JP2014128173A - ワイヤハーネス用の外装材、ワイヤハーネスの形成方法およびワイヤハーネス - Google Patents

ワイヤハーネス用の外装材、ワイヤハーネスの形成方法およびワイヤハーネス Download PDF

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Abstract

【課題】ワイヤハーネスに悪影響を及ぼす事なく巻き付けることができる不織布を用いた外装材を提供する。
【解決手段】ワイヤハーネスを保護する外装材はシート状を成し、不織布層11とUV含浸層10と粘着層12で構成され、不織布2の少なくとも一面に紫外線硬化樹脂3を含浸させたテープまたはシート1からなり、紫外線硬化樹脂は紫外線照射前は柔軟性を有するゲル状であると共に、紫外線照射後は変形不可に硬化されるもので、外装材を巻き付けたワイヤハーネスを配索経路に沿わせて屈曲させ、紫外線を照射して硬化・形成する。
【選択図】図1

Description

本発明はワイヤハーネス用の外装材、該外装材で外装したワイヤハーネスの形成方法およびワイヤハーネスに関し、特に、自動車に配索されるワイヤハーネスの集束保護および経路規制を行う新規材料からなる外装材に関する。
従来、自動車に配索する複数の電線群からなるワイヤハーネスを集束、経路規制、他部品との干渉に対する保護を行うための外装材として、樹脂製のコルゲートチューブ、丸チューブ、プロテクタ、さらに、電線群に巻き付ける粘着テープが用いられている。長尺なワイヤハーネスでは前記した複数種類の外装材が求められる機能に応じて使い分けされている。例えば、ワイヤハーネスの幹線はコルゲートチューブで外装し、枝線は丸チューブで外装し又は粘着テープを巻き付け、さらに、特に外部干渉材等から保護の強化が必要な箇所ではプロテクタで外装している。
不織布を保護材として用いたものも提供されている。不織布は柔軟性を有すると共に厚さを確保でき、取り扱い易く、巻き付ける電線に損傷を与えることなく、ソフトに電線群を保護できる利点がある。
例えば、本出願人は特開2012−196035号公報で図9(A)(B)に示すように、不織布を加熱で硬化して筒状部材とした第一保護部材101で電線Wを集束し、同じく不織布を加熱成形で硬化して筒状部材とした第二保護部材102で複数の第一保護部材101を一括して束ねている。前記第一保護部材101は電線Wに不織布を巻き付けた後に上下型からなる成形装置にセットし、ホットプレスで加熱成形している。前記第二保護部材102も電線Wに外装した第一保護部材101に不織布を巻き付けた後に上下型からなる成形装置にセットし、ホットプレスで加熱成形している。
また、特開2003−197038号公報では、図10に示すように、フラット回路体120を発泡剤と熱硬化剤を含む不織布からなる被覆体122、123で挟んだ状態で、金型内にセットし、130〜150℃で加熱してプレス成形してプロテクタとしている。
特開2012−196035号公報 特開2003−197038号公報
前記の汎用されている樹脂製のコルゲートチューブ、丸チューブ、プロテクタからなる複数種類の外装材を用いると、外装材の種類が多くなるためコスト高になる。かつ、各外装材毎に取付作業が相違し、作業工数が増えて生産性が悪くなる問題がある。
また、特許文献1の不織布を電線に巻き付けた状態で加熱して硬化させる場合、不織布の素材によって相違するが、成形型にヒータを内蔵させて所要温度で加熱する必要があり、かつ、電線に不織布を巻き付けた状態で、第一保護部材の加熱硬化と、第二保護部材の加熱硬化との2回の加熱が必要で、この2回の加熱時に電線Wも加熱される。よって、電線Wに熱影響を及ぼさないように比較的低温で加熱する必要があるため、加熱時間は長くなり、作業時間がかかる恐れがある。
前記特許文献2も同様に加熱が必要であり、不織布からなる被覆体122、123で挟んだ状態でプレス型内にセットし、130〜150℃で加熱して、フラット回路体と接する部分は溶融させてフラット回路体と溶着し、かつ、圧縮して剛性を付与している。
前記温度で加熱すると、電線が熱影響を受け、電線の種類によっては熱劣化が生じる恐れがある。
前記のように不織布を外装材として用いた場合、いずれも加熱により硬化させているため、電線の絶縁被覆が薄い場合等は加熱により電線への悪影響が懸念される。
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、不織布を外装材の素材として用いるが、硬化を加熱によらずに行えるようにして、電線へ悪影響を及ぼす事なく、外装材としての機能を付与できるようにすることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、ワイヤハーネスの外周面に巻き付けられる外装材であり、
不織布の少なくとも一面に紫外線硬化樹脂を含浸させたテープまたはシートからなり、前記紫外線硬化樹脂は紫外線照射前は柔軟性を有するゲル状であると共に紫外線照射後は変形不可に硬化されるものであるワイヤハーネス用の外装材を提供している。
