JP2014211517A - ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、保護膜、絶縁膜、半導体装置、および表示体装置 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、保護膜、絶縁膜、半導体装置、および表示体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高感度かつ高解像度にてポジ型パターンの形成が可能であり、硬化膜として、表面保護膜、層間絶縁膜などの用途に用いる場合、十分な強アルカリ水溶液耐性、耐熱性、機械特性を有する感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】ヒドロキシスチレン樹脂(A)と、下記一般式(1)で表されるフェノール化合物と芳香族アルデヒド化合物を酸触媒下で反応させて得られるフェノール樹脂(B)と、光酸発生剤(C)と、溶剤(D)と、を含むポジ型感光性樹脂組成物。(式中R1は炭素数1以上20以下のアルキル基及びアルコキシ基から選ばれる有機基を示し、pは1以上3以下の整数である。)【選択図】なし

Description

本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、保護膜、絶縁膜、半導体装置、および表示体装置に関するものである。
従来、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜には、耐熱性に優れ、かつ卓越した電気特性、機械特性等を有するポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂が用いられてきた。一方、ポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂を用いた場合のプロセスを簡略化するために、感光剤のジアゾキノン化合物をこれらの樹脂と組み合わせたポジ型感光性樹脂組成物も使用されている。(例えば、特許文献1参照。)。
このポジ型感光性樹脂組成物は、未露光部においてジアゾキノン化合物のポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂、これらの前駆体構造を有するポリアミド樹脂等の樹脂への溶解抑止効果によってアルカリ水溶液に難溶となる。一方、露光部においては、ジアゾキノン化合物が化学変化を起こし、ポジ型感光性樹脂組成物は、アルカリ水溶液に可溶となる。この露光部と未露光部との溶解性の差を利用し、アルカリ水溶液で露光部を溶解除去することにより未露光部のみの塗膜パターンの作成が可能となる。塗膜パターンを形成したポジ型感光性樹脂組成物中のポリベンゾオキサゾールやポリイミドの前駆体は、最終的に300℃近い高温で硬化することにより脱水閉環し、耐熱性に富むポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂となる。
一方、これらのポジ型感光性樹脂組成物を実際に使用する場合、ポジ型感光性樹脂組成物の感度も重要である。低感度であると、露光時間が長くなりスループットが低下し生産性に著しい悪影響を与える。前述のポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂、これらの前駆体構造を有するポリアミド樹脂等の樹脂を用いた場合、現像液への溶解速度の調整が困難であるために目的とする感度に達しないこと、現像後の露光部分に現像残渣(スカム)が発生することなどの問題があった。また、上記樹脂を用いた場合、感光剤による溶解抑止効果が十分発揮されず、未露光部も溶解してしまうため、特に密集パターン部の形状が劣化するなどの問題があった。このため、最近になり、フォトレジストと同様に、アルカリ水溶液で現像可能な高感度感光性樹脂組成物の提案が各種なされている。(例えば、特許文献2〜6参照。)
さらに、近年、電子機器の小型軽量化、高機能化、低価格化という観点から、半導体ウエハーのパッド部を無電解めっきにてNiおよびAu層を形成する無電解めっき工程を導入した表面実装型半導体ウエハーが増えてきている。この無電解めっき工程においては、pHが13以上の強アルカリ性水溶液で処理するジンケート処理があり、強アルカリ性水溶液への耐性に優れたポジ型感光性樹脂組成物が必要とされている。
ところが、従来のポジ型感光性樹脂組成物では、i線に高感度かつ高解像度で、さらに強アルカリ水溶液耐性に優れる性能を同時に満たすことは困難であった。特にアルミパッド周辺部を硬化膜で覆う構造の場合、アルミパッドと硬化膜の間で剥離が発生し、信頼性が低下するという問題が生じる。
特開昭56−27140号公報 特開2005−352004号公報 特開2005−062764号公報 特開2005−250160号公報 特開2006−285037号公報 特開2008−225457号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、i線に高感度かつ高解像度で、さらに強アルカリ性水溶液に対する耐性に優れる性能を両立することができるポジ型感光性樹脂組成物を提供することにある。
このような目的は、下記[1]〜[13]により達成される。
[1]
ヒドロキシスチレン樹脂(A)と、下記一般式(1)で表されるフェノール化合物と下記一般式(2)で表される芳香族アルデヒド化合物を酸触媒下で反応させて得られるフェノール樹脂(B)と、光酸発生剤(C)と、溶剤(D)と、を含むポジ型感光性樹脂組成物。
(式中R1は炭素数1以上20以下のアルキル基及びアルコキシ基から選ばれる有機基を示し、pは1以上3以下の整数である。)
(式中R2は水素、炭素数1以上20以下のアルキル基、アルコキシ基及びヒドロキシ基から選ばれる有機基を示し、qは0以上3以下の整数である。)
[2]
前記フェノール樹脂(B)が、芳香族アルデヒド化合物として、下記式(3)で表される芳香族アルデヒドの中から選ばれる1つ以上を含む[1]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[3]
前記フェノール樹脂(B)が、フェノール化合物として、下記式(4)で表されるフェノールの中から選ばれる1つ以上を含む[1]または[2]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[4]
前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)は、ヒドロキシスチレン及び/又はヒドロキシスチレンの誘導体を含む共重合体である[1]〜[3]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[5]
前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)は、スチレン及び/又はスチレンの誘導体を含む共重合体である[1]〜[4]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[6]
前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)が、ヒドロキシスチレン及びその誘導体を含む共重合体であって、前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)における前記ヒドロキシスチレン及びその誘導体の構成比率が、50%以上、90%以下である[1]〜[5]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[7]
さらにポリベンゾオキサゾール構造、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリイミド構造、ポリイミド前駆体構造及びポリアミド構造の群から少なくとも1つ以上の構造が含まれるアルカリ溶解性樹脂(E)を含む[1]〜[6]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[8]
更にシランカップリング剤(F)を含有する請求項[1]〜[7]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[9]
更に熱架橋剤(G)を含有する[1]〜[8]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[10]
[1]〜[9]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物で構成されている硬化膜。
[11]
[10]に記載の硬化膜で構成されている保護膜。
[12]
[10]に記載の硬化膜で構成されている絶縁膜。
[13]
[10]に記載の硬化膜を有している半導体装置。
[14]
[10]に記載の硬化膜を有している表示体装置。
本発明によれば、ポジ型感光性樹脂組成物(以降、単に「感光性樹脂組成物」、「樹脂組成物」とも言う。)に適用した場合に、i線に高感度かつ高解像度で、さらに強アルカリ性水溶液に対する耐性に優れる性能を同時に満たし、特に、強アルカリ性水溶液に対する耐性においては、半導体装置等のアルミパッド周辺部を本発明の硬化膜で覆う構造の場合、アルミパッドと硬化膜の間で剥離が発生することがなく、信頼性が向上するポジ型感光性樹脂組成物が提供される。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、ヒドロキシスチレン樹脂(A)と、下記一般式(1)で表されるフェノール化合物と下記一般式(2)で表される芳香族アルデヒド化合物を酸触媒下で反応させて得られるフェノール樹脂(B)と、光酸発生剤(C)と、溶剤(D)とを含むことを特徴とするものである。また、本発明の硬化膜は、前記ポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されているものであり、また、本発明の保護膜及び絶縁膜は、前記硬化膜で構成されているものであることを特徴とするものである。更に、本発明の半導体装置、表示体装置は、前記硬化膜を有していることを特徴とするものである。
