JP2014207152A - ワイヤハーネスの外装構造 - Google Patents

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宏介 蓮井
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Abstract

【課題】部品点数やコストを増大させることなく車両に配索するワイヤハーネスの電線保護および経路規制を行うことができ、かつ車両への配索性も高める。
【解決手段】可撓性を有するシート材と粘着層との間に暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂層を設けた外装材で車両に配索されるワイヤハーネスを構成する電線群の外周面が被覆され、紫外線硬化樹脂層は、互いに隣接し紫外線硬化後の硬度が異なる第1、第2紫外線硬化樹脂層からなり、第1紫外線硬化樹脂層の紫外線硬化後の硬度を第2紫外線硬化樹脂層の紫外線硬化後の硬度より大とし、ワイヤハーネスの電線群のうち、経路規制が必要となる第1領域の外周面上には粘着層を介して第1紫外線硬化樹脂層を配置し、第1領域以外の領域の外周面上には粘着層を介して第2紫外線硬化樹脂層を配置している。
【選択図】図2

Description

本発明はワイヤハーネスの外装構造に関し、詳しくは、部品点数やコストを増大させることなく車両に配索するワイヤハーネスの電線保護および経路規制を行うことができ、車両への配索性も高めるものである。
従来、車両に配索するワイヤハーネスを構成する電線群に、図7に示すような可撓性を有するシート材100を外装して該ワイヤハーネスの電線を保護している[特開平11−7856号公報(特許文献1)参照]。しかし、前記シート材100を外装したワイヤハーネスW/Hであっても、周辺部材等との干渉防止のために電線群の配索経路の規制が必要となる領域には、硬質樹脂からなるプロテクタ等の経路規制部品(図示せず)が別途必要となり部品点数やコストが増大すると共に、前記プロテクタ等が取り付けられることによりワイヤハーネスW/Hの車両への配索性も悪化しやすいという問題がある。
特開平11−7856号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、本発明は、部品点数やコストを増大させることなく車両に配索するワイヤハーネスの電線保護および経路規制を行うことができ、かつ車両への配索性も高めることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、可撓性を有するシート材と粘着層との間に暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂層を設けた外装材で、車両に配索されるワイヤハーネスを構成する電線群の外周面が被覆され、
前記紫外線硬化樹脂層は、互いに隣接し、紫外線硬化後の硬度が異なる第1紫外線硬化樹脂層および第2紫外線硬化樹脂層からなり、前記第1紫外線硬化樹脂層の紫外線硬化後の硬度を前記第2紫外線硬化樹脂層の紫外線硬化後の硬度より大とし、
前記外装材で被覆されるワイヤハーネスの電線群のうち、配索経路の規制が必要となる第1領域の外周面上には前記粘着層を介して前記第1紫外線硬化樹脂層を配置している一方、前記第1領域以外の領域の外周面上には前記粘着層を介して前記第2紫外線硬化樹脂層を配置していることを特徴とするワイヤハーネスの外装構造を提供している。
本発明では、前記のように可撓性を有するシート材と粘着層との間に暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂層を設けた外装材で、車両に配索するワイヤハーネスを構成する電線群の外周面を被覆している。紫外線硬化樹脂は、紫外線照射による硬化(紫外線硬化)前は柔らかなゲル状である。よって、薄くかつ柔らかなゲル状の紫外線硬化樹脂を塗布した前記柔軟なシート状の外装材を電線群の外周面に巻き付けて内面側の粘着層で固着するだけでよいため、ワイヤハーネスの電線群への外装が容易に行える。
また、本発明では、互いに隣接し、紫外線硬化後の硬度が異なる第1紫外線硬化樹脂層および第2紫外線硬化樹脂層から前記紫外線硬化樹脂層を形成し、ワイヤハーネスの電線群のうち、配索経路の規制が必要な第1領域の外周面上に前記硬度が大きい方の第1紫外線硬化樹脂層を配置し、前記第1領域以外の領域の外周面上には前記硬度が小さい方の第2紫外線硬化樹脂層を配置する構成としている。よって、ワイヤハーネスに前記外装材を巻き付けて所望のハーネス形状とした後、紫外線を一定時間照射するだけで、配索経路の規制が必要な第1領域を被覆する第1紫外線硬化樹脂層は高硬度に硬化して電線群の保護と共に配索形状の保持を図ることができると共に、その他の領域を被覆する第2紫外線硬化樹脂層は柔らかめに硬化するため電線群の保護と共に適度な屈曲性も持たせることができる。即ち、前記構成によれば、プロテクタ等の追加部品を必要とせずコスト低減を図りながら、車両に配索するワイヤハーネスの電線保護および配索経路の規制を同時に行うことができ、かつ、前記シート状の外装材を巻き付けただけのスリムなワイヤハーネスでありながら、形状保持性と適度な屈曲性を持ち合わせているため車両への配索性も向上させることができる。
さらに、前記第1紫外線硬化樹脂層および第2紫外線硬化樹脂層は暗部硬化性を有するため、前記第1、第2紫外線硬化樹脂層の露出している一部分に紫外線照射するだけで、シート材により照射光が遮られる部分や照射光が届かない内部や照射側と反対側の裏面を含む第1、第2紫外線硬化樹脂層の全体を短時間で硬化させることができ、硬化作業が簡単に行える利点がある。