本発明のシートまたはテープからなる外装材は、不織布のみからなる層の一面または両面に前記紫外線硬化樹脂を含浸させたUV含浸層を備え、または、不織布の全体に紫外線硬化樹脂を含浸させ、かつ、粘着層を一方外面に設けていることが好ましい。
このように、本発明のテープまたはシートからなる外装材は、不織布の少なくとも一面に紫外線硬化樹脂を含浸させ、不織布のみからなる層(以下、不織布層と称す)の一面に紫外線硬化樹脂含浸層(以下、UV含浸層と称す)を積層した構成としているが、不織布層の両面にUV含浸層を設けても良いし、不織布層の全体に紫外線硬化樹脂を含浸させてUV含浸層としてもよい。
本発明の紫外線硬化樹脂を含浸した不織布は、紫外線照射で硬化するが、紫外線照射前は柔らかいゲル状であり、ワイヤハーネスの外周面に密着させて巻き付けることができ、汎用されている粘着テープ、ウレタンシート、ゴムシート等と同様にワイヤハーネスの外周面に巻き付けることができる。本発明のシートまたはテープからなる外装材は、複数の丸電線の集合体であるワイヤハーネスの外周面に巻き付ける外装材として用いることができると共に、電線を平行配線したフラットハーネスの外周面にかぶせて外装材として用いることもできる。
本発明の外装材のテープまたはシートはワイヤハーネスの外周に巻き付けた後、紫外線を照射する部分は硬化し、従来の樹脂成形品のプロテクタやチューブと同様となり、ワイヤハーネスの経路規制および外部材からの保護を図ることができる。
一方、ワイヤハーネスの屈曲性を保持する必要がある領域では、紫外線を照射せず、外装材を硬化させず、柔軟性を有する不織布の状態のままとすればよい。不織布を硬化させずに屈曲性を保持した状態としても、ワイヤハーネスの電線群が外部材と直接接触するのを防止して保護することができる。
このように、本発明の1種類の外装材だけで、ワイヤハーネスを部分的に硬化した外装材で保護できると共に、部分的に柔軟性、屈曲性を有する外装材で保護できる。よって、従来のように、プロテクタ、コルゲートチューブ、テープ等の複数種類の外装材をワイヤハーネスの領域に応じて使い分けする必要がなくなり、ワイヤハーネス用の外装材の種類を削減できると共に、作業工程の簡素化を図ることができる。
また、前記特許文献1、2の不織布は加熱で硬化しているが、本発明で用いる不織布は紫外線硬化樹脂を含浸させているため、加熱ではなく、紫外線を照射して硬化している。よって、特許文献2に記載されているような130〜150℃の高温で加熱する必要はなく、電線に熱影響を与えない利点がある。
本発明では、不織布を紫外線硬化樹脂の貯溜槽にドブ漬けにし、またはスプレーやロールコータ、ナイフコータで塗布して前記不織布に紫外線硬化樹脂を含浸している。なお、ドブ漬けの場合は不織布の厚さ方向全体に紫外線硬化樹脂を含浸するが、塗布の場合、不織布を厚肉とすると、一面あるいは両面に塗布して含浸させ、中間部は含浸させていない状態となる。
なお、前記紫外線硬化樹脂を含浸した不織布の一面又は両面に、更に、ゲル状の紫外線硬化樹脂フィルムを予め積層固着してもよい。
ワイヤハーネスに巻き付けた状態で外面に紫外線硬化樹脂のみからなるフィルムが位置すると、表面全体が硬化して強度が高まる。尚、ワイヤハーネスに巻き付けた状態で電線群に接触する内面に紫外線硬化樹脂層が位置しても、外側から照射する紫外線を不織布の空隙を通して内面側の紫外線硬化樹脂に照らして硬化させることができる。
前記紫外線硬化樹脂は、
イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物に対し、水酸基を2つ以上有するポリオールの水酸基の2つ以上が(メタ)アクリレートとエステル結合を形成することにより、水酸基の数が1以下に設定されたポリオールの(メタ)アクリレートを主成分とする紫外線硬化材(A)と、
ウレタン結合、尿素結合、イソシアネート基から選択される少なくとも1種を1個以上含む化合物と、含金属化合物とを含有する金属錯体化合物からなる連鎖移動剤(B)と、 紫外線重合開始剤(C)と、
を配合した組成物からなり、暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂であることが好ましい。
なお、前記連鎖移動剤(B)を配合せず、前記紫外線硬化材(A)に紫外線重合開始剤(C)を配合した、暗部硬化性を有しない紫外線硬化樹脂を用いることも可能である。
前記連鎖移動剤(B)を配合した暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂として、本出願人の先願に係わるWO2012/102299号公報に記載の紫外線硬化性組成物が好適に用いられる。
該暗部硬化性の紫外線硬化性組成物は、照射光が届かない暗部に位置し、ラジカル発生が無い部分を硬化できる紫外線硬化樹脂からなり、前記紫外線硬化材(A)と連鎖移動剤(B)と紫外線重合開始剤(C)を配合した組成物からなる。
なお、有機・無機フィラー、カーボン・金属粒子、繊維、ポリマー・オリゴマー、各種改質添加剤等からなる紫外線透過抑制物を配合した場合も、全体を確実に硬化させることができる。
