JP2014208745A - 予備発泡粒子及びその製造方法並びに発泡成形体の製造方法 - Google Patents

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皓樹 大脇
Koki Owaki
皓樹 大脇
加藤 智也
Tomoya Kato
智也 加藤
高野 雅之
Masayuki Takano
雅之 高野
裕太 福崎
Yuta Fukuzaki
裕太 福崎
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Abstract

【課題】 本発明は、熟成工程を必要とすることなく型内発泡成形法に用いて発泡成形体を製造することができる予備発泡粒子を提供する。
【解決手段】 本発明の予備発泡粒子は、発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られた予備発泡粒子であって、上記予備発泡直後の上記予備発泡粒子を23℃、相対湿度50%、大気圧下にて10分間に亘って放置した後における予備発泡粒子に含有されている100℃、大気圧下での気体総量V1(cm3/g)と、上記予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)とが所定の関係を満たしていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、予備発泡粒子及びその製造方法並びに発泡成形体の製造方法に関する。
従来からスチレン系樹脂発泡成形体は、型内発泡成形法によって製造されている。具体的には、易揮発性有機化合物などの物理型発泡剤を含有する発泡性スチレン系樹脂粒子を一般的に水蒸気によって加熱して予備発泡粒子とし、この予備発泡粒子を型内に充填した上で水蒸気などの加熱媒体で加熱、発泡させて予備発泡粒子間の隙間を埋めながら発泡圧によって互いに融着一体化させた後、得られた発泡成形体を金型内にて冷却する冷却工程を経て製造されている。
上述のように、発泡性スチレン系樹脂粒子から発泡成形体を製造するにあたって、発泡性スチレン系樹脂粒子は、加熱媒体によって加熱されて予備発泡させられて予備発泡粒子とされる。
得られた予備発泡粒子は、その予備発泡後、加熱状態から冷却されるため、予備発泡粒子中に含有されている発泡ガスの体積が減少すると共に、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡工程中に吸収した水蒸気が液体化し、その結果、予備発泡粒子の内部は減圧状態となっている。
そのため、通常、予備発泡粒子は、常温、大気圧下にて6〜24時間に亘って熟成され、この熟成工程において、予備発泡粒子内に空気を流入させると共に水分を外部に放散させることによって予備発泡粒子内の減圧状態を解消した上で、型内発泡成形に用いられる。
上述の熟成工程は、上述のように6〜24時間という長時間を要するために発泡成形体の生産効率が低下すると共に、予備発泡粒子の熟成のためのスペースも要し、予備発泡粒子の熟成に用いられる装置の維持管理費用も要するためにコスト的にも問題点を有している。
特許文献1には、平均気泡径が400μm以上1500μm以下であり、表層部に存在する小気泡が0個以上5個以下であるスチレン系樹脂予備発泡粒子が開示されている。このスチレン系樹脂予備発泡粒子の製造にあたっては、段落番号〔0030〕に、発泡性スチレン系樹脂粒子を水蒸気、熱風などを用いて加熱して予備発泡することが開示されている。そして、実施例においては、スチレン系樹脂予備発泡粒子を24時間にわたって熟成(養生)しており、上記スチレン系樹脂予備発泡粒子は熟成工程が必要であることが開示されている(段落番号〔0038〕)。
特許文献2には、ポリスチレン系樹脂100重量部に、ヘキサブロモシクロドデカンをハロゲン系難燃剤として0.1〜6重量部及び脂肪族ビスアマイドを0.001〜0.3重量部含有させる発泡性ポリスチレン粒子が開示されている。そして、実施例1においては、予備発泡粒子を室温で1日熟成させており、熟成工程が必要であることが開示されている(段落番号〔0040〕)。
特許文献3には、発泡性スチレン系重合体粒子の製造に使用されるスチレン系重合体粒子であって、積分球方式色差計にて測定した白度が40〜60であるスチレン系重合体粒子が開示されている。そして、発泡性スチレン系重合体粒子の予備発泡には水蒸気が用いられることが記載され(段落番号〔0030〕)、実施例においても、予備発泡粒子は15℃の恒温室において5日間熟成されており、熟成工程が必要であることが開示されている。
以上のように、何れの予備発泡粒子も熟成工程を必要としており、上記問題点を解決するには至っておらず、熟成工程の必要のない予備発泡粒子が所望されていた。
特開2010−84098号公報 特許第4035979号公報 特許第3306348号公報
本発明は、熟成工程を必要とすることなく型内発泡成形法に用いて発泡成形体を製造することができる予備発泡粒子及びその製造方法並びに予備発泡粒子を用いた発泡成形体の製造方法を提供する。
本発明の予備発泡粒子は、発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られた予備発泡粒子であって、上記予備発泡直後の上記予備発泡粒子を23℃、相対湿度50%、大気圧下にて10分間に亘って放置した後における予備発泡粒子に含有されている100℃、大気圧下での気体総量V1(cm3/g)と、上記予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)とが下記式1を満たしていることを特徴とする。
気体総量V1(cm3/g)>予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)×0.9・・式1
