JP2014208651A - Copdを処置するためのcd20結合分子 - Google Patents
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Abstract
【課題】慢性閉塞性肺疾患(COPD)の新規治療薬の提供。
【解決手段】CD20結合分子を有効成分として含有する慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療のための医薬。前記CD20結合分子は、オファツムマブ等の抗体、CD20に対するヒトモノクローナル抗体であることが好ましい。前記CD20結合分子は、気管支拡張薬、抗炎症剤、利尿剤、ジゴキシン、抗高血圧薬、コレステロール低下薬、抗うつ薬、α1−アンチトリプシン増強療法、粘液溶解薬、抗酸化剤、免疫刺激剤及び鎮咳薬から選択されるさらなる治療剤と併用することが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】CD20結合分子を有効成分として含有する慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療のための医薬。前記CD20結合分子は、オファツムマブ等の抗体、CD20に対するヒトモノクローナル抗体であることが好ましい。前記CD20結合分子は、気管支拡張薬、抗炎症剤、利尿剤、ジゴキシン、抗高血圧薬、コレステロール低下薬、抗うつ薬、α1−アンチトリプシン増強療法、粘液溶解薬、抗酸化剤、免疫刺激剤及び鎮咳薬から選択されるさらなる治療剤と併用することが好ましい。
【選択図】なし
Description
発明の分野
本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を処置するためのCD20結合分子の使用に関する。
本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を処置するためのCD20結合分子の使用に関する。
発明の背景
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、完全には可逆的ではない気流制限を特徴とする病状である。気流制限は、通常は進行性で、有害な粒子または気体に対する肺の異常な炎症応答に関連する。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、完全には可逆的ではない気流制限を特徴とする病状である。気流制限は、通常は進行性で、有害な粒子または気体に対する肺の異常な炎症応答に関連する。
COPDの有病率は、二つの研究での肺活量測定に基づき推定されており、40〜69歳の者での9.1%から60〜74歳の者での9.9%の範囲である。Dickinson JA et al. (1999) Thorax 54(6):501-505(非特許文献1)およびPena VS et al. (2000) Chest 118(4):981-989(非特許文献2)を参照されたい。
この疾患が初期に無症候性であることが原因で、患者の約20〜50%のみが診断を受けていると推定される。COPDは、世界中の死亡原因の4位であり、米国での有病者は約1000万人である。COPDの有病率は増え続けており、2020年には世界中で3番目に頻度の高い死亡原因および5番目に頻度の高い身体障害の原因となると推定される。Lopez (1998) Nat Med 4: 1241-1243(非特許文献3)を参照されたい。COPDのコストは米国で増え続けており、直接および間接的なコストは300億米ドルと推定された。Chen JC (1999) Cur Opinion Pulm Med 5:93-99(非特許文献4)を参照されたい。
COPDの主原因は喫煙であり、喫煙は、症例の約80%の原因となる。しかし、わずか20%の喫煙者がCOPDを発生する点で、他の遺伝要因および/または環境要因が重要と思われる。喫煙停止にかかわらず(90%のCOPD患者は元喫煙者である)、この疾患は最初の発病に続いて進行し続ける。Hogg JC et al. (2004) N Engl J Med 350(25):2645-2653(非特許文献5)を参照されたい。慢性気流制限は、末梢気道および肺実質における異常な炎症応答により起こる。
禁煙者における継続する炎症およびCOPDの進行の原因となるメカニズムは、未知である。喫煙は自然免疫応答の活性化を誘導する。しかし、適応免疫系の活性化が、喫煙停止にもかかわらず継続する炎症の原因のおそれがある。
自然免疫系は、迅速に反応するが記憶を欠いている。肺での自然免疫系には、粘膜毛様体クリアランス系、上皮バリア、マクロファージおよび好中性顆粒球が挙げられる。適応免疫系は、それよりもゆっくりと反応し、記憶を表現する。肺での適応免疫系には、体液性および細胞介在性応答の両方を含むB細胞およびT細胞が挙げられる。
肺炎は、マクロファージ、好中性顆粒球を含む自然炎症細胞およびTリンパ球、特にCD8+Tリンパ球およびCD20+B細胞を含む適応炎症細胞の流入を特徴とする。これらの炎症細胞は、IL-8、TNF-アルファ(TNF-α)、IL-6、LTB4、TGF-ベータ(TGF-β)、MCP-1およびプロテアーゼを含むいくつかの炎症促進メディエーターおよび炎症メディエーターの放出を仲介する。
炎症の結果として、慢性閉塞性気管支炎、粘液生成増加、気腫を生じる肺胞の塞栓および破壊が生じる。線維症もまた顕著な特徴であり、気道抵抗増加を起こす最も重要な要因の一つでありうる。喫煙停止だけが肺機能の減退を縮小することができ、喫煙停止後でさえも炎症は何年も続き、肺機能の低下を生じる。
この疾患の急激な増悪がよくみられ、肺機能のさらなる減退を生じる。増悪する間に、喀痰中のIL-8、LTB4、好中球およびIL-6が増加する。この増悪は、炎症応答の増強が原因と思われ、細菌感染およびウイルス感染により開始することがある。
COPDの患者は、症状の増大および肺機能の低下を特徴とするいくつかの段階を経て進行する。慢性閉塞性肺疾患に対するグローバルイニシアチブ (Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)(GOLD)は、COPDの重症度を以下のような五つのステージに分類することを導入した:
ステージO:慢性の咳嗽および喀痰の生成、スパイロメトリーは正常。
ステージ1:FEV1/FVC<70%、しかしFEV1≧80%、通常は慢性の咳嗽および喀痰の生成。
ステージ2:50%≦FEV1<80%、労作時の息切れ。
ステージ3:30%≦FEV1<50%予想、息切れの増大、増悪の繰り返し。
ステージ4:FEV1<30%、クオリティーオブライフがかなり損なわれる、増悪は致命的でありうる。
ステージO:慢性の咳嗽および喀痰の生成、スパイロメトリーは正常。
ステージ1:FEV1/FVC<70%、しかしFEV1≧80%、通常は慢性の咳嗽および喀痰の生成。
ステージ2:50%≦FEV1<80%、労作時の息切れ。
ステージ3:30%≦FEV1<50%予想、息切れの増大、増悪の繰り返し。
ステージ4:FEV1<30%、クオリティーオブライフがかなり損なわれる、増悪は致命的でありうる。
FEV1は1秒量であり、FVCは努力肺活量である。その評定は、スパイロメトリーによりERS (European Respiratory Society)/ATS (American Thoracic Society)の基準に準拠して行うことができる。
O'Shaugnessyら((1997) Am J Respir Crit Care Med 155:852-857)(非特許文献6)は29人の個体を含む研究を開示しているが、そこで著者らは、COPDを有する患者と健康な非喫煙対照との間に大気道の気管支生検中のB細胞数に差を見出さなかった。
D'hulst AIら((2005) Respiratory Research 6: 147)(非特許文献7)は、リンパ濾胞ならびに機能的B細胞およびT細胞を欠如したSCIDマウスに、タバコの煙の曝露で肺気腫を誘導する研究(COPDのマウスモデル)を開示している。著者らは、タバコの煙の曝露に応答した肺気腫発生に適応免疫系は本質的に必要ないこと、ならびに自然免疫系がCOPDおよび肺気腫の発病に大きな役割を果たすとこれらの結果が示唆していることを結論している。
Hogg JCら((2004) N Eng J Med 350:2645-2653)(非特許文献5)は、COPD GOLDステージ0〜4の患者159人から外科切除した肺組織における末梢気道を検討した。好中球、マクロファージ、CD4+細胞、CD8+細胞、B細胞、およびリンパ濾胞を含有する気道の数は、疾患が進行するにつれて増加したが、細胞の合計蓄積体積は、B細胞およびCD8+細胞に関してのみ増加した。さらに、COPDの進行と、B細胞濾胞を有する気道の率との間に強い相関があった。B細胞濾胞はCD4+細胞により囲まれていた。
Gosman MMEら((2006) Eur Respir J 27:60-64)(非特許文献8)は、COPD GOLDのステージ2および3を有する患者114人ならびにCOPDを有さない対照28人からの気管支生検を研究に組み入れて、中枢気道を検討した。この研究は、初期患者に比べ後期患者でB細胞数が増加することを実証している。喫煙の中断にかかわらず、炎症および肺機能の減退加速が長年続いた。
COPDの分子および細胞発病メカニズムは完全には理解されておらず、標的化療法による介入のための新しい手法を提供するには、探求すべき多数の道がある。
COPDの主な治療法には二つの種類の薬物、すなわち気管支拡張薬および抗炎症剤が挙げられる。主な部類の気管支拡張薬には、β2アゴニスト、メチルキサンチンおよび抗コリン作用薬が挙げられる。抗炎症剤には、吸入用コルチコステロイドおよびロイコトリエンアンタゴニストが挙げられる。吸入用コルチコステロイドは、増悪の回数を減らし、健康状態を増進することができるが、肺機能の減退に全く効果を及ぼさない。気管支拡張薬および抗炎症剤が同時に使用されることが多い。急性増悪の際に細菌感染が疑われるならば、抗生物質を追加してもよい。
喫煙停止または禁煙は、肺機能低下の部分的阻害を招くことができる。しかし、現在公知の治癒はなく、薬理学的介入は、FEV1により測定される肺機能の減退に今のところ影響を及ぼすことができない。
したがって、COPDの有効な治療法が依然として必要である。
Dickinson JA et al. (1999) Thorax 54(6):501-505
Pena VS et al. (2000) Chest 118(4):981-989
Lopez (1998) Nat Med 4: 1241-1243
Chen JC (1999) Cur Opinion Pulm Med 5:93-99
Hogg JC et al. (2004) N Engl J Med 350(25):2645-2653
O'Shaugnessy et al. (1997) Am J Respir Crit Care Med 155:852-857
D'hulst AI et al. (2005) Respiratory Research 6: 147
Gosman MME et al. (2006) Eur Respir J 27:60-64
本発明は、CD20結合分子がCOPDならびに/または気管支炎および気腫などの関連症状の処置に有効であるという発見に基づく。
したがって、本発明は、COPDの処置のためのCD20結合分子の使用、それを必要とする患者にこの疾患を処置する有効量のCD20結合分子を投与することを含むCOPDを処置する方法、およびCOPDの処置に使用するためのCD20結合分子を含む薬学的組成物に関する。
本発明の他の特徴および利点は、限定するものとしてみなしてはならない以下の詳細な説明および実施例から明らかになるであろう。
[本発明101]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用。
[本発明102]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるFEV1/FVC(%)またはFEV1(%)により測定される肺機能の改善を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用。
[本発明103]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるベースライン呼吸困難指数(baseline dyspnea index)(BDI)または経過的呼吸困難指数(transitional dyspnea index)(TDI)により測定される呼吸困難の低減を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用。
[本発明104]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における増悪の発生率および/または重症度の低減を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用。
[本発明105]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における以下により測定される炎症の低減を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用:
(i)該患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(ii)該患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(iii)該患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
(iv)該患者の気管支生検における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2 (好酸球)およびAA1 (マスト細胞)のうち一つもしくは複数のパラメーターの減少。
[本発明106]
医薬が、静脈内、腹腔内、吸入、気管支内、肺胞内、筋肉内、皮下または経口投与に適する、前記本発明のいずれかの使用。
[本発明107]
医薬が、静脈内注射または点滴に適する、本発明106の使用。
[本発明108]
医薬が、10〜2000mgの量、または0.05〜15マイクロモルの量のCD20結合分子の投与に適する、前記本発明のいずれかの使用。
[本発明109]
医薬が、それぞれ100〜2000mgの量のCD20結合分子を2週間間隔で2回投与することを含む処置療法においてCD20結合分子を投与するために適する、本発明108の使用。
[本発明110]
医薬が、100mgの量のCD20結合分子を1回投与し、続いてそれぞれ300〜2000mgの量のCD20結合分子を2回、第1の投薬のそれぞれ1週間後および3週間後に投与することを含む処置療法においてCD20結合分子を投与するために適する、本発明108の使用。
[本発明111]
処置療法が、3〜12カ月間隔、例えば6カ月間隔で1回または複数回繰り返される、本発明109または110の使用。
[本発明112]
CD20結合分子がCD20に対する抗体であることを特徴とする、前記本発明のいずれかの使用。
[本発明113]
抗体がCD20に対するモノクローナル抗体であることを特徴とする、本発明112の使用。
[本発明114]
抗体がCD20に対するヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする、本発明112または113の使用。
[本発明115]
抗体が、全長抗体、例えば全長IgG1抗体であることを特徴とする、本発明112〜114のいずれかの使用。
[本発明116]
CD20に対する抗体が、抗体断片、例えばscFvまたはUniBody(商標)(WO2007/059782に開示された一価抗体)であることを特徴とする、本発明112〜114のいずれかの使用。
[本発明117]
CD20に対する抗体が、ヒトCD20に対する親和性と少なくとも同じ親和性で変異体P172S CD20 (172位のプロリンがセリンに変異)に結合することを特徴とする、本発明112〜116のいずれかの使用。
[本発明118]
CD20に対する抗体が、CD20上の以下のエピトープに結合することを特徴とする、本発明112〜117のいずれかの使用:
(i)172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としない、エピトープ;
(ii)170位のアラニンもしくは172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としない、エピトープ;
(iii)163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ;
(iv)172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としないが、163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ;あるいは
(v)170位のアラニンもしくは172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としないが、163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ。
[本発明119]
CD20に対する抗体が、以下の特徴のうち一つまたは複数を有することを特徴とする、本発明112〜118のいずれかの使用:
(i)ヒトCD20に対する親和性と少なくとも同じ親和性で、変異体AxP (170位のアラニンがセリンに、172位のプロリンがセリンに変異)に結合する;
(ii)抗体濃度10μg/mlで、変異体N166D(166位のアスパラギンがアスパラギン酸に変異)に対して、ヒトCD20に比べ50%以上の低下した結合を示す;または
(iii)抗体濃度10μg/mlで、変異体N163D(163位のアスパラギンがアスパラギン酸に変異)に対して、ヒトCD20に比べ50%以上の低下した結合を示す。
[本発明120]
CD20に対する抗体がCD20上の不連続エピトープに結合し、該エピトープが第1の小型細胞外ループの部分および第2の細胞外ループの部分を含むことを特徴とする、本発明112〜119のいずれかの使用。
[本発明121]
CD20に対する抗体がCD20上の不連続エピトープに結合し、該エピトープが第1の小型細胞外ループの残基AGIYAPおよび第2の細胞外ループの残基MESLNFIRAHTPYIを有することを特徴とする、本発明120の使用。
[本発明122]
CD20に対する抗体が、配列番号:5、9、および11から選択されるVH CDR3配列を含むことを特徴とする、本発明112〜121のいずれかの使用。
[本発明123]
CD20に対する抗体が、配列番号:3のVH CDR1、配列番号:4のVH CDR2、配列番号:5のVH CDR3、配列番号:6のVL CDR1、配列番号:7のVL CDR2および配列番号:8のVL CDR3の配列を含むことを特徴とする、本発明112〜121のいずれかの方法。
[本発明124]
CD20に対する抗体が、配列番号:10のVH CDR1-CDR3スパン配列を含むことを特徴とする、本発明112〜121のいずれかの使用。
[本発明125]
CD20に対する抗体が、配列番号:1および配列番号:2にそれぞれ示すアミノ酸配列;または、配列番号:1および配列番号:2にそれぞれ示すアミノ酸配列に対して少なくとも95%相同な、さらに好ましくは少なくとも98%、もしくは少なくとも99%相同なアミノ酸配列を含む、ヒト重鎖可変領域およびヒト軽鎖可変領域を有することを特徴とする、本発明112〜121のいずれかの使用。