前記暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂を含浸した不織布は、熱処理や湿気硬化処理等を必要とせず、不織布に含浸した紫外線硬化樹脂の一部が紫外線で照射されて硬化すると、紫外線が遮られた暗部も前記連鎖移動剤により順次硬化させることができ、紫外線硬化樹脂を含浸した部分の全体を暗部も含めて迅速に硬化することができる。
よって、暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂を含浸したテープまたはシートは 該テープまたはシートを巻き付けたワイヤハーネスに外部から紫外線を照射しただけで、該テープまたはシートの内面の暗部側に位置する部分およびワイヤハーネスにより照射する紫外線が遮断される反対側まで順次に硬化させることができる。具体的には、連鎖移動剤を配合した前記紫外線硬化樹脂を含浸した不織布は、例えば、UVランプで10秒間紫外線照射を行うと、ランプにより照射された部分は瞬時に硬化し、かつ、UVランプの光が届かない暗部も約1分間の放置で硬化できる。
前記紫外線硬化樹脂および不織布は120℃以下では溶融しない耐熱性を有するものとしている。不織布は融点が200℃以上で且つ剛性を有するPTFE、PET、PEI等フッ素系樹脂を主成分とし、該フッ素系樹脂と共に接着用樹脂を配合していることが好ましい。また、不織布の密度は100g/m2〜250g/m2の範囲が好ましく、該範囲で用途に応じて調整される。
前記UV含浸層の外面、前記不織布層の外面に粘着層を設けることが好ましい。
該粘着層は、接着性を有する樹脂を塗布し、または該接着性を有する樹脂からなる粘着フィルムを積層固着している。
このように、粘着層を設けると、該粘着層をワイヤハーネスの外周面に密着させて巻き付けるだけで固着でき、後作業の紫外線照射時に外装材を巻き付け状態に保持する手段が不要となる。さらに巻き付けた外装材の端部を重ねて筒状に固着できる。
第二の発明として、第一の発明の外装材を紫外線照射前にワイヤハーネスの外周面に巻き付け、巻き付け後に紫外線を照射して、含浸した前記紫外線硬化樹脂を硬化させているワイヤハーネスの形成方法を提供している。
前記ワイヤハーネスが屈曲する領域では、ワイヤハーネスを巻き付けた外装材と共に屈曲し、該屈曲状態で紫外線を照射して硬化している。
第三の発明として、前記第二の形成方法で形成され、ワイヤハーネスの少なくとも一部を前記外装材で外装し、該外装材は部分的または全体が硬化されているワイヤハーネスを提供している。
本発明の外装材で外装した部分を更に樹脂製のコルゲートチューブで外装してもよい。すなわち、鋭利な外部干渉材が位置する部分に更にコルゲートチューブを外装し、ワイヤハーネスの保護をより確実にしてもよい。
前記のように、本発明では、ワイヤハーネスの外周面に巻き付けるテープまたはシートからなる外装材を、不織布に紫外線硬化樹脂を含浸したものとし、紫外線照射前は柔らかく屈曲性を保持しているゲル状としているため、ワイヤハーネスの所要領域の外周面に容易に巻き付けることができる。ワイヤハーネスの外周面に巻き付けた後に、紫外線を照射して変形不可に硬化させ、プロテクタ等の樹脂成形品の外装材と同様な形状保持力を付与している。よって、ワイヤハーネスの外装材として、テープやシートの巻き部分と、プロテクタやコルゲートチューブ等の樹脂成形品による外装部分とを区別して設ける必要はなく、外装材の種類を削減でき、かつ、工程を簡素化できる。
不織布に前記暗部硬化性の紫外線硬化樹脂を含浸させたテープまたはシートからなる外装材では、紫外線照射するだけで、紫外線硬化樹脂を含浸させた不織布の内部および照射側と反対側の裏面まで硬化させることができ、硬化作業が簡単に行える利点がある。
本発明の第1実施形態のシートからなる外装材を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)のB−B線拡大断面図である。 (A)は前記シートをワイヤハーネスに巻き付ける状態を示す斜視図、(B)は巻き付けた後の断面図である。 ワイヤハーネスにシートを巻き付けた後に紫外線照射して硬化する状態を示す図面である。 前記外装材で外装するワイヤハーネスの第1変形例を示す斜視図である。 前記外装材で外装するワイヤハーネスの第2変形例を示す斜視図である。 前記外装材で外装するワイヤハーネスの第3変形例を示す断面図である。 (A)〜(D)は第1実施形態のシートの変形例を示す断面図である。 (A)は本発明の第2実施形態のテープからなる外装材を示す斜視図、(B)はワイヤハーネスに巻き付けた状態を示す斜視図である。 (A)(B)は従来例を示す図面である。 他の従来例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1(A)(B)に第1実施形態の外装材を示す。
図1は本発明のワイヤハーネス用外装材のシート1を示す。該シート1は不織布2の一面側(図中、下面側)に紫外線硬化樹脂3を含浸したUV含浸層10を設け、不織布2のみからなる不織布層11の一面にUV含浸層10を設けている。該UV含浸層10の表面(下面)に粘着層12を設けている。
