JP7422810B2 - 経皮通電パッチ - Google Patents

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Description

本発明は、経皮通電パッチに関する。
特許文献1~3には、通電刺激を与えることができる各種の通電パッチの例が開示されている。
特開2016-144634号公報 特開2016-067401号公報 特開2021-115330号公報
特許文献1には、極微量の電流を生体に流すことができる通電パッチが開示されている。この通電パッチでは、例えば、0.1μA~2μA又は4μA~5μAの極微量の電流を流せることが実験により確認されており(特許文献1の段落0029及び0030等を参照)、また、この通電パッチで流れる電流の電流密度は、後述する模擬的な試験によれば、例えば、0.5μA/cmよりも小さいものとなっている。特許文献1では、このような通電パッチを治療に用いることは提案しているものの、当該通電パッチを治療に用いた際の改善効果の検証が行われておらず、改善効果は不明である。しかしながら、通電パッチのような小型治療具を用いて生体における対象部位の改善(例えば疼痛緩和)を行いたいという要望が存在しており、そのような通電パッチが提供されることが望まれている。
本発明は、対象部位の改善作用を向上させることができる経皮通電パッチを提供することを目的とする。
(1) 本発明は、一側面として、経皮通電パッチに関する。この経皮通電パッチは、正極及び負極を有する複数の電極と、複数の電極に接触するように配置される導電層とを備える。この経皮通電パッチでは、正極と負極とを導電層を介して生体に接触させることにより当該生体に微弱電流を流す電気回路が形成される。この電気回路が生体に流す微弱電流は、0.5μA/cm以上500μA/cm未満の電流密度を有する直流電流である。
この経皮通電パッチでは、正極と負極とを導電層を介して生体に接触させることにより当該生体に微弱電流を流す電気回路が形成され、電気回路が生体に流す微弱電流が0.5μA/cm以上500μA/cm未満の電流密度を有する直流電流となっている。本発明者らの知見によれば、生体に流す微弱電流を極微量の電流(例えば0.2μA/cm)よりも高めである0.5μA/cm以上の直流電流とすることにより、対象部位の改善作用を大幅に向上できることが分かってきている。よって、この経皮通電パッチによれば、対象部位の改善作用を向上させることができる。また、生体に流す電流の電流密度が500μA/cm以上になると使用者が刺激を感じることがある。このため、この経皮通電パッチでは、生体に流す電流の電流密度が500μA/cm未満となるように電気回路が形成されている。これにより、この経皮通電パッチを長期的に使用する(例えば、使用者の所定部位に貼り付ける)ことが可能となり、対象部位の改善作用を更に向上させることができる。
(2) 上記の(1)の経皮通電パッチにおいて、該電気回路は、5kΩの抵抗に接続した際に、電流密度が10μA/cm以上である直流電流を流すように構成されていることが好ましい。この場合、対象部位の改善作用をより確実に向上させることができる。
(3) 上記(1)または(2)の経皮通電パッチにおいて、該電気回路は、5kΩの抵抗に接続した際に、電流密度が35μA/cm以上である直流電流を流すように構成されていることが好ましい。この場合、対象部位の改善作用を更に向上させることができる。
(4) 上記(1)~(3)の何れかの経皮通電パッチにおいて、該電気回路は、5kΩの抵抗に接続した際に、電流密度が60μA/cm以上である直流電流を流すように構成されていることが好ましい。この場合、対象部位の改善作用を更に向上させることができる。
(5) 上記(1)~(4)の何れかの経皮通電パッチにおいて、1kΩの抵抗に接続した際に、電流密度が500μA/cm未満である直流電流を流すように構成されていることが好ましい。この場合、皮膚の状態にかかわらず使用者に刺激を感じさせないようにして、この経皮通電パッチをより確実に長期使用してもらうことができ、これにより、対象部位の改善作用を更に向上させることが可能となる。
(6) 上記(1)~(5)の何れかの経皮通電パッチにおいて、該電気回路は、5kΩの抵抗に接続させてから遅くとも10分経過した時点において流れている微弱電流の電流密度が10μA/cm以上175μA/cm以下となるように構成されていてもよい。この場合、経皮通電パッチを対象部位に長期に貼り付けることで、対象部位の改善作用の向上を継続的に行うことが可能となる。
(7) 上記(1)~(6)の何れかの経皮通電パッチは、複数の電極を電気的に接続する接続部を更に備え、導電層は、正極及び負極のそれぞれに対応する複数の導電部から構成され、複数の導電部のそれぞれが、気泡を有するスポンジと、電解質からなる緩衝剤とを有し、気泡の内壁面に緩衝剤の固体が露出されており、複数の電極のうち少なくとも1つの電極は、酸化還元反応を触媒する酵素を担持することが好ましい。この場合において、酵素を担持する電極には、電子伝達メディエータが固定されていることが好ましく、電子伝達メディエータがキノン系化合物又はフェニレンジアミン系化合物のメディエータであることが更に好ましい。このような構成によれば、生体に流す微弱な電流を上述した何れかの範囲とすることをより確実に実現して、対象部位の改善作用をより確実に向上させることができる。
(8) 上記(1)~(7)の何れかの経皮通電パッチにおいて、複数の電極それぞれの電極の面積は80cm以下であってもよい。この場合、経皮通電パッチを小型化して、経皮通電パッチを使用者の対象部位に長期に貼り付けることを容易に実現させることができる。これにより、対象部位の改善作用を更に向上させることができる。
(9) 本発明は、別の側面として、経皮通電パッチの動作方法に関する。この動作方法では、上記(1)~(7)の何れかの経皮通電パッチを用いて生体に微弱電流を流す。このような動作により、対象部位の改善作用を向上させることができる。