(式中R1は炭素数1以上20以下のアルキル基及びアルコキシ基から選ばれる有機基を示し、pは1以上3以下の整数である。)
(式中R2は水素、炭素数1以上20以下のアルキル基、アルコキシ基及びヒドロキシ基から選ばれる有機基を示し、qは0以上3以下の整数である。)
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、ヒドロキシスチレン樹脂(A)を含むことにより、i線に高感度かつ高解像度であると共に、硬化膜が低応力になることによって、被着体から剥離しようとする力を低減し、特にパターン開口部における強アルカリ性水溶液に対する耐性を示すものである。また、前記フェノール樹脂(B)を含むことにより、i線に高感度かつ高解像度であると共に、例えば、半導体ウエハーのアルミパッド部に接触して用いる場合、アルミパッド部と、本発明のポジ型感光性樹脂組成物で構成されている硬化膜とが強固に作用し、特にアルミパッド部が強アルカリ性水溶液によりダメージを受けることを防止することから、ポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成される硬化膜の強アルカリ性水溶液に対する耐性を向上することができる。また、ヒドロキシスチレン樹脂(A)と前記フェノール樹脂(B)を併用することにより、例えば、半導体ウエハーのアルミパッド部に接触して用いる場合、低応力かつアルミパッド部と強固に相互作用するため、本発明のポジ型感光性樹脂組成物で構成されている硬化膜はアルミパッド部が強アルカリ性水溶液によりダメージを受けることを十分防止し、非常に優れた強アルカリ水溶液耐性を示すこととなる。更に、このようなポジ型感光性樹脂組成物を用いた硬化膜、この硬化物で構成されている保護膜及び絶縁膜、前記硬化膜を有する半導体装置及び表示体装置は、信頼性に優れるものである。
以下、本発明のポジ型感光性樹脂組成物、絶縁膜、保護膜、半導体装置および表示体装置について説明する。
[ヒドロキシスチレン樹脂(A)]
本発明において、ヒドロキシスチレン樹脂(A)は、ヒドロキシスチレン及び/又はその誘導体を含む重合体であり、特に限定されないが、ヒドロキシスチレン及び/又はその誘導体と、これら以外のモノマーを含む共重合体でもよい。ここで用いるモノマーとしては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチルプロペン、スチレン及びその誘導体等が挙げられる。中でも、アルカリ溶液への溶解性を容易に調整できる観点から、ヒドロキシスチレン及び/又はその誘導体と、スチレン及び/又はその誘導体から構成されている共重合体が好ましい。上記の誘導体とは、ヒドロキシスチレンおよびスチレンの芳香環のオルソ、メタ、パラ位にアルキル基、アルコキシル基、ヒドロキシル基などが置換されたものである。ヒドロキシスチレン樹脂(A)のヒドロキシスチレンは、オルソヒドロキシスチレン、メタヒドロキスチレン、パラヒドロキシスチレンいずれでも構わない。また、上記ヒドロキシスチレンが複数混在していても構わない。
前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)における前記ヒドロキシスチレン及びその誘導体の構成比率は、50%以上が好ましく、さらに好ましくは、60%以上であり、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下である。上記範囲とすることにより、露光部の露光後残渣の低減と高感度化の両立に優れる効果を有する。
前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上が好ましく、さらに好ましくは2,000以上、特に好ましくは、2,500以上であり、10,000以下が好ましく、さらに好ましくは8,000以下であり、特に好ましくは、7,000以下である。上記範囲とすることにより、高感度化とワニスの常温保存性の両立に優れる効果を有する。
[フェノール樹脂(B)]
本発明におけるフェノール樹脂(B)には、下記一般式(1)で表されるフェノール化合物と下記一般式(2)で表される芳香族アルデヒド化合物を酸触媒の下で反応させ合成したフェノール樹脂を用いることができる。
(式中R1は炭素数1以上20以下のアルキル基及びアルコキシ基から選ばれる有機基を示し、pは1以上3以下の整数である。)
(式中R2は水素、炭素数1以上20以下のアルキル基、アルコキシ基及びヒドロキシ基から選ばれる有機基を示し、qは0以上3以下の整数である。)
前記フェノール樹脂(B)において、アルデヒドに芳香族アルデヒドを用いることで、分子内回転を抑制し、高い耐熱性を付与することが可能である。また、ダイマー、トリマーが残存したとしても、ホルマリンを使用した場合に比べダイマー、トリマーの分子量が高く、系の耐熱性を高く保つことができる。
前記一般式(1)で表されるフェノール化合物としては、特に限定されないが、置換基が1以上3以下のフェノール化合物を用いることができる。前記置換基としては、炭素数が1以上20以下のアルキル基及びアルコキシ基から選ばれる有機基を用いることができる。なお、前記炭素数が1以上20以下のアルキル基及びアルコキシ基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。このようなフェノール化合物として好ましくは、例えばオルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−3−エチル−フェノール、2−メチル−3−メトキシフェノール、2,3,4−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等を使用することができ、これらに限定されないが、これらの中でも、下記式(4)で表されるフェノール、つまり2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノールを含むことがより好ましい。更にこれらフェノール類は1種または2種以上を混合して用いることが可能である。
上記フェノール化合物において、特に置換基が2以上のフェノール化合物を用いることで、分子内回転を抑制し、感光性樹脂組成物に必要な十分な耐熱性を持ったフェノール樹脂を得ることができる。
前記一般式(2)で表される芳香族アルデヒド化合物としては、特に限定されないが、無置換又は、置換基が3以下の芳香族アルデヒド化合物を用いることができる。前記置換基としては、炭素数が1以上20以下のアルキル基、アルコキシ基及びヒドロキシ基から選ばれる有機基を用いることができる。なお、前記炭素数が1以上20以下のアルキル基及びアルコキシ基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。このような芳香族アルデヒド化合物として、例えば、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒト、2,3−ジメチルベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,5−ジメチルベンズアルデヒド、2,6−ジメチルベンズアルデヒド、3,4−ジメチルベンズアルデヒド、3,5−ジメチルベンズアルデヒド、2,3,4−トリメチルベンズアルデヒド、2,3,5−トリメチルベンズアルデヒド、2,3,6−トリメチルベンズアルデヒド、2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド、3,4,5−トリメチルベンズアルデヒド、4−エチルベンズアルデヒド、4−tert−ブチルベンズアルデヒド、4−イソブチルベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、3−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、3−メチルサリチルアルデヒド、4−メチルサリチルアルデヒド、2−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアルデヒド、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,3,4−トリヒドロキシベンズアルデヒド、等を使用することができ、これらに限定されないが、これらの中でも、一般式(2)におけるR2が、水素、メチル基、ヒドロキシ基である芳香族アルデヒド化合物が好ましく、更には耐熱性の観点から、下記式(3)で表される芳香族アルデヒドの中から選ばれるものがより好ましい。更にこれらアルデヒド類は1種または2種以上を混合して用いることが可能である。また、耐熱性等の特性を損なわない限り、ホルムアルデヒド等のアルデヒド化合物を含んでもよい。
前期フェノール樹脂(B)は、アルデヒド化合物に芳香族アルデヒドを用いることで、分子内回転を抑制し、感光性樹脂組成物、およびその硬化物により構成される硬化膜に必要な十分な耐熱性を持たせることができる。
前記フェノール樹脂(B)の合成反応において、前記フェノール化合物1モルに対して前記芳香族アルデヒド化合物を0.5モル以上2モル以下で反応させることが好ましい。上記モル比とすることで、硬化膜の熱機械特性に優れた感光性樹脂組成物を得ることができる。
前記フェノール樹脂(B)の合成反応に用いられる酸触媒としては、特に限定されないが、例えばシュウ酸、硝酸、硫酸、硫酸ジエチル、酢酸、p−トルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、キシレンスルホン酸等を使用することができるが、これらに限定されない。これらの中でも、p−トルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸が反応性の面で好ましい。添加量はフェノール仕込み量100質量部に対し0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、更に好ましくは0.5質量部以上8質量部以下である。0.1質量部未満では反応性に乏しく、10質量部を超えると反応の制御が難しくなる。