不織布2はフッ素系樹脂等からなる主成分の樹脂に接着性に優れた樹脂を配合して形成されており、密度は100g/m2〜250g/m2の範囲とし、不織布2の厚さ(T1)は1mm〜2.5mmの範囲としている。該不織布2の一面に前記紫外線硬化樹脂3をスプレーまたはロールコータやナイフコータで塗布して、不織布2の空隙に紫外線硬化樹脂3を充填させてUV含浸層10を設けている。このUV含浸層10の厚さ(T2)は不織布2の厚さ(T1)の60%〜20%の範囲とすることが好ましい。
前記紫外線硬化樹脂3は、紫外線硬化材(A)、連鎖移動剤(B)と、紫外線重合開始剤(C)を配合した暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂としている。
以下、紫外線硬化樹脂3について詳述する。
前記暗部硬化性を有する紫外線硬化樹脂の成分である前記連鎖移動剤(B)は、(a)ウレタン結合、尿素結合、イソシアネート基から選択される少なくとも1種を1個以上含む化合物と、(b)含金属化合物とを含有する金属錯体化合物からなる。
前記連鎖移動剤(B)は発生したラジカルを安定化した上で、分子間または分子内伝達機能を発揮できる。よって、連鎖移動剤(B)が系内に発生したラジカルをラジカルの発生のない箇所にまで瞬時に伝達し、重合反応を開始してラジカル重合反応を進行させることができる。その結果、紫外線硬化材(A)に連鎖移動剤(B)を配合すると、従来、硬化させることが困難であった照射光が届かない内部や裏面側(即ち、暗部)を確実に硬化することができる。かつ、硬化直前に硬化剤を混合する作業工程や、照射後に加熱や湿気硬化等により暗部を硬化させる工程等が不要であり、硬化作業を短時間で行うことができ、硬化作業性に優れている。
連鎖移動剤(B)における前記(a)成分のウレタン結合、尿素結合、イソシアネート基を含む化合物は、下記(式1)で示されるウレタン結合部、下記(式2)で示される尿素結合部、下記(式3)で示されるイソシアネート基から選択される少なくとも1種を1分子中に1個以上含有すればよい。
(式1)−NH−COO−
(式2)−NH−CO−NH−
(式3)−N=C=0
連鎖移動剤(B)を構成する前記(b)の含金属化合物は、スズ、銅、亜鉛、コバルト、ニッケルから選択される少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。これらのうちでは、比較的高温(例えば120℃程度の温度)で活性化され、常温では暗部での硬化速度を向上させる効果が奏されにくいため、本組成物の保存安定性を高くできるなどの観点から、亜鉛系の金属錯体化合物や、銅系の金属錯体化合物などがより好ましい。
前記(b)の含金属化合物の具体例として、本出願人の先願に係わるWO2012/102299号公報の段落0010、段落0154に列挙された含金属化合物が挙げられる。
連鎖移動剤(B)において、前記(a)と(b)の配合比は、質量比で(a):(b)=100:0.001〜100:10、好ましくは100:0.005〜100:5であることが好ましい。
前記(a)と(b)とからなる連鎖移動剤(B)として機能する金属錯体化合物において、錫系の金属錯体化合物としては、ビス(2,4−ペンタンジオナト)錫、ジブチル錫ビス(トリフルオロメタンスルホナート)、ジブチル錫ジアセタート、ジラウリン酸ジブチル錫、ジブチル錫マレアート、フタロシアニン錫(IV)ジクロリド、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニル錫、フタロシアニン錫(II)、トリブチル(2−ピリジル)錫、トリブチル(2−チエニル)錫、酢酸トリブチル錫、トリブチル(トリメチルシリルエチニル)錫、トリメチル(2−ピリジル)錫などを挙げることができる。
銅系の金属錯体化合物としては、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)銅(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)銅(II)、ビス(1,3−プロパンジアミン)銅(II)ジクロリド、ビス(8−キノリノラト)銅(II)、ビス(トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)銅(II)、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸銅(II)、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅(II)、エチレンジアミン四酢酸銅(II)二ナトリウム、フタロシアニン銅(II)、ジクロロ(1,10−フェナントロリン)銅(II)、フタロシアニン銅、テトラ−4−tert−ブチルフタロシアニン銅、テトラキス(アセトニトリル)銅(I)ヘキサフルオロホスファート、ナフテン酸銅などを挙げることができる。
