と第2負極端子Cとの短絡を解除した。その後、正極端子と第2負極端子Cとの間の電圧が3.8Vになるまで充電した。第1負極端子および3つの第2負極端子を15時間短絡させた後、セルS4に対して、正極端子と第1の負極端子および3つの第2の負極端子との間の電圧が2.2Vになるまで放電を行い、当該セルS4の静電容量を測定したところ、初期静電容量の値から変化は認められなかった。
〈実施例5〉
幅200mm、厚み20μmの帯状のプレーンの銅箔の一部分に、負極活物質として50%体積累積径(D50)の値が6μmの黒鉛の表面をピッチ由来の黒鉛化物質によって被覆されてなる黒鉛系複合粒子(1)、およびSBRバインダ(JSR株式会社製:TRD2001)を含有する負極用スラリーを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工幅70mm、塗工速度2m/minの塗工条件により、片面塗工して塗布層を形成した。上記塗工の際に、塗布層が形成された銅箔に対して、未塗工の裏面に、周波数が50kHzのCO2 レーザーを用いて孔径が10μmで開口率が10%の貫通孔を複数形成し、乾燥した。次いで、負極集電体における塗布層が形成されていない面に、上記と同様にして負極用スラリーを片面塗工し、その後、塗布層を減圧乾燥させることにより、負極集電体の表裏面に負極活物質層を形成した。
このようにして得られた、負極集電体の一部分に負極活物質層が形成された領域(負極)が65mm×85mm、負極活物質層が未形成の領域(負極用リード部材)が20×15mmになるように切断することにより、負極用リード部材が一体に形成された負極3(以下、「負極複合体3」という。)を作製した。
負極複合体2の代わりに負極複合体3を用いたこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS5」とする。)を作製した。得られたセルS5の初期静電容量を測定したところ、540Fで、セル容量Cが285mAh、完全負極容量Cnが608mAh、正極容量Cpが135mAhであった。
セルS5において、qの値が8.4、rの値が3.997、p/qの値が2.13、p/r の値が4.5、nの値が3であり、上記式(1)〜上記式(4)のいずれも満足している。
上記セルS5に対して、正極端子と第1負極端子とを短絡させ、この状態で50時間放置した。その後、正極端子と第1負極端子との短絡を解除した。その後、正極端子と第1負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電した。次いで、正極端子と第2負極端子とを短絡させ、この状態で50時間放置した。その後、正極端子と第2負極端子との短絡を解除した。その後、正極端子と第2負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電した。第1負極端子と第2負極端子とを15時間短絡させた後、セルS5に対して、正極端子と第1の負極端子および第2の負極端子との間の電圧が2.2Vになるまで放電を行い、当該セルS5の静電容量を測定したところ、初期静電容量の値から変化は認められなかった。
〈比較例1〉
電極積層体における11個の負極用リード部材およびリチウムイオン供給部材の各々に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した幅25mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の単一の負極端子を重ねて溶接したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルC1」とする。)を作製した。得られたセルC1の初期静電容量を測定したところ、325Fであった。
上記のセルC1に対して、正極端子と負極端子とを短絡させ、この状態で50時間放置した。このとき、セルC1の外装体は膨張した。その後、正極端子と負極端子との短絡を解除した。そして、セルC1に対して、正極端子と負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電した後、正極端子と負極端子との間の電圧が2.2Vになるまで放電を行い、当該セルC1の静電容量の測定を試みたところ、内部抵抗が極めて高くなっており、測定することができなかった。この性能低下は、正極電位が大きく低下することにより、電解液が分解してガスが発生し、抵抗が上昇したためと考えられる。
〈比較例2〉
正極集電体および負極集電体として貫通孔が形成されていないものを用い、リチウムイオン供給源として負極表面に必要なリチウム金属を蒸着させたこと以外は実施例1と同様にリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルC2」とする。)を作製した。得られたセルC2の初期静電容量を測定したところ、325Fであった。
上記のセルC2に対して、正極端子と第1負極端子とを短絡させ、この状態で50時間放置した。このとき、セルC2の外装体は膨張した。その後、正極端子と第1負極端子との短絡を解除した。次いで、第2負極端子と第1負極端子とを電気的に接続し、この状態で50時間放置した。そして、セルC2に対して、静電容量の測定を試みたところ、内部抵抗が極めて高くなっており、測定することができなかった。この性能低下は、正極集電体および負極集電体に貫通孔が形成されていないため、正極端子と第1負極端子とを短絡させても、リチウムイオンの移動が十分に行われず、第1負極端子に接続された負極に対向した正極の電位が大きく低下したために、局所的に電解液が分解してガスが発生し、抵抗が上昇したためと考えられる。
〈実施例6〉
リチウムイオンキャパシタ要素における11枚の負極用リード部材のうち4枚の負極用リード部材およびリチウムイオン供給部材の各々に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した幅25mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の第1負極端子を重ねて溶接した。次いで、リチウムイオンキャパシタ要素における残りの7枚の負極用リード部材に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した幅25mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の第2負極端子を重ねて溶接したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS6」とする。)を作製した。得られたセルS6の初期静電容量を測定したところ、325Fで、セル容量Cは171mAh、完全負極容量Cnは608mAh、正極容量Cpは81.3mAhであった。
