JP2014207987A - 生体組織貼付用キット及び生体組織貼付用パッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高い安全性、低い環境負荷を実現しつつ、生体組織に電流を流すことが可能な生体組織貼付用キット及び生体組織貼付用パッチを提供することを目的とする。
【解決手段】生体組織に貼り付けて用いられる生体組織貼付用パッチを作製するためのキットであって、酸化還元反応を触媒する酵素が担持された電極を含む複数の電極と、複数の電極を電気的に接続する導電性部材と、酵素の基質を含む導電層とを含むことを特徴とする、キット、並びに、生体組織に貼り付けて用いられる生体組織貼付用パッチであって、酸化還元反応を触媒する酵素が担持された電極を含む複数の電極と、複数の電極を電気的に接続する導電性部材とを含むことを特徴とする、パッチ。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体組織貼付用キット及び生体組織貼付用パッチに関し、特に、高い安全性、低い環境負荷を実現しつつ、生体組織に電流を流すことが可能な生体組織貼付用キット及び生体組織貼付用パッチに関する。
近年、美容や医療のための手法として、生体組織に電気を流す手法が注目を集めつつある。上記手法を実現する装置としては、例えば、一般的な乾電池と電極とを備えた皮膚貼付用シートが知られている(特許文献1参照)。
特開2010−202577号公報
しかしながら、一般的な乾電池を用いる既存の生体組織貼付用パッチは、金属性の電極等を含む電解液を含む既存の電池を備えるため、人体に対する影響を低減し、安全性を高める余地、及び、廃棄処理を簡便化し、環境負荷を低減する余地が存在していた。
そこで、本発明は、高い安全性、低い環境負荷を実現しつつ、生体組織に電流を流すことが可能な生体組織貼付用キット及び生体組織貼付用パッチを提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下の通りである。
本発明の生体組織貼付用キットは、生体組織に貼り付けて用いられる生体組織貼付用パッチを作製するための生体組織貼付用キットであって、酸化還元反応を触媒する酵素が担持された電極を含む複数の電極と、前記複数の電極を電気的に接続するための導電性部材とを含むことを特徴とする。
また、本発明の生体組織貼付用キットは、前記酵素の基質を含む導電層を更に含むことが好ましい。
更に、本発明の生体組織貼付用キットは、前記複数の電極と前記導電層とは、前記キットの使用時に接触した状態になることが好ましい。
更に、本発明の生体組織貼付用キットは、前記導電層は、薬剤、化粧料、及び製剤からなる群から選択される少なくとも一つを更に含むことが好ましい。
更に、本発明の生体組織貼付用キットは、前記複数の電極は、実質的に水を含まないことが好ましい。
更に、本発明の生体組織貼付用キットは、前記複数の電極、前記導電性部材、及び前記導電層を封止するための外面カバーを更に含むことが好ましい。
本発明の生体組織貼付用パッチは、生体組織に貼り付けて用いられる生体組織貼付用パッチであって、酸化還元反応を触媒する酵素が担持された電極を含む複数の電極と、前記複数の電極を電気的に接続する導電性部材とを含むことを特徴とする。
また、本発明の生体組織貼付用パッチは、前記酵素の基質を含む導電層を更に含み、前記導電層は、前記複数の電極に対して接触した状態で設けられることが好ましい。
更に、本発明の生体組織貼付用パッチは、前記導電層は、ヒドロゲルを含むことが好ましい。
更に、本発明の生体組織貼付用パッチは、前記導電層は、薬剤、化粧料、及び製剤からなる群から選択される少なくとも一つを更に含むことが好ましい。
更に、本発明の生体組織貼付用パッチは、前記複数の電極と前記導電層とを接触させることによって、前記酵素による酸化還元反応を開始させる反応開始手段を更に含むことが好ましい。ここで、前記反応開始手段は、前記複数の電極と前記導電層とを隔離する隔離部材であってよく、また、実質的に水を含まない複数の電極及び前記導電層であってもよい。
更に、本発明の生体組織貼付用パッチは、前記複数の電極は、実質的に水を含まないことが好ましい。
更に、本発明の生体組織貼付用パッチは、前記複数の電極、前記導電性部材、及び前記導電層を封止する外面カバーを更に含むことが好ましい。
本発明の生体組織貼付用キット及び本発明の生体組織貼付用パッチによれば、高い安全性、低い環境負荷を実現しつつ、生体組織に電流を流すことができる。
生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第一実施形態の生体組織貼付用キットを示す図であり、(a)は、組み立て前のキットを斜視図で示し、(b)は、組み立て後のキットを断面図で示す。 生体組織に貼り付けて使用している状態における、本発明の第一実施形態の生体組織貼付用キットを示す図であり、(a)は、キットを外観図で示し、(b)は、キットを断面図で示す。 生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第二実施形態の生体組織貼付用キットを示す図であり、(a)は、組み立て前のキットを斜視図で示し、(b)は、組み立て後のキットを断面図で示す。 生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第三実施形態の生体組織貼付用キットを示す図であり、(a)は、組み立て前のキットを斜視図で示し、(b)は、組み立て後のキットを断面図で示す。 生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第四実施形態の生体組織貼付用キットを示す図であり、(a)は、組み立て前のキットを斜視図で示し、(b)は、組み立て後のキットを断面図で示し、(c)は、導電層に水を加えた状態の組み立て後のキットを断面図で示す。 生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第一実施形態の生体組織貼付用パッチを示す図であり、(a)は、パッチを斜視図で示し、(b)は、パッチを断面図で示す。 生体組織に貼り付けて使用している状態における、本発明の第一実施形態の生体組織貼付用パッチを示す図であり、(a)は、パッチの外観図を示し、(b)は、パッチを断面図で示す。 生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第二実施形態の生体組織貼付用パッチを示す図であり、(a)は、パッチを斜視図で示し、(b)は、パッチを断面図で示す。 生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第三実施形態の生体組織貼付用パッチを示す図であり、(a)は、パッチを斜視図で示し、(b)は、パッチを断面図で示す。 生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第四実施形態の生体組織貼付用パッチを示す図であり、(a)は、パッチを斜視図で示し、(b)は、パッチを断面図で示し、(c)は、導電層に水を加えた状態のパッチを断面図で示す。 本発明の実施例の生体組織貼付用パッチを示す図であり、(a)は、パッチを分解して斜視図で示し、(b)は、組み立てたパッチを断面図で示す。 陰極にフルクトース脱水素酵素(FDH)を用いた本発明に従う生体組織貼付用パッチにおける、セル電圧と電流密度及び出力密度との関係(出力性能評価の結果)を示す図である。 本発明の一例の生体組織貼付用パッチにおける、時間とパッチの出力の指数との関係(耐久性能評価の結果)を示す図である。 乾燥後の日数と、各種条件で乾燥させたフルクトース脱水素酵素(FDH)における、乾燥前の酵素活性に対する乾燥後の酵素活性の比との関係を示す図である。 乾燥後の日数と、各種条件で乾燥させたビリルビンオキシダーゼ(BOD)における、乾燥前の酵素活性に対する乾燥後の酵素活性の比との関係を示す図である。 陰極にグルコース脱水素酵素(GDH)を用いた本発明に従う生体組織貼付用パッチにおける、電位と電流密度との関係(出力性能評価の結果)を示す図である。
(生体組織貼付用キット)
以下、図面を参照して、本発明の生体組織貼付用キットの実施形態について詳細に例示説明する。
本発明の生体組織貼付用キットは、酵素反応によって発生させた電気により、生体表面を介して生体組織の内部に電流を流すためのキットである。このキットは、生体組織に貼り付けて用いられる生体組織貼付用パッチ(後述)を作製するために用いることができる。
図1(a)、(b)に、生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第一実施形態の生体組織貼付用キットを示す。図1(a)に、組み立て前のキットを斜視図で示し、図1(b)に、組み立て後のキットを断面図で示す。
また、図2(a)、(b)に、生体組織に貼り付けて使用している状態における、本発明の第一実施形態の生体組織貼付用キットを示す。図2(a)に、キットを外観図で示し、図2(b)に、キットを断面図で示す。
本発明の第一実施形態の生体組織貼付用キット10(以下、「キット10」ともいう。)は、陽極(カソード)2a、及び陰極(アノード)2bからなる2つの電極2と、2つの電極2(2a、2b)を電気的に接続するための導電性部材4とを含む。ここで、陽極2aには、還元反応を触媒する酵素3aが担持され、陰極2bには、酸化反応を触媒する酵素3bが担持されている。
図1(a)に示すように、キット10は、更に、電極2(2a、2b)、及び導電性部材4を固定するために用いられ、2つの穴部6hと、該穴部6hを隔てる橋梁部6bと、穴部間を連通する連通部6tとを有する平板状のフレーム6と、2つの電極2(2a、2b)、導電性部材4、フレーム6を封止する外面カバー7とをも含む。なお、「封止する」とは、少なくとも、キット10の組立体を生体組織1に貼り付けて使用する状態で封止することを意味する。
なお、このキット10では、酵素3(3a、3b)が担持された電極2a、2bは、凍結乾燥等により乾燥されている。