亜鉛系の金属錯体化合物としては、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジチオカルバミン酸亜鉛(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)亜鉛(II)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)、ビス(テトラブチルアンモニウム)ビス(1,3−ジチオール−2−チオン−4,5−ジチオラト)亜鉛コンプレックス、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(II)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(II)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、フタロシアニン亜鉛、ナフテン酸亜鉛などを挙げることができる。
コバルト系の金属錯体化合物としては、ビス(シクロペンタジエニル)コバルト(III)ヘキサフルオロホスファート、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]コバルト(II)ジクロリド、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)コバルト(II)、(1R,2R)−N,N’−ビス[3−オキソ−2−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ブチリデン]−1,2−ジフェニルエチレンジアミナトコバルト(II)、(1S,2S)−N,N’−ビス[3−オキソ−2−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ブチリデン]−1,2−ジフェニルエチレンジアミナトコバルト(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(II)、ビス(トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)コバルト(II)、フタロシアニンコバルト(II)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムコバルト、ヘキサアンミンコバルト(III)クロリド、N,N’−ジサリチラルエチレンジアミンコバルト(II)、[5,10,15,20−テトラキス(4−メトキシフェニル)ポルフィリナト]コバルト(II)、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)、ナフテン酸コバルトなどを挙げることができる。
ニッケル系の金属錯体化合物としては、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)ジクロリド、ビス(ジチオベンジル)ニッケル(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ニッケル(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)ニッケル(II)、ビス(テトラブチルアンモニウム)ビス(マレオニトリルジチオラト)ニッケル(II)コンプレックス、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、ブロモ[(2,6−ピリジンジイル)ビス(3−メチル−1−イミダゾリル−2−イリデン)]ニッケルブロミド、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムニッケル(II)、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケルなどを挙げることができる。
前記金属錯体化合物の市販品として下記が挙げられる。
・BPDZ:[東京化成社製「ビス(2,4−ペンタンジオナト)亜鉛(II)」]
・CDEDTC:[東京化成社製「ジエチルジチオカルバミン酸銅(II)」]
・DBTDL:[東京化成社製「ジラウリン酸ジブチル錫」]
前記紫外線硬化材(A)は、イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物に対し、水酸基を2つ以上有するポリオールの水酸基の2つ以上が(メタ)アクリレートとエステル結合を形成することにより、水酸基の数が1以下に設定されたポリオールの(メタ)アクリレートを主成分とすることが好ましい。
前記ポリオールの(メタ)アクリレートは、水酸基の数が1以下に設定されているため、ポリイソシアネート化合物に配合された状態では、ポリイソシアネート化合物とのウレタン化反応が進行するのを抑えられている。これにより、本組成物の保存安定性が高められている。前記ポリオールの(メタ)アクリレートの水酸基の数は、1であっても良いし、0であっても良い。本組成物の保存安定性の点では、より好ましくは0である。
該ポリオールの(メタ)アクリレートとしては、ジプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1−アクリロイロキシ−3−メタクリロイロキシ−2−プロパノール(2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート)等が好ましい。該(メタ)アクリレートの具体例として、前記WO2012/102299号公報の段落0131に記載のものが挙げられる。
