JP2015042073A - ワイヤハーネスの保護材、保護方法および保護構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤハーネスの保護材の外周面に取り付けるベルトクランプが、位置ずれ及び回転しないように取り付けられる保護材を提供する。【解決手段】暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂で形成したシートまたは該紫外線硬化樹脂を不織布に含浸して形成したシートからなり、前記紫外線硬化樹脂として紫外線照射後の硬度が大きい第1紫外線硬化樹脂を用いる高硬化部と、紫外線照射後の硬度が前記高硬化部より低硬度で柔らかい第2紫外線硬化樹脂を用いる低硬化部とを長さ方向に区分して連続的に備え、前記低硬化部は少なくともベルトクランプの巻付位置に設けると共に、該低硬化部を前記高硬化部で挟んで長さ方向に連続させていることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明はワイヤハーネスの保護材、該保護材によるワイヤハーネスの保護方法、該方法で形成した保護構造に関し、詳しくは、車両に配索するワイヤハーネスに外装する保護材に車体パネル等へ固定するベルトクランプを位置ずれなく取り付けられる保護材とするものである。
従来、車両に配索するワイヤハーネスを構成する電線群を集束および保護するために、テープ、シート、チューブ、あるいはコルゲートチューブ等からなる保護材をワイヤハーネスに外装し、この保護材の外周面にベルトクランプ等のクランプを巻き付け固定して取り付けておき、車両内で所定の経路に沿ってワイヤハーネスを配索する際にクランプを車体パネルに設けた係止穴に挿入固定している。前記クランプはワイヤハーネスの長さ方向の所定の位置に所定の向きで精度よく固定しておく必要がある。ワイヤハーネスに対するクランプの取付位置が長さ方向でずれると、車体パネルに予め穿設されているクランプ取付穴と一致せず、ワイヤハーネスの配索作業に時間がかかる。かつ、クランプがワイヤハーネスの外周で回転してクランプの係止部の向きがずれると、ワイヤハーネスが正規方向に取り付けられない問題がある。
前記問題に対して、本出願人は特開2012−110101号公報で、図6に示す保護部材を提供している。該保護部材は不織布100をシート状の保護部材としており、該不織布100の材質を部分的に相違させている。該不織布100でワイヤハーネス110の電線群を覆った状態でホットプレスし、不織布100の材質の相違で柔軟領域Z1と、該柔軟領域Z1より硬い領域Z2を設けている。柔軟領域Z1にベルトクランプ200を巻き付けて取り付けることで、ベルトクランプ200の位置ずれおよび回転を抑制している。
前記のように、シート状の保護部材に柔らかい領域を設け、当該領域にベルトクランプを巻き付けると、ベルトクランプの位置ずれおよび回転を抑制できる。
しかしながら、ワイヤハーネスの電線群に不織布からなる保護部材を巻き付けた状態でホットプレスするため、大型なホットプレス設備が必要となる。かつ、ワイヤハーネスの外径に応じて金型を変える必要があり、コスト高になる。さらに、ホットプレス時に加熱および圧力をかける必要があるため、ワイヤハーネスの組立作業台上で連続してホットプレスを行うことができない。よって、組立作業台から保護部材を巻き付けたワイヤハーネスを取り出して、ホットプレス装置でホットプレスした後に、ベルトクランプを巻き付ける作業が不連続でなされ、作業効率が悪くなる問題があり改良の余地がある。
しかしながら、ワイヤハーネスの電線群に不織布からなる保護部材を巻き付けた状態でホットプレスするため、大型なホットプレス設備が必要となる。かつ、ワイヤハーネスの外径に応じて金型を変える必要があり、コスト高になる。さらに、ホットプレス時に加熱および圧力をかける必要があるため、ワイヤハーネスの組立作業台上で連続してホットプレスを行うことができない。よって、組立作業台から保護部材を巻き付けたワイヤハーネスを取り出して、ホットプレス装置でホットプレスした後に、ベルトクランプを巻き付ける作業が不連続でなされ、作業効率が悪くなる問題があり改良の余地がある。
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、ホットプレスをすることなく、ワイヤハーネスの保護材にベルトクランプを位置ずれなく取り付けられる柔軟性を有する部分と、ワイヤハーネスの配索経路の規制ができる硬質な部分とを兼ね備え、部品点数の削減および大型化を抑制できる保護材、該保護材によるワイヤハーネスの保護方法および保護構造を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂で形成したシートまたは該紫外線硬化樹脂を不織布に含浸して形成したシートからなり、
前記紫外線硬化樹脂として紫外線照射後の硬度が大きい第1紫外線硬化樹脂を用いる高硬化部と、紫外線照射後の硬度が前記高硬化部より低硬度で柔らかい第2紫外線硬化樹脂を用いる低硬化部とを長さ方向に区分して連続的に備え、
前記低硬化部は少なくともベルトクランプの巻付位置に設けると共に、該低硬化部を前記高硬化部で挟んで長さ方向に連続させていることを特徴とするワイヤハーネスの保護材を提供している。
前記紫外線硬化樹脂として紫外線照射後の硬度が大きい第1紫外線硬化樹脂を用いる高硬化部と、紫外線照射後の硬度が前記高硬化部より低硬度で柔らかい第2紫外線硬化樹脂を用いる低硬化部とを長さ方向に区分して連続的に備え、
前記低硬化部は少なくともベルトクランプの巻付位置に設けると共に、該低硬化部を前記高硬化部で挟んで長さ方向に連続させていることを特徴とするワイヤハーネスの保護材を提供している。
前記第1、第2紫外線硬化樹脂を用いた高硬化部と低硬化部からなるシートは紫外線照射を行うまでは柔らかなゲル状で、シート全体が柔軟であるため、ワイヤハーネスを構成する電線群の外周に容易に巻き付けることができる。
前記低硬化部は少なくともベルトクランプが巻き付けることができる幅を有するものとしているが、ワイヤハーネスを車両に配索した状態では硬度が高い方が保護の観点からは良いため、低硬化部の幅を前記ベルトクランプの幅と同等とし、高硬化部を拡げることが好ましい。
なお、ベルトクランプの取付位置がワイヤハーネスの屈曲部である場合は、屈曲領域全体を低硬化部とし、ワイヤハーネスの配索時に屈曲箇所での曲げ調整が行えるようにしてもよい。
なお、ベルトクランプの取付位置がワイヤハーネスの屈曲部である場合は、屈曲領域全体を低硬化部とし、ワイヤハーネスの配索時に屈曲箇所での曲げ調整が行えるようにしてもよい。
前記高硬化部および低硬化部を構成する紫外線硬化樹脂は、前記のように、暗部硬化性を有するものとしているため、前記高硬化部あるいは低硬化部の一部を外方から紫外線照射するだけで硬化が連鎖して進行し、照射光が遮られる部分、照射光が届かない内部、照射側と反対側の裏面を含む紫外線硬化樹脂の全体を硬化させることができる。よって、ワイヤハーネスの長い領域に紫外線硬化樹脂からなるシートを巻き付けた後に、該シートの全面に紫外線を照射させる必要が無く、一部に紫外線を照射するだけで良いため作業性が良く、短時間で硬化できる。
前記第1、第2紫外線硬化樹脂はいずれも、
イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物に対し、水酸基を2つ以上有するポリオールの水酸基の2つ以上が(メタ)アクリレートとエステル結合を形成することにより、水酸基の数が1以下に設定されたポリオールの(メタ)アクリレートを主成分とする紫外線硬化剤(A)と、
ウレタン結合、尿素結合、イソシアネート基から選択される少なくとも1種を1個以上含む化合物と、含金属化合物とを含有する金属錯体化合物からなる連鎖移動剤(B)と、 紫外線重合開始剤(C)、
を配合した組成物からなり、