前記外装材は、1枚の前記シート材の内面側に前記第1紫外線硬化樹脂層と前記第2紫外線硬化樹脂層とを外装長さ方向に隣接して設けていることが好ましい。
前記シート材内面の外装長さ方向に隣接して設ける第1紫外線硬化樹脂層と第2紫外線硬化樹脂層は、外装するワイヤハーネスの経路規制を必要とする第1領域とその他の領域の長さ方向寸法に応じて、予め区分して設けておくことが好ましい。
一方、前記外装材は、シート材の内面側に前記第1紫外線硬化樹脂層を設けた第1外装材と、該第1外装材のシート材とは別材のシート材の内面側に前記第2紫外線硬化樹脂層を設けた第2外装材とからなり、前記第1外装材と第2外装材とを外装長さ方向に隣接して巻き付ける構成としてもよい。
また、前記シート材に間隔をあけて複数の穴部を設け、あるいは/および前記第1紫外線硬化樹脂層と第2紫外線硬化樹脂層との境界領域で前記シート材に切欠き部を設けて、前記第1紫外線硬化樹脂層および第2紫外線硬化樹脂層を部分的に露出させていることが好ましい。
シート材に前記複数の穴部あるいは/および切欠き部を設けて第1紫外線硬化樹脂層および第2紫外線硬化樹脂層を部分的に露出させることにより、該露出部分に紫外線を一定時間照射するだけで前記第1、第2紫外線硬化樹脂層全体を暗部も含めて迅速に硬化することが可能となる。
前記複数の穴部は、前記第1、第2紫外線硬化樹脂層が内面側に設けられたシート材の外装長さ方向あるいは/および幅方向に所定間隔をあけて設けていることが好ましい。
また、前記第1、第2紫外線硬化樹脂層の境界領域での切欠き部は、前記シート材の外装幅方向に連続して設けていることが好ましい。
前記第1紫外線硬化樹脂層および第2紫外線硬化樹脂層は、
イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物に対し、水酸基を2つ以上有するポリオールの水酸基の2つ以上が(メタ)アクリレートとエステル結合を形成することにより、水酸基の数が1以下に設定されたポリオールの(メタ)アクリレートを主成分とする紫外線硬化剤(A)と、
ウレタン結合、尿素結合、イソシアネート基から選択される少なくとも1種を1個以上含む化合物と、含金属化合物とを含有する金属錯体化合物からなる連鎖移動剤(B)と、
紫外線重合開始剤(C)と、
を配合した組成物からなる。
また、前記第1紫外線硬化樹脂層および第2紫外線硬化樹脂層は120℃以下では溶融しない耐熱性を有するものとしている。
前記第1、第2紫外線硬化樹脂層を形成する暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂は、連鎖移動剤(B)を配合していることを特徴とする。該暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂として、本出願人の先願に係わるWO2012/102299号公報に記載の紫外線硬化性組成物が好適に用いられる。
該暗部硬化性の紫外線硬化性組成物は、照射光が届かない暗部に位置しラジカル発生が無い部分を硬化できる紫外線硬化樹脂からなる。
なお、有機・無機フィラー、カーボン・金属粒子、繊維、ポリマー・オリゴマー、各種改質添加剤等からなる紫外線透過抑制物を配合した場合も、全体を確実に硬化させることができる。
前記第1紫外線硬化樹脂層および第2紫外線硬化樹脂層を形成する暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂は、熱処理や湿気硬化処理等を必要とせず、紫外線が照射されて紫外線硬化樹脂の一部が硬化すると、前記シート材で紫外線が遮られた暗部も前記連鎖移動剤により順次硬化させることができ、紫外線硬化樹脂の全体を暗部も含めて迅速に硬化することができる。具体的には、暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂に対して、例えばUVランプで10秒間紫外線照射を行うと、ランプにより照射された部分は瞬時に硬化し、かつ、UVランプの光が届かない暗部も数十秒間の放置で硬化できる。
また、紫外線硬化樹脂の紫外線硬化後の硬度は、前記紫外線硬化剤(A)における前記ポリイソシアネートの化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比によって変わり、ポリイソシアネートの化合物の配合割合が高いと硬くなり、ポリオールの(メタ)アクリレートの配合割合が高いと柔らかくなる。
具体的には、紫外線硬化後の硬度が大きい方の前記第1紫外線硬化樹脂層は、ポリイソシアネートの化合物とポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で90:10〜60:40としている一方、
紫外線硬化後の硬度が小さい方の前記第2紫外線硬化樹脂層は、ポリイソシアネートの化合物とポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で40:60〜10:90としている。
前記可撓性を有するシート材としては、例えば塩化ビニルシート等の樹脂シートを用いることが好ましい。
また、前記粘着層としては、アクリル、ウレタン、エポキシ、シリコーン樹脂等の粘着性を有する樹脂を塗布し、または該粘着性を有する樹脂からなる粘着フィルムを積層固着している。このように、粘着層を設けると、該粘着層をワイヤハーネスの電線群の外周面に密着させて巻き付けるだけで固着でき、後作業の紫外線照射時に外装材を巻き付け状態に保持する手段が不要となる。また、巻き付けた外装材の端部を重ねて固着できる。