ここで、キット10の使用方法の一例を記載する。
まず、キット10の使用前に、ユーザーは、図1(b)に示すように、2つの電極2(2a、2b)、導電性部材4、フレーム6、外面カバー7を組み立てることによって組立て体10aを作製する。組立て体10aでは、2つの電極2(2a、2b)と導電性部材4とが接触した状態になる。そして、ユーザーは、図2(a)、(b)に示すように、電極2が生体組織1に接触するように、上記組立て体10aを貼り付ける。
また、キット10の使用時の作用効果について記載する。
生体組織1には生体排液が付着している場合(例えば、皮膚には汗が付着している場合)があり、この場合、生体排液に含まれる物質が酵素3(3a、3b)の基質となる場合がある。陰極2bにおいて酵素3bによる酸化反応により発生した電子は、導電性部材4を通って、陽極2aに送達され、陽極2aにおいて酵素3aによる還元反応に用いられる。このとき、電極2(2a、2b)が、皮膚に接触するため、陽極2a−陰極2b間にある皮膚部分に電気が流れる。
本発明の第一実施形態の生体組織貼付用キット10は、酵素やその基質といった人体に無害な物質を用いて電気を発生させる一方、既存の生体組織貼付用キットは、金属性の電極等を含む電解液を備える既存の電池を用いる。そのため、キット10によれば、人体を害する虞を低減して、安全性を高めることができ、且つ、廃棄処理を容易にして、環境負荷を低減することができる。
また、キット10を組み立てて生体組織1に用いれば、キットを酵素反応に適した温度条件下に置くことができるため、酵素の酸化還元反応を利用して電気を発生させるバイオ発電を効率的に行うことができる。
更に、キット10を組み立てて生体組織1に用いれば、金属等の高価な材料の必要性を低減させることができるため、低コストで生体組織1に電流を流すことができる。
特に、生体排液に含まれる物質を酵素3(3a、3b)の基質として用いる上記キット10によれば、例えば、生体排液に含まれる特定の物質の濃度に依存した大きさの電流を検知することが可能になり、生体に関する情報を得ることが可能になる。
また、上記キット10によれば、薬剤、化粧料、及び製剤からなる群から選択される少なくとも一つ(以下、「薬剤等」ともいう。後述)が予め塗布されている生体組織1(例えば、皮膚)に対して貼り付けることによって、薬剤等の生体組織1への投与(浸透・貯留)を効率的に行うことができる。
更に、上記キット10によれば、生体に関する情報を得ながら、この情報に基づいて、薬剤等の生体組織1への投与を行うことができる。
また、特に、上記キット10によれば、生体組織1を構成する細胞(例えば、皮膚表面に位置する角層を構成する角層細胞)に微弱な電流(マイクロカレント)を流して細胞を活性化することも可能になる。
なお、キット10では、乾燥された酵素3及び電極2が用いられるため、キットの製造時から使用時までの間に酵素3が失活することを防ぐことができる。
キット10に含まれるフレーム6は、連通部6tに導電性部材4を配置することを可能にし、この導電性部材4の両端部に接触するように陽極2a及び陰極2bからなる2つの電極2を配置することを可能にする。
キット10に含まれる外面カバー7は、2つの電極2(2a、2b)、導電性部材4、フレーム6を一体化させる。
なお、図1及び図2に示すキット10では、組立て体10aを作製し、この組立て体10aを生体組織1に貼り付けているが、本発明の生体組織貼付用キットの使用方法はこれに限定されることなく、生体組織1上に各部材を順次載せることによって、生体組織1上で組立て体10aを作製してもよい。
図3(a)、(b)に、生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第二実施形態の生体組織貼付用キットを示す。図3(a)に、組み立て前のキットを斜視図で示し、図3(b)に、組み立て後のキットを断面図で示す。
本発明の第二実施形態の生体組織貼付用キット20(以下、「キット20」ともいう。)は、導電層を更に含む点以外は、前述の第一実施形態の生体組織貼付用キット10と同様である。
以下では、図1に示す本発明の第一実施形態の生体組織貼付用キット10と同様の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
本発明の第二実施形態の生体組織貼付用キット20(以下、「キット20」ともいう。)は、電極2(2a、2b)、導電性部材4、フレーム6、外面カバー7に加えて、酵素3(3a、3b)の基質を含む導電層5を含む。
なお、このキット20では、導電層5は、酵素3の基質以外に、水、薬剤等、及び電解質を含む。また、このキット20では、酵素3(3a、3b)が担持された電極2a、2bは、乾燥されている。
ここで、キット20の使用方法の一例を記載する。
まず、キット20の使用前に、ユーザーは、導電層5を生体組織1(図3(a)では、頭部の頬部の表面)に、予め塗布しつつ、図3(b)に示すように、2つの電極2(2a、2b)、導電性部材4、フレーム6、外面カバー7を組み立てることによって組立て体20aを作製する。組立て体20aでは、2つの電極2(2a、2b)と導電性部材4とが接触した状態になる。そして、ユーザーは、電極2がこの導電層5に接触するように、導電層5を形成した領域に上記組立て体20aを貼り付ける(図示せず)。
キット20の使用時の作用効果としては、前述の第一実施形態の生体組織貼付用キット10による作用効果と同様のものが得られる。
特に、キット20は、酵素3(3a、3b)の基質を含む導電層5を含むため、キット20が、酵素反応により自発的に電流を生じさせることができる。
また、キット20では、導電層5が組立て体20aに組み込まれないため、組立て体20aの貼付け時に反応を開始させることができる。
更に、キット20によれば、皮膚組織を構成する細胞に刺激を与え、細胞を活性化することができ、また、皮膚に含まれる水に電気浸透流が生じ、例えば、皮膚のシワを取る効果を得ることができる。そのため、キット20は、例えば、細胞刺激装置、皮膚のシワ緩和装置として、用いることができる。
更に、キット20によれば、皮膚の抵抗値等のパラメータを測定することによって、被験者の精神性発汗や肌荒れの程度に依存する皮膚組織の電気抵抗を測定して、生体状態を検知することもできる。そのため、キット20は、例えば、精神状態測定装置、荒れ肌測定装置として、用いることができる。
更に、このキット20によれば、キット20を皮膚に貼り付けて、例えば、皮膚の角層の分子構造に乱れを生じさせた後に、薬剤等を皮膚に塗布して、薬剤等を効率的に投与することもできる。そのため、キット20は、例えば、投薬前処理装置として、用いることができる。
また、キット20は、導電層5が、酵素3の基質以外に、薬剤等を含むため、イオン性の有効成分を電流にのせて、生体組織1(例えば、皮膚)の内部に導入することができ(イオントフォレシス)、生体組織1表面(例えば、皮膚の角層)の分子構造に乱れを生じさせて(エレクトロポレーション)、有効成分を皮膚の内部に浸透・貯留させることができる。そのため、キット20によれば、薬剤等を、生体表面を介して生体組織1に投与(例えば、経皮投与)することができ、薬剤等の効率的な投与が可能になる。
更に、キット20は、導電層5が、酵素3の基質以外に、電解質を含むため、導電層5の抵抗値を低減し、導電性を高めることができる。
なお、図3では、ユーザーは、導電層5を生体組織1に予め塗布しているが、本発明のキットの使用方法はこれに限定されることなく、ユーザーは、導電層5を生体組織1に貼付、堆積、積層等してもよい。
なお、図3に示すキット20では、導電層5は、生体組織1上の一つの連続的な領域に塗布されているが、本発明の生体組織貼付用キットでは、導電層5は、陽極側導電層5a(図示せず)と陰極側導電層5b(図示せず)とに隔離されていることが好ましい。このとき、陽極2aが陽極側導電層5aに接触し、陰極2bが陰極側導電層5bに接触するように、組立て体20aを貼り付けることによって、電極2(2a、2b)、導電性部材4、及び導電層5を介した電流の流れに加えて、生体組織1を介した電流の流れも生じさせることが可能になる。そのため、導電層5を陽極側と陰極側とで隔離する上記構成によれば、本発明の生体組織貼付用キットによる生体組織1に電流を流す効果を高めることができる。
また、図3に示すキット20では、導電層5を生体組織1に予め塗布しているが、本発明の生体組織貼付用キットでは、導電層5を電極2(2a、2b)に予め塗布して、その後、組立て体20aを生体組織1に貼り付けて使用してもよい(図示せず)。ここで、陽極側導電層5aを陽極2aに予め塗布し、陰極側導電層5bを陰極2bに予め塗布することが好ましい。この構成によれば、前述の通り、本発明の生体組織貼付用キットによる生体組織1に電流を流す効果を高めることができる。
図4(a)、(b)に、生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第三実施形態の生体組織貼付用キットを示す。図4(a)に、組み立て前のキットを斜視図で示し、図4(b)に、組み立て後のキットを断面図で示す。
本発明の第三実施形態の生体組織貼付用キット30(以下、「キット30」ともいう。)は、導電層を、組立て体とは別に生体組織に形成させるのではなく、組立て体に組み入れる点以外は、前述の第二実施形態の生体組織貼付用キット20と同様である。
以下では、図3に示す本発明の第二実施形態の生体組織貼付用キット20と同様の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
なお、このキット30では、導電層5は、酵素3の基質以外に、水を含み、任意選択的に、薬剤等を含む。また、このキット30では、酵素3(3a、3b)が担持された電極2a、2bは、乾燥されている。
キット30では、酵素3の基質を含む導電層5は、陽極側導電層5a及び陰極側導電層5bからなる。また、キット30では、導電層5(5a、5b)は、導電層取付け部5haとフレーム取付け部5hfとを含む、導電層ホルダー5hに固定されている。また、フレーム6の橋梁部6bには、導電層ホルダー5hのフレーム取付け部5hfに適合する溝6dが設けられている。