前記第1紫外線硬化樹脂は、前記紫外線硬化剤(A)における前記ポリイソシアネートの化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で90:10〜60:40としている一方、
前記第2紫外線硬化樹脂は、前記紫外線硬化剤(A)における前記ポリイソシアネートの化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で40:60〜10:90としている。
また、該暗部硬化性の紫外線硬化樹脂は120℃以下では溶融しない耐熱性を有するものとしている。
イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物に対し、水酸基を2つ以上有するポリオールの水酸基の2つ以上が(メタ)アクリレートとエステル結合を形成することにより、水酸基の数が1以下に設定されたポリオールの(メタ)アクリレートを主成分とする紫外線硬化剤(A)と、
ウレタン結合、尿素結合、イソシアネート基から選択される少なくとも1種を1個以上含む化合物と、含金属化合物とを含有する金属錯体化合物からなる連鎖移動剤(B)と、 紫外線重合開始剤(C)、
を配合した組成物からなり、
前記第1紫外線硬化樹脂は、前記紫外線硬化剤(A)における前記ポリイソシアネートの化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で90:10〜60:40としている一方、
前記第2紫外線硬化樹脂は、前記紫外線硬化剤(A)における前記ポリイソシアネートの化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で40:60〜10:90としている。
また、該暗部硬化性の紫外線硬化樹脂は120℃以下では溶融しない耐熱性を有するものとしている。
前記暗部硬化性の紫外線硬化樹脂は、前記連鎖移動剤(B)を配合していることを特徴としている。該暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂として、本出願人の先願に係わるWO2012/102299号公報に記載の紫外線硬化性組成物が好適に用いられる。
該暗部硬化性の紫外線硬化性組成物は、照射光が届かない暗部に位置しラジカル発生が無い部分を硬化できる紫外線硬化樹脂からなる。
なお、有機・無機フィラー、カーボン・金属粒子、繊維、ポリマー・オリゴマー、各種改質添加剤等からなる紫外線透過抑制物を配合した場合も、全体を確実に硬化させることができる。
該暗部硬化性の紫外線硬化性組成物は、照射光が届かない暗部に位置しラジカル発生が無い部分を硬化できる紫外線硬化樹脂からなる。
なお、有機・無機フィラー、カーボン・金属粒子、繊維、ポリマー・オリゴマー、各種改質添加剤等からなる紫外線透過抑制物を配合した場合も、全体を確実に硬化させることができる。
前記高硬化部および低硬化部を形成する暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂は、熱処理や湿気硬化処理等を必要とせず、紫外線が照射されて紫外線硬化樹脂の一部が硬化すると、前記シート材で紫外線が遮られた暗部も前記連鎖移動剤により順次硬化させることができ、紫外線硬化樹脂の全体を暗部も含めて迅速に硬化することができる。具体的には、暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂に対して、例えばUVランプで10秒間紫外線照射を行うと、ランプにより照射された部分は瞬時に硬化し、かつ、UVランプの光が届かない暗部も数十秒間の放置で硬化できる。
また、該紫外線硬化樹脂の紫外線硬化後の硬度は、前記紫外線硬化剤(A)における前記ポリイソシアネートの化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比によって変わり、ポリイソシアネートの化合物の配合割合が高いと硬くなり、ポリオールの(メタ)アクリレートの配合割合が高いと柔らかくなる。
前記のように、紫外線硬化後の硬度が大きい方の前記高硬化部の第1紫外線硬化樹脂は、ポリイソシアネートの化合物とポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で90:10〜60:40としている。
一方、紫外線硬化後の硬度が小さい方の前記低硬化部の第2紫外線硬化樹脂は、ポリイソシアネートの化合物とポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で40:60〜10:90としている。
前記のように、紫外線硬化後の硬度が大きい方の前記高硬化部の第1紫外線硬化樹脂は、ポリイソシアネートの化合物とポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で90:10〜60:40としている。
一方、紫外線硬化後の硬度が小さい方の前記低硬化部の第2紫外線硬化樹脂は、ポリイソシアネートの化合物とポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で40:60〜10:90としている。
前記紫外線硬化樹脂で形成したシートまたは紫外線硬化樹脂を不織布に含浸して形成したシートの一面全体または一面の端縁に沿って粘着部を設けていることが好ましい。
前記粘着部は、アクリル、ウレタン、エポキシ、シリコーン樹脂等の粘着性を有する樹脂を塗布し、または該粘着性を有する樹脂からなる粘着ベースフィルムを積層固着して設けている。
前記粘着部は、アクリル、ウレタン、エポキシ、シリコーン樹脂等の粘着性を有する樹脂を塗布し、または該粘着性を有する樹脂からなる粘着ベースフィルムを積層固着して設けている。
このように、粘着部を設けると、巻き付けたシートの巻終わり端を先巻き部分の外周面に粘着させて、巻き付け状態を保持できる。また、該粘着部をワイヤハーネスの電線群の外周面に密着させて巻き付けるだけで固着できる。
これにより、後作業の紫外線照射時までシートを巻き付け状態に保持するためのテープ巻き等の作業を不要にできる。
さらに、前記粘着部の表面に剥離紙を貼着し、シートをワイヤハーネスの電線群の外周面に巻き付けるときに前記剥離紙を剥して固着できるようにすることが好ましい。
これにより、後作業の紫外線照射時までシートを巻き付け状態に保持するためのテープ巻き等の作業を不要にできる。
さらに、前記粘着部の表面に剥離紙を貼着し、シートをワイヤハーネスの電線群の外周面に巻き付けるときに前記剥離紙を剥して固着できるようにすることが好ましい。
また、本発明は、前記第1、第2紫外線硬化樹脂を用いた形成したシートを、紫外線照射前の未硬化の状態でワイヤハーネスの電線群の外周に巻き付け、該ワイヤハーネスを配索形態にして前記シートの一部に紫外線照射を行い、
前記高硬化部では紫外線硬化樹脂の硬度を大とし、ワイヤハーネスの配索形態に添わせた直線形状または屈曲形状に高硬化部を保形する一方、前記低硬化部は低硬度で柔らかさを保持させ、
ついで、前記低硬化部にベルトクランプのベルトを巻き付けて締結し、該ベルトクランプに軸線方向の移動および回転による位置ずれを発生させないように固定するワイヤハーネスの保護方法を提供している。
前記高硬化部では紫外線硬化樹脂の硬度を大とし、ワイヤハーネスの配索形態に添わせた直線形状または屈曲形状に高硬化部を保形する一方、前記低硬化部は低硬度で柔らかさを保持させ、
ついで、前記低硬化部にベルトクランプのベルトを巻き付けて締結し、該ベルトクランプに軸線方向の移動および回転による位置ずれを発生させないように固定するワイヤハーネスの保護方法を提供している。