本発明によれば、対象部位の改善作用を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る経皮通電パッチの分解斜視図である。 図2は、図1に示す経皮通電パッチのアノード電極における触媒と電子伝達メディエータとの関係を示す模式図である。 図3は、図1に示す経皮通電パッチによって生体に流れる電流密度を示すグラフである。 図4は、図1に示す経皮通電パッチの電流密度の一例を示すグラフである。 図5は、経皮通電パッチを用いた遅延性筋痛を評価した結果を示すグラフである。 図6は、経皮通電パッチを用いた運動パフォーマンスを評価した結果を示すグラフである。 図7は、経皮通電パッチを用いた肩こりの解消を評価した結果を示すグラフである。 図8は、経皮通電パッチを用いた顎関節症の解消を評価した結果の一例を示すグラフである。 図9は、経皮通電パッチを用いた顎関節症の解消を評価した結果の別の例を示すグラフである。 図10は、比較例のパッチの試験方法を模式的に示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る経皮通電パッチについて詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いる場合があり、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る経皮通電パッチの分解斜視図である。経皮通電パッチ1は、酵素を用いたバイオ電池を利用した電流パッチであり、図1に示すように、電極体10(複数の電極)、2つの導電部20(導電層、複数の導電部)、粘着層30、セパレータ40、及び、表面フィルム50を備えて構成されている。経皮通電パッチ1は、使用時にはセパレータ40を取り外して、粘着層30により被験者(使用者)の体の何れかの部位(例えば、肩、腕、顎)の皮膚(生体)に貼り付けて使用される。詳細は後述するが、このような貼り付けにより、経皮通電パッチ1では、電極体10の各電極が導電部20を介して被験者の部位に接触し、微弱電流を流す電気回路を形成する。この電気回路が被験者の当該部位及びその近接領域に流す微弱電流は、本実施形態では、例えば、0.5μA/cm以上500μA/cm未満の電流密度を有する直流電流となっており、極微弱な電流よりはやや強い電流となっている。但し、経皮通電パッチ1では、被験者が刺激を感じる目安となる500μA/cmの電流密度よりは弱めた電流を生成するように設定されている。なお、経皮通電パッチ1が被験者の当該部位等に流す微弱電流は、1μA/cm以上であってもよい。
電極体10は、アノード電極11(負極)、カソード電極12(正極)、及び、リード13(接続部)を有している。リード13は、アノード電極11とカソード電極12とを接続する。アノード電極11、リード13、及びカソード電極12は、この順に配置され、一体の部材として形成されてもよい。電極体10は、例えば、0.1mm~2.0mm程度の厚みを有する。経皮通電パッチ1の大きさは、例えば、幅1cm~10cm、長さ1cm~10cmであることが好ましい。経皮通電パッチ1内の電極体10の大きさ(面積)は、経皮通電パッチ1全体の大きさより小さく、アノード電極11及びカソード電極12の大きさ(面積)は、幾何学的表面積として、貼付する部位や微弱電流を流したい範囲により適宜改変して良く、例えば80cm以下であり、50cm以下であり、40cm以下であり、30cm以下であり、20cm以下であり、10cm以下であり、1cm以下であり、0.5cm以下であり、0.1cm以下とすることができる。このような小型の経皮通電パッチ1を1つ疼痛部へ貼ってもよいし、複数の経皮通電パッチ1を疼痛部へ貼ってもよい。また、経皮通電パッチ1は、1つの電極体10が配置される構成であってもよいし、2つ以上の電極体10が配置される構成であってもよい。なお、経皮通電パッチ1の形状は、多角形、五角形、四角形、三角形、円型等いずれの形状であってもよい。
アノード電極11、カソード電極12、及びリード13の素材としては、カーボンナノチューブ、ケッチェンブラック(登録商標)、グラッシーカーボン(登録商標)、グラフェン、フラーレン、カーボンファイバ、カーボンファブリック、カーボンエアロゲル等の炭素材料;ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリチオフェン、ポリ(p-フェニレンスルフィド)等の導電性ポリマー;シリコーン、ゲルマニウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化チタン、酸化銅、酸化銀等の半導体;金、白金、チタン、アルミニウム、タングステン、銅、銀、亜鉛、マグネシウム、鉄、パラジウム等の金属等が挙げられる。特に、柔軟性や電気化学的な安定性の観点から、電極体10の素材としては、カーボンファブリック、カーボンナノチューブ等の炭素材料が好ましい。特に、電極に酵素を高い密度で固定する場合には、電極体10の素材としては、カーボンファブリックにカーボンナノチューブを修飾したものが好ましい。
アノード電極11には、酸化反応を触媒する触媒が担持されていてもよい。このような触媒としては、例えば、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ(Glucose Dehydrogenase,GDH)、フルクトースデヒドロゲナーゼ(D-Fructose Dehydrogenase,FDH)、アルコールオキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ等の酸化還元酵素が挙げられる。酵素以外においては、マグネシウム及びマグネシウムを含む合金、アルミニウム及びアルミニウムを含む合金、カルシウム、鉄、亜鉛等のうち1種類以上で構成された電極を用いてもよい。
また、アノード電極11には、図2に示すように、バイオ電池において電極(アノード電極11)と、触媒として機能する酵素14との間の電子移動を促進する電子伝達メディエータ15が固定されている。アノード電極11では、当該電極に固定されている酵素14及び電子伝達メディエータ15によって、例えば燃料であるグルコースから電子を効率的に取り出すことができる。ここで用いられる電子伝達メディエータ15としては、各種のものを用いることが可能であるが、例えば、フェナジン類、ビオロゲン類、シトクロム類(例えば、シトクロムb、シトクロムc)、フェノキサジン類、フェノチアジン類、フェリシアン化物、例えばフェリシアン化カリウム、フェレドキシン類、フェロセン類、オスミウム錯体、およびその誘導体等などが挙げられ、フェナジン化合物としては例えばフェナジンメトサルフェート(PMS)、メトキシPMS、キノン系化合物、フェニレンジアミン系化合物等のメディエータが挙げられるが、これらに限定されない。メディエータに用いるキノン系化合物としては、好ましくは、1,4-ナフトキノン、1,2-ナフトキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノンが挙げられる。フェニレンジアミン系化合物としては、N-イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン(IPPD)、N,N'-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(DPPD)、N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン(6PPD)が挙げられる。このような電子伝達メディエータを用いることにより、経皮通電パッチ1を被験者の所定部位に貼り付けた際の電気回路の電流を上述した範囲に高めることが可能となる。
