JP5214172B2 - 電極の製造方法、および蓄電デバイスの製造方法 - Google Patents

電極の製造方法、および蓄電デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、充放電時にリチウムイオンを電極間で移動させるキャパシタや二次電池等に適用して有効な技術に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車等に搭載される蓄電デバイスとして、リチウムイオンキャパシタやリチウムイオン二次電池等が候補に挙げられている。また、これら蓄電デバイスのエネルギー密度を向上させるため、蓄電デバイス内に金属リチウムを組み込むとともに、負極と金属リチウムとを電気化学的に接触させるようにした蓄電デバイスも提案されている。負極にリチウムイオンを予めドーピングさせることにより、負極電位を低下させて出力電圧を引き上げることができるため、蓄電デバイスのエネルギー密度を向上させることが可能となる。さらに、積層される電極間においてリチウムイオンのドーピングをスムーズに進行させるため、正極集電体や負極集電体に対してリチウムイオンを通過させるための貫通孔を形成するようにした蓄電デバイスも提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許第3485935号公報
しかしながら、リチウムイオンを負極にドーピングする際には、蓄電デバイス内に極めて薄い金属リチウムを組み込む必要があるため、製造時における金属リチウムの取り扱いが困難となり、蓄電デバイスの高コスト化を招く要因となっていた。また、正極と負極とが積層された電極積層ユニットに対してリチウムイオンをドーピングするためには、正極集電体や負極集電体を多孔箔材料によって形成する必要があるが、この貫通孔を備える多孔箔材料に対して活物質を塗工することは困難であり、この点からも蓄電デバイスの高コスト化を招く要因となっていた。
また、金属リチウムから放出されたリチウムイオンを負極に対してドーピングする際には、電極間の各部位における電位差のばらつきや、電極等に対する電解液の浸透状態のばらつきによって、リチウムイオンのドーピング量が変動してしまうおそれがある。このようなドーピング量の変動は、負極電位を変動させて局部的な過充電や過放電を招くことから、蓄電デバイスを劣化させる要因となっていた。
本発明の目的は、リチウムイオンが予めドーピングされる電極やこれを用いた蓄電デバイスの低コスト化を図ることにある。
また、本発明の目的は、電極に対してリチウムイオンを均一にドーピングすることにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば以下のとおりである。すなわち、リチウムアジドを含んだ電極材料によって電極を形成し、この電極に熱処理を施して内部に金属リチウムを分散させた電極を得た
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、電極材料に対してリチウムアジドを含ませることにより、電極の内部にリチウムアジドを分散させることができ、この電極に熱処理を施してリチウムアジドから金属リチウムを生成することにより、電極の内部に金属リチウムを分散させることが可能となる。これにより、電極内に分散する金属リチウムからリチウムイオンを放出させることができ、電極に対してリチウムイオンを均一にドーピングすることが可能となる。
図1は本発明の一実施の形態である蓄電デバイス10を示す斜視図であり、この蓄電デバイス10は本発明の一実施の形態である電極を用いて構成されている。また、図2は図1のA−A線に沿って蓄電デバイス10の内部構造を概略的に示す断面図である。図1および図2に示すように、蓄電デバイス10の外装容器であるラミネートフィルム11には電極積層ユニット12が収容されており、この電極積層ユニット12はセパレータ13を介して交互に積層される正極(電極)14と負極(電極)15とによって構成されている。また、ラミネートフィルム11内にはリチウム塩を含む非プロトン性有機溶媒からなる電解液が注入されている。
図3は蓄電デバイス10の内部構造を部分的に拡大して示す断面図である。図3に示すように、正極14は、貫通孔を持たない板状の正極集電体(集電体)14aと、この正極集電体14aに塗工される正極合材層(電極合材層)14bとを備えている。また、負極15は、貫通孔を持たない板状の負極集電体(集電体)15aと、この負極集電体15aに塗工される負極合材層(電極合材層)15bとを備えている。相互に接続される複数の正極集電体14aには、ラミネートフィルム11から外部に突出する正極端子16が接続されており、相互に接続される複数の負極集電体15aには、ラミネートフィルム11から外部に突出する負極端子17が接続されている。