さらに、前記粘着層の内面側に剥離紙を貼着し、シート状の外装材をワイヤハーネスの電線群の外周面に巻き付けるときに前記剥離紙を剥して固着できるようにしておくことも好ましい。
前記のように、本発明では、可撓性を有するシート材と粘着層との間に暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂層を設けた外装材で、車両に配索するワイヤハーネスを構成する電線群の外周面を被覆している。特に、前記紫外線硬化樹脂層を互いに隣接し、紫外線硬化後の硬度が異なる第1紫外線硬化樹脂層および第2紫外線硬化樹脂層から形成し、ワイヤハーネスの電線群のうち、配索経路の規制が必要な第1領域の外周面上に前記硬度が大きい方の第1紫外線硬化樹脂層を配置し、前記第1領域以外の領域の外周面上に前記硬度が小さい方の第2紫外線硬化樹脂層を配置する構成としている。
よって、ワイヤハーネスに前記外装材を巻き付けて所望のハーネス形状とした後、紫外線を一定時間照射するだけで、配索経路の規制が必要な第1領域を被覆する第1紫外線硬化樹脂層は高硬度に硬化して電線群の保護と共に配索形状の保持を図ることができると共に、その他の領域を被覆する第2紫外線硬化樹脂層は柔らかめに硬化するため電線群の保護と共に適度な屈曲性を持たせることができる。即ち、前記構成によれば、プロテクタ等の追加部品を必要とせずコスト低減を図りながら、車両に配索するワイヤハーネスの電線保護および配索経路の規制を同時に行うことができ、かつ、前記シート状の外装材を巻き付けただけのスリムなワイヤハーネスでありながら、形状保持性と適度な屈曲性を持ち合わせているため車両への配索性も向上させることができる。
なお、前記第1紫外線硬化樹脂層および第2紫外線硬化樹脂層は暗部硬化性を有するため、第1、第2紫外線硬化樹脂層の露出している一部分に紫外線照射するだけで、シート材により照射光が遮られる部分や照射光が届かない内部や裏面を含む第1、第2紫外線硬化樹脂層の全体が短時間で硬化される。
本発明の第1実施形態で用いる外装材を示す斜視図であり、(A)はシート材に切欠き部を設ける前の状態を示し、(B)はシート材に切欠き部を設けた後の状態を示す。 所定のハーネス形状としたワイヤハーネスの外装材に紫外線を照射した状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA−A線断面図、(C)はB−B線断面図である。 ワイヤハーネスの配索領域を示す概略説明図である。 第1実施形態の変形例で用いるシート材を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態で用いる外装材を示す斜視図である。 所定のハーネス形状としたワイヤハーネスの外装材に紫外線を照射した状態を示す平面図である。 従来例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は第1実施形態を示す。
図2および図3に示すように、第1実施形態のワイヤハーネス1は、多数本の丸電線Wを断面円形に束ねた電線群から構成し、該電線群の外周面を図1に示すシート状の外装材2で被覆している。
図2に示すワイヤハーネス1の電線群の前後領域10A、10Bは、図3に示すように車体パネルPと周辺部材20A、20Bとに挟まれた狭い空間に配索されるため、該領域10A、10Bを配索経路の規制を必要とする第1領域としている。一方、第1の領域以外の領域、即ち、前記前後の領域10A、10B間の中間領域11は前記第1領域ほど厳密な経路規制を必要としない第2領域としている。
前記外装材2は、可撓性を有するシート材3の内面側に暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂を塗布して紫外線硬化樹脂層4を設け、該紫外線硬化樹脂層4の内面側に粘着性を有する樹脂を塗布して粘着層5を設けたものであり、本実施形態では前記シート材3として塩化ビニル製の樹脂シートを用いている。また、前記紫外線硬化樹脂層4は、1枚のシート材3の外装長さ方向に隙間をあけることなく隣接配置する第1紫外線硬化樹脂層4aと第2紫外線硬化樹脂層4bとから形成し、第1紫外線硬化樹脂層4aの紫外線硬化後の硬度を第2紫外線硬化樹脂層4bの紫外線硬化後の硬度より大としている。前記ワイヤハーネス1の電線群に外装材2を外装したとき、前記第1領域10A、10Bの外周面上に粘着層5を介して第1紫外線硬化樹脂層4aが配置され、第2領域11の外周面上に粘着層5を介して第2紫外線硬化樹脂層4bが配置されるように、シート材3の外装長さ方向に沿って前記第1、第2紫外線硬化樹脂層4a、4bを、第1紫外線硬化樹脂層4a、第2紫外線硬化樹脂層4b、第1紫外線硬化樹脂層4aの順で予め寸法調整をして設けている。
第1紫外線硬化樹脂層4aおよび第2紫外線硬化樹脂層4bは、紫外線硬化材(A)、連鎖移動剤(B)と、紫外線重合開始剤(C)を配合した暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂としている。以下、紫外線硬化樹脂について詳述する。
前記暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂の成分である前記連鎖移動剤(B)は、(a)ウレタン結合、尿素結合、イソシアネート基から選択される少なくとも1種を1個以上含む化合物と、(b)含金属化合物とを含有する金属錯体化合物からなる。