カソード電極12には、還元反応を触媒する触媒が担持される。このような触媒としては、例えば、ビルリビンオキシダーゼ(Bilirubin Oxidase、BOD)、ラッカーゼ、Cu efflux oxidase(Cueo)、アスコルビン酸オキシダーゼ等の酵素;鉄(II)フタロシアニン等の遷移金属錯体;白金、あるいはチタン、ニッケル、ステンレス鋼、鉄、マンガン、亜鉛、銅、モリブデンのうち少なくとも1つの金属、あるいは、カルシウム、鉄、マンガン、亜鉛、銅、モリブデンのうち少なくとも1つの金属からなる金属酸化物等が挙げられる。
導電部20は、アノード電極11及びカソード電極12に面接触するように配置される吸水体である。導電部20は、スポンジの内部に乾燥した燃料又は電解質を内包した構造を有する。アノード電極11に接する導電部20Aには、アノード電極11で酸化反応を起こす有機物等の燃料が含まれる。燃料としては、グルコース、フルクトース、アスコルビン酸(ビタミンC)、アルコール、乳酸等が挙げられる(図2も参照)。
導電部20を構成する吸水体には、電解質として、緩衝剤が内包されている。緩衝剤は、水溶液としたときに緩衝液となる電解質である。緩衝剤としては、弱酸、弱塩基等の塩類が挙げられる。吸水体は、緩衝剤以外の電解質、例えば強酸と強塩基との塩を含有してもよく、又はこれを含有しなくてもよい。緩衝剤を構成する電解質としては、リン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸等の弱酸;これら弱酸のナトリウム塩、カリウム塩等;有機アミンなどの弱塩基、これらの塩類などが挙げられる。緩衝剤は、2以上の電解質から構成されてもよい。吸水体に緩衝剤を内包しない場合には、吸水させる水に緩衝剤を含有させてもよく、吸水体と吸収させる水の両方に緩衝剤を含有させてもよい。
経皮通電パッチ1を製造した後、使用する前までの導電部20の吸水体は、乾燥状態にある。経皮通電パッチ1を使用する際に、経皮通電パッチ1に給水することにより、吸水体が水を吸収し、吸水体の内部に電解質を含む電解液が内包される。これにより、アノード電極11及びカソード電極12と皮膚との間が電解液を通じて電気的に接続され、アノード電極11、導電部20A、皮膚、導電部20B、カソード電極12を含むイオンの移動経路が形成される。例えば、水素イオン、ナトリウムイオン等のカチオンは、アノード電極11からカソード電極12へ向かって輸送される。
導電部20の吸水体において、緩衝剤は、気泡を有するスポンジに内包されている。スポンジの材質としては、ポリウレタン、ポリビニルアルコール等の合成樹脂;セルロース等の天然高分子、これらの誘導体などが挙げられる。スポンジの内部には、微細な連続気泡が形成されている。このため、電解質の水溶液からなる電解液をスポンジに吸収させた後で乾燥させることにより、スポンジ中で溶質の電解質が乾燥状態となる。電解質の少なくとも一部は、スポンジの材質中に取り込まれることなく、気泡の内壁面に固体状態で露出されると考えられる。スポンジは、電解質の他にも、バイオ電池の燃料、生体に作用し得る薬剤、その他の添加剤等を含有することができる。
導電部20のスポンジは、毛管現象、表面張力、親水性などにより、吸水性に優れるため、下面等の一部を水に浸しておくだけで、迅速に吸水する。さらに、スポンジの気泡の内部空間で電解質等の溶質が水に溶解し、電解液が調製される。スポンジの吸水力により、電解液が均一に混合されると共に、吸水体全体に行き渡り、アノード電極11及びカソード電極12と皮膚との間を電解液で接続することができる。スポンジを用いて構成された吸水体は、重力に逆らう方向、3次元形状等の複雑な形状であっても、水分を移動させることが可能である。
導電部20を構成するスポンジとしては、気孔径が例えば10~500μmが挙げられる。気孔径の具体例としては、10μm、20μm、25μm、30μm、50μm、80μm、100μm、150μm、200μm、300μm、500μm等、又はこれらの中間の値、近傍の値などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。スポンジの気孔率としては、例えば、60~95%が挙げられる。スポンジとしては、ポリウレタンスポンジが好ましいが、これと同様に吸水性等の性能が優れるスポンジも好適に使用可能である。導電部20を構成するスポンジとしては、例えば、ソフラス(商品名、アイオン株式会社製)を用いることができる。なお、導電部20を構成するスポンジの厚さは0.5mm~2mm程度であるが、多数の気孔を有しているため、経皮通電パッチ1に組み込まれた際、厚みを調整することが可能となっている。
バイオ電池を利用した経皮通電パッチ1は、アノード電極11又はカソード電極12に酵素電極を1種類以上利用することができる。導電部20の吸水体が吸水すると、バイオ電池の通電が開始され、経皮通電パッチ1がバイオ電池で駆動される。導電部20の吸水体は、タンクのように電解液を保持しつつ、アノード電極11及びカソード電極12と皮膚との間で、イオン、燃料等の物質移動を可能にする。
粘着層30は、経皮通電パッチ1を被験者の何れかの部位の皮膚に貼り付けるための部材である。粘着層30は、例えば、絶縁性を有する両面粘着テープから構成することができる。粘着層30には2つの開口31,32が設けられており、一方の開口31にアノード電極11が収納され、他方の開口32にカソード電極12が収納される。アノード電極11とカソード電極12との間のリード13は、開口31と開口32との間の部分33上に貼り付けられる。これにより、電極体10の粘着層30に対する位置が固定される。また、粘着層30では、開口31に収納されたアノード電極11が導電部20Aに接触し、開口32に収納されたカソード電極12が導電部20Bに接触するようになる。この際、導電部20A及び20Bも外枠部分が粘着層30に固定される。このような構成により、導電部20Aと導電部20Bとの間は、イオン絶縁が図られる。なお、粘着層30は、例えば、0.1mm~0.5mm程度の厚みを有する。