キット30の使用時の作用効果としては、前述の第二実施形態の生体組織貼付用キット20による作用効果と同様のものが得られる。
特に、キット30は、酵素3(3a、3b)の基質を含む導電層5が組立て体30aに組み込まれているため、組立て体30aが酵素反応により自発的に電流を生じさせることができる。
なお、図4に示すキット30では、導電層5は、導電層ホルダー5hに固定されているが、本発明の生体組織貼付用キットでは、導電層5は、導電層ホルダー5hに固定されていなくてもよい。
図5(a)、(b)に、生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第四実施形態の生体組織貼付用キットを示す。図5(a)に、組み立て前のキットを斜視図で示し、図5(b)に、組み立て後のキットを断面図で示し、図5(c)に、導電層に水を加えた状態の組み立て後のキットを断面図で示す。
本発明の第四実施形態の生体組織貼付用キット40(以下、「キット40」ともいう。)は、導電層5を水を含むものから実質的に水を含まないものとした点以外は、前述の第三実施形態の生体組織貼付用キット30と同様である。
以下では、図3に示す本発明の第三実施形態の生体組織貼付用キット30と同様の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
なお、このキット40では、導電層5は、酵素3の基質以外に、任意選択的に、薬剤等を含む。また、このキット40では、酵素3(3a、3b)が担持された電極2a、2bは、乾燥されている。
キット40では、導電層5は、実質的に水を含まない。「実質的に水を含まない」とは、水の導電層に対する重量割合が、10%未満であることを指す。因みに、上記割合は、5%未満であることが好ましく、2%未満であることが更に好ましい。
キット40では、使用時に導電層5に水を加えるまでは、酵素3が導電層5に含まれる酵素3の基質に対して露出することを抑制することができるため、酵素3による酸化還元反応の反応速度を極めて小さくすることができる。一方、図5(c)に示すように、導電層5に水を加えると、基質の水溶液が酵素3と混ざり合うため、酵素3による酸化還元反応が可能な条件を実現することができる。上記の通り、キット40では、使用時に導電層5に水を加えることによって、酵素3による酸化還元反応を開始させることができる。言い換えれば、キット40では、実質的に水を含まない電極2及び導電層5が、反応開始手段となる。これにより、キットが電流を生じさせることを開始する時を、キットの使用時に合わせることができる。そのため、キットの使いやすさを向上させることができる。
(生体組織貼付用パッチ)
以下、図面を参照して、本発明の生体組織貼付用パッチの実施形態について詳細に例示説明する。
本発明の生体組織貼付用パッチは、酵素反応によって発生させた電気により、生体表面を介して生体組織の内部に電流を流すためのパッチである。このパッチは、生体組織に貼り付けて用いられる。
本発明の生体組織貼付用パッチは、本発明の生体組織貼付用キットを用いて作製されてもよい。
図6(a)、(b)に、生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、図6第一実施形態の生体組織貼付用パッチを示す。図6(a)に、パッチを斜視図で示し、図6(b)に、パッチを断面図で示す。
また、図7(a)、(b)に、生体組織に貼り付けて使用している状態における、図6第一実施形態の生体組織貼付用パッチを示す。図7(a)に、パッチの外観図を示し、図7(b)に、パッチの断面図で示す。
以下では、図1〜5に示した本発明の第一〜第四実施形態の生体組織貼付用キットと同様の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
本発明の第一実施形態の生体組織貼付用パッチ60(以下、「パッチ60」ともいう。)は、陽極(カソード)2a、及び陰極2b(アノード)からなる2つの電極2と、2つの電極2(2a、2b)を電気的に接続する導電性部材4とを含む。ここで、陽極2aには、還元反応を触媒する酵素3aが担持され、陰極2bには、酸化反応を触媒する酵素3bが担持されている。
図1(a)に示すように、パッチ60は、更に、電極2(2a、2b)、及び導電性部材4を固定するために用いられ、2つの穴部6hと、該穴部6hを隔てる橋梁部6bと、穴部間を連通する連通部6tとを有する平板状のフレーム6と、2つの電極2(2a、2b)、導電性部材4、フレーム6を封止する外面カバー7と、フレーム6の穴部6hが開口する側の表面に貼り付けられる内面カバー9とをも含む。なお、「封止する」とは、少なくとも、パッチ60を生体組織1に貼り付けて使用する状態で封止することを意味する。
なお、このパッチ60では、酵素3(3a、3b)が担持された電極2a、2bは、凍結乾燥等により乾燥されている。
ユーザーは、図7(a)、(b)に示すように、電極2が生体組織1に接触するように、パッチ60を貼り付けることによって、パッチ60を使用することができる。
パッチ60の使用時の作用効果について記載する。
生体組織1には生体排液が付着している場合(例えば、皮膚には汗が付着している場合)があり、この場合、生体排液に含まれる物質が酵素3(3a、3b)の基質となる場合がある。陰極2bにおいて酵素3bによる酸化反応により発生した電子は、導電性部材4を通って、陽極2aに送達され、陽極2aにおいて酵素3aによる還元反応に用いられる。このとき、電極2(2a、2b)が、皮膚に対して接触可能であるため、陽極2a−陰極2b間にある皮膚部分に電気が流れる。
本発明の第一実施形態の生体組織貼付用パッチ60は、酵素やその基質といった人体に無害な物質を用いて電気を発生させる一方、既存の生体組織貼付用パッチは、金属性の電極等を含む電解液を備える既存の電池を用いる。そのため、本発明の生体組織貼付用キットによれば、人体を害する虞を低減して、安全性を高めることができ、且つ、廃棄処理を容易にして、環境負荷を低減することができる。
また、パッチ60を生体組織1に用いれば、パッチを酵素反応に適した温度条件下に置くことができるため、酵素の酸化還元反応を利用して電気を発生させるバイオ発電を効率的に行うことができる。
更に、パッチ60を生体組織1に用いれば、金属等の高価な材料の必要性を低減させることができるため、低コストで生体組織1に電流を流すことができる。
特に、生体排液に含まれる物質を酵素3(3a、3b)の基質として用いる上記パッチ60によれば、例えば、生体排液に含まれる特定の物質の濃度に依存した大きさの電流を検知することが可能になり、生体に関する情報を得ることが可能になる。
また、上記パッチ60によれば、薬剤、化粧料、及び製剤からなる群から選択される少なくとも一つ(以下、「薬剤等」ともいう。後述)が予め塗布されている生体組織1(例えば、皮膚)に対して貼り付けることによって、薬剤等の生体組織1への投与(浸透・貯留)を効率的に行うことができる。
更に、上記パッチ60によれば、生体に関する情報を得ながら、この情報に基づいて、薬剤等の生体組織1への投与を行うことができる。
また、特に、上記パッチ60によれば、生体組織1を構成する細胞(例えば、皮膚表面に位置する角層を構成する角層細胞)に微弱な電流(マイクロカレント)を流して細胞を活性化することも可能になる。
なお、パッチ60では、乾燥された酵素3及び電極2が用いられるため、パッチの製造時から使用時までの間に酵素3が失活することを防ぐことができる。
パッチ60に含まれるフレーム6は、連通部6tに導電性部材4を配置することを可能にし、この導電性部材4の両端部に接触するように陽極2a及び陰極2bからなる2つの電極2を配置することを可能にする。
パッチ60に含まれる外面カバー7は、2つの電極2(2a、2b)、導電性部材4、導電層5、フレーム6を一体化させる。
パッチ60に含まれる内面カバー9は、パッチ60の生体組織1に貼り付けられる面を保護する。
図8(a)、(b)に、生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第二実施形態の生体組織貼付用パッチを示す。図8(a)に、パッチを斜視図で示し、図8(b)に、パッチを断面図で示す。
本発明の第二実施形態の生体組織貼付用パッチ70(以下、「パッチ70」ともいう。)は、導電層を更に含む点以外は、前述の第一実施形態の生体組織貼付用パッチ60と同様である。
以下では、図1に示す本発明の第一実施形態の生体組織貼付用パッチ60と同様の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
パッチ70は、電極2(2a、2b)、導電性部材4、フレーム6、カバー7に加えて、酵素3(3a、3b)の基質を含む導電層5と、電極2(2a、2b)と導電層5とを隔離する隔離部材8(図1では、シート形状)とを更に含む。この隔離部材8は、着脱可能に設けられる。
なお、このパッチ70では、導電層5は、酵素3の基質以外に、水、薬剤等、及び電解質を含む。また、このパッチ70では、導電層5は陽極側導電層5aと陰極側導電層5bからなる。そして、陽極側導電層5a及び陰極側導電層5bは、フレーム6の橋梁部6bに連結された導電層取付け部6aに取り付けられている。更に、このパッチ70では、酵素3(3a、3b)が担持された電極2a、2bは、乾燥されている。
パッチ70の使用時の作用効果としては、前述の第一実施形態の生体組織貼付用パッチ60による作用効果と同様のものが得られる。
特に、パッチ70は、酵素3(3a、3b)の基質を含む導電層5を含むため、パッチ70が、酵素反応により自発的に電流を生じさせることができる。
また、パッチ70によれば、皮膚組織を構成する細胞に刺激を与え、細胞を活性化することができ、また、皮膚に含まれる水に電気浸透流が生じ、例えば、皮膚のシワを取る効果を得ることができる。そのため、パッチ70は、例えば、細胞刺激装置、皮膚のシワ緩和装置として、用いることができる。