このように、ワイヤハーネスに本発明のシートを巻き付けた後、該シートの一部に紫外線を照射するだけで、高硬化部を高硬度に硬化して電線群の保護と共に配索形状の保持を図ることができると共に、ベルトクランプ取付位置を被覆する部分は低硬化部として柔らかめに硬化させることができる。よって、該低硬化部の外周にベルトクランプを巻き付け、そのベルトを強く締結すると低硬化部に食い込む状態でベルトクランプをシートに固定でき、ワイヤハーネスに対して軸線方向の移動および周方向に回転するのを抑制防止して、クランプを所定位置及び所定向きに位置決め保持できる。かつ、電線群の保護と共に適度な屈曲性を持たせることができる。
一方、クランプ取付位置の低硬化部を除く高硬化部は硬くなるため、外部干渉材からワイヤハーネスを保護する機能が高められ、かつ、ワイヤハーネスの配索形態で硬化すると、ワイヤハーネスの経路規制を行うことができる。よって、プロテクタ等の追加部品を必要とせずコスト低減を図りながら、車両に配索するワイヤハーネスの電線保護および配索経路の規制を同時に行うことができる。しかも、シートを巻き付けただけのスリムなワイヤハーネスでありながら、形状保持性と適度な屈曲性と、ベルトクランプの位置決め機能を持ち合わせているため車両への配索性も向上させることができる。
特に、本発明では、紫外線硬化樹脂からなるシートをワイヤハーネスの電線群に巻き付けた後に、紫外線を一方向から照射するだけで良いため、ワイヤハーネスの組立作業台上で電線を布線した後にシートを巻き付け、その後、該組立作業台上に設置した紫外線照射ランプでシートの一部を照射するだけシートを硬化できる。さらに、シート硬化後に該組立作業台上でシートにベルトクランプを取り付けることができ、ワイヤハーネスの組立作業台上での連続作業が可能となる。よって、特許文献1のようにホットプレスする必要はなく、ホットプレス処理により発生する前記問題を解消できる。
さらに、本発明は前記方法で形成したワイヤハーネスの保護構造を提供している。
前記のように、本発明では、1枚の連続したシートをワイヤハーネスに巻き付けた後に、一部に紫外線を照射するだけで、硬度が高くワイヤハーネスの配索形態に形成できる高硬化部と、ベルトクランプを巻き付けて締結すると移動不可に強く固定できる低硬化部を長さ方向に区分けして設けているため、該低硬化部にベルトクランプを巻き付けて締結すると、該クランプが軸線方向の移動および回転を抑制・防止できる。よって、ワイヤハーネスを車両に配索する時、クランプを車体パネル等に設けた係止穴と精度良く一致できるともに、ワイヤハーネスの周方向の向きを所定の向きとして係止穴に係止できる。かつ、低硬化部は柔らかめに硬化させて適度な屈曲性を保持させているため、ワイヤハーネスの屈曲を調整することができる。
また、高硬化部は高硬度に硬化しているため、電線群の保護と共に配索形状の保持を図ることができる。よって、プロテクタ等の追加部品を必要とせずコスト低減を図りながら、車両に配索するワイヤハーネスの電線保護および配索経路の規制を同時に行うことができる。さらに、前記シート状の外装材を巻き付けただけのスリムなワイヤハーネスでありながら、形状保持性と適度な屈曲性を持ち合わせているため車両への配索性を向上させることができる。
また、高硬化部は高硬度に硬化しているため、電線群の保護と共に配索形状の保持を図ることができる。よって、プロテクタ等の追加部品を必要とせずコスト低減を図りながら、車両に配索するワイヤハーネスの電線保護および配索経路の規制を同時に行うことができる。さらに、前記シート状の外装材を巻き付けただけのスリムなワイヤハーネスでありながら、形状保持性と適度な屈曲性を持ち合わせているため車両への配索性を向上させることができる。
さらにまた、高硬化部および低硬化部を形成する紫外線硬化樹脂層は暗部硬化性を有するため、高硬化部、低硬化部を問わず、露出している一部に紫外線照射するだけで、照射光が遮られる部分や照射光が届かない内部や裏面を含むシート全体を短時間で所要の硬度で硬化させることができ、作業性が良い利点を有する。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4に第1実施形態を示す。
図1に示すように、自動車の車体パネル20に沿って配索するワイヤハーネス10を構成する複数の丸電線を束ねた電線群Wにシート1を巻き付けて、電線群を集束および保護している。該シート1には間隔をあけてベルトクランプ15を巻き付けて取り付け、ワイヤハーネス10を自動車内に配索する際に、車体パネル20に穿設している係止穴21にベルトクランプ15のクランプ部15bを挿入係止している。
図1乃至図4に第1実施形態を示す。
図1に示すように、自動車の車体パネル20に沿って配索するワイヤハーネス10を構成する複数の丸電線を束ねた電線群Wにシート1を巻き付けて、電線群を集束および保護している。該シート1には間隔をあけてベルトクランプ15を巻き付けて取り付け、ワイヤハーネス10を自動車内に配索する際に、車体パネル20に穿設している係止穴21にベルトクランプ15のクランプ部15bを挿入係止している。
前記シート1の長さはワイヤハーネス10の電線群Wに巻き付けて保護する領域の長さに相当する長さとし、幅は電線群Wに外周長に重ね合わせ代を加えた長さとしている。
電線群Wの外周に巻き付けたシート1の外周に、前記のように、長さ方向に間隔をあけて図3に示す汎用の樹脂成形品からなるベルトクランプ15のベルト15aをシート1の外周に巻き付け固定している。該ベルトクランプ15は、ワイヤハーネス10が屈曲する支点位置P1およびワイヤハーネスが長い距離で直線状に配索される領域では所定間隔をあけた位置P2に取り付けられる。
電線群Wの外周に巻き付けたシート1の外周に、前記のように、長さ方向に間隔をあけて図3に示す汎用の樹脂成形品からなるベルトクランプ15のベルト15aをシート1の外周に巻き付け固定している。該ベルトクランプ15は、ワイヤハーネス10が屈曲する支点位置P1およびワイヤハーネスが長い距離で直線状に配索される領域では所定間隔をあけた位置P2に取り付けられる。
第1実施形態のシート1は暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂4で形成している。該シート1は紫外線照射後の硬度が大きい第1紫外線硬化樹脂4Aからなる高硬化部2と、該高硬化部2より低硬度で柔らかい第2紫外線硬化樹脂4Bからなる低硬化部3を連続して備え、低硬化部3はベルトクランプ15の巻付位置に間隔をあけて設け、該低硬化部3を高硬化部2で挟んで長さ方向に連続させている。
なお、図1に示すように、低硬化部3をワイヤハーネスの屈曲部に設ける場合、屈曲部の全体を低硬化部3Xとし、その一部にベルトクランプ15を取り付けている。
なお、図1に示すように、低硬化部3をワイヤハーネスの屈曲部に設ける場合、屈曲部の全体を低硬化部3Xとし、その一部にベルトクランプ15を取り付けている。
即ち、図2に示すように、ベルトクランプ15の取付位置P1とP2とに当たる位置を低硬化部3としている。そのうち、直線部分の取付位置P2では低硬化部3の長さS2はベルトクランプ15のベルト15aの幅より若干広くしている。一方、屈曲部分の取付位置P1では長さS1の広い領域を低硬化部3Xとしている。
シート1の前記暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂4(4Aと4B)からなる本体部分1aの一面に塩化ビニルからなる粘着ベースフィルム5を積層固着して粘着部を設けている。かつ、該粘着ベースフィルム5の表面には剥離紙6を貼着している。なお、該粘着ベースフィルム5はシート1の本体部分1aの幅方向の一端縁に沿って長さ方向の全長に設けてもよい。
前記暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂4は、紫外線硬化材(A)、連鎖移動剤(B)と、紫外線重合開始剤(C)を配合した紫外線硬化樹脂としている。以下、紫外線硬化樹脂について詳述する。