[本発明126]
CD20結合分子が、オファツムマブ(2F2)、11B8、7D8、2C6、AME-133、TRU-015、IMMU-106、オクレリズマブ(2H7.v16、PRO-70769、R-1594)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ)およびRituxan(登録商標)/MabThera(登録商標)(リツキシマブ)から選択されることを特徴とする、本発明112の使用。
[本発明127]
CD20に対する抗体が、以下により得られることを特徴とする、本発明112の使用:
ヒト重鎖導入遺伝子またはトランスクロモソーム、およびヒト軽鎖導入遺伝子またはトランスクロモソームを含むゲノムを有するトランスジェニック非ヒト動物に対し、該動物のB細胞により抗体が生成されるように、ヒトCD20をトランスフェクトされた細胞を免疫する段階;
該動物のB細胞を単離する段階;
該B細胞を骨髄腫細胞と融合させて、ヒトCD20に特異的なヒトモノクローナル抗体を分泌する不死のハイブリドーマ細胞を形成させる段階;および
該ハイブリドーマ、または該ハイブリドーマ由来のトランスフェクトーマの培養上清から、ヒトCD20に特異的なヒトモノクローナル抗体を単離する段階。
[本発明128]
CD20に対する抗体が、ヒトVH DP-44/D3-10/JH6b生殖細胞系配列(配列番号:12)由来の重鎖可変領域アミノ酸配列、およびヒトVL L6/JK4生殖細胞系配列(配列番号:13)由来の軽鎖可変領域アミノ酸配列;または、ヒトVH 3-09/D4-11/JH6b生殖細胞系配列(配列番号:14)由来の重鎖可変領域アミノ酸配列、およびヒトVL L6/JK5生殖細胞系配列(配列番号:15)由来の軽鎖可変領域アミノ酸配列を含み、該ヒト抗体がCD20に特異的に結合することを特徴とする、本発明112〜127のいずれかの使用。
[本発明129]
医薬が、一つまたは複数のさらなる治療剤と組み合わせて投与するために適する、前記本発明のいずれかの使用。
[本発明130]
一つまたは複数のさらなる治療剤が、以下からなる群より選択される、本発明129の使用:気管支拡張薬;抗炎症剤;利尿剤;ジゴキシン;抗高血圧薬;コレステロール低下薬;抗うつ薬;α1-アンチトリプシン増強療法(遺伝性α1-アンチトリプシン欠損症を有する患者の場合);粘液溶解薬、例えばアンブロキソロール(ambroxolol)、エルドステイン、カルボシステイン、およびヨウ素化グリセロール;抗酸化剤、例えばN-アセチルシステイン、免疫刺激剤、ならびに鎮咳薬。
[本発明131]
一つまたは複数のさらなる治療剤が、気管支拡張薬および抗炎症剤からなる群より選択される、本発明129の使用。
[本発明132]
一つまたは複数のさらなる治療剤が、以下からなる群より選択される一つまたは複数の気管支拡張薬を含む、本発明129の使用:短時間作用性または長時間作用性β2アゴニスト、例えばフェノテロール、サルブタモール、テルブタリン、フォルモテロールおよびサルメテロール;メチルキサンチン、例えばアミノフィリンおよびテオフィリン;抗コリン作用薬;ならびに吸入用抗コリン作用薬、例えばチオトロピウム、イプラトロピウムおよびオキシトロピウム。
[本発明133]
一つまたは複数のさらなる治療剤が、以下からなる群より選択される一つまたは複数の抗炎症剤を含む、本発明129の使用:吸入用コルチコステロイド、例えばフルチカゾン;全身性コルチコステロイド、例えばプレドニゾロン;およびロイコトリエンアンタゴニスト。
[本発明134]
一つまたは複数のさらなる治療剤が、以下からなる群より選択される、本発明129の使用:抗IL-8抗体、抗CD38抗体、抗CD25抗体、抗CRCR1抗体、抗CXCR2抗体、抗CD8抗体、およびEGFr阻害剤、例えば抗EGFr抗体。
[本発明135]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明136]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるFEV1/FVC(%)またはFEV1(%)により測定される肺機能の改善を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明137]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるベースライン呼吸困難指数(BDI)または経過的呼吸困難指数(TDI)により測定される呼吸困難の軽減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明138]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における増悪の発生率および/または重症度の低減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明139]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における以下により測定される炎症の低減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子:
(i)該患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(ii)該患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(iii)該患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
(iv)該患者の気管支生検における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2(好酸球)およびAA1(マスト細胞)のうち一つもしくは複数のパラメーターの減少。
[本発明140]
静脈内、腹腔内、吸入、気管支内、肺胞内、筋肉内、皮下または経口投与に適する、本発明135〜139のいずれかの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明141]
静脈内注射または点滴に適する、本発明135〜140のいずれかの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明142]
10〜2000mgの量、または0.05〜15マイクロモルの量で投与するための、本発明135〜141のいずれかの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明143]
本発明109〜111のいずれかの処置療法において投与するための、本発明135〜141のいずれかの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明144]
本発明112〜128のいずれかに定義される、本発明135〜143のいずれかの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明145]
本発明129〜134のいずれかに定義される一つまたは複数のさらなる治療剤と組み合わせて投与するための、本発明135〜143のいずれかの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明146]
CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物。
[本発明147]
CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるFEV1/FVC(%)またはFEV1(%)により測定される肺機能の改善を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物。
[本発明148]
CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるベースライン呼吸困難指数(BDI)または経過的呼吸困難指数(TDI)により測定される呼吸困難の軽減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物。
[本発明149]
CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における増悪の発生率および/または重症度の低減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物。
[本発明150]
CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における以下により測定される炎症の低減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物:
(v)該患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(vi)該患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(vii)該患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
(viii)該患者の気管支生検における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2(好酸球)およびAA1(マスト細胞)のうち一つもしくは複数のパラメーターの減少。
[本発明151]
静脈内、腹腔内、吸入、気管支内、肺胞内、筋肉内、皮下または経口投与に適する、本発明146〜150のいずれかの薬学的組成物。
[本発明152]
静脈内注射または点滴に適する、本発明146〜150のいずれかの薬学的組成物。
[本発明153]
10〜2000mgの量、または0.05〜15マイクロモルの量のCD20結合分子を含む、本発明146〜150のいずれかの薬学的組成物。
[本発明154]
CD20結合分子が、本発明112〜128のいずれかに定義される、本発明146〜153のいずれかの薬学的組成物。
[本発明155]
患者における慢性閉塞性肺疾患(COPD)を処置する方法であって、処置を必要とする患者に該疾患を処置するために有効な量のCD20結合分子を投与する段階を含む、方法。
[本発明156]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者において、FEV1/FVC(%)またはFEV1(%)により測定される肺機能を改善する方法であって、肺機能を改善するために有効な量のCD20結合分子を患者に投与する段階を含む、方法。
[本発明157]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者において、ベースライン呼吸困難指数(BDI)または経過的呼吸困難指数(TDI)により測定される呼吸困難を軽減するための方法であって、呼吸困難を軽減するために有効な量のCD20結合分子を患者に投与する段階を含む、方法。
[本発明158]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者において、増悪の発生率および/または重症度を低減する方法であって、増悪の発生率および/または重症度を低減するために有効な量のCD20結合分子を患者に投与する段階を含む、方法。
[本発明159]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者において、以下により測定される炎症を低減する方法であって、炎症を低減するために有効な量のCD20結合分子を患者に投与する段階を含む、方法:
(ix)該患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(x)該患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(xi)該患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
(xii)該患者の気管支生検における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2(好酸球)およびAA1(マスト細胞)のうち一つもしくは複数のパラメーターの減少。
[本発明160]
CD20結合分子が、静脈内、腹腔内、吸入、気管支内、肺胞内、筋肉内、皮下または経口経路により投与される、本発明155〜159のいずれかの方法。
[本発明161]
CD20結合分子が、静脈内注射または点滴により投与される、本発明160の方法。
[本発明162]
CD20結合分子が、100〜2000mgの量、または0.5〜15マイクロモルの量で投与される、本発明155〜161のいずれかの方法。
[本発明163]
CD20結合分子が、本発明109〜111のいずれかの処置療法において投与される、本発明162の方法。
[本発明164]
CD20結合分子が、本発明112〜128のいずれかに定義されることを特徴とする、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明165]
本発明129〜134のいずれかに定義される一つまたは複数のさらなる治療剤を患者に投与する段階を含む、本発明155〜164のいずれかの方法。
[本発明101]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用。
[本発明102]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるFEV1/FVC(%)またはFEV1(%)により測定される肺機能の改善を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用。
[本発明103]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるベースライン呼吸困難指数(baseline dyspnea index)(BDI)または経過的呼吸困難指数(transitional dyspnea index)(TDI)により測定される呼吸困難の低減を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用。
[本発明104]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における増悪の発生率および/または重症度の低減を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用。
[本発明105]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における以下により測定される炎症の低減を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用:
(i)該患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(ii)該患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(iii)該患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
(iv)該患者の気管支生検における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2 (好酸球)およびAA1 (マスト細胞)のうち一つもしくは複数のパラメーターの減少。
[本発明106]
医薬が、静脈内、腹腔内、吸入、気管支内、肺胞内、筋肉内、皮下または経口投与に適する、前記本発明のいずれかの使用。
[本発明107]
医薬が、静脈内注射または点滴に適する、本発明106の使用。
[本発明108]
医薬が、10〜2000mgの量、または0.05〜15マイクロモルの量のCD20結合分子の投与に適する、前記本発明のいずれかの使用。
[本発明109]
医薬が、それぞれ100〜2000mgの量のCD20結合分子を2週間間隔で2回投与することを含む処置療法においてCD20結合分子を投与するために適する、本発明108の使用。
[本発明110]
医薬が、100mgの量のCD20結合分子を1回投与し、続いてそれぞれ300〜2000mgの量のCD20結合分子を2回、第1の投薬のそれぞれ1週間後および3週間後に投与することを含む処置療法においてCD20結合分子を投与するために適する、本発明108の使用。
[本発明111]
処置療法が、3〜12カ月間隔、例えば6カ月間隔で1回または複数回繰り返される、本発明109または110の使用。
[本発明112]
CD20結合分子がCD20に対する抗体であることを特徴とする、前記本発明のいずれかの使用。
[本発明113]
抗体がCD20に対するモノクローナル抗体であることを特徴とする、本発明112の使用。
[本発明114]
抗体がCD20に対するヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする、本発明112または113の使用。
[本発明115]
抗体が、全長抗体、例えば全長IgG1抗体であることを特徴とする、本発明112〜114のいずれかの使用。
[本発明116]
CD20に対する抗体が、抗体断片、例えばscFvまたはUniBody(商標)(WO2007/059782に開示された一価抗体)であることを特徴とする、本発明112〜114のいずれかの使用。
[本発明117]
CD20に対する抗体が、ヒトCD20に対する親和性と少なくとも同じ親和性で変異体P172S CD20 (172位のプロリンがセリンに変異)に結合することを特徴とする、本発明112〜116のいずれかの使用。
[本発明118]
CD20に対する抗体が、CD20上の以下のエピトープに結合することを特徴とする、本発明112〜117のいずれかの使用:
(i)172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としない、エピトープ;
(ii)170位のアラニンもしくは172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としない、エピトープ;
(iii)163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ;
(iv)172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としないが、163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ;あるいは
(v)170位のアラニンもしくは172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としないが、163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ。
[本発明119]
CD20に対する抗体が、以下の特徴のうち一つまたは複数を有することを特徴とする、本発明112〜118のいずれかの使用:
(i)ヒトCD20に対する親和性と少なくとも同じ親和性で、変異体AxP (170位のアラニンがセリンに、172位のプロリンがセリンに変異)に結合する;
(ii)抗体濃度10μg/mlで、変異体N166D(166位のアスパラギンがアスパラギン酸に変異)に対して、ヒトCD20に比べ50%以上の低下した結合を示す;または
