JP2014209698A - 圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法 - Google Patents

圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法 Download PDF

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Tomotaka Kuroda
智孝 黒田
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Abstract

【課題】本発明は、ベース部材に発生する応力を緩和すると共に外部端子とベース部材との密着性が高くされた圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】圧電デバイス(100)は、接続電極(123)を有する第1面とその第1面の反対側の第2面とを有しガラス材料からなるベース部材(120)と、励振電極(131)と該励振電極から引き出された引出電極(132)とを有し接続電極に引出電極が接合するように配置された圧電振動片(130)と、ベース部材の第2面上に形成される緩衝層(129)と、緩衝層上に形成されガラス成分及び金属成分を含んで接続電極に導通する外部端子(126)と、を備え、緩衝層がガラス材料より低い融点を有する第1低融点ガラス層を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、低融点ガラス層の表面に外部端子が形成された圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法に関する。
所定の振動数で振動する圧電振動片と、圧電振動片を覆うように配置されるベース部材及びリッド部材とにより形成される圧電デバイスが知られている。このような圧電デバイスは、製造コストを下げるために、ガラス材料又は水晶材料により形成されたウエハに形成し、ベース部材及びリード部材をウエハ単位で製造を行うことにより一度に大量に形成する。しかし、このような圧電デバイスでは、ベース部材がガラス材料等により形成されることにより、ベース部材の強度が低下し、クラックの発生等の問題があった。これに対して特許文献1では、ベース部材と、ベース部材に形成され圧電デバイスを実装するための端子である外部端子と、の間にベース部材に加わる応力を緩和する応力緩和層を形成した圧電デバイスが示されている。
特開2009−194091号公報
しかし、外部端子と応力緩和層との間に生じる応力は緩和されておらず、外部端子と応力緩和層との間の密着性が低いため、外部端子が剥がれやすいという問題があった。
そこで、本発明は、ベース部材に発生する応力を緩和すると共に、外部端子とベース部材との密着性が高くされた圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法の提供を目的とする。
第1観点の圧電デバイスは、接続電極を有する第1面とその第1面の反対側の第2面とを有しガラス材料からなるベース部材と、励振電極と該励振電極から引き出された引出電極とを有し接続電極に引出電極が接合するように配置された圧電振動片と、ベース部材の第2面上に形成される緩衝層と、緩衝層上に形成されガラス成分及び金属成分を含んで接続電極に導通する外部端子と、を備え、緩衝層がガラス材料より低い融点を有する第1低融点ガラス層を含む。
第2観点の圧電デバイスは、第1観点において、接続電極と外部端子とが、第1面から第2面までベース部材を貫通する貫通電極によって導通する。
第3観点の圧電デバイスは、第1観点において、ベース部材の側面の一部には内側に凹んだキャスタレーションが形成されており、キャスタレーションには緩衝層が形成され、外部端子がキャスタレーションに形成される側面電極を介して接続電極に導通する。
第4観点の圧電デバイスは、第1観点から第3観点において、緩衝層全体が第1低融点ガラスである。
第5観点の圧電デバイスは、第2観点において、緩衝層が、ベース部材の第2面上に形成される金属層と、ガラス材料より低い融点を有し金属層を覆うようにベース部材の第2面上に形成される第1低融点ガラス層と、により形成され、第1低融点ガラス層が貫通電極と重ならならない位置に第1低融点ガラス層を貫通するコンタクト穴が形成され、外部端子がコンタクト穴を介して金属層に導通する。
第6観点の圧電デバイスは、第2観点において、緩衝層が、ベース部材の第2面上に形成される第1低融点ガラス層と、第1低融点ガラス層上に形成される金属層と、金属層上に形成される第2低融点ガラス層と、により形成される。第1低融点ガラス層には貫通電極に重なる位置に第1低融点ガラス層を貫通する第1コンタクト穴が形成され、第2低融点ガラス層には貫通電極に重ならない位置に第1低融点ガラス層を貫通する第2コンタクト穴が形成され、金属層が第1コンタクト穴を介して貫通電極に導通し、外部端子が第2コンタクト穴を介して金属層に導通する。
第7観点の圧電デバイスは、第1観点から第6観点において、圧電振動片が、圧電振動片を取り囲む外枠部と圧電振動片と外枠部とを連結する連結部とを有し、引出電極が連結部を介して外枠部まで引き出される。
第8観点の圧電デバイスの製造方法は、所定の振動数で振動する圧電振動片と、ガラス材料からなり一方の面に圧電振動片を載置し他方の面に外部端子が形成されるベース部材と、ガラス材料からなりベース部材と共に圧電振動片を密封するリッド部材と、を有する圧電デバイスの製造方法である。また、圧電デバイスの製造方法は、複数のベース部材が形成されたベースウエハを形成する工程と、ベースウエハの他方の面に緩衝層を形成する工程と、緩衝層の表面に低融点ガラスから成るガラスフリットを含む外部端子用金属ペーストを形成する工程と、外部端子用金属ペーストを焼結させて外部端子を形成する外部端子用金属ペースト焼結工程と、を備え、緩衝層がガラス材料より融点が低い第1低融点ガラス層を含む。
第9観点の圧電デバイスの製造方法は、第8観点において、緩衝層を形成する工程が、ベースウエハの他方の面に低融点ガラスのガラスフリットを含む第1ガラスペーストを印刷する工程と、第1ガラスペーストを焼結させて第1低融点ガラス層を形成する第1ガラスペースト焼結工程と、を含む。
第10観点の圧電デバイスの製造方法は、第9観点において、緩衝層を形成する工程が、第1低融点ガラス層上に低融点ガラスから成るガラスフリットを含む金属ペーストを形成し、焼結させて金属層を形成する工程と、金属層の表面に低融点ガラスのガラスフリットを含む第2ガラスペーストを印刷して焼結し第2低融点ガラス層を形成する工程と、を有する。