該(メタ)アクリレートの市販品としては、下記が挙げられる。
・DPGA:[東京化成社製「ジプロピレングリコールジアクリレート」]
・TEGDA:[東京化成社製「テトラエチレングリコールジアクリレート」]
・AMPOH:[東京化成社製「1−アクリロイロキシ−3−メタクリロイロキシ−2−プロパノール(2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート)」]
・IBA:[東京化成社製「イソボルニルアクリレート」]
前記イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物としては、具体的には、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートなどを挙げることができる。また、これらのポリイソシアネートを水と反応させて得られるビウレット型ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートをトリメチロールプロパン等の多価アルコールと反応させて得られるアダクト型ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートを一部ポリエステルやポリエーテル誘導体と重合させた液状プレポリマー、これらのポリイソシアネートをイソシアヌレート化して得られる多量体などを挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート化合物の市販品として下記が挙げられる。
・N3600:[住化バイエルウレタン社製「デスモジュールN3600」]
・N3200:[住化バイエルウレタン社製「デスモジュールN3200」]
また、ウレタンプレポリマーの合成品として下記UP−1とUP−2が挙げられる。
前記ウレタンプレポリマーUP−1は下記の方法で合成される。
攪拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が400のポリプロピレングリコール80質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート40質量部とジブチル錫ジラウレート0.1質量部を仕込み、攪拌しながら液温度を室温から50℃まで1時間かけて上げる。その後少量をサンプリングしFT−IRを測定して2300cm−1付近のイソシアネートの吸収を確認しながら、50℃にて攪拌を続ける。その吸収が無くなった時を反応終了とする。これをウレタンプレポリマーUP−1とする。
前記ウレタンプレポリマーUP−2は下記の方法で合成される。
攪拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が1250の末端ジオール型ポリカプロラクトン50質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート13.5質量部とジブチル錫ジラウレート0.1質量部を仕込み、攪拌しながら液温度を室温から50℃まで1時間かけて上げる。その後少量をサンプリングしFT−IRを測定して2300cm−1付近のイソシアネートの吸収を確認しながら、50℃にて攪拌を続ける。その吸収が無くなった時を反応終了とする。これをウレタンプレポリマーUP−2とする。
前記紫外線硬化材(A)において、前記ポリイソシアネート化合物と前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合比が、質量比で、90:10〜10:90、好ましくは80:20〜20:80である。前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合量が質量比で90を超えると、ポリイソシアネート化合物の配合量に対して多過ぎるので、暗部での硬化反応を担うポリイソシアネート化合物の量が不十分となり、暗部での硬化速度が遅くなる傾向にある。一方、前記ポリオールの(メタ)アクリレートの配合量が質量比で10未満でも、ポリイソシアネート化合物を硬化させる活性種の発生量が不十分となり、暗部での硬化速度が遅くなる傾向にある。
前記紫外線硬化材(A)と連鎖移動剤(B)との配合比は、質量比で、(A):(B)=90:10〜10:90が好ましい。具体的には、前記紫外線硬化材(A)の(メタ)アクリレートが50〜70質量%、好ましくは、55〜65質量%、連鎖移動剤(B)が50〜30質量%、好ましくは45〜35質量%である。
前記紫外線重合開始剤(C)はポリオールの(メタ)アクリレートをラジカル反応させるなどの目的で用いられる。紫外線重合開始剤(C)は、紫外線を吸収してラジカル反応を開始させる化合物であれば特に制限されるものではない。該紫外線重合開始剤(C)として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−テイルアントラキノン等、前記WO2012/102299号公報の段落0133に記載のものが挙げられる。