前記暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂4の成分である前記連鎖移動剤(B)は、(a)ウレタン結合、尿素結合、イソシアネート基から選択される少なくとも1種を1個以上含む化合物と、(b)含金属化合物とを含有する金属錯体化合物からなる。
前記連鎖移動剤(B)は発生したラジカルを安定化した上で、分子間または分子内伝達機能を発揮できる。よって、連鎖移動剤(B)が系内に発生したラジカルをラジカルの発生のない箇所にまで瞬時に伝達し、重合反応を開始してラジカル重合反応を進行させることができる。その結果、紫外線硬化材(A)に連鎖移動剤(B)を配合すると、従来、硬化させることが困難であった照射光が届かない内部や裏面側(即ち、暗部)も確実に硬化することができる。かつ、硬化直前に硬化剤を混合する作業工程や、照射後に加熱や湿気硬化等により暗部を硬化させる工程等が不要であり、硬化作業を短時間で行うことができ、硬化作業性に優れている。
連鎖移動剤(B)における前記(a)成分のウレタン結合、尿素結合、イソシアネート基を含む化合物は、下記(式1)で示されるウレタン結合部、下記(式2)で示される尿素結合部、下記(式3)で示されるイソシアネート基から選択される少なくとも1種を1分子中に1個以上含有すればよい。
(式1)−NH−COO−
(式2)−NH−CO−NH−
(式3)−N=C=0
(式1)−NH−COO−
(式2)−NH−CO−NH−
(式3)−N=C=0
連鎖移動剤(B)を構成する前記(b)の含金属化合物は、スズ、銅、亜鉛、コバルト、ニッケルから選択される少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。これらのうちでは、比較的高温(例えば120℃程度の温度)で活性化され、常温では暗部での硬化速度を向上させる効果が奏されにくいため、本組成物の保存安定性を高くできるなどの観点から、亜鉛系の金属錯体化合物や、銅系の金属錯体化合物などがより好ましい。
前記(b)の含金属化合物の具体例として、本出願人の先願に係わるWO2012/102299号公報の段落0010、段落0154に列挙された含金属化合物が挙げられる。
前記(b)の含金属化合物の具体例として、本出願人の先願に係わるWO2012/102299号公報の段落0010、段落0154に列挙された含金属化合物が挙げられる。
連鎖移動剤(B)において、前記(a)と(b)の配合比は、質量比で(a):(b)=100:0.001〜100:10、好ましくは100:0.005〜100:5であることが好ましい。
前記(a)と(b)とからなる連鎖移動剤(B)として機能する金属錯体化合物において、錫系の金属錯体化合物としては、ビス(2,4−ペンタンジオナト)錫、ジブチル錫ビス(トリフルオロメタンスルホナート)、ジブチル錫ジアセタート、ジラウリン酸ジブチル錫、ジブチル錫マレアート、フタロシアニン錫(IV)ジクロリド、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニル錫、フタロシアニン錫(II)、トリブチル(2−ピリジル)錫、トリブチル(2−チエニル)錫、酢酸トリブチル錫、トリブチル(トリメチルシリルエチニル)錫、トリメチル(2−ピリジル)錫
などを挙げることができる。
銅系の金属錯体化合物としては、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)銅(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)銅(II)、ビス(1,3−プロパンジアミン)銅(II)ジクロリド、ビス(8−キノリノラト)銅(II)、ビス(トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)銅(II)、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸銅(II)、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅(II)、エチレンジアミン四酢酸銅(II)二ナトリウム、フタロシアニン銅(II)、ジクロロ(1,10−フェナントロリン)銅(II)、フタロシアニン銅
、テトラ−4−tert−ブチルフタロシアニン銅、テトラキス(アセトニトリル)銅(I)ヘキサフルオロホスファート、ナフテン酸銅などを挙げることができる。
亜鉛系の金属錯体化合物としては、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸亜鉛(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)亜鉛(II)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)、ビス(テトラブチルアンモニウム)ビス(1,3−ジチオール−2−チオン−4,5−ジチオラト)亜鉛コンプレックス、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(II)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(II)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、フタロシアニン亜鉛、ナフテン酸亜鉛などを挙げることができる。
コバルト系の金属錯体化合物としては、ビス(シクロペンタジエニル)コバルト(III)ヘキサフルオロホスファート、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]コバルト(II)ジクロリド、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)コバルト(II)、(1R,2R)−N,N’−ビス[3−オキソ−2−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ブチリデン]−1,2−ジフェニルエチレンジアミナトコバルト(II)、(1S,2S)−N,N’−ビス[3−オキソ−2−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ブチリデン]−1,2−ジフェニルエチレンジアミナトコバルト(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(II)、ビス(トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)コバルト(II)、フタロシアニンコバルト(II)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムコバルト、ヘキサアンミンコバルト(III)クロリド、N,N’−ジサリチラルエチレンジアミンコバルト(II)、[5,10,15,20−テトラキス(4−メトキシフェニル)ポルフィリナト]コバルト(II)、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)、ナフテン酸コバルトなどを挙げることができる。
ニッケル系の金属錯体化合物としては、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)ジクロリド、ビス(ジチオベンジル)ニッケル(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ニッケル(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)ニッケル(II)、ビス(テトラブチルアンモニウム)ビス(マレオニトリルジチオラト)ニッケル(II)コンプレックス、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、ブロモ[(2,6−ピリジンジイル)ビス(3−メチル−1−イミダゾリル−2−イリデン)]ニッケルブロミド、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムニッケル(II)、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケルなどを挙げることができる。