また、正極14の正極合材層14bには、リチウムイオンを可逆的にドーピング・脱ドーピングすることが可能な正極活物質(活物質)が含有されており、負極15の負極合材層15bには、リチウムイオンを可逆的にドーピング・脱ドーピングすることが可能な負極活物質(活物質)が含有されている。さらに、後述する方法によって負極15の負極合材層15bにはリチウムイオンが予めドーピングされており、負極電位を低下させて蓄電デバイス10のエネルギー密度を向上させるようにしている。なお、本発明において、ドーピング(ドープ)とは、吸蔵、担持、吸着、挿入等を意味しており、正極活物質や負極活物質に対してリチウムイオンやアニオン等が入る状態を意味している。また、脱ドーピング(脱ドープ)とは、放出、脱離等を意味しており、正極活物質や負極活物質からリチウムイオンやアニオン等が出る状態を意味している。
続いて、負極15に対してリチウムイオンをドープさせる際の手順について説明する。図4は蓄電デバイス10を製造する際の手順を概略的に示すフローチャートであり、図5(A)〜(C)は負極15に対してリチウムイオンがドープされる過程を示す模式図である。図4に示すように、ステップS100では負極活物質として例えばPASを準備し、ステップS110ではリチウムイオンを供給するためのリチウムアジド(アジ化リチウム,LiN)を準備し、ステップS120ではバインダを準備する。続くステップS130では、PAS、リチウムアジドおよびバインダを所定の溶液に混合させて負極用スラリーを作製し、ステップS140では負極集電体15a上に負極用スラリーを塗工して負極15を作製する。このように作製された負極15の負極合材層15b内にはリチウムアジドが分散した状態となっている。また、ステップS150では正極活物質として例えば活性炭を準備し、ステップS160ではバインダを準備する。そして、ステップS170では、活性炭およびバインダを所定の溶液に混合させて正極用スラリーを作製し、続くステップS180では、正極集電体14a上に正極用スラリーを塗工して正極14を作製する。
そして、ステップS190では、正極14と負極15とをセパレータ13を介して積層することによって電極積層ユニット12を作製し、続くステップS200では電極積層ユニット12を180℃で熱処理することにより、負極合材層15b内に分散するリチウムアジドを分解して金属リチウムを生成する(2LiN→2Li+3N)。すなわち、図5(A)に示すように、電極積層ユニット12に対して熱処理を施すことにより、図5(B)に示すように、負極15の負極合材層15b内には分散した状態で金属リチウムが含まれることになる。なお、リチウムアジドから効率良く金属リチウムを生成する観点から、熱処理の温度範囲としては115℃以上298℃以下であることが望ましい。また、熱処理に伴う酸化を抑制するため、熱処理はアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下や真空下で行われることになる。さらに、電極積層ユニット12全体を熱処理する処理方法であることから、電極積層ユニット12のセパレータ13は200℃以上の耐熱性を有するアラミド不織布やポリフェニレンサルファイド(PPS)不織布等によって構成されている。
続いて、ステップS210では、電極積層ユニット12がラミネートフィルム11内に収容されるとともに、ラミネートフィルム11内に電解液が注入される。図5(B)に示すように、負極15内に金属リチウムが取り込まれていることから、負極15と金属リチウムとは既に電気的に接続された状態となっており、図5(C)に示すように、電解液の注入に伴って金属リチウムから放出されるリチウムイオンが負極15の負極合材層15bに対してドープされることになる。
なお、図5(B)に示すように、リチウムアジドに対して熱処理を施した場合であっても、負極合材層15bに少量のリチウムアジドが残存しているが、これは未反応のリチウムアジドが残存しているものと考えられる。また、図5(C)に示すように、負極合材層15bに窒化リチウム(LiN)が残存しているが、これはリチウムアジドの分解に伴って発生する窒素が金属リチウムの一部と反応し、窒化リチウムが生成されるものと考えられる。すなわち、電極材料に対してリチウムアジドを含めて電極を作製するとともに、リチウムアジドから金属リチウムを生成した場合には、電極合材層内にリチウムアジドや窒化リチウムが残存することになる。
これまで説明したように、電極材料としての負極用スラリーに対してリチウムアジドを含ませるとともに、この負極用スラリーを用いて負極15を形成するようにしたので、負極合材層15b内にリチウムアジドが分散した負極15を得ることが可能となる。そして、リチウムアジドを含んだ負極15に対して熱処理を施すことにより、リチウムアジドから金属リチウムが生成されるため、負極合材層15b内に金属リチウムを分散させた負極15を得ることが可能となる。続いて、この負極15によって構成された蓄電デバイス10に電解液を注入することにより、負極合材層15b内に分散する金属リチウムからリチウムイオンを放出させることができ、負極合材層15bに対してリチウムイオンを均一にドープすることが可能となる。これにより、負極面内の各部位における負極電位の均一化を図ることができ、蓄電デバイス10の充放電特性を向上させることが可能となる。また、負極面内の各部位における負極電位の均一化を図ることにより、局部的な過充電や過放電を抑制することが可能となり、蓄電デバイス10の劣化を抑制することが可能となる。