前記連鎖移動剤(B)は発生したラジカルを安定化した上で、分子間または分子内伝達機能を発揮できる。よって、連鎖移動剤(B)が系内に発生したラジカルをラジカルの発生のない箇所にまで瞬時に伝達し、重合反応を開始してラジカル重合反応を進行させることができる。その結果、紫外線硬化材(A)に連鎖移動剤(B)を配合すると、従来、硬化させることが困難であった照射光が届かない内部や裏面側(即ち、暗部)も確実に硬化することができる。かつ、硬化直前に硬化剤を混合する作業工程や、照射後に加熱や湿気硬化等により暗部を硬化させる工程等が不要であり、硬化作業を短時間で行うことができ、硬化作業性に優れている。
連鎖移動剤(B)における前記(a)成分のウレタン結合、尿素結合、イソシアネート基を含む化合物は、下記(式1)で示されるウレタン結合部、下記(式2)で示される尿素結合部、下記(式3)で示されるイソシアネート基から選択される少なくとも1種を1分子中に1個以上含有すればよい。
(式1)−NH−COO−
(式2)−NH−CO−NH−
(式3)−N=C=0
連鎖移動剤(B)を構成する前記(b)の含金属化合物は、スズ、銅、亜鉛、コバルト、ニッケルから選択される少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。これらのうちでは、比較的高温(例えば120℃程度の温度)で活性化され、常温では暗部での硬化速度を向上させる効果が奏されにくいため、本組成物の保存安定性を高くできるなどの観点から、亜鉛系の金属錯体化合物や、銅系の金属錯体化合物などがより好ましい。
前記(b)の含金属化合物の具体例として、本出願人の先願に係わるWO2012/102299号公報の段落0010、段落0154に列挙された含金属化合物が挙げられる。
連鎖移動剤(B)において、前記(a)と(b)の配合比は、質量比で(a):(b)=100:0.001〜100:10、好ましくは100:0.005〜100:5であることが好ましい。
前記(a)と(b)とからなる連鎖移動剤(B)として機能する金属錯体化合物において、錫系の金属錯体化合物としては、ビス(2,4−ペンタンジオナト)錫、ジブチル錫ビス(トリフルオロメタンスルホナート)、ジブチル錫ジアセタート、ジラウリン酸ジブチル錫、ジブチル錫マレアート、フタロシアニン錫(IV)ジクロリド、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニル錫、フタロシアニン錫(II)、トリブチル(2−ピリジル)錫、トリブチル(2−チエニル)錫、酢酸トリブチル錫、トリブチル(トリメチルシリルエチニル)錫、トリメチル(2−ピリジル)錫 などを挙げることができる。
銅系の金属錯体化合物としては、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)銅(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)銅(II)、ビス(1,3−プロパンジアミン)銅(II)ジクロリド、ビス(8−キノリノラト)銅(II)、ビス(トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)銅(II)、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸銅(II)、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅(II)、エチレンジアミン四酢酸銅(II)二ナトリウム、フタロシアニン銅(II)、ジクロロ(1,10−フェナントロリン)銅(II)、フタロシアニン銅 、テトラ−4−tert−ブチルフタロシアニン銅、テトラキス(アセトニトリル)銅(I)ヘキサフルオロホスファート、ナフテン酸銅などを挙げることができる。
亜鉛系の金属錯体化合物としては、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸亜鉛(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)亜鉛(II)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)、ビス(テトラブチルアンモニウム)ビス(1,3−ジチオール−2−チオン−4,5−ジチオラト)亜鉛コンプレックス、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(II)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(II)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、フタロシアニン亜鉛、ナフテン酸亜鉛などを挙げることができる。
コバルト系の金属錯体化合物としては、ビス(シクロペンタジエニル)コバルト(III)ヘキサフルオロホスファート、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]コバルト(II)ジクロリド、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)コバルト(II)、(1R,2R)−N,N’−ビス[3−オキソ−2−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ブチリデン]−1,2−ジフェニルエチレンジアミナトコバルト(II)、(1S,2S)−N,N’−ビス[3−オキソ−2−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ブチリデン]−1,2−ジフェニルエチレンジアミナトコバルト(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(II)、ビス(トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)コバルト(II)、フタロシアニンコバルト(II)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムコバルト、ヘキサアンミンコバルト(III) クロリド、N,N’−ジサリチラルエチレンジアミンコバルト(II)、[5,10,15,20−テトラキス(4−メトキシフェニル)ポルフィリナト]コバルト(II)、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)、ナフテン酸コバルトなどを挙げることができる。