前記金属錯体化合物の市販品として下記が挙げられる。
・BPDZ:[東京化成社製「ビス(2,4−ペンタンジオナト)亜鉛(II)」]
・CDEDTC:[東京化成社製「ジエチルジチオカルバミン酸銅(II)」]
・DBTDL:[東京化成社製「ジラウリン酸ジブチル錫」]
などを挙げることができる。
銅系の金属錯体化合物としては、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)銅(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)銅(II)、ビス(1,3−プロパンジアミン)銅(II)ジクロリド、ビス(8−キノリノラト)銅(II)、ビス(トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)銅(II)、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸銅(II)、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅(II)、エチレンジアミン四酢酸銅(II)二ナトリウム、フタロシアニン銅(II)、ジクロロ(1,10−フェナントロリン)銅(II)、フタロシアニン銅
、テトラ−4−tert−ブチルフタロシアニン銅、テトラキス(アセトニトリル)銅(I)ヘキサフルオロホスファート、ナフテン酸銅などを挙げることができる。
亜鉛系の金属錯体化合物としては、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸亜鉛(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)亜鉛(II)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)、ビス(テトラブチルアンモニウム)ビス(1,3−ジチオール−2−チオン−4,5−ジチオラト)亜鉛コンプレックス、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(II)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(II)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、フタロシアニン亜鉛、ナフテン酸亜鉛などを挙げることができる。
コバルト系の金属錯体化合物としては、ビス(シクロペンタジエニル)コバルト(III)ヘキサフルオロホスファート、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]コバルト(II)ジクロリド、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)コバルト(II)、(1R,2R)−N,N’−ビス[3−オキソ−2−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ブチリデン]−1,2−ジフェニルエチレンジアミナトコバルト(II)、(1S,2S)−N,N’−ビス[3−オキソ−2−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ブチリデン]−1,2−ジフェニルエチレンジアミナトコバルト(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(II)、ビス(トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)コバルト(II)、フタロシアニンコバルト(II)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムコバルト、ヘキサアンミンコバルト(III)クロリド、N,N’−ジサリチラルエチレンジアミンコバルト(II)、[5,10,15,20−テトラキス(4−メトキシフェニル)ポルフィリナト]コバルト(II)、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)、ナフテン酸コバルトなどを挙げることができる。
ニッケル系の金属錯体化合物としては、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)ジクロリド、ビス(ジチオベンジル)ニッケル(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ニッケル(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)ニッケル(II)、ビス(テトラブチルアンモニウム)ビス(マレオニトリルジチオラト)ニッケル(II)コンプレックス、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、ブロモ[(2,6−ピリジンジイル)ビス(3−メチル−1−イミダゾリル−2−イリデン)]ニッケルブロミド、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムニッケル(II)、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケルなどを挙げることができる。
前記金属錯体化合物の市販品として下記が挙げられる。
・BPDZ:[東京化成社製「ビス(2,4−ペンタンジオナト)亜鉛(II)」]
・CDEDTC:[東京化成社製「ジエチルジチオカルバミン酸銅(II)」]
・DBTDL:[東京化成社製「ジラウリン酸ジブチル錫」]
前記紫外線硬化材(A)は、イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物に対し、水酸基を2つ以上有するポリオールの水酸基の2つ以上が(メタ)アクリレートとエステル結合を形成することにより、水酸基の数が1以下に設定されたポリオールの(メタ)アクリレートを主成分とすることが好ましい。
前記ポリオールの(メタ)アクリレートは、水酸基の数が1以下に設定されているため、ポリイソシアネート化合物に配合された状態では、ポリイソシアネート化合物とのウレタン化反応が進行するのを抑えられている。これにより、本組成物の保存安定性が高められている。前記ポリオールの(メタ)アクリレートの水酸基の数は、1であっても良いし、0であっても良い。本組成物の保存安定性の点では、より好ましくは0である。
該ポリオールの(メタ)アクリレートとしては、ジプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1−アクリロイロキシ−3−メタクリロイロキシ−2−プロパノール(2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート)等が好ましい。該(メタ)アクリレートの具体例として、前記WO2012/102299号公報の段落0131に記載のものが挙げられる。
該(メタ)アクリレートの市販品としては、下記が挙げられる。
・DPGA:[東京化成社製「ジプロピレングリコールジアクリレート」]
・TEGDA:[東京化成社製「テトラエチレングリコールジアクリレート」]
・AMPOH:[東京化成社製「1−アクリロイロキシ−3−メタクリロイロキシ−2−プロパノール(2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート)」]