また、予めリチウムイオンをドープするために、蓄電デバイス10内に対して金属リチウム箔等を組み込む必要がないことから、蓄電デバイス10の組立作業の簡素化を図ることができ、蓄電デバイス10の低コスト化を図ることが可能となる。さらに、負極合材層15b内に取り込まれた金属リチウムからリチウムイオンを得る構成であるため、貫通孔を持たない金属板等によって正極集電体14aや負極集電体15aを形成することが可能となる。これにより、従来のドープ方法においては必須であった正極集電体14aや負極集電体15aの貫通孔を排除することができるため、正極集電体14aや負極集電体15aの取り扱いやスラリーの塗工作業が簡単になるだけでなく、正極集電体14aや負極集電体15aのコストを引き下げることができ、蓄電デバイス10の低コスト化を図ることが可能となる。ただし、貫通孔を有する集電体を用いても予めリチウムイオンをドープする効果をえることは可能である。
しかも、図5(B)に示すように、熱処理によってリチウムアジドから金属リチウムを生成する際には、負極合材層15bから窒素ガスが放出されることから、窒素ガスの放出に伴って負極合材層15bに適度な隙間を形成することが可能となる。これにより、充放電時におけるリチウムイオンの移動が容易となるため、蓄電デバイス10の内部抵抗を引き下げて充放電特性を向上させることも可能となる。
なお、前述の説明では、負極15に対してリチウムイオンを予めドープするようにしているが、正極用スラリーに対してリチウムアジドを混ぜることにより、正極14に対してリチウムイオンを予めドープするようにしても良く、負極用スラリーおよび正極用スラリーに対してリチウムアジドを混ぜることにより、負極15と正極14との双方に対してリチウムイオンを予めドープするようにしても良いことはいうまでもない。
続いて、前述した蓄電デバイスの一例として、リチウムイオンキャパシタの構成について下記の順に詳細に説明する。[A]正極、[B]負極、[C]正極集電体および負極集電体、[D]セパレータ、[E]電解液、[F]外装容器。
[A]正極
正極は、正極集電体とこれに一体となる正極活物質層とを有しており、正極活物質層にはリチウムイオンやアニオン(例えばテトラフルオロボレート等)を可逆的に担持することが可能な正極活物質が含有されている。正極活物質としては、リチウムイオンやアニオンを可逆的に担持できるものであれば特に限定されることはなく、例えば活性炭や導電性高分子、ポリアセン系物質等を挙げることができる。また、芳香族系縮合樹脂材料の熱処理物であり、H/Cが0.50〜0.05であるPASを正極活物質として用いた場合には、高容量化を図ることができるために好適である。
前述したPAS等の正極活物質は粉末状、粒状、短繊維状等に形成され、この正極活物質をバインダと混合してスラリーが形成される。そして、正極活物質を含有するスラリーを正極集電体に塗工して乾燥させることにより、正極集電体上に正極活物質層が形成される。なお、正極活物質と混合されるバインダとしては、例えばSBR等のゴム系バインダやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。また、正極活物質層に対して、アセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等の導電性材料を適宜加えるようにしても良い。
[B]負極
負極は、負極集電体とこれに一体となる負極活物質層とを有しており、負極活物質層にはリチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドープすることが可能な負極活物質が含有されている。負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に担持できるものであれば特に限定されることはなく、例えばグラファイト、種々の炭素材料、ポリアセン系物質、錫酸化物、珪素酸化物等を挙げることができる。特に、芳香族系縮合樹脂材料の熱処理物であり、水素原子/炭素原子の原子数比(H/C)が0.50〜0.05であるポリアセン系有機半導体(PAS)は負極活物質として好適である。このPASはアモルファス構造を有することから、リチウムイオンのドープ・脱ドープに対して膨潤・収縮といった構造変化がないためサイクル特性に優れており、リチウムイオンのドープ・脱ドープに対して等方的な分子構造であるため急速充電や急速放電にも優れた特性を有している。
