JP2014208798A - 硬化性樹脂組成物及びガラス繊維を含む硬化物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物及びガラス繊維を含む硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP2014208798A
JP2014208798A JP2014061795A JP2014061795A JP2014208798A JP 2014208798 A JP2014208798 A JP 2014208798A JP 2014061795 A JP2014061795 A JP 2014061795A JP 2014061795 A JP2014061795 A JP 2014061795A JP 2014208798 A JP2014208798 A JP 2014208798A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curable resin
cured product
refractive index
glass fiber
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014061795A
Other languages
English (en)
Inventor
誠 古江
Makoto Furue
誠 古江
透 栗橋
Toru Kurihashi
透 栗橋
清柳 典子
Noriko Kiyoyanagi
典子 清柳
幸広 原
Yukihiro Hara
幸広 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2014061795A priority Critical patent/JP2014208798A/ja
Publication of JP2014208798A publication Critical patent/JP2014208798A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G59/00Polycondensates containing more than one epoxy group per molecule; Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups
    • C08G59/18Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing
    • C08G59/40Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing characterised by the curing agents used
    • C08G59/42Polycarboxylic acids; Anhydrides, halides or low molecular weight esters thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/24Impregnating materials with prepolymers which can be polymerised in situ, e.g. manufacture of prepregs

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

【課題】透明性、耐熱性、平滑性、及び耐光性に優れた硬化物に適したエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を提供する。【解決手段】ガラス繊維(C)の波長633nmの光学的屈折率をnとすると、光学的屈折率がn+0.001〜n+0.03又はn−0.001〜n−0.1の範囲にある硬化性樹脂(A)と、光学的屈折率がn−0.01〜n−0.2又はn+0.01〜n+1.5の範囲にある無機粒子(B)を含む硬化性樹脂組成物(I)をガラス繊維(C)に含浸した後に硬化して得られる硬化物。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物及び、硬化性樹脂をガラスクロスに含浸させた硬化物に関する。本発明の硬化物は、透明性、耐熱性、寸法安定性、柔軟性、強靭性、ガス透過性に優れた特性を有する。
近年、ガラス繊維と硬化性樹脂から得られる透明の硬化物が液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、携帯機器などといったオプトエレクトロニクス関連分野において利用されている。
例えば、特許文献1は光学的屈折率を整合させた硬化性樹脂と、ガラス繊維から得られる硬化物が、透明性と耐熱性に優れていることを示している。この際、硬化性樹脂の光学的屈折率を整合させるために、ガラス繊維の光学的屈折率よりも高い同屈折率の硬化性樹脂と低い同屈折率の硬化性樹脂を併用するとされている。
しかしながら、光学的屈折率の波長依存性(所謂アッベ数)は、硬化性樹脂とガラス繊維で大きく異なる。上記のように光学的屈折率の高い硬化性樹脂と同屈折率の低い硬化性樹脂を併用することで光学的屈折率を整合した硬化物を作製する場合、ある特定の波長領域では光学的屈折率を整合することができたとしても、可視光領域の幅広い波長領域で光学的屈折率を整合させることは困難である。
これは例えば、可視光領域のおおよその中間部である600nm付近で光学的屈折率を整合させたとしても、可視光領域の短波長側380nm付近では、硬化性樹脂とガラス繊維の間で光学的屈折率が異なってしまうことを意味している。
結果として、ある特定領域、例えば600nm付近で光学的屈折率を整合させた硬化性樹脂とガラス繊維からなるシート状の硬化物を作製したとしても、白色光を透過させると、青くガラス繊維が見えてしまい、実質的には透明性を欠いていた。
一方、特許文献2および3では硬化性樹脂と無機粒子を組み合わせることについての例示もなされている。
ここに用いられている無機粒子は、硬化性樹脂の寸法安定性や難燃性の特性を向上させることを目的として組み合わされているものであり、本発明に用いられる無機粒子とは求められる特性は異なる。
さらに特許文献4については透明性の向上を目的として無機粒子を組み合わせているが、粒度分布に関する範囲の開示はなく、大きい粒子が含まれていた場合、十分な透明性を確保できなかった。
国際公開2003/64530号 特開2005−156840号公報 特開2005−029667号公報 特開2005−068241号公報
本発明は、特定の波長領域だけでなく、可視光領域の幅広い領域において、より透明性の高い硬化物を得ることを課題としている。
本発明者らは、硬化性樹脂と粒子径が揃った無機粒子の633nmにおける光学的屈折率をガラス繊維のそれを基準として適宜調整することで、可視光領域の幅広い範囲において高い光学的屈折率を整合させ、より高い透明性を発揮させることを見出し、本発明に至った。具体的には、該屈折率がガラス繊維よりも高い硬化性樹脂と該屈折率がガラス繊維よりも低無機粒子の組合せ、及び、該屈折率がガラス繊維よりも低い硬化性樹脂と該屈折率がガラス繊維よりも高い無機粒子の組合せが本発明の効果をもたらす。
即ち、ガラス繊維(C)の波長633nmの光学的屈折率をnとすると、光学的屈折率がn+0.001〜n+0.03又はn−0.001〜n−0.1の範囲にある硬化性樹脂(A)と、光学的屈折率がn−0.01〜n−0.2又はn+0.01〜n+1.5の範囲にある無機粒子(B)を含む硬化性樹脂組成物(I)及びその硬化物に関する。
本発明の好ましい態様は、ガラス繊維(C)の波長633nmの光学的屈折率をnとすると光学的屈折率がn+0.001〜n+0.03の範囲にある硬化性樹脂(A)と、光学的屈折率がn−0.01〜n−0.2の範囲にある無機粒子(B)を含む硬化性樹脂組成物(I)及びその硬化物に関する。
本発明の好ましい別態様は、ガラス繊維(C)の波長633nmの光学的屈折率をnとすると光学的屈折率がn−0.001〜n−0.1の範囲にある硬化性樹脂(A)と、光学的屈折率がn+0.01〜n+1.5の範囲にある無機粒子(B)を含む硬化性樹脂組成物(I)及びその硬化物に関する。