第11観点の圧電デバイスの製造方法は、第8観点において、緩衝層を形成する工程が、ベースウエハの他方の面に低融点ガラスから成るガラスフリットを含む金属ペーストを形成し、焼結させて金属層を形成する工程と、金属層の表面に低融点ガラスのガラスフリットを含む第1ガラスペーストを印刷して焼結し第1低融点ガラス層を形成する工程と、により形成される。
第12観点の圧電デバイスの製造方法は、第9観点から第11観点において、圧電振動片を形成する工程と、複数のリッド部材が形成されたリッドウエハを形成する工程と、圧電振動片をベースウエハに載置する載置工程と、リッドウエハをベースウエハに接合する接合工程と、を含む。
第13観点の圧電デバイスの製造方法は、第12観点において、接合工程が、低融点ガラスのガラスフリットを含む接合用ガラスペーストをリッドウエハ又はベースウエハに印刷する工程と、接合用ガラスペーストを挟んでリッドウエハとベースウエハとを重ね合わせ、接合用ガラスペーストを焼結させてリッドウエハとベースウエハとを接合する接合用ガラスペースト焼結工程と、を含む。
第14観点の圧電デバイスの製造方法は、第9観点から第11観点において、圧電振動片が、圧電振動片を取り囲む外枠部と圧電振動片と外枠部とを連結する連結部とを有し、複数の圧電振動片が形成される圧電ウエハを形成する工程と、複数のリッド部材が形成されたリッドウエハを形成する工程と、圧電ウエハとベースウエハ及びリッドウエハとを互いに接合する接合工程と、を含む。
第15観点の圧電デバイスの製造方法は、第14観点において、接合工程が、低融点ガラスのガラスフリットを含む接合用ガラスペーストをリッドウエハ及びベースウエハに印刷する工程と、接合用ガラスペーストを挟むようにリッドウエハと圧電ウエハとを重ね合わせ、ベースウエハと圧電ウエハとを重ね合わせ、接合用ガラスペーストを焼結させて圧電ウエハとリッドウエハ及びベースウエハとを接合する接合用ガラスペースト焼結工程と、を含む。
本発明によれば、ベース部材に発生する応力を緩和すると共に外部端子とベース部材との密着性が高くされた圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法を提供することができる。
圧電デバイス100の分解斜視図である。 図1のA−A断面図である。 圧電デバイス100の製造方法が示されたフローチャートである。 圧電ウエハW130の平面図である。 ベースウエハを形成する工程を説明するための図である。 ベースウエハを形成する工程を説明するための図である。 (a)は、ステップS214aにおけるベースウエハW120の部分断面図である。 (b)は、図7(a)における貫通孔124aの周囲の部分底面図である。 (c)は、ステップS215aにおけるベースウエハW120の部分断面図である。 (d)は、図7(c)における貫通孔124aの周囲の部分底面図である。 (e)は、ステップS217aにおけるベースウエハW120の部分断面図である。 (f)は、図7(e)における貫通孔124aの周囲の部分底面図である。 ベースウエハW120の平面図である。 リッドウエハW110の平面図である。 接合工程が示されたフローチャートである。 圧電デバイス200の分解斜視図である。 図1のC−C断面図である。 圧電デバイス300の断面図である。 ベースウエハW120を形成する工程を説明するための図である。 ベースウエハW120を形成する工程を説明するための図である。 圧電デバイス400の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
(第1実施形態)
<圧電デバイス100の構成>
図1は、圧電デバイス100の分解斜視図である。圧電デバイス100は主に、圧電振動片130と、リッド部材110と、ベース部材120とにより構成されている。圧電デバイス100では、リッド部材110及びベース部材120が、例えば水晶材料又はガラス材料等により形成されている。また、圧電振動片130には例えばATカットの水晶振動片が用いられている。ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。以下の説明では、ATカットの水晶振動片の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をY’軸及びZ’軸として用いる。すなわち、圧電デバイス100において圧電デバイス100の長手方向をX軸方向、圧電デバイス100の高さ方向をY’軸方向、X軸方向及びY’軸方向に垂直な方向をZ’軸方向として説明する。
圧電デバイス100は、ベース部材120の+Y’軸側の面上に圧電振動片130が載置される。さらに圧電振動片130を密封するようにリッド部材110がベース部材120の+Y’軸側に接合されて圧電デバイス100が形成されている。
圧電振動片130は、+Y’軸側及び−Y’軸側の主面に励振電極131が形成されている。また、各励振電極131からは−X軸方向に引出電極132が引き出されて形成されている。−Y’軸側に形成されている励振電極131に接続されている引出電極132は、−Y’軸側の面の−X軸側の−Z’軸側の端まで引き出されている。また、+Y’軸側に形成されている励振電極131に接続されている引出電極132は、−Y’軸側の面の−X軸側及び+Z’軸側の端まで引き出されている。圧電振動片130に形成される励振電極131及び引出電極132等の電極は、例えば圧電振動片130にクロム(Cr)層が形成され、クロム層の上に金(Au)層が形成されることにより形成されている。
リッド部材110は、−Y’軸側の面に+Y’軸側に凹んでいる凹部111が形成されている。また、凹部111の周囲には接合面112が形成されている。リッド部材110は、接合面112においてベース部材120に接合される。
ベース部材120は、+Y’軸側の面に圧電振動片130の引出電極132に電気的に接続される一対の接続電極123が形成されている。また、−Y’軸側の面には一対の緩衝層129が形成され、各緩衝層129の−Y’軸側の面には外部端子126が形成されている。圧電デバイス100においては、緩衝層129が低融点ガラスにより形成される低融点ガラス層として形成されている。一対の接続電極123と一対の外部端子126とは、ベース部材120を貫通する貫通電極124(図2参照)を介して互いに電気的に接続されている。
図2は、図1のA−A断面図である。リッド部材110の接合面112とベース部材120とが封止材142を介して互いに接合されている。また、リッド部材110とベース部材120とが接合されることにより圧電デバイス100の内部には密閉されたキャビティ101が形成され、キャビティ101には圧電振動片130が載置される。圧電振動片130の引出電極132は導電性接着剤141を介して接続電極123に電気的に接続される。また、接続電極123はベース部材120を貫通する貫通電極124を通り、外部端子126と電気的に接続されている。つまり、圧電振動片130の励振電極131と外部端子126とは電気的に接続されており、2つの外部端子126の間に電圧を印加することにより圧電振動片130を振動させることができる。