(iii)抗体濃度10μg/mlで、変異体N163D(163位のアスパラギンがアスパラギン酸に変異)に対して、ヒトCD20に比べ50%以上の低下した結合を示す。
[本発明120]
CD20に対する抗体がCD20上の不連続エピトープに結合し、該エピトープが第1の小型細胞外ループの部分および第2の細胞外ループの部分を含むことを特徴とする、本発明112〜119のいずれかの使用。
[本発明121]
CD20に対する抗体がCD20上の不連続エピトープに結合し、該エピトープが第1の小型細胞外ループの残基AGIYAPおよび第2の細胞外ループの残基MESLNFIRAHTPYIを有することを特徴とする、本発明120の使用。
[本発明122]
CD20に対する抗体が、配列番号:5、9、および11から選択されるVH CDR3配列を含むことを特徴とする、本発明112〜121のいずれかの使用。
[本発明123]
CD20に対する抗体が、配列番号:3のVH CDR1、配列番号:4のVH CDR2、配列番号:5のVH CDR3、配列番号:6のVL CDR1、配列番号:7のVL CDR2および配列番号:8のVL CDR3の配列を含むことを特徴とする、本発明112〜121のいずれかの方法。
[本発明124]
CD20に対する抗体が、配列番号:10のVH CDR1-CDR3スパン配列を含むことを特徴とする、本発明112〜121のいずれかの使用。
[本発明125]
CD20に対する抗体が、配列番号:1および配列番号:2にそれぞれ示すアミノ酸配列;または、配列番号:1および配列番号:2にそれぞれ示すアミノ酸配列に対して少なくとも95%相同な、さらに好ましくは少なくとも98%、もしくは少なくとも99%相同なアミノ酸配列を含む、ヒト重鎖可変領域およびヒト軽鎖可変領域を有することを特徴とする、本発明112〜121のいずれかの使用。
[本発明126]
CD20結合分子が、オファツムマブ(2F2)、11B8、7D8、2C6、AME-133、TRU-015、IMMU-106、オクレリズマブ(2H7.v16、PRO-70769、R-1594)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ)およびRituxan(登録商標)/MabThera(登録商標)(リツキシマブ)から選択されることを特徴とする、本発明112の使用。
[本発明127]
CD20に対する抗体が、以下により得られることを特徴とする、本発明112の使用:
ヒト重鎖導入遺伝子またはトランスクロモソーム、およびヒト軽鎖導入遺伝子またはトランスクロモソームを含むゲノムを有するトランスジェニック非ヒト動物に対し、該動物のB細胞により抗体が生成されるように、ヒトCD20をトランスフェクトされた細胞を免疫する段階;
該動物のB細胞を単離する段階;
該B細胞を骨髄腫細胞と融合させて、ヒトCD20に特異的なヒトモノクローナル抗体を分泌する不死のハイブリドーマ細胞を形成させる段階;および
該ハイブリドーマ、または該ハイブリドーマ由来のトランスフェクトーマの培養上清から、ヒトCD20に特異的なヒトモノクローナル抗体を単離する段階。
[本発明128]
CD20に対する抗体が、ヒトVH DP-44/D3-10/JH6b生殖細胞系配列(配列番号:12)由来の重鎖可変領域アミノ酸配列、およびヒトVL L6/JK4生殖細胞系配列(配列番号:13)由来の軽鎖可変領域アミノ酸配列;または、ヒトVH 3-09/D4-11/JH6b生殖細胞系配列(配列番号:14)由来の重鎖可変領域アミノ酸配列、およびヒトVL L6/JK5生殖細胞系配列(配列番号:15)由来の軽鎖可変領域アミノ酸配列を含み、該ヒト抗体がCD20に特異的に結合することを特徴とする、本発明112〜127のいずれかの使用。
[本発明129]
医薬が、一つまたは複数のさらなる治療剤と組み合わせて投与するために適する、前記本発明のいずれかの使用。
[本発明130]
一つまたは複数のさらなる治療剤が、以下からなる群より選択される、本発明129の使用:気管支拡張薬;抗炎症剤;利尿剤;ジゴキシン;抗高血圧薬;コレステロール低下薬;抗うつ薬;α1-アンチトリプシン増強療法(遺伝性α1-アンチトリプシン欠損症を有する患者の場合);粘液溶解薬、例えばアンブロキソロール(ambroxolol)、エルドステイン、カルボシステイン、およびヨウ素化グリセロール;抗酸化剤、例えばN-アセチルシステイン、免疫刺激剤、ならびに鎮咳薬。
[本発明131]
一つまたは複数のさらなる治療剤が、気管支拡張薬および抗炎症剤からなる群より選択される、本発明129の使用。
[本発明132]
一つまたは複数のさらなる治療剤が、以下からなる群より選択される一つまたは複数の気管支拡張薬を含む、本発明129の使用:短時間作用性または長時間作用性β2アゴニスト、例えばフェノテロール、サルブタモール、テルブタリン、フォルモテロールおよびサルメテロール;メチルキサンチン、例えばアミノフィリンおよびテオフィリン;抗コリン作用薬;ならびに吸入用抗コリン作用薬、例えばチオトロピウム、イプラトロピウムおよびオキシトロピウム。
[本発明133]
一つまたは複数のさらなる治療剤が、以下からなる群より選択される一つまたは複数の抗炎症剤を含む、本発明129の使用:吸入用コルチコステロイド、例えばフルチカゾン;全身性コルチコステロイド、例えばプレドニゾロン;およびロイコトリエンアンタゴニスト。
[本発明134]
一つまたは複数のさらなる治療剤が、以下からなる群より選択される、本発明129の使用:抗IL-8抗体、抗CD38抗体、抗CD25抗体、抗CRCR1抗体、抗CXCR2抗体、抗CD8抗体、およびEGFr阻害剤、例えば抗EGFr抗体。
[本発明135]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明136]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるFEV1/FVC(%)またはFEV1(%)により測定される肺機能の改善を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明137]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるベースライン呼吸困難指数(BDI)または経過的呼吸困難指数(TDI)により測定される呼吸困難の軽減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明138]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における増悪の発生率および/または重症度の低減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明139]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における以下により測定される炎症の低減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子:
(i)該患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(ii)該患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(iii)該患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
(iv)該患者の気管支生検における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2(好酸球)およびAA1(マスト細胞)のうち一つもしくは複数のパラメーターの減少。
[本発明140]
静脈内、腹腔内、吸入、気管支内、肺胞内、筋肉内、皮下または経口投与に適する、本発明135〜139のいずれかの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明141]
静脈内注射または点滴に適する、本発明135〜140のいずれかの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明142]
10〜2000mgの量、または0.05〜15マイクロモルの量で投与するための、本発明135〜141のいずれかの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明143]
本発明109〜111のいずれかの処置療法において投与するための、本発明135〜141のいずれかの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明144]
本発明112〜128のいずれかに定義される、本発明135〜143のいずれかの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明145]
本発明129〜134のいずれかに定義される一つまたは複数のさらなる治療剤と組み合わせて投与するための、本発明135〜143のいずれかの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
[本発明146]
CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物。
[本発明147]
CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるFEV1/FVC(%)またはFEV1(%)により測定される肺機能の改善を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物。
[本発明148]
CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるベースライン呼吸困難指数(BDI)または経過的呼吸困難指数(TDI)により測定される呼吸困難の軽減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物。
[本発明149]
CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における増悪の発生率および/または重症度の低減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物。
[本発明150]
CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における以下により測定される炎症の低減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物:
(v)該患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(vi)該患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(vii)該患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
(viii)該患者の気管支生検における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2(好酸球)およびAA1(マスト細胞)のうち一つもしくは複数のパラメーターの減少。
[本発明151]
静脈内、腹腔内、吸入、気管支内、肺胞内、筋肉内、皮下または経口投与に適する、本発明146〜150のいずれかの薬学的組成物。
[本発明152]
静脈内注射または点滴に適する、本発明146〜150のいずれかの薬学的組成物。
[本発明153]
10〜2000mgの量、または0.05〜15マイクロモルの量のCD20結合分子を含む、本発明146〜150のいずれかの薬学的組成物。
[本発明154]
CD20結合分子が、本発明112〜128のいずれかに定義される、本発明146〜153のいずれかの薬学的組成物。
[本発明155]
患者における慢性閉塞性肺疾患(COPD)を処置する方法であって、処置を必要とする患者に該疾患を処置するために有効な量のCD20結合分子を投与する段階を含む、方法。
[本発明156]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者において、FEV1/FVC(%)またはFEV1(%)により測定される肺機能を改善する方法であって、肺機能を改善するために有効な量のCD20結合分子を患者に投与する段階を含む、方法。
[本発明157]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者において、ベースライン呼吸困難指数(BDI)または経過的呼吸困難指数(TDI)により測定される呼吸困難を軽減するための方法であって、呼吸困難を軽減するために有効な量のCD20結合分子を患者に投与する段階を含む、方法。
[本発明158]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者において、増悪の発生率および/または重症度を低減する方法であって、増悪の発生率および/または重症度を低減するために有効な量のCD20結合分子を患者に投与する段階を含む、方法。
[本発明159]
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者において、以下により測定される炎症を低減する方法であって、炎症を低減するために有効な量のCD20結合分子を患者に投与する段階を含む、方法:
(ix)該患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(x)該患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(xi)該患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
(xii)該患者の気管支生検における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2(好酸球)およびAA1(マスト細胞)のうち一つもしくは複数のパラメーターの減少。
[本発明160]
CD20結合分子が、静脈内、腹腔内、吸入、気管支内、肺胞内、筋肉内、皮下または経口経路により投与される、本発明155〜159のいずれかの方法。
[本発明161]
CD20結合分子が、静脈内注射または点滴により投与される、本発明160の方法。
[本発明162]
CD20結合分子が、100〜2000mgの量、または0.5〜15マイクロモルの量で投与される、本発明155〜161のいずれかの方法。
[本発明163]
CD20結合分子が、本発明109〜111のいずれかの処置療法において投与される、本発明162の方法。
[本発明164]
CD20結合分子が、本発明112〜128のいずれかに定義されることを特徴とする、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明165]
本発明129〜134のいずれかに定義される一つまたは複数のさらなる治療剤を患者に投与する段階を含む、本発明155〜164のいずれかの方法。
定義
用語「CD20」および「CD20抗原」は本明細書において相互交換可能に使用され、これには、細胞により自然に発現されるか、またはCD20遺伝子をトランスフェクトされた細胞上に発現される、ヒトCD20の任意の変異体、アイソフォームおよび種ホモログが挙げられる。当技術分野において認識されているCD20の同義語には、Bリンパ球表面抗原B1、Leu-16およびBp35が挙げられる。ヒトCD20はUniProtKB/Swiss-ProtエントリーP11836を有する。
用語「CD20」および「CD20抗原」は本明細書において相互交換可能に使用され、これには、細胞により自然に発現されるか、またはCD20遺伝子をトランスフェクトされた細胞上に発現される、ヒトCD20の任意の変異体、アイソフォームおよび種ホモログが挙げられる。当技術分野において認識されているCD20の同義語には、Bリンパ球表面抗原B1、Leu-16およびBp35が挙げられる。ヒトCD20はUniProtKB/Swiss-ProtエントリーP11836を有する。
本明細書で使用する用語「CD20結合分子」は、細胞条件および/もしくは生理学的条件で、CD20発現細胞の活性を阻害する、および/またはCD20に関連する生理学的効果を別な方法で調節するために十分な時間、CD20の部分に特異的に結合して、ELISA、ウエスタンブロット、または本明細書記載および/もしくは当技術分野において公知の他の同様に適した結合技法による検出を可能にする任意の分子、ならびに/あるいはさもなければ適切な時間(例えば少なくとも約15分間、例えば少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、例えば約1〜24時間、約1〜36時間、約1〜48時間、約1〜72時間、約1週間、またはそれ以上)が経過した後でCD20の部分に検出可能に結合している任意の分子を指す。
結合分子は、CD20抗原に結合しようとする抗体およびその断片、ペプチド、ならびに低分子量非ペプチド分子(「小分子」とも呼ばれる)を包含するが、それらに限定されるわけではない。
本明細書で使用する用語「免疫グロブリン」は、1対の軽分子量(L)鎖および1対の重(H)鎖の合計4本がジスルフィド結合により相互に結合した2対のポリペプチド鎖からなる、構造的に関係した糖タンパク質のクラスを指す。免疫グロブリンの構造は、十分特徴付けられている。例えば、Fundamental Immunology Ch. 7 (Paul, W., ed., 2nd ed. Raven Press, N.Y. (1989))を参照されたい。簡潔に説明すると、各重鎖は、典型的には重鎖可変領域(本明細書においてVHと略す)および重鎖定常領域からなる。重鎖定常領域であるCHは、典型的には三つのドメイン、すなわちCH1、CH2、およびCH3からなる。各軽鎖は、典型的には軽鎖可変領域(本明細書においてVLと略す)および軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、典型的には一つのドメインであるCLからなる。VHおよびVL領域は、超可変領域(すなわち構造的に規定されたループの配列および/または形状が超可変でありうる超可変領域)にさらに細分することができ、これは、相補性決定領域(CDR)とも名付けられ、この領域には、さらに保存されたフレームワーク領域(FR)という名の領域が差し挟まっている。
各VHおよびVLは、典型的には三つのCDRおよび四つのFRから構成され、アミノ末端からカルボキシ末端にかけて以下の順番で並んでいる:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4 (Chothia and Lesk J. Mol. Biol. 196, 901-917 (1987)もまた参照されたい)。典型的には、この領域のアミノ酸残基の付番は、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991)に記載された方法により行われる(Kabatにおける、または本明細書におけるKabatに従う可変ドメイン残基の付番などの句は、重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインについてのこの付番システムを指す)。この付番システムを使用して、ペプチドの実際の直鎖アミノ酸配列は、可変ドメインのFRもしくはCDRの短縮またはそれへの挿入に対応して、より少ないまたは追加のアミノ酸を含有することがある。例えば、重鎖可変ドメインは、VH CDR2の残基52の後にアミノ酸1個の挿入(例えばKabatに従う残基52a)および重鎖FR残基82の後に挿入された残基(例えばKabatに従う残基82a、82b、および82cなど)を含むことがある。Kabatの残基の付番は、所与の抗体について抗体配列の相同領域でKabatに従って付番した「標準」配列と整列させることにより、決定することができる。