本発明者らは、発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡して得られた直後の予備発泡粒子を23℃、相対湿度50%、大気圧下にて10分間に亘って放置した後における予備発泡粒子に含有されている100℃、大気圧下での気体総量V1(cm3/g)と、上記予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)とが特定の関係を満たしている場合に、熟成工程を必要とせずとも発泡成形体を製造することができることを見出したものである。
本発明の予備発泡粒子の製造方法は、発泡性スチレン系樹脂粒子を熱風によって加熱して予備発泡させて予備発泡粒子を製造する製造方法であって、上記発泡性スチレン系樹脂粒子中に含浸されている100℃、大気圧下での発泡剤の含浸量V0(cm3/g)と上記予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)が下記式2を満たしていると共に、上記熱風の温度が90〜130℃で且つ上記熱風中に含まれている水分量が50g/m3以下であることを特徴とする。
発泡剤の含浸量V0(cm3/g)>予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)×0.5・・式2
即ち、本発明は、発泡性スチレン系樹脂粒子を熱風によって加熱して予備発泡させて予備発泡粒子を製造するにあたって、製造しようとする予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)と発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれている発泡剤の含浸量V0(cm3/g)とが所定の関係を満たし、且つ、発泡性スチレン系樹脂粒子を加熱する熱風の温度及び熱風中に含まれている水分量を50g/m3以下とすることによって熟成工程を必要としない予備発泡粒子を製造できることを見出したものである。
先ず、発泡性スチレン系樹脂粒子について説明する。発泡性スチレン系樹脂粒子を構成しているスチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレンなどのスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体などが挙げられる。
又、上記スチレン系樹脂としては、上記スチレン系モノマー成分を主成分とする、上記スチレン系モノマーとこのスチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよく、このようなビニルモノマーとしては、例えば、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの多官能性モノマー;(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、多官能性モノマーが好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンがより好ましく、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、上記スチレンと共重合可能なモノマーは単独で用いられても併用されてもよい。(メタ)アクリは、アクリ又はメタクリを意味する。
発泡性スチレン系樹脂粒子中には発泡剤が含浸されている。発泡剤としては、加熱によって体積が膨張しスチレン系樹脂の発泡に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタンなどの脂肪族炭化水素、HCFC−141b、HCFC−142、HCFC−124、HFC−152a、HFC−134aなどのハロゲン化炭化水素などの炭化水素が挙げられる。
発泡剤の炭素数は、少なすぎると、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡時に、発泡剤の発泡性スチレン系樹脂粒子外への散逸が多くなり易くなるため、比較的低温の熱風で発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡する必要があり、そのために発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡に要する時間が長くなってしまい、予備発泡粒子の生産効率が低下する虞れがあり、多すぎると、発泡剤の分子量が大きくなるために、発泡剤の気体体積を増加させるためには発泡剤のスチレン系樹脂粒子への含浸量を増加させる必要があり、その結果、得られる予備発泡粒子が可塑化し、型内発泡成形時の成形性が低下する虞れがあるので、4〜6が好ましく、4がより好ましい。
次に、上記発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法について説明する。この発泡性スチレン系樹脂粒子は、スチレン系モノマー或いはスチレン系モノマーとこのスチレンと共重合可能なモノマー(以下、総称して「原料モノマー」という)との重合中或いは重合後に、得られたスチレン系樹脂粒子中に発泡剤を含浸させることによって製造することができる。
上記スチレン系樹脂粒子の製造方法としては、従来から汎用の方法が用いられ、例えば、1)原料モノマーを水中に懸濁させ重合開始剤の存在下で重合させる懸濁重合方法、2)水性媒体中に種粒子として微細なスチレン系樹脂粒子を分散させた上でこの水性媒体中に原料モノマーを連続的又は断続的に供給して重合開始剤の存在下で懸濁重合するシード重合方法、3)上記重合方法1)2)で得られたスチレン系樹脂を押出機にて所望の粒度に調整する方法などが挙げられ、懸濁重合方法及びシード重合方法が好ましい。