ニッケル系の金属錯体化合物としては、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)ジクロリド、ビス(ジチオベンジル)ニッケル(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ニッケル(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)ニッケル(II)、ビス(テトラブチルアンモニウム)ビス(マレオニトリルジチオラト)ニッケル(II)コンプレックス、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、ブロモ[(2,6−ピリジンジイル)ビス(3−メチル−1−イミダゾリル−2−イリデン)]ニッケルブロミド、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムニッケル(II)、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケルなどを挙げることができる。
前記金属錯体化合物の市販品として下記が挙げられる。
・BPDZ:[東京化成社製「ビス(2,4−ペンタンジオナト)亜鉛(II)」]
・CDEDTC:[東京化成社製「ジエチルジチオカルバミン酸銅(II)」]
・DBTDL:[東京化成社製「ジラウリン酸ジブチル錫」]
前記紫外線硬化材(A)は、イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物に対し、水酸基を2つ以上有するポリオールの水酸基の2つ以上が(メタ)アクリレートとエステル結合を形成することにより、水酸基の数が1以下に設定されたポリオールの(メタ)アクリレートを主成分とすることが好ましい。
前記ポリオールの(メタ)アクリレートは、水酸基の数が1以下に設定されているため、ポリイソシアネート化合物に配合された状態では、ポリイソシアネート化合物とのウレタン化反応が進行するのを抑えられている。これにより、本組成物の保存安定性が高められている。前記ポリオールの(メタ)アクリレートの水酸基の数は、1であっても良いし、0であっても良い。本組成物の保存安定性の点では、より好ましくは0である。
該ポリオールの(メタ)アクリレートとしては、ジプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1−アクリロイロキシ−3−メタクリロイロキシ−2−プロパノール(2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート)等が好ましい。該(メタ)アクリレートの具体例として、前記WO2012/102299号公報の段落0131に記載のものが挙げられる。
該(メタ)アクリレートの市販品としては、下記が挙げられる。
・DPGA:[東京化成社製「ジプロピレングリコールジアクリレート」]
・TEGDA:[東京化成社製「テトラエチレングリコールジアクリレート」]
・AMPOH:[東京化成社製「1−アクリロイロキシ−3−メタクリロイロキシ−2−プロパノール(2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート)」]
・IBA:[東京化成社製「イソボルニルアクリレート」]
前記イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物としては、具体的には、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートなどを挙げることができる。また、これらのポリイソシアネートを水と反応させて得られるビウレット型ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートをトリメチロールプロパン等の多価アルコールと反応させて得られるアダクト型ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートを一部ポリエステルやポリエーテル誘導体と重合させた液状プレポリマー、これらのポリイソシアネートをイソシアヌレート化して得られる多量体などを挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート化合物の市販品として下記が挙げられる。
・N3600:[住化バイエルウレタン社製「デスモジュールN3600」]
・N3200:[住化バイエルウレタン社製「デスモジュールN3200」]
また、ウレタンプレポリマーの合成品として下記UP−1とUP−2が挙げられる。
前記ウレタンプレポリマーUP−1は下記の方法で合成される。