前記フェノール樹脂(B)の合成における重縮合反応は加温下で数時間撹拌を行うことで進行する。反応温度としては30℃から140℃が好ましい。また、反応の際に溶媒を添加し溶媒中で反応を行うこともできる。反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、純水等が挙げられるがこれらに限定されない。溶剤の添加量はフェノール仕込み量100質量部に対し、10質量部以上200質量部以下が好ましい。
反応終了後は、ピリジン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム等の塩基を用いて酸触媒を中和し、必要に応じてその中和塩を水層へ抽出することで除去した後、脱水、モノマー除去工程を行い回収される。
前記フェノール樹脂(B)の合成反応後には、モノマー除去が行われる。モノマー除去の方法は溶剤と水を添加し水層を除去する溶剤分画方法や減圧しながら加熱を行うことでモノマーを揮発させる方法等を選択することができる。前記溶剤分画方法においては、フェノール樹脂に対して良溶解性溶媒である、アセトン、メタノール、イソプロパノール、ブタノール等の溶媒と、フェノール樹脂に対して難溶解性溶媒である、純水等の溶媒とを一定の比率で添加撹拌し、静置後に分離した水層を除去することで、水層側に移動したモノマーを除去することができる。前記モノマーを揮発する方法においては圧力50mmHg以下まで減圧しながら150℃から250℃に加熱撹拌を行い、モノマーを揮発させて除去することができる。モノマーを揮発させて除去する場合に、モノマー除去効率を高めるために、溶剤、純水、水蒸気、N2ガスなどを添加してもよい。この際の溶剤としては、フェノール樹脂に影響を及ぼさないものであれば、特に限定されず、例えばエチレングリコール、エチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールアルキルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールアルキルエーテル、などのグリコール類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、などのラクトン類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、などの極性の非プロトン性溶媒が挙げられる。
分画方法、モノマー揮発方法ともに、モノマーの残存量に応じて、作業を繰り返すことで、モノマーの除去効率を上げることができる。
このようにして得られたフェノール樹脂(B)のゲルパーミレーションクロマトグラフィーにて測定した重量平均分子量は1,000以上が好ましく、更に好ましくは1,500以上であり、10,000以下が好ましく、8,000以下がより好ましい。このような重量分子量の範囲外でも使用することができるが前記下限値以上であることにより、感光性樹脂組成物としての十分な耐熱性、膜靭性を十分に発揮することができ、前記上限値以下であることにより、パターニングで開口部に残渣が発生することを抑制することができる。
また、このようにして得られるフェノール樹脂(B)は、最終的にフレーク状または溶剤溶解品として回収することができる。溶剤溶解品として回収できる溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル及びメチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。
[光酸発生剤(C)]
本発明に用いる光酸発生剤(C)としては、光により酸を発生する化合物であり、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、光酸発生剤(C)を含み、光照射されることにより該光酸発生剤(C)が酸を発生させ、酸がアルカリ水溶液に溶解することにより、ポジ型のパターニングが可能となる。さらに光酸発生剤は、ポジ型のパターニングが可能となる感光剤を含み、このような感光剤を用いることで、光照射されることにより、該感光剤と前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)や前記フェノール樹脂(B)、さらに前記アルカリ溶解性樹脂(E)との間で作用していたアルカリ水溶液への溶解抑制機能が消滅し、これらのアルカリ水溶液への溶解性が発現することで、本発明のポジ型感光性樹脂組成物の感度をより向上させることができる。このような光酸発生剤(C)は、200〜500nmの波長、特に好ましくは350〜450nmの波長を持つ化学線の照射により酸を発生する化合物が好ましい。
具体的には、感光性ジアゾキノン化合物や、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、スルホニウム・ボレート塩などのオニウム塩、2−ニトロベンジルエステル化合物、N−イミノスルホネート化合物、イミドスルホネート化合物、2,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン化合物や、ジヒドロピリジン化合物などを用いることができる。この中でも、感度や溶解抑制機能に優れる感光性ジアゾキノン化合物が好ましい。
前記感光性ジアゾキノン化合物は、例えば、フェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステルが挙げられる。
ポジ型の場合、未露光部のレリーフパターン中に残存する感光剤は、硬化時における熱で分解し酸を発生させると考えられ、反応促進剤としても光酸発生剤(C)、および光酸発生剤として用いられ得る感光剤は重要な役割を果たしている。しかし、例えば、半導体ウエハーのアルミパッド部に接触して用いる場合、硬化時に発生した酸が、アルミパッド部と、本発明のポジ型感光性樹脂組成物で構成されている硬化膜との相互作用を阻害するため、このような感光性ジアゾキノン化合物の場合、より熱で分解しにくい、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸のエステルが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における光酸発生剤(C)の含有量は、特に限定されるものではないが、前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)、前記フェノール樹脂(B)、および前記アルカリ可溶性樹脂(E)を含めた樹脂の総重量(以下、単に「樹脂の総重量」とも言う。)100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下であるのが好ましく、5質量部30質量部であるのがより好ましい。添加量が上記範囲内であることで良好なパターニング性能を発揮することができる。
[溶剤(D)]
本発明の感光性樹脂組成物は、上記の成分を溶剤(D)に溶解し、ワニス状にして使用することができる。このような溶剤(D)としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル及びメチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。
本発明の感光性樹脂組成物における溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂の総重量100質量部に対して、50質量部以上300質量部以下であるのが好ましく、100質量部以上200質量部以下であるのがより好ましい。添加量が上記範囲内であると、樹脂十分に溶解し、ハンドリング性の高いワニスを作成することができる。
[アルカリ可溶性樹脂(E)]
前記アルカリ可溶性樹脂(E)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂として一般に用いられる樹脂を指し、ポリベンゾオキサゾール構造、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリイミド構造、ポリイミド前駆体構造及びポリアミド構造を含むものが好ましい。これらを含むことにより、硬化膜としての耐熱性が向上する効果が得られる。また、ヒドロキシスチレン樹脂(A)及び前記フェノール樹脂(B)と組み合わせることで、高感度かつ高解像度であり、硬化膜として、十分な強アルカリ水溶液耐性、耐熱性、機械特性を有するという効果が得られる。また、前記アルカリ可溶性樹脂(E)は、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリイミド前駆体構造、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造の一部が閉環反応することにより生じるポリベンゾオキサゾール構造、ポリイミド前駆体構造の一部が閉環反応することにより生じるポリイミド構造を有していてもよく、また、アミド酸エステル構造を有していてもよい。
具体的なポリベンゾオキサゾール前駆体構造とは、下記式(5)で表される構造を指し、ポリイミド前駆体構造とは、下記式(6)で表わされる構造を指し、ポリベンゾオキサゾール構造とは、下記式(7)で表される構造を指し、ポリイミド構造とは、下記式(8)で表される構造を指し、アミド酸エステル構造とは、下記式(9)で表される構造を指す。
なお、上記式(5)〜(9)中のDおよびRは有機基を示す。これらポリアミド樹脂の中でも、本発明の感光性樹脂組成物の硬化物の耐熱性の観点から、下記一般式(10)で表される繰り返し単位を有するポリアミド樹脂が好ましい。
(式中、X、Yは、有機基である。R2は、水酸基、−O−R4、アルキル基、アシルオキシ基又はシクロアルキル基であり、複数有する場合、それぞれ同一であっても異なっても良い。R3は、水酸基、カルボキシル基、−O−R4又は−COO−R4であり、複数有する場合、それぞれ同一であっても異なっても良い。R2及びR3におけるR4は、炭素数1〜15の有機基である。ここで、式(10)において、R2が、水酸基がない場合は、R3の少なくとも1つはカルボキシル基である。また、R3が、カルボキシル基がない場合は、R2の少なくとも1つは水酸基である。mは0〜8の整数、nは0〜8の整数である。)