更に、パッチ70によれば、皮膚の抵抗値等のパラメータを測定することによって、被験者の精神性発汗や肌荒れの程度に依存する皮膚組織の電気抵抗を測定して、生体状態を検知することもできる。そのため、パッチ70は、例えば、精神状態測定装置、荒れ肌測定装置として、用いることができる。
更に、このパッチ70によれば、パッチ70を皮膚に貼り付けて、例えば、皮膚の角層の分子構造に乱れを生じさせた後に、薬剤等を皮膚に塗布して、薬剤等を効率的に投与することもできる。そのため、パッチ70は、例えば、投薬前処理装置として、用いることができる。
また、パッチ70は、導電層5が、酵素3の基質以外に、薬剤等を含むため、イオン性の有効成分を電流にのせて、生体組織1(例えば、皮膚)の内部に導入することができ(イオントフォレシス)、生体組織1表面(例えば、皮膚の角層)の分子構造に乱れを生じさせて(エレクトロポレーション)、有効成分を皮膚の内部に浸透・貯留させることができる。そのため、パッチ70によれば、薬剤等を、生体表面を介して生体組織1に投与(例えば、経皮投与)することができ、薬剤等の効率的な投与が可能になる。
更に、パッチ70は、導電層5が、酵素3の基質以外に、電解質を含むため、導電層5の抵抗値を低減し、導電性を高めることができる。
更に、パッチ70は、導電層5が、陽極側導電層5aと陰極側導電層5bとに隔離されているため、電極2(2a、2b)、導電性部材4、及び導電層5を介した電流の流れに加えて、生体組織1を介した電流の流れも生じさせることが可能になる。そのため、導電層5を陽極側と陰極側とで隔離する上記構成によれば、生体組織貼付用パッチによる生体組織1に電流を流す効果を高めることができる。
更に、パッチ70は、着脱可能な隔離部材8を含むため、下記の効果を奏することができる。すなわち、図8(a)、(b)に示すように、隔離部材8が電極2と導電層5との間に取り付けられ、両者を非接触としている間は、陽極2a及び陰極2bに担持された酵素3(3a、3b)が、基質及び水を含む導電層5と接触することがないため、酵素3による反応を停止させつつ、酵素3を乾燥状態(すなわち非活性状態)のままにすることができ、酵素3の失活を防ぐことができる。ここで、隔離部材8が電極2と導電層5との間から取り外され、両者が接触する(図示せず)と、酵素3は水及び基質を供給され、酵素3による酸化還元反応が開始される。例えば、ユーザーは、パッチ70を貼り付ける前に、シート形状の隔離部材8を電極2と導電層5との間から抜き取って、電極2と導電層5とを接触させることによって、酵素による酸化還元反応を開始させることができる。言い換えれば、パッチ70では、隔離部材8が反応開始手段となる。
これにより、パッチが電流を生じさせることを開始する時を、パッチの使用時に合わせることができる。そのため、パッチの使いやすさを向上させることができる。
図9(a)、(b)に、生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第三実施形態の生体組織貼付用パッチを示す。図9(a)に、パッチを斜視図で示し、図9(b)に、パッチを断面図で示す。
本発明の第三実施形態の生体組織貼付用パッチ80(以下、「パッチ80」ともいう。)は、導電層を使い捨て式のものから詰替え式のものにした点以外は、前述の第二実施形態の生体組織貼付用パッチ70と同様である。
以下では、図1に示す本発明の第二実施形態の生体組織貼付用パッチ70と同様の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
なお、このパッチ80では、導電層5は、酵素3の基質以外に、水を含み、任意選択的に、薬剤等を含む。また、このパッチ80では、酵素3(3a、3b)が担持された電極2a、2bは、乾燥されている。
パッチ80では、導電層5(5a、5b)は、導電層取付け部5haとフレーム取付け部5hfとを含む、導電層ホルダー5hに固定されている。また、フレーム6の橋梁部6bには、導電層ホルダー5hのフレーム取付け部5hfに適合する溝6dが設けられている。
パッチ80の使用時の作用効果としては、前述の第二実施形態の生体組織貼付用パッチ70による作用効果と同様のものが得られる。
特に、パッチ80では、導電層5が導電層ホルダー5hに固定されているため、パッチ80から導電層ホルダー5hごと取り外すことによって、パッチ80から導電層5を取り外すことができ、逆に、導電層ホルダー5hごと装填することによって、パッチ80に導電層5を装填することができる。そのため、例えば、導電層5に含まれていた基質が酵素による消費により失われた場合や、導電層5に含まれていた水が蒸発により失われた場合に、古い導電層5の取り外し、及び新たな導電層5の装填を、パッチ80の他の部分に触れることなく容易に、行うことができる。
図10(a)、(b)に、生体組織に貼り付けて使用する前の状態における、本発明の第四実施形態の生体組織貼付用パッチを示す。図10(a)に、パッチを斜視図で示し、図10(b)に、パッチを断面図で示し、図10(c)に、導電層に水を加えた状態のパッチを断面図で示す。
本発明の第四実施形態の生体組織貼付用パッチ90(以下、「パッチ90」ともいう。)は、導電層を水を含むものから実質的に水を含まないものとした点以外は、前述の第二実施形態の生体組織貼付用パッチ70と同様である。
以下では、図8に示す本発明の第二実施形態の生体組織貼付用パッチ70と同様の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
なお、このパッチ90では、導電層5は、酵素3の基質以外に、任意選択的に、薬剤等を含む。また、このパッチ90では、酵素3(3a、3b)が担持された電極2a、2bは、乾燥されている。
更に、このパッチ90では、導電層5は、実質的に水を含まない。「実質的に水を含まない」とは、水の導電層に対する重量割合が、10%未満であることを指す。因みに、上記割合は、5%未満であることが好ましく、2%未満であることが更に好ましい。
パッチ90では、導電層5に水を加えるまでは、酵素3が導電層5に含まれる酵素3の基質に対して露出することを抑制することができるため、酵素3による酸化還元反応の反応速度を極めて小さくすることができる。一方、導電層5に水を加えると、基質の水溶液が酵素3と混ざり合うため、酵素3による酸化還元反応が可能な条件を実現することができる。上記の通り、パッチ90では、使用時に導電層5に水を加えることによって、酵素による酸化還元反応を開始させることができる。言い換えれば、パッチ90では、実質的に水を含まない電極2及び導電層5が反応開始手段となる。これにより、パッチが電流を生じさせることを開始する時を、パッチの使用時に合わせることができる。そのため、パッチの使いやすさを向上させることができる。
以下、本発明の実施形態に係る生体組織貼付用キット、及び本発明の実施形態に係る生体組織貼付用パッチに含まれる各要素について詳細に記載する。
−電極−
電極2(2a、2b)の素材としては、カーボンナノチューブ、ケッチェンブラック、グラッシーカーボン、グラフェン、フラーレン、カーボンファイバ、カーボンファブリック、カーボンエアロゲル等の炭素材料;ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレンスルフィド)等の導電性ポリマー;シリコーン、ゲルマニウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化チタン、酸化銅、酸化銀等の半導体;金、白金、チタン、アルミニウム、タングステン、銅、鉄、パラジウム等の金属等が挙げられ、特に、柔軟性や電気化学的な安定性等の観点から、カーボンファブリック、カーボンナノチューブ等の炭素材料が好ましく、更に特に、電極に酵素を高い密度で固定する観点から、カーボンファブリックにカーボンナノチューブを修飾したものが好ましい。
−−酵素−−
陽極(カソード)2aに担持される還元反応を触媒する酵素3aとしては、例えば、ビルリビンオキシダーゼ(Bilirubin Oxidase、BOD)、ラッカーゼ、Cu efflux oxidase(Cueo)、アスコルビン酸オキシダーゼ等が挙げられ、特に、pHや塩化物イオン等に対する耐性の観点から、ビリルビンオキシダーゼ(BOD)が好ましい。
陰極(アノード)2bに担持される酸化反応を触媒する酵素3bとしては、例えば、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ(Glucose Dehydrogenase,GDH)、フルクトースデヒドロゲナーゼ(D−Fructose Dehydrogenase,FDH)、アルコールオキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ等の酸化還元酵素が挙げられ、特に、pHに対する耐性を有し、メディエータを必要としないという理由により、フルクトースデヒドロゲナーゼ(FDH)が好ましい。
特に、BODとFDHとの組み合わせは、生体組織1の外表面におけるpHと同等のpH5の条件下で高い活性を発揮することができるため、好ましい。
なお、酵素3が担持された電極2の複数個を直列化することによって、電圧を昇圧させる、又は、酵素3が担持された電極2の複数個を並列化することによって、電流の安定性を向上させることもでき、これにより、望ましい電流を安定して確保することができる。
酵素3及び電極2を凍結乾燥する条件としては、特に、酵素3を担持させた電極2を、1Mトレハロース水溶液に含浸した後に、この含浸させた電極3を凍結乾燥することが好ましい。この条件とすれば、酵素3の凍結時及び融解時に、高次構造が破壊されてしまい、触媒活性を失うことを防ぐことができる。
なお、図1〜図5に示す本発明の実施形態に係る生体組織貼付用キット、及び図6〜図10に示す本発明の実施形態に係る生体組織貼付用パッチでは、酵素3(3a、3b)が担持された電極2a、2bは、凍結乾燥等により乾燥されているが、本発明の生体組織貼付用キット、及び本発明の生体組織貼付用パッチでは、これに限定されることなく、電極2a、2bを、実質的に水を含まないものとすれば、キット及びパッチの製造時から使用時までの間に酵素3が失活することを防ぐという効果を得ることができる。「実質的に水を含まない」とは、水の電極に対する重量割合が、10%未満であることを指す。因みに、上記割合は、5%未満であることが好ましく、2%未満であることが更に好ましい。