前述したPAS等の負極活物質は粉末状、粒状、短繊維状等に形成され、この負極活物質をバインダと混合してスラリーが形成される。そして、負極活物質を含有するスラリーを負極集電体に塗工して乾燥させることにより、負極集電体上に負極活物質層が形成される。なお、負極活物質と混合されるバインダとしては、例えばSBR等のゴム系バインダや、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができ、これらの中でもフッ素系バインダを用いることが好ましい。また、負極活物質層に対して、アセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等の導電性材料を適宜加えるようにしても良い。
[C]正極集電体および負極集電体
正極集電体および負極集電体としては、一般に有機電解質電池に提案されている種々の材料を用いることが可能である。たとえば、正極集電体の材質として、アルミニウム、ステンレス鋼等を用いることができ、負極集電体の材質として、ステンレス鋼、銅、ニッケル等を用いることができる。また、本発明の蓄電デバイスにあっては、金属リチウム箔を組み込んでリチウムイオンを積層方向にドープさせる必要がないことから、蓄電デバイスの低コスト化を図る観点からは、貫通孔を持たない(リチウムイオンを通過させない)正極集電体および負極集電体を使用することが好ましい。このように、貫通孔を持たない正極集電体および負極集電体を採用することにより、正極集電体および負極集電体自体の低コスト化を図ることが可能となり、集電体に対するスラリーの塗工作業の簡素化を図ることが可能となる。
[D]セパレータ
セパレータとしては、電解液、正極活物質、負極活物質等に対して耐久性があり、200℃以上の耐熱性を有しており、連通気孔を有する電気伝導性のない多孔質体等を用いることができる。このセパレータの材料としてはアラミド不織布やポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド等のエンジニアリングプラスチック製不織布を使用することが可能である。なお、前述の説明では、電極積層ユニットに対して熱処理を施すようにしているが、電極単位でリチウムアジドから金属リチウムを生成する熱処理を施した後に、熱処理した電極を用いて電極積層ユニットを形成した場合には、セルロース(紙)、ポリエチレン、ポリプロピレンなど既知の材料を用いたセパレータを使用することが可能である。また、負極とリチウム極との間に配置されるセパレータとしては、前述した材質に限られることはなく、負極集電体やリチウム極集電体の表面に絶縁被膜を形成することにより、この絶縁被膜をセパレータとして機能させることも可能である。
[E]電解液
電解液としては、高電圧でも電気分解を起こさないという点、リチウムイオンが安定に存在できるという点から、リチウム塩を含む非プロトン性有機溶媒を用いることが好ましい。非プロトン性有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホラン等を単独あるいは混合した溶媒が挙げられる。また、リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiAsF、LiBF、LiPF、LiN(CSO)等が挙げられる。また、電解液中の電解質濃度は、電解液による内部抵抗を小さくするため、少なくとも0.1モル/l以上とすることが好ましく、0.5〜1.5モル/lの範囲内とすることが更に好ましい。
[F]外装容器
外装容器としては、一般に電池に用いられている種々の材質を用いることができ、鉄やアルミニウム等の金属材料等を使用することが可能である。また、外装容器の形状についても特に限定されることはなく、円筒型や角型など用途に応じて適宜選択することが可能である。なお、蓄電デバイスの小型化や軽量化を図る観点からは、外装容器としてアルミニウムのラミネートフィルムを用いることが好ましい。一般的には、外側にナイロンフィルム、中心にアルミニウム箔、内側に変性ポリプロピレン等の接着層を有した3層ラミネートフィルムが用いられている。また、ラミネートフィルムは、中に入る電極等のサイズに合わせて深絞りされているのが一般的であり、深絞りされるラミネートフィルム内に電極積層ユニットを設置して電解液を注入した後、ラミネートフィルムの外周部は熱溶着等によって封止される構成となっている。
以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
<負極の製造>