<圧電デバイス100の製造方法>
図3は、圧電デバイス100の製造方法が示されたフローチャートである。以下に、図3を参照して圧電デバイス100の製造方法について説明する。
図3のステップS101では、圧電振動片130が用意される。ステップS101は、圧電振動片を用意する工程である。圧電振動片130は、例えば圧電ウエハW130をエッチングして複数の圧電振動片130の外形を形成し、励振電極131及び引出電極132を形成する。
図4は、圧電ウエハW130の平面図である。圧電ウエハW130には、複数の圧電振動片130が形成されている。圧電ウエハW130に形成される各圧電振動片130の周囲には圧電ウエハW130を貫通する貫通溝151が形成されている。また、圧電振動片130は、連結部152を介して圧電ウエハW130に連結されている。圧電ウエハW130に形成された圧電振動片130は、連結部152が切断されることにより、独立した個々の圧電振動片130として形成される。
ステップS201では、ベースウエハW120が形成される。ステップS201は、ベースウエハを形成する工程である。ベースウエハW120には複数のベース部材120が形成される。
図5及び図6は、ベースウエハW120を形成する工程を説明するための図である。図5及び図6の左側には、ベースウエハW120を形成する工程のフローチャートが示され、右側には、フローチャートの各ステップを説明するためのベースウエハW120の部分断面図が示されている。ベースウエハW120の部分断面図は、後述の図8のB−B断面を含む断面図となっている。以下、図5及び図6を参照してベースウエハを形成する工程について説明する。
図5のステップS211では、ベースウエハW120が用意される。図5(a)は、用意されたベースウエハW120の部分断面図である。用意されたベースウエハW120の+Y’軸側及び−Y’軸側の面は、平坦に形成されている。ステップS211は、ベースウエハW120を用意する工程である。
ステップS212では、貫通孔124aが形成される。図5(b)は、貫通孔124aが形成されたベースウエハW120の部分断面図である。貫通孔124aは、例えばベースウエハW120のウエットエッチングを行うことにより形成することができる。
ステップS213では、接続電極123が形成される。図5(c)は、+Y’軸側の面に接続電極123が形成されたベースウエハW120の部分断面図である。接続電極123は、例えばスパッタ又は真空蒸着によりクロム(Cr)層が形成され、クロム層の上に金(Au)層が形成されることにより形成される。
ステップS214では、第1ガラスペースト143が印刷される。図5(d)は、第1ガラスペースト143が印刷されたベースウエハW120の部分断面図である。第1ガラスペースト143は、緩衝層129を形成するためのペーストであり、粉末ガラスであるガラスフリットを含んでいる。ここでは、ガラスフリットには低融点ガラスが用いられる。第1ガラスペースト143は、ベースウエハW120の−Y’軸側の面及び貫通孔124aの側面に印刷される。印刷は、例えばスクリーン印刷により行うことができる。ステップS214は、第1ガラスペースト143を印刷する工程である。
図6のステップS215では、第1ガラスペースト143が焼結される。図6(a)は、第1ガラスペースト143が焼結された後のベースウエハW120の部分断面図である。第1ガラスペースト143は焼結されることにより緩衝層129を構成する低融点ガラス層125となる。第1ガラスペースト143の焼成温度は、ベースウエハW120が軟化する温度よりも低いことが条件となる。ベースウエハW120は、例えば、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、ソーダガラス、又は石英などが用いられる。そのため、第1ガラスペースト143には、これらのベースウエハW120の軟化温度よりも低い、例えば、500から800℃くらいの焼成温度のペーストを用いることができる。また、第1ガラスペースト143は、焼結されることにより第1ガラスペースト143がベースウエハW120上に形成されている面積が狭くなる。すなわち、低融点ガラス層125は、第1ガラスペースト143が形成される面積よりも狭くなる。図6(a)では、第1ガラスペースト143が形成されていたが、低融点ガラス層125が形成されていない空間143aが点線で示されている。ステップS215は、第1ガラスペースト焼結工程である。
ステップS216では、外部端子用金属ペースト144が印刷される。図6(b)は、外部端子用金属ペースト144が印刷されたベースウエハW120の部分断面図である。外部端子用金属ペースト144には、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)等の金属、若しくはAg−Sn、Ag−Pd、Ag−Pt等の合金材料を主とした導電性の金属ペーストが用いられる。また、外部端子用金属ペースト144には、例えばビスマス(Bi)系のガラスフリットが含まれており、その焼成温度が400から600℃に調整されたものが用いられる。外部端子用金属ペースト144は、低融点ガラス層125が形成された後にベースウエハW120に印刷されるため、低融点ガラス層125が軟化又は溶融しないように、焼成温度が第1ガラスペースト143よりも低いものが用いられる。外部端子用金属ペースト144は、緩衝層129となる低融点ガラス層125の表面に印刷される。また、外部端子用金属ペースト144は、貫通孔124aを満たし、ベースウエハW120の+Y’軸側の面にはみ出るように形成される。ステップS216は、外部端子用金属ペーストを形成する工程である。
ステップS217では、外部端子用金属ペースト144が焼結される。図6(c)は、外部端子用金属ペースト144が焼結された後のベースウエハW120の部分断面図である。外部端子用金属ペースト144は、400から600℃で焼成されることにより焼結されて、貫通電極124及び外部端子126が形成される。また、外部端子用金属ペースト144は、ベースウエハW120の+Y’軸側の面にはみ出すように形成されることにより外部端子用金属ペースト144と接続電極153とが電気的に接続される。ベースウエハW120の−Y’軸側に形成される外部端子用金属ペースト144は、低融点ガラス層125と同じ面積、形状に印刷されたとしても、外部端子用金属ペースト144が焼結されることによりその面積が狭くなるため、外部端子126の面積が低融点ガラス層125の面積よりも狭くなる。低融点ガラス層125の面積が外部端子126の面積よりも大きくなることで、低融点ガラス層125上に完全に外部端子126を載せることができる。これにより外部端子126がベースウエハW120に接触しないことが確実になり、ベースウエハW120と外部端子126との間の残留応力を懸念する必要がなくなる。そのため、外部端子用金属ペースト144は、ステップS216であらかじめ低融点ガラス層125よりも狭い領域に印刷されていても良い。ステップS217は、外部端子用金属ペースト焼結工程である。