さらに硬化性樹脂(A)が、分子中に一つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ系樹脂(a−1)及び分子中に一つ以上のカルボキシル基、またはカルボン酸無水物基を含有する硬化剤(a−2)を含む前記硬化性樹脂組成物(I)及びその硬化物に関する。
さらに分子中に一つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ系樹脂(a−1)が脂肪族型エポキシ樹脂、芳香族型エポキシ樹脂から選ばれる一以上である前記硬化性樹脂組成物(I)及びその硬化物に関する。
さらに前記脂肪族型エポキシ樹脂が分子内にシクロヘキシル構造を有するエポキシ樹脂であり、芳香族型エポキシ樹脂が(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)型エポキシ樹脂、ビフェニル−フェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂から選ばれる一以上である前記硬化性樹脂組成物(I)及びその硬化物に関する。
さらにカルボン酸系硬化剤(a−2)が一般式(1)又は一般式(2)で表されるカルボン酸を含むものである前記硬化性樹脂組成物(I)及びその硬化物に関する。
Figure 2014208798
(式中、複数存在するR及びRはそれぞれ独立して、Rは水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、もしくはカルボキシル基を表し、Rは水素原子、もしくはメチル基を表す。Pは*でメチレン基と結合している。)
Figure 2014208798
(式中、複数存在するR及びRはそれぞれ独立して、Rは水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、もしくはカルボキシル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基を表す。Pは*でメチレン基と結合している。)
さらに一般式(1)で表されるカルボン酸(a−2)中のRが全て水素原子である前記硬化性樹脂組成物(I)及びその硬化物に関する。
さらに無機粒子(B)の累積粒度分布の微粒側から累積90%の粒径をD90としたとき、D90が30nm以下の範囲にある前記硬化性樹脂組成物(I)及びその硬化物に関する。
さらに無機粒子(B)の含有量が、組成物の固形分全体量を100質量部としたとき、1〜30質量部の範囲にある前記硬化性樹脂組成物(I)及びその硬化物に関する。
さらに無機粒子(B)がシリカ粒子又は酸化アルミニウムである前記硬化性樹脂組成物(I)及びその硬化物に関する。
さらに前記硬化性樹脂組成物(I)をガラス繊維(C)に含浸した後に硬化して得られる硬化物に関する。
さらに前記硬化物とガラス繊維(C)の光学的屈折率の差が、0.01以下であることを特徴とする前記硬化物に関する。
さらにガラス繊維(C)がガラスクロス(c)である前記硬化性樹脂組成物(I)及びその硬化物に関する。
本発明の硬化物は透明性が良好で、その硬化物は、耐熱性、平滑性、及び耐光性に優れている。そのため、本発明の硬化物は特に液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、携帯機器などの表示装置や太陽電池などに適している。本発明は特に後述する一般式(1)又は一般式(2)で表されるカルボン酸系硬化剤を用いること、又は、無機粒子(B)の粒径を揃えることで、可視光領域の幅広い波長領域で光学的屈折率を整合させるという効果を有する。
本発明において硬化性樹脂(A)とは、熱硬化する樹脂を指す。本発明において硬化性樹脂(A)は硬化後に無色透明となるものが好ましい。
本発明において硬化性樹脂(A)の硬化物とガラス繊維(C)の光学的屈折率は、ほぼ同一である。ここでいうほぼ同一とは、光学的屈折率の差異があったとしてもその差異は±0.1以下、好ましくは±0.005以下である。具体的には硬化性樹脂(A)の硬化物の屈折率がガラス繊維(C)の633nmの光学的屈折率をnとするとn+0.001〜n+0.03又はn−0.001〜−0.1であるものを使用する。硬化性樹脂(A)の硬化物とガラス繊維(C)の光学的屈折率をほぼ同じ値にすることで、硬化性樹脂(A)と無機粒子(B)を含む前記硬化性樹脂組成物(I)をガラス繊維(C)に含浸した後に硬化して得られる硬化物硬化物の透明性が高まる。この範囲を超える場合には、該硬化物の透明性が失われる。
硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、(イソ)シアネート樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ビニル樹脂、アミド樹脂等として総称されるものが一般的に該当し、これらは本発明においていずれも使用することができる。
硬化性樹脂が脂肪族構造のみを有する硬化性樹脂の場合は、硬化性樹脂(A)の屈折率は低くなる傾向があり、脂肪族構造を有する硬化性樹脂と芳香族構造を有する硬化性樹脂を組み合わせると、全体として屈折率が高くなる傾向がある。
これらのうち、硬化性樹脂(A)として、硬化性、耐熱性、耐光性等、求められる特性を考慮すると、エポキシ樹脂(a−1)単独、又は必要に応じて硬化剤を組み合わせることが好ましい。
本発明において用いられるエポキシ樹脂(a−1)とは、エポキシ基を分子中に有する化合物であればいずれを用いてもよい。以下に本発明において好適に用いられる芳香族型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂について説明する。
例えば、芳香族型エポキシ樹脂としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル−フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、グリオキサール型エポキシ樹脂、(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのうち本発明においては、耐熱性、耐光性を考慮すると、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)型エポキシ樹脂が好ましい。
脂肪族型エポキシ樹脂としては、脂肪族環状構造を有するエポキシ樹脂と脂肪族環状構造をもたないエポキシ樹脂が挙げられる。脂肪側環状構造を有するエポキシ樹脂は一分子中に少なくとも一つ以上の環状脂肪族構造を有することを特徴とする。例えばテルペンジフェノールや、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と脂肪族環構造ジエン(ジシクロペンタジエンやノルボルナジエン、ヘキサヒドロキシインデン等)との重縮合物及びこれらの変性物から誘導されるグリシジルエーテル化物、水添ビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF)型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等、分子内にシクロヘキシル構造を有するエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン構造をもつエポキシ樹脂や、トリグリジジルイソシアヌレート構造をもつエポキシ樹脂等が挙げられる。具体的には例えば、シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等が挙げられる。
脂肪族環状構造を持たないエポキシ樹脂等としては、ヘキサンジグリシジルエーテル等の直鎖または分岐アルコールから誘導されるグリシジルエーテル類が挙げられる。
本発明において用いられうる硬化剤は、公知一般のものが使用できる。例えば、カルボキシル基、もしくはカルボン酸無水物基を有するカルボン酸系硬化剤、アミノ基、アミド基、ケトイミン基、イミダゾール基、ジシアンジアミド基等を有するアミン系硬化剤、フェノールノボラック等のフェノール基を有するフェノール系硬化剤等が挙げられる。これらのうちカルボン酸系硬化剤(a−2)が、高い耐熱性と変色性に優れた硬化物を与える