本明細書で使用する用語「抗体」は、免疫グロブリン分子、免疫グロブリン分子の断片、またはそのいずれかの誘導体を表し、抗体は、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、約24時間もしくはそれ以上、約48時間もしくはそれ以上、約3、4、5、6、7日もしくはそれ以上等、または任意の他の関連する機能的に規定された期間など(抗原への抗体の結合に関連する生理学的応答を誘導、促進、強化、かつ/もしくは調節するために十分な時間および/または抗体がFc介在性エフェクター活性を動員するために十分な時間など)の、重要な期間に典型的な生理学的条件で抗原に特異的に結合する能力を有する。
免疫グロブリン分子の重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを有する。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(エフェクター細胞など)および古典的補体活性化経路の第1成分であるC1qなどの補体系の成分を含めた宿主組織または宿主因子への免疫グロブリンの結合を仲介することができる。
抗CD20抗体は、単特異性、二重特異性、または多重特異性でありうる。実際に、本発明により提供された二重特異性抗体およびダイアボディー(diabody)等は、CD20の部分に加えて任意の適切な標的に結合することができる。
上に示すように、本明細書で使用する用語「抗体」には、別に述べない限り、また文脈により明らかに否定されない限り、抗原に特異的に結合する能力を保持する酵素的切断、ペプチド合成および組換え技法などの任意の公知の技法により提供される抗体の断片が含まれる。抗体の抗原結合機能は、全長(無傷)抗体の断片により発揮できることが示されている。用語「抗体」に包含される抗原結合断片の例には、(i) Fab断片(VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片;(ii) F(ab)2およびF(ab')2断片(ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結した二つのFab断片を含む二価断片);(iii) Fd断片(VHおよびCH1ドメインから本質的になる);(iv) Fv断片(抗体の一本のアームのVLおよびVHドメインから本質的になる);(v) dAb断片(Ward et al., Nature 341, 544-546 (1989))(VHドメインから本質的になり、ドメイン抗体とも呼ばれる)(Holt et al. (November 2003) Trends Biotechnol. 21(11):484-90);(vi) ラクダ抗体またはナノボディー(nanobody)(Revets et al. (January 2005) Expert Opin Biol Ther. 5(1):111-24);(vii) 単離された相補性決定領域(CDR)(VH CDR3など);(viii) UniBody(商標)(WO2007/059782に開示された一価抗体);(ix) 単鎖抗体または単鎖Fv (scFv)(例えば Bird et al., Science 242, 423-426 (1988)およびHuston et al., PNAS USA 85, 5879-5883 (1988)参照);(x) ダイアボディー(scFv二量体)(単特異性または二重特異性でありうる)(ダイアボディーの説明については例えばPNAS USA 90(14), 6444-6448 (1993)、EP404097またはWO93/11161を参照されたい)、トリアボディーまたはテトラボディーが挙げられるが、それらに限定されない。
このような断片は、抗体の定義に一般に含まれるが、これらはまとめてかつそれぞれ独立して、異なる生物学的性質および有用性を示している本発明の独特の特徴である。本発明の文脈におけるこれらおよび他の有用な抗体断片を本明細書でさらに論じる。
本明細書で使用する「特異的結合」は、所定の抗原への全長抗体またはその抗原結合性断片などの結合分子の結合を指す。典型的には、抗体は、例えばBIAcore上でスルホンプラズモン共鳴を使用して、またはFACSもしくはELISAでのIC50値に基づくみかけの親和性として測定したときに約10-7M以下、例えば約10-8M以下、例えば約10-9M以下、約10-10M以下、または約10-11M以下でさえあるKDに対応する親和性で結合し、所定の抗原以外の非特異的抗原(例えばBSA、カゼイン)または密接に関係する抗原への結合に関するその抗体の親和性と比べ、少なくとも10倍低い、例えば少なくとも100倍低い、例えば少なくとも1000倍低い、例えば少なくとも10000倍低い、例えば少なくとも100000倍低いKDに対応する親和性で、所定の抗原に結合する。抗原結合ペプチドのKDが非常に低い(すなわち、抗原結合ペプチドが高度に特異的である)場合に、その抗原に対する親和性は、非特異的抗原に関する親和性の少なくとも10000倍、または100000倍低くてもよい。
抗体という用語には、一般にモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体が含まれることを了解すべきである。抗体は、ヒト、ヒト化、キメラ、マウス抗体等でありうる。発生する抗体は任意のアイソタイプを有することがある。
本明細書で使用する用語「ヒト抗体」には、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列由来の可変および定常領域を有する抗体が含まれることが意図される。本発明のヒト抗体には、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基(例えばランダム突然変異誘発または部位特異的突然変異誘発によりインビトロで、あるいは体細胞突然変異によりインビボで導入された突然変異)が含まれてもよい。しかし、本明細書で使用する用語「ヒト抗体」には、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞系に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列に接ぎ合わされた抗体が含まれることは意図されない。
本明細書で使用するヒト抗体が、ヒト免疫グロブリン配列を使用した系から、例えばヒト免疫グロブリン遺伝子を有するトランスジェニックマウスを免疫することにより、またはヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリーをスクリーニングすることにより得られるならば、その抗体は特定の生殖細胞系配列に「由来」し、ここで、選択されたヒト抗体は、生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子によりコードされるアミノ酸配列と、アミノ酸配列が少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、少なくとも97%、例えば少なくとも98%、または例えば少なくとも99%同一である。典型的には、特定のヒト生殖細胞系配列由来のヒト抗体は、生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子によりコードされるアミノ酸配列とアミノ酸10個を超えない差、例えば5個を超えない、例えばアミノ酸4、3、2、または1個を超えない差を示すものである。VH抗体配列について、VH CDR3ドメインはそのような比較に含まれない。
用語「キメラ抗体」は、ある一つの抗体由来の一つまたは複数の領域、および、一つまたは複数の他の抗体由来の一つまたは複数の領域を有する抗体を指す。用語「キメラ抗体」には、一価、二価、または多価抗体が挙げられる。一価キメラ抗体は、ジスルフィド架橋を経由してキメラL鎖と結合するキメラH鎖により形成される二量体(HL)である。二価キメラ抗体は、少なくとも一つのジスルフィド架橋を経由して結合した二つのHL二量体により形成される四量体(H2L2)である。多価キメラ抗体もまた、例えば2個以上の結合部位(例えばIgMのH鎖またはμ鎖からのもの)を有する分子に集合するCH領域を採用することにより生成させることができる。典型的には、キメラ抗体は、重鎖および/または軽鎖の部分が特定の種由来の抗体または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同であるが、鎖の残りが別の種由来の抗体または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である抗体、およびそのような抗体の断片(その断片が所望の生物学的活性を示す限り)を指す(例えば米国特許第4,816,567号およびMorrison et al., PNAS USA 81, 6851-6855 (1984)を参照されたい)。キメラ抗体は、当技術分野において周知の組換えプロセスにより生成される(例えば Cabilly et al., PNAS USA 81, 3273-3277 (1984)、Morrison et al., PNAS USA 81, 6851-6855 (1984)、Boulianne et al., Nature 312, 643-646 (1984)、EP125023、Neuberger et al., Nature 314, 268-270 (1985)、EP171496、EP173494、WO86/01533、EP184187、Sahagan et al., J. Immunol. 137, 1066-1074 (1986)、WO87/02671、Liu et al., PNAS USA 84, 3439-3443 (1987)、Sun et al., PNAS USA 84, 214-218 (1987)、Better et al., Science 240, 1041-1043 (1988)およびHarlow et al., Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., (1988)を参照されたい)。
用語「ヒト化抗体」は、非ヒト抗体由来の最小限の配列を有するヒト抗体を指す。典型的には、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域由来の残基が、所望の特異性、親和性、および能力を有する、マウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域由来の残基により置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。
さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体に見出されない残基を含むことがある。これらの改変は、抗体の性能をさらに洗練するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも一つ、典型的には二つの可変ドメインの実質的に全てを含むものであり、ここで、超可変ループの全てまたは実質的に全ては、非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応し、FR領域の全てまたは実質的に全てはヒト免疫グロブリン配列のFR領域である。ヒト化抗体は、場合によりヒト免疫グロブリン定常領域の少なくとも部分もまた含むものである。さらなる詳細については、Jones et al., Nature 321, 522-525 (1986)、Riechmann et al., Nature 332, 323-329 (1988)およびPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 2, 593-596 (1992)を参照されたい。
本明細書で使用する用語「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、単一分子組成の抗体分子の調製物を指す。モノクローナル抗体組成物は、単一の結合特異性および特定のエピトープに対する親和性を示す。したがって、用語「ヒトモノクローナル抗体」は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列由来の可変領域および定常領域を有する、単一の結合特異性を示す抗体を指す。ヒトモノクローナル抗体は、不死化細胞に融合させた、ヒト重鎖導入遺伝子および軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有するトランスジェニックマウスなどのトランスジェニックまたはトランスクロモソーマル非ヒト動物から得られたB細胞を含む、ハイブリドーマにより生成させることができる。
本明細書で使用する用語「組換えヒト抗体」には、組換え手段により調製、発現、創出または単離された、以下などの全てのヒト抗体が含まれる:(a)ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックもしくはトランスクロモソーマルである動物(マウスなど)から、またはそれから調製されたハイブリドーマ(本明細書の他の箇所にさらに説明する)から単離された抗体、(b)抗体を発現するように形質転換された宿主細胞から、例えばトランスフェクトーマなどから単離された抗体、(c)組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体、および(d)ヒト免疫グロブリン遺伝子配列を他のDNA配列にスプライシングすることを含む任意の他の手段により調製、発現、創出または単離された抗体。このような組換えヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列由来の可変領域および定常領域を有する。しかし、ある態様では、このような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発に付することができ(または、ヒトIg配列に関してトランスジェニックな動物を使用する場合は、インビボ体細胞突然変異誘発)、したがって、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系VHおよびVL配列に由来し、それに関係する配列であるが、インビボヒト抗体生殖細胞系レパートリー内に自然に存在しないかもしれない配列である。
用語「トランスジェニック非ヒト動物」は、一つまたは複数のヒト重鎖および/または軽鎖導入遺伝子またはトランスクロモソームを含む(その動物の天然ゲノムDNAに組み込まれているかまたは組み込まれていないかのいずれかの)ゲノムを有し、完全ヒト抗体を発現することができる、非ヒト動物を指す。例えば、トランスジェニックマウスは、ヒト軽鎖導入遺伝子と、ヒト重鎖導入遺伝子またはヒト重鎖トランスクロモソームのいずれかとを有することにより、CD20抗原および/またはCD20発現細胞を免疫した場合にマウスがヒト抗CD20抗体を生成することができる。トランスジェニックマウス、例えばHCo7もしくはHCol2マウスなどのHuMAb-Mouse(登録商標)の場合と同様に、ヒト重鎖導入遺伝子を、マウスの染色体DNAに組み込むことができるし、またはヒト重鎖導入遺伝子を、WO02/43478に記載されたトランスクロモソームKM-Mouse(登録商標)の場合と同様に染色体外に維持することができる。このようなトランスジェニックマウスおよびトランスクロモソームマウス(本明細書においてまとめて「トランスジェニックマウス」と呼ばれる)は、V-D-J組換えおよびアイソタイプスイッチを受けることにより、所与の抗原に対して複数のアイソタイプのヒトモノクローナル抗体(IgG、IgA、IgM、IgDおよび/またはIgEなど)を生成することができる。トランスジェニック非ヒト動物はまた、特異的抗原に対する抗体を生成させるためにも使用することができ、これは、このような特異的抗体をコードする遺伝子を導入することにより、例えば動物の乳汁に発現される遺伝子にこれらの遺伝子を機能的に連結させることにより行われる。
本明細書に使用される用語「処置」は、症状または病状を軽減、改善、停止、または根絶(治癒)する目的で本発明の治療活性化合物の有効量を投与することを意味する。
発明の詳細な説明
一局面では、本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置を目的とする医薬を調製するためのCD20結合分子の使用に関する。
一局面では、本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置を目的とする医薬を調製するためのCD20結合分子の使用に関する。
別の局面では、本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるFEV1/FVC(%)またはFEV1 (%)により測定される肺機能の改善を目的とする医薬を調製するためのCD20結合分子の使用に関する。
別の局面では、本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるベースライン呼吸困難指数(baseline dyspnea index)(BDI)または経過的呼吸困難指数(transitional dyspnea index)(TDI)により測定される呼吸困難の軽減を目的とする医薬を調製するためのCD20結合分子の使用に関する。
別の局面では、本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における増悪の発生率および/または重症度の低減を目的とする医薬を調製するためのCD20結合分子の使用に関する。
別の局面では、本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における、以下により測定される炎症の低減を目的とする医薬を調製するためのCD20結合分子の使用に関する:
患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
患者の気管支生検中における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2(好酸球)およびAA1 (マスト細胞)のうち一つもしくは複数の炎症性細胞の減少。
患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
患者の気管支生検中における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2(好酸球)およびAA1 (マスト細胞)のうち一つもしくは複数の炎症性細胞の減少。
本発明の一態様では、医薬は、静脈内、腹腔内、吸入、気管支内、肺胞内、筋肉内、皮下または経口投与、例えば静脈内注射または点滴に適する。
本発明の一態様では、医薬は、10〜2000mgの量、または0.05〜15マイクロモルの量のCD20結合分子を投与するために適する。
本発明の一態様では、医薬は、それぞれ100〜2000mgの量のCD20結合分子を2週間間隔で2回投与することを含む処置療法においてCD20結合分子を投与するために適する。