−導電性部材−
導電性部材4の素材としては、カーボンナノチューブ、ケッチェンブラック、グラッシーカーボン、グラフェン、フラーレン、カーボンファイバ、カーボンファブリック、カーボンエアロゲル等の炭素材料;ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレンスルフィド)等の導電性ポリマー;シリコーン、ゲルマニウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化チタン、酸化銅、酸化銀等の半導体;金、白金、チタン、アルミニウム、タングステン、銅、鉄、パラジウム等の金属が挙げられ、特に、柔軟性や生体適合性等の観点から、導電性ポリマーが好ましい。
なお、例えば、導電性部材4は、ヒドロゲルの表面に印刷技術を用いて導電性ポリマーからなる回路を作製したものとすることもできる。
導電性部材4の抵抗値は、10Ω〜18MΩであることが好ましく、30kΩ〜200kΩであることが更に好ましい。酵素3による酸化還元電位の差は、0.3V〜0.7V程度であるため、抵抗値を上記範囲とすれば、生体組織1に対する前述の効果を確保することができる。
−導電層−
導電層5としては、柔軟性を有し、生体組織1の外表面に対する適合性を有するものが好ましい。
より具体的には、導電層5は、ヒドロゲルであることが好ましく、特に、一定の定型性を有するヒドロゲルが好ましい。かかるヒドロゲルを用いれば、パッチ1を貼付けた際の導電層5の生体組織1への密着性を高めることができる。
パッチ1に含まれる導電層5に用いられるヒドロゲルとしては、例えば、寒天、ゼラチン、アガロース、キサンタンガム、ジェランガム、スクレロチウガム、アラビヤガム、トラガントガム、カラヤガム、セルロースガム、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム、グルコマンナン、キトサン、カラギーナン、クインスシード、ガラクタン、マンナン、デンプン、デキストリン、カードラン、カゼイン、ペクチン、コラーゲン、フィブリン、ペプチド、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のコンドロイチン硫酸塩、ヒアルロン酸(ムコ多糖類)及びヒアルロン酸ナトリウム等のヒアルロン酸塩、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、及びアルギン酸カルシウム等のアルギン酸塩、並びにこれらの誘導体等の天然高分子を含むゲル;メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体及びこれらの塩を含むゲル;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー等のポリ(メタ)アクリル酸類及びこれらの塩を含むゲル;ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、無水マレイン酸コポリマー、ポリアルキレンオキサイド系樹脂、N−ビニルアセトアミド架橋体、アクリルアミド架橋体、デンプン・アクリル酸塩グラフトコポリマー架橋物等の合成高分子を含むゲル;シリコーンヒドロゲル;相互侵入網目構造ヒドロゲル及びセミ相互侵入網目構造ヒドロゲル;これらの2種以上の混合物等が挙げられ、特に、耐荷重、生体親和性の観点から、コラーゲン、グルコマンナンを含むゲル;カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含むゲル;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウムを含むゲル;相互侵入網目構造ヒドロゲル及びセミ相互侵入網目構造ヒドロゲル等が好ましい。なお、ヒドロゲルとしては、特に限定されないが、通常、ポリマーを含むヒドロゲルが用いられる。
相互侵入網目構造ヒドロゲルとは、ベースとなる網目構造に他の網目構造が均一に絡みつき、結果としてゲル全体で複数の網目構造が形成されているようなゲルを指し、また、セミ相互侵入網目構造ヒドロゲルとは、ベースとなる網目構造に他の直鎖構造が均一に絡みつき、結果としてゲル全体で複数の網目構造が形成されているようなゲルを指す。ここで、網目構造及び/又は直鎖構造は、複数種のポリマーから形成され、特に、網目構造及び/又は直鎖構造の数が2である場合の(セミ)相互侵入網目構造ヒドロゲルは、ダブルネットワークゲル(DNゲル)と称される。これらのゲルは、極めて高い機械的強度を有するヒドロゲルとして知られている(国際公開第2003/093337号参照)。
ここで、上記(セミ)相互侵入網目構造ヒドロゲルは、第一のモノマー成分の10モル%以上が、電荷を有するモノマーであり、第二のモノマー成分の60モル%以上が、電気的に中性であるモノマーである点、ヒドロゲル中の第一のモノマー成分の量と第二のモノマー成分の量とのモル比が、1:2〜1:100(好適には、1:3〜1:50、更に好適には、1:3〜1:30)である点、第二のモノマー成分を重合し架橋する際の架橋度が、第一のモノマー成分を重合し架橋する際の架橋度よりも小さい点が肝要となる。
第一のモノマーとしては、酸性基(例えば、カルボキシル基、リン酸基及びスルホン酸基を)や塩基性基(例えば、ァミノ基)有するオレフィン等が挙げられ、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、メ夕クリル酸、これらの塩等が挙げられる。第二のモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、N−イソプロピルァクリルアミド、ビニルピリジン、スチレン、メチルメタクリレート、フッ素含有オレフィン(例えば、トリフルオロエチルアクリレート)、ヒドロキシエチルアクリレート、酢酸ビニル等が挙げられる。
(セミ)相互侵入網目構造ヒドロゲルの製造方法の一例は以下の通りである。まず、第一のモノマー成分を重合し架橋することによって、電荷を有する基(例えば、カルポキシル基)が一定量以上存在している網目構造(第一の網目構造)を形成し、その後、電気的に中性である第二のモノマー成分を重合し架橋することによって、電気的に中性である第二のモノマー成分を第一の網目構造に導入する。
更に、ヒドロゲルの引張破断応力は、1kPa〜100MPaであることが好ましく、10kPa〜20MPaであることが更に好ましい。
引張破断応力を上記範囲とすれば、導電層5の機械的強度を高めることができる。そして、パッチ1を皮膚に貼り付ける場合や、パッチ1のユーザーが体を動かした場合にも、ヒドロゲルの破壊が防がれ、パッチ1の定型性を保ちつつ、パッチ1を生体組織1に密着させ続けることができる。
なお、「引張破断応力」とは、引張荷重によりヒドロゲルが破断する応力を、ロードセルを用いて計測することによって、測定することができる。測定装置としては、例えば、
インストロン社製の引張試験機5960シリーズ等が挙げられる。
更に、導電層5に用いられるヒドロゲルの含水率は、10%〜99.99%であることが好ましく、80%〜99.99%であることが更に好ましい。上記範囲とすれば、パッチについて、発電性能の向上や、酵素の基質、薬剤等の包含量の増加といった効果を得ることができる。
更に、導電層5に用いられるヒドロゲルのpHは、3〜9であることが好ましく、4〜8であることが更に好ましい。上記範囲とすれば、酵素の至適pHとすることができ活性を高めることができ、また、生体組織1の導電層5との接触による炎症を抑制することができる。
前述の通り、導電層5は、酵素3(3a、3b)の基質;水;薬剤、化粧料、及び製剤からなる群から選択される少なくとも一つ;電解質を含んでよい。以下、それぞれの詳細について更に記載する。
−−基質−−
酵素3(3a、3b)の基質は、用いられる酵素に従って定めることができる。
−−水−−
水としては、例えば、超純水等が挙げられる。
−−薬剤等−−
本願明細書で用いられる用語「薬剤、化粧料、及び製剤からなる群から選択される少なくとも一つ」における「薬剤」、「化粧料」、「製剤」の定義を以下に示す。
「薬剤」とは、有効成分そのものを指す。「化粧料」とは、体を清潔にしたり、見た目を美しくしたりする目的で、皮膚等の生体組織1に塗布するものを指し、特に、作用の緩和なもの(例えば、指定医薬部外品、医薬部外品、化粧品)を指す。「製剤」とは、薬剤等に添加物等を配合し、充填、成形等を行うことによって、使用に便利な剤形としたもの、及び/又はその結果できた製品を指す。
−−−薬剤−−−
本発明の生体組織貼付用パッチに用いることができる薬剤の例としては、下記のものが挙げられる。
抗老化効果を有するものとしては、例えば、尿酸、グルタチオン、メアトニン、ポリフェノール、メラノイジン、アスタキサンチン、カイネチン、エピガロカテキングレート、コエンザイムQ10、ビタミン類、スーパーオキシドディスムターゼ、マンニトール、クエルセチン、カテキン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、ボタンピ抽出物、ヤシャジツ抽出物、メリッサ抽出物、羅漢果抽出物、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