又、上記重合開始剤としては、従来からスチレン系モノマーの重合に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3、3、5−トリメチルヘキサノエート、ジーt−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレートなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられる。なお、上記重合開始剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
上記スチレン系樹脂粒子は球状であるのが好ましく、スチレン系樹脂粒子の粒径は、金型内への充填性などを考慮すると、0.3〜2.0mmが好ましく、0.3〜1.4mmがより好ましい。
そして、上記の如くして得られたスチレン系樹脂粒子への発泡剤の含浸方法は、従来から汎用の方法が用いられ、例えば、スチレン系樹脂粒子に発泡剤を高圧下にて含浸させる方法、スチレン系樹脂粒子を押出機にて造粒する場合には押出機内に発泡剤を供給する方法が挙げられる。
本発明の予備発泡粒子は、発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られたものである。本発明の予備発泡粒子は、発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られた直後の予備発泡粒子を23℃、相対湿度50%、大気圧下にて10分間に亘って放置した後における予備発泡粒子に含有されている100℃、大気圧下での気体総量V1(cm3/g)と、予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)とが下記式1を満たしている。
気体総量V1(cm3/g)>予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)×0.9・・式1
上記式1を満たすことによって、予備発泡完了直後において、水分の吸収が少なくて気泡内部の減圧度合いがより緩和された予備発泡粒子とすることができ、よって、このような予備発泡粒子によれば、熟成工程を経ることなく型内発泡成形によって発泡成形体をより容易に製造することができる。
予備発泡粒子中に含有されている気体総量V1(cm3/g)は、予備発泡粒子中に含まれている発泡剤及び空気の総量をいう。気体総量V1(cm3/g)は予備発泡粒子中に含まれている発泡剤の含有量(重量%)及び空気の含有量(重量%)を下記の方法で測定した後、後述する要領で算出する。
先ず、予備発泡粒子中に含まれている発泡剤及び空気の含有量(重量%)の測定方法を説明する。予備発泡粒子中の発泡剤及び空気の含有量(重量%)はガスクロマトグラフを使って測定することができる。
予備発泡粒子の試料10〜20mgを精秤し、熱分解炉の分解炉入口に試料をセットして15秒ほどキャリアーガス(ヘリウムガス)でパージを行い、試料をセットした時の混合ガスを排出する。しかる後、試料を炉心まで挿入して加熱することによりガスを放出させ、ガスクロマトグラフを用いて放出ガスを測定する。具体的には、例えば、下記の装置及び条件にて測定することができる。
得られたクロマトチャートのピーク面積からそれぞれの標準ガス検量線を使用して試料中の残存ガスを定量する。なお、標準ガス検量線は、絶対検量線法によって予め作成しておく。
〔ガスクロマトグラフ条件〕
測定装置:ガスクロマトグラフ GC−14B(島津製作所製)
カラム:ポラパックQ(80/100)3mmφ×1.5m(ジーエルサイエンス社製)
データ処理装置:C−R3A
検出器:TCD
カラム温度:100℃(ブタンおよびエアー測定時)、120℃(ペンタンおよびエアー測定時)
注入口温度:120℃(ブタンおよびエアー測定時)、140℃(ペンタンおよびエアー測定時)
検出器温度:120℃(ブタンおよびエアー測定時)、140℃(ペンタンおよびエアー測定時)
キャリアーガス:ヘリウム
キャリアーガス流量:1mL/min
〔加熱炉条件〕
測定装置:熱分解炉PYR−1A(島津製作所製)
加熱炉温度:180℃
〔算出条件〕
検量線標準ガス:空気、発泡剤(例えば、イソブタン、ノルマルペンタン)
結果において、ノルマルブタンガス量はイソブタン換算量、イソペンタンガス量はノルマルペンタン換算量とする。
次に、気体総量V1(cm3/g)の算出方法について記載する。上記測定方法によって得られた発泡剤の含有量(重量%)及び空気の含有量(重量%)を基にして下記式により算出する。なお、発泡剤が複数種類の発泡剤の混合物である場合には、それぞれの発泡剤の含有量を算出し、それぞれの発泡剤の含有量の和を、予備発泡粒子中に含有されている発泡剤量とする。
発泡剤量(cm3/g)=306×発泡剤の含有量(重量%)/発泡剤の分子量
空気量(cm3/g)
=306×空気の含有量(重量%)/空気の平均分子量(28.8)
気体総量V(cm/g)=発泡剤量(cm3/g)+空気量(cm3/g)
又、後述する発泡性スチレン系樹脂粒子に含まれる発泡剤の含浸量V0は上記の要領で発泡剤量(重量%)を測定し、この発泡剤量に基づいて下記式により算出する。なお、発泡剤が複数種類の発泡剤の混合物である場合には、それぞれの発泡剤の含有量を算出し、それぞれの発泡剤の含有量の和を、発泡性スチレン系樹脂粒子中に含浸されている発泡剤量とする。
発泡剤の含浸量V0(cm3/g)=306×発泡剤の含有量(重量%)
/発泡剤の分子量
次に、予備発泡粒子の製造方法について説明する。先ず、発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれている発泡剤の含浸量V0(cm3/g)と予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)との関係について説明する。発泡性スチレン系樹脂粒子を熱風により予備発泡させる際の発泡性は、発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれている発泡剤の含浸量によって左右され、発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれている発泡剤の含浸量が多くなればなるほど予備発泡に要する時間が短くなる。又、予備発泡後の予備発泡粒子内部の発泡剤の残存量を多くすることができ、予備発泡直後の予備発泡粒子内部の減圧度合いを低減させることができる。そのため、嵩倍数が高倍の場合においても熟成工程を必要としない予備発泡粒子の製造が可能となる。