本発明の一態様では、医薬は、100mgの量のCD20結合分子を1回投与し、続いてそれぞれ300〜2000mgの量のCD20結合分子を2回、第1の投薬のそれぞれ1週間後および3週間後に投与することを含む処置療法においてCD20結合分子を投与するために適する。
本発明の一態様では、医薬は、5〜50mgの量のCD20結合分子の第1の投薬を0日目に、50〜150mgの量のCD20結合分子の第2の投薬を1日目に、300〜2000mgの量のCD20結合分子の第3の投薬を7日目に、および300〜2000mgの量のCD20結合分子の第4の投薬を14または21日目に投与することを含む処置療法においてCD20結合分子を投与するために適する。
本発明の一態様では、医薬は、10mgの量のCD20結合分子の第1の投薬を0日目に、90mgの量のCD20結合分子の第2の投薬を1日目に、1000mgの量のCD20結合分子の第3の投薬を7日目に、および1000mgの量のCD20結合分子の第4の投薬を21日目に投与することを含む処置療法においてCD20結合分子を投与するために適する。
このような処置療法は、3〜12カ月間隔、例えば6カ月間隔などで1回または複数回繰り返してもよい。
一態様では、CD20結合分子を用いて処置する前に、例えばコルチコステロイドおよび抗ヒスタミン剤を患者に前投薬する。
本発明の一態様では、CD20結合分子はヒト化ポリクローナル抗CD20抗体である。このような抗体は、米国特許第2003/0017534号に開示されたトランスジェニックウサギで生成することができる。
本発明の一態様では、CD20結合分子は、CD20に対する抗体、例えばCD20に対するモノクローナル抗体、例えばCD20に対するキメラ、ヒト化またはヒトモノクローナル抗体、好ましくはCD20に対するヒトモノクローナル抗体である。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、全長IgG1抗体、全長IgG2抗体、全長IgG3抗体、全長IgG4抗体、全長IgM抗体、全長IgA1抗体、全長IgA2抗体、全長分泌性IgA抗体、全長IgD抗体、および全長IgE抗体からなる群より選択される全長抗体であり、ここで、抗体は、真核細胞ではグリコシル化されている。
本発明の一態様では、抗体は、全長IgG1抗体などの全長抗体である。
本発明の一態様では、抗体は、scFvまたはUniBody(商標)(WO2007/059782に開示された一価抗体)などの抗体断片である。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、以下を含む、結合ドメイン-免疫グロブリン融合タンパク質である:(i) 免疫グロブリンヒンジ領域ポリペプチドに融合した配列番号:1の重鎖可変領域または配列番号:2の軽鎖可変領域の形状の結合ドメインポリペプチド、(ii) ヒンジ領域に融合した免疫グロブリン重鎖CH2定常領域、および(iii) CH2定常領域に融合した免疫グロブリン重鎖CH3定常領域。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、ヒトCD20に対する親和性と少なくとも同じ親和性で変異体P172S CD20 (172位のプロリンがセリンに変異)に結合する。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、CD20上の以下のエピトープに結合する:
(i) 172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としない、エピトープ;
(ii) 170位のアラニンもしくは172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としない、エピトープ;
(iii) 163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ;
(iv) 172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としないが、163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ;あるいは
(v) 170位のアラニンもしくは172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としないが、163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ。
(i) 172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としない、エピトープ;
(ii) 170位のアラニンもしくは172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としない、エピトープ;
(iii) 163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ;
(iv) 172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としないが、163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ;あるいは
(v) 170位のアラニンもしくは172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としないが、163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、ヒトCD20の第1の小型細胞外ループ中のエピトープに結合する。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、CD20上の不連続エピトープに結合する。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、CD20上の不連続エピトープに結合し、ここで、該エピトープは、第1の小型細胞外ループの部分、および第2の細胞外ループの部分を含む。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、CD20上の不連続エピトープに結合し、ここで、該エピトープは第1の小型細胞外ループの残基AGIYAPおよび第2の細胞外ループの残基MESLNFIRAHTPYIを有する。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、以下からなる群より選択される一つまたは複数の性質を有する:
(i) 補体の存在下でCD20を発現している細胞の補体依存性細胞傷害作用(CDC)を誘導することができる;
(ii) 補体の存在下でCD20ならびに高レベルのCD55および/またはCD59を発現している細胞の補体依存性細胞傷害作用(CDC)を誘導することができる;
(iii) CD20を発現している細胞のアポトーシスを誘導することができる;
(iv) エフェクター細胞の存在下でCD20を発現している細胞の抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)を誘導することができる;
(v) CD20を発現する細胞のホモタイプな接着を誘導することができる;
(vi) CD20に結合したときに脂質ラフトに移行することができる;
(vii) CD20を発現している細胞を枯渇させることができる;
(viii) 低レベルのCD20を発現している細胞(CD20low細胞)を枯渇させることができる;
(ix) ヒト組織中のインサイチューのB細胞を効果的に枯渇させることができる。
(i) 補体の存在下でCD20を発現している細胞の補体依存性細胞傷害作用(CDC)を誘導することができる;
(ii) 補体の存在下でCD20ならびに高レベルのCD55および/またはCD59を発現している細胞の補体依存性細胞傷害作用(CDC)を誘導することができる;
(iii) CD20を発現している細胞のアポトーシスを誘導することができる;
(iv) エフェクター細胞の存在下でCD20を発現している細胞の抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)を誘導することができる;
(v) CD20を発現する細胞のホモタイプな接着を誘導することができる;
(vi) CD20に結合したときに脂質ラフトに移行することができる;
(vii) CD20を発現している細胞を枯渇させることができる;
(viii) 低レベルのCD20を発現している細胞(CD20low細胞)を枯渇させることができる;
(ix) ヒト組織中のインサイチューのB細胞を効果的に枯渇させることができる。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、配列番号:5、9、および11から選択されるVH CDR3配列を含む。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、配列番号:3のVH CDR1、配列番号:4のVH CDR2、配列番号:5のVH CDR3、配列番号:6のVL CDR1、配列番号:7のVL CDR2および配列番号:8のVL CDR3配列を含む。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、配列番号:10のVH CDR1-CDR3スパン配列を含む。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、以下を含む、ヒト重鎖可変領域およびヒト軽鎖可変領域を有する:配列番号:1および配列番号:2にそれぞれ示すアミノ酸配列;または、配列番号:1および配列番号:2にそれぞれ示すアミノ酸配列に対して、少なくとも95%相同な、さらに好ましくは少なくとも98%、もしくは少なくとも99%相同な、アミノ酸配列。
本発明の一態様では、CD20結合分子は、WO2004/035607に開示された抗CD20抗体の一つ、例えばオファツムマブ(2F2)、11B8、または7D8、WO2005/103081に開示された抗体の一つ、例えば2C6、WO2004/103404に開示された抗体の一つ、AME-133(ヒト化および最適化された抗CD20モノクローナル抗体、Applied Molecular Evolution開発)、US2003/0118592に開示された抗体の一つ、TRU-015(CytoxB20G、抗CD20抗体上の主要ドメイン由来の小モジュラー免疫薬学的融合タンパク質、Trubion Pharmaceuticals Inc開発)、WO2003/68821に開示された抗体の一つ、IMMU-106 (ヒト化抗CD20モノクローナル抗体)、WO2004/56312に開示された抗体の一つ、オクレリズマブ(2H7.v16、PRO-70769、R-1594)、Bexxar (登録商標)(トシツモマブ)、およびRituxan(登録商標)/ MabThera(登録商標)(リツキシマブ)から選択される。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、以下により得られる:
ヒト重鎖導入遺伝子またはトランスクロモソーム、およびヒト軽鎖導入遺伝子またはトランスクロモソームを含むゲノムを有するトランスジェニック非ヒト動物に対して、該動物のB細胞により抗体が生成されるように、ヒトCD20をトランスフェクトされた細胞を免疫する段階;
該動物のB細胞を単離する段階;
該B細胞を骨髄腫細胞と融合させて、ヒトCD20に特異的なヒトモノクローナル抗体を分泌する不死のハイブリドーマ細胞を形成させる段階;および
該ハイブリドーマ、または該ハイブリドーマ由来のトランスフェクトーマの培養上清から、ヒトCD20に特異的なヒトモノクローナル抗体を単離する段階。
ヒト重鎖導入遺伝子またはトランスクロモソーム、およびヒト軽鎖導入遺伝子またはトランスクロモソームを含むゲノムを有するトランスジェニック非ヒト動物に対して、該動物のB細胞により抗体が生成されるように、ヒトCD20をトランスフェクトされた細胞を免疫する段階;
該動物のB細胞を単離する段階;
該B細胞を骨髄腫細胞と融合させて、ヒトCD20に特異的なヒトモノクローナル抗体を分泌する不死のハイブリドーマ細胞を形成させる段階;および
該ハイブリドーマ、または該ハイブリドーマ由来のトランスフェクトーマの培養上清から、ヒトCD20に特異的なヒトモノクローナル抗体を単離する段階。
本発明の一態様では、CD20に対する抗体は、ヒトVH DP-44/D3-10/JH6b生殖細胞系配列(配列番号:12)由来の重鎖可変領域アミノ酸配列、およびヒトVL L6/JK4生殖細胞系配列(配列番号:13)由来の軽鎖可変領域アミノ酸配列;またはヒトVH 3-09/D4-ll/JH6b生殖細胞系配列(配列番号:14)由来の重鎖可変領域アミノ酸配列、およびヒトVL L6/JK5生殖細胞系配列(配列番号:15)由来の軽鎖可変領域アミノ酸配列を含み、ここで、該ヒト抗体はCD20に特異的に結合する。
本発明の一態様では、医薬は、一つまたは複数のさらなる治療剤と組み合わせて投与するために適し、例えば、一つまたは複数のさらなる治療剤は、以下からなる群より選択される:気管支拡張薬;抗炎症剤;利尿剤;ジゴキシン;抗高血圧薬;コレステロール低下薬;抗うつ薬;α1-アンチトリプシン増強療法(遺伝性α1-アンチトリプシン欠損症を有する患者の場合);粘液溶解薬、例えばアンブロキソロール(ambroxolol)、エルドステイン、カルボシステイン、およびヨウ素化グリセロール;抗酸化剤、例えばN-アセチルシステイン;免疫刺激剤;ならびに鎮咳薬。
本発明の一態様では、一つまたは複数のさらなる治療剤は、気管支拡張薬および抗炎症剤からなる群より選択される。
本発明の一態様では、一つまたは複数のさらなる治療剤は、以下からなる群より選択される一つまたは複数のさらなる気管支拡張薬を含む:短時間作用性または長時間作用性β2アゴニスト、例えばフェノテロール、サルブタモール、テルブタリン、フォルモテロールおよびサルメテロール;メチルキサンチン、例えばアミノフィリンおよびテオフィリン;抗コリン作用薬;ならびに吸入用抗コリン作用薬、例えばチオトロピウム、イプラトロピウムおよびオキシトロピウム。
本発明の一態様では、一つまたは複数のさらなる治療剤は、以下からなる群より選択される一つまたは複数の抗炎症剤を含む:吸入用コルチコステロイド、例えばフルチカゾン;全身性コルチコステロイド、例えばプレドニゾロン;およびロイコトリエンアンタゴニスト。
本発明の一態様では、一つまたは複数のさらなる治療剤は、以下からなる群より選択される:抗IL-8抗体、例えばWO2004/058797に開示された抗IL-8抗体、特に10F8、およびWO98/24893に開示された抗体、特にABX-IL8(Huang et al. (2002) Am. J. Pathol 161: 125-134参照);抗CD38抗体、例えばWO2006/099875に開示された抗CD38抗体、抗CD25抗体、例えばZenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Simulect(登録商標)(バシリキシマブ)またはWO2004/045512に開示された抗CD25抗体、特にAB12、抗CXCR1抗体、抗CXCR2抗体、抗CD8抗体ならびにEGFr阻害剤、例えば抗EGFr抗体、例えばWO2002/100348またはWO2004/056847に開示された抗EGFr抗体、特にザルツムマブ(2F8)、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、ニモツズマブ(h-R3)、パニツムマブ(ABX-EGF)、およびマツズマブ(EMD72000)。
さらなる治療剤の任意の適切な組み合わせは、CD20結合分子と組み合わせて使用することができる。CD20結合分子は、さらなる治療剤と同時に、または任意の順序で連続的に投与してもよい。
本発明の一態様では、オファツムマブなどのCD20結合分子は、サルメテロールおよびフルチカゾンと組み合わせて投与される。
別の局面では、本発明は、上記態様のうち任意の一つに開示されたような、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子に関する。
別の局面では、本発明は、上記態様のうち任意の一つに開示されたような、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子を含有する薬学的組成物に関する。
別の局面では、本発明は、患者における慢性閉塞性肺疾患(COPD)を処置する方法であって、それを必要とする患者に、上記態様のうち任意の一つに開示されたような該疾患を処置する有効量のCD20結合分子を投与することを含む方法に関する。
本発明によると、CD20結合分子は、COPDを患う患者に該患者の状態を改善するために投与することができる。したがって、慢性気管支炎、気腫、不可逆喘息、気管支拡張症、免疫グロブリン欠損症、および嚢胞性線維症などのCOPDの一つまたは複数の様々な徴候を患う患者を、本発明によるCD20結合分子を使用して処置することができる。
本発明によると、CD20結合分子は、患者の症状を緩和するために投与することができる、またはこの障害自体のメカニズムに対抗するために投与することができる。当業者は、これらの処置の目的が多くの場合で関係していること、および様々な要因に基づいて特定の患者のために処置を合わせることができることを認識しているものである。これらの要因には、患者の年齢、性別、または健康、COPDの進行、呼吸困難の程度、患者の呼吸器への組織損傷の量、患者の喫煙歴、患者の状態の原因となりうる様々な環境要因(例えば温度、湿度、および大気汚染を含む)を挙げることができる。患者のための処置方法論、例えば投薬量、投与のタイミング、および投与経路は、それに応じて、および他の治療法との同時投与または連続的投与により合わせることができる。
本発明の薬学的組成物中の活性成分の実際の投薬レベルは、患者にとって有効であり、特定の患者、組成物、および投与様式について所望の治療応答を達成するが、有毒ではない活性成分の量を得るように変動させることができる。選択される投薬レベルは、採用される本発明の特定の組成物またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、採用される特定の化合物の排泄速度、処置の継続時間、採用される特定の組成物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または物質、処置される患者の年齢、性別、体重、状態、全身の健康状態および過去の病歴、ならびに医学分野で周知の同様な要因を含む、多様な薬物動態要因に依存するものである。
当技術分野において通常の技術を有する医師または獣医師は、必要な薬学的組成物の有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、医師または獣医師は、所望の治療効果を実現するために必要なレベルよりも低レベルで、薬学的組成物に採用された本発明の化合物の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで投薬量を徐々に増加させることができよう。一般に、本発明の組成物の適切な1日用量は、治療効果を生み出すために有効な最低用量の化合物量である。このような有効用量は、一般に上記要因に依存するものである。投与は、静脈内、筋肉内、腹腔内、経吸入または皮下であることが好ましい。所望であれば、治療組成物の有効1日用量は、2、3、4、5または6回またはそれ以上の分割用量として投与することができ、これを別々に適切な間隔で、1日を通じて、所望により単位投薬形態で投与する。本発明の化合物を単独で投与することが可能であるが、この化合物を薬学的製剤(組成物)として投与することが好ましい。投薬量は、投与後の種々の時点で、生物学的試料中の循環性CD20結合分子の量またはBALもしくは誘発喀痰中のCD20結合分子の存在量を測定することにより、例えば抗CD20抗体を検出するための方法において、例えばELISA装備で抗CD20抗体を標的化する抗イディオタイプ抗体を利用することにより、あるいは抗CD20抗体を検出する他の特異的方法を使用することにより、例えばコーティングとしてCD20を使用するELISAにより、決定または調整することができる。