攪拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が400のポリプロピレングリコール80質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート40質量部とジブチル錫ジラウレート0.1質量部を仕込み、攪拌しながら液温度を室温から50℃まで1時間かけて上げる。その後少量をサンプリングしFT−IRを測定して2300cm−1付近のイソシアネートの吸収を確認しながら、50℃にて攪拌を続ける。その吸収が無くなった時を反応終了とする。これをウレタンプレポリマーUP−1とする。
前記ウレタンプレポリマーUP−2は下記の方法で合成される。
攪拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が1250の末端ジオール型ポリカプロラクトン50質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート13.5質量部とジブチル錫ジラウレート0.1質量部を仕込み、攪拌しながら液温度を室温から50℃まで1時間かけて上げる。その後少量をサンプリングしFT−IRを測定して2300cm−1付近のイソシアネートの吸収を確認しながら、50℃にて攪拌を続ける。その吸収が無くなった時を反応終了とする。これをウレタンプレポリマーUP−2とする。
前記紫外線硬化材(A)において、前記ポリイソシアネート化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比が、質量比で、90:10〜10:90、好ましくは80:20〜20:80である。前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合量が質量比で90を超えると、ポリイソシアネート化合物の配合量に対して多過ぎるので、暗部での硬化反応を担うポリイソシアネート化合物の量が不十分となり、暗部での硬化速度が遅くなる傾向にある。一方、前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合量が質量比で10未満でも、ポリイソシアネート化合物を硬化させる活性種の発生量が不十分となり、暗部での硬化速度が遅くなる傾向にある。
また、前記紫外線硬化樹脂の紫外線硬化後の硬度は、前記ポリイソシアネートの化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比によって変わり、ポリイソシアネートの化合物の配合割合が高いと硬くなり、ポリオールの(メタ)アクリレートの配合割合が高いと柔らかくなる。
そこで、本実施形態では、紫外線硬化後の硬度が大きい方の前記第1紫外線硬化樹脂層4aは、ポリイソシアネートの化合物とポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で90:10〜60:40とし、紫外線硬化後の硬度が小さい方の前記第2紫外線硬化樹脂層4bは、ポリイソシアネートの化合物とポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で40:60〜10:90としている。
前記紫外線硬化材(A)と連鎖移動剤(B)との配合比は、質量比で、(A):(B)=90:10〜10:90が好ましい。具体的には、前記紫外線硬化材(A)の(メタ)アクリレートが50〜70質量%、好ましくは、55〜65質量%、連鎖移動剤(B)が50〜30質量%、好ましくは45〜35質量%である。
前記紫外線重合開始剤(C)はポリオールの(メタ)アクリレートをラジカル反応させるなどの目的で用いられる。紫外線重合開始剤(C)は、紫外線を吸収してラジカル反応を開始させる化合物であれば特に制限されるものではない。該紫外線重合開始剤(C)として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−テイルアントラキノン等、前記WO2012/102299号公報の段落0133に記載のものが挙げられる。
該紫外線重合開始剤(C)の市販品としては、例えば、IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61;Darocure1116、1173、LucirinTPO(以上、BASF製)、ユベクリルP36(UCB製)などを挙げることができる。
前記紫外線重合開始剤(C)の配合量としては、前記紫外線硬化材(A)100質量部に対し、0.01〜10質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.1〜7質量部の範囲である。紫外線重合開始剤の配合量が0.01質量部未満では、紫外線重合開始剤の量が少な過ぎて、紫外線による硬化反応が開始しにくい。一方、紫外線重合開始剤の配合量が10質量部を超えると、不溶物を生じ、硬化物の物性を損なうおそれがある。
紫外線硬化樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、上記各種成分以外に、必要に応じて、各種の配合剤を配合することができる。配合剤としては、前記WO2012/102299号公報の段落0117〜0126に記載の安定化剤、可塑剤、軟化剤、顔料、染料、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、増感剤、分散剤、溶剤、抗菌抗カビ剤などを挙げることができる。各配合剤は適宜、組み合わせて用いることができる。また、配合剤の配合量は、用途等に合わせて適宜定めることができる。
前記紫外線硬化樹脂の製造方法は、特に限定されないが、上記各成分を、例えば減圧下または窒素等の不活性ガス雰囲気下で、混合ミキサー等の撹拌装置を用いて十分に混練し、均一に分散させる方法が好ましい。