前記一般式(10)で表される構造を有するポリアミド樹脂において、R2及びR3としては、ポリアミド樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性を調節する上で、水酸基及びカルボキシル基を保護基R4で保護された基である、R2としての−O−R4、R3としての−O−R4及び−COO−R4を用いることができる。このようなR4としての炭素数1〜15の有機基としては、ホルミル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーブトキシカルボニル基、フェニル基、ベンジル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
前記一般式(10)で表される構造を有するポリアミド樹脂のXとしての有機基は、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環及びビスフェノール構造等の構造からなる芳香族基、ピロール環及びフラン環等の構造からなる複素環式有機基、シロキサン基等が挙げられる。より具体的には下記式(11)で表されるものが好ましい。これらは、必要により1種類または2種類以上組み合わせて用いてもよい。

(式(11)中、*は、一般式(11)におけるNH基に結合することを示す。Aは、アルキレン基、置換アルキレン基、−O−C64−O−、−O−、−S−、−SO2−、−C(=O)−、−NHC(=O)−または単結合である。R5は、アルキル基、アルキルエステル基及びハロゲン原子から選ばれた1つを示し、それぞれ同一であっても異なっていても良い。R6は、水素原子、アルキル基、アルキルエステル基及びハロゲン原子から選ばれた1つを示す。sは0〜4の整数である。R7〜R10はそれぞれ有機基である。
なお、上記式(11)において、上記一般式(10)におけるXの置換基R2は省略している。)
上記式(11)で表わされる基の中で特に好ましいものとしては、下記式(12)で表されるもの(一般式(10)中のR2を有するものもあり)が挙げられる。

(式(12)中、*は一般式(10)におけるNH基に結合することを示す。式中Aは、アルキレン基、置換アルキレン基、−O−、−S−、−SO2−、−C(=O)−、−NHC(=O)−、−CH3−、−C(CH3)H−、−C(CH32−、−C(CF32−、又は単結合である。R11は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基及びシクロアルキル基から選ばれた1つであり、R11が複数ある場合、それぞれ同じでも異なっても良い。cは0以上3以下の整数である。)
上記式(12)で表わされる基の中で特に好ましいものとしては、下記式(13)で表されるもの(一般式(10)中のR2を有するものもあり)が挙げられる。
(式(13)中、*は一般式(10)におけるNH基に結合することを示す。R12はアルキレン基、置換アルキレン基、−O−、−S−、−SO2−、−C(=O)−、−NHC(=O)−、―C(CF32―、単結合から選ばれる有機基である。)
上記式(12)及び式(13)におけるA及び上記式(13)におけるR12としてのアルキレン基、置換アルキレン基の具体的な例としては、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH32−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH2CH3)(CH2CH3)−、−CH(CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−CH(CH(CH32)−、−C(CH3)(CH(CH32)−、−CH(CH2CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH2CH3)−、−CH(CH2CH(CH32)−、−C(CH3)(CH2CH(CH32)−、−CH(CH2CH2CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH2CH2CH3)−、−CH(CH2CH2CH2CH2CH2CH3)−及び−C(CH3)(CH2CH2CH2CH2CH2CH3)−等が挙げられる。これらの中でも、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH32−が、アルカリ水溶液だけでなく、溶剤に対しても十分な溶解性を持つ、よりバランスに優れるポリアミド樹脂を得ることができて好ましい。
また、前記一般式(10)で表される構造を有するポリアミド樹脂におけるYは有機基であり、このような有機基としては前記Xと同様のものが挙げられる。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環及びビスフェノール構造等の構造からなる芳香族基、ピロール環、ピリジン環及びフラン環等の構造からなる複素環式有機基、シロキサン基等が挙げられ、より具体的には下記式(14)で示されるものを好ましく挙げることができる。これらは1種類又は2種類以上組み合わせて用いてもよい。

(式(14)中、*は、一般式(10)におけるC=O基に結合することを示す。Jは、−CH2−、−C(CH32−、−O−、−S−、−SO2−、−C(=O)−、−NHC(=O)−、−C(CF32−または単結合である。R13は、アルキル基、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ベンジルエーテル基及びハロゲン原子から選ばれた1つを示し、それぞれ同じでも異なっても良い。R14は、水素原子、アルキル基、アルキルエステル基及びハロゲン原子から選ばれた1つを示す。tは0以上2以下の整数である。R15〜R18は、有機基である。
なお、上記式(14)において、上記一般式(10)におけるYの置換基R3は省略している。)
これら式(14)で表わされる基の中で特に好ましいものとしては、下記式(15)で表されるもの(一般式(10)中のR3を有するものもあり)が挙げられる。
下記式(15)中のテトラカルボン酸二無水物由来の構造については、一般式(10)におけるC=O基に結合する位置が両方メタ位であるもの、両方パラ位であるものを挙げているが、メタ位とパラ位をそれぞれ含む構造でもよい。
(式(15)中、*は一般式(10)におけるC=O基に結合することを示す。R19は、アルキル基、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ベンジルエーテル基及びハロゲン原子の内から選ばれた1つを表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。R20は、水素原子又は炭素数1以上15以下の有機基から選ばれた1つを示し、一部が置換されていてもよい。uは0以上2以下の整数である。)
また、上記一般式(10)で表されるポリアミド樹脂の場合、低温で硬化した硬化物の機械物性、耐熱性に影響を及ぼさない程度に、該ポリアミド樹脂の末端のアミノ基を、アルケニル基またはアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基または環式化合物基を含む酸無水物又はモノカルボン酸を用いて、アミドとして末端封止することもできる。
前記アルケニル基またはアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基または環式化合物基を含む酸無水物又はモノカルボン酸としては、例えばマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、イタコン酸無水物、ヘット酸無水物、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、4−エチニルフタル酸無水物及び4−フェニルエチニルフタル酸無水物等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いても良く、末端封止したアミド部分の一部が脱水閉環していても良い。
また、この方法に限定されることはなく、該ポリアミド系樹脂中に含まれる末端のカルボン酸残基を、アルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含むアミン誘導体を用いて、アミドとして末端封止することもできる。
さらに、上記一般式(10)で表されるポリアミド樹脂の場合、低温で硬化した硬化物の機械物性、耐熱性に影響を及ぼさない程度に、末端の少なくとも一方に、窒素含有環状化合物により末端封止した基を有しても良い。これにより、金属配線(特に銅配線)等との密着性を向上することができる。
前記窒素含有環状化合物としては、例えば1−(5−1H−トリアゾイル)メチルアミノ基、3−(1H−ピラゾイル)アミノ基、4−(1H−ピラゾイル)アミノ基、5−(1H−ピラゾイル)アミノ基、1−(3−1H−ピラゾイル)メチルアミノ基、1−(4−1H−ピラゾイル)メチルアミノ基、1−(5−1H−ピラゾイル)メチルアミノ基、(1H−テトラゾル−5−イル)アミノ基、1−(1H−テトラゾル−5−イル)メチル−アミノ基、3−(1H−テトラゾル−5−イル)ベンズ−アミノ基等が挙げられる。
このような一般式(10)で表される構造を有するポリアミド樹脂は、例えば、一般式(10)におけるXを含む、ジアミン、ビス(アミノフェノール)又は2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物と、Yを含む、テトラカルボン酸二無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸、ジカルボン酸ジクロライド又はジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応させて合成することができる。