本発明の一態様では、CD20結合分子は、100〜2000mg、例えば100mg、350mg、700mg、1000mg、1500または2000mgの投薬量で患者に投与される。
一態様では、CD20結合分子は、0.5〜15マイクロモル、例えば0.5、1、2、5、7、10、14または15マイクロモルの投薬量で患者に投与される。
一態様では、CD20結合分子は、1.0mg/kg、1.5mg/kg、2.0mg/kg、4mg/kg、8mg/kg、14mg/kgまたは20mg/kgの投薬量で点滴投与してもよい。
一態様では、CD20結合分子は、100〜2000mg、例えば350mg、700mg、1000mg、1500mgまたは2000mgの量で1〜3回のCD20結合分子を1〜3週間間隔で、例えばそれぞれ1000mgの量で2回、2週間間隔で投与することを含む処置療法において投与される。
一態様では、CD20結合分子は、100mgの量のCD20結合分子の1回投与に続いて、300〜2000mg、例えば350mg、700mg、1000mg、1500mgまたは2000mgの量のCD20結合分子を1〜3回投与する(この投薬をそれぞれ第1の投薬から1および2〜3週間後に投与する)ことを含む処置療法において投与される。例えば、100mgが0日目に投与され、7日目に1000mgの投薬および21日目に1000mgの投薬がそれに続く。
本発明の一態様では、CD20結合分子は、0日目に5〜50mgの量のCD20結合分子の第1の投薬に続き、1日目に50〜150mgの第2の投薬、7日目に300〜2000mgの第3の投薬、および14または21日目に300〜2000mgの第4の投薬を投与することを含む処置療法において投与される。例えば、10mgが0日目に投与され、1日目に100mgの投薬、7日目に1000mgの投薬、および21日目に1000mgの投薬がそれに続く。
これらの処置療法は、3〜12カ月間隔で、例えば3、6、9または12カ月間隔で、必要に応じて1回または複数回繰り返すことができる。
これらの処置療法は、一つまたは複数のさらなる薬物、例えば上記の一つまたは複数のさらなる薬物と組み合わせて投与してもよい。一態様では、CD20結合分子を用いて処置する前に、患者に例えばコルチコステロイドおよび抗ヒスタミン剤などが前投薬される。
治療用組成物は、当技術分野において公知の医療用具を用いて投与することができる。例えば一態様では、本発明の薬学的組成物は、米国特許第5,399,163号;第5,383,851号;第5,312,335号;第5,064,413号;第4,941,880号;第4,790,824号;または第4,596,556号に開示された用具などの無針皮下注射器を用いて投与することができる。本発明に有用な周知の植込剤およびモジュールの例には、米国特許第4,487,603号(制御された速度で薬物を分配するための埋込み可能なマイクロ注入ポンプを開示している);米国特許第4,486,194号(皮膚を通過して医薬を投与するための治療用具を開示している);米国特許第4,447,233号(正確な注入速度で薬物を送達するための薬物注入ポンプを開示している);米国特許第4,447,224号(連続薬物送達のための埋込み可能な可変流量注入装置を開示している);米国特許第4,439,196号(多チャンバー区画を有する浸透圧薬物送達システムを開示している);および米国特許第4,475,196号(浸透圧薬物送達システムを開示している)が挙げられる。多数の他のこのような植込剤、送達システム、およびモジュールが当業者に公知である。
COPDのための「治療有効投薬量」は、好ましくはCOPDの評価全体に低減を招くものである。これは、例えば実施例3に開示する試験の一つにより評価することができる。
一態様では、本発明は、治療有効量の本発明のCD20結合分子を含む薬学的組成物を提供する。薬学的組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤と、他の任意の公知の佐剤および賦形剤とを用いて、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Edition, Gennaro, Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 1995に開示されたような従来技法により製剤することができる。
薬学的に許容される担体または希釈剤ならびに他の任意の公知の佐剤および賦形剤は、選択された本発明の化合物および選択された投与様式に適するはずである。薬学的組成物の担体および他の構成要素についての適合性は、選択された本発明の化合物または薬学的組成物の所望の生物学的性質に及ぼす有意な負の影響の欠如(例えば、抗原の結合に及ぼす実質的な影響よりも低いこと(10%またはそれ以下の相対的阻害、5%またはそれ以下の相対的阻害など))に基づき決定される。
本発明の薬学的組成物は、希釈剤、増量剤、塩、緩衝剤、洗浄剤(例えば非イオン系洗剤、例えばTween-80)、安定化剤、安定化剤(例えば糖またはタンパク質フリーのアミノ酸)、保存料、組織固定剤、溶解補助剤、および/または薬学的組成物に含めるために適した他の物質もまた含んでもよい。
本発明の薬学的組成物中の活性成分の実際の投薬レベルは、特定の患者、組成物、および投与様式について、該患者に有毒ではなく所望の治療応答を達成するために有効である活性成分の量を得るように変動させてもよい。選択された投薬レベルは、採用する本発明の特定の組成物の活性、投与経路、投与時間、採用される特定の化合物の排泄速度、処置期間、採用された特定の組成物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または物質、処置される患者の年齢、性別、体重、状態、全身の健康および以前の病歴、ならびに医学分野に周知の同様の要因を含めた多様な薬物動態要因に依存するものである。
本発明のCD20結合分子は、経口、経鼻、吸入可能(inhalable)、気管支内、肺胞内、局所(口腔、経皮および舌下を含む)、直腸、膣および/または非経口経路などの任意の適切な経路により投与することができる。
一態様では、本発明の薬学的組成物は、非経口投与される。
本明細書で使用する語句「非経口投与」および「非経口的に投与する」は、経腸および局所投与以外の、普通は注射による投与様式を意味し、これには、表皮、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、関節包内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、腱内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、頭蓋内、胸腔内、硬膜外および胸骨内注射および点滴が挙げられる。
一態様では、薬学的組成物は、静脈内もしくは皮下注射または点滴により投与される。例えば、薬学的組成物は、副作用を低減するために2〜8時間かけて、例えば4時間かけて投与してもよい。
一態様では、薬学的組成物は吸入により投与される。抗CD20抗体のFab断片は、このような投与経路に適する可能性がある。Crowe et al. (February 15, 1994) Proc Natl Acad Sci USA, 91(4):1386-1390を参照されたい。
一態様では、薬学的組成物は、結晶の形で皮下注射により投与される。Yang et al., PNAS USA 100(12), 6934-6939 (2003)を参照されたい。
選択される投与経路に関わりなく、薬学的に許容される塩の形または適切な水和物の形で使用されうるCD20結合分子は、当業者に公知の従来法により薬学的に許容される投薬形態に製剤される。「薬学的に許容される塩」は、親化合物の所望の生物学的活性を保持するが、望まれない毒性作用を全く与えない塩を指す(例えば Berge, S. M. et al., J. Pharm. Sci. 66, 1-19 (1977)参照)。このような塩の例には、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩には、無毒の無機酸、例えば塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸等由来の塩ならびに無毒の有機酸、例えば脂肪族モノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸等由来の塩が挙げられる。塩基付加塩には、アルカリ土類金属、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等由来の塩および無毒の有機アミン、例えばN,N'-ジベンジルエチレンジアミン、N-メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカイン等由来の塩が挙げられる。
薬学的に許容される担体には、本発明の化合物と生理学的に適合性の任意および全ての適切な溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張化剤、抗酸化剤および吸収遅延剤等が挙げられる。
本発明の薬学的組成物に採用することができる適切な水性および非水性担体の例には、水、食塩水、リン酸緩衝食塩水、エタノール、デキストロース、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等など)およびその適切な混合物、植物油、例えばオリーブ油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、綿実油およびゴマ油、カルボキシメチルセルロースコロイド溶液、トラガカントゴムおよび注射用有機エステル、例えばオレイン酸エチル、ならびに/または多様な緩衝剤が挙げられる。他の担体は、薬学分野において周知である。
薬学的に許容される担体には、滅菌水溶液または分散液、および滅菌注射液または分散液を即時調製するための滅菌粉末が挙げられる。薬学的活性物質のためのこのような媒質および薬剤の使用は、当技術分野において公知である。任意の従来の媒質または薬剤が活性化合物と不適合性である場合を除いて、本発明の薬学的組成物にそれを使用することが考えられている。
妥当な流動性は、例えばレシチンなどのコーティング物質を使用することにより、分散液の場合は必要な粒子径を維持することにより、および界面活性剤の使用により維持してもよい。
CD20結合分子を含有する薬学的組成物は、薬学的に許容される抗酸化剤、例えば(1)水溶性抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等;(2)油溶性抗酸化剤、例えばアスコルビルパルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、プロピルガレート、α-トコフェロール等;および(3)金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等もまた含んでもよい。
本発明の薬学的組成物は、等張化剤、例えば糖、ポリアルコール(マンニトール、ソルビトール、グリセロールなど)または塩化ナトリウムもまたこの組成物に含んでもよい。
薬学的に許容される希釈剤には、食塩水および水性緩衝液が挙げられる。
CD20結合分子を含有する薬学的組成物は、選択された投与経路に適切な一つまたは複数の佐剤、例えば保存料、湿潤剤、乳化剤、分散剤、保存料または緩衝剤もまた含有してもよく、これらは薬学的組成物の有効期間または有効性を高めることがある。本発明の組成物は、例えば乳糖、ショ糖、粉末(例えばデンプン粉末)、アルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウム塩およびカルシウム塩、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリジン、ならびに/またはポリビニルアルコールと混合してもよい。佐剤の他の例は、QS21、GM-CSF、SRL-172、ヒスタミン二塩酸塩、チモカルチン(thymocartin)、Tio-TEPA、モノホスホリル-リピドA/微生物組成物、ミョウバン、フロイント不完全アジュバント、モンタニド (montanide) ISA、ribiアジュバントシステム、TiterMaxアジュバント、syntexアジュバント製剤、免疫刺激複合体(ISCOM)、gerbuアジュバント、CpGオリゴデオキシヌクレオチド、リポ多糖、およびポリイノシン酸:ポリシチジル酸である。
微生物の存在防止は、滅菌手順、ならびに様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の包含の両方により確実にすることができる。加えて、注射用剤形の持続性吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅延させる薬剤を含めることによりもたらしてもよい。
本発明の化合物を含むCD20結合分子を含有する薬学的組成物は、それゆえに適切な塩もまた含んでもよい。任意の適切な剤形のアルカリ土類金属塩などの任意の適切な塩(例えば緩衝剤の塩)は、本発明の化合物の安定化に使用することができる。適切な塩には、典型的には塩化ナトリウム、コハク酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、および塩化カルシウムが挙げられる。一態様では、本発明の薬学的組成物中で本発明の化合物を安定化するためにアルミニウム塩が使用され、このアルミニウム塩はまた、このような組成物を患者に投与した場合にアジュバントとして役立つことができる。
CD20結合分子を含有する薬学的組成物は、多様な適切な剤形であってもよい。このような剤形には、例えば液体、半固体および固体投薬形態、例えば液体の水剤(例えば注射用水剤および点滴用水剤)、分散剤または懸濁剤、乳剤、マイクロエマルション剤、ゲル剤、クリーム剤、顆粒剤、散剤、錠剤、丸剤、散剤、リポソーム、デンドリマーおよび他のナノ粒子(例えば Baek et al., Methods Enzymol. 362, 240-9 (2003)、Nigavekar et al., Pharm Res. 21(3), 476-83 (2004)参照)、マイクロ粒子、ならびに坐剤が挙げられる。
最適な剤形は、選択された投与様式および組成物の性質に依存する。製剤には、例えば、散剤、ペースト剤、軟膏剤、ゼリー剤、ろう、油、脂質、脂質(陽イオン性または陰イオン性)含有小胞、DNA複合物、無水吸収ペースト、水中油型および油中水型乳剤、乳剤性カーボワックス(多様な分子量のポリエチレングリコール)、半固形ゲル剤、およびカーボワックスを含有する半固形混合物を挙げることができる。薬学的組成物中のCD20結合分子が製剤により不活性化されず、製剤が投与経路と生理学的に適合性および寛容性であるならば、前記いずれかの製剤が本発明による処置および治療法に適切でありうる。薬化学者に周知の賦形剤および担体に関する追加の情報に関しては、例えば、Powell et al., "Compendium of excipients for parenteral formulations" PDA J Pharm Sci Technol. 52, 238-311 (1998)およびその中の引用もまた参照されたい。
CD20結合分子は、化合物が急速に放出するのを防止する担体、例えば植込剤、経皮パッチ、およびマイクロカプセル化送達システムを含めた制御放出製剤などを用いて調製してもよい。このような担体には、ゼラチン、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、生分解性、生体適合性ポリマー、例えば酢酸ビニルエチレン、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、および単独もしくはロウを伴うポリ乳酸、または当技術分野において周知の他の物質を挙げることができる。このような製剤の調製方法は、当業者に一般に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J. R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978を参照されたい。
本発明により、ある種の投与経路により本発明のCD20結合分子を含有する薬学的組成物を投与するために、CD20結合分子の不活性化を防止する物質でCD20結合分子をコーティングするか、またはその物質と共にCD20結合分子を同時投与することが必要なことがある。例えば、CD20結合分子は、適切な担体、例えばリポソーム、または希釈剤に入れて対象に投与してもよい。リポソームには、水中油中水型CGF乳剤および従来のリポソームが挙げられる(Strejan et al., J. Neuroimmunol. 7, 27 (1984))。
投与経路に応じて、CD20結合分子は、酸の作用およびその化合物を不活性化しうる他の自然条件からCD20結合分子を保護する物質でコーティングしてもよい。例えば、CD20結合分子は、適切な担体、例えばリポソームに入れて対象に投与してもよい。リポソームには、水中油中水型CGF乳剤および従来のリポソームが挙げられる(Strejan et al., J. Neuroimmunol. 7, 27 (1984))。
非経口投与用の薬学的に許容される担体には、滅菌水溶液または分散液、および滅菌注射液または分散液を即時調製するための滅菌粉末が挙げられる。薬学的活性物質のためのこのような媒質および薬剤の使用は、当技術分野において公知である。任意の従来の媒質または薬剤が活性化合物と不適合性である場合を除いて、本発明の薬学的組成物にそれを使用することが考えられる。補足の活性化合物もまた組成物に組み入れてもよい。
注射用薬学的組成物は、典型的には製造および保存条件で無菌および安定でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルション、リポソーム、または高い薬物濃度に適した他の規則構造として製剤することができる。担体は、水性もしくは非水性溶媒、または例えば水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)を含有する分散媒およびその適切な混合物、植物油、例えばオリーブ油、および注射用有機エステル、例えばオレイン酸エチルであってもよい。妥当な流動性は、例えばレシチンなどのコーティングの使用により、分散剤の場合は必要な粒子径の維持により、および界面活性剤の使用により維持することができる。多くの場合、等張化剤、例えば糖、ポリアルコール、例えばグリセロール、マンニトール、ソルビトール、または塩化ナトリウムを組成物に含めることが好ましい。注射用組成物の持続性吸収は、その組成物に吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸塩およびゼラチンを含めることによりもたらすことができる。滅菌注射液は、適切な溶媒に必要量の活性化合物を、必要に応じて上に列挙した一つの成分または複数の成分の組み合わせと共に組み入れ、続いて精密濾過滅菌することにより調製することができる。