厚さ0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコニット電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で50℃/時間の速度で500℃まで昇温した後、さらに10℃/時間の速度で700℃まで昇温させて熱処理を施してPASを合成した。このようにして得られたPAS板をディスクミルで粉砕することによりPAS粉体を得た。このPAS粉体のH/C比は0.17であった。次いで、ポリフッ化ビニリデン粉末10重量部をN−メチルピロリドン150重量部に溶解した溶液に、上記PAS粉体100重量部とリチウムアジド113重量部とを充分に混合することによって負極用スラリーを作製した。この負極用スラリーを、厚さ10μmとなる銅箔の両面にダイコーターにてコーティングして負極合材層を成形した。負極合材層が成形された負極集電体を真空乾燥させることにより、負極活物質の目付量が4.0mg/cmとなるリチウムアジド含有負極を得た。なお、含有するリチウムアジドは熱分解により、負極活物質重量当たり、620mAh/g相当の金属リチウムを生成する量である。
<正極の製造>
比表面積2000m/gの市販活性炭粉末85重量部、アセチレンブラック粉体5重量部、アクリル系樹脂バインダ6重量部、カルボキシメチルセルロース4重量部および水200重量部を充分に混合することによって正極用スラリーを得た。この正極用スラリーを、厚さ20μmとなるアルミニウム箔の両面に、非水系のカーボン系導電塗料をスプレー方式にてコーティングして乾燥させることにより、導電層が形成された正極用集電体を得た。全体の厚さ(集電体厚さと導電層厚さとの合計)は25μmである。そして、正極用スラリーを、正極集電体の両面にロールコーターにてコーティングして正極合材層を成形した。正極合材層が成形された正極集電体を真空乾燥させることにより、正極全体の厚さ(両面の正極合材層厚さと両面の導電層厚さと正極集電体厚さとの合計)が102μmとなる正極を得た。正極合材層の厚みは両面で77μmであり、正極活物質の目付量は両面合せて3.5mg/cmであった。
<負極の単位重量当たりの静電容量測定>
上記負極の製造において、リチウムアジドが含まれないこと以外は同様にして、比較用負極を得た。上記比較用負極を1.5cm×2.0cmのサイズに切り出して評価用負極1とした。この評価用負極1に、厚さ50μmのポリエチレン製不織布からなるセパレータを介して、対極としての金属リチウム(1.5cm×2.0cmサイズ、厚み200μm)を対向させることにより、模擬セルを組んだ。参照極としては金属リチウムを用い、電解液としてはプロピレンカーボネートにLiPFを1.2モル/lの濃度で溶解した溶液を用いた。そして、充電電流1mAにて負極活物質に620mAh/g分のリチウムイオンを充電し、その後、放電電流1mAにて負極電位が1.5Vに達するまで放電を行った。放電開始1分後の負極電位より更に0.2Vの電位変化が生じる迄の放電時間に基づき、負極の単位重量当たりの静電容量を求めたところ1021F/gであった。
続いて、上記リチウムアジド含有負極を1.5cm×2.0cmのサイズに切り出し、180℃にて12時間真空乾燥することにより評価用負極2を得た。そして評価用負極1と同様に模擬セルを組立てた。電解液を注液後7日間放置後、放電電流1mAにて負極電位が1.5Vに達するまで放電を行った。放電開始1分後の負極電位より更に0.2Vの電位変化が生じる迄の放電時間に基づき、負極の単位重量当たりの静電容量を求めたところ1015F/gであったことから、リチウムアジドが熱分解により、ほぼ所定量の金属リチウム(620mAh/g相当)を生成し、負極にドープされたことを確認した。
<正極の単位重量当たりの静電容量測定>
上記正極を1.5cm×2.0cmのサイズに切り出して評価用正極とした。この評価用正極に、厚さ50μmのポリエチレン製不織布からなるセパレータを介して、対極としての金属リチウム(1.5cm×2.0cmサイズ、厚み200μm)を対向させることにより、模擬セルを組んだ。参照極としては金属リチウムを用い、電解液としてはプロピレンカーボネートにLiPFを1.2モル/lの濃度で溶解した溶液を用いた。そして、充電電流1mAにて3.6Vまで充電した後に定電圧充電を行い、総充電時間が1時間を経過した後に、放電電流1mAにて正極電位が2.5Vに達するまで放電を行った。正極電位が3.5Vから2.5Vに達する迄の放電時間に基づき、正極の単位重量当たりの静電容量を求めたところ140F/gであった。
<電極積層ユニットの作製>