そこで、発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させるにあたって、本発明者は、発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれている発泡剤の含浸量V0(cm3/g)と、予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)との関係について鋭意検討したところ、発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させるための前提条件として、発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれている発泡剤の含浸量V0(cm3/g)と予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)とが下記式2を満たしている必要があることを見出した。
発泡剤の含浸量V0(cm3/g)>予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)×0.5・・式2
上記式2を満たしていることによって、熱風発泡における発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性を向上させて、予備発泡時間を最適化することができる。又、得られる予備発泡粒子中への空気の流入の円滑化を図ることができると共に予備発泡粒子内に残存する発泡剤量を多くすることができる。従って、製造直後の予備発泡粒子内部の減圧度合いを低減させて、製造直後の予備発泡粒子に含まれている気体総量を十分なものとすることができ、熟成工程の必要のない予備発泡粒子を製造することができる。
一方、発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれている発泡剤の含浸量V0(cm3/g)が多くなりすぎると、発泡剤によってスチレン系樹脂が可塑化し、型内発泡成形によって得られた発泡成形体にヒケや収縮が生じることがあるので、下記式3を満たしていることが好ましい。
予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)×3.5>発泡剤の含浸量V0(cm3/g)・・式3
発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれている発泡剤の含浸量V0(cm3/g)は、高圧下で発泡剤をスチレン系樹脂粒子に含浸する際の発泡剤の仕込量や押出機に投入する発泡剤量を調整したり、又は、発泡剤を含浸された発泡性スチレン系樹脂粒子を大気開放下0℃〜60℃の温度で所定時間に亘って静置することによって調整することができる。
本発明の予備発泡粒子の製造方法は、好ましくは嵩倍率Eが20〜100倍の予備発泡粒子、より好ましくは嵩倍率Eが20〜80倍の予備発泡粒子、特に好ましくは嵩倍率Eが20〜70倍の予備発泡粒子を製造する場合に熟成工程を要しない予備発泡粒子を効果的に製造することができる。
又、予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)は、JIS K6911:1995「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定した値をいう。具体的には、見かけ密度測定器を用いて予備発泡粒子をメスシリンダー内に自然落下させ、その重量を測定し、下記の式により算出する。
嵩密度(kg/m3)=重量(kg)/メスシリンダー内の粒子容積(m3
嵩倍数(倍)=予備発泡粒子を構成しているスチレン系樹脂の比重
/嵩密度(kg/m3
本発明では、発泡剤の含浸量が式2を満たす発泡性スチレン系樹脂粒子を用い、この発泡性スチレン系樹脂粒子を温度が90〜130℃で且つ水分量が50g/m3以下である熱風によって加熱して予備発泡させることによって熟成工程を必要としない予備発泡粒子を製造する。なお、予備発泡粒子の熟成工程とは、常温、大気圧下にて6時間を超えて静置する工程をいう。
発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させる時に用いられる熱風の温度は、低すぎると、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡に要する時間が長時間となり、又は、発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させることができず、高すぎると、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡時の発泡速度が急速になりすぎて、発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られる予備発泡粒子中に空気を円滑に流入させることができないので、90〜130℃に限定され、95〜120℃が好ましく、100〜110℃がより好ましい。
