JP2014206229A - クラッチ機構、およびクラッチ付きモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動モータの回転が入力される回転駆動入力部材41と、入力部材41と軸方向に沿って対向して配置された出力部材46と、入力部材41および出力部材46の回転中心上に設けられた断面円形の摺動面を外周部に有した拘束部材43と、拘束部材43の外周側に配置され、軸方向に平行な回転軸44d周りに揺動自在に設けられ、駆動突起41cおよび従動突起46cの少なくとも一方に押圧されることによって揺動する揺動部材45と、を備え、揺動部材45は、駆動突起41cと従動突起46cとが突き当たることによって、拘束部材43と非接触の状態で拘束され、駆動突起41cまたは従動突起46cのいずれか一方のみが突き当たることによって、回転軸44d周りに回転して拘束部材43に突き当たるようにした。
【選択図】図14
Description
そして、出力軸側が回転したときには、出力軸の突起が、入力軸の係合爪に当たるよりも先に、ピンによって揺動可能に設けられた揺動部材に突き当たり、この揺動部材が揺動する。すると、揺動した揺動部材の一端が外周側に突出し、入力軸、出力軸、および揺動部材を収容するハウジングの内周面に形成された凹凸の凹部に食い込むことで、出力軸の回転を阻止するようになっている。
また、ハウジングは、揺動部材が外周側の凹部に向けて押し付けられたときに、ハウジング自体が押し広げられる方向に変形しないよう、十分な剛性を備えたものとすることができる。すると、ハウジングは、厚み、重量ともに大きくなり、クラッチ自体の大型化、重量増大につながるとともに、材料コストも上昇する。
そこで本発明の目的は、動作音や振動を低減するとともに、小型化、軽量化、低コスト化を図ることのできるクラッチ機構、およびクラッチ付きモータを提供することである。
このクラッチ機構においては、拘束部材に揺動部材を押しつけて出力部材の回転を拘束する。拘束部材を内周側に設けることによって、拘束部材を小さくすることができ、剛性も確保しやすい。したがって、クラッチ機構の小型化、軽量化を図ることができる。
また、拘束部材の摺動面を凹凸の無い断面円形としたので、揺動部材を押しつけるときのガタも小さく、騒音や振動も生じにくい。
このようにして、揺動部材が拘束部材に非接触の状態で入力部材に回転力が入力されたときには、揺動部材が拘束部材と非接触の状態で拘束され、揺動部材が不用意に揺動して拘束部材と接触してしまうのを確実に防ぐことができる。
また、出力部材に回転力が入力されたときには、揺動部材を確実に揺動させて拘束部材に押し付けることによって、出力部材の回転を確実にロックすることができる。
さらに、揺動部材が拘束部材に突き当たった状態で入力部材に回転力が入力されたときには、揺動部材を拘束部材から離間させ、ロック状態から速やかに解除させることができる。
このようにして、従動突起が移動したときには、従動突起が突き当たり部に速やかに突き当たり、確実に揺動部材を揺動させたり揺動を拘束したりすることができる。
このようにして、駆動突起き当たり部を外周部に向けて突出形成することで、駆動突起が駆動突起き当たり部に速やかに突き当たり、確実に揺動部材を揺動させたり揺動を拘束したりすることができる。
これにより、揺動部材を拘束部材に近接させつつ、不用意に拘束部材に接触するのを防ぐことができる。
これによって、揺動部材と駆動突起との接触面積をわずかでも大きくすることができ、駆動突起が揺動部材に突き当たるときの動作音や衝撃を抑えることができる。
これにより、揺動部材に駆動突起または従動突起が突き当たるときに、揺動部材を回動自在に支持する回転軸に過大な負荷がかかるのを防ぐことができる。
これによって、入力側からの入力が、出力側からの入力に確実に勝るようにすることができる。
ここで、前記回転軸から前記駆動突起が突き当たる位置までの距離と、前記回転軸から前記従動突起が突き当たる位置までの距離の比との比が、1:1〜2.4:1であるようにしてもよい。