一般に、分散剤は、基本分散媒および必要な他の成分(例えば上に列挙したもの)を含有する滅菌ビヒクルに活性化合物を組み入れることにより調製される。滅菌注射液を調製するための滅菌粉末の場合、調製方法の例は、真空乾燥およびフリーズドライ(凍結乾燥)であり、これは、その予め濾過滅菌された溶液から活性成分および任意の追加の所望の成分の粉末を与える。
滅菌注射液は、必要な量の活性化合物を適切な溶媒に、必要に応じて上に列挙した必要な一つの成分または複数の成分の組み合わせと共に組み入れ、続いて精密濾過滅菌することにより調製してもよい。一般に、分散剤は、基本分散媒および上に列挙したものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクルに活性化合物を組み入れることにより調製される。滅菌注射液を調製するための滅菌粉末の場合、調製方法の例は、真空乾燥およびフリーズドライ(凍結乾燥)であり、これは、その予め濾過滅菌された溶液から活性成分および任意の追加の所望の成分の粉末を与える。
薬学的組成物は、異なるメカニズムにより作用する複数(例えば二つまたはそれ以上)のCD20結合分子の組み合わせを、例えば、CDCを誘導することにより優位に作用する一つの抗CD20抗体を、アポトーシスを誘導することにより優位に作用する別の抗CD20抗体と組み合わせて含有してもよい。
実施例
本発明は、以下の実施例によりさらに例示されるが、この実施例は、さらに限定するものとしてみなしてはならない。
本発明は、以下の実施例によりさらに例示されるが、この実施例は、さらに限定するものとしてみなしてはならない。
実施例2:オファツムマブを用いた処置療法
本発明の一態様では、COPD、例えばGOLDステージ1、2、3または4のCOPDを有する患者に、0日目に2〜8時間かけて、例えば2〜4時間かけて静脈内点滴によりオファツムマブ100mgを投与する。この投与に続いて、それぞれ7日目および21日目にオファツムマブ1000mgを2回、2〜8時間かけて、例えば2〜4時間かけて静脈内点滴により投与する。前投与は、例えば以下のように、すなわちオファツムマブ10mgの初回点滴の前日に、クレマスチン1mg (または等しい投薬量の別の抗ヒスタミン)およびプレドニゾロン100mg(または等しい投薬量の別のグルココルチコステロイド)をp.o.投与する、オファツムマブ10mgの前記初回点滴の1〜2時間前にクレマスチン2mgおよびプレドニゾロン100mgをi.v.投与する、ならびにオファツムマブ10mgの前記初回点滴の30分〜2時間前にパラセタモール1gをp.o.投与するように与えてもよい。このような前投与は、それに続くオファツムマブの各点滴の前に投与してもよい。
本発明の一態様では、COPD、例えばGOLDステージ1、2、3または4のCOPDを有する患者に、0日目に2〜8時間かけて、例えば2〜4時間かけて静脈内点滴によりオファツムマブ100mgを投与する。この投与に続いて、それぞれ7日目および21日目にオファツムマブ1000mgを2回、2〜8時間かけて、例えば2〜4時間かけて静脈内点滴により投与する。前投与は、例えば以下のように、すなわちオファツムマブ10mgの初回点滴の前日に、クレマスチン1mg (または等しい投薬量の別の抗ヒスタミン)およびプレドニゾロン100mg(または等しい投薬量の別のグルココルチコステロイド)をp.o.投与する、オファツムマブ10mgの前記初回点滴の1〜2時間前にクレマスチン2mgおよびプレドニゾロン100mgをi.v.投与する、ならびにオファツムマブ10mgの前記初回点滴の30分〜2時間前にパラセタモール1gをp.o.投与するように与えてもよい。このような前投与は、それに続くオファツムマブの各点滴の前に投与してもよい。
処置療法は、必要に応じて3〜12カ月毎、例えば6カ月毎に1回または複数回繰り返してもよい。
患者を、他の薬物、例えば吸入用ステロイドおよび長時間作用性β2アゴニストを用いて同時に処置してもよい。
実施例3:オファツムマブを用いた処置療法
本発明の一態様では、COPD、例えばGOLDステージ1、2、3または4のCOPDを有する患者に、オファツムマブ1000mgを2回、2週間間隔で投与する。薬物は、2〜8時間かけて、例えば2〜4時間かけて静脈内点滴により投与する。実施例2に開示されたもののような前投与を投与してもよい。
本発明の一態様では、COPD、例えばGOLDステージ1、2、3または4のCOPDを有する患者に、オファツムマブ1000mgを2回、2週間間隔で投与する。薬物は、2〜8時間かけて、例えば2〜4時間かけて静脈内点滴により投与する。実施例2に開示されたもののような前投与を投与してもよい。
処置療法は、必要に応じて3〜12カ月毎、例えば6カ月毎に1回または複数回繰り返してもよい。
患者を、他の薬物、例えば吸入用ステロイドおよび長時間作用性β2アゴニストを用いて同時に処置してもよい。
実施例4:オファツムマブを用いた処置療法
本発明の一態様では、COPD、例えばGOLDステージ1、2、3または4のCOPDを有する患者に、0日目にオファツムマブ10mgの第1の投薬を、1日目にオファツムマブ90mgの第2の投薬を、7日目にオファツムマブ1000mgの第3の投薬を、および21日目にオファツムマブ1000mgの第4の投薬を投与する。薬物は、2〜8時間かけて、例えば2〜4時間かけて静脈内点滴により投与される。
本発明の一態様では、COPD、例えばGOLDステージ1、2、3または4のCOPDを有する患者に、0日目にオファツムマブ10mgの第1の投薬を、1日目にオファツムマブ90mgの第2の投薬を、7日目にオファツムマブ1000mgの第3の投薬を、および21日目にオファツムマブ1000mgの第4の投薬を投与する。薬物は、2〜8時間かけて、例えば2〜4時間かけて静脈内点滴により投与される。
実施例2に開示したような前投薬を投与してもよい。
処置療法は、必要に応じて3〜12カ月毎、例えば6カ月毎に1回または複数回繰り返してもよい。
患者を、他の薬物、例えば吸入用ステロイドおよび長時間作用性β2アゴニストを用いて同時に処置してもよい。
実施例5:COPDの処置におけるCD20結合分子の効力
CD20結合分子の効力は、以下の試験のうち一つまたは複数に準拠して測定することができる。
CD20結合分子の効力は、以下の試験のうち一つまたは複数に準拠して測定することができる。
誘発喀痰試験
タービュヘイラー(turbohaler)によりテルブタミン1.5mgを3回に分けて前投薬後に、濃縮高張食塩水をネブライザー(Portaneb)により5分間、合計15分間吸入することにより喀痰を誘発する。安全の理由から、FEV1を5分毎にモニターし、続いてFEV1がベースラインから20%超降下したならば、テルブタリン0.5mgを1回投与して誘発を中止する。
タービュヘイラー(turbohaler)によりテルブタミン1.5mgを3回に分けて前投薬後に、濃縮高張食塩水をネブライザー(Portaneb)により5分間、合計15分間吸入することにより喀痰を誘発する。安全の理由から、FEV1を5分毎にモニターし、続いてFEV1がベースラインから20%超降下したならば、テルブタリン0.5mgを1回投与して誘発を中止する。
喀痰試料を収集し、標準的な手順により以下のパラメーターについて分析してもよい:IL-4、IL-6、IL-8、TNF-α、GRO-α、尿素およびアルブミン。
尿素およびアルブミンを参照標準として含める。
試料は、標準的な手順により以下のパラメーターのうち一つまたは複数についてもまたさらに分析してもよい:IL-1β、IL-13、TNF-β、総Ig、総IgE、およびMCP-1。
尿素およびアルブミン以外の上記パラメーターのうち一つまたは複数の低減は、炎症の軽減を示し、COPD状態の改善を構成しうる。
血清の分析
血清試料を収集し、標準的な手順により以下の炎症メディエーターについて分析してもよい:IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-α。
血清試料を収集し、標準的な手順により以下の炎症メディエーターについて分析してもよい:IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-α。
試料は、標準的な手順により、以下のパラメーターのうち一つまたは複数についてもまたさらに分析してもよい:IL-lβ、IL-13、TNF-β、総Ig、総IgE、およびMCP-1。
上記パラメーターの一つまたは複数の低減は、炎症の軽減を示し、COPD状態の改善を構成しうる。
努力肺活量(FVC)に対する1秒量(FEV 1 )の比(FEV 1 /FVC)および1秒量(FEV 1 )
タービュヘイラーにより3回に分割投与したテルブタリン1.5mgの前投薬後に、ERS/ATS基準通りにスパイロメトリーによりFEV1、FVCおよびFEV1/FVCの標定を行う。
タービュヘイラーにより3回に分割投与したテルブタリン1.5mgの前投薬後に、ERS/ATS基準通りにスパイロメトリーによりFEV1、FVCおよびFEV1/FVCの標定を行う。
FEV1値およびFEV1/FVC比の増加、またはFEV1値およびFEV1/FVC比の漸減の縮小もしくは停止は、COPD状態の改善を示す。
増悪の回数および/または重症度
増悪は、急性発症した症状の持続的悪化、来診、救急診療部への来院もしくは入院、ならびに/またはステロイド錠および/もしくは抗生物質を必要とする息切れの悪化、咳嗽、喀痰の生成増加および喀痰の色変化として定義される。
増悪は、急性発症した症状の持続的悪化、来診、救急診療部への来院もしくは入院、ならびに/またはステロイド錠および/もしくは抗生物質を必要とする息切れの悪化、咳嗽、喀痰の生成増加および喀痰の色変化として定義される。
増悪の発生数は、一定期間、例えば12カ月間にわたる抗生物質療法の回数、ステロイド錠療法の回数、来診/往診、救急診療部への来院または入院の回数として測定される。増悪の回数および/または重症度の減少は、COPD状態の改善を示す。
気管支肺胞洗浄
気管支肺胞洗浄(BAL)は、気管支生検を採取する前に行う。右中葉の「分枝(clivage)」に達するまでスコープを進める。等張食塩水50mlを注入し、吸引を行う。合計100mlを使用する。少なくとも30mlを回収すべきである。回収できなければ、別の部分の50mlを注入するべきである。以下の炎症メディエーターを標準的な手順により分析する。
気管支肺胞洗浄(BAL)は、気管支生検を採取する前に行う。右中葉の「分枝(clivage)」に達するまでスコープを進める。等張食塩水50mlを注入し、吸引を行う。合計100mlを使用する。少なくとも30mlを回収すべきである。回収できなければ、別の部分の50mlを注入するべきである。以下の炎症メディエーターを標準的な手順により分析する。
試料は、標準的な手順により以下のパラメーターのうち一つまたは複数についてもまたさらに分析してもよい:IL-4、IL-6、IL-8、TNF-α、GRO-α、尿素およびアルブミン。
尿素およびアルブミンは参照標準として含める。
試料は、標準的な手順により以下のパラメーターのうち一つまたは複数についてもまたさらに分析してもよい:IL-1β、IL-13、TNF-β、総Ig、総IgE、およびMCP-1。
尿素およびアルブミン以外の上記パラメーターのうち一つまたは複数の低減は、炎症の軽減を示し、COPD状態の改善を構成しうる。
気管支生検
右または左側(右上葉と中間幹気管支との間の気管分岐部下、中葉(右肺)入口部の気管分岐部下、下葉8と9または9-10との間の気管分岐部下)から五(5)個の生検を得る。CD20結合分子で処置する前後の発現を比較する場合に、これらの生検は、同じ場所から得るべきである。
右または左側(右上葉と中間幹気管支との間の気管分岐部下、中葉(右肺)入口部の気管分岐部下、下葉8と9または9-10との間の気管分岐部下)から五(5)個の生検を得る。CD20結合分子で処置する前後の発現を比較する場合に、これらの生検は、同じ場所から得るべきである。
以下のパラメーターを、ヘマトキシリン・エオシン染色(HE染色)を含む標準的な手順により分析する:CD45+、CD3+、CD4+、CD8+、CD19+、CD20+、CD68+、エラスターゼ、EG2(好酸球)およびAA1(マスト細胞)。
上記パラメーターの一つまたは複数の低減は、COPD状態の改善を示す。
医療審議会(MRC)スケール
医療審議会(MRC)の呼吸困難スケールは、日常の活動性に及ぼす息切れの影響を等級付けするために使用する。Mahler DA et al. (1987) Am. Rev. Respir. Dis. 135:1229-1233; Mahler DA et al. (1988) Chest 93:580-586; およびEltayara LMR et al. (1996) Am. J. Respir. Crit. Care Med. 154:1726-1734を参照されたい。このスケールは、実際に知覚される呼吸不能を測定し、不能のWHO定義は、「ヒトに関して正常とみなされる方法または範囲内で活動を行う能力の任意の制限または欠如」である。
医療審議会(MRC)の呼吸困難スケールは、日常の活動性に及ぼす息切れの影響を等級付けするために使用する。Mahler DA et al. (1987) Am. Rev. Respir. Dis. 135:1229-1233; Mahler DA et al. (1988) Chest 93:580-586; およびEltayara LMR et al. (1996) Am. J. Respir. Crit. Care Med. 154:1726-1734を参照されたい。このスケールは、実際に知覚される呼吸不能を測定し、不能のWHO定義は、「ヒトに関して正常とみなされる方法または範囲内で活動を行う能力の任意の制限または欠如」である。
臨床的に意味ある呼吸困難の軽減は、COPD状態の改善を示す。
ベースライン呼吸困難指数(BDI)および経過的呼吸困難指数(TDI)
ベースライン呼吸困難指数(Baseline Dyspnea Index、BDI)および経過的呼吸困難指数(Transitional Dyspnea Index、TDI)は、呼吸困難を評価するために使用することができる。Mahler DA et al. (1984) Chest 85:751-7588を参照されたい。
ベースライン呼吸困難指数(Baseline Dyspnea Index、BDI)および経過的呼吸困難指数(Transitional Dyspnea Index、TDI)は、呼吸困難を評価するために使用することができる。Mahler DA et al. (1984) Chest 85:751-7588を参照されたい。
臨床的に意味ある呼吸困難の軽減は、COPD状態の改善を示す。
実施例6: BAL試料中のサイトカイン、尿素およびアルブミンの分析
以下の処置療法によりオファツムマブを用いた処置を開始する3週間前および12週間後に、臨床試験に含めたCOPD患者における気管支肺胞洗浄(BAL)を行った:0日目にオファツムマブ100mgを投与し;7日目にオファツムマブ100mgを投与し;かつ21日目にオファツムマブ1000mgを投与した。BAL試料を-20℃で保存した。分析するときに、BAL試料を室温で解凍し、製造業者が記載した通りサイトカイン特異的ELISAによりIL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αの存在について分析した(QuantikineヒトIL-6イムノアッセイ、カタログ番号:HS600B;QuantikineヒトCXCL8/IL-8イムノアッセイ、D8000C;QuantikineヒトTNFα/TNFSF1A、HSTAOOC;QuantikineヒトCXCLl/GRO-αイムノアッセイ、DRGOO;R&D systems, Minneapolis, USA)。尿素レベルは、製造業者が記載した通り比色アッセイ形式で測定した(Quantichrom尿素アッセイキット、カタログ番号DIUR-500、Bioassay systems, Hayward CA, USA)。アルブミンレベルは、ELISAにより検出した(アルブミンELISAキット、K6330, Immunodiagnostics, Bensheim, Germany)。吸光度レベルは、ELISAリーダーを使用して検出し、特異的タンパク質の濃度は、キットに用意された標準曲線に基づき計算した。表1は、患者を処置する前のレベルに比べて、低レベルのIL-6、IL-8およびGRO-αが、処置開始12週間後のBAL試料から検出されたことを示す。処置前後に検出可能なレベルのTNF-αは見出されなかった。BAL液中の尿素レベルおよびアルブミンレベルは、HuMax-CD20の処置前後で類似していた。
以下の処置療法によりオファツムマブを用いた処置を開始する3週間前および12週間後に、臨床試験に含めたCOPD患者における気管支肺胞洗浄(BAL)を行った:0日目にオファツムマブ100mgを投与し;7日目にオファツムマブ100mgを投与し;かつ21日目にオファツムマブ1000mgを投与した。BAL試料を-20℃で保存した。分析するときに、BAL試料を室温で解凍し、製造業者が記載した通りサイトカイン特異的ELISAによりIL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αの存在について分析した(QuantikineヒトIL-6イムノアッセイ、カタログ番号:HS600B;QuantikineヒトCXCL8/IL-8イムノアッセイ、D8000C;QuantikineヒトTNFα/TNFSF1A、HSTAOOC;QuantikineヒトCXCLl/GRO-αイムノアッセイ、DRGOO;R&D systems, Minneapolis, USA)。尿素レベルは、製造業者が記載した通り比色アッセイ形式で測定した(Quantichrom尿素アッセイキット、カタログ番号DIUR-500、Bioassay systems, Hayward CA, USA)。アルブミンレベルは、ELISAにより検出した(アルブミンELISAキット、K6330, Immunodiagnostics, Bensheim, Germany)。吸光度レベルは、ELISAリーダーを使用して検出し、特異的タンパク質の濃度は、キットに用意された標準曲線に基づき計算した。表1は、患者を処置する前のレベルに比べて、低レベルのIL-6、IL-8およびGRO-αが、処置開始12週間後のBAL試料から検出されたことを示す。処置前後に検出可能なレベルのTNF-αは見出されなかった。BAL液中の尿素レベルおよびアルブミンレベルは、HuMax-CD20の処置前後で類似していた。
等価物
当業者は、慣例の実験法のみを使用して、本明細書に記載の本発明の具体的な態様の多数の等価物を認識または確認することができるであろう。このような等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。従属請求項に開示された態様の任意の組み合わせもまた、本発明の範囲内に入ると考えられる。
当業者は、慣例の実験法のみを使用して、本明細書に記載の本発明の具体的な態様の多数の等価物を認識または確認することができるであろう。このような等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。従属請求項に開示された態様の任意の組み合わせもまた、本発明の範囲内に入ると考えられる。
Claims (65)