セパレータ40は、粘着層30と共に、導電部20Aと導電部20Bとの間のイオン絶縁を図るための部材であり、例えば、ポリエステルやポリエチレンテレフタレート等のフィルムや紙の表面にシリコーン等でコーティングされた剥離紙から形成することができる。セパレータ40には、2つの開口41,42が設けられており、一方の開口41に導電部20Aが収納され、他方の開口42に導電部20Bが収納される。なお、セパレータ40は、例えば、0.05mm~0.1mm程度の厚みを有する。
表面フィルム50は、電極体10及び導電部20を覆って保護する部材であり、例えば、ポリ塩化ビニルフィルムから形成することができる。酸素を触媒とする場合には、カソード電極12に対して酵素を供給するため、表面フィルム50のカソード電極12に対応する位置には、窓部51が形成されている。カソード電極12の露出を避けるため、窓部51には、酸素を透過可能な材質である綿等を用いてカソード電極12を保護してもよい。
このような構成を備えた経皮通電パッチ1は、小型、薄型の通電パッチとして構成することができ、被験者の所定部位に長時間貼り付けることを容易に実現できる。経皮通電パッチ1では、吸水をさせた後に被験者の所定部位に貼り付けると、アノード電極11とカソード電極12とが導電部20A,20Bを介して生体に接触されることになり、当該所定部位(隣接する領域含む)に微弱電流を流す電気回路を形成することができる。経皮通電パッチ1では、この電気回路が生体に流す微弱電流として、抵抗が5kΩである場合に電流密度が10μA/cm以上の直流電流となるように構成されている。
ここで、経皮通電パッチ1を適用する生体における電気抵抗について説明する。生体の電気抵抗は、皮膚の抵抗と人体内部の抵抗とに分けることができる。皮膚の抵抗は、接触面の濡れ具合等によって変化する(電装作業安全衛生ハンドブック第4章、社団法人 日本船舶電装協会 参照)。皮膚が乾燥し、硬質化した状態であれば皮膚抵抗は10kΩ程度あるが、発汗していると12分の1に低下する。また、発汗しているときの皮膚抵抗は約1kΩであるため、本実施形態に係る経皮通電パッチ1は、1kΩの抵抗に接続した際、500μA/cm以下の直流電流が流れる構成であることが望ましい。これにより、被験者が刺激を感じることが低減される。
図3に、経皮通電パッチ1が形成する電気回路に流れる電流の電流密度(μA/cm)と経過時間(分)との関係を示す。この電流密度は、経皮通電パッチ1の電気回路を10kΩの抵抗に接続した際の電流密度である。経皮通電パッチ1では、開始直後はやや高めの電流密度であるものの、時間の経過と共に、上述した微弱電流の範囲に落ち着くようになる。より具体的には、経皮通電パッチ1が形成する電気回路は、10kΩの抵抗に接続時の電流密度が10μA/cm以上100μA/cmの直流電流を被験者の所定部位に流すように構成されている。好ましくは、経皮通電パッチ1は、当該電気回路が、経皮通電パッチを被験者の所定部位に接触させてから所定時間(例えば遅くとも10分)経過した時点において、所定部位に流れる微弱電流が10μA/cm以上175μA/cm以下となるように構成されている。より具体的には、経皮通電パッチ1の電気回路は、5kΩの抵抗に接続させてから遅くとも10分経過した時点において流れている微弱電流の電流密度が10μA/cm以上175μA/cm以下となるように構成されていることが好ましい。更に好ましくは、経皮通電パッチ1は、当該電気回路が、経皮通電パッチ1を5kΩの抵抗に接続させてから5時間以上経過した時点において流れる微弱電流の電流密度が10μA/cm以上175μA/cm以下を維持するように構成されていることが好ましい。つまり、本実施形態の経皮通電パッチ1を被験者の所定部位に長時間貼り付けて、所定範囲の微弱電流を継続的に提供することができる。
図4は、経皮通電パッチ1の電流密度の一例を示す。これは、実際に作製した経皮通電パッチ1の1サンプルによる電流密度のグラフである。この経皮通電パッチによれば、5kΩの抵抗に接続させた際、10分(600秒)経過した時点において、所定部位に流れる微弱電流の電流密度が10μA/cm~30μA/cmの範囲となり、1時間以上経過した時点においても被験者の所定部位に流れる微弱電流が電流密度10μA/cm~30μA/cmの範囲を維持するように構成されている。経皮通電パッチ1に用いる触媒や電子伝達メディエータの種類や量を変更して調整することにより、経皮通電パッチの電気回路に流れる直流電流を上述した範囲とすることができるが、この電気回路は、5kΩの抵抗に接続した際の電流密度が35μA/cm以上である直流電流を流すように構成されていてもよく、5kΩの抵抗に接続した際の電流密度が60μA/cm以上である直流電流を流すように構成されていてもよい。
ここで、上述した直流電流の範囲を被験者の所定部位に提供することができる経皮通電パッチ1を被験者に用いることによる作用効果について、図5~図9を参照しつつ、幾つかの実験例を用いて説明する。実験例1~4は、以下の(1)~(4)であった。
(1)経皮通電パッチ1を用いた遅延性筋痛を評価(図5を参照)。
(2)経皮通電パッチ1を用いた運動パフォーマンスを評価した結果(図6を参照)。
(3)経皮通電パッチ1を用いた肩こりの解消を評価した結果(図7を参照)。
(4)経皮通電パッチ1を用いた顎関節症の解消を評価した結果(図8及び図9を参照)。
まず、実験例(1)~(4)に用いる多数の経皮通電パッチ1(第1実施例)を作製した。経皮通電パッチ1の第1実施例の作製では、以下の材料を準備した。
電極体10:材料として、多層カーボンナノチューブ(Baytube社製)を担持したカーボン繊維(Toho Tenax社製)を用いて図1に示す構成の電極体10を作製(準備)した。なお、カーボンナノチューブは、名城ナノカーボン社製であってもよく、特に限定されるものではない。また、カーボン繊維は、東レ社製であってもよく、特に限定されるものではない。電極体10の厚みは0.3mmであった。アノード電極11とカソード電極12の面積はそれぞれ0.8cmであった。アノード電極11には、触媒として、4-イソプロピルアミノジフェニルアミンとグルコースデヒドロゲナーゼを担持させた。カソード電極12には、多層カーボンナノチューブとポリテトラフルオロエチレンを担持したカーボン繊維を用いた。触媒として、鉄フタロシアニン(東京化成工業社製)を担持させた。リード13は、カーボン繊維で作製した。このリード13に、アノード電極11とカソード電極12とを熱癒着により接合した。