図5及び図6によりベースウエハW120が形成されるが、図5及び図6で説明されたベースウエハW120の形成方法は一つの例であり、その他にもさまざまな方法で形成されることができる。例えば、図5及び図6に示された例では、ステップS213においてスパッタ又は真空蒸着により接続電極123が形成されたが、接続電極123はステップS214及びステップS216で低融点ガラス層125及び外部端子用金属ペースト144が、接続電極123が形成される領域にも形成されることにより形成されても良い。また、図6のステップS216では、外部端子用金属ペースト144をベースウエハW120の+Y’軸側の面にはみ出すように形成したが、別途、電極を形成する工程を設けて金属ペーストにより形成された貫通電極と接続電極とを電気的に接合させることもできる。さらに、図5のステップS214では貫通孔124aの側面にも第1ガラスペースト143が形成されたが、貫通孔124aの側面に第1ガラスペースト143を形成しなくても良い。以下に、図7(a)から図7(f)を参照して、貫通孔124aの側面に第1ガラスペースト143が印刷されない場合のベースウエハW120の作製例を示す。また、図7では図5のステップS214、図6のステップS215、及びステップS217について説明されるが、図5及び図6と異なることを示すため、各ステップに対応するステップをそれぞれステップS214a、ステップS215a、及びステップS217aとして説明する。
図7(a)は、ステップS214aにおけるベースウエハW120の部分断面図である。また、図7(b)は、図7(a)における貫通孔124aの周囲の部分底面図である。図7(a)及び図7(b)に示されるように、ステップS214aでは、貫通孔124aに第1ガラスペースト143が印刷されない。
図7(c)は、ステップS215aにおけるベースウエハW120の部分断面図である。また、図7(d)は、図7(c)における貫通孔124aの周囲の部分底面図である。ステップS215aで第1ガラスペースト143が焼結され、低融点ガラス層125が形成される、ステップS215aでは、第1ガラスペースト143が焼結されることにより貫通孔124aの周囲にも第1ガラスペースト143が形成されていない空間143aが形成される。
図7(e)は、ステップS217aにおけるベースウエハW120の部分断面図である。また、図7(f)は、図7(e)における貫通孔124aの周囲の部分底面図である。ステップS215aの後に外部端子用金属ペースト144が低融点ガラス層125の表面及び貫通孔124aに印刷される。印刷は例えば真空印刷により行われ、貫通孔124aが外部端子用金属ペースト144で満たされ、外部端子用金属ペースト144が接続電極123に電気的に接続されるように行われる。その後、ステップS217aにおいて外部端子用金属ペースト144が焼結され、外部端子126が形成される。外部端子用金属ペースト144は焼結されることにより形成面積が狭くなるため、外部端子126は低融点ガラス層125よりも形成面積が狭くなる。
図8は、ベースウエハW120の平面図である。ベースウエハW120では、複数のベース部材120がX軸方向及びZ’軸方向に並んで形成されている。図8では、各ベース部材120の間にはX軸方向又はZ’軸方向に伸びるスクライブライン171が示されている。スクライブライン171は、後述される図3のステップS502でウエハが切断される場合に切断される箇所を示す線である。図5及び図6に示される工程を経ることにより、図8に示されるようなベースウエハW120が形成される。
図3に戻って、ステップS301では、リッドウエハW110が形成される。ステップS301は、リッドウエハを形成する工程である。
図9は、リッドウエハW110の平面図である。リッドウエハW110では、−Y’軸側の面に複数の凹部111が形成されることにより、複数のリッド部材110が形成される。複数のリッド部材110はX軸方向及びZ’軸方向に並んで形成されている。図9では図8と同じく、各リッド部材110の間にX軸方向又はZ’軸方向に伸びるスクライブライン171が示されている。
図3のステップS401では、圧電振動片130がベースウエハW120に載置される。ステップS401では、ベースウエハW120に形成される各ベース部材120の接続電極123に導電性接着剤141を塗布し、その上に引出電極132が重なるように圧電振動片130を載置することにより、圧電振動片130がベースウエハW120に載置される。ステップS401は、圧電振動片をベースウエハに載置する載置工程である。
ステップS501では、ベースウエハW120とリッドウエハW110とが接合される。ステップS501は、リッドウエハW110とベースウエハW120とを接合する接合工程である。
図10は、接合工程が示されたフローチャートである。図10の左側には、接合工程のフローチャートが示され、右側には、フローチャートの各ステップを説明するためのベースウエハW120を含む部分断面図が示されている。ベースウエハW120の部分断面図は、図8のB−B断面を含む断面図となっている。以下、図10を参照して接合工程について説明する。
図10のステップS511では、接合用ガラスペースト145がベースウエハW120に印刷される。図5(a)は、接合用ガラスペースト145が印刷されたベースウエハW120の部分断面図である。ステップS145では、ベースウエハW120のリッドウエハW110の接合面が接合される領域に接合用ガラスペースト145が印刷される。接合用ガラスペースト145は、融点が320℃から450℃と低いガラスフリット含んでいる。ステップS511は、接合用ガラスペースト145を印刷する工程である。
ステップS512では、ベースウエハW120にリッドウエハW110が重ねあわされ、焼結される。図10(b)は、リッドウエハW110が接合されたベースウエハW120の部分断面図である。ステップS512では、ベースウエハW120とリッドウエハW110とが、互いのスクライブライン171が重なるように接合用ガラスペースト145を挟んで重ねあわされる。この状態で、ベースウエハW120とリッドウエハW110とを320℃から450℃で焼成することにより、ベースウエハW120とリッドウエハW110とが接合される。焼成温度は、ガラスフリットを溶融させるために、ガラスフリットの溶融温度よりも高く設定される。接合用ガラスペースト145は封止材142としてキャビティ101を封止する。ステップS512は、接合用ガラスペースト焼結工程である。