発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させる時に用いられる熱風中に含まれている水分量は50g/m3以下に限定され、25g/m3以下が好ましく、10g/m3以下がより好ましい。発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させる時に用いられる熱風中に含まれている水分量は、高すぎると、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡時に、発泡性スチレン系樹脂粒子中に水分が過剰に流入する。予備発泡中に発泡性スチレン系樹脂粒子中に流入した水分は、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡の完了後の予備発泡粒子の冷却に伴って液化し、体積が大きく減少する。このため、予備発泡粒子内の減圧を解消するために、液化した水分の除去のために熟成工程が必要になると共に、予備発泡粒子中に余分な水分が残存していると、予備発泡粒子を用いた型内発泡成形時に予備発泡粒子に加えた熱量が予備発泡粒子中の水分に吸収されるために、予備発泡粒子の発泡性が低下して型内発泡成形性が低下する。
熱風中に含まれている水分量は下記の要領で測定される。先ず、熱風を発生させる雰囲気の温度及び相対湿度を測定することによって熱風中に含まれている水分量を算出することができる。
熱風を発生させる雰囲気中の温度tから飽和水蒸気圧eを下記式に基づいて算出する。次に、算出した飽和水蒸気圧e(hPa)、温度t(℃)及び相対湿度rh(%)から下記式に基づいて熱風中の水分量(g/m3)を算出する。
飽和水蒸気圧e(hPa)=6.11×10(7.5t/(t+237.3))
熱風中の水分量(g/m3)=217×e×rh/〔(t+273.15)×100〕
発泡性スチレン系樹脂粒子を加熱する時に供給される熱風量は、少なすぎると、発泡性スチレン系樹脂粒子を十分に加熱することができず、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡が不十分となることがあり、多すぎると、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡時の発泡速度が急速になりすぎて、発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られる予備発泡粒子中に空気を円滑に流入させることができない虞れ、又は、発泡性スチレン系樹脂粒子を均一に予備発泡させることができず、予備発泡粒子の発泡倍率にばらつきが発生する虞れがあるので、予備発泡を行う雰囲気の体積0.1m3当たり0.2〜10m3/分が好ましく、1〜5m3/分がより好ましく、1.5〜4m3/分が特に好ましい。
発泡性スチレン系樹脂粒子を加熱する時の熱風の供給時間は、短すぎると、発泡性スチレン系樹脂粒子を熱風によって十分に加熱することができず、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡が不十分となることがあり、長すぎると、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡が過多になり、得られる予備発泡粒子の合着を生じる虞れがあるので、120〜500秒が好ましい。
本発明の方法では、予備発泡前若しくは予備発泡中の発泡性スチレン系樹脂粒子に、又は予備発泡粒子に、帯電防止剤により表面処理を施すことが好ましい。帯電防止剤を用いた表面処理により、予備発泡粒子の帯電量を低減することができる。帯電防止剤を用いた表面処理は、予備発泡中の発泡性スチレン系樹脂粒子又は予備発泡粒子に施すことが好ましい。
帯電防止剤としては、特に制限されないが、グリコール類、及び界面活性剤などが好ましく挙げられる。帯電防止剤は、一種単独で用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
グリコール類としては、アルキレングリコール及びポリアルキレングリコールが挙げられる。具体的には、エチレングリコール及びプロピレングリコールなどのアルキレングリコール;ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールが挙げられる。
界面活性剤としては、脂肪族アルキル第4級アンモニウム塩、及びトリアルキルベンジルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤;アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、及びアルキルホスフェート等のアニオン系界面活性剤;アルキルモノエタノールアミン、アルキルポリエーテルアミン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミン、及びポリアルキレングリコール誘導体等の非イオン系界面活性剤;アルキルベタイン、及びアルキルイミダゾリウムベタイン等の両性界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤の炭素数は、5〜20が好ましい。なかでも、カチオン系界面活性剤が好ましく、脂肪族アルキル第4級アンモニウム塩がより好ましく、オクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェートが特に好ましい。カチオン系界面活性剤は、予備発泡粒子の帯電量を高く低減できる。
界面活性剤は、10〜30℃の温度で液状であることが好ましい。液状の界面活性剤によれば、溶媒を用いずに効率的に発泡性スチレン系樹脂粒子又は予備発泡粒子に表面処理を施すことができる。液状の界面活性剤としては、オクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェートが挙げられる。
帯電防止剤を用いた表面処理は、発泡性スチレン系樹脂粒子又は予備発泡粒子と帯電防止剤とを混合することにより行うことができる。これにより、発泡性スチレン系樹脂粒子表面又は予備発泡粒子表面に帯電防止剤を均一に付着させることができる。発泡性スチレン系樹脂粒子又は予備発泡粒子に帯電防止剤を添加する際、帯電防止剤の添加は間欠的に又は連続的に行うことができる。帯電防止剤の添加は、特に制限されないが、ポンプやスポイトを用いて行うことができる。