上記のセルS6に対して、正極端子と第1負極端子との間ので電圧が1.1Vになるまで放電した。その後、正極端子と第1負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電した。さらに第2負極端子についてもそれぞれ第1負極端子と同様に正極端子との間で1.1Vになるまで放電した。このとき、セルS6の外装体は膨張した。その後、正極端子と第1負極端子との短絡を解除し、正極端子と第2負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電した。そして、第1負極端子および第2負極端子とを15時間短絡させた後、セルS6に対して、正極端子と第1負極端子および第2負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電した後、正極端子と第1負極端子および第2負極端子との間の電圧が2.2Vになるまで放電を行い、当該セルS6の静電容量の測定を試みたところ、セルは少し膨れたが、静電容量を測定することができた。その結果、内部抵抗が高くなっており、静電容量が減少した。この性能低下は、正極電位が大きく低下することにより、電解液が分解してガスが発生し、抵抗が50%上昇したためと考えられる。第1負極端子に接続した負極集電体の数は全体の36.4%であるが、正極、負極のバランスによっては過放電できない場合もある。
〈実施例7〉
実施例2に係るセルS2と同様の構成のリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルS7」とする。)を作製した。得られたセルS7の初期静電容量を測定したところ、325Fで、セル容量Cは171mAh、完全負極容量Cnは608mAh、正極容量Cpは81.3mAhであった。
上記のセルS7に対して、正極端子と第1負極端子とを短絡させ、この状態で50時間放置した。その後、正極端子と第1負極端子との短絡を解除した。その後、正極端子と第1負極端子との間の電圧が3.8Vになるまで充電を試みたが電圧は上昇し、充電した時にガスが発生し、セル7の外装体が少し膨れた。放電した際、内部抵抗が20%上昇し、静電容量が20%低下した。その後、セル7を解体すると、負極上に銅のデンドライトが析出していた。これは、短絡時に負極電位が大きく上昇することにより、負極集電体を構成する銅が溶出し、充電時に溶出した銅が負極上にデンドライト状に析出したためと考えられる。式(1)および式(2)を満たしても、式(3)および式(4)を満たさない場合には、0Vまで過放電すると負極集電体が溶出する場合もあるため、式(3)および式(4)も満たすことがより好ましいことがわかる。
10 蓄電デバイス
11 蓄電デバイス要素
11a 電極積層体
12 正極活物質層
12a 正極集電体
13 負極活物質層
13a 負極集電体
14 正極端子
15a 第1負極端子
15b 第2負極端子
16 正極用リード部材
17 負極用リード部材
18 リチウムイオン供給源
18a リチウム極集電体
19 リチウム極用リード部材
20 外装体
21A 上部外装フィルム
21B 下部外装フィルム
22 接合部
23 収容部
24 非接合部位
25 安全弁
S セパレータ

Claims (6)

  1. 貫通孔を有する正極集電体上に正極活物質層が形成された正極および貫通孔を有する負極集電体上に負極活物質層が形成された複数の負極が、セパレータを介して交互に積層されてなる蓄電デバイス要素と、
    電解液と、
    前記蓄電デバイス要素および前記電解液を収容する外装体と、
    前記外装体に設けられた、当該外装体の外部に露出する正極端子と、
    前記外装体に互いに離間して設けられた、当該外装体の外部に露出する第1負極端子および第2負極端子と
    を備えてなり、
    前記負極集電体の各々は、前記第1負極端子および前記第2負極端子のいずれか一方に電気的に接続され、
    前記第1負極端子および前記第2負極端子の各々は、少なくとも一つの前記負極集電体に電気的に接続されていることを特徴とする蓄電デバイス。
  2. 全ての負極集電体に対する前記第1負極端子に電気的に接続された負極集電体の割合が、5〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記蓄電デバイスの満充電の状態から、満充電の電圧の半分の電圧まで1時間かけて放電したときの容量をセル容量、前記蓄電デバイスの満充電の状態の負極を、負極電位が1.5V(Li/Li+ )になるまで放電させたときの容量を完全負極容量とし、
    前記セル容量をC(mAh)、前記完全負極容量をCn(mAh)、前記負極集電体の総数をp、一つの負極端子に接続された前記負極集電体の数の上限値をq、負極端子の総数をnとしたとき、
    下記式(1)および下記式(2)を満たすように負極端子の各々に負極集電体が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス。
    式(1) q=C/Cn×p
    式(2) p/q≦n
  4. 前記蓄電デバイスの満充電の状態の正極を、正極電位が3.0V(Li/Li+ )になるまで放電させたときの容量を正極容量とし、前記正極容量をCp(mAh)、一つの負極端子に接続された前記負極集電体の数の下限値をrとしたとき、下記式(3)および下記式(4)を満たすように負極端子の各々に負極集電体が電気的に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の蓄電デバイス。
    式(3) r=Cp/Cn×p
    式(4) n≦p/r
  5. 前記負極活物質層には、リチウムイオンがドープされていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の蓄電デバイス。
  6. 複数の蓄電デバイスを備えてなる蓄電モジュールの作製方法であって、
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の蓄電デバイスの複数を用意し、
    前記蓄電デバイスの各々における正極端子と第1負極端子とを短絡させた状態で、当該蓄電デバイスにおける第1負極端子と、他の蓄電デバイスにおける正極端子とを電気的に接続する工程を有することを特徴とする蓄電モジュールの作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016125770A1 (ja) * 2015-02-02 2016-08-11 日立化成株式会社 リチウムイオンキャパシタ用電解液、及びリチウムイオンキャパシタ
JP2018160406A (ja) * 2017-03-23 2018-10-11 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池
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