図3に戻って、ステップS502では、ベースウエハW120とリッドウエハW110とが切断される。切断は、スクライブライン171に沿ってダイシングを行うことにより切断することができる。これにより、個々の圧電デバイス100が形成される。
ガラス材料又は水晶材料により形成されるベースウエハW120に金属ペーストを直接印刷して外部端子を形成することも可能である。金属粉末、ガラスフリット(ガラス粉末)、及び溶剤により構成される金属ペーストを高温にして焼結した場合に、溶剤が蒸散し、金属粉末が互いに接合し、ガラス粉末が溶融してベースウエハとの密着強度が強くなる。しかし、冷却した場合の金属の収縮率がガラスよりも大きいため、この収縮率の違いが残留応力としてベースウエハ等に加わる。そのため、ガラスフリットの量が多い場合には焼結後にベースウエハに残る残留応力が大きくなるという問題が残り、ガラスフリットの量が少ない場合にはベースウエハW120との密着強度が弱くなる。そのため金属ペーストへのガラスフリットの添加量の制御は困難である。
圧電デバイス100では、外部端子用金属ペースト144により形成される外部端子126とベースウエハW120との間に中間層として低融点ガラス層125が形成されることにより、残留応力を小さくすると共に低融点ガラス層及びベースウエハW120と、低融点ガラス層及び外部端子とのそれぞれの密着強度を強く保つことができる。中間層にポリイミド等の樹脂が用いられた場合には、例えば300℃以上の高温に耐えられない。そのため、ここでは、中間層として低融点ガラス層を形成している。
圧電デバイス100では、その製造過程において、第1ガラスペーストが最も焼結温度が高く、外部端子用金属ペーストの焼結温度がそれに続き、接合用ガラスペーストの焼結温度が最も低い。このような3種類のペーストを使用し、焼結温度が高いものから順に使用することにより一度焼結されたペーストが再び溶融しないようにされている。
(第2実施形態)
圧電デバイスは、圧電振動片が枠部を有し、ベース部材とリッド部材とで挟まれることにより形成されても良い。以下に圧電振動片がベース部材とリッド部材とで挟まれることにより形成される圧電デバイス200について説明する。また、以下の説明では、第1実施形態と同様の部分に関しては第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
<圧電デバイス200の構成>
図11は、圧電デバイス200の分解斜視図である。圧電デバイス200は、リッド部材210と、ベース部材220と、圧電振動片230と、により構成されている。圧電振動片230は、所定の振動数で振動し矩形形状に形成された振動部233と、振動部233を囲む外枠部234と、振動部233と枠部234とを連結する一対の連結部235と、を有している。振動部233と外枠部234との間の連結部235以外の領域には、圧電振動片230をY’軸方向に貫通する貫通溝236が形成されている。振動部233の+Y’軸側及び−Y’軸側の面には励振電極231が形成されており、各励振電極231からは連結部235を通り外枠部234にまで引出電極232が引き出されている。+Y’軸側の面に形成されている連結部235からは+Z’軸側の連結部235を通り、−X軸側の+Z’軸側の貫通溝236の側面を介して枠部234の−Y’軸側の面の+X軸側の+Z’軸側の面にまで形成されている。−Y’軸側の面に形成されている連結部235からは−Z’軸側の連結部235を通り、外枠部234の−Y’軸側の面の−X軸側の−Z’軸側の面にまで形成されている。
ベース部材220は、+Y’軸側の面に、−Y’軸側に凹んだ凹部221と、凹部221を囲む接合面222と、接合面222の角に配置される接続電極223と、が形成されている。接合面222は、圧電振動片230の外枠部234の−Y’軸側の面に封止材142(図12参照)を介して接合される。また、ベース部材220の−Y’軸側の面には低融点ガラスで形成された一対の緩衝層229が形成されており、緩衝層229の表面には外部端子226が形成されている。さらに、ベース部材220の側面の四隅にはベース部材220の内側に凹んだキャスタレーション228が形成されており、各キャスタレーション228の側面には側面電極227が形成されている。側面電極227は、接続電極223と外部端子226とを電気的に接続している。また、ベース部材220の−X軸側の−Z’軸側の角に形成されている接続電極223は圧電振動片230の枠部234の−Y’軸側の面の−X軸側の−Z’軸側の角に形成されている引出電極232に電気的に接続され、+X軸側の+Z’軸側の角に形成されている接続電極223は圧電振動片230の−Y’軸側の面の+X軸側の+Z’軸側の角に形成される引出電極232に電気的に接続される。
リッド部材210は、−Y’軸側の面に、凹部221と、凹部221を囲む接合面222とが形成されている。接合面222は、圧電振動片230の枠部232の+Y’軸側の面に封止材142を介して接合される。
図12は、図1のC−C断面図である。圧電デバイス200は、圧電振動片230の+Y’軸側にリッド部材210が配置され、−Y’軸側にベース部材220が配置されている。また、圧電デバイス200の内部には、リッド部材210の凹部211及びベース部材220の凹部221によりキャビティ201が形成されており、キャビティ201には圧電振動片230の振動部233が配置されている。キャビティ201は、リッド部材210の接合面212と外枠部234の+Y’軸側の面との間、及びベース部材220の接合面222と外枠部234の−Y’軸側の面との間に封止材142が形成されることにより密封されている。また、外枠部132に形成される引出電極232がベース部材220に形成される接続電極223に電気的に接続されることにより、励振電極231と外部端子226とが電気的に接続される。