予備発泡粒子と帯電防止剤とを混合する場合には、予備発泡粒子及び帯電防止剤をエアーを用いて撹拌しながら混合することができる。これにより、予備発泡粒子及び帯電防止剤を巻き上げながら予備発泡粒子に帯電防止剤によって均一に表面処理を施すことができる。
発泡性スチレン系樹脂粒子又は予備発泡粒子と帯電防止剤とを混合する際、発泡性スチレン系樹脂粒子又は予備発泡粒子100重量部に対する帯電防止剤の重量比は、0.5〜5重量部が好ましく、1〜2重量部がより好ましい。帯電防止剤が少な過ぎると、発泡性スチレン系樹脂粒子又は予備発泡粒子の帯電量を充分に低減することができない虞れがある。また、帯電防止剤が多過ぎると、発泡性スチレン系樹脂粒子又は予備発泡粒子がべたつくようになり、取り扱い性が低下する。
上述のように、所定量の発泡剤が含浸されている発泡性スチレン系樹脂粒子を所定温度で且つ水分量が所定以下の熱風を用いて加熱して予備発泡させることによって、予備発泡中に、発泡性スチレン系樹脂粒子中に水蒸気が流入するのをできるだけ防止しながら、発泡途上の発泡性スチレン系樹脂粒子中に空気を円滑に流入させ、得られる予備発泡粒子の気泡内の圧力が減圧下となるのを概ね防止して、予備発泡粒子を製造することができる。
従って、本発明の予備発泡粒子の製造方法で製造された予備発泡粒子は、従来の予備発泡粒子において、予備発泡粒子の気泡内の減圧状態を解消するために必要とされていた熟成工程が必要なく、製造後直ちに型内発泡成形に用いて発泡成形体を製造することができる。
具体的には、得られた予備発泡粒子を金型のキャビティ内に充填した上で水蒸気などの加熱媒体をキャビティ内に供給して予備発泡粒子を加熱して予備発泡粒子を二次発泡させ、予備発泡粒子を二次発泡させて得られる発泡粒子同士をこれらの発泡粒子の発泡圧力によって隙間なく熱融着一体化させた後に、金型のキャビティ内で冷却させることによって発泡成形体を得ることができる。
型内発泡成形時、予備発泡粒子には上述の通り、これに含まれている水分量が極めて少ないことから、型内発泡成形時に予備発泡粒子の加熱のために供給される加熱媒体の熱量が予備発泡粒子中に含まれる水分に吸収されることはなく、予備発泡粒子は優れた二次発泡性を発揮し、得られる発泡成形体は優れた外観及び機械的強度を有する。
本発明の予備発泡粒子の製造方法は、上述の如き構成を有していることから、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡時に、発泡性スチレン系樹脂粒子中に水分の流入をできるだけ阻止しながら空気を円滑に流入させることができ、得られる予備発泡粒子はその気泡の内圧が殆ど減圧されていない状態となっている。従って、本発明の予備発泡粒子の製造方法によって製造される予備発泡粒子は、その気泡の内圧の減圧を解消すると共に予備発泡粒子内部に吸収された水分を除去するための熟成工程を必要とせず、製造直後から直ちに型内発泡成形に用いて発泡成形体の製造を行うことができ、発泡成形体の生産効率の向上と、熟成工程に必要な装置及びスペースの解消を図ることができてコスト削減を図ることができる。
予備発泡粒子について、横軸を嵩倍率E(倍)とし、縦軸を気体総量V1(cm3/g)としたグラフ。 横軸を予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)とし、縦軸を発泡性ポリスチレン粒子中に含有されていた発泡剤の含浸量V0(cm3/g)としたグラフ。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本実施例に何ら限定されるものでない。
(実施例1〜10、比較例1〜9、参考例1)
内容量100リットルの攪拌機付き重合容器に、水40000重量部、懸濁安定剤として第三リン酸カルシウム100重量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム2.0重量部を供給し攪拌しながらスチレンモノマー40000重量部並びに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド96.0重量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート28.0重量部を添加した上で90℃に昇温して重合した。そして、この温度で6時間保持し、更に、125℃に昇温してから2時間後に冷却してポリスチレン粒子を得た。
ポリスチレン粒子を篩分けし、種粒子として粒子径0.5〜0.71mmのポリスチレン粒子を得た。
次に、攪拌機付き重合容器内に、水40000重量部、種粒子としてポリスチレン粒子10000重量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム120.0重量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム6.0重量部を供給して攪拌しながら75℃に昇温した。
続いて、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド110.0重量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート4.0重量部をスチレンモノマー2000重量部に溶解させたものを上記重合容器に供給してから、75℃で60分保持した。
60分経過後に重合容器内の反応液を110℃まで150分で昇温しつつ、且つスチレンモノマー28000重量部を150分かけて重合容器内にポンプで一定量ずつ供給した上で、120℃に昇温して2時間経過後に70℃まで冷却し、重量平均分子量が30万のポリスチレン粒子を得た。