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるFEV1/FVC(%)またはFEV1(%)により測定される肺機能の改善を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるベースライン呼吸困難指数(baseline dyspnea index)(BDI)または経過的呼吸困難指数(transitional dyspnea index)(TDI)により測定される呼吸困難の低減を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における増悪の発生率および/または重症度の低減を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における以下により測定される炎症の低減を目的とする医薬を調製するための、CD20結合分子の使用:
(i)該患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(ii)該患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(iii)該患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
(iv)該患者の気管支生検における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2 (好酸球)およびAA1 (マスト細胞)のうち一つもしくは複数のパラメーターの減少。 - 医薬が、静脈内、腹腔内、吸入、気管支内、肺胞内、筋肉内、皮下または経口投与に適する、前記請求項のいずれか一項記載の使用。
- 医薬が、静脈内注射または点滴に適する、請求項6記載の使用。
- 医薬が、10〜2000mgの量、または0.05〜15マイクロモルの量のCD20結合分子の投与に適する、前記請求項のいずれか一項記載の使用。
- 医薬が、それぞれ100〜2000mgの量のCD20結合分子を2週間間隔で2回投与することを含む処置療法においてCD20結合分子を投与するために適する、請求項8記載の使用。
- 医薬が、100mgの量のCD20結合分子を1回投与し、続いてそれぞれ300〜2000mgの量のCD20結合分子を2回、第1の投薬のそれぞれ1週間後および3週間後に投与することを含む処置療法においてCD20結合分子を投与するために適する、請求項8記載の使用。
- 処置療法が、3〜12カ月間隔、例えば6カ月間隔で1回または複数回繰り返される、請求項9または10記載の使用。
- CD20結合分子がCD20に対する抗体であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の使用。
- 抗体がCD20に対するモノクローナル抗体であることを特徴とする、請求項12記載の使用。
- 抗体がCD20に対するヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする、請求項12または13記載の使用。
- 抗体が、全長抗体、例えば全長IgG1抗体であることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項記載の使用。
- CD20に対する抗体が、抗体断片、例えばscFvまたはUniBody(商標)(WO2007/059782に開示された一価抗体)であることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項記載の使用。
- CD20に対する抗体が、ヒトCD20に対する親和性と少なくとも同じ親和性で変異体P172S CD20 (172位のプロリンがセリンに変異)に結合することを特徴とする、請求項12〜16のいずれか一項記載の使用。
- CD20に対する抗体が、CD20上の以下のエピトープに結合することを特徴とする、請求項12〜17のいずれか一項記載の使用:
(i)172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としない、エピトープ;
(ii)170位のアラニンもしくは172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としない、エピトープ;
(iii)163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ;
(iv)172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としないが、163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ;あるいは
(v)170位のアラニンもしくは172位のプロリンのアミノ酸残基を含まない、または必要としないが、163位のアスパラギンおよび166位のアスパラギンのアミノ酸残基を含む、または必要とする、エピトープ。 - CD20に対する抗体が、以下の特徴のうち一つまたは複数を有することを特徴とする、請求項12〜18のいずれか一項記載の使用:
(i)ヒトCD20に対する親和性と少なくとも同じ親和性で、変異体AxP (170位のアラニンがセリンに、172位のプロリンがセリンに変異)に結合する;
(ii)抗体濃度10μg/mlで、変異体N166D(166位のアスパラギンがアスパラギン酸に変異)に対して、ヒトCD20に比べ50%以上の低下した結合を示す;または
(iii)抗体濃度10μg/mlで、変異体N163D(163位のアスパラギンがアスパラギン酸に変異)に対して、ヒトCD20に比べ50%以上の低下した結合を示す。 - CD20に対する抗体がCD20上の不連続エピトープに結合し、該エピトープが第1の小型細胞外ループの部分および第2の細胞外ループの部分を含むことを特徴とする、請求項12〜19のいずれか一項記載の使用。
- CD20に対する抗体がCD20上の不連続エピトープに結合し、該エピトープが第1の小型細胞外ループの残基AGIYAPおよび第2の細胞外ループの残基MESLNFIRAHTPYIを有することを特徴とする、請求項20記載の使用。
- CD20に対する抗体が、配列番号:5、9、および11から選択されるVH CDR3配列を含むことを特徴とする、請求項12〜21のいずれか一項記載の使用。
- CD20に対する抗体が、配列番号:3のVH CDR1、配列番号:4のVH CDR2、配列番号:5のVH CDR3、配列番号:6のVL CDR1、配列番号:7のVL CDR2および配列番号:8のVL CDR3の配列を含むことを特徴とする、請求項12〜21のいずれか一項記載の方法。
- CD20に対する抗体が、配列番号:10のVH CDR1-CDR3スパン配列を含むことを特徴とする、請求項12〜21のいずれか一項記載の使用。
- CD20に対する抗体が、配列番号:1および配列番号:2にそれぞれ示すアミノ酸配列;または、配列番号:1および配列番号:2にそれぞれ示すアミノ酸配列に対して少なくとも95%相同な、さらに好ましくは少なくとも98%、もしくは少なくとも99%相同なアミノ酸配列を含む、ヒト重鎖可変領域およびヒト軽鎖可変領域を有することを特徴とする、請求項12〜21のいずれか一項記載の使用。
- CD20結合分子が、オファツムマブ(2F2)、11B8、7D8、2C6、AME-133、TRU-015、IMMU-106、オクレリズマブ(2H7.v16、PRO-70769、R-1594)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ)およびRituxan(登録商標)/MabThera(登録商標)(リツキシマブ)から選択されることを特徴とする、請求項12記載の使用。
- CD20に対する抗体が、以下により得られることを特徴とする、請求項12記載の使用:
ヒト重鎖導入遺伝子またはトランスクロモソーム、およびヒト軽鎖導入遺伝子またはトランスクロモソームを含むゲノムを有するトランスジェニック非ヒト動物に対し、該動物のB細胞により抗体が生成されるように、ヒトCD20をトランスフェクトされた細胞を免疫する段階;
該動物のB細胞を単離する段階;
該B細胞を骨髄腫細胞と融合させて、ヒトCD20に特異的なヒトモノクローナル抗体を分泌する不死のハイブリドーマ細胞を形成させる段階;および
該ハイブリドーマ、または該ハイブリドーマ由来のトランスフェクトーマの培養上清から、ヒトCD20に特異的なヒトモノクローナル抗体を単離する段階。 - CD20に対する抗体が、ヒトVH DP-44/D3-10/JH6b生殖細胞系配列(配列番号:12)由来の重鎖可変領域アミノ酸配列、およびヒトVL L6/JK4生殖細胞系配列(配列番号:13)由来の軽鎖可変領域アミノ酸配列;または、ヒトVH 3-09/D4-11/JH6b生殖細胞系配列(配列番号:14)由来の重鎖可変領域アミノ酸配列、およびヒトVL L6/JK5生殖細胞系配列(配列番号:15)由来の軽鎖可変領域アミノ酸配列を含み、該ヒト抗体がCD20に特異的に結合することを特徴とする、請求項12〜27のいずれか一項記載の使用。
- 医薬が、一つまたは複数のさらなる治療剤と組み合わせて投与するために適する、前記請求項のいずれか一項記載の使用。
- 一つまたは複数のさらなる治療剤が、以下からなる群より選択される、請求項29記載の使用:気管支拡張薬;抗炎症剤;利尿剤;ジゴキシン;抗高血圧薬;コレステロール低下薬;抗うつ薬;α1-アンチトリプシン増強療法(遺伝性α1-アンチトリプシン欠損症を有する患者の場合);粘液溶解薬、例えばアンブロキソロール(ambroxolol)、エルドステイン、カルボシステイン、およびヨウ素化グリセロール;抗酸化剤、例えばN-アセチルシステイン、免疫刺激剤、ならびに鎮咳薬。
- 一つまたは複数のさらなる治療剤が、気管支拡張薬および抗炎症剤からなる群より選択される、請求項29記載の使用。
- 一つまたは複数のさらなる治療剤が、以下からなる群より選択される一つまたは複数の気管支拡張薬を含む、請求項29記載の使用:短時間作用性または長時間作用性β2アゴニスト、例えばフェノテロール、サルブタモール、テルブタリン、フォルモテロールおよびサルメテロール;メチルキサンチン、例えばアミノフィリンおよびテオフィリン;抗コリン作用薬;ならびに吸入用抗コリン作用薬、例えばチオトロピウム、イプラトロピウムおよびオキシトロピウム。
- 一つまたは複数のさらなる治療剤が、以下からなる群より選択される一つまたは複数の抗炎症剤を含む、請求項29記載の使用:吸入用コルチコステロイド、例えばフルチカゾン;全身性コルチコステロイド、例えばプレドニゾロン;およびロイコトリエンアンタゴニスト。
- 一つまたは複数のさらなる治療剤が、以下からなる群より選択される、請求項29記載の使用:抗IL-8抗体、抗CD38抗体、抗CD25抗体、抗CRCR1抗体、抗CXCR2抗体、抗CD8抗体、およびEGFr阻害剤、例えば抗EGFr抗体。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるFEV1/FVC(%)またはFEV1(%)により測定される肺機能の改善を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるベースライン呼吸困難指数(BDI)または経過的呼吸困難指数(TDI)により測定される呼吸困難の軽減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における増悪の発生率および/または重症度の低減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における以下により測定される炎症の低減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子:
(i)該患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(ii)該患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(iii)該患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
(iv)該患者の気管支生検における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2(好酸球)およびAA1(マスト細胞)のうち一つもしくは複数のパラメーターの減少。 - 静脈内、腹腔内、吸入、気管支内、肺胞内、筋肉内、皮下または経口投与に適する、請求項35〜39のいずれか一項記載の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
- 静脈内注射または点滴に適する、請求項35〜40のいずれか一項記載の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
- 10〜2000mgの量、または0.05〜15マイクロモルの量で投与するための、請求項35〜41のいずれか一項記載の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
- 請求項9〜11のいずれか一項記載の処置療法において投与するための、請求項35〜41のいずれか一項記載の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
- 請求項12〜28のいずれか一項に定義される、請求項35〜43のいずれか一項記載の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
- 請求項29〜34のいずれか一項に定義される一つまたは複数のさらなる治療剤と組み合わせて投与するための、請求項35〜43のいずれか一項記載の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するためのCD20結合分子。
- CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物。
- CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるFEV1/FVC(%)またはFEV1(%)により測定される肺機能の改善を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物。
- CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者におけるベースライン呼吸困難指数(BDI)または経過的呼吸困難指数(TDI)により測定される呼吸困難の軽減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物。
- CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における増悪の発生率および/または重症度の低減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物。
- CD20結合分子を含有することを特徴とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者における以下により測定される炎症の低減を目的とする、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に使用するための薬学的組成物:
(v)該患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(vi)該患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(vii)該患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
(viii)該患者の気管支生検における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2(好酸球)およびAA1(マスト細胞)のうち一つもしくは複数のパラメーターの減少。 - 静脈内、腹腔内、吸入、気管支内、肺胞内、筋肉内、皮下または経口投与に適する、請求項46〜50のいずれか一項記載の薬学的組成物。
- 静脈内注射または点滴に適する、請求項46〜50のいずれか一項記載の薬学的組成物。
- 10〜2000mgの量、または0.05〜15マイクロモルの量のCD20結合分子を含む、請求項46〜50のいずれか一項記載の薬学的組成物。
- CD20結合分子が、請求項12〜28のいずれか一項に定義される、請求項46〜53のいずれか一項記載の薬学的組成物。
- 患者における慢性閉塞性肺疾患(COPD)を処置する方法であって、処置を必要とする患者に該疾患を処置するために有効な量のCD20結合分子を投与する段階を含む、方法。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者において、FEV1/FVC(%)またはFEV1(%)により測定される肺機能を改善する方法であって、肺機能を改善するために有効な量のCD20結合分子を患者に投与する段階を含む、方法。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者において、ベースライン呼吸困難指数(BDI)または経過的呼吸困難指数(TDI)により測定される呼吸困難を軽減するための方法であって、呼吸困難を軽減するために有効な量のCD20結合分子を患者に投与する段階を含む、方法。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者において、増悪の発生率および/または重症度を低減する方法であって、増悪の発生率および/または重症度を低減するために有効な量のCD20結合分子を患者に投与する段階を含む、方法。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う患者において、以下により測定される炎症を低減する方法であって、炎症を低減するために有効な量のCD20結合分子を患者に投与する段階を含む、方法:
(ix)該患者の誘発喀痰における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(x)該患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、
(xi)該患者の血清における、IL-4、IL-6、IL-8、TNF-αおよびGRO-αのうち一つもしくは複数のパラメーターの減少、または
(xii)該患者の気管支生検における、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、CD20+細胞、CD68+細胞、エラスターゼ、EG2(好酸球)およびAA1(マスト細胞)のうち一つもしくは複数のパラメーターの減少。 - CD20結合分子が、静脈内、腹腔内、吸入、気管支内、肺胞内、筋肉内、皮下または経口経路により投与される、請求項55〜59のいずれか一項記載の方法。
- CD20結合分子が、静脈内注射または点滴により投与される、請求項60記載の方法。
- CD20結合分子が、100〜2000mgの量、または0.5〜15マイクロモルの量で投与される、請求項55〜61のいずれか一項記載の方法。
- CD20結合分子が、請求項9〜11のいずれか一項記載の処置療法において投与される、請求項62記載の方法。
- CD20結合分子が、請求項12〜28のいずれか一項に定義されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- 請求項29〜34のいずれか一項に定義される一つまたは複数のさらなる治療剤を患者に投与する段階を含む、請求項55〜64のいずれか一項記載の方法。
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