図1(A)のようにシート材3の内面側に第1紫外線硬化樹脂層4aおよび第2紫外線硬化樹脂層4bを隣接配置した外装材2において、第1紫外線硬化樹脂層4aと第2紫外線硬化樹脂層4bとの境界位置(2箇所)で、シート材3に外装幅方向に連続する切欠き部6を設けて、第1紫外線硬化樹脂層4aおよび第2紫外線硬化樹脂層4bを部分的に露出させている[図1(B)]。
前記切欠き部6を設けた外装材2の粘着層5がワイヤハーネス1の電線群の外周面に密着するように外装材2をワイヤハーネス1に巻き付け、巻き付けた外装材2の端部同士を重ねて粘着層5で固着する。この際、電線群の前後の第1領域10A、10Bの外周面上に外装材2の前後の第1紫外線硬化樹脂層4aが位置すると共に、電線群の第2領域11の外周面上に外装材2の第2紫外線硬化樹脂層4bが位置するように巻き付けている。なお、本実施形態では外装材2を寿司巻き状に巻き付けているが、拝み巻き状に巻き付けてもよい。
前記外装材2を巻き付け固着したワイヤハーネス1を図2(A)に示すようなハーネス形状とした後、紫外線照射ランプ(例えばSEN特殊光源社製)21で外装材2の外周側から紫外線を外装材2に照射する。本実施形態では、前記2箇所の切欠き部6より露出した第1紫外線硬化樹脂層4aおよび第2紫外線硬化樹脂層4bに紫外線を照射している。
紫外線照射ランプ21で紫外線を照射すると、シート材3の切欠き部6を通して第1紫外線硬化樹脂層4aおよび第2紫外線硬化樹脂層4bの露出部分に紫外線が当たり硬化を開始する。この硬化を開始した部分から、照射光がシート材3により遮られた部分や照射光が届かない内部や裏面側(即ち、暗部)も連鎖移動剤(B)により硬化していく。前記紫外線の照射で、紫外線が直接に当たる部分の第1紫外線硬化樹脂層4aおよび第2紫外線硬化樹脂層4bは略瞬時に乾燥硬化する。暗部側の第1紫外線硬化樹脂層4aおよび第2紫外線硬化樹脂層4bの硬化時間は若干遅れるが数十秒で硬化する。
前記のように、本実施形態では、可撓性を有するシート材3と粘着層5との間に暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂層4(4a、4b)を設けた外装材2で、車両に配索するワイヤハーネス1を構成する電線群の外周面を被覆している。特に、紫外線硬化樹脂層4を互いに隣接し、紫外線硬化後の硬度が異なる第1紫外線硬化樹脂層4aおよび第2紫外線硬化樹脂層4bから形成し、ワイヤハーネス1の電線群のうち、配索経路の規制が必要な第1領域10A、10Bの外周面上に前記硬度が大きい第1紫外線硬化樹脂層4aを配置し、前記第1領域以外の第2領域11の外周面上に前記硬度が小さい第2紫外線硬化樹脂層4bを配置する構成としている。
よって、ワイヤハーネス1に外装材2を巻き付け固着して所望のハーネス形状とした後、紫外線を一定時間照射するだけで、配索経路の規制が必要な第1領域10A、10Bを被覆する第1紫外線硬化樹脂層4aは高硬度に硬化して電線群の保護と共に配索形状の保持を図ることができると共に、第2領域11を被覆する第2紫外線硬化樹脂層4bは柔らかめに硬化するため電線群の保護と共に適度な屈曲性を持たせることができる。即ち、第1実施形態の構成によれば、プロテクタ等の追加部品を必要とせずコスト低減を図りながら、車両に配索するワイヤハーネス1の電線保護および配索経路の規制を同時に行うことができ、かつ、前記シート状の外装材2を巻き付けただけのスリムなワイヤハーネス1でありながら、形状保持性と適度な屈曲性を持ち合わせているため車両への配索性も向上させることができる。
また、前記第1紫外線硬化樹脂層4aおよび第2紫外線硬化樹脂層4bは暗部硬化性を有するため、第1、第2紫外線硬化樹脂層4a、4bの切欠き部6より露出している部分に紫外線照射するだけで、シート材3により照射光が遮られる部分や照射光が届かない内部や裏面を含む第1、第2紫外線硬化樹脂層4a、4bの全体が短時間で硬化される。
なお、本実施形態では、第1紫外線硬化樹脂層4aと第2紫外線硬化樹脂層4bとの境界位置でシート材3に切欠き部6を設けているが、シート材3の外装長さ方向の前端および後端位置にも切欠き部を設けて紫外線を照射するようにしてもよい。
図4は第1実施形態の変形例を示す。
本変形例では、外装材2のシート材3に設ける切欠き部6の代わりに複数の穴部7a、7bをシート材3の外装長さ方向および幅方向に所定間隔をあけて設けている。シート材3の前後領域に設けた複数の穴部7aから第1紫外線硬化樹脂層4aを露出させ、シート材3の中間領域に設けた複数の穴部7bから第2紫外線硬化樹脂層4bを露出させている。本変形例では、シート材3の外装長さ方向および幅方向に設けたすべての穴部7a、7bより露出している第1、第2紫外線硬化樹脂層4a、4bに紫外線が当たるよう、紫外線照射ランプ21による照射を行う。
その他の点については第1実施形態と同様の構成としている。
本変形例においても、第1、第2紫外線硬化樹脂層4a、4bの穴部7a、7bより露出している部分に紫外線を照射するだけで、シート材3により照射光が遮られる部分や照射光が届かない内部や裏面を含む第1、第2紫外線硬化樹脂層4a、4bの全体が短時間で硬化され、第1実施形態と同様の効果が得られる。
図5および図6は第2実施形態を示している。
第2実施形態では、第1外装材2Aと別材の第2外装材2Bとから外装材2を形成し、ワイヤハーネス1の電線群の外周面に第1外装材2Aと第2外装材2Bとを外装長さ方向に隣接して巻き付けている。
前記第1外装材2Aは、1枚のシート材3Aの内面側に前記第1実施形態の第1紫外線硬化樹脂層4aと同様の紫外線硬化樹脂を塗布した第1紫外線硬化樹脂層4Aを設け、さらに該第1紫外線硬化樹脂層4Aの内面側に粘着層5Aを設けている。