該紫外線重合開始剤(C)の市販品としては、例えば、IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61;Darocure1116、1173,LucirinTPO(以上、BASF製)、ユベクリルP36(UCB製)などを挙げることができる。
前記紫外線重合開始剤(C)の配合量としては、前記紫外線硬化材(A)100質量部に対し、0.01〜10質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.1〜7質量部の範囲である。紫外線重合開始剤の配合量が0.01質量部未満では、紫外線重合開始剤の量が少な過ぎて、紫外線による硬化反応が開始しにくい。一方、紫外線重合開始剤の配合量が10質量部を超えると、不溶物を生じ、硬化物の物性を損なうおそれがある。
紫外線硬化樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、上記各種成分以外に、必要に応じて、各種の配合剤を配合することができる。配合剤としては、前記WO2012/102299号公報の段落0117〜0126に記載の安定化剤、可塑剤、軟化剤、顔料、染料、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、増感剤、分散剤、溶剤、抗菌抗カビ剤などを挙げることができる。各配合剤は適宜、組み合わせて用いることができる。また、配合剤の配合量は、用途等に合わせて適宜定めることができる。
前記紫外線硬化樹脂の製造方法は、特に限定されないが、上記各成分を、例えば減圧下または窒素等の不活性ガス雰囲気下で、混合ミキサー等の撹拌装置を用いて十分に混練し、均一に分散させる方法が好ましい。
前記不織布層11および紫外線硬化樹脂3を含浸したUV含浸層10に、粘着層12を積層して一体化したシート1は紫外線硬化前は紫外線硬化樹脂3がゲル状であり、シート1は全体的に柔軟性および屈曲性を有する。
紫外線照射前のシート1を、図2に示すように、自動車に配索する複数の丸電線Wからなるワイヤハーネス50の外周に寿司巻きで巻き付けている。なお、貼り合わせで巻き付けてもよい。
該巻き付け時に粘着層12をワイヤハーネス50の電線Wに接する内周面とし、該粘着層12に隣接したUV含浸層10を不織布層11より内周側に位置させ、不織布層11を外周に位置させている。このワイヤハーネスへのシート1の巻き付けは、シート1が硬化されずに柔軟性を有しているため、容易に巻き付けることができる。
シート1を巻き付けるワイヤハーネス50の領域は部分的であっても、全長であっても良いが、本実施形態では、ワイヤハーネス50を曲げ配索する領域を挟む略全長としている。
シート1をワイヤハーネス50に巻き付け、粘着層12により巻き付け状態を保持して、図3に示すように、紫外線照射ランプ(SEN特殊光源社製)17でシート1を外周側から照射する。本実施形態ではシート1を巻き付けたワイヤハーネスの上方から紫外線を照射して、シート1に含浸した紫外線硬化樹脂3を硬化している。この紫外線硬化樹脂3は連鎖移動剤(B)により、紫外線が照射されない内部側およびワイヤハーネスを囲む両側および下方を含む全周に巻き付けたシート1内に含浸する紫外線硬化樹脂3が硬化される。このように、シート1の全体が硬化して、ワイヤハーネス50を中空部に挿通する筒形のプロテクタ状としている。
詳細には、紫外線照射ランプ17を照射すると、外周側の不織布層11の繊維の隙間を通してUV含浸層10の紫外線硬化樹脂3に紫外線が当たり硬化が開始する。この硬化が開始した部分から不織布の繊維で紫外線が遮られた内部およびワイヤハーネスで紫外線の光が遮断された下部側にも連鎖移動剤(B)により硬化していく。
前記紫外線の照射で、紫外線が直接に当たるシート部分のUV含浸層10の表面側の紫外線硬化樹脂3は略瞬時に乾燥硬化する。繊維で隠れて暗部側となる内部の紫外線硬化樹脂および下部側の紫外線硬化樹脂の硬化時間は若干遅れるが数分で硬化する。
また、ワイヤハーネスを配索上で屈曲する必要がある部分は、シート1を巻き付けた状態でワイヤハーネス50を屈曲し、シート1も屈曲する。この屈曲状態で紫外線を照射すると、シート1は屈曲状態で硬化し、屈曲した筒形状となり、樹脂成形品からなる屈曲させたプロテクタと同形状となる。よって、ワイヤハーネス50を屈曲して配索する経路規制の機能をシート1に持たせることができる。
図4に、第1実施形態のシート1からなる外装材をワイヤハーネスに巻き付けたワイヤハーネスの実施形態の第1変形例を示す。
該第1変形例では、ワイヤハーネス50に巻き付けたシート1に紫外線照射して硬化する領域X1と、紫外線を照射せずに硬化していない領域X2とを設けている。この非照射の領域X2では、硬化させずに柔軟性およびワイヤハーネス50の屈曲に追従できる屈曲性を保持させている。
即ち、ワイヤハーネス50の一部に屈曲性を保持する領域を設ける必要がある場合、当該領域X2のシート1は紫外線照射せずに柔軟性を保持させ、他の領域X1ではシート1を紫外線照射して硬化している。
このように、1枚の連続したシート1をワイヤハーネス50に巻き付けて、紫外線照射する領域X1と、紫外線照射しない領域X2とを共存させることで、硬化した外装材と柔軟性および屈曲性を有する外装材とを外装した機能を備えたものとすることができる。