なお、ジカルボン酸を用いる場合には、ポリアミド樹脂の反応収率等を高めるため、ジカルボン酸に、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステル型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
前記一般式(10)で表される構造を有するポリアミド樹脂を、加熱することにより脱水閉環し、ポリイミド樹脂、またはポリベンゾオキサゾール樹脂、或いは両者の共重合という形で耐熱性樹脂が得られる。なお、脱水閉環を行う温度としては、特に限定されないが、280℃〜380℃で処理することができる。
[シランカップリング剤(F)]
本発明の感光性樹脂組成物には、密着性を向上させる上で、シランカップリグ剤(F)を用いることができる。このようなシランカップリング剤(F)としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、及びアミノ基を有するケイ素化合物と酸二無水物または酸無水物とを反応することにより得られるケイ素化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらシランカップリング剤は1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記アミノ基を有するケイ素化合物としては、特に制限されるわけではないが、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記酸二無水物または酸無水物としては、特に制限されるわけではないが、例えば、無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、シアノ無水マレイン酸、シトコン酸、無水フタル酸、ピロメリット酸無水物、4,4’−ビフタル酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、4,4’−カルボニルジフタル酸無水物等などが挙げられる。また、使用にあたっては単独、または2種類以上を併用して使用することができる。
シランカップリング剤の添加量は、特に限定されるものではないが、樹脂の総重量100質量部に対して、0.05重量部以上50質量部以下であるのが好ましく、0.1重量部以上20質量部以下であるのがより好ましい。添加量が上記範囲内であることで、基板との密着性と感光性樹脂組成物の保存性とを好適に両立することができる。
[熱架橋剤(G)]
本発明の感光性樹脂組成物には、さらに熱架橋剤(G)を用いることができるが、このような熱架橋剤としては、前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)及び/又はフェノール樹脂(B)と熱により反応可能な官能基を有する化合物であれば特に限定されず、さらに、前記アルカリ可溶性樹脂(E)とも熱により反応可能な官能基を有する化合物が好ましい。たとえば、1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,3,5−ベンゼントリメタノール、4,4−ビフェニルジメタノール、2,6−ピリジンジメタノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、4,4‘−メチレンビス(2,6−ジアルコキシメチルフェノール)等から代表されるメチロール基を有する化合物;1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、3,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、3,3’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、2,6−ナフタレンジカルボン酸メチル、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメトキシメチルフェノール)等から代表されるアルコキシメチル基を有する化合物;ヘキサメチロールメラミン、ヘキサブタノールメラミン等から代表されるメチロールメラミン化合物、ヘキサメトキシメラミン等から代表されるアルコキシメラミン化合物、テトラメトキシメチルグリコールウリル等から代表されるアルコキシメチルグリコールウリル化合物、メチロールベンゾグアナミン化合物、ジメチロールエチレンウレア等から代表されるメチロールウレア化合物;ジシアノアニリン、ジシアノフェノール、シアノフェニルスルホン酸等から代表されるシアノ化合物;1,4−フェニレンジイソシアナート、3,3‘−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート等から代表されるイソシアナート化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、イソシアヌル酸トリグリシジル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂型エポキシ樹脂等から代表されるエポキシ基含有化合物;N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−メチレンジマレイミド等から代表されるマレイミド化合物等が挙げられるがこれらに限定されない。これら熱架橋剤は1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物における熱架橋剤(G)の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂の総重量100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下であるのが好ましく、2質量部以上20質量部以下であるのがより好ましい。添加量が上記範囲内であることで硬化時の残膜率、耐熱性に優れた硬化膜を形成することができる。
[溶解促進剤]
また、本発明の感光性樹脂組成物中には、溶解促進剤が含まれていてもよい。
溶解促進剤は、感光性樹脂組成物を用いて形成された塗膜の露光部の現像液に対する溶解性を向上させ、パターニング時のスカムを改善することが可能な成分である。
溶解促進剤としては、フェノール性水酸基を有する化合物が特に好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物中には、必要に応じて酸化防止剤、フィラー、界面活性剤、光重合開始剤、末端封止剤および増感剤等の添加物を添加してもよい。
[ポジ型感光性樹脂組成物の製造方法]
前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)と、光酸発生剤(C)と、溶剤(D)とを容器内で混合し、均一に溶解させ、濾過することでワニス状のポジ型感光性樹脂組成物を得る。なお、その他に使用できる化合物として、アルカリ可溶性樹脂(E)と、シランカップリング剤(F)と、熱架橋剤(G)を挙げることができる。また、必要に応じて溶解促進剤と、酸化防止剤と、フィラーと、界面活性剤と、末端封止等を添加することができる。また、ヒドロキシスチレン樹脂(A)や、フェノール樹脂(B)、アルカリ可溶性樹脂(E)等を予め溶剤に溶解させたワニス状態で用意した上で、その他の成分を追加して製造することもできる。このような製造方法は、特にヒドロキシスチレン樹脂(A)や、フェノール樹脂(B)、アルカリ可溶性樹脂(E)等を溶液内で重合することにより製造した場合に好ましく用いることができる。また、必要に応じて、濾過、脱泡処理を含んでもよい。濾過、脱泡処理を含むことで、ポジ型感光性樹脂組成物の塗布時における外観向上効果を得られる。ここで、得られたポジ型感光性樹脂組成物の粘度は、後述する塗布方法にも拠り、特に限定されないが、1mPa・s以上であるのが好ましく、2mPa・s以上であるのがより好ましく、10,000mPa・s以下が好ましく、8,000mPa・s以下であるのがより好ましい。ポジ型感光性樹脂組成物の粘度が上記範囲内であることで、硬化後の最終膜厚の制御が容易になり、絶縁性及び耐熱性に優れた硬化膜を形成することができる。
[ポジ型感光性樹脂組成物]
前記ポジ型感光性樹脂組成物は、その硬化物のガラス転移温度(Tg)が200℃以上が好ましく、240℃以上がより好ましい。前記下限値以上であることにより、十分な耐熱性を示すことができる。このようなTgの測定方法は、特に限定されないが、前記ポジ型感光性樹脂組成物を塗布した後、ホットプレート等で溶剤を揮発させることで塗膜を形成し、さらに塗膜を加熱硬化して得られた硬化物をTMA等の熱分析装置を用いることで測定することができる。
また、前記ポジ型感光性樹脂組成物は、その硬化物の5%熱重量減少温度(Td5)が300℃以上が好ましく、350℃以上がより好ましい。前記下限値以上であることにより、十分な耐熱性を示すことができる。このようなTd5の測定方法は、特に限定されないが、上記のように得られた硬化物をTG−DTA等の熱分析装置を用いることで測定することができる。
また、前記ポジ型感光性樹脂組成物は、その硬化物の内部応力が50MPa以下が好ましく、45MPa以下がより好ましく、40MPa以下がさらに好ましい。前記上限値以下であることにより、硬化膜が被着体から剥離しようとする力が低減し、特にパターン開口部における強アルカリ性水溶液に対する耐性を十分に確保することができる。このような内部応力の測定方法は、特に限定されないが、上記のように得られた硬化物を薄膜ストレス測定装置等を用いることで測定することができる。
[硬化膜]
本発明の感光性樹脂組成物の使用方法は、まず該組成物を適当な支持体、例えば、シリコンウエハ、セラミック基板、アルミ基板等に塗布する。塗布量は、半導体素子上に塗布する場合、一般的に硬化後の最終膜厚が0.1〜30μmになるよう塗布する。このような数値範囲とすることにより、半導体素子の保護膜、絶縁膜としての機能を十分に発揮され、微細なレリーフパターンを得ることができる。
塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング、インクジェット塗布等がある。