導電部20:ポリウレタンからなるスポンジ(ソフラス(商品名)、アイオン株式会社製)に300μLの50mMマッキルベイン緩衝液(pH5)と200mMグルコース溶液を添加し、乾燥をして導電部20を作製(準備)した。導電部20の厚さは、1mmであった。
粘着層30:皮膚用両面テープとして、医療用両面粘着テープ(3Mジャパン社製)を用いて、粘着層30を準備した。粘着層30の厚さは、0.16mmであった。
セパレータ40:材料として、ポリエステルを用いて図1に示す構成のセパレータ40を作製した。ただし、セパレータ40として、片面ポリエチレンコート紙やポリピロピレン等を用いてもよい。
表面フィルム50:材料として、ポリ塩化ビニルフィルムを用いて図1に示す構成のセパレータ40を作製した。
上述した材料を準備した後、図1に示す順番及び配置となるように、電極体10、導電部20、粘着層30、セパレータ40及び表面フィルム50を組み立てて、経皮通電パッチ1の第1実施例を多数作製した。第1実施例に係るパッチの電気回路による電流密度は、以下の表1に示すものであった。表1における「電流密度」は、基質を含む溶液を添加してから約10分後の値であり、60分経過後は若干低下する程度の値であった。
Figure 0007422810000001
経皮通電パッチ1の第1実施例は、経皮通電パッチに水を添加してから遅くとも10分経過した時点において、パッチの電気回路を10kΩの抵抗に接続した際に流れる微弱電流の電流密度が10μA/cm~30μA/cmの範囲となるものであった。即ち、1時間以上経過した時点においても被験者の所定部位に流れる微弱電流が10μA/cm以上を維持するように構成されているパッチであった。また、経皮通電パッチによる開回路電圧は、約300mVであった。また、表1に示すように、第1実施例のパッチは、5kΩ接続時の電流密度が39μA/cm、1kΩ接続時の電流密度が108μA/cmの直流電流を流すことが確認できた。即ち、試験に用いた経皮通電パッチ1の第1実施例の電流密度は500μA/cmを下回るものであり、皮膚刺激の危険性が無いことが確認できた。
また、経皮通電パッチ1の第2実施例を作製した。第2実施例に係るパッチを作製するため、まず以下の材料を準備した。アノード電極11においては第1実施例で用いた4-イソプロピルアミノジフェニルアミンの代わりに、1,4-ナフトキノン(東京化成工業社製)を用いた。カソード電極12としては白金メッシュ(BAS社製)を用い、リード13はステンレス線を用いた。このリード13に、アノード電極11とカソード電極12とを瞬間接着剤により固定した。その他は、第1実施例と同様に組み立てを行った。200mMグルコースを含む100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7)を導電部20のスポンジに添加することで、発電を開始した。第2実施例に係るパッチの電気回路による電流密度は、以下の表2に示すものであった。表2における「電流密度」は、基質を含む溶液を添加してから約10分後の値であり、60分経過後は若干低下する程度の値であった。
Figure 0007422810000002
経皮通電パッチ1の第2実施例は、第1実施例と同様に、基質を添加してから、遅くとも10分経過した時点において、パッチの電気回路を10kΩの抵抗に接続した際に流れる微弱電流の電流密度が20μA/cm~45μA/cmの範囲となるものであった。即ち、1時間以上経過した時点においても被験者の所定部位に流れる微弱電流が20μA/cm以上を維持するように構成されているパッチであった。また、第2実施例のパッチは、5kΩ接続時の電流密度が73μA/cm、1kΩ接続時の電流密度が193μA/cmの直流電流を流すことが確認できた。即ち、試験に用いた経皮通電パッチ1の第2実施例の電流密度は500μA/cmを下回るものであり、皮膚刺激の危険性が無いことが確認できた。
また、経皮通電パッチ1の第3実施例を作製した。第3実施例に係るパッチを作製するため、まず以下の材料を準備した。アノード電極11、カソード電極12共に多層カーボンナノチューブを担持したカーボン繊維を用いた。このカーボン繊維とアルカリボタン電池(1.5V、LR44、パナソニック社製)を電気的に接続した。アノード電極11とカソード電極12は、ステンレス線(リード13に対応)で接続した。その他は、経皮通電パッチ1の第1実施例と同様に組み立てを行った。100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7)を導電部20のスポンジに添加することで、発電を開始した。第3実施例に係るパッチの電気回路による電流密度は、以下の表3に示すものであった。表3における「電流密度」は、電気回路を接続してから約10分後の値であり、60分経過後は若干低下する程度の値であった。
Figure 0007422810000003
経皮通電パッチ1の第3実施例は、第1実施例と同様に、基質を添加してから、遅くとも10分経過した時点において、パッチの電気回路を10kΩの抵抗に接続した際に流れる微弱電流の電流密度が70μA/cm~100μA/cmの範囲となるものであった。即ち、1時間以上経過した時点においても被験者の所定部位に流れる微弱電流が50μA/cm以上を維持するように構成されているパッチであった。また、第3実施例のパッチは、5kΩ接続時の電流密度が147μA/cm、1kΩ接続時の電流密度が411μA/cmの電流を流すことが確認できた。即ち、試験に用いた経皮通電パッチ1の第3実施例の電流密度は500μA/cmを下回るものであり、皮膚刺激の危険性が無いことが確認できた。
[実験例1]
実験例1では、経皮通電パッチ1(第1実施例)を用いた遅延性筋痛を評価した。また、経皮通電パッチ1(第1実施例)において、電子の授受に関与するグルコースデヒドロゲナーゼや鉄フタロシアニン等を除外した電気が流れない陰性対照品も試験に用いた。この試験では、肘を台座上においた状態でダンベル(男性:7.5kg、女性:5kg)を把持し、1往復/4秒でダンベルを持ち上げてから初期位置に戻す運動を2回連続でペースを維持できなくなるまで繰り返した。被験者は13名(男性6名、女性7名)であった。このダンベル運動が終了した後、上記で作製した経皮通電パッチ1若しくは陰性対照品を被験者の上腕二頭筋の長筋に筋繊維に沿って電流が流れるよう貼り付けて、電流密度が10μA/cm~30μA/cmの範囲の微弱電流を被験者の所定部位に継続的に流した。被験者が経皮通電パッチ1と陰性対照品のいずれが貼付されたか分からない状態でこの試験を実施した。この微弱電流の提供は、運動後から1日経過するまでの間のうち12時間にわたって行い、更に、1日経過した後から2日経過するまでの間のうち12時間にわたって行った。いずれの12時間にも就寝時間が含まれていた。また、上述したダンベル運動が終了した後、少なくとも2週間以上間隔を空けた後に、再度被験者は、同様のダンベル試験を行った。1回目のダンベル試験において経皮通電パッチ1を貼付した被験者は陰性対照品を貼付して、同様に試験を行った。一方、1回目のダンベル試験において陰性対照品を貼付した被験者は経皮通電パッチ1を貼付して、同様に試験を行った。