これによって、従動突起と揺動部材とが滑らかに突き当たり、異音の発生や従動突起と揺動部材との接触不良によりガタツキを防止できる。
このように、上記したようなクラッチ機構を備えることによって、小型、軽量で、しかも騒音や振動の生じにくいクラッチ付きモータを提供することができる。
このように、電動モータは、リング状のステータの内側に、リング状のロータが設けられたブラシレスモータであり、そのロータは、入力部材の外周部に固定されているので、クラッチ付きモータの軸方向の長さを抑えることができる。
また、入力部材がロータの回転軸を兼ねることになるため、部品点数を抑えることが可能となる。
さらに、前記減速機は、前記出力部材に設けられた駆動ギヤと、前記駆動ギヤの周囲で遊星運動する一対の遊星ギヤと、前記一対の遊星ギヤを回転自在に保持するとともに、一対の前記遊星ギヤの中間部に前記出力軸が設けられた遊星キャリアと、を備えているようにしてもよい。
このようにして、遊星ギヤを用いた減速機により、電動モータ,クラッチ機構,減速機を同軸構造とし、小型化を図ることが可能となる。
〔第1の実施形態〕
(クラッチ付きモータ)
図1は、クラッチ付きモータの外観を示す斜視図である。図2は、図1に示したクラッチ付きモータの断面図である。図3は、クラッチ付きモータのハウジングの蓋体の構成を示す斜視展開図である。図4は、ハウジングに収められたクラッチ機構の構成を示す斜視展開図である。
図1〜図4に示すように、クラッチ付きモータ1は、例えば、車両のパワーウインド装置等に用いられるものであって、ハウジング2に、電動モータ3と、クラッチ機構4と、減速機5とが収容されている。
ハウジング2は、有底円筒状のヨーク20と、ヨーク20の開口を塞ぐよう設けられる蓋体23と、から構成されている。
図5は、クラッチ付きモータの電動モータおよびクラッチ機構を示す斜視図、図6は、図5の平面図である。図7は、電動モータの構成を示す斜視展開図である。
これらの図に示すように、電動モータ3は、ステータ31と、ロータ32と、駆動基板33と、を備えて構成されている。
ステータ31は、全体として中央部に開口部31aが形成された円環状をなしている。ステータ31は、外周側のリング部31bと、リング部31bの内周側において、周方向に間隔を隔てて、それぞれが内方に向けて延出形成された複数のコア部31cと、コア部31cに巻き回された巻線31dと、を備えて形成されている。
ロータ本体34は、後に詳述する入力部材41の外周部に嵌め込まれ、この入力部材41およびベアリング42を介して支持部材25の筒状部25aに回転自在に支持されている。
マグネット35は、開口部31aの内側において、開口部31aを構成する複数のコア部31cと所定のクリアランスを隔てて対向するよう配置されている。
ヨーク20の底板21には、一端が駆動基板33に電気的に接続される不図示のリード線をヨーク20外に導出するためのリード線導出孔21rが形成されている。
図8は、クラッチ機構の構成を示す立面図、図9は、クラッチ機構を構成する入力部材の斜視図、図10は、クラッチ機構の部品のレイアウトを示す平断面図である。
図2、図4、および図8〜図10に示すように、クラッチ機構4は、入力部材41と、ベアリング42と、拘束部材43と、キャリアプレート44と、揺動部材45と、出力部材46と、を備えている。
また、駆動突起41cは、ヨーク20の底板21側から見ると、ベース部41aの外周側から内周側に向けて、周方向の長さが漸次小さくなるよう、扇状の断面形状とされ、内周側の端部41gは、R形状に丸め加工されている。
拘束部材43は、その中央部に、支持部材25の筒状部25aが挿入される貫通孔43hが形成されている。
この拘束部材43は、ヨーク20の底板21上において、入力部材41および出力部材46の回転中心上に設けられている。拘束部材43の小径部43cの先端面は、小径部43cよりも外径の大きなワッシャ47を介してベアリング42の内輪に突き当たるようになっている。