ため、本発明では好ましく用いられる。
カルボン酸系硬化剤(a−2)は、分子内にカルボキシル基を一つ以上、好ましくは2つ以上、もしくはカルボン酸無水物基を一つ以上有するものであれば、特に限定は無く、公知一般のものが使用できる。本発明ではカルボン酸無水物、脂肪族カルボン酸、無機ジオールとカルボン酸無水物を反応させたカルボン酸、不飽和環構造を有する酸無水物、カルボン酸無水物とエーテルポリオールとの付加反応により得られるカルボン酸などを用いることができる。
本発明において炭化水素基とは、環系又は非環系のアルキル基、アルキニル基、アルケニル基を指し、置換基を有していてもよい。好ましくは炭素数1〜15であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、等の非環系のアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、等の環系のアルキル基が挙げられる。
カルボン酸無水物としては例えば、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸−1,2,4,5−二無水物、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物等が挙げられる。脂肪族カルボン酸としてはアジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸等の脂肪族カルボン酸類が挙げられる。
無機ジオールとカルボン酸無水物を反応させたカルボン酸に用いられる無機ジオールとしてはブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、シクロヘキサンジオール等の炭化水素ジオール類、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の炭化水素多価アルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール、ポリカプロラクトンジオール等のポリエステルジオール、更にはシリコーンジオール、トリシクロデカンジメタノール、メチルトリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール等の架橋多環ジオール等が挙げられる。カルボン酸無水物は前記カルボン酸無水物も含め限定はない。中でも無機ジオールが架橋多環ジオール、中でも下記一般式(3)で示されるトリシクロデカン構造、ペンタシクロペンタデカン構造を主骨格とするジオールと前記カルボン酸無水物を反応させたカルボン酸が好ましい。
Figure 2014208798
(一般式(3)中、Rは一般式(1)に同じであって1環当たり1以上である。)
前記の通り、本発明において用いられる架橋多環ジオールとしてはトリシクロデカンジメタノール、メチルトリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノールなどが挙げられる。これらのうち、入手の簡便さ、また製造後の官能基量とのバランスから、本発明においてはトリシクロデカンジメタノールが特に好ましい。
不飽和環構造を有するカルボン酸無水物としては無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸等が挙げられる。
カルボン酸無水物とエーテルポリオールとの付加反応により得られるカルボン酸としては前記カルボン酸無水物とエーテルポリオールとの付加反応により得られる、下記一般式(2)で表されるカルボン酸(a−2b)が挙げられる。
Figure 2014208798
(一般式(2)中、複数存在するR、Rはそれぞれ独立して、Rは水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、もしくはカルボキシル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基を表す。Pは前記で表され、*でメチレン基と結合している。)
カルボン酸(a−2b)を得るためのエーテルポリオールとしては、2,2’−ビス(ジメチロール)−ジプロピルエーテル、2,2’−ビス(ジメチロール)−ジエチルエーテル、2,2’−ビス(ジメチロール)−ジブチルエーテル、2,2’−ビス(ジメチロール)−ジヘキシルエーテルが挙げられる。これらのエーテルポリオールにより、本発明の硬化物は相反する特性である耐熱性と柔軟性、透明性を両立することができる。
これらのうち、透明性の高い前記カルボン酸無水物類を用いることが好ましい。中でも1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物が挙げられ、特に耐熱性と取り扱いの良さから、両者を混合して使用する事が特に好ましい。
また、本発明において耐熱性、透明性、さらには寸法安定性を向上させる場合は、前記無機ジオールとカルボン酸無水物を反応させたカルボン酸(a−2a)又は前記カルボン酸無水物とエーテルポリオールとの付加反応により得られるカルボン酸(a−2b)を用いる。これら2種のカルボン酸を混合して使用してもよい。カルボン酸(a−2a)は、特に耐熱性を向上させる。カルボン酸(a−2b)は、耐熱性に加えて柔軟性を向上させることができる。
エポキシ系樹脂(a−1)とカルボン酸系硬化剤(a−2)の好適な配合比は、エポキシ系樹脂(a−1)に含有されるエポキシ基の当量とカルボン酸系硬化剤(a−2)のカルボキシル基の当量により決まる。好ましくは、エポキシ基1当量に対しカルボキシル基が0.2〜5当量、より好ましくは0.5〜2当量であることが好ましい。この範囲を超える場合は、硬化反応が充分に進行せず、また過剰のエポキシ基、カルボキシル基の残留が生じるために、硬化物の強靭性や、耐熱性が充分に発揮できない。
この他に、熱による反応を促進させるために、熱に感応して反応を促進させる、または硬化温度を調整するために、硬化触媒を添加することも一般的に行われる。これらは、上記硬化反応を促進させる効能を有するものであれば、公知一般のものが使用できる。
硬化触媒としては例えば、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類、ジシアンジアミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のジアザ化合物及びそれらのテトラフェニルボレート、フェノールノボラック等の塩類、前記多価カルボン酸類、又はホスフィン酸類との塩類、テトラブチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩類、トリフェニルホスフィン、トリ(トルイル)ホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、ヘキサフロロスチビンホスホニウム塩等のホスフィン類やホスホニウム化合物類、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等の有機金属化合物等が挙げられる。さらに、硬化促進剤をマイクロカプセルにしたマイクロカプセル型硬化触媒等が挙げられる。
これら硬化触媒のいずれを用いるかは、接着シートに要求される特性によって適宜選択されるべきものである。硬化触媒は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の、全エポキシ樹脂100質量部に対し通常0.001〜15質量部の範囲で使用される。
硬化性樹脂(A)には、他の成分を含めてもよい。これら他の成分としては酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
硬化性樹脂(A)に用いられうる酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系酸化防止剤等公知一般のものであれば制限はない。しかし、本発明の特徴を鑑みれば、無色であり、かつ、硬化時の熱や、封止後の回路基板として長期間使用した場合でも着色しにくいものを選択することが好ましい。