美白効果を有するものとしては、美白剤や抗炎症剤が挙げられる。美白剤は、日焼け等により生じる皮膚の黒化、色素沈着により生ずるシミ・ソバカス等の発生を防止する作用を有しており、例えば、アルブチン、エラグ酸、リノール酸、ビタミンC及び誘導体、コウジ酸、トラネキサム酸、胎盤抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、海藻抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、コメヌカ抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザイシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブドウ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物等が挙げられる。また、抗炎症剤は、日焼け後の皮膚のほてりや紅斑等の炎症を抑制する作用を有しており、例えば、イオウ及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アルテア抽出物、アシタバ抽出物、アルニカ抽出物、インチンコウ抽出物、イラクサ抽出物、オウバク抽出物、オトギソウ抽出物、カミツレ抽出物、キンギンカ抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、サルビア抽出物、シコン抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ゲンチアナ抽出物等が挙げられる。
ピーリング・ブライトニング効果を有するものとしては、例えば、α−ヒドロキシ酸、サリチル酸、硫黄、尿素等が挙げられる。
痩身効果を有するものとしては、例えば、血行促進等の効果を持つ、ジンジャー、トウガラシチンキ、クララ根等の植物抽出液、炭酸ガス、ビタミンE及びその誘導体等が挙げられる。
保湿効果を有するものとしては、例えば、エラスチン、ケラチン等のタンパク質及びそれらの誘導体並びに加水解物並びにそれらの塩、グリシン、セリン、アスオアラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、テアニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、蔗糖及びその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等の糖類、D−パンテノール及びその誘導体、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ムコ多糖類、尿素、リン脂質、セラミド、オウレン抽出物、ショウブ抽出物、ジオウ抽出物、センキュウ抽出物、ゼニアオイ抽出物、タチジャコウ抽出物、ドクダミ抽出物、ハマメリス抽出物、ボダイジュ抽出物、マロニエ抽出物、マルメロ抽出物等が挙げられる。
毛髪修復効果を有するものとしては、例えば、リン脂質ポリマー、加水解コラーゲン、18−MEA、加水解小麦タンパク、加水解コメタンパク、フィチン酸、イノシトール等が挙げられる。
育毛効果を有するものとしては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、イチョウエキス、L−メントール、塩化カルプロニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、カシュウ(何首烏)、グリチルリチン酸(ジカリウム)、サリチル酸、ジアルキルモノアミン誘導体、ショウキョウ、セファランチン、センキュウ、センブリ、チクセツニンジン、朝鮮ニンジン、トウガラシチンキ、トウキ、トレハロース、ニコチン酸/ニコチン酸アミド、ビタミンE(トコフェロール)、ヒノキチオール、プラセンタエキス、ペンタデカン酸グリセリド等が挙げられる。
整肌効果を有するものとしては、例えば、バリア機能改善や損傷治癒等の肌荒れ改善を目的とするものとして、セラミド類、コレステロール類、アミン誘導体、カフェイン、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物並びにそれらの誘導体、ラクトフェリン及びその分解物、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のムコ多糖類及びそれらの塩、コラーゲン、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、醗酵代謝抽出物、イチョウ抽出物、オオムギ抽出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、ニンジン抽出物、アルニカ抽出物、ウコン抽出物、ユーカリ抽出物、ガマ、サボンソウ抽出物、ローズマリー抽出物、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等が挙げられる。
リラックス効果を有するものとしては、例えば、ラベンダー、ローズマリー、白檀、オリス、ビターオレンジ、サイプレス、オレンジ油等が挙げられる。
なお、これらの薬剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
−−−化粧料−−−
化粧料の例としては、化粧水、乳液、美容液、クリーム、クリームパック、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、クレンジングジェル、洗顔フォーム、日焼け止め、スタイリングジェル、シャンプー、ボディーシャンプー、ヘアーセッティングジェル、フレグランス、染毛料等が挙げられる。
これらの化粧料によれば、抗老化、美白、ピーリング・ブライトニング、痩身、保湿、毛髪修復、育毛、整肌、リラックス、紫外線防御等の効果を得ることができる。
なお、これらの化粧料は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
−−−製剤−−−
製剤は、薬剤等の有効成分が配合されたものであればよく、特に限定されることはない。製剤は、親水性の有効成分の場合、該有効成分が水性媒体に分散ないし溶解していればよく、親油性の有効成分の場合、該有効成分が油性媒体に分散ないし溶解していればよい。具体的には、例えば、皮膚外用剤、食品、錠剤、医薬品等が挙げられる。
なお、上記した化粧料ないし製剤の剤型としては、特に限定されることなく、水性型、可溶化型、多層型、水中油型、油中水型、油性型、水中油中水型、油中水中油型等が挙げられる。また、リポソームやベシクル等を用いることによって、親水性及び親油性双方の有効成分を効果的に作用させることも期待できる。
−−電解質−−
電解質としては、導電層の導電性を高める効果を有する限り、特に限定されることはなく、有機酸及び/又は無機酸並びにその誘導体並びそれらの塩が挙げられる。
電解質を構成するアニオン種としては、例えば、アミノ酸イオン(天然アミノ酸イオン、非天然アミノ酸イオン)、塩化物イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、コハク酸イオン、リン酸イオン、リンゴ酸イオン、ピロリドンカルボン酸イオン、スルホ石炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン等が挙げられ、ここで、天然アミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トレオニン、セリン、プロリン、トリプトファン、メチオニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジンが挙げられ、天然アミノ酸としては、ヒドロキシプロリン、シスチン、チロキシン等が挙げられる。
電解質を構成するカチオン種としては、例えば、K、Na、Ca2+、Mg2+等が挙げられる。
電解質の具体例としては、例えば、アミノ酸のナトリウム塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、コハク酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、スルホ石炭酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)等が挙げられ特に、生体適合性の観点から、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウムが好ましい。
なお、これらの電解質は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
電解質の導電層における濃度としては、1mM以上であることが好ましく、50mM以上であることが更に好ましい。上記範囲とすれば、導電層の抵抗を(例えば、3kΩ以下に)低減し、電流を増大させることができる。
−フレーム−
フレーム6の素材としては、生体組織1(例えば、皮膚)の形状に適合させることが可能な素材、例えば、可塑性を有する素材が好ましい。具体的には、シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリイソプレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ラテックス、ニトリルゴム等の樹脂が挙げられ、特に、撥水性、柔軟性、加工性の観点から、ポリジメチルシロキサン(PDMS)が好ましい。
−外面カバー−
外面カバー7は、防水性を有することが好ましい。
防水性を有する外面カバー7を設ければ、導電層5に含まれる水の蒸発を防ぐことができるため、組立て体の系内において、酵素3(3a、3b)による酸化還元反応の条件を確保することができ、キット及びパッチの使用寿命を長くすることができる。
外面カバー7としては、防水性スプレーのり、防水性テープ、防水性包帯等が挙げられる。
外面カバー7は、通気性も有することが好ましい。通気性を有する外面カバー7を設ければ、大気に含まれる物質を基質とする酵素(例えば、酸素を還元反応の基質とするBOD)を陽極2aに担持される酵素3aに用いることができ、酵素の基質に係るコストを低減することができる。
−隔離部材−
隔離部材8の素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等のプラスチック、エラストマー、ゴム、セルロースからなるセロハン、ポリマー樹脂、石英やガラス等が挙げられ、特に、防水性や柔軟性の観点から、セロハンやプラスチックが好ましい。