・IBA:[東京化成社製「イソボルニルアクリレート」]
該ポリオールの(メタ)アクリレートとしては、ジプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1−アクリロイロキシ−3−メタクリロイロキシ−2−プロパノール(2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート)等が好ましい。該(メタ)アクリレートの具体例として、前記WO2012/102299号公報の段落0131に記載のものが挙げられる。
該(メタ)アクリレートの市販品としては、下記が挙げられる。
・DPGA:[東京化成社製「ジプロピレングリコールジアクリレート」]
・TEGDA:[東京化成社製「テトラエチレングリコールジアクリレート」]
・AMPOH:[東京化成社製「1−アクリロイロキシ−3−メタクリロイロキシ−2−プロパノール(2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート)」]
・IBA:[東京化成社製「イソボルニルアクリレート」]
前記イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物としては、具体的には、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートなどを挙げることができる。また、これらのポリイソシアネートを水と反応させて得られるビウレット型ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートをトリメチロールプロパン等の多価アルコールと反応させて得られるアダクト型ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートを一部ポリエステルやポリエーテル誘導体と重合させた液状プレポリマー、これらのポリイソシアネートをイソシアヌレート化して得られる多量体などを挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート化合物の市販品として下記が挙げられる。
・N3600:[住化バイエルウレタン社製「デスモジュールN3600」]
・N3200:[住化バイエルウレタン社製「デスモジュールN3200」]
また、ウレタンプレポリマーの合成品として下記UP−1とUP−2が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物の市販品として下記が挙げられる。
・N3600:[住化バイエルウレタン社製「デスモジュールN3600」]
・N3200:[住化バイエルウレタン社製「デスモジュールN3200」]
また、ウレタンプレポリマーの合成品として下記UP−1とUP−2が挙げられる。
前記ウレタンプレポリマーUP−1は下記の方法で合成される。
攪拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が400のポリプロピレングリコール80質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート40質量部とジブチル錫ジラウレート0.1質量部を仕込み、攪拌しながら液温度を室温から50℃まで1時間かけて上げる。その後少量をサンプリングしFT−IRを測定して2300cm−1付近のイソシアネートの吸収を確認しながら、50℃にて攪拌を続ける。その吸収が無くなった時を反応終了とする。これをウレタンプレポリマーUP−1とする。
前記ウレタンプレポリマーUP−2は下記の方法で合成される。
攪拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が1250の末端ジオール型ポリカプロラクトン50質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート13.5質量部とジブチル錫ジラウレート0.1質量部を仕込み、攪拌しながら液温度を室温から50℃まで1時間かけて上げる。その後少量をサンプリングしFT−IRを測定して2300cm−1付近のイソシアネートの吸収を確認しながら、50℃にて攪拌を続ける。その吸収が無くなった時を反応終了とする。これをウレタンプレポリマーUP−2とする。
攪拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が400のポリプロピレングリコール80質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート40質量部とジブチル錫ジラウレート0.1質量部を仕込み、攪拌しながら液温度を室温から50℃まで1時間かけて上げる。その後少量をサンプリングしFT−IRを測定して2300cm−1付近のイソシアネートの吸収を確認しながら、50℃にて攪拌を続ける。その吸収が無くなった時を反応終了とする。これをウレタンプレポリマーUP−1とする。
前記ウレタンプレポリマーUP−2は下記の方法で合成される。
攪拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が1250の末端ジオール型ポリカプロラクトン50質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート13.5質量部とジブチル錫ジラウレート0.1質量部を仕込み、攪拌しながら液温度を室温から50℃まで1時間かけて上げる。その後少量をサンプリングしFT−IRを測定して2300cm−1付近のイソシアネートの吸収を確認しながら、50℃にて攪拌を続ける。その吸収が無くなった時を反応終了とする。これをウレタンプレポリマーUP−2とする。
前記紫外線硬化材(A)において、前記ポリイソシアネート化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比が、質量比で、90:10〜10:90、好ましくは80:20〜20:80である。前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合量が質量比で90を超えると、ポリイソシアネート化合物の配合量に対して多過ぎるので、暗部での硬化反応を担うポリイソシアネート化合物の量が不十分となり、暗部での硬化速度が遅くなる傾向にある。一方、前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合量が質量比で10未満でも、ポリイソシアネート化合物を硬化させる活性種の発生量が不十分となり、暗部での硬化速度が遅くなる傾向にある。
また、前記紫外線硬化樹脂4の紫外線硬化後の硬度は、前記ポリイソシアネートの化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比によって変わり、ポリイソシアネートの化合物の配合割合が高いと硬くなり、ポリオールの(メタ)アクリレートの配合割合が高いと柔らかくなる。
そこで、本実施形態では、紫外線硬化後の硬度が大きい方の前記高硬化部2の紫外線線硬化樹脂4Aは、ポリイソシアネートの化合物とポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で90:10〜60:40としている。
一方、紫外線硬化後の硬度が小さい方の前記低硬化部3の紫外線硬化樹脂4Bは、ポリイソシアネートの化合物とポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で40:60〜10:90としている。