圧電デバイス200においても、図3に示された圧電デバイス100の製造方法と同様の方法により製造することができる。ただし、圧電デバイス200を図3に当てはめる場合には、図3のステップS101では、複数の圧電振動片230が形成された圧電ウエハ(不図示)が形成され、ステップS401では、圧電ウエハと複数のベース部材220が形成されているベースウエハ(不図示)とが互いに接合され、ステップS501では、圧電ウエハと複数のリッド部材210が形成されているリッドウエハ(不図示)とが互いに接合され、ステップS502ではベースウエハ、リッドウエハ、及び圧電ウエハとが切断される。また、外部端子の形成方法に関しても圧電デバイス100と同様に、第1ガラスペーストを印刷し、焼結して低融点ガラスで構成された緩衝層229を形成し、緩衝層229の表面に外部端子用金属ペーストを印刷し、焼結することにより外部端子226が形成される。圧電デバイス200では、第1ガラスペーストをベース部材220の−Y’軸側の面、キャスタレーション228、及びベース部材220の+Y’軸側の接続電極223が形成される箇所に同時に印刷及び焼結を行い、その表面に外部端子用金属ペーストの印刷及び焼結を行うことにより、接続電極223及び外部端子226が同時に形成される。さらに、圧電デバイス200では、ステップS401とステップS501とが同じ工程で行われても良い。すなわち、接合用ガラスペーストを挟むようにリッドウエハと圧電ウエハとを重ね合わせ、ベースウエハと圧電ウエハとを重ね合わせ、接合用ガラスペーストを焼結させて圧電ウエハとリッドウエハ及びベースウエハとを接合してもよい。
(第3実施形態)
圧電デバイスでは、ベース部材の−Y’軸側の面に形成される緩衝層が、金属層及び第1低融点ガラス層により形成されても良い。また、金属層、第1低融点ガラス層、及び第2低融点ガラス層により構成されても良い。以下に、緩衝層が金属層及び第1低融点ガラス層により形成される圧電デバイス300、及び緩衝層が金属層、第1低融点ガラス層、及び第2低融点ガラス層により形成される圧電デバイス400について説明する。また、以下の説明では、第1実施形態及び第2実施形態と同様の部分に関しては第1実施形態及び第2実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
<圧電デバイス300の構成>
図13は、圧電デバイス300の断面図である。図13では、図1のA−A断面に相当する断面が示されている。圧電デバイス300は主に、圧電振動片130と、リッド部材110と、ベース部材120とにより構成されている。ベース部材120の−Y’軸側の面には緩衝層329が形成され、緩衝層329の−Y’軸側の面には外部端子326が形成されている。緩衝層329は、ベース部材120の−Y’軸側の面に形成される金属層327と、金属層327を覆うように形成される低融点ガラス層325と、により形成されている。金属層327は貫通電極124に電気的に接続されている。また、低融点ガラス層325には貫通電極124とはY’軸方向に重ならない位置に低融点ガラス層325を貫通するコンタクト穴325aが形成されており、外部端子326はコンタクト穴325aを介して金属層327に電気的に接続されている。図13ではベース部材120の−X軸側には金属層327が示されていないが、ベース部材120の−X軸側に関しても貫通電極124及びその付近においては金属層327が形成されている。
<圧電デバイス300の製造方法>
図14及び図15は、ベースウエハW120を形成する工程を説明するための図である。圧電デバイス300においても、図3に示されるフローチャートと同様の方法により製造することができる。一方、圧電デバイス300では緩衝層の形成のされ方が第1実施形態及び第2実施形態とは異なっている。図14及び図15では、緩衝層の形成方法を中心に説明される。図14及び図15の左側には、ベースウエハW120を形成する工程のフローチャートが示され、右側には、フローチャートの各ステップを説明するためのベースウエハW120の部分断面図及び部分底面図が示されている。また、圧電デバイス300におけるベースウエハW120の製造方法は、図5のステップS213までは圧電デバイス100と同様であるため、図14では図5のステップS213後の工程について説明する。
図14のステップS221では、貫通電極324が形成される。ステップS221は、図5のステップS213の後の工程である。図14(a)は、貫通孔124aに貫通電極324が形成されたベースウエハW120の部分断面図である。また、図14(b)は、図14(a)における貫通孔124aの周囲の部分底面図である。ステップS221では貫通孔124aに低融点ガラスから成るガラスフリットを含む金属ペースト(不図示)を埋め込み焼結することにより貫通電極124が形成される。このとき、図14(a)に示されるように、接続電極123と貫通電極124とが電気的に接続される。また、図14(b)に示されるように、ベースウエハW120の−Y’軸側の面では貫通電極324が露出して形成されている。
ステップS222では、金属層327が形成される。図14(c)は、金属層327が形成されたベースウエハW120の部分断面図である。また、図14(d)は、図14(c)における貫通孔124aの周囲の部分底面図である。金属層327は、低融点ガラスから成るガラスフリットを含む金属ペースト(不図示)がベースウエハW120の−Y’軸側の面の貫通孔124aを含む領域に印刷され、焼結されることにより形成される。これにより貫通電極124と金属層327とが電気的に接続される。金属層327の形成に用いられる金属ペーストは、貫通電極324を形成するための金属ペーストが軟化又は溶融しないように貫通電極324を形成するための金属ペーストよりも焼成温度が低いものが用いられる。
ステップS223では、第1ガラスペースト343が印刷される。図14(e)は、第1ガラスペースト343が印刷されたベースウエハW120の部分断面図である。また、図14(f)は、図14(e)における貫通孔124aの周囲の部分底面図である。第1ガラスペースト343は低融点ガラスのガラスフリットを含み、金属層327を覆うようにベースウエハW120の−Y’軸側の面に印刷される。第1ガラスペースト343は、貫通電極324及び金属層327が軟化又は溶融しないように貫通電極324を形成するための金属ペースト及び金属層327を形成するための金属ペーストよりも焼成温度が低いものが用いられる。また、第1ガラスペースト343は金属層327上の一部の領域に塗布されていない。この第1ガラスペースト343が塗布されていない部分は低融点ガラス層325のコンタクト穴325aとなる。コンタクト穴325aは、貫通孔124aとはY’軸方向に重ならない位置に形成されている。
図15のステップS224では、第1ガラスペースト343が焼結される。図15(a)は、第1ガラスペースト343が焼結されたベースウエハW120の部分断面図である。また、図15(b)は、図15(a)における貫通孔124aの周囲の部分底面図である。第1ガラスペースト343が焼結されることにより、低融点ガラス層325が形成される。また、第1ガラスペースト343は、焼結されることにより第1ガラスペースト343がベースウエハW120上に形成されている面積が狭くなる。すなわち、低融点ガラス層325は、第1ガラスペースト343が形成される面積よりも狭くなる。図15(a)及び図15(b)では、第1ガラスペースト343が形成されていたが、低融点ガラス層325が形成されていない空間343aが示されている。