−内面カバー−
内面カバー9の素材としては、隔離部材8の素材と同様のものを用いることができる。
なお、隔離部材8と内面カバー9とは一体化されていてもよい(図示せず)。この構成によれば、隔離部材8と内面カバー9とを同時に取り外すことが可能になる。例えば、隔離部材8及び内面カバー9を、それぞれの長手方向の一端同士で連結させ、使用時に一端側から引き抜くことによって、同時に取り外すことができる。
キット及びパッチを貼り付けることができる生体組織1としては、顔、指、腕、身体等の皮膚、毛髪、爪、口唇、口腔内面等のケラチンを主成分とするケラチン含有組織挙げられるが、これに限定されることなく、生体の外表面をなすあらゆる組織とすることができる。
なお、図1〜図5に示す本発明の実施形態の生体組織貼付用キット、及び図6〜図10に示す本発明の実施形態の生体組織貼付用パッチでは、陽極(カソード)2a及び本発明の陰極(アノード)2bからなる2つの電極2が含まれるが、本発明の生体組織貼付用キット及び生体組織貼付用パッチでは、これに限定されることなく、少なくとも1つの陽極(カソード)、及び少なくとも1つの陰極(アノード)を含む複数の電極が含まれていればよい。
また、図1〜図5に示す本発明の実施形態の生体組織貼付用キット、及び図6〜図10に示す本発明の実施形態の生体組織貼付用パッチでは、陽極2aに酵素3aが担持され、陰極2bに酵素3bが担持されているが、本発明の生体組織貼付用キット及び生体組織貼付用パッチでは、これに限定されることなく、陰極2bのみに、酸化反応を触媒する酵素3bが担持されていてもよい。この場合、陽極2aとしては、白金、白金合金、金、銅等の無機触媒、及びナノ微粒子化したこれらの無機触媒を活性炭を固めてなる炭素電極に担持したもの等とすることができる。
更に、図1〜図5に示す本発明の実施形態の生体組織貼付用キット、及び図6〜図10に示す本発明の実施形態の生体組織貼付用パッチは、皮膚等に貼り付けるために好適なシート形状を有しているが、本発明の生体組織貼付用キット及び生体組織貼付用パッチは、これに限定されることなく、貼り付ける生体組織1に応じて、あらゆる形状とすることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
A.電極の作製
A−1.電極の素材
本実施例では、電極の素材として、カーボンナノチューブを修飾させるカーボン繊維織物(品番:TCC−3250、Toho Tenax社製)を用いた。また、陰極(アノード)には、フルクトース脱水素酵素(D−フルクトースデヒドロゲナーゼ(FDH)、Gluconobacter由来、EC番号:1.1.99.11、20U/mg、Mw:約140000、東洋紡社製)を用い、陽極(カソード)には、ビリルビンオキシダーゼ(BOD、Myrothecium由来、EC番号:1.3.3.5、Mw:約68000、2.39U/mg、天野エンザイム社製)を用いた。
A−2.カーボンナノチューブの前処理
カーボンナノチューブ(品番:C 70 P、Bayer MaterialScience社製)(以下、CNTともいう。)を、オーブンを用いて、11時間かけて400℃にまで加熱し、その後、自然冷却することによって、CNTを熱処理した。この熱処理により、CNTに欠損部を生じさせた。
ビーカーに蒸留水、硝酸、硫酸を体積比1:3:1で混合し、混合溶液を数十分放冷した。その後、この酸性の混合溶液にCNTを加え、超音波槽を用いて、約30分間超音波処理することによって、CNTを酸処理した。
CNT混合溶液を約5時間放冷し、その後、この溶液を、水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和した。中和後のCNT混合溶液を減圧条件下で濾過することによって、CNTを回収した。回収したCNTを−80℃の条件で1時間凍結させ、その後、凍結乾燥機を用いて、室温、10Paの条件で乾燥させた。
A−3.酵素の担持、及び酵素担持電極の凍結乾燥
A−3−1.陰極(アノード)の作製
10mg/mLに調整されたCNT懸濁液を0.5%Triton X−100水溶液を用いて精製した。CNTの分散性を向上させるために、超音波ホモジナイザーを用いて5分間、このCNT懸濁液を超音波処理した。10μLのCNT懸濁液を5mm×5mmのカーボン繊維織物上に滴下し、70℃で約5分間乾燥させた。この滴下及び乾燥の操作を繰り返し、合計で40〜50μLのCNT懸濁液をカーボン繊維織物上に加えた。
CNTで修飾されたカーボン繊維織物を50mMクエン酸緩衝液に含浸し、減圧条件下で撹拌しながら1時間以上洗浄した。この電極を5mg/mLに調整されたFDH溶液中に4℃で8時間以上浸漬し、FDHを電極に固定した。FDH電極を、50mMクエン酸緩衝液に常温で5分間浸漬し、未吸着のFDHを除去した。FDH電極を、1Mのトレハロースを溶解させた50mMクエン酸緩衝液に浸漬した.液体窒素に浸漬することで、FDH電極を瞬間凍結させた.最後に、凍結乾燥機(品番:ALPHA 2−4 LSC、CHRiST社製(久保田商事))に入れ、乾燥されたFDH電極を作製した。
A−3−2.陽極(カソード)の作製
前処理したCNTを、1.0%Triton X−100水溶液、及びエタノールに加えて、それぞれ、10mg/mLのCNT懸濁液(水)、4mg/mLのCNT懸濁液(エタノール)を調製した。CNTの分散性を向上させるために、超音波ホモジナイザーを用いて5分間、このCNT懸濁液を超音波処理した。5mm×5mmのカーボン繊維織物に、上記CNT懸濁液(水)を12.5μL滴下し、70℃で約10分間乾燥させた。この滴下及び乾燥の操作を4回繰り返し、合計で50μLのCNT懸濁液(水)をカーボン繊維織物上に加えた。この電極をエタノールの溶液中で撹拌洗浄した。
10mg/mLに調整されたBOD溶液を1mL電極上に滴下し、減圧条件下、35℃で約6時間乾燥させた。この滴下及び乾燥の操作を2回繰り返し、合計で50μLのCNT懸濁液(エタノール)を電極上に加え、BOD空気極を作製した。なお、BODを溶解させる溶液として、50mM PBS(pH7.0)、又は1Mのトレハロースを加えた50mM PBS(pH7.0)を用いた。
B.導電性部材の作製
本実施例では、導電性部材として、市販の導電性ポリマーシート(品番:ORGACON(登録商標) EL350/630、Agfa社製)を用いた。
C.導電層の作製
50mMクエン酸緩衝液を用いて、0.4g/mLのアクリルアミド水溶液、及び0.02g/mLのビスアクリルアミド水溶液を調製した。そして、0.4g/mLのアクリルアミド水溶液250μL、0.02g/mLのビスアクリルアミド水溶液120μL、及び50mMクエン酸緩衝液630μLを混合して、更に、この混合液にラジカル系光重合開始剤であるイルガキュア(登録商標)2959を1mg加えて、光重合反応溶液を調製した。この反応溶液にUV照射を1分間行い、導電層であるアクリルアミドゲルを作製した。
陰極側に用いるアクリルアミドゲルについては、50mMクエン酸緩衝液を用いて調製した200mMフルクトース水溶液に1日間含浸させた。陽極側に用いるアクリルアミドゲルについては、光重合反応物をそのまま用いた。
D.フレームの作製
本実施例では、フレームとして、ポリジメチルシロキサン(以下、PDMSともいう。)製のフレームを用いた。フレームには、陽極側導電層、及び陰極側導電層を埋め込むための穴部と、該穴部を隔てる橋梁部と、穴部間を連通する連通部とを設けた。なお、実施例1では穴部が貫通したフレーム、すなわち底面のないフレームを用いた。
E.外面カバーの作製
本実施例では、外面カバーとして、市販のメディカルテープ(3M、Nexcare社製)を用いた。
F.パッチの作製
メディカルテープをその粘着面を上にして置き、粘着面上に作製したフレームをその橋梁部を上にして配置した。次いで、フレームの穴部に、導電性部材、陽極及び陰極、陽極側導電層及び陰極側導電層を、この順番に加えて、生体組織貼付用パッチを作製した。図11(a)に、パッチを分解して斜視図で示し、図11(b)に、組み立てたパッチを断面図で示す。
G.出力性能測定
作製したパッチの陽極−陰極間の電位差(セル電圧)を、ポテンシオスタットを用いて測定した。結果を図12に示す(縦軸に、パッチの電流密度(白四角)及び出力密度(白丸)を示し、横軸に、セル電圧を示す。)。パッチの開回路電圧は0.71V、最大出力密度は172μW/cmであった。皮膚表面の抵抗値は約100kΩであることから、このパッチによれば、皮膚表面の組織に、約7μAの電流を流すことができることがわかった。この電流の大きさは、生体組織に対する電気刺激に十分な強さであった。
H.耐久性能測定
上記「F.パッチの作製」で作製したパッチ、及び上記Fでメディカルテープを用いずに作製したコントロールパッチについて、上記「G.出力性能測定」と同様に、パッチの陽極−陰極間の電位差を、ポテンシオスタットを用いて、時間経過と共に測定した。メディカルテープを用いた実施例のパッチでは、長時間に亘って導電層であるアクリルアミドゲルの乾燥が防がれていた一方で、メディカルテープを用いないコントロールパッチでは、時間経過に従って導電層であるアクリルアミドゲルの乾燥が進み、10000秒を超えた時点で、ゲルが破断した。
結果を図13に示す(縦軸に、パッチの出力を指数で示し、横軸に、時間を示す。なお、パッチの出力とは、初期出力により標準化した出力を指す。)。作製したパッチでは、10000秒の時点においても約80%の出力を保持することができた。これは、ゲルの乾燥を防いだことによって、ゲル内の塩濃度の過度の増加を抑制することができたためであると考えられる。時間経過に伴う出力の若干の低下は、陰極においてフルクトースが酸化された際にプロトンが生じ、陰極付近におけるpHに局所的変化が生じて、フルクトース脱水素酵素の活性が低下したためであると考えられる。一方で、コントロールパッチでは、10000秒の時点において約20%の出力に低下した。これは、ゲルの乾燥に従って、ゲル内の塩濃度が過度に増加したためであると考えられる。