そこで、本実施形態では、紫外線硬化後の硬度が大きい方の前記高硬化部2の紫外線線硬化樹脂4Aは、ポリイソシアネートの化合物とポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で90:10〜60:40としている。
一方、紫外線硬化後の硬度が小さい方の前記低硬化部3の紫外線硬化樹脂4Bは、ポリイソシアネートの化合物とポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で40:60〜10:90としている。
前記紫外線硬化材(A)と連鎖移動剤(B)との配合比は、質量比で、(A):(B)=90:10〜10:90が好ましい。具体的には、前記紫外線硬化材(A)の(メタ)アクリレートが50〜70質量%、好ましくは、55〜65質量%、連鎖移動剤(B)が50〜30質量%、好ましくは45〜35質量%である。
前記紫外線重合開始剤(C)はポリオールの(メタ)アクリレートをラジカル反応させるなどの目的で用いられる。紫外線重合開始剤(C)は、紫外線を吸収してラジカル反応を開始させる化合物であれば特に制限されるものではない。該紫外線重合開始剤(C)として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−テイルアントラキノン等、前記WO2012/102299号公報の段落0133に記載のものが挙げられる。
該紫外線重合開始剤(C)の市販品としては、例えば、IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61;Darocure1116、1173、LucirinTPO(以上、BASF製)、ユベクリルP36(UCB製)などを挙げることができる。
該紫外線重合開始剤(C)の市販品としては、例えば、IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61;Darocure1116、1173、LucirinTPO(以上、BASF製)、ユベクリルP36(UCB製)などを挙げることができる。
前記紫外線重合開始剤(C)の配合量としては、前記紫外線硬化材(A)100質量部に対し、0.01〜10質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.1〜7質量部の範囲である。紫外線重合開始剤の配合量が0.01質量部未満では、紫外線重合開始剤の量が少な過ぎて、紫外線による硬化反応が開始しにくい。一方、紫外線重合開始剤の配合量が10質量部を超えると、不溶物を生じ、硬化物の物性を損なうおそれがある。
紫外線硬化樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、上記各種成分以外に、必要に応じて、各種の配合剤を配合することができる。配合剤としては、前記WO2012/102299号公報の段落0117〜0126に記載の安定化剤、可塑剤、軟化剤、顔料、染料、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、増感剤、分散剤、溶剤、抗菌抗カビ剤などを挙げることができる。各配合剤は適宜、組み合わせて用いることができる。また、配合剤の配合量は、用途等に合わせて適宜定めることができる。
本実施形態では、シート1を第1紫外線硬化樹脂4Aからなる高硬化部2と第2紫外線硬化樹脂4Bからなる低硬化部3とを長さ方向で区分けして設け、第2紫外線硬化樹脂4Bの低硬化部3はベルトクランプ15の取付位置に位置させる必要がある。よって、第1紫外線硬化樹脂部4Aとの区別がつきやすい目立つ色の顔料を第2紫外線硬化樹脂4Bに加えている。これにより、作業員がベルトクランプ15を取り付ける位置が一目で分かるようにしている。
ベルトクランプ15は、前記のように、汎用の樹脂成形品からなる。図3に示すように、ベルト15aの基端を係止ボックス15dに連結し、ベルト15aを係止ボックス15dの貫通穴15eに挿入後に締め付けると、貫通穴15eの内周面から突設した係止片15fがベルト15aに連続的に鋸歯状に設けた係止片15gと係止して締結されるものとしている。該係止ボックス15dの表面から支軸15hを突設し、該支軸15hの基端側に皿部15iを突設すると共に支軸先端から折り返し状に係止羽根15cを設けている。該係止羽根15cを車体パネル20の係止穴21に挿入し、係止羽根15cの係止段部15c1と皿部15iとの間に係止穴21の周縁部を挟んで固定するものとしている。
図3(B)に示すように、車両にワイヤハーネスを配索する時、車体パネル20に予め穿設している係止穴21にベルトクランプ15のクランプ部15bの係止羽根15cを挿入係止して、ワイヤハーネス10を車体内の所定配索経路に沿って配索するようにしている。
図3(B)に示すように、車両にワイヤハーネスを配索する時、車体パネル20に予め穿設している係止穴21にベルトクランプ15のクランプ部15bの係止羽根15cを挿入係止して、ワイヤハーネス10を車体内の所定配索経路に沿って配索するようにしている。
前記紫外線硬化樹脂の製造方法は、特に限定されないが、上記各成分を、例えば減圧下または窒素等の不活性ガス雰囲気下で、混合ミキサー等の撹拌装置を用いて十分に混練し、均一に分散させる方法が好ましい。
ワイヤハーネスへのシート1及びベルトクランプ15の取付工程を図4に基づいて説明する。
該取付工程はワイヤハーネス組立作業台60上で行っており、ワイヤハーネス10を構成する電線群Wをワイヤハーネス組立作業台上に立設した電線保持ジグ61で保持して布線する。
ついで、シート1を巻き付けて外装する。
その後、ワイヤハーネス組立作業台60上に設置した紫外線照射ランプ28でシート1の一部を照射して全体を硬化させ、その後、柔らかさを保持している低硬化部3にベルトクランプ15を巻き付けて締結固定している。
上記したベルトクランプ15の取り付けまでの一連の工程をワイヤハーネス組立作業台60上で連続して行っている。
該取付工程はワイヤハーネス組立作業台60上で行っており、ワイヤハーネス10を構成する電線群Wをワイヤハーネス組立作業台上に立設した電線保持ジグ61で保持して布線する。
ついで、シート1を巻き付けて外装する。
その後、ワイヤハーネス組立作業台60上に設置した紫外線照射ランプ28でシート1の一部を照射して全体を硬化させ、その後、柔らかさを保持している低硬化部3にベルトクランプ15を巻き付けて締結固定している。
上記したベルトクランプ15の取り付けまでの一連の工程をワイヤハーネス組立作業台60上で連続して行っている。
詳細には、ワイヤハーネス組立作業台60上の電線保持ジグ61で保持した電線群Wに紫外線照射前の未硬化で柔らかいゲル状のシート1を巻き付けて外装している。該シート1の巻き付けは、まず、粘着ベースフィルム5から剥離紙6を剥がして露出させ、該粘着ベースフィルム5を内面側として、ワイヤハーネスの電線群Wの外周面にすし巻き状に巻き付ける。シート1は内周面の粘着ベースフィルム5が電線群Wに固着すると共に、巻終わり部分を巻始め部分の外周面に重ねて粘着ベースフィルム5で固着して巻き付け状態を保持している。このシート1をワイヤハーネス10の電線群Wに巻き付ける際、ベルトクランプ15の取付位置に低硬化部3を位置させている。
シート1を巻き付けて固着したワイヤハーネス10の一部を、紫外線照射ランプ(例えばSEN特殊光源社製)28で外方からシート1に紫外線を照射する。シート1の外周面の全面が第1紫外線硬化樹脂4Aまたは第2紫外線硬化樹脂4Bからなるため、シート1のいずれの箇所の外周面を照射して硬化させてもよい。
紫外線照射ランプ28で紫外線をシート1に照射すると、紫外線硬化樹脂4からなるシート1は紫外線が当たる部分から硬化が始まる。この硬化が始まる部分から、照射側と反対側で照射光が届かない裏面側およびシート1の内周面側(即ち、暗部)も連鎖移動剤(B)により硬化していく。このように、紫外線の照射で紫外線が直接に当たる部分が略瞬時に硬化すると共に、暗部側の紫外線硬化樹脂4も硬化時間は若干遅れるが数十秒で硬化する。