このキャリアプレート44は、ブラケット部44cを含め、入力部材41の駆動突起41c,41c,41cの内周側に収まるような外径で形成されている。
また、揺動部材45の外周側の二つの隅部45c,45dの間は、揺動部材45の中心側に向けて凹んだ湾曲凹部45jが形成されている。
また、駆動突起41cは、周方向において揺動部材45を挟んで一方の側と他方の側にそれぞれ設けられ、入力部材41の回転方向に応じて、いずれか一方の駆動突起41cが揺動部材45に突き当たるようになっている。
図11は、クラッチ付きモータの内部に設けられた減速機を示す斜視図、図12は、減速機の部品構成を示す斜視展開図、図13は、遊星歯車の構成を示す斜視展開図である。
図11〜図13に示すように、減速機5は、ヨーク20の内周面に嵌め込まれたリングギヤ51と、リングギヤ51の内方に配置された二つの遊星ギヤ52,52と、二つの遊星ギヤ52,52を連結・保持する遊星キャリア53と、を備えている。
遊星ギヤ保持部53bと、遊星ギヤ52の中央部には、それぞれ貫通孔53h、52hが形成されている。これら貫通孔53h、52hに、連結ピン56が挿入されることで、遊星ギヤ保持部53bに、遊星ギヤ52が回転自在に支持されている。
そして、凹部57の大径部57aに駆動ギヤ46gおよびスナップリング48が収容され、センターシャフト24の先端部が小径部57bに挿入されている。
一方、小径部57bの最奥部には、自由長よりも圧縮された状態のコイルスプリング58が挿入配置されている。このコイルスプリング58においてセンターシャフト24側の先端部には、コイルスプリング58とほぼ同径の円板状のプレート59が配置され、このプレート59とセンターシャフト24の凹部24aとの間には例えばスチール製で球状のボール部材60が挟み込まれている。
このようにして、遊星キャリア53は、蓋体23およびセンターシャフト24に対して相対的に回転自在に設けられている。
ここで、コイルスプリング58が弾性変形可能であるので、センターシャフト24や、クラッチ機構4等の各部の製造誤差を吸収することが可能である。
次に、上記したような構成のクラッチ付きモータ1の動作について説明する。
上記したようなクラッチ付きモータ1は、車両のウインドガラスを昇降させるための駆動機構(いずれも不図示)の近傍に配置されている。そして、ヨーク20の底板21に形成されたリード線導出孔21rから外部に導出された不図示のリード線が、ウインドガラスを昇降させるためのスイッチに電気的に接続されている。また、出力ギヤ55が、車両のウインドガラスを昇降させるための駆動機構に連結される。
図14は、ウインドガラスを開くときのクラッチの動作を示す図である。
この図に示すように、ウインドガラスを開くときには、ユーザがスイッチを操作することによって、不図示のリード線および駆動基板33を介して電流がステータ31に供給され、ステータ31で発生した電磁力によってロータ32が所定の方向に回転する。
すると、ロータ32に内嵌されている入力部材41が、ベアリング42を介して支持部材25の筒状部25a周りに、所定の方向に回転する。
この遊星キャリア53の回転により、出力ギヤ55が設けられた出力軸54が中心軸周りに回転するので、その結果、車両のウインドガラスを昇降させるための駆動機構が駆動されて、ウインドガラスが開く。
図15は、ウインドガラスを閉じるときのクラッチの動作を示す図である。
この図に示すように、ウインドガラスを閉じるときには、ユーザがスイッチを操作することによって、不図示のリード線および駆動基板33を介して電流がステータ31に供給され、ステータ31で発生した電磁力によってロータ32が、ウインド開動作のときとは反対方向に回転する。
このとき、駆動突起41cは、揺動部材45の隅部45bに隣接した、外周側に凸となる湾曲面45hに突き当たり、従動突起46cは、隅部45bとは対角状に位置する隅部45dに隣接した、湾曲凹部45jに突き当たる。このようにして、駆動突起41cと従動突起46cとが揺動部材45に2点で突き当たることによって、揺動部材45はピン44d周りでの回転が拘束され、揺動部材45が拘束部材43の大径部43bに非接触の状態とされるようになっている。これにより、入力部材41の回転が出力部材46にそのまま伝達される。