フェノール系酸化防止剤としてはモノフェノール類、ビスフェノール類、及び高分子型フェノール類などが挙げられる。
モノフェノール類としては2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール等が挙げられる。
ビスフェノール類としては2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルスルホン酸エチル)カルシウム等が挙げられる。
高分子型フェノール類としては1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノール等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤の具体例として、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、ホスファイト類、オキサホスファフェナントレンオキサイド類等が挙げられる。
ホスファイト類としてはトリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト等が挙げられる。
オキサホスファフェナントレンオキサイド類としては9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等が挙げられる。
これらの酸化防止剤はそれぞれ単独で使用できるが、2種以上を組み合わせて併用してもよい。酸化防止剤の使用量は、本発明のエポキシ樹脂組成物100質量部に対して、通常0.008〜1質量部、好ましくは0.01〜0.5質量部である。また、本発明においてはリン系の酸化防止剤が好ましい。
硬化性樹脂(A)に用いられうる光安定剤としては公知一般のものが使用でき、特に限定は無い。しかし、本発明の特徴を鑑みれば、無色であり、かつ、硬化時の熱や、積層ガラスシートとして長期間使用した場合でも着色しにくい材料を選択することが好ましい。
これらの代表的な例として、ヒンダードアミン類等が挙げられる。
ヒンダードアミン類としては、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(例えばチヌビン111FDL、チバ・ジャパン(株)製)、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕(例えばチヌビン111FDL、チバ・ジャパン(株)製)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート(例えばチヌビン144、チバ・ジャパン(株)製)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(例えばチヌビン292、チバ・ジャパン(株)製)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(例えばチヌビン292、チバ・ジャパン(株)製)、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(例えばチヌビン123、チバ・ジャパン(株)製)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等が挙げられる。
硬化性樹脂(A)に用いられうる紫外線吸収剤としては公知一般のものが使用でき、特に限定は無い。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系等が挙げられ、前記光安定剤と併用することも可能である。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、下記一般式(4)で示される構造を有している化合物である。
Figure 2014208798
(式中、複数存在するRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族の炭化水素基、炭素数1〜4の(ポリ)アルキレンオキシ基、−O−Rを示す。なお、R基は、水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基、水素原子とその他グリシジルエーテル基、カルボキシル基、アクリレート基含有化合物との反応残基を示す。)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(例えばチヌビンPS、チバ・ジャパン(株)製)、ベンゼンプロパン酸−3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシアルキルエステル(例えばチヌビン99−2、チバ・ジャパン(株)製)、ベンゼンプロパン酸−3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシアルキルエステル(例えばチヌビン384−2、チバ・ジャパン(株)製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4、6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(例えばチヌビン900、チバ・ジャパン(株)製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(例えばチヌビン928、チバ・ジャパン(株)製)、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコールの反応生成物(例えばチヌビン1130、チバ・ジャパン(株)製)等のベンゾトリアゾール類が挙げられる。
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤は、下記一般式(5)で示される構造を有している化合物である。
Figure 2014208798
(式中、複数存在するRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族の炭化水素基、炭素数1〜4の(ポリ)アルキレンオキシ基、−O−Rを示す。なお、R基は、水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基、水素原子とその他グリシジルエーテル基、カルボキシル基、アクリレート基含有化合物との反応残基を示す。)
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシラン[(アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物(例えばチヌビン400、チバ・ジャパン(株)製)、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物(例えばチヌビン405、チバ・ジャパン(株)製)、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(例えばチヌビン460、チバ・ジャパン(株)製)、プロパン酸−2−[4−[4,6−ビス([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−3−ヒドロキシフェニル]−イソオクチルエステル(例えばチヌビン479、チバ・ジャパン(株)製)等のヒドロキシフェニルトリアジン類が挙げられる。
本発明においては、経時的な着色性の低い紫外線吸収剤を用いることが好ましい。例えば、プロパン酸−2−[4−[4,6−ビス([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−3−ヒドロキシフェニル]−イソオクチルエステル(例えばチヌビン479、チバ・ジャパン(株)製)等、Rのうち少なくとも一つが、芳香族炭化水素であるものが特に経時的な着色性が低い。
本発明の耐光性を向上させる場合は、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤を共に用いる。