続いて、重合容器内の反応液を100℃に再度昇温した後、ポリスチレン粒子が入った重合容器内にポリスチレン粒子100重量部に対して表1に示した発泡剤を表1に示した量となるように圧入して3時間に亘って保持し、ポリスチレン粒子に発泡剤を含浸させて発泡性ポリスチレン粒子を得た。しかる後、反応液を30℃以下まで冷却した上で重合容器内から取り出し、塩酸20モル/Lの塩酸300mLを添加し、攪拌した。なお、表1中、「イソブタン/ノルマルブタン」とあるのは、イソブタン25重量%及びノルマルブタン75重量%を含むブタンを意味する。
次に、目開き0.5mmの金網にて発泡性ポリスチレン粒子を脱水し、発泡性ポリスチレン粒子に水40リットルを再度、注入して攪拌した後、目開き0.5mmの金網にて発泡性ポリスチレン粒子を脱水した。しかる後、発泡性ポリスチレン粒子を脱水して乾燥させた上で13℃の恒温室内に5日間放置して粒径が0.7〜0.9mmの発泡性ポリスチレン粒子を得た。発泡性ポリスチレン粒子中に含有されている発泡剤の含浸量V0(cm3/g)を表1に示した。
続いて、発泡性ポリスチレン粒子の表面に、発泡性ポリスチレン粒子100重量部に対してブロッキング防止剤としてステアリン酸亜鉛0.1重量部及び融着促進剤として12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド0.05重量部を被覆処理した。
得られた発泡性ポリスチレン粒子を公知の構造を有する容積0.08m3の発泡性スチレン系樹脂粒子用予備発泡装置に供給し、加熱媒体として、表1に示した温度及び水分量を有する熱風、又は、表1に示した温度及び水分量を有する水蒸気を表1に示したキャビティの体積0.1m3当たりの供給量でもって表1に示した予備発泡時間だけ発泡性ポリスチレン粒子に供給して発泡性ポリスチレン粒子を加熱して予備発泡させて表1に示した嵩倍率Eを有する予備発泡粒子を得た。なお、比較例4では、予備発泡粒子同士が合着してしまい、予備発泡粒子を得ることができなかった。
製造された直後(予備発泡完了直後)の予備発泡粒子を何らの処理をすることなく直ちに23℃、相対湿度50%、大気圧下に10分間に亘って放置した後における予備発泡粒子中に含有されている100℃、大気圧下での空気量、発泡剤量及び気体総量を表1に示した。
参考例1の予備発泡粒子についてのみ、23℃、相対湿度50%、大気圧下にて24時間に亘って熟成した。なお、熟成後の予備発泡粒子中に含有されている100℃、大気圧下での空気量、発泡剤量及び気体総量を表1に括弧書きで示した。実施例1〜10及び比較例1〜9の予備発泡粒子については熟成を行わなかった。
得られた予備発泡粒子を金型のキャビティ内に充填し、金型のキャビティ内に水蒸気を蒸気圧68.6kPa(0.7kgf/cm2)で17秒間に亘って加熱することによって予備発泡粒子を加熱し、予備発泡粒子を二次発泡させ、予備発泡粒子を二次発泡させて得られる発泡粒子同士を熱融着一体化させた後に5秒間に亘って冷水を供給して冷却することによって縦400mm×横300mm×厚み30mmの直方体形状の発泡成形体を得た。
(実施例11)
発泡性ポリスチレン粒子を下記の要領に従って予備発泡させて予備発泡粒子を得た以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を製造した。
発泡性ポリスチレン粒子を公知の構造を有する容積0.08m3の発泡性スチレン系樹脂粒子用予備発泡装置に供給し、加熱媒体として、表1に示した温度及び水分量を有する熱風を表1に示したキャビティの体積0.1m3当たりの供給量でもって表1に示した予備発泡時間だけ発泡性ポリスチレン粒子に供給すると共に、帯電防止剤として分子量が300であるポリエチレングリコール(PEG)を発泡性ポリスチレン粒子100重量部に対して表1に示した量となるようにポンプにより間欠的に供給し、これにより発泡性ポリスチレン粒子を加熱して予備発泡させながら、発泡性ポリスチレン粒子に帯電防止剤により表面処理を施して、表1に示した嵩倍率Eを有し且つ帯電防止剤により表面処理が施された予備発泡粒子を得た。
表面処理後の予備発泡粒子を任意に10g採取した後、採取した予備発泡粒子の帯電量を、帯電量測定器(住友スリーエム社製 製品名「静電気センサー Model 718」)を用いて測定した。そして、帯電量の測定を10回行い、その相加平均値を予備発泡粒子の帯電量とした。実施例1の予備発泡粒子の帯電量に対して、実施例11の表面処理後の予備発泡粒子の帯電量は1/4倍であった。
(実施例12〜14)
下記の要領に従って予備発泡粒子を作製した後に帯電防止剤により表面処理を施した以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を製造した。
発泡性ポリスチレン粒子を公知の構造を有する容積0.08m3の発泡性スチレン系樹脂粒子用予備発泡装置に供給し、加熱媒体として、表1に示した温度及び水分量を有する熱風を表1に示したキャビティの体積0.1m3当たりの供給量でもって表1に示した予備発泡時間だけ発泡性ポリスチレン粒子に供給して発泡性ポリスチレン粒子を加熱して予備発泡させて表1に示した嵩倍率Eを有する予備発泡粒子を得た。
製造された直後(予備発泡完了直後)の予備発泡粒子を何らの処理をすることなく直ちに23℃、相対湿度50%、大気圧下に10分間に亘って放置した後における予備発泡粒子中に含有されている100℃、大気圧下での空気量、発泡剤量及び気体総量を表1に示した。
続いて、発泡性スチレン系樹脂粒子用予備発泡装置に、帯電防止剤として、分子量が300であるポリエチレングリコール(PEG)、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(SDBS)、又はオクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート(AES)を、予備発泡粒子100重量部に対して表1に示した量となるように、ポンプにより連続的に供給しながら予備発泡粒子と帯電防止剤とを撹拌することにより、予備発泡粒子に帯電防止剤により表面処理を施した。その後、実施例1と同様の要領に従って、表面処理された予備発泡粒子を二次発泡させて発泡成形体を得た。