図16は、ウインドガラスをロックするときのクラッチの動作の流れを示す図である。
この図に示すように、ウインドガラスが、ウインドガラス自体の重量や、ウインドガラスが下がる方向に何らかの外力が加わった場合は、まず、出力ギヤ55が設けられた出力軸54が回転し、その回転が減速機5を介してクラッチ機構4の出力部材46に伝達される。
すると、まず、従動突起46cが揺動部材45の外周側の隅部45cに隣接した部分で湾曲凹部45jに突き当たる。このとき、駆動突起41cは、揺動部材45には接触しない位置にある。
ここで、従動突起46cの角部には丸面取り部46c1が形成されており、この丸面取り部46c1が揺動部材45の湾曲凹部45jに突き当たるので、揺動部材45は、スムーズに揺動する。
図17は、ウインドガラスがロックされた状態から、ウインドガラスを開くときのクラッチの動作の流れを示す図である。
上記のようにして揺動部材45が回転して拘束部材43に押しつけられることによって、ウインドガラスがロックされている状態(図16(c)参照)において、ユーザがスイッチを操作することによって、ウインドガラスを下げる場合、電動モータ3によって入力部材41が所定の方向(図17の矢印方向)に回転する。
この状態から入力部材41がさらに回転すると、凹部41dの周方向一端部41xが従動突起46cに突き当たり、これによって、出力部材46が入力部材41とともに連れ回る。
図18は、ウインドガラスがロックされた状態から、ウインドガラスを閉じるときのクラッチの動作の流れを示す図である。
この図に示すように、上記のようにして揺動部材45が回転して拘束部材43に押しつけられることによって、ウインドガラスが開いた状態でロックされている状態(図16(c)参照)において、ユーザがスイッチを操作することによって、ウインドガラスを上げる場合、電動モータ3によって入力部材41が所定の方向(図18の矢印方向)に回転する。
また、拘束部材43の摺動面を形成する大径部43bの外周部を断面円形としたので、揺動部材45を押しつけるときのガタも小さく、騒音や振動も生じにくい。
さらに、揺動部材45が拘束部材43に突き当たった状態で入力部材41に回転力が入力されたときには、揺動部材45が回転軸44d周りに回転して拘束部材43から離間して非接触の状態となるようにした。これにより、ロック状態から速やかに解除させることができる。
さらに、揺動部材45は、駆動突起41cが突き当たる隅部45a,45bが揺動部材45の外周部に向けて突出形成されているようにした。
このようにして、駆動突起41cや従動突起46cが隅部45a,45b、45c,45dに速やかに突き当たり、揺動部材45を確実に揺動させたり揺動を拘束したりすることができる。
しかも、揺動部材45は、駆動突起41cが突き当たる部分が、外周側に膨出した湾曲面45hにより形成されている。これによって、揺動部材45と駆動突起41cとの接触面積をわずかでも大きくすることができ、駆動突起41cが揺動部材45に突き当たるときの騒音や衝撃を抑えることができる。
また、従動突起46cの角部には丸面取り部46c1が形成されている一方、揺動部材45には湾曲凹部45jが形成されている。そして、従動突起46cと揺動部材45とが突き当たる際、従動突起46cの丸面取り部46c1と揺動部材45の湾曲凹部45jに突き当たるので、揺動部材45をスムーズに揺動させることができる。このため、従動突起46cと揺動部材45とが突き当たる際の異音の発生を防止できる。さらに、従動突起46cと揺動部材45との接触不良によるガタツキを防止できる。
また、入力部材41がロータ32の回転軸を兼ねることになるため、部品点数を抑えることが可能である。
さらに、ヨーク20がクラッチ付きモータ1のハウジングを兼ねているので、これによっても部品点数を抑えることができる。