負極を6.0cm×7.5cm(端子溶接部を除く)にカットし、正極を5.8cm×7.3cm(端子溶接部を除く)にカットし、セパレータとしてのアラミド不織布(厚さ35μm)を6.2×7.7cmにカットした。そして、正極集電体、負極集電体の端子溶接部がそれぞれ反対側になるよう配置し、正極、負極の対向面が20層になるように、かつ積層した電極の最外部の電極が負極となるように積層した。続いて、最上部および最下部にはセパレータを配置して4辺をテープ留めした後に、正極集電体の端子溶接部(20枚)に対してアルミニウム製正極端子(幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mm)を超音波溶接し、負極集電体の端子溶接部(21枚)に対して銅製負極端子(幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mm)を超音波溶接して電極積層ユニットを作製した。なお、電極積層ユニットには、20枚の正極が用いられ、21枚の負極が用いられている。また、正極活物質重量は負極活物質重量の0.8倍であるが、正極と対向する負極表面積内に含まれる負極活物質の重量に対しては0.9倍となる。さらに、正極表面積は負極表面積の94%である。
<キャパシタセルの作製>
上記電極積層ユニットを真空下(0.1Torr)に配置し、180℃にて12時間真空乾燥を行った。この熱処理によって負極中のリチウムアジドを熱分解し、リチウムアジドから金属リチウムを生成した。このように熱処理を施した電極積層ユニットを7.5mmに深絞りしたラミネートフィルムの内部に設置し、開口部をラミネートフィルムで覆って三辺を融着した後に、電解液(エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびプロピレンカーボネートを重量比で3:4:1とした混合溶媒にLiPFを1モル/lの濃度で溶解した溶液)を真空含浸させた。その後、残り一辺を融着してフィルム型のリチウムイオンキャパシタセル(以下、キャパシタセルという。前述の蓄電デバイスに相当)を5セル組み立てた。
また、今回はリチウムアジドの分解を真空雰囲気で行ったが、常圧のアルゴン等の不活性ガス雰囲気下においても同温度、同乾燥時間でリチウムアジドが分解することを確認した。
<プレドープ>
電解液を注入してキャパシタセルを完成させた後に、このキャパシタセルを7日間に渡って放置した。そして、1つのキャパシタセルを分解して負極を分析したところ、負極活物質(PAS)100重量部に対してリチウムアジドが1重量部含まれており、負極活物質(PAS)100重量部に対して窒化リチウムが0.5重量部含まれていた。これは未反応のリチウムアジドが残存しているとともに、熱処理に伴って発生する窒素が金属リチウムの一部と反応して窒化リチウムが生成されたものと考えられる。このように、残存するリチウムアジドと窒化リチウムとが少量であることから、大部分のリチウムアジドが金属リチウムに変換され、負極活物質の単位重量当たり1021F/g程度の静電容量を得るためのリチウムイオンが、予め充電により確実にドープされたと判断した。なお、負極の単位重量当たりの静電容量は正極の単位重量当たりの静電容量の7.3倍となる。
<セルの特性評価>
残った4つのキャパシタセルを、1.5Aの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を1時間行った。続いて、1.5Aの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電した。このような3.8V−2.2Vのサイクル試験を繰り返し、10回目の放電後におけるセル静電容量およびエネルギー密度を測定した。この結果を図6に示す。なお、図6に示すセル静電容量とエネルギー密度とのデータは4セルの平均値である。
(比較例1)
負極用スラリーに対してリチウムアジドが含まれないこと以外は、実施例1と同様の構成によって4つのキャパシタセルを組み立てた。得られたキャパシタセルの特性評価を行うため、キャパシタセルを1.5Aの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電したところ、ガスが発生してキャパシタセルが膨張したため、セル静電容量およびエネルギー密度の測定を中止した。このように、負極用スラリーに対してリチウムアジドを入れない場合には、セル電圧が3.8Vに達しないことから、出力密度やエネルギー密度を十分に得られないことが確認された。
なお、リチウムアジドを含有していない比較例1のキャパシタセルは、負極に対してリチウムイオンが予めドープされていないため、実施例1のキャパシタセルよりも負極電位が高くなっている。したがって、比較例1のキャパシタセルを3.8Vまで充電した場合には、実施例1のキャパシタセルよりも正極電位が高くなるため、電解液が酸化分解してガスが発生したものと考えられる。
(実施例2および比較例2)
実施例2で使用される蓄電デバイスは、実施例1で作製されたキャパシタセルの正極活物質を五酸化バナジウム(V)に変更し、正極活物質の目付量は両面合わせて8.1mg/cmとしたリチウムイオンバッテリセル(以下、バッテリセルという。前述の蓄電デバイスに相当)である。また、比較例2で使用される蓄電デバイスは、比較例1で作製されたキャパシタセルの正極活物質を五酸化バナジウム(V)に変更し、正極活物質の目付量は両面合わせて8.1mg/cmとしたリチウムイオンバッテリセル(以下、バッテリセルという)である。