次に、60〜130℃でプリベークして塗膜を乾燥後、レリーフパターンを形成する場合、所望のパターン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等が使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。
次に、照射部を現像液で溶解除去することにより、レリーフパターンを得る。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及びアンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン及びn−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン及びジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン及びメチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液、並びにこれらに、メタノール及びエタノールなどのアルコール類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
次に、現像によって形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液としては、リンス液として一般的に用いられているものであれば特に限定されないが、低コスト化の観点、環境影響等を考慮して、蒸留水を使用することが好ましい。次に加熱処理(硬化)を行い、耐熱性に優れる硬化物としての硬化膜を得る。
加熱処理は支持体の物性や、半導体装置や表示装置の設計により、高温での加熱処理が可能である場合と、高温での加熱処理が不適切な場合があるが、本発明のポジ型樹脂組成物は、高温による加熱処理でも低温による加熱処理でも可能であり、高温での加熱処理が可能な場合、加熱温度は、280℃以上、380℃以下が好ましく、より好ましくは290℃以上、360℃以下である。低温での加熱処理が必要な場合、加熱温度は150℃以上、280℃以下が好ましく、より好ましくは180℃以上、260℃以下である。加熱処理にはオーブン、ホットプレート、電気炉(ファーネス)、赤外線、マイクロ波などが使われる。
本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜は、半導体素子等の半導体装置用途のみならず、TFT型液晶や有機EL等の表示体装置用途、多層回路の層間絶縁膜やフレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向膜としても有用である。
半導体装置用途の例としては、半導体素子上に上述の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなるパッシベーション膜、パッシベーション膜上に上述の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなるバッファーコート膜等の保護膜、また、半導体素子上に形成された回路上に上述の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなる層間絶縁膜等の絶縁膜、また、α線遮断膜、平坦化膜、突起(樹脂ポスト)、隔壁等を挙げることができる。
表示体装置用途の例としては、表示体素子上に本発明の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなる保護膜、TFT素子やカラーフィルター用等の絶縁膜または平坦化膜、MVA型液晶表示装置用等の突起、有機EL素子陰極用等の隔壁等を挙げることができる。
その使用方法は、半導体装置用途に準じ、表示体素子やカラーフィルターを形成した基板上にパターン化された感光性樹脂組成物層を、上記の方法で形成することによるものである。表示体装置用途、特に絶縁膜や平坦化膜用途では、高い透明性が要求されるが、本発明の感光性樹脂組成物の塗膜の硬化前に、後露光工程を導入することにより、透明性に優れた樹脂層が得られることもでき、実用上さらに好ましい。
半導体装置としては、半導体チップ(素子)が半導体基板上に形成され、気密封止やモールド材料を用いて封止したものである。具体的には、トランジスタ、太陽電池、ダイオード、固体撮像素子、半導体チップを積層、封止した各種の半導体パッケージ、ウエハレベルチップサイズパッケージ(WLP)などが挙げられる。
表示体装置としては、TFT型液晶、有機EL、カラーフィルターなどが挙げられる。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでない。
[フェノール樹脂(B−1)の合成]
温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口丸底フラスコに、乾燥窒素気流下、2、3−キシレノール122.2g(1.00モル)、サリチルアルデヒド116.0g(0.95モル)、及びパラトルエンスルホン酸3.4g(0.02モル)を仕込んだ後、油浴中に浸し、反応液を還流させながら100℃で4時間重縮合反応を行った。その後、フラスコを冷却しながらアセトン100gとトリエチルアミン2.0g(0.02モル)を加え30分撹拌した後、更に純水300gを加え30分撹拌した。室温まで冷却したら、撹拌を停止し、分離した水層を取り除いた後、γ−ブチロラクトンを20g加え、油浴の温度を200℃まで3時間かけて昇温し、その後に、フラスコ内の圧力を50mmHg以下まで減圧し、揮発分を除去した後、樹脂を室温まで冷却してフェノール樹脂(B−1)を得た。
[フェノール樹脂(B−2)の合成]
温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口丸底フラスコに、乾燥窒素気流下、2、3−キシレノール61.11g(0.50モル)、3、5−キシレノール61.11g(0.50モル)、サリチルアルデヒド61.1g(0.5モル)、ベンズアルデヒド47.8g(0.45モル)及びパラトルエンスルホン酸3.4g(0.02モル)を仕込んだ後、油浴中に浸し、反応液を還流させながら100℃で4時間重縮合反応を行った。その後、フラスコを冷却しながらアセトン100gとトリエチルアミン2.0g(0.02モル)を加え30分撹拌した後、更に純水300gを加え30分撹拌した。室温まで冷却したら、撹拌を停止し、分離した水層を取り除いた後、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを20g加え、油浴の温度を200℃まで3時間かけて昇温し、その後に、フラスコ内の圧力を50mmHg以下まで減圧し、揮発分を除去した後、樹脂を室温まで冷却してフェノール樹脂(B−2)を得た。
[光酸発生剤(Q−1)の合成]
式(C−1)で示されるフェノール11.22g(0.026モル)と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライド18.78g(0.070モル)とアセトン170gとを、温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れて撹拌、溶解させた。次に、反応溶液の温度が35℃以上にならないようにウォーターバスでフラスコを冷やしながら、トリエチルアミン7.78g(0.077モル)とアセトン5.5gの混合溶液を、ゆっくり滴下した。そのまま、室温で3時間反応させた後、酢酸1.05g(0.017モル)を添加し、更に30分間反応させた。反応混合物をろ過した後、ろ液を水/酢酸(990ml/10ml)の混合溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、式(Q−1)の構造で示される感光剤を得た。
[光酸発生剤(Q−2)の合成]
温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、式(C−1)で表されるフェノール11.22g(0.026モル)と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライド18.78g(0.070モル)とアセトン170gとを入れて撹拌、溶解させた。次に、反応溶液の温度が35℃以上にならないように、ウォーターバスでフラスコを冷やしながら、トリエチルアミン7.78g(0.077モル)とアセトン5.5gの混合溶液を、ゆっくり滴下した。そのまま室温で3時間反応させた後、酢酸1.05g(0.017モル)を添加し、さらに30分間反応させた。次いで、反応混合物をろ過した後、ろ液を水/酢酸(990ml/10ml)の混合溶液に投入し、その後、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥することで、式(Q−2)の構造で表される感光剤を得た。
[アルカリ可溶性樹脂(E−1)の合成]
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸21.43g(0.083モル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール22.43g(0.166モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物40.87g(0.083モル)と、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン36.62g(0.100モル)とを、温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン296.96gを加えて溶解させた。その後、オイルバスを用いて75℃にて15時間反応させた。次に、N−メチル−2−ピロリドン34.88gに溶解させた3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物6.98g(0.0425モル)を加え、さらに3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/イソプロパノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のアルカリ可溶性樹脂(E−1)を得た。重量平均分子量は、13,040であった。