また、前記第2外装材2Bは、前記第1外装材2Aのシート材3Aとは別材のシート材3Bの内面側に前記第1実施形態の第2紫外線硬化樹脂層4bと同様の紫外線硬化樹脂を塗布した第2紫外線硬化樹脂層4Bを設け、さらに該第2紫外線硬化樹脂層4Bの内面側に粘着層5Bを設けている。
なお、前記第1、第2外装材2A、2Bのシート材3A、3Bおよび粘着層5A、5Bはいずれも第1実施形態の外装材2のシート材3および粘着層5と同じ材質としている。
2枚の第1外装材2Aが、図6に示すように、ワイヤハーネス1の電線群の前後の第1領域10A、10Bにそれぞれ巻き付けられ、1枚の第2外装材2Bがワイヤハーネス1の電線群の第2領域11に巻き付けられるように、2枚の第1外装材2Aおよび1枚の第2外装材2Bの寸法調整を予め行っている。
前記のように、2枚の第1外装材2Aをワイヤハーネス1の電線群の第1領域10A、10Bにそれぞれ巻き付け固着し、1枚の第2外装材2Bをワイヤハーネス1の電線群の第2領域11に巻き付け固着することによりワイヤハーネス1の外装を行っている。なお、第1、第2外装材2A、2Bのシート材3A、3Bには、第1実施形態の変形例と同様の穴部7A、7Bをシート材3A、3Bの外装幅方向あるいは/および長さ方向に所定間隔をあけて設けて、外装材2Aの穴部7Aから第1紫外線硬化樹脂層4Aを露出させ、外装材2Bの穴部7Bから第2紫外線硬化樹脂層4Bを露出させている。
その他の点については第1実施形態と同様の構成としている。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様、プロテクタ等の追加部品を必要とせずコスト低減を図りながら、車両に配索するワイヤハーネス1の電線保護および配索経路の規制を同時に行うことができ、かつ、前記シート状の外装材2(2A、2B)を巻き付けただけのスリムなワイヤハーネス1でありながら、形状保持性と適度な屈曲性を持ち合わせているため車両への配索性も向上させることができる。
1 ワイヤハーネス
2 外装材
2A 第1外装材
2B 第2外装材
3、3A、3B シート材
4 紫外線硬化樹脂層
4a、4A 第1紫外線硬化樹脂層
4b、4B 第2紫外線硬化樹脂層
5、5A、5B 粘着層
6 切欠き部
7a、7A、7b、7B 穴部
10A、10B 第1領域
11 第2領域
W 電線

Claims (5)

  1. 可撓性を有するシート材と粘着層との間に暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂層を設けた外装材で、車両に配索されるワイヤハーネスを構成する電線群の外周面が被覆され、
    前記紫外線硬化樹脂層は、互いに隣接し、紫外線硬化後の硬度が異なる第1紫外線硬化樹脂層および第2紫外線硬化樹脂層からなり、前記第1紫外線硬化樹脂層の紫外線硬化後の硬度を前記第2紫外線硬化樹脂層の紫外線硬化後の硬度より大とし、
    前記外装材で被覆されるワイヤハーネスの電線群のうち、配索経路の規制が必要となる第1領域の外周面上には前記粘着層を介して前記第1紫外線硬化樹脂層を配置している一方、前記第1領域以外の領域の外周面上には前記粘着層を介して前記第2紫外線硬化樹脂層を配置していることを特徴とするワイヤハーネスの外装構造。
  2. 前記外装材は、1枚の前記シート材の内面側に前記第1紫外線硬化樹脂層と前記第2紫外線硬化樹脂層とを外装長さ方向に隣接して設けている請求項1に記載のワイヤハーネスの外装構造。
  3. 前記外装材は、前記シート材の内面側に前記第1紫外線硬化樹脂層を設けた第1外装材と、該第1外装材のシート材とは別材のシート材の内面側に前記第2紫外線硬化樹脂層を設けた第2外装材とからなり、前記第1外装材と第2外装材とを外装長さ方向に隣接して巻き付けている請求項1に記載のワイヤハーネスの外装構造。
  4. 前記シート材に間隔をあけて複数の穴部を設け、あるいは/および前記第1紫外線硬化樹脂層と第2紫外線硬化樹脂層との境界領域で前記シート材に切欠き部を設けて、前記第1紫外線硬化樹脂層および第2紫外線硬化樹脂層を部分的に露出させている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの外装構造。
  5. 前記第1紫外線硬化樹脂層および第2紫外線硬化樹脂層は、
    イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物に対し、水酸基を2つ以上有するポリオールの水酸基の2つ以上が(メタ)アクリレートとエステル結合を形成することにより、水酸基の数が1以下に設定されたポリオールの(メタ)アクリレートを主成分とする紫外線硬化剤(A)と、
    ウレタン結合、尿素結合、イソシアネート基から選択される少なくとも1種を1個以上含む化合物と、含金属化合物とを含有する金属錯体化合物からなる連鎖移動剤(B)と、
    紫外線重合開始剤(C)と、
    を配合した組成物からなり、
    前記第1紫外線硬化樹脂層は、前記紫外線硬化剤(A)における前記ポリイソシアネートの化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で90:10〜60:40としている一方、
    前記第2紫外線硬化樹脂層は、前記紫外線硬化剤(A)における前記ポリイソシアネートの化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で40:60〜10:90としている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの外装構造。
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