実施例1および実施例2と同様に、0.1Aの定電流でセル電圧が3.6Vになるまで充電し、その後3.6Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を1時間行った。続いて、0.1Aの定電流でセル電圧が1.5Vになるまで放電した。このような3.6V−1.5Vのサイクル試験を繰り返し、10回目の放電後におけるセル容量およびエネルギー密度を測定した。この結果を図7に示す。なお、図7に示すセル容量とエネルギー密度とのデータは4セルの平均値である。また、リチウムアジドを含有していない比較例2のバッテリセルについては、バッテリセルを0.1Aの定電流でセル電圧が3.6Vになるまで充電し、同様に1時間定電流−定電圧充電を行い、充放電を行ったところ、ほとんどセル容量を示さなかった。
前述したように、負極用スラリーに対してリチウムアジドを含ませない場合には、ロッキングチェア型電池として必須であるリチウムイオンをほとんど含まないことにより、ほとんど出力やエネルギーが得られないことが確認された。このように、本発明をリチウムイオンキャパシタに適用した場合だけでなく、リチウムイオン二次電池に適用した場合であっても、同様の効果が得られることが確認された。
以下、本発明の他の実施の形態について説明する。図8は本発明の他の実施の形態である蓄電デバイス20の内部構造を示す断面図であり、図9は蓄電デバイス20の内部構造を部分的に拡大して示す断面図である。なお、図2および図3に示す部材と同一の部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、ラミネートフィルム11には電極積層ユニット21が収容されており、この電極積層ユニット21はセパレータ13を介して交互に積層される正極(電極)22と負極(電極)23とによって構成されている。また、電極積層ユニット21の最外部にはリチウム極24が負極23に対向するように配置されており、電極積層ユニット21とリチウム極24とによって三極積層ユニット25が構成されている。
図9に示すように、正極22は、多数の貫通孔22aを備える正極集電体(集電体)22bと、この正極集電体22bに塗工される正極合材層14bとを備えている。また、負極23は、多数の貫通孔23aを備える負極集電体(集電体)23bと、この負極集電体23bに塗工される負極合材層15bとを備えている。また、電極積層ユニット21の最外部に配置されるリチウム極24は、ステンレスメッシュ等の導電性多孔体からなるリチウム極集電体24aと、これに貼り付けられる金属リチウム箔(リチウムイオン供給源)24bとによって構成されており、リチウム極集電体24aは負極集電体23bに対して接続されている。
図9に示すように、負極23とリチウム極24とは短絡された構造であるため、ラミネートフィルム11内に電解液が注入されると、リチウム極24から放出されたリチウムイオンが負極23に対してドープされることになる。なお、正極集電体22bや負極集電体23bには多数の貫通孔22a,23aが形成されており、この貫通孔22a,23aを介してリチウムイオンは各極間を自在に移動することができるため、積層される全ての負極合材層15bに対してスムーズにリチウムイオンをドープすることが可能となっている。
ところで、前述したように、負極合材層15bはリチウムアジドが含まれる負極用スラリーを用いて形成されるため、この負極合材層15bにはリチウムアジドから生成された金属リチウムが分散した状態で含まれている。すなわち、図示する蓄電デバイス20にあっては、ラミネートフィルム11内に電解液を注入することによって、リチウム極24の金属リチウム箔24bから負極合材層15bに対してリチウムイオンがドープされるだけでなく、負極合材層15b内に含有される金属リチウムから負極合材層15bに対してリチウムイオンがドープされることになる。
このように、プレドープに必要なリチウムイオンの全量をリチウムアジドによって賄うことなく、蓄電デバイス20内に組み込まれる金属リチウム箔24bによってリチウムイオンを補うようにしても良い。たとえば、プレドープに必要なリチウムイオンのうち、所定範囲(例えば50〜100%)をリチウムアジドで賄い、残りの必要量を金属リチウム箔24bによって賄うプレドープ方法を採用することが可能となる。このように、リチウムイオンを予めドープする際の方法として、異なる2つの方法を組み合わせて使用することができるため、コスト面やプレドープ時間が短縮できるといった性能面等から最も適切なプレドープ方法を設定することが可能となる。また、電極の組み合わせとしては、リチウムアジドを含んだ正極と、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料の負極とを組み合わせても良いし、リチウムアジドを含んだ正極と、例えば金属リチウムと炭素材料とを貼り合わせた負極とを組み合わせて、リチウムイオンを複合的にドープしても良いし、正極および負極の両方にリチウムアジドを含んだ電極を用いて良い。