図5にワイヤハーネスの第2変形例を示す。
第2変形例では、ワイヤハーネスに巻き付けた前記シート1を更に汎用されている樹脂製のコルゲートチューブ33で外装している。外部干渉材が鋭利な部材である場合には、コルゲートチューブ33を外装することで、保護機能をより高めることができる。
図6にワイヤハーネスの第3変形例を示す。
第3変形例では、ワイヤハーネスは導電体を平行配線してラミネートフィルムで被覆したフラットハーネス51からなり、該フラットハーネス51に前記シート1をかぶせて外装し、該シート1を硬化している。
図7(A)〜(D)に第1実施形態のシートの変形例を示す。
図7(A)の第1変形例は不織布2の全体に暗部硬化性の紫外線硬化樹脂3を含浸して、全体をUV含浸層10としている。
図7(B)の第2変形例は不織布2の両面に前記紫外線硬化樹脂3を含浸して、両面をUV含浸層10ー1、10−2とし、不織布層11を挟んでいる。
図7(C)の第3変形例は第1実施形態の不織布層11の上面に前記紫外線硬化樹脂3のみからなる紫外線硬化樹脂フィルム15を積層している。
図7(D)は前記第1変形例のシートの上面に紫外線硬化樹脂フィルム15を積層している。
図8に第2実施形態の外装材を示し、第1実施形態のシート1に代えて、シート1より幅狭としたテープ20としている。
テープ20は図8(B)に示すように、ワイヤハーネス50の外周面に螺旋状に巻き付けて、荒巻き、ラップ巻きしている。他の構成および機能は第1実施形態のシート1と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
前記第1、第2実施形態では、紫外線硬化樹脂3として連鎖移動剤(B)を配合した暗部硬化性の紫外線硬化樹脂を不織布に含浸しているが、連鎖移動剤(B)を配合せず、紫外線硬化材(A)に紫外線重合開始剤(C)を配合した紫外線硬化樹脂を含浸してもよい。この場合、ワイヤハーネスの外周に巻き付けたシートまたはテープに含浸した紫外線硬化樹脂を硬化するために、ワイヤハーネスの全周に紫外線を照射する必要があるが、紫外線を照射することで紫外線硬化樹脂を硬化させてプロテクタ状とすることができる。
1 シート
2 不織布
3 紫外線硬化樹脂
10 UV含浸層
11 不織布層
12 粘着層
15 紫外線硬化樹脂フィルム
17 紫外線照射ランプ
20 テープ
50 ワイヤハーネス
W 電線

Claims (6)

  1. ワイヤハーネスの外周面に巻き付けられる外装材であり、
    不織布の少なくとも一面に紫外線硬化樹脂を含浸させたテープまたはシートからなり、前記紫外線硬化樹脂は紫外線照射前は柔軟性を有するゲル状であると共に紫外線照射後は変形不可に硬化されるものであるワイヤハーネス用の外装材。
  2. 前記不織布のみからなる層の一面または両面に前記紫外線硬化樹脂を含浸させたUV含浸層を備え、または、前記不織布の全体に紫外線硬化樹脂を含浸させ、かつ、
    粘着層を一方外面に設けている請求項1に記載のワイヤハーネス用の外装材。
  3. 前記紫外線硬化樹脂は暗部硬化性を有し、
    イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物に対し、水酸基を2つ以上有するポリオールの水酸基の2つ以上が(メタ)アクリレートとエステル結合を形成することにより、水酸基の数が1以下に設定されたポリオールの(メタ)アクリレートを主成分とする紫外線硬化材(A)と、
    ウレタン結合、尿素結合、イソシアネート基から選択される少なくとも1種を1個以上含む化合物と、含金属化合物とを含有する金属錯体化合物からなる連鎖移動剤(B)と、 紫外線重合開始剤(C)と、
    を含む組成物からなる請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス用の外装材。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の外装材を、紫外線照射前にワイヤハーネスの外周面に巻き付け、巻き付け後に紫外線を照射して、含浸した前記紫外線硬化樹脂を硬化させているワイヤハーネスの形成方法。
  5. 前記ワイヤハーネスを巻き付けた外装材と共に屈曲し、該屈曲状態で紫外線を照射して硬化している請求項4に記載のワイヤハーネスの形成方法。
  6. 請求項4または請求項5に記載の方法で形成されたワイヤハーネスであって、前記外装材が部分的または全体的に硬化されているワイヤハーネス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105732939A (zh) * 2016-02-19 2016-07-06 中国科学院长春应用化学研究所 一种水性聚氨酯、制备方法及水性聚氨酯胶粘剂
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JP2018156878A (ja) * 2017-03-21 2018-10-04 矢崎総業株式会社 ワイヤハーネス成形方法

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