硬化性樹脂(A)には、透明性や硬度などの特性を損なわない範囲でブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、NBR−フェノール系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などの樹脂成分を必要に応じて添加することもできる。
硬化性樹脂(A)にはシランカップリング剤、離型剤、レベリング剤、界面活性剤、染料、顔料、有機の光拡散フィラー等も添加することができる。
硬化性樹脂(A)には公知一般の金属塩の添加をすることもできる。例えばカルボン酸金属塩(2−エチルヘキサン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ミリスチン酸などの亜鉛塩、スズ塩、ジルコニウム塩)やリン酸エステル金属(オクチルリン酸、ステアリルリン酸等の亜鉛塩)、アルコキシ金属塩(トリブチルアルミニウム、テトラプロピルジルコニウム等)、アセチルアセトン塩(アセチルアセトンジルコニウムキレート、アセチルアセトンチタンキレート等)等の金属化合物等が挙げられる。これらは単独或いは二種以上を用いてもよい。金属塩の添加により、本発明の耐熱性、耐光性を向上させることができる。
本発明において使用する無機粒子(B)は、溶媒に無機粒子を分散させたコロイド溶液として、または分散溶媒を含有しない微粉末の無機粒子として用いることができる。無機粒子の分散媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等、エチレングリコールなどの多価アルコール類及びその誘導体、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルアセトアミドなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ノルマルブチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの非極性溶媒、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート,4−ヒドロキシブチルアクリレートなどのアクリレート類及びその他一般有機溶剤類が使用できる。分散媒の量は、通常無機粒子100質量部に対し100〜900質量部である。
これらの無機粒子は、周知の方法で製造され市販されているものを用いることができる。ガラス繊維の屈折率をnとするとn−0.01〜n−0.2又はn+0.01〜n+1.5の範囲にあるものを使用することが必要であり、好ましくはn−0.05〜−0.18又はn+0.05〜n+1.3、より好ましくはn−0.08〜−0.18又はn+0.08〜n+1.0である。さらに好ましくはn−0.1〜−0.18又はn+0.1〜n+0.8である。
また、無機粒子の粒度分布は、SEM観察において、累積粒度分布の微粒側から累積90%の粒径をD90としたとき、D90が1〜30nm、好ましくは1〜15nmである。無機粒子の粒径を小さいものに揃えておくと、硬化物の透明性が高くなる。D90が30nm以下の場合は、粒径の含有量が少なく、硬化物の曇り、所謂ヘイズ値が低くなり、透明性等光学特性に優れている。
無機粒子成分の使用量は、組成物の固形分全体量を100質量部としたとき、1〜30質量部の範囲であり、好ましくは、5〜15質量部である。無機粒子の使用量が過多の場合、粘度が高くなるため硬化物の成型が困難になる。また過少の場合は、本発明の効果が発揮されない。
また、無機粒子の種類としては、シリカ、メタケイ酸ナトリウム、フッ化バリウム、フッ化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、酸化亜鉛、炭酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化セリウム、酸化ニオブ、酸化アンチモン、ジルコニア等の無機酸化物等が好適に使用することが出来る。これらのうち、シリカ及び酸化アルミニウムが好ましい。シリカ及び酸化アルミニウムは少量の添加でも本発明の効果が発揮されやすく、また入手の容易性、硬化性樹脂への分散性、得られた硬化物の透明性が高くなるためである。
硬化性樹脂組成物(I)は前記硬化性樹脂(A)と前記無機粒子(B)を任意の手段により混合して得られる。硬化性樹脂組成物(I)の硬化物の屈折率を調節する際は、ガラス繊維(C)の633nmにおける光学的屈折率を基準として適宜調製する。前記硬化性樹脂(A)と前記無機粒子(B)の具体的な組み合わせは、ガラス繊維(C)の633nmにおける光学的屈折率をnとする場合、(i)硬化性樹脂(A)の硬化物の光学的屈折率がn+0.001〜n+0.03の範囲にある硬化性樹脂(A)と、光学的屈折率がn−0.01〜n−0.2の範囲にある無機粒子(B)、(ii)硬化性樹脂(A)の硬化物の光学的屈折率がn−0.001〜n−0.1の範囲にある硬化性樹脂(A)と、光学的屈折率がn+0.01〜n+1.5の範囲にある無機粒子(B)である。
本発明において用いられるガラス繊維(C)とは、ガラスを融解、牽引し繊維状にしたものである。本発明の樹脂組成物と複合化させることによって得られる本発明の硬化物に高い強靭性や寸法安定性を付与する。
ガラス繊維は一般的には、その繊維の集合形態により各種分類がなされている。その集合形態は本発明における硬化物として求められる、形状、強度や厚さ等の特性に応じて、適宜選択されるべきものである。例えば、ガラス不織布やガラスフェルト、チョップドストランドマット、ロービング、チョップドストランド、ミルドファイバー、ヤーン、ロービングクロス、ガラスクロス、ガラススリーブ、ガラスコード等の形態のいずれも本発明において使用することができる。こられのうち、硬化物としての用途を考慮すれば、ガラス繊維を板状、もしくはシート状の形態にしたものが好ましい。
板状、シート状にするためには、織る、編む、または不織布化等公知一般の方法が使用できる。特に、紡糸したガラス繊維を製織により布状としたもの、所謂ガラスクロス(c−1)が、強靭性、寸法安定性の観点から最も好適に使用できる。
本発明おいて用いられるガラス繊維を構成するガラスの種類としては、特に限定はなく、公知一般のガラスを用いることが出来る。例えば、所謂E−ガラス、S−ガラス、T−ガラス、D−ガラス、UN−ガラス、NE−ガラス、Q−ガラス等が挙げられる。
これらのうち、E−ガラスは紡糸の際にホローが入りにくく、今回の硬化物として用いる場合は、内部素子、回路基板の信頼性を維持するためには好適である。さらに入手の容易性、アルカリ金属酸化物が少なく無アルカリガラスとして、本発明の用途には最も適している。一方、寸法安定性の観点から、S−ガラス、T−ガラスは優位性があるものの、ホローが入りやすいという難点があり、接着部の密閉性、内部素子等の信頼性を考慮すると好適とは言えない。また樹脂との密着性や表面張力を制御するためのガラス繊維はシランカップリング剤により処理してあるものでもよい。
本発明に好適なガラス繊維の径は、透明性や平滑性などを考慮すると小さいほうが良く10μm以下が好ましい。
さらに、ディスプレイ等において高度な平滑性を求められるため、開繊加工をしたガラスクロス(c−1)を用いることがより好ましい。開繊加工を行ったガラスクロスから製造される硬化物は、織物組織に由来する凹凸が少ないため、より好適に使用できる。
本発明においてE−ガラスを用いる場合、硬化性樹脂(A)の組み合わせの一例としては、エポキシ樹脂(a−1)として芳香族型エポキシ樹脂と硬化剤(a−2)としてカルボン酸無水物の組み合わせが挙げられる。
本発明の硬化物の一態様には、硬化性樹脂(A)をシート状のガラス繊維(C)に含浸させて得られるプリプレグも含まれる。
プリプレグの作成は、一般的には、液状の硬化性樹脂であればそのまま、高粘度、または固形の硬化性樹脂の場合は溶剤等に希釈し溶液としたものを用意し、その中にガラス繊維(C)、たとえばガラスクロス(c−1)を浸漬し、溶剤を揮発乾燥させることで得ることができる。