ダンベル運動が終了してから2日後に各被験者に対して、遅延性筋痛(筋肉痛の一種)の状態について評価してもらった。評価基準は、日本語版Talag scaleを用い、次の通り(0~6の間で0.25刻みの24段階)であった。(理学療法科学, 22(1), 125-131(2007)参照)
0:痛みなし。
1:違和感
2:少しはっきりとした痛み
3:もう少しはっきりした痛み
4:はっきりとした痛み
5:強い痛み
6:我慢できない痛み。
図5に、2日後の痛み強度の結果を示す。図5に示すように、経皮通電パッチ1(第1実施例、電流あり)を用いて、ダンベル運動後に12時間×2回の通電処理を行った際の痛み強度が陰性対照品(電流なし)を貼付して通電処理を行わなかった際の痛み強度よりも低くなることが確認できた。Wilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定によりp値を算出し、p<0.05であることも確認した。このように、第1実施例のパッチを用いた実験例1によれば、電流密度が10μA/cm~30μA/cmの範囲の微弱電流を所定部位に流すことにより、所定部位の痛みを改善できることが確認された。
[実験例2]
実験例2では、経皮通電パッチ1(第1実施例)を用いた運動パフォーマンスを評価した。この試験では、実験例1と同様のダンベル運動を行い、1回目のダンベル回数をカウントした。被験者数は、実験例1と同様に13名であった。このダンベル運動が終了した後、実験例1と同様に、1日目と2日目に各12時間(12時間×2回)、上述した経皮通電パッチ1(第1実施例)若しくは陰性対照品を上腕二頭筋に貼り付けた。被験者が経皮通電パッチ1と陰性対照品のいずれが貼付されたか分からない状態で実験例2を実施した。経皮通電パッチ1を貼付した際には、電流密度が10μA/cm~30μA/cmの範囲の微弱電流を被験者の所定部位に継続的に流した。一方、陰性対照品を貼付した際には、電流密度が10μA/cm~30μA/cmの範囲の微弱電流を流す処理を行わなかったことになる。
1回目のダンベル運動を行ってから3日後に、被験者のいずれにも、1回目と同様のダンベル運動を行ってもらい、腕が挙がらなくなるまで継続し、2回目のダンベル回数をカウントした。その後、被験者毎に、運動回数割合(%)として、「2回目のダンベル回数/1回目のダンベル回数」の比率を算出した。実施例1と同様に、2週間以上上腕二頭筋に負荷をかけずに間を空けた後、再度同様の試験を行った。この時、前回のダンベル試験において経皮通電パッチ1を貼付した被験者には陰性対照品を貼付して、同様に試験を行った。一方、前回のダンベル試験において陰性対照品を貼付した被験者には経皮通電パッチ1(第1実施例)を貼付して、同様に試験を行った。図6は、このように算出した運動回数割合を、第1グループ(通電処理あり)と第2グループ(通電処理なし)とに分けて記載したものである。図6に示すように、経皮通電パッチ1(第1実施例)を用いて、ダンベル運動後に12時間×2回の通電処理を行った第1グループのほうが、ダンベルの持ち上げ回数を向上させることが確認できた。Wilcoxon(ウィルコクソン)の符号付順位検定によりp値を算出し、p<0.01であることも確認した。このように、第1実施例のパッチを用いた実験例2によれば、電流密度が10μA/cm~30μA/cmの範囲の微弱電流を継続的に付与することにより、運動能力を向上させることが確認できた。
次に、第1実施例のパッチの代わりに第2実施例のパッチを用いて、上述した実験例2と同様の試験を行った。ただし、貼付時間は1日目の貼付は1時間、2日目の貼付は4時間として行った。対象は40代男性(1名)に対して実施した。その結果、陰性対照品を貼付した際の運動回数割合(%)は、46%であった。一方、第2実施例のパッチを貼付した際の運動回数割合(%)は152%であった。したがって、電流密度が20μA/cm~45μA/cmの範囲の微弱電流を継続的に付与することにより、運動能力を向上させることが確認できた。
続いて、第1実施例のパッチの代わりに第3実施例のパッチを用いて、上述した実験例2と同様の試験を行った。ただし、貼付時間は1日目の貼付は4時間、2日目の貼付は4時間として行った。対象は30代男性(1名)に対して実施した。その結果、陰性対照品を貼付した際の運動回数割合(%)は、88%であった。一方、第3実施例のパッチを貼付した際の運動回数割合(%)は108%であった。したがって、電流密度が70μA/cm~100μA/cmの範囲の微弱電流を継続的に付与することにより、運動能力を向上させることが確認できた。また、2日後の痛みについて評価したところ、陰性対照品を貼付した際の痛みは評価の「3」であった一方、第3実施例のパッチを貼付した際の痛みの評価は「0」であった。即ち、上述した電流を流すことにより、痛みの軽減効果があることが確認できた。
[実験例3]
実験例3では、経皮通電パッチ1を用いた肩こりの解消を評価した。この試験では、第1グループの被験者(15名)の肩における疼痛部に上述した経皮通電パッチ1(第1実施例)を12時間貼り付けて、電流密度が10μA/cm~30μA/cmの範囲の微弱電流を被験者の所定部位に継続的に流した。そして、一定時間後(12時間後、24時間後、36時間後、60時間後)の痛みの軽減について調査した。他方、第2グループの被験者(15名)の肩における疼痛部には陰性対照品を貼付し、時間経過による自然治癒のみでの痛みの軽減について調査した。被験者はいずれのパッチが貼付されているか分からないようにした。評価基準は、実験例1と同様にし、貼付前の痛みからどの程度痛みが変化したかを記録した。図7に試験結果を示す。図7に示すように、経皮通電パッチ1(第1実施例)を用いて肩の疼痛部に12時間の通電処理を行った第1グループでは、通電処理を行わなかった第2グループよりも疼痛が改善されていることが確認できた。