[アルカリ可溶性樹脂(E−2)の合成]
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸21.43g(0.083モル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール22.43g(0.166モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物40.87g(0.083モル)と、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン21.98g(0.060モル)と4,4’−メチレンビス(2−アミノフェノール)9.21g(0.040モル)とを、温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン296.96gを加えて溶解させた。その後、オイルバスを用いて75℃にて15時間反応させた。次に、N−メチル−2−ピロリドン34.88gに溶解させた3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物6.98g(0.0425モル)を加え、さらに3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/イソプロパノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のアルカリ可溶性樹脂(E−2)を得た。重量平均分子量は、21,170であった。
[アルカリ可溶性樹脂(E−3)の合成]
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン30.0g(0.082モル)を温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、アセトン400mlを加えて溶解させた。次に、アセトン100mLに溶解したパラ−ニトロベンゾイルクロリド12.4g(0.18モル)を、温度が20℃未満になるよう冷却しながら30分かけて滴下し、混合物を得た。滴下後、混合物の温度を40℃に加熱し、2時間撹拌し、次に、炭酸カリウム30.0g(0.218モル)を徐々に添加して、更に2時間撹拌した。加熱をやめて、混合物を、更に室温にて18時間撹拌した。その後、混合物を激しく撹拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、添加後55℃に加温して、更に30分間撹拌した。撹拌終了後、室温まで冷却し、37重量%の塩酸水溶液と水500mlを加え、溶液のpHが6.0〜7.0の範囲になるよう調整した。得られた析出物を、ろ別し、ろ過液を水で洗浄後、60〜70℃にて乾燥を行い、ビス−N,N’−(パラ−ニトロベンゾイル)ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの固体を得た。得られた固体51.0gに、アセトン316gとメタノール158gを加え、50℃に加熱し完全に溶解させた。そこに、300mLの50℃の純水を30分かけて加え、65℃まで加熱した。その後室温まで、ゆっくり冷却して析出した結晶を濾過し、結晶を70℃にて乾燥を行うことで精製し、ビス−N,N’−(パラ−ニトロベンゾイル)ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを得た。
上記で得たビス−N,N’−(パラ−ニトロベンゾイル)ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン20gを1Lのフラスコに入れ、5%パラジウム−炭素1.0gと酢酸エチル180.4gを加え、懸濁状態とした。そこに、水素ガスをパージし、50〜55℃に加熱しながら、35分間振盪させ還元反応を行った。反応終了後35℃まで冷却し、懸濁液に窒素をパージした。ろ別により触媒を取り除いた後、ろ液をエバポレーターにかけ、溶媒を蒸発させた。得られた生成物を90℃にて乾燥して、ビス−N,N’−(パラ−アミノベンゾイル)ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを得た。
上記で得たビス−N,N’−(パラ−アミノベンゾイル)ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン14.27g(0.024mol)を、温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、γ−ブチロラクトン40gを加え溶解し、撹拌しながら15℃まで冷却した。そこに、4,4’−オキシジフタル酸無水物6.86重量部(0.022mol)とγ−ブチロラクトン12.0重量部を加え、20℃にて1.5時間撹拌した。その後、50℃まで加温し3時間撹拌後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール5.27g(0.044mol)とγ−ブチロラクトン10.0gを加え、50℃にて、更に1時間撹拌した。反応終了後室温まで冷却し、式(E−3)の構造で示されるアルカリ可溶性樹脂を得た。重量平均分子量は13,200であった。
≪実施例1≫
ヒドロキシスチレン樹脂(A−1)(丸善石油化学(株)製マルカリンカーCST−60、ヒドロキシスチレン:スチレン=60:40、Mw=3,360)50g、上記で合成したフェノール樹脂(B−1)50g及び上記で合成した光酸発生剤(Q−1)18.5gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、実施例1の感光性樹脂組成物を得た。
≪実施例2≫
上記で記載したヒドロキシスチレン樹脂(A−1)40g、上記で合成したフェノール樹脂(B−1)60g及び上記で合成した光酸発生剤(Q−1)18.5gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、実施例2の感光性樹脂組成物を得た。
≪実施例3≫
ヒドロキシスチレン樹脂(A−2)(丸善石油化学(株)製マルカリンカーCST−70、ヒドロキシスチレン:スチレン=70:30、Mw=3,200)50g、上記で合成したフェノール樹脂(B−1)50g及び上記で合成した光酸発生剤(Q−1)18.5gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、実施例3の感光性樹脂組成物を得た。
≪実施例4≫
ヒドロキシスチレン樹脂(A−2)50g、上記で合成したフェノール樹脂(B−2)50g及び上記で合成した光酸発生剤(Q−1)18.5gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、実施例4の感光性樹脂組成物を得た。
≪実施例5≫
上記で記載したヒドロキシスチレン樹脂(A−2)50g、上記で合成したフェノール樹脂(B−1)50g及び上記で合成した光酸発生剤(Q−1)18.5g及びシランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(F−1)2gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、実施例5の感光性樹脂組成物を得た。
≪実施例6≫
上記で記載したヒドロキシスチレン樹脂(A−2)30g、上記で合成したフェノール樹脂(B−1)30g及び上記で合成した光酸発生剤(Q−1)18.5g及び上記で合成したアルカリ可溶性樹脂(E−1)40gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、実施例6の感光性樹脂組成物を得た。
≪実施例7≫
上記で記載したヒドロキシスチレン樹脂(A−2)30g、上記で合成したフェノール樹脂(B−1)15g及び上記で合成した光酸発生剤(Q−1)18.5g及び上記で合成したアルカリ可溶性樹脂(E−1)55g及び上記で記載したシランカップリング剤(F−1)2gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、実施例7の感光性樹脂組成物を得た。
≪実施例8≫
上記で記載したヒドロキシスチレン樹脂(A−2)30g、上記で合成したフェノール樹脂(B−1)15g及び上記で合成した光酸発生剤(Q−1)18.5g及び上記で合成したアルカリ可溶性樹脂(E−1)55g及び熱架橋剤(G−1)として1,4−ベンゼンジメタノール8gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、実施例8の感光性樹脂組成物を得た。
≪実施例9≫
上記で記載したヒドロキシスチレン樹脂(A−2)30g、上記で合成したフェノール樹脂(B−1)30g及び上記で合成した光酸発生剤(Q−1)18.5g及び上記で合成したアルカリ可溶性樹脂(E−2)40g及び上記で記載したシランカップリング剤(F−1)2g及び上記で記載した熱架橋剤(G−1)8gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、実施例9の感光性樹脂組成物を得た。
≪実施例10≫
上記で記載したヒドロキシスチレン樹脂(A−2)30g、上記で合成したフェノール樹脂(B−1)15g及び上記で合成した光酸発生剤(Q−1)18.5g及び上記で合成したアルカリ可溶性樹脂(E−2)55g及び上記で記載したシランカップリング剤(F−1)2g及び熱架橋剤(G−1)8gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、実施例10の感光性樹脂組成物を得た。
≪実施例11≫
上記で記載したヒドロキシスチレン樹脂(A−2)30g、上記で合成したフェノール樹脂(B−1)15g及び上記で合成した光酸発生剤(Q−1)18.5g及び上記で合成したアルカリ可溶性樹脂(E−3)55g及び上記で記載したシランカップリング剤(F−1)2gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、実施例11の感光性樹脂組成物を得た。