プリプレグは、少なくとも、硬化反応が完結していない状態、即ち完全未硬化、もしくは半硬化の状態として使用する。この際、好ましい反応率(即ち、プリプレグの反応量/硬化反応が完了した場合の反応量で示される値)が、0〜0.95、好ましくは0.1〜0.5であることが好ましい。これよりも反応率が低い場合には、プリプレグの取り扱いが難しく、高い場合には、接着工程における密着性や課題が生じる。
本発明のプリプレグの製造は公知一般の方法が適用でき、特に限定は無い。例えば、溶剤に溶解させた硬化性樹脂(A)をガラス繊維(C)に含浸させ、その後溶剤を揮発させる方法や、熱溶融させた硬化性樹脂(A)をガラス繊維(C)に含浸させ、その後冷却する方法、平面状に成型した未硬化の樹脂組成物に、ガラス繊維(C)を重ねロール等により圧力等をかける方法、型中にガラス繊維(C)を置き、そこに加熱した樹脂をトランスファー成型機等を用いて流し込む方法等が挙げられる。
プリプレグは、接着したい部分の形状に合うように切り抜いたり、帯状のテープにしたりして、接着したい部分に合わせて、被接着体に仮止めしても使用される。この際、ドライヤー等で軽く温めてプリプレグを柔軟にして仮止め等をすることもできる。また接着シートを複数枚重ねて接着することで、接着層に求められる厚さを簡便に調整することができる。
最終的に、硬化物(プリプレグ)にさらにもう一方の被接着体を貼り合わせ、所謂真空ラミネーターや真空熱プレス等の方法により加圧しながら密着させる。加熱より半硬化の樹脂は柔軟となり、優れた密着性や気泡の除去が可能となる。この際、硬化物にはガラス繊維が入っているために、比較的強い力で圧着しても接着層の厚さを安定的に維持することが可能となる。さらに加熱を進めると樹脂の硬化反応が進行し、強靱な接着層を形成することができる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。合成例においては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)により原料アルコール類の消失を確認した時点で反応終了とした。
合成例1−1 カルボン酸系硬化剤(a−2)の合成
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらトリシクロデカンジメタノールを294g、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH;以下、H1)を423g、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物(三菱ガス化学製 H−TMAn;以下、H−TMAn)を99g加え、50℃で2時間反応後、70℃で4時間加熱撹拌を行なった。これにより無色のカルボン酸(a−2a)816gが得られた。
そのカルボン酸(a−2a)とH1を512gあわせたものを70℃に加温、混合し、カルボン酸系硬化剤(a−2)1328gを得た。
以下の実施例に示す組成(数値は質量部を示す)にて本発明の樹脂、樹脂組成物及び硬化物を得た。また、硬化物についての評価方法及び評価基準は以下の通りであった。
(1)光学的屈折率(25℃):硬化物の633nmの光学的屈折率(25℃)をプリズムカップラー屈折率計(メトリコン製)で測定した。
(2)380nm直線透過率:硬化した硬化物の膜厚をデュアルタイプ膜厚計(ケット科学研究所製)にて測定した後、直線透過率を分光光度計U−3310(日立製)にて測定し、さらに100μm厚に換算した値での380nm直線透過率を求めた。
合成例2−1:硬化性樹脂(A)の調製1
合成例1−1で得たカルボン酸系硬化剤(a−2)を39g、脂肪族型エポキシ樹脂EHPE−3150((株)ダイセル製、エポキシ当量181)を10g、芳香族型エポキシ樹脂として(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)型エポキシ樹脂(エポキシ当量206、全塩素量550ppm)を27g、同じくNC−3000(日本化薬(株)製:ビフェニル−フェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量275、全塩素量550ppm)を2g、同じくRE−310S(日本化薬(株)製:液状ビスフェノールAエポキシ樹脂、エポキシ当量185、全塩素量500ppm)を21g、その他の成分としてオクタン酸亜鉛を0.3g、添加剤であるアデカスタブ260((株)ADEKA製:リン系酸化防止剤)を0.2g、ビス(1−ウンデカンオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネートを0.2g、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを0.2g、希釈溶剤であるメチルエチルケトンを41gあわせたものを70℃に加温、混合し、固形分が71質量%である硬化性樹脂(A)の希釈組成物を得た。
合成例2−2:硬化性樹脂(A)組成物の調製2
合成例1−1で得たカルボン酸系硬化剤(a−2)を29g、希釈溶剤であるメチルエチルケトンの使用量を20gにした以外は実施例1−1と同様にしたものを70℃に加温、混合し、固形分が82質量%である本発明の硬化性樹脂(A)の希釈組成物を得た。
合成例2−3:硬化性樹脂(A)組成物の調製3
メチルエチルケトンを用いず、合成例1−1で得たカルボン酸系硬化剤(a−2)を31g、芳香族型エポキシ樹脂(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)型エポキシ樹脂(エポキシ当量206、全塩素量550ppm)の使用量を80gにした以外は実施例1−1と同様にしたものを70℃に加温、混合し、固形分が100質量%である本発明の硬化性樹脂(A)の希釈組成物を得た。
合成例2−4:硬化性樹脂(A)組成物の調製4
合成例1−1で得たカルボン酸系硬化剤(a−2)を63g、希釈溶剤であるメチルエチルケトンの使用量を29gにした以外は実施例1−1と同様にしたものを70℃に加温、混合し、固形分が81質量%である本発明の硬化性樹脂(A)のH1希釈組成物を得た。
比較合成例2−1:硬化性樹脂(A)組成物の調製5
合成例1−1で得たカルボン酸系硬化剤(a−2)を21g、(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)型エポキシ樹脂(エポキシ当量206、全塩素量550ppm)の使用量を90gにした以外は実施例1−1と同様にしてあわせたものを70℃に加温、混合し、固形分が100質量%である硬化性樹脂(A)組成物を得た。
比較合成例2−2:硬化性樹脂(A)組成物の調製6
合成例1−1で得たカルボン酸系硬化剤(a−2)を40g、希釈溶剤であるメチルエチルケトンの使用量を43gにした以外は実施例1−1と同様にしたものを70℃に加温、混合し、固形分が70質量%である硬化性樹脂の希釈組成物を得た。
次に記載する実施例1及び比較例1において使用したコロイダルシリカと酸化アルミニウムのD90はSEM観察結果の画像解析により累積粒度分布を求め、算出した。
実施例1−1:硬化性樹脂組成物(I)の調製1
実施例2−1で得た硬化性樹脂(A)の希釈組成物にコロイダルシリカのメチルエチルケトン分散液(固形分30質量%、日産化学工業(株)製オルガノシリカゾルMEK−ST:D90=18nm、平均粒径14nm、633nmにおける光学的屈折率1.46;以下MEK−ST)4gを混合し、混合物の固形分が70質量%である本発明の硬化性樹脂組成物(I)を得た。硬化性樹脂組成物(I)の固形分100質量%中、シリカ粒子は1質量%であった。
実施例1−2:硬化性樹脂組成物(I)の調整2
合成例2−2で得た硬化性樹脂(A)の希釈組成物にMEK−STを33g混合し、固形分が70質量%である本発明の硬化性樹脂組成物(I)を得た。硬化性樹脂組成物(I)の固形分100質量%中、シリカ粒子は10質量%であった。
実施例1−3:硬化性樹脂組成物(I)の調整3
実合成例2−3で得た硬化性樹脂(A)の希釈組成物にMEK−STを181g混合し、固形分が61質量%である本発明の硬化性樹脂組成物(I)を得た。硬化性樹脂組成物(I)の固形分100質量%中、シリカ粒子は27.5質量%であった。
実施例1−4:硬化性樹脂組成物(I)の調整4