比較例として、一般的な磁気治療器を用いて同様に痛みの変化量を記録した。被験者は12名で行った。一般的な磁気治療器は3日連続で貼付した。その結果、痛みの変化量は磁気治療器の貼付を開始から24時間後で-1、36時間後で-0.9、60時間後で-0.79となり、改善傾向であった。但し、経皮通電パッチ(第1実施例)を用いた方が痛みの軽減効果が高い結果であった。なお、経皮通電パッチ(第1実施例)の方が比較例よりも貼付時間が短く、軽減効果が高いという結果であった。
[実験例4]
実験例4では、経皮通電パッチ1(第1実施例)を用いた顎関節症の痛み解消度を評価した。この試験では、顎関節症と診断された被験者1名(30代、女性)に、上述した経皮通電パッチ1を4日間、就寝時に顎関節の疼痛部に咬筋の筋繊維に沿って電流が流れるように貼り付けてもらい、電流密度が10μA/cm~30μA/cmの範囲の微弱電流を被験者の所定部位に継続的に流した。そして、毎朝に、Visual Analogue Scale(VAS)を用いて、強さ0(痛みなし)~100(最も痛みが強い)の範囲で痛みの改善度合いを評価してもらった。痛みの改善度合いについては、圧痛、開口時痛、咀嚼時痛、日常の生活支障度を評価してもらった。圧痛は、顎に対して1kg圧で筋部圧迫を付与した際の筋痛を示し、開口時痛は、口を開いた際の顎の痛みを示し、咀嚼時痛は食べ物を咀嚼した際の顎の痛みを示す。生活支障度は、顎の痛みが生活にどの程度支障を与えるかの基準であり、0(支障なし)~100(これ以上ないくらい支障あり)の範囲で評価してもらった。
ここで、顎関節症について説明する。顎関節症は、虫歯、歯周病に並ぶ第3の歯科疾患といわれている。顎関節に何らかの症状がみられる患者数は、日本において約1900万人と推定されている。顎関節症の治療の第一選択は、保存的で可逆的かつ証拠に基づく治療法とすることが推奨されている(顎関節症治療の指針2020、一般社団法人 日本顎関節学会参照)。顎関節症の中でも最も多い咀嚼筋痛障害(I型)の基本治療は、理学療法に基づく。I型のみ発症している患者だけでなく、顎関節痛障害(II型)、顎関節円板障害(III型)、変形性顎関節症(IV型)を併発している患者も含む。具体的には、患部のセルフマッサージ、患部を温める温罨法、電気刺激による除痛療法(経皮的電気刺激療法)がある。経皮的電気刺激療法は、筋肉の収縮と弛緩を電気刺激により引き起こし、筋緊張亢進を緩和するとされている。しかしながら、これらの理学療法で十分に治療できない症例もある。経皮的電気刺激療法による治療について十分に有効性を示せなかったと記載されているシステマティックレビューもある(T.List、 S.Axelsson、Journal of Oral Rehabilitation(2010))。したがって、より効果的な治療、疼痛緩和が可能な理学療法が求められている。
経皮的電気刺激療法以外の電気治療器は、生体における首より下部の部分にしか適用されておらず、顎関節症治療の有効性は不明であった。特に、微弱直流電流についても顎関節症に対して適用された報告例は見当たらず、どの程度の電流を流せば治療ができるのか明らかではなかった。
図8は、実験例4における顎関節証の改善度合いを示す表である。図8に示すように、経皮通電パッチ1を顎の疼痛部に4日継続して就寝中に貼り付けて上述した範囲で微弱電流を継続して流すことにより、治癒が難しい顎関節証の痛みを大幅に改善できることが確認できた。特に5日目において、劇的に改善していることが確認された。
上記と同様に顎関節症と診断された被験者1名(60代、女性)に対し、別の試験を行った。この被験者はI型、II型、III型、IV型の顎関節症を併発しており、通常の理学療法であるセルフマッサージや経皮的電気刺激療法を行ったが、疼痛緩和できなかった。上記と同様に、就寝中に経皮通電パッチ1(実施例1)を貼付した。ただし、2週間、1日に1回貼付した。その結果、図9に示すように、圧痛については使用5日目から、開口時痛については使用1日目から疼痛の緩和が認められた。開口時痛については、使用後2週間経過しても疼痛の緩和が継続しており、既存の治療法よりも高い効果が認められた。また、本試験で用いた経皮通電パッチ1は、幅2cm、長さ5cmのものを用いた。被験者によってはより広範囲で疼痛が発生していることもあり得、パッチの大きさとしては、幅1cm以上、好ましくは幅3cm以上、より好ましくは4cm以上である。パッチの長さは、1cm以上、好ましくは3cm以上、より好ましくは4cm以上、5cm以上、6cm以上である。電流パッチの面積を検討したところ、疼痛部に貼付するためには50cm以下、好ましくは40cm以下、さらに好ましくは30cm以下であることが望ましいことが分かった。また、1cm以上、好ましくは5cm以上のパッチが望ましく、小型のパッチを複数枚貼付し、適切な面積となるよう調整することもできる。
なお、上述した実験例1~4(第1実施例)では、被験者に提供する微弱電流(電流密度)が10μA/cm~30μA/cmの範囲であった。一方、運動パフォーマンス向上効果が認められた少し高めの微弱電流(20~45μA/cm)を用いた場合(第2実施例)、細胞損傷回復効果がより高かったと考えられる。したがって、顎関節症治療においても、第2実施例のパッチを用いて20~45A/cm(10kΩ抵抗接続時)の電流密度の電流を通電することにより、上記と同様またはそれ以上の改善効果が期待される。
また、特開2016-144634号公報の実施例でのパッチの電流密度について、検証した。図10は検証に用いた試験方法を示す図である。検証結果は以下の通りであった。先行技術における金属電池は下記の3種類であった。
1)チタンと銀
2)チタンと銅
3)チタンと亜鉛
この検証方法では、10mLの生理食塩水(PBS)を不織布に浸潤し、図10に示すように、この不織布の上に2つの金属電極を設置し、電気的に接続した電気回路とした。これは実際の用途(生体への貼付け)を模したものであった。このような電気回路それぞれの電流値を測定した。測定結果は以下の表4に示す通りであった。即ち、先行技術の通電パッチで流れる電流の電流密度は、0.5μA/cmよりも小さいものとなっていた。
Figure 0007422810000004
なお、チタンと亜鉛の電極を生理食塩水中に浸漬し、攪拌しながら電気的に接続した検証方法では、1000kΩの抵抗に接続した際に、700mVで且つ0.7μA/cmの電流が流れることが確認できた。このため、特開2016-144634号公報の実施例に記載されている650μAの電流を流す場合、電流が通る断面積としては100cm以上の電極面積が必要となり、非常に大きな構造であることが確認された。