ステップS225では、外部端子用金属ペースト344が印刷される。図15(c)は、外部端子用金属ペースト344が印刷されたベースウエハW120の部分断面図である。また、図15(d)は、図15(c)における貫通孔124aの周囲の部分底面図である。外部端子用金属ペースト344は低融点ガラス層325上に印刷され、また、コンタクト穴325aを介して金属層327に電気的に接続するように印刷される。
ステップS226では、外部端子用金属ペースト344が焼結される。図15(e)は、外部端子用金属ペースト344が焼結されたベースウエハW120の部分断面図である。また、図15(f)は、図15(e)における貫通孔124aの周囲の部分底面図である。外部端子用金属ペースト344が焼結されることにより外部端子326が形成される。
圧電デバイスでは、貫通電極が多孔質な金属で形成される場合がある。このようなとき、キャビティ101内の気密性が確保されない可能性が生じる。圧電デバイス300では、貫通電極124と外部端子326とが金属層327を介して導通することにより互いに直接接していないこと、及び貫通穴124aとコンタクト穴325aとがY’軸方向に重ならないように形成されることにより、貫通電極324が多孔質な金属であったとしてもキャビティ101内の気密性を確保することができる。また、圧電デバイス100及び圧電デバイス200と同様に、外部端子326とベース部材120との間に低融点ガラス層325が形成されることにより、外部端子326とベース部材120との間の応力緩和がされ、外部端子326の低融点ガラス層325への密着性が強化されて剥がれにくくなっている。これらのことにより、圧電デバイス300は圧電デバイスとしての信頼性が向上している。
<圧電デバイス400の構成>
図16は、圧電デバイス400の断面図である。図16では、図1のA−A断面に相当する断面が示されている。圧電デバイス400は主に、圧電振動片130と、リッド部材110と、ベース部材120とにより構成されている。ベース部材120の−Y’軸側の面には緩衝層429が形成され、緩衝層429の−Y’軸側の面には外部端子426が形成されている。緩衝層429は、ベース部材120の−Y’軸側の面に形成される第1低融点ガラス層425aと、第1低融点ガラス層425aの表面に形成される金属層427と、金属層427を覆うように形成される第2低融点ガラス層425bと、により形成されている。また、第1低融点ガラス層425aには貫通電極324が形成される位置に第1低融点ガラス層425aを貫通する第1コンタクト穴428aが形成され、第2低融点ガラス層425bには、貫通電極324とY’軸方向に重ならない位置に第2低融点ガラス層425bを貫通する第2コンタクト穴428bが形成されている。これにより、金属層427は第1コンタクト穴428aを介して貫通電極324に導通し、外部端子426は第2コンタクト穴428bを介して金属層427に導通する。
圧電デバイス400においても、図3に示された製造方法と同様の方法により製造することができる。また、緩衝層429は、ベース部材120の−Y’軸側の面に第1ガラスペースト(不図示)を印刷及び焼結して第1低融点ガラス層425aを形成し、第1低融点ガラス層425aの表面に金属ペースト(不図示)を印刷及び焼結して金属層427を形成し、金属層427の表面に第2ガラスペースト(不図示)を印刷及び焼結して第2低融点ガラス層425bを形成することにより形成される。ここで、各層を形成するための金属ペースト及びガラスペーストは、外部端子426を形成するための外部端子用金属ペースト(不図示)、第2低融点ガラス層425bを形成するための第2ガラスペースト(不図示)、金属層427を形成するための金属ペースト(不図示)、第1低融点ガラス層425aを形成するための第1ガラスペースト(不図示)、貫通電極324を形成するための金属ペースト(不図示)の順で焼結温度が低くなっており、各層の軟化又は溶融が防がれている。
圧電デバイス400においても、圧電デバイス300と同様にキャビティ101内の気密性を確保することができると共に外部端子とベース部材との間の応力緩和及び外部端子の密着性が強化されており、これにより圧電デバイス400の信頼性が向上している。
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
例えば、上記実施形態では圧電デバイスのキャビティを封止するために接合用ガラスペースト145を用いたが、エポキシ樹脂等の接着剤を塗布することにより形成されても良い。また、第2実施形態において第1実施形態の図7と同様の方法により製造することにより、キャスタレーション228に低融点ガラス層225を形成しないように圧電デバイスが作製されても良い。
さらに、上記実施形態では圧電振動片がATカットの水晶振動片である場合を示したが、同じように厚みすべりモードで振動するBTカットなどであっても同様に適用できる。さらに、音叉型水晶振動片についても適用でき、圧電振動片は水晶材料のみならず、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムあるいは圧電セラミックを含む圧電材料に基本的に適用できる。
100、200、300、400 … 圧電デバイス
101、201 … キャビティ
110、210 … リッド部材
111、221 … 凹部
112、222 … 接合面
120、220 … ベース部材
123、223 … 接続電極
124、324 … 貫通電極
124a … 貫通孔
125、325 … 低融点ガラス層
126、226、326、426 … 外部端子
129、229、329、429 … 緩衝層
130、230 … 圧電振動片
131、231 … 励振電極
132、232 … 引出電極
141 … 導電性接着剤
142 … 封止材
143、343 … 第1ガラスペースト
144、344 … 外部端子用金属ペースト
145 … 接合用ガラスペースト
151 … 貫通溝
152 … 連結部
171 … スクライブライン
221 … 凹部
222 … 接合面
227 … キャスタレーション電極
228 … キャスタレーション
233 … 振動部
234 … 外枠部
235 … 連結部
236 … 貫通溝
325a … コンタクト穴
327、427 … 金属層
425a … 第1低融点ガラス層
425b … 第2低融点ガラス層
428a … 第1コンタクト穴
428b … 第2コンタクト穴
W110 … リッドウエハ
W120 … ベースウエハ
W130 … 圧電ウエハ

Claims (15)

  1. 接続電極を有する第1面とその第1面の反対側の第2面とを有し、ガラス材料からなるベース部材と、