合成例2−2で得た硬化性樹脂(A)の希釈組成物に酸化アルミニウムのメチルエチルケトン分散液(固形分10質量%、D90=24nm、平均粒径18nm、633nmにおける光学的屈折率1.77)を35g混合し、固形分が70質量%である本発明の硬化性樹脂組成物(I)を得た。硬化性樹脂組成物(I)の固形分100質量%中、酸化アルミニウム粒子は3質量%であった。
比較例1−1:硬化性樹脂(A)および無機粒子(B)を含む硬化性樹脂組成物の調整5
比較例1−1で得た硬化性樹脂(A)の希釈組成物にMEK−STを260g混合し、固形分が55質量%である硬化性樹脂(A)および無機粒子(B)を含む硬化性樹脂組成物を得た。硬化性樹脂組成物の固形分100質量%中、シリカ粒子は35質量%であった。
比較例1−2:硬化性樹脂(A)および無機粒子(B)を含む硬化性樹脂組成物の調整6
合成例2−2で得た硬化性樹脂(A)の希釈組成物にコロイダルシリカのメチルエチルケトン分散液(固形分30質量%、日産化学工業(株)製オルガノシリカゾルMEK−ST−L:D90=62nm、平均粒径45nm、633nmにおける光学的屈折率1.46)33gを混合し、固形分が70質量%である硬化性樹脂(A)および無機粒子(B)を含む硬化性樹脂組成物を得た。硬化性樹脂組成物の固形分100質量%中、シリカ粒子は10質量%であった。
実施例2、および比較例2:光学的屈折率の評価
ガラス基板上に耐熱離型テープで40mm×25mm×深さ1mmの型を作製し、本発明の硬化性樹脂(A)および硬化性樹脂組成物(I)及び比較例の硬化性樹脂(A)および硬化性樹脂(A)と無機粒子(B)を含む組成物をそれぞれ厚さ約800μmにまで注型し、80℃にて50分間乾燥した。乾燥途中で真空脱泡を1回行い、泡を除去した。その後室温まで冷却し状態を確認したところ、硬化性樹脂(A)および本発明の硬化性樹脂組成物(I)は固体であった。
続いて150℃乾燥機にて3時間硬化し、本発明の硬化物を得た。得られた硬化物についてそれぞれ光学的屈折率を測定した。
表1 硬化物の光学的屈折率比較
光学的屈折率
実施例 硬化性樹脂(A) 硬化性樹脂組成物(I)
実施例2−1 合成例2−1 1.562 実施例1−1 1.561
実施例2−2 合成例2−2 1.568 実施例1−2 1.561
実施例2−3 合成例2−3 1.585 実施例1−3 1.562
実施例2−4 合成例2−4 1.554 実施例1−4 1.561
比較例2−1 比較合成例2−1 1.591 比較例1−1 1.561
比較例2−2 比較合成例2−2 1.561 −
比較例2−3 合成例2−2 1.568 比較例1−2 1.561
実施例3、および比較例3:透明性の評価
実施例1−1〜4で得られた本発明の硬化性樹脂組成物(I)、比較合成例2−2および比較例1−1〜2で得られた硬化性樹脂組成物にメチルエチルケトンを添加して固形分50質量%に調整し、市販のガラスクロス(Eガラスクロス:約30μm厚、平織、光学的屈折率1.561)を入れ、含浸させた。ガラスクロスを引き上げた後、120℃で7分乾燥した。乾燥後のシートは固形のフィルムであった。それをさらに離型処理したPETフィルムにはさんでプレスしながら150℃にて10分処理し、半硬化させてプリプレグを得た。その後150℃乾燥機にて3時間硬化し、本発明の硬化物を得た。
透明性評価:目視で着色と濁りを確認し、380nmでの直線透過率の測定を行った。
表2 硬化物の特性比較
実施例 硬化物 着色 直線透過率 透明性
実施例3−1 実施例1−1 なし 80% 無色透明
実施例3−2 実施例1−2 なし 85% 無色透明
実施例3−3 実施例1−3 なし 82% 無色透明
実施例3−4 実施例1−4 なし 83% 無色透明
比較例3−1 比較例1−1 製膜できず測定不能
比較例3−2 比較合成例1−2 青 75% 無色透明
比較例3−3 比較例1−2 なし 51% 白濁
以上の結果から明らかなように、本発明は硬化性樹脂組成物(I)における硬化性樹脂(A)の硬化物および無機粒子(B)の屈折率をガラスクロスの屈折率を基準として調整することで、着色もなく、透明性に優れている硬化物を与えた。実施例3−1〜4の硬化物は380nmにおける直線透過率が高いことから、硬化性樹脂組成物(I)の硬化物とガラスクロスの380nmにおける光学的屈折率が近似していることがわかる。すなわち、本発明は特定の波長領域だけでなく、可視光領域の幅広い領域で、透明性の高い硬化物を与えるものである。これに対し、比較例3−2の硬化物は、透明性は高く、直線透過率からもわかるように硬化性樹脂(A)とガラスクロスの光学的屈折率とが近似していると考えられる。ただし、比較例3−2の硬化物中には無機粒子が存在しないため、青色に着色してしまった。比較例3−1の硬化物は、無機粒子(B)を多く含むため、粘度が高くなり平滑なシートを得るのが困難であった。また、比較例3−3の硬化物は、無機粒子(B)のD90値が大きいため(無機粒子の粒径がばらついているため)、白濁を生じた。
本発明の硬化性樹脂組成物及びその硬化物は、主に、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、携帯機器などの表示装置や太陽電池などに用いる硬化物に適するものである。

Claims (9)

  1. ガラス繊維(C)の波長633nmの光学的屈折率をnとすると、光学的屈折率がn+0.001〜n+0.03又はn−0.001〜n−0.1の範囲にある硬化性樹脂(A)と、光学的屈折率がn−0.01〜n−0.2又はn+0.01〜n+1.5の範囲にある無機粒子(B)を含む硬化性樹脂組成物(I)をガラス繊維(C)に含浸した後に硬化して得られる硬化物。
  2. 無機粒子(B)が累積粒度分布の微粒側から累積90%の粒径をD90としたとき、D90が30nm以下の範囲にある請求項1に記載の硬化物。
  3. 無機粒子(B)の含有量が、組成物の固形分全体量を100質量部としたとき、1〜30質量部の範囲にある請求項1または2に記載の硬化物。
  4. 無機粒子(B)がシリカ粒子又は酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の硬化物。
  5. 硬化性樹脂組成物(I)の硬化物とガラス繊維(C)の波長633nmにおける光学的屈折率の差が、0.01以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の硬化物。
  6. 硬化性樹脂(A)が、分子中に一つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ系樹脂(a−1)及び分子中に一つ以上のカルボキシル基、またはカルボン酸無水物基を含有する硬化剤(a−2)を含む請求項1ないし5のいずれか一項に記載の硬化物。
  7. カルボン酸系硬化剤(a−2)が一般式(1)又は一般式(2)で表されるカルボン酸を含むものである請求項1ないし6のいずれか一項に記載の硬化物。
    Figure 2014208798
    (式中、複数存在するR、Rはそれぞれ独立して、Rは水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、もしくはカルボキシル基を表し、Rは水素原子、もしくはメチル基を表す。Pは前記で表され、*でメチレン基と結合している。)、
    Figure 2014208798
    (式中、複数存在するR及びRはそれぞれ独立して、Rは水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、もしくはカルボキシル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜15の炭化水素を表す。Pは*でメチレン基と結合している。)
  8. 前記一般式(1)で表されるカルボン酸のRが全て水素原子である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の硬化物。
  9. ガラス繊維(C)がガラスクロス(c)である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の硬化物。