以上、本実施形態に係る経皮通電パッチ1によれば、アノード電極11とカソード電極12とを導電部20A,20Bを介して被験者の部位に接触させることにより当該部位に微弱電流を流す電気回路が形成され、この電気回路が生体に流す微弱電流が0.5μA/cm以上500μA/cm未満の直流電流となっている。本発明者らの知見によれば、上述したとおり、生体に流す微弱電流を極微量の電流(0.2μmA/cm以下)よりも少し高めである0.5μA/cm以上の電流密度を有する直流電流とすることにより、対象部位の改善作用を大幅に向上させることができることが分かった。よって、この経皮通電パッチ1によれば、対象部位の改善作用を向上させることができる。また、生体に流す電流の電流密度が500μA/cm以上になると使用者が刺激を感じることがある。このため、この経皮通電パッチ1では、生体に流す電流の電流密度が500μA/cm未満となるように電気回路が形成されている。これにより、経皮通電パッチ1を長期的に使用する(使用者の所定部位に貼り付ける)ことが可能となり、対象部位の改善作用を更に向上させることができる。
また、本実施形態に係る経皮通電パッチ1では、形成される電気回路は、5kΩの抵抗に接続した際に、電流密度が10μA/cm以上である直流電流を流すように構成されている。これにより、対象部位の改善作用をより確実に向上させることができる。なお、この電気回路は、5kΩの抵抗に接続した際に、電流密度が35μA/cm以上である直流電流を流すように構成されていてもよく、電流密度が60μA/cm以上である直流電流を流すように構成されていてもよい。
また、本実施形態に係る経皮通電パッチ1では、1kΩの抵抗に接続した際に、電流密度が500μA/cm未満である直流電流を流すように構成されている。これにより、皮膚の状態にかかわらず使用者に刺激を感じさせないようにして、この経皮通電パッチをより確実に長期使用してもらうことができ、これにより、対象部位の改善作用を更に向上させることが可能となる。
また、本実施形態に係る経皮通電パッチ1では、形成される電気回路は、5kΩの抵抗に接続させてから遅くとも10分経過した時点において流れている微弱電流の電流密度が10μA/cm以上175μA/cm以下となるように構成されている。これにより、経皮通電パッチ1を対象部位に長期に貼り付けることで、対象部位の改善作用の向上を継続的に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る経皮通電パッチ1では、導電部20は、アノード電極11及びカソード電極12のそれぞれに対応する導電部20A,20Bから構成され、導電部20A,20Bのそれぞれが、気泡を有するスポンジと、電解質からなる緩衝剤とを有し、気泡の内壁面に緩衝剤の固体が露出されるようになっている。また、アノード電極11及びカソード電極12のうちの少なくとも1つの電極は、酸化還元反応を触媒する酵素を担持している。更に、酵素を担持する電極(例えばアノード電極11)には、電子伝達メディエータ15が固定されており、電子伝達メディエータ15がキノン系化合物又はフェニレンジアミン系化合物のメディエータである。このような構成によれば、生体に流す微弱な電流を上述した何れかの範囲とすることをより確実に実現して、対象部位の改善作用をより確実に向上させることができる。
また、本実施形態に係る経皮通電パッチ1では、アノード電極11及びカソード電極12それぞれの電極の面積は80cm以下であってもよい。この場合、経皮通電パッチ1を小型化して、経皮通電パッチ1を使用者の対象部位に長期に貼り付けることを容易に実現させることができる。これにより、対象部位の改善作用を更に向上させることができる。
以上、本実施形態に係る経皮通電パッチ1について説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形を適用することができる。例えば、上記実施形態では、バイオ電池を用いた場合を例示したが、生体である被験者の部位に微弱電流を流す電気回路が形成され、この電気回路が被験者の部位に流す微弱電流が0.5μA/cm以上の電流密度を有する直流電流であれば、他の構成のパッチであってもよい。例えば、上述した第3実施例に示すボタン電池を用いた構成の通電パッチであってもよいし、ボタン電池の代わりに薄膜電池を用いてもよい。但し、長期にわたって経皮通電パッチを被験者の部位に貼り付けるには、小型、薄型の経皮通電パッチであることが好ましい。
1…経皮通電パッチ、10…電極体(複数の電極)、11…アノード電極(負極)、12…カソード電極(正極)、13…リード(接続部)、14…酵素、15…電子伝達メディエータ、20,20A,20B…導電部(導電層、複数の導電部)。

Claims (6)

  1. 正極及び負極と、
    前記正極及び前記負極のそれぞれに対応して接触するように配置される導電部と、
    前記正極と前記負極とを電気的に接続する接続部と、
    前記正極及び前記負極のそれぞれを収納する開口が設けられ、絶縁性を有する両面粘着テープと、
    を備える、経皮通電パッチであって、
    前記導電部のそれぞれが、スポンジと、電解質からなる緩衝剤とを有し、前記緩衝剤が前記スポンジに内包されており、
    前記接続部は、前記両面粘着テープの一方の面に固定され、
    前記導電部は、前記両面粘着テープの他方の面に固定され、
    前記経皮通電パッチでは、前記正極と前記負極とを前記導電部を介して生体に接触させることにより当該生体に電流を流す電気回路が形成される、経皮通電パッチ。
  2. 前記正極及び前記負極のうち少なくとも1つの電極は、酸化還元反応を触媒する酵素を担持する、
    請求項1に記載の経皮通電パッチ。
  3. 前記酵素を担持する電極には、電子伝達メディエータが固定されている、
    請求項2に記載の経皮通電パッチ。
  4. 前記電子伝達メディエータは、キノン系化合物又はフェニレンジアミン系化合物のメディエータである、
    請求項3に記載の経皮通電パッチ。
  5. 前記正極が酵素を含まない、
    請求項1~4の何れか一項に記載の経皮通電パッチ。
  6. 前記正極及び前記負極のそれぞれの面積は、80cm以下である、
    請求項1に記載の経皮通電パッチ。
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