例えば、減速機5は、遊星式であれば、例えばハイポサイクロイド減速機や、2K-H型遊星減速機等、他の構成のものを用いてもよい。
また、例えば、駆動突起41cは、入力部材41の外周部に設けるようにしたが、揺動部材45に突き当たる部分のみがあればよく、例えば、図19に示すようなシャフト80を入力部材41に形成してもよい。
次に、本発明にかかるクラッチ機構の第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態においては、上記第1の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
以下に説明するクラッチ機構は、上記第1の実施形態で示したクラッチ機構4に代えて用いることもできるし、上記第1の実施形態で示したのとは異なる構成のモータ等に組み合わせて用いることができるものである。
これらの図に示すように、クラッチ機構140は、入力部材141と、拘束部材142と、キャリアプレート144と、揺動部材145と、出力部材146とが、ハウジング150内に収容された構成を有している。
前記のボトムハウジング151は、底板151bと、底板151bの外周部から立ち上がる周壁部151cとを有しており、この周壁部151cが拘束部材142として機能する。
前記の蓋体152の下面には、開口部152aの外周側に、周方向に連続する環状の凸部154が形成されている。キャリアプレート144は、開口部144aに凸部154を挿入することで、蓋体152を中心に回転自在に支持される。
各揺動部材145は、拘束部材142に向く部分が、直線部145aと、その両側で、直線部145aに対してボトムハウジング151の内周側に向けて傾斜した傾斜部145b,145bと、から形成されている。そして、揺動部材145の周方向における両側面145c、145cは、ピン148の位置におけるボトムハウジング151の径方向に平行に形成されている。
さらに、揺動部材145には、両側面145c、145cと、入力部材141の駆動突起147とが突き当たったときに、揺動部材145と入力部材141のアームプレート部141bとが接触してしまうことを回避するための逃げ面145dが形成されている。
従動突起155は、軸状部146b側から外周側に行くにしたがい、周方向における厚さが漸次縮小する断面台形状に形成されている。
図22(a)はウインドガラスを開くときのクラッチの動作を示す図である。
この図に示すように、上記したようなクラッチ機構140においては、入力軸141sが所定の方向に回転すると、これとともに入力部材141が回転する(図中、矢印方向)。すると、入力部材141の突き当たり面141sが出力部材146の従動突起155に突き当たり、これによって、入力部材141とともに出力部材146が連れ回るようになっている。
このとき、揺動部材145は、拘束部材142に非接触の状態を維持している。
これにより、出力部材146とともに出力軸160が回転し、これによってウインドガラスが開動作される。
図22(b)はウインドガラスを閉じるときのクラッチの動作を示す図である。
この図に示すように、上記したようなクラッチ機構140においては、入力軸141sが、上記の開動作のときと反対方向回転すると、これとともに入力部材141が回転する(図中、矢印方向)。すると、入力部材141の突き当たり面141sが出力部材146の従動突起155に突き当たり、これによって、入力部材141とともに出力部材146が連れ回るようになっている。
これにより、出力部材146とともに出力軸160が回転し、これによってウインドガラスが閉動作される。
図23は、ウインドガラスをロックするときのクラッチの動作を示す図である。
この図に示すように、ウインドガラスが、ウインドガラス自体の重量や、ウインドガラスが下がる方向に何らかの外力が加わった場合は、まず、出力軸160とともに出力部材146が回転する。すると、出力部材146の従動突起155が揺動部材145の凹部149に突き当たる。