表面処理後の予備発泡粒子から任意に10gを採取した後、採取した予備発泡粒子の帯電量を、帯電量測定器(住友スリーエム社製 製品名「静電気センサー Model 718」)を用いて測定した。そして、帯電量の測定を10回行い、その相加平均値を予備発泡粒子の帯電量とした。実施例1の予備発泡粒子の帯電量に対して、実施例12の表面処理後の予備発泡粒子の帯電量は1/4倍であり、実施例13の表面処理後の予備発泡粒子の帯電量は1/3倍であり、実施例14の表面処理後の予備発泡粒子の帯電量は1/20倍であった。
(評価)
得られた発泡成形体について、伸び、熱融着性、収縮及びヒケを下記の要領で測定し、その結果を表1及び2に示した。なお、参考例1について、熟成を行った予備発泡粒子を用いて得られた発泡成形体について評価した。予備発泡粒子に熟成を施したことを示すために括弧書きで記載した。
又、製造された直後(予備発泡完了直後)の予備発泡粒子を何らの処理をすることなく直ちに23℃、相対湿度50%、大気圧下に10分間に亘って放置した後における予備発泡粒子について、横軸を嵩倍率E(倍)とし、縦軸を気体総量V1(cm3/g)としたグラフを図1に示した。
更に、横軸を予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)とし、縦軸を発泡性ポリスチレン粒子中に含浸されていた発泡剤の含浸量V0(cm3/g)としたグラフを図2に示した。
(伸び)
発泡成形体表面の任意部分において、一辺が1cmの正方形状の測定区画を定め、測定区画内に存在している発泡粒子間の隙間の度合いをマイクロスコープを用いて観察し、下記基準に基づいて評価した。なお、測定区画内に完全に入っている発泡粒子のみを測定対象とした。
○・・・発泡粒子間の最大隙間が0.3mm未満であった。
×・・・発泡粒子間の最大隙間が0.3mm以上であった。
(熱融着性)
発泡成形体を厚み方向に折り曲げて二つに分割し、この分割断面を目視観察した。発泡成形体の分割断面において、全部の発泡粒子の数(a)と、発泡粒子同士が熱融着界面で破断することなく発泡粒子自体が破断された発泡粒子の数(b)とを数え、下記式に基づいて熱融着率を算出し、下記基準に基づいて判断した。
熱融着率(%)=100×b/a
○・・・熱融着率が60%以上であった。
△・・・熱融着率が40%以上で且つ60%未満であった。
×・・・熱融着率が40%未満であった。
(収縮)
発泡成形体の表面を目視観察し、発泡成形体の表面に形成された収縮の度合いを下記基準に基づいて評価した。
○・・・発泡成形体の表面に収縮は見られず、表面は美麗であった。
△・・・発泡成形体の表面の一部に収縮が見られたが、50℃にて24時間加熱すると
収縮は消失した。
×・・・発泡成形体の表面に重度な収縮が見られ、50℃にて24時間加熱しても収縮
は消失しなかった。
(ヒケ)
発泡成形体の表面を目視観察し、発泡成形体に生じたヒケの度合いを下記基準に基づいて評価した。
○・・・発泡成形体にヒケは見られず、金型のキャビティ形状通りの形状をしていた。
△・・・発泡成形体の表面の一部にヒケが見られたが、50℃にて24時間加熱すると
ヒケは消失した。
×・・・発泡成形体の表面に重度なヒケが見られ、50℃にて24時間加熱してもヒケ
は消失しなかった。
Figure 2014208745
Figure 2014208745

Claims (6)

  1. 発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られた予備発泡粒子であって、上記予備発泡直後の上記予備発泡粒子を23℃、相対湿度50%、大気圧下にて10分間に亘って放置した後における予備発泡粒子に含有されている100℃、大気圧下での気体総量V1(cm3/g)と、上記予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)とが下記式1を満たしていることを特徴とする予備発泡粒子。
    気体総量V1(cm3/g)>予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)×0.9・・式1
  2. 発泡性スチレン系樹脂粒子を熱風によって加熱して予備発泡させて予備発泡粒子を製造する製造方法であって、上記発泡性スチレン系樹脂粒子中に含浸されている100℃、大気圧下での発泡剤の含浸量V0(cm3/g)と上記予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)が下記式2を満たしていると共に、上記熱風の温度が90〜130℃で且つ上記熱風中に含まれている水分量が50g/m3以下であることを特徴とする予備発泡粒子の製造方法。
    発泡剤の含浸量V0(cm3/g)>予備発泡粒子の嵩倍率E(倍)×0.5・・式2
  3. 予備発泡前若しくは予備発泡中の発泡性スチレン系樹脂粒子に、又は予備発泡粒子に、帯電防止剤を用いて表面処理を施すことを特徴とする請求項2に記載の予備発泡粒子の製造方法。
  4. 帯電防止剤が、グリコール類及び/又は界面活性剤を含んでいることを特徴とする請求項3に記載の予備発泡粒子の製造方法。
  5. 請求項1に記載の予備発泡粒子、又は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の予備発泡粒子の製造方法で得られた予備発泡粒子を型内に充填して上記予備発泡粒子を加熱して二次発泡させ、上記予備発泡粒子を二次発泡させて得られる発泡粒子を熱融着一体化して発泡成形体を製造することを特徴とする発泡成形体の製造方法。
  6. 発泡性スチレン系樹脂粒子を加熱して予備発泡させてなる予備発泡粒子を製造後6時間以内に型内に充填して発泡成形体を製造することを特徴とする請求項5に記載の発泡成形体の製造方法。
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