≪比較例1≫
上記で合成したフェノール樹脂(B−1)45g及び上記で合成した光酸発生剤(Q−1)18.5g及び上記で合成したアルカリ可溶性樹脂(E−1)55g及び上記で記載したシランカップリング剤(F−1)2gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、比較例1の感光性樹脂組成物を得た。
≪比較例2≫
上記で合成したフェノール樹脂(B−1)45g及び上記で合成した光酸発生剤(Q−2)18.5g及び上記で合成したアルカリ可溶性樹脂(E−1)55g及び上記で記載したシランカップリング剤(F−1)2gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、比較例2の感光性樹脂組成物を得た。
≪比較例3≫
上記で記載したヒドロキシスチレン樹脂(A−2)45g、上記で合成した光酸発生剤(Q−1)18.5g及び上記で合成したアルカリ可溶性樹脂(E−1)55g及び上記で記載したシランカップリング剤(F−1)2gを、γ−ブチロラクトン160gに混合して溶解した後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、比較例3の感光性樹脂組成物を得た。
<加工性評価>
上記で得た感光性樹脂組成物を、それぞれ、8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約10μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー((株)ニコン製・NSR−4425i)を用いて、露光量を変化させて照射した。
次に、現像液として2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚の差が1.0μmになるように現像時間を調節して2回パドル現像を行うことによって露光部を溶解除去した後、純水で10秒間リンスした。100μmの正方形のビアホールのパターンが形成される最低露光量の値を感度として評価した。また、未露光部でパターンが形成されている露光量で良好に開口したライン&スペースの最小パターン幅(解像度)を算出した。
<ジンケート処理液耐性(強アルカリ性水溶液耐性)>
シリコンウエハー上に、Tiを500Åの厚みで、スパッタ膜を形成し、続いて、Alを3,000Åの厚さでスパッタ膜を形成した。各実施例および各比較例で得られたポジ型感光性樹脂組成物を、上記シリコンウエハー上に、スピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間乾燥し、膜厚約10μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(1mm□の残しパターン)を通して、SUSS社製マスクアライナーMA8を用いて、露光時間を40秒と固定として露光を行った。次に、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸漬することによって、露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。このとき、未露光部の膜減り量は約2μmであった。上記パターン加工したシリコンウエハーをクリーンオーブンにて、酸素濃度1,000ppm以下で、150℃/60分、350℃/70分で膜の硬化を行った。次に、このシリコンウエハーを、ジンケート処理液(メルテックス(株)製、メルプレートFZ−7350とメルプレートジンケートF−プラスと純水を20:1:79で混合した水溶液)に25℃/10分の条件で浸漬させた。次に、純水で5分洗浄した後、乾燥させて膜表面を金属顕微鏡で観察し、残しパターンへの染み込み幅を測定した。評価はn=10で行った。判定は◎(染み込み幅が1μm未満)、○(染み込み幅が1μm以上2μm未満)、△(染み込み幅が2μm以上5μm未満)、×(染み込み幅が5μm以上)とした。
<硬化残膜率評価>
上記で得た感光性樹脂組成物を、それぞれ、8インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分間プリベークし、膜厚約10μmの塗膜を得た。塗布膜を、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、オーブンにて150℃で60分間、続いて350℃で70分間加熱し、室温に戻した後の膜厚を測定した。硬化後の膜厚と硬化前の膜厚の膜厚変化率を下記式より算出し、硬化残膜率として評価した。
硬化残膜率=硬化後の膜厚/硬化前の膜厚*100
なお、硬化残膜率は半導体素子を保護するための十分な膜厚を保持するために高い方がよい。
<耐熱性評価>
硬化残膜率評価にて得た硬化膜について、熱機械分析装置(TMASS6100型 セイコーインスツルメンツ製)にてガラス転移温度(Tg)及びTg−DTA装置(TG/DTA6200 セイコーインスツルメンツ製)にて5%熱重量減少温度(Td5)を測定した。
<内部応力評価>
硬化残膜率評価にて得た硬化膜について、薄膜ストレス測定装置(FLX−2310−S型 東朋テクノロジー株式会社製)を用いることで硬化膜の内部応力を測定した。
<半導体装置の作製>
表面にアルミ回路を備えた模擬素子ウエハを用いて、実施例1〜11の感光性樹脂組成物を、それぞれ、最終5μmとなるよう塗布した後、パターン加工を施して硬化した。その後、チップサイズ毎に分割して16Pin DIP(Dual Inline Package)用のリードフレームに導電性ペーストを用いてマウントした後、半導体封止用エポキシ樹脂(住友ベークライト(株)製、EME−6300H)で封止成形して、半導体装置を作製した。これらの半導体装置(半導体パッケージ)を85℃/85%湿度の条件で168時間処理した後、260℃半田浴槽に10秒間浸漬し、ついで高温、高湿のプレッシャークッカー処理(125℃、2.3atm、100%相対湿度)を施してアルミ回路のオープン不良をチェックしたところ、腐食などはみられず半導体装置として問題無く使用できるものと予想される。
以下に、実施例および比較例を記した表1及び表2を示す。
実施例、比較例から明らかなように、本発明によれば、i線に高感度かつ高解像度で、さらに強アルカリ性水溶液に対する耐性に優れる性能を両立することができるポジ型感光性樹脂組成物を提供することができる。

Claims (14)

  1. ヒドロキシスチレン樹脂(A)と、下記一般式(1)で表されるフェノール化合物と下記一般式(2)で表される芳香族アルデヒド化合物を酸触媒下で反応させて得られるフェノール樹脂(B)と、光酸発生剤(C)と、溶剤(D)と、を含むポジ型感光性樹脂組成物。
    (式中R1は炭素数1以上20以下のアルキル基及びアルコキシ基から選ばれる有機基を示し、pは1以上3以下の整数である。)
    (式中R2は水素、炭素数1以上20以下のアルキル基、アルコキシ基及びヒドロキシ基から選ばれる有機基を示し、qは0以上3以下の整数である。)
  2. 前記フェノール樹脂(B)が、芳香族アルデヒド化合物として、下記式(3)で表される芳香族アルデヒドの中から選ばれる1つ以上を含む請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記フェノール樹脂(B)が、フェノール化合物として、下記式(4)で表されるフェノールの中から選ばれる1つ以上を含む請求項1または2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)は、ヒドロキシスチレン及び/又はヒドロキシスチレンの誘導体を含む共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  5. 前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)は、スチレン及び/又はスチレンの誘導体を含む共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  6. 前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)が、ヒドロキシスチレン及びその誘導体を含む共重合体であって、前記ヒドロキシスチレン樹脂(A)における前記ヒドロキシスチレン及びその誘導体の構成比率が、50%以上、90%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  7. さらにポリベンゾオキサゾール構造、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリイミド構造、ポリイミド前駆体構造及びポリアミド構造の群から少なくとも1つ以上の構造が含まれるアルカリ溶解性樹脂(E)を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  8. 更にシランカップリング剤(F)を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  9. 更に熱架橋剤(G)を含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されている硬化膜。
  11. 請求項10に記載の硬化膜で構成されている保護膜。
  12. 請求項10に記載の硬化膜で構成されている絶縁膜。
  13. 請求項10に記載の硬化膜を有している半導体装置。
  14. 請求項10に記載の硬化膜を有している表示体装置。
JP2013087439A 2013-04-18 2013-04-18 ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、保護膜、絶縁膜、半導体装置、および表示体装置 Active JP6291718B2 (ja)

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