すると、揺動部材145の外周面側に形成されていた傾斜部145bが、拘束部材142に押し付けられ、摩擦力によって出力部材146の回転が阻止される。その結果、ウインドガラスが下がる方向に動くのをロックする。
図24は、ウインドガラスがロックされた状態から、ウインドガラスを開くときのクラッチの動作を示す図である。
この図に示すように、上記のようにしてウインドガラスがロックされている状態において、ユーザがスイッチを操作することによって、ウインドガラスを下げる場合、入力部材141が所定の方向に回転する。
その後は、従動突起155が揺動部材145の凹部149に突き当たる。その結果、揺動部材145は、ピン148を挟んで一方の側と他方の側とで、入力部材141と出力部材146とによって押圧されて角度が拘束されたまま、拘束部材142に非接触の状態を維持し、入力部材141と出力部材146とともに回転する。
これにより、出力部材146とともに出力軸160が回転し、これによってウインドガラスが開動作される。
図25は、ウインドガラスがロックされた状態から、ウインドガラスを閉じるときのクラッチの動作を示す図である。
この図に示すように、上記のようにしてウインドガラスがロックされている状態において、ユーザがスイッチを操作することによって、ウインドガラスを上げる場合、入力部材141が所定の方向に回転する。
さらに入力部材141が回転すると、入力部材141の突き当たり面141sが出力部材146の従動突起155に突き当たり、これによって、入力部材141とともに出力部材146が連れ回るようになっている。
これにより、出力部材146とともに出力軸160が回転し、これによってウインドガラスが閉動作される。
ここで、出力部材146と揺動部材145とが互いに噛み合うように設けられることで、クラッチ機構140の径寸法を小さくすることができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
2 ハウジング
3 電動モータ
4 クラッチ機構
5 減速機
20 ヨーク
23 蓋体
24 センターシャフト
24a 凹部
31 ステータ
32 ロータ
33 駆動基板
41 入力部材
41c 駆動突起
41d 凹部
43 拘束部材
43b 大径部
44 キャリアプレート
44d ピン(回転軸)
45 揺動部材
45a,45b 隅部(駆動突起突き当たり部)
45c,45d 隅部(突き当たり部)
45e 湾曲凹部
45h,45i 湾曲面
45j 湾曲凹部
46 出力部材
46c 従動突起
46c1 丸面取り部
51 リングギヤ
52 遊星ギヤ
53 遊星キャリア
54 出力軸
55 出力ギヤ
140 クラッチ機構
141 入力部材
142 拘束部材
144 キャリアプレート
145 揺動部材
146 出力部材
147 駆動突起
148 ピン
149 凹部
150 ハウジング
151 ボトムハウジング
151c 周壁部
154 凸部
155 従動突起
160 出力軸
L1 距離
L2 距離
Claims (16)
- 電動モータの回転が入力されることによって軸周りに回転駆動されるとともに、軸方向に突出した駆動突起が周方向に沿って間隔を隔てて複数形成された入力部材と、
前記入力部材と前記軸方向に沿って対向して配置され、前記軸方向に突出した従動突起が周方向において互いに隣接する前記駆動突起の間に形成された出力部材と、
前記入力部材および前記出力部材の回転中心上に設けられた断面円形の摺動面を外周部に有した拘束部材と、
前記拘束部材の外周側に配置され、前記軸方向に平行な回転軸周りに揺動自在に設けられた揺動部材と、を備え、
前記揺動部材は、
前記駆動突起と前記従動突起とが突き当たることによって、前記拘束部材と非接触の状態で拘束され、
前記従動突起のみが突き当たることによって、前記回転軸周りに回転して前記拘束部材に接近または離間することを特徴とするクラッチ機構。 - 前記揺動部材は、前記揺動部材が前記拘束部材に非接触の状態で前記入力部材に回転力が入力されたときには、前記駆動突起と前記従動突起とが、前記回転軸を挟んだ一方の側と他方の側とに突き当たることによって、前記拘束部材と非接触の状態で拘束され、