    励振電極と該励振電極から引き出された引出電極とを有し、前記接続電極に前記引出電極が接合するように配置された圧電振動片と、
    前記ベース部材の前記第2面上に形成される緩衝層と、
    前記緩衝層上に形成され、ガラス成分及び金属成分を含んで前記接続電極に導通する外部端子と、を備え、
    前記緩衝層は、前記ガラス材料より低い融点を有する第1低融点ガラス層を含む圧電デバイス。
  2. 前記接続電極と前記外部端子とは、前記第1面から前記第2面まで前記ベース部材を貫通する貫通電極によって導通する請求項1に記載の圧電デバイス。
  3. 前記ベース部材の側面の一部には内側に凹んだキャスタレーションが形成されており、前記キャスタレーションには前記緩衝層が形成され、前記外部端子は前記キャスタレーションに形成される側面電極を介して前記接続電極に導通する請求項1に記載の圧電デバイス。
  4. 前記緩衝層全体が前記第1低融点ガラスである請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧電デバイス。
  5. 前記緩衝層は、前記ベース部材の前記第2面上に形成される金属層と、前記ガラス材料より低い融点を有し前記金属層を覆うように前記ベース部材の前記第2面上に形成される第1低融点ガラス層と、により形成され、
    前記第1低融点ガラス層は、前記貫通電極と重ならならない位置に前記第1低融点ガラス層を貫通するコンタクト穴が形成され、
    前記外部端子は前記コンタクト穴を介して前記金属層に導通する請求項2に記載の圧電デバイス。
  6. 前記緩衝層は、前記ベース部材の前記第2面上に形成される前記第1低融点ガラス層と、前記第1低融点ガラス層上に形成される金属層と、前記金属層上に形成される第2低融点ガラス層と、により形成され、
    前記第1低融点ガラス層は前記貫通電極に重なる位置に前記第1低融点ガラス層を貫通する第1コンタクト穴が形成され、
    前記第2低融点ガラス層は前記貫通電極に重ならない位置に前記第1低融点ガラス層を貫通する第2コンタクト穴が形成され、
    前記金属層は前記第1コンタクト穴を介して前記貫通電極に導通し、前記外部端子は前記第2コンタクト穴を介して前記金属層に導通する請求項2に記載の圧電デバイス。
  7. 前記圧電振動片は、前記圧電振動片を取り囲む外枠部と前記圧電振動片と前記外枠部とを連結する連結部とを有し、前記引出電極は前記連結部を介して前記外枠部まで引き出される請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の圧電デバイス。
  8. 所定の振動数で振動する圧電振動片と、ガラス材料からなり一方の面に前記圧電振動片を載置し他方の面に外部端子が形成されるベース部材と、ガラス材料からなり前記ベース部材と共に前記圧電振動片を密封するリッド部材と、を有する圧電デバイスの製造方法であって、
    複数の前記ベース部材が形成されたベースウエハを形成する工程と、
    前記ベースウエハの他方の面に緩衝層を形成する工程と、
    前記緩衝層の表面に低融点ガラスから成るガラスフリットを含む外部端子用金属ペーストを形成する工程と、
    前記外部端子用金属ペーストを焼結させて外部端子を形成する外部端子用金属ペースト焼結工程と、を備え、
    前記緩衝層が前記ガラス材料より融点が低い第1低融点ガラス層を含む圧電デバイスの製造方法。
  9. 前記緩衝層を形成する工程は、
    前記ベースウエハの他方の面に低融点ガラスのガラスフリットを含む第1ガラスペーストを印刷する工程と、
    前記第1ガラスペーストを焼結させて前記第1低融点ガラス層を形成する第1ガラスペースト焼結工程と、を含む請求項8に記載の圧電デバイスの製造方法。
  10. 前記緩衝層を形成する工程は、
    前記第1低融点ガラス層上に低融点ガラスから成るガラスフリットを含む金属ペーストを形成し、焼結させて金属層を形成する工程と、
    前記金属層の表面に低融点ガラスのガラスフリットを含む第2ガラスペーストを印刷して焼結し第2低融点ガラス層を形成する工程と、を有する請求項9に記載の圧電デバイスの製造方法。
  11. 前記緩衝層を形成する工程は、
    前記ベースウエハの他方の面に低融点ガラスから成るガラスフリットを含む金属ペーストを形成し、焼結させて金属層を形成する工程と、
    前記金属層の表面に低融点ガラスのガラスフリットを含む第1ガラスペーストを印刷して焼結し第1低融点ガラス層を形成する工程と、により形成される請求項8に記載の圧電デバイス。
  12. 前記圧電振動片を形成する工程と、
    複数の前記リッド部材が形成されたリッドウエハを形成する工程と、
    前記圧電振動片を前記ベースウエハに載置する載置工程と、
    前記リッドウエハを前記ベースウエハに接合する接合工程と、
    を含む請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の圧電デバイスの製造方法。
  13. 前記接合工程は、
    低融点ガラスのガラスフリットを含む接合用ガラスペーストを前記リッドウエハ又は前記ベースウエハに印刷する工程と、
    前記接合用ガラスペーストを挟んで前記リッドウエハと前記ベースウエハとを重ね合わせ、前記接合用ガラスペーストを焼結させて前記リッドウエハと前記ベースウエハとを接合する接合用ガラスペースト焼結工程と、を含む請求項12に記載の圧電デバイスの製造方法。
  14. 前記圧電振動片は、前記圧電振動片を取り囲む外枠部と前記圧電振動片と前記外枠部とを連結する連結部とを有し、
    複数の前記圧電振動片が形成される圧電ウエハを形成する工程と、
    複数の前記リッド部材が形成されたリッドウエハを形成する工程と、
    前記圧電ウエハと前記ベースウエハ及び前記リッドウエハとを互いに接合する接合工程と、を含む請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の圧電デバイスの製造方法。
  15. 前記接合工程は、
    低融点ガラスのガラスフリットを含む接合用ガラスペーストを前記リッドウエハ及び前記ベースウエハに印刷する工程と、
    前記接合用ガラスペーストを挟むように前記リッドウエハと前記圧電ウエハとを重ね合わせ、前記ベースウエハと前記圧電ウエハとを重ね合わせ、前記接合用ガラスペーストを焼結させて前記圧電ウエハと前記リッドウエハ及び前記ベースウエハとを接合する接合用ガラスペースト焼結工程と、を含む請求項14に記載の圧電デバイスの製造方法。


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