なお、正極集電体22bおよび負極集電体23bとしては、表裏面を貫く貫通孔22a,23aを備えているものが好適であり、例えばエキスパンドメタル、パンチングメタル、網、発泡体等を挙げることができる。貫通孔22a,23aの形状や個数等については、特に限定されることはなく、リチウムイオンの移動を阻害しないものであれば適宜設定することが可能である。また、正極集電体22bおよび負極集電体23bの材質としては、一般に有機電解質電池に提案されている種々の材質を用いることが可能である。
また、リチウム極24としては、ステンレスメッシュ等の導電性多孔体からなるリチウム極集電体24aと、これに貼り付けられた金属リチウム箔24bとによって構成されている。また、リチウム極24を構成する金属リチウム箔24bに代えて、リチウム−アルミニウム合金箔のように、リチウムイオンを供給することが可能な合金等を用いるようにしても良い。また、リチウム極集電体24aの厚さは10〜200μm程度が好ましく、金属リチウム箔24bの厚さは負極活物質量にもよるが50〜300μm程度が好ましい。なお、リチウム極集電体24aを正極集電体22bや負極集電体23bやと同じ材料によって形成することも可能である。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、本発明を適用することが可能な蓄電デバイスとしては、前述した正極活物質や負極活物質等を備える蓄電デバイスに限られることはなく、電極に対して予めリチウムイオンがドープされる構成であれば、様々なリチウムイオンキャパシタやリチウムイオン二次電池に対して本発明を有効に適用することができる。
たとえば、正極活物質として、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、これらの複合酸化物(LiCoNiMn,x+y+z=1)、リチウムマンガン酸スピネル(LiMn)、リチウムバナジウム酸化物、オリビン型LiMPO(M:Co,Ni,Mn,Fe等)、M(MnO,Fe等)のいずれかを用い、負極活物質として、易黒鉛化炭素材料や黒鉛等からなる炭素材料、もしくはケイ素や錫等からなる非炭素材料を用い、電解液としてリチウム塩を含む非水系有機溶媒溶液を用いるようにしたリチウムイオン二次電池に対して本発明を有効に適用することが可能である。
本発明の一実施の形態である蓄電デバイスを示す斜視図である。 図1のA−A線に沿って蓄電デバイスの内部構造を概略的に示す断面図である。 蓄電デバイスの内部構造を部分的に拡大して示す断面図である。 蓄電デバイスを製造する際の手順を概略的に示すフローチャートである。 (A)〜(C)は負極に対してリチウムイオンがドープされる過程を示す模式図である。 実施例1の試験結果を示す表である。 実施例2の試験結果を示す表である。 本発明の他の実施の形態である蓄電デバイスの内部構造を示す断面図である。 蓄電デバイスの内部構造を部分的に拡大して示す断面図である。
符号の説明
10 蓄電デバイス
12 電極積層ユニット
13 セパレータ
14 正極(電極)
14a 正極集電体(集電体)
14b 正極合材層(電極合材層)
15 負極(電極)
15a 負極集電体(集電体)
15b 負極合材層(電極合材層)
20 蓄電デバイス
21 電極積層ユニット
22 正極(電極)
22a 貫通孔
22b 正極集電体(集電体)
23 負極(電極)
23a 貫通孔
23b 負極集電体(集電体)
24b 金属リチウム箔(リチウムイオン供給源)

Claims (4)

  1. リチウムイオンが予めドーピングされる電極の製造方法であって、
    電極合材層を形成する電極材料にリチウムアジドを含ませ
    前記電極材料を熱処理し、前記リチウムアジドを分解して金属リチウムを生成することを特徴とする電極の製造方法。
  2. 請求項記載の電極の製造方法であって、
    前記熱処理の温度は、115℃以上、298℃以下であることを特徴とする電極の製造方法。
  3. 請求項または記載の電極の製造方法であって、
    前記熱処理は、真空下または不活性ガス雰囲気下で行われることを特徴とする電極の製造方法。
  4. 正極とこれに対向する負極とを備える蓄電デバイスの製造方法であって、
    前記正極と前記負極との少なくともいずれか一方は、請求項のいずれか1項に記載の電極の製造方法によって製造され、
    前記正極と前記負極とを200℃以上の耐熱性を備えるセパレータを介して交互に積層して電極積層ユニットが組み立てられ、
    前記電極材料の熱処理は前記電極積層ユニットを組み立てた状態で行われることを特徴とする蓄電デバイスの製造方法。
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