前記出力部材に回転力が入力されたときには、前記従動突起のみが前記揺動部材に突き当たることによって、該揺動部材が前記回転軸周りに回転して前記拘束部材に突き当たり、
前記揺動部材が前記拘束部材に突き当たった状態で前記入力部材に回転力が入力されたときには、前記揺動部材が前記回転軸周りに回転して前記拘束部材から離間して非接触の状態となることを特徴とする請求項1に記載のクラッチ機構。 - 前記従動突起は、前記拘束部材を中心として、前記回転軸よりも外周側で前記揺動部材に突き当たり、
前記駆動突起は、前記回転軸よりも内周側で前記揺動部材に突き当たることを特徴とすることを特徴とする請求項1または2に記載のクラッチ機構。 - 前記揺動部材は、前記周方向において、前記従動突起を挟んで一方の側と他方の側に、それぞれ前記従動突起が突き当たる突き当たり部が該揺動部材の外周部に向けて突出形成され、前記従動突起は、前記出力部材の回転方向に応じて、いずれか一方の突き当たり部に突き当たることを特徴とする請求項3に記載のクラッチ機構。
- 前記駆動突起は、前記周方向において前記揺動部材を挟んで一方の側と他方の側にそれぞれ設けられ、前記入力部材の回転方向に応じて、いずれか一方の前記駆動突起が前記揺動部材に突き当たることを特徴とする請求項3または4に記載のクラッチ機構。
- 前記揺動部材は、前記駆動突起が突き当たる駆動突起突き当たり部が該揺動部材の外周部に向けて突出形成されていることを特徴とする請求項5に記載のクラッチ機構。
- 前記揺動部材は、前記拘束部材に対向する側が、周方向両端部に対して周方向中間部が、前記拘束部材から離間する側に凹んで形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載のクラッチ機構。
- 前記揺動部材は、前記駆動突起が突き当たる部分が、外周側に膨出した湾曲面により形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のクラッチ機構。
- 前記湾曲面は、前記揺動部材に前記駆動突起が突き当たる方向が、前記揺動部材の内方に向かうよう形成されていることを特徴とする請求項8に記載のクラッチ機構。
- 前記揺動部材は、前記回転軸から前記駆動突起が突き当たる位置までの距離よりも、前記回転軸から前記従動突起が突き当たる位置までの距離が短く設定されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のクラッチ機構。
- 前記回転軸から前記駆動突起が突き当たる位置までの距離と、前記回転軸から前記従動突起が突き当たる位置までの距離の比との比が、1:1〜2.4:1であることを特徴とする請求項5に記載のクラッチ機構。
- 前記従動突起の前記揺動部材に突き当たる部位が断面弧状に形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のクラッチ機構。
- 請求項1から12のいずれか一項に記載のクラッチ機構と、
前記クラッチ機構の前記入力部材を回転駆動させる電動モータと、
を備えることを特徴とするクラッチ付きモータ。 - 前記電動モータは、リング状のステータの内側に、リング状のロータが設けられ、
前記ロータは、前記入力部材の外周部に固定されていることを特徴とする請求項12に記載のクラッチ付きモータ。 - 前記クラッチ機構の前記出力部材の回転を減速する減速機をさらに備え、
前記減速機は、前記出力部材と同軸上に配置された出力軸を有することを特徴とする請求項12または13に記載のクラッチ付きモータ。 - 前記減速機は、前記出力部材に設けられた駆動ギヤと、
前記駆動ギヤの周囲で遊星運動する一対の遊星ギヤと、
前記一対の遊星ギヤを回転自在に保持するとともに、一対の前記遊星ギヤの中間部に前記出力軸が設けられた遊星キャリアと、
を備えていることを特徴とする請求項14に記載のクラッチ付きモータ。
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