JP2014061795A 2013-03-29 2014-03-25 硬化性樹脂組成物及びガラス繊維を含む硬化物 Pending JP2014208798A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014061795A JP2014208798A (ja) 2013-03-29 2014-03-25 硬化性樹脂組成物及びガラス繊維を含む硬化物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013070849 2013-03-29
JP2013070849 2013-03-29
JP2014061795A JP2014208798A (ja) 2013-03-29 2014-03-25 硬化性樹脂組成物及びガラス繊維を含む硬化物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014208798A true JP2014208798A (ja) 2014-11-06

Family

ID=51903225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014061795A Pending JP2014208798A (ja) 2013-03-29 2014-03-25 硬化性樹脂組成物及びガラス繊維を含む硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014208798A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016148267A1 (ja) * 2015-03-17 2016-09-22 帝人株式会社 フィルム

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005156840A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Nitto Denko Corp 樹脂シート、液晶セル基板、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置用基板、エレクトロルミネッセンス表示装置および太陽電池用基板
JP2011079927A (ja) * 2009-10-06 2011-04-21 Nagase Chemtex Corp 透明複合材
WO2011142468A1 (ja) * 2010-05-10 2011-11-17 学校法人関西大学 硬化性組成物、これを用いたエポキシ樹脂-無機ポリマー複合材料の製造方法及びエポキシ樹脂-無機ポリマー複合材料
WO2012067092A1 (ja) * 2010-11-17 2012-05-24 日本化薬株式会社 透明シート用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005156840A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Nitto Denko Corp 樹脂シート、液晶セル基板、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置用基板、エレクトロルミネッセンス表示装置および太陽電池用基板
JP2011079927A (ja) * 2009-10-06 2011-04-21 Nagase Chemtex Corp 透明複合材
WO2011142468A1 (ja) * 2010-05-10 2011-11-17 学校法人関西大学 硬化性組成物、これを用いたエポキシ樹脂-無機ポリマー複合材料の製造方法及びエポキシ樹脂-無機ポリマー複合材料
WO2012067092A1 (ja) * 2010-11-17 2012-05-24 日本化薬株式会社 透明シート用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
大林達彦ET AL.: "熱可塑性ナノコンポジット光学材料の開発", FUJIFILM RESEARCH & DEVELOPMENT, JPN6018012187, 27 March 2013 (2013-03-27), JP, pages 48 - 51, ISSN: 0003892263 *
早苗徳光: "光透過性GFRPの開発", 富山県工業技術センター研究報告, JPN6018012188, 2011, pages 35 - 36, ISSN: 0003892264 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016148267A1 (ja) * 2015-03-17 2016-09-22 帝人株式会社 フィルム
JPWO2016148267A1 (ja) * 2015-03-17 2017-11-30 帝人株式会社 フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9493631B2 (en) Epoxy resin composition for transparent sheets and cured product thereof
JP5599628B2 (ja) 透明フィルム
US9957349B2 (en) Resin composition, prepreg, and film
TWI488890B (zh) A polycarboxylic acid composition and a method for producing the same, and a hardening resin composition comprising the polycarboxylic acid composition
TW201139490A (en) Process for production of organopolysiloxane, organopolysiloxane obtained by the process, and composition that contains the organopolysiloxane
JP5832023B2 (ja) 透明回路基板用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2013158998A (ja) 積層ガラスシート
JP6671222B2 (ja) エポキシ樹脂、それを含有するエポキシ樹脂組成物とその硬化物
TWI550019B (zh) 透明電路基板用環氧樹脂組成物及層合玻璃片
TW201510157A (zh) 半導體製造過程用黏著材料
JP2014208798A (ja) 硬化性樹脂組成物及びガラス繊維を含む硬化物
JP2011068761A (ja) 透明複合シート
JP6465706B2 (ja) 多官能酸無水物、それを用いた熱硬化性樹脂組成物、及びその硬化物
JP6890452B2 (ja) 透明難燃シート
TWI617558B (zh) 多官能酸酐、熱硬化性樹脂組成物與其預浸料及硬化物
JP2019131739A (ja) 樹脂組成物、接着フィルムあるいはシート
JP2017179381A (ja) 透明封止材料
JP2017193706A (ja) 粒子含有熱硬化性樹脂組成物
JP2015098466A (ja) 脂環式多官能酸無水物及び熱硬化性樹脂組成物
WO2018034175A1 (ja) 酸無水物、それを用いた熱硬化性樹脂組成物、その硬化物及び酸無水物の製造方法
JP2018039898A (ja) 多価カルボン酸およびそれを含有する多価カルボン酸組成物、エポキシ樹脂組成物、それらの硬化物並びに光半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170621

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180403

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181003