なお、本試験では電極にポテンシオスタットのリードを接続するために、メディカルテープの一部に穴を開ける必要があったが、パッチの実際の使用の際には、より密封された環境をつくることができる。そのため、耐久性能は、本試験における結果よりも高いものと考えられる。
I.酵素の凍結乾燥条件の最適化
ポテンシオスタットを用いた3極式電気化学測定を行った。具体的には、参照電極にAg/AgCl(飽和KCl)を、対極に白金電極を用いた、サイクリックボルタンメトリー(以下、CVともいう。)(電位掃引速度10mVs−1)により行った。なお、陰極側は、フルクトースを溶解させたクエン酸水溶液とし、陽極側は、クエン酸水溶液とした。
I1.陰極の凍結乾燥条件の最適化
「A−3−1.陰極(アノード)の作製」において、トレハロースの最終濃度を変化させて(1M、100mM、10mM、なし)、凍結乾燥により陰極を作製した。また、トレハロースの最終濃度を1Mとして、空気乾燥により陰極を作製した。そして、これらの陰極について上記電気化学測定を行った。
乾燥前、乾燥直後、乾燥1日後、2日後、7日後における、各最終トレハロース濃度を有する陰極について、CVを行った。乾燥前の試料以外についての結果を図14に示す(縦軸に、FDH活性比(乾燥後/乾燥前)(%)を示し、横軸に乾燥後の日数を示す。なお、FDH活性比とは、0.6V(対Ag/AgCl)の電位を印加した場合の、乾燥前の電流値で標準化した電流値を指数で示したものである)。トレハロースの最終濃度を1Mとして、空気乾燥により作製した試料では、乾燥直後の出力が14%であった。これは、乾燥に従って酵素溶液の塩濃度が過度に増加して、酵素の高次構造が破壊されたためであると考えられる。トレハロースを用いず、凍結乾燥により作製した試料では、乾燥直後にも53%の活性を有し、乾燥7日あとにも21%の活性を有していた。これは、水を急速に昇華させる凍結乾燥では、酵素の高次構造の破壊が抑制されるためであると考えられる。これに対して、トレハロースの最終濃度を1Mとして、凍結乾燥により作製した試料では、乾燥直後に乾燥前の活性を保持し、乾燥7日後にも約90%の活性を有していた。これは、トレハロースのヒドロキシル基が水の昇華の際に水子の代わりに酵素と水素結合を担い、酵素の高次構造の破壊が防がれるため、また、水の昇華の過程で濃縮されたトレハロース分子により酵素が保護されたためであると考えられる。トレハロースの最終濃度を100mM、10mMとして、凍結乾燥により作製した試料では、上記トレハロースの効果が小さいと考えられる。
I2.陽極の凍結乾燥条件の最適化
「A−3−2.陽極(カソード)の作製」において、トレハロースの最終濃度を変化させて(1M、なし)、凍結乾燥により陽極を作製した。凍結乾燥により陽極を作製した。そして、これらの陰極について上記電気化学測定を行った。乾燥直後、乾燥1日後、2日後、7日後における、各最終トレハロース濃度を有する陰極について、(参考試験1−1)と同様に、CVを行った。乾燥前の試料以外についての結果を図15に示す(縦軸に、BOD活性比(乾燥後/乾燥前)(%)を示し、横軸に乾燥後の日数を示す。なお、BOD活性比とは、0.7V(対Ag/AgCl)の電位を印加した場合の、乾燥前の電流値で標準化した電流値を指数で示したものである)。トレハロースの最終濃度を1Mとした場合にも、トレハロースを用いない場合にも、乾燥直後から乾燥7日後まで高い活性(>80%)を有していた。
(実施例2)
陰極に用いた酵素を、グルコース脱水素酵素(グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、Microorganism由来、EC番号:1.1.1.47、250U/mg、Mw:約101,000、東洋紡社製)とした以外は、前述の(実施例1)と同様に実験を行った。以下に、特に、「A−3−1.陰極(アノード)の作製」、及び「G.出力性能測定」に相当する実験についてのみ記載する。
A−3−1.陰極(アノード)の作製
実施例1の場合と同様に、40〜50μLのCNT懸濁液をカーボン繊維織物上に加えた。
CNTで修飾されたカーボン繊維織物を蒸留水に含浸し、撹拌しながら30分程度洗浄した。この電極を、50mMリン酸緩衝液中で100μMに調製したナイルブルー溶液中に浸漬し、減圧条件下において4℃で1時間以上撹拌した。
その後、電位掃引速度10mVs−1で−0.8〜1.2Vの電圧範囲を10サイクルするCVを行うことによって、ナイルブルーを電極上に電解重合させた。電解重合後、電極を、蒸留水で1〜2時間程度洗浄し、更に、ジメチルスルホキシド中で1mMに調製した1−ピレン酪酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル溶液中に、撹拌しながら室温で一晩含浸した。この電極を蒸留水に含浸し、撹拌しながら1時間洗浄した後、リン酸緩衝液中で10mMに調製したポリL−リジン(PLL)溶液中に、撹拌しながら4℃で一晩含浸した。最後に、この電極を蒸留水で洗浄した後、リン酸緩衝液中で1mg/mLに調製したグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)溶液中に、撹拌しながら4℃で3時間以上含浸し、GDHを電極上に固定化した。
G.出力性能測定
出力性能測定を、サイクリックボルタンメトリー(以下、CVともいう。)(電位掃引速度10mVs−1)により行った。測定試料については、リン酸緩衝液中200mMに調製したグルコース溶液を用い、参照試料については、グルコースを含まないリン酸緩衝液を用いた。結果を図16に示す(縦軸に、電流密度を示し、横軸に、電位を示す。)。最大電流密度は2.93mA/cmであった。この結果から、陰極(アノード)に用いる酵素をGDHとした場合にも、導電層にGDHの基質であるグルコースを含めることによって、生体組織に対して十分に強い電気刺激を与えることが可能な電流を発生させることができることがわかった。
本発明の生体組織貼付用キット及び本発明の生体組織貼付用パッチによれば、高い安全性、低い環境負荷を実現しつつ、生体組織に電流を流すことができる。本発明の生体組織貼付用キット及び本発明の生体組織貼付用パッチは、特に、美容・医療分野において好適に用いられる。
1 生体組織(皮膚)
2 電極
2a 陽極(カソード)
2b 陰極(アノード)
3 酵素
3a 還元反応を触媒する酵素
3b 酸化反応を触媒する酵素
4 導電性部材
5 導電層
5a 陽極側導電層
5b 陰極側導電層
5h 導電層ホルダー
5ha 導電層取付け部
5hf フレーム取付け部
6 フレーム
6a 導電層取付け部
6b 橋梁部
6h 穴部
6t 連通部
7 外面カバー
8 隔離部材
9 内面カバー
10 第一実施形態の生体組織貼付用キット
10a 組立て体
20 第二実施形態の生体組織貼付用キット
20a 組立て体
30 第三実施形態の生体組織貼付用キット
30a 組立て体
40 第四実施形態の生体組織貼付用キット
40a 組立て体
60 第一実施形態の生体組織貼付用パッチ
70 第二実施形態の生体組織貼付用パッチ
80 第三実施形態の生体組織貼付用パッチ
90 第四実施形態の生体組織貼付用パッチ

Claims (15)

  1. 生体組織に貼り付けて用いられる生体組織貼付用パッチを作製するための生体組織貼付用キットであって、酸化還元反応を触媒する酵素が担持された電極を含む複数の電極と、前記複数の電極を電気的に接続するための導電性部材とを含むことを特徴とする、生体組織貼付用キット。
  2. 前記酵素の基質を含む導電層を更に含む、請求項1に記載の生体組織貼付用キット。
  3. 前記複数の電極と前記導電層とは、前記キットの使用時に接触した状態になる、請求項1又は2に記載の生体組織貼付用キット。
  4. 前記導電層は、薬剤、化粧料、及び製剤からなる群から選択される少なくとも一つを更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体組織貼付用キット。
  5. 前記複数の電極は、実質的に水を含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体組織貼付用キット。
  6. 前記複数の電極、前記導電性部材、及び前記導電層を封止するための外面カバーを更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の生体組織貼付用キット。
  7. 生体組織に貼り付けて用いられる生体組織貼付用パッチであって、酸化還元反応を触媒する酵素が担持された電極を含む複数の電極と、前記複数の電極を電気的に接続する導電性部材とを含むことを特徴とする、生体組織貼付用パッチ。
  8. 前記酵素の基質を含む導電層を更に含み、前記導電層は、前記複数の電極に対して接触した状態で設けられる、請求項7に記載の生体組織貼付用パッチ。
  9. 前記導電層は、ヒドロゲルを含む、請求項8に記載の生体組織貼付用パッチ。
  10. 前記導電層は、薬剤、化粧料、及び製剤からなる群から選択される少なくとも一つを更に含む、請求項8又は9に記載の生体組織貼付用パッチ。
  11. 前記複数の電極と前記導電層とを接触させることによって、前記酵素による酸化還元反応を開始させる反応開始手段を更に含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の生体組織貼付用パッチ。
  12. 前記反応開始手段は、前記複数の電極と前記導電層とを隔離する隔離部材である、請求項11に記載の生体組織貼付用パッチ。
  13. 前記反応開始手段は、実質的に水を含まない複数の電極及び前記導電層である、請求項11に記載の生体組織貼付用パッチ。
  14. 前記複数の電極は、実質的に水を含まない、請求項8〜13のいずれか一項に記載の生体組織貼付用パッチ。
  15. 前記複数の電極、前記導電性部材、及び前記導電層を封止する外面カバーを更に含む、請求項8〜14のいずれか一項に記載の生体組織貼付用パッチ。
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