前記紫外線照射により硬化するシート1において、第1紫外線硬化樹脂4Aからなる高硬化部2は高硬度に硬化され、ワイヤハーネス10の電線群Wに巻き付けた状態で硬化される。したがって、電線群Wが直線状の部分では高硬度部2はほぼ真っすぐな円筒状に硬化され、湾曲した部分では湾曲した筒状に硬化される。従って、ワイヤハーネス10の電線群をシート1の高硬化部2で外部緩衝材から確実に保護できると共に、ワイヤハーネス10の経路に沿って配索でき、経路規制を行える機能も有する。
一方、第2紫外線硬化樹脂4Bからなる低硬化部3が低い硬度で柔らかさを保持した状態で硬化される。この低硬化部3に図4(B)に示すように、電線保持ジグ61から引き上げて、ベルトクランプ15のベルト15aを巻き付けて締結固定する。その際、ベルト15aはシート1の柔らかい低硬化部3の表面に食い込むように巻き付く。よって、ワイヤハーネスに固定したベルトクランプ15がシート1の表面で長さ方向に移動するのを抑制防止でき、かつ、シート1の回りで回転するのを抑制防止できる。このように、ワイヤハーネス10の外周面に巻き付けたシート1の外周でベルトクランプ15が位置ずれせずに、設定位置に保持できる。
前記のように、ワイヤハーネス10の電線群Wにシート1を巻き付け固着し、自動車内での配索形態と同様な形態とした後、紫外線を一定時間照射するだけで、高硬化部2で電線群Wの保護および配索経路の規制ができる高硬化部2とベルトクランプ15を位置ずれなく取り付けることができる低硬化部3とを形成できる。かつ、ワイヤハーネス10の電線群Wにシート1を巻き付けただけのスリムな形状でありながら、形状保持性と適度な屈曲性を持ち合わせているため車両への配索性を向上させることができる。
また、前記第1紫外線硬化樹脂4Aおよび第2紫外線硬化樹脂4Bは暗部硬化性を有するため、固定位置の紫外線照射ランプ28からシート1の一部に外方から紫外線を照射するだけで、照射光が遮られる部分や照射光が届かない内部や裏面を含む第1、第2紫外線硬化樹脂4A、4Bの全体を短時間で硬化できる。
図5に第2実施形態を示す。
第2実施形態のシート1−Bも高硬化部2と低硬化部3を長さ方向で区分けして設けると共に一体的に連続させている。
該シート1−Bでは、紫外線硬化樹脂4でのみシートを形成しておらず、不織布50を高硬化部2および低硬化部3に連続させて位置し紫外線硬化樹脂4を含浸させている。即ち、高硬化部2では不織布50に前記第1紫外線硬化樹脂4Aを含浸させ、紫外線照射後に高硬度部2を形成している。一方、低硬化部2では不織布50に前記第2紫外線硬化樹脂4Bを含浸させ、紫外線照射後に低硬度部3を形成している。
第2実施形態のシート1−Bも高硬化部2と低硬化部3を長さ方向で区分けして設けると共に一体的に連続させている。
該シート1−Bでは、紫外線硬化樹脂4でのみシートを形成しておらず、不織布50を高硬化部2および低硬化部3に連続させて位置し紫外線硬化樹脂4を含浸させている。即ち、高硬化部2では不織布50に前記第1紫外線硬化樹脂4Aを含浸させ、紫外線照射後に高硬度部2を形成している。一方、低硬化部2では不織布50に前記第2紫外線硬化樹脂4Bを含浸させ、紫外線照射後に低硬度部3を形成している。
前記低硬化部3はベルトクランプ15の巻付部分としており、他の構成も第1実施形態と同様としている。よって、第1実施形態と同様な作用効果を有する。
1 シート
2 高硬化部
3 低硬化部
4 紫外線硬化樹脂
4A 第1紫外線硬化樹脂
4B 第2紫外線硬化樹脂
5 粘着ベースフィルム
10 ワイヤハーネス
15 ベルトクランプ
15a ベルト
20 車体パネル
21 係止穴
28 紫外線照射ランプ
50 不織布
60 ワイヤハーネス組立作業台
P1、P2 ベルトクランプ取付位置
2 高硬化部
3 低硬化部
4 紫外線硬化樹脂
4A 第1紫外線硬化樹脂
4B 第2紫外線硬化樹脂
5 粘着ベースフィルム
10 ワイヤハーネス
15 ベルトクランプ
15a ベルト
20 車体パネル
21 係止穴
28 紫外線照射ランプ
50 不織布
60 ワイヤハーネス組立作業台
P1、P2 ベルトクランプ取付位置
Claims (4)
- 暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂で形成したシートまたは該紫外線硬化樹脂を不織布に含浸して形成したシートからなり、
前記紫外線硬化樹脂として紫外線照射後の硬度が大きい第1紫外線硬化樹脂を用いる高硬化部と、紫外線照射後の硬度が前記高硬化部より低硬度で柔らかい第2紫外線硬化樹脂を用いる低硬化部とを長さ方向に区分して連続的に備え、
前記低硬化部は少なくともベルトクランプの巻付位置に設けると共に、該低硬化部を前記高硬化部で挟んで長さ方向に連続させていることを特徴とするワイヤハーネスの保護材。 - 前記第1、第2紫外線硬化樹脂はいずれも、
イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物に対し、水酸基を2つ以上有するポリオールの水酸基の2つ以上が(メタ)アクリレートとエステル結合を形成することにより、水酸基の数が1以下に設定されたポリオールの(メタ)アクリレートを主成分とする紫外線硬化剤(A)と、
ウレタン結合、尿素結合、イソシアネート基から選択される少なくとも1種を1個以上含む化合物と、含金属化合物とを含有する金属錯体化合物からなる連鎖移動剤(B)と、 紫外線重合開始剤(C)と、
を配合した組成物からなり、
前記第1紫外線硬化樹脂は、前記紫外線硬化剤(A)における前記ポリイソシアネートの化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で90:10〜60:40としている一方、
前記第2紫外線硬化樹脂は、前記紫外線硬化剤(A)における前記ポリイソシアネートの化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比を質量比で40:60〜10:90としている請求項1に記載のワイヤハーネスの保護材。 - 請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネスの保護材からなる前記シートを、紫外線照射前の未硬化の状態でワイヤハーネスの電線群の外周に巻き付け、該ワイヤハーネスを配索形態にして前記シートの一部に紫外線照射を行い、
前記高硬化部では紫外線硬化樹脂の硬度を大とし、ワイヤハーネスの配索形態に添わせた直線形状または/および屈曲形状に高硬化部を保形する一方、前記低硬化部は低硬度で柔らかさを保持させ、
ついで、前記低硬化部にベルトクランプのベルトを巻き付けて締結し、該ベルトクランプに軸線方向の移動および回転による位置ずれを発生させないように固定するワイヤハーネスの保護方法。 - 請求項3に記載の方法で形成したワイヤハーネスの保護構造。
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JP2013172163A JP2015042073A (ja) | 2013-08-22 | 2013-08-22 | ワイヤハーネスの保護材、保護方法および保護構造 |
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CN114256791A (zh) * | 2020-09-24 | 2022-03-29 | 住友电装株式会社 | 线束 |
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2013
- 2013-08-22 JP JP2013172163A patent/JP2015042073A/ja active Pending
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